JP4912130B2 - ラグ付きタイヤ - Google Patents
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Description
従来のラグ付きタイヤのラグには、例えば、タイヤ本体の幅方向の一方側に片寄って形成されたラグ(以下、第1ラグという)と、タイヤ本体の幅方向の他方側に片寄って形成されたラグ(以下、第2ラグという)とがある。
このように、第1ラグと第2ラグの一方で荷重を支持する場合には、タイヤ本体の幅方向の中心から偏った位置で荷重を支持することになり、これによってタイヤ本体が傾いてしまい、これが繰り返されることで走行中にラグ付きタイヤから振動が発生していた。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、走行中の振動を低減でき、かつ排泥性が大きく損なわれないようにしたラグ付きタイヤを提供することを目的とする。
すなわち、本発明に係るラグ付きタイヤは、タイヤ本体の両端縁からそれぞれ幅方向の内方に向け赤道面を超えて延び周方向について前記幅方向で交互に千鳥状に配された、前記タイヤ本体から突出する複数のラグと、前記幅方向の一方の前記ラグにおける前記赤道面を超えた内方の先端と当該ラグに隣り合う前記幅方向の他方の前記ラグにおける前記赤道面を超えた内方の先端との間に配されて当該ラグとハの字を形成するように前記幅方向に対し傾斜して帯状に延びた、前記タイヤ本体から突出するブロック部と、を有し、前記ラグの頂面における前記内方の先端部は、いずれも前記タイヤの端縁から前記幅方向の内方に延びる前記頂面の両側の端縁に角度を有して接続する、平面視において前記周方向にほぼ沿った直線状の第1縁部と、平面視において前記第1縁部に角度を有して接続し前記赤道面に交差して延びる直線状の第2縁部と、で形成され、いずれも前記タイヤの端縁から前記幅方向の内方に延びる前記頂面の両側の端縁の互いに異なる一方に角度を有して接続する、平面視において前記周方向にほぼ沿った直線状の第1縁部と、平面視において前記第1縁部に角度を有して接続し前記赤道面に交差して延びる直線状の第2縁部と、で形成され、前記ラグの前記第1縁部における前記第2縁部に接続されない側の端と当該ラグに千鳥状に隣り合う他の前記ラグの前記第2縁部における前記第1縁部に接続されない側の端との前記周方向における距離をAとし、前記ブロック部の周方向の長さをBとしたとき、0.5A≦B≦Aとされていることを特徴とする。
これによって、ラグ付きタイヤの走行中の振動を低減できる。また、ブロック部はラグから所定間隔離れているため、ラグとブロック部との間の泥詰まりは少なく、したがって、ラグ付きタイヤの排泥性は大きく損なわれることはない。
また、本発明に係るラグ付きタイヤは、前記ブロック部は、共にハの字を形成する前記ラグにその高さよりも低い高さの帯状の凸部によってつながっており、この凸部の高さをCとし、ラグの高さをDとしたとき、C≦D/2とされていることを特徴とする。
また、本発明に係るラグ付きタイヤは、前記ブロック部が帯状に延びた方向における、共にハの字を形成する前記ラグと当該ブロック部との間隔をdとしたとき、A/5≦d≦A/4とされていることを特徴とする。
図1〜図3の第1実施形態において、ラグ付きタイヤ1は、例えば農作業車両の車輪として使用されるものである。第1実施形態において、ラグ付きタイヤ1は、側面視円形のタイヤ本体2のトレッド部3に複数のラグ4を突出して形成したものである。複数のラグ4は、タイヤ本体2の周方向(図中に符号Yで示す)に間隔をおいて形成されている。
タイヤ本体2に形成されたラグ4は、赤道面EPに対して所定の角度で傾斜して形成されている。タイヤ本体2に形成されたラグ4には、このタイヤ本体2の幅方向Xの一方のサイドウォール部5a側に片寄って形成された第1ラグ4aと、他方のサイドウォール部5b側に片寄って形成された第2ラグ4bとがある。
第1ラグ4aと第2ラグ4bは、タイヤ本体2の周方向Yに交互に形成されている。このようにタイヤ本体2の外周面には第1ラグ4aと第2ラグ4bが千鳥状に配列されている。図1に示すように、第1ラグ4aと第2ラグ4bは、その一部同士が周方向Yでオーバラップしている。各ラグ4は、その頂部に平坦状の頂面7を有する。
図2に示すように、各ラグ4(4a、4b)は、所定の高さDで形成されている。ここで、ラグ4の高さとは、このラグ4の基部からラグ4の頂面7までの距離をいう。
第1傾斜部11および第2傾斜部12は、平面視において、赤道面EPに対して所定の角度で傾斜している。赤道面EPに対する第1傾斜部11の傾斜角度は、赤道面EPに対する第2傾斜部12の傾斜角度よりも小さくされている。
ブロック部14は、タイヤ本体2の周方向Yで隣り合うラグ間(第1ラグ4aと第2ラグ4bの間)に形成されている。
