従来、HIDランプなどの放電灯を点灯させる放電灯点灯装置としては、バッテリなどの直流電源から入力される直流電圧を昇圧する直流昇圧回路(DC/DCコンバータ)と、この直流昇圧回路の出力を交流に変換可能なインバータ回路と、放電灯の点灯開始時に該放電灯の放電を開始させる起動用高圧パルスを放電灯に印加する起動回路とを備え、直流昇圧回路からインバータ回路を介して放電灯に電力を供給して、該放電灯を点灯させるようにしたものが一般に知られている(例えば特許文献1、2を参照)。
図5は、従来の一般的な放電灯点灯装置の回路構成を示す図である。同図中、100は自動車のバッテリなどの直流電源、101は直流昇圧回路(DC/DCコンバータ)、102はインバータ回路、103は起動回路、104は放電灯としてのHIDランプ、105は直流昇圧回路101およびインバータ回路102を制御するコントローラ(制御回路)である。また、コントローラ105による直流昇圧回路101およびインバータ回路102の制御のために、直流昇圧回路101と、インバータ回路102との間には、HIDランプ104の発生電圧(以下、ランプ電圧ということがある)を検出するための電圧検出用分圧抵抗106,107と、HIDランプ104に流れる電流(以下、ランプ電流ということがある)を検出するための電流検出用抵抗108とが介装されると共に、HIDランプ104の起動直後のランプ電流の落ち込みを防止するための起動補助回路109が介装されている。
図示の例では、直流昇圧回路101は、半導体スイッチ素子110、昇圧トランス111、整流用ダイオード112および平滑用コンデンサ113を図示の如く接続して構成されたPWM制御方式のDC/DCコンバータである。この直流昇圧回路101は、半導体スイッチ素子110と昇圧トランス111の1次巻き線との直列回路に直流電源100から直流電圧を入力した状態で、半導体スイッチ素子110を所定の周期でON・OFFすることにより昇圧トランス111の2次巻き線に高圧のパルス電圧を発生させる。そして、このパルス電圧を、2次巻き線に直列に接続された整流用ダイオード112および平滑用コンデンサ113でそれぞれ整流、平滑化することによって、直流電源100の直流電圧を昇圧してなる直流の出力電圧を発生する。この直流昇圧回路101の出力電圧は、コントローラ105によって、半導体スイッチ素子110のON・OFFのデューティを制御する(半導体スイッチ素子110をPWM制御する)ことによって操作され、無負荷状態(直流昇圧回路101の出力電流が0である状態)において最大で400V程度の出力電圧を発生可能とされている。
また、インバータ回路102は、4個の半導体スイッチ素子102a,102b,102c,102dを図示の如くブリッジ接続して構成され、これらの半導体スイッチ素子102a〜102dのON・OFFをコントローラ105により制御することで、直流昇圧回路101から入力される直流を交流に変換して出力することが可能となっている。なお、半導体スイッチ素子102a,102dの組と、102b,102cの組とのうちの一方をON状態に維持し、且つ他方をOFF状態に維持することによって、インバータ回路102は、直流昇圧回路102の出力電圧とほぼ同等の大きさで、且つ、その出力電圧と同極性または逆極性の直流電圧を出力することも可能である。
起動回路103は、ダイオード114、抵抗115およびコンデンサ116の直列回路と、サイリスタ117およびダイオード118の並列回路と、起動用トランス119と、サイリスタ117のトリガ回路120とを、インバータ回路102とHIDランプ104との間で図示の如く接続して構成されている。この起動回路103では、HIDランプ104の点灯開始前に、直流昇圧回路101からダイオード114および抵抗115を介してコンデンサ116に充電される電圧に応じてトリガ回路120がサイリスタ117をONにすることで、コンデンサ116の充電電荷を起動用トランス119の1次巻き線に瞬時的に通電する。これにより、HIDランプ104に直列に接続されている起動用トランス119の2次巻き線に起動用高圧パルスを励起して、この起動用高圧パルスをHIDランプ104に印加する。
なお、電圧検出用分圧抵抗106,107は、直列に接続されており、その両端に直流昇圧回路101の出力電圧が印加されるようになっている。そして、電圧検出用分圧抵抗106,107のうちの抵抗107に発生する電圧(これは直流昇圧回路101の出力電圧に比例する)を、HIDランプ104のランプ電圧の検出信号としてコントローラ105に出力する。また、電流検出用抵抗108は、HIDランプ104のランプ電流に比例する電圧を発生し、これをランプ電流の検出信号としてコントローラ105に出力する。また、起動補助回路109は、抵抗121およびコンデンサ122の直列回路により構成され、その両端に、直流昇圧回路101の出力電圧が電流検出用抵抗108を介して印加されるようになっている。補足すると、HIDランプ104には、後述するように25kV程度の起動用高圧パルスが印加されるため、そのHIDランプ104のランプ電圧を直接的に検出することは回路的に難しい。また、起動用高圧パルスの印加時以外では、インバータ回路102の半導体スイッチ素子102a〜102dのON抵抗などに起因する若干の誤差はあるものの、直流昇圧回路101の出力電圧は、HIDランプ104のランプ電圧と概ね同等となる。そのため、電圧検出用分圧抵抗106,107による検出信号(直流昇圧回路101の出力電圧に比例した電圧信号)が、HIDランプ104のランプ電圧の検出信号として使用される。
上記構成の放電灯点灯装置によるHIDランプ104の動作制御(HIDランプ104の放電・点灯を開始させて、連続的な点灯を安定的に行なうための制御)は次のように行なわれる。図6(a),(b)はそれぞれ、この動作制御におけるランプ電圧、ランプ電流の経時変化を例示するタイミングチャートである。
まず、直流昇圧回路101に直流電源100から直流電圧(例えば約12V)を入力した状態で、コントローラ105により、インバータ回路102の半導体スイッチ素子102a,102dの組をON状態に制御し、且つ半導体スイッチ素子102b,102cの組をOFF状態に制御する。さらに、コントローラ105により直流昇圧回路101の半導体スイッチ素子110をPWM制御し、該直流昇圧回路101の出力電圧を最大の400V程度まで昇圧する。このとき、直流昇圧回路101の出力電圧がインバータ回路102を介してHIDランプ104に印加される(図6(a)の時刻t1〜t2の期間)。
この期間において、前記起動補助回路109のコンデンサ122が充電され、さらに、起動回路103のコンデンサ116が充電される。そして、起動回路103のコンデンサ116の充電電圧が所定値を超えると、トリガ回路120によって、サイリスタ117がONにされる(図6(a),(b)の時刻t2)。これにより、コンデンサ116の電荷が起動用トランス119の1次巻き線およびサイリスタ117を介して瞬時に放電し、起動用トランス119の2次巻き線に波高値が25kV程度の起動用高圧パルスが発生する。そして、この起動用高圧パルスがHIDランプ104に印加されることとなる。
