JP2008130942A - 巻線型電子部品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】渦電流損失が少なく、インダクタンス特性に優れる巻線型電子部品を容易に製造することができる巻線型電子部品の製造方法を提供すること。
【解決手段】磁性体あるいは非磁性である成形体40の長軸Xを囲む側面の少なくとも一部に電極20を形成する。次に、電極20が形成された成形体40の一部を除去して、複数の巻芯部4aと、巻芯部4aそれぞれの両端に位置し、外周の少なくとも一部に電極20を有する複数のフランジ連続体4fと、を形成する。次に、フランジ連続体4fを、巻芯部4aの長軸に略垂直な断面で切断して、外周の少なくとも一部に電極20を有する一対のフランジ4b、4cと、一対のフランジ4b、4cに挟まれる一つの巻芯部4aと、を有するコア4を複数形成する。
【選択図】図7

Description

本発明は、巻線型電子部品の製造方法に係り、さらに詳しくは、渦電流損失が少なく、インダクタンス特性に優れた巻線型電子部品を容易に製造することができる製造方法に関する。
従来、たとえば下記の特許文献1に示す巻線型電子部品が知られている。この特許文献1に示す巻線型電子部品では、フェライトコアにおける巻芯部の両端に形成してあるフランジの外周および外側端面に、銀ペーストなどの導電性ペースト膜で電極膜を形成する。
電極膜が形成されたフランジの端面では、巻芯部で発生する磁界が垂直に通過することから、フランジの外周を取り巻くように渦電流が流れる。この渦電流は、巻芯部で発生する磁界を打ち消すような逆向きの磁界を発生させる。その結果、巻線型電子部品におけるコアロスが大きくなってしまう。
特許第3319697号
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、渦電流損失が少なく、インダクタンス特性に優れる巻線型電子部品を容易に製造することができる巻線型電子部品の製造方法を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明に係る巻線型電子部品の製造方法は、
磁性体あるいは非磁性である成形体の長軸を囲む側面の少なくとも一部に電極を形成する工程と、
前記電極が形成された前記成形体の一部を除去して、複数の巻芯部と、該巻芯部それぞれの両端に位置し、外周の少なくとも一部に電極を有する複数のフランジ連続体と、を形成する工程と、
前記フランジ連続体を、前記巻芯部の長軸に略垂直な断面で切断して、外周の少なくとも一部に前記電極を有する一対のフランジと、該一対のフランジに挟まれる一つの前記巻芯部と、を有するコアを複数形成する工程と、を有する。
本発明においては、成形体に電極を形成することによって、成形体から得られる個々のコアに対して個別に電極を形成する場合に比べて、容易に電極を形成することができる。換言すれば、成形体から得られる複数のコアに対する電極形成を、一括して行うことができる。
本願発明においては、電極形成後の成形体の一部を除去することによって、複数の巻芯部と、複数のフランジ連続体と、を同時に一括して形成することができる。また、電極形成後の成型体の一部を除去して複数の巻芯部を形成するため、各巻芯部の両端に位置するフランジ連続体の内側端面(巻芯部側に面し、該巻芯部の長軸に略垂直な端面)に、電極が形成されることがない。その結果、内側端面において渦電流が発生することを防止できる。
本願発明においては、電極形成後のフランジ連続体を、巻芯部の長軸に略垂直な断面で切断する。この切断面は、各コアにおいて、フランジの外側端面に対応する。つまり、本願発明では、フランジの外側端面を形成する前に、フランジの外周にのみ電極を形成することができる。よって、フランジの外側端面に、誤って電極が形成されることを防止できる。その結果、フランジの外側端面において渦電流が発生することを防止できる。
好ましくは、前記成形体の長軸を囲む前記側面の全体に電極を形成し、
前記電極の形成後、前記成形体の一部を除去して、前記成形体の長軸に平行であって、前記電極を前記成形体の外周方向において断絶させる電極除去面を形成し、
