JP2008132669A - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 インクジェット転写記録方法において、中間点転写体上に形成する凝集画像のビーディング、ブリードを防止させるための処理液を最適な位置に適量だけ付着させて、その処理液の機能を最大限に発揮させることができるインクジェット記録装置を提供すること。
【解決手段】 記録ドット31の形成位置に対応する記録データについて、bライン中の偶数位置2、4、6、8と、dライン中の奇数位置1、3、5、7と、fライン中の偶数位置2、4、6、8のそれぞれに、記録ドット形成データがあるか否かを判定し、その記録ドット形成データがあるときに、その記録データ形成データに対応する記録ドット31の形成位置に、処理液を吐出して処理液ドット32を形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、インクジェット記録装置に関し、より詳しくは、記録ヘッドからインクを吐出して中間転写体上に記録ドットを形成する前に、中間転写体上に顔料インクの流動性を低下または凝集させる処理液を吐出させた後に、中間転写体上に形成されたインク像を記録媒体に転写するインクジェット転写記録装置に関するものである。
従来のインクジェット記録方式で多種多様な記録媒体に記録する場合、紙のインク浸透差によって生じるにじみ等の影響で画質が劣化することがある。また、紙へのインク浸透が極端に遅い場合、記録媒体上でインク液滴が連なる「ビーディング現象」や色境界でインクが混じりあう「ブリーディング現象」が生じ画質が劣化するという問題が生じていた。
これらの問題の解決策として、例えば、記録インクの吐出による記録ドットの形成動作に先立って、あるいは記録ドットの形成後に、記録インクを良好に定着させる効果のある処理液を吐出させて処理液ドットを形成して、それらのドットを重ねる技術が開示されている。(特許文献1参照)また、インク中の染料を不溶化させるための化合物を記録媒体に付着させた後に、記録インクを吐出させて記録ドットを形成する技術が開示されている。(特許文献2参照)さらに、記録ドットの形成動作に先だって、記録インクを良好に定着させて耐水性を持たせるための処理液をインクジェット方式により吐出して記録媒体に付着させる方法、その処理液をローラ塗布により記録媒体に付着させる方法、および、記録インクと処理液を噴射器からの飛翔中に混合させた上、記録媒体に付着させて記録インクの耐水性と定着性を向上させる方法が開示されている。(特許文献3参照)
しかしながら、インク中の水分が浸透していき紙が膨潤し、紙が波打ついわゆる「コックリング現象」や「カール現象」が生じて、紙の風合いを著しく劣化する問題が生じている。
そこで、一旦中間転写体上に処理液をローラやスプレーなど既存の塗布装置で付与し、あるいはインクジェット記録ヘッドで付与した後、処理液と反応し増粘あるいは凝集するインクをインクジェット記録方式により描画し、凝集インク像を形成し、その中間転写体上の凝集インク像をインクの乾燥とともにさらに増粘し、またはインク像の溶剤を除去してインクを濃縮後、インク像を中間転写体から記録媒体上に転写する転写方式と呼ばれる方法が提案されている(特許文献4参照)。
この転写方式の記録方法は、従来の記録媒体へのインク浸透の速さによって、「ビーディング現象」や「ブリーディング現象」によるインクのにじみ、混色の現象の防止や定着性の向上を達成する方法ではないため、記録媒体へのインク浸透が遅いものであっても画像劣化に対して有効な手段となる。また、中間転写体上に形成されたインク像を記録媒体へ転写する際に、インク像のインク液体成分をほとんど除去するため、記録媒体への浸透する液体量が少なく、「コックリング現象」が生じないことで、記録媒体のこしや手触りなどを損ねないという利点がある。さらに、インクジェット記録において、中間転写体を用いると、インクを吐出するためのノズルを有する記録ヘッドが、記録媒体に対して離れている構成であるため、記録媒体から発生する紙粉がノズルに付着することによる記録ヘッドの目詰まりが防止できる特徴を有している。(特許文献5,6,7参照)
特開昭58−128862号公報 特開昭64−63185号公報 特開平5−202328号公報 U32P5958169号公報 特開平8−52867号公報 特開平11−10858号公報 特開平2002−370441号公報
ところが、上記の従来例はいずれも中間転写体上における記録ドットの形成位置の全てに対して一様な量の処理液を付与するため、インクドット密度(単位領域あたりのインク液滴量あるいはインク液滴が一定ならば液滴数)が少ないすなわちハイライト部では必要以上に処理液を消費し、また、多色インクを使用するカラー記録の場合に生じるインクドット密度が高い場合には、必要以下の処理液となり充分な流動性の低下や凝集が生じず混色やブリーディング現象が起きる恐れがあった。
本発明の目的は、インクの流動性の低下や凝集が生じ、ビーディングやブリーディングを防止するための処理液を最適な位置に適量だけ付着させて、その処理液の機能を最大限に発揮させることができるインクジェット転写記録装置を提供することにある。
