JP2008140852A - 半導体回路形成用フィルムおよびそれを使用した半導体回路の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 半導体回路形成用フィルムを使用して半導体回路を形成する際に、電極を含む転写側樹脂層と該回路形成用フィルムを構成する接着剤層との剥離性を良好にすることにより、電極表面への接着剤層の残存を防止し、電気特性に優れた半導体回路を提供する。
【解決手段】 樹脂成分に発泡剤を含有させた接着剤層を介して、有機フィルムと電極を貼着させて半導体回路形成用フィルムを作製し、該電極上に転写側樹脂層および支持板を順次積層した後、転写側樹脂層と接着剤を容易に剥離し、転写側樹脂面に電極の一端を露出した半導体回路を製造する。
【選択図】 図6
【解決手段】 樹脂成分に発泡剤を含有させた接着剤層を介して、有機フィルムと電極を貼着させて半導体回路形成用フィルムを作製し、該電極上に転写側樹脂層および支持板を順次積層した後、転写側樹脂層と接着剤を容易に剥離し、転写側樹脂面に電極の一端を露出した半導体回路を製造する。
【選択図】 図6
Description
本発明は、半導体アッセンブリ工程のICチップ周辺回路すなわちフレキシブル配線基板(FPC)形成に際して用いられる半導体回路形成用フィルムおよびそれを使用した半導体回路の製造方法に関する。
近年、半導体はその用途を広げるために、柔軟性に優れた薄型のものが望まれており、その基板としてフィルムを採用することが多くなっている。しかし、フィルム上に存在する電極に回路形成すると、その電極が外部に突出することになり、磨耗や衝撃等に対して弱いことが問題であった。そこで、突出した電極をメッキや樹脂などで被覆した半導体装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、この方法では基板上に電極が露出しないため、その用途を制限してしまう場合があった。
一方、電極が露出する構造の半導体回路形成用フィルムとして特許文献2が開示されている。その作製方法を簡単に述べると、フィルムと電極を接着剤により貼着し、回路形成した電極上に転写側樹脂を射出した後、接着剤を剥離する過程を経ている。
しかし、この方法は、接着剤と転写側樹脂との剥離性が不十分なため、剥離の際電極上に接着剤が残存してしまい、その電気特性に問題が生じてしまう問題を有するものであった。
しかし、この方法は、接着剤と転写側樹脂との剥離性が不十分なため、剥離の際電極上に接着剤が残存してしまい、その電気特性に問題が生じてしまう問題を有するものであった。
本発明は、半導体回路形成用フィルムを使用して半導体回路を形成する際に、電極を含む転写側樹脂層と該回路形成用フィルムを構成する接着剤層との剥離性を良好にすることを目的とする。
又、本発明は、電極および転写側樹脂層と接着剤層との剥離性を良好にすることにより、電極表面への接着剤層の残存を防止し、電気特性に優れた半導体回路を形成することを目的とする。
又、本発明は、電極および転写側樹脂層と接着剤層との剥離性を良好にすることにより、電極表面への接着剤層の残存を防止し、電気特性に優れた半導体回路を形成することを目的とする。
本発明は、樹脂成分に発泡剤を混合した接着剤層を介して、有機フィルムと電極を貼着したことを特徴とする半導体回路形成用フィルムである(請求項1)。
本発明は、樹脂成分に発泡剤を混合した接着剤層を介して、有機フィルムと電極を貼着した半導体回路形成用フィルムの電極に回路パターンを形成し、その回路パターン上に転写側樹脂層および支持板を順次積層して積層体を作製し、該積層体を加熱処理した後、転写側樹脂層から接着剤層を剥離することにより、その転写側樹脂層面に電極の一端を露出して形成することを特徴とする半導体回路の製造方法である(請求項9)。
本発明の半導体回路形成用フィルムおよび半導体回路の製造方法に使用される接着剤層には、発泡効果を増すために加硫剤を含有することが好ましい(請求項2)。その加硫剤としては酸化亜鉛および/または有機過酸化物を含有することが好ましい(請求項3)。
本発明の半導体回路形成用フィルムおよび半導体回路の製造方法に使用される接着剤層には、その樹脂成分に炭酸カルシウム、酸化亜鉛および有機過酸化物を混合することが好ましい(請求項4)。
本発明の半導体回路形成用フィルムおよび半導体回路の製造方法に使用される接着剤層において、その樹脂成分に含有する該有機過酸化物は1時間半減期温度が150℃以上、250℃以下であることが好ましい(請求項5)。また、本発明の半導体回路形成用フィルムおよび半導体回路の製造方法を構成する接着剤層には、増量剤が配合されていることが好ましい(請求項6)。
本発明の半導体回路形成用フィルムおよび半導体回路の製造方法に使用される樹脂成分は、エポキシ樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体樹脂およびフェノール樹脂であることが好ましい(請求項7)。また、該フェノール樹脂はレゾール型とノボラック型の混合物からなることが好ましい(請求項8)。
本発明によれば、発泡剤を含有させた接着剤層が熱処理時に発泡し、接着剤層と転写側樹脂層を容易に剥離することができるため、電極の表面に接着剤層が残存することがない。従って、導電性に優れ、半田付けが良好な半導体回路を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の半導体回路形成用フィルムは、図1に示すとおり、接着剤層2を介して有機フィルム層1と電極3とが積層された構成を有する。該積層の際は接着剤層2には、加熱処理が施される。
本発明の半導体回路形成用フィルムを使用した半導体回路の製造方法は下記の通りである。
