JP2008137873A - 誘電体磁気組成物及びセラミック電子部品 - Google Patents

誘電体磁気組成物及びセラミック電子部品 Download PDF

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Abstract

【課題】低温で焼成可能、十分な誘電特性を有する誘電体磁器組成物及びそれを用いたセラミック電子部品の提供。
【解決手段】誘電体磁器組成物は、aBi−bZnO−cTa−dNb−eZrO(ただし、a、b、c、d及びeはモル比を示す。)との組成式で表記され、39.5≦a≦42.5、18.5≦b≦28.0、0≦c≦28、0≦d≦28、0<e≦23で示され、また、酸化ビスマス、酸化亜鉛、酸化タンタル、酸化ニオブ及び酸化ジルコニアよりなる組成物を、xBi(Zn1/3Ta2/3−yBi(Zn1/3Nb2/3−zBiZr(ただし、x、y及びzはモル比を示す。)と表し、前記x、y及びzの各々の相関を三角図を用いて示した場合に、特定の領域にあり、セラミック電子部品は、前記誘電体磁器組成物を焼成してなるセラミック基体と、その内部及び/又は表面に設けられた未焼成導体層が誘電体磁気組成物と同時焼成されてなる導体層とを備える。
【選択図】図1

Description

この発明は誘電体磁気組成物及びセラミック電子部品に関し、更に詳しくは、低温で焼成することができ、高い比誘電率(以下、「ε」と略記する。)及び無負荷品質係数(以下、「Qu」と略記する。)を有する誘電体磁器が得られ、且つ組成を変化させることにより、誘電体磁器のQuを実用的な水準に維持しながら、共振周波数の温度係数(以下、「τ」と略記する。)の絶対値を小さくすることができる誘電体磁器組成物及びそれを用いたセラミック電子部品に関する。
近年、通信情報量の増大にともない、衛星通信、衛星放送、移動体通信等のマイクロ波帯域及びミリ波帯域を利用した各種の通信システムが急速に発展しつつある。そのため、マイクロ波帯域等においてより優れた誘電特性を有する各種の誘電体材料が開発されている。更に、このような誘電体材料では、導電性に優れ、且つ融点の低い導体材料と同時焼成することができる低温焼成誘電体磁器組成物が必要とされている。
これまでに、マイクロ波帯域で高いεを有する誘電体材料として、BaO−RE−TiO系材料(RE;希土類元素)(ε;約70)が知られている。しかし、この誘電体材料は1300℃以上の高温での焼成を必要とし、銀及び銅等の優れた導電性を有し、且つ融点の低い金属からなる未焼成導体層と同時焼成することができない。これに対して、同程度のεを有し、且つ1000℃以下の低温で焼成することができる誘電体材料として、Bi−Zn−Nb系酸化物(例えば、特許文献1参照。)及びBi−Ca−Nb系酸化物(例えば、下記特許文献2、3及び4参照。)等が提案されている。更に、Bi−Ca−Nb系酸化物におけるCa又はNbを他の元素で置換した誘電体材料も知られている。このCa又はNbが他の元素で置換された誘電体材料としては、Caの一部がZnで置換されたもの(例えば、特許文献5及び6参照。)、Caの一部がBaで置換されたもの(例えば、特許文献7参照。)、Caの一部がSrで置換されたもの(例えば、特許文献8参照。)、Caの一部がMgで置換されたもの(例えば、特許文献9参照。)、及びNbの一部がTaで置換されたもの(例えば、特許文献10参照。)等が提案されている。
特開平4−285046号公報 特開平5−225826号公報 特開平7−37425号公報 特開平7−201224号公報 特開平5−242728号公報 特開平6−196020号公報 特開平7−57538号公報 特開平7−57539号公報 特開平7−57540号公報 特開平7−296638号公報
しかし、上記の特許文献に開示された従来の技術、例えば、特許文献1に開示された技術では、εが83〜133と高く、Quも比較的大きいものの、τの調整が困難であり、電子部品用の誘電体磁器として使用することができないことがあった。
