JP2008138194A - 有機ナノ粒子の製造方法、それにより得られる有機ナノ粒子、それを含むカラーフィルタ用インクジェットインク、着色感光性樹脂組成物、および感光性樹脂転写材料、ならびにそれらを用いたカラーフィルタ、液晶表示装置、およびccdデバイス - Google Patents

有機ナノ粒子の製造方法、それにより得られる有機ナノ粒子、それを含むカラーフィルタ用インクジェットインク、着色感光性樹脂組成物、および感光性樹脂転写材料、ならびにそれらを用いたカラーフィルタ、液晶表示装置、およびccdデバイス Download PDF

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Abstract

【課題】分散安定性が高く、ナノサイズで粒径分布ピークのシャープな有機ナノ粒子の製造方法を提供する。また、上記の優れた特性を有する有機ナノ粒子を効率よく多量に生産することができる製造方法を提供する。
【解決手段】 良溶媒に有機材料を溶解した有機材料溶液と、前記良溶媒と相溶性でありかつ前記有機材料に対しては貧溶媒となる溶媒とを下記数式(1)で表されるレイノルズ数が60以上となる条件下で混合し前記有機材料のナノ粒子を析出させる有機ナノ粒子の製造方法。
Re=ρUL/μ ・・・ 数式(1)
(数式(1)中、Reはレイノルズ数を表し、ρは有機材料溶液の密度を表し、Uは有機材料溶液と貧溶媒とが出会うときの相対速度を表し、Lは有機材料溶液と貧溶媒とが出会う部分の流路もしくは供給口の等価直径を表し、μは有機材料溶液の粘性係数を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、有機ナノ粒子の製造方法、およびそれにより得られる有機ナノ粒子、それを含むカラーフィルタ用インクジェットインク、着色感光性樹脂組成物、および感光性樹脂転写材料、ならびにそれらを用いたカラーフィルタ、液晶表示装置、およびCCDデバイスに関する。
近年、粒子を小サイズ化する取り組みが進められている。特に、粉砕法などでは製造することが困難なナノメートルサイズ、例えば10〜100nmの範囲にまで小サイズ化する研究が進められている。さらに、ナノメートルサイズに小サイズ化し、しかも単分散粒子とすることが試みられている。
このようなナノメートルサイズの微粒子は、通常のバルク粒子と分子や原子との中間に位置し従来にないサイズ領域であり、予想できなかった新たな特性を引き出しうることが指摘されている。しかも、単分散性を高めればナノ粒子の特性を安定化することも可能であり、このようなナノ粒子のもつ可能性はさまざまな分野で期待され、生化学、新規材料、電子素子、発光表示素子、印刷、医療などの広い分野で研究が盛んになりつつある。
特に、有機化合物からなる有機粒子は、有機化合物自体が多様性を有するため、機能性材料としてのそのポテンシャルは高い。例えば、ポリイミドは、耐熱性、耐溶剤性、機械的特性など、化学的および機械的に安定な材料であること、電気絶縁性が優れているなどのことから多く分野で利用されている。そしてポリイミドを微粒子化して、その材料特性と形状特性とを組み合わせて、さらに広い分野への応用が期待されている。例えば、微粒子化したポリイミドを画像形成用の粉末トナーの添加剤とすることなどが提案されている(特許文献1)。
また、有機粒子のなかでも有機顔料についてみると、例えば、塗料、印刷インク、電子写真用トナー、インクジェットインク、カラーフィルタ等を用途として挙げることができる。これらは、今や、生活上欠くことができない重要な化合物となっている。なかでも高性能が要求され、実用上、特に重要なものとして、インクジェットインク用顔料およびカラーフィルタ用顔料が挙げられる。
インクジェット用インクの色材については、従来、染料が用いられてきたが、耐水性や耐光性の面で問題があり、それを改良するために顔料が用いられるようになってきている。顔料インクにより得られた画像は、染料系のインクによる画像に較べて耐光性、耐水性に優れるという利点を有する。しかしながら、紙表面の空隙に染み込むことが可能なナノメートルサイズで単分散性を高くすることは難しく、紙への密着性に劣る。
また、デジタルカメラの高画素化に伴い、CCDセンサーなどの光学素子や表示素子に用いるカラーフィルタの薄層化が望まれている。カラーフィルタには有機顔料が用いられているが、フィルタの厚さは有機顔料の粒子径に大きく依存するため、ナノメートルサイズレベルで、しかも単分散で安定な微粒子の製造が望まれている。
一方、粒子の分散性の改善についてみると、従来有機顔料の分散が各種の分散機(ロールミル、ボールミル、アトライター等)を用いて工業的に行われているが、粒子を微細化することにより粘度が上昇してしまう場合がある。粘度が上昇してしまうと、分散機からの取り出しが困難となったり、パイプラインによる輸送ができなくなったり、更には貯蔵中にゲル化して使用不能となったりする。これらを解決するために、分散を助ける分散剤、分散を安定化させるポリマーの添加が行われているが十分な効果は得られていない(非特許文献1など参照)。
またカラーフィルタ用の有機顔料分散液では、その分散性を高めるため、カラーフィルタの製造に必要なアルカリ現像性と分散安定性との両性質を付与し得るポリマーや顔料分散剤を添加している(特許文献2)。しかしながら、これらの方法では分散に時間がかかり、また粘度が上昇してしまうなどのために、要求を充足するには至っていない。
有機粒子の製造方法に関してみると、気相法(不活性ガス雰囲気下で試料を昇華させ、粒子を基板上に回収する方法)、液相法(例えば、良溶媒に溶解した試料を撹拌条件や温度を制御した貧溶媒に注入することにより、微粒子を得る再沈法)、レーザーアブレーション法(溶液中に分散させた試料に、レーザーを照射しアブレーションさせることにより粒子を微細化する方法)などが研究されている。中でも液相法は、簡易性および生産性に優れた有機粒子の製造法として注目されている(特許文献3)。
この液相法で製造した有機粒子は析出条件を溶媒種・注入速度・温度等で調整することにより結晶形や粒子表面の性質を調整でき、キナクリドン顔料の結晶形を貧溶媒種によって調整した例が記載されている(特許文献4)。
そして、前記液相法によって調製した顔料粒子の分散性の改善が試みられており、液相法によって顔料粒子水分散体を調製した例が記載されている(特許文献5)。しかしながら、この方法は最終的に水性分散体とする方法であり、有機溶剤分散体とする方法については何ら言及されていない。また、顔料を塩基性化合物および/または塩基性溶液に溶解させ、ついで液体の中性化合物および/または酸性化合物、または中性液体および/または酸性液体を添加することで、顔料を析出させる方法が記載されている(特許文献6)。しかしながら、この手法で得られた有機顔料粒子は、一次粒子径が大きいものになってしまい、微粒子化の要求に充分に応えられていなかった。そのほか、流体の流れの状態を制御することで、生成微粒子の分散性を制御する方法が開示され(特許文献7)、マイクロ流路中を低レイノルズ数で層流として通過させてpHを変化させる手段が提案されている。しかし、液晶表示装置用のカラーフィルタに要求されるレベルを十分に満足するには至っていない。
特開平11−237760号公報 特開2000−239554号公報 特開平6−79168号公報 特開2004−91560号公報 特開2004−43776号公報 特開2004−123853号公報 特開2005−307154号公報 顔料分散技術−表面処理と分散剤の使い方および分散性評価−技術情報協会 1999
本発明は分散安定性が高く、ナノサイズで粒径分布ピークのシャープな有機ナノ粒子の製造方法の提供を目的とする。また、上記の優れた特性を有する有機ナノ粒子を効率よく多量に生産することができる製造方法の提供を目的とする。さらに上記の有機ナノ粒子を用いたカラーフィルタ用インクジェットインク、着色感光性樹脂組成物、および感光性樹脂転写材料の提供を目的とする。さらにまた、それらを用いた高いコントラストを有し優れた表示特性を発揮し、耐久性に優れた、高品位のカラーフィルタ、それを用いた液晶表示装置及びCCDデバイスの提供を目的とする。
上記課題は下記の手段により達成された。
(1)良溶媒に有機材料を溶解した有機材料溶液と、前記良溶媒と相溶性でありかつ前記有機材料に対しては貧溶媒となる溶媒とを下記数式(1)で表されるレイノルズ数が60以上となる条件下で混合し前記有機材料のナノ粒子を析出させた分散液とすることを特徴とする有機ナノ粒子の製造方法。
Re=ρUL/μ ・・・ 数式(1)
(数式(1)中、Reはレイノルズ数を表し、ρは有機材料溶液の密度を表し、Uは有機材料溶液と貧溶媒とが出会うときの相対速度を表し、Lは有機材料溶液と貧溶媒とが出会う部分の流路もしくは供給口の等価直径を表し、μは有機材料溶液の粘性係数を表す。)
(2)良溶媒に有機材料を溶解した有機材料溶液と、前記良溶媒と相溶性でありかつ前記有機材料に対しては貧溶媒となる溶媒とを混合して、前記有機材料を析出させて有機ナノ粒子の分散液を調製するに当り、下記数式(1)で表されるレイノルズ数を高めた条件で混合し前記有機ナノ粒子の平均粒径が60nm以下となるように粒子径を制御して析出させることを特徴とする有機ナノ粒子の製造方法。
Re=ρUL/μ ・・・ 数式(1)
(数式(1)中、Reはレイノルズ数を表し、ρは有機材料溶液の密度を表し、Uは有機材料溶液と貧溶媒とが出会うときの相対速度を表し、Lは有機材料溶液と貧溶媒とが出会う部分の流路もしくは供給口の等価直径を表し、μは有機材料溶液の粘性係数を表す。)
(3)前記貧溶媒に前記有機材料溶液を供給管から噴流して混合することを特徴とする(1)または(2)に記載の有機ナノ粒子の製造方法。
(4)前記貧溶媒を攪拌することを特徴とする(3に記載の有機ナノ粒子の製造方法。
(5)前記レイノルズ数が100以上である(1)〜(4)のいずれか1項に記載の有機ナノ粒子の製造方法。
(6)前記レイノルズ数が2500以下である(1)〜(5)のいずれか1項に記載の有機ナノ粒子の製造方法。
(7)前記分散液が分子量1000以上の高分子化合物を含有することを特徴とする(1)〜(6)のいずれか1項に記載の有機ナノ粒子の製造方法。
(8)前記分散液が実質的に水不溶性の高分子化合物を含有することを特徴とする(1)〜(7)のいずれか1項に記載の有機ナノ粒子の製造方法。
(9)前記高分子化合物が下記一般式(1)で表されることを特徴とする(7)または(8)に記載の有機ナノ粒子の製造方法。
Figure 2008138194
〔式中、Rは、(m+n)価の連結基を表し、Rは単結合あるいは2価の連結基を表す。Aは、酸性基、窒素原子を有する塩基性基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、炭素数4以上の炭化水素基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基、および水酸基からなる群より選ばれる基を有する1価の有機基、または置換基を有してもよい有機色素構造もしくは複素環を含有する1価の有機基を表す。ただし、n個のAは互いに同一であっても、異なっていてもよい。mは1〜8の数を表し、nは2〜9の数を表し、m+nは3〜10を満たす。Pは高分子化合物残基を表す。〕
(10)前記高分子化合物が下記一般式(2)で表されることを特徴とする(9)に記載の有機ナノ粒子の製造方法。
Figure 2008138194
〔式中、Rは、(x+y)価の連結基を表す。RおよびRは、各々独立に単結合または2価の連結基を表す。Aは、酸性基、窒素原子を有する塩基性基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、炭素数4以上の炭化水素基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基、および水酸基からなる群より選ばれる基を有する1価の有機基、または置換基を有してもよい有機色素構造もしくは複素環を含有する1価の有機基を表す。ただし、x個のAは互いに同一であっても、異なっていてもよい。yは1〜8の数を表し、xは2〜9の数を表し、x+yは3〜10を満たす。Pは高分子化合物残基を表す。〕
(11)前記有機材料が有機顔料であることを特徴とする(1)〜(10)のいずれか1項に記載の有機ナノ粒子の製造方法。
(12)前記有機顔料がピロロピロール化合物顔料であることを特徴とする(11)に記載の有機ナノ粒子の製造方法。
(13)前記ピロロピロール化合物顔料がC.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド255、C.I.ピグメントレッド264、及びC.I.ピグメントレッド272のいずれかであることを特徴とする(12)に記載の有機ナノ粒子の製造方法。
(14)前記有機顔料がフタロシアニン化合物顔料であることを特徴とする(11)に記載の有機ナノ粒子の製造方法。
(15)前記フタロシアニン化合物顔料がC.I.ピグメントグリーン36、C.I.ピグメントグリーン7、及びC.I.ピグメントブルー15:6のいずれかであることを特徴とする(14)に記載の有機ナノ粒子の製造方法。
(16)前記有機顔料がジオキサジン化合物顔料であることを特徴とする(11)に記載の有機ナノ粒子の製造方法。
(17)前記ジオキサジン化合物顔料がC.I.ピグメントバイオレット23またはC.I.ピグメントバイオレット37であることを特徴とする(16)に記載の有機ナノ粒子の製造方法。
(18)前記有機ナノ粒子を、前記貧溶媒が10L以上のスケールで析出させることを特徴とする(1)〜(17)のいずれか1項に記載の有機ナノ粒子の製造方法。
(19)(1)〜(18)のいずれか1項に記載の方法で製造された有機ナノ粒子。
(20)重合性モノマーおよび/または重合性オリゴマーを含む媒体に、(19)に記載の有機ナノ粒子を含んでなることを特徴とするカラーフィルタ用インクジェットインク。
(21)(19)に記載の有機ナノ粒子と、バインダーと、モノマーもしくはオリゴマーと、光重合開始剤もしくは光重合開始剤系とを少なくとも含む着色感光性樹脂組成物。
(22)仮支持体上に、少なくとも、(21)に記載の着色感光性樹脂組成物を含む感光性樹脂層を設けたことを特徴とする感光性樹脂転写材料。
(23)(20)に記載のインクジェットインク、(21)に記載の着色感光性樹脂組成物、及び/又は(22)に記載の感光性樹脂転写材料を用いて作製したことを特徴とするカラーフィルタ。
(24)(23)に記載のカラーフィルタを備えたことを特徴とする液晶表示装置。
(25)前記表示装置がVA方式であることを特徴とする(24)に記載の液晶表示装置。
(26)(23)に記載のカラーフィルタを備えたことを特徴とするCCDデバイス。
本発明の製造方法によれば、ナノメートルサイズで、しかも粒径分布ピークがシャープで、分散安定性に優れた有機ナノ粒子を、その粒子径をコントロールして、工業的な生産規模で効率的に製造することができる。そしてこのような優れた特性を有する有機ナノ粒子の分散液を用いれば、カラーフィルタのコントラストを高め、析出物の発生を抑え、耐久性を高めることができる。
また、上記の高い性能を有するカラーフィルタを用いた液晶表示装置及びCCDデバイスは、色むらのない優れた表示特性を発揮し、長時間表示耐久性にも優れる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の有機ナノ粒子の製造方法に用いられる有機材料は、例えば、有機顔料、有機色素、フラーレン、ポリジアセチレン、ポリイミドなどの高分子有機材料、芳香族炭化水素もしくは脂肪族炭化水素(例えば、配向性を有する芳香族炭化水素もしくは脂肪族炭化水素、または昇華性を有する芳香族炭化水素もしくは脂肪族炭化水素)などからなる粒子が挙げられ、有機顔料、有機色素、または高分子有機材料が好ましく、有機顔料が特に好ましい。また、有機粒子は、単独で用いても、複数であっても、これらを組み合わせたものであってもよい。
有機顔料は、色相的に限定されるものではなく、例えば、ペリレン、ペリノン、キナクリドン、キナクリドンキノン、アントラキノン、アントアントロン、ベンズイミダゾロン、ジスアゾ縮合、ジスアゾ、アゾ、インダントロン、フタロシアニン、トリアリールカルボニウム、ジオキサジン、アミノアントラキノン、ジケトピロロピロール、チオインジゴ、イソインドリン、イソインドリノン、ピラントロンもしくはイソビオラントロン化合物顔料、またはそれらの混合物などが挙げられる。
更に詳しくは、たとえば、C.I.ピグメントレッド190(C.I.番号71140)、C.I.ピグメントレッド224(C.I.番号71127)、C.I.ピグメントバイオレット29(C.I.番号71129)等のペリレン化合物顔料、C.I.ピグメントオレンジ43(C.I.番号71105)、もしくはC.I.ピグメントレッド194(C.I.番号71100)等のペリノン化合物顔料、C.I.ピグメントバイオレット19(C.I.番号73900)、C.I.ピグメントバイオレット42、C.I.ピグメントレッド122(C.I.番号73915)、C.I.ピグメントレッド192、C.I.ピグメントレッド202(C.I.番号73907)、C.I.ピグメントレッド207(C.I.番号73900、73906)、もしくはC.I.ピグメントレッド209(C.I.番号73905)のキナクリドン化合物顔料、C.I.ピグメントレッド206(C.I.番号73900/73920)、C.I.ピグメントオレンジ48(C.I.番号73900/73920)、もしくはC.I.ピグメントオレンジ49(C.I.番号73900/73920)等のキナクリドンキノン化合物顔料、C.I.ピグメントイエロー147(C.I.番号60645)等のアントラキノン化合物顔料、C.I.ピグメントレッド168(C.I.番号59300)等のアントアントロン化合物顔料、C.I.ピグメントブラウン25(C.I.番号12510)、C.I.ピグメントバイオレット32(C.I.番号12517)、C.I.ピグメントイエロー180(C.I.番号21290)、C.I.ピグメントイエロー181(C.I.番号11777)、C.I.ピグメントオレンジ62(C.I.番号11775)、もしくはC.I.ピグメントレッド185(C.I.番号12516)等のベンズイミダゾロン化合物顔料、C.I.ピグメントイエロー93(C.I.番号20710)、C.I.ピグメントイエロー94(C.I.番号20038)、C.I.ピグメントイエロー95(C.I.番号20034)、C.I.ピグメントイエロー128(C.I.番号20037)、C.I.ピグメントイエロー166(C.I.番号20035)、C.I.ピグメントオレンジ34(C.I.番号21115)、C.I.ピグメントオレンジ13(C.I.番号21110)、C.I.ピグメントオレンジ31(C.I.番号20050)、C.I.ピグメントレッド144(C.I.番号20735)、C.I.ピグメントレッド166(C.I.番号20730)、C.I.ピグメントレッド220(C.I.番号20055)、C.I.ピグメントレッド221(C.I.番号20065)、C.I.ピグメントレッド242(C.I.番号20067)、C.I.ピグメントレッド248、C.I.ピグメントレッド262、もしくはC.I.ピグメントブラウン23(C.I.番号20060)等のジスアゾ縮合化合物顔料、C.I.ピグメントイエロー13(C.I.番号21100)、C.I.ピグメントイエロー83(C.I.番号21108)、もしくはC.I.ピグメントイエロー188(C.I.番号21094)等のジスアゾ化合物顔料、C.I.ピグメントレッド187(C.I.番号12486)、C.I.ピグメントレッド170(C.I.番号12475)、C.I.ピグメントイエロー74(C.I.番号11714)、C.I.ピグメントイエロー150(C.I.番号48545)、C.I.ピグメントレッド48(C.I.番号15865)、C.I.ピグメントレッド53(C.I.番号15585)、C.I.ピグメントオレンジ64(C.I.番号12760)、もしくはC.I.ピグメントレッド247(C.I.番号15915)等のアゾ化合物顔料、C.I.ピグメントブルー60(C.I.番号69800)等のインダントロン化合物顔料、C.I.ピグメントグリーン7(C.I.番号74260)、C.I.ピグメントグリーン36(C.I.番号74265)、C.I.ピグメントグリーン37(C.I.番号74255)、C.I.ピグメントブルー16(C.I.番号74100)、C.I.ピグメントブルー75(C.I.番号74160:2)、C.I.ピグメントブルー15:6(C.I.番号74160)、もしくはC.I.ピグメントブルー15:3(C.I.番号74160)等のフタロシアニン化合物顔料、C.I.ピグメントブルー56(C.I.番号42800)、もしくはC.I.ピグメントブルー61(C.I.番号42765:1)等のトリアリールカルボニウム化合物顔料、C.I.ピグメントバイオレット23(C.I.番号51319)、もしくはC.I.ピグメントバイオレット37(C.I.番号51345)等のジオキサジン化合物顔料、C.I.ピグメントレッド177(C.I.番号65300)等のアミノアントラキノン化合物顔料、C.I.ピグメントレッド254(C.I.番号56110)、C.I.ピグメントレッド255(C.I.番号561050)、C.I.ピグメントレッド264、C.I.ピグメントレッド272(C.I.番号561150)、C.I.ピグメントオレンジ71、もしくはC.I.ピグメントオレンジ73等のジケトピロロピロール化合物顔料、C.I.ピグメントレッド88(C.I.番号73312)等のチオインジゴ化合物顔料、C.I.ピグメントイエロー139(C.I.番号56298)、C.I.ピグメントオレンジ66(C.I.番号48210)等のイソインドリン化合物顔料、C.I.ピグメントイエロー109(C.I.番号56284)、C.I.ピグメントイエロー185(C.I.番号56290)、もしくはC.I.ピグメントオレンジ61(C.I.番号11295)等のイソインドリノン化合物顔料、C.I.ピグメントオレンジ40(C.I.番号59700)、もしくはC.I.ピグメントレッド216(C.I.番号59710)等のピラントロン化合物顔料、C.I.ピグメントイエロー138等のキノフタロン系顔料、またはC.I.ピグメントバイオレット31(60010)等のイソビオラントロン化合物顔料が挙げられる。なかでも、キナクリドン化合物顔料、ジケトピロロピロール化合物顔料、ジオキサジン化合物顔料、フタロシアニン化合物顔料、またはアゾ化合物顔料であることが好ましく、ジケトピロロピロール化合物顔料、ジオキサジン化合物顔料、フタロシアニン化合物顔料がより好ましい。
本発明の製造方法によれば、ナノメートルサイズのジケトピロロピロール化合物顔料(以下、単に「ピロロピロール化合物顔料」ということもある。)の微粒子を粒径分布がシャープな状態で得ることができる。また、その顔料微粒子をカラーフィルタに用いたとき、所望の色純度と高いコントラストを両立でき、しかも耐光性に優れ、また折出物の発生を抑えることができる。そしてそのカラーフィルタを備えた液晶表示装置は、黒のしまりおよび赤の描写力に優れ、表示ムラが抑えられる。
上記ジケトピロロピロール化合物顔料においては、中でもC.I.P.R.254、255、264が好ましく、C.I.P.R.254が吸収スペクトルの観点でより好ましい。C.I.P.R.254としては、Irgaphor Red B−CF、 Cromophtal DPP Red BO、 Irgazin DPP Red BO、 Microlen DPP RED BP など市販されているものを用いることができる。C.I.P.R.255としては、 Cromophtal Coral Red C、 Irgazin DPP Red 5Gなどを用いることができる。C.I.P.R.264としては、Hostapeperm Rubin D3B LP2615、 Irgazin DPP Rubin TR などを用いることができる。
近年カラーフィルタの青画素の着色剤として、C.I.P.B.15:6(フタロシアニン化合物顔料)が多用されるようになり、これによりカラーフィルタの色純度が高くなってきた。しかし、液晶表示装置に多用されている光源である冷陰極管などの光源は、青の発光ピークの長波側にも少し発光があり、これにより色度がNTSCに劣るものとなっていた。
この問題は、C.I.P.V.23、37に代表されるジオキサジン化合物顔料を(例えば5%程度)添加することで改善することができる。そしてこの高い色純度のカラーフィルタで、コントラストを改善し、表示特性を更に向上させることが考えられるものの、従来のビーズ分散法やソルトミリング法では満足な結果が得られない。
これに対し、本発明の製造方法によれば、ジオキサジン化合物顔料を粒径分布がそろったナノサイズの顔料として得ることができる。そしてそのジオキサジン化合物顔料微粒子を含有する分散液を経時安定性に優れたものとすることができる。そのため、それ用いたカラーフィルタは、高い色純度と高いコントラストを両立でき、しかも耐光性に優れる。またそのカラーフィルタを備えた液晶表示装置は、黒のしまりおよび青の描写、再現性に優れ、表示ムラが抑えられる。なお、C.I.P.V.23としては、Cromofine Violet RE、 FastgenSuper Violet BBL、 Helio Fast Violet EB、 Microlith Violet RL−WA、Sanyo Fast Violet BLDなど市販されているものを用いることが可能である。C.I.P.V.37としては、Cromophtal Violet B、Microlith Violet B−Aなど市販されているものを用いることが可能である。
フタロシアニン化合物顔料は、先に述べたもののほか、カラーフィルタ用顔料として、「顔料の事典」2000年9月25日朝倉書店発行の300頁から314頁に記載の顔料が挙げられ、中でもピグメントブルー15:6、ピグメントグリーン7、ピグメントグリーン36が吸収スペクトルの観点で好ましい。
フタロシアニン化合物顔料は、構造上化学的に安定であり、耐熱性、耐光性に優れている。更に、着色力が高く、カラーフィルタのB画素、G画素の、基本の顔料として用いられている。これらの顔料を微粒子化すると、コントラストが改善し、表示特性が更に向上することが期待された。しかし、従来のビーズ分散法やソルトミリング法では満足な結果が得られなかった。これに対し、本発明の製造方法によれば、フタロシアニン化合物顔料であっても粒径分布がそろったナノメートルサイズの顔料として得ることができ、良好なカラーフィルタ用の画素材料とすることができる。
本発明の製造方法においては、2種類以上の有機顔料または有機顔料の固溶体を組み合わせて用いることもでき、また通常の染料と組み合わせて用いることもできる。
本発明に使用できる染料は、特に制限はなく、カラーフィルタ用として通常の染料が使用できる。例えば、特開昭64−90403号公報、特開昭64−91102号公報、特開平1−94301号公報、特開平6−11614号公報、特登2592207号、米国特許第4,808,501号明細書、米国特許第5,667,920号明細書、米国特許第5,059,500号明細書、特開平5−333207号公報、特開平6−35183号公報、特開平6−51115号公報、特開平6−194828号公報、特開平8−211599号公報、特開平4−249549号公報、特開平10−123316号公報、特開平11−302283号公報、特開平7−286107号公報、特開2001−4823号公報、特開平8−15522号公報、特開平8−29771号公報、特開平8−146215号公報、特開平11−343437号公報、特開平8−62416号公報、特開2002−14220号公報、特開2002−14221号公報、特開2002−14222号公報、特開2002−14223号公報、特開平8−302224号公報、特開平8−73758号公報、特開平8−179120号公報、特開平8−151531号公報等に開示されている色素が使用できる。
化学構造としては、ピラゾールアゾ系、アニリノアゾ系、トリフェニルメタン系、アントラキノン系、アンスラピリドン系、ベンジリデン系、オキソノール系、ピラゾロトリアゾールアゾ系、ピリドンアゾ系、シアニン系、フェノチアジン系、ピロロピラゾールアゾメチン系、キサテン系、フタロシアニン系、ペンゾピラン系、インジゴ系等の染料が使用できる。
また、水またはアルカリ現像を行うレジスト系の場合、現像により光未照射部のバインダーおよび/または染料を完全に除去するという観点では、酸性染料および/またはその誘導体が好適に使用できる場合がある。
その他、直接染料、塩基性染料、媒染染料、酸性媒染染料、アゾイック染料、分散染料、油溶染料、食品染料、および/または、これらの誘導体等も有用に使用することができる。
上記酸性染料は、スルホン酸やカルボン酸等の酸性基を有するものであれば特に限定されないが、有機溶剤や現像液に対する溶解性、塩基性化合物との塩形成性、吸光度、組成物中の他の成分との相互作用、耐光性、耐熱性等の必要とされる性能の全てを考慮して選択される。
以下に上記酸性染料の具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。例えば、acid alizarin violet N;acid black 1,2,24,48;acid blue 1,7,9,15,18,23,25,27,29,40,45,62,70,74,80,83,86,87,90,92,103,112,113,120,129,138,147,158,171,182,192,243,324:1;acid chrome violet K;acid Fuchsin;acid green 1,3,5,9,16,25,27,50;acid orange6,7,8,10,12,50,51,52,56,63,74,95;acid red 1,4,8,14,17,18,26,27,29,31,34,35,37,42,44,50,51,52,57,66,73,80,87,88,91,92,94,97,103,111,114,129,133,134,138,143,145,150,151,158,176,183,198,211,215,216,217,249,252,257,260,266,274;acid violet 6B,7,9,17,19;acid yellow 1,3,7,9,11,17,23,25,29,34,36,42,54,72,73,76,79,98,99,111,112,114,116,184,243;Food Yellow 3;およびこれらの染料の誘導体が挙げられる。
また、上記以外の、アゾ系、キサンテン系、フタロシアニン系の酸性染料も好ましく、C.I.Solvent Blue 44、38;C.I.Solvent orange 45;Rhodamine B、Rhodamine 110等の酸性染料およびこれらの染料の誘導体も好ましく用いられる。
また、有機色素として、アゾ色素、シアニン色素、メロシアニン色素、クマリン色素など高分子有機材料として、ポリジアセチレン、ポリイミドなどを用いてもよい。
次に、有機ナノ粒子の析出生成について説明する。
本発明の製造方法において、有機ナノ粒子は(本発明において「ナノ粒子」とはナノメートルサイズの粒子をいい、「微粒子」ということもある。)、有機材料を良溶媒に溶解した有機材料溶液と、前記良溶媒に対しては相溶性を有し、有機材料に対しては貧溶媒となる溶媒(以下、この溶媒を[有機材料の貧溶媒]もしくは単に[貧溶媒]などということもある。)とを混合することにより生成させる(以下、この方法を「微粒子析出法」ということもあり、このとき得られる有機ナノ粒子を含有する分散液を「有機微粒子析出液」「有機ナノ粒子分散液」などということもある。)。なお、上記貧溶媒と良溶媒の組み合わせは有機材料の溶解度に十分な差があることが必要であり、材料に合わせて好ましいものを選択する必要があるが、この工程を可能にする組み合わせであればいかなる選択も可能である。
有機材料の貧溶媒は、有機材料を溶解する良溶媒と相溶するもしくは均一に混ざるものであれば特に限定されない。有機材料の貧溶媒としては、有機材料の溶解度が0.02質量%以下であることが好ましく、0.01質量%以下であることがより好ましい。有機材料の貧溶媒への溶解度にとくに下限はないが、通常用いられる有機材料を考慮すると0.000001質量%以上が実際的である。この溶解度は酸またはアルカリの存在下で溶解された場合の溶解度であってもよい。また、良溶媒と貧溶媒との相溶性もしくは均一混合性は、良溶媒の貧溶媒に対する溶解量が30質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましい。良溶媒の貧溶媒に対する溶解量に特に上限はないが、任意の割合で混じり合うことが実際的である。
貧溶媒としては、例えば、水性溶媒(例えば、水、または塩酸、水酸化ナトリウム水溶液)、アルコール化合物溶媒、ケトン化合物溶媒、エーテル化合物溶媒、芳香族化合物溶媒、二硫化炭素溶媒、脂肪族化合物溶媒、ニトリル化合物溶媒、ハロゲン化合物溶媒、エステル化合物溶媒、イオン性液体、これらの混合溶媒などが挙げられ、水性溶媒、アルコール化合物溶媒、ケトン化合物溶媒、エーテル化合物溶媒、エステル化合物溶媒、またはこれらの混合物がこの好ましく、水性溶媒、アルコール化合物溶媒またはエステル化合物溶媒がより好ましい。
アルコール化合物溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、1−メトキシ−2−プロパノールなどが挙げられる。ケトン化合物溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンが挙げられる。エーテル化合物溶媒としては、例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどが挙げられる。芳香族化合物溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエンなどが挙げられる。脂肪族化合物溶媒としては、例えば、ヘキサンなどが挙げられる。ニトリル化合物溶媒としては、例えば、アセトニトリルなどが挙げられる。ハロゲン化合物溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、トリクロロエチレンなどが挙げられる。エステル化合物溶媒としては、例えば、酢酸エチル、乳酸エチル、2−(1−メトキシ)プロピルアセテートなどが挙げられる。イオン性液体としては、例えば、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムとPF との塩などが挙げられる。
