JP2008137576A - 車両用ニープロテクタ構造 - Google Patents

車両用ニープロテクタ構造 Download PDF

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Abstract

【課題】体格対応機能の完成度をより高め得るようにする。
【解決手段】膝受プレート3を、アッパブラケット7間に架設されて、主に平均的な体格の乗員の膝(膝周辺部10a)を受けて膝入力をアッパブラケット7へ伝えるアッパプレート21と、ロワブラケット8間に架設されて、主に小柄な乗員の膝(膝周辺部10b)を受けて膝入力をロワブラケット8へ伝えるロワプレート22とに分離すると共に、アッパプレート21とロワプレート22とを上下に配設し、アッパプレート21とロワプレート22との間に、主にアッパプレート21で乗員の膝(膝周辺部10a)を受けた場合に、アッパプレート21とロワプレート22とを一体化して機能させると共に、ロワプレート22のみで乗員の膝(膝周辺部10b)を受けた場合に、ロワプレート22をアッパプレート21から切離して単独で機能させ得るようにする切離可能連結部23を設けるようにしている。
【選択図】図2

Description

この発明は、車両用ニープロテクタ構造に関するものである。
自動車などの車両には、車室内の前部にインストルメントパネルが設けられている。
このようなインストルメントパネルの部分に対して、緊急時に乗員の膝を保護し得るようにするために、ニープロテクタを設けることが検討されている(特許文献1参照)。
このようなニープロテクタは、例えば、図7に示すように、ほぼ車幅方向へ延びる車体強度部材1に、乗員の膝入力(エネルギー)を吸収可能な左右一対のニープロテクト用ブラケット2を取付け、左右一対のニープロテクト用ブラケット2間に、乗員の膝を受けて膝入力をニープロテクト用ブラケット2へ伝える膝受プレート3を架設したものである。
ここで、ニープロテクト用ブラケット2は、メインブラケット4と、このメインブラケット4を補強する補強ブラケット5とを有している。これらメインブラケット4や補強ブラケット5には、所要の受反力を発生し得るようにするために補強ビードなどが適宜設けられる。また、膝受プレート3は、通常、プレス成形された鉄板によって構成されている。膝受プレート3には、所要の強度や剛性を持たせるために補強ビードなどが適宜設けられる。更に、運転席側に設けられる場合、膝受プレート3の中間部には、ステアリングコラムを迂回するアーチ状湾曲部が設けられる。このアーチ状湾曲部も、強度や剛性のアップに大きく寄与するものである。
このような構成によれば、緊急時に乗員の膝がインストルメントパネルへ向けて移動した場合に、インストルメントパネルの内部に設けられた膝受プレート3が乗員の膝を受け、膝受プレート3がニープロテクト用ブラケット2へ膝入力(エネルギー)を伝え、ニープロテクト用ブラケット2が潰れることにより、乗員の膝入力を吸収して、乗員の膝を保護する。
しかし、このニープロテクタは、乗員の膝入力エネルギーをその体格に応じて最適に吸収し得る機能・構造を備えていないという問題があり、このような体格対応機能を可能にするため、以下のようなものが開発されている。
即ち、図8に示すように、各ニープロテクト用ブラケット2を、主に平均的な体格の乗員の膝入力を吸収可能なアッパブラケット7と、主に小柄な乗員の膝入力を吸収可能なロワブラケット8とに機能・構造分化させて、それぞれを別個に備えるようにする。
そして、アッパブラケット7とロワブラケット8とを上下に配設して、アッパブラケット7の後端部7aとロワブラケット8の後端部8aとの間に、所要の間隔9を形成する。そして、アッパブラケット7の後端部7aとロワブラケット8の後端部8aとを、膝受プレート3の側部の上部と下部とにそれぞれ連結させるようにする。なお、アッパブラケット7とロワブラケット8とには、それぞれ、屈曲予定部7b,8bなどが適宜設定される。
