JP2008129378A - 電気光学装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】枚葉式の基板処理装置におけるウェット処理において、基板に帯電する電荷量を抑制することが可能な電気光学装置の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】電気光学装置用の基板を鉛直軸周りに回転し、該基板の一方の面に対して複数の処理液を順次供給することにより前記基板を処理し、該処理中において前記基板側に開口した環状の複数の処理液案内部が上下方向に多段に配置されて構成される処理液回収手段により、前記基板から飛散する処理液を回収する電気光学装置の製造方法において、前記処理液回収手段の最も上方に設けられた前記処理液案内部のみにより、前記複数の処理液を回収し、前記処理液案内部に連通する複数の処理液回収経路を、前記回収された複数の処理液に応じて経路切換手段により切り換えることで、前記回収された複数の処理液を種類ごとに分離する。
【選択図】図1
【解決手段】電気光学装置用の基板を鉛直軸周りに回転し、該基板の一方の面に対して複数の処理液を順次供給することにより前記基板を処理し、該処理中において前記基板側に開口した環状の複数の処理液案内部が上下方向に多段に配置されて構成される処理液回収手段により、前記基板から飛散する処理液を回収する電気光学装置の製造方法において、前記処理液回収手段の最も上方に設けられた前記処理液案内部のみにより、前記複数の処理液を回収し、前記処理液案内部に連通する複数の処理液回収経路を、前記回収された複数の処理液に応じて経路切換手段により切り換えることで、前記回収された複数の処理液を種類ごとに分離する。
【選択図】図1
Description
本発明は、電気光学装置の製造方法に関し、特に電気光学装置用の基板を回転し、該基板の被処理面に対して複数の処理液を順次供給して基板を処理する電気光学装置の製造方法に関する。
液晶装置、プラズマディスプレイ装置、有機エレクトロルミネッセンス装置等の電気光学装置の製造工程においては、基板を回転させつつ、該基板に薬液や純水を供給することで洗浄処理やウェットエッチング処理等を行う枚葉式の基板処理装置が用いられており、このような基板処理装置及び基板処理方法は、例えば特許文献1や特許文献2に開示されている。
図9に示すように、枚様式の基板処理装置では、基板901は、鉛直軸周りに回転可能な基板保持ステージ902上にチャック903によって、被処理面を水平にして支持される。そして基板処理装置では、基板保持ステージ902が鉛直軸周りに回転駆動されることにより回転される基板901の一方の面である被処理面上に、処理液供給ノズル904から処理液を供給することにより、基板901の被処理面への洗浄処理やウェットエッチング処理等のウェット処理が実施される。
また、枚様式の基板処理装置では、使用される純水や複数種類の薬液をそれぞれ種類ごとに分離して回収するために、図9に示すような、処理液回収手段としての多段カップ910が設けられている。
多段カップ910は、内向きに開口した略環状の複数の処理液案内部921、922及び923を有し、該処理液案内部921、922及び923が、基板901の回転軸方向、すなわち鉛直上下方向に多段に積層されて構成されている。処理液案内部921、922及び923は、それぞれ異なる処理液回収経路に連通されている。また、多段カップ910は、図示しない駆動機構により、上下方向に移動可能に支持されている。
以上のように構成された多段カップ910は、使用される処理液の種類に応じて、基板901から側方へ飛散する処理液が種類ごとに異なる処理液案内部921、922及び923に受け止められるように、駆動機構により上下方向に移動される。処理液案内部921、922及び923により受け止められた処理液は、それぞれ異なる処理液回収経路に導かれて、種類ごとに分離されて回収される。このため、図9に示すような基板処理装置では、再使用可能な処理液を効率よく回収することが可能となる。
特開2006−66579号公報
特開2006−19523号公報
ところで、図9に示した多段カップ910は、使用される酸、アルカリ、有機溶剤等からなる処理液に対する耐久性を確保するために、耐薬品性の高いPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)や塩化ビニルにより構成されている。よって、多段カップ910は、基板901の処理中において表面と処理液や雰囲気との摩擦等に起因して、負に帯電する。負に帯電した多段カップ910に囲まれた領域内で回転駆動される基板901は、静電誘導によって正に帯電する。
このように、帯電した状態の基板901上に処理液を供給した場合、該処理液が基板901に接触した瞬間に該処理液を通じて基板901上の電荷が移動し、瞬間的な放電(スパーク)が生じる。放電が生じた場合、基板901上に形成された配線の溶断や短絡の発生、もしくはトランジスタや容量等の素子のリークや劣化の発生等の、いわゆる静電破壊が生じてしまう。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、枚葉式の基板処理装置において基板への帯電量を抑制し、基板上の回路素子の静電破壊を防止することが可能な電気光学装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る電気光学装置の製造方法は、電気光学装置用の基板を鉛直軸周りに回転し、該基板の一方の面に対して複数の処理液を順次供給することにより前記基板を処理し、該処理中において前記基板側に開口した環状の複数の処理液案内部が上下方向に多段に配置されて構成される処理液回収手段により、前記基板から飛散する処理液を回収する電気光学装置の製造方法であって、前記処理液回収手段の最も上方に設けられた前記処理液案内部のみにより、前記複数の処理液を回収し、前記処理液案内部に連通する複数の処理液回収経路を、前記回収された複数の処理液に応じて経路切換手段により切り換えることで、前記回収された複数の処理液を種類ごとに分離することを特徴とする。
本発明のこのような構成によれば、処理液回収手段の上端が基板よりも上方に突出する距離が最も小さい状態において、全ての処理液による処理が実施される。このため、処理液回収手段が帯電することにより、基板に誘導帯電する電荷量を最小限に抑制することが可能となる。したがって、処理液供給時における電荷の移動量を最小限とすることが可能となり、基板上の回路素子の静電破壊を防止することが可能となる。
また、本発明は、前記複数の処理液のうち、前記処理後に廃棄する処理液により前記基板に対して行われる処理は、前記基板が前記処理液回収手段の上端部よりも上方に位置する状態において行われることが好ましい。
このような構成によれば、基板が静電誘導により帯電しやすい状態である処理回収手段に囲まれた状態において処理される時間を、回収が必要な処理液が使用される処理時のみにとどめることができ、必要最小限の長さとすることができる。このため、より基板への帯電量を抑制することが可能であり、基板上の回路の静電破壊を効果的に防止することが可能となる。
