JP2008137602A - ラグ付きタイヤ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】タイヤ本体2の外周面に間隔をおいて複数のラグ4が千鳥状に形成され、このタイヤ本体2の周方向Yで隣り合うラグ4間にブロック部14が設けられており、周方向Yで隣り合うラグ4の間隔をAとし、ブロック部14の周方向Yの長さをBとしたとき、0.5A≦B≦Aとされている。
【選択図】図1
Description
従来のラグ付きタイヤのラグには、例えば、タイヤ本体の幅方向の一方側に片寄って形成されたラグ(以下、第1ラグという)と、タイヤ本体の幅方向の他方側に片寄って形成されたラグ(以下、第2ラグという)とがある。
従来のラグ付きタイヤは、第1ラグと第2ラグとがタイヤ本体の周方向に沿って交互(千鳥状)に形成されたものとなっている。第1ラグと第2ラグは、その一部がタイヤ本体の周方向でオーバラップして形成されている。
このように、第1ラグと第2ラグの一方で荷重を支持する場合には、タイヤ本体の幅方向の中心から偏った位置で荷重を支持することになり、これによってタイヤ本体が傾いてしまい、これが繰り返されることで走行中にラグ付きタイヤから振動が発生していた。
このような走行中のラグ付きタイヤの振動を低減するには、例えば、第1ラグと第2ラグのオーバラップ量を大きくする等の措置が考えられるが、この場合には、第1ラグと第2ラグの間隔が狭くなってしまい、泥土がラグ間に詰まってラグ付きタイヤの排泥性が低下してしまう。
すなわち、本発明に係るラグ付きタイヤは、タイヤ本体の外周面に間隔をおいて複数のラグが千鳥状に形成され、このタイヤ本体の外周面には周方向で隣り合うラグ間にブロック部が設けられており、前記ブロック部は、タイヤ本体の赤道面を挟んで直近のラグの反対側に設けられ、周方向で隣り合うラグの間隔をAとし、ブロック部の周方向の長さをBとしたとき、0.5A≦B≦Aとされていることを特徴とする。
これによれば、周方向で隣合うラグ間にブロック部を形成し、このブロック部とその直近のラグの反対側に設けることによって、このブロック部とラグとが接地して車体の荷重をバランス良く支持できるようになる。
また、ブロック部の周方向の長さを0.5A≦B≦Aとすることによって、このブロック部は、排泥性が大きく損なわれないような大きさに形成される。
また、本発明に係るラグ付きタイヤは、ブロック部とこのブロック部の直近のラグとが所定の高さの凸部によってつながって形成されており、この凸部の高さをCとし、ラグの高さをDとしたとき、C≦D/2とされていることを特徴とする。
また、本発明に係るラグ付きタイヤは、ブロック部とこのブロック部の直近のラグとの間隔をdとしたとき、A/5≦d≦A/4とされていることを特徴とする。
これによれば、ブロック部を所定の大きさに形成することによって、ラグ付きタイヤは、所望の排泥性を維持できる。
図1〜図3の第1実施形態において、ラグ付きタイヤ1は、例えば農作業車両の車輪として使用されるものである。第1実施形態において、ラグ付きタイヤ1は、側面視円形のタイヤ本体2のトレッド部3に複数のラグ4を突出して形成したものである。複数のラグ4は、タイヤ本体2の周方向(図中に符号Yで示す)に間隔をおいて形成されている。
ここで、「周方向」とは、タイヤ本体2の円周方向をいう。また、この「周方向」は、図1のように平面図で表した場合には、紙面に沿って赤道面EP(タイヤ本体2の幅方向(図中に符号Xで示す)の中心を通るタイヤ本体2の回転軸に直角な面をいう)と平行な直線方向をいう。また、タイヤ本体2の幅方向Xの端部(以下、サイドウォール部5という)から赤道面EPに向かう方向を幅方向内方といい、タイヤ本体2の赤道面EPからタイヤ本体2のサイドウォール部5に向かう方向を幅方向外方という。
