JP2008133522A - 金属線材加熱装置 - Google Patents

金属線材加熱装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2008133522A
JP2008133522A JP2006321731A JP2006321731A JP2008133522A JP 2008133522 A JP2008133522 A JP 2008133522A JP 2006321731 A JP2006321731 A JP 2006321731A JP 2006321731 A JP2006321731 A JP 2006321731A JP 2008133522 A JP2008133522 A JP 2008133522A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal wire
wire
electrodes
electrode
tension
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006321731A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5108283B2 (ja
Inventor
Morio Tomita
盛男 富田
Tomoo Yamazaki
智生 山崎
Tsunetaka Takeuchi
恒孝 竹内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Neturen Co Ltd
Original Assignee
Neturen Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Neturen Co Ltd filed Critical Neturen Co Ltd
Priority to JP2006321731A priority Critical patent/JP5108283B2/ja
Publication of JP2008133522A publication Critical patent/JP2008133522A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5108283B2 publication Critical patent/JP5108283B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Control Of Resistance Heating (AREA)
  • Heat Treatment Of Strip Materials And Filament Materials (AREA)

Abstract

【課題】細径の金属線材を特性のばらつきなく効率的に熱処理を行うことができる金属細線加熱装置を提供する。
【解決手段】金属線材1を線送りにより間欠的に移送する線材移送装置(巻き取り装置3)と、金属線材1に対し離接可能であって間欠移送停止時に線方向に距離を隔てて金属線材1に接触可能な対の電極10、20と、電極10、20間に通電する通電装置(電源4a、ブリッジ整流回路4b)を備える。該装置は、電極10、20間の金属線材1に張力を付与する線材張力付与装置(ウェイト7a、引張りライン7b、張力伝達断続部7c)を備えるのが望ましい。電極と金属線材とを確実に接触させて安定した通電加熱を行うことができ、線方向に均等な熱処理を効率的に行える。結果、高硬度などの特性が線方向においてばらつきなく良好である金属線材が得られる。
【選択図】図1