次に、有機材料を溶解する良溶媒について説明する。
良溶媒は用いる有機材料を溶解することが可能で、前記貧溶媒と相溶するもしくは均一に混ざるものであれば特に限定されない。有機材料の良溶媒への溶解性は有機材料の溶解度が0.2質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上であることがより好ましい。有機材料の良溶媒への溶解度に特に上限はないが、通常用いられる有機材料を考慮すると50質量%以下であることが実際的である。この溶解度は酸またはアルカリの存在下で溶解された場合の溶解度であってもよい。貧溶媒と良溶媒との相溶性もしくは均一混合性の好ましい範囲は前述のとおりである。
良溶媒としては、例えば、水性溶媒(例えば、水、または塩酸、水酸化ナトリウム水溶液)、アルコール化合物溶媒、アミド化合物溶媒、ケトン化合物溶媒、エーテル化合物溶媒、芳香族化合物溶媒、二硫化炭素溶媒、脂肪族化合物溶媒、ニトリル化合物溶媒、スルホキシド化合物溶媒、ハロゲン化合物溶媒、エステル化合物溶媒、イオン性液体、これらの混合溶媒などが挙げられ、水性溶媒、アルコール化合物溶媒、ケトン化合物溶媒、エーテル化合物溶媒、スルホキシド化合物溶媒、エステル化合物溶媒、アミド化合物溶媒、またはこれらの混合物が好ましく、水性溶媒、アルコール化合物溶媒、エステル化合物溶媒、スルホキシド化合物溶媒またはアミド化合物溶媒が好ましく、水性溶媒、スルホキシド化合物溶媒またはアミド化合物溶媒がさらに好ましく、スルホキシド化合物溶媒またはアミド化合物溶媒が特に好ましい。
スルホキシド化合物溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキド、ヘキサメチレンスルホキシド、スルホランなどが挙げられる。アミド化合物溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、2−ピロリジノン、ε−カプロラクタム、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロパンアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミドなどが挙げられる。
また、良溶媒に有機材料を溶解した有機材料溶液の濃度としては、溶解時の条件における有機材料の良溶媒に対する飽和濃度乃至これの1/100程度の範囲が好ましい。
有機材料溶液の調製条件に特に制限はなく、常圧から亜臨界、超臨界条件の範囲を選択できる。常圧での温度は−10〜150℃が好ましく、−5〜130℃がより好ましく、0〜100℃が特に好ましい。
ここで良溶媒の具体例として列挙したものと貧溶媒として列挙したものとで共通するものもあるが、良溶媒及び貧溶媒として同じものを組み合わせることはなく、採用する各有機材料との関係で良溶媒に対する溶解度が貧溶媒に対する溶解度より十分高ければよく、例えばその溶解度差が0.2質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上であることがより好ましい。良溶媒と貧溶媒に対する溶解度の差に特に上限はないが、通常用いられる有機材料を考慮すると50質量%以下であることが実際的である。
本発明において有機材料は、良溶媒中に均一に溶解されなければならないが、酸性でもしくはアルカリ性で溶解することも好ましい。一般に分子内にアルカリ性で解離可能な基を有する顔料の場合はアルカリ性が、アルカリ性で解離する基が存在せず、プロトンが付加しやすい窒素原子を分子内に多く有するときは酸性が用いられる。例えば、キナクリドン、ジケトピロロピロール、ジスアゾ縮合化合物顔料はアルカリ性で、フタロシアニン化合物顔料は酸性で溶解される。
アルカリ性で溶解させる場合に用いられる塩基は、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、もしくは水酸化バリウムなどの無機塩基、またはトリアルキルアミン、ジアザビシクロウンデセン(DBU)、金属アルコキシドなどの有機塩基であるが、好ましくは無機塩基である。
使用される塩基の量は、顔料を均一に溶解可能な量であり、特に限定されないが、無機塩基の場合、好ましくは有機材料に対して1.0〜30モル当量であり、より好ましくは1.0〜25モル当量であり、さらに好ましくは1.0〜20モル当量である。有機塩基の場合、好ましくは有機材料に対して1.0〜100モル当量であり、より好ましくは5.0〜100モル当量であり、さらに好ましくは20〜100モル当量である。
酸性で溶解させる場合に用いられる酸は、硫酸、塩酸、もしくは燐酸などの無機酸、または酢酸、トリフルオロ酢酸、シュウ酸、メタンスルホン酸、もしくはトリフルオロメタンスルホン酸などの有機酸であるが好ましくは無機酸である。特に好ましくは硫酸である。
使用される酸の量は、有機材料を均一に溶解可能な量であり、特に限定されないが、塩基に比べて過剰量用いられる場合が多い。無機酸および有機酸の場合を問わず、好ましくは有機材料に対して3〜500モル当量であり、より好ましくは10〜500モル当量であり、さらに好ましくは30〜200モル当量である。
アルカリまたは酸を有機溶媒と混合して、有機材料の良溶媒として用いる際は、アルカリまたは酸を完全に溶解させるため、若干の水や低級アルコールなどのアルカリまたは酸に対して高い溶解度をもつ溶剤を、有機溶媒に添加することができる。水や低級アルコールの量は、有機材料溶液全量に対して、50質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましい。具体的には、水、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ブチルアルコールなどを用いることができる。
有機粒子を析出生成させる際の貧溶媒の条件に特に制限はなく、常圧から亜臨界、超臨界条件の範囲を選択できる。常圧での温度は−30〜100℃が好ましく、−10〜60℃がより好ましく、0〜30℃が特に好ましい。有機材料溶液の粘度は0.5〜80.0mPa・sであることが好ましく1.0〜50.0mPa・sであることがより好ましい。
有機材料溶液と貧溶媒とを混合する際、両者のどちらを添加して混合してもよいが、有機材料溶液を貧溶媒に噴流して混合することが好ましく、その際に貧溶媒が撹拌された状態であることが好ましい。撹拌速度は100〜10000rpmが好ましく150〜8000rpmがより好ましく、200〜6000rpmが特に好ましい。添加にはポンプ等を用いることもできるし、用いなくてもよい。また、液中添加でも液外添加でもよいが、液中添加がより好ましい。本発明では供給管を介して、ポンプで液中に連続供給することが好ましい。供給管の内径は0.1〜200mmが好ましく0.2〜100mmがより好ましい。供給管から液中に供給される速度としては1〜10000ml/minが好ましく、5〜5000ml/minがより好ましい。
本発明の製造方法においては、有機材料溶液と貧溶媒との混合に当り、レイノルズ数を調節することにより、析出生成させる有機ナノ粒子の粒子径を制御する。ここでレイノルズ数は流体の流れの状態を表す無次元数であり次式で表される。
Re=ρUL/μ ・・・ 数式(1)
数式(1)中、Reはレイノルズ数を表し、ρは有機材料溶液の密度[kg/m]を表し、Uは有機材料溶液と貧溶媒とが出会う時の相対速度[m/s]を表し、Lは有機材料溶液と貧溶媒とが出会う部分の流路もしくは供給口の等価直径[m]を表し、μは有機材料溶液の粘性係数[Pa・s]を表す。
本発明において、等価直径Lとは、任意断面形状の配管の開口径や流路に対し等価な円管を想定するとき、その等価円管の直径をいう。等価直径Lは、配管の断面積をA、配管のぬれぶち長さ(周長)または流路の外周をpとすると下記数式(2)で表される。
L=4A/p ・・・ 数式(2)
本発明においては、配管を通じて有機材料溶液を貧溶媒中に注入して粒子を形成することが好ましく、配管に円管を用いた場合には等価直径は円管の直径と一致する。例えば、後述する図1−1〜1−4の装置の供給口14a、図2の装置の供給口24a・25a、図3に示した装置の供給口32a・33aの開口径を変化させて等価直径を調節することができる。等価直径Lの値は特に限定されないが、例えば、上述した供給口の好ましい内径と同義である。
有機材料の良溶媒溶液と貧溶媒とが出会う時の相対速度Uは、両者が出会う部分の面に対して垂直方向の相対速度で定義される。すなわち、例えば静止している貧溶媒中に有機材料の良溶媒溶液を注入して混合する場合は、供給口から注入する速度が相対速度Uに等しくなる。相対速度Uの値は特に限定されないが、例えば、0.5〜100m/sとすることが好ましく、1.0〜50m/sとすることがより好ましい。
有機材料溶液の密度ρは、選択される材料の種類により定められる値であるが、本発明の製造方法に好ましく用いられる材料の範囲では、例えば、0.8〜2.0kg/mであることが実際的である。また、有機材料溶液の粘性係数μについても用いられる材料や環境温度等により定められる値であるが、その好ましい範囲は、上述した有機材料溶液の好ましい粘度と同義である。
レイノルズ数(Re)の値は、小さいほど層流を形成しやすく、大きいほど乱流を形成しやすい。本発明の製造方法においては、レイノルズ数を60以上で調節して、有機ナノ粒子の粒子径を制御して得ることができ、100以上とすることが好ましく、150以上とすることがより好ましい。本発明のレイノズル数に上限はないが、本発明においてはレイノルズ数の制御が形成後の粒子の性能に大きく影響しうること考慮し、レイノルズ数は3500以下の範囲で調節して良好な有機ナノ粒子を制御して得ることが好ましく、3000以下であることがより好ましく、2500以下であることが特に好ましい。あるいは、得られるナノ粒子の平均粒径が60nm以下となるようにレイノルズ数を制御することが好ましく、40nm以下が更に好ましく、30nm以下となるようにレイノルズ数を制御することが特に好ましい。
有機材料溶液と貧溶媒の混合比(有機微粒子析出液中の良溶媒/貧溶媒比)は体積比で1/50〜2/3が好ましく、1/40〜1/2がより好ましく、1/20〜3/8が特に好ましい。
有機微粒子析出液の濃度は有機粒子を生成することができれば特に制限されないが、分散溶媒1000mlに対して有機粒子が10〜40000mgの範囲であることが好ましく、より好ましくは20〜30000mgの範囲であり、特に好ましくは50〜25000mgの範囲である。
また、有機ナノ粒子を生成させる際の調製スケールは、特に限定されないが、貧溶媒の混合量が10〜2000Lの調製スケールであることが好ましく、50〜1000Lの調製スケールであることがより好ましい。
有機粒子の粒径に関しては、計測法により数値化して集団の平均の大きさを表現する方法があるが、よく使用されるものとして、分布の最大値を示すモード径、積分分布曲線の中央値に相当するメジアン径、各種の平均径(数平均、長さ平均、面積平均、質量平均、体積平均等)などがあり、本発明においては、特に断りのない限り、平均粒径とは数平均径をいう。有機ナノ粒子(一次粒子)の平均粒径はナノメートルサイズであり、平均粒径が1nm〜1μmであることが好ましく、1〜200nmであることがより好ましく、2〜100nmであることがさらに好ましく、5〜80nmであることが特に好ましい。なお本発明の製造方法で形成される粒子は結晶質粒子でも非晶質粒子でもよく、またはこれらの混合物でもよい。
また、粒子の単分散性を表す指標として、本発明においては、特に断りのない限り、体積平均粒径(Mv)と数平均粒径(Mn)の比(Mv/Mn)を用いる。有機ナノ粒子の(一次粒子)の単分散性、つまりMv/Mnは、1.0〜2.0であることが好ましく、1.0〜1.8であることがより好ましく、1.0〜1.5であることが特に好ましい。
有機粒子の粒径の測定方法としては、顕微鏡法、重量法、光散乱法、光遮断法、電気抵抗法、音響法、動的光散乱法が挙げられ、顕微鏡法、動的光散乱法が特に好ましい。顕微鏡法に用いられる顕微鏡としては、例えば、走査型電子顕微鏡、透過型電子顕微鏡などが挙げられる。動的光散乱法による粒子測定装置として、例えば、日機装社製ナノトラックUPA−EX150、大塚電子社製ダイナミック光散乱光度計DLS−7000シリーズなどが挙げられる。
[分散剤]
本発明の有機ナノ粒子の製造方法では、有機ナノ粒子分散液を調製するに当り、分散剤を含有させることが好ましい。分散剤を含有させる工程は特に限定されないが、有機材料溶液および貧溶媒の両方もしくは一方に分散剤を添加して含有させることが好ましい。また、分散剤溶液を上記両液とは別系統で有機ナノ粒子形成時に添加することも好ましい。予め分散剤により表面処理を施された顔料粒子を用いることも好ましく、顔料粒子には分散剤の吸着を促進し得るような表面処理が施されていてもよい。分散剤は(1)析出した顔料表面に素早く吸着して、微細なナノ粒子を形成し、かつ(2)これらの粒子が再び凝集することを防ぐ作用を有するものである。
用いることのできる分散剤として、例えば、アニオン性、カチオン性、両イオン性、ノニオン性もしくは顔料誘導体の、低分子または高分子分散剤を使用することができる。なお、高分子分散剤の分子量は溶液に均一に溶解できるものであれば制限なく用いることができるが、好ましくは分子量1,000〜2,000,000であり、5,000〜1,000,000がより好ましく、10,000〜500,000がさらに好ましく、10,000〜100,000が特に好ましい。高分子分散剤としては、具体的には、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリアクリルアミド、ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール−部分ホルマール化物、ポリビニルアルコール−部分ブチラール化物、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロック共重合体、ポリアクリル酸塩、ポリビニル硫酸塩、ポリ(4−ビニルピリジン)塩、ポリアミド、ポリアリルアミン塩、縮合ナフタレンスルホン酸塩、セルロース誘導体、澱粉誘導体などが挙げられる。その他、アルギン酸塩、ゼラチン、アルブミン、カゼイン、アラビアゴム、トンガントゴム、リグニンスルホン酸塩などの天然高分子類も使用できる。なかでも、ポリビニルピロリドンが好ましい。これら高分子は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの分散剤は、単独あるいは併用して使用することができる。顔料の分散に用いる分散剤に関しては、「顔料分散安定化と表面処理技術・評価」(化学情報協会、2001年12月発行)の29〜46頁に詳しく記載されている。
アニオン性分散剤(アニオン性界面活性剤)としては、N−アシル−N−アルキルタウリン塩、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等を挙げることができる。なかでも、N−アシル−N−アルキルタウリン塩が好ましい。N−アシル−N−アルキルタウリン塩としては、特開平3−273067号明細書に記載されているものが好ましい。これらアニオン性分散剤は、単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
カチオン性分散剤(カチオン性界面活性剤)には、四級アンモニウム塩、アルコキシル化ポリアミン、脂肪族アミンポリグリコールエーテル、脂肪族アミン、脂肪族アミンと脂肪族アルコールから誘導されるジアミンおよびポリアミン、脂肪酸から誘導されるイミダゾリンおよびこれらのカチオン性物質の塩が含まれる。これらカチオン性分散剤は、単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
両イオン性分散剤は、前記アニオン性分散剤が分子内に有するアニオン基部分とカチオン性分散剤が分子内に有するカチオン基部分を共に分子内に有する分散剤である。
ノニオン性分散剤(ノニオン性界面活性剤)としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステルなどを挙げることができる。なかでも、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルが好ましい。これらノニオン性分散剤は、単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
顔料誘導体型分散剤とは、親物質としての有機顔料から誘導され、その親構造を化学修飾することで製造される顔料誘導体型分散剤、あるいは化学修飾された顔料前駆体の顔料化反応により得られる顔料誘導体型分散剤と定義する。例えば、糖含有顔料誘導体型分散剤、ピペリジル含有顔料誘導体型分散剤、ナフタレンまたはペリレン誘導顔料誘導体型分散剤、メチレン基を介して顔料親構造に連結された官能基を有する顔料誘導体型分散剤、ポリマーで化学修飾された顔料親構造、スルホン酸基を有する顔料誘導体型分散剤、スルホンアミド基を有する顔料誘導体型分散剤、エーテル基を有する顔料誘導体型分散剤、あるいはカルボン酸基、カルボン酸エステル基またはカルボキサミド基を有する顔料誘導体型分散剤などがある。
本発明の製造方法においては、良溶媒に溶解させた有機材料溶液を調製する際、アミノ基を含有する顔料分散剤を共存させることが好ましい。ここで、アミノ基とは一級アミノ基、二級アミノ基、三級アミノ基を含み、アミノ基の数は一つでも複数でもよい。顔料骨格にアミノ基を有する置換基を導入した顔料誘導体化合物でも、アミノ基を有するモノマーを重合成分としたポリマー化合物でもよい。これらの例として、例えば、特開2000−239554号公報、2003−96329号公報、2001−31885号公報、特開平10−339949号公報、特公平5−72943号公報に記載の化合物などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の製造方法に用いられる分散剤としては、下記の一般式(D1)、(D3)、および式(D4)で表される化合物から選ばれる少なくとも一種を用いることが好ましい。
<1.一般式(D1)で表される化合物>
Figure 2008138194
一般式(D1)中、AはX−Yとともにアゾ色素を形成しうる成分を表す。前記Aは、ジアゾニウム化合物とカップリングしてアゾ色素を形成しうる化合物であれば任意に選択することができる。前記Aの具体例を以下に示すが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
Figure 2008138194
Figure 2008138194
一般式(D1)中、Xは単結合又は下記式(i)〜(v)の構造式で表される二価の連結基から選択される基を表す。
Figure 2008138194
一般式(D1)中、Yは下記一般式(D2)で表される基を表す。
Figure 2008138194
一般式(D2)中、Zは、低級アルキレン基を表す。Zは、−(CH−と表すことができるが、該bは1〜5の整数を表し、好ましくは2又は3を表す。一般式(D2)中、−NR21は、低級アルキルアミノ基、又は窒素原子を含む5乃至6員飽和ヘテロ環基を表す。該−NR21は、低級アルキルアミノ基を表す場合、−N(C2r+1と表され、rは1〜4の整数を表し、好ましくは1又は2を表す。−NR21が、窒素原子を含む5乃至6員飽和ヘテロ環基を表す場合、下記構造式で表されるいずれかのヘテロ環基が好ましい。
Figure 2008138194
前記一般式(D2)における、Z及び−NR21は、それぞれ、低級アルキル基、アルコキシ基を置換基として有していてもよい。前記一般式(D2)中、aは、1又は2を表し、好ましくは2を表す。
以下に、前記一般式(D1)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらの具体例に何ら限定されるものではない。
Figure 2008138194
Figure 2008138194
Figure 2008138194
Figure 2008138194
一般式(D1)で表される化合物は例えば特開2000−239554号公報に記載された方法により合成することができる。
<2.一般式(D3)で表される化合物>
Figure 2008138194
一般式(D3)中、
Qは、アントラキノン化合物色素、アゾ化合物色素、フタロシアニン化合物色素、キナクリドン化合物色素、ジオキサジン化合物色素、アントラピリミジン化合物色素、アンサンスロン化合物色素、インダンスロン化合物色素、フラバンスロン化合物色素、ピランスロン化合物色素、ペリノン化合物色素、ペリレン化合物色素、及びチオインジゴ化合物色素から選ばれる有機色素残基を表し、なかでもアゾ化合物色素、またはジオキサジン化合物色素であることが好ましく、アゾ化合物色素であることがより好ましい。
は、−CO−、−CONH−Y−、−SONH−Y−、又は−CHNHCOCHNH−Y−を表し、−CO−、−CONH−Y−であることが好ましい。
は置換基を有してもよいアルキレン基又はアリーレン基を表し、なかでもフェニレン、トルイレン、またはヘキシレンであることが好ましく、フェニレンであることがより好ましい。
11およびR12はそれぞれ独立に置換もしくは無置換のアルキル基またはR11とR12とで少なくとも窒素原子を含むヘテロ環基を形成してもよい。なかでもメチル基、エチル基、プロピル基、または窒素原子を含めたピロリジニル基であることが好ましく、エチル基であることがより好ましい。
は−NH−又は−O−を表す。
は水酸基又は一般式(D3a)で表される基を表す。ただしn1が1の場合−NH−X−Qでもよい。m1は1〜6の整数を表し、2〜3が好ましい。n1は1〜4の整数を表し、1〜2が好ましい。
Figure 2008138194
一般式(D3a)中、Yは−NH−又は−O−を表し、m1、R11、およびR12は一般式(D3)におけるそれらと同じ意味である。
一般式(D3)で表される化合物はより具体的には例えば下記一般式により表される。
Figure 2008138194
なお一般式(D3−1)〜(D3−6)において、Q、m1、n1、R11、R12は一般式(D3)におけるそれらと同じ意味である。以下に一般式(D3)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれらにより限定されるものではない。なお、式中Cu−Pcは銅フタロシアニンを表す。
Figure 2008138194
Figure 2008138194
一般式(D3)で表される化合物は、例えばR11およびR12を有するアミン化合物とR11およびR12を有するアルコール化合物とをハロゲン化トリアジン化合物と反応させ、得られた中間体に色素化合物を反応させて得ることができる。また、特公平5−72943号明細書の記載も参考にすることができる。
<3.グラフト共重合体を含有する顔料分散剤>
本発明の有機ナノ粒子の製造方法においては、アミノ基及びエーテル基を有するグラフト共重合体を含有し、必要に応じて適宜選択したその他の成分を含有する分散剤を用いることも好ましい。
前記グラフト共重合体は、アミノ基及びエーテル基を少なくとも有してなり、その他のモノマー等を共重合体単位として含んでいてもよい。
前記グラフト共重合体の質量平均分子量としては、3000〜100000が好ましく、5000〜50000がより好ましい。前記質量平均分子量が、3000未満であると、有機ナノ粒子の凝集を防ぐことができず、粘度が上昇してしまうことがあり、100000を超えると有機溶剤への溶解性が不足し、粘度が上昇してしまうことがある。
前記グラフト共重合体は、(i)末端にエチレン性不飽和二重結合を有する重合性オリゴマーと、(ii)アミノ基とエチレン性不飽和二重結合とを有するモノマーと、(iii)エーテル基を有する重合性モノマーとを共重合体単位として少なくとも含み、必要に応じて(iv)その他のモノマーを共重合単位として含むことが好ましい。
これらの共重合体単位の、前記グラフト共重合体における含有量としては、(i)前記重合性オリゴマーが15〜98質量%であることが好ましく、25〜90質量%であることがより好ましく、(ii)アミノ基含有モノマーが1〜40質量%であることが好ましく、5〜30質量%であることがより好ましく、(iii)前記エーテル基を有する重合性モノマーが1〜70質量%であることが好ましく、5〜60質量%であることがより好ましい。
前記重合性オリゴマーの含有量が、15質量%未満であると、分散剤としての立体反発効果が得られず、有機ナノ粒子の凝集が防止できないことがあり、98質量%を超えると、前記窒素含有モノマーの割合が減り有機粒子に対する吸着能力が低下し、分散性が十分でないことがある。前記窒素含有モノマーの含有量が、1質量%未満であると、有機粒子に対する吸着能力が低下し、分散性が十分でないことがあり、40質量%を超えると、前記重合性オリゴマーの割合が減ることから、分散剤としての立体反発効果が得られず、有機粒子の凝集を十分に防止できないことがある。前記エーテル基を有する重合性モノマーの含有量が、1質量%未満であると、カラーフィルタ等の製造の際の現像適性が十分でないことがあり、70質量%を超えると、分散剤としての能力が低下することがある。
(i) 重合性オリゴマー
前記重合性オリゴマー(以下、「マクロモノマー」と称することがある。)は、エチレン性不飽和二重結合を有する基を末端に有するオリゴマーである。本発明においては、前記重合性オリゴマーの中でも、該オリゴマーの両末端の内の一方にのみ前記エチレン性不飽和二重結合を有する基を有するのが好ましい。
前記オリゴマーとしては、一般的には、例えば、アルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、スチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、及びブタジエンから選択された少なくとも一種のモノマーから形成された単独重合体又は共重合体などが挙げられ、これらの中でも、アルキル(メタ)アクリレートの単独重合体又は共重合体、ポリスチレンなどが好ましい。本発明において、これらのオリゴマーは、置換基で置換されていてもよく、該置換基としては、特に制限はないが、例えば、ハロゲン原子などが挙げられる。
前記エチレン性不飽和二重結合を有する基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、などが好適に挙げられ、これらの中でも(メタ)アクリロイル基が特に好ましい。
本発明においては、前記重合性オリゴマーの中でも、下記一般式(E6)で表されるオリゴマーが好ましい。
Figure 2008138194
前記一般式(E6)において、R61及びR63は、水素原子又はメチル基を表す。R62は、炭素数1〜8のアルコール性水酸基で置換されてもよいアルキレン基を表し、炭素数2〜4のアルキレン基が好ましい。Yは、フェニル基、炭素数1〜4のアルキル基を有するフェニル基、又は−COOR64(ここで、R64は、炭素数1〜6のアルコール性水酸基、ハロゲンで置換されてもよいアルキル基、フェニル基、又は炭素数7〜10のアリールアルキル基を表す。)を表し、フェニル基又は−COOR164(ここで、R164は、炭素数1〜4のアルコール性水酸基で置換されてもよいアルキル基を表す。)が好ましい。qは、20〜200を表す。
前記重合性オリゴマーの具体例としては、ポリ−2ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリスチレン、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリ−n−ブチル(メタ)アクリレート、ポリ−i−ブチル(メタ)アクリレート、それらの共重合体であって、分子末端の一個に(メタ)アクリロイル基が結合したポリマーが好ましい。
前記重合性オリゴマーは、市販品であってもよいし、適宜合成したものであってもよく、該市販品としては、例えば、片末端メタクリロイル化ポリスチレンオリゴマー(Mn=6000、商品名:AS−6,東亜合成化学工業(株)社製)、片末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレートオリゴマー(Mn=6000、商品名:AA−6,東亜合成化学工業(株)社製)、片末端メタクリロイル化ポリ−n−ブチルアクリレートオリゴマー(Mn=6000、商品名:AB−6,東亜合成化学工業(株)社製)、片末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレートオリゴマー(Mn=7000、商品名:AA−714,東亜合成化学工業(株)社製)、片末端メタクリロイル化ポリブチルメタクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレートオリゴマー(Mn=7000、商品名:707S,東亜合成化学工業(株)社製)、片末端メタクリロイル化ポリ2−エチルヘキシルメタクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレートオリゴマー(Mn=7000、商品名:AY−707S、AY−714S,東亜合成化学工業(株)社製)、などが挙げられる。
本発明における前記重合性オリゴマーの好ましい具体例としては、アルキル(メタ)アクリレートの重合体、及び、アルキル(メタ)アクリレートとポリスチレンとの共重合体から選択される少なくとも1種のオリゴマーであって、数平均分子量が1000〜20000であり、末端に(メタ)アクリロイル基を有するものが挙げられる。
(ii) アミノ基含有モノマー
前記アミノ基含有モノマーとしては、例えば、下記一般式(E2)で表される化合物より選択される少なくとも1種が好適に挙げられる。
Figure 2008138194
前記一般式(E2)において、R21は、水素原子又はメチル基を表す。R22は、炭素数1〜8のアルキレン基を表し、これらの中でも、炭素数1〜6のアルキレン基が好ましく、炭素数2〜3のアルキレン基が特に好ましい。
は、−N(R23)(R24)、−R25N(R26)(R27)を表す。ここで、R23及びR24は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基を表す。R25は、炭素数1〜6のアルキレン基を表し、R26及びR27は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基を表す。
上記のうち、−N(R23)(R24)のR23及びR24は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基若しくはフェニル基が好ましく、−R25−N(R26)(R27)のR25は、炭素数2〜6のアルキレン基が好ましく、R26及びR27は、炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。m2及びn2は、1又は0を表し、m2=1かつn2=1、又は、m2=1かつn2=0が好ましい(即ち、下記一般式(E3)、(E4)で表されるモノマーに対応する)。
本発明においては、前記一般式(E2)で表されるモノマーの中でも、下記一般式(E3)及び(E4)のいずれかで表されるモノマーから選択される少なくとも1種が好ましい。
Figure 2008138194
前記一般式(E3)において、R31は、R21と同義である。R32は、R22と同義である。Xは、Xと同義である。
Figure 2008138194
前記一般式(E4)において、R41は、R21と同義である。Xは、Xと同義であり、−N(R43)(R44)(ここで、R43及びR44は、R23及びR24と同義である。)、又は、−R45−N(R46)(R47)(ここで、R45、R46及びR47は、それぞれR25、R26及びR27と同義である。)が好ましい。
前記一般式(E2)で表されるモノマーの具体例としては、ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド、ジイソプロピル(メタ)アクリルアミド、ジ−n−ブチル(メタ)アクリルアミド、ジ−i−ブチル(メタ)アクリルアミド、モルホリノ(メタ)アクリルアミド、ピペリジノ(メタ)アクリルアミド、N−メチル−2−ピロリジル(メタ)アクリルアミド及びN,N−メチルフェニル(メタ)アクリルアミド(以上(メタ)アクリルアミド類);2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリルアミド、2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル(メタ)アクリルアミド、3−(N,N−ジエチルアミノ)プロピル(メタ)アクリルアミド、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル(メタ)アクリルアミド、1−(N,N−ジメチルアミノ)−1,1−ジメチルメチル(メタ)アクリルアミド、6−(N,N−ジエチルアミノ)ヘキシル(メタ)アクリルアミド(以上アミノアルキル(メタ)アクリルアミド類)などが好ましいものとして挙げられる。
(iii) エーテル基を有する重合性モノマー
前記エーテル基を有する重合性モノマーとしては、例えば、下記一般式(E1)で表されるモノマーより選択される少なくとも1種が好適に挙げられる。
Figure 2008138194