このような構成とすることにより、平均的体格の乗員の場合には、図9に示すように、その膝10(膝周辺部10a)は膝受プレート3の高い位置へ進入するため、主にアッパブラケット7が潰され、付随的にロワブラケット8も潰されることとなるので、大きな受反力が発生されて、平均的体格の乗員による比較的大きな膝入力を最適に吸収する。
反対に、小柄な乗員の場合には、図10に示すように、その膝10(膝周辺部10b)は膝受プレート3の低い位置へ進入するため、主にロワブラケット8が潰されることとなるので、小さな受反力が発生されて、小柄な乗員による比較的小さな膝入力を最適に吸収する。
このように、ニープロテクト用ブラケット2をロワブラケット8とアッパブラケット7とに分けて、状況によって両者が使い分けられるようにすることにより、発生される受反力を体格に応じて最適化することができる。即ち、体格対応機能を実現することが可能となる。
特開平10−169687号公報
しかしながら、上記車両用ニープロテクタ構造には、体格対応機能の完成度をより高めたいという目標があり、そのためには、平均的体格の乗員の膝入力に対する受反力にほとんど影響を与えることなく、小柄な乗員の膝入力に対する受反力をより小さくする必要がある。
例えば、図10の場合、膝受プレート3を介してアッパブラケット7に引張力などが作用されると、その分、受反力が設定よりも大きくなってしまうおそれがある。
このようなことを防止するために、図11に示すように、膝受プレート3の両側上部11などに脆弱部(図示せず)を設けて、小柄な乗員の膝入力に対して膝受プレート3を若干変形させ、アッパブラケット7に引張力などが作用されないようにすることが検討されたが、このようにすると、図12の受反力(F)と潰れストローク(S)との関係を表すグラフに示すように、理想波形12(破線)と比べて実際の波形13(実線)に、脆弱部を設けたことを原因とする、受反力発生タイミングの立上がり遅れ14が発生し、その分だけ、吸収できるエネルギーに損失(理想波形12と実際の波形13とで囲まれた部分の面積15)が生じてしまう。
また、脆弱部によって膝受プレート3の強度が低下し、膝受プレート3が変形されるようになると、ニープロテクト用ブラケット2に捩れモーメントが作用されることとなるため、図11に示すように、乗員の膝10を、ニープロテクト用ブラケット2の位置で受けた場合(矢印12)と、それ以外の位置で受けた場合(例えば、矢印13)とで、ニープロテクト用ブラケット2の潰れモードが変化して性能にバラ付きが生じることも考えられる。
そこで、この立上がり遅れ14を改善するために、脆弱部を有する膝受プレート3の強度や剛性を上げることが考えられたが、このようにすると、図13に示すように、小柄な乗員の膝入力に対するニープロテクト用ブラケット2の潰れモードが、図8と似たようなものになってしまうため、あまり有効ではない。
上記課題を解決するために、請求項1に記載された発明では、ほぼ車幅方向へ延びる車体強度部材に、左右一対のニープロテクト用ブラケットを取付け、該ニープロテクト用ブラケットが、主に平均的な体格の乗員の膝入力を吸収可能なアッパブラケットと、主に小柄な乗員の膝入力を吸収可能なロワブラケットとを上下に備え、左右一対のニープロテクト用ブラケット間に、乗員の膝を受けて膝入力をニープロテクト用ブラケットへ伝える膝受プレートを架設した車両用ニープロテクタ構造において、前記膝受プレートを、前記アッパブラケット間に架設されて、主に平均的な体格の乗員の膝を受けて膝入力をアッパブラケットへ伝えるアッパプレートと、前記ロワブラケット間に架設されて、主に小柄な乗員の膝を受けて膝入力をロワブラケットへ伝えるロワプレートとに分離すると共に、アッパプレートとロワプレートとを上下に配設し、前記アッパプレートとロワプレートとの間に、主にアッパプレートで乗員の膝を受けた場合に、アッパプレートとロワプレートとを一体化して機能させると共に、ロワプレートのみで乗員の膝を受けた場合に、ロワプレートをアッパプレートから切離して単独で機能させ得るようにする切離可能連結部を設けたことを特徴としている。
