JP2008138542A - 変速装置付ポンプ - Google Patents
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Abstract
【課題】建屋等の土木構造物の大型化を招くことがないよう、主軸軸心方向長さのコンパクト化を図りながら歯車減速装置等の変速装置付ポンプを実現させる。
【解決手段】変速装置付ポンプにおいて、垂直方向の主軸7に取付けられる羽根車8と、羽根車8を回転自在に収容する羽根車室9と、羽根車室9の上流側に配置される吸込みカバー10と、羽根車室9の下流側に配置されるエルボ管12とを備え、モータ動力を変速して主軸7に伝達する変速装置Bの少なくとも一部が、エルボ管12の流体移送経路12Wに内蔵されるとともに、変速装置Bの入力軸13を主軸7と平行に取り出す。
【選択図】図1
【解決手段】変速装置付ポンプにおいて、垂直方向の主軸7に取付けられる羽根車8と、羽根車8を回転自在に収容する羽根車室9と、羽根車室9の上流側に配置される吸込みカバー10と、羽根車室9の下流側に配置されるエルボ管12とを備え、モータ動力を変速して主軸7に伝達する変速装置Bの少なくとも一部が、エルボ管12の流体移送経路12Wに内蔵されるとともに、変速装置Bの入力軸13を主軸7と平行に取り出す。
【選択図】図1
Description
本発明は、ポンプ主軸方向長さのコンパクト化が図れる変速装置付ポンプに関するものである。
この種の変速装置付ポンプとしては、特許文献1において開示されたものが知られている。即ち、モータで回転駆動される垂直方向の主軸に取付けられる羽根車と、羽根車を回転自在に収容する羽根車室と、羽根車室の上流側に配置される吸込みカバーと、羽根車室の下流側に配置されるエルボ管とを備えた変速装置付ポンプが構成されている。
上記の変速装置付ポンプでは、エルボの上方に支持ケーシングを介して電動モータが配備されており、その電動モータによって駆動される上部主軸がエルボを上下に貫く状態で配置され、その上部主軸の回転を、羽根車室の中間ケーシングに収容される遊星歯車減速機構で減速してから、羽根車が取付けられる下部主軸に伝動する構成とされている。
特許文献1に示されるような箇所に減速機構を設ける構成では、減速軸が取り出し難いため、メンテナンスに手間が掛るという問題があった。また、スペース的な制約の厳しい羽根車室に減速機構を設けるために、上部主軸と下部主軸との軸心を一致させる必要があって減速手段が限定(遊星歯車機構)されてしまう点で設計上の難しさがあった。また、ポンプ性能に大きな影響を及ぼす箇所である羽根車室近辺に大きなスペースを確保することから、ポンプ効率等の確保が困難であった。
そこで、メンテナンス上の制約が少なく、ポンプ性能に直接影響の少ないように変速装置を設けるには、エルボ管とモータとの間に変速装置を配置することが考えられる。これは、特許文献1の図1に示される立軸ポンプにおいて、カップリング(符号5)が装備されている箇所に変速装置を配置する構成となる。
しかしながら、この構成では、エルボ管の上方に配置される変速装置の配置スペースの分、電動モータの配置高さが高くなり、ポンプ設備としての主軸軸心方向長さ(ポンプ装置高さ)が大きくなり、これを収容する建屋や土木構造物のコストが嵩むという問題があった。特許文献2には、変速部をエルボに内蔵した横軸ポンプ装置が開示されている。この横軸ポンプは、羽根車とスラスト軸受との間に変速部が配置されており、変速部の軸にスラスト荷重が作用するため、この部分にスラスト荷重を伝達できない変速機構(遊星歯車変速機構)を採用できない課題があった。また、変速横軸はスラスト荷重を伝達可能な強度を有する必要があった。
特開2001−073982号公報
特開2004−124810号公報
本発明の目的は、建屋等の土木構造物の大型化を招くことがないよう、主軸軸心方向長さのコンパクト化を図りながらメンテナンスが容易で、かつ、変速部に羽根車の回転に伴うスラスト荷重が作用しない変速装置付ポンプを実現させて提供する点にある。
