JP2008133516A - アモルファス金属成形体、その製造方法及び製造装置 - Google Patents

アモルファス金属成形体、その製造方法及び製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】所定の大きさを有し、結晶化度のばらつきを抑制したアモルファス金属成形体、これを用いた電動機用コア、並びにそれらの製造方法及びこれに用いる製造装置を提供すること。
【解決手段】アモルファス金属を含有する原料粉末を圧縮成形して成り、直径10mmの球状体に外接する大きさ以上の外形を備える外形部を有すると共に、結晶化度のばらつきが20%以内であるアモルファス金属成形体である。アモルファス金属は、鉄等を含有し、且つΔTx=Tx−Tg(式中のTxは結晶化開始温度、Tgはガラス転移温度を示す。)で表される過冷却液体領域の温度間隔ΔTxが20K以上である。
【選択図】なし

Description

本発明は、アモルファス金属成形体、その製造方法及び製造装置に係り、更に詳細には、所定のアモルファス金属を含有する原料粉末を圧縮成形して成り、直径10mmの球状体に外接する大きさ以上の外形を備える外形部を有すると共に、結晶化度のばらつきが20%以内であるアモルファス金属成形体、これを用いた電動機用コア、並びにそれらの製造方法及びこれに用いる製造装置に関する。
アモルファス金属は、室温では若干の塑性変形性を有するだけであるため成形が困難である。成形体を得るために、以下のような製造方法が提案されている。
第1の製造方法としては、目的合金組成を有する溶湯を固めて、直接的にアモルファス金属成形体を得る方法がある。
具体的には、金型にアモルファス金属の溶湯を注入し、直ちに成形し、金型から抜熱して、アモルファス金属成形体を得るに当たり、金型の材質や形状、溶湯の注入方法などを工夫した製造方法や製造装置などが提案されている(特許文献1〜6参照。)。
また、第2の製造方法として、アトマイズ法、急冷箔体の微粉砕、メカニカルアロイングなどを用いて、アモルファス金属粉末を製造し、これを成形体の原料粉末として直接又は粉砕、分級して用い、アモルファス金属成形体を得る方法がある。
具体的には、金属ガラスの結晶化温度が成型圧の増加とともに上昇する現象を利用して、高圧高温成型することで、箔体や粉体より大きな形状の成形体を得る製造方法が提案されている(特許文献7参照。)。
また、メカニカルアロイ等により得たアモルファス合金粉末を結晶化しない温度以下且つ時間以内で熱間静水圧プレスにより仮成形し、得られた仮成形材を再度プレス成形して緻密化する製造方法が提案されている(特許文献8参照。)。
更に、特許文献8の改良として、仮成形の回数を増加させたり、金型と成形体の間隙にセラミックスを配して結晶化を遅らせる工夫をした製造方法が提案されている(特許文献9参照。)。
また、昇温速度を100K/秒以上として結晶化開始までの時間を遅らせて、成型温度と成形時間を拡大して成形体を得る製造方法が提案されている(特許文献10参照。)。
更に、非晶質合金の結晶化温度より低い軟化点を持つガラス物質をバインダーとして添加して、非晶質合金粉末の結晶化温度以下で成形して成形体を得る製造方法が提案されている(特許文献11参照。)。更にまた、同様にバインダーを活用して低温で緻密化する製造方法が提案されている(特許文献12及び13参照。)。
また、放電プラズマ焼結装置を利用して、金型内の金属ガラス粉末を40K/分以上の昇温速度で加熱することで、高密度な軟磁性体を得る製造方法が提案されている(特許文献14参照。)。
更に、軟磁性粒子とシリカ等の絶縁物を混合した粉末を原料とし、放電プラズマ焼結で緻密化する製造方法が提案されている(特許文献15参照。)。
更にまた、成形型と成形材料の体積比と、加熱に要する熱輻射量が同等になるよう、成形材料に供する輻射熱量を調節し、成形型と成形材料が同じ加熱速度で加熱して成形体を得る製造方法が提案されている(特許文献16参照。)。
特許第3158097号明細書 特許第3616512号明細書 特許第3484360号明細書 特開2000−119826号公報 特開2001−71113号公報 特開2001−259821号公報 特開昭61−195903号公報 特許第2860427号明細書 特許第2946350号明細書 特開平7−26354号公報 特許第3288571号明細書 特開2000−129307号公報 特開2000−212602号公報 特開平10−92619号公報 特開2005−171275号公報 特開2000−96197号公報
しかしながら、上記特許文献1〜6に記載のアモルファス金属成形体の製造方法は、冷却した非晶質状態の物質を再加熱する必要がなく、生産効率が高い反面、基本的には加圧鋳造であり、合金状態を非晶質状態に凍結するためには、金型で急冷する必要があるため、薄くて広い面積の成形体には有効な手法であるが、厚みが大きい形状ものが製造できないという問題点があった。
また、上記特許文献7〜16に記載のアモルファス金属成形体の製造方法は、粉末を仮成形したものやカプセルに挿入した状態で加熱するなどして、熱容量が大きい状態で加熱したり、金型内に粉末を挿入した状態で金型とともに加熱したりするなどの特徴を有するため、大きな成形体においては加熱速度が遅くなり、また、このような状態で過度に加熱速度を速くすると成形体の表面と内部の温度差が拡大し、結晶化が不可避で生じるため内部組織が不均質な成形体になるという問題が生じる。
