JP2008132558A - 切削加工における異常検出方法及び加工異常検出装置 - Google Patents

切削加工における異常検出方法及び加工異常検出装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2008132558A
JP2008132558A JP2006319757A JP2006319757A JP2008132558A JP 2008132558 A JP2008132558 A JP 2008132558A JP 2006319757 A JP2006319757 A JP 2006319757A JP 2006319757 A JP2006319757 A JP 2006319757A JP 2008132558 A JP2008132558 A JP 2008132558A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
value
abnormality detection
cutting
term average
average amplitude
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006319757A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4860444B2 (ja
Inventor
Yasuhiro Ohara
康弘 大原
Masanobu Suga
正信 菅
Toretsu So
東烈 宋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KURAMAE SANGYO KK
MATHEMATICAL DESIGN RES INST
MATHEMATICAL DESIGN RESEARCH INSTITUTE
Gunma Prefecture
Original Assignee
KURAMAE SANGYO KK
MATHEMATICAL DESIGN RES INST
MATHEMATICAL DESIGN RESEARCH INSTITUTE
Gunma Prefecture
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KURAMAE SANGYO KK, MATHEMATICAL DESIGN RES INST, MATHEMATICAL DESIGN RESEARCH INSTITUTE, Gunma Prefecture filed Critical KURAMAE SANGYO KK
Priority to JP2006319757A priority Critical patent/JP4860444B2/ja
Publication of JP2008132558A publication Critical patent/JP2008132558A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4860444B2 publication Critical patent/JP4860444B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Machine Tool Sensing Apparatuses (AREA)

Abstract

【課題】切削加工時に取得されるデータのバラつきによる影響が少なく、切削加工時のデータと閾値との間に時間的ズレが生じることのない、高精度な切削加工における異常検出方法及び加工異常検出装置を提供する。
【解決手段】切削加工における異常検出方法及び加工異常検出装置は、短期平均振幅値Aと加工異常の判定に用いられる閾値とが、切削加工中に得られる振幅データを基に随時算出され更新されるため、たとえ振動データSb、振幅データにバラつきが生じたとしても、加工異常の検出にはその影響を受けることが無い。また、同様にして短期平均振幅値Aと閾値との間には時間的なズレが生じることが無い。
【選択図】図1

