JP2008133364A - 硬質ポリウレタンフォームの製造方法及び硬質ポリウレタンフォームスプレー装置 - Google Patents

硬質ポリウレタンフォームの製造方法及び硬質ポリウレタンフォームスプレー装置 Download PDF

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Abstract

【課題】二酸化炭素を発泡剤として使用し、スプレーによる吹き付けのパターンの維持並びに調整が従来のフロンを使用した場合と同程度に容易であって施工開始直後から安定しており、施工性が良好なフロス法硬質ポリウレタンフォームの製造方法並びに硬質ポリウレタンフォームのスプレー装置を提供する。
【解決手段】スプレー装置にて吹き付ける製造方法であって、発泡剤は二酸化炭素であり、液化させた二酸化炭素を無脈動定量ポンプにより定量供給し、少なくとも一部を気化させた気液共存状態でポリオール組成物と混合して発泡ポリオール組成物とする混合工程を有し、混合工程は二酸化炭素を供給する二酸化炭素供給配管26とポリオール供給配管35を接続して混合を行う工程であり、二酸化炭素供給配管26の先端部がポリオール供給配管35の内部に突出している硬質ポリウレタンフォームの製造方法とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、建造物や構築物にスプレー発泡法により現場施工して硬質ポリウレタンフォーム層を形成する硬質ポリウレタンフォームの製造方法並びに硬質ポリウレタンフォームスプレー装置に関するものである。
保温を必要とする倉庫、畜舎、タンク設備などの建造物や構築物の屋根、壁面、床等を断熱すべき基体とし、その基体表面に断熱材として硬質ポリウレタンフォームを現場施工する技術として、スプレー発泡法が周知である。スプレー発泡法においては、オゾン層を破壊するフロン化合物に代えて、HFC化合物、例えば1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)を発泡剤として使用する技術が公知であるが、コスト的に高いものである。低コストの発泡剤として二酸化炭素を使用したスプレー発泡法も公知である(特許文献1、2など)。
特許文献1、2においては、硬質ポリウレタンフォームの原料であるポリオール成分と二酸化炭素は、これらの混合前、混合後のいずれにおいても二酸化炭素の超臨界状態、亜臨界状態又は液体状態となる条件でスプレー装置に送られている。
特開2002−327439号公報 特開2003−082050号公報
スプレー発泡法においては、スプレーガンから吐出された発泡ポリオール組成物とポリイソシアネート成分の混合物である発泡原液組成物は、スプレーノズルから一定の広がりを形成しつつ基体に向かって飛び、付着して発泡・硬化する。しかるに、特許文献1、2に開示の技術によれば、スプレー発泡時において液状の二酸化炭素が大気開放と同時に気化するために吐出した液が目的とする吹き付けパターンを形成せずに吹き付け方向以外の方向に多く飛散する現象が発生し、このため吹き付けのパターンの維持と調整が難しく、施工性において改善の余地があることが判明した。係る施工性不良は特に施工開始直後において発生し易く、時間経過と共に落ち着いて施工性が安定する場合もあるが、原料ロスの発生が避けられず、施工時間の短縮が行えないという問題がある。
本発明は、二酸化炭素を発泡剤として使用し、スプレーによる吹き付けのパターンの維持並びに調整が従来のフロンを使用した場合と同程度に容易であって施工開始直後から安定しており、施工性が良好なフロス法硬質ポリウレタンフォームの製造方法並びに硬質ポリウレタンフォームのスプレー装置を提供することを目的とする。
本発明の硬質ポリウレタンフォームの製造方法は、発泡剤を含有する発泡ポリオール組成物とポリイソシアネート成分とを混合してスプレー装置にて混合して基体に吹き付ける硬質ポリウレタンフォームの製造方法であって、
前記発泡剤は二酸化炭素であり、
冷却を行って液化させた前記二酸化炭素を無脈動定量ポンプにより定量供給し、前記無脈動定量ポンプ通過後に少なくとも一部を気化させた気液共存状態で定量供給されるポリオール組成物と混合して前記発泡ポリオール組成物とする混合工程を有し、
前記混合工程は前記二酸化炭素を供給する二酸化炭素供給配管と前記ポリオール組成物を供給するポリオール供給配管を接続して混合を行う工程であり、
前記二酸化炭素供給配管の先端部が前記ポリオール供給配管の内部に突出していることを特徴とすることを特徴とする。