図7は、その起動用高圧パルスの波形の例を示すグラフである。前記起動回路103では、サイリスタ117に過大な逆方向電圧が作用して該サイリスタ117が損傷しないように、サイリスタ117の順方向と逆向きのダイオード118が該サイリスタ117に並列接続されている。このため、起動用高圧パルスの波形は、図7に示すように単純な減衰振動のものとなる。
この起動用高圧パルスの印加によって、HIDランプ104の放電・点灯が開始し、直流昇圧回路101からインバータ回路102を介してHIDランプ104に瞬時的な突入電流が流れる。このとき、HIDランプ104に突入電流が流れることで、直流昇圧回路101の出力部のコンデンサ113が急速に放電する。このため、HIDランプ104の起動直後(起動用高圧パルスの印加直後)のランプ電流は、図6(b)に示すように急速に低下する。この場合、前記起動補助回路109を省略すると、図6(b)に破線で示すようにランプ電流が過剰に低下して(ランプ電流の過剰な落ち込みが発生して)、HIDランプ104の立ち消えが生じやすい。起動補助回路109は、これを防止するためのものであり、そのコンデンサ122の充電電荷を抵抗121を介してHIDランプ104に放電する(これは起動用高圧パルスの印加時から若干遅れる)ことで、ランプ電流の過剰な低下を抑制し、HIDランプ104の放電・点灯を持続させる。なお、HIDランプ104が冷えた状態でのHIDランプ104の起動(所謂、コールドスタート)の直後においては、HIDランプ104で発生するランプ電圧は20V程度であるので、該ランプ電圧は起動用高圧パルスの印加後、低下していく。
一方、HIDランプ104の起動直後は、その電極の温度が低く、HIDランプ104の放電が不安定になりやすい。そこで、HIDランプ104の電極を早急に昇温して、HIDランプ104の放電を安定化させるために、HIDランプ104の起動開始時から所定時間が経過するまでの期間(図6(a),(b)の時刻t2からt4までの期間。以下、放電安定化期間という)においては、HIDランプ104の定常的な点灯時における交流点灯周波数(例えば400Hz)の周期よりも十分に長い所定時間(例えば10〜20ms程度)ずつ、正極性および負極性の直流電流を順次、HIDランプ104に流すようにインバータ回路102がコントローラ105により制御される。すなわち、前記放電安定化期間のうち、図6(a),(b)の時刻t2からt3の期間では、インバータ回路102の半導体スイッチ素子102a,102dをONに制御し、且つ半導体スイッチ素子102b,102cをOFFに制御することによって、HIDランプ104に正極性のランプ電流を流し、これに続く時刻t3からt4の期間では、インバータ回路102の半導体スイッチ素子102a,102dをOFFに制御し、且つ半導体スイッチ素子102b,102cをONに制御することによって、HIDランプ104に負極性のランプ電流を流す。なお、これらの期間では、前記電圧検出用分圧抵抗106,107を介してコントローラ105に入力されるランプ電圧の検出信号に応じてランプ電流、またはHIDランプ104への供給電力(以下、ランプ電力ということがある)の目標値が決定される。その目標値は、HIDランプ104の電極を早期に昇温させ、HIDランプ104の放電を安定化する上で適切なランプ電流またはランプ電力の目標値である。そして、電流検出用抵抗108を介して検出されるランプ電流、あるいは、そのランプ電流の検出値とランプ電圧の検出値とから把握されるランプ電力がその目標値に一致するように、直流昇圧回路101の出力が半導体スイッチ素子110を介してコントローラ105によりフィードバック制御される。
上記放電安定化期間の終了時には、HIDランプ104の電極は十分に昇温しているので、その後はHIDランプ104の交流点灯を行なっても、HIDランプ104の立ち消えを生じることなく、放電・点灯を安定に行なうことができる。そこで、前記放電安定化期間が終了すると(図6(a),(b)の時刻t4)、次に、インバータ回路102の半導体スイッチ素子102a,102dの組と、半導体スイッチ素子102b,102cの組との交互のON・OFFがコントローラ105により400Hz程度の周波数で制御される。これによりHIDランプ104の交流点灯が開始される。
この交流点灯では、前記電圧検出用分圧抵抗106,107を介して検出されるランプ電圧に応じてランプ電流またはランプ電力の目標値が設定され、前記電流検出用抵抗108を介して検出されるランプ電流、あるいは、そのランプ電流の検出値とランプ電圧の検出値とから把握されるランプ電力が、それらの目標値になるように直流昇圧回路101の出力がコントローラ105により半導体スイッチ素子110を介してフィードバック制御される。
この場合、HIDランプ104のコールドスタートの直後では、HIDランプ104の光束(光量)が安定的な点灯時よりも低いので、HIDランプ104の光束を早急に立ち上げる必要がある。また、一般に、HIDランプ104の継続的な点灯時には、該HIDランプ104の発光管の温度の上昇に伴い、ランプ電圧が上昇していくと共に、光束が上昇していく。そこで、HIDランプ104の交流点灯におけるランプ電流またはランプ電力の目標値は、ランプ電圧が比較的低い状態でHIDランプ104の定格電流(安定点灯時のランプ電流)の数倍のウォームアップ電流をHIDランプ104に流すようにランプ電圧の検出値に応じて設定される。例えば図8に例示するように、交流点灯におけるランプ電流またはランプ電力の目標値がランプ電圧の検出値に応じて設定される。なお、この図8の例は、HIDランプ104として、水銀を封入したHIDランプを使用した場合の例である。
このようにHIDランプ104の交流点灯におけるランプ電流またはランプ電圧を制御することで、図6(a)に示すように、ランプ電圧が徐々に増加していき、最終的に85V程度の電圧で安定する。また、図6(b)に示すように、ランプ電流が徐々に減少していき、最終的に0.4A程度の電流で安定する。
特開平11−329768号公報
特開2000−36393号公報
本発明の放電灯点灯装置の一実施形態を図1〜図4を参照して説明する。
まず、図1を参照して、本実施形態の放電灯点灯装置の回路構成を説明する。図1はその回路構成を示す図である。図示のように、本実施形態の放電灯点灯装置1は、直流電源2から入力される直流電圧を昇圧する直流昇圧回路(DC/DCコンバータ)3と、直流を交流に変換して出力可能なインバータ回路4と、放電灯5に起動用高圧パルスを印加する起動回路6と、直流昇圧回路3およびインバータ回路4を制御するコントローラ(制御回路)7と、第1起動補助回路8および第2起動補助回路9とを備える。また、放電灯点灯装置1は、放電灯5の発生電圧を検出するための電圧検出手段として、一対の電圧検出用分圧抵抗10,11を備えると共に、放電灯5に流れる電流を検出するための電流検出手段として、電流検出用抵抗12を備える。
なお、本実施形態では、直流電源2は、例えば自動車用のバッテリであり、その出力電圧は約12Vである。また、放電灯5は、例えば、自動車のヘッドランプ用のHIDランプである。以下、放電灯5をHIDランプ5という。