前記電極除去面の形成後、前記成形体の一部を除去して、前記複数の巻芯部と、前記複数のフランジ連続体と、を形成し、
前記複数の巻芯部および前記複数のフランジ連続体の形成後、前記フランジ連続体を、前記巻芯部の長軸に略垂直な断面で切断し、前記電極および該電極を外周方向において断絶させる電極不連続部を有する前記一対のフランジと、該一対のフランジに挟まれる一つの前記巻芯部と、を有する前記コアを複数形成する。
本発明においては、成形体に電極除去面を形成することによって、成形体から得られる全コアに対して、同時に一括して電極不連続部を形成することができる。つまり、本願発明によれば、個々のコアに対して個別に電極不連続部を形成する場合に比べて、容易に、かつ均一に電極不連続部を形成することができ、電極不連続部の形成に要する製造工数および製造コストを削減することができる。また、巻芯部およびフランジ連続体が形成される前の成形体に電極除去面を形成することによって、巻芯部およびフランジ連続体が形成された後の成形体に電極除去面を形成する場合に比べて、成形体の欠け、割れを起こすことなく、電極除去面を容易に形成することができる。
好ましくは、前記成形体の長軸を、電極形成液の液面に対して略垂直に配置させた状態で、前記成形体を前記電極形成液に浸漬させて、前記成形体の長軸を囲む前記側面の全体に前記電極を形成する。また、好ましくは、前記成形体が柱状体である。
その結果、柱状の成形体の長軸を囲む側面全体に形成される電極の厚みを均一にすることができる。
好ましくは、前記複数の巻芯部および前記複数のフランジ連続体の形成後、前記巻芯部の周囲にワイヤを巻回してコイル部を形成し、
前記コイル部の形成後、前記電極に、前記ワイヤの継線部を接続し、
前記継線部の接続後、前記フランジ連続体を、前記巻芯部の長軸に略垂直な断面で切断して、前記コアを複数形成する。
すなわち、本発明においては、成形体が有する複数の巻芯部に対して、同時に一括して、ワイヤの巻回しおよび継線部の接続を行うことができる。つまり、本願発明によれば、個々のコアに対して、個別にワイヤの巻回しおよび継線部の接続を行う場合に比べて、製造工数および製造コストを削減することができる。
好ましくは、前記成形体が未焼結体である。
未焼結の状態にある成形体は、焼結体に比べて柔らかい。よって、成形体に割れ、欠けを起こすことなく、成形体の一部を容易に除去することができる。すなわち、成形体において、複数の巻芯部および複数のフランジ連続体を容易に形成することができる。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る巻線型電子部品の斜視図、
図2は、図1に示す巻線型電子部品をII方向に見た断面図、
図3は、本発明の一実施形態に係る巻線型電子部品の製造に用いる成形体の斜視図、
図4は、本発明の一実施形態に係る巻線型電子部品の製造方法において、成形体の側面全体に電極を形成する工程を示す概略図、
図5は、本発明の一実施形態に係る巻線型電子部品の製造方法において、電極が形成された後の成形体の斜視図、
図6は、本発明の一実施形態に係る巻線型電子部品の製造方法において、電極除去面が形成された後の成形体の斜視図、
図7は、本発明の一実施形態に係る巻線型電子部品の製造方法において、複数の巻芯部および複数のフランジ連続体が形成された後の成形体の斜視図、
図8は、本願発明の一実施形態に係る巻線型電子部品の製造方法において、コイル部の形成、継線部の接続、内層樹脂部および外層樹脂部の形成が行われた後の成形体の斜視図、
図9、図10は、本発明のその他の実施形態に係る巻線型電子部品の斜視図である。
巻線型電子部品の全体構成
図2に示すように、本発明の一実施形態に係る巻線型電子部品としてのコイルチップ部品2は、芯材としてのドラムコア4を有する。ドラムコア4は、磁性体であるフェライト材料で構成される。ドラムコア4は、コイル部10を構成するワイヤ10aがコア4の長軸方向Xに沿って巻回してある巻芯部4aを有する。
巻芯部4aの長軸方向Xの両端である第1端部および第2端部には、それぞれ第1フランジ4bおよび第2フランジ4cが一体に形成してある。第1フランジ4bおよび第2フランジ4cの外形寸法は、巻芯部4aの外径寸法よりも大きくなっている。
