JP2008139000A - 熱交換器用管並びに熱交換器及びそれを備えたヒートポンプ給湯機 - Google Patents
熱交換器用管並びに熱交換器及びそれを備えたヒートポンプ給湯機 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】 第1流体Aが流れる第1の管1と,該第1の管1と密接し第2の流体Bが流れる第2の管2とを備えており,第2の管2は断面形状が円形状であって,第1の管1に形成された嵌合部3の断面形状は,第2の管2と密着状に接触するために略円形となっており,且つ第2の管2を嵌入するための開口1aが形成されている。このように構成することによって,第2の管2を開口1aを経て第1の管1の略C字状嵌合部3に簡単に嵌め込むだけで,第1の管1と第2の管2とを密接させることができる。
【選択図】図1
Description
しかしながら,これらの改善策は,熱交換の性能が向上する反面,材料コストや加工コストが高くなる等の問題があった。また,この種の二重管形熱交換器をヒートポンプ給湯機等に用いた場合,内管が腐食等により破損したときに,内管を流動する流体(例えば水)と外管を流動する流体(例えば冷媒)とが混じってしまうことになる。つまり,水に冷媒が混入することになるため,漏洩検知を行うようにすることが義務付けられている。このため,内管は通常,二重管で構成されることとなり,製造コストの増加及び伝熱特性の低下が生じる。
一方,水が流動する断面形状が円形状の水伝熱管と冷媒が流動する断面形状が円形状の冷媒伝熱管とを平行に線接触で密接させて構成される熱交換器が知られている。このような熱交換器は,水伝熱管と冷媒伝熱管とのどちらか一方が破損しても両方の管が独立した管で構成されているので,水に冷媒が混入することがないという長所がある。しかしながら,伝熱面積が水伝熱管と冷媒伝熱管との線的な接触面積に限られることから伝熱特性(熱交換効率)が悪いといった問題があった。
その改善策として,水伝熱管と冷媒伝熱管との断面形状をそれぞれ扁平形状にして面的に接触させることで伝熱面積を大きくしたものが知られている。このような伝熱管では,管の断面形状を扁平形状にすることで,流体(水及び冷媒)の流量を一定とした場合,流速が増加し熱伝達が良くなることによって,熱交換効率が向上する。
更に,冷媒伝熱管に冷媒が流れる複数の小流路を形成することで,高圧となる炭酸ガス冷媒を用いても冷媒伝熱管の変形が無く,熱交換効率を向上させると共に,製造コストも抑えられる熱交換器が提案されている(特許文献3参照)。
したがって本発明は,上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,ロー付け等を必要とせず,水伝熱管と冷媒伝熱管とに異種金属を用いても密接状態を維持することが可能で,熱交換効率を向上させると共に製造コストを低減した熱交換器を提供するものである。
このように構成することによって,前記第2の管を前記第1の管の嵌合部に嵌合するだけで,ロー付け等を行うことなく前記第1の管と前記第2の管とを密接させることができる。したがって,前記第1の管と前記第2の管とに異種金属を用いても密接状態を維持することが可能となる。また,嵌合部の形状として任意のものが採用でき,例えば波形の密接面等を採用することで熱交換効率を向上させると共に製造コストを低減させることができる。
具体的な嵌合部の形状としては,前記第2の管の断面形状が円形状であって,前記第1の管に形成された前記嵌合部の断面形状が,前記第2の管を嵌入するための開口が形成された略C字状であるものが考えられる。このような形状にすることによって,前記第2の管を前記第1の管に簡単に嵌め込むことが可能となる。更に,前記第1の管と前記第2の管との接触面積を大きくすることができ,熱交換効率を向上させることができる。
前記第1流体としては,炭酸ガス等の冷媒が挙げられ,前記第2流体としては,水が挙げられる。また,前記第1の管の材質としては,アルミニウムが挙げられ,前記第2の管の材質としては,銅が挙げられる。このように,水が流れる前記第2の管には,腐食性の関係から銅管を用いるが,前記第1の管とは嵌合するだけで密接させることが可能なので,前記第1の管の材質に銅とロー付けが困難なアルミニウム等の異種金属を用いても密接状態を維持することができる。したがって,冷媒が流れる前記第1の管に熱伝導が良く安価なアルミニウム管を用いることで,熱交換効率を向上させると共に,材料コストの低減が可能である。