直流昇圧回路3は、一対の入力端子13a,13bと、1つの1次巻き線14aおよび2つの2次巻き線14b,14cを有する昇圧トランス14と、半導体スイッチ素子15と、2つの整流用ダイオード16,17と、平滑用コンデンサ18と、3つの出力端子19a,19b,19cとを備え、前記一対の入力端子13a,13b間に、直流電源2から直流電圧を入力し、その直流電圧を昇圧してなる2種類の出力電圧を、それぞれ出力端子19a,19bから出力する。なお、出力端子19cは、それらの出力電圧の基準電位部である。また、半導体スイッチ素子15は、本実施形態ではFETである。
この直流昇圧回路3では、昇圧トランス14の1次巻き線14aおよび半導体スイッチ素子15が一対の入力端子13a,13b間に直列に接続されている。そして、半導体スイッチ素子15は、そのゲート(制御信号入力部)がコントローラ7に接続され、そのゲートにコントローラ7から所定周期のパルス信号を付与することによって半導体スイッチ素子15のON・OFF(導通・遮断)が制御されるようになっている。
また、整流用ダイオード16,17のうちの整流用ダイオード16は、そのアノードが昇圧トランス14の2次巻き線14bの一端に接続されると共に、カソードが2次巻き線14bの他端に平滑用コンデンサ18を介して接続されている。従って、整流用ダイオード16および平滑用コンデンサ18が、2次巻き線14bの両端間に直列に接続されている。そして、平滑用コンデンサ18の整流用ダイオード16側の一端(高電位側の一端)と、2次巻き線14b側の他端とが、それぞれ出力端子19b,19cに接続されている。
また、整流用ダイオード17は、そのアノードが2次巻き線14cの一端に接続されると共に、カソードが出力端子19aに接続されている。そして、2次巻き線14cの他端は、平滑用コンデンサ18の整流用ダイオード16側の一端に接続されている。
なお、整流用ダイオード17のカソードが接続された出力端子19aは、平滑用コンデンサ20を介して接地部に接続されている。該平滑用コンデンサ20は、整流用ダイオード17に近接して設けられている。
上記のように構成された直流昇圧回路3では、その入力端子13a,13b間に直流電源2から直流電圧(約12V)を入力した状態で、半導体スイッチ素子15のON・OFFを所定周期で行なって、昇圧トランス14の1次巻き線14aに直流電源2から直流電圧を周期的に印加することにより、直流電源2から入力される直流電圧を昇圧してなる2種類の直流電圧を、それぞれ出力端子19a,19bから出力する。このとき、半導体スイッチ素子15のON・OFFのデューティが、コントローラ7により制御され、その制御によって、出力端子19a,19bからそれぞれ出力される直流電圧の大きさを調整可能とされている。出力端子19bからの出力は、主としてHIDランプ5にその点灯用の電力を供給するものであり、出力端子19aからの出力は、起動回路6にその動作用の電力を供給するものである。
この場合、本実施形態では、出力端子19bから出力可能な最大の電圧(出力電流を0とした状態での最大出力電圧)は、200V程度とされている。また、出力端子19aから出力可能な最大の電圧(出力電流を0とした状態での最大出力電圧)は、出力端子19bからの最大出力電圧よりも高く、例えば950V程度とされている。そして、昇圧トランス14の1次巻き線14aの巻き数と、これに対する各2次巻き線14b,14cの巻き数比とは、出力端子19b,19aからそれぞれ上記の最大出力電圧を発生し得るように設定されている。
また、特に、昇圧トランス14の1次巻き線14aと2次巻き線14bとの巻き数比は、出力端子19bから200V程度の最大出力電圧を発生し得ることに加えて、HIDランプ5の安定点灯中(定常的な点灯時)にできるだけ効率よく該HIDランプ5に電力を供給し得るように(昇圧トランス14における電力の変換効率ができるだけ高くなるように)、直流電源2の直流電圧とHIDランプ5の安定点灯時の発生電圧(ランプ電圧)との比に概ね等しくなるように設定されている。この場合、直流電源2(バッテリ)の直流電圧にはばらつきがあるので、1次巻き線14aと2次巻き線14bとの巻き数比は、放電灯点灯装置1を正常に動作させ得る直流電源2の最低保証電圧とHIDランプ5の安定点灯時のランプ電圧との比に概ね等しくなるように設定することが好ましい。例えば、HIDランプ5(水銀フリーHIDランプ)の安定点灯時のランプ電圧が42V程度で、直流電源2(バッテリ)の最低保証電圧が10Vであるとした場合、昇圧トランス14の1次巻き線14aと2次巻き線14bとの巻き数比は、1:4程度に設定することが好適である。このように、昇圧トランス14の1次巻き線14aと2次巻き線14bとの巻き数比を設定することにより、HIDランプ5の連続的な点灯中における昇圧トランス14の変換効率を高めることができる。
なお、水銀フリーHIDランプの安定点灯時のランプ電圧のばらつきを考慮すると、該ランプ電圧は、33V〜51V(42V±9V)程度である。従って、1次巻き線14aと2次巻き線14bとの巻き数比を、直流電源2の最低保証電圧とHIDランプ5の安定点灯時のランプ電圧との比に概ね等しくするためには、該巻き数比を1:3〜1:5の範囲で設定すればよい。
補足すると、直流昇圧回路3の昇圧トランス14の2次巻き線14b,14cはそれぞれ、本発明における第1の2次巻き線、第2の2次巻き線に相当する。また、整流用ダイオード16,17はそれぞれ本発明における第1の整流用ダイオード、第2の整流用ダイオードに相当し、平滑用コンデンサ18,20はそれぞれ本発明における第1の平滑用コデンサ、第2の平滑用コンデンサに相当する。
前記インバータ回路4は、従来の図5のものと同様に、4個の半導体スイッチ素子4a,4b,4c,4dをブリッジ接続して構成されている。より詳しくは、インバータ回路4は、その一対の入力端子21a,21b間に、半導体スイッチ素子4a,4bの直列回路と半導体スイッチ素子4c,4dの直列回路とを並列に接続して構成されている。そして、半導体スイッチ素子4a,4bの直列回路の中点と、半導体スイッチ4c,4dの直列回路の中点とが、それぞれインバータ回路4の一対の出力端子22a,22bに接続されている。なお、各半導体スイッチ素子4a〜4dは、本実施形態ではFETである。そして、各半導体スイッチ素子4a〜4dは、そのゲート(制御信号入力部)がコントローラ7に接続され、そのゲートにコントローラ7からパルス信号を付与することによって各半導体スイッチ素子4a〜4dのON・OFF(導通・遮断)が制御されるようになっている。
また、このインバータ回路4の入力端子21a,21bのうちの入力端子21aは、直流昇圧回路3の出力端子19bに接続され、入力端子21bは、前記電流検出用抵抗12を介して直流昇圧回路3の出力端子19c(基準電位端子)に接続されている。これにより、インバータ回路4には、直流昇圧回路3の出力端子19bから出力電圧(最大で200V程度の直流電圧)が入力されるようになっている。
