JP2008133308A - 高分子化合物及びそれを用いたエレクトロルミネッセンス発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】電荷注入・輸送性に優れた高分子化合物を提供する。
【解決手段】下式(1)で表される構成単位を含有する高分子化合物。

Figure 2008133308

〔R1は電荷輸送性基を示す。R2、R3及びR4はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アルケニル基、アルキニル基等を表す。R3及びR4は一緒になって環を形成していてもよい。〕
【選択図】なし

Description

本発明は、高分子化合物及びそれを用いたエレクトロルミネッセンス発光素子に関する。
有機半導体化合物は、エレクトロルミネッセンス発光素子、有機トランジスタ、太陽電池、などの用途がある。とりわけ溶媒に可溶である高分子量の有機半導体化合物は、塗布法により有機半導体層を形成でき、素子作製の簡略化の要求に合致している。
高分子量の有機半導体化合物として、例えば、
Figure 2008133308

で表される構造単位を有する高分子化合物が知られている(特許文献1〜3)。
WO2004/061047 WO2004/061048 特開2006−169265
しかし、上記高分子化合物には、エレクトロルミネッセンス発光素子、有機トランジスタ、太陽電池等の活性層として用いた場合、電荷注入・輸送性が必ずしも十分ではないという問題があった。
そこで、本発明は、電荷注入・輸送性に優れた高分子化合物を提供することを目的とする。
即ち、本発明は、下式(1)で表される構成単位を含有する高分子化合物を提供するものである。

Figure 2008133308

〔R1は電荷輸送性基を示す。R2、R3及びR4はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭素数が1〜12のアルキル基、置換基を有していてもよく、環を構成する炭素数が6〜26のアリール基、置換基を有していてもよく、環を構成する炭素数が3〜20のヘテロアリール基、置換基を有していてもよい炭素数が1〜12のアルコキシ基、置換基を有していてもよく、環を構成する炭素数が6〜26のアリールオキシ基、置換基を有していてもよく、環を構成する炭素数が3〜20のヘテロアリールオキシ基、置換基を有していてもよい炭素数が1〜12のアルキルチオ基、置換基を有していてもよく、環を構成する炭素数が6〜26のアリールチオ基、置換基を有していてもよく、環を構成する炭素数が3〜20のヘテロアリールチオ基、置換基を有していてもよい炭素数2〜12のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜12のアルキニル基、−NQ12、−C≡N、又は−NO2を表す。ここで、Q1及びQ2はそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、置換基を有していてもよく、環を構成する炭素数6〜26のアリール基、又は置換基を有していてもよく、環を構成する炭素数3〜20のヘテロアリール基を表す。R3及びR4は一緒になって環を形成していてもよい。〕
本発明の高分子化合物は、電荷注入・輸送性に優れ、エレクトロルミネッセンス発光素子、有機トランジスタ、太陽電池等の活性層として好適に用いられる。
上記式(1)において、R1で表される前記電荷輸送性基としては、例えば、電荷輸送性低分子化合物の残基(即ち、該電荷輸送性低分子化合物中の水素原子の一部を結合手に替えてなる基)、電荷輸送性低分子化合物の残基が連結基(例えば、置換基を有していてもよい炭素数が1〜12の2価の脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数が6〜26の2価の芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数が3〜20の芳香族複素環化合物等から水素原子2つを除いた2価の基;−O−、−S−、−N(Q8)−、−C(=O)−等のヘテロ原子又はヘテロ原子を含む原子団からなる2価の基;及びそれらの組み合わされた2価の基等)を有する基が挙げられる。ここに、Q8は水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、置換基を有していてもよく、環を構成する炭素数6〜26のアリール基、又は置換基を有していてもよく、環を構成する炭素数3〜20のヘテロアリール基を表す。
電荷輸送性低分子化合物とは、酸化、還元反応により、正孔または電子を輸送することのできる低分子化合物のことを言う。
上記に述べた電荷輸送性低分子化合物のうち、正孔輸送性の電荷輸送性低分子化合物としては、例えば、「有機ELディスプレイ」(時任他著、オーム社刊、101頁〜104頁)に示されるような芳香族アミンが挙げられ、具体的には、下記式で表されるような化合物が挙げられる。

Figure 2008133308
電子輸送性の電荷輸送性低分子化合物としては、例えば、「有機ELディスプレイ」(時任他著、オーム社刊、104頁〜106頁)に示されるような化合物が挙げられ、具体的には、下記式で表されるような化合物が挙げられる。