Description

この発明は、金属線材を通電加熱によって加熱処理をする金属線材加熱装置に関するものである。
ハイス代替IC検査プローブピンなどに用いられる極細線(例えば径0.1〜0.3mm)の超高硬度合金線は、加熱、冷却の熱処理(時効処理)を経て高い強度特性を得ることができる。例えば、耐食性に優れたNi基合金線は、冷間加工+時効処理により粉末ハイス相当の800〜900Hvもの硬さが得られ、この超高硬度特性によりSUS440Cと同等の優れた耐磨耗性をも示す。すなわち、上記熱処理によってNi基合金線特有の耐食性・非磁性(透磁率μ<1.01)を維持しながら極めて高い硬さを得ることが可能になる。
上記した熱処理の一方法としては、バッチ炉加熱により時間をかけて処理する方法(例えば1Hr以上)があるが、処理に長時間を要するという問題がある。これに対し短時間時効処理を可能にするものとして、加熱された管状炉内で線材を走行させて熱処理を行うものが提案されている(例えば特許文献1、特許文献3参照)。また、この他に線材を直接通電加熱することで短時間で熱処理を行う方法も提案されており(例えば特許文献1、2、3参照)、特許文献2では、ロール状の電極間に線材を掛け渡し、該線材を電極間で走行させつつ電極間に通電して連続的に加熱する装置が示されている。
特開2002−339050号公報(段落0034、段落0037) 特開平5−70850号公報 特開2002−129262号公報
上記従来の熱処理の方法のうち、通電加熱を連続的に加熱する方法が最も効率的といえる。しかし、細線の熱処理では、走行する線材とロール状の電極との間の接触状態が変化しやすく通電抵抗が変わって安定した通電加熱を行うことが難しいという問題がある。特に極細線になるとロール状電極と線材との電気的な接触を安定させることが難しく、熱処理がむらになって線材の線方向において特性にばらつきが生じてしまうという問題がある。
また、線材を走行させつつ通電加熱を行うと、その間に線材が部分的に熱膨張、熱収縮してしまい、様々な方向への曲げくせなどが生じて線材の直線性が良好に維持されないという問題がある。この場合、熱処理後に矯正処理を行うことが必要になり、作業負担が大きくコスト高になるという問題がある。
本発明は、上記事情を背景としてなされたものであり、線材を効率的に熱処理するとともに該線材を線方向において均一に熱処理することを可能にし、さらには金属線材の直線性を良好に維持することができる金属線材加熱装置を提供することを目的とする。
すなわち、本発明の金属線材加熱装置のうち、第1の発明は、金属線材を線送りにより間欠的に移送する線材移送装置と、前記金属線材に対し離接可能であって前記間欠移送の停止時に前記金属線材の線方向において距離を隔てて該金属線材に接触可能な対の電極と、該電極間に通電する通電装置とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、線材移送装置により間欠的に移送される際に停止をしている金属線材に、対となる電源を線方向に距離を隔てて接触させて通電装置により通電することで、金属線材が通電加熱され、加熱後冷却により所望の熱処理がなされる。通電時には、金属線材は移送されることなく停止をしており、電極が金属線材に確実に接触して安定した通電加熱がなされる。部分的に熱処理が終了した金属線材は、上記線材移送装置によってさらに間欠的に移送され、再度、停止後に上記熱処理が行われる。この動作を繰り返すことで金属線材は線方向において連続的に安定して熱処理される。
さらに、第2の発明の金属線材加熱装置は、第1の発明において、前記線材移送装置が、前記電極による前記金属線材への通電と該金属線材の冷却とが間欠移送の停止時間中になされるように間欠的な移送を行うものであることを特徴とする。
上記発明によれば、間欠移送の停止時に通電加熱と冷却を終了して、金属線材の移送時における金属線材の熱膨張および熱収縮を避けることができ、金属線材の直線性をより良好に維持することができる。
第3の発明の金属線材加熱装置は、第1または第2の発明において、前記線材移送装置は、間欠的な移送の一動作において、前記対の電極のうち上流側の電極が接触した前記金属線材の一部分とその線方向内側近傍が、下流側の電極が接触する位置の上流側近傍に移動するように線送りするものであることを特徴とする。
上記発明によれば、通電加熱時に電極に接触して昇温が殆どなされなかった部分と、電極に近くて十分に昇温がなされなかった前記部分の近傍とが、次の通電加熱に際し、確実に加熱がされて良好な熱処理がなされる。これにより金属線材に無駄が生じることなく歩留まりよく、かつ線方向に均等に熱処理がなされる。なお、前記近傍は二度の加熱処理を受けることになるが、二度目の加熱が十分になされることで一度の加熱処理がなされる部分と殆ど異なることなく良好な熱処理がなされる。