本発明の請求項1に記載のインクジェット転写記録装置は、中間転写体に対して、着色剤を含む着色インクの流動性を低下または凝集させる処理液を吐出して処理液ドットを形成可能な処理液用記録ヘッドより付与する手段と着色剤を含む着色インクを吐出して記録ドットを形成可能な記録ヘッドにより付与し前記中間転写体上にインク像を形成する手段と、前記中間転写体上に形成されたインク像を記録媒体に転写する転写手段を備えることを特徴とするインクジェット転写記録装置において、前記中間転写体上に形成される記録ドットの分布状態に応じて前記処理液用ヘッドによる前記処理液ドットの形成位置を制御する制御手段を備えたことを特徴とする。
本発明の請求項2に記載のインクジェット記録装置は、請求項1において、前記制御手段は、前記中間転写体上の所定範囲内毎における前記記録ドットの形成数を判定し、その形成数が所定数以上のときに、該所定範囲内に対して前記処理液ドットを形成させることを特徴とする。
本発明の請求項3に記載のインクジェット記録装置は、請求項1または2に記載のインクジェット記録装置において、前記インクは顔料インクで、前記処理液は、金属塩を含むことを特徴とする。
(作用)
インクジェット転写記録方法において、中間点転写体上に形成する凝集画像のビーディング、ブリードを防止させるための処理液を最適な位置に適量だけ付着させて、その処理液の機能を最大限に発揮させることができるインクジェット記録装置を提供すること。
以上説明したように、本発明の請求項1に記載のインクジェット転写記録装置は、中間転写体上に形成される記録ドットの分布状態に応じて処理液ドットの形成位置を制御する構成であるから、処理液を最適な位置に適量だけ付着させて、その処理液の機能を最大限に発揮させることができる。
以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。
(本発明の実施形態)
本実施形態は、図1は、本発明の一実施形態に係るインクジェット転写記録装置の画像形成部の構成を示す概略断面図である。
(第1の実施例)
図1において、転写ドラム1は、インク離型性の表面層を有する中間転写体である。この転写ドラム1は、不図示の軸に支持されており、不図示のドラム駆動装置によって矢印A方向に回転駆動することができる。転写ドラム1の円周方向には上流側から下流側に向かって順に、処理液付与部2、インク付与部3、インク像処理部4、転写部5、記録媒体分離部6、クリーニング部7が配置されている。さらに、記録媒体8を不図示の記録媒体格納部(給紙カセット)から後述するニップ部へ搬送するための給紙搬送部9、およびインク像が、中間転写体である転写ドラム1から記録媒体8に転写された後に、記録媒体8上のインク像を定着させるための定着機構を有すると同時に、排紙トレイに記録媒体8を排紙する排紙搬送定着部10が配置されている。また、インクジェット記録装置は、不図示の制御部を有している。
以下で、上述したそれぞれの部材の構成についてさらに詳細に説明する。
図2は、本発明の一実施形態に係る制御部の構成を示す概略ブロック図である。図2において、全体を符号100で示すインクジェット記録装置において、CPU101は、本インクジェット記録装置の動作の制御処理やデータ処理等を実行する。メモリ102は、それらの処理手順等のプログラムを格納したROM(不図示)と、それらの処理を実行するためのワークエリア等として用いられるRAM(不図示)とを有する記録部である。I/F103は、インクジェット記録装置と、ホストコンピュータ等の画像データの供給源である画像供給装置110との間でデータやコマンド等の情報を授受するためのインターフェイスである。
以上の各部のほか、転写ドラム1、処理液付与部2、インク付与部3、インク像処理部4、転写部5、記録媒体分離部6、クリーニング部7、給紙搬送部9、排紙搬送定着部10は、バスライン120に接続されている。従って、CPU101は、バスライン120を介して各部と信号のやり取りを行うことができる。また、制御対象である各部には、状態検出用センサが配設され、その検出信号はバスライン120を介してCPU101に伝達することができる。
(中間転写体)
図1に示されるように、インク離型性の表面層を有する中間転写体である転写ドラム1は、アルミニウム製の支持体の周囲11に、表面層12として、シリコーンゴムが積層されている。支持体11として使用される材料は、特にアルミニウムに限定されるわけではなく、例えば、ニッケル、燐酸鉄等の金属や、アセタールのような強度に優れる熱硬化性樹脂、またはセラミック等によって成型されたものを用いることができる。また、図1においては、インク離型性の表面層をシリコーンゴムからなる層としているがこれに限定されず、その弾性特性により、適宜に、その層構成を変えてもよい。
(処理液付与用記録ヘッド)