また,前記第1の管の具体例として,断面形状が扁平形状であって,前記第1の管に,前記第1流体が流れる複数の流路が形成されたものが考えられる。このような構造にすることで,冷媒として高圧になる炭酸ガス冷媒を使用した場合でも変形がなく,前記第1流体から伝熱する面積が大きくなり,熱交換効率を向上させることができる。
また,前記熱交換器用管が略平行に複数本配置された熱交換器であって,複数の前記第1の管を直列接続する第1の接続部と,複数の前記第2の管を直列接続する第2の接続部と,を更に備えてなる熱交換器としても構成することができる。
このように,熱交換効率を向上させるために前記第1の管及び前記第2の管を複数本用いた場合でも,前記第1の管に前記第2の管を嵌合するだけで,前記第1の管と前記第2の管とを密接させることができる。そのため,ロー付けを必要とせず製造コストを大幅に低減できる。
また,前記熱交換器において,前記第1の管及び前記第1の接続部と,前記第2の管及び前記第2の接続部とのいずれか一方又は両方が一連の継目無し管により形成されることが考えられる。また,前記略平行に配置された複数の前記第1の管が一体成形されたものも考えられる。このように,一体成形することで部品点数が減り,加工や組み立てが容易になることから製造コストが低減できる。
また,前記熱交換器を備えてなるヒートポンプ給湯機として構成することができる。その場合,前記第1流体と前記第2流体とを対向するように流通させることで,前記熱交換器の熱交換効率が向上するので,ヒートポンプ給湯機の高効率化が可能である。
[第1の実施形態]
ここで,図1は本発明の第1の実施形態にかかる熱交換器用管の一部を切断した外観斜視図,図2は図1の断面図である。
図1に示すように熱交換器用管Xは,第1流体Aが流れる第1の管1と,該第1の管1と密接し第2の流体Bが流れる第2の管2とを備えており,第1流体Aと第2流体Bとの間で熱交換を行う熱交換器用の管である。第1の管1には,第2の管2と密接して嵌合するための嵌合部3が形成されている。図2に示すように第2の管2は断面形状が円形状であって,第1の管1に形成された嵌合部3の断面形状は,第2の管2と密着状に接触するために略円形となっており,且つ第2の管2を嵌入するための開口1aが形成されている。
このように構成することによって,第2の管2を開口1aを経て第1の管1の略C字状嵌合部3に簡単に嵌め込むだけで,第1の管1と第2の管2とを密接させることができる。更に嵌合部3が断面略C字状に密接するものであるので,第1の管1と第2の管2との接触面積を大きくすることができる。したがって,ロー付け等の必要が無く,第1の管1と第2の管2とに異種金属を用いても密接状態を維持することが可能となり,熱交換効率を向上させると共に,このような管及び嵌合部は押出成形によって一体的且つ連続的に成形することができるので,製造コストを低減させることができる。
また,図2に示すように第1の管1の第1流体Aが流れる流路部分の断面形状は扁平形状であって,第1の管1に第1流体Aが流れる複数の流路4が形成されている。流路4の幅は1mm〜5mm程度の矩形状に形成され,複数が並列に設けられている。このような第1の管1は,アルミニウム等の材質で押出成形により容易に作製することができる。なお,流路4の断面形状は矩形状に限定されるものではなく,円形状や楕円形状であっても良い。
このように第1の管1に複数の小さな流路を形成することで,冷媒として高圧になる炭酸ガス冷媒を使用した場合でも変形がなく,前記第1流体から伝熱する面積が大きくなり,熱交換効率を向上させることができる。
具体的な例として,第1流体Aとして炭酸ガス等の冷媒を用い,第2流体Bとして水を用いた場合について説明する。この場合,水が流れる第2の管2には,腐食性の関係から銅管が用いられる。第1の管1と第2の管2とは嵌合するだけで密接させることが可能なので,第1の管1の材質に銅とロー付けが困難なアルミニウム等の異種金属を用いても密接状態を維持することができる。したがって,冷媒が流れる第1の管1に熱伝導が良く安価なアルミニウム管を用いることで,熱交換効率を向上させると共に,材料コストの低減が可能である。
ここで,図3は本発明の第2の実施形態にかかる熱交換器の平面図,図4は図3におけるC1−C1線で切断した断面図,図5は図3におけるC2−C2線で切断した断面図,図6は図3における略平行に配置された複数の第1の管を一体成形した場合のC1−C1線で切断した断面図である。
