JP2008130357A - 燃料電池、燃料電池を構成するアッセンブリ、および、燃料電池を構成するシール一体部材 - Google Patents

燃料電池、燃料電池を構成するアッセンブリ、および、燃料電池を構成するシール一体部材 Download PDF

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Abstract

【課題】スタック構造の燃料電池においてクロスリークを抑制する。
【解決手段】複数個積層されることにより燃料電池を構成するアッセンブリは、セパレータと、積層部材と、シール部材とを備える。積層部材は、セパレータの一の側に配置された電解質膜と、電解質膜とセパレータとの間に配置された第1の拡散層と、電解質膜の第1の拡散層とは反対側に配置された第2の拡散層と、を少なくとも含む。シール部材は、セパレータの一の側の面における積層部材が配置された領域を囲む周囲領域に接着または密着していると共に積層部材の端部と一体化している支持部と、支持部上に形成され、積層されたときに積層方向に押圧されるリブと、を有する。支持部と一体化している積層部材の端部において、電解質膜と、第1の拡散層および前記第2の拡散層のうちの少なくとも一つとが、リブと積層方向に重なり合う。
【選択図】図5

Description

本発明は、燃料電池、燃料電池を構成するアッセンブリ、および、燃料電池を構成するシール一体部材に関する。
燃料電池、例えば、固体高分子型燃料電池は、電解質膜を挟んで対峙する2つの電極(燃料極と酸素極)にそれぞれ反応ガス(水素を含有する燃料ガスと酸素を含有する酸化ガス)を供給して電気化学反応を引き起こすことにより、物質の持つ化学エネルギを直接電気エネルギに変換する。かかる燃料電池の主要な構造として、略平板状の電解質膜を含む積層部材とセパレータとを交互に積層して、積層方向に締結する、いわゆるスタック構造のものが知られている。
ところで、上記スタック構造の燃料電池として、膜電極接合体を両面からガス拡散層で挟んでなる積層部材の端部にシール部材を一体成形する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
特開2002−42836号公報 国際公開WO02/001658号公報 特開2002−124276号公報 特開2006−216424号公報 特開2003−68319号公報 特開2005−327514号公報
しかしながら、上記従来技術では、一方の反応ガス(例えば、酸化ガス)が、電解質膜とシール部材との間を通って、他方の反応ガス(例えば、燃料ガス)と混合してしまう現象、いわゆるクロスリークを抑制する機能が十分であるとは言えなかった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、スタック構造の燃料電池においてクロスリークを抑制することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明の第1の態様は、複数個積層されることにより燃料電池を構成するアッセンブリを提供する。第1の態様に係るアッセンブリは、セパレータと、前記セパレータの一の側に配置された電解質膜と、前記電解質膜と前記セパレータとの間に配置された第1の拡散層と、前記電解質膜の前記第1の拡散層とは反対側に配置された第2の拡散層と、を少なくとも含む積層部材と、前記セパレータの一の側の面における前記積層部材が配置された領域を囲む周囲領域に接着または密着していると共に前記積層部材の端部と一体化している支持部と、前記支持部上に形成され、積層されたときに積層方向に押圧されるリブと、を有するシール部材と、を備え、前記支持部と一体化している前記積層部材の端部において、前記電解質膜と、前記第1の拡散層および前記第2の拡散層のうちの少なくとも一つとが、前記リブと積層方向に重なり合う。
第1の態様に係るアッセンブリによれば、積層時にリブに加えられる押圧力によりシール部材と拡散層との間、拡散層と電解質膜との間のシール性がそれぞれ確保される。この結果、上述したクロスリークを抑制することができる。また、シール部材成型時に拡散層が電解質膜を支持するので、精度良くシール材を成型できる。
第1の態様に係るアッセンブリにおいて、前記支持部と一体化している前記積層部材の端部において、前記第1の拡散層および前記第2の拡散層のうちのいずれか一つが、前記リブと積層方向に重なり合い、他の一つが前記リブと積層方向に重なり合わなくても良い。こうすれば、リブに加えられる押圧力により拡散層が電解質膜に突き刺さって第1の拡散層と第2の拡散層が短絡してしまうことを抑制することができる。
第1の態様に係るアッセンブリにおいて、前記支持部と一体化している前記積層部材の端部において、前記第1の拡散層が前記リブと積層方向に重なり合い、前記第2の拡散層が前記リブと積層方向に重なり合わなくても良い。こうすれば、リブ下のシール部材の量を確保してリブの変形量の低下を抑制できる。この結果、リブのシール性を向上することができる。
第1の態様に係るアッセンブリにおいて、前記第1の拡散層および前記第2の拡散層のうちの少なくとも一つには、前記リブと積層方向に重なり合う部分に、第1の貫通孔が設けられており、前記第1の貫通孔は、前記シール部材で埋められていても良い。こうすれば、リブ下のシール部材の量を確保してリブの変形量の低下を抑制できる。この結果、リブのシール性を向上することができる。
第1の態様に係るアッセンブリにおいて、前記電解質膜には、前記第1の貫通孔と積層方向に重なり合う部分に、第2の貫通孔が設けられており、前記第2の貫通孔は、前記シール部材で埋められていても良い。こうすれば、さらに、リブ下のシール部材の量を確保してリブの変形量の低下を抑制できる。この結果、リブのシール性をより向上することができる。
第1の態様に係るアッセンブリにおいて、前記第2の貫通孔の内壁は、積層方向から見て、前記第1の貫通孔の内壁より内側にはみ出していても良い。例えば、前記第1の貫通孔および第2の貫通孔は、積層方向から見て中心が重なり合う円型の孔であり、前記第2の貫通孔の内径は、前記第1の貫通孔の内径より小さくても良い。こうすれば、電解質膜の内壁のはみ出し部分によって、第1の拡散層と第2の拡散層との短絡を抑制することができる。
本発明の第2の態様は、セパレータを挟んで複数個積層されることにより燃料電池を構成するシール一体部材を提供する。第2の態様に係るシール一体部材は、電解質膜と、前記電解質膜の一の側に配置された第1の拡散層と、前記電解質膜の他の側に配置された第2の拡散層と、を少なくとも含む積層部材と、積層されたときに積層方向に押圧されるリブを有すると共に、前記積層部材の端部と一体化しているシール部材と、を備え、前記シール部材と一体化している前記積層部材の端部において、前記電解質膜と前記第1の拡散層と前記第2の拡散層が、前記リブと積層方向に重なり合う。
第2の態様に係るシール一体部材によれば、積層時にリブに加えられる押圧力によりシール部材と拡散層との間、拡散層と電解質膜との間のシール性がそれぞれ確保される。この結果、上述したクロスリークを抑制することができる。また、シール部材成型時に拡散層が電解質膜を支持するので、精度良くシール材を成型できる。
第2の態様に係るシール一体部材において、前記第1の拡散層および前記第2の拡散層には、前記リブと積層方向に重なり合う部分に、第1の貫通孔が設けられており、前記第1の貫通孔は、前記シール部材で埋められていても良い。こうすれば、リブ下のシール部材の量を確保してリブの変形量の低下を抑制できる。この結果、リブのシール性を向上することができる。
第2の態様に係るシール一体部材において、前記電解質膜には、前記第1の貫通孔と積層方向に重なり合う部分に、第2の貫通孔が設けられており、前記第2の貫通孔は、前記シール部材で埋められていても良い。こうすれば、さらにリブ下のシール部材の量を確保してリブの変形量の低下を抑制できる。この結果、リブのシール性をより向上することができる。
第2の態様に係るシール一体部材において、前記第2の貫通孔の内壁は、積層方向から見て、前記第1の貫通孔の内壁より内側にはみ出していても良い。例えば、前記第1の貫通孔および第2の貫通孔は、積層方向から見て中心が重なり合う円型の孔であり、前記第2の貫通孔の内径は、前記第1の貫通孔の内径より小さくても良い。こうすれば、電解質膜の内壁のはみ出し部分によって、第1の拡散層と第2の拡散層との短絡を抑制することができる。
