JP2008133048A - 包装用容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】容器本体内部でのロール状のラップフィルムなどの薄膜状物の移動を制限し、引き出された薄膜状物の巻戻りを防止することのできる包装用容器を提供すること。
【解決手段】本発明は、ロール状に巻かれたラップフィルム3を収納し得る容器本体4と、蓋体6と、ラップフィルム3を適宜引き出して切断するためのカッターとを備える包装用容器1において、ロール状フィルム3Rが容器本体4に収納され、フィルム先端部3aが引き出される前の状態におけるロール状フィルム3Rが当接又は近接するように容器本体4の本体底面7の内壁7aに突出部22を備えることで、ロール状フィルム3Rの容器本体4内での相対的移動を制限するようになっていることを特徴とする。この構成では、容器本体4でのロール状フィルム3Rの動きが減じられるので、容器本体4から引き出されたラップフィルム3の巻戻りを抑制することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、ロール状に巻かれた薄膜状物、特に、ポリ塩化ビニリデン製のラップフィルムを収納し得る包装用容器に関する。
従来の包装用容器として、ロール状に巻かれた薄膜状物を収納し得る容器本体と、この容器本体に一体的に設けられた蓋体と、蓋体に取り付けられ引き出された薄膜状物を切断するカッターとから構成されたものが知られている。薄膜状物として、特にポリ塩化ビニリデン製のラップフィルムはガスバリヤー性が高いため、数μmという薄膜で十分なガスバリヤー性能を有するのであるが、薄膜状物は薄膜であればあるほど、巻き戻ったフィルム先端部がどこにあるのか探し出すのも引き剥がすのも困難という問題がある。特に高齢者などの目が弱い使用者にとっては、その苦労は大変なものがある。このような巻き戻りを防ぐ包装用容器としては、ラップフィルムの先端部を剥離可能に保持する粘着層が本体前面に設けられたものがある(例えば、特許文献1)。
特開平7−329959号公報
しかしながら、上述の包装用容器にあっては、ラップフィルムを粘着層に密着させても巻き戻りが起こる場合があり、依然として巻き戻りは解決されていない現状である。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、薄膜状物の巻戻りを抑制することのできる包装用容器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、ロール状に巻かれた薄膜状物を収納し得る容器本体と、蓋体と、薄膜状物を適宜引き出して切断するためのカッターと、を備える包装用容器において、容器本体に収納されフィルム先端部が引き出される前の状態における薄膜状物が当接又は近接するように容器本体内に移動制限部を備えることで、薄膜状物の容器本体内での相対的移動を制限するようになっていることを特徴とする。
この包装用容器では、移動制限部がロール状の薄膜状物と当接し、容器本体での相対的移動を制限することによって、引き出された薄膜状物の巻戻りを防止することができる。
また、移動制限部は、容器本体の本体底面の内壁に形成された突出部であることが好ましい。このような構造を採用した場合、突出部がロール状の薄膜状物と当接し、容器本体での相対的移動を制限することによって、引き出された薄膜状物の巻戻りを防止することができる。
また、突出部は、容器本体の本体前面の下縁部から容器本体の本体後面へ向かって延設された突出部形成板によって形成されたものとすることができる。
なお、本明細書において「上」、「下」については図1に示した状態を基準とする。また、「前」は図1に示す容器本体4の内部から見た場合の本体前面8側を指し、「後」は本体後面9側を指す。
薄膜状物がラップフィルムである場合、移動制限部における、ラップフィルムと当接する部分には、ラップフィルムを円滑に回転可能とする処理が施されていることが好ましい。このような構成を採用した場合、ラップフィルムを容器本体から引き出す際にロール状のラップフィルムは使用者に違和感を与えることなくスムーズに回転することができる。
本発明による包装用容器によれば、容器本体内部でのロール状の薄膜状物の相対的移動を制限し、それに伴い、引き出された薄膜状物の巻戻りを抑制することができる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明に従った包装用容器を示す斜視図である。図1における包装用容器1は、1枚の厚紙から作られており、円筒状の紙管2にロール状に巻き付けられたポリ塩化ビニリデン製のラップフィルム(薄膜状物)3を収納するための容器本体4と、この容器本体4に一体的に連設された蓋体6とから構成されている。閉蓋状態の包装用容器1の全体形状は略直方体形状をなす。なお、ラップフィルム3のロール状となっている部分を特にロール状フィルム3Rと称することとする。
