JP2008128471A - 流体封入式筒型防振装置とその製造方法 - Google Patents

流体封入式筒型防振装置とその製造方法 Download PDF

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孝司 牧野
Tetsushi Ando
哲史 安東
Tomomi Suzuki
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Abstract

【課題】部品点数が少なくなることで製造作業の効率化や低コストが有利に図られ得る、新規な構造の流体封入式筒型防振装置を提供する。
【解決手段】本体ゴム弾性体16にはアウタ筒部材14の内周面に沿って軸方向に延び出すゴム筒状部が一体形成されており、アウタ筒部材14から内周側に向かって突出するオリフィス形成突部30がゴム筒状部によって形成されていると共に、オリフィス形成突部30の軸方向一方の側には受圧室44に開口するアンダーカット部分34が設けられている一方、オリフィス形成突部30の軸方向他方の側には軸方向端面の外周部分から軸方向に延びる嵌入溝32が設けられており、可撓性膜36の外周部分に固着された嵌着外筒部材38が嵌入溝32に嵌め入れられてアウタ筒部材14に嵌着固定されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、内部に封入された非圧縮性流体の流動作用に基づいて防振効果を得るようにした流体封入式の筒型防振装置に係り、例えば、自動車用のエンジンマウントやサブフレームマウント、ボデーマウント、デフマウント、サスペンションブッシュ等に適用される流体封入式筒型防振装置や流体封入式筒型防振装置の製造方法に関するものである。
従来から、振動伝達系を構成する部材間に介装される防振連結体乃至は防振支持体の一種として、流体封入式の筒型防振装置が知られている。この流体封入式筒型防振装置は、インナ軸金具とその外周側に離隔配置されたアウタ筒金具の軸直角方向対向面間に本体ゴム弾性体を配設しそれらを本体ゴム弾性体で連結した構造とされている。また、内部には、壁部の一部が本体ゴム弾性体で構成されて本体ゴム弾性体の弾性変形に基づき圧力変動が生ぜしめられる受圧室と、壁部の一部がダイヤフラムで構成されてダイヤフラムの弾性変形に基づき容積変化が許容される平衡室が形成されて、それら受圧室と平衡室に非圧縮性流体が封入されていると共に、両室がオリフィス通路を通じて相互に連通せしめられている。このような筒型防振装置においては、振動入力時に、受圧室と平衡室に相対的な圧力変動が惹起されてオリフィス通路を通じて流動せしめられる流体の共振作用等の流動作用により防振効果が得られることとなる。例えば、特許文献1(特開2004−211765号公報)に示されるものがそれであり、自動車用のエンジンマウントやサスペンションブッシュ等への適用が検討されている。
ところで、上記特許文献1に示される従来構造の流体封入式筒型防振装置では、一般に、オリフィス通路が、インナ軸金具とアウタ筒金具の軸直角方向対向面間に配設されてアウタ筒金具から内周側に向かって突出する環状のオリフィス部材の内周側に設けられることが多い。そのため、オリフィス通路の形成に際して、オリフィス部材がアウタ筒金具やインナ軸金具と別体形成されてそれらの間に配設される分だけ、部品点数や組み付け工程が多くなり、製造の煩雑化やコスト上昇が避けられ難い問題があった。
なお、このような問題に対処するために、オリフィス部材をアウタ筒金具またはインナ軸金具若しくはダイヤフラムの外周部分に固着される固定金具等と一体形成することも考えられる。
ところが、そのような一体構造を採用すると、アウタ筒金具及びインナ軸金具を備えた本体ゴム弾性体の一体加硫成形品や固定金具を備えたダイヤフラムの一体加硫成形品を形成する際に、型抜き構造が複雑となって、受圧室や平衡室の設計変更が著しく制限されてしまうことから、採用は現実的でないのである。
特開2004−211765号公報
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、部品点数が少なくなることで製造作業の効率化や低コスト化が有利に図られ得る、新規な構造の流体封入式筒型防振装置と流体封入式筒型防振装置の新規な製造方法を提供することにある。