請求項1に係る発明は、変速装置付ポンプにおいて、垂直方向の主軸7に取付けられる羽根車8と、前記羽根車8を回転自在に収容する羽根車室9と、前記羽根車室9の上流側に配置される吸込みカバー10と、前記羽根車室9の下流側に配置されるエルボ管12と、駆動源の動力を変速して前記主軸7に伝達する変速装置Bとを有し、前記変速装置Bが駆動源の回転速度を変速する変速部19と、前記羽根車8の回転により生じるスラスト荷重を支えるスラスト軸受26とを備え、前記変速装置Bの少なくとも一部が前記エルボ管12に内蔵されるとともに、前記スラスト軸受26が、前記変速部19と前記羽根車8との間に配置され、前記変速装置Bの入力軸13が前記主軸7と平行に取り出されていることを特徴とするものである。
請求項2に係る発明は、変速装置付ポンプにおいて、水平方向の主軸7に取付けられる羽根車8と、前記羽根車8を回転自在に収容する羽根車室9と、前記羽根車室9の上流側に配置されるエルボ管12と、前記エルボ管12の上流側に配置される吸込みカバー10と、駆動源の動力を変速して前記主軸7に伝達する変速装置Bとを有し、前記変速装置Bが駆動源の回転速度を変速する変速部19と、前記羽根車8の回転により生じるスラスト荷重を支えるスラスト軸受26とを備え、前記変速装置Bの少なくとも一部が前記エルボ管12に内蔵されるとともに、前記スラスト軸受26が、前記変速部19と前記羽根車8との間に配置され、前記変速装置Bの入力軸13が前記主軸7と平行に取り出されていることを特徴とするものである。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の変速装置付ポンプにおいて、前記変速装置Bの出力軸20と前記主軸7とが分解可能な構造の軸継手29で連結され、前記変速装置Bは、前記入力軸13と前記出力軸20とに跨って形成される変速部19を囲繞する変速機ケース18を有して構成され、前記変速機ケース18は、これの前記主軸7の軸方向への移動により、前記エルボ管12に形成される装着用開口17を通しての抜き差しが可能に前記エルボ管12に装着されていることを特徴とするものである。
請求項4に係る発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の変速装置付ポンプにおいて、前記エルボ管12に、前記エルボ管12を流れる流体の移送経路12Wの曲がり形状に沿った方向に導かれるようにするための整流板31が装備されていることを特徴とするものである。
請求項5に係る発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の変速装置付ポンプにおいて、前記変速部19が、遊星歯車変速機構又は平歯車変速機構で構成されていることを特徴とするものである。
請求項1の発明によれば、詳しくは実施形態の項にて述べるが、立軸型のポンプにおいて、変速装置の少なくとも一部がエルボ管に内蔵されるように配置されることにより、ポンプ作用による水等の液体の流れによる液冷作用によって良好に変速装置を冷却しながら、上下方向寸法の小型化を図ることが可能になる。その結果、建屋等の土木構造物の大型化を招くことがないよう、主軸軸心方向である垂直方向長さのコンパクト化を図れ、かつ、変速装置をメンテナンスし易いエルボ管に設けた立軸型の変速装置付ポンプを提供することができる。また、スラスト軸受を変速部と羽根車との間に配置することにより、変速部の軸にスラスト荷重が作用せずその力を考慮した太い軸を用いる必要がなく変速部のボールベアリング等の軸受も簡素化されるので、変速装置が小型化されコストダウンが可能となる利点がある。
請求項2の発明によれば、詳しくは実施形態の項にて述べるが、横軸型のポンプにおいて、変速装置の少なくとも一部がエルボ管に内蔵されるように配置されることにより、ポンプ作用による水等の液体の流れによる液冷作用によって良好に変速装置を冷却しながら、水平方向寸法の小型化を図ることが可能になる。その結果、建屋等の土木構造物の大型化を招くことがないよう、主軸軸心方向である水平方向長さのコンパクト化を図れ、かつ、変速装置をメンテナンスし易いエルボ管に設けた横軸型の変速装置付ポンプを提供することができる。また、スラスト軸受を変速部と羽根車との間に配置することにより、変速部の軸にスラスト荷重が作用せずその力を考慮した太い軸を用いる必要がなく変速部のボールベアリング等の軸受も簡素化されるので、変速装置が小型化されコストダウンが可能となる利点がある。