Description

本発明は切削加工における異常検出方法及び異常検出装置に関し、特に切削加工時の振動を随時監視して加工異常等を検出する異常検出方法及び異常検出装置に関するものである。
切削加工とは金属等の被削材であるワークをドリル、バイト、フライス等の切削工具にて切削し、所定の形状に加工するものであり、現代の工業製品の金型や部品の製造に必要不可欠なものである。このように、切削加工ではワークを切削工具により切削するため、切削工具には長時間の使用により徐々に摩耗が生じる。また、切削工具には疲労や突発的な過負荷により、切削加工中に欠損する可能性がある。切削加工中に切削工具の摩耗が許容範囲を超えたり、欠損したりした場合、そのまま、切削加工を継続するとワークの寸法精度や表面粗さが悪化して製品不良となる他、切削加工機にも負荷がかかり好ましいものではない。
このため、切削加工中の異常をより正確かつ迅速に検出する加工異常検出装置が数多く検討開発されている。例えば、下記[特許文献1]に開示されている発明では、先ず、正常な切削加工時における開始時から終了時までの1サイクル動作の全てに亘って、振動値、温度、電流値等のデータを予め取得して基準波形データを作成する。そして、基準波形データを基に切削加工の開始時から終了時までの閾値(上下限値)を設定する。この閾値は切削加工の開始時に取得されるデータによって補正された後に、切削加工中に取得される各データと比較される。そして、切削加工中のデータが閾値を越えた場合に、異常が発生したと認識して警報を発する。
また、下記[特許文献2]に開示されている発明では、予め正常な切削加工時の有効電力波形データを取得する。そして、取得された有効電力波形データを複数領域に分割した後、分割した領域毎に有効電力波形データを基にして閾値(警報設定値)を設定する。そして、切削加工時に取得される有効電力波形データが、この閾値を超えた場合に異常が発生したと認識して警報を発する。
特開平6−201398号公報
特開2006−82154号公報
しかしながら、切削加工時に取得されるデータは、同一材質のワークを同一の切削工具により切削したとしても、切削工具の磨耗度、取付具合、ワークのロット、切削加工機側の状態等により、日々ばらつくものである。[特許文献1]、[特許文献2]に開示された発明では、このばらつきに対して、設定する閾値を切削加工の度に補正したり、閾値の設定に用いる基準データを複数回取得して平均化するなどの対策を講じている。しかし、これらの対策を講じたとしても、切削加工時のデータにバラつきが存在する以上、予め閾値が設定されている[特許文献1]、[特許文献2]に開示された発明では、異常の検出精度を高めれば誤検出が発生し、検出精度を下げれば検出漏れの可能性が生じることは否めない。
また、[特許文献1]、[特許文献2]に開示された発明では、切削加工が何らかの原因により所定の時間よりも遅延もしくは進行した場合、設定された閾値と実際の切削加工時のデータとの間に時間的なずれが生じ、誤検出等が多発する可能性がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、切削加工時に取得されるデータのバラつきによる影響が少なく、切削加工時のデータと閾値との間に時間的ズレが生じることのない、高精度な切削加工における異常検出方法及び加工異常検出装置を提供することを目的とする。
本発明は、
切削加工時に生じる振動データSbから切削加工時の異常を検出する異常検出方法において、
切削加工時に生じる振動データSbを取得するステップと、
前記振動データSbの絶対値を基に振幅データSb1を算出するステップと、
前記振幅データSb1を所定の時間t間隔にて移動平均処理を行うことにより短期平均振幅値Aを算出するステップと、
前記振幅データSb1を前記時間t間隔よりも長い時間t’間隔にて移動平均処理を行うことにより長期平均振幅値Bを算出するステップと、
前記長期平均振幅値Bを基にして閾値を算出するステップと、
前記短期平均振幅値Aと前記閾値とを比較して異常が検出された場合に異常検知信号Saを出力するステップと、
を有することを特徴とする切削加工における異常検出方法を提供することにより、上記課題を解決する。
また、短期平均振幅値Aが閾値を所定の時間Ta、Tc継続して越えた場合に異常検知信号Saを出力することを特徴とする上記の切削加工における異常検出方法を提供することにより、上記課題を解決する。
また、前記のステップに加え、
切削加工前に生じる空転振動データを取得するステップと、
前記空転振動データの絶対値を基に空転振幅値Eを算出するステップと、
前記空転振幅値Eを基にして空転振幅上限値Fを算出するステップと、
を有し、
前記短期平均振幅値Aが前記空転振幅上限値Fを下回った場合に、
前記閾値による異常検出を無効とするようにしたことを特徴とする上記の切削加工における異常検出方法を提供することにより、上記課題を解決する。
また、短期平均振幅値Aが空転振幅上限値Fを所定の時間Te継続して下回った場合に、
長期平均振幅値Bと短期平均振幅値Aとをリセットするとともに、
リセット後に所定の時間経過しても短期平均振幅値Aが空転振幅上限値Fを下回っている場合には、
異常検知信号Saを出力するようにしたことを特徴とする上記の切削加工における異常検出方法を提供することにより、上記課題を解決する。
また、上記のいずれかに記載の切削加工における異常検出方法を用いて、切削加工における異常を検出することを特徴とする加工異常検出装置50を提供することにより、上記課題を解決する。
本発明に係る切削加工における異常検出方法及び異常検出装置は、上記の手順及び構成により、