タイヤ本体2に形成されたラグ4は、赤道面EPに対して所定の角度で傾斜して形成されている。タイヤ本体2に形成されたラグ4には、このタイヤ本体2の幅方向Xの一方のサイドウォール部5a側に片寄って形成された第1ラグ4aと、他方のサイドウォール部5b側に片寄って形成された第2ラグ4bとがある。
第1ラグ4aと第2ラグ4bは、タイヤ本体2の周方向Yに交互に形成されている。このようにタイヤ本体2の外周面には第1ラグ4aと第2ラグ4bが千鳥状に配列されている。図1に示すように、第1ラグ4aと第2ラグ4bは、その一部同士が周方向Yでオーバラップしている。各ラグ4は、その頂部に平坦状の頂面7を有する。
図2に示すように、各ラグ4(4a、4b)は、所定の高さDで形成されている。ここで、ラグ4の高さとは、このラグ4の基部からラグ4の頂面7までの距離をいう。
第1ラグ4aおよび第2ラグ4bは、その中途部で折れ曲がり状に構成されている。第1ラグ4aおよび第2ラグ4bは、この中途部を境として、赤道面EP寄りに形成された第1傾斜部11と、この第1傾斜部11よりもサイドウォール部5寄りに形成された第2傾斜部12を有する。
各ラグ4(4a、4b)の先端部6には、タイヤ本体2の周方向Yにほぼ沿って形成された直線状の縁部(以下、第1縁部6aという)と、この第1縁部6aに対して所定の角度で傾斜して形成された直線状の縁部(以下、第2縁部6bという)とが形成されている。図1に示すように、各ラグ4(4a、4b)の第2縁部6bは赤道面EPと交差している。
ブロック部14は、タイヤ本体2の周方向Yで隣り合うラグ間(第1ラグ4aと第2ラグ4bの間)に形成されている。
図3に示すように、ブロック部14は所定の高さHで形成されている。ここで、ブロック部14の高さとは、このブロック部14の基部からその頂面14aまでの距離をいう。この実施の形態では、ブロック部14の高さHは、ラグ4の高さDと等しくなっている。
ここで、隣合うラグ4の間隔Aとは、周方向Yで隣り合うラグ4(第1ラグ4a、第2ラグ4b)のうち、一方のラグ4の先端部6と他方のラグ4の先端部6との周方向Yにおける間隔をいう。具体的には、この間隔Aは、一方のラグ4の先端部6の前記第2縁部6bの幅方向外方側の端部(以下、第2縁部6bの外端15という)と、他方のラグ4の先端部6の第1縁部6aの後方側の端部(以下、第1縁部6aの後端16という)との周方向Yにおける距離である。
タイヤ本体2を赤道面EPを挟んで幅方向Xの一方側の部分と他方側の部分とに分けたとき、一方側の部分に直近のラグ4が形成され、他方側の部分にブロック部14が形成されている。
ブロック部14と、このブロック部14の直近のラグ4との間隔をdとしたとき、A/5≦d≦A/4とされているのが望ましい。なお、ブロック部14とその直近のラグ4との間隔dは、平面視において、ブロック部14の頂面14aが赤道面EPに対してなす傾斜角度に沿う方向における、ブロック部14とラグ4との間隔である。
これによって、走行中にタイヤ本体2が傾くことが軽減され、ラグ付きタイヤ1の振動を低減できる。さらに、ラグとブロック部14は所定間隔dで離れて形成されているため、このラグとブロック部14の間から泥土が排出されることになり、ラグ付きタイヤ1は排泥性の良いものになる。
また、凸部17の高さCをラグ4の高さDとの関係において、C≦D/2とすることで、ブロック部14とその直近のラグ4との間の領域の排泥性を維持できる。
図4、図5の第2実施形態では、ラグ4とブロック部14との間の部分の構成が第1実施形態と異なる。第1実施形態では、ブロック部14とこのブロック部14の直近のラグ4との間に凸部17が形成されていたが、第2実施形態では、ブロック部14とラグ4との間にはこの凸部17が形成されていない。