すなわち、まず図2に示すように電極3上に回路パターンを形成させる。次に、回路パターン上および接着剤層2上に転写側樹脂層用塗料を1回または2回以上塗工して転写側樹脂層を形成し、さらに、転写側樹脂層上に支持板5を順次積層して積層体を作製する(図3、図4、図5)。次に該積層体を加熱することにより、接着剤層2から発泡が生じ、第1の転写側樹脂層4aおよび電極3から接着剤層2を容易に剥離することができる(図6)。これにより、電極3の一端が第1の転写側樹脂層4aの面上に露出した半導体回路を形成することが出来る。
なお、支持板5は、前記積層体を構成する半導体回路形成用フィルムと転写側樹脂層を剥離する際の作業性向上に必要不可欠である。
本発明の半導体回路形成用フィルムは、図1に示すとおり、接着剤層2を介して有機フィルム層1と電極3とが積層された構成を有する。該積層の際は接着剤層2には、加熱処理が施される。
本発明の半導体回路形成用フィルムを使用した半導体回路の製造方法は下記の通りである。
すなわち、まず図2に示すように電極3上に回路パターンを形成させる。次に、回路パターン上および接着剤層2上に転写側樹脂層用塗料を1回または2回以上塗工して転写側樹脂層を形成し、さらに、転写側樹脂層上に支持板5を順次積層して積層体を作製する(図3、図4、図5)。次に該積層体を加熱することにより、接着剤層2から発泡が生じ、第1の転写側樹脂層4aおよび電極3から接着剤層2を容易に剥離することができる(図6)。これにより、電極3の一端が第1の転写側樹脂層4aの面上に露出した半導体回路を形成することが出来る。
なお、支持板5は、前記積層体を構成する半導体回路形成用フィルムと転写側樹脂層を剥離する際の作業性向上に必要不可欠である。
転写側樹脂層の塗工回数を1回または2回以上としたのは、その塗工面には電極が存在するため、1回塗工しただけではその塗工面を平坦にすることが困難であるからである。そこで、第1の転写側樹脂層4aを塗工した後、該樹脂層に含まれる溶媒を揮発させ、第2の転写側樹脂層4bを塗工することにより、転写側樹脂層面を平坦にすることができる(図4)。また、塗工回数が2回以上であれば同様に平坦な転写側樹脂層を提供することができるが、転写側樹脂層を薄くする観点からは塗工回数を2回にすることが好ましい。上記の工程によって薄厚の転写側樹脂層を作製することができるため、柔軟性を有する半導体回路形成用フィルムを使用した積層体を作製することができる。
電極の一端が第1の転写側樹脂層4aの面上に露出するとは、第1の転写側樹脂層4aの面上に存在する電極面が本発明の半導体回路に係る構成物以外の物体に直接接触することができれば良いことを意味する。
以下に本発明を構成する材料を説明する。
以下に本発明を構成する材料を説明する。
<樹脂成分>
本発明でいう樹脂成分は接着剤層に含有されるものであって、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂等の各種熱硬化性樹脂や、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等の各種熱可塑性樹脂が適用される。これらの中でもエポキシ樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体樹脂およびレゾール型とノボラック型の混合物からなるフェノール樹脂を複合成分とする熱硬化性樹脂を配合することが、電極からの剥離性の点で好ましい。
本発明でいう樹脂成分は接着剤層に含有されるものであって、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂等の各種熱硬化性樹脂や、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等の各種熱可塑性樹脂が適用される。これらの中でもエポキシ樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体樹脂およびレゾール型とノボラック型の混合物からなるフェノール樹脂を複合成分とする熱硬化性樹脂を配合することが、電極からの剥離性の点で好ましい。
本発明でエポキシ樹脂を配合する理由は高温時における電極に対する接着性を高めることにある。
本発明に用いられるエポキシ樹脂としては、1分子当たり少なくとも1個以上の1,2−エポキシ基を有するエポキシ樹脂ならばすべて使用できる。具体的には、例えば、ビスフェノールA型エポキシ、ビスフェノールF型エポキシ、水添ビスフェノールA型エポキシ、水添ビスフェノールF型エポキシ、ビスフェノールS型エポキシ、臭素化ビスフェノールA型エポキシ、ビフェニル型エポキシ、ナフタレン型エポキシ、フルオレン型エポキシ、スピロ環型エポキシ、ビスフェノールアルカン類エポキシ、フェノールノボラック型エポキシ、オルソクレゾールノボラック型エポキシ、臭素化クレゾールノボラック型エポキシ、トリスヒドロキシメタン型エポキシ、テトラフェニロールエタン型エポキシ、脂環型エポキシ、アルコール型エポキシ、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、ノニルグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンポリグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−へキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエーテル、脂肪酸変性エポキシ、トルイジン型エポキシ、アニリン型エポキシ、アミノフェノール型エポキシ、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、ヒンダトイン型エポキシ、トリグリシジルイソシアヌレート、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、ジフェニルエーテル型エポキシ、ジシクロペンタジエン型エポキシ、ダイマー酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ダイマー酸ジグリシジルエーテル、シリコーン変性エポキシ、ケイ素含有エポキシ、ウレタン変性エポキシ、NBR変性エポキシ、CTBN変性エポキシ、エポキシ化ポリブタジエン、グリシジル(メタ)アクリレート共重合体、アリルグリシジルエーテル共重合体などが挙げられる。