この発明は、低温で焼成することができ、十分なε及びQuを有する誘電体磁器が得られ、且つ組成を変化させることにより、誘電体磁器のQuを大きく低下させることなく、τを調整することができる誘電体磁器組成物及びそれを用いたセラミック電子部品を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段として、
請求項1は、
酸化ビスマス、酸化亜鉛、酸化タンタル、酸化ニオブ及び酸化ジルコニアよりなる組成物を、aBi−bZnO−cTa−dNb−eZrO(ただし、a、b、c、d及びeはモル比を示す。)との組成式(1)で表記した場合に、39.5≦a≦42.5、18.5≦b≦28.0、0<c≦28、0<d≦28、0<e≦23で示される範囲から、a、b、c、d及びeの合計が100になるように、a、b、c、d及びeが選択されて成る誘電体磁気組成物であり、
請求項2は、
酸化ビスマス、酸化亜鉛、酸化タンタル及び酸化ジルコニアよりなる組成物を、aBi−bZnO−cTa−eZrO(ただし、a、b、c及びeはモル比を示す。)との組成式(2)で表記した場合に、39.5≦a≦42.5、18.5≦b≦28.0、0<c≦28、0<e≦23で示される範囲から、a、b、c及びeの合計が100になるように、a、b、c及びeが選択されて成る誘電体磁気組成物であり、
請求項3は、
酸化ビスマス、酸化亜鉛、酸化ニオブ及び酸化ジルコニアよりなる組成物を、aBi−bZnO−dNb−eZrO(ただし、a、b、d及びeはモル比を示す。)との組成式(3)で表記した場合に、39.5≦a≦42.5、18.5≦b≦28.0、0<d≦28、0<e≦23で示される範囲から、a、b、d及びeの合計が100になるように、a、b、d及びeが選択されて成る誘電体磁気組成物であり、
請求項4は、
酸化ビスマス、酸化亜鉛、酸化タンタル、酸化ニオブ及び酸化ジルコニアよりなる組成物を、xBi(Zn1/3Ta2/3−yBi(Zn1/3Nb2/3−zBiZr(ただし、x、y及びzはモル比を示す。)との組成式(4)により表し、前記x、y及びzの各々の相関を三角図を用いて示した場合に、前記x、y及びzは、各々に対応する値が、図1において、xが100、yが0及びzが0である点A、xが72、yが0及びzが28である点B、xが0、yが77及びzが23である点C、及び、xが0、yが100及びzが0であるDで囲繞された四辺形の領域内(但し、辺AB及び辺CDは含まない)にあり、かつZrを必須とする誘電体磁気組成物であり、
請求項5は、
酸化ビスマス、酸化亜鉛、酸化タンタル、及び酸化ジルコニアよりなる組成物を、xBi(Zn1/3Ta2/3−zBiZr(ただし、x、及びzはモル比を示す。)との組成式(4A)において、72≦x<100であり、0<z≦28であり、x+z=100である誘電体磁気組成物であり、
請求項6は、
酸化ビスマス、酸化亜鉛、酸化タンタル、酸化ニオブ及び酸化ジルコニアよりなる組成物を、xBi(Zn1/3Ta2/3−yBi(Zn1/3Nb2/3−zBiZr(ただし、x、y及びzはモル比を示す。)との組成式(4)により表し、前記x、y及びzの各々の相関を三角図を用いて示した場合に、前記x、y及びzは、各々に対応する値が、図1において、xが100、yが0及びzが0である点A、xが72、yが0及びzが28である点B、xが0、yが77及びzが23である点C、及び、xが0、yが92及びzが8であるEで囲繞された四辺形の領域内(但し、辺AB及び辺CEは含まない)にあり、かつZrを必須とする誘電体磁気組成物であり、
請求項7は、
酸化ビスマス、酸化亜鉛、酸化ニオブ及び酸化ジルコニアよりなる組成物を、yBi(Zn1/3Nb2/3−zBiZr(ただし、y及びzはモル比を示す。)との組成式(4B)により表し、77≦y<100であり、0<z≦23であり、y+z=100である誘電体磁気組成物であり、
請求項8は、