請求項2に記載された発明では、前記アッパプレートの下縁部と、前記ロワプレートとの上縁部との間に、隙間部が形成されると共に、前記切離可能連結部が、前記隙間部に設けられた樹脂連結部であることを特徴としている。
請求項3に記載された発明では、前記アッパプレートの下縁部と、前記ロワプレートとの上縁部の間に、それぞれ重複代が形成されると共に、前記切離可能連結部が、ロワプレートの重複代を前側に配置し、アッパプレートの重複代を後側に配置して、両重複代を車両前後方向に対し係止させて成る当接係止部であることを特徴としている。
請求項4に記載された発明では、ロワプレートの重複代に貫通穴を形成すると共に、アッパプレートの重複代の対応する位置にほぼ前方へ延びる突起部を形成し、該突起部を貫通穴へ挿通させて補助連結部を構成したことを特徴としている。
請求項1の発明によれば、前記膝受プレートを、前記アッパブラケット間に架設されて、主に平均的な体格の乗員の膝を受けて膝入力をアッパブラケットへ伝えるアッパプレートと、前記ロワブラケット間に架設されて、主に小柄な乗員の膝を受けて膝入力をロワブラケットへ伝えるロワプレートとに分離すると共に、アッパプレートとロワプレートとを上下に配設し、前記アッパプレートとロワプレートとの間に、主にアッパプレートで乗員の膝を受けた場合に、アッパプレートとロワプレートとを一体化して機能させると共に、ロワプレートのみで乗員の膝を受けた場合に、ロワプレートをアッパプレートから切離して単独で機能させ得るようにする切離可能連結部を設けたことにより、以下のような作用効果を得ることができる。
即ち、平均的体格の乗員の膝を主にアッパプレートで受けたような場合には、切離可能連結部が、アッパプレートとロワプレートとを一体化して機能させることにより、アッパブラケットとロワブラケットとに膝入力が伝えられて、主にアッパブラケットが潰れ、付随的にロワブラケットが潰れることにより、比較的大きな受反力で平均的体格の乗員による膝入力を吸収して、平均的体格の乗員の膝を保護する。一方、小柄な乗員の膝をロワプレートのみで受けたような場合には、切離可能連結部が、ロワプレートをアッパプレートから切離して単独で機能させ、ほぼロワブラケットのみに膝入力が伝えられて、ロワブラケットが潰れることにより、比較的小さな受反力で小柄な乗員による膝入力を吸収して、小柄な乗員の膝を保護する。
よって、アッパブラケットとロワブラケットとをより高度に使い分けることが可能となり、平均的体格の乗員の膝入力に対する受反力にほとんど影響を与えることなく、小柄な乗員の膝入力に対する受反力をより小さくすることができるようになるため、体格対応機能の完成度をより高めることが可能となる。
そして、膝受プレートをアッパプレートとロワプレートとに分離して別個に設けることにより、それぞれに対して最適且つ充分な強度や剛性を持たせることが可能となる。これにより、膝受プレートに脆弱部を設ける必要がなくなるので、受反力発生タイミングの立上がりが早くなって、吸収できるエネルギーの損失量を減少することができるようになる。
また、アッパプレートとロワプレートとにそれぞれ最適且つ充分な強度や剛性を持たせることにより、ニープロテクト用ブラケットに捩れモーメントが作用され難くなるため、乗員の膝を受ける位置にバラ付きがあっても、最短の潰れモードで膝入力の吸収を完了させることが可能となり、性能のバラ付きを小さくすることができる。
更に、膝受プレートをアッパプレートとロワプレートとに分離することにより、それぞれに対する要求性能の切離しが可能となり、設計が容易化すると共に、設計自由度が向上する。例えば、アッパプレートとロワプレートとの材質や板厚や形状・構造などをそれぞれ変えることなどにより、仕向地ごとに異なる仕様を容易に満足させることができる。また、アッパプレートやロワプレート自体に膝入力に対する吸収性能を持たせるように工夫して性能向上を図ることなども可能となる。
