JP2008138711A - 揺動軸受用保持器、揺動軸受、およびエアーディスクブレーキ装置 - Google Patents

揺動軸受用保持器、揺動軸受、およびエアーディスクブレーキ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】成型性の低下を防止すると共に、収容可能なころ本数を増加した揺動軸受用保持器を提供する。
【解決手段】揺動軸受用保持器21は、周方向に延びる一対の連結部と、一対の連結部を相互に接続する複数の柱部24とを有し、隣接する柱部24の間にころ20を保持する複数のポケット22が形成されている。そして、ポケット22に収容されるころ20の本数をn、隣接する柱部24の互いに対面する壁面のなす角をa、周方向両端のポケット22に収容されるころ20の自転中心間の中心角をθとすると、{θ/(n−1)}°<a<90°を満たす。
【選択図】図1

Description

この発明は、揺動軸受用保持器、揺動軸受、およびエアーディスクブレーキ装置に関するものである。
大型商用車やトラック、バス等においては、圧縮空気を利用したエアーディスクブレーキ装置が使用される。ここで、一般的なエアーディスクブレーキ装置の構成について簡単に説明する。図12は、一般的なエアーディスクブレーキ装置の構成を示す概略断面図である。図12を参照して、エアーディスクブレーキ装置101は、アクチュエータロッド102を備えるブレーキシリンダ(図示せず)と、アクチュエータロッド102の一方端に連結されるレバー103と、レバー103の他方端に連結される回転部材104と、回転部材104を回転自在に支持する揺動軸受105と、回転部材104の回転中心から偏心した位置に設けられる接続部107と、その一方端が接続部107に連結されるトラバース106と、トラバース106に連動する左右のブレーキパッド(図示せず)と、左右のブレーキパッドの間に配置されるロータ(図示せず)とを含む。エアーディスクブレーキ装置101は、ブレーキシリンダからの圧縮空気により、レバー103等を介してロータを左右のブレーキパッドで挟み込む。
なお、このような構成のエアーディスクブレーキ装置が、特表平8−504250号公報(特許文献1)やWO2006/002905A1(特許文献2)に開示されている。
特表平8−504250号公報(図1等) WO2006/002905A1
上記したエアーディスクブレーキ装置に含まれる揺動軸受の構成について、簡単に説明する。揺動軸受は、揺動軸受用外輪と、複数のころと、ころを保持する保持器とを備える。揺動軸受用外輪は、環状に連なっておらず、円筒状部材を周方向の任意の二箇所で切断した形状である。保持器についても同様に、円筒状部材を周方向の任意の二箇所で切断した形状であり、揺動軸受用外輪に沿う形状である。このような構成の揺動軸受は、まず、保持器のポケットにころを組入れ、ころを保持した保持器を揺動軸受用外輪の内径側に配置するようにして組立てられる。
近年、エアーディスクブレーキ装置のコンパクト化や高出力化に伴い、エアーディスクブレーキ装置に採用される揺動軸受の小型化や高負荷容量化の要求が強い。ここで、揺動軸受の高負荷容量化の方法としては、ころ径を大きくするかころ本数を増やすのが一般的である。しかし、ころ径を大きくすることは、揺動軸受の小型化の要請に反する。
一方、樹脂材料を射出成型して保持器を製造する場合、金型を保持器の径方向外側に抜くことによってポケットを形成する。このとき、近接する複数のポケットを1つの金型で同時に成型する等して成型性向上の努力がなされている。しかし、ころを収容するポケット数を増加すると、金型数が増加したり、金型が大型で構造が複雑になったりして成型性が低下する。また、同時に形成するポケット数を無理に増やして金型を無理抜きすれば、保持器の破損等を生じるおそれがある。
そこで、この発明の目的は、成型性の低下を防止すると共に、収容可能なころ本数を増加した揺動軸受用保持器を提供することである。
また、この発明の他の目的は、上記のような揺動軸受用保持器を採用することによって、生産性が高く、小型で負荷容量の大きい揺動軸受を提供することである。
さらに、この発明の他の目的は、上記のような揺動軸受を採用することによって、生産性が高く、コンパクトで信頼性の高いエアーディスクブレーキ装置を提供することである。
この発明に係る揺動軸受用保持器は、周方向に延びる一対の連結部と、一対の連結部を相互に接続する複数の柱部とを有し、隣接する柱部の間にころを保持する複数のポケットが形成されている。そして、ポケットに収容されるころの本数をn、隣接する柱部の互いに対面する壁面のなす角をa、周方向両端のポケットに収容されるころの自転中心間の中心角をθとすると、{θ/(n−1)}°<a<90°を満たす。