たとえ切削加工中に取得される振動データにばらつきが存在しても、そのばらつきに応じた閾値が算出されるため、高い精度で切削加工時の異常検出を行うことができる。また、比較対照とされる短期平均振幅と閾値とは、同じ振動データから得られる振幅データを基に算出されるため、時間的なズレが生じることは無く、これに伴う誤検出も発生しない。
本発明に係る切削加工における異常検出方法及び加工異常検出装置の実施の形態について図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る加工異常検出装置の構成を示す概略図である。図2は、本発明に係る短期平均振幅値及び長期平均振幅値の算出方法を説明する図である。図3は、本発明に係る切削加工における異常検出方法を説明する図である。図4は、本発明に係る切削加工における異常検出方法の第2の形態を説明する図である。
図1に示す本発明に係る加工異常検出装置50は切削加工機10の切削工具14に設置された振動データ取得手段18から切削工具14の振動データSbを取得し、その振動データSbに後述する演算処理を施すことで短期平均振幅値、長期平均振幅値、及び上下限値を算出する。そして、短期平均振幅値が後述する所定の条件を満たした場合、異常検知信号Saを警報出力手段16、もしくは、切削加工機10の制御部11、もしくはその双方に出力する。異常検知信号Saが警報出力手段16に入力されると、警報出力手段16は所定の警報音、音声、警報灯の点灯、などにより作業者等に異常の発生を知らせる。また、異常検知信号Saが切削加工機10の制御部11に入力されると、制御部11は切削加工機10の減速停止、即停止等の所定の制御を行う。
切削加工機10には、被削材であるワーク12とドリル、バイト、フライス等の切削工具14が取り付けられる。切削加工機10はワーク12もしくは切削工具14もしくはその双方を回転又は移動させることで、ワーク12を所定の形状に切削加工する。このとき、切削工具14、切削加工機10、ワーク12には、切削工具14がワーク12を切削加工すること等による振動が生じる。加速度センサ等の振動データ取得手段18は、この切削工具14に生じる振動を電気信号である振動データSbとして取得して加工異常検出装置50に出力する。尚、振動データ取得手段18は必ずしも切削工具14に設置しなくとも良く、切削加工機10やワーク12側に設置して、切削加工機10やワーク12の振動を振動データSbとして加工異常検出装置50に出力しても良い。
次に、本発明に係る加工異常検出装置50による短期平均振幅値、及び長期平均振幅値の算出方法を説明する。図2は時間5tが経過した時点での振動データSb、振幅データSb1、短期平均振幅値、及び長期平均振幅値等を時系列的に示した図である。尚、図2では長期平均振幅値Bを算出する時間t’を時間tの3倍とした例を用いている。
加工異常検出装置50に入力される切削工具14の振動データSbは図2に示すように、0を中心として正負に分布するデータであり、1秒間に12500程度のデータ数を有することが好ましい。尚、振動データSbは電気信号であるため実際は電圧等の値であるが、この電気信号は切削工具14の振動の振幅を間接的に表しているため、切削工具14の振幅と称して説明することとする。
先ず始めのステップとして、振動データSbが加工異常検出装置50に入力される。すると次のステップとして加工異常検出装置50は、振動データSbの変位の絶対値を算出して振動データSbの負の値が正の値に変換された絶対値データSb’とした後、一定時間内もしくは所定のデータ数の絶対値データSb’を平均化し振幅データSb1とする。尚、図2中では2つの絶対値データSb’を平均化し振幅データSb1としているが、実際には振幅データSb1は数千個の絶対値データSb’を平均化して求められる。また、振幅データSb1は、上記の平均値を取る他に所定のデータ数もしくは一定時間内の絶対値データSb’の最大値、中心値、最頻値等としても良い。
振幅データSb1が得られると、次のステップとして加工異常検出装置50は、得られた振幅データSb1を所定の時間tで移動平均をとり短期平均振幅値Aを算出する。また、それと並行して時間tよりも長い所定の時間t’で移動平均をとり長期平均振幅値Bを算出する。即ち、時間3tが経過した時点では短期平均振幅値Aの値は時間2t〜3t間の振幅データSb1の平均値である値A(3t)となり、長期平均振幅値Bの値は時間0tから3t間の振幅データSb1の平均値である値B(3t)となる。また、時間5tが経過した時点では短期平均振幅値Aの値は時間4t〜5t間の振幅データSb1の平均値である値A(5t)となり、長期平均振幅値Bの値は時間2t〜5t間の振幅データSb1の平均値である値B(5t)となる。尚、これらの移動平均処理は新たな振幅データSb1が取得される度に、連続して随時行われる。また、短期平均振幅値Aを算出するための時間t及び長期平均振幅値Bを算出するための時間t’は加工異常検出装置50の初期設定時に好ましくは数秒単位で入力し、基本的に切削加工機10の稼動中は変化しない。
次に、本発明の加工異常検出装置50の異常の検出方法を図3を用いて説明する。図3は、短期平均振幅値A、長期平均振幅値B等の振幅値及び閾値等を時系列的に示したものである。また図3では、閾値として上限値Cと、上限値Cよりも大きな第2上限値C’及び下限値Dの3つを設ける例を示している。
先ず、本発明の加工異常検出装置50では長期平均振幅値Bが算出されると、次のステップとして、異常発生を認識するための閾値である上限値C、第2上限値C’及び下限値Dを長期平均振幅値Bの値を基に算出する。このため、閾値である上限値C、第2上限値C’、下限値Dも、長期平均振幅値Bの値が更新されるのに伴って、随時更新されることとなる。