請求項2の発明によれば、前記アッパプレートの下縁部と、前記ロワプレートとの上縁部との間に、隙間部が形成されると共に、前記切離可能連結部が、前記隙間部に設けられた樹脂連結部であることにより、以下のような作用効果を得ることができる。
即ち、主にアッパプレートで乗員の膝を受けた場合には、ほぼ同じタイミングでロワプレートが乗員の脛を受けることとなるため、間に位置する樹脂連結部には偏荷重が作用されないので、樹脂連結部が特に破断される(切離される)ことはない。これにより、アッパプレートとロワプレートとを一体化して機能させることが可能となる。一方、ロワプレートのみで乗員の膝を受けた場合には、樹脂連結部に偏荷重が作用されるので、この偏荷重によって樹脂連結部が破断される(切離される)ように設定しておくことにより、ロワプレートをアッパプレートから切離して単独で機能させることが可能となる。
請求項3の発明によれば、前記アッパプレートの下縁部と、前記ロワプレートとの上縁部の間に、それぞれ重複代が形成されると共に、前記切離可能連結部が、ロワプレートの重複代を前側に配置し、アッパプレートの重複代を後側に配置して、両重複代を車両前後方向に対し係止させて当接係止部を構成したことにより、以下のような作用効果を得ることができる。
即ち、主にアッパプレートで乗員の膝を受けた場合には、アッパプレートの重複代が後側に配置されていることにより、当接係止部が外れないため、アッパプレートとロワプレートとを一体化して機能させることが可能となる。一方、ロワプレートのみで乗員の膝を受けた場合には、ロワプレートの重複代が前側に配置されていることにより、当接係止部が外れるため、ロワプレートをアッパプレートから切離して単独で機能させることが可能となる。
請求項4の発明によれば、ロワプレートの重複代に貫通穴を形成すると共に、アッパプレートの重複代の対応する位置にほぼ前方へ延びる突起部を形成し、該突起部を貫通穴へ挿通させて補助連結部を構成したことにより、以下のような作用効果を得ることができる。
即ち、補助連結部がアッパプレートとロワプレートとを仮保持状態に保つので、組付時などにおける膝受プレートの取扱いが容易になると共に、作動前に当接係止部が外れてしまうのを確実に防止することができる。また、主にアッパプレートで乗員の膝を受けた場合に、補助連結部がロワプレートの切離しを防止することで、より確実にアッパプレートとロワプレートとを一体化して機能させることが可能となる。一方、ロワプレートのみで乗員の膝を受けた場合に、補助連結部がロワプレートの切離しをガイドすることで、より確実にロワプレートをアッパプレートから切離して単独で機能させることが可能となる。
以下、本発明を具体化した実施例について、図示例と共に説明する。
以下、本発明を具体化した実施例について、図示例と共に説明する。
図1〜図4は、この発明の実施例、図5および図6はその変形例を示すものである。
まず、構成について説明する。
自動車などの車両には、車室内の前部にインストルメントパネルが設けられている。このようなインストルメントパネルの部分に対して、緊急時に乗員の膝を保護し得るようにするために、ニープロテクタを設ける。
このニープロテクタは、ほぼ車幅方向へ延びる車体強度部材1に、乗員の膝入力(エネルギー)を吸収可能な左右一対のニープロテクト用ブラケット2を取付け、左右一対のニープロテクト用ブラケット2間に、乗員の膝10を受けて膝入力をニープロテクト用ブラケット2へ伝える膝受プレート3を架設したものである。
ここで、車体強度部材1は、左右の車体パネル間を連結するものであり、この車体強度部材1は、例えば、クロスカービームや、ステアリングコラムを支持することによりステアリングサポートメンバなどと呼ばれている。膝受プレート3は、プレス加工された金属板で構成されている。車体強度部材1には、直線的なものや、屈曲したものなどが存在する。
このようなニープロテクタに対し、乗員の膝入力エネルギーをその体格に応じて最適に吸収し得るようにする体格対応機能を持たせるようにする。