巻芯部4aのYZ方向における横断面は、特に限定されず、長方形断面、円形断面、あるいは、その他の断面形状であっても良いが、本実施形態においては、円形である。すなわち、巻芯部4aは、X方向に長軸を有する円柱である。第1フランジ4bおよび第2フランジ4cのYZ平面における横断面形状は、長方形断面などの角形形状である。第1フランジ4bおよび第2フランジ4cは、同じサイズであり、サイズは特に限定されないが、たとえば縦が0.82mm、横が0.30mm程度である。また、巻芯部4aの外径は、特に限定されないが、たとえば0.42mm程度である。ドラムコア4の長軸方向全長(部品2の全長と略同じ)は、特に限定されないが、たとえば1.637mm程度である。
図2に示すように、コイル部10を構成するワイヤ10aの両端に形成してある継線部10bおよび10cは、各フランジ4bおよび4cの外周位置において、電極膜20と接続される。ワイヤ10aの継線部10bおよび10cは、電極膜が形成された後に、各フランジ4bおよび4cの外周に熱圧着などの手段で固定され、これらの継線接続が確保される。ワイヤ10aは、たとえば銅線をウレタン樹脂などの皮膜で被覆したワイヤである。
電極膜20は、各フランジ4bおよび4cの外周22b、22cのみを被覆するように形成されている。第1フランジ4bの外側端面24bおよび内側端面25b、第2フランジ4cの外側端面24cおよび内側端面25cにおいては、電極膜20が形成されていない。電極膜20は、単層構造膜または多層構造膜の何れであってもよい。例えば、多層構造膜の一例として、コア素地の上に第1層(下地電極膜)としてのAg膜、第2層としてのCu膜、Ni膜およびSn膜を順次積層した構造を挙げることができる。電極膜20の総厚みは、特に限定されないが、通常、数十μm程度である。
コイル部10が形成してある巻芯部4aの外周凹部には、内層樹脂部30aが形成されている。さらに、内層樹脂部30aの周囲を被覆するように、外層樹脂部30bが形成されている。外層樹脂部30bには、フェライト粉末が含有されている。内層樹脂部30aまたは外層樹脂部30bを構成する樹脂としては、特に限定されず、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリエステル樹脂などが例示される。
図1に示すように、第1フランジ4bおよび第2フランジ4cは、該フランジの外周方向(4つの角部のうちいずれか一カ所)において電極膜20を断絶させる電極不連続部26b、26cを有する。すなわち、電極不連続部26b、26cにおいては、電極膜20が形成されていない。
ワイヤ10aに電流を流すと、コイルチップ部品2の周囲には、図2に示すように、第1フランジ4bの外側端面24bから出て、第2フランジ4cの外側端面24cに入るような閉磁路M1(磁界)が発生する。この閉磁路M1の発生によって、第1フランジ4bに形成された電極膜20、および第2フランジ4cに形成された電極膜20において、閉磁路M1を打ち消そうとする逆起電力が生じる。
本実施形態においては、電極膜20は、各フランジ4b、4cの外周22b、22cのみに形成され、外側端面24b、24cおよび内側端面25b、25cには、電極膜20が形成されていない。さらに、各フランジ4b、4cの外周22b、22cにのみ形成された電極膜20は、各外周方向において、電極不連続部26b、26cによって断絶している。その結果、電極膜20において、閉磁路M1の逆起電力が発生しようとしたとしても、各フランジ4b、4cの電極膜20(外周22b、22c)に渦電流が流れることを防止できる。その結果、渦電流に起因する磁界よって、閉磁路M1(磁界)が打ち消されることがなく、コイルチップ部品2におけるコアロスを減少させることができる。すなわち、コイルチップ部品2のインダクタンス特性を向上させることができる。
なお、閉磁路M1(磁界)は、図2に示す向きと逆向きであってもよい。
巻線型電子部品の製造方法
次に、本願発明の一実施形態に係る巻線型電子部品(コイルチップ部品2)の製造方法の一例について説明する。
(成形体4dの作製)
