JP2008133490A - 溶銑の脱硫方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】溶銑を脱硫処理するに際し、脱硫剤としてフッ素系の脱硫剤を使用せず、溶銑の温度が比較的低温であっても、脱硫処理後の溶銑中の硫黄濃度を大幅に低下できるようにした溶銑の脱硫方法の提供
【解決手段】この発明の脱硫処理は第1工程と第2工程の2つの工程からなる。第1工程では、溶銑を機械攪拌するとともに、その溶銑中にCaO系フラックスを添加して脱硫処理を行う。第2工程は、第1工程が終了した溶銑中に、CaO系フラックスと、金属Mg及び/またはMgOとを混合した、粒状及び/または粉状の脱硫剤ワイヤを投入して脱硫処理を行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、溶銑の脱硫方法に関し、特に、フッ素系の脱硫剤を使用せずに溶銑中の硫黄濃度を極めて低濃度まで低下できる溶銑の脱硫方法に関するものである。
近年、鋼の高付加価値化、および鉄鋼材料の使用用途の拡大化に伴う材料特性の向上のために、鋼の高純度化に対する要求が従来にも増して強くなり、これに伴って鋼中の不純物を除去する技術開発が盛んに行われている。鋼の低硫化も、この要求に応えるための重要な1つの条件である。通常、低硫鋼は、転炉で脱炭精錬工程の前に溶銑段階で脱硫処理を施すことによって製造されているが、高級電磁鋼板や高級ラインパイプ用鋼板などの硫黄(S)濃度が0.0010質量%以下である所謂極低硫鋼は、溶銑段階での脱硫処理のみでは不十分であり、転炉から出鋼後の溶鋼段階でもさらに脱硫処理を施すことによって製造されている。
溶銑及び溶鋼の脱硫剤としては、石灰(以下、「CaO」と表記する)系脱硫剤、カルシウムカーバイト系脱硫剤、ソーダ灰系脱硫剤、金属Mgなどが従来から使用されており、これらの脱硫剤を、上置き添加、インジェクション(吹き込み)添加、吹き付け(投射)添加などして脱硫処理が行われてきた。しかし、これらの脱硫剤には、以下のように、いずれも長所と短所がある。
CaO系脱硫剤は最も安価であるが、滓化を促進する目的でフッ化カルシウム(CaF2 )などの滓化促進剤が少量添加されており、近年、フッ素の環境への影響が問題視されており、フッ素を含有しない脱硫剤が望まれる。また、フッ化カルシウムの侵食作用によって処理容器の耐火物が溶損するという問題点もある。
カルシウムカーバイト系脱硫剤は、強力な脱硫能力を有しているが、脱硫処理後の脱硫スラグの後処理において、アセチレンガスが発生するなどの安全上の問題点がある。また、高価であり、危険物でもあるため、取り扱いが極めて困難である。
ソーダ灰系脱硫剤は、比較的安価であるが、強アルカリ性であるため、処理炉及び処理容器の耐火物への影響が大きい。また、排ガス中にはNaが含まれるため、その除去処理が必要である。さらに、スラグ中のNa2 Oの含有量が高くなるため、セメントなどへの再利用に制約があり、環境への影響からも望ましくない。
金属Mgは、溶鉄中の硫黄と容易に反応してMgSを形成するが、沸点が1100℃と低いため、溶鉄中では著しく気化し、溶鉄を飛散させる危険性があり、また、発生したMg蒸気は、十分に脱硫反応に寄与せずに大気中に放散してしまうため、効率が悪い。しかも、金属Mg自体が非常に高価であるという問題点がある。
そこで、特許文献1では、従来の脱硫剤に代わるものとして、10〜90質量%の金属Mgと90〜10質量%のCaOとを含有する脱硫剤が金属質の被覆材で被覆された金属帯被覆脱硫用ワイヤを用い、この金属帯被覆脱硫用ワイヤをワイヤフィーダ法により溶銑中に投入すると同時に、CaO系脱硫剤を溶銑中にインジェクションして溶銑の脱硫処理を行うことを提案している。特許文献1によれば、金属帯被覆脱硫用ワイヤを用いても脱硫処理末期の低硫黄領域では脱硫効率が低下するが、CaO系脱硫剤を溶銑中にインジェクションすることによって溶銑の攪拌が強化され、金属帯被覆脱硫用ワイヤ中の金属Mgから発生する気化したMg蒸気が溶銑中に行き渡り、低硫黄領域においても迅速な脱硫反応が可能になるとしている。