また、本発明は、前記処理液回収手段は、PTFEにより構成されることが好ましい。
このような構成によれば、使用される処理液に対する耐久性が高い処理液回収手段を使用することが可能なため、装置のメンテナンスサイクルを長く取ることができ、より電気光学装置用の基板の生産効率を向上させることが可能となる。
また、本発明は、前記処理液回収手段による前記複数の処理液回収経路の切り換えは、制御装置により制御されることが好ましい。
また、本発明は、前記電気光学装置は、スイッチング素子及び容量素子の少なくとも一方を具備して構成されるものであって、前記電気光学装置の製造方法は、前記スイッチング素子及び容量素子の少なくとも一方を前記基板上に形成する工程において実施されることが好ましい。
このような構成によれば、形成工程時に静電破壊が生じやすいスイッチング素子及び容量素子を、静電破壊が生じることなく形成することが可能となり、電気光学装置の製造の歩留まりを向上させることが可能となる。
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いた各図においては、各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材毎に縮尺を異ならせてある。図1は本実施形態のウェット処理装置201の概略構成を示す断面図である。図2は基板と多段カップとの位置決めの状態を示す説明図である。図3は、本実施形態に係るウェット処理のフローチャートである。
以下、本発明の第1の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いた各図においては、各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材毎に縮尺を異ならせてある。図1は本実施形態のウェット処理装置201の概略構成を示す断面図である。図2は基板と多段カップとの位置決めの状態を示す説明図である。図3は、本実施形態に係るウェット処理のフローチャートである。
以下に述べる本実施形態は、液晶装置、プラズマディスプレイ装置、有機エレクトロルミネッセンス装置等の電気光学装置用の基板210の処理装置の一例としての枚葉式のウェット処理装置201における、ウェット処理に本発明を適用したものである。
ウェット処理装置201は、処理室202内に、基板210を一方の面である被処理面210aを略水平上向きに支持し鉛直軸周りに回転させる基板保持ステージ211と、該基板保持ステージ211上に支持されている基板210の被処理面210a上に純水や複数種類の薬液を供給するノズル220とが配設されて構成されている。ここで、薬液とは、本実施形態では洗浄液またはエッチング液(エッチャント)等のことを指すものであり、例えば、フッ酸、希フッ酸、フッ酸と硝酸との混合液である混酸(フッ硝酸)及び水酸化カリウム等の薬液が挙げられる。
また、図示しないが、ウェット処理装置201には、処理室202内に基板210を搬入及び搬出する基板搬送装置や、処理室202内に窒素ガス等を供給するガス供給装置等が設けられている。また、処理室202の底面部には、開口部が設けられており、該開口部は、処理液回収経路258に連通している。
なお、以下の説明において、純水と複数種類の薬液とを特に明確に区別して述べる場合を除き、電気光学装置用の基板上に供給される液体である純水と複数種類の薬液とを一括して、単に処理液と称するものとする。
円板状の基板保持ステージ211上面には、基板210を挟持するための複数のチャックピン212が設けられており、また、基板保持ステージ211の下面には、回転軸213が突設されている。基板保持ステージ211は、該回転軸213が、処理室202内に設けられた基台214に内嵌され、軸受を介して支持されることにより、鉛直軸周りに回転自在に支持されている。
また、基台214の下方には、基板回転駆動手段としてのモータ218が設けられており、該モータ218の回転駆動力は、モータ218の回転軸に嵌着されたドライブプーリ216、ベルト217及び回転軸213の下端に嵌着されたドリブンプーリ215を介して、回転軸213へ伝えられる。すなわち、ウェット処理装置201では、モータ218の作動により、基板保持ステージ211が回転駆動される。
ノズル220は、詳しくは図示しないが、処理液を貯留するタンクや、該タンクから処理液を送出するためのポンプ及びバルブ等を備えた処理液供給手段221に連通されており、ウェット処理の工程に応じて、純水と複数種類の薬液とを個別に基板210の被処理面210a上に供給する。
なお、本実施形態のウェット処理装置201は、基板210の被処理面210a上にのみ処理液を供給する構成としているが、ウェット処理装置201は、基板210の下面側にも処理液及び気体の少なくとも一方を供給する構成を有してもよい。
ウェット処理装置201には、基板保持ステージ211及び基台214を囲うように、処理液回収手段である多段カップ250が配設されている。多段カップ250は、基板保持ステージ211及び基台214の側面部を覆うような、鉛直軸を中心軸とした略円筒状の形状を有する。該円筒状の多段カップ250の内周面部には、内向きに開口した略環状の複数の処理液案内部251、252及び253が、鉛直上下方向に積み重なるように形成されている。
該複数の処理液案内部251、252及び253は、それぞれが隔壁によって分離された独立した空洞部であり、複数の処理液案内部251、252及び253は、それぞれ個別の処理液回収経路255、256及び257に連通されている。
言い換えれば、処理液案内部251、252及び253は、基板保持ステージ211の回転軸に臨む環状の開口部を有し、処理液案内部251、252及び253のそれぞれの環状の開口部は、基板保持ステージ211の回転軸に平行な方向に配列されている。また、処理液案内部251、252及び253のそれぞれの環状の開口部は、それぞれ、処理液回収経路255、256及び257に連通されている。
多段カップ250は、処理液に対する耐久性を有する材料により構成されており、本実施形態では、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)もしくは塩化ビニルにより構成されている。なお、多段カップ250は、全体がPTFE又は塩化ビニルにより構成される必要はなく、処理液に触れる機会のある表面が、PTFE又は塩化ビニルにより被覆された構成であってもよい。
上記のような構成を有する多段カップ250は、処理室202内に設けられた鉛直上下方向に移動可能な直動昇降手段である、単軸ロボット265の上下動ステージ266に固定されている。したがって、多段カップ250は、処理室202内において、単軸ロボット265の上下動ステージ266の駆動により、鉛直軸と略平行に上下動可能に支持されている。