タイヤ本体2の外周面において周方向Yで隣り合うラグ4(第1ラグ4aと第2ラグ4b)の間隔をAとし、ブロック部14の周方向Yの長さをBとしたとき、0.5A≦B≦Aとされているのが望ましい。
ブロック部14とこのブロック部14の直近のラグ4とは所定の高さの凸部17によってつながって形成されている。この凸部17の高さをCとしたとき、ラグ4の高さDとの関係は、C≦D/2とされているのが望ましい。
このような構成のラグ付きタイヤ1によれば、タイヤ本体2の周方向Yで隣り合うラグ4間(第1ラグ4aと第2ラグ4bの間)にブロック部14を形成することによって、走行中に、オーバラップしていないラグ4の部分と、ブロック部14がほぼ同時に接地するようになり、このときに車体の荷重をバランス良く支持できるようになる。
そして、ブロック部14とその直近のラグ4との間隔dをA/5≦d≦A/4とすることによって、ブロック部14は、排泥性を大きく損なわないように、ラグ4から離れて形成されることになる。
図4、図5の第2実施形態では、ラグ4とブロック部14との間の部分の構成が第1実施形態と異なる。第1実施形態では、ブロック部14とこのブロック部14の直近のラグ4との間に凸部17が形成されていたが、第2実施形態では、ブロック部14とラグ4との間にはこの凸部17が形成されていない。
この第2実施形態のように、ラグ4とブロック部14との間の部分に凸部17を形成せず、トレッド部3の表面3aと連続状に形成した場合であっても、ラグ4とブロック部14が同時に接地することによって車体の荷重をバランス良く支持でき、ラグ4とブロック部14との間の泥土の泥詰まりを防止して排泥性を大きく損なわないようになっている。
この走行試験は、ラグ付きタイヤを装着したトラクタをアスファルト舗装路上で直進走行させてその振動の大小を測定した。また、このトラクタを圃場で走行させて排泥性について評価した。
この走行試験では、トラクタのステップ上に加速度測定器を設け、走行中の上下加速度を測定することにより、振動の大小を評価した。
この試験の結果を表1に示す。
この表1において、従来例の加速度の測定値を100として指数化し、これをもとにして実施例、比較例の値を指数化し、これらの数値を比較するようにした。ラグ付きタイヤ1の走行中の振動については、この加速度の値が大きければ大きい程、振動が低減されることを意味する。
この「排泥性」は、その値が100よりも小さければ小さい程、トレッド部3に泥土が多く付着し、泥詰まりしやすいことを意味する。
表1によれば、比較例1のようにB<0.5Aの場合には、振動低減効果が弱く、好ましくないことがわかった。また、比較例2のように、B>Aの場合には、振動低減効果は認められるものの、排泥性を大きく損なってしまい、好ましくないことがわかった。
なお、本発明は上記の実施の形態に限らず、以下のように種々の変形・変更が可能である。
2 タイヤ本体
3 トレッド部3
4 ラグ
6a 第1縁部
6b 第2縁部
14 ブロック部
15 外端(第2縁部における第1縁部に接続されない側の端)
16 後端(第1縁部における第2縁部に接続されない側の端)
17 凸部
Claims (3)
- タイヤ本体の両端縁からそれぞれ幅方向の内方に向け赤道面を超えて延び周方向について前記幅方向で交互に千鳥状に配された、前記タイヤ本体から突出する複数のラグと、
前記幅方向の一方の前記ラグにおける前記赤道面を超えた内方の先端と当該ラグに隣り合う前記幅方向の他方の前記ラグにおける前記赤道面を超えた内方の先端との間に配されて当該ラグとハの字を形成するように前記幅方向に対し傾斜して帯状に延びた、前記タイヤ本体から突出するブロック部と、を有し、
前記ラグの頂面における前記内方の先端部は、
いずれも前記タイヤの端縁から前記幅方向の内方に延びる前記頂面の両側の端縁の互いに異なる一方に角度を有して接続する、
平面視において前記周方向にほぼ沿った直線状の第1縁部と、
平面視において前記第1縁部に角度を有して接続し前記赤道面に交差して延びる直線状の第2縁部と、で形成され、
前記ラグの前記第1縁部における前記第2縁部に接続されない側の端と当該ラグに千鳥状に隣り合う他の前記ラグの前記第2縁部における前記第1縁部に接続されない側の端との前記周方向における距離をAとし、前記ブロック部の周方向の長さをBとしたとき、
0.5A≦B≦Aとされている
ことを特徴とするラグ付きタイヤ。 - 前記ブロック部は、共にハの字を形成する前記ラグにその高さよりも低い高さの帯状の凸部によってつながっており、
この凸部の高さをCとし、ラグの高さをDとしたとき、
C≦D/2とされている
ことを特徴とする請求項1に記載のラグ付きタイヤ。 - 前記ブロック部が帯状に延びた方向における、共にハの字を形成する前記ラグと当該ブロック部との間隔をdとしたとき、
A/5≦d≦A/4とされている
ことを特徴とする請求項1または2に記載のラグ付きタイヤ。
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