JP2008128911A - 振動検出装置 - Google Patents

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和利 野本
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Abstract

【課題】簡易な構成でデジタルの振動検出信号を出力することが可能な振動検出装置を提供する。
【解決手段】干渉計内の光路変化による参照光と反射光との位相差変化を干渉計(ピエゾ振動子ドライバ181)への帰還パラメータとするΔΣ変調器を含むようにする。簡易な構成で振動膜11の振動が、2値化された音声信号Soutとしてデジタル検出される。また、振動膜11自身の変位ではなく、参照光と反射光との位相差の変化が帰還パラメータとなっているため、装置全体としても簡易な構成となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、振動体の変位を光学的に検出する振動検出装置に関する。
近年、SACD(Super Audio Compact Disc)や24bit−96kHzのサンプリングを利用した録音方式等が用いられ、高音質化が主流になりつつある。このような流れの中、従来のアナログ方式のマイクロホン装置は、特に20kHz以上の高域の音声の収録に限界があるため、上記録音方式の特徴である高域の再生を生かしてコンテンツを収録しようとする場合に、ボトルネックになっていた。
また、ダイナミックレンジに関しても、上記録音方式の特徴である24bitビット録音により可能な144dBまで及ばず、広範なダイナミックレンジを十分に生かしきれていなかった。
さらに、録音現場においては、従来のアナログ方式のマイクロホン装置では、アナログケーブルでの長距離の引き回しに起因してノイズが増加してしまったり、コンデンサマイクに対してミキシングコンソールからファンタム電源を供給しなければならず、録音・制作システムにおける全デジタル化の障害となっていた。
そこで、近年、デジタル方式のマイクロホン装置がいくつか提案されている。例えば、特許文献1では、マッハ・ツェンダ方式などの干渉計においてマイク振動膜の変位により生じる干渉縞の変化を、光電変換素子で信号変換すると共にデジタル的に信号処理することにより、デジタル音声信号出力を得るようにしたものが提案されている。また、例えば特許文献2では、マイケルソン方式の干渉計においてマイク振動板の変位により生じる干渉縞の変化を光電変換素子により信号変換すると共にこの値を2値量子化することでビットストリーム信号を得るようにし、いわゆるΔΣ(デルタ・シグマ)変調器を構成するための帰還路としてマイク振動膜を動かす振動膜駆動手段を持つようにしたものが提案されている。
特開平10−308998号公報 特開平11−178099号公報
上記特許文献1では、マッハ・ツェンダ干渉計やマイケルソン干渉計を用いて振動板の振動を検出することにより、デジタルの音声信号を出力するようになっている。
一方、上記特許文献2では、振動板を含むΔΣ(デルタ・シグマ)変調器を構成するようにしている。よって、ΔΣ変調器の作用により、簡易な構成で1bitのデジタル音声信号を得ることができると共に、ノイズシェービング効果を利用して可聴帯域内の音声信号の低ノイズ化を図ることができると考えられる。
しかしながら、この特許文献2では、音波に応じて振動する振動板自身に対して帰還をかけ変位させているため、振動板の振動モードが複雑なものとなり、マイクロホン装置全体としても複雑な構成となってしまうという問題があった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、簡易な構成でデジタルの振動検出信号を出力することが可能な振動検出装置を提供することにある。
本発明の振動検出装置は、振動体と、レーザ光を発する光源と、このレーザ光に基づく参照光とレーザ光に基づいて振動体で反射された反射光とを互いに干渉させて干渉縞を形成する干渉計とを含んで構成され、この干渉計内の光路変化による参照光と反射光との位相差変化を干渉計または光源への帰還パラメータとして振動体の振動を検出するΔΣ(デルタ・シグマ)変調器を含むようにしたものである。
本発明の振動検出装置では、振動によって変位する振動体に対し、光源からレーザ光が入射され、この振動体で反射されることで反射光となる。そして干渉計の作用により、この反射光とレーザ光に基づく参照光とが互いに干渉し、干渉縞が形成される。ここで、振動体の変位などにより干渉計内で光路変化が生じると、上記参照光と反射光との位相差が変化し、干渉縞も変化する。そしてこのような干渉計内の光路変化による参照光と反射光との位相差の変化が、ΔΣ変調器の帰還パラメータとして干渉計または光源へ帰還され、振動体の振動が検出される。