前記一般式(E1)において、R11は、水素原子又はメチル基を表す。R12は、炭素数1〜8のアルキレン基を表し、中でも、炭素数1〜6のアルキレン基が好ましく、炭素数2〜3のアルキレン基がより好ましい。Xは、−OR13又は−OCOR14を表す。ここで、R13は、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、フェニル基、又は炭素数1〜18のアルキル基で置換されたフェニル基を表す。R14は、炭素数1〜18のアルキル基を表す。また、m3は、2〜200を表し、5〜100が好ましく、10〜100が特に好ましい。
前記エーテル基を有する重合性モノマーとしては、エーテル基を有し、且つ重合性のものであれば特に制限はなく、通常のものの中から適宜選択することができ、例えば、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールモノメタクリレートなどが挙げられ、これらは市販品であってもよいし、適宜合成したものであってもよい。該市販品としては、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(商品名:NKエステルM−40G,M−90G,M−230G(以上、東亜合成化学工業(株)社製);商品名:ブレンマーPME−100,PME−200,PME−400,PME−1000,PME−2000、PME−4000(以上、日本油脂(株)社製))、ポリエチレングリコールモノメタクリレート(商品名:ブレンマーPE−90、PE−200、PE−350,日本油脂(株)社製)、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート(商品名:ブレンマーPP−500、PP−800、PP−1000,日本油脂(株)社製)、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノメタクリレート(商品名:ブレンマー70PEP−370B,日本油脂(株)社製)、ポリエチレングリコールポリテトラメチレングリコールモノメタクリレート(商品名:ブレンマー55PET−800,日本油脂(株)社製)、ポリプロピレングリコールポリテトラメチレングリコールモノメタクリレート(商品名:ブレンマーNHK−5050,日本油脂(株)社製)などが挙げられる。
(iv) その他のモノマー
前記グラフト共重合体は、前記その他のモノマーを更に共重合体単位として含有していてもよく、該その他のモノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、芳香族ビニル化合物(例、スチレン、α−メチルスチレン及びビニルトルエン)、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(例、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート及びi−ブチル(メタ)アクリレート)、(メタ)アクリル酸アルキルアリールエステル(例、ベンジル(メタ)アクリレート)、グリシジル(メタ)アクリレート、カルボン酸ビニルエステル(例、酢酸ビニル及びプロピオン酸ビニル)、シアン化ビニル(例、(メタ)アクリロニトリル及びα−クロロアクリロニトリル)、及び脂肪族共役ジエン(例、1,3−ブタジエン及びイソプレン)、(メタ)アクリル酸、などが挙げられる。これらの中でも、不飽和カルボン酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸アルキルアリールエステル及びカルボン酸ビニルエステルが好ましい。
前記グラフト共重合体における該その他のモノマーの含有量としては、例えば、5〜70重量%が好ましい。前記含有率が、5重量%未満であると、塗布膜の物性の制御ができなくなることがあり、70重量%を超えると、分散剤としての能力が十分に発揮されないことがある。
前記グラフト共重合体の好ましい具体例としては、
(11) 3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルアクリルアミド/ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート/末端メタクリロイル化ポリメチル(メタ)アクリレート共重合体、
(12) 3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルアクリルアミド/ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート/末端メタクリロイル化ポリスチレン共重合体、
(13) 3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルアクリルアミド/ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート/メチル(メタ)アクリレート末端メタクリロイル化ポリスチレン共重合体、
(14) 3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルアクリルアミド/ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート/末端メタクリロイル化メチル(メタ)アクリレート及び2−ヒドロキシエチルメタクリレートの共重合体の共重合体、
(15) 3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルアクリルアミド/ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート/末端メタクリロイル化メチルメタアクリレート及び2−ヒドロキシエチルメタクリレートの共重合体の共重合体、
(16) 3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルアクリルアミド/ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート/末端メタクリロイル化メチルメタアクリレート及び2−ヒドロキシエチルメタクリレートの共重合体の共重合体、
(17) 3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルアクリルアミド/ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート/末端メタクロイル化ポリメチル(メタ)アクリレート共重合体、
(18) 3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルアクリルアミド/ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート/末端メタクロイル化ポリメチル(メタ)アクリレート共重合体、
(19) 3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルアクリルアミド/ポリエチレングリコールポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート/末端メタクロイル化ポリメチル(メタ)アクリレート共重合体、
(20) 3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルアクリルアミド/ポリプロピレングリコールポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート/末端メタクロイル化ポリメチル(メタ)アクリレート共重合体、などが挙げられる。
なかでも、(11)、(14)、(18)が好ましく、下記式(D4)で表される化合物がより好ましい。式(D4)中、Meはメチル基を表す。
Figure 2008138194
前記グラフト共重合体は、前記各共重合体単位となる成分を、例えば、溶媒中でラジカル重合させることにより得ることができる。該ラジカル重合の際、ラジカル重合開始剤を使用することができ、また、更に連鎖移動剤(例、2−メルカプトエタノール及びドデシルメルカプタン)を使用することができる。グラフト共重合体を含有する顔料分散剤については特開2001−31885号公報の記載を参考にすることもできる。
分散剤の含有量は、有機ナノ粒子の均一分散性および保存安定性をより一層向上させるために、顔料100質量部に対して0.1〜1000質量部の範囲であることが好ましく、より好ましくは1〜500質量部の範囲であり、さらに好ましくは5〜20質量部の範囲である。0.1質量部未満であると有機ナノ粒子の分散安定性の向上が見られない場合がある。また、分散剤は、単独で用いても、複数のものを組み合わせて用いてもよい。
分散剤の含有量は、有機粒子の均一分散性および保存安定性をより一層向上させるために、有機粒子100質量部に対して0.1〜1000質量部の範囲であることが好ましく、より好ましくは1〜500質量部の範囲であり、さらに好ましくは5〜20質量部の範囲である。0.1質量部未満であると有機ナノ粒子の分散安定性の向上が見られない場合がある。
[製造装置]
本発明の製造方法において、有機ナノ粒子の形成に用いられる製造装置の好ましい実施態様を説明するが、これにより本発明が限定的に解釈されるものではない。
(製造装置例1)
図1−1は本発明の製造方法において、一実施態様として用いられる製造装置の概略図である。図1−1において有機材料溶液は供給管14により容器11内に連続的に供給される。ここに容器11内には貧溶媒11aが容れられており、バルク貧溶媒は攪拌の作用によりつねに対流させられている。
図1−2は本発明の別のより好ましい態様として用いられる製造装置の概略図であり、図1−1の製造装置において容器11内に混合室(撹拌領域)13を設けたものである。該混合室13は貧溶媒の液面下に設けられ、その内部は該貧溶媒により満たされている。また反応容器11内のバルク貧溶媒は該混合室13内での攪拌の作用により、該混合室13内を下方から上方へ(図中矢印の方向へ)横切るようにつねに対流させられている。
図1−3は、図1−2の製造装置の一実施態様として混合室13を拡大して概略的に示した拡大部分断面図である。有機材料溶液は供給管14を通じ供給口14aより混合室13内へ供給される。該混合室13は断面積一定の直四角筒よりなるケーシング17により形成され、ケーシング17の上端は開放端(開放部)とされ、下端には円形孔18が設けられて該混合器13内の貧溶媒が撹拌領域外(図中の構成でいうと、貧溶媒11aのうち、混合室13以外の領域が撹拌領域外にあたり、撹拌外領域ともいう。)のバルク貧溶媒と互いに連結するようになっている。ここに有機材料溶液供給管14はケーシング17の下端を構成する壁内に設けられ、前記円形孔に向けて開口している。また前記混合器13内には撹拌羽根12が設けられており、撹拌羽根はシャフト15に取り付けられ、モーター16により回転する。この撹拌羽根12の回転により、貧溶媒は円形孔18を通り混合器13内を下方から上方へ向かってつねに循環運動する。
上記の混合室13に設けられた撹拌羽根12は、混合室内に所望の混合強さをつくり出すものでなければならない。この混合強さは、有機顔料溶液が混入した際の液滴(ドロップレット)の大きさに対する重要な操作因子であることが推定される。
また、撹拌羽根12は、混合空間内で生成した有機ナノ粒子が混合室13にとどまることにより、他の有機ナノ粒子と結合して更に大きな粒子となったり、混合室13に供給される有機材料溶液にさらされて大きな粒子となったりして巨大粒子が生成することがないよう、生成した有機ナノ粒子を迅速に引き出し、迅速に混合室13外へ排出する能力を有するものが選ばれることが好ましい。
撹拌羽根12としては上記目的が達成されれば、いかなる形式のものでもよく、例えばタービン型、ファンタービン型等が用いられうる。
またケーシング17は、前述のごとく四角筒により構成されていることが好ましい。このようにすることで、撹拌羽根12によりつくられた流れをケーシング17の角が乱し、邪魔板のごとき付加物を要することなく、混合効果を一層高めることができる。
図1−4は、図1−2の製造装置の別の実施態様として混合室内の撹拌羽根を二つ(混合用撹拌羽根19a、排出用撹拌羽根19b)にした混合器の拡大部分断面図である。このように撹拌羽根を二つ設けることによって、混合強さをコントロールする能力と、生成した有機顔料粒子を混合器外へ排出する能力を独立に選択することができるようにし、混合の強さ、循環量を独立に所望の値に設定して操作することが可能となる。
(製造装置例2)
図2は、本発明の製造方法に用いられる、製造装置の別の実施態様を概略的に示す断面図である。図2において有機材料溶液および貧溶媒はそれぞれ供給管24、25を通じ、供給口24a、25aにより撹拌槽21a内に連続的に供給される。撹拌槽21a内で生成した有機材料粒子が撹拌槽21a内にとどまることにより、他の有機顔料粒子と結合して更に大きな粒子となったり、供給口24a、25bより供給される有機材料溶液にさらされて大きな粒子となったりして巨大粒子が生成することがないよう、生成した有機材料粒子分散液は排出管23より迅速に引き出される。
図3は、本発明の製造方法に用いられる装置の、さらに別の実施態様を概略的に示す断面図である。図3の製造装置においては、撹拌装置50は、有機材料溶液および貧溶媒をそれぞれ流入させる供給口32a,33aを持つ2つの供給管32、33を有する。そして撹拌処理を終えた混合液体を排出する液排出口36とを備えた円筒状の撹拌槽38内の液体の撹拌状態を制御する撹拌手段である一対の撹拌羽根41,42とを備えてなる。
撹拌槽38は、上下方向に中心軸を向けた円筒状の槽本体39と、該槽本体39の上下の開口端を塞ぐ槽壁となるシールプレート40とで構成されている。また、撹拌槽38および槽本体39は、透磁性に優れた非磁性材料で形成されている。2つの液供給口32,33は槽本体39の下端寄りの位置に装備されており、液排出口36は槽本体39の上端寄りの位置に装備されている。
そして、一対の撹拌羽根41,42は、撹拌槽38内の相対向する上下端に離間して配置されて、互いに逆向きに回転駆動される。各撹拌羽根41,42は、それぞれの撹拌羽根41,42が近接する槽壁(シールプレート40)の外側に配置された外部磁石46と磁気カップリングCを構成している。即ち、各、羽根41,42は、磁力でそれぞれの外部磁石46に連結されており、各外部磁石46を独立したモーター48,49で回転駆動することで、互いに逆向きに回転操作される。
槽38内に対向配置された一対の撹拌羽根41,42は、図3中に波線の矢印(X)及び実線の矢印(Y)で示すように、それぞれ向きの異なる撹拌流を槽38内に形成する。そして、それぞれの撹拌羽根41,42の形成する撹拌流は、流れ方向が異なるために互いに衝突して槽38内における撹拌を促進する高速の乱流を槽38内に生成して、槽38内の流れが定常化することを防止し、撹拌羽根41,42の回転を高速化した場合にも撹拌羽根41,42の回転軸回りに空洞が形成されることを阻止すると同時に、撹拌作用を十分に受けずに撹拌槽38の内周面に沿って槽38内を流れる定常流が形成されるという不都合の発生を阻止することができる。したがって、撹拌羽根41,42の回転の高速化により、容易に処理速度を向上させることができ、さらに、その際に、槽38内の液体の流れが定常化して撹拌混合が不十分の液体が排出されることを阻止して、処理品位の低下を防止することができる。
また、撹拌槽38内の各撹拌羽根41,42は、磁気カップリングCによって撹拌槽38の外部に配置されたモーター48,49に連結されているため、撹拌槽38の槽壁に回転軸を挿通させる必要がなくなり、撹拌槽38を回転軸の挿通部のない密閉容器構造にすることができるため、撹拌混合した液の槽外への漏出を防止すると同時に、回転軸用の潤滑液(シール液)等が不純物として槽38内の液に混入することによる処理品位の低下を防止することができる。
本発明の製造方法において、これらの構成を有する製造装置を用いて、バッチ方式だけでなく連続フロー方式でも有機ナノ粒子の製造をすることができ、大量生産にも対応できる。また生成した有機ナノ粒子分散液が迅速に排出されることにより、撹拌槽内に供給される有機材料溶液と貧溶媒液の比を常に一定にすることが可能になる。このため、製造開始時から製造終了時まで、分散液の有機材料の溶解度を一定にすることが可能になり、単分散な有機ナノ粒子を安定に製造することができる。
さらに槽内の液体の流れが定常化して撹拌混合が不十分の有機ナノ粒子分散液が排出されることを阻止し、また、回転軸用の潤滑液(シール液)等が不純物として槽内の液に混入することを防止することで、単分散な有機ナノ粒子をさらに安定に製造することができる。
(製造装置例3)
本発明の製造方法に用いられる装置として、さらに別の実施態様である、剪断力を持つ羽根を用いて攪拌する製造方法について説明する。
本発明でいう剪断力とは撹拌羽根が、有機材料溶液が貧溶媒に混入後に生成する液滴(ドロップレット)に及ぼすズリ力のことである。
本発明で使用可能な撹拌部の形状は、高剪断力を施し得る形態であれば特に限定されないが、一般にパドル羽根、タービン羽根、スクリュー羽根、ファウドラー羽根、等が挙げられ、好ましくはディゾルバー羽根、回転し得るタービン部とその周囲にわずかな間隙を置いて位置する固定化されたステータ部から構成されている撹拌部の、撹拌、乳化、分散機が好ましい。
ディゾルバー羽根は、高剪断力形成できる機能を持った特殊な撹拌羽根であり、図4−1にその1例を概略的に正面図により示し、その図面代用写真を図4−2に示す。
また図5に示すような回転し得るタービン部とその周囲にわずかな間隙を置いて位置する固定化されたステータ部から構成されている撹拌部を有する装置も好ましく用いられ、その撹拌、乳化、分散機としては、例えば、マイクロテック・ニチオン社製ヒスコトロン、特殊機化工業社製T.Kホモミキサー、IKA社製ULTRA−TURRAXが挙げられる。
撹拌速度は、貧溶媒の粘度、温度、界面活性剤の種類や添加量によって異なった値をとるが、100〜10000rpmが好ましく、150〜8000rpmがより好ましく、200〜6000rpmが特に好ましい。回転数が低すぎれば撹拌効果は充分発揮されず、逆に高すぎると、貧溶媒中に気泡を巻き込み、好ましくない。
[濃縮]
本発明の有機ナノ粒子の製造方法においては、有機ナノ粒子分散液を、脱塩濃縮することによって、カラーフィルタ塗布液やインクジェット用インクに適した濃縮液を工業的な規模で生産することが可能である。
以下に、濃縮方法について説明する。
濃縮方法に関しては、有機ナノ粒子液を濃縮できれば特に制約されないが、例えば、有機ナノ粒子分散液に、抽出溶媒を添加混合し、有機ナノ粒子を該抽出溶媒相に濃縮抽出して、その濃縮抽出液をフィルタなどによりろ過して濃縮ナノ粒子液とする方法、遠心分離によって有機ナノ粒子を沈降させて濃縮する方法、限外ろ過により脱塩濃縮を行う方法、真空凍結乾燥により溶媒を昇華させて濃縮する方法、加熱ないし減圧による溶媒を乾燥させて濃縮する方法等が好ましい。またはこれらの組合せなどが非常に好ましく用いられる。
濃縮後の有機ナノ粒子濃度に関しては、1〜100質量%が好ましく、5〜100質量%がより好ましく、10〜100質量%が特に好ましい。
以下に、濃縮抽出する方法について説明する。
この濃縮抽出に用いられる抽出溶媒は特に限定されないが、有機ナノ粒子分散液の分散溶媒(例えば、水性溶媒)と実質的に混じり合わず(本発明において、実質的に混じり合わずとは、相溶性が低いことをいい、溶解量50質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましい。この溶解量に特に下限はないが、通常の溶媒の溶解性を考慮すると1質量%以上であることが実際的である。)、混合後、静置すると界面を形成する溶媒であることが好ましい。また、この抽出溶媒は、有機ナノ粒子が抽出溶媒中で再分散しうる弱い凝集(ミリングまたは高速撹拌などの高いせん断力を加えなくても再分散が可能であるフロック)を生ずる溶媒であることが好ましい。このような状態であれば、粒子サイズを変化させる強固な凝集を起こさず、目的の有機ナノ粒子を抽出溶媒で湿潤させる一方、フィルタろ過などにより容易に水などの分散溶媒を除去することができる点で好ましい。抽出溶媒としてはエステル化合物溶媒、アルコール化合物溶媒、芳香族化合物溶媒、脂肪族化合物溶媒が好ましく、エステル化合物溶媒、芳香族化合物溶媒または脂肪族化合物溶媒がより好ましく、エステル化合物溶媒が特に好ましい。
エステル化合物溶媒としては、例えば、2−(1−メトキシ)プロピルアセテート、酢酸エチル、乳酸エチルなどが挙げられる。アルコール化合物溶媒としては、例えば、n−ブタノール、イソブタノールなどが挙げられる。芳香族化合物溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどが挙げられる。脂肪族化合物溶媒としては、例えば、n−ヘキサン、シクロヘキサンなどが挙げられる。また、抽出溶媒は上記の好ましい溶媒による純溶媒であっても、複数の溶媒による混合溶媒であってもよい。
抽出溶媒の量は有機ナノ粒子を抽出できれば特に制約されないが、濃縮して抽出することを考慮して有機ナノ粒子分散液より少量であることが好ましい。これを体積比で示すと、有機ナノ粒子分散液を100としたとき、添加される抽出溶媒は1〜100の範囲であることが好ましく、より好ましくは10〜90の範囲であり、20〜80の範囲が特に好ましい。多すぎると濃縮化に多大な時間を要し、少なすぎると抽出が不十分で分散溶媒中にナノ粒子が残存する。
抽出溶媒を添加した後、分散液と十分に接触するように撹拌混合することが好ましい。撹拌混合は通常の方法を用いることができる。抽出溶媒を添加し混合するときの温度に特に制約はないが、1〜100℃であることが好ましく、5〜60℃であることがより好ましい。抽出溶媒の添加、混合はそれぞれの工程を好ましく実施できるものであればどのような装置を用いてもよいが、例えば、分液ロート型の装置を用いて実施できる。
限外ろ過による場合、例えばハロゲン化銀乳剤の脱塩/濃縮に用いられる方法を適用することができる。リサーチ・ディスクロージャー(Research Disclosure)No.10208(1972)、No.13 122(1975)およびNo.16 351(1977)が知られている。操作条件として重要な圧力差や流量は、大矢春彦著「膜利用技術ハンドブック」幸書房出版(1978)、p275に記載の特性曲線を参考に選定することができるが、目的の有機ナノ粒子分散物を処理する上では、粒子の凝集を抑えるために最適条件を見いだす必要がある。また、膜透過より損失する溶媒を補充する方法においては、連続して溶媒を添加する定容式と断続的に分けて添加する回分式とがあるが、脱塩処理時間が相対的に短い定容式が好ましい。こうして補充する溶媒には、イオン交換または蒸留して得られた純水を用いるが、純水の中に分散剤、分散剤の貧溶媒を混合してもよいし、有機ナノ粒子分散物に直接添加してもよい。
限外ろ過を行うための装置は、脂肪酸銀分散物を収納するタンク、このタンク内の分散物を循環させる循環用ポンプ、および循環用ポンプによって導入された分散物中の副生成無機塩を透過水として除去する限外ろ過モジュールを有することが好ましい。透過水が分離された分散物は再度タンク内に戻され、同様の操作が、副生成無機塩の除去の所定の目的が達成されるまで、繰り返し行うことができる。さらに、この装置には、透過水によって失われる溶媒を純水として一定量補充するために使用される補充純水計測用流量計が設置されていることが好ましく、純水補充量を決定するのに用いられる透過水計測用流量計が設置されていることが好ましい。また、透過水を希薄にするための水を導入するための逆方向洗浄用ポンプが設置されていることが好ましい。
限外ろ過膜は、すでにモジュールとして組み込まれた平板型、スパイラル型、円筒型、中空糸型、ホローファイバー型などが旭化成(株)社、ダイセル化学(株)社、(株)東レ社、(株)日東電工社などから市販されているが、総膜面積や洗浄性の観点より、スパイラル型もしくは中空糸型が好ましい。また、膜を透過することができる成分のしきい値の指標となる分画分子量は、用いられる分散剤の分子量より決定する必要があるが、5,000以上50,000以下のものが好ましく、5,000以上15,000以下のものがより好ましい。
有機ナノ粒子分散液の分散溶媒と濃縮抽出液を分離するため、フィルタろ過することが好ましい。フィルタろ過の装置は、例えば、加圧ろ過のような装置を用いることができる。好ましいフィルタとしては、ナノフィルタ、ウルトラフィルタなどが挙げられる。フィルタろ過により、残された分散溶媒の除去を行い、濃縮抽出液中の有機ナノ粒子をさらに濃縮して濃縮ナノ粒子液とすることが好ましい。
凍結乾燥の方法は特に限定されず、当業者が利用可能な方法であればいかなるものを採用してもよい。例えば、冷媒直膨方法、重複冷凍方法、熱媒循環方法、三重熱交換方法、間接加熱凍結方法が挙げられるが、好ましくは冷媒直膨方法、間接加熱凍結方法、より好ましくは間接加熱凍結方法を用いるのがよい。いずれの方法においても、予備凍結を行なった後凍結乾燥を行なうことが好ましい。予備凍結の条件は特に限定されないが、凍結乾燥を行なう試料がまんべんなく凍結されている必要がある。
間接加熱凍結方法の装置としては、小型凍結乾燥機、FTS凍結乾燥機、LYOVAC凍結乾燥機、実験用凍結乾燥機、研究用凍結乾燥機、三重熱交換真空凍結乾燥機、モノクーリング式凍結乾燥機、HULL凍結乾燥機が挙げられるが、好ましくは小型凍結乾燥機、実験用凍結乾燥機、研究用凍結乾燥機、モノクーリング式凍結乾燥機、より好ましくは小型凍結乾燥機、モノクーリング式凍結乾燥機を用いるのがよい。
凍結乾燥の温度は特に限定されないが、例えば−190〜−4℃、好ましくは−120〜−20℃、より好ましくは−80〜−60℃程度である。凍結乾燥の圧力も特に限定されず、当業者が適宜選択可能であるが、例えば、0.1〜35Pa、好ましくは1〜15Pa、さらに好ましくは、5〜10Pa程度で行なうのがよい。凍結乾燥時間は、例えば2〜48時間、好ましくは6〜36時間、より好ましくは16〜26時間程度である。もっとも、これらの条件は当業者に適宜選択可能である。凍結乾燥方法については、例えば、製剤機械技術ハンドブック:製剤機械技術研究会編、地人書館、p.120−129(2000年9月);真空ハンドブック:日本真空技術株式会社編、オーム社、p.328−331(1992年);凍結及び乾燥研究会会誌:伊藤孝治他、No.15、p.82(1965)などを参照することができる。
以下に遠心分離について説明する。
遠心分離による有機ナノ粒子の濃縮に用いられる遠心分離機は有機ナノ粒子分散液(または有機ナノ粒子濃縮抽出液)中の有機ナノ粒子を沈降させることができればどのような装置を用いてもよい。遠心分離機としては、例えば、汎用の装置の他にもスキミング機能(回転中に上澄み層を吸引し、系外に排出する機能)付きのものや、連続的に固形物を排出する連続遠心分離機などが挙げられる。
遠心分離条件は、遠心力(重力加速度の何倍の遠心加速度がかかるかを表す値)で50〜10000が好ましく、100〜8000がより好ましく、150〜6000が特に好ましい。遠心分離時の温度は、分散液の溶剤種によるが、−10〜80℃が好ましく、−5〜70℃がより好ましく、0〜60℃が特に好ましい。
以下に乾燥について説明する。
減圧乾燥による有機ナノ粒子の濃縮に用いられる装置は有機ナノ粒子分散液(または有機ナノ粒子濃縮抽出液)の溶媒を蒸発させることができれば特に制限はない。例えば、汎用の真空乾燥器およびロータリーポンプや、液を撹拌しながら加熱減圧乾燥できる装置、液を加熱減圧した管中に通すことによって連続的に乾燥ができる装置等が挙げられる。
加熱減圧乾燥温度は30〜230℃が好ましく、35〜200℃がより好ましく、40〜180℃が特に好ましい。減圧時の圧力は、100〜100000Paが好ましく、300〜90000Paがより好ましく、500〜80000Paが特に好ましい。
上述のような濃縮方法によれば、有機ナノ粒子分散液から効率よく有機ナノ粒子を濃縮することができる。濃縮倍率に関しては、例えば、原料となる有機ナノ粒子分散液中のナノ粒子の濃度を1とすると、濃縮有機ナノ粒子ペーストにおける濃度を好ましくは100〜3000倍程度、より好ましくは500〜2000倍程度まで濃縮することができる。
[微細分散化]
本発明の製造方法によれば、必要に応じて、例えば濃縮などにより、凝集状態にある有機粒子を微細分散化することができる(本発明において、微細分散化とは、分散液中の粒子の凝集を解き分散度を高めることをいう)。
上述した抽出溶媒、遠心分離、乾燥などにより濃縮化した有機粒子液に含まれる有機粒子は、通常、その濃縮化により凝集をおこしている。このとき速やかなフィルタろ過を可能とし、再度良好な分散状態を得るためには、再分散可能な程度に凝集させたフロックとして得ることが好ましい。そのため、通常の分散化方法を用いて分散化した程度では微粒子化に不十分であり、さらに微細化効率の高い方法が必要となる。このような凝集有機粒子においても(本発明において、凝集有機粒子とは、凝集体など有機粒子が二次的な力で集まっているものをいい、一次粒子がナノメートルサイズであるとき凝集ナノ粒子ということもある。)、凝集有機粒子液ないしは前記顔料分散液に質量平均分子量1000以上の高分子化合物又は実質的に水不溶性の高分子化合物を含有させることにより、有機粒子を好適に微細分散化することができる(本発明において、凝集有機粒子液とは、凝集有機粒子を液中に含むものをさし、分散液、濃縮液、ペースト、スラリーなどであっても凝集有機粒子が含まれればよい。)。
上記分子量1000以上の高分子化合物は実質的に水不溶性の高分子化合物であることが好ましい。ここで、実質的に水不溶性とは、20℃での水に対する溶解度が好ましくは0.5質量%以下、さらに好ましくは0.01質量%以下であることをいう。
上記の分子量1000以上の高分子化合物ないし上記の水不溶性の高分子化合物は下記一般式(1)で表される高分子化合物であることが好ましい。
Figure 2008138194
前記一般式(1)中、Aは、酸性基、窒素原子を有する塩基性基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、炭素数4以上の炭化水素基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基、および水酸基から選択される基を有する1価の有機基、または置換基を有してもよい有機色素構造もしくは複素環を含有する1価の有機基を表す。n個のAは同一であっても、異なっていてもよい。
具体的には、Aは特に制限されるものではないが、前記「酸性基を有する1価の有機基」として、例えば、カルボン酸基、スルホン酸基、モノ硫酸エステル基、リン酸基、モノリン酸エステル基、ホウ酸基などを有する1価の有機基が挙げられる。また、前記「窒素原子を有する塩基性基を有する1価の有機基」として、例えば、アミノ基(−NH)を有する1価の有機基、置換イミノ基(−NHR、−NR10)を有する1価の有機基(ここで、R、R、およびR10は各々独立に、炭素数1以上20以下のアルキル基、炭素数6以上20以下のアリール基、又は炭素数7以上30以下のアラルキル基を表す。)、下記一般式(a1)で表されるグアニジル基を有する1価の有機基〔一般式(a1)中、Ra1およびRa2は各々独立に、炭素数1以上20以下のアルキル基、炭素数6以上20以下のアリール基、又は炭素数7以上30以下のアラルキル基を表す。〕、下記一般式(a2)で表されるアミジニル基を有する1価の有機基〔一般式(a2)中、Ra3およびRa4は各々独立に、炭素数1以上20以下のアルキル基、炭素数6以上20以下のアリール基、又は炭素数7以上30以下のアラルキル基を表す。〕などが挙げられる。
Figure 2008138194
前記「ウレア基を有する1価の有機基」として、例えば、−NHCONHR15(ここで、R15は、水素原子炭素数1以上20以下のアルキル基、炭素数6以上20以下のアリール基、又は炭素数7以上30以下のアラルキル基を表す。)などが挙げられる。
前記「ウレタン基を有する1価の有機基」として、例えば、−NHCOOR16、−OCONHR17(ここで、R16およびR17は各々独立に、炭素数1以上20以下のアルキル基、炭素数6以上20以下のアリール基、又は炭素数7以上30以下のアラルキル基を表す。)などが挙げられる。
前記「‘配位性酸素原子を有する基’を有する1価の有機基」としては、例えば、アセチルアセトナト基を有する基、クラウンエーテルを有する基などが挙げられる。
前記「炭素数4以上の炭化水素基を有する1価の有機基」としては、炭素数4以上のアルキル基(例えば、オクチル基、ドデシル基など)、炭素数6以上のアリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基など)、炭素数7以上のアラルキル基(例えばベンジル基など)などが挙げられる。このとき炭素数に上限はないが、30以下であることが好ましい。 前記「アルコキシシリル基を有する1価の有機基」としては、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基などを有する基が挙げられる。
前記「エポキシ基を有する1価の有機基」としては、例えば、グリシジル基などを有する基が挙げられる。
前記「イソシアネート基を有する1価の有機基」としては、例えば、3−イソシアナトプロピル基などが挙げられる。
前記「水酸基を有する1価の有機基」としては、例えば、3−ヒドロキシプロピル基などが挙げられる。
前記Aとして、酸性基、窒素原子を有する塩基性基、ウレア基、又は炭素数4以上の炭化水素基を有する1価の有機基であることが好ましい。