Figure 2008133308
両電荷輸送性の電荷輸送性低分子化合物としては、例えば、下記式

Figure 2008133308

で表される化合物(即ち、4,4’−ビス(9−カルバゾイル)−ビフェニル(CBP))が挙げられる。
R1として好ましくは、以下の基である。

Figure 2008133308

(Xは、置換基を有していてもよい炭素数が1〜12の2価の脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数が6〜26の2価の芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数が3〜20の芳香族複素環化合物等から水素原子2つを除いた2価の基、−O−、−S−、−N(Q8)−、−C(=O)−等のヘテロ原子又はヘテロ原子を含む原子団からなる2価の基、それらの組み合わされた2価の基を表す。)
2〜R4で表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
2〜R4で表される炭素数1〜12のアルキル基は、直鎖状、分岐状又は環状のいずれでもよい。このアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソアミル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、ラウリル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基等が挙げられる。このアルキル基は、置換基を有していてもよい。
2〜R4で表される、環を構成する炭素数が6〜26のアリール基は、芳香族炭化水素から水素原子1個を除いてなる残基であり、縮合環をもつもの、独立したベンゼン環又は縮合環2個以上が直接又はビニレン等の基を介して結合したものも含まれる。このアリール基の具体例としては、フェニル基、C1〜C12アルコキシフェニル基(「C1〜C12アルコキシ」は、アルコキシ部分の炭素数が1〜12であることを意味する。以下、同様である。)、C1〜C12アルキルフェニル基(「C1〜C12アルキル」は、アルキル部分の炭素数が1〜12であることを意味する。以下、同様である。)、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基、ペンタフルオロフェニル基等が挙げられる。このアリール基は、置換基を有していてもよい。
2〜R4で表される、環を構成する炭素数が3〜20のヘテロアリール基の具体例としては、ピリジル基、フラニル基、チアゾリル基、チエニル基、カルバゾリル基等が挙げられる。このヘテロアリール基は、置換基を有していてもよい。
2〜R4で表される炭素数1〜12のアルコキシ基は、直鎖状、分岐状又は環状のいずれでもよい。このアルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基、ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、ラウリルオキシ基、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、パーフルオロブトキシ基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、メトキシメチルオキシ基、2−メトキシエチルオキシ基等が挙げられる。このアルコキシ基は、置換基を有していてもよい。
2〜R4で表される−NQ12において、Q1及びQ2で表されるアルキル基、アリール基及びヘテロアリール基は、R2〜R4で表される基として説明し例示したものと同じである。
3及びR4は一緒になって環を形成していてもよい。
この環としては、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカン、シクロウンデカン、シクロドデカン、シクロトリデカン、シクロテトラデカン、シクロペンタデカン、シクロヘキサデカン、シクロヘプタデカン、シクロオクタデカン、シクロノナデカン、ビシクロ環、シクロヘキセン環、シクロヘキサジエン環、シクロヘプテン環、シクロヘキサデセン環、シクロオクタトリエン環等があげられる。
前記式(1)で表される構成単位の具体例としては、下記式で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2008133308
なお、本明細書において、「構成単位」とは、高分子(例えば、上記式(1)で表される構成単位を含有する高分子化合物等)、
オリゴマー分子、ブロック、又は分子鎖の基本構造の一部分を構成する原子又は原子団を意味し、一般的には、「繰り返し単位」と呼ばれることもある。
前記高分子化合物中のR1で表される電荷輸送性基の合計量が、該共役系高分子化合物100重量部に対して、通常、0.1重量部以上であり、10重量部以上であることが好ましく、50重量部以上であることがより好ましく、また、通常、99重量部以下であり、合成の容易さの観点からは、95重量部以下であることが好ましく、91重量部以下であることがより好ましい。通常0.1〜99重量部であり、好ましくは10〜95重量部であり、より好ましくは50〜91重量部である。
本発明の高分子化合物は前記式(1)で表される構成単位以外の構成単位を含んでいてもよい。
その例としてフルオレン、ベンゾフルオレン、フェニレン、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、カルバゾール、チオフェン、フラン、ピロール、ベンゾチアジアゾール等の環構造を含む構成単位、及びフェニレンビニレン、チエニレンビニレン等の環構造と炭素−炭素不飽和結合を含む構成単位、トリフェニルアミン等の芳香族アミンを含む構成単位があげられる。