本発明の振動検出装置では、上記参照光と反射光との光路差を変化させることでこれらの位相差を変化させるように構成可能である。また、この場合において、上記干渉計が、光源からのレーザ光を参照光側の光路と反射光側の光路とに分離して進行させるための第1の光学手段と、上記参照光を反射させる反射体と、この反射体で反射された参照光と上記振動体で反射された反射光とを互いに干渉させるための第2の光学手段とを含むと共に、上記反射体、第1の光学手段および第2の光学手段のうちの少なくとも1つを変位させることで参照光と反射光との光路差を変化させるように構成可能である。
本発明の振動検出装置によれば、干渉計内の光路変化による参照光と反射光との位相差変化を干渉計または光源への帰還パラメータとするΔΣ変調器を含むようにしたので、簡易な構成で振動体の振動をデジタル検出することができる。また、振動体自身の変位ではなく、参照光と反射光との位相差変化を帰還パラメータとしているため、装置全体としても簡易な構成となる。よって、簡易な構成でデジタルの振動検出信号を出力することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る振動検出装置(光学式のマイクロホン装置1)の全体構成を表すものである。このマイクロホン装置1は、後述するΔΣ(デルタ・シグマ)変調器を含んで構成され、音波Swに応じて振動する振動膜(後述する振動膜11)を利用して2値化された音声信号Soutを出力するものであり、レーザ光源10Aと、コリメータレンズ10Bと、振動膜11と、一対のビームスプリッタ12A,12Bと、ピエゾ振動子13と、一対の光電変換素子141,142と、デジタル角度変換部15と、量子化器16と、遅延回路171と、積分器172と、ゲイン付与回路173と、ピエゾ振動子ドライバ181とを備えている。
レーザ光源10Aは、コリメータレンズ10Bおよびビームスプリッタ12Aを介して振動膜11およびピエゾ振動子13に対してレーザ光Lを照射するものであり、例えばマルチモード(ファブリペロー型)のレーザ光源(例えば、端面発光型の半導体レーザ光源)や、シングルモードのレーザ光源(例えば、面発光型の半導体レーザ光源やDFB(Distributed FeedBack)レーザなど)などが用いられる。
コリメータレンズ10Bは、レーザ光源10Aからのレーザ光Lを平行光に集光するためのレンズである。
振動膜11は、音波Swに応じて変位するものであり、例えばコンデンサマイクに使用されるものと同様に、表面が金蒸着された振動膜などにより構成される。
ピエゾ振動子13(反射体)は、例えばピエゾ超音波振動子などにより構成され、詳細は後述するが、ピエゾ振動子ドライバ181の制御によって変位(図1に示した矢印の方向)するようになっている。なお、このピエゾ振動子13はレーザ光Lを反射することができればよいので、小型で高域の周波数特性のよいものを使用するのが好ましい。
ビームスプリッタ12Aは、レーザ光源10Aからのレーザ光Lを、振動膜11側(反射光側)の光路(透過光路)と、ピエゾ振動子13側(参照光側)の光路(反射光路)とに分離して進行させるための光学素子である。一方、ビームスプリッタ12Bは、ピエゾ振動子13で反射された参照光(反射光路からのレーザ光)と、振動膜11で反射された反射光(透過光路からのレーザ光)とが互いに干渉する部分となる光学素子であり、そのような干渉によって、参照光と反射光との位相差に応じて干渉縞が形成されるようになっている。
なお、これらビームスプリッタ12A,12B、振動膜11およびピエゾ振動子13によって、いわゆるマッハ・ツェンダ干渉計が構成されるようになっている。
光電変換素子141,142は、ビームスプリッタ12B上に形成された干渉縞を検出して光電変換し、それぞれ出力信号Sx,Syを出力するものである。これら光電変換素子141,142は、例えばPD(Photo Diode)などにより構成される。
デジタル角度変換部15は、光電変換素子141,142からそれぞれ出力される出力信号Sx,Syを後述する所定のカウントタイミングでカウントし、デジタル信号である出力信号Sθを出力するものである。
量子化器16は、デジタル角度変換部15から出力される出力信号Sθと所定の閾値との大小を比較することにより、「+1」または「−1」という2値化された出力信号(音声信号Sout)を出力するものである。