請求項1〜7のいずれか1項に記載の誘電体磁気組成物からなる未焼成セラミック基体が焼成されてなるセラミック基体と、前記未焼成セラミック基体の内部及び/又は表面に設けられた未焼成導体層が前記未焼成セラミック基体と同時焼成されてなる導体層とを有することを特徴とするセラミック電子部品であり、
請求項9は、
前記導体層がAg、Au及びCuから成る群から選択される少なくとも一種の金属である前記請求項8に記載のセラミック電子部品である。
この発明によると、Bi−Zn−Nb系の組成を有するパイロクロア構造を有する組成にBiZrを含有させることにより、前記BiZrを含有しない場合にはマイナスに大きかった温度特性をゼロに近づけ、実用的な誘電体磁気組成物を提供することができる。
また、この発明によると、Bi−Zn−Ta系の組成を有するパイロクロア構造を有する組成にBiZrを含有させることにより、前記BiZrを含有しない場合よりも温度特性をさらにゼロに近づけ、さらに優れた誘電体磁気組成物を提供することができる。
この発明によると、優れた誘電特性を有するセラミック電子部品を提供することができる。
<誘電体磁気組成物>
この発明に係る誘電体磁気組成物の一つは、酸化ビスマス、酸化亜鉛、酸化タンタル、酸化ニオブ及び酸化ジルコニアよりなる組成物を、aBi−bZnO−cTa−dNb−eZrO(ただし、a、b、c、d及びeはモル比を示す。)との組成式(1)で表記した場合に、39.5≦a≦42.5、18.5≦b≦28.0、0<c≦28、0<d≦28、0<e≦23で示される範囲から、a、b、c、d及びeの合計が100になるように、a、b、c、d及びeが選択されて成る誘電体磁気組成物である。
aBi−bZnO−cTa−dNb−eZrOと表記される誘電体磁気組成物において、前記組成式(1)におけるaが39.5モル%未満であると、低温で焼結することができず、また42.5モル%を超えると温度係数の絶対値を小さくすることができない。前記組成式(1)におけるbが18.5モル%未満であると、無負荷品質係数が低下する等の不都合があり、28.0モル%を越えると、誘電率が低下する等の不都合があり、前記組成式(1)におけるcが28モル%を越えると、焼結温度が高温化する等の不都合があり、前記組成式(1)におけるdが28モル%を越えると、焼結温度が高温化する等の不都合があり、前記組成式(1)におけるeが23モル%を越えると、無負荷品質係数が低下する等の不都合がある。
前記組成式(1)で示される組成であって前記a、b、c、d及びeの範囲内からこれらの合計が100になるように、a、b、c、d及びeが選択されて成る誘電体磁気組成物は、低温焼成をすることができ、充分な誘電比率を保持しつつ、Qu値を300以上にすることができ、τをゼロに近づけることができる。
この発明に係る誘電体磁気組成物の他の例は、酸化ビスマス、酸化亜鉛、酸化タンタル及び酸化ジルコニアよりなる組成物を、aBi−bZnO−cTa−eZrO(ただし、a、b、c及びeはモル比を示す。)との組成式(2)で表記した場合に、39.5≦a≦42.5、18.5≦b≦28.0、0<c≦28、0<e≦23で示される範囲から、a、b、c及びeの合計が100になるように、a、b、c及びeが選択されて成る誘電体磁気組成物である。
aBi−bZnO−cTa−eZrOと表記される誘電体磁気組成物において、前記組成式(2)におけるaが上記範囲を外れると前記組成式(1)における場合と同様であり、前記組成式(2)におけるbが上記範囲を外れると前記組成式(1)における場合と同様であり、前記組成式(2)におけるcが上記範囲を外れると前記組成式(1)における場合と同様であり、前記組成式(2)におけるeが23モル%を越えると前記組成式(1)における場合と同様の不都合がある。
前記組成式(2)で示される組成であって前記a、b、c及びeの範囲内からこれらの合計が100になるように、a、b、c及びeが選択されて成る誘電体磁気組成物は、低温焼成をすることができ、充分な誘電比率を保持しつつ、Qu値を300以上にすることができ、τをゼロに近づけることができる。