本発明ではこれらの中で特に多価フェノールのジグリシジルエーテルが好ましく使用することができ、具体的には、例えば、シェル化学社製 商品名:エピコート1004、東都化成社製 商品名:エポトートYD014等の市販品で知られるエピクロルヒドリンとビスフェノールAとの縮合生成物(ビスフェノールA型汎用エポキシ樹脂)が電極表面との剥離性の点で好ましい結果を得る。
本発明に用いられるエポキシ樹脂としては、1分子当たり少なくとも1個以上の1,2−エポキシ基を有するエポキシ樹脂ならばすべて使用できる。具体的には、例えば、ビスフェノールA型エポキシ、ビスフェノールF型エポキシ、水添ビスフェノールA型エポキシ、水添ビスフェノールF型エポキシ、ビスフェノールS型エポキシ、臭素化ビスフェノールA型エポキシ、ビフェニル型エポキシ、ナフタレン型エポキシ、フルオレン型エポキシ、スピロ環型エポキシ、ビスフェノールアルカン類エポキシ、フェノールノボラック型エポキシ、オルソクレゾールノボラック型エポキシ、臭素化クレゾールノボラック型エポキシ、トリスヒドロキシメタン型エポキシ、テトラフェニロールエタン型エポキシ、脂環型エポキシ、アルコール型エポキシ、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、ノニルグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンポリグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−へキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエーテル、脂肪酸変性エポキシ、トルイジン型エポキシ、アニリン型エポキシ、アミノフェノール型エポキシ、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、ヒンダトイン型エポキシ、トリグリシジルイソシアヌレート、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、ジフェニルエーテル型エポキシ、ジシクロペンタジエン型エポキシ、ダイマー酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ダイマー酸ジグリシジルエーテル、シリコーン変性エポキシ、ケイ素含有エポキシ、ウレタン変性エポキシ、NBR変性エポキシ、CTBN変性エポキシ、エポキシ化ポリブタジエン、グリシジル(メタ)アクリレート共重合体、アリルグリシジルエーテル共重合体などが挙げられる。
本発明ではこれらの中で特に多価フェノールのジグリシジルエーテルが好ましく使用することができ、具体的には、例えば、シェル化学社製 商品名:エピコート1004、東都化成社製 商品名:エポトートYD014等の市販品で知られるエピクロルヒドリンとビスフェノールAとの縮合生成物(ビスフェノールA型汎用エポキシ樹脂)が電極表面との剥離性の点で好ましい結果を得る。
上記式で表される結合アクリロニトリル量は10〜45%であることが好ましく、20〜40%であればより好ましい。上記において、結合アクリロニトリルが10%未満ではエポキシ転写側樹脂との相溶性が悪く、45%を超過すると溶剤に不溶性となり、接着層を形成することが困難である。
上述の好ましい範囲のアクリロニトリル−ブタジエン共重合体の作用は、該樹脂が高温での凝集力があり、パターン流れを起こさず、且つ、ゴム弾性があるので絞り加工時に加工しやすい利点がある。
上述の好ましい範囲のアクリロニトリル−ブタジエン共重合体の作用は、該樹脂が高温での凝集力があり、パターン流れを起こさず、且つ、ゴム弾性があるので絞り加工時に加工しやすい利点がある。
フェノール樹脂は数平均分子量(Mn)300〜5000程度(ポリスチレン換算)のレゾール型とノボラック型の併用が望ましい。レゾール型のMnが300未満では接着剤層に気泡を生じる傾向があり、5000超では硬くなりすぎて接着力が低下し、銅箔との貼り合わせが困難となる。またノボラック型のMnが5000超でも同様に硬くなりすぎて接着力が不足し、Mnが300未満では耐熱性に乏しく接着力もない。
レゾール型フェノール樹脂は樹脂の硬さをある一定の範囲で調節することができ、一方、ノボラック型フェノール樹脂は接着性と凝集力を適度に保つことにより、熱処理時にヤング率の低下を防止することができる。これらの樹脂を配合することにより、電極表面から接着剤を剥離した後、電極表面に接着剤が残らず電気特性に優れた半導体回路形成用フィルムが提供される。なお、これらの樹脂と同様の効果を生ずるものであればいかなるものでも使用することができる。
上記エポキシ樹脂/NBR/フェノール樹脂の配合比はエポキシ樹脂100重量部に対し、NBR10〜200重量部、レゾール型フェノール樹脂10〜200重量部、ノボラック型フェノール樹脂0.1〜50重量部とすることが最も好ましい。
レゾール型フェノール樹脂は樹脂の硬さをある一定の範囲で調節することができ、一方、ノボラック型フェノール樹脂は接着性と凝集力を適度に保つことにより、熱処理時にヤング率の低下を防止することができる。これらの樹脂を配合することにより、電極表面から接着剤を剥離した後、電極表面に接着剤が残らず電気特性に優れた半導体回路形成用フィルムが提供される。なお、これらの樹脂と同様の効果を生ずるものであればいかなるものでも使用することができる。