遅延回路171は、出力信号である音声信号Soutを1サンプル分遅延をかけて出力するものである。また、積分器172は、遅延回路171の出力信号に対して積分処理を施すものである。また、ゲイン付与回路173は、積分器172の出力信号に対して所定のゲインを付与して出力するものである。なお、これら遅延回路171、積分器172およびゲイン付与回路173によって、ピエゾ振動子ドライバ181に対するフィードバックループ(帰還経路)が形成されるようになっている。
ピエゾ振動子ドライバ181は、ピエゾ振動子13を駆動するものであり、詳細は後述するが、音波Swによる振動膜11の変位に応じて、ピエゾ振動子13を変位させるようになっている。
次に、図1と比較しつつ図2および図3を参照して、ΔΣ変調器の構成について説明する。ここで、図2は、一般的なΔΣ変調器の構成例(ΔΣ変調器100)を表したものであり、図3は、以下説明するようにΔΣ変調器200と等価な構成からなるΔΣ変調器(ΔΣ変調器200)を表したものである。
図2に示したΔΣ変調器100は、入力Xから後述するゲイン付与回路207の出力信号を減算処理する減算器103と、この減算器103の出力信号に対して積分処理を施す積分器101と、この積分器101の出力信号から量子化ノイズNqで2値量子化を行う量子化器104と、この量子化器104の出力Yに対して1サンプル分遅延をかける遅延回路105と、この遅延回路105の出力信号に対して所定のゲインを付与するゲイン付与回路107とを有している。そして入力Xは、例えば以下の(1)式で示したように変換されて出力Yとして出力され、量子化ノイズNqに対してノイズシェービング効果が表されるようになっている。
一方、図3に示したΔΣ変調器200は、入力X(信号S200)に対して積分処理を施す積分器201と、この積分器201の出力信号から後述する積分器206の出力信号を減算処理する減算器203と、この減算器203の出力信号S203に対して量子化ノイズNqで2値量子化を行う量子化器204と、この量子化器204の出力Y(出力信号S204)に対して1サンプル分遅延をかける遅延回路205と、この遅延回路205の出力信号S205に対して積分処理を施す積分器206とを有している。そして入力Xは、例えば以下の(2)式で示したように変換されて出力Yとして出力され、量子化ノイズNqに対してノイズシェービング効果が表されるようになっている。つまり、ΔΣ変調器100に対応する(1)式と、ΔΣ変調器200に対応する(2)式とが同じ結果となるため、これらΔΣ変調器100,200は、互いに等価な構成であるといえる。
Figure 2008128911
ここで、本実施の形態のマイクロホン装置1では、振動膜11がΔΣ変調器200における積分器201に対応し、光電変換素子141,142、デジタル角度変換部15および量子化器16が、ΔΣ変調器200における量子化器204に対応している。
具体的には、振動膜11は、その機械的な要素として積分特性を付加するものである。より具体的には、例えば面積Seの振動膜11に音圧Pがかかる場合に力Fが生じるものとし、振動膜11のスティフネスをSm(厳密には、振動膜11自体のスティフネスと、図示しないカプセル気室によるスティフネスとの和)、質量をmおよび抵抗をRmとすると、以下の(3)式のような運動方程式が成り立つ。ここで、振動膜の変位xは力Fに対して2次のローパスフィルタ特性の応答を示すが、その固有振動周波数fは通常、可聴周波数限界の例えば20kHz付近に設定されており、また、過度な共振が起こらないように抵抗Rmを十分に大きく選択し、共振鋭度が小さく設定されるようになっている。また、現実の振動膜11の固有振動周波数fは、ΔΣ変調器100のサンプリング周波数に比べ十分低いため、この周波数帯域では、振動膜11は機械的過渡応答として積分特性を持っているとみなしてよい。
Figure 2008128911
また、光電変換素子141,142、デジタル角度変換部15および量子化器16では、前述のように、ビームスプリッタ12B上の干渉縞の検出信号(出力信号)Sx,Syに基づくデジタル信号Sθを量子化し、「+1」または「−1」という2値化された出力信号(音声信号Sout)として出力するため、振動膜11の変位というアナログデータを、干渉縞を利用して2値化されたデジタルデータ(音声信号Sout)として出力する量子化器104に対応していることになる。
次に、図4および図5を参照して、本実施の形態のマイクロホン装置1の動作を、図3に示したΔΣ変調器200の動作と比較しつつ説明する。ここで、図4は、ΔΣ変調器200の基本動作を表したものであり、図5は、デジタル角度変換部15において作成されるリサージュ図形の一例を表したものである。