容器本体4は、矩形の本体底面7と、この本体底面7の各長縁部から垂直上方に延びる本体前面8及び本体後面9と、本体底面7の各短縁部から垂直上方に延び且つ本体前面8及び本体後面9の対向端部間を連結する本体側面11,11とを備えている。また、容器本体4の上部は、ラップフィルム3を引き出すための開口部12として開放されている。
蓋体6は、本体後面の頂縁部から連続して延び且つ容器本体4の開口部12を実質的に覆う矩形の蓋体頂面13と、この蓋体頂面13の各短縁部から垂直に延びる蓋体側面14,14と、蓋体頂面13の前側の長縁部から垂直に延び且つ蓋体側面14,14の一方の端部間を連結する蓋体前面16とを備えている。蓋体頂面13と本体後面9との間の折り線17をヒンジとして蓋体6は回動され、蓋体頂面13により容器本体4の開口部12が閉じられた場合、蓋体前面16及び蓋体側面14,14はそれぞれ本体前面8及び本体側面11,11の外壁上に重なり合うようになっている。
蓋体前面16の縁部の裏面には、引き出されたラップフィルム3を切断するためのカッター18が取り付けられている。図示実施形態においては、蓋体前面16の先端縁はV字状をなし、その形状に合わせてカッター18もV字状のものが用いられている。
また、本体前面8の表面には、ラップフィルム3の巻戻りを防止するための粘着層19が設けられている。粘着層19は、ラップフィルム3の切断直後にフィルム先端部3aを剥離可能に保持することができるよう、閉蓋状態では蓋体前面16により覆われる位置に形成されている。図示実施形態の包装用容器1では、蓋体前面16の中央部を押さえながらラップフィルム3を切断するため、粘着層19は、少なくとも、本体前面8の中央部、又は本体前面8の幅(長手)方向に亙って設けることが好ましい。
図2は、包装用容器1の拡大部分斜視図である。図2に明示するように、本実施形態では、容器本体4内に本体底面7の内壁7a上に突出部形成板21が接着されている。突出部形成板21は、本体前面8の下縁部から本体後面9へ向かって、所定距離だけ延びている。この所定距離については後述するが、本体底面7の幅(前後方向長さ)の半分程度となっている。従って、突出部形成板21の後縁部は、内壁7aとの間で段差、すなわち突出部22を形成する。また、本実施形態では、突出部形成板21は、左右の本体側面11,11間の全域にわたり延び、突出部22は本体側面11,11間で直線状に延びている。
突出部(移動制限部)22は、容器本体4内に二点鎖線で示すロール状フィルム3Rが収納されたときに、そのロール状フィルム3Rと当接するものであり、ロール状フィルム3Rの前後方向の移動を制限するものである。
また、突出部形成板21の自由縁部及びその近傍、すなわち突出部22には、包装用容器1の表面と同一の塗料が塗布されていることが好適である。この塗料は、美観や触り心地を向上させるべく包装用容器1の表面に塗布されるものであり、一般にアクリル樹脂系のUV硬化型コート材が用いられる。この塗料は、ポリ塩化ビニリデン製のラップフィルム3に対して円滑性を有するものであり、よって、突出部22上の塗料はロール状フィルム3Rの回転を円滑にする機能を有することとなる。
上述した包装用容器1について、その展開図である図3に沿って更に詳細に説明する。
図3において、矩形部分7bは本体底面7を構成し、この部分7bの長縁部に連続する部分9aは本体後面9となる。また、部分7bの他方の長縁部に連続する部分8aは本体前面8の一部を構成する。部分9a及び部分8aは、それぞれ、折り線30,31で部分7bに対して約90度折り曲げられる。部分8aに続く部分8bは、部分8aの裏面側に接するように折り線32に沿って約180度折り返され、部分8aと接着され、この部分8aと共働して本体前面8を構成する。
部分8bに続く部分21aは突出部形成板21となるものである。部分21aは部分8bに対して、部分8bの折曲げ方向とは逆の方向に、部分7bの裏面側に接するよう、折り線33に沿って約90度折り返され、部分21aと部分7bとは互いに接着される。
また、部分7bの各短縁部に連続するほぼ正方形の部分11a、部分9aの各短縁部に連続する部分11b、及び、部分8aの各短縁部に連続する部分11cは、本体側面11を構成する。これらの部分11a,11b,11cは折り線34,36,37で約90度折り曲げられ、容器本体4の内側から部分11b、部分11c、部分11aの順で配列されると共に、互いに接着剤により接着される。