隣接する柱部の互いに対面する壁面のなす角aが小さくなると、1つの金型で同時に形成できるポケット数が減少する。したがって、成型性向上の観点からはaは大きい方が望ましく、aの下限値は{θ/(n−1)}°とする。
一方、aが大きくなると、ころをポケット内で適切に保持することができないおそれがある。具体的には、a≧90°のとき、ころが柱部の壁面を押す力のうちの壁面に平行な向きに作用する分力Fと、壁面に垂直な向きに作用する分力Fとは、F≧Fとなる。そうすると、揺動時にころが柱部に乗り上げて隣接するころに接触したりする可能性がある。これは、ころ表面の油膜切れや発熱を生じる原因となる。したがって、ころの適切な保持の観点からはaは小さいほうが望ましく、aの上限値は90°とする。
この発明に係る揺動軸受は、好ましくは、内径側に軌道面を含み、軸方向の両端部を内径側に折り曲げた鍔部を有する揺動軸受用外輪と、軌道面上に配置される複数のころと、上記の揺動軸受用保持器とを備える。上記構成の揺動軸受用保持器を採用することにより、生産性が高く、負荷容量の大きい揺動軸受を得ることができる。
この発明に係るエアディスクブレーキ装置は、上記の揺動軸受を備える。上記の揺動軸受を採用することにより、生産性が高く、コンパクトで信頼性の高いエアーディスクブレーキ装置を得ることができる。
この発明によれば、隣接する柱部の互いに対面する壁面のなす角度を所定範囲内に設定することにより、成型性の低下を防止すると共に、収容可能なころ本数を増加した揺動軸受用保持器を得ることができる。
また、このような揺動軸受用保持器を採用することにより、生産性が高く、負荷容量の大きい揺動軸受を得ることができる。
さらに、このような揺動軸受を採用することにより、生産性が高く、コンパクトで信頼性の高いエアーディスクブレーキ装置を得ることができる。
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図2は、この発明の一実施形態に係る揺動軸受用外輪を示す斜視図である。図2を参照して、揺動軸受用外輪11の構成について説明する。揺動軸受用外輪11は、円筒状部材を周方向の任意の二箇所において切断した形状である。揺動軸受用外輪11は、内径側にころが転動する軌道面12を含む。
揺動軸受用外輪11の周方向の一方側の端部には、内径側に延びる突起部14a、14bが設けられている。揺動軸受用外輪11の内径側に配置される保持器は、周方向に移動可能であるが、この突起部14a、14bにより、一方の端部側において、周方向の移動が規制される。
また、突起部14a、14bの間には、外径側に折曲げられた舌片状の凸部15が設けられている。一方、揺動軸受用外輪11の周方向の他方の端部側にも、舌片状の凸部16が設けられている。この凸部15、16を利用して、揺動軸受用外輪11をハウジング(図示せず)に取付け、揺動軸受用外輪11の周方向の移動を規制して、ハウジングに固定する。
揺動軸受用外輪11は、軸方向の両端部を内径側に折り曲げた鍔部13a、13bを備える。この鍔部13a、13bにより、揺動軸受用外輪11の内径側に配置されるころおよび保持器の軸方向の移動を規制する。
ここで、両方の鍔部13a、13bには、軸方向の軌道面12側に折り曲げられ、内径側に配置される保持器を抱え込む折曲げ部17a、17bが設けられている。折曲げ部17a、17bは、周方向に連なるように連続して設けられている。
次に、この発明の一実施形態に係る揺動軸受に含まれ、揺動軸受用外輪11の内径側に配置される保持器の構成について説明する。図3は、揺動軸受用外輪11の内径側に配置される保持器を示す斜視図である。図4および図5は、図3に示す揺動軸受用保持器21(以下「保持器21」という)のポケット22に、ころ20を保持した状態を示す斜視図である。図4は、ころ20を下方側にした状態を示し、図5はころ20を上方側にした状態を示す。図2〜図5を参照して、保持器21についても、上記した揺動軸受用外輪11と同様に、円筒状部材を周方向の任意の二箇所において切断した形状であり、揺動軸受用外輪11に沿う形状である。
なお、保持器21は、量産性等の観点から、樹脂製とすることが好ましい。例えば、ポリアミド46に繊維状充填材を含有させた樹脂材料を射出成型して形成する。繊維状充填材の具体例としては、炭素繊維(カーボンファイバー)やガラス繊維(グラスファイバー)等が挙げられる。