なお、二度の加熱を受ける前記上流側電極接触部分の近傍の範囲は、電極に近くて十分な加熱(昇温)がなされておらず、熱処理が不十分な範囲を選択すればよい。該範囲は、線材の材質や線径、通電量、加熱温度などの影響を受けるため、処理内容毎に個別に選択すればよい。また、この上流側の近傍範囲を下流側の電極側に移送して次の通電加熱を行う際には、下流側の電極に隣接する上流側範囲では同様に十分な加熱がなされないため、下流側の電極の近傍範囲を避けて、その上流側に位置させて通電加熱を行うのが望ましい。この下流側の電極の近傍範囲も、電極に近くて十分な加熱(昇温)がなされず、熱処理が不十分となる範囲を選択すればよい。この場合も線材の材質や線径、通電量、加熱温度などの影響を受けるため、処理内容毎に個別に選択すればよい。通常は、上流側電極における近傍範囲とほぼ同じ長さの範囲となる。
第4の発明の金属線材加熱装置は、第1〜第3の発明のいずれかにおいて、少なくとも前記電極への通電時に、前記電極間の金属線材に張力を付与する線材張力付与装置を備えることを特徴とする。
上記発明によれば、電極への通電時に、線材張力付与装置によって前記電極間の金属線材に張力を付与することにより、熱処理に際し金属線材による熱変形が生じても金属線材の直線性を良好に維持することができ、後の矯正処理を不要にしたり、矯正処理の負担を軽減する。なお、金属線材に付与する張力は、金属線材の材質や線径に基づいて設定することができる。例えば、0.1mm径の金属線材には0.5kgの張力を付与し、0.5mm径の金属線材には1.0kgの張力を付与するように、線径によって張力を調整することができる。
第5の発明の金属線材加熱装置は、第4の発明において、前記対の電極の一方または両方が金属線材を保持して前記線方向に沿って移動可能とされており、前記張力付与装置は、前記移動が可能とされた電極に移動方向に応力を加えて前記張力を付与するものであることを特徴とする。
上記発明によれば、金属線材を保持する移動可能な電極に移動応力を与えることで金属線材に容易に張力を付与して金属線材の直線性を維持することができる。なお、応力の付与は、ウェイトの自重を利用したものやサーボモータなどの駆動力を利用したものにより行うことができ、本発明としては特定のものに限定されない。また、電極の移動により張力を付与する場合、電極はいずれか一方または両方を上記のように移動可能とすることができるが、上流側の電極は固定して、下流側の電極のみを移動可能とするのが望ましい。これは上流側の電極が移動すると、その上流側で線材がコイル状に巻き取られている場合、上記移動によって巻きずれが発生するなどの問題が生じやすくなるためである。
第6の発明の金属線材加熱装置は、第1〜第5の発明のいずれかにおいて、前記対の電極間の金属線材の周囲を囲む包囲筒体を備えることを特徴とする。
上記発明によれば、上記通電加熱、冷却に際しては金属線材の周囲が包囲筒体で囲まれているので、空気の流れなどによる環境の変化を受けにくく、安定して金属線材の線方向で均等な熱処理がなされ、特性のばらつきが小さい処理済みの金属線材を得ることが可能になる。なお、包囲筒体は、金属線材の加熱、冷却においても損傷を生じないように耐熱性を有するものが望ましく、石英製などのものを用いることができる。また、包囲筒体は、金属線材の周囲を完全に囲むものの他、一部で開放されているものであってもよいが、周囲の環境の変化を回避するためには、周囲全体を完全に囲むものが望ましい。
第7の発明の金属線材加熱装置は、第1〜第6の発明において、前記包囲筒体内の強制通気を行う通気装置を備えることを特徴とする。
上記発明によれば、熱処理時の冷却に際し、包囲筒体内の昇温された雰囲気を強制的に通気することで金属線材周囲の環境温度を強制的に降温させて冷却効率を高める。
金属線材の周囲に包囲筒体を配置することで上記したように環境の変化を受けにくくなるものの、冷却時には包囲筒体による保温作用が現れて冷却効率が悪くなるが、上記のように強制的な通気によりこれを解消することができる。また、強制的な通気によって、金属線材の冷却が線方向で均等になされ、熱処理効果の均等性が向上する。
第8の発明の金属線材加熱装置は、第7の発明において、前記包囲筒体は部分的に膨出して内容積を大きくした膨出部を有しており、前記通気装置は、前記膨出部内に連通するように該膨出部の筒壁に連結されていることを特徴とする。