また、特許文献2では、溶銑の予備処理方法として、溶銑の脱珪および脱硫を蛍石(CaF2 )を使用せず、かつ、中間除滓を行わずに連続して行う方法が提案されている。すなわち、特許文献2の方法は、以下の3つの工程からなり、その3つの工程を中間除滓を行わずに連続して行うようにしたものである。
第1工程では、精錬容器に収容された溶銑の内部にインペラを回転させてその溶銑を攪拌するとともに、その溶銑に酸素源を添加して脱珪処理を行う。第2工程では、その溶銑の内部でインペラを回転させて溶銑を攪拌するとともに、その溶銑に製鋼スラグおよびCaO、MgOおよびドロマイトのうちの少なくとも1種類以上をスラグ固化剤として添加してスラグのCaO/SiO2 を質量%比で1.2以上とする。第3工程では、溶銑の内部でインペラを回転させて溶銑を攪拌させるとともに、その溶銑にCaOとMg、Al、CaC2 、Na2 CO3 および製鋼スラグのうちの少なくとも1種類以上を混合した媒溶剤を添加してスラグのCaO/SiO2 を質量%比で1.2以上5.0以下として脱硫処理を行う。
さらに、特許文献3では、溶銑の脱硫方法として、Mg脱硫を前提とし、安価で、従来のCaO−CaF2 系の脱硫剤に比べて脱硫剤原単位を低減することができ、かつスラグ発生量を低減できる方法が提案されている。
そして、特許文献3によれば、容器の底部にAlとMgOとを含む脱硫剤を配し、さらにその上に溶銑を配し、AlとMgOとの反応により下部の脱硫剤からMgを生成させ、このMgと溶銑中の硫黄との反応によりMgSを生成させ、これを浮上させて分離させ、溶銑を脱硫するようにしている。
特開平9−194924号公報 特開2005−248282号公報 特開平10−25505号公報
特許文献1による脱硫処理方法は、脱硫効率は高いものの、CaO系脱硫剤のインジェクション法による脱硫処理方法と、金属Mg及びCaOからなる脱硫剤を金属質の被覆材で被覆した金属帯被覆脱硫用ワイヤのワイヤフィーダ法による脱硫処理方法の2つの脱硫方法を組み合わせた方法であり、2つの脱硫処理設備を必要とすることから設備費並びに運転費が高くなるという問題点がある。また、インジェクション法により添加するCaO系脱硫剤には滓化促進剤であるCaF2 が含まれており、フッ素の環境への影響が問題視されている現状においては望ましい脱硫方法とはいえない。また、脱硫処理後の溶銑中の硫黄濃度は20ppmまでしか達成することができない。
特許文献2による脱硫処理方法では、脱硫剤としてフッ素系の脱硫剤を使用しないので、環境を配慮している点で好ましい。また、溶銑の脱珪および脱硫の両処理を行う場合に、中間除滓を行わずに連続して行うことができる点で優れている。しかし、脱硫処理後の溶銑中の硫黄濃度を、極めて低濃度にすることはできない。
特許文献3による脱硫処理方法では、脱硫剤としてフッ素系の脱硫剤を使用しないので、環境を配慮している点で好ましい。しかし、脱硫処理後の溶銑中の硫黄濃度を、極めて低濃度にすることはできない。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的は、溶銑を脱硫処理するに際し、脱硫剤としてフッ素系の脱硫剤を使用せず、溶銑の温度が比較的低温であっても、脱硫処理後の溶銑中の硫黄濃度を大幅に低下できるようにした溶銑の脱硫方法を提供することにある。
上記の課題を解決すために、第1の発明は、溶銑を機械攪拌するとともに、その溶銑中にCaO系フラックスを添加して脱硫処理を行う第1工程と、前記第1工程が終了した溶銑中に、CaO系フラックスと、金属Mg及び/またはMgOとを混合した、粒状及び/または粉状の脱硫剤ワイヤを投入して脱硫処理を行う第2工程と、からなる。