ます、本実施の形態のマイクロホン装置1は、上記のようにΔΣ変調器200の構成を含んでいる。ここで、このΔΣ変調器200の基本動作としては、例えば図4に示したようになる。すなわち、入力X(信号S200:図4(A))に対して積分器201により積分処理が施され、減算器203において、積分器201の出力信号から後述する積分器206の出力信号が減算される。そしてこの減算器203の出力信号S203(図4(A))に対し、量子化器204において量子化ノイズNqで2値量子化が行われ、出力Y(出力信号S204:図4(B))として出力される。一方、量子化器204の出力Y(出力信号S204)に対し、遅延回路205において1サンプル分遅延がかけられると共にこの遅延回路205の出力信号S205(図4(C))に対し、積分器206において積分処理が施され、この積分器206の出力信号が、上記したように減算器203へ入力するようになっている。
次に、各部の動作を具体的に説明すると、まず、レーザ光源10Aからレーザ光Lが出射されると、このレーザ光Lはコリメータレンズ10Bで平行光に変換され、その後ビームスプリッタ12Aで、振動膜11側の光路(透過光路)と、ピエゾ振動子13側の光路(反射光路)とに分けられる。そして透過光路のレーザ光は、振動膜11で反射され、反射光としてビームスプリッタ12Bへ入射する一方、反射光路のレーザ光(参照光)は、ピエゾ振動子13で反射され、ビームスプリッタ12Bへ入射する。
すると、ビームスプリッタ12Bでは、反射光路からの参照光と、透過光路からの反射光とが互いに干渉し、干渉縞が形成される。そしてこれら2つの光路の干渉光(干渉縞)は、光電変換素子141,142で検出される。このとき、図示しないピンホールの位置の調整等により、これら光電変換素子141,142でそれぞれ検出される干渉縞の位相が調整され、互いに位相が90度ずれた状態で検出されるようになっている。なお、光電変換素子141で検出されたレーザ光は電気信号に変換され、出力信号Sxとして出力される一方、光電変換素子142で検出されたレーザ光も電気信号に変換され、出力信号Syとして出力される。
次に、デジタル角度変換部15では、光電変換素子141,142からの出力信号Sx,Syをそれぞれ、X信号およびY信号とみなして、例えば図5に示したような円状または円弧状のリサージュ図形を生成するようになっている。具体的には、2つの光路からの干渉光の振幅をそれぞれA,B、光路差をΔL、波長をλとすると、干渉光の強度lx,lyは、それぞれ以下の(4)〜(6)式のように表される。そして出力信号Sx,Syはそれぞれ、干渉光の強度Ix,Iyに応じた信号X,Yを出力し、光強度のDC項であるA+Bに相当するDC成分信号CX,CYをキャンセルし、さらに以下の(7)式で表される光強度ゲインGに相当するゲインG’を持ったアンプ(図示せず)を通すことにより、x,y信号を得る。このようにして以下の(8),(9)式の演算を行うことにより、(X,Y)信号から(x,y)信号が得られる。
lx=A+B+2ABcosθ …(4)
ly=A+B+2ABsinθ …(5)
θ=(2π×ΔL)/λ …(6)
G=1/(2AB) …(7)
x=(X−CX)×G’=cosθ …(8)
y=(Y−CY)×G’=sinθ …(9)
すると、上記(8),(9)式の演算により、信号点(x,y)の動きから、図5に示したように中心点Cを中心とする円周上を運動するリサージュ図形が得られる。このとき、光電変換素子141,142で検出された検知ポイント(例えば、図中の信号点P1)は、この円周上の1点であり、振動膜11の変位に従って円周上を変位することになる。したがって、このような信号点P1が所定の基準点(例えば、x軸およびy軸上の4つの基準点Pa〜Pd)を通過する回数n(n=+/−1,2,…)をカウントし、さらに以下の(10)式で表される演算を行えば、θを(−(π/2)<θ<+(π/2))の範囲において一義的に決めることができる。これは近似式を演算してもよいが、ルックアップ・テーブルを用いれば高速に求めることができる。そして前述のカウント値とあわせ、以下の(11)式で表される角度出力を得る。
θ’=tan−1(y/x) …(10)
θ=θ’+n×(π/2) …(11)
なお、図1に示した干渉計の構成では45度反射となっているので、レーザ光Lの波長をλとすると、検出可能な振動膜11の変位量δと波長λとの関係は、以下の(12)式のようになる。
Figure 2008128911
次に、量子化器16では、デジタル角度変換部15から出力されるデジタルの出力信号Sθが量子化され、「+1」または「−1」という2値化された出力信号として、音声信号Soutが出力される。