上限値C、第2上限値C’及び下限値Dを算出する方法としては、長期平均振幅値Bに所定の値を加減して行う方法と、所定の値を乗算する方法とがある。即ち、長期平均振幅値Bに所定の値を加算して上限値C、第2上限値C’とし、長期平均振幅値Bから所定の値を減算して下限値Dとする方法と、長期平均振幅値Bに所定の値、例えば下限値Dを長期平均振幅値Bの80%としたい場合には長期平均振幅値Bに0.8を掛けた値を下限値Dとして算出し、上限値Cを長期平均振幅値Bの120%、第2上限値C’を長期平均振幅値Bの150%としたい場合には、長期平均振幅値Bにそれぞれ1.2及び1.5を掛けた値を上限値C、第2上限値C’として算出する方法とがある。特に、長期平均振幅値Bに所定値を乗算して閾値を算出する方法は、長期平均振幅値Bの値が増減するに伴い上限値C及び下限値Dの範囲も増減するため検出精度が高く、閾値の算出方法としてはより好ましいものである。
尚、上記の閾値の算出方法は、必要に応じて適宜組み合わせることも可能で、例えば、上限値Cを乗法により算出し、下限値Dと第2上限値C’を加減法にて算出することも可能である。また、閾値を算出するための値の入力は、基本的に加工異常検出装置50の初期設定時に行う。
上記のようにして閾値が算出されると、加工異常検出装置50は次のステップとして、以下に示すように短期平均振幅値Aと閾値とを比較して、所定の条件を満たす場合に異常検出信号Saを出力する。
切削加工時に切削工具14の摩耗が許容量を超えるなどして切削工具14の振動が通常よりも大きくなり振幅データSb1が増加した場合を考える。このような場合、移動平均をとる時間tの間隔が短い短期平均振幅値Aは直ちにその振幅データSb1の変化を反映し増加傾向を示す。しかしながら、移動平均をとる時間t’の間隔が長い長期平均振幅値Bは直ぐには振幅データSb1の変化を反映せず、ある時間遅延した後に増加傾向を示す。従って、長期平均振幅値Bに基づいて算出される上限値Cも長期平均振幅値Bと同じ時間だけ遅延した後に増加傾向を示すこととなる。このとき上限値Cを算出する値を適切に設定することで、図3中のa領域に示すように、短期平均振幅値Aが上限値Cを超える状態が生じる。加工異常検出装置50はこのような状態が所定の時間Ta継続すると異常が発生したと認識し、異常検出信号Saを警報出力手段16、制御部11等に出力する。
また、切削加工時に切削工具14が欠損するなどして、切削工具14からの振幅データSb1が瞬間的に激増した場合、短期平均振幅値Aはこの振幅データSb1の変化を反映し急激な増加傾向を示す。しかしながら、移動平均をとる時間t’の間隔が長い長期平均振幅値Bに基づいて算出される第2上限値C’は直ぐには振幅データSb1の変化を反映しないため、図3中のb点に示すように、短期平均振幅値Aが第2上限値C’を超える状態が生じる。加工異常検出装置50はこのような状態が生じると異常が発生したと認識し、瞬時に異常検出信号Saを警報出力手段16、制御部11等に出力する。
また、切削加工時に何らかの異常が発生して切削工具14の振動が通常よりも小さくなり、振幅データSb1が減少した場合を考える。このような場合も、短期平均振幅値Aは直ちにその振幅データSb1の変化を反映し減少傾向を示すが、長期平均振幅値B及び、長期平均振幅値Bに基づいて算出される下限値Dは直ぐには振幅データSb1の変化を反映せず、ある時間遅延した後に減少傾向を示す。よって下限値Dを算出する値を適切に設定することで、図3中のc領域に示すように、短期平均振幅値Aが下限値Dを下回る状態が生じる。加工異常検出装置50はこのような状態が所定の時間Tc継続すると異常が発生したと認識し、異常検出信号Saを警報出力手段16、制御部11等に出力する。
尚、上記の3つの異常検出時に出力する異常検出信号Saは同一のものとしても良いが、検出する異常によって異なったものとしても良い。検出する異常によって異なった異常検出信号Saを出力するような構成とすれば、それを受信する警報出力手段16、制御部11等がその異常検出信号Saを判別して、例えば、a領域が時間Ta以上継続したときの異常検出信号Saでは警報音とともに切削加工機10を減速しながら停止、短期平均振幅値Aが第2上限値C’を超えたときの異常検出信号Saでは警報音とともに切削加工機10を即停止、c領域が時間Tc以上継続したときの異常検出信号Saでは警報音のみ、といったように発生した異常に応じた適切な処置を行うことができる。また、振幅データSb1は平均値であるため、ノイズ等によって振動データSbに突発的かつ異常な変動が発生しても、これを加工異常として誤検出することはない。
尚、上記の閾値には、第2上限値C’は設けなくとも、短期平均振幅値Aが下回ると瞬時に異常検出信号Saを出力するような下限値Dよりも小さな値の第2下限値を加えても良い。また、上限値C、下限値Dに関する異常検出の判断を、第2上限値C’と同様に短期平均振幅値Aが上限値C、下限値Dを越えたら瞬時に異常検出信号Saを出力するようにしても良い。更に、必要に応じて第3、第4の上下限値を加えても、上限値、下限値の一方をなくしても良い。
尚、図3では3つの異常判定が連続して発生しているが、実際には異常検出信号Saが出力された時点で、自動もしくは人為的に然るべき処置が行われ異常状態が放置されたまま切削加工が継続されることはない。
次に、本発明の切削加工における異常検出方法の第2の形態の動作を図4を用いて説明する。図4に示す、加工異常検出装置50の閾値は図3の上限値C、第2上限値C’、下限値Dに加え、空転振幅値Eから算出される空転振幅上限値Fを設けている。この空転振幅上限値Fは、長期平均振幅値Bに基づく閾値の異常判定を行わない領域の設定に用いる。尚、短期平均振幅値A、長期平均振幅値B、上限値C、第2上限値C’、下限値D、にする算出方法、及び動作は図3と同等なためその説明は省略する。