図3に示す熱交換器Y1は,前記熱交換器用管Xが図4のように略平行に複数本配置された熱交換器である。図3に示すように,複数の第1の管1を並列接続するように第1の接続部5a及び5bと,複数の第2の管2を並列接続するように第2の接続部6a及び6bとが,更に設けられている(加えて図4及び図5を参照)。即ち,第1流体Aが一方の第1の接続部5aに設けられた入口(開口部)から流入し,図3の破線の矢印で示すように複数の第1の管1に分岐する。その後,第1流体Aは,それぞれ複数の第1の管1を通り,もう一方の第1の接続部5bで合流し,前記もう一方の第1の接続部5bに設けられた出口(開口部)から流出するように,複数の第1の管1と第1の接続部5a及び5bとが接続されている。
また,複数の第2の管2と第2の接続部6a及び6bとの接続の仕方については,複数の第1の管1と第1の接続部5a及び5bとの接続と同様である。
なお,複数の第1の管1と第1の接続部5a及び5bとの接続及び複数の第2の管2と第2の接続部6a及び6bとの接続には,ロー付けが必要となるが,炉中ロー付けで同時に加工することが可能であることから加工コストを抑えることができる。
このような熱交換器Y1の具体的な作製方法は,前記ロー付けを行った複数の第1の管1と第1の接続部5との一体物と,同様に形成した第2の管2と第2の接続部6との一体物とを嵌め合わせるだけで,図3のように組み立てることができる。
このように,熱交換効率を向上させるために熱交換器用管Xを複数本用いた場合でも,第1の管1の嵌合部3に第2の管2を嵌合するだけで,第1の管1と第2の管2とを密接させることができる。そのため,ロー付けを必要とせず製造コストを大幅に低減できる。
また,熱交換器Y1は,図6に示すように前記略平行に配置された複数の第1の管1を一体成形(図6中の1b)して構成することもできる。このように,一体成形することで部品点数が減り,組み立てが容易になることから製造コストを低減できる。
ここで,図7は本発明の第3の実施形態にかかる熱交換器の平面図,図8は図7におけるD1−D1線で切断した断面図,図9は図7におけるD2−D2線で切断した断面図,図10は図7における略平行に配置された複数の第1の管を一体成形した場合のD1−D1線で切断した断面図である。
図7に示す熱交換器Y2は,前記熱交換器用管Xが図8のように略平行に複数本配置された熱交換器である。図3,図4に示す前記第2の実施形態との違いは,図7に示すように,複数の第1の管1を直列接続するように第1の接続部5c及び5dと,複数の第2の管2を直列接続するように第2の接続部6c及び6dとが,更に設けられていることである(加えて図8及び図9を参照)。即ち,図7の破線の矢印で示す如く第1流体Aが蛇行形状に流れるように,複数の第1の管1と第1の接続部5c及び5dとが接続されている。しかしながら,図3の第1の接続部5a及び5bのように,上下方向に仕切りのない連続した管を用いた場合,第1流体Aを蛇行させるように接続することができない。したがって,例えば第1の接続部5c及び5dの内部の所定の場所に,第1流体Aが第1の接続部5c及び5dの内部を流れるのを阻み所定の第1の管1に流入させる閉管部を設けることで,第1流体Aを蛇行させれば良い。また,同様に第2流体Bが蛇行形状に流れるように,複数の第2の管2と第2の接続部6c及び6dとが接続されている。
このような熱交換器Y2の具体的な作製方法は,前記第2実施形態の熱交換器Y1の作製方法と同様であり,簡単に組み立てることができる。更に,図7のように,第2の管2と第2の接続部6c及び6dとは,一連の継目無し管により形成することが可能である。このように形成することで,複数の第2の管2と第2の接続部6c及び6dとの接続にはロー付けの必要が無くなり,加工コストが低減できる。また,第1の管1と第1の接続部5c及び5dとを同様に一連の継目無し管により形成しても良い。
このように構成した場合でも,第1の管1に第2の管2を嵌合するだけで,第1の管1と第2の管2とを密接させることができる。そのため,ロー付けを必要とせず製造コストを大幅に低減できる。
また,熱交換器Y2は,図10に示すように前記略平行に配置された複数の第1の管1を一体成形(図10中の1b)して構成することもできる。このように,一体成形することで部品点数が減り,組み立てが容易になることから製造コストを低減できる。
