JP2008130636A - 超音波フリップチップ実装の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 半導体チップのバンプを狭ピッチとした場合でも位置ズレなどの不良を防止でき、高密度化した実装を高い信頼性で行うことができる超音波フリップチップ実装の製造方法を提供すること
【解決手段】 搬送路の回路基板2に対して、まずプラズマ照射により洗浄し(s1)、半導体チップ1を搭載させる(s2)。搭載アライメントにはバンプ11および端子21を認識マークとし、バンプ11の並び列両端と端子21の並び列両端との両者を整合させるように調節する。次に超音波振動を加えてバンプ11の接合を行い(s3)、半導体チップ1の搭載状態を検査し(s4)、バンプ部位へチップコート樹脂3の塗布を行い(s5)、次にその硬化を行い(s6)、充填状態を検査し(s7)、気泡の状態,搭載状態,ダメージ状態を検査し(s8)、電気的な接続を検査し(s9)、実装を完了する。
【選択図】 図1
【解決手段】 搬送路の回路基板2に対して、まずプラズマ照射により洗浄し(s1)、半導体チップ1を搭載させる(s2)。搭載アライメントにはバンプ11および端子21を認識マークとし、バンプ11の並び列両端と端子21の並び列両端との両者を整合させるように調節する。次に超音波振動を加えてバンプ11の接合を行い(s3)、半導体チップ1の搭載状態を検査し(s4)、バンプ部位へチップコート樹脂3の塗布を行い(s5)、次にその硬化を行い(s6)、充填状態を検査し(s7)、気泡の状態,搭載状態,ダメージ状態を検査し(s8)、電気的な接続を検査し(s9)、実装を完了する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、半導体チップのフリップチップ実装を超音波接合により行う超音波フリップチップ実装の製造方法に関するもので、より具体的には、超音波接合によるフリップチップ実装のための各工程について製造条件の改良に関する。
近年、電子機器の薄型,軽量,高機能化により、これを構成する電子部品について高密度実装の要求がある。そうした中で、半導体チップ(ベアチップ)を回路基板に直接実装するフリップチップ実装の技術が注目になっており、フリップチップ実装について各種の工法が提案されている。
フリップチップ実装は、半導体チップに設けたバンプを回路基板の端子へ対面させて接合を行うが、バンプの電気接続には超音波振動により金属接合を得る工法、はんだバンプによりはんだぬれを得る工法、異方性導電膜(ACF:Anisotropic Conductive Film)により物理的接触を得る工法などがある。
各工法を比較すると、一長一短はあるものの超音波振動による工法が高密度実装の要求にメリットが多いと言える。つまり、はんだバンプによる工法では、回路基板の温度は錫メッキ端子では400℃から500℃程度が必要であり、金端子では600℃程度の高温にする必要がある。その点、超音波振動による工法では150℃以下の低温度でよく温度劣化,工程の温度管理などの面で有利になる。また、ACFによる工法では温度は200℃程度で済むが、バンプを狭ピッチとした微細パターンの接合では、端子間がショートする不良が発生し、コストと時間もかかる。
超音波振動による工法では、まず回路基板をステージ上に吸着させて固定し、半導体チップに超音波振動を加えるとともに、所定の荷重を加えて接合を行う。このとき、超音波振動による接合の加速性を促進し、各部材のばらつき等の諸条件を吸収するため、回路基板を吸着させたステージおよび半導体チップを吸着させたヘッドには調温機能を持たせている。この条件下で半導体チップに超音波振動を加えると、回路基板の端子は金メッキ部分が再結晶化しながらバンプへ食い込んでいき、金属接合が完了する。
しかしながら、そうした超音波振動による工法では以下に示すような問題がある。
電子機器の開発が、いわゆるドッグイヤーと呼ばれるように極めて早く進められることから、高密度実装の要求レベルが急速に高くなってきており、半導体チップのバンプをより狭ピッチにすることが進められている。しかし、バンプが狭ピッチであると回路基板へ搭載した際に位置ズレを起こす不良があり、歩留まりが悪化することから改善策が求められている。
バンプのピッチが比較的に広い設定では、例えば40μm以上のピッチであれば、回路基板の認識マークと半導体チップの認識マークとの両者の認識により整合,位置合わせを行うことができ、搭載を完了できる。しかし、40μmピッチ以下となると、位置ズレが発生する問題がある。すなわち、40μm以下のピッチになると、回路基板の認識マークと端子との間の寸法バラツキに加えて、回路基板のエッチング仕上がりの公差、および半導体チップに設けたバンプの公差、さらにバンプと端子との総合的なピッチの差異など、寸法公差がより厳しくなる要因があり、バンプと端子との間で位置ズレを起こす問題が生じる。
この発明は上記した課題を解決するもので、その目的は、半導体チップのバンプを狭ピッチとした場合でも位置ズレなどの不良を防止でき、高密度化した実装を高い信頼性で行うことができる超音波フリップチップ実装の製造方法を提供することにある。
上記した目的を達成するために、本発明に係る超音波フリップチップ実装の製造方法は、半導体チップのフリップチップ実装を超音波接合により行う製造方法であって、大気圧或いは減圧においてプラズマ照射により洗浄を行うプラズマ洗浄工程と、半導体チップを回路基板へ搭載させて半導体チップのバンプと回路基板の端子とのアライメントを行う搭載アライメント工程と、超音波振動を加えてバンプの接合を行う超音波接合工程と、半導体チップの搭載状態を検査する搭載後検査工程と、半導体チップと回路基板との隙間へ充填させるためチップコート樹脂の塗布を行うチップコート樹脂塗布工程と、チップコート樹脂の硬化を行うチップコート樹脂硬化工程と、チップコート樹脂の充填状態を検査する第1外観検査工程と、チップコート樹脂の気泡の状態,半導体チップの搭載状態,バンプと端子とのダメージ状態を検査する第2外観検査工程と、バンプと端子との電気的な接続を検査する電気検査工程とを順次に行い、搭載アライメント工程はバンプおよび端子を認識マークとし、バンプの並び列両端と端子の並び列両端との両者を整合させるように調節を行う(請求項1)。
また、プラズマ洗浄工程は、放電電極から清浄エアや窒素Arあるいは窒素,酸素の混合ガスなどの活性種ガスを吹きつけつつプラズマ照射を行う照射方式を用い、放電電極の先端は回路基板との間隔を0.5mm以上から1.5mm以下とし、活性種ガスの流量は10リットル/min以上から60リットル/min以下とし、プラズマ照射の線速度は200mm/min以上から500mm/min以下とする設定を採る(請求項2)。
また、超音波接合工程は、回路基板を載せるステージの温度は40℃以上から80℃以下とし、超音波振動を行うヘッドの温度は80℃以上から400℃以下とし、ヘッドの超音波振動振幅値は0.5μm以上から4.0μm以下とし、超音波振動時間は0.3sec以上から1.3sec以下とし、超音波振動を開始するまでの0.2sec以上から0.5scc以下の間はヘッドにより10N以上から70N以下の圧力のみを加えて定圧力時間とし、当該定圧力時間が経過した後に、1バンプ当たり0.05Nから0.5Nとなる増加率でリニアに増加させ、このとき圧力増加とともに超音波振動を開始し、当該超音波振動の停止時には圧力の加圧も同時に停止させる(請求項3)。
また、チップコート樹脂塗布工程はニードル付きシリンジによる塗布作業を2回行い、第1の塗布作業ではニードルの直径はφ0.2以上からφ0.4以下とし、ステージ温度は80℃以上から100℃以下とし、ニードル付きシリンジによる塗布線速度は20mm/sec以上から40mm/sec以下とし、塗布圧力は200kpa以上から400kpa以下として作業し、第2の塗布作業ではニードルの直径はφ0.2以上からφ0.4以下とし、ステージ温度は90℃以上から110℃以下とし、ニードル付きシリンジによる塗布線速度は40mm/sec以上から60mm/sec以下とし、塗布圧力は100kpa以上から300kpa以下として作業する(請求項4)。
また、チップコート樹脂硬化工程は仮硬化作業に続いて本硬化作業を行い、仮硬化作業では温度は180℃以上から220℃以下とし、仮硬化時間は20sec以上から200sec以下とし、塗布した前記チップコート樹脂の表面にタック性を持たせて仮硬化状態とし、リールに巻き取った後に、続く本硬化作業では温度は150℃以上から180℃以下とし、本硬化時間は45分から120分として作業する(請求項5)。
また、チップコート樹脂硬化工程は連続炉に通す加熱作業を行い、非接触の場合非接触とする間隔は0.2mm以上から1.0mm以下とし、加熱温度は160℃以上から200℃以下とし、加熱時間は15分以上から60分以下として作業する(請求項6)。もちろん、接触して加熱してもよい。
また、第1外観検査工程は、実体顕微鏡にミラー反転機能を備えて接眼レンズにより肉眼で検査を行い(請求項7)、第2外観検査工程は、金属顕微鏡にミラー反転機能を備えて接眼レンズにより肉眼で検査を行う(請求項8)。
また、第1外観検査工程およびあるいは第2外観検査工程は、CCDカメラおよびビデオモニタを備えて撮像画像を画像処理することにより検査を行う(請求項9)。
また、電気検査工程は、回路基板に設けたアウタリードの入力側端子および出力側端子へプローブをそれぞれコンタクトさせ、入力側端子について電気的なショート状態あるいはオープン状態の検出を行い、そして入力側端子へ駆動電圧を加えて、出力側端子について電流値による電気的なショート状態あるいはオープン状態の検出を行い、さらに出力側端子の全てに対して電流値,電圧値を検出することによりログデータの集計を行う(請求項10)。
また、プラズマ洗浄工程と、搭載アライメント工程と、超音波接合工程と、搭載後検査工程と、チップコート樹脂塗布工程と、チップコート樹脂硬化工程と、第1外観検査工程と、第2外観検査工程と、電気検査工程とは、インライン式に連続化して処理を行うこともよく(請求項11)、あるいはまたバッチ式に独立化して処理を行うこともよい(請求項12)。
また、第1外観検査工程およびあるいは第2外観検査工程およびあるいは電気検査工程において、回路基板の供給はリール供給あるいはシート供給あるいは個別供給により供給し、各検査工程はインライン式に連続化して処理を行い、あるいはバッチ式に独立化して処理を行うこともよい(請求項13)。
したがって本発明では、搭載アライメント工程において、半導体チップのバンプおよび回路基板の端子の並び列そのものを認識マークとし、バンプの並び列両端と端子の並び列両端との両者を整合させるように調節するので、位置合わせを適正に行うことができ、搭載位置の精度を高く得ることができる。必要に応じてアライメントマークを用いてもよい。
また、プラズマ洗浄工程と、搭載アライメント工程と、超音波接合工程と、搭載後検査工程と、チップコート樹脂塗布工程と、チップコート樹脂硬化工程と、第1外観検査工程と、第2外観検査工程と、電気検査工程との各工程はそれぞれ適切な製造条件により行う構成になっているので、各工程をそれぞれ最適条件により行うことができる。
本発明に係る超音波フリップチップ実装の製造方法では、搭載アライメント工程において、半導体チップのバンプの並び列両端と、回路基板の端子の並び列両端との両者を整合させるように調節するので、位置合わせを適正に行うことができ、搭載位置の精度を高く得ることができる。したがって、半導体チップのバンプを狭ピッチとした場合でも位置ズレなどの不良を防止でき、その結果、高密度化した実装を高い信頼性で行うことができる。
また、プラズマ洗浄工程と、搭載アライメント工程と、超音波接合工程と、搭載後検査工程と、チップコート樹脂塗布工程と、チップコート樹脂硬化工程と、第1外観検査工程と、第2外観検査工程と、電気検査工程との各工程はそれぞれ最適条件により行うことができ、その結果、生産性の向上および歩留まりの向上が行える。
図1,図2は、本発明の好適な一実施の形態を示している。本実施形態において、超音波フリップチップ実装の製造ラインは、半導体チップ1のフリップチップ実装を超音波接合により行うようになっている。これには、大気圧においてプラズマ照射により洗浄を行う大気圧プラズマ洗浄工程s1と、半導体チップ1を回路基板2へ搭載させて半導体チップ1のバンプ11と回路基板2の端子21とのアライメントを行う搭載アライメント工程s2と、超音波振動を加えてバンプ11の接合を行う超音波接合工程s3と、半導体チップ1の搭載状態を検査する搭載後検査工程s4と、半導体チップ1と回路基板2との隙間へ充填させるためチップコート樹脂3の塗布を行うチップコート樹脂塗布工程s5と、チップコート樹脂3の硬化を行うチップコート樹脂硬化工程s6と、チップコート樹脂3の充填状態を検査する第1外観検査工程s7と、チップコート樹脂3の気泡の状態,半導体チップ1の搭載状態,バンプ11と端子21とのダメージ状態を検査する第2外観検査工程s8と、バンプ11と端子21との電気的な接続を検査する電気検査工程s9とを順次に行い、これらの各工程s1〜s9はそれぞれ適切な製造条件により行う構成になっている。プラズマ洗浄工程は直接式でもよい。また、本実施形態では、大気圧下で処理を行なう例を示しているが、減圧状態で行なってももちろん良い。
回路基板2には、FPC(Flexible Printed Circuit),ガラス,FR4(Flame Retardant Type 4),セラミックなどを想定しており、図1に示す製造ラインでは回路基板2はFPC基板になっている。この回路基板2はスタート側とエンド側とに配置したリール4,4へ巻き回してあり、スタート側リール4から繰り出してエンド側リール4に巻き取ることで当該製造ライン上を搬送させるようになっている。つまり、スタート側リール4から繰り出した回路基板2は、まず大気圧プラズマ洗浄工程s1へ送り込み、続いて搭載アライメント工程s2,超音波接合工程s3,搭載後検査工程s4,チップコート樹脂塗布工程s5,チップコート樹脂硬化工程s6,第1外観検査工程s7,第2外観検査工程s8,電気検査工程s9を順次に経由してエンド側リール4に巻き取る。
(大気圧プラズマ洗浄工程s1)
図3は大気圧プラズマ洗浄工程を示す側面図である。回路基板2の洗浄には、放電電極5から清浄エアや窒素Arあるいは窒素,酸素の混合ガスなどの活性種ガスを吹きつけつつプラズマ照射を行う間接型照射方式を用いる。放電電極5の先端は回路基板2との間隔Gを0.5mm以上から1.5mm以下とし、活性種ガスの流量は10リットル/min以上から60リットル/min以下とし、プラズマ照射の線速度は200mm/min以上から500mm/min以下とする設定を採る。
図3は大気圧プラズマ洗浄工程を示す側面図である。回路基板2の洗浄には、放電電極5から清浄エアや窒素Arあるいは窒素,酸素の混合ガスなどの活性種ガスを吹きつけつつプラズマ照射を行う間接型照射方式を用いる。放電電極5の先端は回路基板2との間隔Gを0.5mm以上から1.5mm以下とし、活性種ガスの流量は10リットル/min以上から60リットル/min以下とし、プラズマ照射の線速度は200mm/min以上から500mm/min以下とする設定を採る。
放電電極5により発生したプラズマは、活性種ガスに押し出されて回路基板2の表面へ照射する。このとき、放電電極5の先端は所定に離間させ、回路基板2の表面がプラズマ放電の空間から所定に離れる設定により、回路基板2が受ける電気的ダメージを低減するようにしている。
回路基板2に対する放電電極5の間隔Gは適正範囲に設定する必要がある。つまり、間隔Gが0.5mm以下では狭すぎとなり、回路基板2上に微少な突起,異物が存在すると、そこへプラズマ照射が集中してアーク放電へ転移し、回路基板2に対して大きなダメージを与える可能性がある。逆に間隔Gが1.5mm以上では、プラズマ照射が十分に与えられないため、洗浄効果が極端に低下する問題が生じる。したがって、間隔Gは0.5mm以上から1.5mm以下に設定することが好ましく、より好ましくは1.0mmが最適値でありプラズマ洗浄の効果を安定的に得ることができる。
活性種ガスの流量Lが少ないとき、例えば窒素ガスの流量Lが10リットル/min以下ではプラズマ照射が十分に与えられないため、洗浄効果が極端に低下するという問題が生じる。逆に流量Lが60リットル/min以上になると、洗浄効果は飽和することがわかっており、流量Lを過剰に増やす必要はない。したがって、窒素ガスの流量Lは10リットル/min以上から60リットル/min以下に設定することが好ましく、より好ましくは40リットル/minが最適値でありプラズマ洗浄の効果を安定的に得ることができる。
回路基板2の搬送速度Sが低速であるとき、例えば搬送速度Sが200mm/min以下では洗浄効果は定点照射と同等に飽和することがわかっており、搬送速度Sをむやみと低くする必要はない。逆に搬送速度Sが500mm/min以上の場合、洗浄効果が極端に低下するという問題が生じる。したがって、搬送速度Sは200mm/min以上から500mm/min以下に設定することが好ましく、より好ましくは300mm/minが最適値でありプラズマ洗浄の効果を安定的に得ることができる。
このように、大気圧においてプラズマ照射により洗浄を行うことでは、超音波接合工程において超音波接合の強度を安定化でき、チップコート樹脂塗布工程においてチップコート樹脂3の毛細管現象による流動性を向上でき、安定させることができる。
なお、プラズマ照射の方式は、ここでは活性種ガスによりプラズマを押し出す間接型照射の方式を採っているが、回路基板2を放電電極で挟み込む構成として直接にプラズマ照射を行う直接型照射の方式を採ることもよい。
(搭載アライメント工程s2)
図4は搭載アライメント工程を示す側面図である。半導体チップ1はヘッド6へ吸着させ、バンプ11側が下を向く姿勢とし、いわゆるフリップさせた状態に保持する。そして、回路基板2は裏側を吸着ステージ7に吸着させて保持し、半導体チップ1と回路基板2との間にはCCDカメラ8を配置し、回路基板2の端子21に対してバンプ11の位置を所定に位置合わせする。この位置合わせには、半導体チップ1,回路基板2それぞれに認識マークを設けて両者を整合させることもよいが、半導体チップ1のバンプ11および回路基板2の端子21の並び列そのものを認識マークとして利用することもできる。つまり、バンプ11および端子21の並び列について、最も狭ピッチな部位における各々長辺側の最両端を認識マークとし、両者を整合させるように調節することで位置合わせが行える。
図4は搭載アライメント工程を示す側面図である。半導体チップ1はヘッド6へ吸着させ、バンプ11側が下を向く姿勢とし、いわゆるフリップさせた状態に保持する。そして、回路基板2は裏側を吸着ステージ7に吸着させて保持し、半導体チップ1と回路基板2との間にはCCDカメラ8を配置し、回路基板2の端子21に対してバンプ11の位置を所定に位置合わせする。この位置合わせには、半導体チップ1,回路基板2それぞれに認識マークを設けて両者を整合させることもよいが、半導体チップ1のバンプ11および回路基板2の端子21の並び列そのものを認識マークとして利用することもできる。つまり、バンプ11および端子21の並び列について、最も狭ピッチな部位における各々長辺側の最両端を認識マークとし、両者を整合させるように調節することで位置合わせが行える。
半導体チップ1のバンプ11が38μmピッチのときは、L/Sは23/15μm、回路基板2の端子21のトップ幅は10μmの関係にあり、搭載位置の精度は理論上は3σ=6.5μmが必要となる。ところが、バンプ11,端子21それぞれの仕上がり寸法を見ると、バンプ11は1μm程度大きく、端子21の幅は3μm程度大きく仕上がっていることが多い。したがって、搭載位置の精度は検証したところ、3σ=5μm以下が最小限必要となる搭載のための能力となる。ここでL/SはLine&Spaceの略で、Lはバンプ幅、Sはバンプ間スペースである。
以上のことから、40μm以下の狭ピッチでの搭載には、半導体チップ1のバンプ11と回路基板2の端子21とをCCDカメラ7により撮像し、画像認識により整合,位置合わせを行うことが好ましく、その結果、搭載位置の精度を高く得ることができる。
(超音波接合工程s3)
図5は超音波接合工程を示す側面図である。この超音波接合工程では、まず図5(a)に示すように、超音波振動はまだ加えずに圧力だけを所定の時間加えて、続いて図5(b)に示すように、圧力は所定に加えつつ超音波振動を起動して接合を行う。このとき、圧力の加圧と超音波振動の起動は、時間軸で見て図6に示すようなプロファイルで行うことになる。
図5は超音波接合工程を示す側面図である。この超音波接合工程では、まず図5(a)に示すように、超音波振動はまだ加えずに圧力だけを所定の時間加えて、続いて図5(b)に示すように、圧力は所定に加えつつ超音波振動を起動して接合を行う。このとき、圧力の加圧と超音波振動の起動は、時間軸で見て図6に示すようなプロファイルで行うことになる。
バンプ11と端子21の表面には微少な凹凸があり、両者を単に突き合わせて接触させた状態では、超音波振動の伝達性が悪く良好な接合が行えない問題が起きる。そこで超音波振動による接合では、まずヘッド6側から圧力を加え(矢印ア)、第1設定圧力でこれを所定の時間保持する。あるいはまた第1設定圧力になるまでリニアに圧力を増していき、何れにしてもこの段階では超音波振動はまだ加えずに第1設定圧力だけを加える。この第1設定圧力は、ヘッド6(矢印ア)から半導体チップ1(矢印イ)へ伝達し、バンプ11(矢印ウ)から端子21へ伝わることになる。これにより、バンプ11と端子21との互いの表面の微妙な凹凸を緩和させてなじませることができ、接触面(界面)を良好な状態にする。
この第1設定圧力を保持する定圧時間が0.2sec以下では凹凸を緩和させることが不十分であり、バンプ11と端子21とが滑って位置ズレを起こし、さらにはバンプ11と端子21との界面の周辺に不要な力が加わり亀裂等のダメージが発生する。逆に定圧時間が0.5sec以上では位置ズレが飽和状態になり、このため定圧時間をむやみと長くする必要はない。したがって、定圧時間は0.25sec以上から0.5sec以下に設定することが好ましく、より好ましくは0.4secが最適値と言える。定圧時間における圧力は、所定圧力へ向けてリニアに増加していけばよいが、ステップ状に段階的に増加していくこともよい。
また、保持する第1設定圧力は10N以下ではバンプ11と端子21とが滑る問題がある。逆に第1設定圧力が70N以上ではバンプ11が変形してしまうことがある。したがって、第1設定圧力は30N以上から70N以下に設定することが好ましく、より好ましくは50Nが最適値と言える。
次に到達荷重まで圧力をリニアに増加し、この圧力は図5(b)に示すように、半導体チップ1(矢印イ)からバンプ11(矢印ウ)を経て端子21へ伝わり、このとき同時に超音波振動を起動し、超音波振動は所定率で振幅を増していき所定の時間でピーク振幅まで到達させる。したがって、超音波振動はヘッド6(矢印エ)から半導体チップ1(矢印オ)へ伝達し、バンプ11(矢印カ)から端子21との界面へ伝わることになる。
超音波振動は、所定の振幅値までの立ち上がり時間を0.1sccから0.4secとし、到達した所定の振幅値を所定時間だけ加える。ここで注意点は、ヘッド6の表面に樹脂等によるコーティングを有した構成では、そのコーティング材が半導体チップ1の表面に転写してしまう問題があり、超音波振動の立ち上がり時間は長いほど転写が少ないことがわかっている。また、到達荷重まで圧力を増加させる方式は、所定の時間内にリニアに増加させる上記したような方式には限らない。
ヘッド6の超音波振動は所定時間の後に停止し、これと同時に圧力の加圧も停止させる。ここに、バンプ11と端子21との界面では超音波振動によりメッキ部分が再結晶化し、このため端子21がバンプ11に対して食い込んでいき、両者の接合が所定の強度で完了する。端子21の食い込み量は最大でも0.5μmとすることが適切であり、食い込み量が0.5μmを超えた接合ではバンプ11が変形を起こし、隣接する端子21との接触が発生する。
この超音波振動による接合では接合部位の温度管理が重要となり、このため、半導体チップ1を吸着させるヘッド6の温度、および回路基板2を吸着させる吸着ステージ7の温度を適切に管理することになる。
ヘッド6の温度が80℃以下では、接合が所定強度に達するまでの時間(接合時間)が長くなるという問題が生じる。逆にヘッド6の温度が400℃以上では接合時間は飽和することがわかっており、ヘッド6の温度をむやみと上げる必要はない。したがって、ヘッド6の温度は80℃以上から400℃以下に設定することが好ましく、より好ましくは180℃が最適値であり超音波接合の効果を安定的に得ることができる。また、250℃から400℃の高温領域では金と錫の超音波接合が行える。
吸着ステージ7の温度は、ヘッド6による加熱を保持することが目的であり、このため上限はヘッド6の温度以下となる。また下限は常温以上とすることがよい。したがって、吸着ステージ7の温度は40℃以上から80℃以下に設定することが好ましく、より好ましくは60℃程度が最適値と言える。
例えばヘッド温度を180℃と設定した本発明の場合、以下の式より吸着ステージの温度設計が出来る。すなわち、FPC、ICの部材により膨張係数は異なるため、それぞれに於いて個別な条件設定となる。一例としてFPCの膨張係数が16ppm/℃、ICの膨張係数が3.5ppm/℃の部材でヘッド温度、吸着ステージ温度の試算例を示す。
試算では、ヘッド温度180℃で実装を行う場合の最適なステージ温度は58℃と算出でき(接合後の保管を常温(25℃)で行なう)、装置での設定値は60℃とすることが出来る。ヘッド温度を200℃に設定すれば、ステージ温度は68℃となるが、部材へのダメージを低減するため、実装状態の観察も含め180℃の低いヘッド設定とする。
αchip(Thead−T0)=αFPC(Tstage−T0)
Tstage=αFPC(Thead−T0)+T0
Thead:ヘッド温度
Tstage:ステージ温度
T0:接合後保管温度
αchip:チップ熱膨張率
αFPC:FPC熱膨張率
Tstage=αFPC(Thead−T0)+T0
Thead:ヘッド温度
Tstage:ステージ温度
T0:接合後保管温度
αchip:チップ熱膨張率
αFPC:FPC熱膨張率
(搭載後検査工程s4)
超音波振動による接合を完了した後は、バンプ11と端子21との接合状況を顕微鏡9により観察し、所定の位置に接合されているか否かを検査する。顕微鏡9には被写界深度の深いレンズ、例えば700倍から1000倍程度のレンズを使った金属顕微鏡を用い、そしてCCDカメラ8およびビデオモニタ81を備えて、モニタ画像により目視検査が容易に行える構成を採る。また、ビデオモニタ81は画像処理装置82と接続し、撮像画像を画像処理することにより検査を行うこともできる。
超音波振動による接合を完了した後は、バンプ11と端子21との接合状況を顕微鏡9により観察し、所定の位置に接合されているか否かを検査する。顕微鏡9には被写界深度の深いレンズ、例えば700倍から1000倍程度のレンズを使った金属顕微鏡を用い、そしてCCDカメラ8およびビデオモニタ81を備えて、モニタ画像により目視検査が容易に行える構成を採る。また、ビデオモニタ81は画像処理装置82と接続し、撮像画像を画像処理することにより検査を行うこともできる。
バンプ11と端子21との接合状況は、図7(a)に示すように、バンプ11に対してインナリードの端子21が略中央に位置しているのであれば正常な搭載状態と言える。
本発明では前述したように、バンプ11のピッチは40μm以下を想定しており、図7(b)に示すように、バンプ11と端子21との間で位置ズレがあった場合は、続く工程では不良品を製造することになるため、超音波接合工程の直後に、その接合状況の検査を行うことは極めて有効となり、位置ズレに関する情報を製造ラインにリアルタイムにフィードバックすることができ、不良率を低減できる。
(チップコート樹脂塗布工程s5)
図8(a),(b)および図9(a),(b)はチップコート樹脂塗布工程を示す側面図である。
図8(a),(b)および図9(a),(b)はチップコート樹脂塗布工程を示す側面図である。
チップコート樹脂塗布工程では、回路基板2はその裏面をヒータステージ12に吸着させて固定し、上方からニードル付きシリンジ13を所定位置にセットする。ヒータステージ12には吸着機能を備えており、チップコート樹脂3の塗布は2回行う方式を採っている。これは気泡の発生を防止し、半導体チップ1と回路基板2との隙間に対してチップコート樹脂3の充填を良好に行うため、2回の塗布作業を行うようにしている。塗布したチップコート樹脂3は、毛細管現象により半導体チップ1と回路基板2との隙間を流動し、その隙間全域に行き渡ることで当該接合部位を腐食等から保護する封止剤となる。
1回目の塗布作業s51は、図8(a)に示すように半導体チップ1の一方の長辺側からシリンジ13により行う。このとき、回路基板2にはヒータステージ12により所定の温度を加えるとともに、シリンジ13へも付設したヒータ14により所定の温度を加え、先端のニードル15からチップコート樹脂3を塗布した後にも回路基板2へは一定の時間以上の加熱をさらに加える。
チップコート樹脂3の塗布では、ヒータステージ12の温度,シリンジ13の塗布線速度および塗布圧力により気泡の発生が異なることがわかっている。
ヒータステージ12の温度が80℃以下ではチップコート樹脂3の流動性が低くて時間がかかり、気泡の抱き込みが発生する。逆にヒータステージ12の温度が100℃以上ではチップコート樹脂3の流動性が高くなり、今度は流動速度の差異による気泡の抱き込みが発生する。したがって、1回目の塗布作業ではヒータステージ12の温度は80℃以上から100℃以下に設定することが好ましく、より好ましくは85℃が最適値であり安定した塗布が行える。
ニードル付きシリンジ13の塗布線速度は20mm/sec以下ではコーナ部分にチップコート樹脂3の滞留が発生し、逆に塗布線速度が40mm/sec以上ではチップコート樹脂3が少ない部分が発生する。したがって、1回目の塗布作業ではシリンジ13の塗布線速度は20mm/scc以上から40mm/sec以下に設定することが好ましく、より好ましくは30mm/sccが最適値であり安定した塗布が行える。
塗布圧力は200kpa以下ではチップコート樹脂3が少ない部分が発生し、逆に塗布圧力が400kpa以上ではチップコート樹脂3が多すぎる部分が発生する。したがって、1回目の塗布作業では塗布圧力は200kpa以上から400kpa以下に設定することが好ましく、より好ましくは300kpaが最適値であり安定した塗布が行える。
ニードル15の直径はφ0.2以下ではチップコート樹脂3が目詰まりする現象が発生し、逆に直径がφ0.4以上ではチップコート樹脂3がたれる現象が発生する。したがって、1回目の塗布作業ではニードル15の直径はφ0.2以上からφ0.4以下に設定することが好ましく、より好ましくはφ0.3が最適値であり安定した塗布が行える。
1回目の塗布作業s51により塗布したチップコート樹脂3は、図8(b)に示すように、毛細管現象により時間とともに反対側の長辺側および隣接する短辺側へ流動して拡散し、気泡を追い出す作用となる。このため、1回目の塗布作業から2回目の塗布作業を開始するまでの時間管理が重要となり、気泡発生の防止に大きく影響する。この流動,拡散に係る時間は、半導体チップ1と対面する直下の回路基板2のパターン形状およびバンプ11の配列ピッチにより差異があるものの8scc以下では流動,拡散が不十分になることがわかっている。そこで、流動,拡散に係る時間として待機は8secが最適値であり、1回目の塗布作業を行ったヒータステージ12上で待機を行い、その際はヒータステージ12により温度を85℃に保つようにしている。これにより、毛細管現像による流動を加速させることができ、気泡の追い出しを十分に行うことができる。
次に、2回目の塗布作業s52は、図9(a)に示すように半導体チップ1の他方の長辺側からシリンジ13により行う。このとき、回路基板2にはヒータステージ12により所定の温度を加えるとともに、シリンジ13へも付設したヒータ14により所定の温度を加え、先端のニードル15からチップコート樹脂3を塗布した後にも回路基板2へは一定の時間以上の加熱をさらに加える。
2回目の塗布作業s52においては、ヒータステージ12の温度が95℃以下ではチップコート樹脂3の流動性が低く時間がかかり、フィレットが形成できない現象が発生する。逆にヒータステージ12の温度が105℃以上ではチップコート樹脂3の流動性が高くなり、やはりフィレットが形成できない現象が発生する。したがって、2回目の塗布作業s52ではヒータステージ12の温度は95℃以上から105℃以下に設定することが好ましく、より好ましくは98℃が最適値であり安定した塗布が行える。
ニードル付きシリンジ13の塗布線速度は40mm/sec以下ではコーナ部分にチップコート樹脂3の滞留が発生し、逆に塗布線速度が60mm/sec以上ではチップコート樹脂3が少ない部分が発生する。したがって、2回目の塗布作業ではシリンジ13の塗布線速度は40mm/scc以上から60mm/sec以下に設定することが好ましく、より好ましくは50mm/sccが最適値であり安定した塗布が行える。
塗布圧力は100kpa以下ではチップコート樹脂3が少ない部分が発生し、逆に塗布圧力が300kpa以上ではチップコート樹脂3が多すぎる部分が発生する。したがって、1回目の塗布作業では塗布圧力は100kpa以上から300kpa以下に設定することが好ましく、より好ましくは170kpaが最適値であり安定した塗布が行える。
ニードル15の直径はφ0.2以下ではチップコート樹脂3が目詰まりする現象が発生し、逆に直径がφ0.4以上ではチップコート樹脂3がたれる現象が発生する。したがって、1回目の塗布作業ではニードル15の直径はφ0.2以上からφ0.4以下に設定することが好ましく、より好ましくはφ0.3が最適値であり安定した塗布が行える。
このように、チップコート樹脂3の塗布は半導体チップ1の長辺両側それぞれについて行い、合計2回の作業により充填することから、気泡の抱き込みを防止でき、フィレットの形成も安定に行うことができる。
(チップコート樹脂硬化工程s6)
図10はチップコート樹脂硬化工程を示す側面図である。チップコート樹脂3の熱硬化には、搬送路の上下にヒータ16,16をそれぞれ備えて、それらヒータ16,16は回路基板2の表側の半導体チップ1と、裏側の回路パターンとは所定の間隔dを設定して接触させない配置とし、所定時間の加熱を行うために、いわゆる連続炉の構成を採っている。この場合、半導体チップ1,回路基板2にはヒータ16,16が接触しないので、硬化途中における位置ズレを防止でき、接合部位の破損事故を防ぐことができる。
図10はチップコート樹脂硬化工程を示す側面図である。チップコート樹脂3の熱硬化には、搬送路の上下にヒータ16,16をそれぞれ備えて、それらヒータ16,16は回路基板2の表側の半導体チップ1と、裏側の回路パターンとは所定の間隔dを設定して接触させない配置とし、所定時間の加熱を行うために、いわゆる連続炉の構成を採っている。この場合、半導体チップ1,回路基板2にはヒータ16,16が接触しないので、硬化途中における位置ズレを防止でき、接合部位の破損事故を防ぐことができる。
チップコート樹脂硬化工程は、まず仮硬化作業を行い、次に本硬化作業を行う2段階の工程としている。しかし、何れか一方のみを作業することでもよい。
仮硬化作業において、ヒータ16,16の温度が180℃以下ではチップコート樹脂3の表面にタック性を得ることができなく、逆にヒータ16,16の温度が220℃以上ではチップコート樹脂3が急加熱による昇華を起こすことがわかっている。したがって、仮硬化作業ではヒータ16,16の温度は180℃以上から220℃以下に設定することが好ましく、より好ましくは200℃が最適値であり安定した仮硬化が行える。
仮硬化の時間は10sec以下ではタック性を得ることができなく、逆に仮硬化の時間が40scc以上ではタック性が飽和することがわかっている。したがって、仮硬化の時間は10scc以上から40sc以下に設定することが好ましく、より好ましくは30sccが最適値であり安定した仮硬化が行える。
この仮硬化作業により、チップコート樹脂3の表面にタック性を持たせることができ、製造ラインの搬送距離を短くすることができ、リール4への巻き取りが行える状態にできる。
回路基板2は仮硬化作業においてリール4へ巻き取るので、次にそのリール4に対して本硬化作業を行う。この本硬化作業において、ヒータの温度はチップコート樹脂3の特性により150℃以上から180℃以下に設定することが好ましく、より好ましくは160℃が最適値であり安定した本硬化が行える。本硬化の時間はリール4の熱伝導率で決まり、好ましくは60分が最適値と言える。
上記した仮硬化作業は行わずに、本硬化作業のみをインラインにより行うこともよい。このとき、チップコート樹脂3は未硬化の状態で搬送を行うため、本硬化作業はやはり非接触により加熱することになり、非接触とする所定の間隔dは、距離が小さいほど熱伝導が高くなる。間隔dが0.2mm以下では回路基板2の部分変形に接触してしまうことがあり、逆に間隔dが1mm以上では熱伝導が悪くなることがわかっている。したがって、間隔dは0.5mmが最適値と言える。
インラインの本硬化作業において、ヒータ16,16の温度はチップコート樹脂3の特性,熱伝導率で決まり、180℃程度に設定することが好ましい。同様に、本硬化の時間はチップコート樹脂3の特性,熱伝導率から検討すると30分程度に設定することが好ましい。
(第1外観検査工程s7)
チップコート樹脂3の硬化を完了した後は、そのチップコート樹脂3の外観を実体顕微鏡91により観察し、その充填状態、つまりチップコー卜樹脂3の充填が所定の範囲に行われているか否かを検査する。
チップコート樹脂3の硬化を完了した後は、そのチップコート樹脂3の外観を実体顕微鏡91により観察し、その充填状態、つまりチップコー卜樹脂3の充填が所定の範囲に行われているか否かを検査する。
実体顕微鏡91にはミラー反転機能を備えて接眼レンズにより肉眼で検査を行う構成とし、さらにCCDカメラ8およびビデオモニタ81を備えて、モニタ画像により目視検査が容易に行える構成を採る。また、ビデオモニタ81は画像処理装置82と接続し、撮像画像を画像処理することにより検査を行うこともできる。
(第2外観検査工程s8)
次に、チップコート樹脂3の内部について金属顕微鏡92により観察し、チップコート樹脂3の気泡の状態,半導体チップ1の搭載状態,バンプ11と端子21とのダメージ状態を検査する。すなわち検査は、半導体チップ1の接合側領域について、許容値以上の気泡が有るか否か、バンプ11の変形が有るか否か、端子21の変形が有るか否かの判定を行う。
次に、チップコート樹脂3の内部について金属顕微鏡92により観察し、チップコート樹脂3の気泡の状態,半導体チップ1の搭載状態,バンプ11と端子21とのダメージ状態を検査する。すなわち検査は、半導体チップ1の接合側領域について、許容値以上の気泡が有るか否か、バンプ11の変形が有るか否か、端子21の変形が有るか否かの判定を行う。
金属顕微鏡92にはミラー反転機能を備えて接眼レンズにより肉眼で検査を行う構成とし、さらにCCDカメラ8およびビデオモニタ81を備えて、モニタ画像により目視検査が容易に行える構成を採る。また、ビデオモニタ81は画像処理装置82と接続し、撮像画像を画像処理することにより検査を行うこともできる。
(電気検査工程s9)
図11は電気検査工程を示す側面図である。
図11は電気検査工程を示す側面図である。
超音波接合による接合部位は、最終的には電気的な状態について検査を行う必要がある。これには通電テストでの検出を行い、搭載済の半導体チップ1へ電圧を加えて駆動し、入力,出力の電気信号を検査することにしている。
電気検査を行うには、図11に示すように、回路基板2に設けたアウタリードの入力側端子21および出力側端子21へプローブ17をそれぞれコンタクトさせ、入力側端子21について電気的なショート状態あるいはオープン状態の検出を行う。
次に、入力側端子21へ駆動電圧を加えて、出力側端子21について電流値による電気的なショート状態あるいはオープン状態の検出を行い、さらに出力側端子21の全てに対して電流値,電圧値を検出することによりログデータの集計を行う。
プローブ17は、ピン18がスプリングによって相手側へ圧力を加えるような構造を有するピンタイプのものとし、したがって、アウタリードの端子21の並び面の微少な凹凸を吸収でき、端子21の並び列全てに対して良好なコンタクトが行えるようになっている。このプローブ17のセットアップは、まずCCDカメラで回路基板2の端子21を撮像し、画像処理によりピン18の並び列について位置調整を行い、ピン位置の調整が完了したプローブ17を回路基板2へ向けて対面させ、ピン18の並び列をアウタリードの端子21の並び列へコンタクトさせる。
以上の各工程は独立したバッジ式に分割し、それらを順次に実行する構成にすることもよいが、生産性を上げるには一連の製造工程はインライン化することが好ましい。
製造工程は、生産する回路基板2の仕様に応じて構成を変更することになるが、一般的にはガラス基板,FR4基板,セラミック基板といった個別基板には、バッチ式による構成とすることが好ましく、FPC基板のようにリール形態のものにはインラインによる構成とすることが好ましい。
以上説明したように、本発明では搭載アライメント工程s2において、半導体チップ1のバンプ11および回路基板2の端子21の並び列そのものを認識マークとし、バンプ11の並び列両端と端子21の並び列両端との両者を整合させるように調節するので、位置合わせを適正に行うことができ、搭載位置の精度を高く得ることができる。したがって、半導体チップ1のバンプ11を狭ピッチとした場合でも位置ズレなどの不良を防止でき、その結果、高密度化した実装を高い信頼性で行うことができる。
また、大気圧プラズマ洗浄工程s1と、搭載アライメント工程s2と、超音波接合工程s3と、搭載後検査工程s4と、チップコート樹脂塗布工程s5と、チップコート樹脂硬化工程s6と、第1外観検査工程s7と、第2外観検査工程s8と、電気検査工程s9との各工程s1〜s9はそれぞれ適切な製造条件により行う構成になっているので、各工程をそれぞれ最適条件により行うことができ、生産性の向上および歩留まりの向上が行える。
1 半導体チップ
11 バンプ
2 回路基板
21 端子
3 チップコート樹脂
4 リール
5 放電電極
6 ヘッド
7 吸着ステージ
8 CCDカメラ
81 ビデオモニタ
82 画像処理装置
9 顕微鏡
91 実体顕微鏡
92 金属顕微鏡
12 ヒータステージ
13 ニードル付きシリンジ
14,16 ヒータ
15 ニードル
17 プローブ
18 ピン
11 バンプ
2 回路基板
21 端子
3 チップコート樹脂
4 リール
5 放電電極
6 ヘッド
7 吸着ステージ
8 CCDカメラ
81 ビデオモニタ
82 画像処理装置
9 顕微鏡
91 実体顕微鏡
92 金属顕微鏡
12 ヒータステージ
13 ニードル付きシリンジ
14,16 ヒータ
15 ニードル
17 プローブ
18 ピン
Claims (13)
- 半導体チップのフリップチップ実装を超音波接合により行う超音波フリップチップ実装の製造方法であって、
大気圧或いは減圧においてプラズマ照射により洗浄を行うプラズマ洗浄工程と、前記半導体チップを回路基板へ搭載させて前記半導体チップのバンプと前記回路基板の端子とのアライメントを行う搭載アライメント工程と、超音波振動を加えて前記バンプの接合を行う超音波接合工程と、前記半導体チップの搭載状態を検査する搭載後検査工程と、前記半導体チップと前記回路基板との隙間へ充填させるためチップコート樹脂の塗布を行うチップコート樹脂塗布工程と、前記チップコート樹脂の硬化を行うチップコート樹脂硬化工程と、前記チップコート樹脂の充填状態を検査する第1外観検査工程と、前記チップコート樹脂の気泡の状態,前記半導体チップの搭載状態,前記バンプと前記端子とのダメージ状態を検査する第2外観検査工程と、前記バンプと前記端子との電気的な接続を検査する電気検査工程とを順次に行い、
前記搭載アライメント工程は前記バンプおよび前記端子を認識マークとし、前記バンプの並び列両端と前記端子の並び列両端との両者を整合させるように調節することを特徴とする超音波フリップチップ実装の製造方法。 - 前記プラズマ洗浄工程は、放電電極から清浄エアやAr(アルゴン),窒素あるいは窒素,酸素の混合ガスなどの活性種ガスを吹きつけつつプラズマ照射を行う照射方式を用い、前記放電電極の先端は前記回路基板との間隔を0.5mm以上から1.5mm以下とし、前記活性種ガスの流量は10リットル/min以上から60リットル/min以下とし、前記プラズマ照射の線速度は200mm/min以上から500mm/min以下とすることを特徴とする請求項1に記載のフリップチップ実装の製造方法。
- 前記超音波接合工程は、前記回路基板を載せるステージの温度は40℃以上から80℃以下とし、超音波振動を行うヘッドの温度は80℃以上から400℃以下とし、前記ヘッドの超音波振動振幅値は0.5μm以上から4.0μm以下とし、超音波振動時間は0.3sec以上から1.3sec以下とし、超音波振動を開始するまでの0.2sec以上から0.5scc以下の間は前記ヘッドにより10N以上から70N以下の圧力のみを加えて定圧力時間とし、当該定圧力時間が経過した後に、前記半導体チップの1バンプ当たり0.05Nから0.5Nとなる増加率でリニアに増加させ、このとき圧力増加とともに超音波振動を開始し、当該超音波振動の停止時には圧力の加圧も同時に停止させることを特徴とする請求項1に記載のフリップチップ実装の製造方法。
- 前記チップコート樹脂塗布工程はニードル付きシリンジによる塗布作業を2回行い、第1の塗布作業では前記ニードルの直径はφ0.2以上からφ0.4以下とし、ステージ温度は80℃以上から100℃以下とし、前記ニードル付きシリンジによる塗布線速度は20mm/sec以上から40mm/sec以下とし、塗布圧力は200kpa以上から400kpa以下として作業し、第2の塗布作業では前記ニードルの直径はφ0.2以上からφ0.4以下とし、ステージ温度は90℃以上から110℃以下とし、前記ニードル付きシリンジによる塗布線速度は40mm/sec以上から60mm/sec以下とし、塗布圧力は100kpa以上から300kpa以下として作業することを特徴とする請求項1に記載のフリップチップ実装の製造方法。
- 前記チップコート樹脂硬化工程は仮硬化作業に続いて本硬化作業を行い、仮硬化作業では温度は180℃以上から220℃以下とし、仮硬化時間は20sec以上から200sec以下とし、塗布した前記チップコート樹脂の表面にタック性を持たせて仮硬化状態とし、リールに巻き取った後に、続く本硬化作業では温度は150℃以上から180℃以下とし、本硬化時間は45分から120分として作業することを特徴とする請求項1に記載のフリップチップ実装の製造方法。
- 前記チップコート樹脂硬化工程は連続炉に通す加熱作業を行い、非接触の場合非接触とする間隔は0.2mm以上から1.0mm以下とし、加熱温度は160℃以上から200℃以下とし、加熱時間は15分以上から60分以下として作業することを特徴とする請求項1に記載のフリップチップ実装の製造方法。
- 前記第1外観検査工程は、実体顕微鏡にミラー反転機能を備えて接眼レンズにより肉眼で検査を行うことを特徴とする請求項1に記載のフリップチップ実装の製造方法。
- 前記第2外観検査工程は、金属顕微鏡にミラー反転機能を備えて接眼レンズにより肉眼で検査を行うことを特徴とする請求項1に記載のフリップチップ実装の製造方法。
- 前記第1外観検査工程およびあるいは前記第2外観検査工程は、CCDカメラおよびビデオモニタを備えて撮像画像を画像処理することにより検査を行うことを特徴とする請求項7あるいは8の何れかに記載のフリップチップ実装の製造方法。
- 前記電気検査工程は、前記回路基板に設けたアウタリードの入力側端子および出力側端子へプローブをそれぞれコンタクトさせ、前記入力側端子について電気的なショート状態あるいはオープン状態の検出を行い、そして前記入力側端子へ駆動電圧を加えて、前記出力側端子について電流値による電気的なショート状態あるいはオープン状態の検出を行い、さらに前記出力側端子の全てに対して電流値,電圧値を検出することによりログデータの集計を行うことを特徴とする請求項1に記載のフリップチップ実装の製造方法。
- 前記プラズマ洗浄工程と、前記搭載アライメント工程と、前記超音波接合工程と、前記搭載後検査工程と、前記チップコート樹脂塗布工程と、前記チップコート樹脂硬化工程と、前記第1外観検査工程と、前記第2外観検査工程と、前記電気検査工程とは、インライン式に連続化して処理を行うことを特徴とする請求項1から10の何れかに記載のフリップチップ実装の製造方法。
- 前記プラズマ洗浄工程と、前記搭載アライメント工程と、前記超音波接合工程と、前記搭載後検査工程と、前記チップコート樹脂塗布工程と、前記チップコート樹脂硬化工程と、前記第1外観検査工程と、前記第2外観検査工程と、前記電気検査工程とは、バッチ式に独立化して処理を行うことを特徴とする請求項1から10の何れかに記載のフリップチップ実装の製造方法。
- 前記第1外観検査工程およびあるいは前記第2外観検査工程およびあるいは前記電気検査工程において、
前記回路基板の供給はFPCのようなリール供給あるいはシート供給あるいは個別基板供給により供給し、前記各検査工程はインライン式に連続化して処理を行い、あるいはバッチ式に独立化して処理を行うことを特徴とする請求項1から10の何れかに記載のフリップチップ実装の製造方法。
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-
2006
- 2006-11-17 JP JP2006311130A patent/JP2008130636A/ja active Pending
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