図4に示す空転振幅値Eは、ワーク12と切削工具14とが接触していない状態、即ち切削加工がされていない空転時の切削工具14の空転振動データを取得してその絶対値を算出したのち、これを一定時間内で平均化して求めた値である。また、空転振幅上限値Fは空転振幅値Eの値よりも大きくなるように、空転振幅値Eの値に所定の値を加算もしくは乗算して算出するものであり、通常は空転振幅値Eの値の2倍とすることが好ましい。これらの空転振幅上限値F及び空転振幅値Eは、切削加工機10の切削加工開始前に自動的に取得させるか、加工異常検出装置50の初期設定時に自動もしくは手動で設定し、短期平均振幅値A、長期平均振幅値B等とは異なり、切削加工機10の稼動中は更新することは無い。
ここで、切削加工機10によるワーク12への切削加工が終了などしてワーク12と切削工具14とが非接触状態となった場合を考える。ワーク12と切削工具14とが非接触状態になると、振幅データSb1は急激に減少する。そして、この振幅データSb1の急激な減少に伴い、短期平均振幅値Aも図4中の点e以降に示すように急激に減少し、空転振幅上限値Fを越えて空転振幅値Eに近接した状態で安定する。このとき、短期平均振幅値Aが空転振幅上限値Fより下回った場合には、長期平均振幅値Bに基づく閾値の異常判定は行わない。よって、下限値Dの異常認識に用いられる時間Tcを、ワーク12と切削工具14とが非接触状態となった時間から短期平均振幅値Aが空転振幅上限値Fと同等になる図3中のd点までの時間よりも長く設定することにより、ワーク12と切削工具14とが非接触状態での下限値Dに基づく異常検出を無効とすることができる。よって、本発明の第2の形態によれば、ワーク12と切削工具14との非接触状態を加工異常として検出することを防止することができる。
また、実際の作業上では切削加工機10による切削加工が終了した後には、自動もしくは手動にてワーク12、切削工具14等の部材交換、切削加工機10への切削プログラムの変更等の交換作業が行われ、再度、切削加工機10による切削加工が開始される。特に上記の交換作業が自動で行われる場合には、この交換作業に要する時間はある程度推定可能である。このため、短期平均振幅値Aが空転振幅上限値Fを下回っている時間が所定の時間Teを超えて継続したときには、切削加工が再開されるような時間(図4中の点f)に、前の切削加工時の短期平均振幅値A、長期平均振幅値B、及び各閾値の値をリセットするような構成とすれば、加工異常検出装置50が連続して切削加工を行う場合でも、切削加工開始時における加工異常の誤検出を減少させ円滑に切削加工を行うことが可能となる。尚、この加工異常検出装置50のリセット指示は、上記のように自動ではなく、加工異常検出装置50に設けられたリセットスイッチを押すなどして、手動で行うことも可能である。
更に、リセット動作後に所定の時間Tf経過したにも関わらず短期平均振幅値Aが空転振幅上限値Fを下回っていた場合、加工異常検出装置50は交換作業が適正に行われていないと認識し、異常検出信号Saを警報出力手段16、制御部11等に出力することもできる。この時間Tfのカウントはリセット時に開始されても良いし、図4に示すように時間Teのカウントと同時に開始しても良い。
尚、上記の時間Teによるリセット指示と、時間Tfによる異常検出は必須のものではない。また、切削加工プログラムによって一時的にワーク12と切削工具14とが接触状態、非接触状態を繰り返すような場合には、時間Teを長く設定することで余分なリセット動作を省略し、より効率よく切削加工を行うことが可能となる。
以上のように、本発明に係る切削加工における異常検出方法及び加工異常検出装置は、短期平均振幅値Aと加工異常の判定に用いられる閾値とが、切削加工中に得られる振幅データSb1を基に随時算出され更新されるため、たとえ振動データSb、振幅データSb1にバラつきが生じたとしても、加工異常の検出にはその影響を受けることが無い。また、同様にして短期平均振幅値Aと閾値との間には時間的なズレが生じることが無い。
更に、短期平均振幅値A及び長期平均振幅値Bの移動平均をとる時間間隔、閾値を算出するための値等の初期設定が最適化されていれば、従来、切削加工毎に行われていた閾値設定に必要な切削加工前のデータ取得が不要で、極めて効率的に切削加工を行う事ができる。
上記のことから、本発明に係る切削加工における異常検出方法及び加工異常検出装置によれば、誤検出が少なく高精度に切削加工における異常を検出することができるのである。
尚、加工異常検出装置50の初期設定は手動で入力することもできるし、予めメモリに記録させておいた値を選択して入力することもできる。また、切削加工機10に入力される切削加工プログラムとリンクさせ自動的に設定するようにしても良い。また、本発明は本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更して実施することができる。
本発明に係る加工異常検出装置の構成を示す概略図である。 本発明に係る短期平均振幅値及び長期平均振幅値の算出方法を説明する図である。 本発明に係る異常検出方法を説明する図である。 本発明に係る異常検出方法の第2の形態を説明する図である。
符号の説明
14 切削工具
18 振動データ取得手段
50 加工異常検出装置
Sb 振動データ
Sb1 振幅データ
Sa 異常検出信号
A 短期平均振幅値
B 長期平均振幅値
C 上限値
C’ 第2上限値
D 下限値
E 空転振幅値
F 空転振幅上限値