係る構成の硬質ポリウレタンフォームの製造方法は、二酸化炭素を発泡剤として使用し、スプレーによる吹き付けのパターンの維持並びに調整が従来のフロンを使用した場合と同程度に容易であって施工開始直後から安定しており、施工性が良好である。そのため、原料ロスも少なく、施工時間の短縮も可能である。
特許文献1、2においては、二酸化炭素を供給する定量ポンプとして単シリンダー型のポンプが示されているが、係るポンプを使用すると必然的に脈動が発生し、スプレーによる吹き付け施工において吹き付けを安定して行うことが困難である。また、本発明の製造方法の上記構成によれば、発泡ポリオール組成物に気液共存状態で混合された二酸化炭素(臨界点:31.1℃、7.3MPa)は、微細気泡状態が存在する状態であり、この状態が良好な施工性に大きく寄与している。
混合工程を、二酸化炭素を供給する二酸化炭素供給配管とポリオール組成物を供給するポリオール供給配管を接続して混合を行う工程とし、二酸化炭素供給配管の先端部がポリオール供給配管の内部に突出する構成とすることにより、無脈動定量ポンプ通過後、ポリオール組成物との混合までの配管を特に高い耐圧性の構造とする必要がなく、また特段の加熱、冷却などを行うことなく安定してスプレー発泡法による硬質ポリウレタンフォームの製造をすることができる。
上記のフロス法硬質ポリウレタンフォームの製造方法においては、前記ポリオール組成物との混合時における前記二酸化炭素の圧力が5MPa以下であることが好ましい。
係る構成の製造方法によれば、単に二酸化炭素供給配管をポリオール供給配管に接続するだけで特にミキサーを使用することなく、簡単な設備構造にてポリオール組成物に二酸化炭素を、微細気泡を形成するように混合して発泡ポリオール組成物とすることができる。その結果、硬質ポリウレタンフォームのスプレー施工開始後短時間で原料ロスと廃棄物の発生を低減した状態で安定した吹き付け施工を行うことができる。該圧力は3MPa以上であることが好ましい。
本発明の硬質ポリウレタンフォームスプレー装置は、発泡剤を含有する発泡ポリオール組成物とポリイソシアネート成分とを混合して基体に吹き付けて硬質ポリウレタンフォームを製造する装置であって、
前記発泡剤として二酸化炭素を使用するものであり、
二酸化炭素供給装置、ポリオール組成物供給装置、前記二酸化炭素供給装置から二酸化炭素を供給する二酸化炭素供給配管、前記ポリオール組成物供給装置からポリオール組成物を供給するポリオール供給配管及び前記二酸化炭素と前記ポリオール組成物を混合して発泡ポリオール組成物とする混合装置を備え、
前記二酸化炭素供給装置は液化させた前記二酸化炭素を無脈動定量ポンプにより定量供給し、前記無脈動定量ポンプ通過後に少なくとも一部を気化させた気液共存状態で供給するものであり、
前記混合装置は前記二酸化炭素配管と前記ポリオール供給配管とを接続したものであり、前記二酸化炭素供給配管の先端部が前記ポリオール供給配管の内部に突出していることを特徴とする。
係る構成の硬質ポリウレタンフォームスプレー装置によれば、二酸化炭素を発泡剤として使用し、スプレーによる吹き付けのパターンの維持並びに調整が従来のフロンを使用した場合と同程度に容易であって施工開始直後から安定しており、良好な施工性にてフロス法の硬質ポリウレタンフォーム断熱層を形成することが可能である。
本発明において使用するポリオール組成物は、ポリオール化合物、触媒、整泡剤を含み、必要に応じて架橋剤、難燃剤等のポリウレタンフォームの分野における公知の添加剤を含有する。ポリオール組成物に発泡剤である二酸化炭素を混合して発泡ポリオール組成物が形成される。
ポリオール化合物としては、硬質ポリウレタンフォームないしイソシアヌレートフォーム用のポリオール化合物として公知のポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール等のポリオール化合物を限定なく使用することができる。ポリエーテルポリオール化合物としては、脂肪族ポリエーテルポリオール、脂肪族アミンポリオール、芳香族アミンポリオール、芳香族ポリエーテルポリオール等が公知であり、使用可能である。ポリオール化合物は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。併用するポリオール化合物は、単独の開始剤を使用して製造したものを混合してもよく、開始剤を混合して製造したものであってもよい。