上記のように構成されたインバータ回路4では、半導体スイッチ素子4a,4dの組をONにし、且つ半導体スイッチ素子4b,4cの組をOFFにする状態と、半導体スイッチ素子4a,4dの組をOFFにし、且つ半導体スイッチ素子4b,4cの組をONにする状態とを交互に周期的に切り換えることにより、直流昇圧回路3の出力端子19bから入力される直流電圧とほぼ同等の振幅を有する交流電圧が、出力端子22a,22bから出力されることとなる。また、半導体スイッチ素子4a,4dの組をONにし、且つ半導体スイッチ素子4b,4cの組をOFFにする状態、あるいは、半導体スイッチ素子4a,4dの組をOFFにし、且つ半導体スイッチ素子4b,4cの組をONにする状態を継続させることによって、直流昇圧回路3の出力端子19bから入力される直流電圧と同極性または逆極性で、且つ、該直流電圧とほぼ同等の大きさの直流電圧がインバータ回路4の出力端子22a,22bから出力されることとなる。
前記起動回路6は、充電用抵抗23およびコンデンサ24の直列回路と、起動用トランス25と、所定のブレークダウン電圧以上の電圧が印加されたときに自律的に導通するスイッチ素子としてのブレークダウン素子26とから構成されている。
この場合、充電用抵抗23およびコンデンサ24の直列回路のコンデンサ24側の一端は、インバータ回路4の出力端子22bに接続され、充電用抵抗23側の他端は、直流昇圧回路3の出力端子19aに接続されている。すなわち、直流昇圧回路3の出力端子19aと、インバータ回路4の出力端子22bとの間で充電用抵抗23およびコンデンサ24が直列に接続されている。これにより、インバータ回路4の半導体スイッチ素子4a,4dの組をONにし、且つ半導体スイッチ素子4b,4cの組をOFFにした状態において、コンデンサ24が、直流昇圧回路3の出力端子19aから出力される直流電圧(950V程度)によって、充電用抵抗23を介して充電されるようになっている。
また、起動用トランス25の1次巻き線25aとブレークダウン素子26とがコンデンンサ24の両端間で直列に接続されている。本実施形態では、ブレークダウン素子26として、そのブレークダウン電圧(導通電圧)が1000Vよりも小さい電圧、例えば800V程度となるガス封入式のスパークギャップ素子を用いている。
また、起動用トランス25の2次巻き線25bは、インバータ回路4の出力端子22a,22bの間で、HIDランプ5と直列に接続されている。
上記のように構成された起動回路6では、コンデンサ24が800V程度まで充電されると、ブレークダウン素子26が導通し、コンデンサ24の充電電荷が瞬時的に起動用トランス25の1次巻き線25aを流れる。これに応じて、起動用トランス25の2次巻き線25bに起動用高圧パルスが発生し、これがHIDランプ5に印加されることとなる。この場合、起動用トランス25の1次巻き線25aの巻き数と、これに対する2次巻き線25bの巻き数比とは、上記起動用高圧パルスの波高値が25kV程度になるように設定されている。
また、本実施形態では、起動用トランス25は、ブレークダウン素子26の導通によって1次巻き線25aに瞬時的に電流が流れた直後に該1次巻き線25aの電流が流れなくなることに起因して発生する逆起電力を利用し、起動用高圧パルスの1パルス当たりの幅が従来よりも大きくなるようにしている。すなわち、本実施形態では、ブレークダウン素子26の導通時にコンデンサ24から1次巻き線25aに瞬時的に電流が流れることに起因して2次巻き線25bに励起される順方向の高圧パルス成分(以下、第1高圧パルス成分という)と、その直後に1次巻き線25aに電流が流れなくなることに起因して2次巻き線25bに逆起動力により発生する逆方向の高圧パルス成分(以下、第2高圧パルス成分という)とを合成したものが起動用高圧パルスとして2次巻き線25bに励起される。なお、これらの第1高圧パルス成分および第2高圧パルス成分は減衰振動するので、起動用高圧パルスの波形も減衰振動波形となる。そして、この場合、これらの第1高圧パルス成分と第2高圧パルス成分とが(詳しくはそれらの高圧パルス成分の波形の同極性部分同士が)若干の位相をずらして重なり合うことにより起動用高圧パルスの減衰振動波形のパルス部分が形成されるように起動用トランス25の巻き線25aまたは25bの結合性が調整されている。具体的には、本実施形態では、起動用トランス25の1次巻き線25aのインダクタンスの値が、該1次巻き線25aの漏れインダクタンスの値の3倍以上になるように、起動用トランス25を構成した。なお、1次巻き線25aの漏れインダクタンスは、一般に、1次巻き線25aの巻き数が多いほど、減少する傾向がある。
上記のように構成した起動用トランス25の2次巻き線25bで発生する起動用高圧パルスの波形の例を図2に示す。図示の如く、本実施形態での起動用高圧パルスの波形は、それを構成する第1高圧パルス成分V1と第2高圧パルス成分V2との同極性部分が位相をずらして重なるような減衰振動波形となる。これにより、これらの高圧パルス成分を合成してなる起動用高圧パルスの波形のパルス部分の幅W(該波形の半周期分の幅)が、各高圧パルス成分V1,V2の幅よりも大きくなって、前記図7に示した従来の放電灯点灯装置における起動用高圧パルスよりも大きなものとなっている。
本願発明者の各種実験、検討によれば、HIDランプ5に印加する起動用高圧パルスの幅が広い方が、HIDランプ5の放電の励起を安定して行なうことができ、該HIDランプ5の放電・点灯を円滑に開始することができる。そして、この効果は、特に、HIDランプ5の放電・点灯の開始前に、直流昇圧回路3からHIDランプ5に印加する電圧が比較的低い場合に顕著に現れる。このために、本実施形態では、上記の如く、前記第1高圧パルス成分V1と第2高圧パスル成分V2との同極性部分が位相をずらして重なるように起動用トランス25の1次巻き線25aの結合性を調整しておき、起動用高圧パルスの幅を広げるようにした。
なお、1次巻き線25aのインダクタンスの値を該1次巻き線25aの漏れインダクタンスの値の2倍程度にした場合には、前記第1高圧パルス成分と第2高圧パルス成分との位相ずれが小さすぎて、起動用高圧パルスの幅が十分に広がらず、HIDランプ5の点灯開始前の印加電圧を200V程度とした場合には、HIDランプ5の放電・点灯を円滑に開始することができない場合がある。また、本実施形態では、起動用高圧パルスの幅を広げるために、起動用トランス25の1次巻き線25aの結合性を調整したが、2次巻き線25bの結合性、あるいは、両巻き線25a,25bの結合性を調整するようにしてもよい。
補足すると、前記起動回路6のコンデンサ24は、本発明における起動用コンデンサに相当する。
前記第1起動補助回路8は、コンデンサ27と充電用抵抗28と放電用抵抗29と放電用ダイオード30とから構成されている。より詳しくは、第1起動補助回路8は、放電用抵抗30と放電用ダイオード30とを直列に接続してなる直列回路と、充電用抵抗28とを並列に接続し、その並列回路の一端をコンデンサ27に直列に接続することにより構成されている。この場合、放電用ダイオード30は、コンデンサ27の充電時に放電用抵抗29を経由してコンデンサ27に電流が流れるのを阻止し、且つ、コンデンサ27の放電時に放電用抵抗29を経由して電流が流れるのを許容するような向きで設けられている。本実施形態では、放電用ダイオード30のアノードをコンデンサ27に接続し、カソードを放電用抵抗29に接続している。また、コンデンサ27の放電時の電流が実質的に放電用抵抗29および放電用ダイオード30の直列回路だけを経由して流れるように、充電用抵抗28の抵抗値が放電用抵抗29の抵抗値よりも大きな抵抗値を有するものとされている。