上述した基板搬送装置、モータ218、処理液供給手段221及び単軸ロボット266は、制御手段219に電気的に接続されている。制御手段219は、演算装置、入出力装置及び記憶装置等を具備して構成され、基板搬送装置、モータ218、処理液供給手段221及び単軸ロボット266の動作を制御する装置である。すなわち、該制御手段219により、ウェット処理装置201の動作が制御される。
以上のように構成されたウェット処理装置201においては、基板210を回転することにより基板210の側方へ飛散する処理液が、複数の処理液案内部251、252及び253のいずれかに受け止められるように、多段カップ250を上下方向に位置決めすることにより、処理液は、処理液回収経路255、256及び257のいずれかに導かれるのである。
より具体的には、図2の(a)、(b)、(c)及び(d)に示すように、多段カップ250は、単軸ロボット266により4箇所のいずれかの位置に位置決めされる。図2(a)は、多段カップ250が、基板210に対して最も下降した状態を示し、図2(b)は、最も上方に位置する処理液案内部253に処理液が受け止められるように多段カップ250が一段上昇して位置決めされた状態を示し、図2(c)は、中央に位置する処理液案内部252に処理液が受け止められるように、多段カップ250がさらに一段上昇して位置決めされた状態を示し、図2(d)は、最も下方に位置する処理液案内部251に処理液が受け止められるように多段カップ250が最も上昇して位置決めされた状態を示している。
また、処理液回収経路255、256、257及び258は、それぞれ個別の回収液貯留タンク271、272、273及び274に連通しており、処理液回収経路255、256、257及び258から導かれた処理液は、それぞれの回収液貯留タンク271、272、273及び274に貯留されるものである。
ここで、特に本実施形態の基板処理装置であるウェット処理装置201においては、複数の処理液案内部251、252及び253のうちの最も上方に位置する処理液案内部253に連通する処理液回収経路257が、3つの独立した経路に分岐しており、さらにこれらの3つに独立した経路は、それぞれ個別の回収液貯留タンク273a、273b及び273cに連通している。
また、処理液回収経路257には、3つに分岐した経路のうちから選択的に一つの経路のみに処理液を導く経路切換手段280が配設されている。経路切換手段280は、例えば3つに分岐した経路にそれぞれ設けられたバルブ281、282及び283を具備して構成され、またこれらのバルブ281、282及び283は制御手段219に電気的に接続されている。
これにより制御手段219からの切換命令信号に応じて、バルブ281、282及び283のうちのいずれか一つのみが開状態となり、残る二つが閉状態となるように制御されることにより、処理液回収経路257は、回収液貯留タンク273a、273b及び273cのいずれか一つのみに連通する。
すなわち、本実施形態のウェット処理装置201においては、最も上方に位置する処理液案内部253によって受け止められた処理液は、経路切換手段280によって経路が切り換えられることにより、回収液貯留タンク273a、273b及び273cのいずれかに選択的に導かれて回収される。経路切換手段280による処理液の経路の切換動作は、制御手段219により自動的に制御されるものである。
なお、経路切換手段280は、処理液案内部253と回収液貯留タンク273a、273b及び273cのいずれか一つとを選択的に連通する構成であればよく、例えば、複数のポートを有して処理液の経路を切り換える方向制御弁により構成されるものであってもよい。また、処理液案内部253の分岐は、3つに限られるものではなく、複数であればよい。
以上のような構成を有する基板処理装置であるウェット処理装置201を用いて実施される、本実施形態に係る電気光学装置の製造方法について、以下に説明する。本実施形態に係る電気光学装置の製造方法においては、例えば、液晶装置に用いられるガラスや石英等からなる基板210上に、フッ酸等の薬液を供給してウェット処理を行うものである。
なお、図3に示したフローチャートを用いて以下に説明するウェット処理工程は、ウェット処理装置201の制御手段219によって自動的に制御されて実施されるものである。
まず、ウェット処理工程を実施する前の段階において、多段カップ250は、最も下降した状態、すなわち図2(a)に示した位置に位置決めされている。次に、基板210が、図示しない基板搬送装置によって処理室202内に搬入され、基板210は、基板保持ステージ211上においてチャックピン212により挟持されて、被処理面210aが略水平となるように支持される(ステップS01)。
次に、経路切換手段280によって、最も上方に位置する処理液案内部253が回収液貯留タンク273aに連通するように、処理液回収経路257が切り換えられる。具体的には、バルブ281が開状態とされ、残りのバルブ282及び283が閉状態とされる(ステップS02)。
次に、多段カップ250が、1段階上昇し図2(b)に示した位置に位置決めされる。すなわち、基板210から側方へ飛散する処理液が、最も上方に位置する処理液案内部253によって受け止められる位置まで、多段カップ250が上方へ移動される(ステップS03)。
次に、モータ218が作動することにより、基板保持ステージ211が回転し、基板210が鉛直軸周りに回転駆動される。そして、回転駆動されている基板210の被処理面210aの回転中心付近に、ノズル220から第1の処理液である再使用の薬液が供給され、ウェット処理が行われる(ステップS04)。ここで、再使用の薬液とは、現在のウェット処理以前に一度使用されて回収された薬液のことを指す。
また、ステップS04において被処理面210a上に供給された再使用の薬液は、基板210の側方へ飛散し、処理液案内部253により受け止められて、回収液貯留タンク273aに貯留される。回収液貯留タンク273aに貯留された薬液は、廃液として処理される。
次に、経路切換手段280によって、処理液案内部253が回収液貯留タンク273bに連通するように、処理液回収経路257が切り換えられる。具体的には、バルブ282が開状態とされ、残りのバルブ281及び283が閉状態とされる(ステップS05)。
次に、回転駆動されている基板210の被処理面210aの回転中心付近に、ノズル220から第2の処理液である新しい薬液が供給され、ウェット処理が行われる(ステップS06)。ここで、新しい薬液とは、現在のウェット処理以前に一度も使用されたことのない薬液のことを指す。所定の時間だけ、新しい薬液を基板210の被処理面210a上に供給することにより、ウェット処理が終了する。
ここで、ステップS06において被処理面210a上に供給された新しい薬液は、基板210の側方へ飛散し、処理液案内部253により受け止められて、回収液貯留タンク273bに貯留される。回収液貯留タンク273bに貯留された薬液は、例えば次のロットの製造時におけるウェット処理において、再使用の薬液として利用される。
次に、経路切換手段280によって、処理液案内部253が回収液貯留タンク273cに連通するように、処理液回収経路257が切り換えられる。具体的には、バルブ283が開状態とされ、残りのバルブ281及び282が閉状態とされる(ステップS07)。