脂肪族ポリエーテルポリオールは、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール等のグリコール類、トリメチロールプロパン、グリセリン等のトリオール類、ペンタエリスリトール等の4官能アルコール類、ソルビトール、シュークロース等5官能以上の多価アルコール類から選択される少なくとも1種の低分子量多価アルコールを開始剤としてエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドの少なくとも1種を開環付加させたポリオール化合物である。
脂肪族ポリエーテルポリオールの水酸基価は、2官能、3官能のポリオール化合物については50〜600mgKOH/gであることが好ましく、4官能以上のポリオール化合物については300〜600mgKOH/gであることが好ましい。
脂肪族アミンポリオールとしては、アルキレンジアミン系ポリオールや、アルカノールアミン系ポリオールが例示される。これらのポリオール化合物は、アルキレンジアミンやアルカノールアミンを開始剤としてエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等の環状エーテルの少なくとも1種を開環付加させた末端水酸基の多官能ポリオール化合物である。アルキレンジアミンとしては、公知の化合物が限定なく使用できる。具体的にはエチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ネオペンチルジアミン等の炭素数が2〜8のアルキレンジアミンの使用が好適である。これらの中でも、炭素数の小さなアルキレンジアミンの使用がより好ましく、特にエチレンジアミン、プロピレンジアミンを開始剤としたポリオール化合物の使用が好ましい。アルカノールアミンとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンが例示される。アルキレンジアミンを開始剤としたポリオール化合物の官能基数は4であり、アルカノールアミンを開始剤としたポリオール化合物の官能基数は3であり、これらの混合物では官能基数は3〜4となる。脂肪族アミンポリオールの水酸基価は、300〜600mgKOH/gであることが好ましい。
芳香族ポリエーテルポリオールは、ヒドロキノン、ビスフェノールA、キシリレングリコール等の芳香族化合物を開始剤として、上記の脂肪族ポリエーテルポリオールなどと同様にして製造する。芳香族ポリエーテルポリオールの水酸基価は300〜600mgKOH/gであることが好ましい。
芳香族アミンポリオールは、芳香族ジアミンを開始剤としてエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等の環状エーテルの少なくとも1種を開環付加させた末端水酸基の多官能ポリエーテルポリオール化合物である。開始剤としては、公知の芳香族ジアミンを限定なく使用することができる。具体的には2,4−トルエンジアミン、2,6−トルエンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、p−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、ナフタレンジアミン等が例示される。これらの中でも得られる硬質ポリウレタンフォームの断熱性と強度などの特性が優れている点でトルエンジアミン(2,4−トルエンジアミン、2,6−トルエンジアミン又はこれらの混合物)の使用が特に好ましい。芳香族アミンポリオールの官能基数は4であり、水酸基価は300〜600mgKOH/gであることが好ましい。
ポリエステルポリオールは、グリコールと芳香族ジカルボン酸から構成される。グリコールとしては、エチレングリコール、1,2−ないし1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、平均分子量150〜500のポリオキシエチレングリコールが例示される。また芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等が例示される。このようなエステルポリオールは、従来一般的に使用されている芳香族ジカルボン酸とエチレングリコールやジエチレングリコールから構成されるエステルポリオールと同様な製造方法にて製造可能である。
必要に応じて本発明の硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物を構成する架橋剤としてはポリウレタンの技術分野において使用される低分子量多価アルコールが使用可能である。具体的には、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリエタノールアミン等が例示される。