また、繊維状充填材の含有量はポリアミド46に対して5wt%〜20wt%の範囲内とする。繊維状充填材の含有量が5wt%未満であると、揺動軸受用保持器に必要とされる強度を得ることが難しい。一方、20wt%を超えると、成型時の樹脂素材の流動性が悪化する。これは、ポケット数が多く柱の細い保持器を成型する上で、ガス焼けや充填不足等の問題が生ずるおそれがある。さらに、この問題を解消するために充填圧を上げると、バリが発生するおそれがある。したがって、繊維状充填材の含有量は上記の範囲であることが望ましい。
保持器21は、ころ20を保持するポケット22、およびポケット22の軸方向の両端側に位置し、周方向に延びる一対の連結部23a、23bを含む。各ポケット22には、一つのころ20が保持される。最も周方向の外側に位置するポケット22と保持器21の周方向の端部25a、25bとの間隔は、各ポケット22間の間隔よりも大きく構成されている。なお、保持器21の内径側には、エアーディスクブレーキ装置に含まれる回転部材(図示せず)が配置される。
一対の連結部23a、23bは、各ポケット22間に位置し、軸方向に延びる柱部24によって軸方向に連結されている。柱部24は、ポケット22に保持されるころ20のPCD(Pitch Circle Diameter)よりも、内径側に設けられる。こうすることにより、保持器21によって保持可能なころ20の数を多くすることができる。そうすると、このような保持器21を含む揺動軸受の負荷容量を大きくすることができる。また、揺動軸受を組立てた後において、揺動軸受用外輪11の軌道面12および柱部24によって、ころ20を挟み込むように保持し、ころ20の径方向の移動を規制することができる。
一対の連結部23a、23bには、折曲げ部17a、17bに係合する形状の係合部26が設けられている。係合部26は、連結部23a、23bから軸方向に突出した形状である。係合部26は、連結部23a、23bに沿って周方向に連なるように形成されておらず、連結部23a、23bの周方向の任意の位置に複数設けられている。
図6は、この発明の一実施形態に係る揺動軸受30を示す斜視図である。図7は、係合部を含む断面で、図6に示す揺動軸受30を切断した場合の断面図である。図2〜図7を参照して、この発明の一実施形態に係る揺動軸受30の構成について説明する。揺動軸受30は、揺動軸受用外輪11と、複数のころ20と、ころ20を保持する保持器21とを含む。揺動軸受30は、ころ20を保持した保持器21を、揺動軸受用外輪11の内径側に配置するようにして組立てられる。
ここで、保持器21を揺動軸受用外輪11の内径側に配置する際には、折曲げ部17a、17bと係合部26とを係合させるようにして配置し、組立てる。このように構成することにより、揺動軸受用外輪11は、折曲げ部17a、17bおよび係合部26によって、保持器21を抱え込むようにして保持することができる。そうすると、保持器21が揺動軸受用外輪11の内径側、すなわち、図6および図7中の矢印Aの方向に移動しようとしても、保持器21の係合部26が折曲げ部17a、17bに引っ掛かり、保持器21の内径側への移動を規制することができる。したがって、揺動軸受用外輪11からのころ20および保持器21の脱落を防止することができる。この場合、折曲げ部17a、17bと係合部26とを係合させて保持器21を抱え込むようにして保持しているため、確実にころ20および保持器21の揺動軸受用外輪11からの脱落を防止することができる。また、ころ20や保持器21の分離やずれを生じることもない。このような揺動軸受30は、後述するエアーディスクブレーキ装置に取付けられる際に、取付け不良を引き起こす恐れが低減される。なお、組立てにおいては、ころ20および保持器21を図5に示す状態に組立てた後、図5における上方側から揺動軸受用外輪11を嵌め込むようにして組立てる。こうすることにより、ころ20をばらけさせることなく、容易に組立てることができる。
さらに、折曲げ部17a、17bは、周方向に連なるように連続して設けられているため、係合部26の周方向の位置に関わらず、折曲げ部17a、17bと係合部26とを係合させることができる。したがって、より確実に保持器21およびころ20の脱落を防止することができる。ここで、係合部26は、周方向に連ねた形状としてもよい。この場合、周方向に連なるようにして設けられる折曲げ部17a、17bによって、周方向の広範囲にわたって保持器21を抱え込むことができる。したがって、さらに安定して保持器21を抱え込み、ころ20および保持器21の脱落を防止することができる。
