以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。
図1は、実施形態における電波到来方位測定装置の構成を示すブロック図である。図2は、図1に示す電波到来方位測定装置における到来時刻計測部の構成を示すブロック図である。図3は、図2に示す到来時刻計測部における積分部の構成を示す回路図である。なお、図1では、第1ないし第4アンテナA1〜A4は、平面視した場合における各アンテナA1〜A4の配置関係を示している。
図1および図2において、電波到来方位測定装置1は、複数のアンテナAと、複数のアンテナAに対応してそれぞれ設けられ、対応するアンテナが電波を受信した場合に当該電波が当該アンテナに到来した到来時刻(受信時刻)tを二重積分回路で計測する複数の到来時刻計測部11と、複数の到来時刻計測部11における各二重積分回路で積分される電圧を逆極性の電圧に変更するタイミングがこれら各二重積分回路で一斉に変更されるように、その旨を表す切換信号(同期信号)を各二重積分回路へそれぞれ出力することによって、これら各二重積分回路の同期を制御する同期制御部12と、複数の到来時刻計測部11でそれぞれ計測された到来時刻tに基づいて電波の到来方位θを計算する到来方位演算部13とを備えて構成される。
アンテナAは、到来(受信)した電波の電磁波エネルギーを電気エネルギーに変換する装置である。複数のアンテナAは、図1および図2に示す例では、2組のアンテナ対を構成する4個の第1ないし第4アンテナA1〜A4を備えて構成される。第1ないし第4アンテナA1〜A4は、平面を形成するように、言い換えれば、第1組を構成する一対の第1アンテナA1と第2アンテナA2とを通る直線l12と、第2組を構成する一対の第3アンテナA3と第4アンテナA4とを通る直線l34とが独立(線形独立、一次独立)となるように、それぞれ配置される。図1に示す例では、到来方位θが最も精度よく求まり、到来方位θを求める演算をより容易にする観点から、直線112と直線134とが互いに直交するように、第1ないし第4アンテナA1〜A4がそれぞれ配置されている。
なお、本明細書において、総称する場合には添え字を省略した参照符号で示し、個別の構成を指す場合には添え字を付した参照符号で示す。
到来時刻計測部11は、当該到来時刻計測部11に対応するアンテナAが電波を受信した場合に当該電波が当該アンテナAに到来した電波の到来時刻tを二重積分回路で計測する装置であって、この二重積分回路が例えばコンデンサにより電圧を充電または放電することによって電圧を積分するタイプの積分回路を備え、時定数を切り換えることによって互いに異なる複数の時定数により順次に二重積分回路の積分を行う装置である。到来時刻計測部11は、例えば、図2に示すように、検出部111と、スイッチ制御部(以下、「SW制御部」と略記する。)112と、切換スイッチ部113と、積分部114と、比較部115と、パルス発生部116と、パルスカウンタ部117と、集計部118と、電圧測定部119とを備えて構成される。なお、第1ないし第4到来時刻計測部11−1〜11−4の各構成は、同様であるので、図2には、第1到来時刻計測部11−1の構成のみを示し、第2ないし第4到来時刻計測部11−2〜11−4の構成の記載を省略している。
検出部111は、当該到来時刻計測部11に対応するアンテナAが電波を受信したか否かを検出し、電波の受信を検出すると、電波の受信を検出した旨を表す受信トリガ信号をSW制御部112へ出力する回路である。当該到来時刻計測部11は、この受信トリガ信号の生成により、電波の到来時刻tを測定する動作を開始する。検出部111は、例えば、ダイオードと、前記ダイオードの出力を予め設定された所定の基準電圧(例えば、グランド電位Vg)と比較するコンパレータとを備えた検波部として構成される。アンテナAの出力は、ダイオードによって包絡線検波され、ダイオードの出力が前記所定の基準電圧を越えると、そのタイミングで受信トリガ信号がコンパレータからSW制御部112へ出力される。
切換スイッチ部113は、SW制御部112の制御に応じて積分部114に入力(印加)される電圧を切り換える2入力1出力の回路である。切換スイッチ部113は、例えば、第1および第2スイッチSW1、SW2を備えて構成される。第1および第2スイッチSW1、SW2は、例えばトランジスタ等の制御端子付きのスイッチ素子等を備えて構成される。第1スイッチSW1には第1電圧V1が印加されており、第1スイッチSW1がSW制御部112の制御に応じてオン(閉)することによって、第1電圧V1が積分部114へ出力される。第2スイッチSW2には第2電圧−V2が印加されており、第2スイッチSW2がSW制御部112の制御に応じてオン(閉)することによって、第2電圧−V2が積分部114へ出力される。なお、SW制御部112の制御に応じて第1および第2スイッチSW1、SW2が共にオフ(開)すると、第1電圧V1も第2電圧−V2も積分部114へ出力されない。後述から分かるように、第1電圧V1は、積分部114を充電するために利用され、第2電圧−V2は、積分部114を放電するために利用される。このため、第1電圧V1と第2電圧−V2は、互いに逆極性とされている。なお、V1・V2>0である。