次に、回転駆動されている基板210の被処理面210aの回転中心付近に、ノズル220から第3の処理液である純水が供給されることにより、基板210上に残っている薬液を純水に置換するリンス処理が行われる。続いて、純水の供給を停止し、基板210の回転により基板210上の純水を飛散させる乾燥処理が行われる(ステップS08)。
ここで、ステップS08において被処理面210a上に供給された純水は、基板210の側方へ飛散し、処理液案内部253により受け止められて、回収液貯留タンク273cに貯留される。回収液貯留タンク273cに貯留された純水は、排水として処理される。
基板210の回転駆動が停止した後に、多段カップ250が、最も下降した状態、すなわち図2(a)に示した位置に位置決めされる(ステップS09)。次に、チャックピン212による基板210の挟持が開放され、図示しない基板搬送装置によって、基板210は処理室202から搬出される(ステップS10)。
以上により、基板210の被処理面210aに対するウェット処理が終了するのである。
上述した本実施形態の電気光学装置の製造方法である、ウェット処理においては、多段カップ250に設けられた複数の処理液案内部251、252及び253のうち、最も上方に位置する処理液案内部253のみを介して、使用される全ての処理液を処理液回収経路257へ導き、該処理液の種類に応じて経路切換手段280により処理液回収経路257を切り換えることにより、処理液を種類ごとに異なる回収液貯留タンク273a、273b及び273cに回収している。
すなわち、ウェット処理は、多段カップ250の上端が基板210よりも上方に突出する距離が最も小さい状態で全て実施されるのである。
ここで、従来のウェット処理においては、使用される処理液の種類に応じて多段カップを上下方向に移動させることにより、処理液の種類ごとに異なる処理液案内部を介して処理液の種類ごとに異なる回収液貯留タンクへと処理液を回収していた。
このように、帯電しやすいPTFEや塩化ビニルにより構成された多段カップを、基板に対して上下方向に移動させながら処理を行う場合、帯電した多段カップの上端が基板よりも上方に突出する距離が大きくなるほど、静電誘導による基板への帯電量がより増加することが、本出願人の実験により確認されている。すなわち、図2(c)や図2(d)に示すように、基板210の上方に多段カップ250の上端部が比較的大きく突出している状態で処理液による処理を実施した場合に、基板210への帯電量が大きくなり、基板210に形成された回路の静電破壊が生じやすくなるのである。
しかしながら本実施形態においては、多段カップ250の上端が基板210よりも上方に突出する距離が最も小さい状態において、全ての薬液による処理が実施されることにより、基板210への帯電量を最小限に抑制することが可能となる。したがって、本実施形態の電気光学装置の製造方法によれば、薬液供給時における電荷の移動量を最小限とすることが可能となり、基板上の回路の静電破壊を防止することが可能となるのである。
また、本実施形態では、処理液の種類に応じて経路切換手段280により処理液回収経路257を切り換えることにより、処理液を種類ごとに分離して異なる回収液貯留タンク273a、273b及び273cに回収しているため、従来と同様に回収後の処理液の再使用や廃棄のための処理は容易であり、電気光学装置の製造の効率を低下させることがない。
なお、上述のウェット処理の説明において、処理液の種類の切換と、経路切換手段280による処理液回収経路257の切換とが、順次に行われるものとして説明しているが、本発明はこの実施形態に限られるものではない。
例えば、ステップS04とステップS06における、再使用の薬液と新しい薬液の切換は、ノズル220から供給される処理液が途切れることなく連続的に変化するように行われるものであってもよい。この場合、ステップS05における、処理液回収経路257の切り換えは、ノズル220から供給される処理液が完全に新しい薬液に切り換わった後に所定の時間が経過した後に行われることが好ましい。このように処理液の切り換えの完了に対して、処理液回収経路257の切り換えを遅延させることにより、再使用の薬液が、新しい薬液を回収するための回収液貯留タンク273b内に混入してしまうことを防止することができる。
なお、本発明に係る電気光学装置の製造方法は、上述のウェット処理に限られるものではなく、電気光学装置用の基板に対して薬液による処理を行うスピン型の枚葉式基板処理装置全般に適用可能であることは言うまでもない。例えば、ドライエッチング後の残渣除去処理として有機酸を用いた処理にも適用可能であるし、基板の洗浄処理やスピンコート処理にも適用可能である。
また、本実施形態においては、多段カップ250が昇降移動し、基板210の高さは固定された構成として説明しているが、逆に多段カップ250が固定され、基板210が回転駆動される位置が昇降移動してもよい。すなわち、本発明における多段カップ250と基板210との上下方向の位置関係は相対的なものである。
次に、以上に説明した電気光学装置の製造方法により製造される電気光学装置の実施形態について説明する。
まず、本実施形態の電気光学装置に係る実施形態の全体構成について、図4及び図5を参照して説明する。ここで、図4は、TFTアレイ基板をその上に形成された各構成要素と共に対向基板の側から見た電気光学装置の平面図であり、図5は、図4のH−H´断面図である。ここでは、電気光学装置の一例である駆動回路内蔵型のTFTアクティブマトリクス駆動方式の液晶装置を例にとる。
まず、本実施形態の電気光学装置に係る実施形態の全体構成について、図4及び図5を参照して説明する。ここで、図4は、TFTアレイ基板をその上に形成された各構成要素と共に対向基板の側から見た電気光学装置の平面図であり、図5は、図4のH−H´断面図である。ここでは、電気光学装置の一例である駆動回路内蔵型のTFTアクティブマトリクス駆動方式の液晶装置を例にとる。
図4及び図5において、本実施形態に係る電気光学装置では、TFTアレイ基板10と対向基板20とが対向配置されている。TFTアレイ基板10と対向基板20との間に液晶層50が封入されており、TFTアレイ基板10と対向基板20とは、画像表示領域10aの周囲に位置するシール領域に設けられたシール材52により相互に接着されている。
シール材52は、両基板を貼り合わせるための、例えば紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂等からなり、製造プロセスにおいてTFTアレイ基板10上に塗布された後、紫外線照射、加熱等により硬化させられたものである。また、シール材52中には、TFTアレイ基板10と対向基板20との間隔(基板間ギャップ)を所定値とするためのグラスファイバ或いはガラスビーズ等のギャップ材が散らばって設けられている。なお、当該液晶装置が液晶ディスプレイや液晶テレビのように大型で等倍表示を行う液晶装置であれば、このようなギャップ材は、液晶層50中に含まれてよい。
シール材52が配置されたシール領域の内側に並行して、画像表示領域10aの額縁領域を規定する遮光性の額縁遮光膜53が、対向基板20側に設けられている。なお、このような額縁遮光膜53の一部又は全部は、TFTアレイ基板10側に内蔵遮光膜として設けられてもよい。
シール材52が配置されたシール領域の外側に位置する領域には、データ線駆動回路101及び外部回路接続端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられている。また、走査線駆動回路104は、この一辺に隣接する2辺に沿い、且つ、前記額縁遮光膜53に覆われるようにして設けられている。更に、このように画像表示領域10aの両側に設けられた二つの走査線駆動回路104間をつなぐため、TFTアレイ基板10の残る一辺に沿い、且つ、前記額縁遮光膜53に覆われるようにして複数の配線105が設けられている。
また、対向基板20上の4つのコーナー部には、両基板間の上下導通端子として機能する上下導通材106が配置されている。他方、TFTアレイ基板10上にはこれらのコーナー部に対向する領域において上下導通端子が設けられている。上下導通材106及び上下導通端子によって、TFTアレイ基板10と対向基板20との間の電気的な導通がなされる。
図5において、TFTアレイ基板10上には、画素スイッチング用のTFTや走査線、データ線等の配線が形成された後の画素電極9a上に、配向膜16が形成されている。他方、対向基板20上には、対向電極21の他、格子状又はストライプ状の遮光膜23が設けられており、更には最上層部分に配向膜22が形成されている。また、液晶層50は、例えば一種又は数種類のネマティック液晶を混合した液晶からなり、これら一対の配向膜間で、所定の配向状態をとる。
なお、図4及び図5に示したTFTアレイ基板10上には、これらのデータ線駆動回路101、走査線駆動回路104等に加えて、画像信号線上の画像信号をサンプリングしてデータ線に供給するサンプリング回路、複数のデータ線に所定電圧レベルのプリチャージ信号を画像信号に先行して各々供給するプリチャージ回路、製造途中や出荷時の当該電気光学装置の品質、欠陥等を検査するための検査回路等を形成してもよい。
本発明の本実施形態における電気光学装置の画素部における構成について、図6を参照して説明する。ここに図6は、電気光学装置の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画素における各種素子、配線等の等価回路である。図7は、画素部における積層構造を説明するための概略断面図である。
図6において、本実施形態における電気光学装置の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画素には、それぞれ、画素電極9aと当該画素電極9aをスイッチング制御するためのスイッチング素子であるTFT30とが形成されており、画像信号が供給されるデータ線6aが当該TFT30のソースに電気的に接続されている。データ線6aに書き込む画像信号S1、S2、…、Snは、この順に線順次に供給しても構わないし、相隣接する複数のデータ線6a同士に対して、グループ毎に供給するようにしてもよい。
また、TFT30のゲートにゲート電極3aが電気的に接続されており、所定のタイミングで、走査線11a及びゲート電極3aにパルス的に走査信号G1、G2、…、Gmを、この順に線順次で印加するように構成されている。画素電極9aは、TFT30のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT30を一定期間だけそのスイッチを閉じることにより、データ線6aから供給される画像信号S1、S2、…、Snが所定のタイミングで選択された走査線11aの画素に書き込まれる。
画素に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、…、Snは、画素電極9aと対向基板に形成された対向電極との間で一定期間保持される。液晶は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能とする。ノーマリーホワイトモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が減少し、ノーマリーブラックモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が増加され、全体として電気光学装置からは画像信号に応じたコントラストをもつ光が出射する。
ここで保持された画像信号がリークするのを防ぐために、画素電極9aと対向電極との間に形成される液晶容量と並列に容量素子70を付加する。この容量素子70は、走査線11aに並んで設けられ、固定電位側容量電極が、一定電位に固定された容量配線400に電気的に接続されている。
以下に、データ線6a、走査線11a、ゲート電極3a及びTFT30等からなる、上述のような回路動作が実現される電気光学装置の具体的な構成について、図7を参照して説明する。
まず、画素電極9aは、TFTアレイ基板10上に、マトリクス状に複数設けられており、画素電極9aの縦横の境界に各々沿ってデータ線6a及び走査線3aが設けられている。データ線6aは、後述するようにアルミニウム膜等を含む積層構造からなり、走査線11aは、例えば導電性のポリシリコン膜等からなる。平面的に見て走査線11aとデータ線6aとが交差する箇所において、走査線11aとデータ線6aとの間の層に、半導体層1aとゲート電極3aを有して構成されるTFT30が設けられている。また、走査線11aは、ゲート電極3aとコンタクトホール12cvを介して電気的に接続されている。
TFTアレイ基板10の側には、図7に示すように、前記の画素電極9aが設けられており、その上側には、ラビング処理等の所定の配向処理が施された配向膜16が設けられている。画素電極9aは、例えばITO膜等の透明導電性膜からなる。他方、対向基板20の側には、その全面に渡って対向電極21が設けられており、その上層側には、ラビング処理等の所定の配向処理が施された配向膜22が設けられている。対向電極21は、上述の画素電極9aと同様に、例えばITO膜等の透明導電性膜からなる。
このように対向配置されたTFTアレイ基板10及び対向基板20間には、前述のシール材52(図4及び図5参照)により囲まれた空間に液晶等の電気光学物質が封入され、液晶層50が形成される。液晶層50は、電圧が印加されていない状態においては配向膜16及び22により所定の配向状態をとる。
一方、TFTアレイ基板10上には、前記の画素電極9a及び配向膜16の他、これらを含む各種の構成が積層構造をなして備えられている。この積層構造は、図7に示すように、下から順に、走査線11aを含む第1層、ゲート電極3aを含むTFT30等を含む第2層、容量素子70を含む第3層、データ線6a等を含む第4層、容量配線400等を含む第5層、前記の画素電極9a及び配向膜16等を含む第6層(最上層)からなる。また、第1層及び第2層間には下地絶縁膜12が、第2層及び第3層間には第1層間絶縁膜41が、第3層及び第4間には第2層間絶縁膜42が、第4層及び第5層間には第3層間絶縁膜43が、第5層及び第6層間には第4層間絶縁膜44が、それぞれ設けられており、前述の各要素間が短絡することを防止している。また、これら各種の絶縁膜12、41、42、43及び44には、例えば、TFT30の半導体層1a中の高濃度ソース領域1dとデータ線6aとを電気的に接続するコンタクトホール等もまた設けられている。以下では、これらの各要素について、下層側から順に説明を行う。
まず、第1層には、例えば、Ti、Cr、W、Ta、Mo等の高融点金属のうちの少なくとも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリサイド、これらを積層したもの、或いは導電性ポリシリコン等からなる走査線11aが設けられている。
次に、第2層として、ゲート電極3aを含むTFT30が設けられている。TFT30は、LDD(Lightly Doped Drain)構造を有しており、その構成要素としては、上述したゲート電極3a、例えばポリシリコン膜からなりゲート電極3aからの電界によりチャネルが形成される半導体層1aのチャネル領域1a´、ゲート電極3aと半導体層1aとを絶縁するゲート絶縁膜を含む絶縁膜2、半導体層1aにおける低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1c並びに高濃度ソース領域1d及び高濃度ドレイン領域1eを備えている。
また、本実施形態では、この第2層に、上述のゲート電極3aと同一膜として中継電極719が形成されている。中継電極719とゲート電極3aとは同一膜として形成されており、後者が例えば導電性ポリシリコン膜等からなる場合においては、前者もまた、導電性ポリシリコン膜等からなる。
走査線11aの上、かつ、TFT30の下には、例えばシリコン酸化膜等からなる下地絶縁膜12が設けられている。
前述の第2層上の第3層には、容量素子70が設けられている。容量素子70は、TFT30の高濃度ドレイン領域1e及び画素電極9aに電気的に接続された画素電位側容量電極としての下部電極71と、固定電位側容量電極としての上部電極である容量電極300とが、誘電体層75を介して対向配置されることにより形成されている。
より詳細には、下部電極71は、例えば金属、合金、導電性のポリシリコン又は導電性の金属シリサイド(例えばWSi)等からなる単層膜もしくは多層膜から構成される。ここでは、一具体例として、下部電極71は、リン(P)がイオン注入されたポリシリコンから構成され、その膜厚は約150nmである。なお、下部電極71は、画素電位側容量電極としての機能を持つ他、画素電極9aとTFT30の高濃度ドレイン領域1eとを中継接続する機能を持ち、中継電極719を介して画素電極9aと電気的に接続されている。
誘電体層75は、約5〜30nm程度の膜厚を有する高温酸化膜(HTO(High Temperature Oxide)膜)、高密度プラズマ酸化膜(HDP(High Density Plasma)膜)等の酸化シリコン膜、あるいは窒化シリコン膜等の絶縁性材料から構成される。ここでは、一具体例として、誘電体層75は、下層に酸化シリコン膜、上層に窒化シリコン膜を積層した二層構造を有する。なお、誘電体層75は、例えば酸化シリコン膜、窒化シリコン膜及び酸化シリコン膜等というような三層構造、或いはそれ以上の積層構造やHfO2、Ta2O5、TiO2、MgO等の金属酸化膜を少なくとも1つ有するように構成されてもよい。また、誘電体層75は、単層構造としてもよい。
容量電極300は、容量素子70の固定電位側容量電極として機能する。本実施形態において、容量電極300を固定電位とするために、容量電極300は、固定電位とされた後述する容量配線400と電気的に接続されている。また、容量電極300は、TFT30に上側から入射しようとする光を遮る機能を有している。この容量電極300の構成材料は、下部電極71と同様に、例えば金属、合金、導電性のポリシリコン又は導電性の金属シリサイド(例えばWSi)等からなる単層膜もしくは多層膜から構成される。ここでは、一具体例として、容量電極300は、上層から順に、WSi層及びポリシリコン層という二層構造により構成され、その膜厚は約150nmである。WSi層及びポリシリコン層からなる二層構造を有する容量電極300は、WSi層の存在によりTFT30に対する遮光性を有し、ポリシリコン層の存在により良好な電気伝導性を有する。また、このWSi層は、他に、アルミニウム等の金属からなる層とすることもできる。
以上説明したTFT30ないしゲート電極3a及び中継電極719の上、かつ、容量素子70の下には、例えば、窒化シリコン膜又は酸化シリコン膜等からなる第1層間絶縁膜41が形成されている。
そして、この第1層間絶縁膜41には、TFT30の高濃度ソース領域1dと後述するデータ線6aとを電気的に接続するコンタクトホール81が、後述する第2層間絶縁膜42を貫通して形成されている。また、第1層間絶縁膜41には、TFT30の高濃度ドレイン領域1eと容量素子70を構成する下部電極71とを電気的に接続するコンタクトホール83が形成されている。さらに、この第1層間絶縁膜41には、容量素子70を構成する画素電位側容量電極としての下部電極71と中継電極719とを電気的に接続するためのコンタクトホール881が形成されている。また、第1層間絶縁膜41には、中継電極719と後述する第2中継電極6a2とを電気的に接続するためのコンタクトホール882が、後述する第2層間絶縁膜を貫通して形成されている。
前述の第3層の上層である第4層には、データ線6aが設けられている。このデータ線6aは、例えば、下層より順に、アルミニウム層41A、窒化チタン層41TN、窒化シリコン層401の三層構造を有する膜として形成されている。
また、この第4層には、データ線6aと同一膜として、容量配線用中継層6a1及び第2中継電極6a2が形成されている。
また容量素子70の上、かつ、データ線6aの下には、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等からなる第2層間絶縁膜42が形成されている。この第2層間絶縁膜42には、TFT30の高濃度ソース領域1dとデータ線6aとを電気的に接続する、前記のコンタクトホール81が形成されているとともに、前記容量配線用中継層6a1と容量素子70の上部電極たる容量電極300とを電気的に接続するコンタクトホール801が形成されている。さらに、第2層間絶縁膜42には、第2中継電極6a2と中継電極719とを電気的に接続するための、前記のコンタクトホール882が形成されている。
前述の第4層の上層である第5層には、容量配線400が形成されている。容量配線400は、画素電極9aが配置された図4に示す画像表示領域10aからその周囲に延設され、定電位源と電気的に接続されることで、固定電位とされている。