上記発明によれば、包囲筒体に対する通気装置の作用箇所(連結部分など)で通気が集中して前記線方向で冷却が不均一になるのを回避することができる。該膨出部は、包囲筒体の両端よりも内部に設けることで、包囲筒体による「環境の変化を受けにくくする」という作用を損なわない。なお、本発明としては、膨出部の形成および連結は、一箇所で行ってもよく、また複数箇所で行うことも可能である。
第9の発明の金属線材加熱装置は、第1〜第8の発明において、前記通電装置は、直流通電装置であって、少なくとも定常時に電流制御によって前記金属線材の通電加熱を行うものであることを特徴とする。
上記発明によれば、交流電源により発生する加熱時の金属線材の微小な振動を回避することができる。該振動は、熱処理のむらなどを生じさせるものであり好ましくない。さらには、上記発明では、通電加熱を行う金属線材の個体差による加熱の差異を小さくし、また、通電加熱による昇温によって抵抗値が変化する際にも安定して金属線材を加熱することができる。
なお、本発明で処理の対象となる金属線材の材質については本発明では特に限定されるものではなく、熱処理によって所望の特性を得るものであればよく、必ずしも高強度化を意図するものでなくてもよい。また、金属線材の線径も本発明としては特に限定されるものではないが、本発明の効果が顕著に得られるものとしては、1.0mm以下の線径のものが好適である。
また、本発明で加熱処理をした金属線材の用途は、本発明としては特に限定されるものではなく、例えば、IC検査プローブピンや基板打ち抜きパンチ、ドットピン、歯科用機材などに用いることができる。
すなわち本発明によれば、金属線材を線送りにより間欠的に移送する線材移送装置と、前記金属線材に対し離接可能であって前記間欠移送の停止時に前記金属線材の線方向において距離を隔てて該金属線材に接触可能な対の電極と、該電極間に通電する通電装置とを備えるので、電極と金属線材とを確実に接触させて安定した通電加熱をおこなうことができ、効率的に線方向に均等な熱処理を連続して行うことができる。この結果、高硬度などの特性が線方向においてばらつきなく良好である金属線材を得ることができる。
以下に、本発明の一実施形態を図1〜図5に基づいて説明する。
金属線材1をコイル状に巻いて送り出す送り出しロール2aと送り出しロール2aから線状に送り出された金属線材1を巻き取る巻き取りロール2bとが用意され、該巻き取りロール2bには、該巻き取りロール2bを巻き取り方向に間欠的に回転駆動するモータなどの巻き取り装置3が連結されている。上記送り出しロール2a、巻き取りロール2b、巻き取り装置3によって、金属線材を線送りにより間欠的に移送する線材移送装置が構成されている。
送り出しロール2aと巻き取りロール2b間で、金属線材1が直線状になる領域では、金属線材1が伸びている線方向に距離を隔てて該金属線材1に接触可能な電極10、20を備えている。これら電極10、20は、それぞれ金属線材1を挟む電極分割材10a、10bと電極分割材20a、20bとに分割されて、図示しないアクチュエータによって前記線方向に沿って移動できるように設置されている。これらの電極分割材10a、10b、20a、20bは、対面側が平面に形成され、反面側は線方向内側が対面側に傾斜したテーパ面によりくさび形状に形成されている。これらの電極分割材10a、10bと電極分割材20a、20bの外側には、それぞれ押さえ部11a、11b、21a、21bが前記電極分割材10a、10b、20a、20bのテーパ面の傾斜方向と同様の方向に沿って配置されている。なお、上記電極分割材10a、10bまた電極分割材20a、20b間には、側面などにおいて各電極分割材を互いに離反させるように付勢力を与えるスプリング12、22が介設されている。
上記構成において、電極10、20は、線方向内側に移動させると、押さえ部10a、10b、20a、20bによるくさび作用により、互いの電極分割材10a、10bまた電極分割材20a、20bが前記スプリング12、22の付勢力に抗して接近し、遂には両者間に配置する金属線材1に圧接される。一方、電極10、20を線方向外側に移動させると電極に対するくさび作用が失われ、金属線材1に対する圧接が解消され、外側への離反が可能になる。この場合、電極分割材10a、10b間また電極分割材20a、20b間にスプリングを介設したことで、各電極分割材が容易に離反する。また、離反を容易にするために、ガイドなどを設けて各電極分割材が線方向外側へ移動するに伴って互いに離反するようにすることもできる。なお、本発明としてはこれらスプリングやガイドを有しないものであってもよい。
また、上記電極10、20には、それぞれブリッジ整流回路4b、スイッチ4cを介してAC電源4aが電気的に接続されており、これらAC電源4aとブリッジ整流回路4bとスイッチ4cとによって直流の通電装置が構成されている。