Claims (5)

  1. 切削加工時に生じる振動データから切削加工時の異常を検出する異常検出方法において、
    切削加工時に生じる振動データを取得するステップと、
    前記振動データの絶対値を基に振幅データを算出するステップと、
    前記振幅データを所定の時間間隔にて移動平均処理を行うことにより短期平均振幅値を算出するステップと、
    前記振幅データを前記時間間隔よりも長い時間間隔にて移動平均処理を行うことにより長期平均振幅値を算出するステップと、
    前記長期平均振幅値を基にして閾値を算出するステップと、
    前記短期平均振幅値と前記閾値とを比較して異常が検出された場合に異常検知信号を出力するステップと、
    を有することを特徴とする切削加工における異常検出方法。
  2. 短期平均振幅値が閾値を所定の時間継続して越えた場合に異常検知信号を出力することを特徴とする請求項1記載の切削加工における異常検出方法。
  3. 切削加工前に生じる空転振動データを取得するステップと、
    前記空転振動データの絶対値を基に空転振幅値を算出するステップと、
    前記空転振幅値を基にして空転振幅上限値を算出するステップと、
    を有し、
    前記短期平均振幅値が前記空転振幅上限値を下回った場合に、
    前記閾値による異常検出を無効とするようにしたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の切削加工における異常検出方法。
  4. 短期平均振幅値が空転振幅上限値を所定の時間継続して下回った場合に、
    長期平均振幅値と短期平均振幅値とをリセットするとともに、
    リセット後に所定の時間経過しても短期平均振幅値が空転振幅上限値を下回っている場合には、
    異常検知信号を出力するようにしたことを特徴とする請求項3記載の切削加工における異常検出方法。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の切削加工における異常検出方法を用いて、切削加工における異常を検出することを特徴とする加工異常検出装置。
JP2006319757A 2006-11-28 2006-11-28 切削加工における異常検出方法 Active JP4860444B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006319757A JP4860444B2 (ja) 2006-11-28 2006-11-28 切削加工における異常検出方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006319757A JP4860444B2 (ja) 2006-11-28 2006-11-28 切削加工における異常検出方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008132558A true JP2008132558A (ja) 2008-06-12
JP4860444B2 JP4860444B2 (ja) 2012-01-25