前記第2起動補助回路9は、コンデンサ31と充電用抵抗32と放電用抵抗33と放電用ダイオード34とを前記第1起動補助回路8と同様に接続して構成されている。そして、この第2起動補助回路9においても、コンデンサ31の放電時の電流が実質的に放電用抵抗33および放電用ダイオード34の直列回路だけを経由して流れるように、充電用抵抗32の抵抗値が放電用抵抗33の抵抗値よりも大きな抵抗値を有するものとされている。
これらの第1起動補助回路8および第2起動補助回路9は、直流昇圧回路3とインバータ回路4との間に介装されている。より具体的には、第1起動補助回路8および第2起動補助回路9のそれぞれのコンデンサ27,31側の一端が、インバータ回路4の入力端子21bに接続されると共に電流検出用抵抗12を介して直流昇圧回路3の出力端子19c(基準電位端子)に接続されている。また、第1起動補助回路8および第2起動補助回路9のそれぞれの他端は、直流昇圧回路3の出力端子19bとインバータ回路4の入力端子21aとに接続されている。従って、第1起動補助回路8および第2起動補助回路9は、直流昇圧回路3からインバータ回路4に入力される電圧に等しい電圧が印加されるようになっている。
上記のように構成された第1起動補助回路8では、直流昇圧回路3の出力端子19bから充電用抵抗28を有する充電経路を介してコンデンサ27の充電が行なわれ、また、そのコンデンサ27の充電電荷が、放電用ダイオード30および放電用抵抗29を有する放電経路を介して放電されることとなる。このため、コンデンサ27の充電経路と放電経路とが各別に備えられている。そして、それらの充電経路および放電経路のそれぞれの時定数が各別に設定されている。このことは、前記第2起動補助回路9でも同様である。
この場合、第1起動補助回路8の放電経路の時定数、すなわち、コンデンサ27の容量値と放電用抵抗29の抵抗値(より正確には放電用抵抗29と放電用ダイオード30の直列回路の抵抗値)との積は、第2起動補助回路9の放電経路の時定数、すなわち、コンデンサ31の容量値と放電用抵抗33の抵抗値(より正確には放電用抵抗33と放電用ダイオード34の直列回路の抵抗値)との積よりも小さなものとなるように、それらの容量値および抵抗値が設定されている。つまり、第1起動補助回路8のコンデンサ27の放電は、第2起動補助回路9のコンデンサ31の放電よりも早く行なわれるようになっている。
なお、前記電圧検出用分圧抵抗10,11は、直流昇圧回路3の出力端子19b,19c間で直列に接続されており、出力端子19c側の分圧抵抗11の発生電圧(これは直流昇圧回路3の出力端子19b,19c間の出力電圧に比例する)を、HIDランプ5の発生電圧(ランプ電圧)を示す検出信号として、コントローラ7に出力するようにしている。また、電流検出用抵抗12は、その発生電圧をHIDランプ5に流れる電流(ランプ電流)を示す検出信号としてコントローラ7に出力するようにしている。
以上が、本実施形態の放電灯点灯装置1の回路構成である。
ここで、本実施形態の放電灯点灯装置1の回路定数などの設計指針を説明しておく。直流昇圧回路3の平滑用コンデンサ18は、直流昇圧回路3の出力端子19b,19c間の出力電圧を平滑化するためのものであるが、HIDランプ5の放電・点灯を開始した後、該HIDランプ5の点灯を安定に行なうためには、ランプ電圧やランプ電流にある程度のリップル成分(高周波成分)が必要である。このため、そのようなリップル成分を有するランプ電流を直流昇圧回路3からインバータ回路4を介してHIDランプ5に通電させることができるように、直流昇圧回路3の平滑用コンデンサ18の容量値が設定されている。その容量値は、例えば、前記した従来の放電灯点灯装置の直流昇圧回路101の平滑用コンデンサ113の容量値と同程度(例えば0.2μF〜0.8μF)でよい。ただし、本実施形態におけるHIDランプ5である水銀フリーHIDランプは、前記したように、その安定点灯に必要なランプ電流が水銀封入HIDランプよりも大きいので、該ランプ電流にある程度のリップル成分を含ませ得るような平滑用コンデンサ18の容量値は、水銀封入HIDランプを使用する場合よりも大きめの値(例えば1μF〜2μF)でもよい。なお、リップル成分が少な過ぎることに起因するHIDランプの点灯の不安定さは、HIDランプの劣化が生じた状態で発生し易いので、平滑用コンデンサ18の容量値の設定に際しては、ある程度劣化したHIDランプを使用して確認することが望ましい。
第1起動補助回路8は、HIDランプ5の放電・点灯の開始時に、HIDランプ5に流すことが必要な突入電流を、後述するように直流昇圧回路3の平滑用コンデンサ18と協働してコンデンサ27からHIDランプ5に供給することを目的としている。また、第2起動補助回路9は、後述するように、HIDランプ5に突入電流が流れた直後のランプ電流の過剰な落ち込みを防止する(ランプ電流を持続させる)ようにコンデンサ31からHIDランプ5に電流を流すことを目的としている。従って、各起動補助回路8,9のコンデンサ27,31の容量値はそれぞれの目的を満足できるように設定されている。例えば、コンデンサ27の容量値は、3.3〜4.7μF程度に設定され、コンデンサ31の容量値は、4.7〜6.8μF程度に設定されている。
この場合、本実施形態では、直流昇圧回路3の出力端子19bから出力可能な最大出力電圧(直流昇圧回路3からインバータ回路4を介してHIDランプ5に印加可能な最大電圧)は前記したように200V程度で、従来の放電灯点灯装置の直流昇圧回路101の最大出力電圧(400V程度)の半分程度である。このため、該直流昇圧回路101の平滑用コンデンサ18の容量値を従来の放電灯点灯装置の直流昇圧回路101の平滑用コンデンサ113と同一とした場合、HIDランプ5の放電・点灯の開始直前に平滑用コンデンサ18に充電可能な電気エネルギーは、従来のものの1/4となる。従って、直流昇圧回路101の平滑用コンデンサ18の容量値を従来の放電灯点灯装置の直流昇圧回路101の平滑用コンデンサ113と同一とした場合、第1起動補助回路8のコンデンサ27の容量値は、平滑用コンデンサ18の容量値の4倍以上に設定することが好ましい。
また、第2起動補助回路9のコンデンサ31の容量値は、例えば第1起動補助回路8のコンデンサ27の容量値と同程度でよい。ただし、第2起動補助回路9のコンデンサ31は、HIDランプ5に突入電流が流れた直後のランプ電流の持続を目的とするので、その容量値は、第1起動補助回路8のコンデンサ27の容量値よりも大きくてもよい。
前記第1起動補助回路8の充電用抵抗28および第2起動補助回路9の充電用抵抗32は、その抵抗値が小さ過ぎると、上記リップル成分が各起動補助回路8,9のコンデンサ27,31で吸収されてしまう。そこで、本実施形態では、充電用抵抗28,32の抵抗値は、数百Ω〜数kΩ程度の値に設定されている。また、第1起動補助回路8の放電用抵抗29の抵抗値は、HIDランプ5の起動時に、直流昇圧回路3の平滑用コンデンサ18とほぼ同時にコンデンサ27からHIDランプ5に突入電流を供給するために、十分に小さな抵抗値に設定されている。その抵抗値は、例えば、数Ω〜数十Ωである。なお、第1起動補助回路8の放電用抵抗29は、省略してもよい。すなわち、第1起動補助回路8の放電経路に放電用ダイオード30だけを備えるようにしてもよい。