SW制御部112は、後述するように、所定のタイミングで切換スイッチ部113における入出力の接続状態を制御すると共に、パルスカウンタ部117のカウント値Nを0にリセットするリセット信号を所定のタイミングでパルスカウンタ部117へ出力する回路である。
積分部114は、切換スイッチ部113から入力された電圧を積分し、通電時間(積分時間)に応じた積分値(電圧値)を比較部115へ出力する回路である。そして、積分部114は、パルスカウンタ部117から入力される、時定数の切換えを指示する旨を表す時定数切換制御信号に応じて時定数を切り換えることによって、互いに異なる複数の時定数により順次に前記電圧の積分を行う。この時定数の切換えは、本実施形態では、時定数切換制御信号が入力されるたびに、小さい値の時定数から順次に行われる。
積分部114は、例えばコンデンサにより電圧を充電または放電することによって電圧を積分するタイプであって、積分の時定数が切換可能な積分回路であり、例えば、図3(A)に示すように、複数の抵抗素子141aと、複数の抵抗素子141aにそれぞれ対応して設けられる制御端子付きのスイッチ素子142aと、コンデンサ143aと、オペアンプ144aと、制御端子付きのスイッチ素子145aと、入力端子146aと、出力端子147aとを備えて構成されるRC積分回路114aである。複数の抵抗素子141aは、図3(A)に示す例では、3個の抵抗素子141a−1〜141a−3から構成され、これに対応して複数のスイッチ素子142aは、3個のスイッチ素子142a−1〜142a−3から構成されている。3組の直列に接続されたスイッチ素子142a−1〜142a−3および抵抗素子141a−1〜141a−3は、互いに並列に接続され、その接続点の一方が入力端子146aに接続され、その接続点の他方がオペアンプ144aの反転入力(−)に接続される。オペアンプ144aの反転入力(−)と出力との間には、コンデンサ143aとスイッチ素子145aとの並列回路が接続される。オペアンプの非反転入力(+)は、グランド電位Vgに接地され、その出力は、出力端子147aに接続されている。スイッチ素子145aは、コンデンサ143aに充電されている電荷を放電するためのスイッチである。スイッチ素子142a、145aは、例えばトランジスタ等である。RC積分回路114aは、時定数切換制御信号によってスイッチ素子142a−1〜142a−3の何れか1個のスイッチ素子142aがオン(閉)されると共に残余のスイッチ素子142aがオフ(開)されることより、オンしたスイッチ素子142aに直列に接続されている抵抗素子141aの抵抗値Rとコンデンサ143aの容量Cとで決まる時定数(1/(R・C))で入力端子146aに入力される電圧を積分し、出力端子147aから積分値を出力する。また、RC積分回路114aでは、積分リセット信号によってスイッチ素子145aがオンされ、コンデンサ143aに充電されている電荷が放電されることによってRC積分回路114aの積分値がリセットされる。
図3(A)に示す例では、複数の抵抗素子141aを切り換えることによって時定数を切り換えるように積分部114が構成されたが、また例えば、図3(B)に示すように、複数のコンデンサ143bを備え、これらコンデンサ143bを切り換えることによって時定数を切り換えるように積分部114が構成されてもよい。
このような積分部114は、例えば、図3(B)に示すように、抵抗素子141bと、複数のコンデンサ143bと、複数のコンデンサ143bにそれぞれ対応して設けられる制御端子付きのスイッチ素子142bと、オペアンプ144bと、制御端子付きのスイッチ素子145bと、入力端子146bと、出力端子147bとを備えて構成されるRC積分回路114bである。複数のコンデンサ143bは、図3(B)に示す例では、3個のコンデンサ143b−1〜143b−3から構成され、これに対応して複数のスイッチ素子142bは、3個のスイッチ素子142b−1〜142b−3から構成されている。3組の直列に接続されたスイッチ素子142b−1〜142b−3およびコンデンサ143b−1〜143b−3は、互いに並列に接続され、その接続点の一方がオペアンプ144bの反転入力(−)に接続され、その接続点の他方がオペアンプ144bの出力に接続される。さらに、両接続点の間には、スイッチ素子145bが接続されている。スイッチ素子145bは、コンデンサ143b−1〜143b−3に充電されている電荷を放電するためのスイッチである。スイッチ素子142b、145bは、例えばトランジスタ等である。オペアンプ144bの反転入力(−)には、抵抗素子141bを介して入力端子146bが接続され、その非反転入力(+)は、グランド電位Vgに接地され、その出力は、出力端子147bに接続されている。RC積分回路114bは、時定数切換制御信号によってスイッチ素子142b−1〜142b−3の何れか1個のスイッチ素子142bがオン(閉)されると共に残余のスイッチ素子142bがオフ(開)されることより、オンしたスイッチ素子142bに直列に接続されているコンデンサ143bの容量Cと抵抗素子141bの抵抗値Rとで決まる時定数(1/(R・C))で入力端子146bに入力される電圧を積分し、出力端子147bから積分値を出力する。また、RC積分回路114bでは、積分リセット信号によってスイッチ素子145bがオンされ、コンデンサ143b−1〜143b−3に充電されている電荷が放電されることによってRC積分回路114bの積分値がリセットされる。