即ち、各ニープロテクト用ブラケット2を、主に平均的な体格の乗員の膝入力を吸収可能なアッパブラケット7と、主に小柄な乗員の膝入力を吸収可能なロワブラケット8とに機能・構造分化させて、それぞれを別個に備えるようにする。
ここで、ロワブラケット8は、車体強度部材1からほぼ下方へ向けて延びるロワブラケット本体部と、このロワブラケット本体部の下端部からほぼ車体後方で且つ斜め上方へ向けて跳ね上げるように延びる膝受部と、両者間にできる屈曲部とを備えることにより、側面視、ほぼ「レ」字状または「し」字状を呈している。ロワブラケット8は、その前端部を車体強度部材1に固定されている。即ち、ロワブラケット本体部の上端部が、車体強度部材1の下半部に対する溶接部などとされている。なお、ロワブラケット本体部は、比較的強度が大きくなり、膝受部および屈曲部は、比較的強度が小さくなるように設定されている。また、膝受部の傾斜は、インストルメントパネルの下部形状にほぼ合わせて設定されている。
また、アッパブラケット7は、ロワブラケット本体部の上側の位置からほぼ車体後方へ向けて延設されている。このアッパブラケット7は、中間部分に屈曲部を有する側面視、ほぼ「へ」字状を呈している。アッパブラケット7は、その前端部をロワブラケット本体部の上端部近傍に溶接固定されている。
そして、アッパブラケット7とロワブラケット8とを上下に配設して、アッパブラケット7の後端部7aとロワブラケット8の後端部8a(膝受部の端部)との間に、所要の間隔9を形成する。そして、アッパブラケット7の後端部7aとロワブラケット8の後端部8aとを、膝受プレート3の側部の上部と下部とにそれぞれ連結させるようにする。なお、アッパブラケット7とロワブラケット8とには、それぞれ、屈曲予定部7b,8bなどが適宜設定される。この屈曲予定部7b,8bは、主に上記した屈曲部などに設けられている。
以上は、上記従来例の構成とほぼ同様である。
そして、この実施例では、膝受プレート3を、アッパブラケット7間に架設されて、主に平均的な体格の乗員の膝(膝周辺部10a)を受けて膝入力をアッパブラケット7へ伝えるアッパプレート21と、ロワブラケット8間に架設されて、主に小柄な乗員の膝(膝周辺部10b)を受けて膝入力をロワブラケット8へ伝えるロワプレート22とに分離する。そして、アッパプレート21とロワプレート22とを上下に配設する。
更に、アッパプレート21とロワプレート22との間に、主にアッパプレート21で乗員の膝10を受けた場合に、アッパプレート21とロワプレート22とを一体化して機能させると共に、ロワプレート22のみで乗員の膝10を受けた場合に、ロワプレート22をアッパプレート21から切離して単独で機能させ得るようにする切離可能連結部23を設ける。
そして、例えば、図1〜図4に示すように、アッパプレート21の下縁部と、ロワプレート22との上縁部との間に、所要の隙間部25を形成し、切離可能連結部23として、隙間部25に、樹脂連結部26を設けるようにすることができる。なお、所要の隙間部25とは、アッパプレート21とロワプレート22とを独立して機能させ得る程度の隙間のことである。
ここで、この樹脂連結部26は、少なくとも、隙間部25にてアッパプレート21の下縁部とロワプレート22との上縁部との間を連結するように設けられる。或いは、アッパプレート21とロワプレート22との周縁部を包囲する樹脂製の枠体を設けて、この樹脂製の枠体に樹脂連結部26を一体に設けるようにしても良い。更に、アッパプレート21とロワプレート22との全体を被覆する樹脂製の被覆部を設けて、樹脂連結部26をこの樹脂製の被覆部の一部として形成しても良い。これらの樹脂連結部26や樹脂製の枠体や樹脂製の被覆部は、インサート成形などによってアッパプレート21とロワプレート22と一体に形成される。樹脂連結部26には、必要な時に確実に切離しなが行われるようにするために、切離予定線26aなどの脆弱部を設けるようにしても良い。