他の構成単位を含む場合、式(1)の単位の含有量は、全構成単位中の10重量%以上が好ましく、より好ましくは20重量%以上、さらに好ましくは50重量%以上が良い。
本発明に用いられる高分子化合物は、数平均分子量がポリスチレン換算で5×102〜108程度であることが好ましく、中でも、数平均分子量がポリスチレン換算で103〜106程度である場合、更に好ましい。
また、本発明の高分子化合物は、重量平均分子量が5×102〜1×108であることが好ましく、1×103〜1×106であることがより好ましい。分子量が低すぎると膜形成能などポリマーとしての性質が失われる傾向があり、分子量が高すぎると溶剤への溶解性が悪くなる傾向がある。
本発明の高分子化合物は、前記式(1)で表される構成単位において、該構成単位が有する他の構成単位との結合手の代わりに、用いる重合反応に適した官能基を有する単量体(モノマー)を合成した後に、必要に応じ、有機溶媒に溶解し、例えばアルカリや適当な触媒、配位子を用いた公知のアリールカップリング等の重合方法により重合、もしくは前記(1)以外の構成単位からなるモノマーを更に加えて共重合することにより合成可能である。
前記式(1)で表される構成単位において、該構成単位が有する他の構成単位との結合手の代わりに、用いる重合反応に適した官能基を有する単量体(モノマー)の合成方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、本明細書の実施例にあるように、ベンゾフルオレン骨格を合成し、ハロゲン化した後に、Friedel−Craftsアシル化反応によりケトン基を置換基として導入した後、水素化ホウ素ナトリウムのような還元剤でケトンをアルコ−ルへと官能基変換し、別途、種々の公知の反応により合成した電荷輸送性基にハロゲン原子が導入された化合物と反応させ、エーテル化することにより合成
可能である。
アリールカップリングによる重合方法に関しては、特に限定されるものではないが、例えば、前記重合反応に適した官能基として、ホウ酸基又はホウ酸エステル基を有するモノマーと、官能基として臭素原子、ヨウ素原子、塩素原子などのハロゲン原子、又はトリフルオロメタンスルホネート基、p-トルエンスルホネート基などのスルホネート基を有するモノマーとを炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸三カリウム、フッ化カリウム等の無機塩基、フッ化テトラブチルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウムなどの有機塩基の存在下、パラジウム[テトラキス(トリフェニルホスフィン)]、[トリス(ジベンジリデンアセトン)]ジパラジウム、パラジウムアセテート、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロライド、ビス(シクロオクタジエン)ニッケルなどのPdもしくはNi錯体と、必要に応じ、さらにトリフェニルホスフィン、トリ(2−メチルフェニル)ホスフィン、トリ(2-メトキシフェニル)ホスフィン、ジフェニルホスフィノプロパン、トリ(シクロヘキシル)ホスフィン、トリ(tert−ブチル)ホスフィンなどの配位子とからなる触媒を用いたSuzukiカップリング反応により重合する方法、
ハロゲン原子又はトリフルオロメタンスルホネート基などのスルホネート基を有するモノマー同士をビス(シクロオクタジエン)ニッケルなどのニッケルゼロ価錯体とビピリジルなどの配位子からなる触媒を用い、もしくは[ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]ニッケルジクロライド、[ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ニッケルジクロライドなどのNi錯体と、必要に応じ、さらにトリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィノプロパン、トリ(シクロヘキシル)ホスフィン、トリ(tert−ブチル)ホスフィンなどの配位子とからなる触媒と亜鉛、マグネシウム等の還元剤を用い、必要に応じて脱水条件で反応させる、Yamamotoカップリング反応により重合する方法、
ハロゲン化マグネシウム基を有する化合物とハロゲン原子を有する化合物とを[ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]ニッケルジクロライド、[ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ニッケルジクロライドなどのNi触媒を用い、脱水条件で反応させる、アリールカップリング反応により重合するKumada−Tamaoカップリング反応により重合する方法、
水素原子を官能基として、FeCl3等の酸化剤により重合する方法、電気化学的に酸化重合する方法などが例示される。
反応溶媒に関しては用いる重合反応、モノマー及びポリマーの溶解性などを考慮して選択されるべきであるが、テトラヒドロフラン、トルエン、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、それらの2種以上の混合溶媒などの有機溶媒、もしくはそれらと水との二相系が例示される。
Suzukiカップリング反応においては、テトラヒドロフラン、トルエン、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、それらの2種以上の混合溶媒などの有機溶媒、もしくはそれらと水との二相系が好ましい。反応溶媒は一般に副反応を抑制するために、脱酸素処理を行うことが好ましい。