また、前記有機色素構造または複素環としては、特に限定されないが、より具体的には、有機色素構造としては、例えば、フタロシアニン化合物、不溶性アゾ化合物、アゾレーキ化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、ジオキサジン化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラピリジン化合物、アンサンスロン化合物、インダンスロン化合物、フラバンスロン化合物、ペリノン化合物、ペリレン化合物、チオインジゴ化合物等が挙げられる。また、複素環としては、例えばチオフェン、フラン、キサンテン、ピロール、ピロリン、ピロリジン、ジオキソラン、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾリジン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、チアジアゾール、ピラン、ピリジン、ピペリジン、ジオキサン、モルホリン、ピリダジン、ピリミジン、ピペラジン、トリアジン、トリチアン、イソインドリン、イソインドリノン、ベンズイミダゾロン、コハクイミド、フタルイミド、ナフタルイミド、ヒダントイン、インドール、キノリン、カルバゾール、アクリジン、アクリドン、アントラキノン等が挙げられる。
また、前記有機色素構造または複素環は置換基Tを有していてもよく、該置換基Tとしては、例えば、メチル基、エチル基等の炭素数1〜20のアルキル基、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜16のアリール基、アセトキシ基等の炭素数1〜6までのアシルオキシ基、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基、塩素、臭素等のハロゲン原子、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基等の炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基、シアノ基、t−ブチルカーボネート等の炭酸エステル基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホンアミド基、N−スルホニルアミド基等が挙げられる。
また、前記Aは下記一般式(4)で表すことができる。
Figure 2008138194
前記一般式(4)において、Bは、酸性基、窒素原子を有する塩基性基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、炭素数4以上の炭化水素基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基、および水酸基から選択される基、または置換基を有してもよい有機色素構造または複素環を表し、R18は単結合あるいはa1価の有機もしくは無機の連結基を表す。a1は、1〜5を表し、a1個のBは同一であっても異なっていてもよい。一般式(4)で表される基における好ましい態様は前記Aと同義である。
18は、単結合あるいはa1+1価の連結基を表し、a1は1〜5を表す。連結基R18としては、1〜100個の炭素原子、0〜10個の窒素原子、0〜50個の酸素原子、1〜200個の水素原子、および0〜20個の硫黄原子から成り立つ基が含まれ、無置換でも置換基を更に有していてもよい。R18は、有機連結基であることが好ましい。
18具体的な例として、下記の構造単位又は該構造単位が組み合わさって構成される基を挙げることができる。なお、該連結基R18は前記置換基Tを有していてもよい。
Figure 2008138194
前記一般式(1)中、Rは、(m+n)価の連結基を表す。m+nは3〜10を満たす。
前記Rで表される(m+n)価の連結基としては、1〜100個の炭素原子、0〜10個の窒素原子、0〜50個の酸素原子、1〜200個の水素原子、および0〜20個の硫黄原子から成り立つ基が含まれ、無置換でも置換基を更に有していてもよい。Rは有機連結基であることが好ましい。
の具体的な例として、前記(t−1)〜(t−34)の基又はその複数を組み合わせて構成される基(環構造を形成していてもよい。)を挙げることができる。上記の連結基Rが置換基を有する場合、該置換基としては、前記の置換基Tが挙げられる。
は、単結合あるいは2価の連結基を表す。Rとしては、1〜100個の炭素原子、0〜10個の窒素原子、0〜50個の酸素原子、1〜200個の水素原子、および0〜20個の硫黄原子から成り立つ基が含まれ、無置換でも置換基を更に有していてもよい。
の具体的な例として、前記t−3〜5、7〜18、22〜26、32、34の基又はその複数を組み合わせて構成される基を挙げることができる。Rは、Rとの連結位置に硫黄原子を有することが好ましい。上記Rが置換基を有する場合、該置換基としては、前記置換基Tが挙げられる。
前記一般式(1)中、mは1〜8を表す。mとしては1〜5が好ましく、1〜3がより好ましく、1〜2が特に好ましい。
また、nは2〜9を表す。nとしては2〜8が好ましく、2〜7がより好ましく、3〜6が特に好ましい。
前記一般式(1)中、Pは高分子化合物残基(高分子骨格)を表し、通常のポリマーなどから適宜選択することができる。
ポリマーの中でも、高分子骨格を構成するには、ビニルモノマーの重合体もしくは共重合体、エステル化合物ポリマー、エーテル化合物ポリマー、ウレタン化合物ポリマー、アミド化合物ポリマー、エポキシ化合物ポリマー、シリコーン化合物ポリマー、及びこれらの変性物、又は共重合体〔例えば、ポリエーテル/ポリウレタン共重合体、ポリエーテル/ビニルモノマーの重合体の共重合体など(ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよい。)を含む。〕からなる群より選択される少なくとも一種が好ましく、ビニルモノマーの重合体もしくは共重合体、エステル化合物ポリマー、エーテル化合物ポリマー、ウレタン化合物ポリマー、およびこれらの変性物又は共重合体からなる群より選択される少なくとも一種がより好ましく、ビニルモノマーの重合体もしくは共重合体が特に好ましい。
更には、前記ポリマーは有機溶媒に可溶であることが好ましい。有機溶媒との親和性が低いと、例えば、顔料分散剤として使用した場合、分散媒との親和性が弱まり、分散安定化に十分な吸着層を確保できなくなることがある。
また、PはRとの連結位置に硫黄原子を有することが好ましい。
前記一般式(1)で表される高分子化合物の中でも、下記一般式(2)で表される高分子化合物がより好ましい。
Figure 2008138194
前記一般式(2)において、Aは前記一般式(1)におけるAと同義であり、その具体的な好ましい態様も同様である。また、Aは置換基を有していてもよく、前記置換基Tが挙げられる。
前記一般式(2)において、Rは、(x+y)価の連結基を表す。RはRと同義であり好ましい範囲も同様である。このときRはx+y価の連結基であるが、そのxの値及びその好ましい範囲は一般式(1)のnと同じであり、yの値及びその好ましい範囲はmと同じであり、x+yの値及びその好ましい範囲はm+nと同じである。
で表される連結基は有機連結基であることが好ましく、その有機連結基の好ましい具体的な例を以下に示す。但し、本発明は、これらにより限定されるものではない。
Figure 2008138194
Figure 2008138194
上記の中でも、原料の入手性、合成の容易さ、各種溶媒への溶解性の観点から、上記(r−1)、(r−2)、(r−10)、(r−11)、(r−16)、(r−17)の基が好ましい。
また、上記のRが置換基を有する場合、該置換基として前記置換基Tが挙げられる。
前記一般式(2)において、RおよびRは、各々独立に、単結合あるいは2価の連結基を表す。
前記R、Rで表される「2価の連結基」としては、置換基を有していてもよい、直鎖、分岐、もしくは環状の、アルキレン基、アリーレン基、もしくはアラルキレン基、−O−、−S−、−C(=O)−、−N(R19)−、−SO−、−SO−、−CO−、又は−N(R20)SO−、あるいはこれらの基を2つ以上組み合わせた2価の基が好ましい(前記R19およびR20は、各々独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)。なかでも有機連結基であることが好ましい。
前記Rとしては、直鎖もしくは分岐の、アルキレン基もしくはアラルキレン基、−O−、−C(=O)−、−N(R19)−、−SO−、−CO−、又は−N(R20)SO−、あるいはこれらの基を2つ以上組み合わせた2価の基がより好ましく、直鎖もしくは分岐のアルキレン基もしくはアラルキレン基、−O−、−C(=O)−、−N(R19)−、又は−CO−、あるいはこれらの基を2つ以上組み合わせた2価の基が特に好ましい。
前記Rとしては、単結合、直鎖、もしくは分岐の、アルキレン基、アラルキレン基、−O−、−C(=O)−、−N(R19)−、−SO−、−CO−、又は−N(R20)SO−、あるいはこれらの基を2つ以上組み合わせた2価の基がより好ましく、直鎖もしくは分岐のアルキレン基、アラルキレン基、−O−、−C(=O)−、−N(R19)−、又は−CO−、あるいはこれらの基を2つ以上組み合わせた2価の基が特に好ましい。
また、前記R、Rが置換基を有する場合、該置換基としては前記置換基Tが挙げられる。
また、一般式(2)中のPは、高分子骨格を表し、通常のポリマーなどから適宜選択することができる。ポリマーの好ましい態様については、前記一般式(1)におけるPと同義であり、その好ましい態様も同様である。
前記一般式(2)で表される高分子化合物のうち、特に、Rが前記具体例(r−1)、(r−2)、(r−10)、(r−11)、(r−16)、又は(r−17)であって、Rが、単結合、直鎖もしくは分岐の、アルキレン基もしくはアラルキレン基、−O−、−C(=O)−、−N(R19)−、又は−CO−、あるいはこれらの基を2つ以上組み合わせた2価の有機基であって、Rが単結合、エチレン基、プロピレン基、又は下記一般式(s−a)もしくは(s−b)で表される連結基であって、Pがビニルモノマーの重合体もしくは共重合体、エステル化合物ポリマー、エーテル化合物ポリマー、ウレタン系ポリマー、又はこれらの変性物であって、yが1〜2であって、xが3〜6である高分子化合物が特に好ましい。なお、下記基中、R21は水素原子又はメチル基を表し、lは1又は2を表す。
Figure 2008138194
本発明の製造方法に用いられる高分子化合物の質量平均分子量は1000以上であるが、質量平均分子量で3000〜100000が好ましく、5000〜80000がより好ましく、7000〜60000が特に好ましい。質量平均分子量が前記範囲内であると、ポリマーの末端に導入された複数の官能基の効果が十分に発揮され、固体表面への吸着性、ミセル形成能、界面活性性に優れた性能を発揮、良好な分散性と分散安定性を達成することができる。
前記一般式(1)で表される高分子化合物(一般式(2)で表されるものを含む)は、特に制限されないが、下記方法などにより合成することができる。下記合成方法のうち、合成上の容易さから、下記2、3、4、5等の合成方法がより好ましく、下記3、4、5等の合成方法が特に好ましい。
1.カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基等から選択される官能基を末端に導入したポリマーと、複数の官能基(前記一般式中のA又はA)を有する酸ハライド、あるいは複数の官能基(前記一般式中のA又はA)を有するアルキルハライド、あるいは複数の官能基(前記一般式中のA又はA)を有するイソシアネート等とを高分子反応させる方法。
2.末端に炭素−炭素二重結合を導入したポリマーと、複数の官能基(前記一般式中のA又はA)を有するメルカプタンとをマイケル付加反応させる方法。
3.末端に炭素−炭素二重結合を導入したポリマーと、複数の官能基(前記一般式中のA又はA)を有するメルカプタンとをラジカル発生剤存在下で反応させる方法。
4.末端に複数のメルカプタンを導入したポリマーと、炭素−炭素二重結合を導入した官能基(前記一般式中のA又はA)とをラジカル発生剤存在下で反応させる方法。
5.複数の官能基(前記一般式中のA又はA)を有するメルカプタン化合物を連鎖移動剤として、ビニルモノマーをラジカル重合する方法。
上記のうち、本発明の製造方法に用いられる高分子化合物(好ましくは一般式(2)で表される高分子化合物)は、例えば、上記2、3、4、5のいずれかの方法で合成することができるが、合成上の容易さから、上記5の方法で合成することがより好ましい。
本発明の製造方法に好ましく用いられる一般式(1)で表される化合物の具体例を以下に示す。但し本発明はこれらの具体例に何ら限定されるものではない。
Figure 2008138194
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また分子量1000以上の高分子化合物として以下の酸性基を有する高分子化合物(以下、この化合物を「酸性基含有高分子化合物」ということもある。)を用いることもでき、該高分子化合物としてカルボキシル基を有する高分子化合物であることが好ましく、(A)カルボキシル基を有する化合物から導かれた繰り返し単位の少なくとも1種および(B)カルボン酸エステル基を有する化合物から導かれた繰り返し単位の少なくとも1種を含有する共重合化合物がより好ましい。
前記(A)カルボキシル基を有する化合物から導かれた繰り返し単位として、下記一般式(I)で表される繰り返し単位であることが好ましく、アクリル酸またはメタクリル酸から導かれた繰り返し単位であることがより好ましく、前記(B)カルボン酸エステル基を有する化合物から導かれた繰り返し単位として、下記一般式(II)で表される繰り返し単位であることが好ましく、下記一般式(IV)で表される繰り返し単位であることがより好ましく、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、フェネチルアクリレート、フェネチルメタクリレート、3−フェニルプロピルアクリレート、または3−フェニルプロピルメタクリレートから導かれた繰り返し単位であることが特に好ましい。
Figure 2008138194
(Rは水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表す。)
Figure 2008138194
(Rは水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表す。Rは下記一般式(III)で表される基を表す。)
Figure 2008138194
(Rは水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素原子数1〜5のヒドロキシアルキル基、又は炭素原子数6〜20のアリール基を表す。R及びRはそれぞれ水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表す。iは1〜5の数を表す。)
Figure 2008138194
(Rは水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表す。Rは下記一般式(V)で表される基を表す。)
Figure 2008138194
(Rは炭素原子数2〜5のアルキル基又は炭素原子数6〜20のアリール基を表す。R10及びR11は水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表す。jは1〜5の数を表す。)
また、(A)カルボキシル基を有する化合物から導かれた繰り返し単位と、前記(B)カルボン酸エステル基を有する化合物から導かれた繰り返し単位との重合比率としていえば、繰り返し単位(A)の全繰り返し単位数に対する数量比%が3〜40であることが好ましく、5〜35であることがより好ましい。
本発明の製造方法において分子量とは、特に断らない限り、質量平均分子量をいう。分子量の測定方法としては、クロマトグラフィー法、粘度法、光散乱法、沈降速度法等が挙げられるが、本発明では、特に断らない限りゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(キャリア:テトラヒドロフラン)により測定したポリスチレン換算の質量平均分子量を用いる。
上記分子量1000以上の高分子化合物の添加方法は、水性溶媒または有機溶媒に溶解した溶液でも、固体状態でもよく、また、これらの組み合わせでもよい。溶媒に溶解した溶液で添加する方法としては、例えば、凝集有機粒子液に、凝集有機粒子液の溶媒と同様の溶媒に溶解した状態で添加する方法、凝集有機粒子液の溶媒と相溶する、異なる溶媒に溶解した状態で添加する方法が挙げられる。溶媒に溶解した溶液で添加する場合の、高分子化合物の濃度は、特に制限されないが、1〜70質量%が好ましく、2〜65質量%がより好ましく、3〜60質量%が特に好ましい。
上記分子量1000以上の高分子化合物の添加は、有機ナノ粒子の析出生成時またはその前後、濃縮時またはその前後、濃縮後の凝集有機粒子の分散時またはその前後、それらの工程が終了した後、のいずれの時機に添加してもよく、また複数回に分けて添加してもよい。本発明の製造方法において、質量平均質量平均分子量1000以上の高分子化合物は後述するバインダーとして組成物中に含有させてもよく、例えば有機微粒子析出液を濃縮した後、凝集有機粒子の微細分散化のときに添加することが好ましい。
上記分子量1000以上の高分子化合物の添加量は、有機ナノ粒子を100質量部としたときに、好ましくは0.1〜1000質量部が好ましく、5〜500質量部がより好ましく、10〜300質量部が特に好ましい。
分子量1000以上の高分子化合物して、上記化合物のほか、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリアクリルアミド、ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール−部分ホルマール化物、ポリビニルアルコール−部分ブチラール化物、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロック共重合体、ポリアミド、セルロース誘導体、澱粉誘導体などが挙げられる。その他、アルギン酸塩、ゼラチン、アルブミン、カゼイン、アラビアゴム、トンガントゴム、リグニンスルホン酸塩などの天然高分子化合物類も使用できる。また、酸性基を有する高分子化合物としては、ポリビニル硫酸、縮合ナフタレンスルホン酸等が挙げられる。
カルボキシル基を有する高分子化合物としては、例えば、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、側鎖にカルボキシル基を有するセルロース誘導体等があげられる。(A)カルボキシル基を有する化合物から導かれた繰り返し単位の少なくとも1種および(B)カルボン酸エステル基を有する化合物から導かれた繰り返し単位の少なくとも1種を含む共重合化合物としては、特開昭59−44615号公報、特公昭54−34327号公報、特公昭58−12577号公報、特公昭54−25957号公報、特開昭59−53836号公報及び特開昭59−71048号公報に記載されているようなメタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等を挙げることができる。また、特に好ましい例として、米国特許第4139391号明細書に記載のアクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−メタクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸−メタクリル酸エステル共重合体や、アクリル酸またはメタクリル酸と、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルと、他のビニル化合物の多元共重合体を挙げることができる。
ビニル化合物の例としては、スチレン又は置換されたスチレン(例えばビニルトルエン、ビニルエチルベンゼン)、ビニルナフタリン又は置換されたビニルナフタリン、アクリルアミド、メタアクリルアミド、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等が挙げられ、スチレンが好ましい。
分子量1000以上の高分子化合物は1種のみを用いてもよいし、2種以上組み合わせて使用してもよく、分子量1000未満の化合物と併用してもよい。
本発明の有機ナノ粒子の製造方法においては、有機ナノ粒子の分散液が60質量%以上の有機溶剤を含有することが好ましく、65質量%以上であることがより好ましい。有機溶剤としては、特に制限はなく、通常のものの中から適宜選択することができる。例えば、エステル化合物溶媒、アルコール化合物溶媒、芳香族化合物溶媒、脂肪族化合物溶媒、ケトン化合物溶媒が好ましく、エステル化合物溶媒、ケトン化合物溶媒が特に好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
エステル化合物溶媒としては、例えば、2−(1−メトキシ)プロピルアセテート、酢酸エチル、乳酸エチルなどが挙げられる。アルコール化合物溶媒としては、例えば、n−ブタノール、イソブタノールなどが挙げられる。芳香族化合物溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどが挙げられる。脂肪族化合物溶媒としては、例えば、n−ヘキサン、シクロヘキサンなどが挙げられる。ケトン化合物溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、シクロヘキサノンなどが挙げられる。
[有機ナノ粒子分散組成物]
次に、有機ナノ粒子を、例えば、カラーフィルタやインクジェットインク等に用いるときに組成物とする態様について詳しく説明する。有機ナノ粒子は例えばビヒクル中で分散させた状態で用いることができる。前記ビヒクルとは、塗料でいえば、液体状態にあるときに顔料を分散させている媒質の部分をいい、液状であって前記顔料と結合して塗膜を固める部分(バインダー)と、これを溶解希釈する成分(有機溶媒)とを含む。なお本発明においては、ナノ粒子形成時に用いるバインダーと再分散化に用いるバインダーとが同じであっても異なっていてもよく、それぞれ、ナノ粒子形成バインダーおよび再分散化バインダーとして区別していうこともある。
再分散化後の有機ナノ粒子の分散組成物の有機ナノ粒子濃度は目的に応じて適宜定められるが、好ましくは分散組成物全量に対して有機ナノ粒子が2〜30質量%であることが好ましく、4〜20質量%であることがより好ましく、5〜15質量%であることが特に好ましい。上記のようなビヒクルにより分散される場合に、バインダーおよび溶解希釈成分の量は有機材料の種類などにより適宜定められるが、分散組成物全量に対して、バインダーは1〜30質量%であることが好ましく、3〜20質量%であることがより好ましく、5〜15質量%であることが特に好ましい。溶解希釈成分は5〜80質量%であることが好ましく、10〜70質量%であることがより好ましい。
上述の濃縮抽出したナノ粒子液においては、先にも述べたとおり、速やかなフィルタろ過を可能とするために、有機ナノ粒子を濃縮化により凝集させることが好ましく、遠心分離または乾燥により濃縮化して凝集させることが好ましい。
このような凝集ナノ粒子を微細分散化する方法として、例えば超音波による分散方法や物理的なエネルギーを加える方法を用いることができる。
用いられる超音波照射装置は10kHz以上の超音波を印加できる機能を有することが好ましく、例えば、超音波ホモジナイザー、超音波洗浄機などが挙げられる。超音波照射中に液温が上昇すると、ナノ粒子の熱凝集が起こるため(顔料分散技術−表面処理と分散剤の使い方および分散性評価−技術情報協会 1999参照)、液温を1〜100℃とすることが好ましく、5〜60℃がより好ましい。温度の制御方法は、分散液温度の制御、分散液を温度制御する温度調整層の温度制御、などによって行うことができる。
物理的なエネルギーを加えて濃縮した有機ナノ粒子を分散させる際に使用する分散機としては、特に制限はなく、例えば、ニーダー、ロールミル、アトライダー、スーパーミル、ディゾルバ、ホモミキサー、サンドミル等の分散機が挙げられる。また、高圧分散法や、微小粒子ビーズの使用による分散方法も好適なものとして挙げられる。
上述した抽出溶媒、遠心分離、乾燥などにより濃縮化した有機粒子液に含まれる有機粒子は、通常、その濃縮化により凝集をおこしている。このとき速やかなフィルタろ過を可能とし、再度良好な分散状態を得るためには、顔料微粒子をフロックとして得ることが好ましい。ここでフロックとは、再分散しうる程度に弱く凝集させた(軟凝集させた)微粒子の集合体をいう。このように顔料微粒子をフロックとすることで、例えば水系の混合液中に析出させた有機顔料微粒子を素早くろ過等により媒体から分離することができる。その後、上記フロックの凝集を解き、カラーフィルタの作製に適した有機溶媒に再分散させ、効率良く有機溶媒系の顔料分散組成物(非水系分散組成物)とすることができる。すなわち、良溶媒及び貧溶媒の混合溶媒が水系の溶媒であるとき、これを効率的に有機溶媒からなる第3の溶媒へ置換し分散媒(連続相)を切り換えることができる。フロックの平均粒径は特に限定されないが、上述したろ過性を考慮し0.5〜500μmであることが好ましく、5〜100μmであることがより好ましい。なお、本発明においては、前記良溶媒(第1溶媒)及び前記貧溶媒(第2溶媒)のいずれとも異なる溶媒を総称して「第3の溶媒」という。
<1>分散の方式
有機ナノ粒子分散組成物の好ましい製造方法としては、着色剤を樹脂成分で混練分散処理後の25℃における粘度が10,000mPa・s以上、望ましくは100,000mPa・s以上の比較的高粘度になるように混練分散処理し、次いで溶剤を添加して、微分散処理後の粘度が1,000mPa・s以下、望ましくは100mPa・s以下の比較的低粘度になるように微分散処理する方法が好ましい。
混練分散処理で使用する機械は二本ロール、三本ロール、ボールミル、トロンミル、ディスパー、ニーダー、コニーダー、ホモジナイザー、ブレンダー、単軸および2軸の押出機等であり、強い剪断力を与えながら分散する。次いで、溶剤を加えて、主として縦型若しくは横型のサンドグラインダー、ピンミル、スリットミル、超音波分散機、高圧分散機等を使用し、0.1〜1mmの粒径のガラス、ジルコニア等でできたビーズで微分散処理する。さらに0.1mm以下の微小粒子ビーズを用いて精密分散処理をすることもできる。尚、混練分散処理を省くことも可能である。その場合には、顔料と分散剤若しくは表面処理剤と、本発明におけるアクリル系共重合体および溶剤でビーズ分散を行う。
また主顔料と補顔料を別々に分散処理した後、両者の分散液を混合して更に分散処理を加えたり、主顔料と補顔料をいっしょに分散処理することも可能である。
尚、混練、分散についての詳細はT.C. Patton著“Paint Flow and ピグメント Dispersion”(1964年 John Wiley and Sons社刊)等にも記載されており、この方法を用いてもよい。
<2>分散剤の例
有機ナノ粒子分散組成物には、有機ナノ粒子の分散性を向上させる目的で通常の顔料分散剤や界面活性剤を添加することができる。これらの分散剤としては、多くの種類の化合物が用いられるが、例えば、フタロシアニン誘導体(市販品EFKA−6745(エフカ社製))、ソルスパース5000(ゼネカ(株)社製);オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)社製)、(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.75、No.90、No.95(共栄社油脂化学工業(株)社製)、W001(裕商社製)等のカチオン系界面活性剤;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル等のノニオン系界面活性剤;W004、W005、W017(裕商社製)等のアニオン系界面活性剤;EFKA−46、EFKA−47、EFKA−47EA、EFKAポリマー100、EFKAポリマー400、EFKAポリマー401、EFKAポリマー450(以上森下産業(株)社製)、ディスパースエイド6、ディスパースエイド8、ディスパースエイド15、ディスパースエイド9100(サンノプコ社製)等の高分子分散剤;ソルスパース3000、5000、9000、12000、13240、13940、17000、24000、26000、28000などの各種ソルスパース分散剤(ゼネカ(株)社製);アデカプルロニックL31,F38,L42,L44,L61,L64,F68,L72,P95,F77,P84,F87、P94,L101,P103,F108、L121、P−123(旭電化(株)社製)およびイソネットS−20(三洋化成(株)社製)が挙げられる。また、2000−239554号公報に記載の顔料分散剤や、特公平5−72943号公報に記載の化合物(C)や、特開2001−31885号公報に記載の合成例1の化合物なども好適に用いることができる。
再分散時に有機ナノ粒子形成時に用いる分散剤として[分散剤]の項に示した化合物を再度用いることも好ましい。
有機ナノ粒子分散組成物においては、再分散後の有機ナノ粒子(一次粒子)を微細分散化した粒子とすることができ、粒径を好ましくは1〜200nmとすることができ、2〜100nmがより好ましく、5〜50nmが特に好ましい。また、再分散後の粒子のMv/Mnは、1.0〜2.0であることが好ましく、1.0〜1.8であることがより好ましく、1.0〜1.5であることが特に好ましい。
本発明の製造方法によれば、例えば、有機ナノ粒子分散組成物や後述する着色感光性樹脂組成物に含まれる顔料粒子を、ナノメートルサイズ(例えば、10〜100nm)という微小な粒径にもかかわらず、濃縮再分散化することができる。このため、カラーフィルタに用いたときには、光学濃度が高く、フィルタ表面の均一性に優れ、コントラストが高く、かつ画像のノイズを少なくすることができる。
さらに、有機ナノ粒子分散組成物、着色感光性組成物に含まれる有機ナノ粒子を、高度に、また均一に、微細分散化することができるため、薄い膜厚さで、高い着色濃度を発揮し、例えばカラーフィルタ等の薄層化を可能とするものである。
また有機ナノ粒子分散組成物、着色感光性樹脂組成物において、鮮明な色調と高い着色力とを示す顔料を含有させることで、例えばカラープルーフやカラーフィルタ等を作製するための画像形成材料として優れている。
さらに、着色画像形成時の露光・現像に用いられるアルカリ性の現像液に対して、有機ナノ粒子分散組成物、着色感光性樹脂組成物に、結合剤(バインダー)としてアルカリ性水溶液に可溶なものを用いることができ、環境上の要求にも応えることができる。
また有機ナノ粒子分散組成物、着色感光性樹脂組成物に用いられる溶媒(顔料の分散媒)として適度な乾燥性を有する有機溶媒を用いることができ、塗布後の乾燥の点でもその要求を満足することができる。
[カラーフィルタ用インクジェットインク]
本発明のカラーフィルタ用インクジェットインクは、(a)有機ナノ粒子および(b)重合性モノマーおよび/または重合性オリゴマーを含有する。このとき(a)有機ナノ粒子、(b)重合性モノマーおよび/または重合性オリゴマー、(c)バインダー、および(d)光重合開始剤もしくは光重合開始剤系を含有させたカラーフィルタ用インクジェットインクないし着色感光性樹脂組成物としてもよい。以下、上記(a)〜(d)の成分について説明する。
(a)有機ナノ粒子
有機ナノ粒子を作製する方法については既に詳細に述べた。有機ナノ粒子の含有量は、カラーフィルタ用インクジェットインクにおいて、その全固形分(本発明において、全固形分とは、有機溶媒を除く組成物合計をいう。)に対し、3〜90質量%が好ましく、20〜80質量%がより好ましく、25〜60質量%がさらに好ましい。この量が多すぎると分散液の粘度が上昇し製造適性上問題になることがある。少なすぎると着色力が十分でない。着色剤として機能する微粒子としては、粒径0.1μm以下、特には粒径0.08μm以下であることが好ましい。また、調色のために通常の顔料と組み合わせて用いてもよい。
(b)重合性モノマーおよび/または重合性オリゴマー
本発明のカラーフィルタ用インクジェットインクに含有させる重合性モノマーおよび/または重合性オリゴマーとしては、エチレン性不飽和二重結合を2個以上有し、光の照射によって付加重合するものであることが好ましい。そのようなものとしては、分子中に少なくとも1個の付加重合可能なエチレン性不飽和基を有し、沸点が常圧で100℃以上の化合物を挙げることができる。その例としては、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート及びフェノキシエチル(メタ)アクリレートなどの単官能アクリレートや単官能メタクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)シアヌレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパンやグリセリン等の多官能アルコールにエチレンオキシド又はプロピレンオキシドを付加した後(メタ)アクリレート化したもの等の多官能アクリレートや多官能メタクリレートを挙げることができる。また、特開平10−62986号公報に一般式(1)および(2)に記載のように、多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後(メタ)アクリレート化した化合物も好適なものとして挙げられる。
更に特公昭48−41708号公報、特公昭50−6034号公報及び特開昭51−37193号公報に記載されているウレタンアクリレート類;特開昭48−64183号公報、特公昭49−43191号公報及び特公昭52−30490号公報に記載されているポリエステルアクリレート類;エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能アクリレー卜やメタクリレートを挙げることができる。
これらの中で、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが好ましい。
また、この他、特開平11−133600号公報に記載の「重合性化合物B」も好適なものとして挙げることができる。
これらの重合性モノマーおよび/または重合性オリゴマーは分子量200〜1000のものが好ましく、単独でも、二種類以上を混合して用いてもよく、カラーフィルタ用インクジェットインクの全固形分に対する含有量は5〜50質量%が一般的であり、10〜40質量%が好ましい。この量が多すぎると現像性の制御が困難になり製造適性上問題となる。少なすぎると露光時の硬化力が不足する。