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載されたもの、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
すなわち、本発明の特徴とするところは、インナ軸部材の外周側に離隔してアウタ筒部材が配設されて、インナ軸部材とアウタ筒部材の軸方向一方の側に本体ゴム弾性体が設けられ、それらインナ軸部材とアウタ筒部材が本体ゴム弾性体で連結されている一方、インナ軸部材とアウタ筒部材の軸方向他方の側が可撓性膜で流体密に閉塞されていると共に、本体ゴム弾性体と可撓性膜との軸方向中間部分においてアウタ筒部材から内周側に向かって突出して周方向に延びるオリフィス形成突部が設けられており、オリフィス形成突部を挟んだ軸方向両側において壁部の一部が本体ゴム弾性体で構成された受圧室と壁部の一部が可撓性膜で構成された平衡室が形成されて、受圧室と平衡室に非圧縮性流体が封入されていると共に、それら受圧室と平衡室を相互に連通するオリフィス通路がオリフィス形成突部の内周側に形成されている流体封入式筒型防振装置において、本体ゴム弾性体にはアウタ筒部材の内周面に沿って軸方向に延び出すゴム筒状部が一体形成されており、アウタ筒部材から内周側に向かって突出するオリフィス形成突部がゴム筒状部によって形成されていると共に、オリフィス形成突部における軸方向一方の側には受圧室に開口するアンダーカット部分が設けられている一方、オリフィス形成突部における軸方向他方の側には軸方向端面の外周部分から軸方向に延びる嵌入溝が設けられており、可撓性膜の外周部分に固着された嵌着外筒部材が嵌入溝に嵌め入れられてアウタ筒部材に嵌着固定されていることにある。
このような本発明に従う構造とされた流体封入式筒型防振装置においては、オリフィス通路を形成するオリフィス形成突部が、本体ゴム弾性体と一体形成されたゴム筒状部によって構成されている。それによって、オリフィス通路を形成する部材を別途準備する必要がなくなり、部品点数が削減されて、製造工程の短縮化や低コスト化が有利に図られ得る。
また、オリフィス形成突部の嵌入溝に嵌着外筒部材が嵌め入れられていることによって、ゴム筒状部からなるオリフィス形成突部の剛性が、嵌着外筒部材の剛性に基づき向上される。これにより、大振幅振動の入力に伴いオリフィス形成突部に大きな荷重がかかった場合にも、オリフィス形成突部の変形が抑えられて、オリフィス通路の形状や大きさ等が保持されることから、オリフィス通路を通じての流体の共振作用等の流動作用に基づく防振効果(オリフィス効果)が有利に発揮され得る。
さらに、オリフィス通路がオリフィス形成突部の内周側に形成されていることによって、オリフィス通路の開口縁部がオリフィス形成突部の内周側への突出先端部を含んで構成されていると共に、特に、オリフィス形成突部の軸方向一方の側には、受圧室に開口するアンダーカット部分が設けられている。これにより、オリフィス通路の開口縁部が受圧室のアンダーカット部分を備えた開口部よりも内側に位置せしめられることとなり、受圧室においてオリフィス形成突部のオリフィス通路に向かう経路が狭窄されている。その結果、受圧室の圧力変動が有効に惹起せしめられて、受圧室と平衡室の相対的な圧力変動の差により、オリフィス通路を通じての流体流動量が十分に確保され、所期のオリフィス効果が安定して得られるのである。
そこにおいて、本構造の流体封入式筒型防振装置によれば、アンダーカット部分を備えた受圧室の壁部を構成する本体ゴム弾性体の加硫成形において、受圧室の壁部から型抜きをする際に、オリフィス形成突部の外周部分に設けられた嵌入溝を利用して、オリフィス形成突部を外周側に向けて弾性変形させつつ、型を抜くことも可能となる。これにより、本体ゴム弾性体やオリフィス形成突部の損傷が抑えられて、耐久性が向上され得ることに加え、製造が容易になる。
それ故、本発明に従う構造とされた流体封入式筒型防振装置においては、目的とする防振性能が安定して得られつつ、低コスト化や製造効率の向上が有利に達成され得るのである。