従って、上記の製造方法においては、薄く広い面積を有する成形体や、内部と表面の温度差が問題にならないほど小さい成形体でしか、均一な組織を有する成形体が得られないという問題点があった。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、所定の大きさを有し、結晶化度のばらつきを抑制したアモルファス金属成形体、これを用いた電動機用コア、並びにそれらの製造方法及びこれに用いる製造装置を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねたところ、鉄、ニッケル及びコバルトから成る群より選ばれた少なくとも1種の元素を含有し、且つ次式(1)
ΔTx=Tx−Tg…(1)
(式中のTxは結晶化開始温度、Tgはガラス転移温度を示す。)で表される過冷却液体領域の温度間隔ΔTxが20K以上であるアモルファス金属を含有する原料粉末を加熱し、原料粉末の温度を保持しつつ、成形温度に保持した成形型で圧縮成形して、直径10mmの球状体に外接する大きさ以上の外形を備える外形部を有すると共に、結晶化度のばらつきが20%以内とすることなどにより、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明のアモルファス金属成形体は、アモルファス金属を含有する原料粉末を圧縮成形して成り、直径10mmの球状体に外接する大きさ以上の外形を備える外形部を有すると共に、結晶化度のばらつきが20%以内であるアモルファス金属成形体であって、上記アモルファス金属は、鉄、ニッケル及びコバルトから成る群より選ばれた少なくとも1種の元素を含有し、且つ次式(1)
ΔTx=Tx−Tg…(1)
(式中のTxは結晶化開始温度、Tgはガラス転移温度を示す。)で表される過冷却液体領域の温度間隔ΔTxが20K以上であることを特徴とする。
また、本発明の電動機用コアは、鉄、ニッケル及びコバルトから成る群より選ばれた少なくとも1種の元素を含有し、且つ次式(1)
ΔTx=Tx−Tg…(1)
(式中のTxは結晶化開始温度、Tgはガラス転移温度を示す。)で表される過冷却液体領域の温度間隔ΔTxが20K以上であるアモルファス金属を含有する原料粉末を圧縮成形して成り、直径10mmの球状体に外接する大きさ以上の外形を備える外形部を有すると共に、結晶化度のばらつきが20%以内であるアモルファス金属成形体を用いたことを特徴とする。
また、本発明のアモルファス金属成形体の製造方法は、鉄、ニッケル及びコバルトから成る群より選ばれた少なくとも1種の元素を含有し、且つ次式(1)
ΔTx=Tx−Tg…(1)
(式中のTxは結晶化開始温度、Tgはガラス転移温度を示す。)で表される過冷却液体領域の温度間隔ΔTxが20K以上であるアモルファス金属を含有する原料粉末を圧縮成形して成り、直径10mmの球状体に外接する大きさ以上の外形を備える外形部を有すると共に、結晶化度のばらつきが20%以内であるアモルファス金属成形体の製造方法であって、下記の工程(1)〜(3)を含むことを特徴とする。
(1)原料粉末を加熱する工程
(2)工程(1)より後に実施され、原料粉末の温度を保持しつつ、成形温度に保持された成形型内に充填する工程
(3)工程(2)より後に実施され、原料粉末を成形型内で圧縮成形する工程
更に、本発明のアモルファス金属成形体の製造装置は、鉄、ニッケル及びコバルトから成る群より選ばれた少なくとも1種の元素を含有し、且つ次式(1)
ΔTx=Tx−Tg…(1)
(式中のTxは結晶化開始温度、Tgはガラス転移温度を示す。)で表される過冷却液体領域の温度間隔ΔTxが20K以上であるアモルファス金属を含有する原料粉末を圧縮成形して成り、直径10mmの球状体に外接する大きさ以上の外形を備える外形部を有すると共に、結晶化度のばらつきが20%以内であるアモルファス金属成形体の製造装置であって、加熱手段と、粉末充填手段と、成形型と、プレス成形手段と、を備え、該粉末充填手段は、加熱された上記原料粉末の温度を保持しつつ、該成形型に充填し、該成形型は、成形温度に保持されていることを特徴とする。
本発明によれば、鉄、ニッケル及びコバルトから成る群より選ばれた少なくとも1種の元素を含有し、且つ次式(1)
ΔTx=Tx−Tg…(1)
(式中のTxは結晶化開始温度、Tgはガラス転移温度を示す。)で表される過冷却液体領域の温度間隔ΔTxが20K以上であるアモルファス金属を含有する原料粉末を加熱し、原料粉末の温度を保持しつつ、成形温度に保持した成形型で圧縮成形して、直径10mmの球状体に外接する大きさ以上の外形を備える外形部を有すると共に、結晶化度のばらつきが20%以内とすることなどとしたため、所定の大きさを有し、結晶化度のばらつきを抑制したアモルファス金属成形体、これを用いた電動機用コア、並びにそれらの製造方法及びこれに用いる製造装置を提供することができる。
以下、本発明のアモルファス金属成形体について詳細に説明する。
上述の如く、本発明のアモルファス金属成形体は、アモルファス金属を含有する原料粉末を圧縮成形して成り、直径10mmの球状体に外接する大きさ以上の外形を備える外形部を有すると共に、結晶化度のばらつきが20%以内である。