上記エポキシ樹脂/NBR/フェノール樹脂の配合比はエポキシ樹脂100重量部に対し、NBR10〜200重量部、レゾール型フェノール樹脂10〜200重量部、ノボラック型フェノール樹脂0.1〜50重量部とすることが最も好ましい。
<発泡剤>
本発明における発泡剤とは、樹脂成分に混合した後、加熱処理を施すことにより気体が発生する材料であれば、いかなる物でも使用することができる。具体的には、例えば、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、アジド化合物、炭酸カルシウム等が挙げられる。
本発明においては、炭酸カルシウムを以降に述べる加硫剤としての酸化亜鉛と有機過酸化物を併用した場合に、格別の発泡効果が期待できる。
本発明に用いられる炭酸カルシウムは、特に限定されるものではなく、例えば、重質炭酸カルシウム、沈降性炭酸カルシウム(軽質炭酸カルシウム)、膠質炭酸カルシウム等が挙げられる。また、脂肪酸、樹脂酸、脂肪酸エステル、高級アルコール付加イソシアネート化合物等により表面処理された表面処理炭酸カルシウム等も使用することができる。
これらの配合比は樹脂成分100重量部に対し、0.01〜3%が好ましく、より好ましくは0.1〜0.3%である。
本発明における発泡剤とは、樹脂成分に混合した後、加熱処理を施すことにより気体が発生する材料であれば、いかなる物でも使用することができる。具体的には、例えば、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、アジド化合物、炭酸カルシウム等が挙げられる。
本発明においては、炭酸カルシウムを以降に述べる加硫剤としての酸化亜鉛と有機過酸化物を併用した場合に、格別の発泡効果が期待できる。
本発明に用いられる炭酸カルシウムは、特に限定されるものではなく、例えば、重質炭酸カルシウム、沈降性炭酸カルシウム(軽質炭酸カルシウム)、膠質炭酸カルシウム等が挙げられる。また、脂肪酸、樹脂酸、脂肪酸エステル、高級アルコール付加イソシアネート化合物等により表面処理された表面処理炭酸カルシウム等も使用することができる。
これらの配合比は樹脂成分100重量部に対し、0.01〜3%が好ましく、より好ましくは0.1〜0.3%である。
<加硫剤>
本発明における加硫剤とは、接着剤層の樹脂成分と混合し熱処理を施す際、該樹脂の重合を促進し、且つ、発泡する性質を有する物であればいかなる物でも使用することができる。これらの性質を有する物質としては無機材料、有機材料が挙げられるが、無機材料としては酸化亜鉛、酸化マグネシウム等が該当し、有機材料としては有機過酸化物を挙げることができる。
本発明における加硫剤とは、接着剤層の樹脂成分と混合し熱処理を施す際、該樹脂の重合を促進し、且つ、発泡する性質を有する物であればいかなる物でも使用することができる。これらの性質を有する物質としては無機材料、有機材料が挙げられるが、無機材料としては酸化亜鉛、酸化マグネシウム等が該当し、有機材料としては有機過酸化物を挙げることができる。
本発明に用いられる無機加硫剤としては、酸化亜鉛が好ましいが、その粒子径や形状等は特に限定される物ではなく、いずれの物も使用することができる。
酸化亜鉛の添加量は樹脂成分100重量部に対し、0.1〜10重量部が好ましく、より好ましくは1〜5重量部である。
酸化亜鉛の添加量は樹脂成分100重量部に対し、0.1〜10重量部が好ましく、より好ましくは1〜5重量部である。
本発明に用いられる有機過酸化物としては、具体的には、例えば、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ジ(4,4−ジ−(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキシル)プロパン、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジ−メチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、n−ブチル4,4−ジ−(t−ブチルパーオキシ)バレレート、ジ(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジクミルパーオキサイド、ジ−tヘキシルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタンを挙げることができる。
本発明に用いる有機過酸化物としては、その1時間半減期温度が100℃から300℃の範囲にあることが好ましく、150℃から250℃の範囲にあることがさらに好ましい。100℃未満であると、接着剤層2を介して有機フィルム1および電極3を加熱により貼着する際に発泡が生じやすいため、電極3の回路形成をエッチングにより行う場合、エッチング液が接着剤層2と電極3の間に浸透する恐れがある。300℃超であると、前記積層体を作製した後、加熱をしても接着剤層から発泡が生じにくく、転写側樹脂層と接着剤層を剥離することが困難になる場合がある。以上より、本発明における有機過酸化物としては、p−メンタンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン等を好適に使用することができる。
これらは単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。また、その添加量は樹脂成分100重量部に対し、0.01〜5重量部が好ましく、より好ましくは0.3〜1重量部である。
本発明に用いる有機過酸化物としては、その1時間半減期温度が100℃から300℃の範囲にあることが好ましく、150℃から250℃の範囲にあることがさらに好ましい。100℃未満であると、接着剤層2を介して有機フィルム1および電極3を加熱により貼着する際に発泡が生じやすいため、電極3の回路形成をエッチングにより行う場合、エッチング液が接着剤層2と電極3の間に浸透する恐れがある。300℃超であると、前記積層体を作製した後、加熱をしても接着剤層から発泡が生じにくく、転写側樹脂層と接着剤層を剥離することが困難になる場合がある。以上より、本発明における有機過酸化物としては、p−メンタンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン等を好適に使用することができる。