また、本発明に係る流体封入式筒型防振装置においては、オリフィス形成突部とアンダーカット部分および嵌入溝が、周方向の全周に亘って連続して延びている構造が、採用されても良い。このような構造によれば、オリフィス形成突部やアンダーカット部分が全周に亘って形成されていることによって、オリフィス通路や受圧室等の設計自由度が向上され得る。更に、嵌入溝が全周に亘って形成されていることにより、アンダーカット部分を備えた受圧室の壁部から型抜きをする際に、オリフィス形成突部を外周側に向けて弾性変形させる方向が特に限定されることがなくなり、製造の更なる容易化が図られ得る。
また、本発明に係る流体封入式筒型防振装置においては、オリフィス形成突部が、嵌入溝の少なくとも開口端縁部において、オリフィス形成突部を構成する本体ゴム弾性体の弾性を利用して嵌着外筒部材の内周面に押し付けられている構造が、好適に採用される。このような構造によれば、嵌入溝の開口端縁部の側に設けられた平衡室のシール性能が、簡単な構造で、有利に向上され得る。
また、本発明に係る流体封入式筒型防振装置においては、アウタ筒部材の内周面には、本体ゴム弾性体から一体的に延び出してオリフィス形成突部よりも軸方向外方にまで至る外周側シールゴム層が固着形成されており、この外周側シールゴム層を挟んで、アウタ筒部材に対して嵌着外筒部材が嵌着固定されている構造が、好適に採用される。このような構造によれば、嵌着外筒部材の開口部が流体密に封止されて、かかる嵌着外筒部材の内側に設けられた平衡室におけるシール性能の更なる向上が図られ得る。
また、本発明に係る流体封入式筒型防振装置においては、嵌入溝が、オリフィス形成突部の軸方向長さの1/2以上の軸方向深さ寸法とされている構造が、好適に採用される。これによれば、嵌入溝に入り込む嵌着外筒部材の軸方向寸法を一層大きくすることが出来、それによって、嵌着外筒部材をオリフィス形成突部に対して一層安定して組み付けることが出来ることに加え、嵌着外筒部材の剛性に基づいて、オリフィス形成突部の剛性が一層向上され得る。また、アンダーカット部分を備えた受圧室の壁部から型抜きをする際に、オリフィス形成突部を外周側に向けて一層大きく弾性変形させることも可能となり、それに伴い、一層大きな型を用いてアンダーカット部分を形成することも可能であることから、アンダーカット部分を備えた受圧室の設計自由度がより向上され得る。
また、本発明に係る流体封入式筒型防振装置においては、インナ軸部材とアウタ筒部材には、何れも、本体ゴム弾性体が設けられた軸方向一方の側において外周側に向かって広がるフランジ状部が形成されており、インナ軸部材のフランジ状部とアウタ筒部材のフランジ状部との対向面が相互に本体ゴム弾性体で連結されている構造が、採用されても良い。これによれば、インナ軸部材とアウタ筒部材の間における本体ゴム弾性体の有効面積が一層大きく確保されて、インナ軸部材とアウタ筒部材の相対的な変位に基づくばね特性を一層効果的に得ることが出来、延いては本体ゴム弾性体の弾性変形に基づき受圧室の圧力変動が一層有利に惹起されて、オリフィス効果がより有効に発揮され得る。
さらに、本発明の特徴とするところは、(イ)インナ軸部材とその外周側に離隔配置されたアウタ筒部材が軸方向一方の側において本体ゴム弾性体で連結されており、本体ゴム弾性体にはアウタ筒部材の内周面に沿って軸方向に延び出すゴム筒状部が一体形成されて、アウタ筒部材から内周側に向かって突出するオリフィス形成突部がゴム筒状部によって形成されていると共に、オリフィス形成突部におけるゴム筒状部の軸方向基端側にはアンダーカット部分が設けられている一方、オリフィス形成突部にはゴム筒状部の軸方向先端側の端面に開口して軸方向基端側に向かって延びる嵌入溝が設けられた第一の一体加硫成形品を準備する第一の加硫成形工程と、(ロ)環状の可撓性膜の内周縁部に嵌着内筒部材が加硫接着されていると共に、可撓性膜の外周縁部に嵌着外筒部材が加硫接着された第二の一体加硫成形品を準備する第二の加硫成形工程と、(ハ)非圧縮性流体中において、第一の一体加硫成形品のインナ軸部材の軸方向他方の側に第二の一体加硫成形品の嵌着内筒部材を外挿すると共に、第一の一体加硫成形品のアウタ筒部材の軸方向他方の側に第二の一体加硫成形品の嵌着外筒部材を内挿し、嵌着外筒部材を第一の一体加硫成形品の嵌入溝に差し入れる組付工程と、(ニ)第一の一体加硫成形品のアウタ筒部材に縮径加工を施すことによって、第二の一体加硫成形品の嵌着外筒部材を第一の一体加硫成形品のアウタ筒部材に対して嵌着固定する嵌着工程とを、含む流体封入式筒型防振装置の製造方法にある。