(c)バインダー
バインダーとしては、酸性基を有するバインダーが好ましく、カラーフィルタ用インクジェットインクないし着色感光性樹脂組成物の調製時に添加することもできるが、前記有機ナノ粒子分散組成物を製造する際、または有機ナノ粒子形成時に添加することも好ましい。有機顔料溶液および有機顔料溶液を添加して有機ナノ粒子を生成させるための貧溶媒の両方もしくは一方にバインダーを添加することもできる。またはバインダー溶液を別系統で有機ナノ粒子形成時に添加することも好ましい。バインダーとしては、側鎖にカルボン酸基やカルボン酸塩基などの極性基を有するアルカリ可溶性のポリマーが好ましい。その例としては、特開昭59−44615号公報、特公昭54−34327号公報、特公昭58−12577号公報、特公昭54−25957号公報、特開昭59−53836号公報及び特開昭59−71048号公報に記載されているようなメタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等を挙げることができる。また側鎖にカルボン酸基やカルボン酸塩などを有するセルロース誘導体も挙げることができ、またこの他にも、水酸基を有するポリマーに環状酸無水物を付加したものも好ましく使用することができる。また、特に好ましい例として、米国特許第4,139,391号明細書に記載のベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸との共重合体や、ベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸と他のモノマーとの多元共重合体を挙げることができる。これらの極性基を有するバインダーポリマーは、単独で用いてもよく、或いは通常の膜形成性のポリマーと併用する組成物の状態で使用してもよく、有機ナノ粒子100質量部に対する添加量は10〜200質量部が一般的であり、25〜100質量部が好ましい。
また架橋効率を向上させるために、重合性基を側鎖に有してもよく、UV硬化性樹脂や、熱硬化性樹脂等も有用である。これらの重合性基を含有するポリマーの例を以下に示すが、COOH基、OH基、アンモニウム基等のアルカリ可溶性基と炭素−炭素不飽和結合が含まれていれば下記に限定されない。OH基を有する例えば2−ヒドロキシエチルアクリレートと、COOH基を含有する例えばメタクリル酸と、およびこれらと共重合可能なアクリル系もしくはビニル系化合物等のモノマーとの共重合体に、OH基と反応性を有するエポキシ環と炭素−炭素不飽和結合基を有する化合物、例えばグリシジルアクリレートのような化合物を反応させて得られる化合物等が使用できる。OHとの反応ではエポキシ環の他に酸無水物、イソシアネート基を有し、アクリロイル基を有する化合物も使用できる。また特開平6−102669号、特開平6−1938号に開示されるエポキシ環を有する化合物にアクリル酸のような不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物に、飽和もしくは不飽和多塩基酸無水物を反応させて得られる反応物も使用できる。COOHのようなアルカリ可溶化基と炭素−炭素不飽和基を併せ持つ化合物として例えばダイヤナールNRシリーズ(三菱レイヨン株式会社製)、Photomer6173(COOH含有Polyurethane acrylic oligomer。Diamond Shamrock Co. Ltd.,製)、ビスコートR−264、KSレジスト106(いずれも大阪有機化学工業株式会社製)、サイクロマーPシリーズ、プラクセル CF200シリーズ(いずれもダイセル化学工業株式会社製)、Ebecryl3800(ダイセルユーシービー株式会社製)などが挙げられる。
更に、バインダー樹脂として、側鎖の一部に水溶性の原子団を有する有機高分子重合体を用いることができる。上記バインダー樹脂は、モノマーに対して相溶性のある線状有機高分子重合体であり、且つ、有機溶剤およびアルカリ可溶性(好ましくは弱アルカリ水溶液で現像できるもの)である。上記アルカリ可溶性樹脂としては、側鎖にカルボン酸を有するポリマー、例えば、特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号公報に記載されているようなメタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等があり、また同様に側鎖にカルボン酸を有する酸性セルロース誘導体が挙げられる。上記アルカリ可溶性樹脂としては、その他、水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたものなどが有用である。特にこれらの中でも、具体的には、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体やベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/および他のモノマーとの多元共重合体が好ましい。上記アルカリ可溶性樹脂としては、少なくとも(i)無水マレイン酸(MAA)、アクリル酸(AA)、メタクリル酸(MA)、およびフマル酸(FA)から選ばれた少なくとも一種の酸成分モノマーと、(ii)アルキルポリオキシエチレン(メタ)アクリレートと、および(iii)ベンジル(メタ)アクリレートとからなる共重合体(以下「共重合体A」という場合がある。)を用いることができる。
上記共重合体Aの組み合わせとしては、(i)酸成分モノマー、(ii)アルキルポリオキシエチレン(メタ)アクリレート(Acr(EO)n:CH(OC)nOCOC(R)=CH)、および(iii)ベンジル(メタ)アクリレート(Bz(M)A)の組成質量比は好ましくは10〜25/5〜25/50〜85、より好ましくは15〜20/5〜20/60〜80が好ましい。また、上記共重合体のGPCによるポリスチレン換算質量平均分子量(Mw)としては好ましくは3,000〜50,000、より好ましくは5,000〜30,000である。
(i)酸成分モノマーの組成質量比が上記範囲にあると、アルカリ可溶性および溶剤への溶解性が低下しにくい。また、(ii)アルキルポリオキシエチレン(メタ)アクリレート(Acr(EO)n:CH(OC)nOCOC(R)=CH)の組成質量比が上記範囲にあると、組成物の基板上への液の広がりやすく、また着色剤の分散性が低下しにくいため、本発明の効果を有効に達成することができる。(iii)ベンジル(メタ)アクリレート(Bz(M)A)の組成質量比が上記範囲にあると、着色剤の分散安定性や組成物中への溶解性や塗布膜のアルカリ現像適性が低下しにくい。
尚、前記(ii)アルキルポリオキシエチレン(メタ)アクリレート(Acr(EO)n:CH(OC)nOCOC(R)=CH)のポリオキシエチレン(EO)nの繰り返し数nは、2〜15が好ましく、2〜10が更に好ましく、4〜10が特に好ましい。上記繰り返し数nが、前記範囲にあると、アルカリ現像液で現像した後に現像残渣が発生しにくく、組成物の塗布液としての流動性が低下し、塗布ムラを生じるのを防止でき、塗布膜厚の均一性や省液性が低下するのを防止できる。
これらの極性基を有するバインダーポリマーは、単独で用いてもよく、或いは通常の膜形成性のポリマーと併用する組成物の状態で使用してもよく、有機ナノ粒子100質量部に対する添加量は10〜200質量部が一般的であり、25〜100質量部が好ましい。
バインダーが高分子化合物である場合、該高分子化合物中の酸性基の数に特に制限はないが、1分子中に含まれる繰り返し単位の数を100とした時、酸性基を有する繰り返し単位が5〜100であることが好ましく、10〜100であることがより好ましい。また、(1)カルボキシル基を有する化合物から導かれた繰り返し単位と、前記(2)カルボン酸エステル基を有する化合物から導かれた繰り返し単位との重合比率としていえば、繰り返し単位(1)のモル%が5〜40であることが好ましく、繰り返し単位(2)が40〜90であることが好ましく、繰り返し単位(1)または(2)以外の繰り返し単位が25以下であることが好ましい。また酸性基を有するアルカリ可溶性のバインダーの高分子化合物の分子量は3000〜1000000が好ましく、4000〜200000がより好ましく、5000〜80000が特に好ましい。
また、先に述べた質量平均分子量1000以上の高分子化合物も好ましく用いることができ、その含有量は、カラーフィルタ用インクジェットインクないし着色感光性樹脂組成物の全固形分に対して15〜50質量%が一般的であり、20〜45質量%が好ましい。この量が多すぎると組成物の粘度が高くなりすぎ製造適性上問題となる。少なすぎると塗布膜の形成上問題がある。
(d)光重合開始剤又は光重合開始剤系
本発明のカラーフィルタ用インクジェットインクに含有させる光重合開始剤又は光重合開始剤系(本発明において、光重合開始剤系とは複数の化合物の組み合わせで光重合開始の機能を発現する重合開始組成物をいう。)としては、米国特許第2367660号明細書に開示されているビシナルポリケタルドニル化合物、米国特許第2448828号明細書に記載されているアシロインエーテル化合物、米国特許第2722512号明細書に記載のα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3046127号明細書及び同第2951758号明細書に記載の多核キノン化合物、米国特許第3549367号明細書に記載のトリアリールイミダゾール二量体とp−アミノケトンの組み合わせ、特公昭51−48516号公報に記載のベンゾチアゾール化合物とトリハロメチル−s−トリアジン化合物、米国特許第4239850号明細書に記載されているトリハロメチル−トリアジン化合物、米国特許第4212976号明細書に記載されているトリハロメチルオキサジアゾール化合物等を挙げることができる。特に、トリハロメチル−s−トリアジン、トリハロメチルオキサジアゾール及びトリアリールイミダゾール二量体が好ましい。
また、この他、特開平11−133600号公報に記載の「重合開始剤C」や、オキシム系として、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、O−ベンゾイル−4’−(ベンズメルカプト)ベンゾイル−ヘキシル−ケトキシム、2,4,6−トリメチルフェニルカルボニル−ジフェニルフォスフォニルオキサイド、ヘキサフルオロフォスフォロ−トリアルキルフェニルホスホニウム塩等も好適なものとしてあげることができる。
これらの光重合開始剤又は光重合開始剤系は、単独でも、2種類以上を混合して用いてもよいが、特に2種類以上を用いることが好ましい。少なくとも2種の光重合開始剤を用いると、表示特性、特に表示のムラが少なくできる。
カラーフィルタ用インクジェットインクの全固形分に対する光重合開始剤又は光重合開始剤系の含有量は、0.5〜20質量%が一般的であり、1〜15質量%が好ましい。この量が多すぎると感度が高くなりすぎ制御が困難になる。少なすぎると露光感度が低くなりすぎる。
(その他の添加剤)
〔溶媒〕
本発明のカラーフィルタ用インクジェットインクにおいては、上記成分の他に、更に有機溶媒を用いてもよい。有機溶媒の例としては、特に限定されないが、エステル類、例えば酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチルなどの3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類;3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル等;エーテル類、例えばジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、等;ケトン類、例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロヘキサノール、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等;芳香族炭化水素類、例えばトルエン、キシレシ等が挙げられる。これら溶剤のうち、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等が本発明における溶剤として好ましく用いられる。これらの溶剤は、単独で用いてもあるいは2種以上組み合わせて用いてもよい。
また沸点が180℃〜250℃である溶剤を必要によって使用することができる。これらの高沸点溶剤としては、次のものが例示される。ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン、ブチルラクテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコール−n−プロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、2−エチルヘキシルアセテート、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、γブチルラクトン、トリプロピレングリコールメチルエチルアセテート、ジプロピレングリコール−n−ブチルアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテルアセテート、1,3−ブタンジオールジアセテート。
溶媒の含有量は、カラーフィルタ用インクジェットインク全量に対して10〜95質量%が好ましい。
〔界面活性剤〕
従来用いられてきたカラーフィルタにおいては、高い色純度を実現するために各画素の色が濃くなり、画素の膜厚のムラが、そのまま色ムラとして認識されるという問題があった。そのため、画素の膜厚に直接影響する、膜厚変動の良化が求められていた。
本発明のカラーフィルタにおいては、均一な膜厚に制御でき、膜厚変動による色ムラを効果的に防止するという観点から、カラーフィルタ用インクジェットインク中に適切な界面活性剤を含有させることが好ましい。
上記界面活性剤としては、特開2003−337424号公報、特開平11−133600号公報に開示されている界面活性剤が、好適なものとして挙げられる。界面活性剤の含有量は、樹脂組成物全量に対して5質量%以下が好ましい。
〔熱重合防止剤〕
本発明のカラーフィルタ用インクジェットインクは、熱重合防止剤を含むことが好ましい。該熱重合防止剤の例としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−メルカプトベンズイミダゾール、フェノチアジン等が挙げられる。熱重合防止剤の含有量は、カラーフィルタ用インクジェットインク全量に対して1質量%以下が好ましい。
〔補助的に使用する染料、顔料〕
本発明のカラーフィルタ用インクジェットインクには、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じ前記着色剤(顔料)に加えて、着色剤(染料、顔料)を添加することができる。着色剤のうち顔料を用いる場合には、カラーフィルタ用インクジェットインク中に均一に分散されていることが望ましく、そのため粒径が0.1μm以下、特には0.08μm以下であることが好ましい。
染料ないし顔料としては、具体的には、前記顔料として、特開2005−17716号公報[0038]〜[0040]に記載の色材や、特開2005−361447号公報[0068]〜[0072]に記載の顔料や、特開2005−17521号公報[0080]〜[0088]に記載の着色剤を好適に用いることができる。補助的に使用する染料もしくは顔料の含有量は、カラーフィルタ用インクジェットインク全量に対して5質量%以下が好ましい。
〔紫外線吸収剤〕
本発明のカラーフィルタ用インクジェットインクには、必要に応じて紫外線吸収剤を含有することができる。紫外線吸収剤としては、特開平5−72724号公報記載の化合物のほか、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系、ニッケルキレート系、ヒンダードアミン系などが挙げられる。
具体的には、フェニルサリシレート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−4’−ヒドロキシベンゾエート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2,2’−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、ニッケルジブチルジチオカーバメート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピリジン)−セバケート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、サルチル酸フェニル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン縮合物、コハク酸−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリデニル)−エステル、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、7−{[4−クロロ−6−(ジエチルアミノ)−5−トリアジン−2−イル]アミノ}−3−フェニルクマリン等が挙げられる。紫外線吸収剤の含有量は、カラーフィルタ用インクジェットインク全量に対して5質量%以下が好ましい。
また、本発明のカラーフィルタ用インクジェットインクにおいては、上記添加剤の他に、特開平11−133600号公報に記載の「接着助剤」や、その他の添加剤等を含有させることができる。
また、本発明のカラーフィルタ用インクジェットインクにおいては、上記添加剤の他に、特開平11−133600号公報に記載の「接着助剤」や、その他の添加剤等を含有させることができる。
本発明のカラーフィルタ用インクジェットインクにおいては、粘度の変動幅が±5%以内になるようインク温度を制御することが好ましい。射出時の粘度は5〜25mPa・sであることが好ましく、8〜22mPa・sであることがより好ましく、10〜20mPa・sであることが特に好ましい(本発明において粘度は、特に断らない限り25℃のときの値である。)。前記射出温度の設定以外に、インクに含有させる成分の種類と添加量を調節することで、粘度の調整をすることができる。前記粘度は、例えば、円錐平板型回転粘度計やE型粘度計などの通常の装置により測定することができる。
また、射出時のインクの表面張力は15〜40mN/mであることが、画素の平坦性向上の観点から好ましい(本発明において表面張力は、特に断らない限り23℃のときの値である。)。より好ましくは、20〜35mN/m、最も好ましくは、25〜30mN/mである。表面張力の調整は、界面活性剤の添加や、溶剤の種類により調整することができる。前記表面張力は、例えば、表面張力測定装置(協和界面科学株式会社製、CBVP−Z)や、全自動平衡式エレクトロ表面張力計ESB−V(協和科学社製)などの公知の測定器を用いて白金プレート方法により測定することができる。
[カラーフィルタ用インクジェットインクの吹き付け]
本発明のカラーフィルタ用インクジェットインクの吹き付けとしては、帯電したインクを連続的に噴射し電場によって制御する方法、圧電素子を用いて間欠的にインクを噴射する方法、インクを加熱しその発泡を利用して間欠的に噴射する方法等、各種の方法を採用できる。
また、各画素形成のために用いるインクジェット法に関しては、インクを熱硬化させる方法、光硬化させる方法、あらかじめ基板上に透明な受像層を形成しておいてから打滴する方法など、通常の方法を用いることができる。
インクジェットヘッド(以下、単にヘッドともいう。)には、通常のものを適用でき、コンティニアスタイプ、ドットオンデマンドタイプが使用可能である。ドットオンデマンドタイプのうち、サーマルヘッドでは、吐出のため、特開平9−323420号に記載されているような稼動弁を持つタイプが好ましい。ピエゾヘッドでは、例えば、欧州特許A277,703号、欧州特許A278,590号などに記載されているヘッドを使うことができる。ヘッドはインクの温度が管理できるよう温調機能を持つものが好ましい。射出時の粘度は5〜25mPa・sとなるよう射出温度を設定し、粘度の変動幅が±5%以内になるようインク温度を制御することが好ましい。また、駆動周波数としては、1〜500kHzで稼動することが好ましい。
また、各画素を形成した後、加熱処理(いわゆるベーク処理)する加熱工程を設けることができる。即ち、光照射により光重合した層を有する基板を電気炉、乾燥器等の中で加熱する、あるいは赤外線ランプを照射する。加熱の温度及び時間は、感光性濃色組成物の組成や形成された層の厚みに依存するが、一般に充分な耐溶剤性、耐アルカリ性、及び紫外線吸光度を獲得する観点から、約120℃〜約250℃で約10分〜約120分間加熱することが好ましい。
このようにして形成されたカラーフィルタのパターン形状は特に限定されるものではなく、一般的なブラックマトリックス形状であるストライプ状であっても、格子状であっても、さらにはデルタ配列状であってもよい。
本発明においては、既述のカラーフィルタ用インクジェットインクを用いた画素形成工程の前に、予め隔壁を作成し、該隔壁に囲まれた部分にインクを付与する作製方法が好ましい。この隔壁はどのようなものでもよいが、カラーフィルタを作製する場合は、ブラックマトリクスの機能を持った遮光性を有する隔壁(以下、単に「隔壁」とも言う。)であることが好ましい。該隔壁は通常のカラーフィルタ用ブラックマトリクスと同様の素材、方法により作製することができる。例えば、特開2005−3861号公報の段落番号[0021]〜[0074]や、特開2004−240039号公報の段落番号[0012]〜[0021]に記載のブラックマトリクスや、特開2006−17980号公報の段落番号[0015]〜[0020]や、特開2006−10875号公報の段落番号[0009]〜[0044]に記載のインクジェット用ブラックマトリクスなどが挙げられる。
[着色感光性樹脂組成物の塗布膜]
上記の着色感光性樹脂組成物を用いて塗布膜とすることができ、その厚さは適宜定めることができるが、0.5〜5.0μmであることが好ましく、1.0〜3.0μmであることがより好ましい。この着色感光性樹脂組成物を用いた塗布膜においては、そこに含まれる(c)モノマー又はオリゴマーを重合させて着色感光性樹脂組成物の重合膜とし、それを有するカラーフィルタを作製することができる(カラーフィルタの作製については後述する。)。重合性モノマー又は重合性オリゴマーの重合は、光照射により(d)光重合開始剤又は光重合開始剤系を作用させて行うことができる。
(スリット状ノズル)
尚、上記塗布膜は、着色感光性樹脂組成物を、通常の塗布方法により塗布し乾燥することによって形成することができるが、本発明においては、液が吐出する部分にスリット状の穴を有するスリット状ノズルによって塗布することが好ましい。具体的には、特開2004−89851号公報、特開2004−17043号公報、特開2003−170098号公報、特開2003−164787号公報、特開2003−10767号公報、特開2002−79163号公報、特開2001−310147号公報等に記載のスリット状ノズル、及びスリットコータが好適に用いられる。
着色感光性樹脂組成物の基板への塗布方法は、1〜3μmの薄膜を均一に高精度に塗布できるという点からスピン塗布が優れており、カラーフィルタの作製に広く一般的に用いることができる。しかし、近年においては、液晶表示装置の大型化および量産化に伴って、製造効率および製造コストをより高めるために、スピン塗布よりも広幅で大面積な基板の塗布に適したスリット塗布がカラーフィルタの作製に採用されるようになってきている。尚、省液性という観点からもスリット塗布はスピン塗布よりも優れており、より少ない塗布液量で均一な塗膜を得ることができる。
スリット塗布は、先端に幅数十ミクロンのスリット(間隙)を有し且つ矩形基板の塗布幅に対応する長さの塗布ヘッドを、基板とのクリアランス(間隙)を数10〜数100ミクロンに保持しながら、基板と塗布ヘッドとに一定の相対速度を持たせて、所定の吐出量でスリットから供給される塗布液を基板に塗布する塗布方式である。このスリット塗布は、(1)スピン塗布に比して液ロスが少ない、(2)塗布液の飛びちりがないため洗浄処理が軽減される、(3)飛び散った液成分の塗布膜への再混入がない、(4)回転の立ち上げ停止時間がないのでタクトタイムが短縮化できる、(5)大型の基板への塗布が容易である、等の利点を有する。これらの利点から、スリット塗布は大型画面液晶表示装置用のカラーフィルタの作製に好適であり、塗布液量の削減にとっても有利な塗布方式として期待されている。
スリット塗布は、スピン塗布よりも遥かに大面積の塗布膜を形成するため、幅の広いスリット出口から塗布液を吐出する際、コーターと被塗布物との間にある程度の相対速度を保つ必要がある。このため、スリット塗布方式に用いる塗布液には良好な流動性が求められる。また、スリット塗布には、塗布ヘッドのスリットから基板に供給される塗布液の諸条件を、塗布幅全般に渡って一定に保持することが特に求められる。塗布液の流動性や粘弾性特性等の液物性が不充分であると、塗布ムラが生じやすく、塗布幅方向に塗布厚を一定に保つのが困難になり、均一な塗布膜を得ることができないという問題が生じてしまう。
これらのことから、ムラがなく均一な塗布膜を得るために塗布液の流動性や粘弾性特性を改良しようとする試みが多くなされている。しかし、上述したようにポリマーの分子量を低下させたり、溶剤への溶解性に優れたポリマーを選択したり、蒸発速度をコントロールするために溶剤を種々選択したり、界面活性剤を利用するなどの手段が提案されているが、いずれも上記の諸問題を改良するには充分ではなかった。
[感光性樹脂転写材料]
次に、本発明の感光性樹脂転写材料について説明する。
本発明の感光性樹脂転写材料は、特開平5−72724号公報に記載されている感光性樹脂転写材料、すなわち一体型となったフイルムを用いて形成することが好ましい。該一体型フイルムの構成の例としては、仮支持体/熱可塑性樹脂層/中間層/感光性樹脂層/保護フイルムを、この順に積層した構成が挙げられ、本発明の感光性樹脂転写材料としては、前述の着色感光性樹脂組成物を用いることによって感光性樹脂を設けたものである。
(仮支持体)
本発明の感光性樹脂転写材料において、仮支持体としては、可撓性を有し、加圧、若しくは加圧及び加熱下においても著しい変形、収縮若しくは伸びを生じないものであることが必要である。そのような仮支持体の例としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、トリ酢酸セルロースフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム等を挙げることができ、中でも2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。
(熱可塑性樹脂層)
熱可塑性樹脂層に用いる成分としては、特開平5−72724号公報に記載されている有機高分子物質が好ましく、ヴイカーVicat法(具体的にはアメリカ材料試験法エーエステーエムデーASTMD1235によるポリマー軟化点測定法)による軟化点が約80℃以下の有機高分子物質より選ばれることが特に好ましい。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、エチレンと酢酸ビニル或いはそのケン化物の様なエチレン共重合体、エチレンとアクリル酸エステル或いはそのケン化物、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと酢酸ビニル及びそのケン化物の様な塩化ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン共重合体、ポリスチレン、スチレンと(メタ)アクリル酸エステル或いはそのケン化物の様なスチレン共重合体、ポリビニルトルエン、ビニルトルエンと(メタ)アクリル酸エステル或いはそのケン化物の様なビニルトルエン共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸ブチルと酢酸ビニル等の(メタ)アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル共重合体ナイロン、共重合ナイロン、N−アルコキシメチル化ナイロン、N−ジメチルアミノ化ナイロンの様なポリアミド樹脂等の有機高分子が挙げられる。
(中間層)
本発明の感光性樹脂転写材料においては、複数の塗布層の塗布時、及び塗布後の保存時における成分の混合を防止する目的から、中間層を設けることが好ましい。該中間層としては、特開平5−72724号公報に「分離層」として記載されている、酸素遮断機能のある酸素遮断膜を用いることが好ましく、この場合、露光時感度がアップし、露光機の時間負荷が減り、生産性が向上する。
該酸素遮断膜としては、低い酸素透過性を示し、水又はアルカリ水溶液に分散又は溶解するものが好ましく、通常のものの中から適宜選択することができる。これらの内、特に好ましいのは、ポリビニルアルコールとポリビニルピロリドンとの組み合わせである。
(保護フイルム)
感光性樹脂層の上には、貯蔵の際の汚染や損傷から保護するために薄い保護フイルムを設けることが好ましい。保護フイルムは仮支持体と同じか又は類似の材料からなってもよいが、感光性樹脂層から容易に分離されねばならない。保護フイルム材料としては例えばシリコーン紙、ポリオレフィン若しくはポリテトラフルオロエチレンシートが適当である。
(感光性樹脂転写材料の作製方法)
本発明の感光性樹脂転写材料は、仮支持体上に熱可塑性樹脂層の添加剤を溶解した塗布液(熱可塑性樹脂層用塗布液)を塗布し、乾燥することにより熱可塑性樹脂層を設け、その後熱可塑性樹脂層上に熱可塑性樹脂層を溶解しない溶剤からなる中間層材料の溶液を塗布、乾燥し、その後感光性樹脂層を、中間層を溶解しない溶剤で塗布、乾燥して設けることにより作製することができる。
また、前記の仮支持体上に熱可塑性樹脂層及び中間層を設けたシート、及び保護フイルム上に感光性樹脂層を設けたシートを用意し、中間層と感光性樹脂層が接するように相互に貼り合わせることによっても、更には、前記の仮支持体上に熱可塑性樹脂層を設けたシート、及び保護フイルム上に感光性樹脂層及び中間層を設けたシートを用意し、熱可塑性樹脂層と中間層が接するように相互に貼り合わせることによっても、作製することができる。
本発明の感光性樹脂転写材料において、感光性樹脂層の膜厚としては、1.0〜5.0μmが好ましく、1.0〜4.0μmがより好ましく、1.0〜3.0μmが特に好ましい。また、特に限定されるわけではないが、その他の各層の好ましい膜厚としては、仮支持体は15〜100μm、熱可塑性樹脂層は2〜30μm、中間層は0.5〜3.0μm、保護フイルムは4〜40μmが、一般的に好ましい。
尚、上記作製方法における塗布は、通常の塗布装置等によって行うことができるが、本発明においては、既に[着色感光性樹脂組成物の塗布膜]の項において説明した、スリット状ノズルを用いた塗布装置(スリットコータ)によって行うことが好ましい。スリットコータの好ましい具体例等は、前記と同様である。
[カラーフィルタ]
本発明のカラーフィルタは、コントラストに優れたものとして用いることができる。本発明においてコントラストとは、2枚の偏光板の間において、偏光軸が平行のときと、垂直のときとの透過光量の比を表す(「1990年第7回色彩光学コンファレンス、512色表示10.4”サイズTFT−LCD用カラーフィルタ、植木、小関、福永、山中」等参照。)。
カラーフィルタのコントラストが高いということは液晶と組み合わせたときの明暗のディスクリミネーションが大きくできるということを意味しており、液晶ディスプレイがCRTに置き換わるためには非常に重要な性能である。
本発明のカラーフィルタは、テレビ用として用いる場合は、F10光源による、レッド(R)、グリーン(G)、及びブルー(B)のそれぞれ全ての単色の色度が、下表に記載の値(以下、本発明において「目標色度」という。)との差(ΔE)で5以内の範囲であることが好ましく、更に3以内であることがより好ましく、2以内であることが特に好ましい。
x y Y
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
R 0.656 0.336 21.4
G 0.293 0.634 52.1
B 0.146 0.088 6.90
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
本発明において色度は、顕微分光光度計(オリンパス光学社製;OSP100又は200)により測定し、F10光源視野2度の結果として計算して、xyz表色系のxyY値で表す。また、目標色度との差は、La表色系の色差で表す。
(感光性樹脂層)
本発明のカラーフィルタは、基板上に感光性樹脂層を形成し、露光して現像することを色の数だけ繰り返す方法などの方法によって製造することができる。尚、必要に応じて、その境界をブラックマトリックスで区分した構造とすることもできる。
上記の製造方法において、基板上に上記感光性樹脂層を形成する方法としては、(a)上記の各着色感光性樹脂組成物を通常の塗布装置等によって塗布する方法、及び(b)前述の感光性樹脂転写材料を用い、ラミネーターによって貼り付ける方法などが挙げられる。
(a)塗布装置による塗布
本発明のカラーフィルタを製造する際、着色感光性樹脂組成物の塗布には、通常の塗布装置を用いることができるが、中でも特に、既に[着色感光性樹脂組成物の塗布膜]の項において説明した、スリットコータを好適に用いることができる。尚、スリットコータの好ましい具体例等は、前記と同様である。感光性樹脂層を塗布により形成する場合、その膜厚としては、1.0〜3.0μmが好ましく、1.0〜2.5μmがより好ましく、1.5〜2.5μmが特に好ましい。
(b)ラミネーターによる貼り付け