Yamamotoカップリング反応においては、テトラヒドロフラン、トルエン、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、それらの2種以上の混合溶媒などの有機溶媒が好ましく例示される。反応溶媒は一般に副反応を抑制するために、脱酸素処理を行うことが好ましい。
反応温度に関しては、反応媒体が液状を保つ温度範囲であれば、特に限定されるものではないが、その下限としては、反応性の観点から、一般に−100℃以上が好ましく、−20℃以上がさらに好ましく、0℃以上がより好ましい。その上限としては、モノマー及び高分子化合物の安定性の観点から、200℃以下が好ましく、150℃以下がより好ましく、120℃以下がさらにより好ましい。
上記アリールカップリング反応の中でも、反応性の観点から、Suzukiカップリング反応、Yamamotoカップリング反応が好ましく、Suzukiカップリング反応とニッケルゼロ価錯体を用いたYamamotoカップリング反応がより好ましい。
より詳細には、Suzukiカップリングによる重合に関しては、例えば、Journal of Polymer Science:Part A:Polymer Chemistry,Vol.39,1533−1556(2001)に記載されている公知の方法を参考にできる。Yamamotoカップリングによる重合に関しては、例えば、Macromolecules 1992,25,1214−1223に記載されている公知の方法を参考にできる。
また、予め合成した高分子主鎖をFriedel−Crafts反応等により、ホルミル化、アシル化し、さらに必要に応じて還元反応などを経た後に、それらの基と反応し結合を形成することの可能な官能基を有する側鎖の前駆体と反応させることによっても合成可能である。
高分子化合物の取り出しは公知の方法に準じて行うことが可能である。例えば、メタノールなどの低級アルコールに反応溶液を加えて析出させた沈殿をろ過、乾燥することにより、高分子化合物を得ることができる。上記の後処理で得られた高分子化合物の純度が低い場合は、再結晶、ソックスレー抽出器による連続抽出、カラムクロマトグラフィーなどの通常の方法にて精製することが可能である。
本発明の高分子化合物は、エレクトロルミネッセンス発光素子、有機トランジスタ、太陽電池等の活性層として用いることができる。
エレクトロルミネッセンス発光素子は、前記高分子化合物を含有してなる層を有するものであり、より具体的には、例えば、陽極及び陰極からなる電極と、該電極間に設けられ前記高分子化合物を含む発光層又は電荷輸送層とを有するものである。
有機トランジスタは、第1の電極(ゲート電極)と、第1の電極と絶縁層を介して接する有機材料の層(活性層)と、該有機材料の層に接した第2、及び第3の電極(ソース、及びドレイン)を有する。
有機薄膜太陽電池は、2つの異種電極間に、電子供与性及び電子受容性の機能を有する有機薄膜層(活性層)を配置してなる太陽電池である。
これらの層は、如何なる方法によって作製してもよいが、例えば、溶液を含む高分子組成物から作製することができる。
高分子化合物を溶解させる溶媒としては、通常、−40〜40℃、1.0×105Paの圧力下で溶液の状態であるものが好ましい。
前記溶媒としては、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、テトラヒドロフラン、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、デカリン、n−ブチルベンゼン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等が例示される。これらの溶媒を用いた場合、化合物の種類、構成等にもよるが、通常、該溶媒に対して0.1重量%以上溶解させることができる。なお、これらの溶媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
本発明の高分子化合物を前記溶媒に溶解する場合には、該溶媒の量は、化合物の合計100重量部に対して、通常、1000〜100000重量部程度である。
以下、本発明をさらに詳細に説明するために実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
−分子量の測定方法−
実施例において、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)及びピークトップ分子量(Mp)については、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレン換算のものを求めた。具体的には、GPC(東ソー製、商品名:HLC-8220GPC)により、TSKgel SuperHM-H(東ソー製)3本を直列に繋げたカラムを用いて、テトラヒドロフランを展開溶媒として0.5mL/minの流速で流し、40℃で測定した。検出器には、示差屈折率検出器を用いた。
<合成例1>(化合物Eの合成)
−化合物Aの合成−
不活性雰囲気下、300ml三つ口フラスコに、1−ナフタレンボロン酸5.00g(29mmol)、2−ブロモベンズアルデヒド6.46g(35mmol)、炭酸カリウム10.0g(73mmol)、トルエン36ml、及びイオン交換水36mlを入れ、室温で撹拌しつつ20分間アルゴンバブリングした。次いで、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム16.8mg(0.15mmol)を入れ、さらに室温で撹拌しつつ10分間アルゴンバブリングした。100℃に昇温し、25時間反応させた。室温まで冷却後、トルエンで有機層を抽出し、得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去した。こうして得られた化合物を、トルエン:シクロヘキサン=1:2(容積比)の混合溶媒を展開溶媒としたシリカゲルカラムで精製することにより、下記式:

Figure 2008133308

で表される化合物A5.18g(収率86%)を白色結晶として得た。
1H−NMR(300MHz/CDCl3):
δ7.39〜7.62(m、5H)、7.70(m、2H)、7.94(d、2H)、8.12(dd、2H)、9.63(s、1H)
MS(APCI(+)):(M+H)+ 233
−化合物Bの合成−
不活性雰囲気下で300mlの三つ口フラスコに、前記と同様に合成した化合物A 8.00g(34.4mmol)と脱水THF46mlを入れ、−78℃まで冷却した。次いで、n−オクチルマグネシウムブロミド(1.0mol/l THF溶液)52mlを30分かけて滴下した。滴下終了後、0℃まで昇温し、1時間撹拌した後、室温まで昇温して45分間撹拌した。氷浴して1N塩酸20mlを加えて反応を終了させ、酢酸エチルで有機層を抽出し、得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去した後、トルエン:ヘキサン=10:1(容積比)の混合溶媒を展開溶媒とするシリカゲルカラムで精製することにより、下記式:

Figure 2008133308

で表される化合物B7.64g(収率64%)を淡黄色のオイルとして得た。HPLC(高速液体クロマトグラフィー)測定では2本のピークが見られたが、LC/MS(液体クロマトグラフィー/質量分析法)測定では同一の質量数であったので、異性体の混合物であると推測される。
−化合物Cの合成−
不活性雰囲気下、500ml三つ口フラスコに、化合物B(異性体の混合物)5.00g(14.4mmol)と脱水ジクロロメタン74mlを入れ、室温で撹拌、溶解させた。次いで、三フッ化ホウ素のエーテラート錯体を室温で1時間かけて滴下し、滴下終了後、室温で4時間撹拌した。撹拌しながらエタノール125mlをゆっくりと加え、発熱が収まったらクロロホルムで有機層を抽出し、得られた有機層を2回水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去後、ヘキサンを展開溶媒とするシリカゲルカラムで精製することにより、下記式:

Figure 2008133308

で表される化合物C3.22g(収率68%)を無色のオイルとして得た。
1H−NMR(300MHz/CDCl3):
δ0.90(t、3H)、1.03〜1.26(m、14H)、2.13(m、2H)、4.05(t、1H)、7.35(dd、1H)、7.46〜7.50(m、2H)、7.59〜7.65(m、3H)、7.82(d、1H)、7.94(d、1H)、8.35(d、1H)、8.75(d、1H)
MS(APCI(+)):(M+H)+ 329
−化合物Dの合成−
不活性雰囲気下200ml三つ口フラスコに、イオン交換水20mlを入れ、撹拌しながら水酸化ナトリウム18.9g(0.47mol)を少量ずつ加え、溶解させた。得られた水溶液を室温まで冷却した後、トルエン20ml、前記と同様に合成した化合物C5.17g(15.7mmol)、及び臭化トリブチルアンモニウム1.52g(4.72mmol)を加え、50℃に昇温した。臭化n−オクチルを滴下し、滴下終了後、50℃で9時間反応させた。反応終了後、トルエンで有機層を抽出し、得られた有機層を2回水洗し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去後、ヘキサンを展開溶媒とするシリカゲルカラムで精製することにより、下記式:

Figure 2008133308

で表される化合物D5.13g(収率74%)を黄色のオイルとして得た。
1H−NMR(300MHz/CDCl3):
δ0.52(m、2H)、0.79(t、6H)、1.00〜1.20(m、22H)、2.05(t、4H)、7.34(d、1H)、7.40〜7.53(m、2H)、7.63(m、3H)、7.83(d、1H)、7.94(d、1H)、8.31(d、1H)、8.75(d、1H)
MS(APCI(+)):(M+H)+ 441
−化合物Eの合成−
空気雰囲気下、50mlの三つ口フラスコに、化合物D4.00g(9.08mmol)と、酢酸:ジクロロメタン=1:1(容積比)の混合溶媒57mlを入れ、室温で撹拌し、溶解させた。次いで、三臭化ベンジルトリメチルアンモニウム7.79g(20.0mmol)を加えて撹拌しつつ、塩化亜鉛を三臭化ベンジルトリメチルアンモニウムが完溶するまで加えた。室温で20時間撹拌した後、5重量%亜硫酸水素ナトリウム水溶液10mlを加えて反応を停止し、クロロホルムで有機層を抽出し、得られた有機層を炭酸カリウム水溶液で2回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。ヘキサンを展開溶媒とするフラッシュカラムクロマトグラフィーで2回精製した後、エタノール:ヘキサン=1:1(容積比)の混合溶媒で再結晶し、次いで、エタノール:ヘキサン=10:1(容積比)の混合溶媒で再結晶することにより、下記式:

Figure 2008133308

で表される化合物E4.13g(収率76%)を白色結晶として得た。
1H−NMR(300MHz/CDCl3):
δ0.60(m、4H)、0.91(t、6H)、1.01〜1.38(m、20H)、2.09(t、4H)、7.62〜7.75(m、4H)、7.89(s、1H)、8.20(d、1H)、8.47(d、1H)、8.72(d、1H)
MS(APPI(+)):M+ 596
<合成例1>(化合物Iの合成)
−化合物Fの合成−