また、電極10、20間には、前記線方向に沿って前記金属線材1を挿通させる細径の石英管5が包囲筒体として配置されている。該石英管5は、軸方向中央部に内部空間を増大させた膨出部5aがほぼ球状に設けられており、該膨出部5aに排気管6bが接続されている。該排気管6bにはファン6aが介設されており、排気管6bの他端側は適所において大気開放されている。上記ファン6aと排気管6bとによって通気装置が構成されている。
また、上記押さえ部のうち、押さえ部11a、11bは、電極10とともに前記線方向に沿って移動可能になっている。さらに、押さえ部11a、11bには、引張りライン7b、張力伝達断続部7cを介して自重を利用したウェイト7aが接続可能になっている。上記ウェイト7a、引張りライン7b、張力伝達断続部7cによって線材張力付与装置が構成されている。
上記によって構成される金属線材加熱装置の動作について図2〜図5に基づいて説明する。
先ず、電極10、20を押さえ部11a、11b内および押さえ部21a、21b内で線方向外側に退避させておき、張力伝達断続部7cでは、伝達を断にしておく。
適宜組成、適宜線径の金属線材1を用意し、送り側ロール2aにコイル状に巻いてその先端側を巻き取り側ロール2bに巻き取り可能に連結しておく。この際に、送り側ロール2aから引き出された金属線材1は、上記石英管5内に挿通して両端側を電極分割材10a、10b間および電極分割材20a、20b間に直線状に位置させて他端側が上記のように巻き取り側ロール2bに連結しておく。
上記金属線材1を配置した後、巻き取り装置3によって熱処理をする部分が電極10、20間に位置するように送り出しロール2aから金属線材1を線方向に移動させ停止しておく(ステップs1)。
次いで、電極10、20を、図示しないアクチュエータによって押さえ部11a、11b内および押さえ部21a、21b内で線方向内側に移動させて金属線材1を両側でチャックをする(図2(a)、ステップs2)。この際の挙動は、図4(a)に詳細に示すように、電極分割材10a、10bまたは電極分割材20a、20bを図示しないアクチュエータによって線方向内側に移動させると、押さえ部11a、11bまたは押さえ部21a、21bの傾斜した内面に電極分割材の外面のテーパー面が押し当たり、その傾斜に従って電極分割材が次第に内側に押される。これにより電極分割材10a、10b同士また電極分割材20a、20b同士が次第に接近し、遂には電極分割材10a、10b同士また電極分割材20a、20b同士が金属線材1を挟んで圧接され、金属線材1を挟持するようにチャック(保持)する。
次いで、張力伝達断続部7cをつないでウェイト7aの自重を引張りライン7bを通して押さえ部11a、11bに加える(図2(b)、ステップs3)。すると、押さえ部21a、21bは、図4(b)に詳細を示すように、金属線材1に対し線方向後方に向けた張力を付与する。
上記のようにして張力を付与した状態でスイッチ4cを閉にして通電を開始する(図2(c)、ステップs4)。すると交流電源4aからの交流電流は、ブリッジ整流回路4bによって整流され、直流電流が電極10、20を介して金属線材1に流れ、その抵抗熱によって金属線材1が通電加熱される。この際には、定常時には、金属線材1を流れる電流が所定の電流値になるように電流制御を行って所定時間、所定温度の加熱を行う。この際に、金属線材1は、昇温によって通常は線膨張するが、上記のように線材張力付与装置で張力が付与されているので、線膨張に伴って押さえ部11a、11bが電極10とともに線方向外側に移動し、金属線材1の直線性を維持する。
その後、スイッチ4cを開にして通電を停止し、ファン6aによって排気管6bを通して石英管5内の強制的な排気を行う(図2(d)、ステップs5)。
この結果、石英管5内の高温の空気が膨出部5aから排気管6bを通して排気され、石英管5の周囲の常温の空気が石英管5の内部への引き込まれ、高温になっている金属線材1を効率的かつ均等に冷却する。この際に、膨出部5aでは、両側から流れ込む空気の流れが大容積によって緩和されるので、膨出部5a内の金属線材1の一部のみが急速に冷却されるのを防止する。金属線材1の冷却を所定時間行うことにより熱処理を終了する。なお、冷却処理の全時間で、上記の強制通気を行ってもよく、冷却の途中で強制通気を終了することも可能である。また、上記冷却に際しても線材張力付与装置によって金属線材1に張力を付与したままにしておくのが望ましい。冷却に際しては通常は金属線材の降温によって金属線材1は熱収縮するが、張力伝達断続部7cをつないだままにして張力付与を維持しておくことで押さえ部11a、11bが電極10とともに線方向内側に移動しながら金属線材1が真直に収縮し、金属線材1の曲がりが防止されて直線性が維持される。