このような本発明の製造方法に従えば、オリフィス形成突部が、本体ゴム弾性体と一体形成されたゴム筒状部で形成されることによって、部品点数の増加が避けられることとなり、その結果、オリフィス通路を形成するオリフィス部材等を別途準備して、上述の(イ)〜(ニ)の工程に加えてオリフィス部材を組み付ける工程が省略されることから、製造工程やコストの削減化が有利に図られ得る。
しかも、オリフィス形成突部の外周部分に形成された嵌入溝に嵌着外筒部材が差し入れられ、更にアウタ筒部材の縮径加工によって嵌着外筒部材がアウタ筒部材に嵌着固定されることによって、オリフィス形成突部の剛性が向上されると共に、オリフィス形成突部の弾性を利用して平衡室の流体密性が向上されることから、所期の防振性能が安定して得られるのである。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について説明する。先ず、図1には、本発明の流体封入式筒型防振装置に係る一実施形態としての自動車用エンジンマウント10が示されている。このエンジンマウント10は、インナ軸部材としての内筒金具12とアウタ筒部材としての外筒金具14が、互いに径方向に所定距離を隔てて位置せしめられていると共に、それらの間に介装された本体ゴム弾性体16で相互に弾性連結された構造とされている。エンジンマウント10は、内筒金具12が図示しない防振連結される一方の部材としてのパワーユニット側の取付部材に固定されると共に、外筒金具14が図示しない防振連結される他方の部材としてのボデー側の取付部材に固定されることによって、パワーユニットをボデーに対して防振支持せしめるようになっている。
なお、図1では、自動車に装着する前のエンジンマウント10の単体での状態が示されているが、本実施形態では、装着状態において、パワーユニットの分担支持荷重がマウント軸方向(図1中、上下)に入力される。従って、マウント装着状態では、本体ゴム弾性体16の弾性変形に基づき内筒金具12の軸方向一方(図1中、上)の端部と外筒金具14の軸方向他方(図1中、下)の端部が軸方向で互いに接近する方向に変位する。また、かかる装着状態下、防振すべき主たる振動は、略マウント軸方向に入力されることとなる。以下の説明中、特に断りのない限り、上下方向は、マウント軸方向となる図1中の上下方向をいう。
より詳細には、内筒金具12は、小径の円筒形状を有している。この内筒金具12の内孔にボルトやロッド等が挿通されて、パワーユニット側の取付部材に固定されるようになっている。また、内筒金具12の軸方向一方の端部には、軸直角方向(図1中、左右)に広がる略円板形状のフランジ状部18が固設されている。
一方、外筒金具14は大径の円筒形状を有していると共に、その軸方向一方(図1中、上)の側には該一方の端部から軸方向中間部分に向かって径寸法が小さくなるテーパ形状のフランジ状部20が一体形成されている。このフランジ状部20を備えた外筒金具14の軸方向寸法が、内筒金具12の軸方向寸法に比して小さくされている。外筒金具14が図示しない円形の孔を備えた取付ブラケットに圧入されて取付ブラケットが車両ボデーに固定されるようになっている。かかる外筒金具14が内筒金具12の径方向外方に所定距離を隔てて配されて、両金具12,14が略同心軸上に位置せしめられている。また、内筒金具12の軸方向両端部が、外筒金具14の軸方向両端部よりも軸方向外方に位置せしめられていると共に、内筒金具12のフランジ状部18と外筒金具14のフランジ状部20が、軸方向に所定距離を隔てて対向位置せしめられている。これら内筒金具12と外筒金具14の間には、本体ゴム弾性体16が配設されている。
本体ゴム弾性体16は、厚肉の略円筒形状を有しており、内周面が内筒金具12の外周面に加硫接着されていると共に、外周面が外筒金具14の内周面に加硫接着されている。更に、本体ゴム弾性体16が内筒金具12のフランジ状部18と外筒金具14のフランジ状部20の軸方向対向面間にまで延びており、本体ゴム弾性体16の表面が、両フランジ状部18,20の各対向面に加硫接着されている。その結果、各フランジ状部18,20を備えた内筒金具12と外筒金具14が略全体に亘って本体ゴム弾性体16により相互に連結されて、図2,3にも示されているように、本体ゴム弾性体16が内筒金具12や外筒金具14を備えた第一の一体加硫成形品22として形成されている。