まず、図3に示すように、成形体4dを作製する。成形体4dの作製方法は、特に限定されないが、通常、フェライト粉末等の磁性体を圧縮成形することによって、成形体4dを作製する。また、成形体4dの形状は、特に限定されないが、好ましくは、柱状であり、より好ましくは、図3に示すように四角柱である。
好ましくは、成形体4dが未焼結体である。
未焼結の状態にある成形体4dは、焼結体に比べて柔らかいため、成形体4dに割れ、欠けを起こすことなく、成形体4dの一部を容易に除去することができる。その結果、後の工程において、成形体4dを切削することによって、複数の巻芯部および複数のフランジ連続体を容易に形成することができる。
(電極膜20の形成)
次に、成形体4dの長軸(X方向)を囲む全側面に下地電極膜20aを形成する。
下地電極膜20aの形成方法は、特に限定されないが、好ましくは、図4に示すように、成形体4dの長軸を、液溜め42に満たされた電極形成液(Agを含む電極ペースト20b)の液面に対して略垂直に配置させた状態で、成形体4dを電極ペースト20bに浸漬させる。その結果、成形体4dの長軸を囲む側面の全体を、電極ペースト20bで均一に被覆することができる。この電極ペースト20bを乾燥させることによって、図5に示すように、厚みが均一な下地電極膜20a(第1のAg膜)を形成することができる。
なお、成形体4dが未焼結体である場合、好ましくは、電極ペースト20bを200℃程度の雰囲気温度で乾燥する。その結果、成形体4dを焼結させることなく、電極ペースト20bを乾燥させることができる。
次に、下地電極膜20aの表面に、Agペーストを付着させ、第2のAg膜を形成する。次に、第2のAg膜の上にCu膜、Ni膜およびSn膜を順次に形成する。その結果、完成後のコイルチップ部品2(図1)における電極膜20が得られる。第2のAg膜、Cu膜、Ni膜およびSn膜の形成方法は、下地電極膜20aと同様の方法を用いればよい。
(電極除去面26の形成)
次に、図6に示すように、電極膜20が形成された成形体4dの一部(角部)を除去して、成形体4dの長軸(X方向)に平行であって、電極膜20を成形体4dの外周方向(長軸Xを囲む方向)において断絶させる電極除去面26を形成する。電極除去面26は、完成後のコイルチップ部品2(図1)において、電極不連続部26b、26cとなる。
(巻芯部4aの形成)
次に、電極膜20および電極除去面26が形成された成形体4d(図6)の一部を除去することによって、図7に示すように、複数の巻芯部4aと、各巻芯部4aの両端に位置し、外周22に電極膜20および電極不連続部26を有する複数のフランジ連続体4fと、を形成する。
巻芯部4a、およびフランジ連続体4fの形成においては、まず、図6に示すように、成形体4dの一方の端面に、治具1の押し当て棒3を押し当てる。また、成形体4dの他方の端面にも、もう一つの治具1の押し当て棒3を押し当てる。このように、一対の治具1で、成形体4dをその両端部から挟み込む。
なお、各押し当て棒3は、その長軸(X方向)に対して自転自在であり、各治具1は、押し当て棒3の自転を自在に制御できる機能を有する。また、各押し当て棒3の長軸と、成形体4dの長軸方向Xとは、略平行な位置関係にある。従って、一対の治具1によって、成形体4dを、長軸方向Xに対して自在に自転させることができる。
次に、図6の成形体4dにおいて、複数の巻芯部4aを形成する各位置に、研削刃(図中省略)を押し当てる。この状態で、各治具1の押し当て棒3を、自転方向Rに自転させ、成形体4dも方向Rに自転させる。その結果、研削刃によって、成形体4dの一部が研削され、図7に示す巻芯部4a、およびフランジ連続体4fが形成される。
(コイル部10の形成、継線部10b,10cの接続)
次に、各巻芯部4aの周囲に、ワイヤ10aを巻回してコイル部10を形成する。次に、各コイル部10の両端に位置するフランジ連続体4f(第1フランジ4b、第2フランジ4c)にそれぞれ形成された電極膜20に対して、各コイル部10のワイヤ10aの両端に形成してある継線部10b,10cをそれぞれ熱圧着し、接続する。