そして、かかるアモルファス金属は、鉄、ニッケル又はコバルト、及びこれらの任意の組み合せに係る元素を含有し、且つ次式(1)
ΔTx=Tx−Tg…(1)
(式中のTxは結晶化開始温度、Tgはガラス転移温度を示す。)で表される過冷却液体領域の温度間隔ΔTxが20K以上である。
このような構成とすることにより、成形時の温度分布のムラによる結晶化度のばらつきが小さい、厚い部位を有するアモルファス金属成形体が得られるので、磁気特性や強度に優れた部品を製造することができる。
ここで、鉄、ニッケル又はコバルト、及びこれらの任意の組み合せに係る元素を含有するアモルファス金属において、上記(1)式で表される過冷却液体領域の温度間隔ΔTxが20K未満の場合には、本発明の製造方法においても成形体内に不可避で生じる温度分布により結晶化を生じる領域が発生する。
また、直径10mmの球状体に外接する大きさ以上の外形を備える外形部を有するものでない場合には、従来法による方が、むしろ経済的で産業上の効果は小さい。
更に、結晶化度のばらつきが20%超である場合には、品質が不均一であり、例えばモーター等に使用した場合に、動作が不安定になったり、ロスが大きくなる。
なお、「直径10mmの球状体に外接する大きさ以上の外形を備える外形部」とは、このような外形部が中空であると仮定した場合に、直径10mmの球状体を内包し得るような外形を有するものをいう。
また、本発明のアモルファス金属成形体においては、例えば外形部の体積は当該成形体の全体積の5体積%以上であることが好ましく、10体積%以上であることがより好ましく、20体積%以上であることが更に好ましい。外形部の体積率が低いと、成形体の容積が小さいこととなり、結果として、少量生産の場合には、従来法によった方が経済的になるからである。
更に、本発明のアモルファス金属成形体においては、例えば原料粉末の平均粒径が1〜500μmであることが好ましく、5〜200μmであることがより好ましく、10〜100μmであることが更に好ましい。
原料粉末の平均粒径が1μm未満の場合には、表面酸化などにより劣化の度合いが大きくなることがあり、原料粉末の平均粒径が500μmを超える場合には、熱容量に対して大きくなり、粉末を撹拌やガスなどの流体と熱置換することによっても加熱速度を速くし難いことがある。
また、本発明のアモルファス金属成形体においては、例えば原料粉末が絶縁性物質を更に含有することが望ましい。
原料粉末が絶縁性物質を含有すると、成形体の電気伝導率を大幅に低減することができ、例えば軟磁性鉄心材料として使用した場合に、渦電流損失を低減し得る鉄心を製造することができる。
更に、本発明のアモルファス金属成形体においては、例えば原料粉末が絶縁性物質を含有する場合に、原料粉末はアモルファス金属の表面に絶縁性物質を被覆して含有していることが望ましい。
アモルファス金属の表面に絶縁性物質が被覆された原料粉末は、これを用いてアモルファス金属成形体が作製されたときに、アモルファス金属が絶縁性物質によって絶縁されているので、効果的に電気伝導率を低減することができる。
また、本発明のアモルファス金属成形体においては、例えば絶縁性物質の含有量が、成形体の全体積に対して30体積%以下であることが好ましく、より具体的には1〜30体積%であることが好ましく、1〜10体積%であることがより好ましい。
絶縁性物質の含有量が30体積%を超える場合には、アモルファス金属固有の磁気特性や超塑性特性が劣化することがある。
更に、本発明のアモルファス金属成形体においては、絶縁性物質としては、例えば酸化物、窒化物又は硫化物、及びこれらの任意の組み合せに係る混合物ないし複合化合物などを挙げることができる。
このような絶縁性物質としては、例えばアルミナ(Al)やシリカ(SiO)、マグネシア(MgO)などを挙げることができる。
次に、本発明の電動機用コアについて詳細に説明する。
上述の如く、本発明の電動機用コアは、鉄、ニッケル又はコバルト、及びこれらの任意の組み合わせに係る元素を含有し、且つ次式(1)
ΔTx=Tx−Tg…(1)
(式中のTxは結晶化開始温度、Tgはガラス転移温度を示す。)で表される過冷却液体領域の温度間隔ΔTxが20K以上であるアモルファス金属を含有する原料粉末を圧縮成形して成り、直径10mmの球状体に外接する大きさ以上の外形を備える外形部を有すると共に、結晶化度のばらつきが20%以内であるアモルファス金属成形体を適用したものである。
このようなアモルファス金属成形体は、成形時の温度分布のムラによる結晶化度のばらつきが小さく、大型の成形体であるため、電動機用コアとして用いる場合には、磁気特性や強度が安定したものとなる。
また、渦電流損失が少ないため、このような電動機用コアを用いた電動機は高効率なものとなる。
なお、このようなアモルファス金属成形体を電動機用コアに適用する場合には、更に加工を施してもよく、このような電動機用コアも本発明の範囲に含まれる。
次に、本発明のアモルファス金属成形体の製造方法について詳細に説明する。
上述の如く、本発明のアモルファス金属成形体の製造方法は、鉄、ニッケル又はコバルト、及びこれらの任意の組み合せに係る元素を含有し、且つ次式(1)
ΔTx=Tx−Tg…(1)