また、外筒金具14における軸方向中間部分から軸方向他方(図1中、下)の端部にかけての内周面には、厚肉の本体ゴム弾性体16に代えて、該本体ゴム弾性体16と一体形成された薄肉の外周側シールゴム層24が被着形成されている。即ち、本体ゴム弾性体16の軸方向端部(面)が内筒金具12と外筒金具14の軸方向中間部分まで延びている。外周側シールゴム層24の内周面には、周方向に連続して延びるシールリップの複数条が突設されている。
本体ゴム弾性体16の軸方向端部(面)には、軸方向他方に開口する凹所26が設けられている。凹所26は略一定の円弧状断面で周方向の全周に亘って連続して延びている。
凹所26の周上の二箇所には、すぐり部28が設けられている。すぐり部28は、軸方向視略円弧状断面で、凹所26の上底部から内筒金具12のフランジ状部18に向かって該フランジ状部18に至らない長さで軸方向に延びている。一対のすぐり部28,28が、本体ゴム弾性体16における内筒金具12を挟んだ軸直角方向一方向(図3中、左右)で対向位置せしめられている。
そこにおいて、本体ゴム弾性体16の軸方向端部には、オリフィス形成突部30が一体形成されている。オリフィス形成突部30は、凹所26の外周側の開口端部から軸方向外方(図1,2中、下)に突出しており、略一定の矩形断面で周方向の全周に亘って連続して延びている。即ち、オリフィス形成突部30が、本体ゴム弾性体16と一体形成されて外筒金具14の内周面に沿って軸方向に延び出すゴム筒状部からなり、外筒金具14から内周側に向かって突出する円環形状を呈していると共に、内筒金具12と軸直角方向に所定距離を隔てて位置せしめられている。
オリフィス形成突部30の外周部分には、嵌入溝32が設けられている。嵌入溝32は、オリフィス形成突部30の端部に開口して該端部から軸方向一方(図1中、上)に向かって所定の長さで延びる矩形断面形状をもって、周方向に連続して延びている。外筒金具14に被着された外周側シールゴム層24の軸方向一方の部分とオリフィス形成突部30が、嵌入溝32を挟んで軸直角方向で対向位置せしめられている。
ここで、オリフィス形成突部30の軸方向長さ:l1と嵌入溝32の軸方向深さ:l2の関係が、好ましくはl2/l1>1/2に、より好ましくはl2/l1>2/3とされる。本実施形態では、オリフィス形成突部30の軸方向長さ:l1と嵌入溝32の軸方向深さ:l2が、図4にも示されているように、略同じとされていることから、嵌入溝32がオリフィス形成突部30の軸方向長さ:l1の1/2以上の軸方向深さ:l2を備えている。
さらに、オリフィス形成突部30の軸方向一方(図1中、上)の側には、アンダーカット部分としての切下げ部34が形成されている。切下げ部34は、凹所26の外周壁部の軸方向中間部分からオリフィス形成突部30の軸方向端部と接する開口端部に至る領域において、軸直角方向外方に向かって略円弧形状に膨らむ断面で、周方向の全周に亘って連続して延びている。切下げ部34の軸方向一方の端部が凹所26の外周壁部と協働して放物線を描くように滑らかに接続されていると共に、切下げ部34の軸方向他方(図1中、下)の端部が、オリフィス形成突部30の軸方向一方の端部の内周縁部と接続されている。これにより、凹所26において軸方向一方から軸方向他方のオリフィス形成突部30に至る経路が、切下げ部34の軸方向一方の端部から軸方向中間部分に向かって次第に広げられると共に、切下げ部34の軸方向中間部分からオリフィス形成突部30の軸方向端部と接する軸方向他方の端部にかけて次第に狭窄される形態を呈している。
本実施形態において、切下げ部34の軸直角方向外方の端部は、軸直角方向内方に向かってオリフィス形成突部30の軸方向一方(図1中、上)の端部の内周縁部と所定距離を隔てて位置せしめられていると共に、軸直角方向外方に向かってオリフィス形成突部30の軸方向一方の端部の外周縁部、換言すれば嵌入溝32の軸方向一方の端部と所定距離を隔てて位置せしめられており、特に、その切下げ部34の軸直角方向外方の端部が、オリフィス形成突部30の内周縁部と外周縁部の間の略軸直角方向中央部分、即ちオリフィス形成突部30の厚さ寸法の略中央部分に位置せしめられている。