一方、図1において、処理液付与部2は、制御部より送られてくる画像信号に応じて、処理液滴の吐出を制御できる複数のノズルを有する記録ヘッド13を用いることによって中間転写体に処理液の付与を行う。本実施形態に係るインクジェット転写記録装置では、処理液用の記録ヘッド13に、電気熱変換素子である発熱素子(ヒータ)を用いる形式のライン型インクジェット記録ヘッドを用いている。図1の構成においては、ライン型のインクジェット記録ヘッドが用いられているが、勿論、複数のノズル列を転写ドラム1の円周方向または軸方向(図1において、紙面垂直方向)の所定範囲に配列された記録ヘッド(以下、本明細書では「従来のシリアル型の記録ヘッド」とも呼ぶ)を用い、この記録ヘッドを軸方向に走査しながら順次転写ドラム1に画像形成を行ってもよい。シリアルヘッドの場合、転写ドラムの回転駆動は、ヘッドのノズル列の長さに対してステップ駆動となる。さらに、インクジェット記録ヘッド手段は、上記発熱素子を用いる形態に限らず、圧電素子駆動型等、インクを記録ヘッドのノズルから吐出可能な手段であれば、いずれの方式のものも使用できる。
これらからなる記録ヘッド13は、不図示の処理液タンクから、処理液の供給を受ける。各記録ヘッドの発熱素子は、制御部より受け取った処理液を付与像に対応した外部画像信号に応じて発熱して、処理液タンクから供給された処理液の温度を上昇させバブルを発生させる。発生したバブルが膨張することによって、記録ヘッド13の複数ノズルから処理液滴が吐出する。
(処理液)
ここで、本実施形態に係る処理液について詳細に説明する。かかる処理液とは、着色インクを構成している組成物の一部である着色剤や樹脂等に対して、化学的に反応または物理的に吸着し、インク全体の流動性の低下すなわち粘度上昇が認められる場合は勿論、インクを構成する組成物の固形分の凝集により局所的に流動性の低下すなわち粘度上昇を生じるための材料である。具体的には、処理液は少なくともカチオン物質を含んでいる。カチオン物質は、高分子、低分子に限らずインクを不溶化し、インク流動性の低下や凝集が生じるものであれば良く、好ましくは迅速に流動性を低下させるために金属塩を含んで構成される。詳しくは、インクとの接触によって中間転写体上におけるインクの流動性を低下させ、中間転写体上に着弾したインク液滴を極力着弾位置に保持させる役割を担うものである。これにより中間転写体上でインク滴同士が接触しても、ビーディングやブリーディングの発生を抑制し良好な画像を形成することができる。
処理液としては、インクと接触することでインクを凝集させる材料が好適であり、例えば、金属塩を含む液体が好適である。処理液を構成する金属塩の最も好適なものとしては、多価金属塩が挙げられる。多価金属塩とは、二価以上の多価金属イオンと、これら多価金属イオンに結合する陰イオンとから構成される。多価金属イオンの具体例としては、Ca2+、Cu2+、Ni2+、Mg2+、Zn2+等の二価金属イオン、そしてFe3+、Al3+等の三価金属イオンが挙げられる。また、これらと結合する陰イオンとしては、Cl-、NO3-、32O4 2-、I-、Br-、ClO3 -、RCOO-(Rは、アルキル基)等の陰イオンが挙げられる。
また、処理液には、上述の多価金属塩等の金属塩と共に、水溶性有機溶剤を含有させることができる。水溶性有機溶剤の、処理液中の含有量については特に制限はないが、処理液全質量の5〜60質量%、好ましくは、5〜40質量%の範囲である。
さらに、処理液は、凝集補助材として、例えば、水溶性樹脂、水溶性架橋剤や酸性溶液等を含有してもよい。好適に用いられる材料としては、多価金属塩と共存できるものであればよい。水溶性樹脂としては、ポリビニルアルコールやポリビニルピロリドンなどが用いられる。これらの凝集補助材は、分子量が比較的大きいことから、多価金属塩との併用によって形成されたインク凝集像の内部凝集力を高めることができる。この結果、インク凝集像の記録媒体8への転写効率や耐擦過性を高めることができる。
さらに、転写ドラム1への処理液の記録ヘッド13の安定吐出を行うことを目的として、処理液に界面活性剤を用いることが好ましい。界面活性剤としては、水溶性のアニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤等の、各種の界面活性剤を用いることができる。
界面活性剤の添加量は、処理液に対して、0.05〜5質量%程度とすることが好ましく、より好ましくは、0.1〜1質量%程度である。
処理液には、この他、必要に応じて、粘度調整剤、pH調整剤、防腐剤、酸化防止剤等の添加剤を適宜に配合してもよい。また、本実施形態で使用する処理液は、無色であることがより好ましいが、記録媒体上でインクと混合された際に、各色インクの色調を変えない範囲の淡色のものでもよい。さらに、上述のような形成材料からなる処理液は、25℃付近での粘度が1〜30cp32.(mPa・32)の範囲となるように、物性を調整されたものであることが好ましい。
本実施形態では、処理液は、金属塩を含む構成であるが、インクの流動性を低下させるものであれば、金属塩を含まない構成としても良い。
(インク付与部)
一方、図1において、インク付与部3では、上述のような処理液が描画された中間転写体上に、制御部より送られてくる画像信号に応じて、少なくとも着色剤を含むインク滴の吐出を制御できる複数のノズルを有する、記録ヘッド15によりインク滴を付与することによってインク像の形成を行う。