なお、図3(A)および(B)に示す例では、3個の時定数に切換可能であるが、時定数の個数は、例えば電波到来方位測定装置1の仕様等により適宜に設定される。
比較部115は、積分部114から入力された積分値と、予め設定された所定の基準電圧(例えばグランド電位Vg)とを比較し、積分部114から入力された積分値がこの所定の基準電圧と一致すると、その旨を示す判定信号をパルスカウンタ部117へ出力する回路である。比較部115は、例えばコンパレータを備えて構成される。
パルス発生部116は、パルスカウンタ部117のクロックとして利用される、予め設定された所定の周期(クロック周期)Tcでパルスを生成する回路である。このクロック周期Tcは、測定精度等を考慮して適宜に設定され、例えば、(V1/V2)・Tcが到来時間差τに要求される測定精度の1/10程度に設定される。パルス発生部116は、例えば、マルチバイブレータを備えて構成される。
パルスカウンタ部117は、後述するように、所定のクロック周期Tcに対応する間隔ごとにパルス発生部116から入力されるパルスを計数する回路である。そして、パルスカウンタ部117は、第1電圧V1が積分部114へ入力されている場合には、即ち、最初のリセット信号(第1リセット信号)がSW制御部112から入力された場合には、第1電圧V1で積分部114を充電する充電時間Taを、第1リセット信号に応じてカウンタ値Nを0にリセットした後にパルスを計数することによって計時し、充電時間Taになると(タイムアップすると)、到来時刻計測部11における積分部114の充電(積分)を停止する充電停止信号(積分停止信号)を同期制御部12へ出力すると共に、電圧測定部119へ積分部114の積分値(充電電圧)の測定を指示する旨を表す測定指示信号を電圧測定部119へ出力する回路である。さらに、パルスカウンタ部117は、第2電圧−V2が積分部114へ入力されている場合には、即ち、次のリセット信号(第2リセット信号)がSW制御部112から入力された場合には、電圧測定部119から閾値判定信号が入力された場合に、第2リセット信号に応じてカウンタ値Nを0にリセットした後からこの閾値判定信号が入力されるまで計数したパルス数をカウンタ値Niとして集計部118へ出力し、時定数切換制御信号を積分部114へ出力し、閾値切換制御信号を電圧測定部119へ出力する。閾値判定信号は、積分部114の積分値(充電電圧)が予め設定された閾値Vthであることを表す信号である。閾値切換制御信号は、閾値Vthの切換えを指示する旨を表す信号である。さらに、パルスカウンタ部117は、第2電圧−V2が積分部114へ入力されている場合には、比較部115から判定信号が入力された場合に、第2リセット信号に応じてカウンタ値Nを0にリセットした後からこの判定信号が入力されるまで計数したパルス数をカウンタ値Niとして集計部118へ出力すると共に、終了信号をSW制御部112および集計部118へ出力する回路である。パルスカウンタ部117は、例えば、複数のフリップフロップを備えて構成される。
集計部118は、パルスカウンタ部117から終了信号が入力された場合に、パルスカウンタ部117から入力されたカウント値Niを到来方位演算部13へ出力する回路である。
電圧測定部119は、パルスカウンタ部117から測定指示信号が入力されると積分部114の積分値の監視を始め、積分部114の積分値(充電電圧)を測定し、この測定した積分値が予め設定されている閾値Vthに達しているか否かを判定し、当該閾値Vthに達している場合には、閾値判定信号をパルスカウンタ部117へ出力する。閾値Vthは、積分部114の時定数を切り換えるタイミングを表す電圧値であり、複数の時定数に対応して複数の閾値Vthi(i=1、2、3、・・・)が予め設定されている。積分部114が上述の図3に示す例である場合では、閾値Vthは、3個の時定数(1/(CR)1、1/(CR)2、1/(CR)3)に対応して3個の閾値(Vth1、Vth2、Vth3、なお、本実施形態ではVth3=Vg)が用意される。そして、電圧測定部119は、パルスカウンタ部117から閾値切換制御信号が入力されると、最初の閾値Vth1から順次に閾値Vthを切り換える。
二重積分回路は、本実施形態では、SW制御部112、切換スイッチ部113、積分部114、比較部115、パルス発生部116、パルスカウンタ部117および電圧測定部119を備えて構成される。