また、第2起動補助回路9の放電用抵抗33の抵抗値は、前記したように、該第2起動補助回路8の放電経路の時定数を、第1起動補助回路8の放電経路の時定数よりも大きくするように設定されている。その抵抗値は、例えば数十Ω〜数百Ωである。
なお、各起動補助回路8,9の放電経路には、放電用ダイオード30,34が設けられているので、放電用抵抗29,33の抵抗値は、前記リップル成分には影響を及ぼさない。
また、本実施形態では、直流昇圧回路3からインバータ回路4を介してHIDランプ5に印加可能な電圧の最大値を、前記したように200V程度とし、前記した従来の放電灯点灯装置の半分程度とした。このため、前記インバータ回路4の各半導体スイッチ素子4a〜4dの耐圧を従来よりも下げることができ、ひいては、各半導体スイッチ素子4a〜4dのON抵抗(導通時の抵抗)を従来よりも小さくすることができる。そこで、本実施形態では、半導体スイッチ素子4a〜4dとして、そのON抵抗が従来の1/3程度の抵抗値(例えば0.25Ω程度)となるものを使用している。
また、起動回路6のブレークダウン素子26として、前記したように800V程度のブレークダウン電圧で導通するガス封入式のスパークギャップ素子を使用することによって、起動回路6で起動用高圧パルスを発生させるときに起動トランス25の1次巻き線25aに誘起される電圧を従来よりも高くなるようにした。これにより、起動用トランス25の2次巻き線25bに25kV程度の波高値の起動用高圧パルスを発生させる上で必要な起動用トランス25の2次巻き線25bの巻き数を従来よりも少なくするようにした。加えて、本実施形態では、起動用トランス25の2次巻き線25bとして、テープ状の平角線を使用することで、起動用トランス25の小型化を図りつつ、2次巻き線25bの抵抗値(直流抵抗値)をできるだけ小さくするようにした。このため、本実施形態における起動用トランス25の2次巻き線25bの抵抗値(直流抵抗値)は、1Ω以下で、前記した従来の放電灯点灯装置の起動用トランス119の2次巻き線の抵抗値の1/3以下とされている。
また、前記したように、ブレークダウン電圧が800V程度のブレークダウン素子26を使用することから、そのブレークダウン電圧のばらつきを見込んで、直流昇圧回路3の出力端子19aから最大で950V程度の高電圧の直流電圧が出力されるように直流昇圧回路3の昇圧トランス14を構成した。この場合、昇圧トランス14の2次巻き線14cの一端を平滑用コンデンサ18の一端(高電位側の一端)に接続することによって、整流用ダイオード17のオフ時に2次巻き線14cの逆起電力によって該整流用ダイオード17に作用する電圧が1000V以下に収まるようにした。これにより、整流用ダイオード17の必要耐圧を1000V以下に抑え、該整流ダイオード17として小型なものを使用できるようにした。
さらに、この場合、直流昇圧回路3の出力端子19aから起動回路6に950V程度の高電圧を供給するため、多大な高周波ノイズが放射され、インバータ回路4の動作などに影響を及ぼす恐れがある。また、直流昇圧回路3の出力端子19aから出力される直流電圧にリップル成分が多すぎると、起動回路6のコンデンサ24の充電効率が低下する。このため、本実施形態では、直流昇圧回路3の出力端子19aを整流用ダイオード17の近傍で平滑用コンデンサ20を介して接地部に接続し、出力端子19aからの出力のリップルをある程度低減するようにした。この場合、平滑用コンデンサ20の容量値は、例えば1000pF程度の小容量のものでよい。
なお、起動回路6のコンデンサ24の容量値は、25kV程度の波高値の起動用高圧パルスを起動用トランス25の2次巻き線25bに発生させるために、例えば100nF程度に設定されている。また、起動回路6の充電用抵抗23の抵抗値、ひいては、コンデンサ24の充電経路の時定数は、前記各起動補助回路8,9のコンデンサ27,31の充電が完了した後に、コンデンサ24の充電電圧が、ブレークダウンスイッチ素子26のブレークダウン電圧(800V程度)に達するように設定されている。
次に、本実施形態の放電灯点灯装置1の動作を図3(a),(b)、および図4を参照して説明する。図3(a),(b)はそれぞれ、HIDランプ5を点灯させるときの該HIDランプ5の発生電圧(ランプ電圧)、電流(ランプ電流)の経時的変化を例示するタイミングチャート、図4はHIDランプ5の交流点灯時におけるランプ電流またはランプ電力の目標値の設定例を示すグラフである。
直流昇圧回路3の入力端子13a,13b間に直流電源2を接続して、該直流電源2から直流昇圧回路3に直流電圧(約12V)を入力すると、放電灯点灯装置1は次のように動作する。
まず、コントローラ7は、インバータ回路4の半導体スイッチ素子4a,4dの組をON状態に制御すると共に、半導体スイッチ素子4b,4cの組をOFF状態に制御する。併せて、コントローラ7は、直流昇圧回路3の半導体スイッチ素子15をPWM制御することによって、直流電源2から入力される直流電圧を該直流昇圧回路3により昇圧させる(図3(a)の時刻t1〜t2)。
この場合、直流昇圧回路3の出力端子19bからの出力電圧は、その最大電圧としての200V程度の電圧まで上昇され、この最大出力電圧が、直流昇圧回路3の出力端子19bからインバータ回路4を介してHIDランプ5に印加される。従って、HIDランプ5のランプ電圧は、図3(a)の時刻t1〜t2の期間において、200V程度の電圧まで上昇する。
また、この期間では、直流昇圧回路3の出力端子19bからの出力電圧によって、各起動補助回路8,9のコンデンサ27,31が充電用抵抗28,32を介して、該出力電圧の最大値(200V程度)とほぼ同等の電圧まで充電される。
さらに、この期間では、直流昇圧回路3の出力端子19aからの出力電圧が950V程度の電圧まで上昇され、その電圧によって、起動回路6のコンデンサ24が充電用抵抗23を介して充電されていく。この場合、起動補助回路8,9のコンデンサ27,31の充電が完了した後に、コンデンサ24の充電電圧が、ブレークダウンスイッチ素子26のブレークダウン電圧(800V程度)まで上昇する。
そして、起動回路6のコンデンサ24の充電電圧がブレークダウンスイッチ素子26のブレークダウン電圧に達すると、該ブレークダウンスイッチ素子26が導通し、コンデンサ24の充電電荷が、瞬時的に起動用トランス25aの1次巻き線25aを通って放電する。この時、起動用トランス25の2次巻き線25bに波高値が25kV程度の起動用高圧パルス(前記図2に例示したような波形の高圧パルス)が励起され、その起動用高圧パルスが、直流昇圧回路3からインバータ回路4を介してHIDランプ5に印加されている直流電圧(200V程度)に重畳されてHIDランプ5に印加される(図3(a),(b)の時刻t2)。