これらは単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。また、その添加量は樹脂成分100重量部に対し、0.01〜5重量部が好ましく、より好ましくは0.3〜1重量部である。
<増量剤>
本発明でいう増量剤は、発泡の数を調整するための核剤として機能するフィラ−からなり、該フィラ−を多くすることにより発泡の数を増やして緻密な発泡体を得ることができるものであって、樹脂成分に含有させることができる。
代表的な増量剤としては、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、クレ−、タルク、二酸化チタン等の無機フィラ−以外に、プラスチック微粒子が本発明に適用される。
本発明でいう増量剤は、発泡の数を調整するための核剤として機能するフィラ−からなり、該フィラ−を多くすることにより発泡の数を増やして緻密な発泡体を得ることができるものであって、樹脂成分に含有させることができる。
代表的な増量剤としては、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、クレ−、タルク、二酸化チタン等の無機フィラ−以外に、プラスチック微粒子が本発明に適用される。
<有機フィルム>
本発明を構成する有機フィルムとしては、その厚みや種類が限定されるものではない。具体的には、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル類、ポリエチレン等のポリオレフィン類、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、トリアセチルセルロース、シリコーンゴム、エポキシ−ガラスクロス、エポキシ−ポリイミド−ガラスクロス等が使用できるが、ポリイミドが好ましい。ポリイミドフィルムは市販されており、例えば、東レ・デュポン社製 商品名:カプトン、宇部興産社製 商品名:ユーピレックス、カネカ社製 商品名:アピカル等が好適に使用できる。
これらの厚さは10〜150μmであれば好ましく、より好ましくは25〜75μmである。10μm未満では耐摩耗性に問題が生じる恐れがあり、また150μm超では本発明を利用した半導体の用途を制限してしまう恐れがある。
本発明を構成する有機フィルムとしては、その厚みや種類が限定されるものではない。具体的には、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル類、ポリエチレン等のポリオレフィン類、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、トリアセチルセルロース、シリコーンゴム、エポキシ−ガラスクロス、エポキシ−ポリイミド−ガラスクロス等が使用できるが、ポリイミドが好ましい。ポリイミドフィルムは市販されており、例えば、東レ・デュポン社製 商品名:カプトン、宇部興産社製 商品名:ユーピレックス、カネカ社製 商品名:アピカル等が好適に使用できる。
これらの厚さは10〜150μmであれば好ましく、より好ましくは25〜75μmである。10μm未満では耐摩耗性に問題が生じる恐れがあり、また150μm超では本発明を利用した半導体の用途を制限してしまう恐れがある。
<電極>
電極3としては分極電荷を発生する材料であれば良く、例えば、銅、アルミニウム、金、銀、白金、クロム、ニッケル、タングステン等やこれらの金属から選択される2種以上の金属からなる薄膜をパターニングしたものの他、希土類磁石、フェライト磁石、アルニコ磁石、半硬質磁石等の磁石類も使用することができる。金属薄膜としては、蒸着、メッキ、スパッタリング等により成膜されたものや、導電性ペーストを塗布乾燥して成膜されたもの、銅箔等の金属箔等が具体的に挙げられる。磁石類を電極に使用する場合、隣り合う電極をN極、S極、N極、S極、N極と交互に使用することもできる。
本発明においては銅箔を使用することが好ましい。また、銅箔の光沢面を接着剤層側、銅箔の粗面側を転写側樹脂層面に形成させると、転写側樹脂層と密着させることができる点から好ましい。銅箔の厚さは8〜50μm、好ましくは9〜40μmである。
本発明における回路パターンの形成方法は、回路パターンが電極上に形成することができればいかなる方法でもよいが、エッチングにより形成するのが好ましい。
電極3としては分極電荷を発生する材料であれば良く、例えば、銅、アルミニウム、金、銀、白金、クロム、ニッケル、タングステン等やこれらの金属から選択される2種以上の金属からなる薄膜をパターニングしたものの他、希土類磁石、フェライト磁石、アルニコ磁石、半硬質磁石等の磁石類も使用することができる。金属薄膜としては、蒸着、メッキ、スパッタリング等により成膜されたものや、導電性ペーストを塗布乾燥して成膜されたもの、銅箔等の金属箔等が具体的に挙げられる。磁石類を電極に使用する場合、隣り合う電極をN極、S極、N極、S極、N極と交互に使用することもできる。
本発明においては銅箔を使用することが好ましい。また、銅箔の光沢面を接着剤層側、銅箔の粗面側を転写側樹脂層面に形成させると、転写側樹脂層と密着させることができる点から好ましい。銅箔の厚さは8〜50μm、好ましくは9〜40μmである。
本発明における回路パターンの形成方法は、回路パターンが電極上に形成することができればいかなる方法でもよいが、エッチングにより形成するのが好ましい。
<転写側樹脂層>