同期制御部12は、第1ないし第4到来時刻計測部11−1〜11−4における各積分部114−1〜114−4に入力される電圧が第1電圧V1から第2電圧−V2へ一斉に切り換わるように、その旨を表す切換信号(同期信号)を各SW制御部112−1〜112−4へ出力することによって、第1ないし第4到来時刻計測部11−1〜11−4における切換スイッチ部113の切換タイミングを制御する回路である。
到来方位演算部13は、第1ないし第4アンテナA1〜A4が電波を受信した受信時刻(到来時刻)tに基づいて到来時間差型方位測定法によって当該電波の到来方位θを計算する回路である。
次に、このような構成の電波到来方位測定装置1の動作について説明する。まず、到来時刻計測部によって電波の受信時刻tを測定する原理について説明し、次に、電波到来方位測定装置1の動作について説明する。
図4は、二重積分回路を備える到来時刻計測部によって電波の受信時刻を測定する原理を説明するための図である。
この電波の受信時刻tを測定する原理の説明において、図1および図2に示す到来時刻計測部11における積分部114の時定数は、一定であるとする。
電波が到来し、各アンテナA1〜A4が当該電波をそれぞれ受信すると、各到来時刻計測部11−1〜11−4では、その積分部114−1〜114−4で第1電圧V1の積分(充電)がそれぞれ開始され、各パルスカウンタ部117−1〜117−4で充電時間Taの計時がそれぞれ開始される。第1ないし第4アンテナA1〜A4のうちの何れかのアンテナAによって最初に電波が受信されてから充電時間Taが経過すると、各到来時刻計測部11−1〜11−4では、各積分部114−1〜114−4に入力される電圧が第1電圧V1から第2電圧−V2へ一斉に切り換えられ、一斉に、その積分部114−1〜114−4で第2電圧−V2の積分(放電)がそれぞれ開始され、各パルスカウンタ部117−1〜117−4でカウンタ値Nが0にリセットされてパルスの計数がそれぞれ新たに開始される。そして、各到来時刻計測部11−1〜11−4では、その積分部114−1〜114−4の積分値が基準電圧になると、そのパルスカウンタ部117−1〜117−4でパルスの計数が終了され、パルスを計数したカウント値Nがパルスカウンタ部117−1〜117−4から集計部118−1〜118−4へそれぞれ出力される。
このように、第1ないし第4到来時刻計測部11−1〜11−4の各積分部114−1〜114−4では、対応するアンテナAが電波を受信した受信時刻tで第1電圧V1の積分が開始される一方で、入力される電圧が第1電圧V1から第2電圧−V2に一斉に切り換えられる。このため、発信源から発信された電波が各アンテナA1〜A4で受信された時間差に応じて、各積分部114−1〜114−4は、第1電圧V1の第1積分時間T1(0<T1≦Ta)が異なる。従って、各積分部114−1〜114−4に蓄積される電荷量(積分値、電圧値)は、発信源から発信された電波が各アンテナA1〜A4で受信された時間差に応じたものとなっている。
このため、第2電圧−V2で積分(放電)が開始されると、各積分部114−1〜114−4の各積分値は、発信源から発信された電波が各アンテナA1〜A4で受信された時間差に応じた時刻で、予め設定された所定の基準電圧となる結果、各比較部115−1〜115−4は、発信源から発信された電波が各アンテナA1〜A4で受信された時間差に応じた時刻で判定信号をパルスカウンタ部117へそれぞれ出力することになる。したがって、判定信号に応じて各パルスカウンタ部117−1〜117−4が集計部118へ出力するカウンタ値Nは、クロック周期Tcが乗算されることによって、一斉に電圧が第1電圧V1から第2電圧−V2に切り換えられた時刻TrとアンテナAが電波を受信した時刻との差を表している。
さらに、積分部114は、第1電圧V1で積分した後に、第2電圧−V2で積分しているので、アンテナAが電波を受信した時刻から、一斉に電圧が第1電圧V1から第2電圧−V2に切り換えられた時刻Trまでの第1積分時間T1は、第2電圧−V2に対する第1電圧V1の比に、この時刻Trから比較部115が判定信号を出力した時刻までの第2積分時間T2を乗じることによって表される(T1=(V1/V2)・T2)。到来時刻tは、この時刻Trから第1積分時間T1だけ遡ればよいので、到来時刻tは、Tr−(V1/V2)・T2で表される。第1積分時間T1は、第1電圧V1に対する第2電圧V2の比(倍率、=V2/V1)で伸張され、第2積分時間T2として計測されるから、第1積分時間T1が高精度に計測される。
