JP2008130668A - 放射線画像検出器 - Google Patents
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Abstract
【課題】放射線の照射を受けて電荷を発生する記録用光導電層と、その発生した電荷を蓄積する電荷輸送層と、読取光の照射により電荷を発生する読取用光導電層と、読取光の照射に対して電荷対発生用の線状の電荷対発生電極と読取光の照射に対して電荷対非発生用の線状の電荷対非発生電極とが交互に多数配置された電極層とがこの順に積層された放射線画像検出器において、電荷対発生用電極から電荷対非発生電極へオフセット電流が流れるのを抑制し、放射線画像の画質の向上を図る。
【解決手段】電荷対非発生電極6の長さ方向に延びる側端部に0.05s以上60s以下のリーク時定数を有する線状抵抗体9を設ける。
【選択図】図2
【解決手段】電荷対非発生電極6の長さ方向に延びる側端部に0.05s以上60s以下のリーク時定数を有する線状抵抗体9を設ける。
【選択図】図2
Description
本発明は、放射線画像を担持した放射線の照射を受けて放射線画像を記録し、読取光により走査されて放射線画像に応じた信号が読み出される放射線画像検出器に関するものである。
従来、医療分野などにおいて、被写体を透過した放射線の照射を受けて電荷を発生し、その電荷を蓄積することにより被写体に関する放射線画像を記録する放射線画像検出器が各種提案、実用化されている。
そして、上記のような放射線画像検出器としては、たとえば、特許文献1には、放射線を透過する第1の電極層、放射線の照射を受けることにより電荷を発生する記録用光導電層、潜像電荷に対しては絶縁体として作用し、かつ潜像電荷と逆極性の輸送電荷に対しては導電体として作用する電荷輸送層、読取光の照射を受けることにより電荷を発生する読取用光導電層、および読取光を透過する線状に延びる透明線状電極と読取光を遮光する線状に延びる遮光線状電極とが平行に交互に配列された第2の電極層をこの順に積層してなる放射線画像検出器が提案されている。
上記のように構成された放射線画像検出器により放射線画像の記録を行う際には、図8(A)に示すように、まず、第1の電極層51に負の高電圧が印加された状態で、被写体を透過した放射線が第1の電極層51側から照射される。上記のようにして照射された放射線は、第1の電極層51を透過し、記録用光導電層52に照射され、記録用光導電層52の放射線の照射された部分において電荷対が発生し、この電荷対のうち正の電荷は負に帯電した第1の電極層51に向かって移動し、第1の電極層51における負の電荷と結合して消滅する。一方、上記ようにして発生した電荷対のうち負の電荷は正に帯電した透明線状電極55および遮光線状電極56に向かって移動するが、上記のように電荷輸送層53は負の電荷に対しては絶縁体として作用するため、上記負の電荷は記録用光導電層52と電荷輸送層53との界面である蓄電部57に蓄積され、この蓄電部57への負の電荷の蓄積により放射線画像の記録が行われる(図8(B))。
そして、上記のようにして記録された放射線画像を放射線画像検出器から読み取る際には、図9に示すように、まず、読取光L1が透明線状電極55および遮光線状電極56側から照射される。照射された読取光L1は、透明線状電極55を透過し、読取用光導電層54に照射され、読取用光導電層54において電荷対が発生する。そして、読取光L1の照射により読取用光導電層54において発生した正の電荷が蓄電部57における負の電荷と結合するとともに、読取用光導電層4において発生した負の電荷が電荷対発生電極5に帯電した正の電荷と結合するとともに、チャージアンプ35を介して電荷対非発生電極56に帯電した正の電荷と結合することによってチャージアンプ35に電流が流れ、この電流が積分されて画像信号として検出され、放射線画像に応じた画像信号の読取りが行われる。
そして、上記のように放射線画像の読取りが行われた後、透明線状電極55および遮光線状電極56側から消去光が照射され、蓄電部57に残留した電荷の消去が行われ、再度放射線画像の記録に供される。
ここで、上記のようにして放射線画像の読取り行う際、読取光の照射によって発生した正の電荷は蓄電部57に向かって移動するだけでなく、光起電力による電荷の拡散の作用によって、図10に示すように、遮光線状電極56に向かって移動し、これがオフセット電流として画像信号とともに検出され、画質の劣化を招いていた。
そして、このオフセット電流は、読取光の変化や消去光の照射履歴によってその大きさが変化するため、読み取られた画像信号の補正によっては適切に除去することができなかった。
また、図11に示すように、透明線状電極55と遮光線状電極55との間に絶縁層58が設けられた放射線画像検出器も提案されている。
しかしながら、この放射線画像検出器においては、たとえば、大線量が放射線画像検出器に照射された場合、記録用光導電層52で発生した電荷を全て蓄電部57に蓄積することは容易ではないため、その線量に応じた負の電荷の一部が電荷輸送層53を通過して絶縁層58に蓄積していた。そして、その絶縁層58に蓄積された電荷は、上記消去処理を行った後においても、絶縁層58に残り、次の放射線画像の記録において残像となり、画質を劣化させていた。
本発明は、上記事情に鑑み、上記のようなオフセット電流を抑制するとともに、上記のような残像の発生を抑制し、読み取られる放射線画像の画質の向上を図ることができる放射線画像検出器を提供することを目的とするものである。
本発明の第1の放射線画像検出器は、放射線画像を担持した記録用の電磁波の照射を受けて電荷を発生し、その発生した電荷を蓄積する電荷蓄積層と、読取光の照射により電荷を発生する光導電層と、読取光の照射に対して電荷対発生用の線状の電荷対発生電極と読取光の照射に対して電荷対非発生用の線状の電荷対非発生電極とが交互に多数配置された電極層とがこの順に積層された放射線画像検出器において、電荷対非発生電極の長さ方向に延びる側端部に0.05s以上60s以下のリーク時定数を有する線状抵抗体が設けられていることを特徴とする。
本発明の第2の放射線画像検出器は、放射線画像を担持した記録用の電磁波の照射を受けて電荷を発生し、その発生した電荷を蓄積する電荷蓄積層と、読取光の照射により電荷を発生する光導電層と、読取光の照射に対して電荷対発生用の線状の電荷対発生電極と読取光の照射に対して電荷対非発生用の線状の電荷対非発生電極とが交互に多数配置された電極層とがこの順に積層された放射線画像検出器であって、記録用の電磁波の照射によって放射線画像検出器に放射線画像を記録し、読取光の照射によって放射線画像検出器から放射線画像を読み取る放射線画像記録読取装置に用いられる放射線画像検出器において、
電荷対非発生電極の長さ方向に延びる側端部に下式を満たすリーク時定数τを有する線状抵抗体が設けられていることを特徴とする。
電荷対非発生電極の長さ方向に延びる側端部に下式を満たすリーク時定数τを有する線状抵抗体が設けられていることを特徴とする。
t≦τ≦3T
ただし、t:放射線画像記録読取装置による記録用の電磁波の照射時間
T:放射線画像記録読取装置による記録用の電磁波の照射間隔
また、上記第1および第2の放射線画像検出器においては、線状抵抗体を、その線状抵抗体の長さ方向に延びる側端面が電荷発生用電極の長さ方向に延びる側端面と電荷非発生電極の長さ方向に延びる側端面との間に位置するような幅を有するものとすることができる。
ただし、t:放射線画像記録読取装置による記録用の電磁波の照射時間
T:放射線画像記録読取装置による記録用の電磁波の照射間隔
また、上記第1および第2の放射線画像検出器においては、線状抵抗体を、その線状抵抗体の長さ方向に延びる側端面が電荷発生用電極の長さ方向に延びる側端面と電荷非発生電極の長さ方向に延びる側端面との間に位置するような幅を有するものとすることができる。
また、電荷対非発生用電極を透明線状電極とし、線状抵抗体を透明線状電極の長さ方向に延びる側端面および上面を被覆する、読取光に対して遮光性を有する線状遮光体とすることができる。
また、放射線画像検出器を、消去光の照射によって読取り後に放射線画像検出器に残留した電荷が消去されるものとし、線状抵抗体を、消去光に対して透過性を有するものとすることができる。
本発明の第1の放射線画像検出器によれば、電荷対非発生電極の長さ方向に延びる側端部に0.05s以上60s以下のリーク時定数を有する線状抵抗体を設けるようにしたので、上記オフセット電流を抑制するとともに、上記残像の発生を抑制し、読み取られる放射線画像の画質の向上を図ることができる。なお、オフセット電流および残像の発生を抑制することができる理由については、後で詳述する。
本発明の第2の放射線画像検出器は、電荷対非発生電極の長さ方向に延びる側端部に下式を満たすリーク時定数τを有する線状抵抗体を設けるようにしたので、上記本発明の第1の放射線画像検出器と同様の効果を得ることができる。
t≦τ≦3T
ただし、t:放射線画像記録読取装置による記録用の電磁波の照射時間
T:放射線画像記録読取装置による記録用の電磁波の照射間隔
ただし、t:放射線画像記録読取装置による記録用の電磁波の照射時間
T:放射線画像記録読取装置による記録用の電磁波の照射間隔
以下、図面を参照して本発明の放射線画像検出器の一実施形態を用いた放射線画像記録読取装置について説明する。図1は放射線画像検出器の斜視図、図2は図1に示す放射線画像検出器の2−2線断面図である。
放射線画像検出器10は、図1および図2に示すように、放射線画像を担持した放射線を透過する第1の電極層1、第1の電極層1を透過した放射線の照射を受けることにより電荷を発生する記録用光導電層2、記録用光導電層2において発生した電荷のうち一方の極性の電荷に対しては絶縁体として作用し、且つ他方の極性の電荷に対しては導電体として作用する電荷輸送層3、読取光の照射を受けることにより電荷を発生する読取用光導電層4、および読取光の照射に対して電荷対発生用の線状の電荷対発生電極5と読取光の照射に対して電荷対非発生用の線状の電荷対非発生電極6とが交互に多数配列された第2の電極層7をこの順に積層してなるものである。記録用光導電層2と電荷輸送層3との間には、記録用光導電層2内で発生した電荷を蓄積する蓄電部8が形成されている。なお、上記各層は、ガラス基板上に第2の電極層7から順に形成されるものであるが、図1および図2においては、ガラス基板を省略している。また、記録用光導電層2と電荷輸送層3とにより請求項における電荷蓄積層が形成されている。
第1の電極層1としては、放射線を透過するものであればよく、たとえば、ネサ皮膜(SnO2)、ITO(Indium Tin Oxide)、アモルファス状光透過性酸化膜であるIDIXO(Idemitsu Indium X-metal Oxide ;出光興産(株))などを50〜200nm厚にして用いることができ、また、100nm厚のAlやAuなども用いることもできる。
第2の電極層7は、上記のように電荷発生用電極5と電荷非発生用電極6とを有するものである。
電荷対発生電極5および電荷非発生電極6は、読取光を透過し、導電性を呈する材料であれば如何なるもので形成してもよいが、たとえば、第1の電極層1と同様に、ITOやIDIXOを用いることができる。
そして、図2に示すように、電荷非発生電極6には、読取光に対して遮光性を有するとともに、後述する消去光に対して透過性を有し、かつリーク時定数が0.05s以上60s以下の線状抵抗体9が設けられている。
線状抵抗体9は、たとえば、読取光として波長が400nm〜480nmの青色光を使用し、消去光として波長が580nm〜700nmの赤色光を使用する場合には、フォトレジストに、黄色または赤色の顔料と、In2O3顔料とを含めたものから形成するようにすればよい。線状抵抗体9のリーク時定数は、In2O3顔料の量によって調整される。リーク時定数は望ましくは、0.5s以上20s以下であり、たとえば、15s程度とすればよい。リーク時定数を5s秒程度にするには、たとえば、カーボンブラック粒子を固形分全体に対し5〜10%添加して、体積抵抗を1×1013Ω・cmに調整し、誘電率は4.5となるよう線状抵抗体9を形成するようにすればよい。
ここで、線状抵抗体9のリーク時定数を上記のような範囲で設定する理由について以下に説明する。
後で詳述するが、本放射線画像検出器10を用いて放射線画像の撮影を行う際には、まず、放射線画像検出器10へ前露光光が照射され、放射線画像検出器10に残留した電荷が消去される。そして、その後、放射線画像検出器10へ被写体を透過した放射線が照射されて放射線画像か記録され、その後、放射線画像検出器10へ読取光が照射されて放射線画像の読取り行われる。
そして、上述したオフセット電流は、読取光を照射した時に電荷発生電極5から電荷非発生電極6へ電荷が移動することによって発生するが、たとえば、上記のように前露光光を照射し、この前露光光の照射によって発生した電荷を電荷非発生電極6近傍に蓄積して飽和させるようにすれば、電荷発生電極5から電荷非発生電極6への電荷の移動を妨げることができ、その結果、オフセット電流を抑制することができる。
したがって、前露光光によって発生した電荷は、読取光の照射時まで電荷非発生電極6近傍に蓄積させておくことが望ましい。つまり、前露光光の照射時から読取光の照射時までの時間、電荷非発生電極6近傍に蓄積させておくことが望ましい。放射線の照射は前露光光の直後に行われ、読取光の照射は放射線の照射直後に行われるため、前露光光の照射時から読取光の照射時までの時間は、放射線の照射時間にほとんど等しい。したがって、前露光光の照射によって発生した電荷を、少なくとも放射線の照射時間だけ電荷非発生電極6近傍に蓄積させておくことが望ましく、放射線の照射時間は、たとえば、胸部画像を撮像する際には、比較的短く0.05sである。したがって、線状抵抗体9のリーク時定数を少なくとも0.05s以上としておけば、少なくともこの時間は前露光光によって発生した電荷を電荷非発生電極6近傍に蓄積させておくことができ、オフセット電流を抑制することができる。
一方、大線量が放射線画像検出器10に照射された場合には、その放射線の照射によって発生した電荷の一部が、線状抵抗体9に蓄積し、これが残像となってしまう。したがって、上記のようにして線状抵抗体9に蓄積した電荷は、次の放射線画像の記録までに消滅させておくことが望ましい。
また、上記のように前露光光の照射によって発生した電荷は、読取光の照射時にはオフセット電流を抑制するため電荷非発生電極近傍に蓄積しておくことが望ましいが、前露光光の照射の度に蓄積させてしまうと、蓄積電荷が多くなりすぎて放射線画像に悪影響を及ぼすおそれがある。したがって、次の放射線画像の記録までの間には消滅させておくことが望ましい。
したがって、線状抵抗体9のリーク時定数を放射線の照射間隔以下にしておけば、次の放射線画像の記録までに、線状抵抗体9に蓄積した電荷を消滅させるようにすることができ、残像を抑制することができる。放射線の照射間隔は、たとえば、20s程度である。したがって、たとえば、線状抵抗体9のリーク時定数をこの放射線の照射間隔の3倍の60s以下としておけば、線状抵抗体9に蓄積した電荷を放射線画像に影響を及ぼさない程度にまで消滅させることができる。そして、望ましくは放射線の照射間隔である20s以下である。
上記のような理由により、線状抵抗体9のリーク時定数は、0.05s以上60s以下とすることが望ましい。
別の言い方をすれば、線状抵抗体9のリーク時定数τは、下式を満たすような値であることが望ましい。
t≦τ≦3T
ただし、t:放射線画像記録読取装置による放射線の照射時間
T:放射線画像記録読取装置による放射線の照射間隔
記録用光導電層2は、放射線の照射を受けることにより電荷を発生するものであればよく、放射線に対して比較的量子効率が高く、また暗抵抗が高いなどの点で優れているa−Seを主成分とするものを使用する。厚さは500μm程度が適切である。
ただし、t:放射線画像記録読取装置による放射線の照射時間
T:放射線画像記録読取装置による放射線の照射間隔
記録用光導電層2は、放射線の照射を受けることにより電荷を発生するものであればよく、放射線に対して比較的量子効率が高く、また暗抵抗が高いなどの点で優れているa−Seを主成分とするものを使用する。厚さは500μm程度が適切である。
電荷輸送層3としては、たとえば、放射線画像の記録の際に第1の電極層1に帯電する電荷の移動度と、その逆極性となる電荷の移動度の差が大きい程良く(例えば102以上、望ましくは103以上)ポリN−ビニルカルバゾール(PVK)、N,N'−ジフェニル−N,N'−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1'−ビフェニル〕−4,4'−ジアミン(TPD)やディスコティック液晶等の有機系化合物、或いはTPDのポリマー(ポリカーボネート、ポリスチレン、PVK)分散物,Clを10〜200ppmドープしたa−Se等の半導体物質が適当である。
読取用光導電層4としては、読取光および消去光の照射を受けることにより導電性を呈するものであればよく、例えば、a−Se、Se−Te、Se−As−Te、無金属フタロシアニン、金属フタロシアニン、MgPc(Magnesium phtalocyanine),VoPc(phaseII of Vanadyl phthalocyanine)、CuPc(Cupper phtalocyanine)などのうち少なくとも1つを主成分とする光導電性物質が好適である。厚さは0.1〜1μm程度が適切である。
次に、放射線画像記録読取装置による放射線画像検出器への放射線画像の記録および読取りの作用について説明する。
まず、第1の電極層1および第2の電極層7が接地された状態で、図示省略した前露光光源から前露光光が射出され、放射線画像検出器10の第2の電極層7側から前露光光が照射され、この前露光光の照射によって読取用光導電層4おいて電荷が発生し、この電荷は放射線画像検出器10に残留した電荷を消去するとともに、図3に示すように、線状抵抗体9近傍に蓄積される。
次に、図4(A)に示すように、放射線画像検出器10の第1の電極層1に高電圧源20により負の電圧を印加した状態において、図示省略した放射線源から被写体に向けて放射線が照射され、その被写体を透過して被写体の放射線画像を担持した放射線が放射線画像検出器10の第1の電極層1側から照射される。
そして、放射線画像検出器10に照射された放射線は、第1の電極層1を透過し、記録用光導電層2に照射される。そして、その放射線の照射によって記録用光導電層2において電荷対が発生し、そのうち正の電荷は第1の電極層1に帯電した負の電荷と結合して消滅し、負の電荷は潜像電荷として記録用光導電層2と電荷輸送層3との界面に形成される蓄電部8に蓄積されて放射線画像が記録される(図4(B)参照)。
そして、次に、図5に示すように、第1の電極層1が接地された状態において、図示省略した読取光源から読取光L1が射出され、第2の電極層7側から読取光L1が照射され、読取光L1は電荷発生用電極5を透過して読取用光導電層4に照射される。読取光L1の照射により読取用光導電層4において発生した正の電荷が蓄電部8における潜像電荷と結合するとともに、読取用光導電層4において発生した負の電荷が電荷対発生電極5に帯電した正の電荷と結合するとともに、チャージアンプ30を介して電荷対非発生電極6に帯電した正の電荷と結合することによってチャージアンプ30に電流が流れ、この電流が積分されて画像信号として検出され、放射線画像に応じた画像信号の読取りが行われる。
ここで、上述したように、従来は、読取光の照射によって電荷対発生電極5から電荷対非発生電極6へオフセット電流が流れ出し、これが上記画像信号とともにノイズ信号として検出されていたが、上記実施形態の放射線画像検出器10によれば、上述したリーク時定数を有する線状抵抗体9を設けるようにしたので、前露光光の照射の際に発生した電荷を線状抵抗体9近傍に蓄積することができ、これによってオフセット電流が流れるのを抑制することができる。
そして、上記のように放射線画像の読取りが終わった後、放射線画像検出器10の蓄電部8に残留した残留電荷を消去するための消去光L2が図示省略した消去光源から射出され、消去光L2が第2の電極層7側から照射される。消去光L2は、第2の電極層7の電荷対非発生電極6および線状抵抗体9と電荷発生電極5を透過して読取用光導電層4に照射され、この消去光L2の照射により読取用光導電層4において電荷対が発生し、そのうち正の電荷が残留電荷と結合して消滅する。
そして、上記のように消去処理を行った後においても、大線量の放射線の照射によって線状抵抗体9に蓄積された電荷および前露光光の照射によって線状抵抗体9近傍に蓄積された電荷は消滅しない。
しかしながら、本放射線画像検出器10においては、線状抵抗体9が、上述したリーク時定数を有するようにしたので、上記のように残留した電荷を電荷対非発生電極6に流して消去することができる。
そして、上記のようにして消去処理が行われた後、再び前露光光の照射が行われ、次の放射線画像の記録が行われる。
本実施形態の放射線画像検出器10によれば、電荷対非発生電極6の長さ方向に延びる側端部に、上述したリーク時定数を有する線状抵抗体9を設けるようにしたので、電荷対発生電極5から電荷対非発生電極6に向けて流れるオフセット電流を抑制することができるとともに、線状抵抗体9に蓄積される電荷による残像の発生を抑制することができ、読み取られる放射線画像の画質の向上を図ることができる。
また、上記実施形態の放射線画像検出器10においては、電荷対非発生電極6の長さ方向に延びる側端面および上面に線状抵抗体9を設けるようにしたが、図7に示す放射線画像検出器20のように電荷対非発生電極6の側端面にのみ線状抵抗体9を設けるようにしてもよい。
また、上記実施形態の放射線画像検出器10においては、線状抵抗体9を読取光を遮光するものとしたが、たとえば、線状抵抗体9をフォトレジストとIn2O3顔料とから形成し、透明なものとしてもよい。なお、上記のように線状抵抗体9を透明なものとした場合には、たとえば、この電荷非発生電極6に読取光が入射するのを妨げる線状遮光体を放射線画像検出器10とは別に設けるようにすればよい。
また、上記実施形態の放射線画像検出器10においては、線状抵抗体9を消去光を透過するものとしたが、必ずしも消去光を透過するものでなくてもよく、たとえば、線状抵抗体9をフォトレジストとIn2O3顔料とカーボンブラックとから形成するようにしてもよい。
また、上記実施形態は、放射線の照射を受けてその放射線を直接電荷に変換することにより放射線画像の記録を行う、いわゆる直接変換方式の放射斜線画像検出器に本発明を適用したものであるが、これに限らず、たとえば、放射線を一旦可視光に変換し、その可視光を電荷に変換することにより放射線画像の記録を行う、いわゆる間接変換方式の放射線画像検出器に本発明を適用するようにしてもよい。
また、放射線画像検出器の層構成は上記実施形態のような層構成に限らずその他の層を加えたりしてもよい。
1 第1の電極層
2 記録用光導電層
3 電荷輸送層
4 読取用光導電層(光導電層)
5 電荷対発生用電極
6 電荷対非発生用電極
7 第2の電極層
8 蓄電部
9 線状抵抗体
10 放射線画像検出器
30 チャージアンプ
2 記録用光導電層
3 電荷輸送層
4 読取用光導電層(光導電層)
5 電荷対発生用電極
6 電荷対非発生用電極
7 第2の電極層
8 蓄電部
9 線状抵抗体
10 放射線画像検出器
30 チャージアンプ
Claims (5)
- 放射線画像を担持した記録用の電磁波の照射を受けて電荷を発生し、該発生した電荷を蓄積する電荷蓄積層と、読取光の照射により電荷を発生する光導電層と、前記読取光の照射に対して電荷対発生用の線状の電荷対発生電極と前記読取光の照射に対して電荷対非発生用の線状の電荷対非発生電極とが交互に多数配置された電極層とがこの順に積層された放射線画像検出器において、
前記電荷対非発生電極の長さ方向に延びる側端部に0.05s以上60s以下のリーク時定数を有する線状抵抗体が設けられていることを特徴とする放射線画像検出器。 - 放射線画像を担持した記録用の電磁波の照射を受けて電荷を発生し、該発生した電荷を蓄積する電荷蓄積層と、読取光の照射により電荷を発生する光導電層と、前記読取光の照射に対して電荷対発生用の線状の電荷対発生電極と前記読取光の照射に対して電荷対非発生用の線状の電荷対非発生電極とが交互に多数配置された電極層とがこの順に積層された放射線画像検出器であって、前記記録用の電磁波の照射によって前記放射線画像検出器に前記放射線画像を記録し、前記読取光の照射によって前記放射線画像検出器から前記放射線画像を読み取る放射線画像記録読取装置に用いられる放射線画像検出器において、
前記電荷対非発生電極の長さ方向に延びる側端部に下式を満たすリーク時定数τを有する線状抵抗体が設けられていることを特徴とする放射線画像検出器。
t≦τ≦3T
ただし、t:前記放射線画像記録読取装置による前記記録用の電磁波の照射時間
T:前記放射線画像記録読取装置による前記記録用の電磁波の照射間隔 - 前記線状抵抗体が、該線状抵抗体の長さ方向に延びる側端面が前記電荷発生用電極の長さ方向に延びる側端面と前記電荷非発生電極の長さ方向に延びる側端面との間に位置するような幅を有するものであることを特徴とする請求項1または2記載の放射線画像検出器。
- 前記電荷対非発生用電極が透明線状電極であり、
前記線状抵抗体が前記透明線状電極の長さ方向に延びる側端面および上面を被覆する、前記読取光に対して遮光性を有する線状遮光体であることを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載の放射線画像検出器。 - 前記放射線画像検出器が、消去光の照射によって前記読取り後に前記放射線画像検出器に残留した電荷が消去されるものであり、
前記線状抵抗体が、前記消去光に対して透過性を有するものであることを特徴とする請求項1から4いずれか1項記載の放射線画像検出器。
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JP2006311696A JP2008130668A (ja) | 2006-11-17 | 2006-11-17 | 放射線画像検出器 |
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2006
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