また、第4層には、容量配線400と同一膜として、第3中継電極402が形成されている。第3中継電極402は、後述のコンタクトホール804及び89を介して、第2中継電極6a2と画素電極9aとを電気的に接続する機能を有する。
容量配線400及び第3中継電極402は、下層にアルミニウムからなる層、上層に窒化チタンからなる層の二層構造を有している。
データ線6aの上、かつ、容量配線400の下には、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等からなる第3層間絶縁膜43が形成されている。この第3層間絶縁膜43には、前記の容量配線400と容量配線用中継層6a1とを電気的に接続するためのコンタクトホール803、及び、第3中継電極402と第2中継電極6a2とを電気的に接続するためのコンタクトホール804がそれぞれ形成されている。
第6層には、上述したように画素電極9aがマトリクス状に形成され、画素電極9a上に配向膜16が形成されている。そして、この画素電極9a下には、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等からなる第4層間絶縁膜44が形成されている。この第4層間絶縁膜44には、画素電極9a及び前記の第3中継電極402間を電気的に接続するためのコンタクトホール89が形成されている。
すなわち、画素電極9aとTFT30の高濃度ドレイン領域1eとの間は、このコンタクトホール89、第3中継層402、コンタクトホール804、第2中継層6a2、コンタクトホール882、中継電極719、コンタクトホール881、下部電極71及びコンタクトホール83を介して、電気的に接続されることとなる。
上述した構成を有する電気光学装置である液晶装置のTFTアレイ基板10を製造する場合、特に、TFT30のゲート絶縁膜である絶縁膜2をパターニングした後の工程及び容量素子70の誘電体層75をパターニングした後の工程において、絶縁膜2や誘電体層75に電荷が蓄積されやすく、処理液が供給される際の放電により絶縁膜2及び誘電体層75が絶縁破壊されやすい。その結果、液晶装置の歩留まりの悪化や、表示品位の低下を招いてしまう。
このような、液晶装置の画素スイッチング素子であるTFT30や、容量素子70の形成工程において、上述の電気光学装置の製造方法を用いれば、従来と同様の基板処理装置を使用しつつ、回路素子の静電破壊を効果的に防止することが可能である。例えば、TFT30の絶縁膜2の形成後における、ゲート電極3aのエッチング後のレジスト剥離処理もしくは当該剥離処理後の洗浄処理または、その後の洗浄処理において、本実施形態の電気光学装置の製造方法を適用することにより、電気光学装置における不良の発生を効果的に防止することが可能となり、極めて有用である。また、容量素子70の誘電体層75の形成後における、容量電極300のエッチング後のレジスト剥離処理または当該剥離処理後の洗浄処理にも同様に有用であることは言うまでもない。
もちろん、TFTアレイ基板10の他の製造工程においても、本実施形態の電気光学装置の製造方法は有用であり、例えば、TFT30の絶縁膜2形成後の全ての工程に適用すれば、より液晶装置の歩留まりが向上することは言うまでもない。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態について、図8を参照して説明する。図8は、第2の実施形態に係る電気光学装置の製造方法を説明するためのフローチャートである。第2の実施形態に係る電気光学装置の製造方法は、第1の実施形態に対して、工程のみが異なる。よって、以下ではこの相違点のみを説明するものとし、また、第1の実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付し、その説明を適宜に省略するものとする。
以下、本発明の第2の実施形態について、図8を参照して説明する。図8は、第2の実施形態に係る電気光学装置の製造方法を説明するためのフローチャートである。第2の実施形態に係る電気光学装置の製造方法は、第1の実施形態に対して、工程のみが異なる。よって、以下ではこの相違点のみを説明するものとし、また、第1の実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付し、その説明を適宜に省略するものとする。
なお、以下において、本実施形態に係る電気光学装置の製造方法として、第1の実施形態と同様に基板210に対してウェット処理を施す工程を例に説明するものとし、使用されるウェット処理装置は第1の実施の形態と同様のものである。
まず、ウェット処理工程を実施する前の段階において、多段カップ250は、最も下降した状態、すなわち図2(a)に示した位置に位置決めされている。次に、基板210が、図示しない基板搬送装置によって処理室202内に搬入され、基板210は、基板保持ステージ211上においてチャックピン212により挟持されて、被処理面210aが略水平となるように支持される(ステップS21)。
次に、経路切換手段280によって、最も上方に位置する処理液案内部253が回収液貯留タンク273aに連通するように、処理液回収経路257が切り換えられる。具体的には、バルブ281が開状態とされ、残りのバルブ282及び283が閉状態とされる(ステップS22)。
次に、多段カップ250が、1段階上昇し図2(b)に示した位置に位置決めされる。すなわち、基板210から側方へ飛散する処理液が、最も上方に位置する処理液案内部253によって受け止められる位置まで、多段カップ250が上方へ移動される(ステップS23)。
次に、モータ218が作動することにより、基板保持ステージ211が回転し、基板210が鉛直軸周りに回転駆動される。そして、回転駆動されている基板210の被処理面210aの回転中心付近に、ノズル220から第1の処理液である再使用の薬液が供給され、ウェット処理が行われる(ステップS24)。ここで、再使用の薬液とは、現在のウェット処理以前に一度使用されて回収された薬液のことを指す。
また、ステップS04において被処理面210a上に供給された再使用の薬液は、基板210の側方へ飛散し、処理液案内部253により受け止められて、回収液貯留タンク273aに貯留される。回収液貯留タンク273aに貯留された薬液は、廃液として処理される。
次に、経路切換手段280によって、処理液案内部253が回収液貯留タンク273bに連通するように、処理液回収経路257が切り換えられる。具体的には、バルブ282が開状態とされ、残りのバルブ281及び283が閉状態とされる(ステップS25)。
次に、回転駆動されている基板210の被処理面210aの回転中心付近に、ノズル220から第2の処理液である新しい薬液が供給され、ウェット処理が行われる(ステップS26)。ここで、新しい薬液とは、現在のウェット処理以前に一度も使用されたことのない薬液のことを指す。所定の時間だけ、新しい薬液を基板210の被処理面210a上に供給することにより、ウェット処理が終了する。