図4に示す例では、第1ないし第4アンテナA1〜A4は、発信源から発信された電波を第3アンテナA3、第2アンテナA2、第4アンテナA4、第1アンテナA1の順に時刻t1、時刻t3、時刻t4、時刻t5で順次に受信しているので、第3アンテナA3が最初に電波を受信してそのパルスカウンタ部117−3が計時を開始した時刻t2から充電時間Taが経過した時刻t6では、各積分部114−1〜114−4の積分値は、第3アンテナA3に対応する第3到来時刻計測部11−3における積分部114−3の積分値が最も大きく、第2アンテナA2に対応する第2到来時刻計測部11−2における積分部114−2の積分値が第3アンテナA3と第2アンテナA2との間における電波の受信の時間差に対応した差だけ小さく、第4アンテナA4に対応する第4到来時刻計測部11−4における積分部114−4の積分値が第2アンテナA2と第4アンテナA4との間における受信の時間差に対応した差だけ小さく、第1アンテナA1に対応する第1到来時刻計測部11−1における積分部114−1の積分値が第4アンテナA4と第1アンテナA1との間における受信の時間差に対応した差だけ小さい。このため、第1アンテナA1に対応する第1到来時刻計測部11−1では、最初に時刻t7でパルスカウンタ部117−1から集計部118−1へその時刻t7に対応するカウンタ値Nが出力されており、第4アンテナA4に対応する第4到来時刻計測部11−4では、次に時刻t8で判定信号をパルスカウンタ部117−4から集計部118−4へその時刻t8に対応するカウンタ値Nが出力されており、第2アンテナA2に対応する第2到来時刻計測部11−2では、次に時刻t9でパルスカウンタ部117−2から集計部118−2へその時刻9に対応するカウンタ値Nが出力されており、そして、第3アンテナAに対応する第3到来時刻計測部11−3では、最後に時刻t10でパルスカウンタ部117−3から集計部118−3へその時刻t10に対応するカウンタ値Nが出力されている。
したがって、第1アンテナA1の受信時刻t5は、t5=t6−(V1/V2)・(t7−t6)と表され、第2アンテナA2の受信時刻t3は、t3=t6−(V1/V2)・(t9−t6)と表され、第3アンテナA3の受信時刻t1は、t1=t6−(V1/V2)・(t10−t6)と表され、そして、第4アンテナA4の受信時刻t4は、t4=t6−(V1/V2)・(t8−t6)と表される。
このように電波の受信に応じて各到来時刻計測部11における各二重積分回路が第1電圧V1を積分すると共に、この積分する電圧が各到来時刻計測部11における各二重積分回路で一斉に第2電圧−V2に切り換えられることによって、各アンテナAの受信時刻tが高精度に測定される。
次に、電波到来方位測定装置1の動作について説明する。本実施形態の電波到来方位測定装置1は、到来時刻計測部11が第2電圧−V2で積分している間に積分部114の時定数が切り換えられるため、次のように動作することになり、これによって、上述のように、時定数が切り換わることなく一定値である場合に較べて、短時間に受信時刻tを測定することができる。
図5は、図2に示す到来時刻計測部の動作を説明するための図である。図1ないし図5において、電波到来方位測定装置1では、例えば図略の電源スイッチが投入されると、電波の到来方位θを測定する動作が開始され、積分部114の積分値(充電電圧、充電電荷)が0にリセットされ、パルス発生部116が所定のクロック周期Tcでパスルを生成し、この生成したパルスをクロックとしてパルスカウンタ部117へ出力する。
電波到来方位測定装置1に電波が到来すると、第1ないし第4アンテナA1〜A4のうちの何れかのアンテナAでまず電波が受信され、そして、電波の発信源に近いアンテナAから順次に電波が受信される。
電波を受信したアンテナAに対応する到来時刻計測部11では、次のように動作する。当該アンテナAは、この受信した電波をその電磁波エネルギーから電気エネルギーに変換し、検出部111へ出力する。アンテナAからの出力に基づいて、検出部111は、電波の到来(受信)を検出し、受信トリガ信号をSW制御部112へ出力する。受信トリガ信号が入力されると、SW制御部112は、第1電圧V1が積分部114に入力されるように、第1スイッチSW1をオンすると共に第2スイッチSW2をオフする第1スイッチ制御信号(第1SW制御信号)を切換スイッチ部113へ出力すると共に、パルスカウンタ部117のカウント値Nを0にリセットする第1リセット信号をパルスカウンタ部117へ出力する。第1スイッチ制御信号が入力されると、切換スイッチ部113は、第1スイッチSW1をオンすると共に第2スイッチSW2をオフする。これによって第1電圧V1が積分部114に入力される。そして、第1リセット信号が入力されると、パルスカウンタ部117は、カウント値Nを0にリセットし、パルス発生部116から入力されるパルスの計数を新たに開始して、第1電圧V1で積分部114が積分する充電時間Taの計時を開始する。第1電圧V1が入力されると、積分部114は、積分(充電)を開始し、積分値を比較部115へ出力する。
例えば、図4に示す例では、電波到来方位測定装置1に到来した電波は、まず、時刻t1において第3アンテナA3で受信され、第3アンテナA3に対応する第3到来時刻計測部11−3では、上述のように動作する。そのパルスカウンタ部117−3では、電波を受信した時刻t1後の最初のクロック(時刻t2)でカウント値Nが0にリセットされ、パルスの計数が新たに開始されることによって、充電時間Taの計時が開始される。次に、時刻t3において前記電波が第2アンテナA2で受信され、第2アンテナA2に対応する第2到来時刻計測部11−2では、上述のように動作する。そのパルスカウンタ部117−2では、電波を受信した時刻t3後の最初のクロックでカウンタ値Nが0にリセットされ、パルスの計数が新たに開始されることによって、充電時間Taの計時が開始される。次に、時刻t4において前記電波が第4アンテナA4で受信され、第4アンテナA4に対応する第4到来時刻計測部11−4では、上述のように動作する。そのパルスカウンタ部117−4では、電波を受信した時刻t4後の最初のクロックでカウンタ値Nが0にリセットされ、パルスの計数が新たに開始されることによって、充電時間Taの計時が開始される。そして、最後に、時刻t5において前記電波が第1アンテナA1で受信され、第1アンテナA1に対応する第1到来時刻計測部11−1では、上述のように動作する。そのパルスカウンタ部117−1では、電波を受信した時刻t5後の最初のクロックでパルス数が0にリセットされ、パルスの計数が新たに開始されることによって、充電時間Taの計時が開始される。
到来時刻計測部11のパルスカウンタ部117は、充電時間Taが経過すると、より具体的には、カウンタ値Nが充電時間Taに対応するカウンタ値Na(Ta=Na・Tc)になると、到来時刻計測部11における積分部114の充電(積分)を停止する充電停止信号(積分停止信号)を同期制御部12へ出力すると共に、測定指示信号を電圧測定部119へ出力する。充電停止信号が入力されると、同期制御部12は、切換スイッチ部113における第1および第2スイッチSW1、SW2の接続状態を切り換える切換信号(同期信号)を第1ないし第4到来時刻計測部11−1〜11−4の各SW制御部112−1〜112−4へそれぞれ出力する。切換信号が入力されると、SW制御部112は、第2電圧−V2が積分部114に入力されるように、第1スイッチSW1をオフすると共に第2スイッチSW2をオンする第2スイッチ制御信号(第2SW制御信号)を切換スイッチ部113へ出力すると共に、パルスカウンタ部117を0にリセットする第2リセット信号をパルスカウンタ部117へ出力する。第2スイッチ制御信号が入力されると、切換スイッチ部113は、第1スイッチSW1をオフすると共に第2スイッチSW2をオンする。これによって第2電圧−V2が積分部114に入力(印加)される。そして、第2リセット信号が入力されると、パルスカウンタ部117は、カウンタ値Nを0にリセットし、パルス発生部116から入力されるパルスの計数を新たに開始する。第2電圧−V2が入力されると、積分部114は、最初の時定数(例えば1/(RC)1)で積分を開始し、積分値を比較部115へ出力する。より具体的には、第2電圧−V2は、第1電圧V1と逆符号であるため、積分部114は、放電し、積分値は、時間経過に従って低下していく。
そして、測定指示信号が入力されると、電圧測定部119は、積分部114の積分値の監視を始め、積分部114の積分値を測定し、この測定した積分部114の積分値が最初の閾値Vth1と一致しているか否かを判断する。この判断の結果、積分部114の積分値が最初の閾値Vth1と一致している場合には、電圧測定部119は、閾値判定信号をパルスカウンタ部117へ出力する。閾値判定信号が入力されると、パルスカウンタ部117は、第2リセット信号に応じてカウンタ値Nを0にリセットした後からこの閾値判定信号が入力されるまで計数したパルス数をカウンタ値N1として集計部118へ出力し、時定数切換制御信号を積分部114へ出力し、そして、閾値切換制御信号を電圧測定部119へ出力する。カウンタ値Niは、時定数(1/(CR)i)で積分部114が閾値Vthiまで積分した積分時間T2iに対応する値である(T2i=Ni・Tc、i=1、2、3、・・・)。時定数切換制御信号が入力されると、積分部114は、最初の時定数から次の時定数(例えば1/(RC)2)へ時定数を切り換える。閾値切換制御信号が入力されると、電圧測定部119は、最初の閾値Vth1から次の閾値Vth2へ閾値Vthを切り換える。そして、電圧測定部119は、積分部114の監視により、測定した積分部114の積分値が次の閾値Vth2と一致しているか否かを判断する。この判断の結果、積分部114の積分値が次の閾値Vth2と一致している場合には、電圧測定部119は、閾値判定信号をパルスカウンタ部117へ出力する。閾値判定信号が入力されると、パルスカウンタ部117は、第2リセット信号に応じてカウンタ値Nを0にリセットした後からこの閾値判定信号が入力されるまで計数したパルス数をカウンタ値N2として集計部118へ出力し、時定数切換制御信号を積分部114へ出力し、そして、閾値切換制御信号を電圧測定部119へ出力する。時定数切換制御信号が入力されると、積分部114は、現行の時定数から次の時定数(例えば1/(RC)3)へ切り換える。閾値切換制御信号が入力されると、電圧測定部119は、現行の閾値Vth2から次の閾値Vth3へ閾値Vthを切り換える。このような電圧測定部119による積分部114の監視、積分値と閾値Vthiとの比較判断、および、判断結果に応じた閾値判定信号の出力、閾値判定信号に応じたパルスカウンタ部117によるカウンタ値Niの出力、時定数切換制御信号の出力、および、閾値切換制御信号の出力、時定数切換制御信号に応じた積分部114の時定数の切換、そして、閾値切換信号に応じた電圧測定部119の閾値Vthの切換は、比較部115から判定信号がパルスカウンタ部117に入力されるまで行われる。