第2の発明は、第1の発明において、前記脱硫剤ワイヤに粒状及び/または粉状の金属Al源を混合している。
第3発明は、第1または第2発明において、前記溶銑の機械攪拌は、インペラを用いて行うようにした。
第4発明は、第1乃至第3の何れかの発明において、前記CaO系フラックスは、CaF2 を含まない。
第5発明は、第1乃至第4の何れかの発明において、前記脱硫剤ワイヤに充填される混合物は、Mgの含有率が5質量%以上35質量%以下である。
第6発明は、第1乃至第5の何れかの発明において、前記第1工程で脱硫処理される溶銑は、前工程で脱燐処理されている。
本発明によれば、脱硫剤(フラックス)としてCaF2 などのフッ素化合物を使用せず、溶銑温度が比較的低温であっても、脱硫処理後の溶銑中の硫黄濃度を大幅に低下させることができ(例えば硫黄濃度が10ppm以下)、この結果、硫黄濃度が極めて低濃度である溶銑を得ることができる。
本発明における溶銑の脱硫方法の実施形態について、図1を参照して具体的に説明する。
図1は、本発明に係る溶銑の脱硫処理の他に、その溶銑中の珪素や燐の濃度を下げるための脱珪処理や脱燐処理などを含み、これら複数の処理からなる溶銑の予備処理方法を示す。
この脱硫の予備処理では、図1(A)に示すように、本発明に係る溶銑の脱硫処理に先立って、溶銑の脱珪処理と脱燐処理を行うので、これらの処理について説明する。
脱珪処理と脱燐処理は、図示しない高炉からの溶銑を混銑車1で受け取り、この混銑車1内の溶銑に対して同時または異なるタイミングで行う。このときの溶銑の温度は、例えば1300℃程度である。
脱珪処理は、その混銑車1内の溶銑中に脱珪剤を添加することにより行う。脱珪剤としては、例えば酸化鉄等の酸化剤が使用される。脱燐処理は、その混銑車1内で溶銑中に脱燐剤を添加することにより行う。脱燐剤としては、例えば酸化鉄及び石灰が使用される。
次に、本発明に係る溶銑の脱硫処理を行うが、この脱硫処理は以下のように第1工程と第2工程からなる(図1(B)(C)参照)。
第1工程では、上記の脱珪処理と脱燐処理の終了した溶銑aが溶銑鍋2に装入される。そして、溶銑aと脱硫剤としてフッ素(CaF2 )を含まない石灰系脱硫剤、例えばCaOが95質量%、Al滓が5質量%を使用し、例えばインペラ(回転翼)3を回転させることで機械的に攪拌することにより、脱硫処理を行う。
ここで、溶銑aの攪拌はインペラ3で行うことが好ましいが、機械的に行うことができればその手段は問わない。また、第1工程での溶銑aの温度は、例えば1250℃以上である。
ここで、脱硫剤はCaOを主体とするものであり、従って、CaO系フラックスとしては、生石灰、炭酸カルシウム、水酸化カルシウムなどの溶鉄中で分解し、CaOを生成するものであれば、どのようなCaO源でも使用可能である。さらには、ドロマイトは、CaO源とMgO源の両者を兼ね備えており、安価であることからも有効なフラックスである。ドロマイトとしては、生ドロマイト(鉱石としてのドロマイト(MgCO3 ・CaCO3 ))、生ドロマイトを焼成して得られる軽焼ドロマイト(生ドロマイトを1000〜1300℃で加熱焼成したもの)、焼成ドロマイト、およびこれらの混合物を用いることができる。
炭酸カルシウム、水酸化カルシウムや生ドロマイトなどは溶鉄中で分解することにより、溶鉄への攪拌を付与できるものであるから、混合することが望ましい。但し、分解反応は吸熱反応であり、大量に添加しすぎることは溶鉄温度の低下を招く原因ともなるため、その添加量は溶鉄温度や操業条件によって決められる。
このような第1工程が終了すると、溶銑鍋2内からインペラ3が引き上げられて第2工程に移行する。
第2工程では、第1工程が終了した溶銑鍋2内の溶銑a中に、CaO系フラックスと、金属Mg及び/またはMgOと、金属Alとを混合した、粒状及び/または粉状の脱硫剤を鉄系の帯材などに被覆した金属帯被覆脱硫剤ワイヤ4を投入して脱硫処理を行う。