(式中のTxは結晶化開始温度、Tgはガラス転移温度を示す。)で表される過冷却液体領域の温度間隔ΔTxが20K以上であるアモルファス金属を含有する原料粉末を圧縮成形して成り、直径10mmの球状体に外接する大きさ以上の外形を備える外形部を有すると共に、結晶化度のばらつきが20%以内であるアモルファス金属成形体の製造方法であって、下記の工程(1)〜(3)を含む。
(1)原料粉末を加熱する工程
(2)工程(1)より後に実施され、原料粉末の温度を保持しつつ、成形温度に保持された成形型内に充填する工程
(3)工程(2)より後に実施され、原料粉末を成形型内で圧縮成形する工程
このような構成とすることにより、熱容量の大きい成形型などを加熱する必要がなく、成形体の加熱は熱容量の小さい粉末状態で加熱することができるので、昇温速度を極めて速くすることができる。また、特定温度範囲の粉末を目標温度の成形型内に充填するので、加熱時の温度分布による結晶化度のばらつきや、不可避の高温長時間加熱部の存在による結晶化促進領域を生じることなく、成形体の表面と内部の温度差が殆ど生じない、結晶化度のばらつきが小さい成形体を得ることが可能になる。更に、加熱速度が速いため、生産性にも優れるという副次的効果をも奏する。
また、本発明のアモルファス金属成形体の製造方法においては、例えば工程(1)において、ガラス転移温度−50℃以下の任意の温度から成形温度まで、原料粉末を昇温速度が50℃/分以上となるように加熱することが好ましく、昇温速度は60℃/分以上であることがより好ましい。
原料粉末の昇温速度が50℃/分未満となる加熱をすると、結晶化が進行する温度範囲での成形までの滞留時間を数分以内に抑制することができず、不要な結晶化の進行を防止できないことがある。
更に、本発明のアモルファス金属成形体の製造方法においては、例えば成形温度を、結晶化開始温度以上且つガラス転移温度以下とすることが望ましい。
このような構成とすると、結晶化度が極めて小さく、且つばらつきがない成形体を得やすくなる。
また、本発明のアモルファス金属成形体の製造方法においては、例えば工程(1)において、原料粉末を真空中で加熱することは、絶縁性物質の反応生成ガスを脱ガスすることができるという観点から望ましい。また、絶縁性物質の被覆工程としても利用可能であり、アモルファス金属への絶縁性物質の被覆工程を省略でき、生産性を向上させ得るという観点からも望ましい。
更に、本発明のアモルファス金属成形体の製造方法においては、例えば工程(1)において、原料粉末を不活性ガス中で加熱することは、加熱中に原料粉末が酸化や窒化、炭化などによって損傷することを防止し得るという観点から望ましい。また、反応性が比較的小さな安定したアモルファス金属粉末においても、高温のガスを炉内に噴流させて粉末を加熱することにより、より急速加熱が可能となる。
更にまた、本発明のアモルファス金属成形体の製造方法においては、例えば原料粉末が更に絶縁性物質を含有するときに、工程(1)において、原料粉末をアモルファス金属に対して還元性雰囲気下で加熱するか又は絶縁性物質に対して酸化性雰囲気下で加熱することが望ましい。
このような構成とすることにより、原料粉末の劣化抑制又は絶縁性物質の被膜の生成反応を促進することができるので、絶縁被覆したアモルファス金属粉末を加熱でき、安定したアモルファス金属成形体を得ることができる。
また、本発明のアモルファス金属成形体の製造方法においては、工程(1)より前に実施され、原料粉末を予熱する工程(1´)を更に付加することもできる。
このような構成とすることにより、加熱速度を速くする必要があるガラス転移温度−100℃〜成形温度までの温度領域のみを、急速加熱することができるので、更に粉末の加熱時における温度のばらつきが生じ難く、生産効率を向上させることができる。また、予め大量の粉末を、結晶化に影響しない低温で予熱しつつ貯蔵することができるので、熱量のロスが少ないという利点もある。
更に、本発明のアモルファス金属成形体の製造方法においては、上述した工程(1´)において、原料粉末を350℃以下の予熱温度で、3時間以下滞留させて予熱すると共に、工程(1)において、原料粉末を昇温速度が50℃/分以上となるように加熱することが好ましい。
このような予熱温度と予熱時間で滞留させると、結晶化させずに予熱しつつ貯蔵することができ、更に、数秒ないし数分で成形温度に昇温させることができるので、結晶化が抑制されたアモルファス金属成形体を得ることができる。
更にまた、本発明のアモルファス金属成形体の製造方法においては、工程(3)より後に実施され、成形体を成形型から取り出して冷却する工程(4)を更に付加することもできる。
このような構成とすることにより、冷却速度を速めることができ、冷却不足による高温での滞留時間増加で生じる結晶化を抑制することができる。また、成形型を室温まで冷却する必要がないので、連続して同じ温度での圧縮成形をすることが可能であり、生産性を著しく向上させることができる。
次に、本発明のアモルファス金属成形体の製造装置について詳細に説明する。
上述の如く、本発明のアモルファス金属成形体の製造装置は、上記本発明のアモルファス金属成形体の製造方法を実行し得る装置の一例であり、鉄、ニッケル又はコバルト、及びこれらの任意の組み合せに係る元素を含有し、且つ次式(1)