一方、部分9aから折り線17を介して連設する部分13aは蓋体頂面13となり、更に部分9aとは反対側に位置する部分13aの長縁部からは、蓋体前面16を構成する部分16aが延びている。部分16aは折り線38で部分13aに対して約90度折り曲げられる。また、部分13aの各短縁部に続く部分14a及び部分16aの各短縁部の一部に続く部分14bは、蓋体側面14を構成するものである。これらの部分14a,14bは折り線41,42で約90度折り曲げられ、部分14bを内側にした状態で互いに接着される。
なお、二点鎖線で示す符号50の部分は、包装用容器1の使用開始時に剥がす開封片となる部分であり、部分8aの表面に局所的に接着される。
包装用容器1を上述したような方法で製造する場合、突出部形成板21を別個に作成する必要がなく、製造を容易に行うことができる。また、図3のドット地で示されるように塗料を厚紙の一面側に塗布するだけで、包装用容器1の表面と同時に突出部22及びその近傍にも塗布することができ、塗料の塗布工程の増加を防止することができる。なお、部分8b及び部分21aの全体が塗料で塗布されていてもよく、よって、当初から一面側に塗料が塗布されているコートボール紙を使用することも可能である。
次に、上記構成における包装用容器1の作用効果について説明する。
包装用容器1が、水平面上に静かに置かれている状態、いわゆる静定状態にある場合、ロール状フィルム3Rは、突出部形成板21よりも後方の本体底面7の内壁7a上に配置される(図2の符号Aの位置)。また、静定状態では、ロール状フィルム3Rは更に、突出部22とは当接あるいは近接するような位置関係となる。図2では、符号Bの点でロール状フィルム3Rが突出部22と接した状態を示している。先に突出部形成板21が本体前面8から「所定距離」だけ延びていると説明したが、「所定距離」とはこの位置関係が得られる距離をいう。なお、このときのロール状フィルム3Rは、使用者によってフィルム先端部3aが引き出され使用される前の状態である。
ロール状フィルム3Rが本体底面7の内壁7a上に配置された状態では、ロール状フィルム3Rは、突出部22と当接することによって容器本体4内での相対的移動が妨げられる。
このように、ロール状フィルム3Rの容器本体4内での動作が制限されることにより、引き出されたラップフィルム3の巻戻りが抑制されることとなる。引き出されたラップフィルム3がロール状フィルム3Rまで巻き戻ってしまうと、フィルム先端部3aを探し出し、引き剥がすことは非常に困難となることから、この巻戻り抑制効果はラップフィルム3用の包装用容器1においては極めて重要なものとなる。また、ラップフィルム3のフィルム先端部3aを止めておく粘着層19と、本発明による突出部22との相乗効果により、ラップフィルム3の巻戻り抑制効果は格段に向上する。
また、使用者が容器本体4からラップフィルム3を引き出す場合、突出部22は厚紙1枚分の高さしかなく、更に、突出部22にはラップフィルム3に対して円滑性を有する塗料が塗布されているため、ロール状フィルム3Rは使用者に違和感を与えることなくスムーズに突出部形成板21に乗り上げる。そして、突出部形成板21に乗り上げた後も、ロール状フィルム3Rは円滑に回転することができるので、ラップフィルム3を容易に引き出すことができる。
引き出し作業が完了すると、ロール状フィルム3Rは、上述した静定状態に戻る。
なお、使用に伴いロール状フィルム3Rの外径は小さくなるが、移動範囲は使用前におけるロール状フィルム3Rの外径と紙管2の外径との差に限られるので、引き出されたラップフィルム3の巻戻りは十分に抑制される。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。
例えば、上記例は、ラップフィルムが容器本体に収納されたときに突出部に当接するものであるが、当接しないまでも近接するものであってもよい。ここで、近接とは若干の移動で突出部に当接するような状態であり、若干の移動とは2mm以内、好ましくは1.5mm以内、特に好ましくは1mm以内の移動である。
また、上記のカッターはV字状をなすものであるが、V字状のものに限られない。カッターの取付位置も蓋体前面に限られず、容器本体前面であってもよい。
更に、上記の本体前面の表面には粘着層が設けられているが、無くてもよい。