本発明の感光性樹脂転写材料を用い、フイルム状に形成した感光性樹脂層を、後述する基板上に、加熱及び/又は加圧した、ローラー又は平板で、圧着又は加熱圧着することによって、貼り付けることができる。具体的には、特開平7−110575号公報、特開平11−77942号公報、特開2000−334836号公報、特開2002−148794号公報に記載のラミネーター及びラミネート方法が挙げられるが、低異物の観点で、特開平7−110575号公報に記載の方法を用いるのが好ましい。尚、感光性樹脂層を前記本発明の感光性樹脂転写材料により形成する場合の、その好ましい膜厚は、[感光性樹脂転写材料]の項において記載した好ましい膜厚と同様である。
(基板)
本発明において、カラーフィルタが形成される基板としては、例えば、透明基板が用いられ、表面に酸化ケイ素皮膜を有するソーダガラス板、低膨張ガラス、ノンアルカリガラス、石英ガラス板等のガラス板、或いは、プラスチックフィルム等を挙げることができる。
また、上記基板は、予めカップリング処理を施しておくことにより、着色感光性樹脂組成物、又は感光性樹脂転写材料との密着を良好にすることができる。該カップリング処理としては、特開2000−39033号公報記載の方法が好適に用いられる。尚、特に限定されるわけではないが、基板の膜厚としては、700〜1200μmが一般的に好ましく、500〜1100μmが特に好ましい。
(酸素遮断膜)
本発明のカラーフィルタは、感光性樹脂層を、着色感光性樹脂組成物の塗布によって形成する場合において、該感光性樹脂層上に更に酸素遮断膜を設けることができ、これにより、露光感度をアップすることができる。該酸素遮断膜としては、既に[感光性樹脂転写材料]の(中間層)の項において説明したものと同様のものが挙げられる。尚、特に限定されるわけではないが、酸素遮断膜の膜厚としては、0.5〜3.0μmが一般的に好ましい。
(露光及び現像)
上記基板上に形成された感光性樹脂層の上方に所定のマスクを配置し、その後該マスク、熱可塑性樹脂層、及び中間層を介してマスク上方から露光し、次いで現像液による現像を行う、という工程を色の数だけ繰り返すことにより、本発明のカラーフィルタを得ることができる。
ここで、前記露光の光源としては、感光性樹脂層を硬化しうる波長域の光(例えば、365nm、405nmなど)を照射できるものであれば適宜選定して用いることができる。具体的には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ等が挙げられる。露光量としては、通常5〜200mJ/cm程度であり、好ましくは10〜100mJ/cm程度である。
また、前記現像液としては、特に制約はなく、特開平5−72724号公報に記載のものなど、通常の現像液を使用することができる。尚、現像液は感光性樹脂層が溶解型の現像挙動をするものが好ましく、例えば、pKa=7〜13の化合物を0.05〜5mol/Lの濃度で含むものが好ましいが、更に水と混和性を有する有機溶剤を少量添加してもよい。
水と混和性を有する有機溶剤としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ベンジルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、乳酸エチル、乳酸メチル、ε−カプロラクタム、N−メチルピロリドン等を挙げることができる。該有機溶剤の濃度は0.1質量%〜30質量%が好ましい。
また、上記現像液には、更に通常の界面活性剤を添加することができる。界面活性剤の濃度は0.01質量%〜10質量%が好ましい。
現像の方式としては、パドル現像、シャワー現像、シャワー&スピン現像、ディップ現像等の方法を用いることができる。
ここで、上記シャワー現像について説明すると、露光後の感光性樹脂層に現像液をシャワーにより吹き付けることにより、未硬化部分を除去することができる。尚、現像の前に感光性樹脂層の溶解性が低いアルカリ性の液をシャワーなどにより吹き付け、熱可塑性樹脂層、中間層などを除去しておくことが好ましい。また、現像の後に、洗浄剤などをシャワーにより吹き付け、ブラシなどで擦りながら、現像残渣を除去することが好ましい。
現像液の液温度は20℃〜40℃が好ましく、また、現像液のpHは8〜13が好ましい。
尚、本発明のカラーフィルタを製造する際、特開平11−248921号公報、特許3255107号公報に記載のように、カラーフィルタを形成する着色感光性樹脂組成物を重ねることで土台を形成し、その上に透明電極を形成し、更に分割配向用の突起を重ねることでスペーサを形成することが、コストダウンの観点で好ましい。
着色感光性樹脂組成物を順次塗布して重ねる場合は、塗布液のレベリングのため重ねるごとに膜厚が薄くなってしまう。このため、K(ブラック)・R・G・Bの4色を重ね、更に分割配向用突起を重ねることが好ましい。一方、熱可塑性樹脂層を有する転写材料を用いる場合は、厚みが一定に保たれるため、重ねる色は3又は2色とすることが好ましい。
また上記土台のサイズは、転写材料を重ねてラミネートする際の感光性樹脂層の変形を防止し一定の厚みを保持する観点から、25μm×25μm以上が好ましく、30μm×30μm以上が特に好ましい。
[液晶表示装置]
本発明の液晶表示装置は、コントラストに優れる本発明のカラーフィルタを用い、黒のしまり等の描写力に優れる。ノートパソコン用ディスプレイやテレビモニター等の大画面の液晶表示装置等としても好適に用いることができる。
[CCDデバイス]
本発明のCCDデバイスは、本発明の製造方法により得た有機ナノ粒子を用いて作製したカラーフィルタを備えてなる。以下、本発明のCCDデバイスとするにあたり用いられる各材料についてまず説明する。
CCDデバイスに用いられるアルカリ可溶性樹脂としては、線状有機高分子重合体で、有機溶剤に可溶で、弱アルカリ水溶液で現像できるものが好ましい。このような線状有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸を有するポリマー、例えば特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号明細書に記載されているようなメタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等であり、また同様に側鎖にカルボン酸を有する酸性セルロース誘導体がある。この他に水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたものなども有用である。特にこれらのなかでベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体やベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/および他のモノマーとの多元共重合体が好適である。この他に水溶性ポリマーとして、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ポリビニルピロリドンやポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール等も有用である。
また、特開平7−140654号に記載の2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体などが挙げられる。上記アルカリ可溶性樹脂の硬化性組成物中の添加量としては、組成物全質量に対して5〜90質量%が好ましく、より好ましくは10〜60質量%である。
重合性モノマーとしては、少なくとも1個の付加重合可能なエチレン基を有する、常圧下で100℃以上の沸点を持つエチレン性不飽和基を持つ化合物であることが好ましい。
少なくとも1個の付加重合可能なエチレン性不飽和基をもち、沸点が常圧で100℃以上の化合物としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、等の単官能のアクリレートやメタアクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート、グリセリンやトリメチロールエタン等の多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後(メタ)アクリレート化したもの、特公昭48−41708号、特公昭50−6034号、特開昭51−37193号各公報に記載されているようなウレタンアクリレート類、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号各公報に記載されているポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタアクリレートを挙げることが出来る。更に、日本接着協会誌Vol.20、No.7、300〜308頁に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用できる。
また、下記一般式(B−1)あるいは(B−2)で示される化合物も使用することができる。
Figure 2008138194
{式(B−1)、(B−2)中、Bは、各々独立に、−(CHCHO)−及び−(CHCH(CH)O)−のいずれかを表し;Xは、各々独立に、アクリロイル基、メタクリロイル基及び水素原子のいずれかを表し、しかも、式(B−1)中、アクリロイル基及びメタクリロイル基の合計は5個又は6個であり、式(B−2)中のそれは3個又は4個であり;nは,各々独立に0〜6の整数を表し、しかも各nの合計は3〜24であり;mは、各々独立に0〜6の整数を表し、しかも各mの合計は2〜16である。}
これらの重合性モノマーは、放射線の照射を得て接着性を有する塗膜を形成し得るならば、任意の割合で使用できる。使用量は組成物の全固形分に対し通常5〜90質量%、好ましくは10〜50質量%である。
着色剤として種々の染料、無機顔料または有機顔料を一種又は二種以上混合して用いることができる。
染料は、特に制限はなく、従来カラーフィルタ用として公知の染料が使用できる。例えば特開昭64−90403号公報、特開昭64−91102号公報、特開平1−94301号公報、特開平6−11614号公報、特登2592207号、米国特許4808501号明細書、米国特許5667920号明細書、米国特許505950号明細書、米国特許5667920号明細書、特開平5−333207号公報、特開平6−35183号公報、特開平6−51115号公報、特開平6−194828号公報等に開示されている色素が使用できる。化学構造としては、ピラゾールアゾ系、アニリノアゾ系、トリフェニルメタン系、アントラキノン系、ベンジリデン系、オキソノール系、ピラゾロトリアゾールアゾ系、ピリドンアゾ系、シアニン系、フェノチアジン系、ピロロピラゾールアゾメチン系等の染料が使用できる。特に、硬化性組成物は比較的低温での硬化が可能なので、顔料に比較して耐熱性に劣る染料であっても硬化膜に耐久性を付与するためのポスト・ベークの際の高温度下にさらされても分解等の問題を軽減することができる。
無機顔料としては、金属酸化物、金属錯塩等で示される金属化合物であり、具体的には鉄、コバルト、アルミニウム、カドミウム、鉛、銅、チタン、マグネシウム、クロム、亜鉛、アンチモン等の金属酸化物、および前記金属の複合酸化物を挙げることができる。
有機顔料としては、C.I.PigmentYellow11,24,31,53,83,85,99,108,109,110,138,139,150,151,154,167,185、C.I.PigmentOrange36,38,43,71、C.I.PigmentRed105,122,149,150,155,171,175,176,177,209,224,242,254、C.I.PigmentViolet19,23,32,39、C.I.PigmentBlue1,2,15,16,22,60,66,15:3,15:6、C.I.PigmentGreen7,36,37、C.I.PigmentBrown25,28、C.I.PigmentBlack1,7、カーボンブラック等を挙げることができる。
これら有機顔料は、単独もしくは色純度を上げるため種々組合せて用いることができる。具体例を以下に示す。赤の顔料としては、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料単独または、それらの少なくとも一種とジスアゾ系黄色顔料またはイソインドリン系黄色顔料との混合が用いられる。例えばアントラキノン系顔料としては、C.I.ピグメントレッド177、ペリレン系顔料としては、C.I.ピグメントレッド155が挙げられ、色再現性の点でC.I.ピグメントイエロー83またはC.I.ピグメントイエロー139との混合が良好である。赤色顔料と黄色顔料の質量比は、100:5から100:50が良好である。この範囲において、400nmから500nmの光透過率を抑え、色純度を上げることができ、好ましい。
緑の顔料としては、ハロゲン化フタロシアニン系顔料単独又は、ジスアゾ系黄色顔料、キノフタロン系黄色染料またはイソインドリン系黄色顔料との混合が用いられ、例えばC.I.ピグメントグリーン7、36、37とC.I.ピグメントイエロー83、138、139との混合が好ましい。緑顔料と黄色顔料の質量比は、100:5〜100:100が好ましい。この範囲内において、400nmから450nmの光透過率を抑え、良好な色純度を得ることができる。
青の顔料としては、フタロシアニン系顔料単独又は、ジオキサジン系紫色顔料との混合が用いられ、例えばC.I.ピグメントブルー15:6とC.I.ピグメントバイオレット23との混合が好ましい。青色顔料と紫色顔料の質量比は、100:0〜100:50が好ましい。この範囲内において、400nmから420nmの光透過率を抑え、色純度を上げることができる。
更に上記の顔料をアクリル系樹脂、マレイン酸系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー及びエチルセルロース樹脂等に微分散させた粉末状加工顔料を用いることにより分散性及び分散安定性の良好な顔料含有感光樹脂を得ることが出来る。
また、ブラックマトリックス用の顔料としては、カーボン、酸化チタン、酸化鉄、単独又は、混合が用いられカーボンと酸化チタンの場合が好ましい。質量比は、100:5から100:40の範囲が好ましい。この範囲内において長波長の光透過率が小さく、また分散安定性も良好である。
溶剤としては、エステル類、例えば酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチルなどの3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類;3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル等:エーテル類、例えばジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート等;ケトン類、例えばメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等;芳香族炭化水素類、例えばトルエン、キシレン等が挙げられる。
これらのうち、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等が好ましく用いられる。溶剤の添加量は、組成物中通常60〜90質量%、好ましくは70〜90質量%である。
これら溶剤は、単独で用いてもあるいは2種以上組み合わせて用いてもよい。
更に増感剤を併用することができる。その具体例として、9−フルオレノン、2−クロロ−9−フルオレノン、2−メチル−9−フルオレノン、9−アントロン、2−ブロモ−9−アントロン、2−エチル−9−アントロン、9,10−アントラキノン、2−エチル−9,10−アントラキノン、2−t−ブチル−9,10−アントラキノン、2,6−ジクロロ−9,10−アントラキノン、ベンジル、ジベンザルアセトン、p−(ジメチルアミノ)フェニルスチリルケトン、p−(ジメチルアミノ)フェニル−p−メチルスチリルケトン、ベンゾアントロン等や特公昭51−48516号公報記載のベンゾチアゾール系化合物が挙げられる。
上記主要成分、さらに必要に応じて用いられるその他の添加剤を各種の混合機、分散機を使用して混合分散することによって調製することができる。
CCDデバイスに用いられるカラーフィルタの一般的な製造法は次の通りである。本発明の組成物(カラーレジスト液)を基板上に塗布・乾燥する工程、得られた乾燥塗布膜にi線ステッパー等でパターン露光する工程、露光後にアルカリ現像する工程、次に加熱処理する工程を順次行い、各色(3色あるいは4色)に前記工程を順次繰り返して硬化皮膜を作製することによりカラーフィルタが得られる。
より具体的には、上記の硬化性組成物を、スピンナー等により、適当な基板上に乾燥時の膜厚が一般的に0.1〜5μm、好ましくは0.2〜2μmになるように塗布し、85℃のオーブンに2分間放置し平滑な塗膜を得る。
基板としては、特に限定されないが、ガラス板、プラスチックス板、アルミ板、撮像素子用シリコンウエハ等の電子部品の基材、さらには透明樹脂板、樹脂フィルム、ブラウン管表示面、撮像感の受光面、CCD、BBD、CID、BASIS等の固体撮像素子が形成されたウエハー、薄膜半導体を用いた密着型イメージセンサー、液晶ディスプレイ面、カラー電子写真用感光体、エレクトロクロミィー(EC)表示装置の基板等が挙げられる。また、基板にカラーフィルタ層との接着性を向上させるために高密着処理を施すことが好ましい。具体的には、基板上に予めシランカップリング剤等で薄く塗布した後に硬化性組成物のパターンを形成するか、あるいは予め硬化性組成物中にシランカップリング剤を含有させてもよい。
尚、基板上に段差がある場合は、その段差を解消し塗設面を平滑にするための平坦化膜を基板上に塗設した後、本発明の硬化性組成物を塗布することができる。例えば、CCDなどのイメージセンサーはシリコン基板上に受光量に応じて電子を発生させる光電子変換部(フォトダイオード)とその発生した電子を出力する為の読み出しゲート部とで構成されているが、読み出しゲート部に光が当たるとノイズの原因となり正確なデータが出力されないため、読み出しゲート部の上部には遮光膜層が形成されており、遮光膜層を持たないフォトダイオード部との間で段差が生じている場合がある。このような段差上にカラーレジストを塗布し、直接カラーフィルタを形成すると光路長が長くなるため画像が暗く、また集光性も劣るようになる。これを改善する為、その段差を埋める目的で透明な平坦化膜をCCDとカラーフィルタとの間に形成することが好ましい。この平坦化膜の材料としては、光硬化性レジスト液、アクリル系、エポキシ系等の熱硬化性樹脂等が挙げられる。
光硬化性組成物を塗布した後、溶媒を蒸発させ乾燥塗布膜を得るため通常プリベークを行う。このプリベークの方法としては、減圧乾燥、高温の空気などによる間接加熱乾燥、ホットプレート等による直接加熱乾燥(約80〜140℃、50〜200秒)等がある。また、現像後に得られたパターンを、十分硬化させて機械強度を高め永久膜とするためにポストベークが行われる。例えば、3色のカラーフィルタの製造に際しては、最初に形成されたパターンは、その後、他色のレジスト液の塗布、露光、現像を2度受ける。この際に、塗布されたレジスト液との混色、露光、現像によるパターンの欠落が生じないようにポストベークを行うものである。このポストベークはプリベーク同様の方法が用いられるが、プリベークの条件よりも、高温、長時間で行われる。例えば、オーブンによる間接加熱の場合、約180〜250℃、約0.5〜2時間、ホットプレートによる直接加熱の場合、約180〜250℃、約2〜10分間行われる。
露光のための光源は特に限定されないが、パターン形成性に関して顕著な効果がもたらされる光源として水銀灯のi線を挙げることができる。本発明の特徴は工程の適正の面から水銀灯の線スペクトルの一つであるi線が使用されるイメージセンサー用カラーフィルタの製造において、特にその特徴が顕著となるが、LCD用においても使用できることは勿論である。
硬化性組成物の現像に使用する現像液は特に制限はなく、通常の現像液を使用することができる。中でも、テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド(TMAH)などの4級アンモニウム塩類の有機アルカリ系の現像液が好ましい。
重合開始剤としては、通常の光重合開始剤を用いることができる。具体的には、米国特許第2,367,660号明細書に記載のビシナールポリケトルアルドニル化合物、米国特許第2,367,661号及び第2,367,670号明細書に記載のα−カルボニル化合物、米国特許第2,448,828号明細書に記載のアシロインエーテル、米国特許第2,722,512号明細書に記載のα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3,046,127号及び第2,951,758号明細書に記載の多核キノン化合物、米国特許第3,549,367号明細書に記載のトリアリルイミダゾールダイマー/p−アミノフェニルケトンの組合せ、特公昭51−48516号公報に記載のベンゾチアゾール系化合物/トリハロメチル−s−トリアジン系化合物、等を挙げることができる。
光重合開始剤(前記の通常の光重合開始剤を含む)の染料含有ネガ型硬化性組成物中における含有量は、ラジカル重合性モノマーの固形分(質量)に対して、0.01〜50質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましく、1〜20質量%が特に好ましい。該含有量が上記範囲にあると、充分な重合硬化が行なえ、重合が進み難くなったり、重合率は大きくなるが分子量が低くなって膜強度が弱くなったりすることもない。
また、上記の光重合開始剤には増感剤や光安定剤を併用することができる。
その具体例として、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、9−フルオレノン、2−クロロ−9−フルオレノン、2−メチル−9−フルオレノン、9−アントロン、2−ブロモ−9−アントロン、2−エチル−9−アントロン、9,10−アントラキノン、2−エチル−9,10−アントラキノン、2−t−ブチル−9,10−アントラキノン、2,6−ジクロロ−9,10−アントラキノン、キサントン、2−メチルキサントン、2−メトキシキサントン、2−エトキシキサントン、チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、アクリドン、10−ブチル−2−クロロアクリドン、ベンジル、ジベンザルアセトン、p−(ジメチルアミノ)フェニルスチリルケトン、p−(ジメチルアミノ)フェニル−p−メチルスチリルケトン、ベンゾフェノン、p−(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(又はミヒラーケトン)、p−(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ベンゾアントロン等や、特公昭51−48516号公報に記載のベンゾチアゾール系化合物等、チヌビン1130、同400等が挙げられる。
本発明の製造方法によればナノメートルサイズにまで微細化した有機ナノ粒子を効率よく得ることができ、さらにはナノサイズでしかも単分散性の高い有機ナノ粒子を制御して得ることができる。また本発明の製造方法によれば、有機粒子分散液を調製するに当り、必要に応じて濃縮してナノ粒子を得ることができ、濃縮液中の凝集粒子であっても効率よく分散化しうる有機ナノ粒子を得ることができる。さらにまた、本発明の製造方法によればカラーフィルタ塗布液やインクジェット用インクに適した有機ナノ粒子およびその分散液を工業的規模で生産することができる。また、本発明の有機ナノ粒子を用いたカラーフィルタは目的の色純度と高いコントラストとを有し、耐候性にも優れ、その液晶表示装置は黒のしまり、再現性が良好となり表示ムラも改善できるという優れた効果を奏する。
以下に本発明を実施例に基づき更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
(実施例1−1)
ジメチルスルホキシド(和光純薬社製)1000mlに、ナトリウムメトキシド28%メタノール溶液50.0ml、顔料C.I.ピグメントレッド254(Irgaphor Red BT−CF、商品名、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)社製)50g、及びポリビニルピロリドン(K−30、商品名、和光純薬社製)85.0gを添加して、顔料溶液A(密度: 1.0kg/m)を調製した。この顔料溶液Aを、ビスコメイトVM−10A−L(商品名、CBCマテリアルズ社製)を用いて粘度を測定した結果、顔料溶液Aの液温が25.0℃のときの粘度が18.2mPa・sであった。これとは別に貧溶媒として、1mol/l塩酸(和光純薬社製)16mlを含有した水1500mlを用意した。
ここで、25℃に温度コントロールし、GK−0222−10型ラモンドスターラー(商品名、藤沢薬品工業社製)により500rpmで攪拌した貧溶媒の水1500mlに、顔料溶液AをNP−KX−500型大容量無脈流ポンプ(商品名、日本精密化学社製)を用いて注入した。顔料溶液Aの送液配管の流路径及び供給口径を0.8mmとし、その供給口を貧溶媒中に入れ、流速100ml/minで100ml注入することにより、有機顔料粒子を形成し、顔料分散液Aを調製した。この顔料分散液を、ナノトラックUPA−EX150(商品名、日機装社製)を用いて、数平均粒径Mnおよび単分散度(Mv/Mn)を測定した。結果を下記表1−Aに示す。
上記の手順で調製した、顔料ナノ粒子分散液を(株)コクサン社製H−112型遠心濾過機および敷島カンバス(株)社製P89C型ロ布を用いて5000rpmで90分濃縮し、得られた顔料ナノ粒子濃縮ペーストを回収した。
ペーストの顔料含率をアジレント(Agilent)社製8453型分光光度計を用いて測定したところ、16.4質量%であった。乳酸エチル50.0ccに特開2000−239554号公報に従い合成した顔料分散剤A(一般式(D1)で表される化合物の例示化合物(7.)) 0.1g、高分子化合物C−1を2.6gを添加した溶液を、上記顔料ナノ粒子濃縮ペースト14.5gに加え、ディソルバーで1500rpm・60分攪拌後、酢酸エチル25.0ccを添加し、さらにディゾルバーで500rpm・10分攪拌後、住友電工ファインポリマ社製FP−010型フィルタを用いて、ろ過することにより、ペースト状の濃縮顔料液A(ナノ顔料濃度35.8質量%)を得た。
前記ペースト状の濃縮顔料液Aを用い、下記組成の顔料分散組成物Aを調製した。
前記ペースト状の濃縮顔料液A 18.0g
1,3ブチレングリコールジアセテート 46.3g
上記組成の顔料分散組成物AをモーターミルM−50(アイガー・ジャパン社製)で、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで1時間分散した。
(実施例1−2)
実施例1−1において前記顔料溶液Aを注入する際の送液配管の流路径及び供給口径を0.50mmに変更し注入流速を50ml/minに変更したこと以外は実施例1−1と同様にして顔料分散組成物Bを調製した。その際に調製した顔料分散液Bの数平均粒径および単分散度を実施例1−1と同様にして測定した。
(実施例1−3)
実施例1−1において前記顔料溶液Aを注入する際の注入流速を50ml/minに変更したこと以外は実施例1−1と同様にして顔料分散組成物Cを調製した。その際に調製した顔料分散液Cの数平均粒径および単分散度を実施例1−1と同様にして測定した。
(実施例1−4)
実施例1−1において前記顔料溶液Aを注入する際の送液配管の流路径及び供給口径を2.20mmに変更し注入流速を400ml/minに変更したこと以外は実施例1−1と同様にして顔料分散組成物Dを調製した。その際に調製した顔料分散液Dの数平均粒径および単分散度を実施例1−1と同様にして測定した。
(実施例1−5)
実施例1−1において前記顔料溶液Aを注入する際の送液配管の流路径及び供給口径を10.0mmに変更し注入流速を1000ml/minに変更したこと以外は実施例1−1と同様にして顔料分散組成物Eを調製した。その際に調製した顔料分散液Eの数平均粒径および単分散度を実施例1−1と同様にして測定した。
(実施例1−6)
顔料分散物A調製の際に用いた高分子化合物C−1の替わりに、メタクリル酸/メタクリル酸ベンジル共重合体5.75g(モル比28/72 質量平均分子量3万 40%1−メトキシ−2−プロピルアセテート溶液)に代え、また1,3ブチレングリコールジアセテートの添加量を42.85gに代えた他は実施例1−1と同様にして顔料分散組成物Fを調製した。その際に調製した顔料分散液Fの数平均粒径および単分散度を実施例1−1と同様にして測定した。
(実施例1−7)
顔料分散物A調製の際に用いたNP−KX−500型大容量無脈流ポンプ(商品名、日本精密化学社製)に代えて、高圧ポンプ(マルヤマエクセル社(製);MNT6107)を用いて、前記顔料溶液Aを注入する際の送液配管の流路径及び供給口径を0.8mmで注入流速を1800ml/minに変更したこと以外は実施例1−1と同様にして顔料分散組成物Qを調製した。その際に調製した顔料分散液Qの数平均粒径および単分散度を実施例1−1と同様にして測定した。
(実施例1−8)
顔料分散物Q調製の際の前記顔料溶液Aを注入する際の注入速度を1500ml/minとした事以外は実施例1−1と全く同様に顔料分散組成物Rを調製した。その際に調製した顔料分散液Rの数平均粒径および単分散度を実施例1−1と同様にして測定した。
(比較例1−1)
実施例1−1において前記顔料溶液Aを注入する際の送液配管の流路径及び供給口径を0.25mmに変更し注入流速を5ml/minに変更したこと以外は実施例1−1と同様にして顔料分散組成物Gを調製した。その際に調製した顔料分散液Gの数平均粒径および単分散度を実施例1−1と同様にして測定した。
(比較例1−2)
実施例1−1において前記顔料溶液Aを注入する際の送液配管の流路径及び供給口径を0.50mmに変更し注入流速を20ml/minに変更したこと以外は実施例1−1と同様にして顔料分散組成物Hを調製した。その際に調製した顔料分散液Hの数平均粒径および単分散度を実施例1−1と同様にして測定した。
(比較例1−3)
下記の様にビーズミル分散機を用いて、下記組成の顔料分散組成物Iを調製した。
顔料(ピグメントレッド254) 6.43g
顔料分散剤A 0.26g
ポリビニルピロリドン 7.10g
メタクリル酸/メタクリル酸ベンジル共重合体* 14.9g
(*モル比28/72、質量平均分子量:3万、
40%1−メトキシ−2−プロピルアセテート溶液)
1,3ブチレングリコールジアセテート 35.80g
(比較例1−4)
下記のようにして下記組成の顔料分散組成物Jを調製した。
顔料(ピグメントレッド254) 6.43g
塩化ナトリウム 64.0g
メタクリル酸/メタクリル酸ベンジル共重合体* 14.9g
*モル比28/72、質量平均分子量:3万、
40%1−メトキシ−2−プロピルアセテート溶液
1,3ブチレングリコールジアセテート液中に塩化ナトリウム、顔料(ピグメントレッド254)の紛体、メタクリル酸/メタクリル酸ベンジル共重合体を双腕型ニーダーに仕込み、80℃で10時間混練した。混練後80℃の1%塩酸水溶液500質量部に取り出し、1時間攪拌後、ろ過、湯洗、乾燥、粉砕した後、粉砕物1gに対し1,3ブチレングリコールジアセテート2.4gを添加混合した。上記顔料組成物をモーターミルM−50(アイガー・ジャパン社製)で、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで1時間分散した。顔料分散組成物Jを得た。
得られた顔料分散組成物A〜J,Q,Rを、それぞれガラス基板上に厚みが2.0μmになるように塗布し、サンプルを作製した。バックライトユニットとして3波長冷陰極管光源(東芝ライテック(株)社製FWL18EX−N)に拡散板を設置したものを用い、2枚の偏光板((株)サンリツ社製の偏光板HLC2−2518)の間にこのサンプルを置き、偏光軸が平行のときと、垂直のときとの透過光量を測定し、その比をコントラストとした(「1990年第7回色彩光学コンファレンス、512色表示10.4”サイズTFT−LCD用カラーフィルタ、植木、小関、福永、山中」等参照。)。色度の測定には色彩輝度計((株)トプコン社製BM−5)を用いた。2枚の偏光板、サンプル、色彩輝度計の設置位置は、バックライトから13mmの位置に偏光板を、40mm〜60mmの位置に直径11mm長さ20mmの円筒を設置し、この中を透過した光を、65mmの位置に設置した測定サンプルに照射し、透過した光を、100mmの位置に設置した偏光板を通して、400mmの位置に設置した色彩輝度計で測定した。色彩輝度計の測定角は2°に設定した。バックライトの光量は、サンプルを設置しない状態で、2枚の偏光板をパラレルニコルに設置したときの輝度が1280cd/mになるように設定した。
またこのサンプルを90mW/cmの高圧水銀ランプで24時間照射し、照射前後の色差を測定し、耐光性の指標とした。なお、本発明において色度は、顕微分光光度計(オリンパス光学社製;OSP100又は200)により測定し、F10光源視野2度の結果として計算して、xyz表色系のxyY値で表す。また、色度の差は、La表色系の色差で表す。この色差が小さいほど好ましい。
顔料分散液A〜J、Q、Rの数平均粒径と単分散度を、数式(1)で求められる粒子形成時のレイノルズ数と共に表1−Aに示し、顔料分散組成物A〜Jのコントラストを表1−Bに示した。本発明の製造方法により作製された粒子(実施例1−1〜1−8)は、比較例のものと異なり、粒子サイズが小さく単分散性が良好であり、また極めて高い分散液のコントラストを示すことが分かる。さらに、実施例1−1〜1−8の中では、一般式(1)で表される化合物を用いた顔料分散組成物(実施例1−1〜1−5および7,8)が、更に、高いコントラスト値を示していることが分かる。また、実施例1−1〜1−5および7,8の中ではレイノルズ数が100以上の1−1、2、4、5、7、8が更に粒子サイズが小さいことがわかる。また、実施例1−1、2、4、5、7、8の中ではレイノルズ数が2500以下の実施例1−1、2、4、5、8が、更に、単分散性が良好で、高い耐光性を示していることが分かる。