ΔTx=Tx−Tg…(1)
(式中のTxは結晶化開始温度、Tgはガラス転移温度を示す。)で表される過冷却液体領域の温度間隔ΔTxが20K以上であるアモルファス金属を含有する原料粉末を圧縮成形して成り、直径10mmの球状体に外接する大きさ以上の外形を備える外形部を有すると共に、結晶化度のばらつきが20%以内であるアモルファス金属成形体の製造装置であって、加熱手段と、粉末充填手段と、成形型と、プレス成形手段と、を備え、その粉末充填手段は、加熱された原料粉末の温度を保持しつつ、成形型に充填し、その成形型は、成形温度に保持されているものである。
ここで、加熱手段としては、例えば直火で加熱する燃料バーナーの他、予め加熱したガスやソルトバスなどの液体を用いる熱置換装置、電気抵抗加熱による輻射熱による加温装置、赤外加熱装置、マイクロ波加熱装置などを挙げることができる。
また、例えば電気抵抗炉内で加熱した円筒状の炉心管を転動させて、内部に挿入した粉末を撹拌しつつ、炉外から予め加熱した熱風を炉内に循環させた転動キルン式の加熱炉を用いると、炉壁と熱風の複合効果で、速い加熱速度を得ることができる。粉末の大きさは、成形体に比較して極めて小さいので、このような加熱方式で容易に急速加熱が可能である。
その他の加熱方式、例えば坩堝式の容器で加熱する場合でも、粉末量を加熱炉の能力に応じて増減し、複数の加熱炉で同時に粉末を加熱することにより、短時間に必要な粉末量を加熱することができる。
また、粉末充填手段としては、加熱された原料粉末の温度を保持しつつ、成形型に充填することができれば、特に限定されるものではなく、上述の転動キルン式の加熱炉においては、それ自体を粉末充填手段とすることができる。また、加熱手段から成形型に原料粉末を充填する際に原料粉末の温度を保持し得ればよいので、加熱手段と金型、更にはプレス成形手段の一部等を高温保持された空間内に配置すればよい。
更に、成形型としては、成形温度で保持されていれば、特に限定されるものではなく、例えば金属や超硬、セラミックのものなどを結晶化開始温度からガラス転移温度の範囲で安定して使用できる。また、このような成形型は温度履歴が少ないため、熱膨張や収縮による損傷を低減できる。更に、このような成形型は寸法誤差を生じ難いという利点もある。
更にまた、プレス成形手段としては、金型などの成形型を備えた従来公知のプレス成形装置を利用することができる。
また、本発明のアモルファス金属成形体の製造装置においては、予熱手段を更に備えていてもよい。
このような予熱手段によって、上述したように、結晶化に影響しない温度まで粉末を予熱することによって、短時間に所定温度の必要量の粉末を得ることが容易となる。また、昇温速度があまり問題とならない範囲において、コスト的に有利な方法で粉末を加熱することができる。
更に、本発明のアモルファス金属成形体の製造装置においては、冷却手段を更に備えていてもよい。
このような冷却手段によって、上述したように、冷却速度を速めることができる。また、成形型型から成形体を取出した状態で冷却することができる冷却装置とすることによって、成形型を室温まで冷却する必要がないので、連続して同じ温度での圧縮成形をすることができる製造装置となり、生産性に優れたものとなる。
ここで、本発明のアモルファス金属成形体の製造装置について図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明のアモルファス金属成形体の製造装置の一実施形態を示す構成図である。同図に示すように、本実施形態の製造装置は、予熱手段の一例である粉末予備加熱装置10と、加熱手段及び粉末充填手段の一例であるキルン式の粉末加熱装置20と、成形型30と、プレス成形手段の一例であるプレス成形機40と、冷却手段の一例であるガス冷却装置50と、高温保持チャンバー60と、を備える。
また、粉末加熱装置20の出口付近と、成形型30と、プレス成形機40の一部は、高温保持チャンバー60内に配置されている。
かかる製造装置においては、まず、粉末予備加熱装置10において図示しない原料粉末が予熱される。次いで、キルン式の粉末加熱装置20内において出口側から入口側に送風される高温のアルゴン(Ar)ガスによって、図示しない原料粉末が加熱される。次いで、出口付近が高温保持チャンバー60内に配置されたキルン式の粉末加熱装置20は、粉末充填手段としても機能し、このようなキルン式の粉末加熱装置20によって、加熱された原料粉末が温度を保持されつつ、成形型30に充填される。更に、高温保持チャンバー60内に配置され、成形温度に保持された成形型30をプレス成形機40の所定位置に配置し、圧縮成形する。しかる後、成形型30から成形体Aを取り出して、ガス冷却装置50にて室温まで冷却することにより、所望のアモルファス金属成形体が完成する。
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
具体的には、以下の各例に記載したような操作を行い、図2〜図4のいずれかに示すアモルファス金属成形体を作製し、その性能を評価した。
(実施例1)
[アモルファス金属粉末の作製]
まず、Fe、Ga、B、Si、Fe−C合金、Fe−P合金を所定量秤量した後に、高周波溶解炉を用いてArガス中で溶解して、組成がFe77Ga9.5Si2.5のインゴットを製造した。