請求項3の発明によれば、変速装置の出力軸とポンプ主軸とがカップリング等の分解可能な構造の軸継手で連結されていて、両軸が互いに別体となっており、変速装置をその構成部品のエルボ管に対する分解や組付けを伴うことなく、全体としてエルボ管に抜き差ししての組付け取外しが行えるものとなり、所謂モジュール化が促進された便利で扱い易い変速装置付ポンプとして提供することができる。
請求項4の発明によれば、整流板を設けることで変速装置がエルボ管内に存在しても流動損失を抑制し液体を良好にエルボ管内に流すことができる。また、請求項5のように、変速部は一般的な構造である遊星歯車変速機構や平歯車変速機構を用いて簡単で廉価に構成することが可能である。
以下に、本発明による変速装置付ポンプの実施の形態を、図面を参照しながら説明する。図1,2は実施例1の変速装置付ポンプ、図3は実施例2の変速装置付ポンプ、図4,5は実施例3の変速装置付ポンプ、図6は実施例4の変速装置付ポンプをそれぞれ示している。
〔実施例1〕
図1に排水設備Sが示されている。この排水設備Sは、ポンプピット1と、その上方に構築されるポンプ用建屋2と、ポンプピット1に貯留されている水を排水するためのポンプ装置3等から構成されている。コンクリート製のポンプピット1は、スクリーン4を通して雨水等の処理水を流し込んで貯留させるところであり、ある程度貯留されてくるとポンプ装置を作動させて排水させるようになる。天井クレーン6が装備される建屋2には、ポンプ駆動用の電動モータ(駆動源の一例)5や電力制御装置(図示省略)等が配置される。ポンプ装置3は、変速装置付ポンプA、及びこれを駆動する電動モータ5等から成る。
図1に排水設備Sが示されている。この排水設備Sは、ポンプピット1と、その上方に構築されるポンプ用建屋2と、ポンプピット1に貯留されている水を排水するためのポンプ装置3等から構成されている。コンクリート製のポンプピット1は、スクリーン4を通して雨水等の処理水を流し込んで貯留させるところであり、ある程度貯留されてくるとポンプ装置を作動させて排水させるようになる。天井クレーン6が装備される建屋2には、ポンプ駆動用の電動モータ(駆動源の一例)5や電力制御装置(図示省略)等が配置される。ポンプ装置3は、変速装置付ポンプA、及びこれを駆動する電動モータ5等から成る。
実施例1による変速装置付ポンプAは、図1,図2に示すように、垂直方向の主軸7に取付けられる羽根車8と、羽根車8を回転自在に収容する羽根車室9と、羽根車室9の上流側に配置される吸込みカバー10と、羽根車室9の下流側に配置される揚水管11と、揚水管11の下流側に配置されるエルボ管12と、モータ動力を減速して主軸7に伝達する変速装置Bとを有して構成されている。電動モータ5のモータ軸5aと変速装置Bの入力軸13とはカップリング14を介して連動連結されている。この場合のカップリング14は、上下一対の軸継手14a,14aと、伝動軸14bとで構成されている。尚、15は吐出し弁、16は吐出し管である。
変速装置Bは、図2に示すように、エルボ管12に一体形成されている鉛直管部12Eに収容される変速機ケース18と、これに収容される遊星歯車減速機構(変速部の一例)19と、入力軸13と、出力軸20とを有して構成されている。変速機ケース18は、鉛直管部12Eの上端に形成される装着用開口17を覆う状態で取付けられる上端ケース部18aと、その上側に取付けられる上蓋ケース部18bと、本体ケース部18cと、これの下端に取付けられる下端ケース部18dと、その下側に取付けられる下蓋ケース部18eとから構成されている。