成形体4dの状態で、複数の各巻芯部4aに対して、同時に一括して、ワイヤ10aの巻回し、および継線部10b,10cの接続を行うことができる。つまり、本実施形態においては、個々のコア4(図1)に対して、それぞれワイヤ10aの巻回し、および継線部10b,10cの接続を行う場合に比べて、ワイヤ10aの無駄をなくし、製造工数および製造コストを削減することができる。
(内層樹脂部30aおよび外層樹脂部30bの形成)
次に、図8に示すように、コイル部10が形成してある各巻芯部4aの外周凹部に、内層樹脂部30aおよび外層樹脂部30bを、モールドなどにより形成する。
(フランジ連続体4fの切断)
次に、フランジ連続体4fの略中央部において、該フランジ連続体4fを、巻芯部4aの長軸(X方向)に略垂直な断面で切断する。その結果、一つの巻芯部4aと、該巻芯部4aの両端に位置する一対の第1フランジ4b、第2フランジ4cと、を有するコイルチップ部品2(図1)が複数得られる。
本実施形態においては、成形体4dの側面に電極膜20を形成することによって、成形体4dから得られる個々のコア4に対して個別に電極膜20を形成する場合に比べて、容易に電極膜20を形成することができる。換言すれば、成形体4dから得られる複数のコア4に対する電極膜20の形成を、一括して行うことができる。
本実施形態においては、電極膜20が形成された後の成形体4dの一部を除去することによって、複数の巻芯部4aと、複数のフランジ連続体4fと、を同時に一括して形成することができる。また、電極膜20が形成された後の成型体40の一部を除去して複数の巻芯部4aを形成するため、各巻芯部4aの両端に位置するフランジ連続体4fの内側端面(フランジ連続体4fにおいて、巻芯部4aの側に面し、該巻芯部4aの長軸に略垂直な端面)に、電極膜20が形成されることがない。その結果、コイルチップ部品2の内側端面25b、25cにおいて渦電流が発生することを防止できる。
本実施形態においては、電極膜20が形成された後のフランジ連続体4fを、巻芯部4aの長軸(X方向)に略垂直な断面で切断する。この切断面は、各コア4において、第1フランジ4bの外側側面24b、および第2フランジ4cの外側端面24cに対応する。つまり、本実施形態では、各フランジ4b、4cの外側端面24b、24cを形成する前に、フランジ4b、4cの外周22b、22cにのみ電極膜20を形成することができる。よって、各フランジ4b、4cの外側端面24b、24cに、誤って電極膜20が形成されることを防止できる。その結果、各フランジ4b、4cの外側端面24b、24cにおいて渦電流が発生することを防止できる。
本実施形態においては、成形体4dに電極除去面26を形成することによって、成形体4dから得られる全コア4に対して、同時に一括して電極不連続部26b、26cを形成することができる。つまり、本実施形態によれば、個々のコア4に対して個別に電極不連続部6b、26cを形成する場合に比べて、容易に、かつ均一に電極不連続部26b、26cを形成することができる。よって、電極不連続部26b、26cの形成に要する製造工数および製造コストを削減することができる。また、巻芯部4aおよびフランジ連続体4fが形成される前の成形体4dに電極除去面26を形成することによって、巻芯部4aおよびフランジ連続体4fが形成された後の成形体4dに電極除去面26を形成する場合に比べて、成形体4dの欠け、割れを起こすことなく、電極除去面26を容易に形成することができる。
上述の製造方法によって得られるコイルチップ部品2(図1、2)においては、電極膜20が各フランジ4b、4cの各外周22b、22cのみに形成され、各フランジの外側端面24b、24cおよび内側端面25b、25cには、電極膜20が形成されていない。さらに、各フランジの外周22b、22cに形成された電極膜20は、外周方向において、電極不連続部26b、26cにより断絶されている。その結果、電極膜20において、閉磁路M1(図2)の逆起電力が発生したとしても、各フランジ4b、4cの外側端面24b、24c、内側端面25b、25c、および外周22b、22cに渦電流が流れることを防止できる。その結果、巻芯部4aで発生する閉磁路M1が打ち消されることがなく、コイルチップ部品2におけるコアロスを減少させることができる。すなわち、コイルチップ部品2のインダクタンス特性を向上させることができる。