ここで、ステップS06において被処理面210a上に供給された新しい薬液は、基板210の側方へ飛散し、処理液案内部253により受け止められて、回収液貯留タンク273bに貯留される。回収液貯留タンク273bに貯留された薬液は、例えば次のロットの製造時におけるウェット処理において、再使用の薬液として利用される。
次に、多段カップ250が、最も下降した状態、すなわち図2(a)に示した位置に位置決めされる(ステップS27)。
次に、回転駆動されている基板210の被処理面210aの回転中心付近に、ノズル220から第3の処理液である純水が供給されることにより、基板210上に残っている薬液を純水に置換するリンス処理が行われる。続いて、純水の供給を停止し、基板210の回転により基板210上の純水を飛散させる乾燥処理が行われる(ステップS28)。
ここで、ステップS28において被処理面210a上に供給された純水は、基板210の側方へ飛散し、多段カップ250の上面を伝って処理室202の底面に落下し、処理液回収経路258を介して回収液貯留タンク274に貯留される。回収液貯留タンク274に貯留された純水は、排水として処理される。
次に、基板210の回転駆動が停止した後に、チャックピン212による基板210の挟持が開放され、図示しない基板搬送装置によって、基板210は処理室202から搬出される(ステップS30)。
以上により、本実施形態に係る基板210の被処理面210aに対するウェット処理が終了するのである。上述のように、本実施形態においては、多段カップ250が最下端の位置まで下降するタイミングが、第1の実施形態と異なるものであり、多段カップ250の上端部よりも基板250が上方に位置する状態において純水リンス処理及び乾燥処理が実施される。
すなわち、処理後に廃棄する処理液、本実施形態では純水を使用する場合においては、基板210に対する処理は、基板210が多段カップ250の上端部よりも上方に位置する状態で行われる。
このように、多段カップ250の上端部よりも基板250が上方に位置する状態において純水リンス処理及び乾燥処理を実施することにより、基板250が、帯電しやすい多段カップ250に囲まれた状態で処理される時間を、回収が必要な処理液が使用される処理時のみにとどめることができ、第1の実施形態よりも短く必要最小限の時間とすることができる。このため、本実施形態によれば、第1の実施形態に比して、基板250への帯電量をより抑制することが可能であり、基板上の回路の静電破壊を効果的に防止することが可能となる。
また、本実施形態によれば、第1の実施形態に対して、経路切換手段280による処理液回収経路の切り換え動作が1回減ぜられており、基板の処理時間をより短縮することが可能である。
なお、以上に述べた本発明に係る電気光学装置は、TFTアクティブマトリクス駆動方式の液晶装置だけではなく、パッシブマトリクス型の液晶装置にも同様に適用することが可能である。また、液晶装置だけでなく、エレクトロルミネッセンス装置、有機エレクトロルミネッセンス装置、プラズマディスブレイ装置、電気泳動ディスプレイ装置、電子放出素子を用いた装置(Field Emission Display 及び Surface-Conduction Electron-Emitter Display等)などの各種の電気光学装置においても本発明を同様に適用することが可能である。
また、本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う電気光学装置の製造方法もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
201 ウェット装置、 202 処理室、 210 基板、 210a 被処理面、 211 基板保持ステージ、 212 チャックピン、 218 モータ、 219 制御手段、 220 ノズル、 250 多段カップ、 251〜253 処理液案内部、 255〜257 処理液回収経路、 273a〜273c 回収液貯留タンク、 280 経路切換手段
Claims (5)
- 電気光学装置用の基板を鉛直軸周りに回転し、該基板の一方の面に対して複数の処理液を順次供給することにより前記基板を処理し、該処理中において前記基板側に開口した環状の複数の処理液案内部が上下方向に多段に配置されて構成される処理液回収手段により、前記基板から飛散する処理液を回収する電気光学装置の製造方法であって、
前記処理液回収手段の最も上方に設けられた前記処理液案内部のみにより、前記複数の処理液を回収し、
前記処理液案内部に連通する複数の処理液回収経路を、前記回収された複数の処理液に応じて経路切換手段により切り換えることで、前記回収された複数の処理液を種類ごとに分離することを特徴とする電気光学装置の製造方法。 - 前記複数の処理液のうち、前記処理後に廃棄する処理液により前記基板に対して行われる処理は、前記基板が前記処理液回収手段の上端部よりも上方に位置する状態において行われることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置の製造方法。
- 前記処理液回収手段は、PTFEにより構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置の製造方法。
- 前記処理液回収手段による前記複数の処理液回収経路の切り換えは、制御装置により制御されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の電気光学装置の製造方法。
- 前記電気光学装置は、スイッチング素子及び容量素子の少なくとも一方を具備して構成されるものであって、
請求項1から4のいずれか一項に記載の電気光学装置の製造方法は、前記スイッチング素子及び容量素子の少なくとも一方を前記基板上に形成する工程において実施されることを特徴とする電気光学装置の製造方法。
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JP2006315191A Withdrawn JP2008129378A (ja) | 2006-11-22 | 2006-11-22 | 電気光学装置の製造方法 |
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---|---|---|---|---|
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CN101992165B (zh) * | 2009-08-27 | 2012-10-24 | 沈阳芯源微电子设备有限公司 | 一种用于圆形薄片状物体进行化学液喷洒处理的装置 |
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-
2006
- 2006-11-22 JP JP2006315191A patent/JP2008129378A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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