なお、折曲げ部17a、17bは、周方向に連ねた構成とせず、周方向の任意の箇所に設けることにしてもよい。こうすることによっても、折曲げ部17a、17bによって保持器21を抱え込み、ころ20および保持器21の脱落を防止することができる。
また、折曲げ部17a、17bは、両方の鍔部13a、13bに設けられているため、両方の鍔部13a、13bで保持器21を抱え込むように保持することができる。したがって、さらに確実にころ20および保持器21の脱落を防止することができる。
なお、上記した構成において、保持器21のうち、ポケット22間に位置する柱部24は、内径側に設けることにしたが、柱部24を設ける際の柱部24等の寸法関係については、以下の関係を有することが好ましい。図8は、揺動軸受30を軸方向に垂直な平面で切断した場合の断面図である。図9は、図8中のIXで示す部分の拡大図である。図1は、図9をさらに拡大した図である。
図8および図9を参照して、揺動軸受30の内径側には、回転部材31が配置される。ここで、柱部24の内径をB、外径をB、回転部材31の径をB、PCD32をBとすると、B≦Bであって、かつ、B<0.98×Bの関係を有することが好ましい。このように構成することにより、保持器21に含まれるころ20の数を多くすることができる。したがって、揺動軸受30の負荷容量を大きくすることができる。
また、図1および図8を参照して、柱部24のころ20の回転を案内する壁面(以下「案内面」という)は、平面(断面形状が直線)となっている。そして、ポケット22に収容されるころ20の本数をn、隣接する柱部24の互いに対面する壁面のなす角をa、周方向両端のポケット22に収容されるころ20の自転中心間の中心角をθとすると、{θ/(n−1)}°<a<90°を満たすように設定されている。
隣接する柱部24の互いに対面する壁面(「案内面」を指す)のなす角aが小さくなると、1つの金型で同時に形成できるポケット22の数が減少する。したがって、成型性向上の観点からはaは大きい方が望ましく、aの下限値は{θ/(n−1)}°とする。
一方、aが大きくなると、ころ20をポケット22内で適切に保持することができないおそれがある。具体的には、ころ20が柱部24の壁面を押す力Fは、柱部24の壁面に平行な向きに作用する分力Fと、柱部24の壁面に垂直な向きに作用する分力Fとに分解することができる。そして、各分力F,Fは、a≧90°のときにF≧Fとなる。そうすると、揺動時にころ20が柱部24に乗り上げて隣接するころ20に接触したりする可能性がある。これは、ころ20の表面の油膜切れや発熱を生じる原因となる。したがって、ころ20の適切な保持の観点からはaは小さいほうが望ましく、aの上限値は90°とする。
なお、上記の実施の形態においては、揺動軸受に含まれる保持器は、PCDよりも内径側に柱部を有することにしたが、これに限らず、PCD上または、PCDよりも外径側に柱部を有することにしても構わない。また、連結部を含まない保持器についても適用される。
例えば、図10を参照して、この発明の他の実施形態に係る揺動軸受用保持器41(以下「保持器41」という)を説明する。なお、保持器41の基本構成は保持器21と共通するので、共通点の説明は省略し、相違点を中心に説明する。
保持器41は、ポケット42と、周方向に延びる一対の連結部43a、43bと、一対の連結部43a,43bを相互に連結する柱部44とを有する。なお、柱部44は、ピッチ円45を跨ぐように径方向に延びている。そして、ころ本数nと、中心角θと、隣接する柱部44の互いに対面する壁面のなす角aとは、{θ/(n−1)}°<a<90°を満たすように設定されている。
このように、隣接する柱部の互いに対面する壁面のなす角を所定範囲内に設定することにより、柱部の配置されている位置に拘らず、この発明の効果を得ることができる。
なお、上記の実施の形態においては、折曲げ部は両方の鍔部に設けられており、係合部は両方の連結部に設けられていたが、これに限らず、一方側の鍔部および連結部にのみ、折曲げ部およびこれに係合する係合部を設けることにしてもよい。
また、上記の実施の形態においては、保持器は係合部を含むことにしたが、これに限らず、係合部を含まない構成としてもよい。
次に、上記した揺動軸受を備えるエアーディスクブレーキ装置の構成について簡単に説明する。図11は、この発明の一実施形態に係るエアーディスクブレーキ装置の一部を示す概略断面図である。図11を参照して、エアーディスクブレーキ装置71は、アクチュエータロッド72を備えるブレーキシリンダ79と、アクチュエータロッド72の一方端に連結されるレバー73と、レバー73の他方端に連結される回転部材74と、回転部材74を回転自在に支持する揺動軸受75と、回転部材74の回転中心から偏心した位置に設けられる接続部80と、その一方端が接続部80に連結される伝達部76と、伝達部76に連動する左右のブレーキパッド77a、77bと、左右のブレーキパッド77a、77bの間に配置されるロータ78とを含む。