転写側樹脂層に含有される樹脂成分の種類は特に限定されるわけではないが、熱硬化性樹脂を使用することが好ましい。熱硬化性樹脂を用いれば、熱処理により転写側樹脂層と支持板を貼着するとともに、発泡剤を含有する接着剤層から容易に剥離することができる。また、熱硬化性樹脂は電気絶縁性および耐熱性を有することが好ましい。本発明においては、具体的には、例えば、ポリイミド樹脂ワニス、ポリフェニレンサルファイド樹脂ワニスを塗工することが好ましい。
転写側樹脂層の厚さは1層当たり10〜25μmの範囲で塗工することが好ましいが、特にこれに限定されるわけではない。
また、本発明を構成する転写側樹脂層は、1層に限定されるものではなく、2層以上積層することも可能である。2層以上積層することにより、回路形成した電極上に、転写側樹脂層の表面を平坦な面にすることが可能である。また、塗工する樹脂成分は1種に限定されるわけではなく、2種以上の樹脂成分を適宜混合して使用することができる。
転写側樹脂層に含有される樹脂成分の種類は特に限定されるわけではないが、熱硬化性樹脂を使用することが好ましい。熱硬化性樹脂を用いれば、熱処理により転写側樹脂層と支持板を貼着するとともに、発泡剤を含有する接着剤層から容易に剥離することができる。また、熱硬化性樹脂は電気絶縁性および耐熱性を有することが好ましい。本発明においては、具体的には、例えば、ポリイミド樹脂ワニス、ポリフェニレンサルファイド樹脂ワニスを塗工することが好ましい。
転写側樹脂層の厚さは1層当たり10〜25μmの範囲で塗工することが好ましいが、特にこれに限定されるわけではない。
また、本発明を構成する転写側樹脂層は、1層に限定されるものではなく、2層以上積層することも可能である。2層以上積層することにより、回路形成した電極上に、転写側樹脂層の表面を平坦な面にすることが可能である。また、塗工する樹脂成分は1種に限定されるわけではなく、2種以上の樹脂成分を適宜混合して使用することができる。
<支持板>
支持板5としては接着剤層2を発泡させる加熱時において、溶融しない程度の耐熱性を有するものであればよいのであって、具体的には、ポリイミド板、ガラス−エポキシ板、ガラス板等を使用することができる。本発明ではポリイミド板を使用することが好ましく、その厚さは50μm〜4mmである。この支持板5を転写側樹脂層の背面に貼着するには、転写側樹脂層に支持板5を貼り合わせた後、加熱すればよい。
支持板5としては接着剤層2を発泡させる加熱時において、溶融しない程度の耐熱性を有するものであればよいのであって、具体的には、ポリイミド板、ガラス−エポキシ板、ガラス板等を使用することができる。本発明ではポリイミド板を使用することが好ましく、その厚さは50μm〜4mmである。この支持板5を転写側樹脂層の背面に貼着するには、転写側樹脂層に支持板5を貼り合わせた後、加熱すればよい。
<老化防止剤>
本発明の接着剤層には、必要に応じて老化防止剤を添加することが好ましい。
老化防止剤を添加する理由は、接着剤層に含まれる成分の酸化を防ぐためのものであるから、いわゆる劣化防止剤、酸化防止剤も使用することができる。老化防止剤を使用することにより樹脂成分の物性変化が極めて小さく、寿命を長くすることが可能である。
本発明で用いられる老化防止剤としては、フェノール系老化防止剤、イオウ系老化防止剤、アミン系老化防止剤などが挙げられる。
本発明の接着剤層には、必要に応じて老化防止剤を添加することが好ましい。
老化防止剤を添加する理由は、接着剤層に含まれる成分の酸化を防ぐためのものであるから、いわゆる劣化防止剤、酸化防止剤も使用することができる。老化防止剤を使用することにより樹脂成分の物性変化が極めて小さく、寿命を長くすることが可能である。
本発明で用いられる老化防止剤としては、フェノール系老化防止剤、イオウ系老化防止剤、アミン系老化防止剤などが挙げられる。
フェノール系老化防止剤としては、具体的には、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、n−オクタデシル−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テトラキス[メチレン−3−(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、トリス(3,4−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、2,2'−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4'−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート、3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、2−t−ブチル−6−(3'−t−ブチル−5'−メチル−2'−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、4,4'−チオ−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、p−メトキシフェノール、スチレン化フェノール、アルキル化ビスフェノール等を使用することができる。
アミン系老化防止剤としては、具体的には、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシラート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシラ−ト、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル/トリデシル1,2,3,4ブタンテトラカルボキシラート、ポリ[〔6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル〕〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕]等を使用することができる。