本発明の硬質ポリウレタンフォームの製造に際しては、上記成分の他に、当業者に周知の触媒、難燃剤、着色剤、酸化防止剤等が使用可能である。
触媒としては、N−アルキルポリアルキレンポリアミン類、ジアザビシクロウンデセン(DBU)、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン(ポリキャット−8)、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリン等の第3級アミン類、イミダゾール誘導体を使用することが好ましい。また、ポリウレタン分子の構造において難燃性向上に寄与するイソシアヌレート結合を形成する触媒の使用も好ましく、例えば酢酸カリウム、オクチル酸カリウム等の脂肪酸アルカリ金属塩触媒、第4級アンモニウム塩触媒が例示できる。
本発明においては、さらに難燃剤を添加することも好ましい態様であり、好適な難燃剤としては、有機リン酸エステル類が例示される。有機リン酸エステル類は、可塑剤としての作用も有し、従って硬質ポリウレタンフォームの脆性改良の効果も奏することから、好適な添加剤である。またポリオール組成物の粘度低下効果も有する。かかる有機リン酸エステル類としては、リン酸のハロゲン化アルキルエステル、アルキルリン酸エステルやアリールリン酸エステル、ホスホン酸エステル等が使用可能である。
上記構成のポリオール組成物としては市販品を使用することができ、例えばソフランネートS−220NC(東洋ゴム工業製)などが例示される。
図1は、本発明の硬質ポリウレタンフォームの製造方法に使用する発泡ポリオール組成物供給装置の好適な実施形態を示した概略正面図である。発泡ポリオール組成物供給装置は、二酸化炭素供給装置10、ポリオール組成物貯蔵装置31を備えており、二酸化炭素はボンベ12からバルブ21、配管23を通じて二酸化炭素供給装置10に送られる。
二酸化炭素供給装置10は二酸化炭素を冷却して液状に維持する液化装置16と液状の二酸化炭素を定量的に送り出す無脈動定量ポンプ18とを備えており、液化装置16と無脈動定量ポンプ18を接続する配管25は、液化された二酸化炭素が気化しないように冷却ないし断熱保冷されている。液化装置16と配管25を冷却する冷却装置(チラー)は図示していない。ボンベ12から液化装置16に送られる二酸化炭素は、液体、気体、液体と気体の混合物のいずれであってもよい。計量された二酸化炭素は配管27を通じて送り出され、ポリオール組成物31と混合される。図1においては、二酸化炭素はP点で3方コックにより流路を切り換えてポリオール組成物31と混合可能に構成されている。配管26Aを使用した場合、合流点Aにおいて二酸化炭素とポリオール組成物31が混合されて発泡ポリオール組成物が形成され、温度調節装置37を通過して所定温度に調節された発泡ポリオール組成物が配管39を通じてスプレー装置SPに送られる。
また、配管26Bを使用した場合、合流点Bにおいて二酸化炭素とポリオール組成物31が混合されて発泡ポリオール組成物が形成される。この場合、ポリオール組成物31は温度調節装置37を通過して所定温度に調節された後に合流点Bにおいて二酸化炭素と混合されて発泡ポリオール組成物となり、配管39を通じてスプレー装置SPに送られる。配管39を通じて供給される発泡ポリオール組成物は、スプレー装置(図示せず)によりポリイソシアネート成分と吐出、混合して基体に吹き付けることによりフロス法硬質ポリウレタンフォームが形成される。
無脈動定量ポンプ18から吐出された二酸化炭素は、合流点に設けられた混合装置までの配管27中において、少なくとも一部が気化し、気液共存状態(超臨界状態、亜臨界状態、液体状態のいずれでもない。)でポリオール組成物と混合されて発泡ポリオール組成物となる。無脈動定量ポンプ18は、市販品を使用する。
二酸化炭素とポリオール組成物の混合は、単にポリオール組成物の流動する配管35に二酸化炭素の流動する配管27を接続して形成された混合装置において二酸化炭素を送り込むことにより行うことができる。合流点の混合装置における二酸化炭素供給配管26とポリオール供給配管35の接続状態を部分断面を含む正面図にて図2に示した。図2(a)は二酸化炭素供給配管26とポリオール供給配管35とが直角に接続されている例であり、ポリオール供給配管35は直管であり、二酸化炭素供給配管26より内径が大きく構成されており、二酸化炭素供給配管26の先端はポリオール供給配管35の内部に突出している。図2(b),(c)は、直管状のポリオール供給配管35に二酸化炭素供給配管26が傾斜して接続されており、図2(a)の場合と同様に二酸化炭素供給配管26の先端はポリオール供給配管35の内部に突出している。傾斜して接続する場合、角度θは直交方向に対して60度以下であることが好ましい。係る傾斜により、混合開始からより短時間で安定した発泡ポリオール組成物を送り出すことができる。角度θは、5度以上50度以下であることがより好ましい。