ここで、金属Mg及び/またはMgOとは、金属MgおよびMgO、または金属MgもしくはMgOを意味する。同様に、粒状及び/または粉状の脱硫剤とは、粒状および粉状の脱硫剤、または粒状もしくは粉状の脱硫剤を意味する。
なお、脱硫剤ワイヤ4を溶銑鍋2へ供給するために、脱硫剤ワイヤ4のコイル4aと、このコイル4aを巻き戻して金属帯被覆脱硫剤ワイヤ4を溶銑aに供給するためのワイヤフィーダ5が配置されている。ワイヤフィーダ5の出口側には、金属帯被覆脱硫剤ワイヤ4をガイドするための供給導管6が配置されていて所定量ずつ連続的に供給されるようになっている。なお、このときの処理温度は、1200℃以上である。
脱硫剤ワイヤ4は、例えば肉厚が0.3mmであって直径が16mmの金属管からなり、その金属管内に、CaO系フラックスと、金属Mg及び/またはMgOと、金属Alとを混合した、粒状及び/または粉状の脱硫剤を充填している。
第2工程で使用するCaO系フラックスは、第1工程で使用するCaO系フラックスと同じものが使用できる。MgO源としては、ドロマイトの他に、マグネシアクリンカーなどを使用することができる。
金属Al源としては、安価に入手できることから、アルミニウムスクラップを溶融再生するときに発生するアルミドロス粉末(金属Alを30〜50質量%程度含有する)が好ましいが、アルミニウム融液をガスでアトマイズして得られるアトマイズAl粉末やアルミニウム合金を研磨・切削する際に発生する切削粉などを用いることもできる。
また、金属質の帯材としては、安価であることから鉄系帯材が好ましいが、Al系帯材で被覆しても構わない。但し、Al系帯材で被覆した場合には、鉄系帯材に比べて、高価であり、あるいは、被覆材の溶解速度が速くなるなどのことを考慮する必要がある。勿論、鉄及びAl以外の金属の帯材であっても構わない。
脱硫剤を構成する各物質は上記の機能を発揮する必要があることから、金属MgまたはMgO、金属Al、CaO系フラックスの配合には自ずと最適な範囲が存在する。すなわち、金属Mg及びMgOは、発生するMgガス量が同じになるように添加することにより、お互いに代替することができる。つまり、下記の(1)式で示すように、MgOはAlで還元されてMgが生成される。
4MgO+2Al→3Mg+MgO・Al2 3 ・・・(1)
この反応におけるMgOとMgとの当量比は4:3であるので、1モルのMgOから3/4モルのMgが発生する。これを質量に換算すると、MgOの分子量は40、Mgの分子量は24であるので、「MgO質量=(4/3)×(40/24)×Mg質量≒2.2×Mg質量」の関係となる。以上から、MgOで金属Mgを代替するには、その2.2倍のMgOが必要になることがわかる。
また、上記の(1)式から、1モルのMgOを還元するためには、1/2モルの金属Alが必要であることがわかる。これを質量に換算すると、MgOの分子量は40、Alの分子量は27であるので、「Al質量=(1/2)×(40/27)×MgO質量≒0.74×MgO質量」の関係となる。以上から、AlでMgOを還元するためには最低その0.74倍の金属Alが必要なことがわかる。
さらに、必要なCaO系フラックスの量は以下のようにして求めることができる。すなわち、溶鉄中の硫黄(S)はMgによって下記の(2)式のように除去され、さらに、下記の(3)式にしたがってCaOによりスラグ中に固定される。
Mg+S→MgS・・・(2)
MgS+CaO→CaS+MgO・・・(3)
(3)式から1モルのMgSを固定するためには、1モルのCaOが必要であることがわかる。これを質量に換算すると、MgSの分子量は56、CaOの分子量も56であるので、「CaO質量=MgS質量」となる。さらに、(2)式から、1モルのMgから1モルのMgSが発生することがわかり、同様に質量に換算すると、Mgの分子量は24、MgSの分子量は56であるから、「MgS質量=(56/24)×Mg質量=2.3×Mg質量」となる。これらを合わせると、「CaO質量=MgS質量=2.3×Mg質量=1.05×MgO質量」となる。これらのことから、最低限必要なCaO質量はMg質量の2.3倍及びMgO質量の1.05倍であることがわかる。