これによりHIDランプ5の放電・点灯が開始する。このHIDランプ5の放電・点灯の開始時において、HIDランプ5には、直流昇圧回路3の平滑用コンデンサ18からインバータ回路4を介して該HIDランプ5の放電開始時の突入電流が供給されると同時に、第1起動補助回路8のコンデンサ27からもインバータ回路4を介してHIDランプ5に突入電流が供給される(図3(b)の時刻t2〜t3の期間)。
すなわち、第1起動補助回路8のコンデンサ27の放電経路における放電用抵抗29は、十分に0に近い抵抗値(例えば数Ω〜数十Ω)に設定されているので、HIDランプ5の放電開始時(起動用高圧パルスの印加直後)に、第1起動補助回路8のコンデンサ27の充電電荷が、直流昇圧回路3の平滑用コンデンサ18とほぼ同時に、インバータ回路4を介してHIDランプ5に放電する。これにより、HIDランプ5には、十分な突入電流が供給され、該HIDランプ5の放電を支障なく開始することができる。
ここで、前記したように、HIDランプ5のランプ電流にある程度のリップル成分が必要であることから、直流昇圧回路3の平滑用コンデンサ18の容量値は、あまり大きくすることはできない。また、本実施形態では、HIDランプ5の点灯開始前に直流昇圧回路3からインバータ回路4を介してHIDランプ5に印加する最大電圧(200V程度)を従来の放電灯点灯装置の半分程度にしている。このため、ランプ電流にある程度のリップルを含ませ得るような容量値の平滑用コンデンサ18では、HIDランプ5にその放電開始時に必要な突入電流を十分に供給することが困難である。例えば、前記第1起動補助回路8を省略すると、図3(b)の破線aで示す如く、HIDランプ5への突入電流を十分に大きくすることができない。しかるに、本実施形態では、直流昇圧回路3の平滑用コンデンサ18からHIDランプ5への突入電流の不足分が第1起動補助回路8のコンデンサ27から補われる。これにより、HIDランプ5に、その放電・点灯の開始に必要な突入電流を供給できることとなる。
また、本実施形態では、前記したように、起動回路6の起動用高圧パルスのパルス幅Wが比較的大きなものとなっているので、HIDランプ5の起動時に直流昇圧回路3からHIDランプ5に印加されている電圧が200V程度の低い電圧であっても、HIDランプ5の放電を安定して開始することができる。
HIDランプ5に上記のように突入電流が流れることによって、直流昇圧回路3の平滑用コンデンサ18および第1起動補助回路8のコンデンサ27が急速に放電するので、ランプ電流は、HIDランプ5の放電開始時のピーク値から急激に減少していく。この場合、仮に、前記第2起動補助回路9が無いと、図3(b)に破線bで示す如く、ランプ電流が過剰に落ち込んでHIDランプ5の放電・点灯が停止してしまう恐れがある。しかるに、本実施形態では、第2起動補助回路9によってランプ電流の落ち込みが防止される。
すなわち、第2起動補助回路8のコンデンサ31は、HIDランプ5の放電・点灯の開始時から、放電用抵抗33を介して放電を開始するものの、その放電は、第1起動補助回路8のコンデンサ27よりもゆっくり行なわれる。このため、第2起動補助回路9からHIDランプ5への実質的な電流の供給が、HIDランプ5への突入電流の供給の直後に行なわれる(図3(b)の時刻t3〜t4の期間)。これによって、ランプ電流の過剰な落ち込みを防止し、HIDランプ5の放電・点灯を継続する上で適切なランプ電流を持続させることができる。
本実施形態では、前記したように、起動用高圧パルスの幅を広くすると共に、前記第1起動補助回路8および第2起動補助回路9を備えることによって、HIDランプ5の点灯開始前に直流昇圧回路3からHIDランプ5に印加する電圧(200V程度)を従来よりも大幅に低いものとしつつ、HIDランプ5の放電・点灯を円滑に開始することができる。
なお、HIDランプ5が冷えた状態でのHIDランプ104の起動(コールドスタート)の直後においては、HIDランプ104で発生するランプ電圧は25V程度であるので、該ランプ電圧は、起動用高圧パルスの印加後、低下していく(図3(a)の時刻t2〜t6の期間)。
一方、HIDランプ5の起動直後の放電を安定化するために、コントローラ7は、HIDランプ5の起動開始時から所定時間が経過するまでの期間(図3(a),(b)の時刻t2からt6の放電安定化期間)において、従来と同様に、HIDランプ5の定常的な点灯時における交流点灯周波数(例えば400Hz)の周期よりも十分に長い所定時間(例えば10〜20ms程度)ずつ、正極性および負極性の直流電流を順次、HIDランプ5に流すようにインバータ回路4を制御する。すなわち、前記放電安定化期間のうち、図3(a),(b)の時刻t2からt5の期間では、HIDランプ5に正極性のランプ電流を流し、これに続く時刻t5からt6の期間では、HIDランプ104に負極性のランプ電流を流すようにインバータ回路4の半導体スイッチ素子4a〜4dが前記した従来の放電灯点灯装置と同様に制御される。また、これらの期間では、従来のものと同様に、前記電圧検出用分圧抵抗10,11を介してコントローラ7に入力されるランプ電圧の検出信号に応じてランプ電流またはHIDランプ5への供給電力の目標値が決定される。そして、電流検出用抵抗12を介して検出されるランプ電流、あるいは、そのランプ電流の検出値とランプ電圧の検出値とから把握されるランプ電力(HIDランプ5の供給電力)が、その目標値に一致するように、直流昇圧回路3の出力が半導体スイッチ素子15を介してコントローラ7によりフィードバック制御される。
さらに、上記放電安定化期間の終了後(図3(a),(b)の時刻t6以後の期間)には、従来のものと同様に、HIDランプ5の所定周波数(例えば400Hz)での交流点灯が行なわれる。
すなわち、インバータ回路4の半導体スイッチ素子4a,4dの組と、半導体スイッチ素子4b,4cの組との交互のON・OFFがコントローラ7により400Hz程度の周波数で制御される。これによりHIDランプ104の交流点灯が行なわれる。また、この交流点灯におけるランプ電流またはランプ電力の目標値が、前記電圧検出用分圧抵抗10,11を介して検出されるランプ電圧(直流昇圧回路3の出力電圧)に応じて設定され、前記電流検出用抵抗12を介して検出されるランプ電流、あるいは、そのランプ電流の検出値とランプ電圧の検出値とから把握されるランプ電力が、それらの目標値になるように直流昇圧回路3の半導体スイッチ素子15のON・OFFデューティが、コントローラ7によりフィードバック制御される。
この場合、本実施形態ではHIDランプ5は、水銀フリーHIDランプであるので、交流点灯におけるランプ電流またはランプ電力の目標値は、図4に例示するようにランプ電圧(直流昇圧回路3の出力電圧)の検出値に応じて設定される。
このようにHIDランプ5の交流点灯におけるランプ電流またはランプ電力を制御することで、図3(a)に示すように、ランプ電圧が徐々に増加していき、最終的に42V程度の電圧で安定する。また、図3(b)に示すように、ランプ電流が徐々に減少していき、最終的に0.8A程度の電流で安定する。
以上説明したように、本実施形態では、起動用高圧パルスの幅を広くすると共に、前記第1起動補助回路8および第2起動補助回路9を備えることによって、HIDランプ5の点灯開始前に該HIDランプ5に印加する電圧(直流昇圧回路3の出力端子19bからの最大出力電圧)を従来の放電灯点灯装置よりも大幅に低い200V程度の電圧としつつ、HIDランプ5の放電・点灯を円滑に開始することができる。