図1において、インク付与部3は、転写ドラム1上の処理液付与部2の下流側に配置されており、記録ヘッド15a、15b、15cおよび15dを含んで構成されている。本実施形態において、記録ヘッド15a、15b、15cおよび15dを総じて記録ヘッド15と呼ぶこともできる。本実施形態に係るインクジェット記録装置では、記録ヘッド15として、電気熱変換素子である発熱素子(ヒータ)を用いる形式のライン型インクジェット記録ヘッドを用いている。記録ヘッド15a、15b、15cおよび15dは、転写ドラム1の円周方向に一定間隔を置いて配置されている。図1の構成においては、ライン型のインクジェット記録ヘッドが用いられているが、処理液の記録ヘッド同様、インク色別の複数のノズル列を転写ドラム1の円周方向または軸方向(図1において、紙面垂直方向)の所定範囲に配列された記録ヘッド(以下、本明細書では「従来のシリアル型の記録ヘッド」とも呼ぶ)を用い、この記録ヘッドを軸方向に走査しながら順次転写ドラム1に画像形成を行ってもよい。さらに、インクジェット記録ヘッドは、上記発熱素子を用いる形態に限らず、圧電素子駆動型等、インクを記録ヘッドのノズルから吐出可能な手段であれば、いずれの方式のものも使用できる。
上述した4種の記録ヘッド15は、それぞれが異なる色のインクを付与し、カラー画像を形成するように構成されている。図1の構成においては、記録ヘッド15aがブラック(K)、15bがシアン(C)、15cがマゼンタ(M) 、15dがイエロー(Y)の、各色のインクを付与する形態となっている。これらからなる記録ヘッド15は、不図示のインクタンクから、それぞれの色のインクの供給を受ける。各記録ヘッドの発熱素子は、制御部より受け取った各色に対応した外部画像信号に応じて発熱して、各インクタンクから供給されたインクの温度を上昇させバブルを発生させる。発生したバブルが膨張することによって、各記録ヘッド15の複数ノズルからインク滴が吐出する。なお、本実施形態におけるインク付与部3を構成するインクジェット記録ヘッドの数、転写ドラム1に吐出されるインクの色順序、および使用されるインクの色相は、上述に限定されるものではない。なお、転写ドラム1上に形成されるインク像は、転写の際に反転することを考慮し、記録媒体8に最終的に形成すべき画像の鏡面画像としなければならない。当然、記録ヘッド15に供給される画像信号は鏡面画像に対応した画像信号でなければならない。そこで、制御部にて、画像供給装置110から送られてくる画像信号(つまり、記録媒体8に最終的に形成される画像に対応した画像信号)に対しミラー反転処理(反転データを得る処理)を施し、鏡面画像に対応した画像信号を取得し、これを記録ヘッドへ供給するようにしている。
(インク)
インク付与部3で使用するインクとしては、特に限定されるものではなく、一般的なインクジェット用インクのいずれも使用することができる。特に、顔料インクは、染料インクと比べて、記録媒体に対して滲みにくく、耐水性、耐光性に優れているので、本実施形態において好適に使用できるインクの着色剤として少なくとも顔料を含有する、顔料インクを用いることが好ましい。
インク付与部3においては、顔料インク等を用い、上述した処理液が塗布された中間転写体(転写ドラム1)上に、制御部より送られる画像信号に応じて吐出制御可能な複数のノズルを有する記録ヘッドでインク滴を付与して、転写ドラム1上にインク像を形成する(インク像形成工程)。本実施形態においては、このようにして形成されたインク像は、転写ドラム1上に塗布された処理液と、記録ヘッド15により付与された顔料インクとの反応によってインクが迅速に凝集するため、転写ドラム1上に形成される画像は、インク凝集像が形成されることになる。そして、これによって、上述したように、中間転写体上へ効率良くインク像を形成することができるだけでなく、中間転写体上に、濃度の異なるインクや複数のカラーインクによってカラーインク像を形成した場合においても、中間転写体上のカラーインク像は、インク凝集像であるのでビーディングやブリーディング等の現象を生じることがない。しかも、このカラーインク像を記録媒体上に転写しても、記録媒体に対してビーディングやブリーディングのない高画質なカラー画像を形成することができるという、従来にない効果が得られる。
本実施形態に係るインクジェット記録方法によれば、高速印字や、カラー画像を形成する場合におけるインクの多重打ちにおいて、上述した効果はさらに顕著となる。なお、上述では、着色剤として顔料を用いる顔料インクを例にとって説明したが、本実施形態はこれに限定されず、染料インクであっても、例えば、顔料に染料を加えたて、色相を変えるために従来既知の染料を添加した混合インクをであっても、いずれのものも用いることができる。また、処理液に金属塩を有していればインクおよび/または処理液中にインク凝集像の内部凝集力を強めるために水溶性樹脂や架橋剤等を添加したものであっても良い。図1の構成のインク付与部3は、上述したインク像形成を実現するものである。
(インクおよび処理液)
具体的に本実施例で使用されるインク及び処理液を以下に示す。
インク中の着色剤としての顔料を凝集する処理液は、一例として以下のようにして得ることができる。すなわち、下記の成分を混合溶解した後、さらにポアサイズが0.22μmのメンブレンフィルタ(商品名:フロロポアフィルタ、住友電工製)にて加圧濾過した後、KOHでpHを5.8に調整し、無色の処理液Alを得ることができる。