この発明に係る誘電体磁気組成物の他の例は、酸化ビスマス、酸化亜鉛、酸化ニオブ及び酸化ジルコニアよりなる組成物を、aBi−bZnO−dNb−eZrO(ただし、a、b、d及びeはモル比を示す。)との組成式(3)で表記した場合に、39.5≦a≦42.5、18.5≦b≦28.0、0<d≦28、0<e≦23で示される範囲から、a、b、d及びeの合計が100になるように、a、b、d及びeが選択されて成る誘電体磁気組成物である。
aBi−bZnO−dNb−eZrOと表記される誘電体磁気組成物において、前記組成式(3)におけるaが上記範囲を外れると前記組成式(1)における場合と同様であり、前記組成式(3)におけるbが上記範囲を外れると前記組成式(1)における場合と同様であり、前記組成式(3)におけるdが上記範囲を外れると前記組成式(1)における場合と同様であり、前記組成式(3)におけるeが23モル%を越えると前記組成式(1)における場合と同様の不都合がある。
前記組成式(3)で示される組成であって前記a、b、d及びeの範囲内からこれらの合計が100になるように、a、b、d及びeが選択されて成る誘電体磁気組成物は、低温焼成をすることができ、充分な誘電比率を保持しつつ、Qu値を300以上にすることができ、τをゼロに近づけることができる。
この発明に係る誘電体磁気組成物の他の例は、酸化ビスマス、酸化亜鉛、酸化タンタル、酸化ニオブ及び酸化ジルコニアよりなる組成物を、xBi(Zn1/3Ta2/3−yBi(Zn1/3Nb2/3−zBiZr(ただし、x、y及びzはモル比を示す。)との組成式(4)により表し、前記x、y及びzの各々の相関を三角図を用いて示した場合に、前記x、y及びzは、各々に対応する値が、図1において、xが100、yが0及びzが0である点A、xが72、yが0及びzが28である点B、xが0、yが77及びzが23である点C、及び、xが0、yが100及びzが0であるDで囲繞された四辺形の領域内にあり、かつZrを必須とする誘電体磁気組成物である。
この誘電体磁気組成物は、Zrを必須の元素とすることにより、Qu値を大幅に低下させることなく、−90以上のゼロに近いτにすることができる。
また、この発明に係る誘電体磁気組成物の他の例は、酸化ビスマス、酸化亜鉛、酸化タンタル、及び酸化ジルコニアよりなる組成物を、xBi(Zn1/3Ta2/3−zBiZr(ただし、x、及びzはモル比を示す。)との組成式(4A)において、72≦x<100であり、0<z≦28であり、x+z=100である誘電体磁気組成物である。この誘電体磁気組成物は、Zrを必須の元素とすることにより、Qu値を大幅に低下させることなく、τを−25以上のゼロに近い値にすることができる。
この発明に係る誘電体磁気組成物の更に他の例は、酸化ビスマス、酸化亜鉛、酸化タンタル、酸化ニオブ及び酸化ジルコニアよりなる組成物を、xBi(Zn1/3Ta2/3−yBi(Zn1/3Nb2/3−zBiZr(ただし、x、y及びzはモル比を示す。)との組成式(4)により表し、前記x、y及びzの各々の相関を三角図を用いて示した場合に、前記x、y及びzは、各々に対応する値が、図1において、xが100、yが0及びzが0である点A、xが72、yが0及びzが28である点B、xが0、yが77及びzが23である点C、及び、xが0、yが92及びzが8であるEで囲繞された四辺形の領域内にあり、かつZrを必須とする誘電体磁気組成物である。
この誘電体磁気組成物は、Zrを必須の元素とすることにより、Qu値を大幅に低下させることなく、τを−50以上のゼロに近い値にすることができる。
また、この発明に係る誘電体磁気組成物の更に他の例は、酸化ビスマス、酸化亜鉛、酸化ニオブ及び酸化ジルコニアよりなる組成物を、yBi(Zn1/3Nb2/3−zBiZr(ただし、y及びzはモル比を示す。)との組成式(4B)により表し、77≦y<100であり、0<z≦23であり、y+z=100である誘電体磁気組成物である。この誘電体磁気組成物は、Zrを必須の元素とすることにより、Qu値を大幅に低下させることなく、τを−90〜−50の範囲内にすることができる。
<誘電体磁気組成物の調製及び焼成>