また、図5に示すように、アッパプレート21の下縁部と、ロワプレート22との上縁部の間に、それぞれ重複代28,29を形成し、切離可能連結部23として、ロワプレート22の重複代29を前側に配置し、アッパプレート21の重複代28を後側に配置して、両重複代28,29を車両前後方向に対し係止させて成る当接係止部30を設けるようにしても良い。この場合、重複代29は、アッパプレート21とロワプレート22との全幅に亘って上下に重複されるものとしている。
或いは、図6に示すように、図5の当接係止部30と同様の構成において、ロワプレート22の重複代29に貫通穴32を形成すると共に、アッパプレート21の重複代28の対応する位置にほぼ前方へ延びる突起部33を形成し、突起部33を貫通穴32へ挿通させて補助連結部34を構成するようにしても良い。補助連結部34は、重複代29に対し、少なくとも車幅方向の両端部に設けられる。補助連結部34は、重複代29の車幅方向の中間部などにも設けることができる。また、突起部33は、この場合、アッパプレート21の重複代28の裏面側からほぼ面直に突設されている。
次に、この実施例の作用について説明する。
緊急時に乗員の膝10がインストルメントパネルへ向けて移動した場合に、インストルメントパネルの内部に設けられた膝受プレート3が乗員の膝10を受け、膝受プレート3がニープロテクト用ブラケット2へ膝入力(エネルギー)を伝え、ニープロテクト用ブラケット2が潰れることにより、乗員の膝入力を吸収して、乗員の膝10を保護する。
この際、図3に示すように、平均的体格の乗員の膝10を主にアッパプレート21で受けたような場合には、切離可能連結部23が、アッパプレート21とロワプレート22とを一体化して機能させることにより、アッパブラケット7とロワブラケット8とに膝入力が伝えられて、主にアッパブラケット7が潰れ、付随的にロワブラケット8が潰れることにより、比較的大きな受反力で平均的体格の乗員による膝入力を吸収して、平均的体格の乗員の膝10を保護する。
一方、図4に示すように、小柄な乗員の膝(膝周辺部10b)をロワプレート22のみで受けたような場合には、切離可能連結部23が、ロワプレート22をアッパプレート21から切離して単独で機能させ、ほぼロワブラケット8のみに膝入力が伝えられて、ロワブラケット8が潰れることにより、比較的小さな受反力で小柄な乗員による膝入力を吸収して、小柄な乗員の膝(膝周辺部10b)を保護する。この際、小柄な乗員の膝(膝周辺部10b)がアッパプレート21の下端部をこすることも考えられるが、アッパプレート21は、アッパブラケット7の後端部7aを中心として回動するように逃げるので、受反力にほとんど影響はない。
よって、アッパブラケット7とロワブラケット8とをより高度に使い分けることが可能となり、平均的体格の乗員の膝入力に対する受反力にほとんど影響を与えることなく、小柄な乗員の膝入力に対する受反力をより小さくすることができるようになるため、体格対応機能の完成度をより高めることが可能となる。
そして、膝受プレート3をアッパプレート21とロワプレート22とに分離して別個に設けることにより、それぞれに対して最適且つ充分な強度や剛性を持たせることが可能となる。これにより、膝受プレート3に脆弱部を設ける必要がなくなるので、受反力発生タイミングの立上がりが早くなって、吸収できるエネルギーの損失量を減少することができるようになる。
また、アッパプレート21とロワプレート22とにそれぞれ最適且つ充分な強度や剛性を持たせることにより、ニープロテクト用ブラケット2に捩れモーメントが作用され難くなるため、乗員の膝10を受ける位置にバラ付きがあっても、最短の潰れモードで膝入力の吸収を完了させることが可能となり、性能のバラ付きを小さくすることができる。