遊星歯車減速機構19は、入力軸13の下端に設けられる太陽ギヤ21と、太陽ギヤ21の周囲にこれと咬合する状態で配される複数の遊星ギヤ22と、複数の遊星ギヤ22に咬合する状態で外接するリングギヤ23とから成り、リングギヤ23が取付けられる出力軸20が、入力軸13と互いに同一の軸心Pを有する状態で配備されている。複数の遊星ギヤ22は、上端ケース部18aと本体ケース部18cとの間に介装される支持プレート24に対して回転自在に支持されている。
下端ケース部18dの上方突出筒部18fには、ボールベアリング25とスラストベアリング(スラスト軸受の一例)26とによる軸受機構jが装備されており、出力軸20の上部を回転自在で、かつ、スラスト荷重を受け止めて支持するように構成されている。即ち、出力軸20上端部に形成される突出部20aの下方に外嵌される受止め輪27が、スラストベアリング26に載せ付けられるとともに、その外周部にボールベアリング25が外装されている。この軸受機構jと前述の遊星歯車減速機構19とは本体ケース部18cに収容される。
下端ケース部18dと下蓋ケース部18eとによって出力軸20のメカニカルシール28を支持しており、そこから下方突出する出力軸20の下端部は、筒状部材で成るカップリング(分解可能な構造の軸継手の一例)29を用いて主軸7が連動連結されている。つまり、モータ軸5a、入力軸13、出力軸20、及び主軸7はすべて互いに同一の軸心Pを有する状態に配置されている。また、上端ケース部18a、及び上蓋ケース部18bのそれぞれには、入力軸13を回転自在に支持するための軸受30が装備されている。
変速機ケース18は、上端ケース部18aの鉛直管部12Eへのボルト止めを解除して、主軸7の軸心P方向への移動により、装着用開口17を通しての抜き差しが可能にエルボ管12に装着されている。従って、変速装置Bとして組み上がった状態の変速機ケース18を装着用開口17から落し込み移動させて鉛直管部12Eに差込むことにより、変速装置Bを簡単で楽にエルボ管12に内装される状態に組付けることができるとともに、装着用開口17を通しての変速機ケース18の鉛直管部12Eからの取り出しにより、変速装置Bを簡単で楽にエルボ管12から分解して離脱させることができる。
鉛直管部12Eに支持される変速機ケース18は、その下部、具体的には本体ケース部18c以下の部分が、円弧状に90度屈曲する形状の流体移送経路12Wに侵入する(張り出す)状態でエルボ管12に装備されている。尚、図2に示すように、流体移送経路12Wを流れる水が流体移送経路12Wの曲がり形状に沿った方向に導かれるようにするための整流板31や、出力軸20とカップリング29との連結状態や脱着状況を目視確認するための窓部32をエルボ管12に設けても良い。窓部32の透明板32aを着脱可能にエルボ管12に装備して、必要時には、そこから出力軸20とカップリング29との連結操作や解除操作を行えるように構成しても良い。
以上のように、変速機ケース18は鉛直管部12E、即ちエルボ管12に内装されているので、羽根車8のポンプ作用によって流体移送経路12Wを流れる水により、直接変速機ケース18を冷却(水冷)することが可能であり、変速装置B、並びにメカニカルシール28を有効に冷却することができる。そして、変速装置Bがエルボ管12の内部に(流体移送経路12Wに)食い込むように配置されているので、その配置高さを低く抑えること、即ち立軸型の変速装置付ポンプの上下寸法のコンパクト化が可能になる。また、変速機ケース18をより水の流れに近付けることにより水冷作用(液冷作用)を促進させることもできる。さらに、スラスト軸受26が変速部19と羽根車8との間に配置されているで、変速部19にスラスト荷重が作用せずその力を考慮した太い軸を用いる必要がなく変速部19のボールベアリング等の軸受も簡素化されるので、変速装置Bが小型化されコストダウンが可能となる利点がある。
従って、冷却ファンやオイルクーラー等の冷却手段を別途に設ける必要無く、変速装置Bの冷却性能を高めながら電動モータ5も含めたポンプ装置全体としての上下方向寸法を従来よりも短縮化することが可能である。故に、電動モータ5の配置高さを低めて建屋2の高さを抑えられる利点もある。また、変速機ケース18が揚水に漬かることにより、変速装置Bから生じる音を遮蔽する遮音効果が得られる利点もある。そして、変速装置Bのメンテナンスも容易に行うことができる。