この判定信号の出力にあたって、比較部115は、積分部114から入力される積分値と所定の基準電圧とを比較しており、第2電圧−V2が第1電圧V1と逆極性であるため、時間経過に従って積分値が低下していくので、やがて積分部114から入力された積分値と所定の基準電圧とが一致する。積分部114から入力された積分値と所定の基準電圧とが一致すると、比較部115は、前記判定信号をパルスカウンタ部117へ出力する。
判定信号が入力されると、パルスカウンタ部117は、パルスを計数したカウンタ値Niを集計部118へ出力すると共に、パルスの計数が終了した旨を表す終了信号をSW制御部112および集計部118へ出力する。
例えば、図3に示す例では、最初に充電時間Taの計時を開始した第3到来時刻計測部11−3におけるパルスカウンタ部117−3が計時開始から充電時間Ta経過後の時刻t6で充電停止信号を同期制御部12へ出力する。充電停止信号が入力されると、同期制御部12は、切換信号を第1ないし第4到来時刻計測部11−1〜11−4の各SW制御部112−1〜112−4へそれぞれ出力する。切換信号が入力されると、第1ないし第4到来時刻計測部11−1〜11−4は、上述のようにそれぞれ動作する。このため、第1ないし第4到来時刻計測部11−1〜11−4では、それぞれ、時刻t6において、各積分部114−1〜114−4は、第1電圧V1の積分が終了され、第2電圧−V2で積分を開始し、各パルスカウンタ部117−1〜117−4は、充電時間Taを計時している場合にはこの計時を終了し、パルスの計数を新たに開始する。
なお、同期制御部12は、或る到来時刻計測部11から充電停止信号を受信した後であって予め設定された所定の期間が経過する前では、他の到来時刻計測部11から受信した充電停止信号を破棄する。即ち、前記所定の期間が経過するまでは2度目以降の充電停止信号を受信したとしても、同期制御部12は、第1ないし第4到来時刻計測部11−1〜11−4へ切換信号をそれぞれ出力しない。或る発信源から発信された電波を第1ないし第4アンテナAが受信する時刻の時間差は、最大で、電波が基線長Lを伝搬するために必要な時間(基線長伝搬時間)であるから、前記所定の経過期間は、例えば、この基線長伝搬時間にマージンを考慮して決定される。
上述のように、積分部114から比較部115へ入力される積分値は、時間経過に従って低下していく。単位時間あたりの積分値の低下割合は、積分部114の時定数(1/(CR))である。ここで、時定数は、上述したように、時定数切換制御信号によって順次に切り換えられるため、図5に示すように、積分部114では、最初の時定数(1/(CR)1)の場合では積分値が単位時間あたり(1/(CR)1)の割合で低下し、積分値が閾値Vth1になると時定数が次の時定数(1/(CR)2)に切り換えられ、この時定数(1/(CR)2)の場合では積分値が単位時間あたり(1/(CR)2)の割合で低下し、そして、積分値が閾値Vth2になると時定数が次の時定数(1/(CR)3)に切り換えられ、この時定数(1/(CR)3)の場合では積分値が単位時間あたり(1/(CR)3)の割合で低下する。このように時定数(1/(CR)i)の切換によって、積分値は、順次に単位時間あたりの低下割合が変化しながら、本実施形態では順次に単位時間あたりの低下割合が小さくなりながら低下していく。このため、図5に示すように、積分部114の積分値は、時定数が一定の時定数(1/(CR)c)である場合に較べて、(1/(CR)c)≧(1/(CR)i)とすると、短時間で所定の基準電圧に達することになる。
この時定数が一定の時定数(1/(CR)c)である場合における、積分部114に入力される電圧が第1電圧V1から第2電圧−V2へ切り換わった時刻Trから積分部114の積分値が所定の基準電圧と一致する時刻までの第2積分時間T2は、次の式4によって与えられる。
ここで、n1=N1、ni+1=Ni+1−Ni、i=1、2、3、4、・・・である。
また、時定数は、小さい値から大きい値へ順次に切り換えられる。すなわち、(1/(CR)i)<(1/(CR)i+1)の関係にある。したがって、積分部114の積分値が大きい場合には小さい時定数により急速に放電されるので、短時間で次の時定数へ切り換わる。一方、積分部114の積分値が小さくなると、大きい時定数(1/(CR))により緩やかに放電されるので、比較的長い時間で次の時定数へ切り換わる結果、その間に計数されるパルス数が多く、その間の時間が高精度に測定される。このため、時定数が一定の時定数である場合に較べて短時間で所定の基準電圧に達する一方、積分部114の積分値が所定の基準電圧に近づくと、緩やかに放電されるので、積分部114に入力される電圧が第1電圧V1から第2電圧−V2へ切り換わった時刻Trから積分部114の積分値が所定の基準電圧と一致する時刻までの時間が高精度に測定可能となる。