更に、膝受プレート3をアッパプレート21とロワプレート22とに分離することにより、それぞれに対する要求性能の切離しが可能となり、設計が容易化すると共に、設計自由度が向上する。例えば、アッパプレート21とロワプレート22との材質や板厚や形状・構造などをそれぞれ変えることなどにより、仕向地ごとに異なる仕様を容易に満足させることができる。また、アッパプレート21やロワプレート22自体に膝入力に対する吸収性能を持たせるように工夫して性能向上を図ることなども可能となる。
そして、図1〜図4に示すように、アッパプレート21の下縁部と、ロワプレート22との上縁部との間に、隙間部25が形成されると共に、切離可能連結部23が、隙間部25に設けられた樹脂連結部26であることにより、以下のような作用効果を得ることができる。
即ち、主にアッパプレート21で乗員の膝10を受けた場合には、ほぼ同じタイミングでロワプレート22が乗員の脛を受けることとなるため、間に位置する樹脂連結部26には偏荷重が作用されないので、樹脂連結部26が特に破断される(切離される)ことはない。これにより、アッパプレート21とロワプレート22とを一体化して機能させることが可能となる。一方、ロワプレート22のみで乗員の膝10を受けた場合には、樹脂連結部26に偏荷重が作用されるので、この偏荷重によって樹脂連結部26が破断される(切離される)ように設定しておくことにより、ロワプレート22をアッパプレート21から切離して単独で機能させることが可能となる。
また、図5に示すように、アッパプレート21の下縁部と、ロワプレート22との上縁部の間に、それぞれ重複代28,29が形成されると共に、切離可能連結部23が、ロワプレート22の重複代29を前側に配置し、アッパプレート21の重複代28を後側に配置して、両重複代28,29を車両前後方向に対し係止させて成る当接係止部30であることにより、以下のような作用効果を得ることができる。
即ち、主にアッパプレート21で乗員の膝10を受けた場合には、アッパプレート21の重複代28が後側に配置されていることにより、当接係止部30が外れないため、アッパプレート21とロワプレート22とを一体化して機能させることが可能となる。一方、ロワプレート22のみで乗員の膝10を受けた場合には、ロワプレート22の重複代29が前側に配置されていることにより、当接係止部30が外れるため、ロワプレート22をアッパプレート21から切離して単独で機能させることが可能となる。
更に、図6に示すように、ロワプレート22の重複代29に貫通穴32を形成すると共に、アッパプレート21の重複代28の対応する位置にほぼ前方へ延びる突起部33を形成し、突起部33を貫通穴32へ挿通させて補助連結部34を構成したことにより、以下のような作用効果を得ることができる。
即ち、補助連結部34がアッパプレート21とロワプレート22とを仮保持状態に保つので、組付時などにおける膝受プレート3の取扱いが容易になると共に、作動前に当接係止部30が外れてしまうのを確実に防止することができる。また、主にアッパプレート21で乗員の膝10を受けた場合に、補助連結部34がロワプレート22の切離しを防止することで、より確実にアッパプレート21とロワプレート22とを一体化して機能させることが可能となる。一方、ロワプレート22のみで乗員の膝10を受けた場合に、補助連結部34がロワプレート22の切離しをガイドすることで、より確実にロワプレート22をアッパプレート21から切離して単独で機能させることが可能となる。
以上、この発明の実施例を図面により詳述してきたが、実施例はこの発明の例示にしか過ぎないものであるため、この発明は実施例の構成にのみ限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれることは勿論である。例えば、各実施例に複数の構成が含まれている場合には、これらの構成の可能な組合せが含まれることは勿論である。また、複数の実施例や変形例が示されている場合には、これらに跨がった構成の組合せのうちの可能なものが含まれることは勿論である。