〔実施例2〕
実施例2による変速装置付ポンプAは、図3に示すように、実施例1の変速装置付ポンプAにおける変速部19が異なるものであり、図2に示すエルボ管12及び変速装置Bと同一の箇所や機能を有する部分には同じ符号を付し、その説明が為されたものとする。実施例2による変速部19は、入力軸13の下部に設けられる小径平ギヤ(ピニオンギヤ)33と、出力軸20の上部に設けられる大径平ギヤ34との咬合による平歯車減速機構に構成されている。
実施例2による変速装置付ポンプAは、図3に示すように、実施例1の変速装置付ポンプAにおける変速部19が異なるものであり、図2に示すエルボ管12及び変速装置Bと同一の箇所や機能を有する部分には同じ符号を付し、その説明が為されたものとする。実施例2による変速部19は、入力軸13の下部に設けられる小径平ギヤ(ピニオンギヤ)33と、出力軸20の上部に設けられる大径平ギヤ34との咬合による平歯車減速機構に構成されている。
この場合は、本体ケース部18cの高さが低く、上端ケース部18aが下方に延長されその下端付近から横方向に形成される張出しケース部18gに入力軸13の下端部が軸受35で回転自在に支持されている。また、上蓋ケース部18bには、入力軸13や出力軸20を回転自在に支持する軸受36,37が装備される。従って、出力軸20と主軸7とは互いに同一の軸心Pを有し、入力軸13及びモータ軸5aを通る軸心Xとは互いに平行な関係になっている。
〔実施例3〕
実施例3による変速装置付ポンプAは、エンジン駆動される排水設備Sに用いられる横軸型のものに構成されている。図4に示す排水設備Sは、ポンプピット1と横軸型の変速装置付ポンプAと、これを駆動するエンジン5とを有して構成されている。
実施例3による変速装置付ポンプAは、エンジン駆動される排水設備Sに用いられる横軸型のものに構成されている。図4に示す排水設備Sは、ポンプピット1と横軸型の変速装置付ポンプAと、これを駆動するエンジン5とを有して構成されている。
実施例3による変速装置付ポンプAは、図4,図5に示すように、ディーゼルエンジン(駆動源の一例)5で回転駆動される水平方向の主軸7に取付けられる羽根車8と、羽根車8を回転自在に収容する羽根車室9と、羽根車室9の上流側に配置されるエルボ管12と、エルボ管の上流側に配置される揚水管11と、揚水管11の上流側に配置される吸込みカバー10と、エンジン動力を減速して主軸7に伝達する変速装置Bとを有して構成されている。
エンジン5のクランク軸5aと変速装置Bの入力軸13とはカップリング14を介して連動連結されている。尚、15は吐出し弁、16は吐出し管である。この横軸型のポンプAにおいても変速装置Bの少なくとも一部が、エルボ管12の流体移送経路12Wに侵入する(張り出す)状態でエルボ管12に装備されるとともに、変速装置Bの入力軸13が主軸7と平行に取り出されている。尚、図5の変速装置Bにおいては、軸心Pに関してエンジン5の配置側(入力軸13側)を「外」、主軸7側を「内」と定義するものとする。
変速装置Bは、図5に示すように、エルボ管12に一体形成されている水平管部12Sに収容される変速機ケース18と、これに収容される遊星歯車減速機構(変速部の一例)19と、入力軸13と、出力軸20とを有して構成されている。変速機ケース18は、入力軸13を一対の軸受30,30を介して回転自在に支持する第1ケース部18Aと、これの外側に取り付けられる外端ケース部18Bと、遊星歯車減速機構19を囲繞する第2ケース部18Cと、軸受機構jとメカニカルシール28を囲繞する第3ケース部18D、第3ケース部18Dの内側に取付けられる内端ケース部18Eとを有して構成されている。
遊星歯車減速機構19は、入力軸13の内端に設けられる太陽ギヤ21と、太陽ギヤ21の周囲にこれと咬合する状態で配される複数の遊星ギヤ22と、複数の遊星ギヤ22に咬合する状態で外接するリングギヤ23とから成り、リングギヤ23が取付けられる出力軸20が、入力軸13と互いに同一の軸心Pを有する状態で配備されている。複数の遊星ギヤ22は、第1ケース部18Aと第2ケース部18Cとの間に介装される支持プレート24に対して回転自在に支持されている。そして、支持プレート24はそれら第1,第2ケース部18A,18Cよりも大径に形成されて、水平管部12Sの外端にボルト止めされて装着用開口17を覆う蓋となるように構成されている。