以上の結果から、脱硫剤の最適な配合割合は、CaO系フラックスのCaO純分の配合量が、Mg配合量の2.3倍とMgO配合量の1.05倍との和以上になり、かつ、金属Alの配合量がMgO配合量の0.7倍以上となる条件を満たした上で、金属MgとMgOとの合計配合量を5〜35質量%、金属Alの配合量を30質量%以下、CaO系フラックスの配合量を35質量%以上とすることである。
また、溶銑の攪拌の促進を図るために脱硫剤ワイヤ4中に廃トナー粉を混合することが好ましい。このようなことを踏まえ種々検討した結果、廃トナー粉がガス発生物質として最適であるとの結論を得た。トナー粉は、成分的には炭化水素から構成される樹脂を主体としており、マグネタイト(磁鉄鉱:FeO・Fe2 3 )を含有するものの、ガス発生物質であり、溶銑の攪拌を促進する。トナー粉はプリンタなどで印字用に使用されており、使用済みのトナーにはトナー粉が残留する。1つのトナーから発生する廃トナー粉は少量であるが、近年のIT技術の発展によって多数のトナーが使用済みとなり、使用済みトナーから集められた廃トナー粉は産業廃棄物として廃棄処分されているものを利用できる。 このような第1および第2工程からなる脱硫処理が終了すると、溶銑鍋2内の溶銑aは転炉7内に装入され、その溶銑aは炭素を除去するために脱炭処理が行われる(図1(D)参照)。
以上のように、この実施形態では、脱珪および脱燐処理を施した溶銑の脱硫処理をする際に、その脱硫工程を第1工程と第2工程に分けて行うことにより、脱硫剤としてCaF2 などのフッ素を含有することなく、溶銑温度が1200℃にあっても脱硫後の硫黄濃度を大幅に低下させることができ(硫黄濃度が0.0010質量%以下)、この結果、高級電磁鋼板や高級ラインパイプ用鋼板などの硫黄濃度が0.0010質量%以下である、いわゆる極低硫鋼の製造を低廉な方法でできることを可能とした。
本発明に係る溶銑の脱硫処理を含む溶銑の予備処理方法の一例を示す図である。
符号の説明
a 溶銑
1 混銑車
2 溶銑鍋
3 インペラ
4 脱硫剤ワイヤ
4a コイル
5 ワイヤフィーダ
6 供給導管
7 転炉

Claims (6)

  1. 溶銑を機械攪拌するとともに、その溶銑中にCaO系フラックスを添加して脱硫処理を行う第1工程と、
    前記第1工程が終了した溶銑中に、CaO系フラックスと、金属Mg及び/またはMgOとを混合した、粒状及び/または粉状の脱硫剤ワイヤを投入して脱硫処理を行う第2工程と、
    からなることを特徴とする溶銑の脱硫方法。
  2. 前記脱硫剤ワイヤに粒状及び/または粉状の金属Al源を混合したことを特徴とする請求項1に記載の溶銑の脱硫方法。
  3. 前記溶銑の機械攪拌は、インペラを用いて行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の溶銑の脱硫方法。
  4. 前記CaO系フラックスは、CaF2 を含まないことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の溶銑の脱硫方法。
  5. 前記脱硫剤ワイヤに充填される混合物は、Mgの含有率が5質量%以上35質量%以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の溶銑の脱硫方法。
  6. 前記第1工程で脱硫処理される溶銑は、前工程で脱燐処理されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載の溶銑の脱硫方法。
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