このような構造とされた第一の一体加硫成形品22には、可撓性膜としてのダイヤフラム36が組み付けられている。ダイヤフラム36は、軸方向に弛みを持った薄肉のゴム膜からなり、全体として略円環板形状を呈している。ダイヤフラム36の外周縁部には、嵌着外筒部材としての大径の円筒形状を有する外側嵌着筒金具38が加硫接着されていると共に、ダイヤフラム36の内周縁部には、嵌着内筒部材としての小径の円筒形状を有する内側嵌着筒金具40が加硫接着されている。即ち、ダイヤフラム36は、外側嵌着筒金具38や内側嵌着筒金具40を備えた第二の一体加硫成形品42として形成されている。
なお、第一の一体加硫成形品22の嵌入溝32の幅寸法:wは、特に限定されるものでないが、好ましくは第二の一体加硫成形品42の外側嵌着筒金具38の厚さ寸法よりも小さくされることとなり、本実施形態では、少なくとも、嵌入溝32において外周側シールゴム層24に突設されたシールリップによって小さくされた部分の幅寸法が、外側嵌着筒金具38の厚さ寸法よりも小さくされている。
かかる第二の一体加硫成形品42の内側嵌着筒金具40に対して内筒金具12の軸方向他方(図1中、下)の端部が圧入固定されている。特に本実施形態では、内側嵌着筒金具40が、軸方向中間部分に形成された段差部を挟んで軸方向一方が大径部とされていると共に、軸方向他方が小径部とされており、更に内筒金具12の軸方向他方の端部を除いた外周面には、本体ゴム弾性体16と一体形成された薄肉の内周側シールゴム層が加硫接着されている。内周側シールゴム層にはシールリップが突設されている。この内側嵌着筒金具40の小径部に内筒金具12の軸方向他方の端部が圧入固定されていると共に、内筒金具12の軸方向下側の部分が、内周側シールゴム層を挟んで内側嵌着筒金具40の大径部に密着状に嵌着固定されている。
また、第二の一体加硫成形品42の外側嵌着筒金具38が、第一の一体加硫成形品22の嵌入溝32に嵌め入れられて、外筒金具14に嵌着固定されている。特に、外筒金具14に縮径加工が施されていることに基づき、外側嵌着筒金具38が、外周側シールゴム層24を挟んで外筒金具14に対して密着状に嵌着固定されていると共に、オリフィス形成突部30を軸直角方向内方に向かって弾性変形させるようにして該オリフィス形成突部30の外周面に密着状に当接している。即ち、外側嵌着筒金具38は、外筒金具14の縮径加工により多少なりとも縮径する材料を用いて形成されることが望ましい。また、上述の説明からも明らかなように、オリフィス形成突部30が、嵌入溝32の少なくとも開口端縁部において、オリフィス形成突部30を構成する本体ゴム弾性体16の弾性を利用して外側嵌着筒金具38の内周面に押し付けられている。
それによって、第二の一体加硫成形品42が第一の一体加硫成形品22に組み付けられていると共に、第一の一体加硫成形品22における内筒金具12と外筒金具14の軸方向他方(図1中、下)の側が、第二の一体加硫成形品42のダイヤフラム36によって流体密に閉塞されている。
これら第一の一体加硫成形品22と第二の一体加硫成形品42で構成された密閉内部の軸方向中間部分には、オリフィス形成突部30が設けられている。そして、オリフィス形成突部30を挟んだ一方(図1中、上)の側に、壁部の一部が本体ゴム弾性体16で構成されて、本体ゴム弾性体16の弾性変形に基づいて圧力変動が生ぜしめられる受圧室44が形成されている。本実施形態では、かかる受圧室44の壁部の一部が、本体ゴム弾性体16に形成された凹所26と切下げ部34を含んで構成されている。
一方、オリフィス形成突部30を挟んだ他方(図1中、下)の側には、壁部の一部がダイヤフラム36で構成されて、ダイヤフラム36の弾性変形によって容積変化が容易に許容される平衡室46が形成されている。受圧室44や平衡室46には、非圧縮性流体が封入されている。かかる非圧縮性流体としては、水やアルキレングリコール,ポリアルキレングリコール,シリコーン油等が採用されるが、後述する流体の共振作用等の流動作用に基づく防振効果を有利に得るために、粘度が0.1Pa・s以下の低粘性流体が好適に採用される。また、受圧室44や平衡室46への非圧縮性流体の封入は、例えば非圧縮性流体中で、第一の一体加硫成形品22と第二の一体加硫成形品42が相互に組み付けられることによって、有利に実現される。