Figure 2008133308
化合物F


窒素雰囲気下、200mlの三つ口フラスコに化合物E14.96g(25mmol)、脱水ジクロロメタン112.7g、無水塩化アルミニウム3.20g(24mmol)を仕込み撹拌後しながら0℃まで冷却した。次に0〜1.5℃でアセチルクロリド2.36g(30mmol)を5分で滴下した。同温度で1時間撹拌した。反応液をフラスコから300ml分液ロ−トに移し水100mlを仕込んだ。クロロホルム50mlで抽出し油層を2%水酸化ナトリウム水100mlで1回、水100mlで2回洗浄した。エバポレ−タを用い75℃で減圧濃縮し濃縮物18.9gを得た。シリカゲルクロマトグラフィ−で精製{展開溶媒:クロロホルム/n−ヘキサン=1/5(容積割合)}することにより無色固体として化合物F 5.91g(収率30.8%)を得た。

1H−NMR(300MHz/CDCl3):
δ0.44〜0.61(m、4H)、0.77〜0.82(t、6H)、1.02〜1.21(m、20H)、2.03〜2.09(m、4H)、2.81(s、3H)、7.58〜7.70(m、3H)、7.86(s、1H)、8.20〜8.23(d、1H)、8.70〜8.73(d、1H)、8.76〜8.79(d、1H)
−化合物Gの合成−


Figure 2008133308

化合物G
窒素雰囲気下、300mlの三つ口フラスコに化合物F5.90g(9.2mmol)、クロロホルム118g、エタノール59gを仕込んだ。10℃まで冷却し水素化ホウ素ナトリウム0.87g(23mmol)をエタノール15mlに懸濁させた液を仕込んだ。10〜18℃で2時間撹拌した。500ml分液ロートに水150mlを仕込み反応液を15分かけて少しずつ撹拌しながら加えた。クロロホルム層を分液し水層にクロロホルム100mlを加え抽出した。クロロホルム層をエバポレ−タを用い75℃で減圧濃縮し淡褐色の固体6.17gを得た。シリカゲルクロマトグラフィ−で2回精製{展開溶媒:クロロホルム/n−ヘキサン/トリエチルアミン(1/4/0.001, 容積割合)}することにより白色固体として化合物G 3.79g(収率64.0%)を得た。

1H−NMR(270MHz/CDCl3):
δ0.48〜0.52(m、4H)、0.77〜0.82(t、6H)、1.01〜1.19(m、20H)、1.69〜1.72(d、3H)、1.97〜2.11(m、4H)、5.74〜5.82(m、1H)、7.52〜7.73(m、4H)、8.12〜8.15(d、1H)、8.20〜8.23(d、1H)、8.69〜8.72(d、1H)
−化合物Iの合成−
Figure 2008133308

化合物I

Figure 2008133308
化合物H
窒素雰囲気下、50mlの三つ口フラスコに化合物G 1.29g(2mmol)、脱水ジメチルホルムアミド25.8gを仕込み20〜21℃で撹拌下溶解した。鉱物油に分散した水素化ナトリウム(含量60%)0.096g(2.4mmol)を仕込み20分間撹拌し淡黄色の固体の生成を確認した。化合物H1.55g(2.4mmol)を脱水ジメチルホルムアミド8mlに溶解した液を20〜22℃で20分かけ滴下した。22〜20℃で20時間撹拌した後水素化ナトリウム(含量60%)0.05g(1.3mmol)を追加し更に20時間撹拌した。300ml分液ロートに10%食塩水100gを仕込み反応液を20分かけて少しずつ撹拌しながら加えた。クロロホルム50mlで3回抽出した後クロロホルム層を水50mlで3回洗浄した。油層をエバポレータを用い75℃で減圧濃縮し濃縮物2.96gを得た。シリカゲルクロマトグラフィーで3回精製{展開溶媒:クロロホルム/n−ヘキサン/トリエチルアミン(1/1/0.001, 容積割合)}することにより無色固体として化合物I 1.08g(収率44.8%)を得た。

1H−NMR(300MHz/CDCl3):
δ0.52〜0.53(m、4H)、0.75〜0.81(m、6H)、1.00〜1.17(m、20H)、1.43〜1.47(m、4H)、1.63〜1.76(m、7H)、1.98〜2.07(m、4H)、2.78〜2.83(t、2H)、3.37〜3.42(t、2H)、5.23〜5.25(m、1H)、7.27〜7.35(m、4H)、7.41〜7.56(m、10H)、7.64〜7.73(m、5H)、7.90〜7.95(m、5H)、8.11〜8.22(m、5H)、8.68〜8.71(d、1H)
<合成例2>(化合物Jの合成)
100mLの4口丸底フラスコをアルゴンガス置換後、化合物E(3.2g、5.3mmol)、ビスピナコーラートジボロン(3.8g、14.8mmol)、PdCl2(dppf)(0.39g、0.45mmol)、ビス(ジフェニルホスフィノフェロセン(0.27g、0.45mmol)、及び酢酸カリウム(3.1g、32mmol)を仕込み、脱水ジオキサン45mlを加えた。アルゴン雰囲気下、100℃まで昇温し、36時間反応させた。放冷後、セライト2gをプレコートして濾過を行い、濃縮したところ黒色液体を得た。この黒色液体をヘキサン50gと混合し、こうして得られた混合溶液を、ラジオライト5gをプレコートして濾過を行い、活性炭で着色成分を除去することにより、37gの淡黄色液体を得た。この淡黄色液体に、酢酸エチル6g、脱水メタノール12g、及びヘキサン2gを加え、ドライアイス−メタノール浴に浸して晶析し、ろ過、乾燥することにより、下記式:

Figure 2008133308

で表される化合物J 2.1gの無色結晶を得た。
<合成例3>(高分子化合物1の合成)
アルゴン雰囲気下、ジムロートを接続した1L三つ口フラスコに、前記と同様に合成した化合物E17.0g(28.4mmol)、前記と同様に合成した化合物J19.4g(28.0mmol)、及びトルエン311mLを加えた後、窒素ガスバブリングにより容器内のガスを窒素置換した。45℃に昇温した後に、酢酸パラジウム19mg、及びトリ(o−メトキシフェニル)ホスフィン118mgを加え、45℃で5分間攪拌した後に、33重量%のビス(テトラエチルアンモニウム)カーボネート水溶液25.9mLを加え、114℃で24時間攪拌した。次いで、4−ブロモトルエン5.27g(30.8mmol)を加え、114℃で1時間攪拌し、さらに4−t−ブチルフェニルボロン酸5.48g(30.8mmol)を加え、114℃で1時間攪拌した。65℃まで冷却し、5重量%ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム水溶液で2回、2規定塩酸で2回、10重量%酢酸ナトリウム水溶液で2回、水で6回洗浄した後、得られた有機層をセライトろ過し、減圧濃縮し、メタノール中へ滴下することによりポリマーを沈殿させた。得られた沈殿物をろ過し、減圧乾燥して粉末を得た後、再度トルエンに溶解しメタノール中に滴下して沈殿させる操作を2回繰り返した。こうして得られた沈殿を減圧乾燥することにより、下記式:

Figure 2008133308


で表される構成単位を有する重合体(以下、「高分子化合物1」という。)を22.4g(収率90.3%)得た。また、ポリスチレン換算の数平均分子量Mnは7.9×104であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量Mwは1.7×105であった。
<合成例4> 高分子化合物3の合成
5LセパラブルフラスコにAliquat336 40.18g、化合物K 234.06g、化合物L 172.06g、化合物M 28.5528gを取り、窒素置換した。アルゴンバブリングしたトルエン2620gを加え、攪拌しながら更に30分バブリングした。酢酸パラジウム 99.1mg、トリス(o-トリル)ホスフィン 937.0mgを加え、158gのトルエンで洗い流し、95℃に加熱した。17.5%炭酸ナトリウム水溶液855gを滴下後、バス温110℃に昇温し、9.5時間攪拌した後、フェニルホウ酸5.39gをトルエン96mlに溶解して加え、14時間攪拌した。200mlのトルエンを加え、反応液を分液し、有機相を3%酢酸水溶液850mlで2回、更に850mlの水とナトリウムN,N−ジエチルジチオカルバメート19.89gを加え、4時間攪拌した。分液後、シリカゲル−アルミナカラムを通し、トルエンで洗浄した。得られたトルエン溶液をメタノール50Lに滴下し、ポリマーを再沈殿させ、メタノールで洗浄した。減圧乾燥後、11Lのトルエンに溶解させ、得られたトルエン溶液をメタノール50Lに滴下し、ポリマーを再沈殿させた。ろ過、減圧乾燥し、278.39gの高分子化合物3を得た。Mn=7.7×104、Mw=3.8×105

Figure 2008133308

〔実施例1〕
<高分子化合物2の合成>
化合物I 193mg、前記同様に合成した化合物E 24mg及び2,2’−ビピリジル75mgを脱水したテトラヒドロフラン14mLに溶解した後、アルゴンガスでバブリングして系内をアルゴン置換した。アルゴン雰囲気下において、この溶液に、ビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)2}(132mg)を加え、60℃まで昇温し、攪拌しながら2時間反応させたのち、再度ビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)2}(132mg)を加え、60℃にて0.5時間攪拌した。反応後、この反応液を室温(約25℃)まで冷却し、25%アンモニア水4mL/メタノール15mL/イオン交換水14mL混合溶液中に滴下して0.5時間攪拌した後、析出した沈殿をろ過した後に減圧乾燥し、その後、テトラヒドロフラン30mLに溶解させてからラヂオライト(商品名)をろ過助剤としてプレコートしたろ過器にてろ過を行い、ろ液をシリカゲル及びアルミナのカラムに通液し、テトラヒドロフラン30mLで洗出した。ろ液を5gになるまで減圧濃縮したのちに、メタノール60mLに滴下して0.5時間攪拌し、析出した沈殿をろ過し、メタノール30mLで洗浄した後に、50℃にて8時間減圧乾燥した。得られた共重合体の収量は219mgであった。この共重合体を高分子化合物2と呼ぶ。ポリスチレン換算の数平均分子量Mnと重量平均分子量Mwは、それぞれ、Mn=2.3x103、Mw=2.4x103であった。
仕込み比率から求められる高分子化合物2における繰り返し単位(式P−21)、(P−22)の比率は(P−21)/(P−22)=80/20である。