なお上記熱処理によって、金属線材1は図5に示すように、電極10、20間で、電極の近傍を除いて熱処理完了範囲1aが得られる。また、電極で挟まれた範囲は殆ど昇温がなされず、熱処理未了範囲1cとなる。また電極の近傍は、電極に近くて電極に熱を奪われるため昇温が十分になされず熱処理不完全範囲1bとなる(図5(a))。
上記熱処理後は、張力伝達断続部7cの伝達を断にし、図示しないアクチュエータによって電極10、20を押さえ部11a、11b内および押さえ部21a、21b内で線方向外側に移動させる。これにより電極10、20のくさび作用が失われ、電極分割材10a、10b同士また電極分割材20a、20b同士が、スプリング12、22の付勢力によって離反し、チャックが解放される(図5(b)、ステップs6)。
この状態で、処理を継続するか否かの判定を行い(ステップs7)、継続の場合、巻き取り装置3を動作させて金属線材1を巻き取りロール2b側に所定の線送り量だけ移送する(図2(e)、ステップs8)。この際の線送り量は、図5(c)、(d)に示すように、線送りによって、上記熱処理不完全範囲1bが、下流側の電極にあたる電極20の接触位置から上記熱処理不完全範囲1bと同程度の範囲を残して上流側に位置するように設定する。これにより上記熱処理不完全範囲1bと熱処理未了範囲1cと、それよりも上流側の未処理部分を含めて次の熱処理の対象とすることができる。
すなわち、上記行程と同様に金属線材の移送後、電極による金属線材のチャック、張力の付与、通電、冷却を行って熱処理を行う。この熱処理においても電極で挟まれた範囲と電極の近傍は、熱処理が完了しないが、上記した前回の熱処理における熱処理不完全範囲1bと熱処理未了範囲1cとは、それよりも内側にあって良好な熱処理が行われる。
上記行程を繰り返すことで、熱処理が不完全な部分を発生させることなく金属線材のほぼ全長に亘って均等に熱処理を行うことができる。
なお、上記各行程における線材移送装置の移送および停止、電極の線方向の移動、線材張力付与装置の断続、通電装置の通電、通気装置の稼働および停止は、制御部において集中的に制御することができる。該制御部は、例えばCPUとこれを動作させるプログラムとによって構成することができる。
上記によって加熱処理された金属線材は、長手方向においてむらなく熱処理がなされ、特性のばらつきがなく均等な特性(高硬度など)を有しており、熱処理も効率よくなされている。
以上、本発明について上記実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明は上記実施形態の内容に限定をされるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない範囲で適宜の変更が可能である。
上記実施形態における金属線材加熱装置を用いて、質量比で、Cr38%、Al4%、残部Niと不可避不純物からなる組成からなり、線径0.1mmの金属線材について、480mmの間隔で上記電極によりチャック可能にし、金属線材を間欠移送しつつ、停止時に加熱、冷却処理を行った。
加熱処理では、金属線材が560〜580℃で150秒間加熱されるように電流制御しつつ通電加熱を行った。通電後、上記した通気装置によって強制的に通気を行い、強制通気を継続して100秒の冷却を行った。
この熱処理を施した金属線材の機械的特性を測定し、下記表1に示した。表1に示されるように、電極チャック部と、電極と石英管の間に位置した部位と、石英管が位置した部位の金属線材の硬度を測定した。電極と石英管の間に位置した部位は二度加熱を受け、その他は一度加熱を受けているが、それぞれほぼ同等の優れた機械特性を有しており、線方向の特性のばらつきは非常に小さいものであった。また、目視検査の結果、金属線材の直線性も優れていた。
Figure 2008133522
本発明の一実施形態の金属線材加熱装置を示す図である。 同じく、熱処理工程を示すフロー図である。 同じく、熱処理工程を示すフロー図である。 同じく、処理時の工程の一部を詳細に示す図である。 同じく、処理時の工程の一部を詳細に示す図である。
符号の説明
1 金属線材
3 巻き取り装置
4a 交流電源
4b ブリッジ整流回路
5 石英管
5a 膨出部
6 ファン
6a 排気管
7a ウェイト
7b 引張りライン
7c 張力伝達断続部
10 電極
10a 電極分割材
10b 電極分割材
11a 押さえ部
11b 押さえ部
12 スプリング
20 電極
20a 電極分割材
20b 電極分割材
21a 押さえ部
21b 押さえ部
22 スプリング