また、本実施形態に係るコイルチップ部品2においては、電極膜20が各フランジ4b、4cの各外周22b、22cの4つの全側面に形成されおり、また、電極不連続部26b、26cが各フランジの側面に占める面積割合が小さい。その結果、コイルチップ部品2を回路基板へ実装する際、コイルチップ部品2のいずれの側面を回路基板へ接触させても、良好な実装安定性および電気的接続性を得ることができる。また、コイルチップ部品2を回路基板へ実装するために、ノズルによってコイルチップ部品2を吸引、移送する際に、コイルチップ部品2のいずれの側面であっても良好に吸引固定し、移送することができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
たとえば、本発明に係るコイルチップ部品の具体的な断面構造は、図2に示す実施形態に限定されず、種々の態様があり得る。
上述の実施形態では、コア4が、磁性体(フェライト)から構成されていたが、コア4を、セラミック等の非磁性体で構成してもよい。
上述の実施形態では、コイル部10が形成してある巻芯部4aの外周凹部には、内層樹脂部30a、および外層樹脂部30bの2層の樹脂部が形成されていたが、樹脂部が1層だけで構成されてもよい。この場合、1層の樹脂部にフェライト粉末を含有させればよい。
本発明に係る巻線型電子部品の製造方法の工程の順序は、上述のものに限定されない。
例えば、内層樹脂部30aおよび外層樹脂部30bの形成を行った後に、電極除去面26を形成しても良い。この工程順の場合、各フランジ連続体4fの各外周22における角部の除去(電極除去面26の形成)に伴い、外層樹脂部30bの角部も同時に除去されてもよい。角部と外層樹脂部30bとを同時に除去することで、除去工程を簡略化できる。この場合も上述の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
また、電極膜20、電極除去面26、巻芯部4a、およびフランジ連続体4fが形成された後の成形体4dを、複数のコア4へと分割した後に、各コア4に対してワイヤ10aの巻回し、継線部10b,10cの接続、内層樹脂部30aおよび外層樹脂部30bの形成を行ってもよい。この場合も上述の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
また、また、成形体4dにおいて、電極膜20、巻芯部4a、およびフランジ連続体4fを形成した後に、電極除去面26の形成、ワイヤ10aの巻回し、継線部10b,10cの接続、内層樹脂部30aおよび外層樹脂部30bの形成を行っても良い。この場合も上述の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
また、次のような手順で巻線型電子部品を製造しても良い。すなわち、まず、下地電極膜20aを形成する。次に、電極除去面26を形成する。次に、巻芯部4aおよびフランジ連続体4fを形成する。次に、コイル部10の形成、継線部10b,10cの下地電極膜20aへの接続を行う。次に、内層樹脂部30aおよび外層樹脂部30bを形成する。次に、下地電極膜20aおよび継線部10b,10cを覆うように、第2のAg膜、Cu膜、Ni膜およびSn膜を形成する。最後に、フランジ連続体4fを切断して、複数のコイルチップ部品2を得る。この工程順の場合、第2のAg膜、Cu膜、Ni膜およびSn膜を形成する前に、電極除去面26にマスキングを施して、電極除去面26上に、第2のAg膜、Cu膜、Ni膜およびSn膜が形成されないようにする。あるいは、第2のAg膜、Cu膜、Ni膜およびSn膜の各膜を形成した後に、電極除去面26を面取りして、電極除去面26上に形成された第2のAg膜、Cu膜、Ni膜およびSn膜を完全に除去する。この場合も上述の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
上述の実施形態では、成形40を電極形成液(電極ペースト)に浸漬することによって、電極膜20を形成したが、成形体4dの各側面に直接電極ペーストを転写、印刷してもよい。あるいは、めっき法あるいはスパッタ成膜法により、電極膜20を形成してもよい。これらの場合も上述の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