Family

ID=39557764

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006319757A Active JP4860444B2 (ja) 2006-11-28 2006-11-28 切削加工における異常検出方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4860444B2 (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010019830A (ja) * 2008-06-12 2010-01-28 Jfe Steel Corp 機械設備における異常診断システム
JP2011206860A (ja) * 2010-03-29 2011-10-20 Sr Engineering Co Ltd 磁気クランプ装置
JP2012206230A (ja) * 2011-03-30 2012-10-25 Brother Industries Ltd 加工びびり振動検出装置、及び工作機械
JP2016040072A (ja) * 2014-08-11 2016-03-24 日立金属株式会社 工具異常検知方法
JP2016040071A (ja) * 2014-08-11 2016-03-24 日立金属株式会社 工具異常検知方法
JP2017007027A (ja) * 2015-06-22 2017-01-12 アズビルTaco株式会社 ワーク加工時の着座判定方法
KR20180118522A (ko) * 2017-04-21 2018-10-31 가부시기가이샤 디스코 절삭 장치
KR20180124742A (ko) * 2017-05-12 2018-11-21 가부시기가이샤 디스코 절삭 장치
US10766113B2 (en) 2015-12-11 2020-09-08 Makino Milling Machine Co., Ltd. Machine tool
JP2020157447A (ja) * 2019-03-27 2020-10-01 リコーエレメックス株式会社 検出装置、加工装置、およびプログラム
CN116175281A (zh) * 2023-04-26 2023-05-30 成都瑞雪丰泰精密电子股份有限公司 一种加工中心主轴系统振动异常检测方法

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7085370B2 (ja) 2017-03-16 2022-06-16 株式会社リコー 診断装置、診断システム、診断方法およびプログラム
WO2018169069A1 (en) 2017-03-16 2018-09-20 Ricoh Company, Ltd. Diagnosis device, diagnosis system, diagnosis method, and program

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05329750A (ja) * 1992-05-29 1993-12-14 Toshiba Corp Nc穴明装置の工具折損検出方法とその装置
JP2003326438A (ja) * 2002-02-28 2003-11-18 Fanuc Ltd 工具異常検出装置
JP2004042208A (ja) * 2002-07-12 2004-02-12 Tokyo Seimitsu Co Ltd 工作機械

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05329750A (ja) * 1992-05-29 1993-12-14 Toshiba Corp Nc穴明装置の工具折損検出方法とその装置
JP2003326438A (ja) * 2002-02-28 2003-11-18 Fanuc Ltd 工具異常検出装置
JP2004042208A (ja) * 2002-07-12 2004-02-12 Tokyo Seimitsu Co Ltd 工作機械