第2ケース部18Cと第3ケース部18Dとの間に共締め介装される収容ケース部18Fには、互いに逆方向のスラスト荷重に耐え得る一対のスラストベアリング26,39を有して成る軸受機構jが装備されており、出力軸20の外端部を回転自在に支持するように構成されている。また、第3ケース部18Dの内側部分と内端ケース部18Eとによって出力軸20のメカニカルシール28を支持しており、そこから内方突出する出力軸20の内端部は、筒状部材で成るカップリング29を用いて主軸7に連動連結されている。つまり、クランク軸5a、入力軸13、出力軸20、及び主軸7はすべて互いに同一の軸心Pを有する状態に配置されている。
変速機ケース18は、支持プレート24の水平管部12Sへのボルト止めを解除して、主軸7の軸心P方向への移動により、装着用開口17を通しての抜き差しが可能にエルボ管12に装着されている。従って、変速装置Bとして組み上がった状態の変速機ケース18を装着用開口17から水平管部12Sに横移動させて差込むことにより、変速装置Bを簡単で楽にエルボ管12に内装される状態に組付けることができるとともに、装着用開口17を通しての変速機ケース18の水平管部12Sからの取り出しにより、変速装置Bを簡単で楽にエルボ管12から分解して離脱させることができる。
第2ケース部18Cより内側の部分が水平管部12Sに収容される変速機ケース18は、エルボ管12内を流れる水で冷却されるよう、水平管部12Sに収容されている。そして、変速機ケース18の内方部、具体的には第3ケース部18Dより内方の部分が、円弧状に90度屈曲する形状の流体移送経路12Wに侵入する(張り出す)状態でエルボ管12に収容されている。尚、図5に示すように、流体移送経路12Wを流れる水が流体移送経路12Wの曲がり形状に沿った方向に導かれるようにするための整流板31をエルボ管12に一体的に、又は別体の取付けとして設けても良い。
以上のように、変速機ケース18は水平管部12S、即ちエルボ管12に内装されているので、羽根車8のポンプ作用によって流体移送経路12Wを流れる水により、変速機ケース18を冷却(水冷)することが可能であり、変速装置B、並びにメカニカルシール28を有効に冷却することができる。そして、変速装置Bがエルボ管12の内部に(流体移送経路12Wに)食い込むように配置されているので、その軸心P方向の長さを短く抑えること、即ち横軸型の変速装置付ポンプの水平方向寸法のコンパクト化が可能になる。また、変速機ケース18をより水の流れに近付けることにより水冷作用(液冷作用)を促進させることもできる。さらに、スラスト軸受26,39が変速部19と羽根車8との間に配置されているで、変速部19にスラスト荷重が作用せずその力を考慮した太い軸を用いる必要がなく変速部19のボールベアリング等の軸受も簡素化されるので、変速装置Bが小型化されコストダウンが可能となる利点がある。
従って、冷却ファンやオイルクーラー等の冷却手段を別途に設ける必要無く、変速装置Bの冷却性能を高めながらエンジン5も含めたポンプ装置全体としての横方向寸法を従来よりも短縮化することが可能である。また、変速機ケース18が揚水に漬かることにより、変速装置Bから生じる音を遮蔽する遮音効果が得られる利点もある。そして、変速装置Bのメンテナンスも容易に行うことができる。
〔実施例4〕
実施例4による変速装置付ポンプAは、図6に示すように、実施例3の変速装置付ポンプAにおける変速部19が異なるのみであり、図5に示すエルボ管12及び変速装置Bと同一の箇所や機能を有する部分には同じ符号を付し、その説明が為されたものとする。実施例4による変速部19は、入力軸13の内端部に設けられる小径平ギヤ(ピニオンギヤ)33と、出力軸20の外端部に設けられる大径平ギヤ34との咬合による平歯車減速機構に構成されている。