イオウ系老化防止剤としては、具体的には、ジラウリルチオプロピオネートが挙げられる。
上記に挙げた老化防止剤は、単独で使用してもよいし、2種以上組み合わせて使用しても良い。老化防止剤の配合量は、樹脂成分100重量部当たり、0.1〜10重量部が好ましく、より好ましくは0.5〜5重量部である。
以下、本発明を実施例により説明する。
上記に挙げた老化防止剤は、単独で使用してもよいし、2種以上組み合わせて使用しても良い。老化防止剤の配合量は、樹脂成分100重量部当たり、0.1〜10重量部が好ましく、より好ましくは0.5〜5重量部である。
以下、本発明を実施例により説明する。
エポキシ樹脂(油化シェル社製 商品名:エピコート1002)40重量部、NBR(日本ゼオン社製 商品名:Nipol1001)35重量部、レゾール型フェノール樹脂(昭和高分子社製 商品名:BKM2620)25重量部、ノボラック型フェノール樹脂(昭和高分子社製 商品名:CKM5252)1重量部からなる接着剤に、加硫剤として酸化亜鉛(東邦亜鉛社製 商品名:銀嶺R)1重量部およびp−メンタンハイドロパーオキサイド(日本油脂社製 商品名:パーメンタH)0.3重量部、発泡剤として炭酸カルシウム(備北粉化工業社製 商品名:ライトンA)0.1重量部を混合し接着剤層用塗料を作製した。
酸化亜鉛5重量部、p−メンタンハイドロパーオキサイド1重量部、炭酸カルシウム0.3重量部として以外は、実施例1と同様にして接着剤を作製した。
[比較例1]
酸化亜鉛、p−メンタンハイドロパーオキサイドおよび炭酸カルシウムを無添加とした以外は実施例1と同様にして接着剤層用塗料を作製した。
酸化亜鉛、p−メンタンハイドロパーオキサイドおよび炭酸カルシウムを無添加とした以外は実施例1と同様にして接着剤層用塗料を作製した。
[比較例2]
エポキシ樹脂50重量部、NBR30重量部、レゾール型フェノール樹脂20重量部とした以外は比較例1と同様にして接着剤層用塗料を作製した。
エポキシ樹脂50重量部、NBR30重量部、レゾール型フェノール樹脂20重量部とした以外は比較例1と同様にして接着剤層用塗料を作製した。
<半導体回路形成用フィルムおよびそれを使用した半導体回路の作成>
<実施形態1>
厚さ50μmのポリイミドフィルム(東レデュポン社製 商品名:カプトン200H)に、実施例1〜2および比較例1〜2に示す接着剤層用塗料をそれぞれ5μmフィルタにてろ過した後、ポリイミドフィルム上に厚さ20〜25μmになるように塗工した。18μmの電極としての銅箔を接着剤層上に積層し、150℃、5分間処理することで接着させ本発明による実施形態1の半導体回路形成用フィルムを作成した。
続いて、銅表面に対しエッチングを行い、所定のパターンにて回路を形成した。この回路パターン上に第1の転写側樹脂層となる可溶性ポリイミドを厚さ20〜25μmになるよう塗工後、溶媒を蒸発させるために130〜140℃で5分間熱処理した。第1の転写側樹脂層上に第2の転写側樹脂層となる可溶性ポリイミドを厚さ20〜25μmになるよう塗工後、溶媒を蒸発させるために130〜140℃で5分間処理した。次に、転写側樹脂層の背面に支持板であるポリイミド板を重ね、約100℃に加熱することにより積層し、1℃/分の条件にて150℃までステップキュアした。150℃に達した後、150℃を維持したまま1時間熱処理をした。これにより、接着剤層を発泡させ、転写側樹脂層を剥離し半導体回路を形成した。
<実施形態1>
厚さ50μmのポリイミドフィルム(東レデュポン社製 商品名:カプトン200H)に、実施例1〜2および比較例1〜2に示す接着剤層用塗料をそれぞれ5μmフィルタにてろ過した後、ポリイミドフィルム上に厚さ20〜25μmになるように塗工した。18μmの電極としての銅箔を接着剤層上に積層し、150℃、5分間処理することで接着させ本発明による実施形態1の半導体回路形成用フィルムを作成した。
続いて、銅表面に対しエッチングを行い、所定のパターンにて回路を形成した。この回路パターン上に第1の転写側樹脂層となる可溶性ポリイミドを厚さ20〜25μmになるよう塗工後、溶媒を蒸発させるために130〜140℃で5分間熱処理した。第1の転写側樹脂層上に第2の転写側樹脂層となる可溶性ポリイミドを厚さ20〜25μmになるよう塗工後、溶媒を蒸発させるために130〜140℃で5分間処理した。次に、転写側樹脂層の背面に支持板であるポリイミド板を重ね、約100℃に加熱することにより積層し、1℃/分の条件にて150℃までステップキュアした。150℃に達した後、150℃を維持したまま1時間熱処理をした。これにより、接着剤層を発泡させ、転写側樹脂層を剥離し半導体回路を形成した。
<実施形態2>
実施例1〜2の接着剤層用塗料において、樹脂成分100重量部に対し老化防止剤1重量部を加えた接着剤層用塗料を用いた以外は、実施形態1に示した方法と同様にして半導体回路を形成した。
実施例1〜2の接着剤層用塗料において、樹脂成分100重量部に対し老化防止剤1重量部を加えた接着剤層用塗料を用いた以外は、実施形態1に示した方法と同様にして半導体回路を形成した。
<実施形態3>
実施形態2において、老化防止剤1重量部に代えて2重量部加えた以外は、実施形態1に示した方法と同様にして半導体回路を形成した。
実施形態2において、老化防止剤1重量部に代えて2重量部加えた以外は、実施形態1に示した方法と同様にして半導体回路を形成した。
<評価>
実施形態1から3により得られた半導体回路の電極面において、接着剤層の剥離性が良好であったかどうかを検討するために、オージェ電子分光分析装置により電極面に残存している炭素原子を測定することにより評価した。これによると、実施例の接着剤を使用した実施形態1から3の半導体回路は、比較例の接着剤を使用した実施形態1から3の半導体回路に比べ、炭素原子量が少なかったため、接着剤の残存量が少ないものであった。