誘電体磁器組成物の調製方法は特に限定されないが、例えば、以下のようにして調製することができる。
誘電体磁器組成物に含有される各々の金属元素の酸化物又は加熱により酸化物となる化合物、例えば、それぞれの元素の炭酸塩、硝酸塩、水酸化物等を原料として用いることができる。この原料には金属元素が1種のみ含有されていてもよく、複合酸化物のように2種以上の金属元素が含有されていてもよい。原料の性状は特に限定されないが、通常、粉末であり、この原料粉末を所定の組成となるように混合してセラミック原料として用いることができる。このセラミック原料と媒体とを湿式混合し、その後、乾燥して媒体を除去し、次いで、混合粉末を大気雰囲気等において焼成温度より低温で熱処理し、その後、熱処理物に分散剤、バインダ及び媒体等を配合し、ボールミル等を用いて混合し、粉砕しスラリーとし、次いで、このスラリーを乾燥させ、必要に応じて造粒して誘電体磁器組成物を調製することができる。
前記媒体としては、バインダを溶解させることのできる液状の媒体が好ましく、容易に乾燥により除去することのできる液媒を挙げることができ。具体的にはメタノール、エタノール等の、常温で液体である低級アルコール特に炭素数が1〜5の一価又は二価の飽和アルコール、水等を挙げることができる。バインダの使用量は、バインダと原料粉末との混合物からなる成形物の形状を保持することができる程度であればよく、原料粉末の量及びその後の成形操作等に応じて適宜に決定されることができる。
この発明の低温誘電体磁器組成物の焼成温度は特に限定されないが、800〜1050℃、特に850〜1020℃とすることができる。焼成雰囲気も特に限定されないが、後記の導体層の形成に用いられる金属の種類等により設定することが好ましい。例えば、酸化され難い金属を用いるときは、大気雰囲気等の酸化雰囲気において焼成することができる。一方、Cu等の酸化され易い金属を用いるときは、窒素及びアルゴン等の不活性ガスなどからなる不活性雰囲気、又は少量の水素を含有する還元雰囲気において焼成することができる。焼成時間、即ち、上記の焼成温度を保持する時間も特に限定されず、焼成温度等にもよるが、1〜5時間、特に1.5〜3時間とすることができる。
<セラミック電子部品>
この発明のセラミック電子部品は、この発明の誘電体磁器組成物を成形してなる未焼成セラミック基体が焼成されてなるセラミック基体と、未焼成セラミック基体の内部及び/又は表面に設けられた未焼成導体層が未焼成セラミック基体と同時焼成されてなる導体層と、を備える。
未焼成導体層を未焼成セラミック基体と同時焼成しない場合には、工程が複雑かつ増加し、大幅なコストアップにつながり、安価に電子部品を提供することが困難になる。
前記導体層としては、例えば、通常の導通用配線、抵抗用配線、パッド形状等のコンデンサ用配線、インダクタンス用配線及びボンディングパッド等が挙げられる。
前記未焼成セラミック基体の形状については特に制限がなく、セラミック電子部品に要求される形状に応じて未焼成セラミック基体の形状が適宜に決定される。
上記「セラミック基体」は、この発明の誘電体磁器組成物が焼成されてなることの他は特に限定されない。即ち、セラミック基体の形状は、例えば、電子部品がLCフィルタであるときは、複数の未焼成セラミックシートが積層された未焼成セラミック基体が一体に焼成されてなる直方体のセラミック基体(例えば、図2において111、112及び113からなる。)とすることができる。また、電子部品がアンテナであるときは、板状体、直方体等の種々の形状とすることができる。
上記「導体層」は、未焼成セラミック基体の内部及び/又は表面に設けられた未焼成導体層が未焼成セラミック基体と同時焼成されてなる導体層である。この導体層の形成に用いられる金属は特に限定されないが、抵抗が低く、導電性に優れ、且つ焼成温度より高い融点を有している金属であることが好ましい。このような金属としては、例えば、Ag、Au及びCu、並びにこれらの金属を80質量%以上、特に90質量%以上含有する合金が挙げられる。導体層は、この導体層を100質量%とした場合に、Ag、Au及びCuのうちの1種以上を80質量%以上特に90質量%以上(100質量%であってもよい。)含有するものであることが好ましい。好適な導体層形成金属として、特に導電性に優れ、且つ融点の低いAgを用いることができ、優れた性能を有するLCフィルタ等の電子部品とすることができる。