Figure 2008138194
Figure 2008138194
(実施例2)
(実施例2−1)
<液晶表示装置の作製>
〔感光性転写材料の作製〕
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム仮支持体の上に、スリット状ノズルを用いて、下記処方H1からなる熱可塑性樹脂層用塗布液を塗布、乾燥させた。次に、下記処方P1から成る中間層用塗布液を塗布、乾燥させた。更に、下記表2−Aに記載の組成よりなる遮光性を有する樹脂組成物K1を塗布、乾燥させ、該仮支持体の上に乾燥膜厚が15μmの熱可塑性樹脂層と、乾燥膜厚が1.6μmの中間層と、乾燥膜厚が2.4μmの遮光性を有する樹脂層を設け、保護フイルム(厚さ12μmポリプロピレンフィルム)を圧着した。
こうして仮支持体と熱可塑性樹脂層と中間層(酸素遮断膜)と遮光性を有する樹脂層とが一体となった感光性樹脂転写材料を作製し、サンプル名を感光性樹脂転写材料K1とした。
*熱可塑性樹脂層用塗布液:処方H1
・メタノール 11.1質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 6.4質量部
・メチルエチルケトン 52.4質量部
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジル
メタクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)
=55/11.7/4.5/28.8、分子量=10万、Tg≒70℃)
5.83質量部
・スチレン/アクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)
=63/37、分子量=1万、Tg≒100℃) 3.6質量部
・2,2−ビス[4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル]
プロパン(新中村化学工業(株)社製) 9.1質量部
・界面活性剤1 0.54質量部
*界面活性剤1(メガファックF−780−F(大日本インキ化学工業(株)社製))の組成は、
・C13CHCHOCOCH=CH:40質量部と
H(OCH(CH)CHOCOCH=CH:55質量部と
H(OCHCHOCOCH=CH:5質量部との
共重合体(分子量3万) 30質量部
・メチルエチルケトン 70質量部
*中間層(酸素遮断層)用塗布液処方:P1
・ポリビニルアルコール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 32.2質量部
(PVA205(鹸化率=88%);(株)クラレ社製)
・ポリビニルピロリドン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14.9質量部
(PVP、K−30;アイエスピー・ジャパン株式会社製)
・メタノール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・429質量部
・蒸留水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・524質量部
[表2−A]
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
K顔料分散物1 25質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 8.0質量部
メチルエチルケトン 53質量部
バインダー1 9.1質量部
ハイドロキノンモノメチルエーテル 0.002質量部
DPHA液 4.2質量部
重合開始剤A 0.16質量部
界面活性剤1 0.044質量部
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
遮光性を有する樹脂組成物K1は、まずK顔料分散物1、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150rpm10分間攪拌し、次いで、バインダー1、ハイドロキノンモノメチルエーテル、DPHA液、重合開始剤A(2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4’−(N,N−ビスエトキシカルボニルメチル)アミノ−3’−ブロモフェニル]−s−トリアジン)、界面活性剤1をはかり取り、温度25℃(±2℃)でこの順に添加して、温度40℃(±2℃)で150rpm30分間攪拌することによって得られた。
尚、表2−Aに記載の組成物の内、
*K顔料分散物1の組成は、
・カーボンブラック
(デグッサ社製、商品名Special Black250) 13.1質量部
・前記顔料分散剤A 0.65質量部
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比
のランダム共重合物、分子量3.7万) 6.72質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 79.53質量部
*バインダー1の組成は、
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=78/22モル比
のランダム共重合物、分子量4万) 27質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 73質量部
*DPHA液の組成は、
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(重合禁止剤MEHQ 500ppm含有、
日本化薬(株)社製、商品名:KAYARAD DPHA) 76質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 24質量部
尚、界面活性剤1は、前記熱可塑性樹脂層用塗布液H1に用いた界面活性剤1と同様である。
〔遮光性を有する隔壁の形成〕
無アルカリガラス基板を、25℃に調整したガラス洗浄剤液をシャワーにより20秒間吹き付けながらナイロン毛を有する回転ブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液(N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.3質量%水溶液、商品名:KBM603、信越化学工業(株)社製)をシャワーにより20秒間吹き付け、純水シャワー洗浄した。この基板を基板予備加熱装置で100℃2分加熱した。
前記感光性樹脂転写材料K1の保護フイルムを剥離後、ラミネータ(株式会社日立インダストリイズ社製(LamicII型))を用い、前記100℃で2分間加熱した基板に、ゴムローラー温度130℃、線圧100N/cm、搬送速度2.2m/分でラミネートした。
仮支持体を剥離後、超高圧水銀灯を有するプロキシミティ型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング株式会社製)で、基板とマスク(画像パターンを有す石英露光マスク)を垂直に立てた状態で、露光マスク面と該熱可塑性樹脂層の間の距離を200μmに設定し、露光量100mJ/cmでパターン露光した。マスク形状は格子状で、画素と遮光性を有する隔壁との境界線に該当する部分における、遮光性を有する隔壁側に凸な角の曲率半径は0.6μmとした。
次に、トリエタノールアミン系現像液(2.5%のトリエタノールアミン含有、ノニオン性界面活性剤含有、ポリプロピレン系消泡剤含有、商品名:T−PD1、富士写真フイルム株式会社製)にて30℃50秒、フラットノズル圧力0.04MPaでシャワー現像し熱可塑性樹脂層と中間層(酸素遮断層)を除去した。
引き続き炭酸ナトリウム系現像液(0.06モル/リットルの炭酸水素ナトリウム、同濃度の炭酸ナトリウム、1%のジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アニオン性界面活性剤、消泡剤、安定剤含有、商品名:T−CD1、富士写真フイルム株式会社製)を用い、29℃30秒、コーン型ノズル圧力0.15MPaでシャワー現像し遮光性を有する樹脂層を現像しパターニング離画壁(遮光性を有する隔壁パターン)を得た。
引き続き洗浄剤(燐酸塩・珪酸塩・ノニオン性界面活性剤・消泡剤・安定剤含有、商品名「T−SD1(富士写真フイルム株式会社製)」)を用い、33℃20秒、コーン型ノズル圧力0.02MPaでシャワーとナイロン毛を有す回転ブラシにより残渣除去を行い、遮光性を有する隔壁を得た。その後更に、該基板に対して該樹脂層の側から超高圧水銀灯で500mJ/cmの光でポスト露光後、240℃、50分熱処理した。
〔プラズマ撥水化処理〕
その後、下記方法によりプラズマ撥水化処理を行った。
遮光性を有する隔壁を形成した前記基板に、カソードカップリング方式平行平板型プラズマ処理装置を用いて、以下の条件にてプラズマ撥水化処理を行った。
使用ガス :CF
ガス流量 :80sccm
圧力 :40Pa
RFパワー :50W
処理時間 :30sec
〔カラーフィルタ用インクジェットインクの調製〕
特開2002−201387号公報の実施例1を参考に以下の処方でカラーフィルタ用インクジェットインクを調製した。
Figure 2008138194
上記表2−Bの各成分の混合については、先ず、顔料及び高分子分散剤を溶剤の一部に投入、混合し、3本ロールとビーズミルを用いて攪拌して顔料分散液を得た。一方、他の配合成分を溶剤の残部に投入、攪拌して溶解分散し、バインダー溶液を得た。そして、顔料分散液または顔料分散組成物を少量ずつバインダー溶液中に添加しながらディソルバーで十分に攪拌し、カラーフィルタ用インクジェットインクを調製した。
〔画素形成〕
上記で得られたRインク1、Gインク1、Bインク1をピエゾ方式のヘッドを用いて、まず以下のようにして遮光性隔壁に囲まれた凹部にインクを打滴した。そして下記のようにして、本発明のカラーフィルタを得た。
ヘッドは25.4mmあたり150のノズル密度で、318ノズルを有しており、これを2個ノズル列方向にノズル間隔の1/2ずらして固定することにより、基板上にはノズル配列方向に25.4mmあたり300滴打滴される。
ヘッドおよびインクは、ヘッド内に温水を循環させることにより吐出部分近辺が50±0.5℃となるように制御されている。
ヘッドからのインク吐出は、ヘッドに付与されるピエゾ駆動信号により制御され、一滴あたり6〜42plの吐出が可能であって、本実施例ではヘッドの下1mmの位置でガラス基板が搬送されながらヘッドより打滴される。搬送速度は50〜200mm/sの範囲で設定可能である。またピエゾ駆動周波数は最大4.6kHzまでが可能であって、これらの設定により打滴量を制御することができる。
R、G、Bそれぞれ、顔料の塗設量が、1.1g/m、1.8g/m、0.75g/mとなるように、搬送速度、駆動周波数を制御し、所望するR、G、Bに対応する凹部にR、G、Bのインクを打滴した。
打滴されたインクは、露光部に搬送され、紫外発光ダイオード(UV−LED)により露光される。UV−LEDは日亜化学社製NCCU033(商品名)を用いた。本LEDは1チップから波長365nmの紫外光を出力するものであって、約500mAの電流を通電することにより、チップから約100mWの光が発光される。これを7mm間隔に複数個配列し、表面で0.3W/cmのパワーが得られる。打滴後露光されるまでの時間、および露光時間はメディアの搬送速度およびヘッドとLEDの搬送方向の距離により変更可能である。着弾後、100度で10分間乾燥させ、その後露光した。
距離および搬送速度の設定に応じて、メディア上の露光エネルギーを0.01〜15J/cmの間で調整することができる。搬送速度により露光エネルギーを調整した。
これら露光パワー、露光エネルギーの測定にはウシオ電機製スペクトロラディオメータURS−40D(商品名)を用い、波長220nmから400nmの間を積分した値を用いた。
打滴後のガラス基板を230℃オーブン中で30分ベークすることで、遮光性隔壁、各画素共に完全に硬化させた。
[液晶表示装置の作製]
上記作製したカラーフィルタ(カラーフィルタAとする)を用いて液晶表示装置を作製し表示特性の評価を行った。
(ITO電極の形成)
カラーフィルタが形成されたガラス基板をスパッタ装置に入れて、100℃で1300Å厚さのITO(インヂウム錫酸化物)を全面真空蒸着した後、240℃で90分間アニールしてITOを結晶化し、ITO透明電極を形成した。
(スペーサの形成)
特開2004−240335号公報の[実施例1]に記載のスペーサ形成方法と同様の方法で、上記で作製したITO透明電極上にスペーサを形成した。
(液晶配向制御用突起の形成)
下記のポジ型感光性樹脂層用塗布液を用いて、前記スペーサを形成したITO透明電極上に液晶配向制御用突起を形成した。
但し、露光、現像、及び、ベーク工程は、以下の方法を用いた。
所定のフォトマスクが感光性樹脂層の表面から100μmの距離となるようにプロキシミティ露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング株式会社製)を配置し、該フォトマスクを介して超高圧水銀灯により照射エネルギー150mJ/cmでプロキシミティ露光した。
続いて、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を、シャワー式現像装置にて33℃で30秒間基板に噴霧しながら現像した。こうして、感光性樹脂層の不要部(露光部)を現像除去することにより、カラーフィルタ側基板上に、所望の形状にパターニングされた感光性樹脂層よりなる液晶配向制御用突起が形成された液晶表示装置用基板を得た。
次いで、該液晶配向制御用突起が形成された液晶表示装置用基板を230℃下で30分ベークすることにより、液晶表示装置用基板上に硬化された液晶配向制御用突起を形成した。
<ポジ型感光性樹脂層用塗布液処方>
・ポジ型レジスト液(富士フイルムエレクトロニクス
マテリアルズ(株)社製FH−2413F) : 53.3質量部
・メチルエチルケトン : 46.7質量部
・メガファックF−780F(大日本インキ化学工業(株)社製):0.04質量部
(液晶表示装置の作成)
上記で得られた液晶表示装置用基板上に更にポリイミドよりなる配向膜を設けた。
その後、カラーフィルタの画素群を取り囲むように周囲に設けられたブラックマトリックス外枠に相当する位置にエポキシ樹脂のシール剤を印刷すると共に、MVAモード用液晶を滴下し、対向基板と貼り合わせた後、貼り合わされた基板を熱処理してシール剤を硬化させた。このようにして得た液晶セルの両面に、(株)サンリツ社製の偏光板HLC2−2518を貼り付けた。次いで、3波長冷陰極管光源(東芝ライテック(株)社製FWL18EX−N)のバックライトを構成し、前記偏光板が設けられた液晶セルの背面となる側に配置し、液晶表示装置Aとした。
カラーフィルタAから液晶表示装置Aを作製する際に用いたRインク1を、それぞれRインク2〜12に変更する以外はカラーフィルタAおよび液晶表示装置Aと全く同様にカラーフィルタB〜J,Q,Rおよび液晶表示装置B〜J,Q,Rを作製した。
<インクおよび液晶表示装置の評価>
〔コントラストの測定〕
インクジェットインクA〜J,Q,Rのコントラストを実施例1と同様に測定した。
[液晶表示装置の長時間表示テスト]
作製した液晶表示装置を連続1000時間表示し、赤光の照度(赤表示した際の光の照度)を暗室にて液晶表示装置の画面の400mmの位置に照度計UV−M10−S〔(株)オーク製作所製〕を測定角は2°に設定して設置して測定し、各実施例、比較例のテスト前後の相対値(テスト後の照度/テスト前の照度)を、顔料分散組成物のコントラストのデータと共に表2−Cに示した。
結果から、本発明のカラーフィルタ用インクジェットインクは高いコントラストを示すだけでなく、液晶表示装置のカラーフィルタとして優れた長時間表示耐性を示す事が分かる。
Figure 2008138194
(実施例3)
(実施例3−1)
顔料分散組成物Aを下記表3−1の組成となるよう他の成分と混合して、カラーフィルタ用着色感光性樹脂組成物Aを調製した。
[表3−1]
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
顔料分散組成物A 44.5質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 7.6質量部
メチルエチルケトン 37質量部
バインダー2 0.7質量部
DPHA液 3.8質量部
2−トリクロロメチル−(p−スチリルスチリル)
1,3,4−オキサジアゾール 0.12質量部
重合開始剤A 0.05質量部
フェノチアジン 0.01質量部
界面活性剤2 0.06質量部
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
<バインダー2>
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/メチルメタクリレート
=38/25/37モル比のランダム共重合物、分子量4万) 27質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 73質量部
<界面活性剤2>
・下記構造物1 30質量部
・メチルエチルケトン 70質量部
Figure 2008138194
顔料分散組成物Aに代え、顔料分散組成物B〜J,Q,Rをそれぞれ用いた以外、上記と同様にして、カラーフィルタ用着色感光性樹脂組成物B〜J,Q,Rをそれぞれ調製した。
ガラス基板上に前記カラーフィルタ作製用の着色感光性組成物を、スピンコーターを用いて塗布し、100℃で2分間乾燥させて、約2μmの厚みの膜を形成した。次いで、窒素気流下、超高圧水銀灯で露光した後、1%炭酸ナトリウム水溶液で現像した。得られた各膜のR成分のコントラスト及び耐光性を実施例1のときと同様に測定した結果を、下記表3−Bに示した。
[表3−B]
試料 コントラスト 耐光性(色差)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
着色感光性樹脂組成物A 18000 2.0
着色感光性樹脂組成物B 16000 1.9
着色感光性樹脂組成物C 15500 1.9
着色感光性樹脂組成物D 17500 2.0
着色感光性樹脂組成物E 16000 2.0
着色感光性樹脂組成物F 13000 2.1
着色感光性樹脂組成物G 8000 1.5
着色感光性樹脂組成物H 6400 1.2
着色感光性樹脂組成物I 6800 4.2
着色感光性樹脂組成物J 6000 1.8
着色感光性樹脂組成物Q 15000 2.0
着色感光性樹脂組成物R 17000 1.9
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
表3−Bに示すように、本発明の製造方法によりナノメートルサイズの粒子として有機粒子を分散生成させたものを用いた着色感光性樹脂組成物A〜FおよびQ、Rは、比較試料G〜Jに比べて極めて優れたコントラストと耐光性とを示した。また、一般式(1)で表される高分子化合物を用いた試料A〜E、Q、Rは、実施例のもののなかでもコントラストと耐光性との両立において、より一層優れた結果を示した。
(実施例3−2)
[カラーフィルタの作製(スリット状ノズルを用いた塗布による作製)]
〔ブラック(K)画像の形成〕
無アルカリガラス基板を、UV洗浄装置で洗浄後、洗浄剤を用いてブラシ洗浄し、更に超純水で超音波洗浄した。該基板を120℃3分熱処理して表面状態を安定化させた。
該基板を冷却し23℃に温調後、スリット状ノズルを有すガラス基板用コーター(エフ・エー・エス・アジア社製、商品名:MH−1600)にて、下記表3−2に記載の組成よりなる着色感光性樹脂組成物K2を塗布した。引き続きVCD(真空乾燥装置;東京応化工業(株)社製)で30秒間、溶媒の一部を乾燥して塗布層の流動性を無くした後、120℃で3分間プリベークして膜厚2.4μmの感光性樹脂層K2を得た。なお、着色感光性樹脂組成物K2の調整手順は、先の樹脂組成物K1の手順と同様である。
[表3−2]
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
K顔料分散物2 25質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 8.0質量部
メチルエチルケトン 53質量部
バインダー3 9.1質量部
ハイドロキノンモノメチルエーテル 0.002質量部
DPHA液 4.2質量部
重合開始剤A 0.16質量部
界面活性剤1 0.044質量部
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
超高圧水銀灯を有すプロキシミティ型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング(株)社製)で、基板とマスク(画像パターンを有す石英露光マスク)を垂直に立てた状態で、露光マスク面と該感光性樹脂層の間の距離を200μmに設定し、露光量300mJ/cmでパターン露光した。
次に、純水をシャワーノズルにて噴霧して、該感光性樹脂層K1の表面を均一に湿らせた後、KOH系現像液(KOH、ノニオン界面活性剤含有、商品名:CDK−1、富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)にて23℃で80秒、フラットノズル圧力0.04MPaでシャワー現像しパターニング画像を得た。引き続き、超純水を、超高圧洗浄ノズルにて9.8MPaの圧力で噴射して残渣除去を行い、ブラック(K)の画像Kを得た。引き続き、220℃で30分間熱処理した。
<K顔料分散物2>
・カーボンブラック(商品名:Nipex 35、デグサ ジャパン(株)社製)
13.1質量部
・分散剤(下記化合物2J) 0.65質量部
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比
のランダム共重合物、分子量3.7万) 6.72質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 79.53質量部
Figure 2008138194
<バインダー3>
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=78/22モル比
のランダム共重合物、分子量3.8万) 27質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 73質量部
〔レッド(R)画素の形成〕
前記画像Kを形成した基板に、下記表3−3に記載の組成よりなる着色感光性樹脂組成物R1を用い、前記ブラック(K)画像の形成と同様の工程で、熱処理済み画素Rを形成した。該感光性樹脂層R1の膜厚及び顔料の塗布量を以下に示す。なお、着色感光性樹脂組成物の調整手順は、上記着色感光性樹脂組成物K2のときと同様である。
感光性樹脂膜厚(μm) 1.60
顔料塗布量(g/m) 1.00
C.I.P.R.254塗布量(g/m) 0.80
C.I.P.R.177塗布量(g/m) 0.20
[表3−3]
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
R顔料分散物A 40質量部
R顔料分散物2(CIPR177) 4.5質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 7.6質量部
メチルエチルケトン 37質量部
バインダー2 0.7質量部
DPHA液 3.8質量部
2−トリクロロメチル−(p−スチリルスチリル)
1,3,4−オキサジアゾール 0.12質量部
重合開始剤A 0.05質量部
フェノチアジン 0.01質量部
界面活性剤2 0.06質量部
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
<R顔料分散物A>
・実施例1−1のペースト状の濃縮顔料液A(C.I.P.R.254) 23質量部
・分散剤(前記化合物2J) 0.8質量部
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比
のランダム共重合物、分子量3万) 8質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 68.2質量部
<R顔料分散物2>
・C.I.P.R.177(商品名:Cromophtal Red A2B、
チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)社製) 18質量部
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比
のランダム共重合物、分子量3万) 12質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 70質量部
〔グリーン(G)画素の形成〕
前記画像Kと画素Rを形成した基板に、下記表3−4に記載の組成よりなる着色感光性樹脂組成物G1を用い、前記ブラック(K)画像の形成と同様の工程で、熱処理済み画素Gを形成した。該感光性樹脂層G1の膜厚及び顔料の塗布量を以下に示す。なお、着色感光性樹脂組成物の調整手順は、上記着色感光性樹脂組成物K2のときと同様である。
感光性樹脂膜厚(μm) 1.60
顔料塗布量(g/m) 1.92
C.I.P.G.36塗布量(g/m) 1.34
C.I.P.Y.150塗布量(g/m) 0.58
[表3−4]
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
G顔料分散物1(CIPG36) 28質量部
Y顔料分散物1(CIPY150) 15質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 29質量部
メチルエチルケトン 26質量部
シクロヘキサノン 1.3質量部
バインダー3 2.5質量部
DPHA液 3.5質量部
2−トリクロロメチル−(p−スチリルスチリル)
1,3,4−オキサジアゾール 0.12質量部
重合開始剤A 0.05質量部
フェノチアジン 0.01質量部
界面活性剤2 0.07質量部
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
G顔料分散物1は、富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)社製の「商品名:GT−2」を用いた。Y顔料分散物1は、御国色素(株)社製の「商品名:CFイエローEX3393」を用いた。
〔ブルー(B)画素の形成〕
前記画像K、画素R及び画素Gを形成した基板に、下記表3−5に記載の組成よりなる着色感光性樹脂組成物B1を用い、前記ブラック(K)画像の形成と同様の工程で、熱処理済み画素Bを形成し、目的のカラーフィルタAを得た。該感光性樹脂層B1の膜厚及び顔料の塗布量を以下に示す。該感光性樹脂層R1の膜厚及び顔料の塗布量を以下に示す。なお、着色感光性樹脂組成物の調整手順は、上記着色感光性樹脂組成物K2のときと同様である。
感光性樹脂膜厚(μm) 1.60
顔料塗布量(g/m) 0.75
C.I.P.B.15:6塗布量(g/m) 0.705
C.I.P.V.23塗布量(g/m) 0.045
[表3−5]
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
B顔料分散物1(CIPB15:6) 8.6質量部
B顔料分散物2(CIPB15:6+CIPV23) 15質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 28質量部
メチルエチルケトン 26質量部
バインダー4 17質量部
DPHA液 4.0質量部
2−トリクロロメチル−(p−スチリルスチリル)
1,3,4−オキサジアゾール 0.17質量部
フェノチアジン 0.02質量部
界面活性剤2 0.06質量部
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
B顔料分散物1は、御国色素(株)社製の「商品名:CFブル−EX3357」を用いた。B顔料分散物2は、御国色素(株)社製の「商品名:CFブル−EX3383」を用いた。
<バインダー4>
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/メチルメタクリレート
=36/22/42モル比のランダム共重合物、分子量3.8万) 27質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 73質量部
R顔料分散物Aに用いた濃縮顔料液Aに代えて、それぞれ、濃縮顔料液B〜F、Q、Rを用いてR顔料分散物B〜F、Q、Rを調製した。そして上記のカラーフィルタAの作製方法に対し、R顔料分散物Aに代えてR顔料分散物B〜F、Q、Rをそれぞれ用いた以外同様にして、カラーフィルタB〜F、Q、Rを作製した。
上記のカラーフィルタAの作製方法に対し、R顔料分散物Aに用いるペースト状の濃縮顔料液Aを顔料分散組成物G〜Jに変更し、カラーフィルタG〜Jを作製した。
それぞれのカラーフィルタについて実施例1のときと同様にしてコントラスト及び耐光性を測定した結果を表3−Cに示した。また、カラーフィルタA〜J、Q、RのR画素の部分について、光学顕微鏡(オリンパス株式会社製、MX−50)を用いて、倍率500倍で析出物の有無を観察した。画素内及び画素端部に異物、付着物が観察されないものを析出物がなく均一とし、画素内または画素端部に異物、付着物が観察され、不均一であったものを析出物ありとして区別した。その結果を表3−Cに示した。
[表3−C]
カラーフィルタ コントラスト 耐光性(色差) 析出の有無
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
A 10500 1.9 析出なし
B 9700 1.9 析出なし
C 9000 1.9 析出なし
D 9900 2.0 析出なし
E 8800 2.0 析出なし
F 8500 2.0 析出なし
G 6800 1.5 析出なし
H 6200 1.2 析出なし
I 7000 4.3 析出有り
J 4700 1.8 析出有り
Q 7000 2.0 析出なし
R 8900 1.9 析出なし
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
上記の結果から本発明のカラーフィルタA〜F、Q、Rは比較試験体G〜Jに対して極めて高いコントラストおよび耐光性を示すことが分かる。色差については2以上異なれば観者によっては区別されうる程度である。そして長期(例えば1年以上)の使用により更にこの差は拡大し表示画面上顕著な差となる。本発明のカラーフィルタは、いずれもコントラストが高く、析出物もなく、良好なカラーフィルタであった。一方、比較例のカラーフィルタは、コントラストが低く析出物も見られ、実用上の要求を満足しないレベルのものであった。また、一般式(1)で表される高分子化合物を用いた試験体A〜E、Q、Rは、実施例のもののなかでも、より一層高いコントラストを示し、しかも析出物がなく耐光性についても優れたものであった。
(実施例3−3)
[液晶表示装置の作製及び評価]
カラーフィルタA〜J、Q、Rを用いて液晶表示装置を作製し表示特性の評価を行った。
(ITO電極の形成)
カラーフィルタが形成されたガラス基板をスパッタ装置に入れて、100℃で1300Å厚さのITO(インヂウム錫酸化物)を全面真空蒸着した後、240℃で90分間アニールしてITOを結晶化し、ITO透明電極を形成した。
(スペーサの形成)
特開2004−240335号公報の[実施例1]に記載のスペーサ形成方法と同様の方法で、上記で作製したITO透明電極上にスペーサを形成した。
(液晶配向制御用突起の形成)
下記のポジ型感光性樹脂層用塗布液を用いて、前記スペーサを形成したITO透明電極上に液晶配向制御用突起を形成した。
但し、露光、現像、及び、ベーク工程は、以下の方法を用いた。
所定のフォトマスクが感光性樹脂層の表面から100μmの距離となるようにプロキシミティ露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング株式会社製)を配置し、該フォトマスクを介して超高圧水銀灯により照射エネルギー150mJ/cmでプロキシミティ露光した。
続いて、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を、シャワー式現像装置にて33℃で30秒間基板に噴霧しながら現像した。こうして、感光性樹脂層の不要部(露光部)を現像除去することにより、カラーフィルタ側基板上に、所望の形状にパターニングされた感光性樹脂層よりなる液晶配向制御用突起が形成された液晶表示装置用基板を得た。
次いで、該液晶配向制御用突起が形成された液晶表示装置用基板を230℃下で30分ベークすることにより、液晶表示装置用基板上に硬化された液晶配向制御用突起を形成した。
<ポジ型感光性樹脂層用塗布液処方>
・ポジ型レジスト液(富士フイルムエレクトロニクス
マテリアルズ(株)社製FH−2413F) : 53.3質量部
・メチルエチルケトン : 46.7質量部
・メガファックF−780F(大日本インキ化学工業(株)社製):0.04質量部
(液晶表示装置の作成)
上記で得られた液晶表示装置用基板上に更にポリイミドよりなる配向膜を設けた。
その後、カラーフィルタの画素群を取り囲むように周囲に設けられたブラックマトリックス外枠に相当する位置にエポキシ樹脂のシール剤を印刷すると共に、MVAモード用液晶を滴下し、対向基板と貼り合わせた後、貼り合わされた基板を熱処理してシール剤を硬化させた。このようにして得た液晶セルの両面に、(株)サンリツ社製の偏光板HLC2−2518を貼り付けた。次いで、3波長冷陰極管光源(東芝ライテック(株)社製FWL18EX−N)のバックライトを構成し、前記偏光板が設けられた液晶セルの背面となる側に配置し、液晶表示装置とした。