終了信号が入力されると、集計部118は、カウンタ値Niを到来方位演算部13へ出力する。終了信号が入力されると、SW制御部112は、電圧が積分部114に入力されないように、第1および第2スイッチSW1、SW2を共にオフする第3スイッチ制御信号(第3SW制御信号)を切換スイッチ部113へ出力する。第3スイッチ制御信号が入力されると、切換スイッチ部113は、第1および第2スイッチSW1、SW2を共にオフする。これによって積分部114への電圧の入力が停止される。そして、到来方位演算部13は、第1ないし第4到来時刻計測部11−1〜11−4から各カウンタ値Niが入力されると、第1ないし第4到来時刻計測部11−1〜11−4における時定数が一定の時定数(1/(CR)c)である場合の第2積分時間T21〜T24を式4によってそれぞれ計算する。到来方位演算部13は、組となる一対のアンテナAに対応する2個の第2積分時間T21、T22;T23、T24を用いて、組となる一対のアンテナA間における到来時間差τを計算し、この計算した到来時間差τから到来方位θを計算する。そして、到来方位演算部13は、アンテナAの各組から求めた到来方位θから真の到来方位θを求める。真の到来方位θが求められると、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の図略の表示装置に到来方位θが表示される。
このように本実施形態にかかる電波到来方位測定装置1では、二重積分回路の積分部114における時定数が小さい値から大きい値へ順次に切り換えられるので、時定数が一定の場合に較べて、短時間で高精度に到来時刻が測定され、この結果、短時間で高精度に到来方位θが測定される。
また、仮に、到来時間差τを直接的に計測する場合には、高速なサンプリング速度(短いサンプリング周期)で計測する計測器が必要となり、一般に、このような計測器は、高価である。本実施形態にかかる電波到来方位測定装置1では、このような計測器よりも安価な二重積分回路によって到来時間差τが測定可能であるので、電波到来方位測定装置1が比較的安価に製造可能となる。
図6は、他の形態の電波到来方位測定装置を説明するための図である。また、上述の実施形態では、到来時刻計測部11のパルスカウンタ部117は、電圧測定部119から閾値判定信号がパルス間に入力されても、次のパルスまでカウントアップしない。このため、パルスカウンタ部117に、パルス発生部116からパルスが入力される直前に電圧測定部119から閾値判定信号が入力される場合には、切換信号によって第2リセット信号が入力された時刻から閾値判定信号が入力される時刻までの時間と、カウンタ値Niにクロック周期Tcを乗算することによって求めた時間とは、殆ど差がなく、カウンタ値Niにクロック周期Tcを乗算することによって求めた時間には、殆ど誤差がない。一方、このような場合を除き、図6に破線で示すように、切換信号によって第2リセット信号が入力された時刻から判定信号が入力される時刻までの時間と、カウンタ値Niにクロック周期Tcを乗算することによって求めた時間とは、ずれて差δが生じ、カウンタ値Niにクロック周期Tcを乗算することによって求めた時間には、クロック周期Tc未満の誤差δ(0<δ<Tc)が含まれる。
このため、上述の実施形態の電波到来方位測定装置1において、パルスカウンタ部117は、閾値判定信号が入力された後の直近のクロックに同期して時定数切換制御信号を積分部114へ出力すると共に、閾値切換制御信号を電圧測定部119へ出力するように構成されてもよい。
このようにパルスカウンタ部117が構成されることによって、図6に示すように、積分部114は、閾値判定信号を出力した後、直近のクロックまで現行の時定数で積分(放電)を継続するので、前記差δが軽減され、上述の実施形態に較べてより高精度に到来時刻が測定可能となり、より高精度に電波の到来方位θが測定可能となる。
なお、上述の第1ないし第3実施形態では、第1ないし第4アンテナA1〜A4の4個のアンテナを用いたが、平面を形成するように配置された3個のアンテナによっても同様に到来方位θを測定することができ、また、平面を形成するように配置された5個以上のアンテナによっても同様に到来方位θを測定することができる。
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更及び/又は改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。従って、当業者が実施する変更形態又は改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態又は当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。