Figure 2008133308

Figure 2008133308

<素子の作成及び評価>
スパッタ法により150nmの厚みでITO膜を付けたガラス基板に、ポリ(エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸の溶液(スタルクヴィテック社製、Baytron AI4083)を用いてスピンコートにより成膜し、大気中ホットプレート上で200℃で10分間乾燥した。得られた膜厚は65nmであった。次に、高分子化合物3のトルエン溶液(0.2μmのテフロン(登録商標)フィルターで濾過)をスピンコートにより塗布し、グローブボックス中の窒素雰囲気下で200℃で15分間ベークした。得られた膜厚は20nmであった。さらに、高分子化合物1、及び高分子化合物2のクロロベンゼン溶液(0.2μmのテフロン(登録商標)フィルターで濾過)をスピンコートにより塗布した。得られる膜厚はいずれも80nmであるように調整した。これを減圧下90℃で1時間乾燥した後、陰極バッファー層として、フッ化リチウムを4nm、陰極としてアルミニウムを100nm蒸着して、高分子ダイオードを作製した。蒸着のときの真空度は、すべて1〜9×10-5Torrであった。素子の形状は、2mm×2mmの正四角形であった。得られた素子に電圧を印加することにより、整流性のある電流を得た。4.5Vのバイアス電圧の時の電流密度は、0.15mA/cm2であった。
6.0Vバイアス電圧の時の電流密度は、5.9mA/cm2、輝度は56cd/m2、発光波長のピークは465nm、発光色度座標はx,y=0.156,0.152であった。
〔比較例1〕
高分子化合物2にかえて、高分子化合物1を用いた以外は実施例1と同様にして高分子ダイオードを作成した。
得られた素子に電圧を印加することにより、整流性のある電流を得た。4.5Vのバイアス電圧の時の電流密度は、0.03mA/cm2であった。
6.0Vバイアス電圧の時の電流密度は、2.6mA/cm2、輝度は34cd/m2、発光波長のピークは475nm、発光色度座標はx,y=0.168,0.235であった。
本発明の高分子化合物2を用いた実施例1の素子(電流密度0.15mA/cm2)は、本発明の範囲外の高分子化合物1(電流密度0.03mA/cm2)を用いた比較例1の素子の場合に比較し、著しく高い電流密度を示した。これにより、本発明の高分子化合物が電荷注入・輸送性に優れていることがわかる。また発光色度座標の値より明らかなとおり、本発明の高分子化合物は、発光色が短波長であり、青色の場合には、好ましい色純度となりうる。

Claims (2)

  1. 下式(1)で表される構成単位を含有する高分子化合物。

    Figure 2008133308

    〔R1は電荷輸送性基を示す。R2、R3及びR4はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭素数が1〜12のアルキル基、置換基を有していてもよく、環を構成する炭素数が6〜26のアリール基、置換基を有していてもよく、環を構成する炭素数が3〜20のヘテロアリール基、置換基を有していてもよい炭素数が1〜12のアルコキシ基、置換基を有していてもよく、環を構成する炭素数が6〜26のアリールオキシ基、置換基を有していてもよく、環を構成する炭素数が3〜20のヘテロアリールオキシ基、置換基を有していてもよい炭素数が1〜12のアルキルチオ基、置換基を有していてもよく、環を構成する炭素数が6〜26のアリールチオ基、置換基を有していてもよく、環を構成する炭素数が3〜20のヘテロアリールチオ基、置換基を有していてもよい炭素数2〜12のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜12のアルキニル基、−NQ12、−C≡N、又は−NO2を表す。ここで、Q1及びQ2はそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、置換基を有していてもよく、環を構成する炭素数6〜26のアリール基、又は置換基を有していてもよく、環を構成する炭素数3〜20のヘテロアリール基を表す。R3及びR4は一緒になって環を形成していてもよい。〕
  2. 陽極及び陰極からなる電極間に、請求項1記載の高分子化合物を含む層を有することを特徴とするエレクトロルミネッセンス発光素子。
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