また、上記の突出部形成板は本体底面の内壁に完全に接着されているが、図4に示すように、突出部形成板51の自由縁部側を接着せずに持ち上げることによって、高い位置に突出部52を形成してもよい。
更に、上記の突出部形成板は本体前面と連続したものであるが、図5に示すように、突出部形成板61を一枚の部材として本体底面に接着してもよく、所定の高さを有する突出物62を本体底面に設けてもよい。
また、上記の突出部形成板は包装用容器のほぼ全長にわたり延びているが、図6に示すように、一部若しくは不連続な突出部形成板71によって突出部72を形成してもよい。
更に、突出部を突出部形成板によって形成しているが、図7に示すように、本体底面7の表面側からのプレス加工により突出部82を形成してもよい。
また、容器本体4内部側から本体底面7を見た図8(a)及びそのA−A線に沿っての断面図8(b)に示すように、本体底面7の所定の領域を囲むスリット43を形成し、この領域を容器本体4の内部側へ押し上げることによって突出部22aを形成してもよい。なお、このとき本体底面7に形成される穴を外側からフィルム等で塞ぐことによって、容器本体4内部の衛生状態を保つことができる。また、スリット43を前後逆向きとしてもよいし、包装用容器1の全長に亘って形成してもよい。
また、移動制限部は、容器本体の本体底面の内壁に形成された突出部に限らず、図9に示すように、本体前面8の上縁部から本体底面7へ向かって所定の傾斜をなすように延びる移動制限板91であってもよい。この場合、ロール状フィルム3Rは、移動制限板91の内壁の一部と当接あるいは近接する。図9では、符号Bの点でロール状フィルム3Rが移動制限板91と接した状態を示している。移動制限板91のロール状フィルムと当接する部分には、円滑性を有する塗料を塗布することが好ましい。これによって、ロール状フィルム3Rは使用者に違和感を与えることなくスムーズに回転することができるので、ラップフィルム3を容易に引き出すことができる。なお、移動制限板91は、下縁部が本体底面7に固定されていてもよいが、固定されていない場合、移動制限板91がロール状フィルム3Rの表面に接し、その移動をより制限することができ好ましい。更に、包装用容器1のほぼ全長にわたり延びていても、一部若しくは不連続であってもよい。
更にまた、本発明による包装用容器により包装される薄膜状物は、ラップフィルムのみならず、その他の樹脂製フィルムや紙、アルミホイル等としてもよい。
本発明に従った包装用容器を示す斜視図である。 図1に示す包装用容器の拡大部分斜視図である。 図1に示す包装用容器の展開図である。 変形例に係る包装用容器の拡大部分斜視図である。 変形例に係る包装用容器の拡大部分斜視図である。 変形例に係る包装用容器の拡大部分斜視図である。 変形例に係る包装用容器の拡大部分斜視図である。 変形例に係る包装用容器を示す図であり、(a)は、容器本体内部側から本体底面を見た図、(b)は、そのA−A線に沿っての断面図である。 変形例に係る包装用容器の拡大部分斜視図である。
符号の説明
1…包装用容器、3…ラップフィルム(薄膜状物)、3a…フィルム先端部、3R…ロール状フィルム、4…容器本体、7…本体底面、7a…内壁、8…本体前面、9…本体後面、21,51,61,71…突出部形成板、22,22a,52,62,72,82…突出部(移動制限部)、91…移動制限板(移動制限部)。

Claims (4)

  1. ロール状に巻かれた薄膜状物を収納し得る容器本体と、
    蓋体と、
    前記薄膜状物を適宜引き出して切断するためのカッターと、
    を備える包装用容器において、
    前記容器本体に収納されフィルム先端部が引き出される前の状態における前記薄膜状物が当接又は近接するように前記容器本体内に移動制限部を備えることで、前記薄膜状物の前記容器本体内での相対的移動を制限するようになっていることを特徴とする包装用容器。
  2. 前記移動制限部は、前記容器本体の本体底面の内壁に形成された突出部であることを特徴とする請求項1記載の包装用容器。
  3. 前記突出部は、前記容器本体の本体前面の下縁部から前記容器本体の本体後面へ向かって延設された突出部形成板によって形成されていることを特徴とする請求項2記載の包装用容器。
  4. 前記薄膜状物は、ラップフィルムであって、
    前記移動制限部における、前記ラップフィルムと当接する部分には、前記ラップフィルムを円滑に回転可能とする処理が施されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の包装用容器。
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