このインゴットを減圧Ar雰囲気中で溶解し、Arガスで噴霧して、ガスアトマイズを行った。X線解析の結果、アモルファス金属粉末となっていることが分かった。
得られたアモルファス金属粉末を篩を用いて、粒径が平均値の前後20%におさまるように分級した。アモルファス金属粉末の平均粒径は20μmであった。なお、粒度はレーザ回折方式粒度分布測定装置で測定して決定した。
得られたアモルファス金属粉末のガラス転移温度及び結晶化開始温度は、それぞれTgは460℃、Txは500℃であった。なお、これらは示差走査熱量分析(DSC解析)により白金坩堝を用いてArガス流中で測定して決定した。
[アモルファス金属成形体の作製]
得られたアモルファス金属粉末500gを、340℃まで加熱した炉内で1時間保持した。そこから約200g分を、軸方向に傾斜をつけて保持された内径(φ100mm)のアルミナチューブを500℃に加熱し、径方向に回転させたキルン式加熱装置に移し、490℃まで2分間で加熱した。
粉末を加熱する際には、アルミナチューブの上方から下方に粉末を送りつつ、500℃に加熱したArガスを2L/分の割合で、アルミナチューブの下方から上方に送風した。
2分後にアルミナチューブの下方から取出した粉末を、接触温度計にて測定したところ、490℃であった。
得られた粉末は、直ちに予め490℃に加熱しておいた超硬金型に充填し、ヒーターで温度を保持しつつ、型成形プレスを実施し、図2に示すようなφ40×20mmの成形体を得た。このとき、成形圧力は500MPaとした。
得られた成形体を金型から取り出し、常温のヘリウム(He)ガスを噴射し、冷却して、本例のアモルファス金属成形体を得た。
なお、冷却前の成形体の温度は460℃であり、Heガス噴射3分間後の表面温度は70℃であった。
得られたアモルファス金属成形体を5mmピッチで円板状に4切し、X線回折でそれぞれ中心部を測定した。結晶化の有無は結晶構造に特有な鋭いピークの有無で判断し、結晶化度は、2θが0〜90°の範囲にある最も広範なピークにおける半値幅で規定した。即ち、バルク結晶体の半値幅を100とし、原料粉末の半値幅を1として指標化した。
結晶が生じると、アモルファス構造に特有の透磁率が劣化し、保磁力が増大する現象を利用して、保磁力の値から結晶化度のばらつきを規定した。即ち、結晶体の保磁力を100とし、原料粉末の保磁力を1として指標化した。保磁力測定用の試験片は、それぞれφ2.5×5mmの試験片を、放電加工後に熱影響部を削り取って作製した。磁気測定は振動試料型磁力計(VSM)を用いて実施した。
結晶化度は、X線回折によるものが4箇所とも1%であり、保磁力によるものは4箇所とも1%であり、いずれも均一組織で結晶化は認められなかった。結果を表1にまとめて示す。
(実施例2)
作製したアモルファス金属粉末に、絶縁コート剤としてポリシラザン(アクアミカ製品)を塗布コートした。乾燥後、150℃で、3時間焼成して、シリカ皮膜を有するアモルファス金属粉末を得た。
得られた粉末400gを、360℃まで加熱した炉内で1時間保持した。そこから約200g分を別の加熱装置に移し、480℃まで2分で加熱した。実施例1と同様の加熱装置を用いて、炉内には500℃に加熱したArガスを2L/分の割合で下方から送風し粉末を加熱した。2分後に粉末を、接触温度計にて測定したところ480℃であった。
得られた粉末は、直ちに予め490℃に加熱しておいた超硬金型に充填し、ヒーターで温度を保持しつつ、型成形プレスを実施し、φ40×22mmの成形体を得た。成形圧力は1GPaとした。
得られた成形体を金型から取出し、常温のヘリウムガスを噴射して冷却した。冷却前の成形体の温度は460℃であり、ヘリウムガス噴射3分間後の表面温度は110℃であった。
得られた成形体は、実施例1と同様の手法でX線回折及び磁気測定を実施した。
結晶化度は、X線回折によるものが4箇所とも1%であり、保磁力によるものは1〜2%であった。結果を表1にまとめて示す。
(実施例3)
成形体の金型形状を変えて、実施例1と同様の製造方法で成形体を得た。冷却速度を異ならせる目的で、10mm×10mm×25mmの直方体の長手方向の四辺の真ん中に、5mm×5mm×金型に25mmのへらを有する形状とした。成形体の形状は図3に示した。充填した粉末は60gであり、Heガス噴射3分間後の表面温度は50℃であった。
実施例1と同様に約5mmピッチで同一断面形状に切断した。中央部から切出した成形体中央部、及びへらに相当する部位から試験片を切出し、X線回折及び磁気測定に供した。
得られた成形体は、実施例1と同様の手法でX線回折および磁気測定を実施した。
結晶化度は、X線回折によるものが5箇所とも1%であり、保磁力によるものは1%であった。結果を表1にまとめて示す。
(実施例4)