上述の実施形態では、下地電極膜20aとしてAg膜を形成したが、下地電極膜20aとして、まず、コア素地に対して無電解Niめっきを施し、さらにその上から電解Niめっきを施してもよい。
コイルチップ部品2の有する電極膜20の形状、および形成位置は、上述の実施形態に限定されない。例えば、図9に示すように、第1フランジ4b、第2フランジ4cの各外周における1側面にのみ、電極膜20が形成されていてもよい。この場合、各フランジ4b、4cの外側端面24b、24cおよび内側端面25b、25cには電極膜20が形成されてなく、各フランジの1側面に形成された各電極膜20と、継線部10b,10cとがそれぞれ接続されている。この場合も上述の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
また、図10に示すように、第1フランジ4b、第2フランジ4cの各外周22b、22cを構成する4つの全側面に電極膜20が形成されてもよい。この場合も、各フランジ4b、4cの外側端面24b、24cおよび内側端面25b、25cには電極膜20が形成されていない。その結果、各フランジの外側端面および内側端面における渦電流の発生を防止できる。
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。
実施例1a〜1d
上述の本願発明に係るコイルチップ部品の製造方法を用いて、図1、2に示すコイルチップ部品2を作製した。すなわち、実施例1a〜1dのコイルチップ部品2は、コイル10を形成するようにワイヤ10aが巻回されるコア4の巻芯部4aと、コア4の巻芯部4aと一体に形成され、巻芯部4aの長軸方向Xの両側に形成される一対のフランジ4b、4cと、ワイヤ10aの継線部10b,10cが接続されるように、各フランジの外周4b、4cのみを被覆する電極膜20と、を有し、各フランジ4b、4cは、該フランジの外周方向において電極膜20を断絶させる電極不連続部26b、26cを有する。
実施例1a〜1dのコイルチップ部品2に対して、インダクタンス値(単位:μH)を測定した。なお、インダクタンス値を測定する際の周波数は、2.53Hzとした。結果を表1に示す。
Figure 2008130942
比較例1a〜1d
従来の製造方法を用いて、比較例1a〜1dのコイルチップ部品を作製した。比較例1a〜1dのコイルチップ部品は、各フランジの全面(外側端面および外周)を電極膜が被覆し、電極不連続部が形成されていないこと以外は、実施例1a〜1dのコイルチップ部品2と同様の構造を有する。
比較例1a〜1dのコイルチップ部品に対して、実施例1a〜1dの場合と同様の方法で、インダクタンス値を測定した。結果を表1に示す。
比較例1a〜1dのコイルチップ部品のインダクタンス値L0に対する、実施例1a〜1dのコイルチップ部品2のインダクタンス値L1の変化率(L1−L0)/L0の平均値を求めた。
評価
表1に示すように、電極不連続部26b、26cを有する実施例1a〜1dのコイルチップ部品2においては、該フランジにおける渦電流の発生が防止されるため、電極不連続部を有さない比較例1a〜1dに比べて、インダクタンス値が大きいこと(インダクタンス特性に優れていること)が確認された。
図1は、本発明の一実施形態に係る巻線型電子部品の斜視図である。 図2は、図1に示す巻線型電子部品をII方向に見た断面図である。 図3は、本発明の一実施形態に係る巻線型電子部品の製造に用いる成形体の斜視図である。 図4は、本発明の一実施形態に係る巻線型電子部品の製造方法において、成形体の側面全体に電極を形成する工程を示す概略図である。 図5は、本発明の一実施形態に係る巻線型電子部品の製造方法において、電極が形成された後の成形体の斜視図である。 図6は、本発明の一実施形態に係る巻線型電子部品の製造方法において、電極除去面が形成された後の成形体の斜視図である。 図7は、本発明の一実施形態に係る巻線型電子部品の製造方法において、複数の巻芯部および複数のフランジ連続体が形成された後の成形体の斜視図である。 図8は、本願発明の一実施形態に係る巻線型電子部品の製造方法において、コイル部の形成、継線部の接続、内層樹脂部および外層樹脂部の形成が行われた後の成形体の斜視図である。 図9は、本発明のその他の実施形態に係る巻線型電子部品の斜視図である。 図10は、本発明のその他の実施形態に係る巻線型電子部品の斜視図である。