また、直流昇圧回路3の出力端子19bからの最大出力電圧を200V程度の低い電圧としたことに伴い、インバータ回路4の各半導体スイッチ素子4a〜4dの必要耐圧を下げて、それらのON抵抗を従来の放電灯点灯装置の1/3以下に低減している。加えて、HIDランプ5に直列に接続される起動用トランス25の2次巻き線25bとして平角線を使用すると共に、該2次巻き線25bの巻き数を少なくすることで、該2次巻き線25bの抵抗値(直流抵抗値)を、従来の放電灯点灯装置の1/3以下に低減している。さらに、直流昇圧回路3の出力端子19bからの最大出力電圧を、従来の放電灯点灯装置の直流昇圧回路101の最大出力電圧の半分程度にしたことによって、直流昇圧回路3の昇圧トランス14の2次巻き線14bの巻き数は従来の放電灯点灯装置の昇圧トランス111の2次巻き線の巻き数よりも大幅に少なくできる。ひいては、直流昇圧回路3の昇圧トランス14の2次巻き線14bの抵抗値(直流抵抗値)を従来のものよりも大幅に低減できる。例えば、昇圧トランス14の1次巻き線14aを従来と同じとした場合、本実施形態における昇圧トランス14の2次巻き線14bの抵抗値は50mΩ程度で、従来の放電灯点灯装置の昇圧トランス111の2次巻き線の抵抗値(300mΩ程度)の1/6に低減できる。
上記のように、放電灯点灯装置1の回路部品(ランプ電流が流れる回路部品)の抵抗値を低減することができるため、水銀封入HIDランプよりも安定点灯時のランプ電流が大きくなる水銀フリーHIDランプを放電灯として使用しても、直流昇圧回路3、インバータ回路4、および起動用トランス25の2次巻き線25bでのジュール熱の発生を少なくできる。加えて、本実施形態では、直流昇圧回路3の昇圧トランス14の1次巻き線14aと2次巻き線14bとの巻き数比を前記したように設定することによって、HIDランプ5の連続的な点灯中における昇圧トランス14の変換効率が高められている。この結果、本実施形態の放電灯点灯装置1では、従来の放電灯点灯装置に比べて、発熱を少なくすると共に、回路効率を高めることができる。例えば、従来の放電灯点灯装置では、水銀フリーHIDランプを使用を連続的に点灯させた場合の回路効率は、75%程度であったが、本実施形態の放電灯点灯装置1では、82%という高い回路効率を達成できた。また、発熱についても、従来の放電灯点灯装置では、その外装ケースの温度が50deg程度上昇するが、本実施形態の放電灯点灯装置1では、その外装ケースの温度上昇を25deg程度に留めることができた。
さらに、インバータ回路4の各半導体スイッチ素子4a〜4dのON抵抗や起動用トランス25の2次巻き線25bの抵抗値の低減によって、HIDランプ5の点灯中に前記電圧検出用分圧抵抗10,11を介して検出されるランプ電圧と、実際のランプ電圧との差を小さくし、該ランプ電圧の検出精度を高めることができる。その結果、水銀封入HIDランプよりも交流点灯時のランプ電圧の変化幅が小さい水銀フリーHIDランプを放電灯として使用しても、HIDランプ5の交流点灯時などにおけるHIDランプ5のランプ電流やランプ電力を、ランプ電圧の検出値に応じて最適な目標値に精度よく制御することができ、HIDランプ5の適切な点灯制御を安定して行なうことができる。
また、直流昇圧回路3からHIDランプ5への最大出力電圧の低減によって、直流昇圧回路3の昇圧トランス14の2次巻き線14b側の整流用ダイオード16や平滑用コンデンサ18、インバータ回路4の各半導体スイッチ素子4a〜4dなどの耐圧を低くすることができることから、それらの回路部品の小型化、低コスト化を図ることができる。また、起動回路6に高電圧を出力する直流昇圧回路3の整流用ダイオード17にあっても、その必要耐圧を1000V以下に留めることができるので、該整流用ダイオード17の小型化、低コスト化を図ることができる。ひいては、本実施形態の放電灯点灯装置1を、小型で低コストなものとすることができる。
なお、以上説明した実施形態では、放電灯として、水銀フリーHIDランプを使用した場合を例に採って説明したが、水銀封入HIDランプを使用してもよい。この場合であっても、直流昇圧回路3からHIDランプへの最大出力電圧を200V程度の低い電圧にしつつ、HIDランプの点灯を円滑に開始できると共に、回路効率を従来の放電灯点灯装置よりも向上させ、また、従来の放電灯点灯装置よりも発熱を少なくできる。
また、前記実施形態では、ブレークダウン素子26として、ガス封入式のスパークギャップ素子を使用したが、半導体式の双方向スイッチを使用するようにしてもよい。
また、前記実施形態では、直流昇圧回路3に2次巻き線14cおよび整流用ダイオード17を追加して、起動回路6のコンデンサ24の高電圧を供給するものを示したが、例えば、ブレークダウン素子26として、200V程度で導通するスイッチ素子を使用し、直流昇圧回路3からインバータ回路4を介して起動回路5のコンデンサ24にブレークダウン素子を導通させる電圧を供給するようにしてもよい。この場合には、直流昇圧回路3の2次巻き線14cおよび整流用ダイオード17や、平滑用コンデンサ20は不要である。そして、この場合には、起動用トランス25の1次巻き線25aの巻き数に対する2次巻き線25bの巻き数の比率を大きくすることで、2次巻き線25bに、25kV程度の波高値の起動用高圧パルスを発生させることも可能である。
また、前記実施形態では、直流昇圧回路3の2次巻き線14cの一端を平滑用コンデンサ18の高電位側の一端に接続したが、該2次巻き線14cの一端を接地部もしくは平滑用コンデンサ18の低電位側の一端(基準電位端子19c)に接続したり、あるいは、2次巻き線14bの整流ダイオード16側の一端に接続するようにしてもよい。ただし、この場合には、整流用ダイオード17の必要耐圧が前記実施形態の場合よりも大きくなる。
また、前記実施形態では、直流昇圧回路3からHIDランプ5に印加する最大出力電圧を従来よりも大幅に低くしたため、前記第1起動補助回路8および第2起動補助回路9の両者を備えて、HIDランプ5の放電開始時の十分な電流を確保するようにしたが、直流昇圧回路3のHIDランプ5に印加する最大出力電圧を本実施形態よりも高めになるようにした場合(ただし、従来の放電灯点灯装置よりも低くする)には、例えば、直流昇圧回路3の平滑用コンデンサ18の容量値を、前記リップル成分を低減し過ぎない範囲で、できるだけ大きくし、第1起動補助回路8を省略するようにすることも可能である。
1…放電灯点灯装置、2…直流電源、3…直流昇圧回路、4…インバータ回路、5…放電灯(HIDランプ)、6…起動回路、14…昇圧トランス、14a…昇圧トランスの1次巻き線、14b…昇圧トランスの第1の2次巻き線、14c…昇圧トランスの第2の2次巻き線、16…第1の整流用ダイオード、17…第2の整流用ダイオード、18…第1の平滑用コンデンサ、20…第2の平滑用コンデンサ、24…起動用コンデンサ、25…起動用トランス、25a…起動用トランスの1次巻き線、25b…起動用トランスの2次巻き線、26…ブレークダウン素子。