成形体を一辺25mmの立方体と25×25×2mmの直方体が合わさった形状になるよう黒鉛成形型を作製した(図4参照。)。アモルファス金属粉末を、電気抵抗発熱体及びプレス機能を備えた真空チャンバー内で、予め480℃に加熱したφ100mmのアルミナ坩堝3つに45gづつ挿入し、480℃を維持しつつ5分間保持した。坩堝の厚みは10mmあり、投入したアモルファス金属粉末と比較して十分熱容量が大きいため、坩堝の温度低下は殆ど無視できる。また、投入したアモルファス金属粉末量は、坩堝の大きさに比べて十分小さいため、ほぼ均一に坩堝と接触し得る状態である。放射温度計にて測定したところ、投入後約4分で470℃であった。投入後5分保持後、加熱した粉末を同一チャンバー内で、予め480℃に加熱保持した成形型に、合計130gのアモルファス金属粉末を充填した。直ちに、プレス成形を実施した。プレスは上面からの片押しで加圧し、上パンチは上部シリンダーに固定したものを用いた。プレスは真空中で実施した。成形後、直ちに加熱を停止し、チャンバー内に冷却用にArガスを30分間流し続けた。5分後の成形型温度は230℃であり、15分後は90℃であった。
得られた、成形体の立方体部の中心部と薄い直方体部の中心部から試験片を切出し、X線回折及び磁気測定に供した。
結晶化度は、X線回折によるものがそれぞれ3%と1%であり、保磁力によるものは7%と1%であった。結果を表1にまとめて示す。
(実施例5)
成形型を変更し、成形体寸法をφ60×40mmに変更した以外は、実施例1と同様の手法で成形体を作製した。但し、冷却時のHeガス噴射3分間後の表面温度は120℃であった。
得られた成形体を10mmピッチで円盤状に4切し、実施例1と同様に、X線回折及び磁気測定に供した。
結晶化度は、X線回折によるものが5箇所とも1〜8%であり、保磁力によるものは1〜15%であった。
(実施例6)
実施例2で用いたシリカ被覆の金属ガラス粉末を用いた以外は、実施例5と同様の手法で成形体の作製、及び測定を実施した。
結晶化度は、X線回折によるものがそれぞれ1〜8%であり、保磁力によるものは1〜15%であった。結果を表1にまとめて示す。
(実施例7)
成形型を変更し、成形体寸法をφ80×50mmに変更し、成形圧力を300MPaにした以外は、実施例1と同様の手法で成形体を作製した。
得られた成形体を10mmピッチで円盤状に5切し、実施例1と同様に、X線回折及び磁気測定に供した。
結晶化度は、X線回折によるものがそれぞれ1〜7%であり、保磁力によるものは1〜8%であった。
(実施例8)
Arガス冷却をしないで、炉内で2時間かけて徐冷した以外は、実施例4と同様の手法を用いて実験を行った。
結晶化度は、X線回折によるものがそれぞれ18〜35%であり、保磁力によるものは21〜37%であった。大型品を徐冷したので、結晶化を生じているが、試験片の切出し場所による差は小さく、全体に均一な組織状態を呈している。結果を表1にまとめて示す。
(比較例1)
キャビティーがφ40×50mmであり、最大肉厚が15mmである、室温に保持した超硬の成形型に、室温のアモルファス金属粉末を200g充填し、ホットプレスを用いて毎分25℃で、500℃まで加熱し、上下から500MPaでプレス成形して、約φ40×20mmの成形体を得た。
結晶化度は、X線回折によるものがそれぞれ2〜48%であり、保磁力によるものは2〜63%であった。表面近くから切出した試験片と中心部から切出したサンプルの差が大きく、表面近傍は、結晶化が抑制されているが、内部は半分近く結晶化していた。成形体内でのばらつきが大きい結果となっている。
(比較例2)
放電プラズマ焼結装置を用いて、毎分70℃で500℃まで加熱した以外は、比較例1と同様の実験を行った。
結晶化度は、X線回折によるものがそれぞれ4〜38%であり、保磁力によるものは5〜42%であった。表面近くから切出した試験片と中心部から切出したサンプルの差が大きく、表面近傍は、結晶化が抑制されているが、内部は半分近く結晶化していた。成形体内でのばらつきが大きい結果となっている。
Figure 2008133516
表1より、本発明の製造方法によれば、成形体内部の場所によるばらつきの少ない、均一な成形体が得られることが分かる。
本発明のアモルファス金属成形体の製造装置の一実施形態を示す構成図である。 成形体の形状を示す上面図及び側面図である。 成形体の形状を示す上面図及び側面図である。 成形体の形状を示す上面図及び側面図である。 実施例2及び比較例1のX線回折の結果を示すグラフ(a)及び(b)である。
符号の説明
10 粉末予備加熱装置
20 粉末加熱装置
30 成形型
40 プレス成形機
50 ガス冷却装置
60 高温保持チャンバー

Claims (20)

  1. アモルファス金属を含有する原料粉末を圧縮成形して成り、直径10mmの球状体に外接する大きさ以上の外形を備える外形部を有すると共に、結晶化度のばらつきが20%以内であるアモルファス金属成形体であって、
    上記アモルファス金属は、鉄、ニッケル及びコバルトから成る群より選ばれた少なくとも1種の元素を含有し、且つ次式(1)
    ΔTx=Tx−Tg…(1)
    (式中のTxは結晶化開始温度、Tgはガラス転移温度を示す。)で表される過冷却液体領域の温度間隔ΔTxが20K以上である、ことを特徴とするアモルファス金属成形体。
  2. 上記外形部の体積は、当該成形体の全体積の5体積%以上であることを特徴とする請求項1に記載のアモルファス金属成形体。
  3. 上記原料粉末の平均粒径が1〜500μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載のアモルファス金属成形体。