実施例4による変速装置付ポンプAは、図6に示すように、実施例3の変速装置付ポンプAにおける変速部19が異なるのみであり、図5に示すエルボ管12及び変速装置Bと同一の箇所や機能を有する部分には同じ符号を付し、その説明が為されたものとする。実施例4による変速部19は、入力軸13の内端部に設けられる小径平ギヤ(ピニオンギヤ)33と、出力軸20の外端部に設けられる大径平ギヤ34との咬合による平歯車減速機構に構成されている。
この場合は、第1ケース部18Aが大型化されて装着用開口17を覆う蓋となるように構成されるとともに、同様に大型化されている収容ケース部18Fとによって平歯車減速機構19を囲繞しており、第2ケース部18Cは省略される構成の変速機ケース18となっている。外端ケース部18Bには、入力軸13や出力軸20を回転自在に支持する軸受36,37が装備されるとともに、張出しケース部18Gに入力軸13の内端を支持する軸受35が装備される。従って、出力軸20と主軸7とは互いに同一の軸心Pを有し、入力軸13及びクランク軸5aを通る軸心Xとは互いに平行な関係になっている。
7 主軸
8 羽根車
9 羽根車室
10 吸込みカバー
12 エルボ管
12W 流体移送経路
13 入力軸
17 装着用開口
18 変速機ケース
19 変速部
20 出力軸
26 スラスト軸受
29 軸継手
31 整流板
A 変速装置付ポンプ
B 変速装置
8 羽根車
9 羽根車室
10 吸込みカバー
12 エルボ管
12W 流体移送経路
13 入力軸
17 装着用開口
18 変速機ケース
19 変速部
20 出力軸
26 スラスト軸受
29 軸継手
31 整流板
A 変速装置付ポンプ
B 変速装置
Claims (5)
- 垂直方向の主軸に取付けられる羽根車と、前記羽根車を回転自在に収容する羽根車室と、前記羽根車室の上流側に配置される吸込みカバーと、前記羽根車室の下流側に配置されるエルボ管と、駆動源の動力を変速して前記主軸に伝達する変速装置とを有し、前記変速装置が駆動源の回転速度を変速する変速部と、前記羽根車の回転により生じるスラスト荷重を支えるスラスト軸受とを備え、前記変速装置の少なくとも一部が前記エルボ管に内蔵されるとともに、前記スラスト軸受が、前記変速部と前記羽根車との間に配置され、前記変速装置の入力軸が前記主軸と平行に取り出されている変速装置付ポンプ。
- 水平方向の主軸に取付けられる羽根車と、前記羽根車を回転自在に収容する羽根車室と、前記羽根車室の上流側に配置されるエルボ管と、前記エルボ管の上流側に配置される吸込みカバーと、駆動源の動力を変速して前記主軸に伝達する変速装置とを有し、前記変速装置が駆動源の回転速度を変速する変速部と、前記羽根車の回転により生じるスラスト荷重を支えるスラスト軸受とを備え、前記変速装置の少なくとも一部が前記エルボ管に内蔵されるとともに、前記スラスト軸受が、前記変速部と前記羽根車との間に配置され、前記変速装置の入力軸が前記主軸と平行に取り出されている変速装置付ポンプ。
- 前記変速装置の出力軸と前記主軸とが分解可能な構造の軸継手で連結され、前記変速装置は、前記入力軸と前記出力軸とに跨って形成される変速部を囲繞する変速機ケースを有して構成され、前記変速機ケースは、これの前記主軸の軸方向への移動により、前記エルボ管に形成される装着用開口を通しての抜き差しが可能に前記エルボ管に装着されている請求項1又は2に記載の変速装置付ポンプ。
- 前記エルボ管に、前記エルボ管を流れる流体の移送経路の曲がり形状に沿った方向に導かれるようにするための整流板が装備されている請求項1〜3の何れか一項に記載の変速装置付ポンプ。
- 前記変速部が、遊星歯車変速機構又は平歯車変速機構で構成されている請求項1〜4の何れか一項に記載の変速装置付ポンプ。
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- 2006-11-30 JP JP2006323489A patent/JP2008138542A/ja active Pending
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