また、この際、遅延回路171、積分器172およびゲイン付与回路173によって、ピエゾ振動子ドライバ181に対するフィードバックループ(帰還経路)が形成されている。
そしてピエゾ振動子ドライバ181では、ゲイン付与回路173からの入力に応じてピエゾ振動子13が変位するように制御され、ピエゾ振動子13が変位する。
このようにして本実施の形態のマイクロホン装置1では、音波Swによる振動によって変位する振動膜11に対し、レーザ光源10Aから出射されビームスプリッタ12Aを透過したレーザ光Lが入射し、この振動膜11で反射されることで反射光となる。一方、ビームスプリッタ12Aで反射されたレーザ光Lはピエゾ振動子13へ入射し、このピエゾ振動子13で反射され、参照光としてビームスプリッタ12Bへ入射する。そしてビームスプリッタ12Bでは、反射光と参照光とが互いに干渉し、干渉縞が形成される。ここで、振動膜11やピエゾ振動子13の変位などにより干渉計内で光路変化が生じると、上記参照光と反射光との位相差が変化し、干渉縞も変化する。そしてこのような干渉計内の光路変化による参照光と反射光との位相差の変化が、ΔΣ変調器の帰還パラメータとしてピエゾ振動子ドライバ181へフィードバックされ、振動膜11の振動が音声信号Soutとして検出される。
以上のように本実施の形態では、干渉計内の光路変化による参照光と反射光との位相差変化を干渉計(ピエゾ振動子ドライバ181)への帰還パラメータとするΔΣ変調器を含むようにしたので、簡易な構成で振動膜11の振動を2値化された音声信号Soutとしてデジタル検出することができる。また、光学系にΔΣ変調器の帰還ループを持つため、光学系内でのドリフトなどにより生じるエラーを減少させることができ、より忠実な振動検出が可能になる。
また、ΔΣ変調器を含むようにしたので、ノイズシェービング効果により、可聴帯域内の量子化ノイズの低ノイズ化を実現することが可能となる。
また、干渉計としてマッハ・ツェンダ干渉計を用いるようにしたので、波長板や偏光ビームスプリッタなどの高価な光学部品を使わずに、レーザ光源10Aに対してレーザ光Lの戻り光が生じないようにすることができ、安価にレーザ光源10Aでのノイズ発生を回避することが可能となる。
また、光による非接触センシングを行うことができるので、振動膜11の大きさや軽さを自由に選択することができ、ダイナミックレンジおよび周波数特性を、従来のダイナミック方式やコンデンサ方式等のアナログ方式に対して、無限に近く拡大することができる。
また、干渉縞のカウントにより、直接デジタル信号を取り出すことができるため、角度検出精度を上げることで、容易にS/N比を低減し、出力する音声信号Soutの低ノイズ化を実現することができる。また、マイクロホン装置1から直接デジタル信号が得られるので、デジタル伝送を容易に実現でき、マイクロホン装置1から長いラインの引き回すような場合であっても、ノイズ等の影響をなくすことができる。
なお、本実施の形態では、振動膜11の変位に応じて、干渉計内の2つの光路のうちの一方の光路(この場合、ピエゾ振動子13側の光路)の光路長を変化させて2つの光路の光路差を変化させるようにした場合について説明したが、例えば両方の光路(この場合、ピエゾ振動子13側の光路および振動膜11側の光路)の光路長をそれぞれ、互いの光路差が拡大する方向に変化させるようにしてもよい。
また、例えば図6中に符号G1で示したように、参照光と反射光との位相差の変化(変化量W1)が小さく(振動膜11の振動が小さい)、出力信号値xの変化(図上の点P2の変化)が略線形の応答を示しているような場合には、例えば図7に示したマイクロホン装置1Aのように、光電変換素子を1つだけ設ける(この場合、出力信号Sxを出力する光電変換素子141のみを設ける)ようにしてもよい。ここで、出力信号Sxの動作点が線形領域に常に存在するためには、ごく低いカットオフ周波数を持つローパスフィルタにより動作点の中心値を求め、この値がゼロに近づくようにピエゾ振動子ドライバ181に対して帰還を行なう。この帰還信号はΔΣ帰還信号に加算してピエゾ振動子ドライバ181に加えればよい。このように構成した場合、光電変換素子を1つ省くことができると共に、図7に示したようにデジタル角度変換部15も省くことができるので、装置全体をより小型化し、低コスト化を図ることも可能となる。
また、本実施の形態では、干渉計内に2つのビームスプリッタ12A,12Bを設けていたが、例えば図8に示したマイクロホン装置1Bのように、ビームスプリッタ12A,12Bの代わりに2つのハーフミラー12C,12Dを設けると共に、振動膜11の変位に応じて、ピエゾ振動子13に加えて(あるいはこれの代わりに)ハーフミラー12C,12Dへもフィードバックをかけ、ハーフミラードライバ182によってこれらハーフミラー12C,12Dも変位させるようにしてもよい。なお、ハーフミラー12C,12Dではなく、図1に示したようなビームスプリッタ12A,12Bを変位させるようにしてもよいが、ハーフミラーのほうが軽量であり動かしやすいことから、ハーフミラーを変位させるようにするのが好ましい。