符号の説明
2,2a,2b… コイルチップ部品
4… ドラムコア
4a… 巻芯部
4b… 第1フランジ
4c… 第2フランジ
4f… フランジ連続体
4d… 成形体
10… コイル部
10a… ワイヤ
10b,10c… 継線部
20… 電極膜
20a… 下地電極膜
22,22b,22c… 外周
24b,24c… 外側端面
25b,25c… 内側端面
26… 電極除去面
26b,26c… 電極不連続部
30a… 内層樹脂部
30b… 外層樹脂部

Claims (6)

  1. 磁性体あるいは非磁性である成形体の長軸を囲む側面の少なくとも一部に電極を形成する工程と、
    前記電極が形成された前記成形体の一部を除去して、複数の巻芯部と、該巻芯部それぞれの両端に位置し、外周の少なくとも一部に電極を有する複数のフランジ連続体と、を形成する工程と、
    前記フランジ連続体を、前記巻芯部の長軸に略垂直な断面で切断して、外周の少なくとも一部に前記電極を有する一対のフランジと、該一対のフランジに挟まれる一つの前記巻芯部と、を有するコアを複数形成する工程と、を有する巻線型電子部品の製造方法。
  2. 前記成形体の長軸を囲む前記側面の全体に電極を形成し、
    前記電極の形成後、前記成形体の一部を除去して、前記成形体の長軸に平行であって、前記電極を前記成形体の外周方向において断絶させる電極除去面を形成し、
    前記電極除去面の形成後、前記成形体の一部を除去して、前記複数の巻芯部と、前記複数のフランジ連続体と、を形成し、
    前記複数の巻芯部および前記複数のフランジ連続体の形成後、前記フランジ連続体を、前記巻芯部の長軸に略垂直な断面で切断し、前記電極および該電極を外周方向において断絶させる電極不連続部を有する前記一対のフランジと、該一対のフランジに挟まれる一つの前記巻芯部と、を有する前記コアを複数形成することを特徴とする請求項1に記載の巻線型電子部品の製造方法。
  3. 前記成形体の長軸を、電極形成液の液面に対して略垂直に配置させた状態で、前記成形体を前記電極形成液に浸漬させて、前記成形体の長軸を囲む前記側面の全体に前記電極を形成することを特徴とする請求項1または2に記載の巻線型電子部品の製造方法。
  4. 前記複数の巻芯部および前記複数のフランジ連続体の形成後、前記巻芯部の周囲にワイヤを巻回してコイル部を形成し、
    前記コイル部の形成後、前記電極に、前記ワイヤの継線部を接続し、
    前記継線部の接続後、前記フランジ連続体を、前記巻芯部の長軸に略垂直な断面で切断して、前記コアを複数形成することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の巻線型電子部品の製造方法。
  5. 前記成形体が未焼結体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の巻線型電子部品の製造方法。
  6. 前記成形体が柱状体であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の巻線型電子部品の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103745826A (zh) * 2013-12-27 2014-04-23 苏州恒听电子有限公司 电感线圈的制备方法
CN103745825A (zh) * 2013-12-27 2014-04-23 苏州恒听电子有限公司 一种电感线圈的制备方法
JP2014120551A (ja) * 2012-12-14 2014-06-30 Murata Mfg Co Ltd 巻線型電子部品

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