本発明は、この他にも、上記第1の態様に係るアッセンブリを複数個積層して構成された燃料電池、あるいは、上記第2の態様に係るシール一体部材を、セパレータを挟んで複数個積層して構成された燃料電池を始めとして、種々の態様にて実現され得る。
以下、燃料電池、燃料電池を構成するアッセンブリ、および、燃料電池を構成するシール一体部材について、図面を参照しつつ、実施例に基づいて説明する。
A.第1実施例:
・燃料電池の構成
本発明の第1実施例に係る燃料電池の概略構成について説明する。図1および図2は、第1実施例における燃料電池の構成を示す説明図である。図3は第1実施例における燃料電池の製造ステップを示すフローチャートである。
図1および図2に示すように、燃料電池100は、アッセンブリ200が複数個積層された構造(いわゆるスタック構造)を有している。図3に示すように、燃料電池100は、アッセンブリ200を所定枚数積層し(ステップS102)、積層されたアッセンブリ200を積層方向に所定の締結力を負荷するように締結する(ステップS104)ことにより、製造される。
図1に示すように、燃料電池100には、酸化ガスが供給される酸化ガス供給マニホールド110と、酸化ガスを排出する酸化ガス排出マニホールド120と、燃料ガスが供給される燃料ガス供給マニホールド130と、燃料ガスを排出する燃料ガス排出マニホールド140と、冷却媒体を供給する冷却媒体供給マニホールド150と、冷却媒体を排出する冷却媒体排出マニホールド160と、が設けられている。なお、酸化ガスとしては空気が一般的に用いられ、燃料ガスとしては水素が一般的に用いられる。また、酸化ガス、燃料ガスは共に反応ガスとも呼ばれる。冷却媒体としては、水、エチレングリコール等の不凍水、空気等を用いることができる。
図2に加えて、図4および図5を参照しながら、アッセンブリ200の構成について説明する。図2には、アッセンブリ200の側面図が示されている。図4は、アッセンブリ200の正面図(図2における右側から見た図)を示す図である。図5は、図4におけるA−A断面を示す断面図である。
図2、図4、図5に示すように、アッセンブリ200は、セパレータ600と、積層部材800と、シール部材700とから構成されている。
先ず、セパレータ600の構成を簡単に説明する。セパレータ600は、アノードプレート300と、カソードプレート400と、中間プレート500から構成されている。
図6〜図8は、カソードプレート400(図6)、アノードプレート300(図7)、中間プレート500(図8)の形状をそれぞれ示す説明図である。図6、図7、図8は、各プレート400、300、500を図2の右側から見た様子を示している。図6〜図8において、各プレート300、400、500の中央部に破線で示す領域DAは、アッセンブリ200において、上述した積層部材800のうち最も小さな部材である多孔体840、850(後述)に対応する領域であり、実際に発電が行われる領域(以下、発電領域DAという。)である。
カソードプレート400は、例えば、ステンレス鋼で形成されている。カソードプレート400は、6個のマニホールド形成部422〜432と、酸化ガス供給スリット440と、酸化ガス排出スリット444と、を備えている。マニホールド形成部422〜432は、燃料電池100を構成する際に上述した各種マニホールドを形成するための貫通部であり、発電領域DAの外側にそれぞれ設けられている。酸化ガス供給スリット440は、発電領域DAの端部(図6における上端部)に配置されている。酸化ガス排出スリット444は、発電領域DAの端部(図6における下端部)に、並んで配置されている。
アノードプレート300は、カソードプレート400同様、例えば、ステンレス鋼で形成されている。アノードプレート300は、カソードプレート400同様、6個のマニホールド形成部322〜332と、燃料ガス供給スリット350と、燃料ガス排出スリット354と、を備えている。マニホールド形成部322〜332は、燃料電池100を構成する際に上述した各種マニホールドを形成するための貫通部であり、カソードプレート400と同様に、発電領域DAの外側にそれぞれ設けられている。燃料ガス供給スリット350は、発電領域DAの端部(図7における下端部)に、セパレータ600を構成した際にカソードプレート400における上述した酸化ガス排出スリット444と重ならないように配置されている。燃料ガス排出スリット354は、発電領域DAの端部(図7における上端部)に、セパレータ600を構成した際にカソードプレート400における上述した酸化ガス供給スリット440と重ならないように配置されている。
中間プレート500は、上述の各プレート300、400同様、例えば、ステンレス鋼で形成されている。中間プレート500は、厚さ方向に貫通する貫通部として、反応ガス(酸化ガスまたは燃料ガス)を供給/排出のための4つのマニホールド形成部522〜528と、供給流路形成部542、546および排出流路形成部544、548を備えている。中間プレート500は、さらに、複数の冷却媒体流路形成部550を備えている。マニホールド形成部522〜528は、燃料電池100を構成する際に上述した各種マニホールドを形成するための貫通部であり、カソードプレート400、アノードプレート300と同様に、発電領域DAの外側にそれぞれ設けられている。
各冷却媒体流路形成部550は、発電領域DAを図8における左右方向に横断する長孔形状を有しており、その両端は、発電領域DAの外側に至っている。冷却媒体流路形成部550は、図8における上下方向に、所定間隔をあけて並設されている。
反応ガスの供給流路形成部542、546と排出流路形成部544、548は、それぞれ対応するマニホールド形成部522〜528と一端が連通している。これらの流路形成部542〜548の他端は、3つのプレートを接合した際に、それぞれ対応するガス供給/排出スリット350、354、440、444と連通する。
図9は、セパレータの正面図である。セパレータ600は、上述したアノードプレート300およびカソードプレート400を、中間プレート500を挟持するように中間プレート500の両側にそれぞれ接合し、中間プレート500における冷却媒体供給マニホールド150および冷却媒体排出マニホールド160に対応する領域に露出している部分を打ち抜いて作製される。3枚のプレートの接合方法は、例えば、熱圧着、ろう付け、溶接などが用いられ得る。この結果、図9においてハッチングで示す貫通部である6つのマニホールド110〜160と、酸化ガス供給流路650と、酸化ガス排出流路660と、燃料ガス供給流路630と、燃料ガス排出流路640と、冷却媒体流路670とを備えたセパレータ600が得られる。
図2、図4、図5に戻って、アッセンブリ200の説明を続ける。図2に示すように、上述したセパレータ600のカソードプレート400側の面における発電領域DAに、カソード側多孔体850が重なるように、積層部材800が配置され、同じ面における発電領域DAを囲む外側の領域(以下、周囲領域という。)にシール部材700が配置されている。積層部材800は、図5に示すように、電解質膜810と、電解質膜810のアノード側の面に接して配置されたアノード側拡散層820と、電解質膜810のカソード側の面に接して配置されたカソード側拡散層830と、アノード側多孔体840と、カソード側多孔体850と、から構成されている。アノード側多孔体840は、電解質膜810のアノード側にアノード側拡散層820を挟んで配置され、カソード側多孔体850は、電解質膜810のカソード側にカソード側拡散層830を挟んで配置されている。カソード側多孔体850は、セパレータ600の発電領域DAに接触している。アノード側多孔体840は、複数のアッセンブリ200を積層して燃料電池100を構成した際に、他のアッセンブリ200のセパレータ600のアノードプレート300側の面に接触する。
アノード側多孔体840およびカソード側多孔体850は、金属多孔体などのガス拡散性および導電性を有する多孔質の材料で形成されている。アノード側多孔体840およびカソード側多孔体850は、上述したアノード側拡散層820およびカソード側拡散層830より空孔率が高く、内部におけるガスの流動抵抗がアノード側拡散層820およびカソード側拡散層830より低いものが用いられ、後述するように反応ガスが流動するための流路として機能する。アノード側多孔体840およびカソード側多孔体850は、上述した発電領域DAに対応した大きさを有している。
アノード側拡散層820およびカソード側拡散層830は、例えば、炭素繊維からなる糸で織成したカーボンクロス、あるいはカーボンペーパまたはカーボンフェルトによって形成される。図4に示すように、アノード側拡散層820は、アノード側多孔体840およびカソード側多孔体850より、上下方向、左右方向ともに大きい。カソード側拡散層830は、アノード側拡散層820より、上下方向、左右方向ともに、さらに僅かに大きい。図4には、アノード側拡散層820およびカソード側拡散層830の外周端が破線でそれぞれ示されている。
電解質膜810は、図4においてその外周端を破線で示すようにカソード側拡散層830と、ほぼ同じ大きさを有している。以上説明したように、アノード側拡散層820、カソード側拡散層830、電解質膜810は、アノード側多孔体840、カソード側多孔体850より、上下方向、左右方向ともに大きい。そのため、アノード側拡散層820、カソード側拡散層830、電解質膜810は、多孔体840、850と積層されたときに、その外周端近傍が多孔体840、850の外周端より外側にはみ出している(図4、5)。アノード側拡散層820、カソード側拡散層830、電解質膜810において、多孔体840、850の外周端より外側にはみ出している部分を、それぞれの周縁部と呼ぶ。
電解質膜810は、例えばフッ素系樹脂材料あるいは炭化水素系樹脂材料で形成され湿潤状態において良好なイオン導電性を有するイオン交換膜である。電解質膜810は、上述したセパレータ600の発電領域DAに対応する領域、すなわち、上述した周縁部より内側の領域の両側の表面に触媒層が塗布されている(触媒層の図示は省略)。触媒層は、例えば、白金または白金と他の金属からなる合金を含んでいる。
シール部材700は、支持部710と支持部710の上部に形成されたリブ720a、700bとを備えている。シール部材700は、ガス不透性と弾力性と燃料電池の運転温度域における耐熱性とを有する材料、例えば、ゴムやエラストマーなどの弾性部材よって形成される。具体的には、シリコン系ゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、天然ゴム、フッ素系ゴム、エチレン・プロピレン系ゴム、スチレン系エラストマー、フッ素系エラストマーなどが用いられ得る。
シール部材700の支持部710は、セパレータ600のカソードプレート400側の面における上述した周囲領域の全体に接触している(図4、図5)。シール部材700の支持部710とセパレータ600のカソードプレート400側の面との接触面SU(図5:太線)は、所定の結合力で接着されている。
ここで所定の結合力は、アッセンブリ200が積層・締結されていない状態、すなわち、積層方向の負荷がかけられていない状態における結合力である。所定の結合力は、図5において細い矢印で示すように燃料電池の運転中に想定される流体の圧力がシール部材700に負荷された場合に、シール部材700がセパレータ600のカソードプレート400側の面に対して、接触面SUに沿った方向にずれない結合力である。燃料電池の運転中に想定される流体の圧力としては、マニホールド110〜160内における燃料ガス圧、酸化ガス圧、冷却媒体の圧力、および、カソード側拡散層830およびカソード側多孔体850に供給された酸化ガスの圧力、アノード側拡散層820およびアノード側多孔体840に供給された燃料ガスの圧力がある。
所定の結合力は、想定される最大の流体の圧力を基準に決定されることが好ましい。例えば、燃料電池が高負荷で運転されているときほど、酸化ガス、燃料ガス、冷却媒体ともに圧力が大きくなる。また、流体が流動すると、圧力損失が発生するので、流動経路の上流側(入口側)のほうが、下流側(出口側)より圧力が高い。また、酸化ガスに空気を使用する場合は、電気化学反応に用いられる酸素は空気内に約20%しか含まれていないことから、十分な酸素をカソードに供給するために酸化ガスを高圧で供給する場合が多い。さらに、酸化ガスの流れを利用して生成水を外部に排出しようとする場合にも、効率良く生成水を排出するために酸化ガスを高圧で供給する場合が多い。したがって、かかる場合には、高負荷運転時における酸化ガスの流動経路の上流側(酸化ガス供給マニホールド110近傍)の圧力を基準として、かかる圧力に対してずれが生じないように接触面SUの結合力が決定される。
具体的には、接触面SUの結合力は、シールラインの単位長さあたり0.01N/mm(ニュートン毎ミリメートル)以上であることが好ましく、0.6N/mm以上であることがさらに好ましい。
リブ720a、720bは、図4に示すように、発電領域DA(図4では、アノード側多孔体840が配置されている領域に対応)の全周を取り囲むと共に、各マニホールド110〜160の全周を取り囲むように形成されている。リブ720a、720bは、アッセンブリ200が積層・締結され、燃料電池100が構成されるときに、他のアッセンブリ200のセパレータ600のアノード側の面に接触し、積層方向に押圧される(図5:黒塗りおよび白抜きの太い矢印)。リブ720aとリブ720bは、図4に示すように、互いに分離しているわけではなく、互いに繋がっているが、本明細書では、リブ全体のうち、発電領域DAの全周を取り囲む部分をリブ720aとし、それ以外の部分、すなわち、各マニホールド110〜160のみを取り囲む部分をリブ720bとする。以下、本明細書において、明確に区別するため、発電領域DAの全周を取り囲む部分を第1のリブ720aと呼び、それ以外の部分を第2のリブ720bと呼ぶ。
支持部710は、図4および図5において符号BBで示すように、積層部材800の端部に含浸して一体化されている。より具体的に説明すると、積層部材800のうちアノード側多孔体840およびカソード側多孔体850は、外周端の僅かな部分に、支持部710の成形材料(上述)が含浸している(図5)。一方、積層部材800のうち、電解質膜810およびカソード側拡散層830およびアノード側拡散層820は、それぞれの周縁部が、支持部710の内部において、第1のリブ720aの下を超えて延在している(図4、図5)。この結果、電解質膜810およびカソード側拡散層830およびアノード側拡散層820のそれぞれの周縁部は、積層方向(図5における上下方向)から見て、第1のリブ720aと重なり合う(図4、5)。そして、カソード側拡散層830およびアノード側拡散層820の周縁部には、支持部710の成型材料が含浸している。この結果、積層・締結されて燃料電池が構成される際、第1のリブ720aによる加えられた押圧力により、支持部710の内部において、支持部710とアノード側拡散層820との間、アノード側拡散層820と電解質膜810との間、電解質膜810とカソード側拡散層830との間、カソード側拡散層830と支持部710との間のシール性がそれぞれ確保される。
さらに、図5に示すように、支持部710の内部において、アノード側拡散層820の周縁部の端は、カソード側拡散層830および電解質膜810の周縁部の端より、長さWだけ内側にされている。ここで、長さWは、例えば、1mm程度である。これは、電解質膜810の端をまわりこんで、アノード側拡散層820の炭素繊維とカソード側拡散層830の炭素繊維とが接触して短絡してしまうことを抑制するためである。
以上の説明から解るように、シール部材700は、アッセンブリ200が積層され燃料電池100を構成する際、そのアッセンブリ200のセパレータ600との間を支持部710の接触面SUによってシールすると共に、隣接するアッセンブリ200のセパレータ600との間を第1および第2のリブ720a、720bによってシールする。これにより、燃料ガス、酸化ガス、冷却媒体が燃料電池の外部に漏洩したり、互いに混合してしまうことを抑制している。
・燃料電池の動作
図10を参照して、実施例に係る燃料電池100の動作について説明する。図10は、燃料電池の反応ガスの流れを示す説明図である。図を見やすくするため、図10においては、2つのアッセンブリ200が積層された様子を図示している。図10(a)は、図9におけるB−B断面に対応する断面図を示している。図10(b)は、右側の半分が図9におけるD−D断面に対応する断面図を示し、左側の半分が図9におけるC−C断面に対応する断面図を示している。
燃料電池100は、酸化ガス供給マニホールド110に酸化ガスが供給されると共に、燃料ガス供給マニホールド130に燃料ガスが供給されることにより、発電を行う。また、発電中の燃料電池100には、発電に伴う発熱による燃料電池100の温度上昇を抑制するために、冷却媒体供給マニホールド150に冷却媒体が供給される。
酸化ガス供給マニホールド110に供給された酸化ガスは、図10(a)において矢印で示すように、酸化ガス供給マニホールド110から酸化ガス供給流路650を通って、カソード側多孔体850に供給される。酸化ガス供給流路650は、上述した中間プレート500に形成された酸化ガスの供給流路形成部542(図8)とカソードプレート400に形成された酸化ガス供給スリット440(図6)によって形成される。カソード側多孔体850に供給された酸化ガスは、酸化ガスの流路として機能するカソード側多孔体850の内部を図4、9における上方から下方に流動する。そして、酸化ガスは、酸化ガス排出流路660を通って、酸化ガス排出マニホールド120へ排出される。酸化ガス排出流路660は、上述した中間プレート500に形成された酸化ガスの排出流路形成部544(図8)とカソードプレート400に形成された酸化ガス排出スリット444(図6)によって形成される。カソード側多孔体850を流動する酸化ガスの一部は、カソード側多孔体850に当接しているカソード側拡散層830の全体に亘って拡散し、カソード反応(例えば、2H++2e-+(1/2)O2→H2O)に供される。
燃料ガス供給マニホールド130に供給された燃料ガスは、図10(b)において矢印で示すように、燃料ガス供給マニホールド130から燃料ガス供給流路630を通って、アノード側多孔体840に供給される。燃料ガス供給流路630は、上述した中間プレート500に形成された燃料ガスの供給流路形成部546(図8)とアノードプレート300に形成された燃料ガス供給スリット350(図7)によって形成される。アノード側多孔体840に供給された燃料ガスは、燃料ガスの流路として機能するアノード側多孔体840の内部を図4、9における下方から上方に流動する。そして、燃料ガスは、燃料ガス排出流路640を通って、燃料ガス排出マニホールド140に排出される。燃料ガス排出流路640は、上述した中間プレート500に形成された燃料ガスの排出流路形成部548(図8)とアノードプレート300に形成された燃料ガス排出スリット354(図7)によって形成される。アノード側多孔体840を流動する酸化ガスの一部は、アノード側多孔体840に当接しているアノード側拡散層820の全体に亘って拡散し、アノード反応(例えば、H2→2H++2e-)に供される。
冷却媒体供給マニホールド150に供給された冷却媒体は、冷却媒体供給マニホールド150から冷却媒体流路670に供給される。冷却媒体流路670は、図9に示すように、上述した中間プレート500に形成された冷却媒体流路形成部550(図8)によって形成され、一端が冷却媒体供給マニホールド150に、他端が冷却媒体排出マニホールド160に連通している。冷却媒体流路670に供給された冷却媒体は、冷却媒体流路670の一端から他端まで流動し、冷却媒体排出マニホールド160に排出される。
・アッセンブリの製造方法:
図11および図12を参照して、上述した構成を有するアッセンブリ200の製造方法を説明する。図11は、アッセンブリの製造ステップを示すフローチャートである。図12は、アッセンブリの製造を説明するための図である。図13は、成形型を示す図である。図12は、図13におけるF−F断面に対応している。
先ず、一体化成型用の成形型を準備する(ステップS202)。成形型は、図12(a)に示すように、上型910と下型920を有している。下型920には、図12、図13に示すように、セパレータ600を配置できるように、セパレータ600の外形に合致する形状を有している。また、下型920には、図12、図13に示すように、セパレータ600を配置したときに、セパレータ600の各マニホールド110〜160に嵌り込む突状部PJが形成されている。上型910には、下型920の突状部PJの上方に成形材料の投入口SHが形成されている。
次いで、下型920に、セパレータ600を配置する(ステップS204)。本実施例では、セパレータ600は、アノードプレート300側を下方に、カソードプレート400側を上方にして、下型920に配置される。
次いで、下型920に配置されたセパレータ600にカソード側多孔体850が配置される(ステップS206)。カソード側多孔体850は、セパレータ600のカソードプレート400側の面における発電領域DA(図6等)に配置される。
配置されたカソード側多孔体850に重ねて、MEGA860が配置される(ステップS208)。MEGA860は、上述した電解質膜810の両面にアノード側拡散層820およびカソード側拡散層830を予めホットプレスによって接着して一体化したものである。カソード側拡散層830は、電解質膜810のカソード側の面にぴったりと重なるようにホットプレスされる。アノード側拡散層820は、電解質膜810のアノード側の面に、その外周端が、長さWだけ電解質膜810の外周端より内側に位置するようにホットプレスされる(図4、5)。MEGA860は、その周縁部がカソード側多孔体850の外側にはみ出すように位置決めされて、カソード側多孔体850上に配置される。
配置されたMEGA860に重ねて、アノード側多孔体840が配置される(ステップS210)。アノード側多孔体840は、MEGA860の周縁部の内側の領域、すなわち、発電領域DAに対応する領域に配置される。
こうして、セパレータ600上に、積層部材800が全て配置されると、所定の型圧で型締めし、射出成形が行われる(ステップS212)。図12(b)には、下型920と上型910とが型締めされた状態が示されている。型締めされた状態において、セパレータ600のカソード側の面における周囲領域(発電領域DAの外側を囲む領域)の上方には、上述したアッセンブリ200のシール部材700の形状を有する空間SPが形成される。この空間SPは、図12(b)に示すように、セパレータ600のカソード側の面と、下型920および上型910の内壁面と、積層部材800の端部(アノード側多孔体840とカソード側多孔体850の端面と、MEGA860の周縁部)とによって区画される。この空間SPにおいて射出成形が行われる。具体的には、シール部材700の成形材料としての液状ゴムが上述した投入口SHから空間SPに投入された後、加硫工程が行われる。
この射出成形において、成形材料が積層部材800の端部に含浸する(図4および図5の領域BB)ことにより、積層部材800とシール部材700が一体化するように、成形材料の投入圧力が制御される。また、成形材料にシランカップリング剤を添加することにより、シール部材700とセパレータ600の接触面SU(図5)の結合力が確保される。射出成形後、型開きしてアッセンブリ200が得られる。
以上説明した本実施例によれば、図5に示すように、MEGA860(電解質膜810とアノード側拡散層820とカソード側拡散層830)の周縁部が積層方向から見て第1のリブ720aと重なっている。この結果、積層・締結されて燃料電池が構成される際、第1のリブ720aに加えられた押圧力により、支持部710の内部において、支持部710とアノード側拡散層820との間、アノード側拡散層820と電解質膜810との間、電解質膜810とカソード側拡散層830との間、カソード側拡散層830と支持部710との間のシール性がそれぞれ確保される。この結果、上述したクロスリークを抑制することができる。
さらに、電解質膜810だけが、シール部材700の支持部710の内部に延在しているのではなく、MEGA860(電解質膜810とアノード側拡散層820とカソード側拡散層830)全体が支持部710の内部に延在している。電解質膜810のみを支持部710の内部に延在させる構成では、電解質膜810は薄く剛性も低いので、シール部材700を射出成形するときに、電解質膜810の変形などが生じ、シール部材700と電解質膜810の間を確実にシールすることが困難であった。しかし、本実施例では、MEGA860(電解質膜810とアノード側拡散層820とカソード側拡散層830)全体をシール部材700の内部に延在させることで、射出成形時のMEGA860の周縁部の変形を抑制し、所望の形状にMEGA860の周縁部とシール部材700を一体化することができ、クロスリークをより確実に抑制することができる。
さらに、シール部材700とセパレータ600と積層部材800とが一体となったアッセンブリ200を作製し、アッセンブリ200を積層・締結することにより、燃料電池100を製造するので、燃料電池100の組み付け性が向上するとともに、製造工程の削減を図ることができる。
例えば、セパレータ600と、積層部材800とを別々のアセンブリにして、組み付ける場合には、例えば、100枚のMEGAを含む燃料電池を構成しようとすると、セパレータ600と、積層部材800をそれぞれ100枚ずつ、合計200枚の部材を積層する必要がある。しかし、上述した本実施例では、100枚のアッセンブリ200を積層するだけで良いため製造工程が削減される。また、シール部材には、シール性を確保するため、燃料電池のたわみに追従できるように、比較的柔らかく弾性のある材料が用いられるため、従来は、積層・締結を行う際にシール部材の変形が生じ、精度の良い組み付けが困難であった。しかし、上述した本実施例では、シール部材700は、剛性の高いセパレータ600に面接触してその形状を支持されているので、積層・締結時などにおけるシール部材700の変形が抑制され、精度の良い組み付けが実現される。
さらに本実施例によれば、燃料電池100の積層方向の締結力を低減することができる。この結果、燃料電池100を積層方向に締結する締結部材の小型化、セパレータ600の薄肉化、および燃料電池100の超寿命化が実現される。
従来は、燃料電池の運転中に想定される流体の圧力がシール部材に負荷されたときに、かかる負荷に抗する力はリブとセパレータ間の静止摩擦力のみである。静止摩擦力の大きさは、積層方向に負荷される締結力に比例するため、燃料電池の運転中に想定される流体の圧力によるシール部材のずれを抑制するためには、比較的高い締結力を負荷する必要があった。燃料電池の運転中に想定される流体の圧力によるシール部材のずれは、シール不良をもたらすため、抑制する必要がある。
しかし、本実施例では、シール部材700とセパレータ600の接触面SUは、上述したように、積層方向に力を負荷されていない状態で、燃料電池の運転中に想定される流体の圧力に耐えられる結合力を有している。したがって、燃料電池100の積層方向の締結力は、シール部材700のずれの抑制を考慮することなく、リブ720a、720bとセパレータ600間におけるシール性を確保することさえ考慮して決定されれば良い。この結果、燃料電池100の積層方向の締結力を従来より大幅に低減することができる。
・第1実施例の変形例1:
図14および図15を参照して、第1実施例の変形例1について説明する。図14は、第1実施例の変形例1におけるアッセンブリの断面図である。図15は、第1実施例の変形例1におけるMGEAの正面図である。なお、図14は、第1実施例を説明する際に参照した図5に対応する部分の断面を示している。また、図15において、破線は、シール部材700と一体化されたときに、第1のリブ720aが形成される部位を示している。そして、図15において、一点破線G−Gは、図14に示す断面図に対応する部位を示している。
本変形例が、上述した第1実施例と異なる点は、MEGAの構成のみであるので、他の構成については第1実施例と同一の符号を付してその説明を省略し、MEGAの構成についてのみ説明する。本変形例におけるMEGA860bは、アノード側拡散層820bの構成が、第1実施例におけるMEGA860と異なっている。本変形例におけるMEGA860bのアノード側拡散層820bは、図15における上下方向および左右方向の大きさが、第1実施例におけるMEGA860のアノード側拡散層820より、わずかに小さくされている。その結果、アノード側拡散層820bの周縁部の外周端は、第1のリブ720aと重なり合わないように配置される(図14、図15)。本変形例におけるMEGA860bのその他の構成は、第1実施例におけるMEGA860と同一であるので、説明を省略する。
本変形例によれば、上述した第1実施例と同様の作用・効果を得ることができる。例えば、積層方向から見て、アノード側拡散層820bの周縁部は第1のリブ720aと重なっていないものの、電解質膜810とカソード側拡散層830の周縁部は第1のリブ720aと重なっている。この結果、積層・締結されて燃料電池が構成される際、第1のリブ720aを介して加えられた押圧力により、支持部710の内部において、支持部710と電解質膜810との間、電解質膜810とカソード側拡散層830との間、カソード側拡散層830と支持部710との間のシール性がそれぞれ確保される。この結果、第1実施例と同様に、クロスリークを抑制することができる。
また、電解質膜810と共にカソード側拡散層830が支持部710の内部に延在しているので、第1変形例と同様に、射出成形時のMEGA860bの周縁部の変形を抑制し、所望の形状にMEGA860の周縁部とシール部材700を一体化することができ、クロスリークをより確実に抑制することができる。
さらに、本変形例によれば、第1実施例と同様の作用・効果に加えて以下の効果を奏する。さらに、本変形例では、積層方向から見て、アノード側拡散層820が第1のリブ720aと重なっていないため、第1のリブ720aのリブの下方(図14において符号Zで示す領域)の成形材料(実施例ではゴム)の量が増大する。この結果、本変形例では、押圧力を受けたときの第1のリブ720aの変形量が、第1実施例より増大する。この結果、積層・締結されて燃料電池100が構成された際に、燃料電池のたわみなどの変形に対する追従性が増大し、シール性が向上する。
また、下方が成形材料(実施例ではゴム)しかない第2のリブ720bと、下方にMEGAが埋め込まれている第1のリブ720aとでは、同じ押圧力を受けたときの変形量や、同じ変形が生じたときの反力などの特性が異なってくる。本変形例では、第1のリブ720aの下方にアノード側拡散層820bを延在させないことにより、第1のリブ720aの下方の成形材料の量を増大させることにより、第1のリブ720aと第2のリブ720bとの間の特性の差を小さくすることができる。この結果、第1のリブ720aおよび第2のリブ720bと、これらのリブと接触するセパレータ600との間のシール性を向上することができる。
さらに、第1のリブ720aの下方にアノード側拡散層820bを延在させないことにより、第1のリブ720aの押圧力により、アノード側拡散層の炭素繊維およびカソード側拡散層830の炭素繊維が電解質膜810に突き刺さって接触して短絡が発生することを防止することができる。
・第1実施例の変形例2:
図16および図17を参照して、第1実施例の変形例2について説明する。図16は、第1実施例の変形例2におけるアッセンブリの断面図である。図17は、第1実施例の変形例2におけるMGEAの正面図である。なお、図16は、第1実施例を説明する際に参照した図5に対応する部分の断面を示している。また、図17において、破線は、シール部材700と一体化されたときに、第1のリブ720aが形成される部位を示している。そして、図17において、一点破線H−Hは、図16に示す断面図に対応する部位を示している。
本変形例が、上述した第1実施例と異なる点は、MEGAの構成のみであるので、他の構成については第1実施例と同一の符号を付してその説明を省略し、MEGAの構成についてのみ説明する。本変形例におけるMEGA860cは、アノード側拡散層820cの構成が、第1実施例におけるMEGA860と異なっている。本変形例におけるMEGA860cのアノード側拡散層820cは、第1実施例におけるMEGA860のアノード側拡散層820と同じ大きさにされている。そして、アノード側拡散層820cの周縁部において、積層方向から見て、第1のリブ720aと重なり合う部分に貫通孔HLcが設けられている(図16、図17)。貫通孔HLcは、図17に示すように、積層方向から見て、第1のリブ720aと重なり合う部分の全体に亘って、すなわち、アノード側拡散層820cの周縁部に全周に亘って、所定の間隔で設けられている。貫通孔HLcは、例えば、アノード側拡散層820cを電解質膜810にホットプレスにより接着する前に、アノード側拡散層820cにパンチ加工により形成される。貫通孔HLcの内部は、射出成形によりシール部材700を一体成形するときに、成形材料で埋められる。本変形例におけるMEGA860cのその他の構成は、第1実施例におけるMEGA860と同一であるので、説明を省略する。
本変形例によれば、上述した第1実施例と同様の作用・効果に加えて、以下の作用・効果を奏する。上述したように、本変形例では、アノード側拡散層820cの周縁部において、第1のリブ720aと重なり合う部分に貫通孔HLcが設けられ、貫通孔HLcは成形材料で充填されている。この結果、第1のリブ720aのリブの下方の成形材料(例えば、ゴム)の量が増大する。この結果、本変形例では、押圧力を受けたときの第1のリブ720aの変形量が、第1実施例より増大する。この結果、積層・締結されて燃料電池100が構成された際に、燃料電池のたわみなどの変形に対する追従性が増大し、シール性が向上する。
また、下方が成形材料(実施例ではゴム)しかない第2のリブ720bと、下方にMEGAが埋め込まれている第1のリブ720aとでは、同じ押圧力を受けたときの変形量や、同じ変形が生じたときの反力などの特性が異なってくる。本変形例では、第1のリブ720aの下方のアノード側拡散層820cに貫通孔HLcを設けて第1のリブ720aの下方の成形材料の量を増大させることにより、第1のリブ720aと第2のリブ720bとの間の特性の差を小さくすることができる。この結果、第1のリブ720aおよび第2のリブ720bと、これらのリブと接触するセパレータ600との間のシール性を向上することができる。
・第1実施例の変形例3:
図18を参照して、第1実施例の変形例3について説明する。図18は、第1実施例の変形例3におけるアッセンブリの断面図である。図18は、第1実施例を説明する際に参照した図5に対応する部分の断面を示している。
本変形例が、上述した第1実施例の変形例2と異なる点は、MEGAの構成のみであるので、他の構成については第1実施例の変形例2(図16)と同一の符号を付してその説明を省略し、MEGAの構成についてのみ説明する。本変形例におけるMEGA860dは、カソード側拡散層830dの構成が、第1実施例の変形例2におけるMEGA860cと異なっている。本変形例におけるMEGA860dのカソード側拡散層830dの周縁部に貫通孔HLdが設けられている(図18)。カソード側拡散層830dの貫通孔HLdは、アノード側拡散層820cの貫通孔HLc(図16、図17)と同じ形状・大きさを有している。また、カソード側拡散層830dの貫通孔HLdは、アノード側拡散層820cの貫通孔HLcと、積層方向からみて同じ位置に設けられている。カソード側拡散層830dの貫通孔HLdは、アノード側拡散層820cの貫通孔HLcと同様に、例えば、カソード側拡散層830dを電解質膜810にホットプレスにより接着する前に、カソード側拡散層830dにパンチ加工により形成される。カソード側拡散層830dの貫通孔HLdの内部は、アノード側拡散層820cの貫通孔HLcと同様に、射出成形によりシール部材700を一体成形するときに、成形材料で埋められる。本変形例におけるMEGA860dのその他の構成は、第1実施例の変形例2におけるMEGA860cと同一であるので、説明を省略する。
本変形例によれば、上述した第1実施例の変形例2と同様の作用・効果を奏する。なお、上述した第1実施例の変形例2と比較して、カソード側拡散層830dの周縁部にも貫通孔が設けられている分、第1のリブ720aのリブの下方の成形材料の量がさらに増大している。この結果、第1のリブ720aと第2のリブ720bとの間の特性の差をさらに小さくすることができる。この結果、第1のリブ720aおよび第2のリブ720bと、これらのリブと接触するセパレータ600との間のシール性をさらに向上することができる。
・第1実施例の変形例4:
図19および図20を参照して、第1実施例の変形例4について説明する。図19は、第1実施例の変形例4におけるアッセンブリの断面図である。図20は、第1実施例の変形例4における第1のリブ周辺を拡大して示す図である。図19は、第1実施例を説明する際に参照した図5に対応する部分の断面を示している。
本変形例が、上述した第1実施例の変形例3と異なる点は、MEGAの構成のみであるので、他の構成については第1実施例の変形例3(図18)と同一の符号を付してその説明を省略し、MEGAの構成についてのみ説明する。本変形例におけるMEGA860eは、電解質膜810eの構成が、第1実施例の変形例3におけるMEGA860dと異なっている。本変形例におけるMEGA860eの電解質膜810eの周縁部には貫通孔HLeが設けられている(図19、図20)。貫通孔HLeは、アノード側拡散層820cの貫通孔HLc、および、カソード側拡散層830dの貫通孔HLdと同じ円筒形状を有している。また、電解質膜810eの貫通孔HLeは、アノード側拡散層820の貫通孔HLc、および、カソード側拡散層830dの貫通孔HLcと、積層方向から見て中心が重なる位置、すなわち、積層方向からみて同心円状に設けられている。
電解質膜810eの貫通孔HLeの内径r1は、アノード側拡散層820cの貫通孔HLcおよびカソード側拡散層830dの貫通孔HLdの内径r2より小さい(図20)。この結果、電解質膜810eの貫通孔HLeの内壁は、全周において、アノード側拡散層820cの貫通孔HLcおよびカソード側拡散層830dの貫通孔HLdの内壁より内側にはみ出している(図20)。図20に示されているはみ出し量ncは、例えば、0.1mm程度にされる。例えば、内径r2が1mm、内径r1が0.8mmとされる。
電解質膜810eの貫通孔HLeは、例えば、カソード側拡散層830dおよびアノード側拡散層820cを電解質膜810eにホットプレスにより接着する前に、電解質膜810eにパンチ加工により形成される。貫通孔HLeの内部は、貫通孔HLc、HLdと同様に、射出成形によりシール部材700を一体成形するときに、成形材料で埋められる。本変形例におけるMEGA860eのその他の構成は、第1実施例の変形例3におけるMEGA860dと同一であるので、説明を省略する。
本変形例によれば、上述した第1実施例の変形例2および第1実施例の変形例3と同様の作用・効果を奏する。なお、上述した第1実施例の変形例2および第1実施例の変形例3と比較して、電解質膜810eにも貫通孔が設けられている分、第1のリブ720aのリブの下方の成形材料の量がさらに増大している。この結果、第1のリブ720aと第2のリブ720bとの間の特性の差をさらに小さくすることができる。この結果、第1のリブ720aおよび第2のリブ720bと、これらのリブと接触するセパレータ600との間のシール性をさらに向上することができる。
さらに、本変形例では、図20に示すように、電解質膜810eの貫通孔HLeの内壁は、全周において、アノード側拡散層820cの貫通孔HLcおよびカソード側拡散層830dの貫通孔HLdの内壁より内側にはみ出しているので、アノード側拡散層820cの炭素繊維とカソード側拡散層830dの炭素繊維とが接触して短絡してしまうことを抑制することができる。
なお、以上の説明から解るように、本変形例ではアノード側拡散層820cの貫通孔HLcおよびカソード側拡散層830dの貫通孔HLdが、請求項における第1の貫通孔に対応し、電解質膜810eの貫通孔HLeが、請求項における第2の貫通孔に対応する。
・第1実施例のその他の変形例:
1.上記第1実施例およびその変形例では、セパレータ600のカソードプレート400側の面に積層部材800とシール部材700を一体化したアッセンブリ200を用いているが、これに代えて、セパレータ600のアノードプレート300側の面に積層部材800とシール部材700を一体化しても良い。かかる場合は、シール部材700とセパレータ600のアノードプレート300側の面との間が接触面SUによってシールされ、シール部材700とカソードプレート400側の面との間がリブ720a、720bによってシールされることになる。セパレータ600のどちらの面に積層部材800およびシール部材700を一体化するかは、酸化ガスと燃料ガスのガス圧などの燃料電池の運転条件や、設計思想などに応じて適宜に選択可能である。例えば、上記実施例では、カソード側を接触面SUでシールすることにより、ガス圧が高くなりがちなカソード側において、シール材の変形などを抑制し、シール不良を向上している。一方、例えば、設計思想として、水素のシール不良を抑制することを優先する場合には、アノード側を接触面SUでシールすることにより、水素に関するシール不良を抑制しても良い。
2.上記第1実施例およびその変形例では、シール部材700にシランカップリング剤を添加することにより、シール部材700の支持部710とセパレータ600との接触面の結合力を確保しているが、かかる接触面における結合力は、他の様々な手法によって確保しても良い。例えば、分子間力、共有結合、水素結合などの化学結合、機械的な結合などの物理結合を利用しても良い。より具体的には、化学結合としては、実施例におけるシランカップリング剤による他、プライマー処理、エポキシ系などの各種接着剤が用いられ得る。プライマー処理や接着剤は、成形材料に添加する他、セパレータ600側に塗布していても良い。物理結合としては、シール部材700とセパレータ600の接触面を密着させて真空とすることによる吸盤効果を用いた結合や、セパレータ600の接触面に突起、溝、孔などの形状を設ける、いわゆるアンカー効果による結合などを用いることができる。
3.上記第1実施例およびその変形例では、射出成形によってシール部材700を形成しているが、これに代えて、圧縮成形によってシール部材700を形成しても良い。例えば、成形型の空間SPに固形の未加硫ゴムを充填し、成形型を型締めして加熱することにより、形状を成形することと加硫を同時に行う熱加硫圧縮成形などが用いられ得る。
B.第2実施例:
図21および図22を参照して第2実施例について説明する。図21は、第2実施例における燃料電池の構成を示す図である。図22は、第2実施例における燃料電池の断面図である。図22は、第1実施例における図5に対応する部位の断面図である。
第2実施例における燃料電池100bは、第1実施例における燃料電池100と異なり、アッセンブリ200を積層するのではなく、それぞれ別体として作製されたシール一体型部材200bとセパレータ600とを交互に積層・締結することにより製造される。セパレータ600の構成は、第1実施例におけるセパレータ600と同一であるので、その説明を省略する。
シール一体型部材200bは、図22に示すように、第1実施例と同一の積層部材800(MEGA860と、アノード側多孔体840と、カソード側多孔体850)の端部に、シール部材700fを一体に成形したものである。シール一体型部材200bは、例えば、成形型のキャビティに積層部材の端部を臨ませて、射出成形を行うことによって作製される。
シール部材700fは、第1実施例におけるシール部材700と異なり、セパレータ600とは一体とされていない。シール部材700fは、支持部710fとリブ720f、720gとから構成されている。リブ720f、720gのシールラインは、第1実施例と同様に、発電領域DAの全周と、各マニホールド110〜160の全周である(図示省略)。第1実施例と同様に、発電領域DAの全周を取り囲む部分を第1のリブ720fと呼び、それ以外の部分を第2のリブ720gと呼ぶ。
シール部材700fにおいて、第1実施例におけるシール部材700と異なり、支持部710fには、電解質膜810に対して対称に、アノード側とカソード側の両側に、リブ720f、720gが形成されている(図22)。シール一体型部材200bとセパレータ600とが交互に積層・締結されたときに、アノード側のリブは、アノード側に配置されたセパレータ600と接触して当該セパレータとの間をシールし、カソード側のリブは、カソード側に配置されたセパレータ600と接触して当該セパレータとの間をシールする。
支持部710fは、第1実施例における支持部710と同様に、その成形材料が図22において符号BBで示す部分に含浸して、積層部材800の端部に一体化されている。すなわち、積層部材800のうちアノード側多孔体840およびカソード側多孔体850は、外周端の僅かな部分に、支持部710fの成形材料が含浸している。そして、積層部材800のうち、電解質膜810およびカソード側拡散層830およびアノード側拡散層820は、それぞれの周縁部が、積層方向から見て、第1のリブ720fと重なり合うように、支持部710fの内部において、第1のリブ720fの下を超えて延在している(図22)。
燃料電池100bの動作については、第1実施例と同一であるのでその説明を省略する。
以上説明した第2実施例によれば、第1実施例と同様に、MEGA860の周縁部が積層方向から見て第1のリブ720fと重なっている。この結果、積層・締結されて燃料電池が構成される際、第1のリブ720fによる加えられた押圧力により、支持部710fの内部において、支持部710fとアノード側拡散層820との間、アノード側拡散層820と電解質膜810との間、電解質膜810とカソード側拡散層830との間、カソード側拡散層830と支持部710との間のシール性がそれぞれ確保される。この結果、上述したクロスリークを抑制することができる。
さらに第1実施例と同様に、電解質膜810だけが、支持部710fの内部に延在しているのではなく、MEGA860全体が支持部710fの内部に延在している。この結果、第1実施例と同様に、射出成形時のMEGA860の周縁部の変形を抑制し、所望の形状にMEGA860の周縁部とシール部材700を一体化することができ、クロスリークをより確実に抑制することができる。
・第2実施例の変形例1:
図23を参照して、第2実施例の変形例1について説明する。図23は、第2実施例の変形例1における燃料電池の断面図である。図23は、第2実施例を説明する際に参照した図22に対応する部分の断面を示している。
本変形例が、上述した第2実施例と異なる点は、MEGA860に代えて、第1実施例の変形例3に採用されているMEGA860d(図18)が採用されている点である。その他の構成は、上述した第2実施例と同一であるので、同一の構成については、図23において、図22と同一の符号を付しその説明を省略する。
本変形例によれば、上述した第2実施例と同様の作用・効果に加えて、第1実施例の変形例3と同様な以下の作用・効果を奏する。すなわち、本変形例では、アノード側拡散層820cおよびカソード側拡散層830dの周縁部において、第1のリブ720fと重なり合う部分に貫通孔HLc、HLdがそれぞれ設けられ、これらの貫通孔は成形材料で充填されている。この結果、第1のリブ720fのリブの下方の成形材料の量が増大し、押圧力を受けたときの第1のリブ720fの変形量が、第2実施例より増大する。したがって、積層・締結されて燃料電池100bが構成された際に、燃料電池のたわみなどの変形に対する追従性が増大し、シール性が向上する。また、第1のリブ720fの下方の成形材料の量を増大させることにより、第1のリブ720fと第2のリブ720gとの間の特性の差を小さくすることができる。したがって、第1のリブ720fおよび第2のリブ720gと、これらのリブと接触するセパレータ600との間のシール性を向上することができる。
・第2実施例の変形例2:
図24を参照して、第2実施例の変形例2について説明する。図24は、第2実施例の変形例2における燃料電池の断面図である。図24は、第2実施例を説明する際に参照した図22に対応する部分の断面を示している。
本変形例が、上述した第2実施例と異なる点は、MEGA860に代えて、第1実施例の変形例4に採用されているMEGA860e(図19、図20)が採用されている点である。その他の構成は、上述した第2実施例と同一であるので、同一の構成については、図24において、図22と同一の符号を付しその説明を省略する。
本変形例によれば、上述した第2実施例の変形例1と同様の作用・効果を奏する。なお、上述した第2実施例の変形例1と比較して、電解質膜810eにも貫通孔が設けられている分、第1のリブ720fのリブの下方の成形材料の量がさらに増大し、第1のリブ720fと第2のリブ720gとの間の特性の差をさらに小さくすることができる。したがって、第1のリブ720fおよび第2のリブ720gと、これらのリブと接触するセパレータ600との間のシール性をさらに向上することができる。
さらに、本変形例では、第1実施例の変形例4と同様に、電解質膜810eの貫通孔HLeの内壁は、全周において、アノード側拡散層820cの貫通孔HLcおよびカソード側拡散層830dの貫通孔HLdの内壁より内側にはみ出しているので、アノード側拡散層820cの炭素繊維とカソード側拡散層830dの炭素繊維とが接触して短絡してしまうことを抑制することができる。
C.第1実施例および第2実施例に共通の変形例:
1.第1実施例の変形例2〜4および第2実施例の変形例2〜3における貫通孔HLc、HLd、HLeの配置および形状は、一例であり、その他の形状や配置を採用しても良い。例えば、これらの貫通孔は、積層方向からみた形状が正方形、長方形などの四角型であっても良いし、他の多角形であっても良い。ただし、第1実施例の変形例4および第2実施例の変形例3において、他の形状を採用する場合において、電解質膜810eの貫通孔HLeの内壁は、全周において、アノード側拡散層820cの貫通孔HLcおよびカソード側拡散層830dの貫通孔HLdの内壁より内側にはみ出していることが好ましい。例えば、電解質膜810eの貫通孔HLeの形状を、アノード側拡散層820cの貫通孔HLcおよびカソード側拡散層830dの貫通孔HLdの形状の若干小さい相似形としても良い。
上記各実施例および変形例では、積層部材800の各部材やセパレータ600の各部材の材料を特定しているが、これらの材料に限定されるものではなく、適正な種々の材料を用いることができる。例えば、アノード側多孔体840およびカソード側多孔体850を、金属多孔体を用いて形成するとしているが、例えばカーボン多孔体といった他の材料を用いて形成することも可能である。また、セパレータ600は、金属を用いて形成するとしているが、例えばカーボンといった他の材料を用いることも可能である。
上記各実施例では、セパレータ600は3層の金属板を積層した構成であり、その発電領域DAに対応する部分が平坦な形状であるとしているが、セパレータ600の構成は他の任意の構成とすることが可能であり、またセパレータ600の形状は他の任意の形状とすることが可能である。
以上、本発明の実施例および変形例について説明したが、本発明はこれらの実施例および変形例になんら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の態様での実施が可能である。
第1実施例における燃料電池の構成を示す第1の説明図である。 第1実施例における燃料電池の構成を示す第2の説明図である。 第1実施例における燃料電池の製造ステップを示すフローチャートである。 アッセンブリ200の正面図を示す図である。 図4におけるA−A断面を示す断面図である。 カソードプレートの形状を示す説明図である。 アノードプレートの形状を示す説明図である。 中間プレートの形状を示す説明図である。 セパレータの正面図である。 燃料電池の反応ガスの流れを示す説明図である。 アッセンブリの製造ステップを示すフローチャートである。 アッセンブリの製造を説明するための図である。 成形型を示す図である。 第1実施例の変形例1におけるアッセンブリの断面図である。 第1実施例の変形例1におけるMGEAの正面図である。 第1実施例の変形例2におけるアッセンブリの断面図である。 第1実施例の変形例2におけるMGEAの正面図である。 第1実施例の変形例3におけるアッセンブリの断面図である。 第1実施例の変形例4におけるアッセンブリの断面図である。 第1実施例の変形例4における第1のリブ周辺を拡大して示す図である。 第2実施例における燃料電池の構成を示す図である。 第2実施例における燃料電池の断面図である。 第2実施例の変形例1における燃料電池の断面図である。 第2実施例の変形例2における燃料電池の断面図である。
符号の説明
100、100b…燃料電池
100b…燃料電池
110…酸化ガス供給マニホールド
120…酸化ガス排出マニホールド
130…燃料ガス供給マニホールド
140…燃料ガス排出マニホールド
150…冷却媒体供給マニホールド
160…冷却媒体排出マニホールド
200…アッセンブリ
200b…シール一体型部材
300…アノードプレート
322〜332…マニホールド形成部
350…燃料ガス供給スリット
354…燃料ガス排出スリット
400…カソードプレート
422〜432…マニホールド形成部
440…酸化ガス供給スリット
444…酸化ガス排出スリット
500…中間プレート
522〜532…マニホールド形成部
542〜548…反応ガス供給/排出流路形成部
550…冷却媒体流路形成部
600…セパレータ
630…燃料ガス供給流路
640…燃料ガス排出流路
650…酸化ガス供給流路
660…酸化ガス排出流路
670…冷却媒体流路
700、700f…シール部材
710、710f…支持部
720a、720b、720f、720g…リブ
800…積層部材
810、810e…電解質膜
820、820b、820c…アノード側拡散層
830、830d…カソード側拡散層
840…アノード側多孔体
850…カソード側多孔体
860、860b、860c、860d、860e…MEGA
910…上型
920…下型
HLc、HLd、HLe…貫通孔

Claims (14)

  1. 複数個積層されることにより燃料電池を構成するアッセンブリであって、
    セパレータと、
    前記セパレータの一の側に配置された電解質膜と、前記電解質膜と前記セパレータとの間に配置された第1の拡散層と、前記電解質膜の前記第1の拡散層とは反対側に配置された第2の拡散層と、を少なくとも含む積層部材と、
    前記セパレータの一の側の面における前記積層部材が配置された領域を囲む周囲領域に接着または密着していると共に前記積層部材の端部と一体化している支持部と、前記支持部上に形成され、積層されたときに積層方向に押圧されるリブと、を有するシール部材と、
    を備え、
    前記支持部と一体化している前記積層部材の端部において、前記電解質膜と、前記第1の拡散層および前記第2の拡散層のうちの少なくとも一つとが、前記リブと積層方向に重なり合う、アッセンブリ。
  2. 請求項1に記載のアッセンブリにおいて、
    前記支持部と一体化している前記積層部材の端部において、前記第1の拡散層および前記第2の拡散層のうちのいずれか一つが、前記リブと積層方向に重なり合い、他の一つが前記リブと積層方向に重なり合わない、アッセンブリ。
  3. 請求項2に記載のアッセンブリにおいて、
    前記支持部と一体化している前記積層部材の端部において、前記第1の拡散層が前記リブと積層方向に重なり合い、前記第2の拡散層が前記リブと積層方向に重なり合わない、アッセンブリ。
  4. 請求項1に記載のアッセンブリにおいて、
    前記第1の拡散層および前記第2の拡散層のうちの少なくとも一つには、前記リブと積層方向に重なり合う部分に、第1の貫通孔が設けられており、前記第1の貫通孔は、前記シール部材で埋められている、アッセンブリ。
  5. 請求項4に記載のアッセンブリにおいて、
    前記電解質膜には、前記第1の貫通孔と積層方向に重なり合う部分に、第2の貫通孔が設けられており、前記第2の貫通孔は、前記シール部材で埋められている、アッセンブリ。
  6. 請求項5に記載のアッセンブリにおいて、
    前記第2の貫通孔の内壁は、積層方向から見て、前記第1の貫通孔の内壁より内側にはみ出している、アッセンブリ。
  7. 請求項6に記載のアッセンブリにおいて、
    前記第1の貫通孔および第2の貫通孔は、積層方向から見て中心が重なり合う円型の孔であり、前記第2の貫通孔の内径は、前記第1の貫通孔の内径より小さい、アッセンブリ。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のアッセンブリを複数個積層して構成された燃料電池。
  9. セパレータを挟んで複数個積層されることにより燃料電池を構成するシール一体部材であって、
    電解質膜と、前記電解質膜の一の側に配置された第1の拡散層と、前記電解質膜の他の側に配置された第2の拡散層と、を少なくとも含む積層部材と、
    積層されたときに積層方向に押圧されるリブを有すると共に、前記積層部材の端部と一体化しているシール部材と、
    を備え、
    前記シール部材と一体化している前記積層部材の端部において、前記電解質膜と前記第1の拡散層と前記第2の拡散層が、前記リブと積層方向に重なり合う、シール一体部材。
  10. 請求項9に記載のシール一体部材において、
    前記第1の拡散層および前記第2の拡散層には、前記リブと積層方向に重なり合う部分に、第1の貫通孔が設けられており、前記第1の貫通孔は、前記シール部材で埋められている、シール一体部材。
  11. 請求項10に記載のシール一体部材において、
    前記電解質膜には、前記第1の貫通孔と積層方向に重なり合う部分に、第2の貫通孔が設けられており、前記第2の貫通孔は、前記シール部材で埋められている、シール一体部材。
  12. 請求項11に記載のシール一体部材において、
    前記第2の貫通孔の内壁は、積層方向から見て、前記第1の貫通孔の内壁より内側にはみ出している、シール一体部材。
  13. 請求項12に記載のシール一体部材において、
    前記第1の貫通孔および第2の貫通孔は、積層方向から見て中心が重なり合う円型の孔であり、前記第2の貫通孔の内径は、前記第1の貫通孔の内径より小さい、シール一体部材。
  14. 請求項9ないし請求項13のいずれかに記載のシール一体部材を、セパレータを挟んで複数個積層して構成された燃料電池。
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