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はこの実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
例えば、上記実施の形態で説明した、リサージュ図形の−(π/2)<θ<+(π/2)の範囲において一義的に決まる角度に対して角度分割のカウント数を増やすようにしてもよい。このように構成した場合、角度分解能を上げることで、検出感度を向上させることが可能となる。
また、上記実施の形態では、光電変換素子141,142からのアナログの出力信号Sx,Syを、デジタル角度変換部15によってA/D変換してから量子化器16へ入力させる場合について説明したが、例えばこのデジタル角度変換部15を省くようにし、アナログの出力信号Sx,Syを量子化器16で直接2値化するようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、干渉計をいわゆるマッハ・ツェンダ干渉計により構成した場合について説明したが、例えば図9に示したマイクロホン装置1Cのように、振動膜11、1つのミラー12E、2つのビームスプリッタ12A,12B、5つのλ/4板12F1〜12F5および2つの偏光板12G1,12G2によって干渉計をいわゆるマイケルソン干渉計により構成し、ミラー12E(ミラードライバ(ピエゾ振動子ドライバ)184)に対してΔΣ変調器のフィードバックをかけるようにしてもよい。
また、例えば、干渉計内の一方の光路に他方の光路とは異なる屈折率の材料の部材を配置することにより、参照光と反射光との位相差を変化させるようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、レーザ光Lを発する光源として半導体レーザを挙げて説明したが、これ以外にも例えば、ガスレーザや固定レーザなどを用いるようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、本発明の振動検出装置の一例として、振動体が音波に応じて振動する振動膜(振動膜11)であり、この振動膜11の振動を音声信号Soutとして検出する光学式マイクロホン装置について説明したが、本発明の振動検出装置はこれには限られず、他の振動を検出するように構成してもよい。
さらに、本発明の振動検出装置(マイクロホン装置)は、例えば図10に示したように、図1に示したマイクロホン装置1(あるいは、図7に示したマイクロホン装置1A、図8に示したマイクロホン装置1B、または図9に示したマイクロホン装置1Cなど)に加え、このマイクロホン装置1から出力される音声信号Soutをエンコードする伝送フォーマットエンコーダ2と、この伝送フォーマットエンコーダ2とデジタル伝送経路(例えば、光ファイバなど)で接続された編集機器3、1ビットストリーム方式レコーダ4およびPCM(Pulse Code Modulation)方式レコーダ6と、1ビット方式記録メディア51と、PCM方式記録メディア71と、再生機器アンプスピーカ52,72とから構成される音声信号記録再生システムに適用することが可能である。このような構成の音声信号記録再生システムでは、2値化された音声信号Soutを伝送することができるため、アナログの音声信号を伝送する場合と比べ、容易に長距離伝送をすることが可能となる。
本発明の一実施の形態に係る振動検出装置の全体構成を表すブロック図である。 一般的なΔΣ変調器の構成例を表すブロック図である。 一般的なΔΣ変調器の他の構成例を表すブロック図である。 図3に示したΔΣ変調器の動作を説明するためのタイミング波形図である。 図1に示したデジタル角度変換部において作成されるリサージュ図形の一例を表す図である。 図1に示した干渉計において位相差が少ない場合の位相差と光電変換素子の出力信号との関係を表す特性図である。 本発明の変形例に係る振動検出装置の全体構成を表すブロック図である。 本発明の他の変形例に係る振動検出装置の全体構成を表すブロック図である。 本発明の他の変形例に係る振動検出装置の全体構成を表すブロック図である。 図1に示した振動検出装置を備えた音声記録再生システムの構成例を表すブロック図である。
符号の説明