Claims (9)

  1. 金属線材を線送りにより間欠的に移送する線材移送装置と、前記金属線材に対し離接可能であって前記間欠移送の停止時に前記金属線材の線方向において距離を隔てて該金属線材に接触可能な対の電極と、該電極間に通電する通電装置とを備えることを特徴とする線材加熱装置。
  2. 前記線材移送装置は、前記電極による前記金属線材への通電と該金属線材の冷却とが間欠移送の停止時間中になされるように間欠的な移送を行うものであることを特徴とする請求項1記載の線材加熱装置。
  3. 前記線材移送装置は、間欠的な移送の一動作において、前記対の電極のうち上流側の電極が接触した前記金属線材の一部分とその線方向内側近傍が、下流側の電極が接触する位置の上流側近傍に移動するように線送りするものであることを特徴とする請求項1または2に記載の線材加熱装置。
  4. 少なくとも前記電極への通電時に、前記電極間の金属線材に張力を付与する線材張力付与装置を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の金属線材加熱装置。
  5. 前記対の電極の一方または両方が前記金属線材を保持して前記線方向に沿って移動可能とされており、前記張力付与装置は、前記移動が可能とされた電極に移動方向に応力を加えて前記張力を付与するものであることを特徴とする請求項4記載の金属線材加熱装置。
  6. 前記対の電極間の金属線材の周囲を囲む包囲筒体を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の線材加熱装置。
  7. 前記包囲筒体内の強制通気を行う通気装置を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の金属線材加熱装置。
  8. 前記包囲筒体は部分的に膨出して内容積を大きくした膨出部を有しており、前記通気装置は、前記膨出部内に連通するように該膨出部の筒壁に連結されていることを特徴とする請求項7記載の金属線材加熱装置。
  9. 前記通電装置は直流通電装置であって、少なくとも定常時に電流制御によって前記金属線材の通電加熱を行うものであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の金属線材加熱装置。
JP2006321731A 2006-11-29 2006-11-29 金属線材加熱装置 Expired - Fee Related JP5108283B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006321731A JP5108283B2 (ja) 2006-11-29 2006-11-29 金属線材加熱装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006321731A JP5108283B2 (ja) 2006-11-29 2006-11-29 金属線材加熱装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008133522A true JP2008133522A (ja) 2008-06-12
JP5108283B2 JP5108283B2 (ja) 2012-12-26