二酸化炭素供給配管26のポリオール供給配管35の内部への突出量tは、大きすぎるとポリオール組成物の流れを阻害し、小さすぎると混合の均一性が低下する。突出量tは、ポリオール供給配管の内径の5〜50%であることが好ましく、10〜45%であることがより好ましい。図2においては、ポリオール供給配管35が直管状である例を示したが、これに限定されるものではなく、Y字状に接続してもよく、ポリオール供給配管が湾曲していてもよい。Y字状の場合、角度θは、ポリオール供給配管35に対する垂直方向との角度であり、湾曲している場合には接線に対する垂直方向との角度である。
混合装置においては、ポリオール組成物31はポリオール供給配管35の上流側から供給され、二酸化炭素Cは二酸化炭素供給配管26の上流から供給され、合流して混合されて発泡ポリオール組成物となり、配管39(ポリオール供給配管35の合流点より下流側)を通じてスプレー装置SPに送られる。合流点の下流位置に、さらにスタティックミキサーなどの第2の混合装置を設けてもよい。
発泡ポリオール組成物はポリイソシアネート成分との混合前に加熱して所定温度に調整する。加熱装置37による加熱は二酸化炭素との混合前のポリオール組成物について行ってもよく(この場合は、混合装置はA位置)、二酸化炭素と混合した発泡ポリオール組成物の状態で行ってもよい(この場合は、混合装置はB位置)。スプレー発泡時の安定性が優れている点で、二酸化炭素と混合した発泡ポリオール組成物を加熱することがより好ましい。発泡ポリオール組成物の温度は50℃以下、30℃以上であることが好ましい。
ボンベ12のバルブ21から二酸化炭素供給装置10の無脈動定量ポンプ18までの二酸化炭素の圧力は、冷却により実質的に液状になればよく、ボンベの充填圧力を考慮すると5〜7MPaであることが好ましい。また液化装置16における冷却温度は−20〜0℃であることが好ましく、−15〜−5℃であることがより好ましい。
無脈動定量ポンプ18から合流点までの配管27中の二酸化炭素は、上述のように5MPa以下の圧力に調整される。温度は、一部が気化する温度であり、圧力に応じて調整するものであるが、0〜40℃の範囲である。無脈動定量ポンプ18から合流点の混合装置までの配管27中の二酸化炭素の圧力と温度は、発泡ポリオール組成物中に二酸化炭素の微細気泡が形成されるように設定する。無脈動定量ポンプ18としては、例えば2ないし3連のプランジャーを備えた無脈動定量ポンプを使用することが好ましい。
本発明の製造方法により製造する硬質ポリウレタンフォームないしポリイソシアヌレートフォーム(断熱材として)の密度は、50〜110kg/mであることが好ましく、55〜90kg/mであることがより好ましい。係る密度を達成するための炭酸ガスの供給量は、発泡原液組成物(発泡ポリオール組成物+ポリイソシアネート成分)中、0.3〜1.5重量%、より好ましくは0.5〜1.0重量%である。
<硬質ポリウレタンフォーム製造例>
(実施例1〜3、比較例1)
市販の硬質ポリウレタンフォーム原液(ソフランネートS−220NC:東洋ゴム工業製)を使用し、図1に示した発泡ポリオール組成物供給装置を使用してスプレー発泡法によりフロス法硬質ポリウレタンフォームを作製した。合流点として図1に示したA位置を採用し、発泡ポリオール組成物の温度調整のための加熱装置37は混合装置の下流位置とした。二酸化炭素の液化装置における冷却は、チラー温度を−10℃に設定して行った。実験は以下の条件にて行った。
二酸化炭素のボンベ出口圧力:6.5MPa
二酸化炭素供給装置10の出口におけるCO温度:24〜27℃
二酸化炭素供給装置10の出口におけるCO圧力:4.0MPa
発泡ポリオール組成物温度:36℃
ポリイソシアネート温度:36℃
合流点における混合装置の構成
ポリオール供給配管35:内径10mm高圧樹脂ホース
二酸化炭素供給配管26:内径3mm,外径6mm
二酸化炭素供給配管26のポリオール供給配管35内への突出量t:3mm(ポリオール供給配管35の内径の30%)
二酸化炭素供給配管26のポリオール供給配管35に対する接続角度θ:
(実施例1)θ=0(直角:図2(a))
(実施例2)θ=−45度(ポリオール組成物の流れの下流側に傾斜図2(b))
(実施例3)θ=+45度(ポリオール組成物の流れの上流側に傾斜図2(c))
(比較例1)θ=0(直角;突出量t=0)
(比較例2)θ=0(直角:図2(a))
ただし比較例2においては、発泡ポリオール組成物中の二酸化炭素が超臨界状態ないし亜臨界状態となる以下の条件とした。
二酸化炭素のボンベ出口圧力:7.5MPa
二酸化炭素供給装置10の出口におけるCO温度:32.2℃
二酸化炭素供給装置10の出口におけるCO圧力:7.2MPa
<評価>
(施工安定化時間)
スプレー発泡時に施工開始当初から所定のスプレーパターンで施工が行えるまでに要する時間を測定した。
<評価結果>
(実施例1)施工安定化時間=60秒
(実施例2)施工安定化時間=15秒
(実施例3)施工安定化時間=45秒
(比較例1)施工安定化時間=90秒
(比較例2)施工安定化時間=75秒
上記の評価結果より、本発明のスプレー発泡法によれば、二酸化炭素供給配管26の端部をポリオール供給配管35内へ突出させる構成により短時間で安定した硬質ポリウレタンフォーム断熱層の施工ができ、原料ロスを低減することができることが分かる。また発泡剤の二酸化炭素が超臨界状態となる条件で施工した比較例では、特に施工開始後の施工性が悪く、原料ロスが多く発生すると共に、スプレー条件の調整に時間がかかり、施工時間の短縮が不十分であった。
本発明の硬質ポリウレタンフォームの製造方法に使用する発泡ポリオール組成物供給装置の好適な実施形態を示した概略正面図 合流点における二酸化炭素供給配管とポリオール供給配管の接続状態を示した部分断面を含む正面図

Claims (5)

  1. 発泡剤を含有する発泡ポリオール組成物とポリイソシアネート成分とを混合してスプレー装置にて混合して基体に吹き付ける硬質ポリウレタンフォームの製造方法であって、
    前記発泡剤は二酸化炭素であり、
    冷却を行って液化させた前記二酸化炭素を無脈動定量ポンプにより定量供給し、前記無脈動定量ポンプ通過後に少なくとも一部を気化させた気液共存状態で定量供給されるポリオール組成物と混合して前記発泡ポリオール組成物とする混合工程を有し、
    前記混合工程は前記二酸化炭素を供給する二酸化炭素供給配管と前記ポリオール組成物を供給するポリオール供給配管を接続して混合を行う工程であり、
    前記二酸化炭素供給配管の先端部が前記ポリオール供給配管の内部に突出していることを特徴とする硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
  2. 前記ポリオール組成物との混合時における前記二酸化炭素の圧力が5MPa以下であることを特徴とする請求項1に記載の硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
  3. 前記二酸化炭素供給配管と前記ポリオール供給配管との接続角度が直交方向に対して60度以下の傾斜を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
  4. 発泡剤を含有する発泡ポリオール組成物とポリイソシアネート成分とを混合して基体に吹き付けて硬質ポリウレタンフォームを製造するスプレー装置であって、
    前記発泡剤として二酸化炭素を使用するものであり、
    二酸化炭素供給装置、ポリオール組成物供給装置、前記二酸化炭素供給装置から二酸化炭素を供給する二酸化炭素供給配管、前記ポリオール組成物供給装置からポリオール組成物を供給するポリオール供給配管及び前記二酸化炭素と前記ポリオール組成物を混合して発泡ポリオール組成物とする混合装置を備え、
    前記二酸化炭素供給装置は液化させた前記二酸化炭素を無脈動定量ポンプにより定量供給し、前記無脈動定量ポンプ通過後に少なくとも一部を気化させた気液共存状態で供給するものであり、
    前記混合装置は前記二酸化炭素配管と前記ポリオール供給配管とを接続したものであり、前記二酸化炭素供給配管の先端部が前記ポリオール供給配管の内部に突出していることを特徴とする硬質ポリウレタンフォームスプレー装置。
  5. 前記二酸化炭素供給配管と前記ポリオール供給配管との接続角度が直交方向に対して60度以下の傾斜を有していることを特徴とする請求項4に記載の硬質ポリウレタンフォームスプレー装置。
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