[A1の成分]
塩化カルシウム・2水塩 10部
ジエチレングリコール 20部
アセチレノールEH(川研ファインケミカル) 0.5部
水 残部
また、上記無色の処理液と混合し不溶化するインクの好適な例として以下のものを挙げることができる。
前記した無色液体A1と混合して凝集を引き起こす顔料インクの一例として以下のものを挙げることができる。すなわち、下記に述べるようにして、それぞれ顔料とアニオン性化合物とを含むイエロー,マゼンタ,シアン,ブラックの各色インク、Y,M,CおよびKを得ることができる。
ブラックインクK
アニオン系高分子P−1(スチレン−メタクリル酸−エチルアクリレート、酸価400、重量平均分子量6,000、固形分20%の水溶液、中和剤:水酸化カリウム)を分散剤として用い、以下に示す材料をバッチ式縦型サンドミル(アイメックス製)に仕込み、1mm径のガラスビーズをメディアとして充填し、水冷しつつ3時間分散処理を行った。分散後の粘度は9cp32、pHは10.0であった。この分散液を遠心分離機にかけ粗大粒子を除去し、重量平均粒径100nmのカーボンブラック分散体を作製した。
(カーボンブラック分散体の組成)
・P−1水溶液(固形分20%) 40部
・カーボンブラック Mogul(登録商標) L(キャブラック製)24部
・グリセリン 15部
・エチレングリコールモノブチルエーテル 0.5部
・イソプロピルアルコール 3部
・水 135部
次に、上記で得られた分散体を充分に拡散して顔料が含有されたインクジェット用のブラックインクKを得た。最終調製物の固形分は、約10%であった。
シアンインクC
ブラックインクKの作製の際に使用したアニオン系高分子P−1を分散剤として用い、以下に示す材料を用いて、前記したカーボンブラック分散体の場合と同様の分散処理を行い、重量平均粒径120nmのシアン色分散体を作製した。
(シアン色分散体の組成)
・P−1水溶液(固形分20%) 30部
・C.I.ビグメントブルー15:3 24部
(ファストゲンブル−FGF、大日本インキ化学)
・グリセリン 15部
・ジエチレングリコールモノブチルエーテル 0.5部
・イソプロピルアルコール 3部
・水 135部
上記で得られたシアン色分散体を充分に攪拌して、顔料が含有されたインクジェット用のシアンインクCを得た。最終調製物の固形分は、約9.6%であった。
マゼンタインクM
ブラックインクKの作製の際に使用したアニオン系高分子P−1を分散剤として用い、以下に示す材料を用いて、前記したカーボンブラック分散体の場合と同様の分散処理を行い、重量平均粒径115nmのマゼンタ色分散体を作製した。
(マゼンタ色分散体の組成)
・P−1水溶液(固形分20%) 20部
・C.I.ピグメントレッド122(大日本インキ化学) 24部
・グリセリン 15部
・イソプロピルアルコール 3部
・水 135部
上記で得られたマゼンタ色分散体を充分に拡散して、顔料が含有されたインクジェット用のマゼンタインクMを得た。最終調製物の固形分は、約9.2%であった。
イエローインクY
アニオン系高分子P−2(スチレン−アクリル酸−メチルメタアクリレート、酸価280、重量平均分子量11,000、固形分20%の水溶液、中和剤:ジエタノールアミン)を分散剤として用い、以下に示す材料を用いて、ブラックインクK2の作製の場合と同様に分散処理を行い、重量平均粒径103nmのイエロー色分散体を作製した。
(イエロー分散体の組成)
・P−2水溶液(固形分20%) 35部
・C.I.ピグメントイエロー180 24部
(ノバパームイエロー PH−G、ヘキスト製)
・トリエチレングリコール 10部
・ジエチレングリコール 10部
・エチレングリコールモノブチルエーテル 1.0部
・イソプロピルアルコール 0.5部
・水 135部
上記で得られたイエロー分散体を充分に拡散して、顔料が含有されたインクジェット用のイエローインクYを得た。最終調製物の固形分は、約10%であった。
(インク像処理部)
次に、図1において、インク像処理部4は、エアーナイフ16、溶剤受け皿17を含んで構成される。インク像処理部4では、インク付与部3で形成されたインク像の水を含む過剰な溶剤成分を除去し、記録媒体8へと転写する場合により最適なインク粘着条件で行なえるようにインク像の処理を行う。
インク像処理部4には、インク中の溶剤、主にインク中の水分を蒸発または分離して除去するために、不図示のヒータにより加熱された温風を送るエアーナイフ16と、溶剤受け皿17とが設けられている。即ち、インク像処理部4は、記録媒体8へのインク凝集像であるインク像の浸透性の相違を勘案し、エアーナイフ16から送風されるエアーの量、またはそのエアーの温度に関する熱量によって、インク像の記録媒体8への転写特性を制御する目的で設けられている。
なお、本実施形態では、インク像の乾燥手段として、エアーナイフ16を用いているが、赤外線ヒータ等、温度がコントロール可能で、インク像の特性をコントロール可能であるものならば使用することができる。
また、インク中の水を含む溶剤が除去制御可能であれば、従来手段である水を含む溶剤吸収手段やスキージブレード・ローラをもちいた水を含む溶剤を絞りとる方法を用いてもよい。