図11に本発明の第4の実施形態にかかるヒートポンプ給湯機の概略構成図を示す。図11のように,ヒートポンプ給湯機Zは,水配管10(10A,10B,10C),貯留タンク13,循環ポンプ14,熱交換器Y1及び冷媒(第1流体Aの一例)が循環されるヒートポンプサイクルS等を備えて構成されている。
水配管10Aは,給水口11から供給される水(第2流体Bの一例)を,減圧弁12により減圧して,貯留タンク13まで供給する流水経路である。
水配管10Bは,貯留タンク13に貯留された水を,循環ポンプ14を経て熱交換器Y1まで供給し,熱交換器Y1により熱交換された水を,貯留タンク13まで供給する流水経路である。
貯留タンク13は,熱交換器Y1においてヒートポンプサイクルSの後記の冷媒配管20を流れる冷媒との熱交換によって加熱された温水及び給水口11から供給された水を貯留するタンクである。
貯留タンク13には逃がし弁16が設けられており,逃がし弁16により,貯留タンク13内の圧力が調整される。
ヒートポンプサイクルSは,熱交換器Y1,冷媒配管20,膨張器21,室外空気熱交換器23及び圧縮機24等を備えて構成されている。
冷媒配管20を流れる前記冷媒は,膨張器21により膨張され,室外空気熱交換器23により室外の空気と熱交換されて吸熱,気化し,圧縮機24により圧縮されて高温高圧となり,熱交換器Y1において,水配管10Bを流れる水と熱交換される。
熱交換器Y1で熱交換された水は,貯留タンク13に貯留される。貯留タンク13の上部,すなわち高温水貯留部に貯留された高温の水は,水配管10Cを流れて,混合弁17により給水口11から供給される水と混合されて給湯口18に供給される。
熱交換器Y1は,前記第1の実施形態にかかる熱交換器用管Xを熱交換器に備えている。
このように,前記第2の実施形態にかかる熱交換器Y1を備える前記ヒートポンプ給湯機Zでは,冷媒として炭酸ガス冷媒(第1流体Aの一例)を用い,該炭酸ガス冷媒と水(第2流体Bの一例)とが対向するように前記熱交換器用管X内を流通させることによって,ヒートポンプ給湯機Zの製造コストの低減及び高効率化が可能となる。
Y1,Y2…熱交換器
Z…ヒートポンプ給湯機
1…第1の管
2…第2の管
3…嵌合部
4…流路
5,5a,5b,5c,5d…第1の接続部
6,6a,6b,6c,6d…第2の接続部
13…貯留タンク
14…循環ポンプ
21…膨張器
23…室外空気熱交換器
24…圧縮機
Claims (12)
- 第1流体が流れる第1の管と,該第1の管と密接し第2流体が流れる第2の管とを備え,前記第1流体と前記第2流体との間で熱交換を行う熱交換器用管であって,
前記第1の管に,前記第2の管と密接して嵌合するための嵌合部が形成されてなることを特徴とする熱交換器用管。 - 前記第2の管の断面形状が円形状であって,
前記第1の管に形成された前記嵌合部の断面形状が,前記第2の管を嵌入するための開口が形成された略C字状である請求項1に記載の熱交換器用管。 - 前記第1流体が冷媒であり,前記第2流体が水である請求項1又は2のいずれかに記載の熱交換器用管。
- 前記第1の管の材質がアルミニウムであり,前記第2の管の材質が銅である請求項1〜3のいずれかに記載の熱交換器用管。
- 前記第1の管の断面形状が扁平形状であって,
該第1の管に,前記第1流体が流れる複数の流路が形成されてなる請求項1〜4のいずれかに記載の熱交換器用管。 - 請求項1〜5のいずれかに記載の熱交換器用管を備えた熱交換器。
- 前記熱交換器用管が略平行に複数本配置された熱交換器であって,
複数の前記第1の管を並列接続する第1の接続部と,複数の前記第2の管を並列接続する第2の接続部と,を更に備えてなる請求項6に記載の熱交換器。 - 前記熱交換器用管が略平行に複数本配置された熱交換器であって,
複数の前記第1の管を直列接続する第1の接続部と,複数の前記第2の管を直列接続する第2の接続部と,を更に備えてなる請求項6に記載の熱交換器。 - 前記第1の管及び前記第1の接続部と,前記第2の管及び前記第2の接続部とのいずれか一方又は両方が一連の継目無し管により形成されてなる請求項8に記載の熱交換器。
- 前記略平行に配置された複数の前記第1の管が一体成形されたものである請求項7又は8のいずれかに記載の熱交換器。
- 請求項6〜10のいずれかに記載の熱交換器を備えてなるヒートポンプ給湯機。
- 前記第1流体と前記第2流体とが対向するように流通されてなる請求項11に記載のヒートポンプ給湯機。
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