この第2実施形態のように、ラグ4とブロック部14との間の部分に凸部17を形成せず、トレッド部3の表面3aと連続状に形成した場合であっても、ラグ4とブロック部14が同時に接地することによって車体の荷重をバランス良く支持でき、ラグ4とブロック部14との間の泥土の泥詰まりを防止して排泥性を大きく損なわないようになっている。
この走行試験は、ラグ付きタイヤを装着したトラクタをアスファルト舗装路上で直進走行させてその振動の大小を測定した。また、このトラクタを圃場で走行させて排泥性について評価した。
また、走行試験は、トラクタを車速10km/h、15km/h、20km/hで走行させて、振動、排泥性等の測定を行い、測定値の平均値を求めて評価した。
この試験の結果を表1に示す。
表1の「d」はブロック部14とその直近のラグ4との距離を周方向Yで隣り合うラグ4の間隔Aとの比で示している。表1の「B」は、ブロック部14の周方向Yの長さを周方向Yで隣り合うラグ4の間隔Aとの比で示している。また表1の「C」は、凸部17の高さをラグ4の高さDとの比で示している。
また、表1において、「排泥性」は、従来例を圃場で走行させたときにトレッド部3に付着した泥土の量を100として指数化し、これをもとにして各実施例、比較例の場合の泥土の付着具合を同じように指数化した。
なお、表1では、各実施例、比較例、従来例の重量を比較している。この「重量」については、ブロック部14が設けられていない従来例のラグ付きタイヤの重量を100として指数化し、これをもとにして各実施例、比較例を指数化している。この「重量」は、その値が大きければ大きい程、重量が大きくなることを意味する。
表1によれば、比較例1のようにB<0.5Aの場合には、振動低減効果が弱く、好ましくないことがわかった。また、比較例2のように、B>Aの場合には、振動低減効果は認めれるものの、排泥性を大きく損なってしまい、好ましくないことがわかった。
また、本発明に係るラグ付きタイヤ1の実施例1〜6の場合には、従来例と比較して、その排泥性の低下を10%以内に抑制して、排泥性が大きく損なわれないことがわかった。また、比較例4のように、d<A/5(0.2A)の場合には、排泥性を大きく損なってしまい、好ましくないことがわかった。
例えば、上記の実施の形態では、ラグ4が中途部で折れ曲がり状のものを例示したが、ラグ4の形状はこれに限らず中途部で折れ曲がり状とされずに直線状とされたもの、湾曲形状とされたもの等、他の種々の形状のものを採用できる。
2 タイヤ本体
3 トレッド部3
4 ラグ
14 ブロック部
17 凸部
Claims (3)
- タイヤ本体の外周面に間隔をおいて複数のラグが千鳥状に形成され、
このタイヤ本体の外周面には周方向で隣り合うラグ間にブロック部が設けられており、
前記ブロック部は、タイヤ本体の赤道面を挟んで直近のラグの反対側に設けられ、
周方向で隣り合うラグの間隔をAとし、ブロック部の周方向の長さをBとしたとき、
0.5A≦B≦Aとされていることを特徴とするラグ付きタイヤ。 - ブロック部とこのブロック部の直近のラグとは所定の高さの凸部によってつながって形成されており、この凸部の高さをCとし、ラグの高さをDとしたとき、
C≦D/2とされていることを特徴とする請求項1に記載のラグ付きタイヤ。 - ブロック部とこのブロック部の直近のラグとの間隔をdとしたとき、
A/5≦d≦A/4とされていることを特徴とする請求項1または2に記載のラグ付きタイヤ。
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