(転写部)
また、図1において、転写部5は、転写ローラ18を含んで構成され、また、給紙搬送部9は搬送ローラ19aおよび19b、搬送ガイド20aおよび20bを含んで構成される。転写部5では、給紙搬送部6の搬送ローラ19aおよび19bと、搬送ガイド20aおよび20bとによって搬送された記録媒体8に、転写ローラ18によって転写ドラム1上のインク像を圧力転写する。
転写ローラ18は、転写ドラム1とのニップ部に記録媒体8を通過するように配置されており、ゴムローラや金属ローラ等で形成することができる。この転写部5では、不図示の押圧制御装置によって、転写ドラム1に押圧解除の制御が可能である。同図において、搬送ローラ19aおよび19bは矢印B方向に、転写ローラ18は矢印C方向に回転する。転写ローラ18は、押圧状態では、記録媒体8を介して転写ドラム1に従動して回転する(従動回転)か、独立の転写ローラ駆動手段(不図示)によって回転制御可能となっている。図1においては、転写ローラ18の回転を従動回転とした。本実施形態においては、転写時において転写ローラ18は、記録媒体8を介して転写ドラム1を線荷重0.6kg/cmで押圧するように構成されているが、それに限定されない。
一方、図1において、記録媒体分離部6は、分離爪21を含んで構成されている。記録媒体分離部6では、記録媒体8の搬送タイミングに応じて分離爪21が稼動する。分離爪21は、上述の転写が終了すると、不図示の駆動装置によって駆動し、記録媒体9を転写ドラム1から分離させ、搬送ガイド22aおよび22bで、記録媒体8を排紙搬送定着部11へと導く。
(排紙搬送定着部)
一方、図1において、排紙搬送定着部10は、搬送ガイド22aおよび22b、搬送定着ローラ23aおよび23bを含んで構成されている。排紙搬送定着部10では、搬送ガイド22aおよび22bに導かれたインク像が転写された記録媒体8を、赤外線ヒータを有する搬送定着ローラ23a及び23bにて熱定着し、かつそれらローラの回転と共に不図示の排紙トレイに送り、記録を終了する。搬送定着ローラ23aおよび23bには、従来既知の定着ローラを使用することができ、温度は、30〜200℃程度とすることが好ましい。また、ローラ材質は、金属ローラ、シリコーンゴム等で形成されている。剥離性を向上させるために、ローラ表面にシリコーンオイル等を塗布してもかまわない。
(クリーニング部)
一方、図1において、クリーニング部7は、クリーニング液24と、クリーニング液24を保持するクリーニング液保持部材25と、さらに、クリーニング液24を塗布して、転写ドラム1上のごみ等を取り除くための、クリーニング液供給ローラ26a、およびクリーニングローラ26bを含んで構成されている。
同図において、クリーニングローラ26bは、転写ドラム1に従動(従動回転)するか、不図示の駆動手段によって駆動制御可能である。また、クリーニング液供給ローラ26aは、クリーニングローラ26bに従動するか、不図示の駆動手段によって駆動制御可能である。以上のように、クリーニング液供給ローラ26aおよびクリーニングローラ26bが回転することによって、クリーニング液24は、転写ドラムに塗布される。以上のようにして、クリーニング部7は、転写ドラム1のクリーニングを行う。クリーニング部7は、特に転写ドラム1表面をクリーニング可能であれば、装置の構成や、クリーニング液24を限定するものではないが、例えば、上記処理液で使用した界面活性剤、水溶性有機溶剤等を含む水溶液を、クリーニング液24とすることが好ましい。
(一連動作)
以下で、上述したような構成である本実施形態のインクジェット記録装置の、一連の動作について、図1を参照しながら詳細に説明する。
本発明における処理液のデータ作成とその制御手段について説明する。
インクジェット記録装置の電源を投入すると、転写ドラム1が駆動回転をはじめ、転写ドラム1の内部、エアーナイフ16、搬送定着ローラ23aおよび23bに対する、それぞれのヒータがONになり、各部における設定温度にそれぞれ昇温する。コンピュータ等の画像供給装置110から画像信号を受け取ると、本実施形態で使用する各インク色(KCMY)に対応した2値の反転画像信号から処理された信号を処理液記録ヘッド13におくり、処理液記録ヘッドのノズルから前記信号に対応した処理液滴を転写ドラム1に付与する。転写ドラム1上の処理液が付与された後に、インク付与部3にてインク像を形成することができる。
ここで、画像供給装置110からは、本実施形態で使用する各インク色(KCMY)に対応した多値の送られてくる画像信号(以下、本明細書では、「外部画像信号」とも呼ぶ)が送られてくるため、この多値の画像信号本実施形態に係る色相であるKCMYに対応した4種の2値画像信号であれば、そのまま記録ヘッド15へ送られ、そうでなければ、制御部3にて、CPU101が、メモリ103に格納されたプログラムを実行することによって、外部画像信号を、YMCKに対応した4種の2値の画像信号に変換する。その後、この各色に対応した2値画像信号に対しミラー反転処理を施し、各色に対応した2値の反転画像信号を取得する。
ここで、本実施形態で使用する各インク色(KCMY)に対応した2値の反転画像信号から処理された信号を処理液記録ヘッド13におくる信号処理の一実施例について詳細に説明する。