この発明のセラミック電子部品の用途は特に限定されず、マイクロ波帯域及びミリ波帯域において使用される各種の電子部品として用いることができる。この電子部品としては、フィルタ、デュプレクサ、共振器、LCデバイス、カプラ、ダイプレクサ、ダイオード、誘電体アンテナ及びセラミックコンデンサ等の個別部品類などが挙げられる。更に、汎用基板及びLTCC多層デバイス等の各種の機能部品が埋め込まれた機能基板などの基板類、MPU及びSAW等のパッケージ類、これら個別部品類、基板類及びパッケージ類の少なくともいずれかを備えるモジュール類等が挙げられる。また、これらの電子部品は、各種のマイクロ波帯域及び/又はミリ波帯域の電波を利用する移動体通信機器、移動体通信基地局機器、衛星通信機器、衛星通信基地局機器、衛星放送機器、無線LAN機器、及びBluetooth(登録商標)用機器等に利用することができる。この発明のセラミック電子部品は、十分な誘電特性を有し、上記の各種の用途のうちでも特にLCフィルタ及びアンテナ等の用途において有用である。
(実施例及び比較例)
市販のBi粉末(純度;98.5%)、ZnO粉末(純度;99.8%)、Ta粉末(純度;99.5%)、Nb粉末(純度;99.5%)及びZrO粉末(純度;99.0%)を使用し、前記の組成式により表わした場合に、a、b、c、d及びeの各々に対応する値が表1に記載された値となるように秤量した。その後、それぞれの粉末と媒体であるエタノールとを湿式混合し、次いで、乾燥してエタノールを除去した。その後、得られた混合粉末を大気雰囲気において800℃で2時間熱処理した。次いで、熱処理物に、分散剤としてセルナ E−503(中京油脂株式会社製)、樹脂バインダとしてセルナ SE−604(中京油脂株式会社製)、媒体であるエタノールとを配合し、ボールミルを用いて混合し、粉砕してスラリーとした。その後、このスラリーを乾燥し、エタノールを除去し、造粒して、誘電体磁器組成物を調製した。その後、これらの誘電体磁器組成物を20MPaの圧力で一軸プレス成形し、直径19mm、高さ12mmの円柱形をした未焼成セラミック基体としての成形体に形成した。次いで、150MPaの圧力で冷間等方静水圧プレス処理し、得られた成形体を大気雰囲気下950℃で2時間保持して焼成し、試験体番号1〜22の誘電体磁器を作製した。
上記各々の誘電体磁器組成物を用いて作製した円柱形の成形体の両端面を研磨して試験体とし、その後、この試験体を用いて平行導体板型誘電体共振器法により、測定周波数2〜5GHzにおけるε、Qu及びτを測定した。τは、25℃及び80℃における共振周波数を測定し、25℃における値を基準として算出した。結果を表1に併記する。
Figure 2008137873
前記表1において、「*」はこの発明の範囲外であることを示す。また、BZTは、Bi(Zn1/3Ta2/3で、BZNは、Bi(Zn1/3Nb2/3で、BZは、BiZrであることを示す。
上記表1の結果から、この発明に係る誘電体磁気組成物は、その組成を変化させることにより温度特性を自由に変化させることができ、Qu値を300以上の比較的に大きな性能バランスを有し、しかもセラミック電子部品の小型化を図ることができる。しかも、この誘電体磁気組成物は、低温で焼成することができるので、導電率の高い金属組成物と同時焼成することができ、応用範囲の広い素材である。
図1はこの発明に係る誘電体磁気組成物の組成を示す三角図である。 図2はこの発明に係るセラミック電子部品の一例を示す斜視説明図である。
符号の説明
1;LCフィルタ
111、112、113;誘電体セラミックシート
121、122、123;導体層

Claims (9)