[液晶表示装置の作製及び評価]
上記カラーフィルタAと同様にして、カラーフィルタG〜J、Q、Rを用いて液晶表示装置を作製し表示特性の評価を行った。
比較例のカラーフィルタを用いた液晶表示装置に対して、本発明のカラーフィルタを用いた液晶表示装置は黒のしまりおよび赤の描写力に優れ、表示ムラのない良好な表示特性を示すことを確認した。
(実施例3−4)
[カラーフィルタの作製(感光性樹脂転写材料のラミネートよる作製)]
〔感光性樹脂転写材料の作製〕
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム仮支持体の上に、スリット状ノズルを用いて、下記処方H2からなる熱可塑性樹脂層用塗布液を塗布、乾燥させた。次に、下記処方P2から成る中間層用塗布液を塗布、乾燥させた。更に、前記着色感光性樹脂組成物K2を塗布、乾燥させ、該仮支持体の上に乾燥膜厚が14.6μmの熱可塑性樹脂層と、乾燥膜厚が1.6μmの中間層と、乾燥膜厚が2.4μmの感光性樹脂層を設け、保護フイルム(厚さ12μmポリプロピレンフィルム)を圧着した。
こうして仮支持体と熱可塑性樹脂層と中間層(酸素遮断膜)とブラック(K)の感光性樹脂層とが一体となった感光性樹脂転写材料K3を作製した。
<熱可塑性樹脂層用塗布液:処方H2>
・メタノール 11.1質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 6.36質量部
・メチルエチルケトン 52.4質量部
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジル
メタクリレート/メタクリル酸共重合体
(共重合組成比(モル比)=55/11.7/4.5/28.8、
分子量:9万、Tg:約70℃) 5.83質量部
・スチレン/アクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)
=63/37、分子量:1万、Tg:約100℃) 13.6質量部
・ビスフェノールAにペンタエチレングリコールモノメタクリレートを
2当量脱水縮合した化合物(新中村化学工業(株)社製、
商品名:2,2−ビス[4−(メタクリロキシポリエトキシ)
フェニル]プロパン) 9.1質量部
・前記界面活性剤2 0.54質量部
<中間層用塗布液:処方P2>
・PVA205(ポリビニルアルコール、(株)クラレ社製、
鹸化度=88%、重合度550) 32.2質量部
・ポリビニルピロリドン(アイエスピー・ジャパン(株)社製、
K−30) 14.9質量部
・蒸留水 524質量部
・メタノール 429質量部
次に、前記感光性樹脂転写材料K3の作製において用いた前記着色感光性樹脂組成物K2を、下記表3−6〜3−8に記載の組成よりなる下記着色感光性樹脂組成物R101、G101及びB101に変更し、それ以外は上記と同様の方法により、感光性樹脂転写材料R101、G101及びB101を作製した。尚、着色感光性樹脂組成物R101、G101及びB101の調製方法は、それぞれ前記着色感光性樹脂組成物R1、G1及びB1の調製方法に準ずる。
[表3−6] R101
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
R顔料分散物A 40質量部
R顔料分散物2(CIPR177) 4.5質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 7.6質量部
メチルエチルケトン 37質量部
バインダー2 0.8質量部
DPHA液 4.4質量部
2−トリクロロメチル−(p−スチリルスチリル)
1,3,4−オキサジアゾール 0.14質量部
重合開始剤A 0.06質量部
フェノチアジン 0.01質量部
添加剤1 0.52質量部
界面活性剤2 0.06質量部
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
[表3−7] G101
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
G顔料分散物1(CIPG36) 28質量部
Y顔料分散物1(CIPY150) 15質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 29質量部
メチルエチルケトン 26質量部
シクロヘキサノン 1.3質量部
バインダー3 3.0質量部
DPHA液 4.3質量部
2−トリクロロメチル−(p−スチリルスチリル)
1,3,4−オキサジアゾール 0.15質量部
重合開始剤A 0.06質量部
フェノチアジン 0.01質量部
界面活性剤2 0.07質量部
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
[表3−8] B101
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
B顔料分散物1(CIPB15:6) 8.6質量部
B顔料分散物2(CIPB15:6+CIPV23) 15質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 28質量部
メチルエチルケトン 26質量部
バインダー4 18.5質量部
DPHA液 4.3質量部
2−トリクロロメチル−(p−スチリルスチリル)
1,3,4−オキサジアゾール 0.17質量部
フェノチアジン 0.02質量部
界面活性剤2 0.06質量部
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
尚、表3−6に記載の組成物の内、添加剤1は、燐酸エステル系特殊活性剤(楠本化成(株)社製、商品名:HIPLAAD ED152)を用いた。
〔ブラック(K)画像の形成〕
無アルカリガラス基板を、25℃に調整したガラス洗浄剤液をシャワーにより20秒間吹き付けながらナイロン毛を有する回転ブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液(N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.3質量%水溶液、商品名:KBM603、信越化学工業(株)社製)をシャワーにより20秒間吹き付け、純水シャワー洗浄した。この基板を基板予備加熱装置で100℃2分加熱して次のラミネーターに送った。
前記感光性樹脂転写材料K2の保護フイルムを剥離後、ラミネーター((株)日立インダストリイズ社製(LamicII型))を用い、前記100℃に加熱した基板に、ゴムローラー温度130℃、線圧100N/cm、搬送速度2.2m/分でラミネートした。
仮支持体を熱可塑性樹脂層との界面で剥離後、超高圧水銀灯を有するプロキシミティ型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング(株)社製)で、基板とマスク(画像パターンを有す石英露光マスク)を垂直に立てた状態で、露光マスク面と該熱可塑性樹脂層の間の距離を200μmに設定し、露光量70mJ/cmでパターン露光した。
次に、トリエタノールアミン系現像液(2.5%のトリエタノールアミン含有、ノニオン界面活性剤含有、ポリプロピレン系消泡剤含有、商品名:T−PD1、富士写真フイルム社製)にて30℃50秒、フラットノズル圧力0.04MPaでシャワー現像し熱可塑性樹脂層と中間層を除去した。
引き続き炭酸ナトリウム系現像液(0.06モル/リットルの炭酸水素ナトリウム、同濃度の炭酸ナトリウム、1%のジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アニオン界面活性剤、消泡剤、安定剤含有、商品名:T−CD1、富士写真フイルム社製)を用い、29℃30秒、コーン型ノズル圧力0.15MPaでシャワー現像し感光性樹脂層を現像しパターニング画像を得た。
引き続き洗浄剤(燐酸塩・珪酸塩・ノニオン界面活性剤・消泡剤・安定剤含有、商品名「T−SD1(富士写真フイルム社製)」、或いは、炭酸ナトリウム・フェノキシオキシエチレン系界面活性剤含有、商品名「T−SD2(富士写真フイルム社製)」)を用い、33℃20秒、コーン型ノズル圧力0.02MPaでシャワーとナイロン毛を有す回転ブラシにより残渣除去を行い、ブラック(K)の画像を得た。その後更に、該基板に対して該樹脂層の側から超高圧水銀灯で500mJ/cmの光でポスト露光後、220℃、15分熱処理した。
この画像Kを形成した基板を再び、前記のようにブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液は使用せずに、基板予備加熱装置に送った。
〔レッド(R)画素の形成〕
前記感光性樹脂転写材料R101を用い、前記感光性樹脂転写材料K2と同様の工程で、熱処理済みのレッド(R)の画素Rを得た。但し露光量は40mJ/cm、炭酸ナトリウム系現像液による現像は35℃35秒とした。該感光性樹脂層R101の膜厚及び顔料(C.I.P.R.254及びC.I.P.R.177)の塗布量を以下に示す。
感光性樹脂膜厚(μm) 2.00
顔料塗布量(g/m) 1.00
C.I.P.R.254塗布量(g/m) 0.80
C.I.P.R.177塗布量(g/m) 0.20
この画像K、及び画素Rを形成した基板を再び、前記のようにブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液は使用せずに、基板予備加熱装置に送った。
〔グリーン(G)画素の形成〕
前記感光性樹脂転写材料G101を用い、前記感光性樹脂転写材料R101と同様の工程で、熱処理済みのグリーン(G)の画素Gを得た。但し露光量は40mJ/cm、炭酸ナトリウム系現像液による現像は34℃45秒とした。該感光性樹脂層G101の膜厚及び顔料(C.I.P.G.36及びC.I.P.Y.150)の塗布量を表以下に示す。
感光性樹脂膜厚(μm) 2.00
顔料塗布量(g/m) 1.92
C.I.P.G.36塗布量(g/m) 1.34
C.I.P.Y.150塗布量(g/m) 0.58
この画像K、画素R、および画素Gを形成した基板を再び、前記のようにブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液は使用せずに、基板予備加熱装置に送った。
〔ブルー(B)画素の形成〕
前記感光性樹脂転写材料B101を用い、前記感光性樹脂転写材料R101と同様の工程で、熱処理済みのブルー(B)の画素Bを得た。但し露光量は30mJ/cm、炭酸ナトリウム系現像液による現像は36℃40秒とした。該感光性樹脂層B101の膜厚及び顔料(C.I.P.B.15:6及びC.I.P.V.23)の塗布量を以下に示す。
感光性樹脂膜厚(μm) 2.00
顔料塗布量(g/m) 0.75
C.I.P.B.15:6塗布量(g/m) 0.705
C.I.P.V.23塗布量(g/m) 0.045
この画素R、画素G、画素B、および画像Kを形成した基板を240℃で50分ベークして、カラーフィルタA1を得た。
上記のカラーフィルタA1の作製方法に対し、R顔料分散物AをR顔料分散物B〜F、Q、Rにそれぞれ変更し、カラーフィルタB1〜F1、Q1、R1を作製した。
上記のカラーフィルタA1の作製方法に対し、R顔料分散物Aを顔料分散組成物G〜Jにそれぞれ変更し、カラーフィルタG1〜J1を作製した。
得られたカラーフィルタA1〜J1、Q1、R1のコントラスト、色差、析出物の有無を、実施例3−2と同様に測定した結果を表3−Dに示した。
[表3−D]
カラーフィルタ コントラスト 耐候性(色差) 析出の有無
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
A1 11000 1.9 析出なし
B1 9800 1.9 析出なし
C1 9000 1.9 析出なし
D1 10000 2.0 析出なし
E1 9100 2.0 析出なし
F1 9000 1.9 析出なし
G1 6500 1.5 析出少しあり
H1 6000 1.2 析出なし
I1 7100 4.2 析出あり
J1 4500 1.8 析出あり
Q1 9500 1.8 析出なし
R1 9800 1.8 析出なし
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
上記表3−Dより、本発明の製造方法でナノサイズ粒子として有機粒子を分散生成させたものを用いることにより、コントラストが極めて高く、耐光性に優れ、しかも析出物の発生が抑えられR画素部のムラがないカラーフィルタA1〜F1、Q1、R1とすることができることがわかる。また、一般式(1)で表される高分子化合物を用いたカラーフィルタA1〜E1、Q1、R1は、実施例のもののなかでも、より一層高いコントラストを示し、しかも析出物がなく良好な耐候性を示した。
(実施例3−5)
[液晶表示装置の作製及び評価]
カラーフィルタA1〜F1を用いて実施例3−3と同様の方法で液晶表示装置を作製し表示特性の評価を行った。
上記カラーフィルタA1と同様にして、カラーフィルタG1〜J1、Q1、R1を用いて液晶表示装置を作製し表示特性の評価を行った。
比較例のカラーフィルタを用いた液晶表示装置に対して、本発明のカラーフィルタを用いた液晶表示装置は、黒のしまりおよび赤の描写力に優れ、表示ムラがなく良好な表示特性を示すことを確認した。
(実施例4)
実施例1−1における顔料分散組成物Aの調製におけるピグメントレッド254に替えてピグメントグリーン36、ピグメントブルー15:6をそれぞれ用いることにより、顔料分散組成物K、Lを調製した。
実施例2−1の液晶表示装置の作製における、Gインク1の調製、Bインク1の調製における顔料PG36およびPB15:6に替えて、それぞれ顔料分散組成物K、Lを用い、ベンジルメタクリレート−メタクリル酸共重合体を除き、顔料濃度が変わらないようにジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートの量を減じてGインク2、Bインク2を調製した。Gインク1に替えてGインク2を、Bインク1に替えてBインク2を用いた効果は、それぞれ実施例2におけるRインク1〜6と同様に発現した。
(実施例5)
(実施例5−1)
<顔料分散組成物Mの調製>
[顔料分散液の調製]
メタンスルホン酸(和光純薬社製)1000mlに、C.I.ピグメントバイオレット23(Hostaperm Violet RL−NF クラリアント社製)50g、を添加して、顔料溶液Mを調製した。この顔料溶液Mを、ビスコメイトVM−10A−L(商品名、CBCマテリアルズ社製)を用いて粘度を測定した結果、顔料溶液Mの液温が45.0℃の時の粘度が24.0mPa・sであった。これとは別に貧溶媒として、水1600mlを用意した。
ここで、25℃に温度コントロールし、GK−0222−10型ラモンドスターラー(商品名、藤沢薬品工業社製)により500rpmで攪拌した貧溶媒の水1600mlに、顔料溶液MをNP−KX−500型大容量無脈流ポンプ(商品名、日本精密化学社製)を用いて、流路径0.25mmの送液配管から流速70ml/minで100ml注入することにより、有機顔料粒子を形成し、顔料分散液Mを調製した。この顔料分散液を、ナノトラックUPA−EX150(商品名、日機装社製)を用いて、数平均粒径Mnおよび単分散度(Mv/Mn)を測定したところMn 29nm、Mv/Mn 1.27 であった。なお、この条件のレイノルズ数は248である。
上記方法で調製した、顔料ナノ粒子分散液を(株)コクサン社製H−122型遠心濾過機および敷島カンバス(株)社製P89C型ロ布を用いて3000rpmで90分濃縮し、得られた顔料ナノ粒子濃縮ペーストを回収した。
ペーストの顔料含率をアジレント(Agilent)社製8453型分光光度計を用いて測定したところ、14.5質量%であった。
上記顔料ナノ粒子調製ペースト18.0gに乳酸エチル50.0ccを加え、ディソルバーで1500rpm・60分攪拌した後住友電工ファインポリマ社製FP−010型フィルタを用いて、ろ過することにより、ペースト状の濃縮顔料液M(ナノ顔料濃度31質量%)を得た。
[顔料分散組成物Mの調製]
前記ペーストを用い、下記組成の顔料分散組成物Mを調製した。
前記ペースト状の濃縮顔料液M 20.8g
顔料分散剤A 0.6g
一般式(1)の化合物C−16 6.4g
1−メトキシ−2−プロピルアセテート 36.7g
顔料分散剤Aについては特開2000−239554号公報に従い合成した。
上記組成の顔料分散組成物を超音波ホモジナイザー(ブランソン社(製);ソニーファイヤー450)を用いて180分間分散した。
<顔料分散組成物Nの調製>
比較例1−1における顔料分散組成物GのC.I.ピグメントレッド254をC.I.ピグメントバイオレット23に変える他は全く同様に、顔料分散組成物Nを作製した。
<顔料分散組成物Pの調製>
本発明の顔料分散組成物Mの作製において、ペースト状の濃縮顔料液Mを作製した後、濃縮顔料液M(ナノ顔料濃度31%)20.8gに乳酸エチル43.7gを加え、超音波ホモジナイザー(ブランソン社(製);ソニーファイヤー450)を用いて180分間分散したものを顔料分散組成物Pとした。
顔料分散組成物M,N,Pのコントラストを実施例1と同様に測定したところ、それぞれ22000、9500、15000となり従来法の顔料分散組成物Nに比べ、本発明の製造方法で作製した顔料分散組成物M,Pが明らかに高いコントラストを達成している事がわかる。特に水不溶性の高分子化合物C−16を用いた顔料分散組成物Mでは、高いコントラストが得られる事が分かる。
(実施例5−2)
実施例3における感光性樹脂転写材料ラミネートによるカラーフィルタ作製において、B顔料分散物1、2を、C.I.ピグメントブルー15:6およびC.I.ピグメントバイオレット23の含有量が同じとなるように、B顔料分散物1と顔料分散組成物Mの組み合わせ、B顔料分散物1と顔料分散組成物Nの組み合わせ、さらにB顔料分散物1と顔料分散組成物Pの組み合わせ、で置き換えたカラーフィルタを用いて、液晶表示装置を作製したところ本発明の顔料分散物MまたはPを用いた場合、顔料分散物Nを用いた場合と比較して黒のしまりと、青の描写力において、顕著な改善効果が見られた。
(実施例6)
顔料溶液を貧溶媒に混合する過程において、使用する顔料、溶媒の量を10倍、100倍にした以外は、実施例1−1の顔料分散組成物Aと同様にして、顔料分散組成物A−10、A−100を作製し、実施例1と同様にコントラストを測定した。
作製した顔料分散組成物のコントラストの評価結果を表6に示す。
[表6]
試料 コントラスト
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
顔料分散組成物A 19500
顔料分散組成物A−10 19600
顔料分散組成物A−100 20300
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
表6の結果から、本発明の製造方法により得られる有機ナノ粒子によれば、高コントラストの顔料分散組成物を作製でき、ナノ粒子製造においてスケールアップしたときにもその優れた特性を維持し、さらには向上させうることが分かる。これにより、本発明の製造方法によれば有機ナノ粒子の製造において、高品質と高生産性を両立できることが分かる。
(実施例7)
(比較例7−1)
[CCDデバイスの作製]
(CCD用顔料分散液の作製)
以下のような処方で、比較例1において得られた顔料分散組成物Fを用いて顔料分散液(1)・・・緑色G、(2)・・・青色B、(3)・・・赤色R を作製した。
顔料分散液(1)
・C.I.P.G.36 95質量部
・C.I.P.G.7 30質量部
・C.I.P.Y.139 45質量部
・PLAAD ED151(楠本化成(株)社製) 20質量部
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 25質量部
(共重合モル比70:30、質量平均分子量3万)
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 625質量部
顔料分散液(2)
・C.I.P.B.15:6 125質量部
・C.I.P.V.23 20質量部
・PLAAD ED151(楠本化成(株)社製) 40質量部
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 25質量部
(共重合モル比70:30、質量平均分子量3万)
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 790質量部
顔料分散液(3)
・顔料分散組成物I 600質量部
・分散剤C−16 40質量部
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 25質量部
(共重合モル比70:30、質量平均分子量3万)
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 345質量部
(着色樹脂組成物の調製)
上記から得られた各色の顔料分散液の各々200質量部当たりにつき、下記組成物をそれぞれ攪拌機にて均一に混合し、各色用のカラーフィルタ用着色樹脂組成物を調製した。
<組成>
・ベンジルアクリレート/メタクリル酸共重合体 35質量部
(共重合モル比=70/30、質量平均分子量3万)
・ジペンタエリスリト−ルペンタアクリレート 38質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 120質量部
・エチル−3−エトキシプロピオネート 40質量部
・ハロメチルトリアジン系開始剤 4質量部
(光重合開始剤 製品名 TAZ107 みどり化学(株)社製)
(カラーフィルタおよびCCDデバイスの作製)
下記組成を攪拌機で混合し、平坦化膜用レジスト液を調製した。
〔組成〕
・ベンジルアクリレート/メタクリル酸共重合体 165質量部
(共重合モル比=70/30、質量平均分子量3万)
・ジペンタエリスリト−ルペンタアクリレート 65質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 138質量部
・エチル−3−エトキシプロピオネート 123質量部
・ハロメチルトリアジン系開始剤 3質量部
(光重合開始剤 製品名 TAZ107 みどり化学(株)社製)
得られた平坦化用レジスト液を、フォトダイオードを形成した6インチシリコンウエハ上にスピンコートで均一に塗布した。尚、スピンコートは、塗布後に塗布膜の表面温度を100℃×120秒の条件でホットプレートを用いて加熱処理した際に膜厚が約1.5μmになるように塗布回転数を調節した。
その後220℃で1時間オーブン中に置いて、塗布膜を硬化させ、シリコンウエハ上に形成されたフォトダイオード表面を一様に覆うように平坦化膜を形成した。
次いで、各色についてG、R、Bの順に、平坦化膜上に上述のカラーフィルタ用着色樹脂組成物を、上記平坦化膜用レジスト液調製処方に対し100質量部を塗布、乾燥(プリベーク)、パターン露光、アルカリ現像、リンス、硬化乾燥(ポストベーク)を行って着色樹脂被膜を形成し、フォトダイオード付シリコンウエハ上にカラーフィルタを作製した。
尚、パターン露光は2μmマスクパターンを介して、i線ステッパー(商品名:FPA−3000i5+、キャノン(株)社製)を用いて500mJ/cm2で行った。
また、アルカリ現像には、有機アルカリ性現像液(商品名:CD−2000、富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)社製)の40質量%水溶液を用いて、室温にて60秒間パドル現像を行った後、20秒スピンシャワーにて純水でリンスを行い、更に純水で水洗を行った。その後、水滴を高温のエアーで飛ばし、基板を自然乾燥させてパターンを得た後、ホットプレート上で表面温度200℃・5分間の条件でポストベーク処理を施した。
以上のようにして得られたCCDデバイスをデジタルカメラに搭載し、同一光源下でKODAK製グレースケール付きカラーチャートを撮影した画像をモニター上で観察したところ、画像の揺らぎや赤の色ムラが観測された。
(実施例7−1)
比較例7−1において使用した顔料分散組成物Iに代えて、顔料分散組成物Aを用いた以外は比較例7−1と全く同様に作製したCCDデバイスをデジタルカメラに搭載し、同様の評価を行ったところ、揺らぎの少ない均一でなめらかな色の画像が得られた。また、顔料分散組成物B〜Fに換えても同様に揺らぎの少ない画像が得られることを確認した。
(実施例8)
実施例1において用いたC.I.ピグメントレッド254に代え、C.I.ピグメントレッド255、264、272をそれぞれ用いて実施したところ、本発明の効果は同様に発現する事が確認できた。
(実施例9)
実施例4において用いたC.I.ピグメントグリーン36に代え、C.I.ピグメントグリーン7を用いても、本発明の効果は同様に発現する事が確認できた。
(実施例10)
実施例5において用いたC.I.ピグメントバイオレット23に代え、C.I.ピグメントバイオレット37を用いても、本発明の効果は同様に発現する事が確認できた。
本発明の製造方法に用いられる製造装置の好ましい実施態様を概略的に示す断面図である。 本発明の製造方法に用いられる製造装置の別の好ましい実施態様を概略的に示す断面図である。 図1−2の製造装置の一実施態様として混合室を一部断面により概略的に示す拡大断面図である。 図1−2の製造装置の別の実施態様として混合室を一部断面により概略的に示す拡大断面図である。 本発明の製造方法に用いられる製造装置の別の好ましい実施態様を概略的に示す断面図である。 本発明の製造方法に用いられる製造装置のさらに別の好ましい実施態様を概略的に示す断面図である。 本発明の製造方法に用いられるディゾルバー撹拌羽根の1例を概略的に示す正面図である。 図4−1に示したディゾルバー撹拌羽根の図面代用写真である。 本発明の製造方法に用いられる回転し得るタービン部とその周囲にわずかな間隙を置いて位置する固定化されたステータ部から構成されている撹拌部の1例を概略的に示す断面図である。
符号の説明
11 容器
11a 液槽(溶媒)
11b 液面
12 撹拌羽根
13 混合室
14 供給管
14a 供給口
15 シャフト
16 モーター
17 ケーシング(混合室壁)
18 孔(円形孔)
19a,19b 撹拌羽根
21 容器(攪拌槽外壁)
21a 攪拌槽
22 撹拌羽根
23 排出管
24,25 供給管
24a,25a 供給口
26 シャフト
50 撹拌装置
32,33 供給管
32a,33a 供給口
36 排出口
40 シールプレート
41,42 撹拌羽根
46 外部磁石
48,49 モータ
61 円盤部
62 羽根
63 シャフト
74 回転し得るタービン部
75 固定化されたステータ部

Claims (26)

  1. 良溶媒に有機材料を溶解した有機材料溶液と、前記良溶媒と相溶性でありかつ前記有機材料に対しては貧溶媒となる溶媒とを下記数式(1)で表されるレイノルズ数が60以上となる条件下で混合し前記有機材料のナノ粒子を析出させることを特徴とする有機ナノ粒子の製造方法。
    Re=ρUL/μ ・・・ 数式(1)
    (数式(1)中、Reはレイノルズ数を表し、ρは有機材料溶液の密度を表し、Uは有機材料溶液と貧溶媒とが出会うときの相対速度を表し、Lは有機材料溶液と貧溶媒とが出会う部分の流路もしくは供給口の等価直径を表し、μは有機材料溶液の粘性係数を表す。)
  2. 良溶媒に有機材料を溶解した有機材料溶液と、前記良溶媒と相溶性でありかつ前記有機材料に対しては貧溶媒となる溶媒とを混合して、前記有機材料を析出させて有機ナノ粒子の分散液を調製するに当り、下記数式(1)で表されるレイノルズ数を高めた条件で混合し前記有機ナノ粒子の平均粒径が60nm以下となるように粒子径を制御して析出させることを特徴とする有機ナノ粒子の製造方法。
    Re=ρUL/μ ・・・ 数式(1)
    (数式(1)中、Reはレイノルズ数を表し、ρは有機材料溶液の密度を表し、Uは有機材料溶液と貧溶媒とが出会うときの相対速度を表し、Lは有機材料溶液と貧溶媒とが出会う部分の流路もしくは供給口の等価直径を表し、μは有機材料溶液の粘性係数を表す。)
  3. 前記貧溶媒に前記有機材料溶液を供給管から噴流して混合することを特徴とする請求項1または2に記載の有機ナノ粒子の製造方法。
  4. 前記貧溶媒を攪拌することを特徴とする請求項3に記載の有機ナノ粒子の製造方法。
  5. 前記レイノルズ数が100以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機ナノ粒子の製造方法。
  6. 前記レイノルズ数が2500以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機ナノ粒子の製造方法。
  7. 前記分散液が分子量1000以上の高分子化合物を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機ナノ粒子の製造方法。
  8. 前記分散液が実質的に水不溶性の高分子化合物を含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の有機ナノ粒子の製造方法。
  9. 前記高分子化合物が下記一般式(1)で表されることを特徴とする請求項7または8に記載の有機ナノ粒子の製造方法。
    Figure 2008138194
    〔式中、Rは、(m+n)価の連結基を表し、Rは単結合あるいは2価の連結基を表す。Aは、酸性基、窒素原子を有する塩基性基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、炭素数4以上の炭化水素基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基、および水酸基からなる群より選ばれる基を有する1価の有機基、または置換基を有してもよい有機色素構造もしくは複素環を含有する1価の有機基を表す。ただし、n個のAは互いに同一であっても、異なっていてもよい。mは1〜8の数を表し、nは2〜9の数を表し、m+nは3〜10を満たす。Pは高分子化合物残基を表す。〕
  10. 前記高分子化合物が下記一般式(2)で表されることを特徴とする請求項9に記載の有機ナノ粒子の製造方法。
    Figure 2008138194
    〔式中、Rは、(x+y)価の連結基を表す。RおよびRは、各々独立に単結合または2価の連結基を表す。Aは、酸性基、窒素原子を有する塩基性基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、炭素数4以上の炭化水素基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基、および水酸基からなる群より選ばれる基を有する1価の有機基、または置換基を有してもよい有機色素構造もしくは複素環を含有する1価の有機基を表す。ただし、x個のAは互いに同一であっても、異なっていてもよい。yは1〜8の数を表し、xは2〜9の数を表し、x+yは3〜10を満たす。Pは高分子化合物残基を表す。〕
  11. 前記有機材料が有機顔料であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の有機ナノ粒子の製造方法。
  12. 前記有機顔料がピロロピロール化合物顔料であることを特徴とする請求項11に記載の有機ナノ粒子の製造方法。
  13. 前記ピロロピロール化合物顔料がC.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド255、C.I.ピグメントレッド264、及びC.I.ピグメントレッド272のいずれかであることを特徴とする請求項12に記載の有機ナノ粒子の製造方法。
  14. 前記有機顔料がフタロシアニン化合物顔料であることを特徴とする請求項11に記載の有機ナノ粒子の製造方法。
  15. 前記フタロシアニン化合物顔料がC.I.ピグメントグリーン36、C.I.ピグメントグリーン7、及びC.I.ピグメントブルー15:6のいずれかであることを特徴とする請求項14に記載の有機ナノ粒子の製造方法。
  16. 前記有機顔料がジオキサジン化合物顔料であることを特徴とする請求項11に記載の有機ナノ粒子の製造方法。
  17. 前記ジオキサジン化合物顔料がC.I.ピグメントバイオレット23またはC.I.ピグメントバイオレット37であることを特徴とする請求項16に記載の有機ナノ粒子の製造方法。
  18. 前記有機ナノ粒子を、前記貧溶媒が10L以上のスケールで析出させることを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載の有機ナノ粒子の製造方法。
  19. 請求項1〜18のいずれか1項に記載の方法で製造された有機ナノ粒子。
  20. 重合性モノマーおよび/または重合性オリゴマーを含む媒体に、請求項19に記載の有機ナノ粒子を含んでなることを特徴とするカラーフィルタ用インクジェットインク。
  21. 請求項19に記載の有機ナノ粒子と、バインダーと、モノマーもしくはオリゴマーと、光重合開始剤もしくは光重合開始剤系とを少なくとも含む着色感光性樹脂組成物。
  22. 仮支持体上に、少なくとも、請求項21に記載の着色感光性樹脂組成物を含む感光性樹脂層を設けたことを特徴とする感光性樹脂転写材料。
  23. 請求項20に記載のインクジェットインク、請求項21に記載の着色感光性樹脂組成物、及び/又は請求項22に記載の感光性樹脂転写材料を用いて作製したことを特徴とするカラーフィルタ。
  24. 請求項23に記載のカラーフィルタを備えたことを特徴とする液晶表示装置。
  25. 前記表示装置がVA方式であることを特徴とする請求項24に記載の液晶表示装置。
  26. 請求項25に記載のカラーフィルタを備えたことを特徴とするCCDデバイス。
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