Family

ID=39558565

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006321731A Expired - Fee Related JP5108283B2 (ja) 2006-11-29 2006-11-29 金属線材加熱装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5108283B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105021492A (zh) * 2015-07-27 2015-11-04 华侨大学 一种模拟故障电弧作用下的电缆受热及燃烧特性测试装置

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4914730Y1 (ja) * 1970-10-21 1974-04-12
JPS5118313U (ja) * 1974-07-26 1976-02-10
JPS5160617A (en) * 1974-11-25 1976-05-26 Tokyo Shibaura Electric Co Koyutenkinzokuno tsudennetsushorihoho
JPS5242431A (en) * 1975-10-01 1977-04-02 Hitachi Ltd Surface hardening of tungsten strand
JPS53109808A (en) * 1977-03-09 1978-09-26 Gakei Denki Seisakusho Material holding device in direct current heating process appratus
JPH0353547U (ja) * 1989-10-02 1991-05-23
JPH0499221A (ja) * 1990-08-09 1992-03-31 Hakusan Seisakusho:Kk 焼鈍装置
JPH0881745A (ja) * 1994-09-13 1996-03-26 Kanto Special Steel Works Ltd 形状記憶合金線材製造装置

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4914730Y1 (ja) * 1970-10-21 1974-04-12
JPS5118313U (ja) * 1974-07-26 1976-02-10
JPS5160617A (en) * 1974-11-25 1976-05-26 Tokyo Shibaura Electric Co Koyutenkinzokuno tsudennetsushorihoho
JPS5242431A (en) * 1975-10-01 1977-04-02 Hitachi Ltd Surface hardening of tungsten strand
JPS53109808A (en) * 1977-03-09 1978-09-26 Gakei Denki Seisakusho Material holding device in direct current heating process appratus
JPH0353547U (ja) * 1989-10-02 1991-05-23
JPH0499221A (ja) * 1990-08-09 1992-03-31 Hakusan Seisakusho:Kk 焼鈍装置
JPH0881745A (ja) * 1994-09-13 1996-03-26 Kanto Special Steel Works Ltd 形状記憶合金線材製造装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105021492A (zh) * 2015-07-27 2015-11-04 华侨大学 一种模拟故障电弧作用下的电缆受热及燃烧特性测试装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP5108283B2 (ja) 2012-12-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5574772B2 (ja) ばねの通電加熱方法及びその装置
JP4673656B2 (ja) 熱間プレス成形装置
JP6450608B2 (ja) 加熱方法及び加熱装置並びにプレス成形品の作製方法
JP2019050137A (ja) 通電加熱装置及び通電加熱方法、加熱装置及び加熱方法、並びにホットプレス成形方法
JP2008118731A (ja) ステータコイル及びコアの加熱装置および加熱方法
JP5108283B2 (ja) 金属線材加熱装置
JP6758913B2 (ja) 軌道輪の製造方法
JP5108282B2 (ja) 金属線材加熱装置
JP7187082B2 (ja) 選択的通電焼結装置
JP2008126245A (ja) マグネシウム合金薄板の塑性加工方法
CN110849737A (zh) 一种电辅助单拉试验温度控制装置及其使用方法
JP2007253230A (ja) ダイカストマシン用高周波誘導加熱装置
WO2015029095A1 (ja) 溶接構造物の熱処理方法および装置
JP2019114466A (ja) シーズヒータの製造方法
JP2024054700A (ja) コイルばねの製造方法
JPH08323440A (ja) 線状金属材の曲り矯正方法
JP6522444B2 (ja) 軌道輪の製造方法
JP2013204092A (ja) 加熱装置及び加熱方法
JP2007275720A (ja) 塗装物の製造装置及び塗装物の製造方法
JP2001004508A (ja) 加工熱処理再現試験装置
JPH07105261B2 (ja) 金属材の製造方法
JP5268059B2 (ja) 触媒化学気相成長装置の触媒体支持構造
JP7117842B2 (ja) 誘導加熱装置
JP3095938B2 (ja) 通電加熱装置
JP6192606B2 (ja) 圧延装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091124

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120111

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120229

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120427

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120926

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121005

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5108283

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151012

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees