JP2008129416A - トナー、並びにこれを用いた画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジ - Google Patents

トナー、並びにこれを用いた画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジ Download PDF

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Abstract

【課題】現像装置内の部材やキャリアへの汚染がなく、耐久性、低温定着性、耐オフセット性、保存性及び粉砕性のいずれにも優れ、トナーリサイクルシステムの使用中であっても長期間にわたって高画質画像が形成できるトナー及び画像形成装置等の提供。
【解決手段】少なくとも結着樹脂、離型剤及び着色剤を含有してなるトナーであって、トナーの重量平均粒径が3〜8μmであり、トナーにおける粒径5μm以下の粒子の含有率が60〜90個数%であり、結着樹脂が軟化点Tm(A)が120℃以上160℃以下のポリエステル系樹脂(A)と、軟化点Tm(B)が80℃以上120℃未満のポリエステル系樹脂(B)とを含有してなり、ポリエステル系樹脂(A)及び(B)の少なくともいずれかが1,2−プロパンジオールの2価アルコール成分における含有量が65モル%以上であり、実質的に脂肪族アルコールのみからなるアルコール成分とカルボン酸成分とを縮重合させて得られるトナーである。
【選択図】図21

Description

本発明は、複写機、静電印刷、プリンタ、ファクシミリ、静電記録等の電子写真方式の画像形成に用いられるトナー、並びに該トナーを用いた画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジに関する。
従来より、電子写真方式の画像形成には多様な方法が知られており、一般に、静電潜像担持体(以下、「感光体」、「電子写真感光体」、「像担持体」と称することもある)表面を帯電させて、該帯電させた静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する。次いで、静電潜像を現像手段によりトナーで現像して、静電潜像担持体上に可視像を形成する。この可視像を直接、又は中間転写体を介して記録媒体上に転写し、この転写された転写像を加熱、加圧又はこれらの併用によって定着することにより、記録媒体上に画像が形成された記録物が得られる。なお、可視像を転写後の静電潜像担持体上に残ったトナーは、ブレード、ブラシ、ローラ等のクリーニング手段によりクリーニングされる。この際、クリーニングされたトナーは、現像手段に搬送されて再利用することも可能である。また、前記現像手段が静電潜像担持体表面に当接する現像剤担持体を有し、かつ該静電潜像担持体上に形成された静電潜像を現像すると共に、該静電潜像担持体上の残留トナーを回収することによって、クリーニング手段を設けることなくクリーニングを行うこともできる。
このような電子写真方式を利用したフルカラー画像形成装置としては、一般的には、2つの方式が知られている。1つはシングル方式(又はシングルドラム方式)と呼ばれるものであり、画像形成装置中に1つの静電潜像担持体が搭載され、シアン、マゼンタ、イエロー、及びブラックの4色に対応した4つの現像手段が搭載されたものである。このようなシングル方式においては、静電潜像担持体上又は記録媒体上に4色の可視像が形成される。このシングル方式では、静電潜像担持体の周りに配置される帯電手段、露光手段、転写手段、及びクリーニング手段などは共通化することが可能であり、後述するタンデム方式に比べ、小型かつ低コストに設計することが可能である。
一方、もう1つはタンデム方式(又はタンデムドラム方式)と呼ばれるものであり、画像形成装置中に複数の静電潜像担持体が搭載されたものである(特許文献1参照)。一般的には、1つの静電潜像担持体に対し、帯電手段、現像手段、転写手段、及びクリーニング手段が1つずつ配置され、1つの画像形成要素を形成し、該画像形成要素が複数個(一般的には4つ)搭載されている。このタンデム方式においては、1つの画像形成要素で1色の可視像を形成し、順次、記録媒体上に可視像を転写し、フルカラー像を形成する。このタンデム方式では、各色の可視像を並列処理により作成できるため、高速画像形成が可能である。即ち、タンデム方式は上記シングル方式に比べて、画像形成処理時間がおよそ4分の1の時間で済み、4倍の高速プリントに対応することができる。また、静電潜像担持体をはじめとする画像形成要素中の各手段の耐久性を実質的に高めることができる。これは、前記シングル方式では、1つの静電潜像担持体で4回の帯電、露光、現像、及び転写の各工程を行い、1つのフルカラー像を形成するのに対し、前記タンデム方式では上記各工程の動作を1つの静電潜像担持体で1回行うだけですむからである。
しかし、前記タンデム方式は、画像形成要素を複数配列するため、画像形成装置全体が大きくなってしまい、コストが高くなってしまうというデメリットがある。
前記課題を解決するため、静電潜像担持体を小径化し、静電潜像担持体周りに設置される各手段を小型化し、1つの画像形成要素を小さくすることにより対応している。その結果、画像形成装置の小型化のみならず材料費の低減という効果も生じ、全体としての低コスト化も多少進んだ。しかし、このような画像形成装置のコンパクト化及び小型化に伴って、画像形成要素に搭載される各手段を高性能化し、かつ安定性を大幅に上げなければならないという、新たな課題が生じている。
また、近年、プリンタ、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置に対し、省エネルギー化及び高速化についての市場要求が強くなってきている。このような性能を達成するには、画像形成装置における定着手段の熱効率の改善を図ることが重要である。
一般に、画像形成装置では、電子写真記録、静電記録、磁気記録等の画像形成プロセスにより、間接転写方式又は直接転写方式によって未定着トナー画像が、記録シート、印刷紙、感光紙、静電記録紙等の記録媒体上に形成される。このような未定着トナー画像を定着するための定着手段としては、例えば熱ローラ方式、フィルム加熱方式、電磁誘導加熱方式等の接触加熱方式が広く採用されている。
前記熱ローラ方式の定着手段は、内部にハロゲンランプ等の熱源を有し、所定の温度に温調される定着ローラと、該定着ローラに圧接された加圧ローラとの回転ローラ対を基本構成としている。この回転ローラ対の接触部(いわゆるニップ部)に記録媒体を挿入し、搬送させて、定着ローラ及び加圧ローラからの熱及び圧力により、未定着トナー画像を溶融し、定着させる。
前記フィルム加熱方式の定着手段としては、例えば、特許文献2及び特許文献3等に提案されている。このようなフィルム加熱方式の定着手段は、支持部材に固定支持された加熱体に耐熱性を有する薄肉の定着フィルムを介して記録媒体を密着させ、該定着フィルムを加熱体に対して摺動させて、移動させながら加熱体の熱を定着フィルムを介して記録媒体に供給するものである。
前記加熱体としては、例えば、耐熱性、絶縁性、良熱伝導性等の特性を有するアルミナや窒化アルミニウム等のセラミック基板上に抵抗層を備えたセラミックヒータなどが用いられる。このような定着手段では、定着フィルムとして薄膜で低熱容量のものを用いることができ、上記熱ローラ方式の定着手段よりも伝熱効率が高く、ウォームアップ時間の短縮が図れ、クイックスタート化や省エネルギー化が可能になる。
前記電磁誘導加熱方式の定着手段としては、例えば、交流磁界により磁性金属部材に発生した渦電流でジュール熱を生じさせ、金属部材を含む加熱体を電磁誘導発熱させる技術が提案されている(特許文献4参照)。
このような電磁誘導加熱方式の定着手段では、可視像を十分に包み込んで均一に加熱溶融するため、加熱体と記録媒体との間に表面にゴム弾性層を有するフィルムが配設されている。このゴム弾性層をシリコーンゴム等で形成すると熱伝導性が低いため、熱応答性が悪くなり、加熱体から加熱されるフィルムの内面と、トナーに接するフィルム外面との温度差が非常に大きくなってしまう。そして、トナーの付着量が多い場合にはベルト表面温度が急速に低下して、定着性能を十分に確保することができず、いわゆるコールドオフセットが発生してしまうことがある。
また、電子写真方式の画像形成装置の定着手段においては、加熱部材に対するトナーの離型性(以下、「耐オフセット性」と称することもある)が要求される。このような耐オフセット性は、トナー表面に離型剤を存在させることにより向上させることができるが、所定外のトナーを使用したり、トナーを再利用したりするとトナー表面に存在する離型剤が減少して、耐オフセット性が低下してしまうことがある。
また、画像形成装置に対する省エネルギー化の市場ニーズと共に、省資源、低製造エネルギー、リサイクルといった、環境配慮型の製品への要求も高まっている。例えば、静電潜像担持体上に残留したトナーをクリーニング手段によって回収し、再利用することが行われている。例えば、特許文献5では、静電潜像担持体上に残留したトナーをクリーニング手段で回収し、現像手段に戻すリサイクル装置が提案されている。また、静電潜像担持体上に残留したトナーを現像装置によって現像すると共に現像装置内に回収する、いわゆるクリーニングレス方式が提案されている(特許文献6及び7参照)。しかし、リサイクルされたトナーを用いると、画像品質の低下や、装置の不具合が生じるという問題がある。これは、リサイクルトナーは現像手段からクリーニング手段に至るまでの間に、機械的又は熱的なダメージを受け、帯電機能及び流動性の低下が生じることに起因する。更に、リサイクルトナーは微粉が多いため、現像装置内におけるトナーの微粉含有量が増加し、現像スリーブ、感光体、キャリア等を汚染し、異常画像の発生に繋がるという問題がある。
また、近年の画像形成装置の高画質化の要求に対して、例えば特許文献8及び9には、トナーの平均粒径が小さく、かつ粒径5μm以下の粒子の含有率、及びその粒度分布を規定した現像剤が開示されている。このような粒径5μm以下の粒子を多く含有するトナーは、画像の粒状度や鮮鋭性に優れ、高画質を達成できる。しかし、粒径5μm以下の粒子がトナー中に多く含まれていると、現像スリーブや感光体、キャリア等への汚染が生じ、異常画像の原因となる。
また、特許文献10では、粒度分布や帯電量を規定し、高画質でリサイクルシステムでも安定して使用できる現像剤が提案されているが、小粒径の粒子を多く含むために、現像スリーブの汚染が発生するという問題がある。また、特許文献11では、粒径5μm以下の粒子を多く含有させても、機械的、熱的なストレスに強いトナーが提案されている。しかし、この提案では、バインダー樹脂が規定されておらず、用いる樹脂の種類によっては著しく機械的強度に欠けるものである。
また、画像形成装置の高速化、省エネルギー化に伴って、低温定着性に優れたトナーが要求される一方で、耐オフセット性、及び保存性(耐ブロッキング性)という低温定着性とは相反する特性を持ったトナーが必要とされている。そのため、芳香族系ポリエステル樹脂を用いたトナーが提案されているが、トナーの製造時における粉砕性に劣るという欠点がある。そこで、粉砕性に優れる脂肪族アルコールをモノマーとして使用した低分子量ポリエステルと高分子量ポリエステルをブレンドする方法が提案されている(特許文献12参照)。しかし、脂肪族アルコールを用いた低分子量ポリエステルは、その構造上、ガラス転移温度が低いため、トナーの保存性が悪化し、低温定着性と耐オフセット性、保存性を高いレベルで両立することは困難である。
したがって現像装置内の部材やキャリアへの汚染がなく、耐久性、低温定着性、耐オフセット性、保存性、及び粉砕性のいずれにも優れ、かつトナーリサイクルシステムの使用中であっても、長期にわたって高画質画像が形成できるトナー、並びに該トナーを用いた画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジの速やかな提供が望まれているのが現状である。
特開平5−341617号公報 特開昭63−313182号公報 特開平1−263679号公報 特開平8−22206号公報 特開昭60−41079号公報 特開昭59−133573号公報 特開昭59−157661号公報 特公平6−082227号公報 特公平7−060273号公報 特開2002−244335号公報 特開2003−15341号公報 特開2002−287427号公報
本発明は、従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、現像装置内の部材やキャリアへの汚染がなく、耐久性、低温定着性、耐オフセット性、保存性、及び粉砕性のいずれにも優れ、かつトナーリサイクルシステムの使用中であっても、長期間にわたって画像の粒状性、鮮鋭性に優れた高品位な画像が形成できるトナー、並びに該トナーを用いた長期間にわたって色調の変化がなく、濃度低下、地肌汚れ等の異常画像の見られない極めて高画質な画像を形成することができる画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては以下の通りである。即ち、
<1> 少なくとも結着樹脂、離型剤、及び着色剤を含有してなるトナーであって、
前記トナーの重量平均粒径が3〜8μmであり、かつ該トナーにおける粒径5μm以下の粒子の含有率が60〜90個数%であり、
前記結着樹脂が、軟化点Tm(A)が120℃以上160℃以下のポリエステル系樹脂(A)と、軟化点Tm(B)が80℃以上120℃未満のポリエステル系樹脂(B)とを含有してなり、
前記ポリエステル系樹脂(A)及び(B)の少なくともいずれかが、1,2−プロパンジオールの2価アルコール成分における含有量が65モル%以上であり、かつ実質的に脂肪族アルコールのみからなるアルコール成分と、カルボン酸成分とを縮重合させて得られることを特徴とするトナーである。
<2> トナーの重量平均粒径(D)と、トナーの個数平均粒径(Dn)との比(D/Dn)が、1.65〜2.00である前記<1>に記載のトナーである。
<3> 離型剤のDSC測定で観測される最大吸熱ピークが、60〜120℃の領域に存在する前記<1>から<2>のいずれかに記載のトナーである。
<4> 離型剤が、少なくともカルナウバワックスを含有する前記<1>から<3>のいずれかに記載のトナーである。
<5> 脂肪族アルコールのアルコール成分における含有量が90モル%以上である前記<1>から<4>のいずれかに記載のトナーである。
<6> ポリエステル系樹脂(A)及び(B)の少なくともいずれかのアルコール成分が、更にグリセリンを含有する前記<1>から<5>のいずれかに記載のトナーである。
<7> ポリエステル系樹脂(A)のアルコール成分が、更に1,3−プロパンジオールを含有する前記<1>から<6>のいずれかに記載のトナーである。
<8> ポリエステル系樹脂(A)及び(B)の少なくともいずれかのカルボン酸成分が、炭素数2〜4の脂肪族ジカルボン酸化合物を含有する前記<1>から<7>のいずれかに記載のトナーである。
<9> ポリエステル系樹脂(A)及び(B)の少なくともいずれかのカルボン酸成分が、精製ロジンを含有する前記<1>から<8>のいずれかに記載のトナーである。
<10> ポリエステル系樹脂(A)とポリエステル系樹脂(B)との質量比〔(A)/(B)〕が、1/9〜9/1である前記<1>から<9>のいずれかに記載のトナーである。
<11> Tm(A)とTm(B)との差〔Tm(A)−Tm(B)〕が、10℃以上である前記<1>から<10>のいずれかに記載のトナーである。
<12> 前記<1>から<11>のいずれかに記載のトナーを含むことを特徴とする現像剤である。
<13> 前記<1>から<11>のいずれかに記載のトナーが充填されてなることを特徴とするトナー入り容器である。
<14> 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、
前記トナーが、前記<1>から<11>のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成装置である。
<15> 帯電手段が、静電潜像担持体と非接触で帯電させる帯電手段である前記<14>に記載の画像形成装置である。
<16> 帯電手段が、静電潜像担持体と接触して帯電させる帯電手段である前記<14>に記載の画像形成装置である。
<17> 現像手段が、内部に固定された磁界発生手段を有し、かつ表面に磁性キャリアとトナーとからなる二成分現像剤を担持して回転可能な現像剤担持体を有している前記<14>から<16>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<18> 現像手段が、トナーが供給される現像剤担持体と、該現像剤担持体表面にトナーの薄層を形成する層厚規制部材を有する前記<14>から<16>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<19> 転写手段が、静電潜像担持体上の可視像を記録媒体に転写する転写手段である前記<14>から<18>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<20> 少なくとも静電潜像担持体、帯電手段、現像手段、及び転写手段を含む画像形成要素を複数配列してなり、
前記転写手段は前記複数の画像形成要素の各静電潜像担持体との対向領域である転写位置を通過するように表面が移動する記録媒体に、順次、前記各静電潜像担持体上に形成された可視像を転写する転写手段である前記<14>から<19>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<21> 転写手段が、静電潜像担持体上に形成された可視像が一次転写される中間転写体と、該中間転写体上に担持された可視像を記録媒体に二次転写する二次転写手段とを有する前記<14>から<18>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<22> クリーニング手段を有し、かつ該クリーニング手段が、静電潜像担持体表面と当接するクリーニングブレードを有する前記<14>から<21>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<23> 現像手段が、静電潜像担持体表面に当接される現像剤担持体を有し、かつ前記静電潜像担持体に形成された静電潜像を現像すると共に該静電潜像担持体上の残留トナーを回収する前記<14>から<21>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<24> 定着手段がローラ及びベルトの少なくともいずれかを有し、トナーと接しない面から加熱し、記録媒体上に転写された転写像を加熱及び加圧して定着する定着手段である前記<14>から<23>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<25> 定着手段がローラ及びベルトの少なくともいずれかを有し、トナーと接する面から加熱し、記録媒体上に転写された転写像を加熱及び加圧して定着する定着手段である前記<14>から<23>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<26> 静電潜像担持体表面を帯電させる帯電工程と、帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含む画像形成方法であって、
前記トナーが、前記<1>から<11>のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成方法である。
<27> 帯電工程が、静電潜像担持体と非接触で帯電させる帯電手段を用いて行われる前記<26>に記載の画像形成方法である。
<28> 帯電工程が、静電潜像担持体と接触して帯電させる帯電手段を用いて行われる前記<26>に記載の画像形成方法である。
<29> 現像工程が、内部に固定された磁界発生手段を有し、かつ表面に磁性キャリアとトナーとからなる二成分現像剤を担持して回転する現像剤担持体を用いる前記<26>から<28>のいずれかに記載の画像形成方法である。
<30> 現像工程が、トナーが供給される現像剤担持体と、該現像剤担持体表面にトナーの薄層を形成する層厚規制部材を用いる前記<26>から<28>のいずれかに記載の画像形成方法である。
<31> 転写工程が、静電潜像担持体上の可視像を記録媒体に転写する転写工程である前記<26>から<30>のいずれかに記載の画像形成方法である。
<32> 少なくとも静電潜像担持体、静電潜像形成手段、現像手段、及び転写手段を含む画像形成要素を複数配列してなり、
前記転写手段は、前記複数の画像形成要素の各静電潜像担持体との対向領域である転写位置を通過するように表面が移動する記録媒体に、順次、各静電潜像担持体上に形成された可視像を転写する転写手段である前記<26>から<31>のいずれかに記載の画像形成方法である。
<33> 転写工程が、静電潜像担持体上に形成された可視像が一次転写される中間転写体と、該中間転写体上に担持された可視像を記録媒体に二次転写する二次転写手段とを用いる前記<26>から<30>のいずれかに記載の画像形成方法である。
<34> クリーニング工程を含み、かつ該クリーニング工程は、静電潜像担持体表面と当接するクリーニングブレードを用いる前記<26>から<33>のいずれかに記載の画像形成方法である。
<35> 現像工程が、静電潜像担持体上に当接される現像剤担持体を有し、静電潜像担持体に形成された静電潜像を現像すると共に該静電潜像担持体上の残留トナーを回収する前記<26>から<33>のいずれかに記載の画像形成方法である。
<36> 定着工程がローラ及びベルトの少なくともいずれかを有し、トナーと接しない面側から加熱し、記録媒体上に転写された転写像を加熱及び加圧して定着する定着工程である前記<26>から<35>のいずれかに記載の画像形成方法である。
<37> 定着工程がローラ及びベルトの少なくともいずれかを有し、トナーと接する面側から加熱し、記録媒体上に転写された転写像を加熱及び加圧して定着する定着工程である前記<26>から<35>のいずれかに記載の画像形成方法である。
<38> 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成された静電潜像をトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有し、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジであって、
前記トナーが、前記<1>から<11>のいずれかに記載のトナーであることを特徴とするプロセスカートリッジである。
本発明のトナーは、少なくとも結着樹脂、離型剤、及び着色剤を含有してなり、
前記トナーの重量平均粒径が3〜8μmであり、かつ該トナーにおける粒径5μm以下の粒子の含有率が60〜90個数%であり、
前記結着樹脂が、軟化点Tm(A)が120℃以上160℃以下のポリエステル系樹脂(A)と、軟化点Tm(B)が80℃以上120℃未満のポリエステル系樹脂(B)とを含有してなり、
前記ポリエステル系樹脂(A)及び(B)の少なくともいずれかが、1,2−プロパンジオールの2価アルコール成分における含有量が65モル%以上であり、かつ実質的に脂肪族アルコールのみからなるアルコール成分と、カルボン酸成分とを縮重合させて得られる。
本発明のトナーにおいては、高軟化点のポリエステル系樹脂(A)は耐オフセット性の向上に、低軟化点のポリエステル系樹脂(B)は低温定着性の向上にそれぞれ寄与し、これらを併用することにより、低温定着性と耐オフセット性との両立に有効であり、離型剤との相溶性にも優れている。炭素数3の分岐鎖型のアルコールである1,2−プロパンジオールは、炭素数2以下のアルコールと対比して耐オフセット性を維持したまま低温定着性を向上させるのに有効であり、極めて低い温度での定着が可能となり、保存性が向上する。また、トナーの重量平均粒径が3〜8μmであることにより、微小な潜像ドットに対しても優れた再現性を発揮することができる。またトナーにおける粒径5μm以下の粒子の含有率が60〜90個数%であると、微細粒子の画像エッジ部を滑らかにし、粒状度や鮮鋭性、細線再現性の優れた高品位な画像が得られる。そして、これらが相乗的に作用することにより、現像装置内の部材やキャリアへの汚染がなく、耐久性、低温定着性、耐オフセット性、保存性、及び粉砕性のいずれにも優れ、かつトナーリサイクルシステム使用中であっても、長期間にわたって画像の粒状性、鮮鋭性に優れた高品位な画像が形成可能である。
本発明の現像剤は、本発明の前記トナーを含む。このため、該現像剤を用いて電子写真法により画像形成を行うと、現像装置内の部材やキャリアへの汚染がなく、耐久性、低温定着性、耐オフセット性、保存性、及び粉砕性のいずれにも優れ、かつトナーリサイクルシステム使用中であっても、長期間にわたって画像の粒状性、鮮鋭性に優れた高品位な画像が得られる。
本発明のトナー入り容器は、本発明の前記トナーを容器中に収容してなる。このため、該トナー入り容器に収容されたトナーを用いて電子写真法により画像形成を行うと、現像装置内の部材やキャリアへの汚染がなく、耐久性、低温定着性、耐オフセット性、保存性、及び粉砕性のいずれにも優れ、かつトナーリサイクルシステム使用中であっても、長期間にわたって、画像の粒状性、鮮鋭性に優れた高品位な画像を形成することができる。
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、該静電潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有してなり、前記トナーとして、本発明の前記トナーを用いる。
本発明の画像形成装置においては、前記帯電手段が、前記静電潜像担持体表面を一様に帯電させる。前記露光手段が前記静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する。前記現像手段が、前記静電潜像担持体上に形成された前記静電潜像をトナーを用いて現像し可視像を形成する。前記転写手段が、該可視像を記録媒体に転写する。前記定着手段が前記記録媒体に転写された転写像を定着する。このとき、前記トナーとして本発明の前記トナーを用いているので、長期間にわたって色調の変化がなく、濃度低下、地肌汚れ等の異常画像の見られない極めて高画質な画像を形成することができる。
本発明の画像形成方法は、静電潜像担持体表面を帯電させる帯電工程と、帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含み、前記トナーとして、本発明の前記トナーを用いる。
本発明の画像形成方法においては、前記帯電工程において、前記静電潜像担持体表面を一様に帯電させる。前記露光工程において、前記静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する。前記現像工程において、前記静電潜像担持体上に形成された前記静電潜像をトナーを用いて現像し可視像を形成する。前記転写工程において、該可視像を記録媒体に転写する。前記定着工程において、前記記録媒体に転写された転写像を定着する。このとき、前記トナーとして本発明の前記トナーを用いているので、長期間にわたって色調の変化がなく、濃度低下、地肌汚れ等の異常画像の見られない極めて高画質な画像を形成することができる。
本発明のプロセスカートリッジは、静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成された静電潜像をトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有し、画像形成装置本体に着脱可能であり、利便性に優れ、また、前記本発明のトナーを用いるので、長期間にわたって色調の変化がなく、濃度低下、地肌汚れ等の異常画像の見られない極めて高画質な画像を形成することができる。
本発明によると、従来における問題を解決することができ、現像装置内の部材やキャリアへの汚染がなく、耐久性、低温定着性、耐オフセット性、保存性、及び粉砕性のいずれにも優れ、かつトナーリサイクルシステムの使用中であっても、長期間にわたって画像の粒状性、鮮鋭性に優れた高品位な画像が形成できるトナー、並びに該トナーを用いた長期間にわたって色調の変化がなく、濃度低下、地肌汚れ等の異常画像の見られない極めて高画質な画像を形成することができる画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジを提供することができる。
(トナー)
本発明のトナーは、少なくとも結着樹脂、離型剤、及び着色剤を含有してなり、帯電制御剤、外添剤、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
<結着樹脂>
前記結着樹脂は、軟化点Tm(A)が120℃以上160℃以下のポリエステル系樹脂(A)と、軟化点Tm(B)が80℃以上120℃未満のポリエステル系樹脂(B)とを含有してなり、これらポリエステル系樹脂(A)及び(B)は、アルコール成分とカルボン酸成分とを縮重合させて得られる。
前記結着樹脂は、低温定着性と耐ホットオフセット性及び耐熱保存性に優れ、機械的強度にも優れる。また、離型剤との相溶性にも優れ、特に溶融混練した際の分散性が極めて良好である。
前記ポリエステル系樹脂(A)は、軟化点Tm(A)が120℃以上160℃以下であり、130〜155℃が好ましく、135〜155℃がより好ましい。
前記ポリエステル系樹脂(B)は、軟化点Tm(B)が80℃以上120℃未満であり、85〜115℃が好ましく、90〜110℃がより好ましい。
前記Tm(A)とTm(B)との差〔ΔTm;Tm(A)−Tm(B)〕は、10℃以上が好ましく、15〜55℃がより好ましく、20〜50℃が更に好ましい。
前記ポリエステル系樹脂(A)とポリエステル系樹脂(B)と質量比〔((A)/(B)〕は、1/9〜9/1が好ましく、2/8〜8/2がより好ましく、3/7〜7/3が更に好ましい。
このような特性を備えた前記高軟化点のポリエステル系樹脂(A)は耐オフセット性の向上に、前記低軟化点のポリエステル系樹脂(B)は低温定着性の向上にそれぞれ寄与し、前記ポリエステル系樹脂(A)と、前記ポリエステル系樹脂(B)との併用は、低温定着性と耐オフセット性との両立に有効である。
本発明においては、前記ポリエステル系樹脂(A)及び(B)の少なくともいずれかが、1,2−プロパンジオールの2価アルコール成分における含有量が65モル%以上であり、実質的に脂肪族アルコールのみからなるアルコール成分と、カルボン酸成分とを縮重合させて得られる。
−アルコール成分−
前記アルコール成分に用いられる炭素数3の分岐鎖型のアルコールである1,2−プロパンジオールは、炭素数2以下のアルコールと対比して耐オフセット性を維持したまま低温定着性を向上させるのに有効であり、炭素数4以上の分岐鎖型アルコールと対比してガラス転移温度の低下に伴う保存性の低下防止に有効であり、極めて低い温度での定着が可能となり、保存性が向上するという驚くべき効果が奏される。また、1,2−プロパンジオールをアルコール成分として含有するポリエステル系樹脂は、離型剤との相溶性に優れ、溶融混練した際の分散性が極めて良好である。特に1,2−プロパンジオールの含有量が、2価のアルコール成分中、65モル%以上であるときは、分散性が極めて良好となり、また、トナーの機械的強度も向上し、耐熱保存性にも優れたトナーが得られる。
前記アルコール成分としては、本発明の目的及び作用効果が損なわれない範囲で、1,2−プロパンジオール以外のアルコールが含有されていてもよいが、1,2−プロパンジオールの含有量は、2価のアルコール成分中65モル%以上であり、70モル%以上が好ましく、80モル%以上がより好ましく、90モル%以上が更に好ましい。前記1,2−プロパンジオール以外の2価のアルコール成分としては、1,3−プロパンジオール、炭素数の異なるエチレングリコール、水素添加ビスフェノールA、又はそれらのアルキレン(炭素数2〜4)オキサイド(平均付加モル数1〜16)付加物等の脂肪族ジアルコールなどが挙げられる。
前記2価のアルコール成分の含有量は、アルコール成分中60〜95モル%が好ましく、65〜90モル%がより好ましい。
前記ポリエステル系樹脂(A)のアルコール成分には、耐オフセット性の観点から、1,3−プロパンジオールが含有されていることが好ましい。前記ポリエステル系樹脂(A)のアルコール成分における1,2−プロパンジオールと1,3−プロパンジオールのモル比(1,2−プロパンジオール/1,3−プロパンジオール)は、99/1〜65/35が好ましく、95/5〜70/30がより好ましく、90/10〜75/25が更に好ましく、85/15〜77/23が更に好ましい。
前記ポリエステル系樹脂(A)及び(B)の少なくともいずれかのアルコール成分には、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物などの芳香族アルコールが含有されていてもよいが、前記ポリエステル系樹脂(A)及び(B)の少なくともいずれかのアルコール成分は、実質的に脂肪族アルコールのみからなるものであり、好ましくはポリエステル系樹脂(A)及び(B)の両アルコール成分が、実質的に脂肪族アルコールのみからなるものである。
ここで、本願明細書において、「実質的に脂肪族アルコールのみからなるアルコール成分」とは、脂肪族アルコールの含有量が、アルコール成分中90モル%以上であることを意味し、95モル%以上がより好ましく、98モル%以上が更に好ましく、特に99モル%以上であるものを意味する。
−カルボン酸成分−
前記カルボン酸成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、炭素数2〜4の脂肪族ジカルボン酸化合物が含有されていることが好ましい。前記炭素数2〜4の脂肪族ジカルボン酸化合物としては、例えばアジピン酸、マレイン酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、又はこれらの酸の無水物などが挙げられる。これらの中でも、低温定着性の向上に有効である点からコハク酸、フマル酸、シトラコン酸、及びイタコン酸から選択される少なくとも1種の脂肪族ジカルボン酸化合物が好ましく、イタコン酸が特に好ましい。
前記炭素数2〜4の脂肪族ジカルボン酸の含有量は、低温定着性の向上及びガラス転移温度の低下抑制の観点から、前記カルボン酸成分中0.5〜20モル%が好ましく、1〜10モル%がより好ましい。このような芳香族環を有さない脂肪族カルボン酸化合物を1,2−プロパンジオールと縮重合させることにより得られるポリエステル系樹脂は、離型剤との相溶性が向上するため、離型剤との併用により、より一層耐フィルミング性を向上させることができる。
また、前記カルボン酸成分には、ロジンが含有されていることが好ましい。多環芳香環を有するロジンにより、従来の脂肪族系アルコール系ポリエステルが有していた吸水性が低下し、高温高湿下での帯電量低下に対する効果がより一層高まる。
前記ロジンとは、松類から得られる天然樹脂であり、その主成分は、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、パラストリン酸、ピマール酸、イソピマール酸、サンダラコピマール酸、デヒドロアビエチン酸等の樹脂酸、又はこれらの混合物である。
前記ロジンは、パルプを製造する工程で副産物として得られるトール油から得られるトールロジン、生松ヤニから得られるガムロジン、松の切株から得られるウッドロジン等に大別されるが、本発明におけるロジンは、低温定着性の観点から、トールロジンが好ましい。
また、不均化ロジン、水素化ロジン等の変性ロジンであってもよいが、本発明においては、低温定着性及び保存性の観点から、変性をしていない、いわゆる生ロジンを使用することが好ましい。
前記ロジンは、保存性の向上及び臭気の観点から、精製ロジンであることが好ましい。
前記精製ロジンは、精製工程により不純物が除去されたロジンである。主な不純物としては、例えば2−メチルプロパン、アセトアルデヒド、3−メチル−2−ブタノン、2−メチルプロパン酸、ブタン酸、ペンタン酸、n−ヘキサナール、オクタン、ヘキサン酸、ベンズアルデヒド、2−ペンチルフラン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン、1−メチル−2−(1−メチルエチル)ベンゼン、3,5−ジメチル2−シクロヘキセン、4−(1−メチルエチル)ベンズアルデヒドなどが挙げられる。本発明においては、これらのうち、2−メチルプロパン、ペンタン酸及びベンズアルデヒドの3種類の不純物の、ヘッドスペースGC−MS法により揮発成分として検出されるピーク強度を精製ロジンの指標として用いることができる。なお、不純物の絶対量ではなく揮発成分を指標とするのは、本発明における精製ロジンの使用が、ロジンを使用した従来のポリエステル樹脂に対して、臭気を改良の課題の1つとしていることによる。
本発明における精製ロジンとは、後述のヘッドスペースGC−MS法の測定条件において、ヘキサン酸のピーク強度が0.8×10以下であり、ペンタン酸のピーク強度が0.4×10以下であり、ベンズアルデヒドのピーク強度が0.4×10以下であるロジンをいう。更に、保存性及び臭気の観点から、ヘキサン酸のピーク強度は、0.6×10以下が好ましく、0.5×10以下がより好ましい。ペンタン酸のピーク強度は、0.3×10以下が好ましく、0.2×10以下がより好ましい。ベンズアルデヒドのピーク強度は、0.3×10以下が好ましく、0.2×10以下がより好ましい。
更に、保存性及び臭気の観点から、上記3種の物質に加え、n−ヘキサナールと2−ペンチルフランが低減されていることが好ましい。n−ヘキサナールのピーク強度は、1.7×10以下が好ましく、1.6×10以下がより好ましく、1.5×10以下が更に好ましい。また、2−ペンチルフランのピーク強度は1.0×10以下が好ましく、0.9×10以下がより好ましく、0.8×10以下が更に好ましい。
前記ロジンの精製方法としては、特に制限はなく、公知の方法が利用可能であり、蒸留、再結晶、抽出等による方法が挙げられ、蒸留によって、精製するのが好ましい。蒸留の方法としては、例えば特開平7−286139号公報に記載されている方法が利用でき、減圧蒸留、分子蒸留、水蒸気蒸留等が挙げられるが、減圧蒸留によって精製するのが好ましい。例えば、蒸留は通常6.67kPa以下の圧力で200〜300℃のスチル温度で実施され、通常の単蒸留をはじめ、薄膜蒸留、精留等の方法が適用され、通常の蒸留条件下では仕込みロジンに対し2〜10質量%の高分子量物がピッチ分として除去すると同時に2〜10質量%の初留分を同時に除去する。
前記精製ロジンの軟化点は、50〜100℃が好ましく、60〜90℃がより好ましく、65〜85℃が更に好ましい。また、精製することにより、ロジンに含まれる不純物が除去される。本発明における精製ロジンの軟化点とは、後述する方法により、ロジンを一度溶融させ、温度25℃、相対湿度50%の環境下で1時間自然冷却させた際に測定される軟化点を意味する。
前記精製ロジンの酸価は、100〜200mgKOH/gが好ましく、130〜180mgKOH/gがより好ましく、150〜170mgKOH/gが更に好ましい。
前記精製ロジンの含有量は、前記カルボン酸成分中、2〜50モル%が好ましく、5〜40モル%がより好ましく、10〜30モル%が更に好ましい。
前記カルボン酸成分には、本発明の効果が損なわれない範囲で、前記脂肪族カルボン酸化合物及びロジン以外のカルボン酸化合物が含まれていてもよく、ガラス転移温度の確保の観点から、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸が含有されていることが好ましい。前記芳香族ジカルボン酸の含有量は、前記カルボン酸成分中、40〜95モル%が好ましく、50〜90モル%がより好ましく、60〜80モル%が更に好ましい。
前記ポリエステル系樹脂は、架橋ポリエステル樹脂であることが好ましく、架橋剤として、3価以上の原料モノマーが前記アルコール成分及び前記カルボン酸成分の少なくともいずれかに含まれていることが好ましい。前記3価以上の原料モノマーの含有量は、アルコール成分とカルボン酸成分の総量中、0〜40モル%が好ましく、5〜30モル%がより好ましい。
前記3価以上の原料モノマーにおいて、3価以上の多価カルボン酸化合物としては、例えばトリメリット酸又はその誘導体が好ましい。3価以上の多価アルコールとしては、例えばグリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ソルビトール、又はそれらのアルキレン(炭素数2〜4)オキサイド(平均付加モル数1〜16)付加物等が挙げられる。これらの中でも、架橋剤として作用するだけでなく低温定着性の向上にも有効であることから、グリセリンが特に好ましい。かかる観点から前記ポリエステル系樹脂(A)及び(B)の少なくともいずれかのアルコール成分として、グリセリンを含有することが好ましい。該グリセリンの含有量は、アルコール成分中、5〜40モル%が好ましく、10〜35モル%がより好ましい。
−エステル化触媒−
前記アルコール成分と前記カルボン酸成分との縮重合は、エステル化触媒の存在下で行うことが好ましい。前記エステル化触媒としては、p−トルエンスルホン酸等のルイス酸類、チタン化合物、Sn−C結合を有さない錫(II)化合物が挙げられ、これらはそれぞれ単独で又は両者を併用して用いられる。これらの中でも、チタン化合物、Sn−C結合を有さない錫(II)化合物が特に好ましい。
前記チタン化合物としては、Ti−O結合を有するチタン化合物が好ましく、総炭素数1〜28のアルコキシ基、アルケニルオキシ基、又はアシルオキシ基を有する化合物がより好ましい。
前記チタン化合物としては、例えばチタンジイソプロピレートビストリエタノールアミネート〔Ti(C14N)(CO)〕、チタンジイソプロピレートビスジエタノールアミネート〔Ti(C10N)(CO)〕、チタンジペンチレートビストリエタノールアミネート〔Ti(C14N)(C11O)〕、チタンジエチレートビストリエタノールアミネート〔Ti(C14N)(CO)〕、チタンジヒドロキシオクチレートビストリエタノールアミネート〔Ti(C14N)(OHC16O)〕、チタンジステアレートビストリエタノールアミネート〔Ti(C14N)(C1837O)〕、チタントリイソプロピレートトリエタノールアミネート〔Ti(C14N)(CO)〕、チタンモノプロピレートトリス(トリエタノールアミネート)〔Ti(C14N)(CO)〕などが挙げられる。これらの中でも、チタンジイソプロピレートビストリエタノールアミネート、チタンジイソプロピレートビスジエタノールアミネート、チタンジペンチレートビストリエタノールアミネートが特に好ましく、これらは、例えばマツモト交商株式会社製の市販品としても入手可能である。
その他の好ましいチタン化合物としては、例えばテトラ−n−ブチルチタネート〔Ti(CO)〕、テトラプロピルチタネート〔Ti(CO)〕、テトラステアリルチタネート〔Ti(C1837O)〕、テトラミリスチルチタネート〔Ti(C1429O)〕、テトラオクチルチタネート〔Ti(C17O)〕、ジオクチルジヒドロキシオクチルチタネート〔Ti(C17O)(OHC16O)〕、ジミリスチルジオクチルチタネート〔Ti(C1429O)(C17O)〕などが挙げられる。これらの中でも、テトラステアリルチタネート、テトラミリスチルチタネート、テトラオクチルチタネート、ジオクチルジヒドロキシオクチルチタネートが好ましく、これらは、例えばハロゲン化チタンを対応するアルコールと反応させることにより得ることもできるが、ニッソー株式会社等の市販品としても入手可能である。
前記チタン化合物の存在量は、前記アルコール成分及び前記カルボン酸成分の総量100質量部に対して、0.01〜1.0質量部が好ましく、0.1〜0.7質量部がより好ましい。
前記Sn−C結合を有していない錫(II)化合物としては、Sn−O結合を有する錫(II)化合物、Sn−X(ただし、Xはハロゲン原子を示す)結合を有する錫(II)化合物等が好ましく、Sn−O結合を有する錫(II)化合物がより好ましい。
前記Sn−O結合を有する錫(II)化合物としては、例えばシュウ酸錫(II)、ジ酢酸錫(II)、ジオクタン酸錫(II)、ジラウリル酸錫(II)、ジステアリン酸錫(II)、ジオレイン酸錫(II)等の炭素数2〜28のカルボン酸基を有するカルボン酸錫(II);ジオクチロキシ錫(II)、ジラウロキシ錫(II)、ジステアロキシ錫(II)、ジオレイロキシ錫(II)等の炭素数2〜28のアルコキシ基を有するジアルコキシ錫(II);酸化錫(II);硫酸錫(II)などが挙げられる。
前記Sn−X(ただし、Xはハロゲン原子を示す)結合を有する化合物としては、例えば塩化錫(II)、臭化錫(II)等のハロゲン化錫(II)などが挙げられ、これらの中でも、帯電立ち上がり効果及び触媒能の点から、(RCOO)Sn(ただし、Rは炭素数5〜19のアルキル基又はアルケニル基を示す)で表される脂肪酸錫(II)、(RO)Sn(ただし、Rは炭素数6〜20のアルキル基又はアルケニル基を示す)で表されるジアルコキシ錫(II)、SnOで表される酸化錫(II)が好ましく、(RCOO)Snで表される脂肪酸錫(II)、酸化錫(II)がより好ましく、ジオクタン酸錫(II)、ジステアリン酸錫(II)、酸化錫(II)が更に好ましい。
前記Sn−C結合を有していない錫(II)化合物の存在量は、前記アルコール成分及び前記カルボン酸成分の総量100質量部に対して、0.01〜1.0質量部が好ましく、0.1〜0.7質量部がより好ましい。
前記チタン化合物と前記Sn−C結合を有していない錫(II)化合物とを併用する場合、チタン化合物と錫(II)化合物の総存在量は、前記アルコール成分及び前記カルボン酸成分の総量100質量部に対して、0.01〜1.0質量部が好ましく、0.1〜0.7質量部がより好ましい。
前記アルコール成分とカルボン酸成分との縮重合は、例えば、前記エステル化触媒の存在下、不活性ガス雰囲気中にて、180〜250℃の温度で行うことができる。ポリエステル系樹脂の軟化点は反応時間により調整することができる。
前記ポリエステル系樹脂(A)及び(B)のガラス転移温度は、定着性、保存性及び耐久性の観点から、45〜75℃が好ましく、50〜70℃がより好ましく、50℃〜65℃が更に好ましい。前記酸価は、帯電性と環境安定性の観点から、1〜80mgKOH/gが好ましく、10〜50mgKOH/gがより好ましい。
本発明において、ポリエステル系樹脂(A)及び(B)は、結晶性とは異なる非晶質ポリエステルであることが好ましい。本明細書において、「非晶質ポリエステル」とは、軟化点とガラス転移温度(Tg)の差が30℃以上あるポリエステルをいう。
なお、前記ポリエステル系樹脂(A)及び(B)は、変性されたポリエステル樹脂であってもよい。該変性されたポリエステル樹脂とは、フェノール、ウレタン等によりグラフト化やブロック化したポリエステル樹脂をいう。
前記結着樹脂には、本発明の効果を損なわない範囲で、公知の結着樹脂、例えば、スチレン−アクリル樹脂等のビニル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン等の他の樹脂が併用されていてもよいが、前記ポリエステル系樹脂(A)及びポリエステル系樹脂(B)の総含有量は、結着樹脂中、70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上が更に好ましく、実質的に100質量%であることが特に好ましい。
−離型剤(ワックス)−
前記離型剤(ワックス)としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、サゾールワックス等の脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックス等の脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物又はそれらのブロック共重合体;キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろう等の植物系ワックス;みつろう、ラノリン、鯨ろう等の動物系ワックス;オゾケライト、セレシン、ペテロラタム等の鉱物系ワックス;モンタン酸エステルワックス、カスターワックス等の脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックス等の脂肪酸エステルを一部又は全部を脱酸化したもの、などが挙げられる。
前記ワックスとしては、更に、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸、あるいは更に直鎖のアルキル基を有する直鎖アルキルカルボン酸類等の飽和直鎖脂肪酸;プランジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸等の不飽和脂肪酸;ステアリルアルコール、エイコシルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウピルアルコール、セリルアルコール、メシリルアルコール、長鎖アルキルアルコール等の飽和アルコール;ソルビトール等の多価アルコール;リノール酸アミド、オレフィン酸アミド、ラウリン酸アミド等の脂肪酸アミド;メチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド等の飽和脂肪酸ビスアミド;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N'−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N'−ジオレイルセパシン酸アミド等の不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N−ジステアリルイソフタル酸アミド等の芳香族系ビスアミド;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等の脂肪酸金属塩;脂肪族炭化水素系ワックスにスチレン、アクリル酸等のビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス;ベヘニン酸モノグリセリド等の脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化合物;植物性油脂を水素添加することによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物などが挙げられる。
更に、オレフィンを高圧下でラジカル重合したポリオレフィン、高分子量ポリオレフィン重合時に得られる低分子量副生成物を精製したポリオレフィン、低圧下でチーグラー触媒、メタロセン触媒等の触媒を用いて重合したポリオレフィン、放射線、電磁波又は光を利用して重合したポリオレフィン、高分子量ポリオレフィンを熱分解して得られる低分子量ポリオレフィン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス、ジントール法、ヒドロコール法、アーゲ法等により合成される合成炭化水素ワックス;炭素数1個の化合物をモノマーとする合成ワックス;水酸基又はカルボキシル基等の官能基を有する炭化水素系ワックス;炭化水素系ワックスと官能基を有する炭化水素系ワックスとの混合物、又はこれらのワックスを母体としてスチレン、マレイン酸エステル、アクリレート、メタクリレート、無水マレイン酸等のビニルモノマーでグラフト変性したワックスなどが挙げられる。
更に、これらのワックスを、プレス発汗法、溶剤法、再結晶法、真空蒸留法、超臨界ガス抽出法又は溶液晶析法を用いて分子量分布をシャープにしたもの、低分子量固形脂肪酸、低分子量固形アルコール、低分子量固形化合物、その他の不純物を除去したものも用いることができる。
これらの中でも、粉砕法で製造されるトナーの場合には、結着樹脂とワックスの界面で粉砕されやすいため、トナーの表面にワックスが露出し、感光体やキャリアへのフィルミングを発生させる等の問題があるが、本発明で使用される結着樹脂であるポリエステル系樹脂は、ワックスの分散性が極めて良好であり、結着樹脂とワックスの相溶作用により、ワックスがトナーから離脱しにくい。このため、従来のトナーと較べて、フィルミングの発生が極めて少ない。本発明の結着樹脂に対しては、上記のワックスの中でも、カルナウバワックスが最も良好な分散性を示すのでより好ましく、遊離脂肪酸を脱離したカルナウバワックスが特に好ましい。
前記ワックスの融点としては、定着性と耐オフセット性のバランスを取る点から、60〜120℃が好ましく、70〜110℃がより好ましい。前記融点が60℃未満であると、耐ブロッキング性が低下することがあり、120℃を超えると、耐オフセット効果が発現しにくくなることがある。
また、2種以上の異なる種類のワックスを併用することにより、ワックスの作用である可塑化作用と離型作用を同時に発現させることができる。前記可塑化作用を有するワックスの種類としては、例えば、融点の低いワックス、分子の構造上に分岐のあるワックス、極性基を有する構造のワックス、などが挙げられる。前記離型作用を有するワックスとしては、融点の高いワックスが挙げられ、その分子の構造としては、直鎖構造のもの、官能基を有さない無極性のものが挙げられ、例えば、2種以上の異なるワックスの融点の差が10〜100℃のものの組み合わせ、ポリオレフィンとグラフト変性ポリオレフィンの組み合わせ、などが挙げられる。
2種のワックスを選択する際には、同様構造のワックスの場合には、相対的に融点の低いワックスが可塑化作用を発揮し、融点の高いワックスが離型作用を発揮する。この時、融点の差が10〜100℃であると、機能分離が効果的に発現するので好ましい。前記融点の差が10℃未満であると、機能分離効果が表れにくいことがあり、100℃を超えると、相互作用による機能の強調が行われにくいことがある。このとき、機能分離効果を発揮しやすくなる傾向があることから、少なくとも一方のワックスの融点が60〜120℃が好ましく、70〜110℃がより好ましい。
前記ワックスは、相対的に、枝分かれ構造のものや官能基等の極性基を有するものや主成分とは異なる成分で変性されたものが可塑作用を発揮し、より直鎖構造のもの、官能基を有さない無極性のもの、未変性のストレートなものが離型作用を発揮する点から好ましい。好ましい組み合わせとしては、例えば(1)エチレンを主成分とするポリエチレンホモポリマー又はコポリマーと、エチレン以外のオレフィンを主成分とするポリオレフィンホモポリマー又はコポリマーとの組み合わせ、(2)ポリオレフィンとグラフト変性ポリオレフィンの組み合わせ、(3)アルコールワックス、脂肪酸ワックス又はエステルワックスと、炭化水素系ワックスとの組み合わせ、(4)フイシャートロプシュワックス又はポリオレフィンワックスと、パラフィンワックス又はマイクロクリスタルワックスとの組み合わせ、(5)フィッシャートロプシュワックスと、ポルリオレフィンワックスとの組み合わせ、(6)パラフィンワックスとマイクロクリスタルワックスとの組み合わせ、(7)カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス又はモンタンワックスと、炭化水素系ワックスとの組み合わせなどが挙げられる。
いずれの場合においても、トナー保存性と定着性のバランスをとりやすくなることから、前記離型剤のDSC測定において観測される吸熱ピークにおいて、60〜120℃の領域に最大ピークのピークトップ温度があることが好ましく、70〜110℃の領域に最大ピークを有しているのがより好ましい。
本発明においては、DSCにおいて測定される離型剤(ワックス)の吸熱ピークの最大ピークのピークトップ温度をもってワックスの融点とする。
ここで、前記ワックスの最大吸熱ピークは、例えばDSC測定機器として示差走査熱量計(島津製作所製、TA−60WS、及びDSC−60)を用い、測定されるDSC曲線から求めることができる。測定方法としては、ASTM D3418−82に準じて行った。本発明に用いられるDSC曲線は、1回昇温し、降温させて前履歴を取った後、温度速度10℃/minで、昇温させた時に測定されるものを用いることができる。
前記ワックスの前記トナーにおける含有量としては、前記結着樹脂100質量部に対し、0.2〜30質量部が好ましく、1〜15質量部がより好ましく、3〜10質量部が更に好ましい。
−着色剤−
前記着色剤としては、特に制限はなく、公知の染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記着色剤の色としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、黒色用のもの、カラー用のもの、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記黒色用のものとしては、例えばファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料、などが挙げられる。
マゼンタ用着色顔料としては、例えばC.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48、48:1、49、50、51、52、53、53:1、54、55、57、57:1、58、60、63、64、68、81、83、87、88、89、90、112、114、122、123、163、177、179、202、206、207、209、211;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35などが挙げられる。
シアン用着色顔料としては、例えばC.I.ピグメントブルー2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17、60;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45又フタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料、グリーン7、グリーン36などが挙げられる。
イエロー用着色顔料としては、例えばC.I.ピグメントイエロー0−16、1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、55、65、73、74、83、97、110、151、154、180;C.I.バットイエロー1、3、20、オレンジ36などが挙げられる。
前記着色剤の前記トナーにおける含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1〜15質量%が好ましく、3〜10質量%がより好ましい。前記含有量が1質量%未満であると、トナーの着色力の低下が見られ、15質量%を超えると、トナー中での顔料の分散不良が起こり、着色力の低下、及びトナーの電気特性の低下を招くことがある。
前記着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして使用してもよい。該樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、スチレン又はその置換体の重合体、スチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリブチルメタクリレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記スチレン又はその置換体の重合体としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリp−クロロスチレン樹脂、ポリビニルトルエン樹脂などが挙げられる。前記スチレン系共重合体としては、例えば、スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などが挙げられる。
前記マスターバッチは、前記マスターバッチ用樹脂と、前記着色剤とを高せん断力をかけて混合又は混練させて製造することができる。この際、着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を添加することが好ましい。また、いわゆるフラッシング法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができ、乾燥する必要がない点で好適である。前記フラッシング法は、着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合又は混練し、着色剤を樹脂側に移行させて水分及び有機溶剤成分を除去する方法である。前記混合又は混練には、例えば三本ロールミル等の高せん断分散装置が好適に用いられる。
−帯電制御剤−
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、公知のもの中から目的に応じて適宜選択することができるが、有色材料を用いると色調が変化することがあるため、無色乃至白色に近い材料が好ましく、例えば、トリフェニルメタン系染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又はその化合物、タングステンの単体又はその化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸の金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記帯電制御剤は、市販品を使用してもよく、該市販品としては、例えば、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(いずれもオリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(いずれも保土谷化学工業株式会社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(いずれもヘキスト社製);LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット株式会社製);キナクリドン、アゾ系顔料;スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物などが挙げられる。
前記帯電制御剤は、前記マスターバッチと共に溶融混練させた後、溶解乃至分散させてもよく、前記トナーの各成分と共に前記有機溶剤に直接、溶解乃至分散させる際に添加してもよく、あるいはトナー粒子製造後にトナー表面に固定させてもよい。
前記帯電制御剤の前記トナーにおける含有量としては、前記結着樹脂の種類、添加剤の有無、分散方法等により異なり、一概に規定することができないが、例えば、前記結着樹脂100質量部に対し、0.1〜10質量部が好ましく、0.2〜5質量部がより好ましい。前記含有量が0.1質量部未満であると、帯電制御性が得られないことがあり、10質量部を超えると、トナーの帯電性が大きくなりすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させて、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や画像濃度の低下を招くことがある。
−外添剤−
前記外添剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、シリカ微粒子、疎水化されたシリカ微粒子、脂肪酸金属塩(例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウムなど);金属酸化物(例えばチタニア、アルミナ、酸化錫、酸化アンチモンなど)又はこれらの疎水化物、フルオロポリマーなどが挙げられる。これらの中でも、疎水化されたシリカ微粒子、チタニア粒子、疎水化されたチタニア微粒子、が好適に挙げられる。
前記シリカ微粒子としては、例えばHDK H 2000、HDK H 2000/4、HDK H 2050EP、HVK21、HDK H1303(いずれも、ヘキスト社製);R972、R974、RX200、RY200、R202、R805、R812(いずれも日本アエロジル株式会社製)などが挙げられる。前記チタニア微粒子としては、例えばP−25(日本アエロジル株式会社製);STT−30、STT−65C−S(いずれも、チタン工業株式会社製);TAF−140(富士チタン工業株式会社製);MT−150W、MT−500B、MT−600B、MT−150A(いずれも、テイカ株式会社製)などが挙げられる。前記疎水化された酸化チタン微粒子としては、例えばT−805(日本アエロジル株式会社製);STT−30A、STT−65S−S(いずれも、チタン工業株式会社製);TAF−500T、TAF−1500T(いずれも、富士チタン工業株式会社製);MT−100S、MT−100T(いずれも、テイカ株式会社製);IT−S(石原産業株式会社製)などが挙げられる。
前記疎水化されたシリカ微粒子、疎水化されたチタニア微粒子、疎水化されたアルミナ微粒子を得るためには、親水性の微粒子をメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤で処理して得ることができる。
前記疎水化処理剤としては、例えばジアルキルジハロゲン化シラン、トリアルキルハロゲン化シラン、アルキルトリハロゲン化シラン、ヘキサアルキルジシラザンなどのシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、シリコーンワニスなどが挙げられる。
また、無機微粒子にシリコーンオイルを必要ならば熱を加えて処理したシリコーンオイル処理無機微粒子も好適である。
前記無機微粒子としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化鉄、酸化銅、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸パリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。これらの中でも、シリカ、二酸化チタンが特に好ましい。
前記シリコーンオイルとしては、例えばジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、エポキシ・ポリエーテル変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、アクリル又はメタクリル変性シリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイルなどが挙げられる。
前記無機微粒子の一次粒子の平均粒径は、1〜100nmが好ましく、3〜70nmがより好ましい。前記平均粒径が1nm未満であると、無機微粒子がトナー中に埋没し、その機能が有効に発揮されにくいことがあり、100nmを超えると、静電潜像担持体表面を不均一に傷つけてしまうことがある。前記外添剤としては、無機微粒子や疎水化処理無機微粒子を併用することができるが、疎水化処理された一次粒子の平均粒径は1〜100nmが好ましく、5〜70nmがより好ましい。また、疎水化処理された一次粒子の平均粒径が20nm以下の無機微粒子を少なくとも2種類含み、かつ30nm以上の無機微粒子を少なくとも1種類含むことがより好ましい。また、前記無機微粒子のBET法による比表面積は、20〜500m/gであることが好ましい。
前記外添剤の添加量は、前記トナーに対し0.1〜5質量%が好ましく、0.3〜3質量%がより好ましい。
前記外添剤として樹脂微粒子も添加することができる。例えばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン;メタクリル酸エステル、アクリル酸エステルの共重合体;シリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロン等の重縮合系;熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。このような樹脂微粒子を併用することによってトナーの帯電性が強化でき、逆帯電のトナーを減少させ、地肌汚れを低減することができる。前記樹脂微粒子の添加量は、前記トナーに対し0.01〜5質量%が好ましく、0.1〜2質量%がより好ましい。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料、金属石鹸、等が挙げられる。
前記流動性向上剤は、表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止可能なものであり、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル、などが挙げられる。
前記クリーニング性向上剤は、静電潜像担持体や中間転写体に残存する転写後の現像剤を除去するために前記トナーに添加され、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩;ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子、などが挙げられる。前記ポリマー微粒子としては、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、体積平均粒径が0.01〜1μmのものが好適である。
前記磁性材料としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、鉄粉、マグネタイト、フェライト、などが挙げられる。これらの中でも、色調の点で白色のものが好ましい。
−トナーの製造方法−
前記トナーの製造方法としては、特に制限はなく、従来公知のトナーの製造方法の中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、混練・粉砕法、重合法、溶解懸濁法、噴霧造粒法等が挙げられる。これらの中でも、離型剤及び着色剤の分散性、生産性の観点から、混練・粉砕法が特に好ましい。
−−混練・粉砕法−−
前記混練・粉砕法は、例えば、少なくとも結着樹脂、着色剤、及び離型剤を含有するトナー材料を溶融混練し、得られた混練物を粉砕し、分級することにより、前記トナーの母体粒子を製造する方法である。
前記溶融混練では、前記トナー材料を混合し、該混合物を溶融混練機に仕込んで溶融混練する。該溶融混練機としては、例えば、一軸又は二軸の連続混練機や、ロールミルによるバッチ式混練機を用いることができる。例えば、神戸製鋼所製KTK型二軸押出機、東芝機械社製TEM型押出機、ケイシーケイ社製二軸押出機、株式会社池貝製PCM型二軸押出機、ブス社製コニーダー等が好適に用いられる。この溶融混練は、結着樹脂の分子鎖の切断を招来しないような適正な条件で行うことが好ましい。具体的には、溶融混練温度は、結着樹脂の軟化点を参考にして行われ、該軟化点より高温過ぎると切断が激しく、低温すぎると分散が進まないことがある。
前記粉砕では、前記混練で得られた混練物を粉砕する。この粉砕においては、まず、混練物を粗粉砕し、次いで微粉砕することが好ましい。この際ジェット気流中で衝突板に衝突させて粉砕したり、ジェット気流中で粒子同士を衝突させて粉砕したり、機械的に回転するローターとステーターの狭いギャップで粉砕する方式が好ましく用いられる。
前記分級は、前記粉砕で得られた粉砕物を分級して所定粒径の粒子に調整する。前記分級は、例えば、サイクロン、デカンター、遠心分離器等により、微粒子部分を取り除くことにより行うことができる。
前記粉砕及び分級が終了した後に、粉砕物を遠心力などで気流中に分級し、所定の粒径のトナー母体粒子を製造することができる。
次いで、外添剤のトナー母体粒子への外添が行われる。トナー母体粒子と外添剤とをミキサーを用い、混合及び攪拌することにより外添剤が解砕されながらトナー母体粒子表面に被覆される。この時、無機微粒子や樹脂微粒子等の外添剤を均一かつ強固にトナー母体粒子に付着させることが耐久性の点で重要である。
−−重合法−−
前記重合法によるトナーの製造方法としては、例えば、有機溶媒中に少なくともウレア又はウレタン結合し得る変性されたポリエステル系樹脂と着色剤を含むトナー材料溶解乃至分散させる。そして、この溶解乃至分散物を水系媒体中に分散し、重付加反応させ、この分散液の溶媒を除去し、洗浄して得られる。
前記ウレア又はウレタン結合し得る変性されたポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエステルの末端のカルボキシル基や水酸基等と多価イソシアネート化合物(PIC)とを反応させた、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーなどが挙げられる。そして、このポリエステルプレポリマーとアミン類等との反応により分子鎖が架橋及び/又は伸長されて得られる変性ポリエステル樹脂は、低温定着性を維持しながらホットオフセット性を向上させることができる。
前記多価イソシアネート化合物(PIC)としては、例えば脂肪族多価イソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート等);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネート等);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等);イソシアネート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタム等でブロックしたもの、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記多価イソシアネート化合物(PIC)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、5/1〜1/1が好ましく、4/1〜1.2/1がより好ましく、2.5/1〜1.5/1が更に好ましい。
前記イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有されるイソシアネート基は、1個以上が好ましく、平均1.5〜3個がより好ましく、平均1.8〜2.5個が更に好ましい。
前記ポリエステルプレポリマーと反応させるアミン類(B)としては、2価アミン化合物(B1)、3価以上の多価アミン化合物(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。
前記2価アミン化合物(B1)としては、例えば芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン等);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミン等);脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等)などが挙げられる。
前記3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、例えばジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。
前記アミノアルコール(B3)としては、例えばエタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。
前記アミノメルカプタン(B4)としては、例えばアミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。
前記アミノ酸(B5)としては、例えばアミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。
前記B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、例えば前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)の中でも、B1及びB1と少量のB2の混合物が特に好ましい。
前記アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、1/2〜2/1が好ましく、1.5/1〜1/1.5がより好ましく、1.2/1〜1/1.2が更に好ましい。
上記のような重合法によるトナーの製造方法によれば、小粒径かつ球形状トナーを環境負荷少なく、低コストで作製することができる。
前記トナーの着色としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、ブラックトナー、シアントナー、マゼンタトナー及びイエロートナーから選択される少なくとも1種とすることができ、各色のトナーは前記着色剤の種類を適宜選択することにより得ることができるが、カラートナーであるのが好ましい。
前記トナーの重量平均粒径は3〜8μmであり、4〜7μmが好ましく、5〜6μmがより好ましい。この範囲において微少な潜像ドットに対しても優れた再現性を発揮することができる。前記重量平均粒径が3μm未満であると、優れた再現性を持つが、トナーの流動性が悪化することがあり、8μmを超えると、ドット再現性が低下する傾向が顕著に現れることがある。
また、本発明のトナーにおいて、粒径5μm以下の粒子の含有率は、60〜90個数%であり、60〜80個数%が好ましく、60〜70個数%がより好ましい。この範囲であれば、微細粒子が画像のエッジ部を滑らかにし、粒状度や鮮鋭性、細線再現性の極めて優れた高品位の画像を得ることができる。前記粒径5μm以下の粒子の含有率が60個数%未満であると、画像品質が悪化することがあり、90個数%を超えると、トナーの流動性、及び転写性が悪化することがある。
前記トナーの粒度分布は、重量平均粒径(D)と個数平均粒径(Dn)との比(D/Dn)として表すことができる。該トナーの粒度分布(D/Dn)は、1.65〜2.00が好ましく、1.70〜1.90がより好ましい。トナー中に小粒径の粒子が多い場合、画像品質には優れるが、一方でトナーの流動性や転写性が悪化する傾向が現れるので、本発明のようなトナーにおいては、適度な広さの粒度分布を持っている方が、流動性や転写性の悪化を抑えることができる。
ここで、前記トナーの重量平均粒径(D)、粒度分布(D/Dn)、及び粒径5μm以下の粒子の含有率は、例えば以下のようにして測定することができる。
・測定機:コールターマルチサイザーIII(ベックマンコールター社製)
・アパーチャー径:100μm
・解析ソフト:ベックマン コールター マルチサイザー 3 バージョン3.51(ベックマンコールター社製)
・電解液:アイソトンIII(ベックマンコールター社製)
・分散液:10質量%界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸塩、ネオゲンSC−A、第一工業製薬株式会社製)
・分散条件:分散液5mLに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させる。その後、電解液25mLを添加し、更に超音波分散機にて1分間分散させる。
・測定条件:ビーカーに電解液100mLと分散液を加え、3万個の粒子の粒径を20秒で測定できる濃度で、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から重量平均粒径(D)、粒度分布(D/Dn)、及び粒径5μm以下の粒子の含有率を求めることができる。
(現像剤)
本発明の現像剤は、本発明の前記トナーを少なくとも含有してなり、キャリア等の適宜選択したその他の成分を含有してなる。該現像剤としては、一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよいが、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンタ等に使用する場合には、寿命向上等の点で前記二成分現像剤が好ましい。
前記トナーを用いた前記一成分現像剤の場合、トナーの収支が行われても、トナーの粒子径の変動が少なく、現像剤担持体としての現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するためのブレード等の層厚規制部材へのトナーの融着がなく、現像手段の長期の使用(撹拌)においても、良好で安定した現像性及び画像が得られる。また、前記トナーを用いた前記二成分現像剤の場合、長期にわたるトナーの収支が行われても、現像剤中のトナー粒子径の変動が少なく、現像手段における長期の撹拌においても、良好で安定した現像性が得られる。
−キャリア−
前記キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と、該芯材を被覆する樹脂層とを有するものが好ましい。
前記芯材の材料としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、50〜90emu/gのマンガン−ストロンチウム(Mn−Sr)系材料、マンガン−マグネシウム(Mn−Mg)系材料などが好ましく、画像濃度の確保の点では、鉄粉(100emu/g以上)、マグネタイト(75〜120emu/g)等の高磁化材料が好ましい。また、トナーが穂立ち状態となっている静電潜像担持体への当りを弱くでき高画質化に有利である点で、銅−ジンク(Cu−Zn)系(30〜80emu/g)等の弱磁化材料が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよい、2種以上を併用してもよい。
前記芯材の粒径としては、平均粒径(体積平均粒径(D50))で、10〜200μmが好ましく、40〜100μmがより好ましい。前記平均粒径(体積平均粒径(D50))が、10μm未満であると、キャリア粒子の分布において、微粉系が多くなり、1粒子当たりの磁化が低くなってキャリア飛散を生じることがあり、200μmを超えると、比表面積が低下し、トナーの飛散が生じることがあり、ベタ部分の多いフルカラーでは、特にベタ部の再現が悪くなることがある。
前記樹脂層の材料としては、特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えばアミノ系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、フッ化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、フッ化ビニリデンとフッ化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンと非フッ化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー(フッ化三重(多重)共重合体)、シリコーン樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、シリコーン樹脂が特に好ましい。
前記シリコーン樹脂としては、特に制限はなく、一般的に知られているシリコーン樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オルガノシロサン結合のみからなるストレートシリコーン樹脂;アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等で変性したシリコーン樹脂、などが挙げられる。
前記シリコーン樹脂としては、市販品を用いることができ、ストレートシリコーン樹脂としては、例えば、信越化学工業株式会社製のKR271、KR255、KR152;東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製のSR2400、SR2406、SR2410などが挙げられる。
前記変性シリコーン樹脂としては、市販品を用いることができ、例えば、信越化学工業株式会社製のKR206(アルキド変性)、KR5208(アクリル変性)、ES1001N(エポキシ変性)、KR305(ウレタン変性);東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製のSR2115(エポキシ変性)、SR2110(アルキド変性)、などが挙げられる。
なお、シリコーン樹脂を単体で用いることも可能であるが、架橋反応する成分、帯電量調整成分等を同時に用いることも可能である。
前記樹脂層には、必要に応じて導電粉等を含有させてもよく、該導電粉としては、例えば、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛、などが挙げられる。これらの導電粉の平均粒子径としては、1μm以下が好ましい。前記平均粒子径が1μmを超えると、電気抵抗の制御が困難になることがある。
前記樹脂層は、例えば、前記シリコーン樹脂等を溶剤に溶解させて塗布溶液を調製した後、該塗布溶液を前記芯材の表面に公知の塗布方法により均一に塗布し、乾燥した後、焼付を行うことにより形成することができる。前記塗布方法としては、例えば、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法、などが挙げられる。
前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、セルソルブ、ブチルアセテート、などが挙げられる。
前記焼付としては、特に制限はなく、外部加熱方式であってもよいし、内部加熱方式であってもよく、例えば、固定式電気炉、流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉等を用いる方法、マイクロウエーブを用いる方法、などが挙げられる。
前記樹脂層の前記キャリアにおける量としては、0.01〜5.0質量%が好ましい。前記量が、0.01質量%未満であると、前記芯材の表面に均一な前記樹脂層を形成することができないことがあり、5.0質量%を超えると、前記樹脂層が厚くなり過ぎてキャリア同士の造粒が発生し、均一なキャリア粒子が得られないことがある。
前記現像剤が二成分現像剤である場合には、前記キャリアの該二成分現像剤における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、90〜98質量%が好ましく、93〜97質量%がより好ましい。
前記二成分現像剤のトナーとキャリアの混合割合は、一般にキャリア100質量部に対しトナー1〜10.0質量部が好ましい。
(画像形成装置及び画像形成方法)
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、帯電手段と、露光手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段とを少なくとも有してなり、クリーニング手段、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。なお、帯電手段と、露光手段とを合わせて静電潜像形成手段と称することもある。
本発明の画像形成方法は、帯電工程と、露光工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程とを少なくとも含んでなり、クリーニング工程、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、除電工程、リサイクル工程、制御工程等を含んでなる。なお、帯電工程と、露光工程とを合わせて静電潜像形成工程と称することもある。
本発明の画像形成方法は、本発明の画像形成装置により好適に実施することができ、前記帯電工程は前記帯電手段により行うことができ、前記露光工程は前記露光手段により行うことができ、前記現像工程は前記現像手段により行うことができ、前記転写工程は前記転写手段により行うことができ、前記定着工程は前記定着手段により行うことができ、前記クリーニング工程は前記クリーニング手段により行うことができ、前記その他の工程は前記その他の手段により行うことができる。
<静電潜像担持体>
前記静電潜像担持体としては、その材質、形状、構造、大きさ等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記形状としては、例えば、ドラム状、シート状、エンドレスベルト状などが挙げられる。前記構造としては、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよく、前記大きさとしては、前記画像形成装置の大きさや仕様等に応じて適宜選択することができる。前記材質としては、例えばアモルファスシリコン、セレン、CdS、ZnO等の無機感光体;ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体(OPC)、などが挙げられる。
前記アモルファスシリコン感光体は、例えば、支持体を50〜400℃に加熱し、該支持体上に真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、熱CVD法、光CVD法、プラズマCVD法等の成膜法により、a−Siからなる感光層を形成したものである。これらの中でも、プラズマCVD法が特に好ましく、具体的には、原料ガスを直流、高周波又はマイクロ波グロー放電によって分解し、支持体上にa−Siからなる感光層を形成する方法が好適である。
前記有機感光体(OPC)は、(1)光吸収波長域の広さ、光吸収量の大きさ等の光学特性、(2)高感度、安定な帯電特性等の電気的特性、(3)材料の選択範囲の広さ、(4)製造の容易さ、(5)低コスト、(6)無毒性、等の理由から一般に広く応用されている。このような有機感光体の層構成としては、単層構造と、積層構造とに大別される。
前記単層構造の感光体は、支持体と、該支持体上に単層型感光層を設けてなり、更に必要に応じて、保護層、中間層、その他の層を有してなる。
前記積層構造の感光体は、支持体と、該支持体上に電荷発生層、及び電荷輸送層を少なくともこの順に有する積層型感光層を設けてなり、更に必要に応じて、保護層、中間層、その他の層を有してなる。
<帯電工程及び帯電手段>
前記帯電工程は、静電潜像担持体表面を帯電させる工程であり、前記帯電手段により行われる。
前記帯電手段としては、前記静電潜像担持体の表面に電圧を印加して一様に帯電させることができるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、(1)静電潜像担持体と接触して帯電させる接触方式の帯電手段と、(2)静電潜像担持体と非接触で帯電させる非接触方式の帯電手段とに大別される。
−接触方式の帯電手段−
前記(1)の接触方式の帯電手段としては、例えば導電性又は半導電性の帯電ローラ、磁気ブラシ、ファーブラシ、フィルム、ゴムブレードなどが挙げられる。これらの中でも、前記帯電ローラは、コロナ放電に比べてオゾンの発生量を大幅に低減することが可能であり、静電潜像担持体の繰り返し使用時における安定性に優れ、画質劣化防止に有効である。
前記磁気ブラシは、例えばZn−Cuフェライト等の各種フェライト粒子を支持する非磁性の導電スリーブと、該スリーブに内包されるマグネットロールとから構成される。前記ファーブラシは、例えばカーボン、硫化銅、金属又は金属酸化物等により導電処理されたファーを金属又は導電処理された芯金に巻き付けたり、張り付けたりして形成される。
ここで、図1は、帯電ローラの一例を示す断面図である。この帯電ローラ310は、円柱状を呈する導電性支持体としての芯金311と、該芯金311の外周面上に形成された抵抗調整層312と、該抵抗調整層312の表面を被覆してリークを防止する保護層313とを有する。
前記抵抗調整層312は、少なくとも熱可塑性樹脂及び高分子型イオン導電剤を含有する熱可塑性樹脂組成物を、芯金311の周面に押出成形又は射出成形することにより形成される。
前記抵抗調整層312の体積固有抵抗値は、10〜10Ω・cmが好ましい。前記体積固有抵抗値が10Ω・cmを超えると、帯電量が不足し、感光体ドラムがムラのない画像を得るために十分な帯電電位を得ることができなくなることがあり、体積固有抵抗値が10Ω・cm未満であると、感光体ドラム全体へのリークが生じるおそれがある。
前記抵抗調整層312に用いられる熱可塑性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリスチレン(PS)又はその共重合体(AS、ABS等)などが挙げられる。
前記高分子型イオン導電剤としては、単体での抵抗値が10〜1010Ω・cm程度であり、樹脂の抵抗を下げやすいものが用いられる。その一例として、ポリエーテルエステルアミド成分を含有する化合物が挙げられる。前記抵抗調整層312の抵抗値を上記のような値にするため、その配合量は、前記熱可塑性樹脂100質量部に対して30〜70質量部が好ましい。
また、前記高分子型イオン導電剤として、4級アンモニウム塩基含有高分子化合物を用いることもできる。該4級アンモニウム塩基含有高分子化合物としては、例えば4級アンモニウム塩基含有ポリオレフィン等が挙げられる。前記抵抗調整層312の抵抗値を上記のような値にするため、その配合量は、前記熱可塑性樹脂100質量部に対して10〜40質量部が好ましい。
前記高分子型イオン導電剤の熱可塑性樹脂中への分散は、二軸混練機、ニーダー等により行うことができる。前記高分子型イオン導電剤は熱可塑性樹脂組成物中に分子レベルで均一に分散するので、前記抵抗調整層312には導電性顔料が分散する抵抗調整層に見られる導電性物質の分散不良に伴う抵抗値のばらつきが生じない。また、前記高分子型イオン導電剤が高分子化合物であるため、熱可塑性樹脂組成物中に均一に分散して固定され、ブリードアウトが生じにくくなっている。
前記保護層313は、その抵抗値が抵抗調整層312の抵抗値よりも大きくなるように形成される。これにより感光体ドラムへの欠陥部へのリークが回避される。ただし、保護層313の抵抗値を高くしすぎると、帯電効率が低下するため、保護層313の抵抗値と抵抗調整層312の抵抗値との差は10Ω・cm以下であることが好ましい。
前記保護層313の材料としては、成膜性が良好である点から樹脂材料が好適である。前記樹脂材料としては、例えばフッ素樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂などが非粘着性に優れ、トナーの付着を防止する観点から好ましい。また、前記樹脂材料は一般に電気的な絶縁性を有するため、樹脂材料単体で保護層313を形成すると帯電ローラの特性が満たされない。そこで、前記樹脂材料に対して各種導電剤を分散させることによって、保護層313の抵抗値を調整する。なお、保護層303と抵抗調整層302との接着性を向上させるため、前記樹脂材料にイソシアネート等の反応性硬化剤を分散させてもよい。
前記帯電ローラ310は、電源に接続されており、所定の電圧が印加される。該電圧は、直流(DC)電圧のみでもよいが、DC電圧に交流(AC)電圧を重畳させた電圧であることが好ましい。このようにAC電圧を印加することにより、感光体ドラム表面をより均一に帯電することができる。
ここで、図2は、図1に示すような接触方式の帯電ローラ310を帯電手段として画像形成装置に適用した一例を示す概略図である。図2において、静電潜像担持体としての感光体ドラム321の周囲には、該感光体ドラム表面を帯電するための帯電手段310、帯電処理面に静電潜像を形成するための露光手段323、感光体ドラム表面の静電潜像にトナーを付着することで可視像を形成する現像手段324、形成された感光体ドラム上の可視像を記録媒体326上に転写する転写手段325、記録媒体上の転写像を定着する定着手段327、感光体ドラム上の残留トナーを除去し、回収するためのクリーニング手段330、感光体ドラム上の残留電位を除去するための除電装置331が順に配設されている。前記帯電手段310としては、図1に示す接触方式の帯電ローラ310が設けられ、感光体ドラム321表面はこの帯電ローラ310によって一様に帯電される。
−非接触方式の帯電手段−
前記(2)の非接触の帯電手段としては、例えばコロナ放電を利用した非接触帯電器や針電極デバイス、固体放電素子;静電潜像担持体に対して微小な間隙をもって配設された導電性又は半導電性の帯電ローラなどが挙げられる。
前記コロナ放電は、空気中のコロナ放電によって発生した正又は負のイオンを静電潜像担持体の表面に与える非接触な帯電方法であり、静電潜像担持体に一定の電荷量を与える特性を持つコロトン帯電器と、一定の電位を与える特性を持つスコロトロン帯電器とがある。
前記コロトン帯電器は、放電ワイヤの周囲に半空間を占めるケーシング電極とそのほぼ中心に置かれた放電ワイヤとから構成される。
前記スコロトロン帯電器は、前記コロトロン帯電器にグリッド電極を追加したものであり、グリッド電極は静電潜像担持体表面から1.0〜2.0mm離れた位置に設けられている。
ここで、図3は、非接触方式のコロナ帯電器を帯電手段として画像形成装置に適用した一例を示す概略図である。なお、図3においては、図2におけるものと同じものは同符号で示した。
前記帯電手段としては、非接触方式のコロナ帯電器311が設けられ、感光体ドラム321表面はコロナ帯電器311によって一様に帯電される。
前記静電潜像担持体に対して微小な間隙をもって配設された帯電ローラとしては、前記静電潜像担持体に対して微小なギャップを持つように前記帯電ローラを改良したものである。前記微小なギャップは10〜200μmが好ましく、10〜100μmがより好ましい。
ここで、図4は、非接触の帯電ローラの一例を示す概略図である。この図4では、帯電ローラ310は、感光体ドラム321に対して微小ギャップHをもって配設されている。この微小ギャップHは、帯電ローラ310の両端部の非画像形成領域に一定の厚みを有するスペーサ部材を巻き付けるなどして、スペーサ部材の表面を感光体ドラム321表面に当接させることで、設定することができる。なお、図4中304は電源である。
図4では、微小ギャップHの維持方法として、帯電ローラ310の両端部にフィルム302を巻きつけてスペーサ部材としている。このスペーサ302は、静電潜像担持体の感光面に接触させ、帯電ローラと静電潜像担持体の画像領域にある一定の微小ギャップHが得られるようになっている。また、印加バイアスは、AC重畳タイプの電圧を印加して、帯電ローラと静電潜像担持体との微小ギャップHに生じる放電により、静電潜像担持体を帯電させる。なお、図4に示すように、帯電ローラの軸311をスプリング303で加圧することで、微小ギャップHの維持精度が向上する。
なお、前記スペーサ部材は帯電ローラと一体成型してもよい。このとき、ギャップ部分は、少なくともその表面を絶縁体にする。これにより、ギャップ部分での放電をなくし、ギャップ部分に放電生成物が堆積し、該放電生成物の粘着性により、トナーがギャップ部分に固着し、ギャップが広がることを防止できる。
また、前記スペーサ部材としては、熱収縮チューブを用いてもよい。このような熱収縮チューブとしては、例えば105℃用のスミチューブ(商品名:F105℃、住友化学株式会社製)などが挙げられる。
<露光工程及び露光手段>
前記露光工程は、帯電された静電潜像担持体表面を露光する工程であり、前記露光手段により行われる。
前記露光は、例えば、前記露光手段を用いて前記静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
前記露光における光学系は、アナログ光学系とディジタル光学系とに大別される。前記アナログ光学系は、原稿を光学系により直接静電潜像担持体上に投影する光学系であり、前記ディジタル光学系は、画像情報が電気信号として与えられ、これを光信号に変換して静電潜像担持体を露光し作像する光学系である。
前記露光手段としては、前記帯電手段により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザ光学系、液晶シャッタ光学系、LED光学系、などの各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
<現像工程及び現像手段>
前記現像工程は、前記静電潜像を、本発明の前記トナー乃至現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、例えば、トナー乃至現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、前記トナー乃至現像剤を収容し、前記静電潜像に該トナー乃至該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像手段を少なくとも有するものが好適に挙げられる。
前記現像手段は、乾式現像方式のものであってもよいし、湿式現像方式のものであってもよい。また、単色用現像手段であってもよいし、多色用現像手段であってもよく、例えば、前記トナー乃至前記現像剤を摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有してなるもの、などが好適に挙げられる。
前記現像手段内では、例えば、前記トナーと前記キャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記静電潜像担持体近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって該静電潜像担持体の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて該静電潜像担持体の表面に該トナーによる可視像が形成される。
前記現像手段に収容させる現像剤は、前記トナーを含む現像剤であるが、該現像剤としては一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよい。
〔一成分現像手段〕
前記一成分現像手段としては、例えばトナーが供給される現像剤担持体と、該現像剤担持体表面にトナーの薄層を形成する層厚規制部材とを有する一成分現像装置が好適に用いられる。
図5は、一成分現像装置の一例を示す概略図である。この一成分現像装置は、トナーからなる一成分現像剤を使用し、現像剤担持体としての現像ローラ402上にトナー層を形成し、現像ローラ402上のトナー層を静電潜像担持体としての感光体ドラム1と接触させるように搬送することにより、感光体ドラム1上の静電潜像を現像する接触一成分現像を行うものである。
図5において、ケーシング401内のトナーは、撹拌手段としてのアジテータ411の回転により攪拌され、機械的にトナー供給部材としての供給ロ−ラ412に供給される。この供給ローラ412は発泡ポリウレタン等で形成され、可撓性を有し、50〜500μmの径のセルでトナーを保持し易い構造となっている。また、供給ローラのJIS−A硬度は10〜30゜と比較的低く、現像ローラ402とも均一に当接させることができる。
供給ローラ412は現像ローラ402と同方向、即ち両ローラの対向部で互いに表面が逆方向に移動するように回転駆動されている。また、両ローラの線速比(供給ローラ/現像ローラ)は0.5〜1.5が好ましい。また、供給ローラ412を、現像ローラ402と逆方向、即ち両ローラの対向部で互いに表面が同方向に移動するように回転させてもよい。なお、本実施形態では、供給ローラ412は現像ローラ402と同方向の回転で、その線速比は0.9に設定した。供給ローラ412の現像ローラ402に対する喰い込み量は0.5〜1.5mmに設定している。本実施形態ではユニット有効幅が240mm(A4サイズ縦)の場合、必要なトルクは14.7〜24.5N・cmである。
現像ローラ402は、導電性基体上にゴム材料からなる表層を有してなり、直径が10〜30mmであり、表面を適宜荒らして表面粗さRzを1〜4μmとしたものである。この表面粗さRzの値はトナーの平均粒径に対して13〜80%が好ましい。これにより現像ローラ402表面に埋没することなくトナーが搬送される。特に、現像ローラ402の表面粗さRzは、著しく低帯電のトナーを保持しないように、トナーの平均粒径の20〜30%の範囲が好ましい。
前記ゴム材料としては、例えばシリコーンゴム、ブタジエンゴム、NBRゴム、ヒドリンゴム、EPDMゴムなどが挙げられる。また、現像ローラ402の表面に、特に経時品質を安定化させるためにコート層を被覆することが好ましい。前記コート層の材料としては、例えばシリコーン系材料、テフロン(登録商標)系材料などが挙げられる。前記シリコーン系材料はトナー帯電性に優れ、前記テフロン(登録商標)系材料は離型性に優れている。なお、導電性を得るために適宜カーボンブラック等の導電性材料を含有させることもできる。前記コ−ト層の厚みは5〜50μmが好ましい。この範囲を外れると、割れ易い等の不具合が発生しやすくなることがある。
前記供給ローラ412上、又は内部に存在する、所定極性(本実施形態の場合は、負極性)のトナーは、回転により接触点で互いに反対方向に回転する現像ローラ402と挟まれることにより、摩擦帯電効果で負の帯電電荷を得て静電気力により、また、現像ローラ402の表面粗さによる搬送効果により現像ローラ402上に保持される。しかし、この時の現像ローラ402上のトナー層は均一ではなくかなり過剰に付着している(1〜3mg/cm)。そこで、層厚規制部材としての規制ブレード413を現像ローラ402に当接させることにより、現像ローラ402上に均一な層厚を有するトナー薄層を形成している。規制ブレード413は先端が現像ローラ402の回転方向に対して下流側を向き、規制ブレ−ド413の中央部が当接する、いわゆる腹当て当接であるが、逆方向でも設定可能であるし、エッジ当接を実現することも可能である。
前記規制ブレードの材料としては、SUS304等の金属が好ましく、厚みは0.1〜0.15mmである。前記金属以外にも厚み1〜2mmのポリウレタンゴム等のゴム材料やシリコーン樹脂等の比較的硬度の高い樹脂材料が使用可能である。なお、金属以外でもカ−ボンンブラック等を混ぜ込むことにより低抵抗化できるので、バイアス電源を接続して現像ローラ402との間に電界を形成することも可能である。
前記層厚規制部材としての規制ブレード413は、ホルダーからの自由端長として10〜15mmが好ましい。前記自由端長が15mmを超えると、現像手段が大きくなって画像形成装置内にコンパクトに納めることができなくなり、10mm未満であると、規制ブレードが現像ローラ402表面と接触するときに振動が生じやすくなり、画像上に横方向の段々ムラ等の異常画像が発生し易くなることがある。
前記規制ブレード413の当接圧は0.049〜2.45N/cmの範囲が好ましい。前記当接圧が2.45N/cmを超えると、現像ローラ402上のトナー付着量が減少し、かつトナー帯電量が増加し過ぎるので、現像量が減少して画像濃度が低くなることがあり、0.049N/cm未満であると、薄層が均一に形成されずにトナーの固まりが規制ブレードを通過することがあり、画像品質が著しく低下することがある。本実施形態にでは、現像ローラ402のJIS−A硬度が30゜のものを、規制ブレード413は厚み0.1mmのSUS板を使用し、その当接圧は60gf/cmに設定した。このとき、目標の現像ローラ上のトナー付着量を得ることができた。
また、層厚規制部材としての規制ブレード413の当接角度は先端が現像ローラ402の下流側を向く方向で現像ローラ402の接線に対して10〜45゜が好ましい。前記規制ブレード413と現像ローラ402に挟まれたトナーの薄層形成に不必要な分は、現像ローラ402から剥ぎ取られ、目標範囲である単位面積当たり0.4〜0.8mg/cmの均一な厚みを持った薄層が形成される。この時のトナー帯電は最終的に本実施例では−10〜−30μC/gの範囲であり、感光体ドラム1上の静電潜像と対向して現像される。
したがって本実施形態の一成分現像装置によれば、感光体ドラム1の表面と現像ローラ402の表面の距離が従来の二成分現像手段の場合より更に狭くなり、現像能力が高まり、更なる低電位でも現像が可能となる。
〔二成分現像手段〕
前記二成分現像手段としては、内部に固定された磁界発生手段を有し、かつ表面に磁性キャリアとトナーとからなる二成分現像剤を担持して回転可能な現像剤担持体を有する二成分現像装置が好適である。
ここで、図6は、トナーと磁性キャリアからなる二成分現像剤を用いた二成分現像装置の一例を示す概略図である。この図6の二成分現像装置では、二成分現像剤がスクリュー441によって攪拌及び搬送され、現像剤担持体としての現像スリーブ442に供給される。この現像スリーブ442に供給される二成分現像剤は層厚規制部材としてのドクターブレード443によって規制され、供給される現像剤量はドクターブレード443と現像スリーブ442との間隔であるドクターギャップによって制御される。このドクターギャップが小さすぎると、現像剤量が少なすぎて画像濃度不足になり、逆にドクターギャップが大きすぎると、現像剤量が過剰に供給されて静電潜像担持体としての感光体ドラム1上にキャリア付着が発生するという問題が生じる。そこで、現像スリーブ442内部には、その周表面に現像剤を穂立ちさせるように磁界を形成する磁界発生手段としての磁石が備えられており、この磁石から発せられる法線方向磁力線に沿うように、現像剤が現像スリーブ442上にチェーン状に穂立ちされて磁気ブラシが形成される。
現像スリーブ442と感光体ドラム1は、一定の間隙(現像ギャップ)を挟んで近接するように配置されていて、双方の対向部分に現像領域が形成されている。現像スリーブ442は、アルミニウム、真鍮、ステンレス、導電性樹脂等の非磁性体を円筒形に形成しており、回転駆動機構(不図示)によって回転されるようになっている。磁気ブラシは、現像スリーブ442の回転によって現像領域に移送される。現像スリーブ442には現像用電源(不図示)から現像電圧が印加され、磁気ブラシ上のトナーが現像スリーブ442と感光体ドラム1間に形成された現像電界によってキャリアから分離し、感光体ドラム1上の静電潜像上に現像される。なお、現像電圧には交流を重畳させてもよい。
前記現像ギャップは、現像剤粒径の5〜30倍程度が好ましく、現像剤粒径が50μmであれば0.5〜1.5mmに設定することが好適である。これより現像ギャップ広くすると、望ましい画像濃度がでにくくなることがある。
また、前記ドクターギャップは、現像ギャップと同程度か、あるいはやや大きくすることが好ましい。感光体ドラム1のドラム径やドラム線速、現像スリーブ442のスリーブ径やスリーブ線速は、複写速度や装置の大きさ等の制約によって決まる。ドラム線速に対するスリーブ線速の比は、必要な画像濃度を得るために1.1以上にすることが好ましい。なお、現像後の位置にセンサを設置し、光学的反射率からトナー付着量を検出してプロセス条件を制御することもできる。
<転写工程及び転写手段>
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であり、転写手段を用いて行われる。前記転写手段としては。静電潜像担持体上の可視像を記録媒体に直接転写する転写手段と、又は中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する二次転写手段とに大別される。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記静電潜像担持体を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する二次転写手段とを有する態様が好ましい。
−中間転写体−
前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト、転写ローラなどが好適に挙げられる。
前記中間転写体の静止摩擦係数は、0.1〜0.6が好ましく、0.3〜0.5がより好ましい。前記中間転写体の体積抵抗は数Ωcm以上10Ωcm以下であることが好ましい。このように中間転写体の体積抵抗を数Ωcm以上10Ωcm以下とすることにより、中間転写体自身の帯電を防ぐとともに、電荷付与手段により付与された電荷が該中間転写体上に残留しにくくなるので、二次転写時の転写ムラを防止できる。また、二次転写時の転写バイアス印加を容易にすることができる。
前記中間転写体の材質としては、特に制限はなく、公知の材料の中から目的に応じて適宜選択することができるが、以下のものが好適である。
(1)ヤング率(引張弾性率)の高い材料を単層ベルトとして用いたものであり、例えばPC(ポリカーボネート)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PAT(ポリアルキレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)とPAT(ポリアルキレンテレフタレート)とのブレンド材料、ETFE(エチレンテトラフロロエチレン共重合体)とPCとのブレンド材料、ETFEとPATとのブレンド材料、PCとPATとのブレンド材料、カーボンブラック分散の熱硬化性ポリイミドなどが挙げられる。これらヤング率の高い単層ベルトは画像形成時の応力に対する変形量が少なく、特にカラー画像形成時にリブズレが生じにくいという利点を有している。
(2)上記(1)のヤング率の高いベルトを基層とし、その外周上に表面層又は中間層を形成した2〜3層構成のベルトであり、このような2〜3層構成のベルトは単層ベルトの硬さに起因して発生するライン画像の中抜けを防止しうる性能を有している。
(3)樹脂、ゴム又はエラストマーを用いたヤング率の比較的低い弾性ベルトであり、このような弾性ベルトは、その柔らかさによりライン画像の中抜けが殆ど生じないという利点を有している。また、弾性ベルトの幅を駆動ロール及び張架ロールより大きくし、ロールより突出したベルト耳部の弾力性を利用して蛇行を防止できるので、リブや蛇行防止装置を必要とせず低コストを実現できる。
これらの中でも、前記(3)の弾性ベルトが特に好ましい。
前記弾性ベルトは、転写部においてトナー層、平滑性の悪い記録媒体に対応して変形する。つまり、局部的な凹凸に追従して弾性ベルトは変形するため、トナー層に対して過度に転写圧を高めることなく、良好な密着性が得られ、文字の中抜けが無く、平面性の悪い記録媒体に対しても均一性の優れた転写画像が得られる。
前記弾性ベルトに用いる樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ポリカーボネート樹脂、フッ素系樹脂(ETFE,PVDF)、ポリスチレン樹脂、クロロポリスチレン樹脂、ポリ−α−メチルスチレン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体(例えば、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体(例えば、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレン又はスチレン置換体を含む単重合体又は共重合体)、メタクリル酸メチル樹脂、メタクリル酸ブチル樹脂、アクリル酸エチル樹脂、アクリル酸ブチル樹脂、変性アクリル樹脂(例えば、シリコーン変性アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂変性アクリル樹脂、アクリル−ウレタン樹脂等)、塩化ビニル樹脂、スチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニリデン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、変性ポリフェニレンオキサイド樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記弾性ベルトに用いるゴムとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば天然ゴム、ブチルゴム、フッ素系ゴム、アクリルゴム、EPDMゴム、NBRゴム、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレンターポリマー、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ウレタンゴム、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン、エピクロロヒドリン系ゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、多硫化ゴム、ポリノルボルネンゴム、水素化ニトリルゴムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記弾性ベルトに用いるエラストマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリウレア熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、フッ素系熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記弾性ベルトに用いる抵抗値調節用導電剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウム、ニッケル等の金属粉末;酸化錫、酸化チタン、酸化アンチモン、酸化インジウム、チタン酸カリウム、酸化アンチモン−酸化錫複合酸化物(ATO)、酸化インジウム−酸化錫複合酸化物(ITO)等の導電性金属酸化物などが挙げられる。なお、前記導電性金属酸化物は、硫酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の絶縁性微粒子を被覆したものでもよい。
また、前記弾性ベルトの表層は、弾性材料による静電潜像担持体への汚染防止、ベルト表面の摩擦抵抗を低減させてトナーの付着力を小さくし、クリーニング性、二次転写性を高めることができるものが好ましい。前記表層は、例えばポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等のバインダー樹脂と、表面エネルギーを小さくして潤滑性を高めることができる材料、例えばフッ素樹脂、フッ素化合物、フッ化炭素、二酸化チタン、シリコンカーバイト等の粉体又は粒子とを含有することが好ましい。また、フッ素系ゴム材料のように熱処理を行いフッ素リッチな表層を形成して、表面エネルギーを小さくしたものを使用することもできる。
前記弾性ベルトの製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、(1)回転する円筒形の型に材料を流し込みベルトを形成する遠心成型法、(2)液体塗料を噴霧して膜を形成するスプレー塗工法、(3)円筒形の型を材料の溶液中に浸けて引き上げるディッピング法、(4)内型や外型の中に注入する注型法、(5)円筒形の型にコンパウンドを巻き付けて加硫研磨を行う方法などが挙げられる。
また、前記弾性ベルトの伸びを防止する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば(1)芯体層に伸びを防止する材料を添加する方法、(2)伸びの少ない芯体層にゴム層を形成する方法、などが挙げられる。
前記伸びを防止する材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、綿、絹等の天然繊維;ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、ポリウレタン繊維、ポリアセタール繊維、ポリフロロエチレン繊維、フェノール繊維等の合成繊維;炭素繊維、ガラス繊維、ボロン繊維等の無機繊維;鉄繊維、銅繊維等の金属繊維などが挙げられ、これら材料を織布状又は糸状としたものが好適に用いられる。
前記芯体層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、(1)筒状に織った織布を金型等に被せ、その上に被覆層を設ける方法、(2)筒状に織った織布を液状ゴム等に浸漬して芯体層の片面又は両面に被覆層を設ける方法、(3)糸を金型等に任意のピッチで螺旋状に巻き付け、その上に被覆層を設ける方法などが挙げられる。
前記被覆層の厚みは、該被覆層の硬度にもよるが、厚すぎると表面の伸縮が大きくなり表層に亀裂が発生しやすくなる。また、伸縮量が大きくなって画像の伸びや縮みが大きくなることから厚すぎる(約1mm以上)ことは好ましくない。
前記転写手段(前記第一次転写手段、前記第二次転写手段)は、前記静電潜像担持体上に形成された前記可視像を前記記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。前記転写器は、1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、などが挙げられる。
なお、記録媒体としては、代表的には普通紙であるが、現像後の未定着画像を転写可能であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、OHP用のPETベース等も用いることができる。
−タンデム型画像形成装置の転写手段−
前記タンデム型画像形成装置は、少なくとも静電潜像担持体、帯電手段、現像手段、及び転写手段を含む画像形成要素を複数配列したものである。このタンデム型画像形成装置では、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック用の4つの画像形成要素を搭載し、各々の可視像を4つの画像形成要素で並列に作成し、記録媒体又は中間転写体上で重ね合わせることから、より高速にフルカラー画像を形成できる。
前記タンデム型の画像形成装置としては、(1)図7に示すように、複数の画像形成要素の各静電潜像担持体1との対向領域である転写位置を通過するように表面が移動する記録媒体Sに転写手段2により、順次、前記各静電潜像担持体1上に形成された可視像を転写する直接転写方式と、(2)図8に示すように、複数の画像形成要素の各静電潜像担持体1上の可視像を転写手段(一次転写手段)2により一旦中間転写体4に順次転写した後、中間転写体4上の画像を二次転写手段5により記録媒体Sに一括転写する間接転写方式とがある。なお、図8では二次転写手段として転写搬送ベルトを用いているが、ローラ形状であってもよい。
前記(1)の直接転写方式と、前記(2)の間接転写方式とを比較すると、前記(1)の直接転写方式は、静電潜像担持体1を並べたタンデム型画像形成部Tの上流側に給紙装置6を、下流側に定着手段としての定着装置7を配置しなければならず、記録媒体の搬送方向に大型化する。これに対し、前記(2)の間接転写方式は、二次転写位置を比較的自由に設置することができ、給紙装置6、及び定着装置7をタンデム型画像形成部Tと重ねて配置することができ、小型化が可能となるという利点がある。
また、前記(1)の直接転写方式では、記録媒体の搬送方向に大型化しないためには、定着装置7をタンデム型画像形成部Tに接近して配置することとなる。そのため、記録媒体Sがたわむことができる十分な余裕をもって定着装置7を配置することができず、記録媒体Sの先端が定着装置7に進入するときの衝撃(特に厚い記録媒体で顕著となる)や、定着装置7を通過するときの記録媒体の搬送速度と、転写搬送ベルトによる記録媒体の搬送速度との速度差により、定着装置7が上流側の画像形成に影響を及ぼしやすい。これに対し、前記(2)の間接転写方式は、記録媒体Sがたわむことができる十分な余裕をもって定着装置7を配置することができるので、定着装置7はほとんど画像形成に影響を及ぼさない。
以上のようなことから、最近では、特に間接転写方式のものが注目されている。このようなカラー画像形成装置では、図8に示すように、一次転写後に静電潜像担持体1上に残留する転写残トナーを、クリーニング手段としてのクリーニング装置8で除去して静電潜像担持体1表面をクリーニングし、再度の画像形成に備えている。また、二次転写後に中間転写体4上に残留する転写残トナーを、中間転写体クリーニング装置9で除去して中間転写体4表面をクリーニングし、再度の画像形成に備えている。
<定着工程及び定着手段>
前記定着工程は、記録媒体に転写された可視像を定着手段を用いて定着させる工程である。
前記定着手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、定着部材と該定着部材を加熱する熱源とを有する定着装置が好適に用いられる。
前記定着部材としては、互いに当接してニップ部を形成可能であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無端状ベルトとローラとの組合せ、ローラとローラとの組合せ、などが挙げられるが、ウォームアップ時間を短縮することができ、省エネルギー化の実現の点で、無端状ベルトとローラとの組合せや誘導加熱などによる前記定着部材の表面からの加熱方法を用いるのが好ましい。
前記定着部材としては、例えば、公知の加熱加圧手段(加熱手段と加圧手段との組合せ)が挙げられる。前記加熱加圧手段としては、前記無端状ベルトと前記ローラとの組合せの場合には、例えば、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せが挙げられ、前記ローラと前記ローラとの組合せの場合には、例えば、加熱ローラと加圧ローラとの組合せ、などが挙げられる。
前記定着部材が無端状ベルトである場合、該無端状ベルトは、熱容量の小さい材料で形成されるのが好ましく、例えば、基体上にオフセット防止層が設けられてなる態様などが挙げられる。前記基体を形成する材料としては、例えば、ニッケル、ポリイミドなどが挙げられ、前記オフセット防止層を形成する材料としては、例えば、シリコーンゴム、フッ素系樹脂などが挙げられる。
前記定着部材がローラである場合、該ローラの芯金は、高い圧力による変形(たわみ)を防止するため非弾性部材で形成されるのが好ましい。該非弾性部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルミニウム、鉄、ステンレス、真鍮等の高熱伝導率体が好適に挙げられる。また、前記ローラは、その表面がオフセット防止層で被覆されていることのが好ましい。該オフセット防止層を形成する材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、RTVシリコーンゴム、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などが挙げられる。
前記定着工程においては、前記トナーによる画像を前記記録媒体に転写し、該画像が転写された記録媒体を、前記ニップ部に通過させることにより、前記画像を前記記録媒体に定着させてもよいし、前記ニップ部にて前記画像の前記記録媒体への転写及び定着を同時に行ってもよい。
また、前記定着工程は、各色のトナーに対し、前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記ニップ部は、少なくとも2つの前記定着部材が互いに当接して形成される。
前記ニップ部の面圧としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5N/cm以上が好ましく、7〜100N/cmがより好ましく、10〜60N/cmが更に好ましい。該ニップ部の面圧が高すぎると、ローラの耐久性が低下する場合がある。一方、前記ニップ部の面圧が5N/cm未満であると、オフセット防止性が不充分となることがある。
前記トナーによる画像の前記記録媒体への定着の温度(即ち、前記加熱手段による前記定着部材の表面温度)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、120〜170℃が好ましく、120〜160℃がより好ましい。前記定着温度が120℃未満であると、定着性が不十分となることがあり、170℃を超えると、省エネルギー化の実現の点で好ましくない。
前記定着手段としては、(1)定着手段がローラ及びベルトの少なくともいずれかを有し、トナーと接しない面から加熱し、記録媒体上に転写された転写像を加熱及び加圧して定着する態様(内部加熱方式)と、(2)定着手段がローラ及びベルトの少なくともいずれかを有し、トナーと接する面から加熱し、記録媒体上に転写された転写像を加熱及び加圧して定着する態様(外部加熱方式)とに大別される。なお、両者を組み合わせたものを用いることも可能である。
前記(1)の内部加熱方式の定着手段としては、例えば、前記定着部材それ自体が内部に加熱手段を有するものが挙げられる。このような加熱手段としては、例えばヒーター、ハロゲンランプ等の熱源が挙げられる。
前記(2)の外部加熱方式の定着手段としては、例えば、前記定着部材の少なくとも1つにおける表面の少なくとも一部が加熱手段により加熱される態様が好ましい。このような加熱手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電磁誘導加熱手段などが挙げられる。
前記電磁誘導加熱手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、磁場を発生する手段と、電磁誘導により発熱する手段とを有するものなどが好適である。
前記電磁誘導加熱手段としては、例えば、前記定着部材(例えば、加熱ローラ)へ近接するように配置される誘導コイルと、この誘導コイルが設けられている遮蔽層と、この遮蔽層の誘導コイルが設けられている面の反対側に設けられている絶縁層とからなるものが好ましい。このとき、前記加熱ローラは、磁性体からなる態様、ヒートパイプである態様などが好ましい。
前記誘導コイルは、前記加熱ローラの、前記加熱ローラと前記定着部材(例えば、加圧ローラ、無端状ベルトなど)との接触部位の反対側において、少なくとも半円筒部分を包む状態にて配置されるのが好ましい。
−内部加熱方式の定着手段−
図9は、内部加熱方式の定着手段の一例を示すベルト式定着装置である。この図9のベルト式定着装置510は、加熱ローラ511と、定着ローラ512と、定着ベルト513と、加圧ローラ514とを備えている。
定着ベルト513は、内部に回転可能に配置された加熱ローラ511と定着ローラ512とによって張架され、加熱ローラ511により所定の温度に加熱されている。加熱ローラ511は、内部には加熱源515が内蔵されており、加熱ローラ511の近傍に取り付けられた温度センサ517により温度調節可能に設計されている。定着ローラ512は、定着ベルト513の内側に、かつ定着ベルト513の内面に当接しながら回転可能に配置されている。加圧ローラ514は、定着ベルト513の外側に、かつ定着ベルト513の外面に、定着ローラ512を圧接するようにして当接し、回転可能に配置されている。また、定着ベルト513の表面硬度は、加圧ローラ514の表面硬度よりも低く、定着ローラ512及び加圧ローラ514間に形成されたニップ部Nにおいては、記録媒体Sの導入側端及び排出側端の間に位置する中間領域が、前記導入側端及び前記排出側端よりも、定着ローラ512側に位置する。
図9に示すベルト式定着装置510において、まず、定着処理すべきトナー画像Tが形成された記録媒体Sが加熱ローラ511まで搬送される。そして、内蔵されている加熱源515の働きにより所定の温度に加熱された加熱ローラ511及び定着ベルト513により記録媒体S上のトナー画像Tが加熱されて溶融状態となる。この状態において、該記録媒体Sが定着ローラ512及び加圧ローラ514間に形成されたニップ部Nに挿入される。該ニップ部Nに挿入された記録媒体Sは、定着ローラ512及び加圧ローラ514の回転に連動して回転する定着ベルト513の表面に当接され、前記ニップ部Nを通過する際に押圧され、トナー画像Tが記録媒体S上に定着される。
次いで、トナー画像Tが定着された記録媒体Sは、定着ローラ512及び加圧ローラ514間を通過し、定着ベルト513から剥離され、トレイ(不図示)に搬送される。このとき、記録媒体Sが、加圧ローラ514側に向けて排出され、記録媒体Sの定着ベルト513への巻き付きが防止される。なお、定着ベルト513はクリーニングローラ516で清浄化される。
また、図10に示す熱ロール式定着装置515は、前記定着部材としての加熱ローラ520と、これに当接されて配置された加圧ローラ530とを備えている。
加熱ローラ520は、中空の金属シリンダー521を有し、その表面がオフセット防止層522で被覆されて形成されており、内部に加熱ランプ523が配設されている。また、加圧ローラ530は、金属シリンダー531を有し、その表面がオフセット防止層532で被覆されて形成されている。なお、加圧ローラ530は、金属シリンダー531が中空形状を有し、その内部に加熱ランプ533が配設されていてもよい。
加熱ローラ520と加圧ローラ530とは、バネ(不図示)により付勢されることにより、圧接された状態にて、回転可能に設けられ、ニップ部Nを形成する。また、加熱ローラ520におけるオフセット防止層522の表面硬度は、加圧ローラ530におけるオフセット防止層532の表面硬度よりも低く、加熱ローラ520及び加圧ローラ530間に形成されたニップ部Nにおいては、記録媒体Sの導入側端及び排出側端の間に位置する中間領域が、前記導入側端及び前記排出側端よりも、加熱ローラ520側に位置する。
図10に示す熱ロール式定着装置515において、まず、定着処理すべきトナー画像Tが形成された記録媒体Sが加熱ローラ520と加圧ローラ530とのニップ部Nまで搬送される。そして、内蔵されている加熱ランプ523の働きにより所定の温度に加熱された加熱ローラ520により記録媒体S上のトナーTが加熱されて溶融状態となると同時に、ニップ部Nを通過する際に、加圧ローラ530の押圧力により押圧され、トナー画像Tが記録媒体S上に定着される。
次いで、トナー画像Tが定着された記録媒体Sは、加熱ローラ520及び加圧ローラ530間を通過し、トレイ(不図示)に搬送される。このとき、記録媒体Sが、加圧ローラ530側に向けて排出され、記録媒体Sの加圧ローラ530への巻き付きが防止される。なお、加熱ローラ520は、クリーニングローラ(不図示)で清浄化される。
−外部加熱方式の定着手段−
図11は、外部加熱方式の定着手段の一例を示す電磁誘導加熱式定着装置570である。この電磁誘導加熱式定着装置570は、加熱ローラ566と、定着ローラ580と、定着ベルト567と、加圧ローラ590と、電磁誘導加熱手段560とを備えている。
定着ベルト567は、内部に回転可能に配置された加熱ローラ566と定着ローラ580とによって張架され、加熱ローラ566により所定の温度に加熱されている。
加熱ローラ566は、例えば、鉄、コバルト、ニッケル又はこれら金属の合金等の中空円筒状の磁性金属部材を有し、例えば、外径が20〜40mm、肉厚が0.3〜1.0mmに設けられ、低熱容量で昇温の速い構成となっている。
定着ローラ580は、例えば、ステンレススチール等の金属製の芯金581を有し、その表面が耐熱性を有するシリコーンゴムをソリッド状又は発泡状にした弾性層582で被覆されて形成されており、定着ベルト567の内側に、かつ定着ベルト567の内面に当接しながら回転可能に配置されている。定着ローラ580は、加圧ローラ590からの押圧力により、加圧ローラ590と定着ローラ580との間に所定幅のニップ部Nを形成するために、外径を20〜40mm程度に設け、加熱ローラ566よりも大きくしている。弾性層582は、その肉厚を4〜6mm程度とし、加熱ローラ566の熱容量が定着ローラ580の熱容量よりも小さくなるように形成され、加熱ローラ566のウォームアップ時間の短縮化を図っている。
加圧ローラ590は、例えば、銅、アルミニウム等の熱伝導性の高い金属製の円筒部材からなる芯金591を有し、その表面を耐熱性及びトナー離型性の高い弾性層592で被覆されて形成されており、定着ベルト567の外側に、かつ定着ベルト567の外面に、定着ローラ580を圧接するようにして当接し、回転可能に配置されている。なお、芯金591には上記金属以外にSUSを使用してもよい。
電磁誘導加熱手段560は、加熱ローラ566の近傍であって、加熱ローラ566の軸方向にわたって配設されている。電磁誘導加熱手段560は、磁界発生手段である励磁コイル561と、この励磁コイル561が巻き回されたコイルガイド板562とを有している。コイルガイド板562は加熱ローラ566の外周面に近接配置された半円筒形状をしており、励磁コイル561は長い一本の励磁コイル線材をこのコイルガイド板562に沿って加熱ローラ566の軸方向に交互に巻き付けたものである。なお、励磁コイル561は、発振回路が周波数可変の駆動電源(不図示)に接続されている。励磁コイル561の外側には、フェライト等の強磁性体よりなる半円筒形状の励磁コイルコア563が、励磁コイルコア支持部材564に固定されて励磁コイル561に近接配置されている。
図11に示す電磁誘導加熱式の定着装置570において、電磁誘導加熱手段560の励起コイル561へ通電すると、該電磁誘導加熱手段560の周囲に交番磁界が形成され、励起コイル561と近接し、かつ該励起コイル561により囲まれている状態の加熱ローラ566が、過電流の励起により均一かつ効率よく予熱される。定着処理すべきトナー画像Tが形成された記録媒体Sは、定着ローラ580と加圧ローラ590とのニップ部Nまで搬送される。そして、電磁誘導加熱手段560の働きにより所定の温度に加熱された加熱ローラ566により、該加熱ローラ566との接触部位W1にて加熱された定着ベルト567により、記録媒体S上のトナー画像Tが加熱されて溶融状態となる。この状態において、該記録媒体Sが定着ローラ580及び加圧ローラ590の間に形成されたニップ部Nに挿入される。該ニップ部Nに挿入された記録媒体Sは、定着ローラ580及び加圧ローラ590の回転に連動して回転する定着ベルト567の表面に当接され、前記ニップ部Nを通過する際に押圧され、トナー画像Tが記録媒体S上に定着される。
次いで、トナー画像Tが定着された記録媒体Sは、定着ローラ580及び加圧ローラ590間を通過し、定着ベルト567から剥離され、トレイ(不図示)に搬送される。このとき、記録媒体Sが、加圧ローラ590側に向けて排出され、記録媒体Sの定着ベルト567への巻き付きが防止される。なお、定着ベルト567がクリーニングローラ(不図示)で清浄化される。
また、図12に示す電磁誘導方式のロール式定着装置525は、前記定着部材としての定着ローラ520と、これに当接されて配置された加圧ローラ530と、定着ローラ520及び加圧ローラを外側から加熱する電磁誘導加熱源540とを備えた定着手段である。
定着ローラ520は、芯金521を有し、その表面は断熱弾性層522、発熱層523、及び離型層524がこの順に被覆されて形成されている。また、加圧ローラ530は、芯金531を有し、その表面は断熱弾性層532、発熱層533、及び離型層534がこの順に被覆されて形成されている。なお、離型層524及び離型層534は、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)で形成されている。
定着ローラ520と加圧ローラ530とは、バネ(不図示)により付勢されることにより、圧接された状態にて、回転可能に設けられ、ニップ部Nを形成する。
電磁誘導加熱源540は、定着ローラ520及び加圧ローラ530の近傍にそれぞれ配設され、発熱層523及び発熱層533を電磁誘導により加熱する。
図12に示す定着装置においては、電磁誘導加熱源540により、定着ローラ520及び加圧ローラ530が均一かつ効率よく予熱される。また、ローラとローラとの組合せであるため、ニップ部Nの高面圧化を容易に実現することができる。
<クリーニング工程及びクリーニング手段>
前記クリーニング工程は、前記静電潜像担持体上に残留するトナーを除去する工程であり、クリーニング手段により好適に行うことができる。
また、前記現像手段が、静電潜像担持体表面に当接される現像剤担持体を有し、かつ前記静電潜像担持体に形成された静電潜像を現像すると共に該静電潜像担持体上の残留トナーを回収することによって、クリーニング手段を設けることなくクリーニングを行うことができる(クリーニングレス方式)。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体上に残留するトナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、クリーニングブレード、ブラシクリーナ、ウエブクリーナなどが挙げられる。これらの中でも、トナー除去能力が高く、小型で安価であるクリーニングブレードが特に好ましい。
前記クリーニングブレードに用いられるゴムブレードの材質としては、例えば、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴム、等が挙げられ、これらの中でも、ウレタンゴムが特に好ましい。
ここで、図13は、クリーニングブレード613における静電潜像担持体との接触部615近傍を拡大して示す説明図である。クリーニングブレード613には、接触部615から静電潜像担持体の回転方向上流側に向けて拡開する空間Sを感光体ドラム1の表面との間に形成するトナー阻止面617が設けられている。本実施の形態においては、空間Sが鋭角になるように、トナー阻止面617は接触部615から感光体ドラム1の回転方向上流側に延出している。
トナー阻止面617には、図13に示すように、クリーニングブレード613より摩擦係数の高い高摩擦部としてのコーティング部618が設けられている。このコーティング部618は、クリーニングブレード613を形成する材料よりも摩擦係数の高い材料(高摩擦材料)によって形成されている。このような高摩擦材料としては、例えば、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)等が挙げられる。なお、高摩擦材料は、DLCに限るものではない。コーティング部618は、トナー阻止面617において、感光体ドラム1の表面に接触しない範囲で設けられている。
なお、クリーニング手段は、図示を省略しているが、クリーニングブレードによって掻き取られた残存トナーを回収するトナー回収羽根、トナー回収羽根が回収した残存トナーを回収部まで搬送するトナー回収コイルなどを備えている。
−クリーニングレス方式の画像形成装置−
図14は、現像手段がクリーニング手段を兼ねたクリーニングレス方式の画像形成装置の一例を示す概略図である。
図14において、1は静電潜像担持体としての感光体ドラム、620は接触帯電手段としてのブラシ帯電装置、603は露光手段としての露光装置、604は現像手段としての現像装置、640は給紙カセット、650はローラ転写手段、Pは記録媒体を示す。
このクリーニングレス方式の画像形成装置では、感光体ドラム1表面の転写残トナーは引き続く感光体ドラム1の回転で、感光体ドラム1に接触している接触帯電装置620の位置に至り、感光体ドラム1に接触しているブラシ帯電部材621の磁気ブラシ部(不図示)に一時的に回収され、該回収されたトナーが再び感光体ドラム1の表面に吐き出されて最終的に現像装置604内に現像剤と共に現像剤担持体631で回収され、感光体ドラム1は繰り返して画像形成に供される。
ここで、現像手段604がクリーニング手段を兼ねるとは、転写後に感光体ドラム1上に若干残留したトナーを現像バイアス(現像剤担持体631に印加する直流電圧と感光体ドラム1の表面電位間の電位差)によって回収する方法を意味する。
このような現像手段がクリーニング手段を兼ねたクリーニングレス方式の画像形成装置では、転写残トナーは現像装置604に回収され、次工程以後用いられるため、廃トナーをなくし、メンテナンスフリーとなり、かつクリーナーレスシステムになるため、スペース面での利点も際だって大きく、画像形成装置を大幅に小型化することが可能となる。
<その他の工程及びその他の手段>
前記除電工程は、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加して除電を行う工程であり、除電手段により好適に行うことができる。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程により除去した前記電子写真トナーを前記現像手段にリサイクルさせる工程であり、リサイクル手段により好適に行うことができる。前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
前記制御手段は、前記各工程を制御する工程であり、制御手段により好適に行うことができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
−画像形成装置及び画像形成方法−
次に、本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する一の態様について、図15を参照しながら説明する。図15に示す画像形成装置100は、静電潜像担持体としての感光体ドラム10と、帯電手段としての帯電ローラ20と、露光手段としての露光装置による露光30と、現像手段としての現像装置40と、中間転写体50と、クリーニング手段としてのクリーニングブレード60と、除電手段としての除電ランプ70とを備えている。
中間転写体50は無端ベルトであり、その内側に配置されこれを張架する3個のローラ51によって、図中矢印方向に移動可能に設計されている。3個のローラ51の一部は、中間転写体50へ所定の転写バイアス(一次転写バイアス)を印加可能な転写バイアスローラとしても機能する。中間転写体50には、その近傍に中間転写体用クリーニングブレード90が配置されており、また、記録媒体95に可視像(トナー像)を転写(二次転写)するための転写バイアスを印加可能な前記転写手段としての転写ローラ80が対向して配置されている。中間転写体50の周囲には、この中間転写体50上の可視像に電荷を付与するためのコロナ帯電器58が、該中間転写体50の回転方向において、静電潜像担持体10と中間転写体50との接触部と、中間転写体50と記録媒体95との接触部との間に配置されている。
現像装置40は、現像剤担持体としての現像ベルト41と、この現像ベルト41の周囲に併設したブラック現像ユニット45K、イエロー現像ユニット45Y、マゼンタ現像ユニット45M、及びシアン現像ユニット45Cとから構成されている。なお、ブラック現像ユニット45Kは、現像剤収容部42Kと現像剤供給ローラ43Kと現像ローラ44Kとを備えている。イエロー現像ユニット45Yは、現像剤収容部42Yと現像剤供給ローラ43Yと現像ローラ44Yとを備えている。マゼンタ現像ユニット45Mは、現像剤収容部42Mと現像剤供給ローラ43Mと現像ローラ44Mとを備えている。シアン現像ユニット45Cは、現像剤収容部42Cと現像剤供給ローラ43Cと現像ローラ44Cとを備えている。また、現像ベルト41は、無端ベルトであり、複数のベルトローラにより回転可能に張架され、一部が静電潜像担持体10と接触している。
図15に示す画像形成装置100においては、まず、帯電ローラ20が感光体ドラム10を一様に帯電させる。露光装置(不図示)が感光体ドラム10上に像様に露光30を行い、静電潜像を形成する。感光体ドラム10上に形成された静電潜像を、現像装置40からトナーを供給して現像して可視像を形成する。該可視像が、ローラ51から印加された電圧により中間転写体50上に転写(一次転写)され、更に記録媒体95上に転写(二次転写)される。その結果、記録媒体95上には転写像が形成される。なお、静電潜像担持体10上の残存トナーは、クリーニングブレード60により除去され、静電潜像担持体10における帯電は除電ランプ70により一旦、除去される。
次に、本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する他の態様について、図16を参照しながら説明する。図16に示す画像形成装置100は、図15に示す画像形成装置100において、現像剤担持体としての現像ベルト41を備えておらず、静電潜像担持体10の周囲に、ブラック現像ユニット45K、イエロー現像ユニット45Y、マゼンタ現像ユニット45M、及びシアン現像ユニット45Cが直接対向して配置されていること以外は、図15に示す画像形成装置100と同様の構成を有し、同様の作用効果を示す。なお、図16においては、図15におけるものと同じものは同符号で示した。
−タンデム型画像形成装置及び画像形成方法−
本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する他の態様について、図17を参照しながら説明する。図17に示すタンデム型画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置である。このタンデム型カラー画像形成装置は、複写装置本体150と、給紙テーブル200と、スキャナ300と、原稿自動搬送装置(ADF)400とを備えている。
複写装置本体150には、無端ベルト状の中間転写体50が中央部に設けられている。そして、中間転写体50は、支持ローラ14、15及び16に張架され、図17中、時計回りに回転可能とされている。支持ローラ15の近傍には、中間転写体50上の残留トナーを除去するための中間転写体クリーニング手段17が配置されている。支持ローラ14と支持ローラ15とにより張架された中間転写体50には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ、及びブラックの4つの画像形成手段18が対向して並置されたタンデム型現像手段120が配置されている。タンデム型現像手段120の近傍には、露光装置21が配置されている。中間転写体50における、タンデム型現像手段120が配置された側とは反対側には、二次転写手段22が配置されている。二次転写手段22においては、無端ベルトである二次転写ベルト24が一対のローラ23に張架されており、二次転写ベルト24上を搬送される記録媒体と中間転写体50とは互いに接触可能である。二次転写手段22の近傍には定着装置25が配置されている。
なお、二次転写手段22及び定着装置25の近傍に、記録媒体の両面に画像形成を行うために該記録媒体を反転させるための反転装置28が配置されている。
次に、タンデム型現像手段120を用いたフルカラー画像の形成(カラーコピー)について説明する。即ち、先ず、原稿自動搬送装置(ADF)400の原稿台130上に原稿をセットするか、あるいは原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じる。
スタートスイッチ(不図示)を押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットした時は、原稿が搬送されてコンタクトガラス32上へと移動された後で、一方、コンタクトガラス32上に原稿をセットした時は直ちに、スキャナ300が駆動し、第1走行体33及び第2走行体34が走行する。このとき、第1走行体33により、光源からの光が照射されると共に原稿面からの反射光を第2走行体34におけるミラーで反射し、結像レンズ35を通して読み取りセンサ36で受光されてカラー原稿(カラー画像)が読み取られ、ブラック、イエロー、マゼンタ、及びシアンの画像情報とされる。
そして、ブラック、イエロー、マゼンタ、及びシアンの各画像情報は、タンデム型現像手段120における各画像形成手段18(ブラック用画像形成手段、イエロー用画像形成手段、マゼンタ用画像形成手段、及びシアン用画像形成手段)にそれぞれ伝達され、各画像形成手段において、ブラック、イエロー、マゼンタ、及びシアンの各トナー画像が形成される。即ち、タンデム型現像手段120における各画像形成手段18(ブラック用画像形成手段、イエロー用画像形成手段、マゼンタ用画像形成手段及びシアン用画像形成手段)は、図18に示すように、それぞれ、静電潜像担持体10(ブラック用静電潜像担持体10K、イエロー用静電潜像担持体10Y、マゼンタ用静電潜像担持体10M、及びシアン用静電潜像担持体10C)と、該静電潜像担持体10を一様に帯電させる帯電装置160と、各カラー画像情報に基づいて各カラー画像対応画像様に前記静電潜像担持体を露光(図18中、L)し、該静電潜像担持体上に各カラー画像に対応する静電潜像を形成する露光装置と、該静電潜像を各カラートナー(ブラックトナー、イエロートナー、マゼンタトナー、及びシアントナー)を用いて現像して各カラートナーによるトナー画像を形成する現像装置61と、該トナー画像を中間転写体50上に転写させるための転写帯電器62と、クリーニング装置63と、除電器64とを備えており、それぞれのカラーの画像情報に基づいて各単色の画像(ブラック画像、イエロー画像、マゼンタ画像、及びシアン画像)を形成可能である。こうして形成された該ブラック画像、該イエロー画像、該マゼンタ画像及び該シアン画像は、支持ローラ14、15及び16により回転移動される中間転写体50上にそれぞれ、ブラック用静電潜像担持体10K上に形成されたブラック画像、イエロー用静電潜像担持体10Y上に形成されたイエロー画像、マゼンタ用静電潜像担持体10M上に形成されたマゼンタ画像及びシアン用静電潜像担持体10C上に形成されたシアン画像が、順次転写(一次転写)される。そして、中間転写体50上に前記ブラック画像、前記イエロー画像、マゼンタ画像、及びシアン画像が重ね合わされて合成カラー画像(カラー転写像)が形成される。
一方、給紙テーブル200においては、給紙ローラ142の1つを選択的に回転させ、ペーパーバンク143に多段に備える給紙カセット144の1つから記録媒体を繰り出し、分離ローラ145で1枚ずつ分離して給紙路146に送出し、搬送ローラ147で搬送して複写機本体150内の給紙路148に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。あるいは、給紙ローラ142を回転して手差しトレイ54上の記録媒体を繰り出し、分離ローラ145で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。なお、レジストローラ49は、一般には接地されて使用されるが、記録媒体の紙粉除去のためにバイアスが印加された状態で使用されてもよい。そして、中間転写体50上に合成された合成カラー画像(カラー転写像)にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転させ、中間転写体50と二次転写手段22との間に記録媒体を送出させ、二次転写手段22により該合成カラー画像(カラー転写像)を該記録媒体上に転写(二次転写)することにより、該記録媒体上にカラー画像が転写され形成される。なお、画像転写後の中間転写体50上の残留トナーは、中間転写体クリーニング装置17によりクリーニングされる。
カラー画像が転写され形成された前記記録媒体は、二次転写手段22により搬送されて、定着装置25へと送出され、この定着装置25において、熱と圧力とにより前記合成カラー画像(カラー転写像)が該記録媒体上に定着される。その後、該記録媒体は、切換爪55で切り換えて排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされ、あるいは、切換爪55で切り換えて反転装置28により反転されて再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録した後、排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされる。
(トナー入り容器)
本発明のトナー入り容器は、本発明の前記トナー乃至前記現像剤を容器中に収容してなる。
前記容器としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、トナー容器本体とキャップとを有してなるもの、などが好適に挙げられる。
前記トナー容器本体としては、その大きさ、形状、構造、材質などについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記形状としては、円筒状などが好ましく、内周面にスパイラル状の凹凸が形成され、回転させることにより内容物であるトナーが排出口側に移行可能であり、かつ該スパイラル部の一部又は全部が蛇腹機能を有しているもの、などが特に好ましい。
前記トナー容器本体の材質としては、特に制限はなく、寸法精度がよいものが好ましく、例えば、樹脂が好適に挙げられ、その中でも、例えば、ポリエステル樹脂,ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリル酸、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂、などが好適に挙げられる。
前記トナー入り容器は、保存、搬送等が容易であり、取扱性に優れ、本発明のプロセスカートリッジ、画像形成装置等に、着脱可能に取り付けてトナーの補給に好適に使用することができる。
(プロセスカートリッジ)
本発明のプロセスカートリッジは、静電潜像を担持する静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に担持された静電潜像を、トナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを、少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択した、帯電手段、露光手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段などのその他の手段を有してなる。
前記トナーとして、本発明の前記トナーを用いる。
前記現像手段としては、前記トナー乃至前記現像剤を収容する現像剤収容器と、該現像剤収容器内に収容されたトナー乃至現像剤を担持しかつ搬送する現像剤担持体とを、少なくとも有してなり、更に、現像剤担持体に担持させるトナー層厚を規制するための層厚規制部材等を有していてもよい。具体的には、上記画像形成装置及び画像形成方法で説明した一成分現像手段、及び二成分現像手段のいずれかを好適に用いることができる。
また、前記帯電手段、露光手段、転写手段、クリーニング手段、及び除電手段としては、上述した画像形成装置と同様なものを適宜選択して用いることができる。
前記プロセスカートリッジは、各種電子写真方式の画像形成装置、ファクシミリ、プリンタに着脱可能に備えさせることができ、本発明の前記画像形成装置に着脱可能に備えさせるのが特に好ましい。
ここで、前記プロセスカートリッジは、例えば、図19に示すように、静電潜像担持体101を内蔵し、帯電手段102、現像手段104、転写手段108、クリーニング手段107を含み、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。図19中、103は露光手段による露光、105は記録媒体をそれぞれ示す。
次に、図19に示すプロセスカートリッジによる画像形成プロセスについて示すと、静電潜像担持体101は、矢印方向に回転しながら、帯電手段102による帯電、露光手段(不図示)による露光103により、その表面に露光像に対応する静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像手段104で現像され、得られた可視像は転写手段108により、記録媒体105に転写され、プリントアウトされる。次いで、像転写後の静電潜像担持体表面は、クリーニング手段107によりクリーニングされ、更に除電手段(不図示)により除電されて、再び、以上の操作を繰り返すものである。
本発明の画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジは、本発明の前記トナーを用いているので、長期間にわたって色調の変化がなく、濃度低下、地肌汚れ等の異常画像の見られない極めて高画質な画像を形成することができる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
下記実施例及び比較例において、「樹脂の軟化点」、「ロジンの軟化点」、「樹脂及びロジンのガラス転移温度(Tg)」、「樹脂及びロジンの酸価」、及び「ワックスの最大吸熱ピーク」は、以下のようにして測定を行った。
<樹脂の軟化点の測定>
フローテスター(島津製作所製、CFT−500D)を用い、試料として1gの樹脂を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押出し、温度に対するフローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とした。
<ロジンの軟化点の測定>
(1)試料の調製
ロジン10gを、170℃にて2時間ホットプレートで溶融した。その後、開封状態で温度25℃、相対湿度50%の環境下で1時間自然冷却させ、コーヒーミル(National MK−61M)で10秒間粉砕し、試料を調製した。
(2)測定
フローテスター(島津製作所製、CFT−500D)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押出し、温度に対するフローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とした。
<樹脂及びロジンのガラス転移温度(Tg)の測定>
示差走査熱量計(セイコー電子工業株式会社製、DSC210)を用いて、試料0.01〜0.02gをアルミニウムパンに計量し、200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却した試料を昇温速度10℃/分で昇温し、吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度をガラス転移温度とした。
<樹脂及びロジンの酸価>
JIS K0070に記載の方法に基づき測定した。ただし、測定溶媒のみJIS K0070の規定のエタノールとエーテルの混合溶媒から、アセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に変更した。
<ワックスの最大吸熱ピーク>
ワックスの最大吸熱ピークは、DSC測定機器として示差走査熱量計(島津製作所製、TA−60WS、及びDSC−60)を用い、測定したDSC曲線から求めた。測定方法としては、ASTM D3418−82に準じて行った。なお、DSC曲線は、1回昇温、降温させて前履歴を取った後、温度速度10℃/minで、昇温させた時に測定されるものを用いた。
(合成例1)
−ロジンの精製−
分留管、還流冷却器、及び受器を装備した2,000mL容の蒸留フラスコ内に1,000gのトールロジンを加え、1kPaの減圧下で蒸留を行い、195℃〜250℃での留出分を主留分として採取した。以下、精製に供したトールロジンを未精製ロジン、主留分として採取したロジンを精製ロジンとする。
各ロジン20gをコーヒーミル(National MK−61M)で5秒間粉砕し、目開き1mmの篩いを通したものをヘッドスペース用バイアル(20mL)に0.5g測りとった。ヘッドスペースガスをサンプリングして、未精製ロジン及び精製ロジン中の不純物を、以下のようにして、ヘッドスペースGC−MS法により分析した。結果を表1に示す。
<ヘッドスペースGC−MS法の測定条件>
A.ヘッドスペースサンプラー(Agilent社製、HP7694)
・サンプル温度 :200℃
・ループ温度 :200℃
・トランスファーライン温度:200℃
・サンプル加熱平衡時間 :30min
・バイアル加圧ガス :ヘリウム(He)
・バイアル加圧時間 :0.3min
・ループ充填時間 :0.03min
・ループ平衡時間 :0.3min
・注入時間 :1min
B.GC(ガスクロマトグラフィー)(Agilent社製、HP6890)
・分析カラム :DB−1(60m−320μm−5μm)
・キャリア :ヘリウム(He)
・流量条件 :1mL/min
・注入口温度 :210℃
・カラムヘッド圧 :34.2kPa
・注入モード :split
・スプリット比 :10:1
・オーブン温度条件:45℃(3min)−10℃/min−280℃(15min)
C.MS(質量分析法)(Agilent社製、HP5973)
・イオン化法 :EI(電子イオン化)法
・インターフェイス温度:280℃
・イオン源温度 :230℃
・四重極温度 :150℃
・検出モード :Scan 29〜350m/s
(合成例2)
−ポリエステル樹脂の合成−
表2に示す樹脂H1のアルコール成分、テレフタル酸、及びエステル化触媒を、窒素導入管、脱水管、攪拌器、及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコ内に入れ、窒素雰囲気下、230℃で15時間縮重合反応させた後、230℃、8.0kPaにて1時間反応を行った。180℃まで冷却した後、精製ロジンを投入し、200℃で15時間反応を行った。180℃まで冷却した後、イタコン酸を投入し、200℃で8時間反応を行った。180℃まで冷却した後、無水トリメリット酸を投入し、210℃まで2時間かけて昇温を行い、210℃、10kPaにて所望の軟化点まで反応を行って、ポリエステル樹脂(樹脂H1)を合成した。
(合成例3)
−ポリエステル樹脂の合成−
表3に示す樹脂L1のアルコール成分、テレフタル酸、及びエステル化触媒を、窒素導入管、脱水管、攪拌器、及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコ内に入れ、窒素雰囲気下、230℃で15時間縮重合反応させた後、230℃、8.0kPaにて1時間反応を行った。180℃まで冷却した後、精製ロジンを投入し、200℃で15時間反応を行った。180℃まで冷却した後、イタコン酸を投入し、210℃まで2時間かけて昇温を行い、210℃、10kPaにて所望の軟化点まで反応を行って、ポリエステル樹脂(樹脂L1)を合成した。
(合成例4)
−ポリエステル樹脂の合成−
表3に示す樹脂L2のアルコール成分、テレフタル酸、及びエステル化触媒を、窒素導入管、脱水管、攪拌器、及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコ内に入れ、窒素雰囲気下、230℃で15時間縮重合反応させた後、230℃、8.0kPaにて1時間反応を行った。180℃まで冷却した後、イタコン酸を投入し、210℃まで2時間かけて昇温を行い、210℃、10kPaにて所望の軟化点まで反応を行って、ポリエステル樹脂(樹脂L2)を合成した。
(合成例5)
−ポリエステル樹脂の合成−
表2に示す樹脂H2〜H4、及びH8のアルコール成分、テレフタル酸、及びエステル化触媒を、窒素導入管、脱水管、精留塔、攪拌器、及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコ内に入れ、窒素雰囲気下、230℃で15時間縮重合反応させた後、230℃、8.0kPaにて1時間反応を行った。180℃まで冷却した後、無水トリメリット酸を投入し、210℃まで3時間かけて昇温を行い、常圧(101.3kPa)下、10時間反応させた後、210℃、20kPaにて所望の軟化点まで反応を行ってポリエステル樹脂(樹脂H2〜H4、及びH8)を合成した。
(合成例6)
−ポリエステル樹脂の合成−
表2及び表3に示す樹脂H5、H6及びL3〜L6のアルコール成分、テレフタル酸、及びエステル化触媒を、窒素導入管、脱水管、精留塔、攪拌器、及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコ内に入れ、窒素雰囲気下、230℃で15時間縮重合反応させた後、230℃、20kPaにて所望の軟化点まで反応を行ってポリエステル樹脂(樹脂H5、H6及びL3〜L6)を合成した。
(合成例7)
−ポリエステル樹脂の合成−
ビスフェノールAプロピレンオキサイド6mol、ビスフェノールAエチレンオキサイド4mol、テレフタル酸8mol、及び無水トリメリット酸3molを、窒素導入管、脱水管、精留塔、攪拌器、及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコ内に入れ、窒素雰囲気下、220℃で15時間縮重合反応させた後、220℃、20kPaにて所望の軟化点まで反応を行ってポリエステル樹脂(樹脂L7)を合成した。
得られた樹脂L7の軟化点は106.3℃、ガラス転移温度は59.0℃、酸価は21.0mgKOH/gであった。
(合成例8)
−ポリエステル樹脂の合成−
ビスフェノールAプロピレンオキサイド6mol、ビスフェノールAエチレンオキサイド4mol、フマル酸10mol、及び無水トリメリット酸4molを、窒素導入管、脱水管、精留塔、攪拌器、及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコ内に入れ、窒素雰囲気下、220℃で15時間縮重合反応させた後、220℃、20kPaにて所望の軟化点まで反応を行ってポリエステル樹脂(樹脂H7)を合成した。
得られた樹脂H7の軟化点は142.5℃、ガラス転移温度は63.1℃、酸価は28.1mgKOH/gであった。
*アルコール成分及びカルボン酸成分の使用量における括弧内の値はモル比である。
*エステル化触媒の使用量は、アルコール成分及びカルボン酸成分の総量100質量部に対する質量比を示す。
*アルコール成分及びカルボン酸成分の使用量における括弧内の値はモル比である。
*エステル化触媒の使用量は、アルコール成分及びカルボン酸成分の総量100質量部に対する質量比を示す。
(製造例1)
−マスターバッチ1の作製−
下記の組成の顔料、樹脂L1、及び純水を1:1:0.5(質量比)の割合で、混合して、2本ロールにより混練した。混練を70℃で行い、その後、ロール温度を120℃まで上げて、水を蒸発させて、シアントナーマスターバッチ1(MB−C1)、マゼンタトナーマスターバッチ1(MB−M1)、イエロートナーマスターバッチ1(MB−Y1)、及びブラックトナーマスターバッチ1(MB−K1)からなるマスターバッチ1を作製した。
〔シアントナーマスターバッチ1(MB−C1)処方〕
・樹脂L1・・・100質量部
・シアン顔料(C.I.Pigment blue 15:3)・・・100質量部
・純水・・・50質量部
〔マゼンタトナーマスターバッチ1(MB−M1)処方〕
・樹脂L1・・・100質量部
・マゼンタ顔料(C.I.Pigment red 122)・・・100質量部
・純水・・・50質量部
〔イエロートナーマスターバッチ1(MB−Y1)処方〕
・樹脂L1・・・100質量部
・イエロー顔料(C.I.Pigment yellow 180)・・・100質量部
・純水・・・50質量部
〔ブラックトナーマスターバッチ1(MB−K1)処方〕
・樹脂L1・・・100質量部
・ブラック顔料(カーボンブラック)・・・100質量部
・純水・・・50質量部
(製造例2)
−マスターバッチ2の作製−
製造例1において、樹脂L1を樹脂L2に変えた以外は、製造例1と同様にして、シアンマスターバッチ2(MB−C2)、マゼンタマスターバッチ2(MB−M2)、イエローマスターバッチ2(MB−Y2)、及びブラックマスターバッチ2(MB−K2)からなるマスターバッチ2を作製した。
(製造例3)
−マスターバッチ3の作製−
製造例1において、樹脂L1を樹脂L3に変えた以外は、製造例1と同様にして、シアンマスターバッチ3(MB−C3)、マゼンタマスターバッチ3(MB−M3)、イエローマスターバッチ3(MB−Y3)、及びブラックマスターバッチ3(MB−K3)からなるマスターバッチ3を作製した。
(製造例4)
−マスターバッチ4の作製−
製造例1において、樹脂L1を樹脂L4に変えた以外は、製造例1と同様にして、シアンマスターバッチ4(MB−C4)、マゼンタマスターバッチ4(MB−M4)、イエローマスターバッチ4(MB−Y4)、及びブラックマスターバッチ4(MB−K4)からなるマスターバッチ4を作製した。
(製造例5)
−マスターバッチ5の作製−
製造例1において、樹脂L1を樹脂L5に変えた以外は、製造例1と同様にして、シアンマスターバッチ5(MB−C5)、マゼンタマスターバッチ5(MB−M5)、イエローマスターバッチ5(MB−Y5)、及びブラックマスターバッチ5(MB−K5)からなるマスターバッチ5を作製した。
(製造例6)
−マスターバッチ6の作製−
製造例1において、樹脂L1を樹脂L6に変えた以外は、製造例1と同様にして、シアンマスターバッチ6(MB−C6)、マゼンタマスターバッチ6(MB−M6)、イエローマスターバッチ6(MB−Y6)、及びブラックマスターバッチ6(MB−K6)からなるマスターバッチ6を作製した。
(製造例7)
−マスターバッチ7の作製−
製造例1において、樹脂L1を樹脂L7に変えた以外は、製造例1と同様にして、シアンマスターバッチ7(MB−C7)、マゼンタマスターバッチ7(MB−M7)、イエローマスターバッチ7(MB−Y7)、及びブラックマスターバッチ7(MB−K7)からなるマスターバッチ7を作製した。
(実施例1)
<トナー1の作製>
以下のようにして、シアントナー1、マゼンタトナー1、イエロートナー1、及びブラックトナー1からなるトナー1を作製した。
−シアントナー1の作製−
下記組成のシアントナー処方1を、へンシェルミキサー(三井三池化工機株式会社製、FM10B)を用いて予備混合した後、二軸混練機(株式会社池貝製、PCM−30)で100〜130℃の温度で溶融混練した。得られた混練物は室温まで冷却後、ハンマーミルにて粒径200〜400μmに粗粉砕した。次に、超音速ジェット粉砕機(ラボジェット、日本ニューマチック工業株式会社製)を用いて微粉砕(フィーダー回転数36Hz、粉砕エアー圧0.40MPa)し、トナー母体粒子を作製した。
次いで、トナー母体粒子100質量部に対し、添加剤(HDK−2000、クラリアント株式会社製)1.0質量部をヘンシェルミキサーで攪拌混合した。以上により、シアントナー1を作製した。
〔シアントナー処方1〕
・ポリエステル系樹脂(A)としての樹脂H1・・・50質量部
・ポリエステル系樹脂(B)としての樹脂L1・・・42質量部
・シアントナーマスターバッチ1(MB−C1)・・・16質量部
・パラフィンワックス(HNP−9PD、日本精蝋株式会社製、最大吸熱ピーク75.7℃)・・・3質量部
・帯電制御剤(3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸Zn(II)化合物、ボントロンE−84、オリエント化学工業株式会社製)・・・1質量部
−マゼンタトナー1の作製−
シアントナー1の製造方法において、シアントナー処方1を下記組成のマゼンタトナー処方1に変えた以外は、シアントナー1の製造方法と同様にして、マゼンタトナー1を作製した。
〔マゼンタトナー処方1〕
・ポリエステル系樹脂(A)としての樹脂H1・・・50質量部
・ポリエステル系樹脂(B)としての樹脂L1・・・40質量部
・マゼンタトナーマスターバッチ1(MB−M1)・・・20質量部
・パラフィンワックス(HNP−9PD、日本精蝋株式会社製、最大吸熱ピーク75.7℃)・・・3質量部
・帯電制御剤(3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸Zn(II)化合物、ボントロンE−84、オリエント化学工業株式会社製)・・・1質量部
−イエロートナー1の作製−
シアントナー1の製造方法において、シアントナー処方1を下記組成のイエロートナー処方1に変更した以外は、シアントナー1の製造方法と同様にして、イエロートナー1を作製した。
〔イエロートナー処方1〕
・ポリエステル系樹脂(A)としての樹脂H1・・・50質量部
・ポリエステル系樹脂(B)としての樹脂L1・・・40質量部
・イエロートナーマスターバッチ1(MB−Y1)・・・20質量部
・パラフィンワックス(HNP−9PD、日本精蝋株式会社製、最大吸熱ピーク75.7℃)・・・3質量部
・帯電制御剤(3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸Zn(II)化合物、ボントロンE−84、オリエント化学工業株式会社製)・・・1質量部
−ブラックトナー1の作製−
シアントナー1の製造方法において、シアントナー処方1を下記組成のブラックトナー処方1に変更した以外は、シアントナー1の製造方法と同様にして、ブラックトナー1を作製した。
〔ブラックトナー処方1〕
・ポリエステル系樹脂(A)としての樹脂H1・・・50質量部
・ポリエステル系樹脂(B)としての樹脂L1・・・42質量部
・ブラックトナーマスターバッチ1(MB−K1)・・・16質量部
・パラフィンワックス(HNP−9PD、日本精蝋株式会社製、最大吸熱ピーク75.7℃)・・・3質量部
・帯電制御剤(3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸Zn(II)化合物、ボントロンE−84、オリエント化学工業株式会社製)・・・1質量部
(実施例2)
−トナー2の作製−
実施例1において、下記の各トナー処方に変えた以外は、実施例1と同様にして、シアントナー2、イエロートナー2、マゼンタトナー2、及びブラックトナー2からなるトナー2を作製した。
〔シアントナー処方2〕
・ポリエステル系樹脂(A)としての樹脂H2・・・50質量部
・ポリエステル系樹脂(B)としての樹脂L5・・・42質量部
・シアントナーマスターバッチ5(MB−C5)・・・16質量部
・パラフィンワックス(HNP−9PD、日本精蝋株式会社製、最大吸熱ピーク75.7℃)・・・3質量部
・帯電制御剤(3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸Zn(II)化合物、ボントロンE−84、オリエント化学工業株式会社製)・・・1質量部
〔マゼンタトナー処方2〕
・ポリエステル系樹脂(A)としての樹脂H2・・・50質量部
・ポリエステル系樹脂(B)としての樹脂L5・・・40質量部
・マゼンタトナーマスターバッチ5(MB−M5)・・・20質量部
・パラフィンワックス(HNP−9PD、日本精蝋株式会社製、最大吸熱ピーク75.7℃)・・・3質量部
・帯電制御剤(3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸Zn(II)化合物、ボントロンE−84、オリエント化学工業株式会社製)・・・1質量部
〔イエロートナー処方2〕
・ポリエステル系樹脂(A)としての樹脂H2・・・50質量部
・ポリエステル系樹脂(B)としての樹脂L5・・・40質量部
・イエロートナーマスターバッチ5(MB−Y5)・・・20質量部
・パラフィンワックス(HNP−9PD、日本精蝋株式会社製、最大吸熱ピーク75.7℃)・・・3質量部
・帯電制御剤(3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸Zn(II)化合物、ボントロンE−84、オリエント化学工業株式会社製)・・・1質量部
〔ブラックトナー処方2〕
・ポリエステル系樹脂(A)としての樹脂H2・・・50質量部
・ポリエステル系樹脂(B)としての樹脂L5・・・42質量部
・ブラックトナーマスターバッチ5(MB−K5)・・・16質量部
・パラフィンワックス(HNP−9PD、日本精蝋株式会社製、最大吸熱ピーク75.7℃)・・・3質量部
・帯電制御剤(3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸Zn(II)化合物、ボントロンE−84、オリエント化学工業株式会社製)・・・1質量部
(実施例3)
−トナー3の作製−
実施例1において、下記の各トナー処方に変えた以外は、実施例1と同様にして、シアントナー3、イエロートナー3、マゼンタトナー3、及びブラックトナー3からなるトナー3を作製した。
〔シアントナー処方3〕
・ポリエステル系樹脂(A)としての樹脂H6・・・50質量部
・ポリエステル系樹脂(B)としての樹脂L2・・・42質量部
・シアントナーマスターバッチ2(MB−C2)・・・16質量部
・パラフィンワックス(HNP−9PD、日本精蝋株式会社製、最大吸熱ピーク75.7℃)・・・3質量部
・帯電制御剤(3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸Zn(II)化合物、ボントロンE−84、オリエント化学工業株式会社製)・・・1質量部
〔マゼンタトナー処方3〕
・ポリエステル系樹脂(A)としての樹脂H6・・・50質量部
・ポリエステル系樹脂(B)としての樹脂H2・・・40質量部
・マゼンタトナーマスターバッチ2(MB−M2)・・・20質量部
・パラフィンワックス(HNP−9PD、日本精蝋株式会社製、最大吸熱ピーク75.7℃)・・・3質量部
・帯電制御剤(3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸Zn(II)化合物、ボントロンE−84、オリエント化学工業株式会社製)・・・1質量部
〔イエロートナー処方3〕
・ポリエステル系樹脂(A)としての樹脂H6・・・50質量部
・ポリエステル系樹脂(B)としての樹脂H2・・・40質量部
・イエロートナーマスターバッチ2(MB−Y2)・・・20質量部
・パラフィンワックス(HNP−9PD、日本精蝋株式会社製、最大吸熱ピーク75.7℃)・・・3質量部
・帯電制御剤(3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸Zn(II)化合物、ボントロンE−84、オリエント化学工業株式会社製)・・・1質量部
〔ブラックトナー処方3〕
・ポリエステル系樹脂(A)としての樹脂H6・・・50質量部
・ポリエステル系樹脂(B)としての樹脂L2・・・42質量部
・ブラックトナーマスターバッチ2(MB−K2)・・・16質量部
・パラフィンワックス(HNP−9PD、日本精蝋株式会社製、最大吸熱ピーク75.7℃)・・・3質量部
・帯電制御剤(3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸Zn(II)化合物、ボントロンE−84、オリエント化学工業株式会社製)・・・1質量部
(実施例4)
−トナー4の作製−
実施例1において、下記の各トナー処方に変えた以外は、実施例1と同様にして、シアントナー4、イエロートナー4、マゼンタトナー4、及びブラックトナー4からなるトナー4を作製した。
〔シアントナー処方4〕
・ポリエステル系樹脂(A)としての樹脂H2・・・50質量部
・ポリエステル系樹脂(B)としての樹脂L2・・・42質量部
・シアントナーマスターバッチ2(MB−C2)・・・16質量部
・パラフィンワックス(HNP−9PD、日本精蝋株式会社製、最大吸熱ピーク75.7℃)・・・3質量部
・帯電制御剤(3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸Zn(II)化合物、ボントロンE−84、オリエント化学工業株式会社製)・・・1質量部
〔マゼンタトナー処方4〕
・ポリエステル系樹脂(A)としての樹脂H2・・・50質量部
・ポリエステル系樹脂(B)としての樹脂L2・・・40質量部
・マゼンタトナーマスターバッチ2(MB−M2)・・・20質量部
・パラフィンワックス(HNP−9PD、日本精蝋株式会社製、最大吸熱ピーク75.7℃)・・・3質量部
・帯電制御剤(3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸Zn(II)化合物、ボントロンE−84、オリエント化学工業株式会社製)・・・1質量部
〔イエロートナー処方4〕
・ポリエステル系樹脂(A)としての樹脂H2・・・50質量部
・ポリエステル系樹脂(B)としての樹脂L2・・・40質量部
・イエロートナーマスターバッチ2(MB−Y2)・・・20質量部
・パラフィンワックス(HNP−9PD、日本精蝋株式会社製、最大吸熱ピーク75.7℃)・・・3質量部
・帯電制御剤(3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸Zn(II)化合物、ボントロンE−84、オリエント化学工業株式会社製)・・・1質量部
〔ブラックトナー処方4〕
・ポリエステル系樹脂(A)としての樹脂H2・・・50質量部
・ポリエステル系樹脂(B)としての樹脂L2・・・42質量部
・ブラックトナーマスターバッチ2(MB−K2)・・・16質量部
・パラフィンワックス(HNP−9PD、日本精蝋株式会社製、最大吸熱ピーク75.7℃)・・・3質量部
・帯電制御剤(3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸Zn(II)化合物、ボントロンE−84、オリエント化学工業株式会社製)・・・1質量部
(実施例5)
−トナー5の作製−
実施例1において、下記の各トナー処方に変えた以外は、実施例1と同様にして、シアントナー5、イエロートナー5、マゼンタトナー5、及びブラックトナー5からなるトナー5を作製した。
〔シアントナー処方5〕
・ポリエステル系樹脂(A)としての樹脂H3・・・50質量部
・ポリエステル系樹脂(B)としての樹脂L3・・・42質量部
・シアントナーマスターバッチ3(MB−C3)・・・16質量部
・パラフィンワックス(HNP−9PD、日本精蝋株式会社製、最大吸熱ピーク75.7℃)・・・3質量部
・帯電制御剤(3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸Zn(II)化合物、ボントロンE−84、オリエント化学工業株式会社製)・・・1質量部
〔マゼンタトナー処方5〕
・ポリエステル系樹脂(A)としての樹脂H3・・・50質量部
・ポリエステル系樹脂(B)としての樹脂L3・・・50質量部
・マゼンタトナーマスターバッチ3(MB−M3)・・・20質量部
・パラフィンワックス(HNP−9PD、日本精蝋株式会社製、最大吸熱ピーク75.7℃)・・・3質量部
・帯電制御剤(3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸Zn(II)化合物、ボントロンE−84、オリエント化学工業株式会社製)・・・1質量部
〔イエロートナー処方5〕
・ポリエステル系樹脂(A)としての樹脂H3・・・50質量部
・ポリエステル系樹脂(B)としての樹脂L3・・・40質量部
・イエロートナーマスターバッチ3(MB−Y3)・・・20質量部
・パラフィンワックス(HNP−9PD、日本精蝋株式会社製、最大吸熱ピーク75.7℃)・・・3質量部
・帯電制御剤(3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸Zn(II)化合物、ボントロンE−84、オリエント化学工業株式会社製)・・・1質量部
〔ブラックトナー処方5〕
・ポリエステル系樹脂(A)としての樹脂H3・・・50質量部
・ポリエステル系樹脂(B)としての樹脂L3・・・42質量部
・ブラックトナーマスターバッチ3(MB−K3)・・・16質量部
・パラフィンワックス(HNP−9PD、日本精蝋株式会社製、最大吸熱ピーク75.7℃)・・・3質量部
・帯電制御剤(3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸Zn(II)化合物、ボントロンE−84、オリエント化学工業株式会社製)・・・1質量部
(実施例6)
−トナー6の作製−
実施例1において、下記の各トナー処方に変えた以外は、実施例1と同様にして、シアントナー6、イエロートナー6、マゼンタトナー6、及びブラックトナー6からなるトナー6を作製した。
〔シアントナー処方6〕
・ポリエステル系樹脂(A)としての樹脂H4・・・50質量部
・ポリエステル系樹脂(B)としての樹脂L4・・・42質量部
・シアントナーマスターバッチ4(MB−C4)・・・16質量部
・パラフィンワックス(HNP−9PD、日本精蝋株式会社製、最大吸熱ピーク75.7℃)・・・3質量部
・帯電制御剤(3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸Zn(II)化合物、ボントロンE−84、オリエント化学工業株式会社製)・・・1質量部
〔マゼンタトナー処方6〕
・ポリエステル系樹脂(A)としての樹脂H4・・・50質量部
・ポリエステル系樹脂(B)としての樹脂L4・・・40質量部
・マゼンタトナーマスターバッチ4(MB−M4)・・・20質量部
・パラフィンワックス(HNP−9PD、日本精蝋株式会社製、最大吸熱ピーク75.7℃)・・・3質量部
・帯電制御剤(3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸Zn(II)化合物、ボントロンE−84、オリエント化学工業株式会社製)・・・1質量部
〔イエロートナー処方6〕
・ポリエステル系樹脂(A)としての樹脂H4・・・50質量部
・ポリエステル系樹脂(B)としての樹脂L4・・・40質量部
・イエロートナーマスターバッチ4(MB−Y4)・・・20質量部
・パラフィンワックス(HNP−9PD、日本精蝋株式会社製、最大吸熱ピーク75.7℃)・・・3質量部
・帯電制御剤(3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸Zn(II)化合物、ボントロンE−84、オリエント化学工業株式会社製)・・・1質量部
〔ブラックトナー処方6〕
・ポリエステル系樹脂(A)としての樹脂H4・・・50質量部
・ポリエステル系樹脂(B)としての樹脂L4・・・42質量部
・ブラックトナーマスターバッチ4(MB−K4)・・・16質量部
・パラフィンワックス(HNP−9PD、日本精蝋株式会社製、最大吸熱ピーク75.7℃)・・・3質量部
・帯電制御剤(3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸Zn(II)化合物、ボントロンE−84、オリエント化学工業株式会社製)・・・1質量部
(実施例7)
−トナー7の作製−
実施例1において、下記の各トナー処方に変えた以外は、実施例1と同様にして、シアントナー7、イエロートナー7、マゼンタトナー7、及びブラックトナー7からなるトナー7を作製した。
〔シアントナー処方7〕
・ポリエステル系樹脂(A)としての樹脂H1・・・50質量部
・ポリエステル系樹脂(B)としての樹脂L1・・・42質量部
・シアントナーマスターバッチ1(MB−C1)・・・16質量部
・パラフィンワックス(HNP−9PD、日本精蝋株式会社製、最大吸熱ピーク75.7℃)・・・3質量部
・帯電制御剤(3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸Zn(II)化合物、ボントロンE−84、オリエント化学工業株式会社製)・・・1質量部
〔マゼンタトナー処方7〕
・ポリエステル系樹脂(A)としての樹脂H1・・・50質量部
・ポリエステル系樹脂(B)としての樹脂L1・・・40質量部
・マゼンタトナーマスターバッチ1(MB−M1)・・・20質量部
・パラフィンワックス(HNP−9PD、日本精蝋株式会社製、最大吸熱ピーク75.7℃)・・・3質量部
・帯電制御剤(3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸Zn(II)化合物、ボントロンE−84、オリエント化学工業株式会社製)・・・1質量部
〔イエロートナー処方7〕
・ポリエステル系樹脂(A)としての樹脂H1・・・50質量部
・ポリエステル系樹脂(B)としての樹脂L1・・・40質量部
・イエロートナーマスターバッチ1(MB−Y1)・・・20質量部
・パラフィンワックス(HNP−9PD、日本精蝋株式会社製、最大吸熱ピーク75.7℃)・・・3質量部
・帯電制御剤(3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸Zn(II)化合物、ボントロンE−84、オリエント化学工業株式会社製)・・・1質量部
〔ブラックトナー処方7〕
・ポリエステル系樹脂(A)としての樹脂H1・・・50質量部
・ポリエステル系樹脂(B)としての樹脂L1・・・42質量部
・ブラックトナーマスターバッチ1(MB−K1)・・・16質量部
・パラフィンワックス(HNP−9PD、日本精蝋株式会社製、最大吸熱ピーク75.7℃)・・・3質量部
・帯電制御剤(3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸Zn(II)化合物、ボントロンE−84、オリエント化学工業株式会社製)・・・1質量部
(実施例8)
−トナー8の作製−
実施例1において、下記の各トナー処方に変え、超音速ジェット粉砕機(ラボジェット、日本ニューマチック工業株式会社製)を用いて微粉砕(フィーダー回転数39Hz、粉砕エアー圧0.35MPa)した以外は、実施例1と同様にして、シアントナー8、イエロートナー8、マゼンタトナー8、及びブラックトナー8からなるトナー8を作製した。
〔シアントナー処方8〕
・ポリエステル系樹脂(A)としての樹脂H1・・・50質量部
・ポリエステル系樹脂(B)としての樹脂L1・・・42質量部
・シアントナーマスターバッチ1(MB−C1)・・・16質量部
・脱遊離脂肪酸カルナウバワックス(WA03、東亞化成株式会社製、最大吸熱ピーク82.1℃)・・・3質量部
・帯電制御剤(3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸Zn(II)化合物、ボントロンE−84、オリエント化学工業株式会社製)・・・1質量部
〔マゼンタトナー処方8〕
・ポリエステル系樹脂(A)としての樹脂H1・・・50質量部
・ポリエステル系樹脂(B)としての樹脂L1・・・40質量部
・マゼンタトナーマスターバッチ1(MB−M1)・・・20質量部
・脱遊離脂肪酸カルナウバワックス(WA03、東亞化成株式会社製、最大吸熱ピーク82.1℃)・・・3質量部
・帯電制御剤(3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸Zn(II)化合物、ボントロンE−84、オリエント化学工業株式会社製)・・・1質量部
〔イエロートナー処方8〕
・ポリエステル系樹脂(A)としての樹脂H1・・・50質量部
・ポリエステル系樹脂(B)としての樹脂L1・・・40質量部
・イエロートナーマスターバッチ1(MB−Y1)・・・20質量部
・脱遊離脂肪酸カルナウバワックス(WA03、東亞化成株式会社製、最大吸熱ピーク82.1℃)・・・3質量部
・帯電制御剤(3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸Zn(II)化合物、ボントロンE−84、オリエント化学工業株式会社製)・・・1質量部
〔ブラックトナー処方8〕
・ポリエステル系樹脂(A)としての樹脂H1・・・50質量部
・ポリエステル系樹脂(B)としての樹脂L1・・・42質量部
・ブラックトナーマスターバッチ1(MB−K1)・・・16質量部
・脱遊離脂肪酸カルナウバワックス(WA03、東亞化成株式会社製、最大吸熱ピーク82.1℃)・・・3質量部
・帯電制御剤(3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸Zn(II)化合物、ボントロンE−84、オリエント化学工業株式会社製)・・・1質量部
(比較例1)
−トナー9の作製−
実施例1において、下記の各トナー処方に変えた以外は、実施例1と同様にして、シアントナー9、イエロートナー9、マゼンタトナー9、及びブラックトナー9からなるトナー9を作製した。
〔シアントナー処方9〕
・ポリエステル系樹脂(A)としての樹脂H6・・・50質量部
・ポリエステル系樹脂(B)としての樹脂L6・・・42質量部
・シアントナーマスターバッチ6(MB−C6)・・・16質量部
・パラフィンワックス(HNP−9PD、日本精蝋株式会社製、最大吸熱ピーク75.7℃)・・・3質量部
・帯電制御剤(3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸Zn(II)化合物、ボントロンE−84、オリエント化学工業株式会社製)・・・1質量部
〔マゼンタトナー処方9〕
・ポリエステル系樹脂(A)としての樹脂H6・・・50質量部
・ポリエステル系樹脂(B)としての樹脂L6・・・40質量部
・マゼンタトナーマスターバッチ6(MB−M6)・・・20質量部
・パラフィンワックス(HNP−9PD、日本精蝋株式会社製、最大吸熱ピーク75.7℃)・・・3質量部
・帯電制御剤(3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸Zn(II)化合物、ボントロンE−84、オリエント化学工業株式会社製)・・・1質量部
〔イエロートナー処方9〕
・ポリエステル系樹脂(A)としての樹脂H6・・・50質量部
・ポリエステル系樹脂(B)としての樹脂L6・・・40質量部
・イエロートナーマスターバッチ6(MB−Y6)・・・20質量部
・パラフィンワックス(HNP−9PD、日本精蝋株式会社製、最大吸熱ピーク75.7℃)・・・3質量部
・帯電制御剤(3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸Zn(II)化合物、ボントロンE−84、オリエント化学工業株式会社製)・・・1質量部
〔ブラックトナー処方9〕
・ポリエステル系樹脂(A)としての樹脂H6・・・50質量部
・ポリエステル系樹脂(B)としての樹脂L6・・・42質量部
・ブラックトナーマスターバッチ6(MB−K6)・・・16質量部
・パラフィンワックス(HNP−9PD、日本精蝋株式会社製、最大吸熱ピーク75.7℃)・・・3質量部
・帯電制御剤(3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸Zn(II)化合物、ボントロンE−84、オリエント化学工業株式会社製)・・・1質量部
(比較例2)
−トナー10の作製−
実施例1において、下記の各トナー処方に変えた以外は、実施例1と同様にして、シアントナー10、イエロートナー10、マゼンタトナー10、及びブラックトナー10からなるトナー10を作製した。
〔シアントナー処方10〕
・ポリエステル系樹脂(A)としての樹脂H5・・・50質量部
・ポリエステル系樹脂(B)としての樹脂L1・・・42質量部
・シアントナーマスターバッチ1(MB−C1)・・・16質量部
・パラフィンワックス(HNP−9PD、日本精蝋株式会社製、最大吸熱ピーク75.7℃)・・・3質量部
・帯電制御剤(3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸Zn(II)化合物、ボントロンE−84、オリエント化学工業株式会社製)・・・1質量部
〔マゼンタトナー処方10〕
・ポリエステル系樹脂(A)としての樹脂H5・・・50質量部
・ポリエステル系樹脂(B)としての樹脂L1・・・40質量部
・マゼンタトナーマスターバッチ1(MB−M1)・・・20質量部
・パラフィンワックス(HNP−9PD、日本精蝋株式会社製、最大吸熱ピーク75.7℃)・・・3質量部
・帯電制御剤(3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸Zn(II)化合物、ボントロンE−84、オリエント化学工業株式会社製)・・・1質量部
〔イエロートナー処方10〕
・ポリエステル系樹脂(A)としての樹脂H5・・・50質量部
・ポリエステル系樹脂(B)としての樹脂L1・・・40質量部
・イエロートナーマスターバッチ1(MB−Y1)・・・20質量部
・パラフィンワックス(HNP−9PD、日本精蝋株式会社製、最大吸熱ピーク75.7℃)・・・3質量部
・帯電制御剤(3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸Zn(II)化合物、ボントロンE−84、オリエント化学工業株式会社製)・・・1質量部
〔ブラックトナー処方10〕
・ポリエステル系樹脂(A)としての樹脂H5・・・50質量部
・ポリエステル系樹脂(B)としての樹脂L1・・・42質量部
・ブラックトナーマスターバッチ1(MB−K1)・・・16質量部
・パラフィンワックス(HNP−9PD、日本精蝋株式会社製、最大吸熱ピーク75.7℃)・・・3質量部
・帯電制御剤(3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸Zn(II)化合物、ボントロンE−84、オリエント化学工業株式会社製)・・・1質量部
(比較例3)
−トナー11の作製−
実施例1において、下記の各トナー処方に変えた以外は、実施例1と同様にして、シアントナー11、イエロートナー11、マゼンタトナー11、及びブラックトナー11からなるトナー11を作製した。
〔シアントナー処方11〕
・ポリエステル系樹脂(A)としての樹脂H7・・・50質量部
・ポリエステル系樹脂(B)としての樹脂L7・・・42質量部
・シアントナーマスターバッチ7(MB−C7)・・・16質量部
・パラフィンワックス(HNP−9PD、日本精蝋株式会社製、最大吸熱ピーク75.7℃)・・・3質量部
・帯電制御剤(3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸Zn(II)化合物、ボントロンE−84、オリエント化学工業株式会社製)・・・1質量部
〔マゼンタトナー処方11〕
・ポリエステル系樹脂(A)としての樹脂H7・・・50質量部
・ポリエステル系樹脂(B)としての樹脂L7・・・40質量部
・マゼンタトナーマスターバッチ7(MB−M7)・・・20質量部
・パラフィンワックス(HNP−9PD、日本精蝋株式会社製、最大吸熱ピーク75.7℃)・・・3質量部
・帯電制御剤(3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸Zn(II)化合物、ボントロンE−84、オリエント化学工業株式会社製)・・・1質量部
〔イエロートナー処方11〕
・ポリエステル系樹脂(A)としての樹脂H7・・・50質量部
・ポリエステル系樹脂(B)としての樹脂L7・・・40質量部
・イエロートナーマスターバッチ7(MB−Y7)・・・20質量部
・パラフィンワックス(HNP−9PD、日本精蝋株式会社製、最大吸熱ピーク75.7℃)・・・3質量部
・帯電制御剤(3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸Zn(II)化合物、ボントロンE−84、オリエント化学工業株式会社製)・・・1質量部
〔ブラックトナー処方11〕
・ポリエステル系樹脂(A)としての樹脂H7・・・50質量部
・ポリエステル系樹脂(B)としての樹脂L7・・・42質量部
・ブラックトナーマスターバッチ7(MB−K7)・・・16質量部
・パラフィンワックス(HNP−9PD、日本精蝋株式会社製、最大吸熱ピーク75.7℃)・・・3質量部
・帯電制御剤(3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸Zn(II)化合物、ボントロンE−84、オリエント化学工業株式会社製)・・・1質量部
(比較例4)
−トナー12の作製−
実施例1において、下記の各トナー処方に変え、超音速ジェット粉砕機(ラボジェット、日本ニューマチック工業株式会社製)を用いて微粉砕(フィーダー回転数36Hz、粉砕エアー圧0.40MPa)した後、気流分級機(日本ニューマチック工業株式会社製、MDS−I)で粒径5μm以下の粒子の含有率が50±5個数%になるように調整しながら分級した以外は、実施例1と同様にして、シアントナー12、イエロートナー12、マゼンタトナー12、及びブラックトナー12からなるトナー12を作製した。
〔シアントナー処方12〕
・ポリエステル系樹脂(A)としての樹脂H1・・・50質量部
・ポリエステル系樹脂(B)としての樹脂L1・・・42質量部
・シアントナーマスターバッチ1(MB−C1)・・・16質量部
・パラフィンワックス(HNP−9PD、日本精蝋株式会社製、最大吸熱ピーク75.7℃)・・・3質量部
・帯電制御剤(3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸Zn(II)化合物、ボントロンE−84、オリエント化学工業株式会社製)・・・1質量部
〔マゼンタトナー処方12〕
・ポリエステル系樹脂(A)としての樹脂H1・・・50質量部
・ポリエステル系樹脂(B)としての樹脂L1・・・40質量部
・マゼンタトナーマスターバッチ1(MB−M1)・・・20質量部
・パラフィンワックス(HNP−9PD、日本精蝋株式会社製、最大吸熱ピーク75.7℃)・・・3質量部
・帯電制御剤(3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸Zn(II)化合物、ボントロンE−84、オリエント化学工業株式会社製)・・・1質量部
〔イエロートナー処方12〕
・ポリエステル系樹脂(A)としての樹脂H1・・・50質量部
・ポリエステル系樹脂(B)としての樹脂L1・・・40質量部
・イエロートナーマスターバッチ1(MB−Y1)・・・20質量部
・パラフィンワックス(HNP−9PD、日本精蝋株式会社製、最大吸熱ピーク75.7℃)・・・3質量部
・帯電制御剤(3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸Zn(II)化合物、ボントロンE−84、オリエント化学工業株式会社製)・・・1質量部
〔ブラックトナー処方12〕
・ポリエステル系樹脂(A)としての樹脂H1・・・50質量部
・ポリエステル系樹脂(B)としての樹脂L1・・・42質量部
・ブラックトナーマスターバッチ1(MB−K1)・・・16質量部
・パラフィンワックス(HNP−9PD、日本精蝋株式会社製、最大吸熱ピーク75.7℃)・・・3質量部
・帯電制御剤(3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸Zn(II)化合物、ボントロンE−84、オリエント化学工業株式会社製)・・・1質量部
(比較例5)
−トナー13の作製−
実施例1において、下記の各トナー処方に変え、超音速ジェット粉砕機(ラボジェット、日本ニューマチック工業株式会社製)を用いて微粉砕(フィーダー回転数36Hz、粉砕エアー圧0.40MPa)した後、気流分級機(日本ニューマチック工業株式会社製、MDS−I)で粒径5μm以下の粒子の含有率が30±5個数%になるように調整しながら分級した以外は、実施例1と同様にして、シアントナー13、イエロートナー13、マゼンタトナー13、及びブラックトナー13からなるトナー13を作製した。
〔シアントナー処方13〕
・ポリエステル系樹脂(A)としての樹脂H1・・・50質量部
・ポリエステル系樹脂(B)としての樹脂L1・・・42質量部
・シアントナーマスターバッチ1(MB−C1)・・・16質量部
・パラフィンワックス(HNP−9PD、日本精蝋株式会社製、最大吸熱ピーク75.7℃)・・・3質量部
・帯電制御剤(3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸Zn(II)化合物、ボントロンE−84、オリエント化学工業株式会社製)・・・1質量部
〔マゼンタトナー処方13〕
・ポリエステル系樹脂(A)としての樹脂H1・・・50質量部
・ポリエステル系樹脂(B)としての樹脂L1・・・40質量部
・マゼンタトナーマスターバッチ1(MB−M1)・・・20質量部
・パラフィンワックス(HNP−9PD、日本精蝋株式会社製、最大吸熱ピーク75.7℃)・・・3質量部
・帯電制御剤(3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸Zn(II)化合物、ボントロンE−84、オリエント化学工業株式会社製)・・・1質量部
〔イエロートナー処方13〕
・ポリエステル系樹脂(A)としての樹脂H1・・・50質量部
・ポリエステル系樹脂(B)としての樹脂L1・・・40質量部
・イエロートナーマスターバッチ1(MB−Y1)・・・20質量部
・パラフィンワックス(HNP−9PD、日本精蝋株式会社製、最大吸熱ピーク75.7℃)・・・3質量部
・帯電制御剤(3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸Zn(II)化合物、ボントロンE−84、オリエント化学工業株式会社製)・・・1質量部
〔ブラックトナー処方13〕
・ポリエステル系樹脂(A)としての樹脂H1・・・50質量部
・ポリエステル系樹脂(B)としての樹脂L1・・・42質量部
・ブラックトナーマスターバッチ1(MB−K1)・・・16質量部
・パラフィンワックス(HNP−9PD、日本精蝋株式会社製、最大吸熱ピーク75.7℃)・・・3質量部
・帯電制御剤(3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸Zn(II)化合物、ボントロンE−84、オリエント化学工業株式会社製)・・・1質量部
(比較例6)
−トナー14の作製−
実施例1において、下記の各トナー処方に変えた以外は、実施例1と同様にして、シアントナー14、イエロートナー14、マゼンタトナー14、及びブラックトナー14からなるトナー14を作製した。
〔シアントナー処方14〕
・ポリエステル系樹脂(A)としての樹脂H8・・・50質量部
・ポリエステル系樹脂(B)としての樹脂L5・・・42質量部
・シアントナーマスターバッチ5(MB−C5)・・・16質量部
・パラフィンワックス(HNP−9PD、日本精蝋株式会社製、最大吸熱ピーク75.7℃)・・・3質量部
・帯電制御剤(3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸Zn(II)化合物、ボントロンE−84、オリエント化学工業株式会社製)・・・1質量部
〔マゼンタトナー処方14〕
・ポリエステル系樹脂(A)としての樹脂H8・・・50質量部
・ポリエステル系樹脂(B)としての樹脂L5・・・40質量部
・マゼンタトナーマスターバッチ5(MB−M5)・・・20質量部
・パラフィンワックス(HNP−9PD、日本精蝋株式会社製、最大吸熱ピーク75.7℃)・・・3質量部
・帯電制御剤(3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸Zn(II)化合物、ボントロンE−84、オリエント化学工業株式会社製)・・・1質量部
〔イエロートナー処方14〕
・ポリエステル系樹脂(A)としての樹脂H8・・・50質量部
・ポリエステル系樹脂(B)としての樹脂L5・・・40質量部
・イエロートナーマスターバッチ5(MB−Y5)・・・20質量部
・パラフィンワックス(HNP−9PD、日本精蝋株式会社製、最大吸熱ピーク75.7℃)・・・3質量部
・帯電制御剤(3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸Zn(II)化合物、ボントロンE−84、オリエント化学工業株式会社製)・・・1質量部
〔ブラックトナー処方14〕
・ポリエステル系樹脂(A)としての樹脂H8・・・50質量部
・ポリエステル系樹脂(B)としての樹脂L5・・・42質量部
・ブラックトナーマスターバッチ5(MB−K5)・・・16質量部
・パラフィンワックス(HNP−9PD、日本精蝋株式会社製、最大吸熱ピーク75.7℃)・・・3質量部
・帯電制御剤(3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸Zn(II)化合物、ボントロンE−84、オリエント化学工業株式会社製)・・・1質量部
(比較例7)
−トナー15の作製−
実施例1において、下記の各トナー処方に変えた以外は、実施例1と同様にして、シアントナー15、イエロートナー15、マゼンタトナー15、及びブラックトナー15からなるトナー15を作製した。
〔シアントナー処方15〕
・ポリエステル系樹脂(A)としての樹脂H1・・・50質量部
・ポリエステル系樹脂(B)としての樹脂L1・・・42質量部
・シアントナーマスターバッチ1(MB−C1)・・・16質量部
・帯電制御剤(3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸Zn(II)化合物、ボントロンE−84、オリエント化学工業株式会社製)・・・1質量部
〔マゼンタトナー処方15〕
・ポリエステル系樹脂(A)としての樹脂H1・・・50質量部
・ポリエステル系樹脂(B)としての樹脂L1・・・40質量部
・マゼンタトナーマスターバッチ1(MB−M1)・・・20質量部
・帯電制御剤(3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸Zn(II)化合物、ボントロンE−84、オリエント化学工業株式会社製)・・・1質量部
〔イエロートナー処方15〕
・ポリエステル系樹脂(A)としての樹脂H1・・・50質量部
・ポリエステル系樹脂(B)としての樹脂L1・・・40質量部
・イエロートナーマスターバッチ1(MB−Y1)・・・20質量部
・帯電制御剤(3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸Zn(II)化合物、ボントロンE−84、オリエント化学工業株式会社製)・・・1質量部
〔ブラックトナー処方15〕
・ポリエステル系樹脂(A)としての樹脂H1・・・50質量部
・ポリエステル系樹脂(B)としての樹脂L1・・・42質量部
・ブラックトナーマスターバッチ1(MB−K1)・・・16質量部
・帯電制御剤(3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸Zn(II)化合物、ボントロンE−84、オリエント化学工業株式会社製)・・・1質量部
(比較例8)
−トナー16の作製−
実施例1において、超音速ジェット粉砕機(ラボジェット、日本ニューマチック工業株式会社製)を用いて微粉砕(フィーダー回転数20Hz、粉砕エアー圧0.50MPa)した以外は、実施例1と同様にして、シアントナー16、イエロートナー16、マゼンタトナー16、及びブラックトナー16からなるトナー16を作製した。
次に、得られた実施例1〜8及び比較例1〜8のトナー1〜16の組成について表5及び表6に纏めて示した。また、使用したポリエステル樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)の各軟化点Tm(A)及びTm(B)の差(ΔTm)を求めた。結果を表5及び表6に示す。
*表中( )内は質量部を表す。
*表中( )内は質量部を表す。
次に、得られた実施例1〜8及び比較例1〜8のトナー1〜16について、以下のようにして重量平均粒径(D)、粒度分布、及び粒径5μm以下の粒子の含有率を測定した。結果を表7及び表8に示す。
<トナーの重量平均粒径、粒度分布、粒径5μm以下の粒子の含有率>
トナーの重量平均粒径(D)は、粒度測定器(「マルチサイザーIII」、ベックマンコールター社製)を用い、アパーチャー径100μmで測定し、解析ソフト(Beckman Coulter Multisizer 3 Version3.51)にて解析を行った。具体的には、ガラス製100mlビーカーに10質量%界面活性剤(アルキルベンゼンスフォン酸塩、ネオゲンSC−A、第一工業製薬株式会社製)を0.5ml添加し、各トナー0.5g添加し、ミクロスパーテルでかき混ぜた。次いで、イオン交換水80mlを添加した。得られた分散液を超音波分散器(W−113MK−II、本多電子株式会社製)で10分間分散処理した。前記分散液を前記マルチサイザーIIIを用い、測定用溶液としてアイソトンIII(ベックマンコールター社製)を用いて測定を行った。測定は装置が示す濃度が8±2質量%に成るように前記トナーサンプル分散液を滴下した。本測定法は粒径の測定再現性の点から前記濃度を8±2質量%にすることが重要である。この濃度範囲であれば粒径に誤差は生じない。
チャンネルとしては、2.00μm以上2.52μm未満;2.52μm以上3.17μm未満;3.17μm以上4.00μm未満;4.00μm以上5.04μm未満;5.04μm以上6.35μm未満;6.35μm以上8.00μm未満;8.00μm以上10.08μm未満;10.08μm以上12.70μm未満;12.70μm以上16.00μm未満;16.00μm以上20.20μm未満;20.20μm以上25.40μm未満;25.40μm以上32.00μm未満;32.00μm以上40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上40.30μm未満の粒子を対象とした。
トナー粒子又はトナーの重量、個数を測定後、重量分布と個数分布を算出した。得られた分布から、トナーの重量平均粒径(D)、個数平均粒径(Dn)、及び粒径5μm以下の粒子の含有率を求め、粒度分布(D/Dn)を算出した。
−キャリアAの作製−
二成分現像剤に用いられるキャリアAを以下のようにして作製した。
下記組成の被覆材をスターラーで10分間分散して被覆液を調製し、この被覆液と、芯材(Mnフェライト粒子、質量平均粒径=35μm)5,000質量部を流動床内に回転式底板ディスクと攪拌羽根を設けた旋回流を形成させながら被覆を行うコーティング装置に投入して、前記被覆液を芯材上に塗布した。得られた塗布物を電気炉で250℃、2時間焼成して、キャリアAを作製した。
〔被覆材の組成〕
・トルエン・・・450質量部
・シリコーン樹脂(SR2400、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製、不揮発分50質量%)・・・450質量部
・アミノシラン(SH6020、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製)・・・10質量部
・カーボンブラック・・・10質量部
−トナーの性能評価−
次に、得られた実施例1〜8及び比較例1〜8のトナー1〜16について、以下のようにして、粉砕性、及び耐熱保存性を評価した。結果を表9に示す。
<粉砕性の測定>
表5及び表6に示す各トナー処方の溶融混練物をハンマーミルにて粒径200〜400μmに粗粉砕したものを10.00g精秤し、ミル&ミキサー MM−I型(株式会社日立リビングサプライ製)にて30秒間粉砕後、30メッシュ(目開き:500μm)の篩いにかけ、通過しない樹脂の質量(A)gを精秤し、下記数式(i)により、残存率を求め、この操作を3回行い、平均した残存率の平均値を粉砕性の指標とし、下記の評価基準に従って粉砕性を評価した。残存率の平均値が小さいほど粉砕性に優れる。
<<数式(i)>>
残存率=〔(A)/粉砕前の樹脂質量(10.00g)〕×100
〔評価基準〕
◎:残存率が5%未満
○:残存率が5%以上10%未満
△:残存率が10%以上15%未満
×:残存率が15%以上20%未満
××:残存率が20%以上
<耐熱保存性>
耐熱保存性は、針入度試験器(日科エンジニアリング株式会社製)を用いて測定した。具体的には、各トナーを10g計量し、温度20〜25℃、40〜60%RHの環境下で30mlのガラス容器(スクリューバイアル)に入れ、蓋を閉めた。トナーを入れたガラス容器を100回タッピングした後、温度を50℃にセットした恒温槽に24時間放置した後、針入度試験器で針入度を測定し、下記の評価基準により耐熱保存性を評価した。針入度の値が大きいほど、耐熱保存性に優れる。
〔評価基準〕
◎:針入度が30mm以上
○:針入度が20mm〜29mm
△:針入度が15mm〜19mm
×:針入度が8mm〜14mm
××:針入度が7mm以下
(実施例9〜16及び比較例9〜16)
−画像形成及び評価−
作製した各トナーを以下に示す方法で二成分現像剤を作製し、該二成分現像剤を図21に示す画像形成装置(評価機A)に装填して、画像形成を行い、以下のようにして、各種性能評価を行った。結果を表10及び表11に示す。
−二成分現像剤の作製−
二成分現像剤に用いられるキャリアとしては、上記作製したキャリアA(シリコーン樹脂により0.5μmの平均厚さでコーティングされた平均粒径35μmのフェライトキャリア)を用い、該キャリア100質量部に対しトナー7質量部を、容器が転動して攪拌される型式のターブラーミキサー(ウィリー・エ・バッコーフェン(WAB)社製)を用いて48rpmで3分間均一混合し帯電させた。実施例9〜16及び比較例9〜17では、キャリアA200gとトナー14gを内容積500mlの軟膏瓶に入れて混合を行った。
<評価機A>
図21に示す画像形成装置(評価機A)は、非接触帯電方式、二成分現像方式、二次転写方式、ブレードクリーニング方式、及び外部加熱のローラ定着方式を採用した間接転写方式のタンデム型画像形成装置である。
図21に示す画像形成装置(評価機A)は、帯電手段311として図3に示すような非接触のコロナ帯電器を採用している。現像手段324として図6に示すような二成分現像装置を採用している。クリーニング手段330として図10に示すようなクリーニングブレードを採用している。定着手段327として図12に示すような電磁誘導加熱方式のローラ式定着装置を採用している。
図21に示す画像形成装置(評価機A)における画像形成要素351は、感光体ドラム321の周辺に帯電手段311、露光手段323、現像手段324、一次転写手段325、クリーニング手段330が配設されている。画像形成要素351における感光体ドラム321は、回転しながら、帯電手段310による帯電、露光手段323による露光により、その表面に露光像に対応する静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像手段324でイエロートナーにより現像され、感光体ドラム321上にイエロートナーによる可視像が形成される。この可視像が一次転写手段325によって中間転写ベルト355上に転写され、クリーニング手段330によって感光体ドラム321上に残ったイエロートナーが除去される。同様にして、各画像形成要素352、353、354によって、中間転写ベルト355上にマゼンタトナー、シアントナー、及びブラックトナーによる可視像が形成される。そして中間転写ベルト355上のカラー画像は、転写器356によって記録媒体326上に転写され、中間転写ベルトクリーニング手段358によって中間転写ベルト355上に残ったトナーが除去される。記録媒体326上に形成されたカラー画像は定着手段327によって定着される。
<低温定着性>
前記評価機Aを用い、厚紙の転写紙(株式会社NBSリコー製、複写印刷用紙<135>)にトナー付着量0.85±0.1mg/cmのベタ画像を作成し、定着ベルトの温度を変化させて定着を行い、得られた定着画像表面を描画試験器(AD−401、上島製作所製)を用いて、ルビー針(先端半径260〜320μmR、先端角60度)、荷重50gで描画し、繊維(ハニコット#440、ハニロン社製)で描画表面を強く5回擦り、画像の削れが殆ど無くなる定着ベルト温度をもって定着下限温度とし、下記基準により低温定着性を評価した。なお、ベタ画像は転写紙上において、通紙方向先端から3.0cmの位置に作成した。
〔評価基準〕
◎:定着下限温度が125℃以下
○:定着下限温度が126℃以上135℃以下
△:定着下限温度が136℃以上145℃以下
×:定着下限温度が146℃以上155℃以下
××:定着下限温度が156℃以上
<耐ホットオフセット性>
前記評価機Aを用い、普通紙の転写紙(株式会社リコー製、タイプ6200)にトナー付着量0.85±0.1mg/cmのベタ画像を作成し、定着ベルトの温度を変化させて定着試験を行い、ホットオフセットの有無を目視評価し、ホットオフセットが発生しない上限温度を定着上限温度とし、下記基準で耐ホットオフセット性を評価した。なお、ベタ画像は転写紙上において、通紙方向先端から3.0cmの位置に作成した。
〔評価基準〕
◎:定着上限温度が230℃以上
○:定着上限温度が210℃以上230℃未満
△:定着上限温度が190℃以上210℃未満
×:定着上限温度が180℃以上190℃未満
××:定着上限温度が180℃未満
<初期画質>
初期の画像品質は、前記評価機Aを用いて、画像評価チャートをフルカラーモードで出力し、色調(色合い)変化、地肌汚れ、画像濃度、及びカスレなどの有無について評価した。異常の有無、及び画質のランク評価を目視評価し以下の5段階に分けて判定した。
〔評価基準〕
◎:画像異常が全く観察されず良好である
○:原画と比較するとごく僅かな色合い、画像濃度、地肌部の汚れなどの違いが観察されるが、実用上問題なく良好である
△:色調(色合い)、画像濃度、地肌部の汚れなどにやや変化が感じられる
×:色調変化、濃度変化、地肌部の汚れなどが明らかで問題となる
××:色調変化、濃度変化、地肌部の汚れなどがひどく、正常な画像が得ることができない
<経時安定性>
前記評価機Aを用い、フルカラーモードで80%画像面積(各色20%画像面積)の画像チャートを50,000枚ランニング出力した後、前記初期画質評価と同様の評価を行い、初期画像との比較を行って、下記基準により評価した。
〔評価基準〕
◎:画像異常が全く観察されず良好である
○:初期画像と比較すると、ごく僅かな色合い、画像濃度、地肌部の汚れなどの違いが観察されるが通常温湿度の環境下では問題無いレベルである
△:初期画像と比較すると、色調(色合い)、画像濃度、地肌部の汚れなどにやや変化が感じられる
×:初期画像と比較すると、色調変化、濃度変化、地肌部の汚れなどが明らかで問題となる
××:初期画像と比較すると、色調変化、濃度変化、地肌部の汚れなどがひどく、正常な画像が得ることができない
<地肌汚れ>
上記評価機Aを用い、10℃、湿度15RH%の環境下で、単色モードで5%画像面積の画像チャートを100枚ランニング出力した後と、10,000枚ランニング出力した後に、感光体600dpiの細線画像を株式会社リコー製タイプ6000ペーパーに出力し、非画像部の画像濃度を測色計(X−Rite938、X−Rite社製)で測定し、下記基準で評価した。
〔評価基準〕
◎:画像濃度が0.003未満
○:画像濃度が0.003以上0.010以下
△:画像濃度が0.011以上0.015未満
×:画像濃度が0.015以上0.030以下
××:画像濃度が0.031以上
<キャリア汚染>
キャリア汚染性(キャリアスペントと呼ぶ)は、トナーのキャリア汚染の指標となる特性であり、トナーの機械的強度が高い程、キャリア汚染が少ない。評価法として具体的には、上記評価機Aを用い、単色モードで50%画像面積の画像チャートを100枚ランニング出力した後と、30,000枚ランニング出力した後の現像剤を抜き取り、現像剤を目開き32μmのメッシュが張られたゲージ内に適量入れ、エアブローを行い、トナーとキャリアを分離した。得られたキャリア1.0gを50mlガラス瓶に入れ、クロロホルム10mlを加えて、50回手振りして、10分間静置させた。その後、上澄みのクロロホルム溶液をガラスセルに入れ、濁度計を用いてクロロホルム溶液の透過率を測定し、下記基準で評価した。
〔評価基準〕
◎:透過率が95%以上
○:透過率が90〜94%
△:透過率が80〜89%
×:透過率が70〜79%
××:透過率が69%以下
<現像スリーブ汚れ>
上記評価機Aを用い、単色モードで50%画像面積の画像チャートを100枚ランニング出力した後と、50,000枚ランニング出力した後に、現像機内の現像スリーブ上のトナー固着状態を目視観察し、出力画像の異常の有無も考慮して、以下の5段階に分けて判定した。
〔評価基準〕
◎:画像異常が全くなく、スリーブ上のトナー固着はない
○:画像異常が全くないが、スリーブ上にうっすらとトナー固着が見られる
△:若干の異常画像が見られ、スリーブ上にも明らかなトナー固着が見られる
×:明らかな画像異常が見られ、スリーブ上のトナー固着がひどく、問題のあるレベル
××:明らかな画像異常が見られ、スリーブ上のトナー固着がひどく、正常な画像が得ることができない
(感光体フィルミング)
上記評価機Aを用い、単色モードで50%画像面積の画像チャートを100枚ランニング出力した後と、50,000枚ランニング出力した後に、感光体上のトナーフィルミング状態を目視観察し、出力画像の異常の有無も考慮して、以下の5段階に分けて判定した。
〔評価基準〕
◎:画像異常が全くなく、感光体上のトナーフィルミングはない
○:画像異常が全くないが、感光体上にうっすらとトナーフィルミングが見られる
△:若干の異常画像が見られ、感光体上にも明らかなトナーフィルミングが見られる
×:明らかな画像異常が見られ、感光体上のトナーフィルミングがひどく、問題のあるレベル
××:明らかな画像異常が見られ、感光体上のトナーフィルミングがひどく、正常な画像が得ることができない
(実施例17)
実施例9において、評価機Aの代わりに、以下に説明した図20に示す画像形成装置(評価機B)を用いた以外は、実施例9と同様にして、トナーの評価を行った。結果を表10及び表11に示す。
<評価機B>
図20に示す画像形成装置(評価機B)は、接触帯電方式、一成分現像方式、直接転写方式、クリーナーレス方式、及び内部加熱のベルト定着方式を採用した直接転写方式のタンデム型画像形成装置である。
この図20に示す画像形成装置(評価機B)は、帯電手段310として図1に示すような接触方式の帯電ローラを用いている。現像手段324として図5に示すような一成分現像装置を用いており、この現像装置が残留トナーを回収できるクリーナーレス方式を採用している。定着手段327として図9に示すようなベルト式定着装置を採用しており、この定着装置は、加熱ローラの熱源としてハロゲンランプを用いている。なお、図20中、330は搬送ベルトである。
図20に示す画像形成装置(評価機B)における画像形成要素341は、感光体ドラム321の周辺に帯電手段310、露光手段323、現像手段324、転写手段325が配設されている。画像形成要素341における感光体ドラム321は、回転しながら、帯電手段310による帯電、露光手段323による露光により、その表面に露光像に対応する静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像手段324でイエロートナーにより現像され、感光体ドラム321上にイエロートナーによる可視像が形成される。この可視像は転写手段325により記録媒体326上に転写され、その後、現像手段324によって感光体ドラム321上に残ったトナーが回収される。同様にして、各画像形成要素342、343、344によって、記録媒体326上にマゼンタトナー、シアントナー、及びブラックトナーによる可視像が重ね合わされ、記録媒体326上に形成されたカラー画像が定着手段327によって定着される。
(比較例17)
−画像形成及び評価−
実施例17と同様にして、トナー12を用いて二成分現像剤を作製し、図20に示す画像形成装置(評価機B)を用いて、実施例17と同様にして、トナーの性能評価を行った。結果を表10及び表11に示す。
本発明のトナーは、現像装置内の部材やキャリアへの汚染がなく、耐久性、低温定着性、耐オフセット性、保存性、及び粉砕性のいずれにも優れ、かつトナーリサイクルシステムの使用中であっても、長期間にわたって高画質画像が形成でき、電子写真方式の画像形成装置、画像形成方法、現像剤、トナー入り容器、及びプロセスカートリッジに好適に用いられる。
本発明の画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジは、本発明の前記トナーを用いており、長期間にわたって色調の変化がなく、濃度低下、地肌汚れ等の異常画像の見られない極めて高画質な画像を形成することができるので、例えばレーザープリンタ、ダイレクトデジタル製版機、直接又は間接の電子写真多色画像現像方式を用いたフルカラー複写機、フルカラーレーザープリンタ、及びフルカラー普通紙ファックス等に幅広く使用できる。
図1は、本発明の画像形成装置における帯電ローラの一例を示す概略断面図である。 図2は、本発明の画像形成装置における接触方式の帯電ローラを画像形成装置に適用した一例を示す概略図である。 図3は、本発明の画像形成装置における非接触方式のコロナ帯電器を画像形成装置に適用した一例を示す概略図である。 図4は、本発明の画像形成装置における非接触方式の帯電ローラの一例を示す概略図である。 図5は、本発明の画像形成装置における一成分現像手段の一例を示す概略図である。 図6は、本発明の画像形成装置における二成分現像手段の一例を示す概略図である。 図7は、本発明のタンデム型画像形成装置の直接転写方式の一例を示す概略図である。 図8は、本発明のタンデム型画像形成装置の間接転写方式の一例を示す概略図である。 図9は、本発明の画像形成装置におけるベルト方式の定着手段の一例を示す概略図である。 図10は、本発明の画像形成装置における熱ローラ方式の定着手段の一例を示す概略図である。 図11は、本発明の画像形成装置における電磁誘導加熱方式の定着手段の一例を示す概略図である。 図12は、本発明の画像形成装置における電磁誘導加熱方式の定着手段の他の一例を示す概略図である。 図13は、本発明の画像形成装置におけるクリーニングブレードの一例を示す概略図である。 図14は、本発明の画像形成装置におけるクリーニングレス方式の画像形成装置の一例を示す概略図である。 図15は、本発明の画像形成装置の一例を示す概略図である。 図16は、本発明の画像形成装置の他の一例を示す概略図である。 図17は、本発明のタンデム型画像形成装置の一例を示す概略図である。 図18は、図17の各画像形成要素の拡大図である。 図19は、本発明のプロセスカートリッジの一例を示す概略図である。 図20は、実施例で使用した画像形成装置(評価機B)を示す概略図である。 図21は、実施例で使用した画像形成装置(評価機A)を示す概略図である。
符号の説明
1 静電潜像担持体(感光体ドラム)
2 転写手段(一次転写手段)
3 搬送ベルト
4 中間転写体
5 二次転写手段
6 給紙装置
7 定着装置
8 クリーニング装置
9 中間転写体クリーニング装置
10 静電潜像担持体(感光体ドラム)
10K ブラック用静電潜像担持体
10Y イエロー用静電潜像担持体
10M マゼンタ用静電潜像担持体
10C シアン用静電潜像担持体
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 支持ローラ
17 中間転写クリーニング手段
18 画像形成手段
20 帯電ローラ
21 露光装置
22 二次転写手段
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 反転装置
30 露光装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40 現像装置
41 現像ベルト
42K 現像剤収容部
42Y 現像剤収容部
42M 現像剤収容部
42C 現像剤収容部
43K 現像剤供給ローラ
43Y 現像剤供給ローラ
43M 現像剤供給ローラ
43C 現像剤供給ローラ
44K 現像ローラ
44Y 現像ローラ
44M 現像ローラ
44C 現像ローラ
45K ブラック用現像手段
45Y イエロー用現像手段
45M マゼンタ用現像手段
45C シアン用現像手段
49 レジストローラ
50 中間転写体
51 ローラ
52 分離ローラ
53 手差し給紙路
54 手差しトレイ
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排出トレイ
58 コロナ帯電器
60 クリーニング手段
61 現像装置
62 転写帯電器
63 クリーニング装置
64 除電装置
70 除電ランプ
80 転写ローラ
90 クリーニング装置
95 記録媒体
100 画像形成装置
101 静電潜像担持体
102 帯電手段
103 露光手段
104 現像手段
105 記録媒体
107 クリーニング手段
108 転写手段
120 タンデム型現像手段
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 複写装置本体
160 帯電装置
200 給紙テーブル
220 加熱ローラ
230 加圧ローラ
300 スキャナ
302 フィルム
303 スプリング
311 芯金
312 抵抗調整層
313 保護層
310 帯電ローラ
321 静電潜像担持体
323 露光手段
324 現像手段
325 転写手段
326 記録媒体
327 定着手段
330 クリーニング手段
331 除電装置
400 原稿自動搬送装置(ADF)
401 ケーシング
402 現像ローラ
411 アジテータ
412 供給ローラ
413 規制ブレード
510 ベルト式定着装置
511 加熱ローラ
512 定着ローラ
513 定着ベルト
514 加圧ローラ
515 熱ロール式定着装置
525 ロール式定着装置
570 電磁誘導加熱式定着装置
613 クリーニングブレード
S 記録媒体
P 記録媒体

Claims (27)

  1. 少なくとも結着樹脂、離型剤、及び着色剤を含有してなるトナーであって、
    前記トナーの重量平均粒径が3〜8μmであり、かつ該トナーにおける粒径5μm以下の粒子の含有率が60〜90個数%であり、
    前記結着樹脂が、軟化点Tm(A)が120℃以上160℃以下のポリエステル系樹脂(A)と、軟化点Tm(B)が80℃以上120℃未満のポリエステル系樹脂(B)とを含有してなり、
    前記ポリエステル系樹脂(A)及び(B)の少なくともいずれかが、1,2−プロパンジオールの2価アルコール成分における含有量が65モル%以上であり、かつ実質的に脂肪族アルコールのみからなるアルコール成分と、カルボン酸成分とを縮重合させて得られることを特徴とするトナー。
  2. トナーの重量平均粒径(D)と、トナーの個数平均粒径(Dn)との比(D/Dn)が、1.65〜2.00である請求項1に記載のトナー。
  3. 離型剤のDSC測定で観測される最大吸熱ピークが、60〜120℃の領域に存在する請求項1から2のいずれかに記載のトナー。
  4. 離型剤が、少なくともカルナウバワックスを含有する請求項1から3のいずれかに記載のトナー。
  5. 脂肪族アルコールのアルコール成分における含有量が90モル%以上である請求項1から4のいずれかに記載のトナー。
  6. ポリエステル系樹脂(A)及び(B)の少なくともいずれかのアルコール成分が、更にグリセリンを含有する請求項1から5のいずれかに記載のトナー。
  7. ポリエステル系樹脂(A)のアルコール成分が、更に1,3−プロパンジオールを含有する請求項1から6のいずれかに記載のトナー。
  8. ポリエステル系樹脂(A)及び(B)の少なくともいずれかのカルボン酸成分が、炭素数2〜4の脂肪族ジカルボン酸化合物を含有する請求項1から7のいずれかに記載のトナー。
  9. ポリエステル系樹脂(A)及び(B)の少なくともいずれかのカルボン酸成分が、精製ロジンを含有する請求項1から8のいずれかに記載のトナー。
  10. ポリエステル系樹脂(A)とポリエステル系樹脂(B)との質量比〔(A)/(B)〕が、1/9〜9/1である請求項1から9のいずれかに記載のトナー。
  11. Tm(A)とTm(B)との差〔Tm(A)−Tm(B)〕が、10℃以上である請求項1から10のいずれかに記載のトナー。
  12. 請求項1から11のいずれかに記載のトナーを含むことを特徴とする現像剤。
  13. 請求項1から11のいずれかに記載のトナーが充填されてなることを特徴とするトナー入り容器。
  14. 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、
    前記トナーが、請求項1から11のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成装置。
  15. 帯電手段が、静電潜像担持体と非接触で帯電させる帯電手段である請求項14に記載の画像形成装置。
  16. 帯電手段が、静電潜像担持体と接触して帯電させる帯電手段である請求項14に記載の画像形成装置。
  17. 現像手段が、内部に固定された磁界発生手段を有し、かつ表面に磁性キャリアとトナーとからなる二成分現像剤を担持して回転可能な現像剤担持体を有している請求項14から16のいずれかに記載の画像形成装置。
  18. 現像手段が、トナーが供給される現像剤担持体と、該現像剤担持体表面にトナーの薄層を形成する層厚規制部材を有する請求項14から16のいずれかに記載の画像形成装置。
  19. 転写手段が、静電潜像担持体上の可視像を記録媒体に転写する転写手段である請求項14から18のいずれかに記載の画像形成装置。
  20. 少なくとも静電潜像担持体、帯電手段、現像手段、及び転写手段を含む画像形成要素を複数配列してなり、
    前記転写手段は前記複数の画像形成要素の各静電潜像担持体との対向領域である転写位置を通過するように表面が移動する記録媒体に、順次、前記各静電潜像担持体上に形成された可視像を転写する転写手段である請求項14から19のいずれかに記載の画像形成装置。
  21. 転写手段が、静電潜像担持体上に形成された可視像が一次転写される中間転写体と、該中間転写体上に担持された可視像を記録媒体に二次転写する二次転写手段とを有する請求項14から18のいずれかに記載の画像形成装置。
  22. クリーニング手段を有し、かつ該クリーニング手段が、静電潜像担持体表面と当接するクリーニングブレードを有する請求項14から21のいずれかに記載の画像形成装置。
  23. 現像手段が、静電潜像担持体表面に当接される現像剤担持体を有し、かつ前記静電潜像担持体に形成された静電潜像を現像すると共に該静電潜像担持体上の残留トナーを回収する請求項14から21のいずれかに記載の画像形成装置。
  24. 定着手段がローラ及びベルトの少なくともいずれかを有し、トナーと接しない面から加熱し、記録媒体上に転写された転写像を加熱及び加圧して定着する定着手段である請求項14から23のいずれかに記載の画像形成装置。
  25. 定着手段がローラ及びベルトの少なくともいずれかを有し、トナーと接する面から加熱し、記録媒体上に転写された転写像を加熱及び加圧して定着する定着手段である請求項14から23のいずれかに記載の画像形成装置。
  26. 静電潜像担持体表面を帯電させる帯電工程と、帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含む画像形成方法であって、
    前記トナーが、請求項1から11のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成方法。
  27. 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成された静電潜像をトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有し、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジであって、
    前記トナーが、請求項1から11のいずれかに記載のトナーであることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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