  1. 酸化ビスマス、酸化亜鉛、酸化タンタル、酸化ニオブ及び酸化ジルコニアよりなる組成物を、aBi−bZnO−cTa−dNb−eZrO(ただし、a、b、c、d及びeはモル比を示す。)との組成式(1)で表記した場合に、39.5≦a≦42.5、18.5≦b≦28.0、0<c≦28、0<d≦28、0<e≦23で示される範囲から、a、b、c、d及びeの合計が100になるように、a、b、c、d及びeが選択されて成る誘電体磁気組成物。
  2. 酸化ビスマス、酸化亜鉛、酸化タンタル及び酸化ジルコニアよりなる組成物を、aBi−bZnO−cTa−eZrO(ただし、a、b、c及びeはモル比を示す。)との組成式(2)で表記した場合に、39.5≦a≦42.5、18.5≦b≦28.0、0<c≦28、0<e≦23で示される範囲から、a、b、c及びeの合計が100になるように、a、b、c及びeが選択されて成る誘電体磁気組成物。
  3. 酸化ビスマス、酸化亜鉛、酸化ニオブ及び酸化ジルコニアよりなる組成物を、aBi−bZnO−dNb−eZrO(ただし、a、b、d及びeはモル比を示す。)との組成式(3)で表記した場合に、39.5≦a≦42.5、18.5≦b≦28.0、0<d≦28、0<e≦23で示される範囲から、a、b、d及びeの合計が100になるように、a、b、d及びeが選択されて成る誘電体磁気組成物。
  4. 酸化ビスマス、酸化亜鉛、酸化タンタル、酸化ニオブ及び酸化ジルコニアよりなる組成物を、xBi(Zn1/3Ta2/3−yBi(Zn1/3Nb2/3−zBiZr(ただし、x、y及びzはモル比を示す。)との組成式(4)により表し、前記x、y及びzの各々の相関を三角図を用いて示した場合に、前記x、y及びzは、各々に対応する値が、図1において、xが100、yが0及びzが0である点A、xが72、yが0及びzが28である点B、xが0、yが77及びzが23である点C、及び、xが0、yが100及びzが0であるDで囲繞された四辺形の領域内(但し、辺AB及び辺CDは含まない)にあり、かつZrを必須とする誘電体磁気組成物。
  5. 酸化ビスマス、酸化亜鉛、酸化タンタル、及び酸化ジルコニアよりなる組成物を、xBi(Zn1/3Ta2/3−zBiZr(ただし、x、及びzはモル比を示す。)との組成式(4A)において、72≦x<100であり、0<z≦28であり、x+z=100である誘電体磁気組成物。
  6. 酸化ビスマス、酸化亜鉛、酸化タンタル、酸化ニオブ及び酸化ジルコニアよりなる組成物を、xBi(Zn1/3Ta2/3−yBi(Zn1/3Nb2/3−zBiZr(ただし、x、y及びzはモル比を示す。)との組成式(4)により表し、前記x、y及びzの各々の相関を三角図を用いて示した場合に、前記x、y及びzは、各々に対応する値が、図1において、xが100、yが0及びzが0である点A、xが72、yが0及びzが28である点B、xが0、yが77及びzが23である点C、及び、xが0、yが92及びzが8であるEで囲繞された四辺形の領域内(但し、辺AB及び辺CEは含まない)にあり、かつZrを必須とする誘電体磁気組成物。
  7. 酸化ビスマス、酸化亜鉛、酸化ニオブ及び酸化ジルコニアよりなる組成物を、yBi(Zn1/3Nb2/3−zBiZr(ただし、y及びzはモル比を示す。)との組成式(4B)により表し、77≦y<100であり、0<z≦23であり、y+z=100である誘電体磁気組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の誘電体磁気組成物からなる未焼成セラミック基体が焼成されてなるセラミック基体と、前記未焼成セラミック基体の内部及び/又は表面に設けられた未焼成導体層が前記未焼成セラミック基体と同時焼成されてなる導体層とを有することを特徴とするセラミック電子部品。
  9. 前記導体層がAg、Au及びCuから成る群から選択される少なくとも一種の金属である前記請求項8に記載のセラミック電子部品。
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