また、実施例の接着剤を使用した実施形態1から3の半導体回路は、比較例の接着剤を使用した実施形態1から3の半導体回路に比べ、導電性に優れ、半田付けがしやすく、電気特性に優れるものであった。
さらに、これらの実施形態はいずれも電極が外部に突出していないため耐摩耗性に優れるものであった。
実施形態1から3により得られた半導体回路の電極面において、接着剤層の剥離性が良好であったかどうかを検討するために、オージェ電子分光分析装置により電極面に残存している炭素原子を測定することにより評価した。これによると、実施例の接着剤を使用した実施形態1から3の半導体回路は、比較例の接着剤を使用した実施形態1から3の半導体回路に比べ、炭素原子量が少なかったため、接着剤の残存量が少ないものであった。
また、実施例の接着剤を使用した実施形態1から3の半導体回路は、比較例の接着剤を使用した実施形態1から3の半導体回路に比べ、導電性に優れ、半田付けがしやすく、電気特性に優れるものであった。
さらに、これらの実施形態はいずれも電極が外部に突出していないため耐摩耗性に優れるものであった。
以上のように、本発明は、電極および転写側樹脂層と接着剤層との剥離性を良好に行うことができるため、電極表面への接着剤層の残存を防止し、電気特性に優れた半導体回路形成用フィルムを提供することができる。
1 有機フィルム層
2 接着剤層
3 電極
4a 第1の転写側樹脂層
4b 第2の転写側樹脂層
5 支持板
2 接着剤層
3 電極
4a 第1の転写側樹脂層
4b 第2の転写側樹脂層
5 支持板
Claims (9)
- 樹脂成分に発泡剤を混合した接着剤層を介して、有機フィルムと電極を貼着したことを特徴とする半導体回路形成用フィルム。
- 接着剤層に加硫剤が配合されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体回路形成用フィルム。
- 加硫剤が酸化亜鉛および/または有機過酸化物であることを特徴とする請求項2に記載の半導体回路形成用フィルム。
- 樹脂成分に炭酸カルシウム、酸化亜鉛および有機過酸化物を混合した接着剤層を介して、有機フィルムと電極を貼着したことを特徴とする請求項1乃至3に記載の半導体回路形成用フィルム。
- 有機過酸化物の1時間半減期温度が150℃以上、250℃以下であることを特徴とする請求項3乃至4に記載の半導体回路形成用フィルム。
- 接着剤層に増量剤が配合されていることを特徴とする請求項1乃至5に記載の半導体回路形成用フィルム。
- 樹脂成分がエポキシ樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体樹脂およびフェノール樹脂であることを特徴とする請求項1乃至6に記載の半導体回路形成用フィルム。
- フェノール樹脂がレゾール型とノボラック型の混合物からなる請求項7に記載の半導体回路形成用フィルム。
- 請求項1に記載の半導体回路形成用フィルムの電極に回路パターンを形成し、その回路パターン上に転写側樹脂層および支持板を順次積層して積層体を作製し、該積層体を加熱処理した後、転写側樹脂層から接着剤層を剥離することにより、その転写側樹脂層面に電極の一端を露出して形成することを特徴とする半導体回路の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006323614A JP2008140852A (ja) | 2006-11-30 | 2006-11-30 | 半導体回路形成用フィルムおよびそれを使用した半導体回路の製造方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011001499A1 (ja) * | 2009-06-30 | 2011-01-06 | Dic株式会社 | 電子部品の製造方法および該方法で製造された電子部品 |
KR101122146B1 (ko) * | 2009-11-25 | 2012-03-16 | 엘지이노텍 주식회사 | 매립형 인쇄회로기판, 다층 인쇄회로기판 및 이들의 제조방법 |
-
2006
- 2006-11-30 JP JP2006323614A patent/JP2008140852A/ja not_active Withdrawn
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WO2011001499A1 (ja) * | 2009-06-30 | 2011-01-06 | Dic株式会社 | 電子部品の製造方法および該方法で製造された電子部品 |
CN102334392A (zh) * | 2009-06-30 | 2012-01-25 | Dic株式会社 | 电子部件的制造方法及通过该方法制造的电子部件 |
US8940120B2 (en) | 2009-06-30 | 2015-01-27 | Dic Corporation | Electronic part manufacturing method and electronic part manufactured by the method |
EP2451255A4 (en) * | 2009-06-30 | 2016-12-14 | Dainippon Ink & Chemicals | METHOD FOR MANUFACTURING ELECTRONIC COMPONENT AND ELECTRONIC COMPONENT MANUFACTURED BY THE METHOD |
KR101122146B1 (ko) * | 2009-11-25 | 2012-03-16 | 엘지이노텍 주식회사 | 매립형 인쇄회로기판, 다층 인쇄회로기판 및 이들의 제조방법 |
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