ブレーキシリンダ79内の圧縮空気の作用により、アクチュエータロッド72がレバー73を図11中の矢印Cの方向に押す。そうすると、回転部材74が回転し、接続部80に連結された伝達部76は、図11中の矢印Dの方向に押される。そうすると、伝達部76に連動して左右のブレーキパッド77a、77bがロータ78を挟みこむ。なお、回転部材74からの荷重が除去されれば、伝達部76は、バネ81の力により矢印Dと逆の方向に力が加えられ、元の位置に戻る。そして、ブレーキパッド77a、77bがロータ78を挟み込む状態は解除される。このようにして、エアーディスクブレーキ装置71は構成されている。
ここで、回転部材74を回転可能に支持する揺動軸受75は、上記した構成を有する。このような揺動軸受75は、揺動軸受用外輪の内径側にころを保持した保持器を配置し、組立てた後においても、折曲げ部によって保持器を抱え込むように保持しているため、ころおよび保持器の揺動軸受用外輪からの脱落を防止することができる。また、組立て時において、ころおよび保持器の分離やずれを防止することができる。したがって、揺動軸受75の組立て性は良好である。
このようなエアーディスクブレーキ装置71は、組立て性が良好な揺動軸受75を含むため、生産性を向上することができる。
また、上記の実施の形態においては、揺動軸受用外輪は、鋼板を打ち抜いて曲げ、最終的な外形形状とすることにしたが、これに限らず、削り加工によって製造することにしてもよい。
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
この発明は、揺動軸受用保持器、揺動軸受に有利に利用される。
図9をさらに拡大した図である。 この発明の一実施形態に係る揺動軸受用外輪を示す斜視図である。 この発明の一実施形態に係る揺動軸受に含まれる保持器を示す斜視図である。 ポケットにころを配置した状態の保持器であって、ころを下方側にした場合の斜視図である。 ポケットにころを配置した状態の保持器であって、ころを上方側にした場合の斜視図である。 この発明の一実施形態に係る揺動軸受を示す斜視図である。 図6に示す揺動軸受を、係合部を含む平面で切断した場合の断面図である。 図6に示す揺動軸受の断面を軸方向から見た図である。 図8中のIXで示す部分の拡大図である。 この発明の他の実施形態に係る揺動軸受用保持器を示す図である。 この発明の一実施形態に係るエアーディスクブレーキ装置の一部を示す概略断面図である。 従来におけるエアーディスクブレーキ装置の一部を示す概略断面図である。
符号の説明
11,105 揺動軸受用外輪、12 軌道面、13a,13b 鍔部、14a,14b 突起部、15,16 凸部、17a,17b 折曲げ部、20,40 ころ、21,41 保持器、22,42 ポケット、23a,23b,43a,43b 連結部、24,44 柱部、25a,25b 端部、26 係合部、30 揺動軸受、31 回転部材、32,45 PCD、71,101 エアーディスクブレーキ装置、72,102 アクチュエータロッド、73,103 レバー、74,104 回転部材、76 伝達部、77a,77b ブレーキパッド、78 ロータ、79 ブレーキシリンダ、80,107 接続部、81 バネ、106 トラバース。

Claims (3)

  1. 周方向に延びる一対の連結部と、
    前記一対の連結部を相互に接続する複数の柱部とを有し、隣接する前記柱部の間にころを保持する複数のポケットが形成されている揺動軸受用保持器であって、
    前記ポケットに収容されるころの本数をn、隣接する前記柱部の互いに対面する壁面のなす角をa、周方向両端の前記ポケットに収容されるころの自転中心間の中心角をθとすると、
    {θ/(n−1)}°<a<90°
    を満たす、揺動軸受用保持器。
  2. 内径側に軌道面を含み、軸方向の両端部を内径側に折り曲げた鍔部を有する揺動軸受用外輪と、
    前記軌道面上に配置される複数のころと、
    請求項1に記載の揺動軸受用保持器とを備える、揺動軸受。
  3. 請求項2に記載の揺動軸受を備える、エアーディスクブレーキ装置。
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