  4. 上記原料粉末は、絶縁性物質を更に含有すること特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載のアモルファス金属成形体。
  5. 上記原料粉末は、上記アモルファス金属の表面に上記絶縁性物質を被覆して成ることを特徴とする請求項4に記載のアモルファス金属成形体。
  6. 上記絶縁性物質の含有量が、当該成形体の全体積に対して30体積%以下であることを特徴とする請求項4又は5に記載のアモルファス金属成形体。
  7. 上記絶縁性物質は、酸化物、窒化物及び硫化物から成る群より選ばれた少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項4〜6のいずれか1つの項に記載のアモルファス金属成形体。
  8. 鉄、ニッケル及びコバルトから成る群より選ばれた少なくとも1種の元素を含有し、且つ次式(1)
    ΔTx=Tx−Tg…(1)
    (式中のTxは結晶化開始温度、Tgはガラス転移温度を示す。)で表される過冷却液体領域の温度間隔ΔTxが20K以上であるアモルファス金属を含有する原料粉末を圧縮成形して成り、直径10mmの球状体に外接する大きさ以上の外形を備える外形部を有すると共に、結晶化度のばらつきが20%以内であるアモルファス金属成形体を用いたことを特徴とする電動機用コア。
  9. 鉄、ニッケル及びコバルトから成る群より選ばれた少なくとも1種の元素を含有し、且つ次式(1)
    ΔTx=Tx−Tg…(1)
    (式中のTxは結晶化開始温度、Tgはガラス転移温度を示す。)で表される過冷却液体領域の温度間隔ΔTxが20K以上であるアモルファス金属を含有する原料粉末を圧縮成形して成り、直径10mmの球状体に外接する大きさ以上の外形を備える外形部を有すると共に、結晶化度のばらつきが20%以内であるアモルファス金属成形体の製造方法であって、下記の工程(1)〜(3)
    (1)原料粉末を加熱する工程と、
    (2)工程(1)より後に実施され、原料粉末の温度を保持しつつ、成形温度に保持された成形型内に充填する工程と、
    (3)工程(2)より後に実施され、原料粉末を成形型内で圧縮成形する工程と、
    を含むことを特徴とするアモルファス金属成形体の製造方法。
  10. 上記工程(1)において、ガラス転移温度−50℃以下の任意の温度から上記成形温度まで、上記原料粉末を昇温速度が50℃/分以上となるように加熱することを特徴とする請求項9に記載のアモルファス金属成形体の製造方法。
  11. 上記成形温度が、結晶化開始温度以上であり且つガラス転移温度以下であることを特徴とする請求項9又は10に記載のアモルファス金属成形体の製造方法。
  12. 上記工程(1)において、上記原料粉末を真空中で加熱することを特徴とする請求項9〜11のいずれか1つの項に記載のアモルファス金属成形体の製造方法。
  13. 上記工程(1)において、上記原料粉末を不活性ガス中で加熱することを特徴とする請求項9〜12のいずれか1つの項に記載のアモルファス金属成形体の製造方法。
  14. 上記原料粉末が、更に絶縁性物質を含有するときに、上記工程(1)において、上記原料粉末を上記アモルファス金属に対して還元性雰囲気下で加熱するか又は上記絶縁性物質に対して酸化性雰囲気下で加熱することを特徴とする請求項9〜13のいずれか1つの項に記載のアモルファス金属成形体の製造方法。
  15. 上記工程(1)より前に実施され、原料粉末を予熱する工程(1´)を更に含むことを特徴とする請求項9〜14のいずれか1つの項に記載のアモルファス金属成形体の製造方法。
  16. 上記工程(1´)において、上記原料粉末を350℃以下の予熱温度で、3時間以下滞留させて予熱すると共に、上記工程(1)において、上記原料粉末を昇温速度が50℃/分以上となるように加熱することを特徴とする請求項15に記載のアモルファス金属成形体の製造方法。
  17. 上記工程(3)より後に実施され、成形体を成形型から取り出して冷却する工程(4)を更に含むことを特徴とする請求項9〜16のいずれか1つの項に記載のアモルファス金属成形体の製造方法。
  18. 鉄、ニッケル及びコバルトから成る群より選ばれた少なくとも1種の元素を含有し、且つ次式(1)
    ΔTx=Tx−Tg…(1)
    (式中のTxは結晶化開始温度、Tgはガラス転移温度を示す。)で表される過冷却液体領域の温度間隔ΔTxが20K以上であるアモルファス金属を含有する原料粉末を圧縮成形して成り、直径10mmの球状体に外接する大きさ以上の外形を備える外形部を有すると共に、結晶化度のばらつきが20%以内であるアモルファス金属成形体の製造装置であって、
    加熱手段と、粉末充填手段と、成形型と、プレス成形手段と、を備え、
    上記粉末充填手段は、加熱された上記原料粉末の温度を保持しつつ、上記成形型に充填し、
    上記成形型は、成形温度に保持されている、ことを特徴とするアモルファス金属成形体の製造装置。
  19. 予熱手段を更に備えることを特徴とする請求項18に記載のアモルファス金属成形体の製造装置。
  20. 冷却手段を更に備えることを特徴とする請求項18又は19に記載のアモルファス金属成形体の製造装置。
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