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010019830A (ja) * 2008-06-12 2010-01-28 Jfe Steel Corp 機械設備における異常診断システム
JP2011206860A (ja) * 2010-03-29 2011-10-20 Sr Engineering Co Ltd 磁気クランプ装置
JP2012206230A (ja) * 2011-03-30 2012-10-25 Brother Industries Ltd 加工びびり振動検出装置、及び工作機械
JP2016040072A (ja) * 2014-08-11 2016-03-24 日立金属株式会社 工具異常検知方法
JP2016040071A (ja) * 2014-08-11 2016-03-24 日立金属株式会社 工具異常検知方法
JP2017007027A (ja) * 2015-06-22 2017-01-12 アズビルTaco株式会社 ワーク加工時の着座判定方法
US10766113B2 (en) 2015-12-11 2020-09-08 Makino Milling Machine Co., Ltd. Machine tool
US10688616B2 (en) * 2017-04-21 2020-06-23 Disco Corporation Cutting apparatus
KR20180118522A (ko) * 2017-04-21 2018-10-31 가부시기가이샤 디스코 절삭 장치
KR102287129B1 (ko) 2017-04-21 2021-08-05 가부시기가이샤 디스코 절삭 장치
KR20180124742A (ko) * 2017-05-12 2018-11-21 가부시기가이샤 디스코 절삭 장치
KR102333523B1 (ko) 2017-05-12 2021-12-01 가부시기가이샤 디스코 절삭 장치
JP2020157447A (ja) * 2019-03-27 2020-10-01 リコーエレメックス株式会社 検出装置、加工装置、およびプログラム
CN116175281A (zh) * 2023-04-26 2023-05-30 成都瑞雪丰泰精密电子股份有限公司 一种加工中心主轴系统振动异常检测方法
CN116175281B (zh) * 2023-04-26 2023-06-23 成都瑞雪丰泰精密电子股份有限公司 一种加工中心主轴系统振动异常检测方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4860444B2 (ja) 2012-01-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4860444B2 (ja) 切削加工における異常検出方法
US11614728B2 (en) Machine tool management system that obtains a next maintenance period from a maintenance period model and a refinement algorithm
US20140123740A1 (en) Working Abnormality Detecting Device and Working Abnormality Detecting Method for Machine Tool
US9008822B2 (en) Online real-time cutter breakage monitoring method
JPS5890445A (ja) 工具の摩損監視方法及び装置
KR102648425B1 (ko) 진동 가속도 신호를 활용한 공구 파손감지 영역 자동설정 방법 및 진동 가속도 신호를 활용한 공구 파손감지장치
US10391571B2 (en) Wire electric discharge machine controller having wire electrode replacement function
TWI452822B (zh) 馬達控制裝置
CN105005266B (zh) 一种基于电机电流的铣削刀具碰撞快速辨识方法
JP2014140918A (ja) 切削振動抑止方法、演算制御装置、および工作機械
JP2016135511A (ja) 加工異常検出装置及び加工異常検出方法
CN107511718A (zh) 单品大批量重复加工过程的智能刀具状态监测方法
US9983567B2 (en) Numerical controller capable of avoiding overheat of spindle
JP2009226551A (ja) 工具寿命検出方法および工具寿命検出装置
US9008816B2 (en) Build up edge monitoring method
JP2020022329A (ja) 異常監視装置、異常監視方法及び制御装置
JPH0985585A (ja) 工作機械用加工刃の状態監視方法とその装置
JP6314885B2 (ja) 破損防止システム、砥石
JP2017064860A (ja) 加工異常監視方法およびその機能を備えたnc工作機械
JP7396848B2 (ja) 検出装置及びプログラム
JP2008087093A (ja) 工作機械の異常検出装置
JP6212061B2 (ja) 工作機械の冷却ファンの回転低下を検出する装置
JP2575323B2 (ja) データ抽出平均法による切削負荷監視方法
TWI817855B (zh) 刀具加工負載監控方法
CN117784718B (zh) 一种基于智能控制的刀模切削系统

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080811

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110627

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110701

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110727

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111018

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111102

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4860444

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141111

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250