図3は、中間転写体面30に形成される記録ドット31と、処理液ドット32との大きさの関係を示す。本実施例では、処理液の形成ドットがインク形成ドットより大きくなるように設定されている。その方法は、吐出量がインクの吐出量よりも多く設定することや処理液の表面張力をインクより低下することができる。そいて、中間転写体上に形成される記録ドット31よりも処理液ドット32が大きく形成される。本実施例では、吐出量がインクの吐出量よりも多く設定した。これにより、複数の記録ドット31の形成範囲に渡って1つの処理液ドット32が位置して、処理液の効果が複数の記録ドット31にもたらされることになる。
次に、インクと処理液の吐出動作について説明する。
いま、図4のような記録データがあるとする。このデータは、CMYKの各色のインクのそれぞれに対応する記録データの論理和をとり、それに対応するインクの全吐出位置、つまりそれらのインクにより形成されるべき記録ドット31の位置を白丸によって表している。図4中の0〜6の数字は、主走査方向Aにおける記録位置を表し、またa〜gは、紙送り方向Bにおける記録位置を表している。従来例においては、これらの記録ドット31の形成位置のそれぞれに対して、処理液による処理液ドット32を形成している。
本実施例においては、前述したように、1ドット当たりの処理液の吐出量をインクよりも多くして、中間転写体面30上の複数の記録ドット31に対して処理液の効果をもたらすようなヘッド13を用いる。そして、記録ドット31の形成前に、記録ドット31を形成すべき記録データ(以下、「記録ドット形成データ」という)の存在の有無を主走査方向について1ドットおきに判定し、その判定結果に応じて、処理液による処理液ドット32を形成する。いま、図4中の主走査方向のラインbに対応する記録データについて、主走査方向における偶数位置2,4,6の記録ドット形成データの存在の有無を判定する。まず、座標(2,b)において記録ドット形成データが存在するため、それに対応する位置に処理液を吐出して処理液ドット32を形成する。次に、座標(4,b)においても記録ドット形成データが存在するため、それに対応する位置に処理液を吐出して処理液ドット32を形成する。次に、座標(6,b)においては記録ドット形成データが存在しないため、それに対応する位置には処理液を吐出しない。このようにして、ラインbについて処理液の吐出位置を決定する。このようにして1ラインについて処理液の吐出位置を決定した後は、今度は1ラインおいたdラインについて、bラインの場合と同様にして、処理液の吐出位置を決定する。ただし、このdラインについては奇数番号の位置1,3,5,7における記録ドット形成データの有無を判定して、処理液の吐出位置を決定する。
以降、同様にして、判定位置に対応する全ての記録データについて、記録ドット形成データの有無を判定して、処理液の吐出位置を決定する。
図5は、このようにして決定された処理液の吐出位置に形成される処理液ドット32を表している。図5からも明らかなように、記録ドット31の形成前に予め形成される処理液ドット32は、複数の記録ドット31の形成範囲に渡って位置し、それら複数の記録ドット31に対して、処理液の効果が及ぼされることになる。
なお、本実施例においては、1ドットおきの記録データの各ラインについて、順次、奇数番号、偶数番号の位置毎に、処理液を吐出するか否かを決定しているが、勿論、それを決定するために判定する記録データを2ドットや3ドットおきのラインとしてもよく、1つの処理液ドット32の効果が及ぶ範囲において、任意に設定することができる。
次に、各色に対応する2値の反転画像信号が各記録ヘッド15に送られ、転写ドラム1の回転とともに、それらの画像信号に応じて、順次記録ヘッド15a、15b、15c、および15dから各色のインクが吐出し転写ドラム1に付与されて、そのインクが、転写ドラム1上に塗布されている処理液と反応等することで、転写ドラム1上にカラーの凝集したインク像を形成する。勿論、このインク像は、記録媒体8に最終的に形成される画像の鏡面画像となっている。
続いて、インク像は、インク処理部4で水分を含む溶剤を蒸発乾燥され、その後に行われる転写に対してより最適なインク条件となる。
一方、転写部5に対しては、上述のようにして転写ドラム1上に形成されたインク画像の先端位置と、被転写媒体である記録媒体8が転写位置であるニップ部で重なるように、搬送ローラ19aおよび19bによって記録媒体8が搬送される。転写部5では、記録媒体8の先端が転写ドラム1と転写ローラ18とのニップ部に到達したと不図示のセンサにより探知されると、転写ローラ18が駆動し、記録媒体8を介して転写ドラム1に押し当てられ、ここで、押圧制御装置によって所定の転写圧が生じ、転写ドラム1上のインク像を記録媒体8に転写する。
次いで、記録媒体8の先端が転写部5から排出されたことを不図示のセンサによって検知すると同時に、分離爪21が駆動し、転写ドラム1と記録媒体8との間に挿入され、記録媒体8を、転写ドラム1から分離する。そして、転写ドラムから分離した記録媒体8は、搬送ガイド22aおよび22b、ならびに搬送定着ローラ23aおよび23bによって、記録媒体8上に熱圧が加えられて定着処理が行われた後、排紙トレイに排紙される。転写ドラム1上のインクが記録媒体8にすべて転写した後、転写ローラ18および分離爪21それぞれを離接する。