本発明の実施例にかかる車両用ニープロテクタ構造の側面図である。 図1の車両用ニープロテクタ構造を車両後方から見た図である。 平均的体格の乗員の膝を受けた場合の図1の作動図である。 小柄な乗員の膝を受けた場合の図1の作動図である。 本発明の変形例を示す図1と同様の側面図である。 本発明の別の変形例を示す図1と同様の側面図である。 従来例にかかる車両用ニープロテクタ構造の斜視図である。 体格対応機能を有する従来の車両用ニープロテクタ構造の側面図である。 平均的体格の乗員の膝を受けた場合の作動状態を示す、図8と同様の側面図である。 小柄な乗員の膝を受けた場合の作動状態を示す、図8と同様の側面図である。 膝受プレートに脆弱部を設けた状態を示す、図8の車両用ニープロテクタ構造を車両後方から見た図である。 発生する受反力の状況を示すグラフである。 膝受プレートの強度や剛性を上げた場合の、図10と同様の作動状態を示す側面図である。
符号の説明
1 車体強度部材
2 ニープロテクト用ブラケット
3 膝受プレート
7 アッパブラケット
8 ロワブラケット
10 膝
10a 平均的体格の乗員の膝
10b 小柄な乗員の膝
21 アッパプレート
22 ロワプレート
23 切離可能連結部
25 隙間部
26 樹脂連結部
28 重複代
29 重複代
30 当接係止部
32 貫通穴
33 突起部
34 補助連結部

Claims (4)

  1. ほぼ車幅方向へ延びる車体強度部材に、左右一対のニープロテクト用ブラケットを取付け、
    該ニープロテクト用ブラケットが、主に平均的な体格の乗員の膝入力を吸収可能なアッパブラケットと、主に小柄な乗員の膝入力を吸収可能なロワブラケットとを上下に備え、
    左右一対のニープロテクト用ブラケット間に、乗員の膝を受けて膝入力をニープロテクト用ブラケットへ伝える膝受プレートを架設した車両用ニープロテクタ構造において、
    前記膝受プレートを、前記アッパブラケット間に架設されて、主に平均的な体格の乗員の膝を受けて膝入力をアッパブラケットへ伝えるアッパプレートと、前記ロワブラケット間に架設されて、主に小柄な乗員の膝を受けて膝入力をロワブラケットへ伝えるロワプレートとに分離すると共に、アッパプレートとロワプレートとを上下に配設し、
    前記アッパプレートとロワプレートとの間に、主にアッパプレートで乗員の膝を受けた場合に、アッパプレートとロワプレートとを一体化して機能させると共に、ロワプレートのみで乗員の膝を受けた場合に、ロワプレートをアッパプレートから切離して単独で機能させ得るようにする切離可能連結部を設けたことを特徴とする車両用ニープロテクタ構造。
  2. 前記アッパプレートの下縁部と、前記ロワプレートとの上縁部との間に、隙間部が形成されると共に、
    前記切離可能連結部が、前記隙間部に設けられた樹脂連結部であることを特徴とする請求項1記載の車両用ニープロテクタ構造。
  3. 前記アッパプレートの下縁部と、前記ロワプレートとの上縁部の間に、それぞれ重複代が形成されると共に、
    前記切離可能連結部が、ロワプレートの重複代を前側に配置し、アッパプレートの重複代を後側に配置して、両重複代を車両前後方向に対し係止させて成る当接係止部であることを特徴とする請求項1記載の車両用ニープロテクタ構造。
  4. ロワプレートの重複代に貫通穴を形成すると共に、アッパプレートの重複代の対応する位置にほぼ前方へ延びる突起部を形成し、該突起部を貫通穴へ挿通させて補助連結部を構成したことを特徴とする請求項3記載の車両用ニープロテクタ構造。
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JP2009040167A (ja) * 2007-08-07 2009-02-26 Kanto Auto Works Ltd ニーブラケット
JP2011098649A (ja) * 2009-11-06 2011-05-19 Suzuki Motor Corp インストルメントパネル収納部の周辺構造

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