1,1A〜1C…マイクロホン装置、10A…レーザ光源、10B…コリメータレンズ、11…振動膜、12A,12B…ビームスプリッタ、12C,12D…ハーフミラー、12E…ミラー、12F1〜12F5…λ/4板、12G1,12G2…偏光板、13…ピエゾ振動子、141,142…光電変換素子、15…デジタル角度変換部、16…量子化器、171…遅延回路、172…積分器、173…ゲイン付与回路、181…ピエゾ振動子ドライバ、182…ハーフミラードライバ、184…ミラードライバ、2…伝送フォーマットエンコーダ、3…編集機器、4…1ビットストリーム方式レコーダ、51…1ビット方式記録メディア、52,72…再生機器アンプスピーカ、6…PCM方式レコーダ、71…PCM方式記録メディア、Sw…音波、Sx,Sy…光電変換素子からの出力信号、Sθ…デジタル角度変換部からの出力信号、Sout…音声信号、L…レーザ光、C…中心点、P1,P2…信号点、Pa〜Pd…基準点。

Claims (9)

  1. 振動体と、レーザ光を発する光源と、前記レーザ光に基づく参照光と前記レーザ光に基づいて前記振動体で反射された反射光とを互いに干渉させて干渉縞を形成する干渉計とを含んで構成され、この干渉計内の光路変化による前記参照光と前記反射光との位相差変化を前記干渉計または前記光源への帰還パラメータとして前記振動体の振動を検出するΔΣ(デルタ・シグマ)変調器を含んで構成されている
    ことを特徴とする振動検出装置。
  2. 前記参照光と前記反射光との光路差を変化させることでこれらの位相差を変化させるように構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の振動検出装置。
  3. 前記干渉計が、
    前記光源からのレーザ光を、前記参照光側の光路と前記反射光側の光路とに分離して進行させるための第1の光学手段と、
    前記参照光を反射させる反射体と、
    前記反射体で反射された参照光と、前記振動体で反射された反射光とを互いに干渉させるための第2の光学手段とを含んで構成され、
    前記反射体、前記第1の光学手段および前記第2の光学手段のうちの少なくとも1つを変位させることで前記参照光と前記反射光との光路差を変化させるように構成されている
    ことを特徴とする請求項2に記載の振動検出装置。
  4. 前記第1および第2の光学手段が、ハーフミラーにより構成されている
    ことを特徴とする請求項3に記載の振動検出装置。
  5. 前記干渉計が、マッハ・ツェンダ干渉計により構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の振動検出装置。
  6. 前記干渉計が、マイケルソン干渉計により構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の振動検出装置。
  7. 前記ΔΣ変調器は、
    前記干渉縞を互いに位相が90度ずれた状態で検出する2つの光電変換素子と、
    前記2つの光電変換素子からの出力信号を信号点とみなして、平面上に円状または円弧状のリサージュ図形を生成する図形生成手段と、
    生成されたリサージュ図形上において、信号点が所定の基準点を通過する回数をカウントするカウンタと、
    カウントされた回数を所定の基準値と比較する比較器とを含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の振動検出装置。
  8. 前記ΔΣ変調器は、
    前記干渉縞を検出する光電変換素子と、
    前記光電変換素子からの信号値を所定の基準値と比較する比較器とを含み、
    前記光電変換素子からの信号値の変化が、略線形の応答を示すように構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の振動検出装置。
  9. 前記振動体が音波に応じて振動する振動膜であり、この振動膜の振動を音声信号として検出する光学式マイクロホン装置として構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の振動検出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017003397A (ja) * 2015-06-09 2017-01-05 国立大学法人 新潟大学 平面振動計測装置及び平面振動計測方法
CN114966105A (zh) * 2022-04-18 2022-08-30 北京华卓精科科技股份有限公司 一种加速度计

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