次に、クリーニングローラ26bが転写体ドラム1に当接し、クリーニング液24を塗布することにより転写ドラム1表面をクリーニングする。転写ドラムが1回転すると、クリーニングローラ24bは、転写ドラム1から離接する。記録が続けられる場合、外部画像信号に応じて上述した動作が繰り返される。記録動作を終了し電源を切る場合、各ヒータをOFFにし転写ドラム1の回転を止めた後、インクジェット記録装置の電源をOFFにし、装置動作を終了する。
(第2の実施例)
本実施例は、前述した第1の実施例と同様のインクジェット転写装置によって実現できる。
本実施例では、前述した図4の記録データに対して、図6の11〜44のような判定領域を設定する。本例の場合、その判定領域は、2ドット×2ドット相当の小領域としている。そして、このような各判定領域内において、記録ドット形成データが1つでも存在する場合には、その領域の全てをカバーする大きさの処理液ドット32を中間転写体面30に形成してから、記録ドット31を形成する。例えば、領域12については、図6における座標(2,b)において記録ドット形成データが存在するため、領域12に処理液を吐出して処理液ドット32を形成する。図7は、図4の記録データに基づいて形成し、その処理液ドット32の形成後に記録ドット31を形成した結果を示している。
なお、判定領域の設定は2ドット×2ドット相当のみに限らず、1つの処理液ドット32の効果が及ぶ範囲内で任意に設定が可能である。
(第3の実施例)
本実施例は、前述した第1の実施例と同様のインクジェット転写装置によって実現できる。ただし、本実施例においては、各インク色(KCMY)に対応した2値の反転画像信号に対応した4つの2値画像データを用い、2x2の画像データの判定領域を設けその中にいくつの画像データが存在するか、すなわち液滴数をカウントする。結果2x2の領域に0から最大16の液滴数がカウントされる。このカウント数に対応して、その領域内に0から4までの処理液ドット32を打ち込み表に基づいて処理液吐出データを作成する。本実施例の場合、2x2の領域に液滴数0の場合0、液滴数0から6の場合1、液滴数7から10の場合 2、液滴数11から14 3、液滴数15、16で4を対応させて反応液を付与した。領域内での総インク量にしたがい反応液量も増加するため、画像の低密度部すなわちハイライト部では、少ない反応液量でインクが十分に凝集し、べた画像のような高密度に対しては、そのインク量に適合した反応液量を与えることが可能である。結果、画像の低濃度域から高濃度域まで、インクが十分な凝集をし、ビーディングやブリーディングなどの現象を防止した高画質な画像を形成することができた。
なお、本実施例では、液滴数カウントの領域を2x2としたがこれに限らず3x3などの領域を用いてもよい、液滴カウント数と反応液を打ち込む対応表も上記設定に限らず、最適な対応表を作成することができる。
本発明の第1の実施例の要部の概略斜視図である。 図1に示す装置の制御系を説明するためのブロック構成図である。 本発明の第1の実施例によって形成される記録ドットと処理液ドットの大きさの関係を説明するための平面図である。 本発明の第1の実施例において用いられる記録データの一例の説明図である。 本発明の第1の実施例による記録結果の説明図である。 本発明の第2の実施例における記録ドット形成データの判定範囲の説明図である。 本発明の第2の実施例による記録結果の説明図である。

Claims (3)

  1. 中間転写体に対し、着色剤を含む着色インクの流動性を低下または凝集させる処理液を処理液用記録ヘッドで吐出して処理液ドットを形成する手段と
    着色剤を含む着色インクを記録ヘッドにより吐出して記録ドットを形成し、前記中間転写体上にインク像を形成する手段と、
    前記中間転写体上に形成されたインク像を記録媒体に転写する転写手段と
    を備えることを特徴とするインクジェット転写記録装置において、
    前記中間転写体上に形成される記録ドットの分布状態に応じて、前記処理液用ヘッドによる前記処理液ドットの形成位置を制御する制御手段を備えたことを特徴とするインクジェット転写記録装置。
  2. 前記制御手段は、前記中間転写体上の所定領域内毎における前記記録ドットの形成数を判定し、その形成数に対応した前期処理液ドットを形成する対応表に基づいて該所定領域囲内に対して前記処理液ドットを形成させることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット転写記録装置。
  3. 前記インクは顔料インクで、前記処理液は、金属塩を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット転写記録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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