また、オリフィス形成突部30と内筒金具12の軸直角方向対向面間に全周に亘って隙間が設けられており、この隙間によって、軸方向に筒状に延びるオリフィス通路48が構成されている。要するに、オリフィス形成突部30の内周側にオリフィス通路48が形成されている。オリフィス通路48の一方の端部が、オリフィス形成突部30の軸方向一方の端部を介して受圧室44に接続されていると共に、オリフィス通路48の他方の端部が、オリフィス形成突部30の軸方向他方の端部を介して平衡室46に接続されている。これにより、受圧室44と平衡室46がオリフィス通路48を通じて相互に連通せしめられており、振動入力時における両室44,46の相対的な圧力変動の差に基づいて、オリフィス通路48を通じての流体の流動量が確保されて、該流体の共振作用等の流動作用に基づいて防振効果が発揮されるようになっている。
かかるオリフィス通路48を通じて流動せしめられる流体の共振周波数が、例えば10Hz前後の低周波数域のエンジンシェイクや15〜30Hz程度の中周波数域のアイドリング振動等の防振すべき振動に対して流体の共振作用等に基づく防振効果(高減衰特性)が有利に発揮されるようにチューニングされている。オリフィス通路48のチューニングは、例えば、受圧室44や平衡室46の各壁ばね剛性(単位容積だけ変化させるのに必要な圧力変化量に対応する特性値)等を考慮しつつ、オリフィス通路48の通路長さと通路断面積を調節することによって行うことが可能であり、一般に、オリフィス通路48を通じて伝達される圧力変動の位相が変化して略共振状態となる周波数を、当該オリフィス通路48のチューニング周波数として把握することが出来る。
以下に、上述の如き構造とされた自動車用エンジンマウント10の製造方法の一具体例について説明するが、本発明はかかる具体例に限定されるものでない。
先ず、本体ゴム弾性体16の図示しない成形型に内筒金具12とその外周側に離隔配置した外筒金具14をセットして、両金具12,14の間に本体ゴム弾性体16の成形材料を充填して加硫成形する。
この本体ゴム弾性体16の加硫成形に伴い、受圧室44の壁部の一部を構成する凹所26や切下げ部34を形成すると共に、切下げ部34の軸直角方向外方の端部よりも軸直角方向内方に突出し、且つ凹所26の開口端部から外筒金具14の内周面に沿って軸方向に延び出す、ゴム筒状部を本体ゴム弾性体16と一体形成して、かかるゴム筒状部によりオリフィス形成突部30を形成する。更に、外周側シールゴム層24を本体ゴム弾性体16と一体形成して外筒金具14に被着形成すると共に、オリフィス形成突部30の外周部分にオリフィス形成突部30の軸方向他方の端面から軸方向に延びる嵌入溝32を形成する。
特に、凹所26と切下げ部34の形成部位から型を抜く際に、オリフィス形成突部30が、切下げ部34の軸直角方向外方の端部よりも軸直角方向内方に突出していることによって、型の抜け出しを妨げる障害物となるが、オリフィス形成突部30の外周部分に形成された嵌入溝32を利用して、オリフィス形成突部30を軸直角方向外方に向けて弾性変形させることにより、切下げ部34を備えた凹所26から型を容易に抜くことが出来る。
これにより、内筒金具12と外筒金具14が本体ゴム弾性体16で連結されていると共に、オリフィス形成突部30や外周側シールゴム層24が本体ゴム弾性体16と一体形成され、更に本体ゴム弾性体16に凹所26や切下げ部34が形成されると共に、オリフィス形成突部30の外周部分に嵌入溝32が形成されてなる第一の一体加硫成形品22を準備して、第一の加硫成形工程を完了する。
また、環状のダイヤフラム36の成形型に内側嵌着筒金具40とその外周側に離隔配置された外側嵌着筒金具38をセットして、内側嵌着筒金具40と外側嵌着筒金具38の間にダイヤフラム36の成形材料を充填して加硫成形する。これにより、ダイヤフラム36の内周縁部に内側嵌着筒金具40が加硫接着されていると共に、ダイヤフラム36の外周縁部に外側嵌着筒金具38が加硫接着された第二の一体加硫成形品42を準備して、第二の加硫成形工程を完了する。
次に、非圧縮性流体中において、第一の一体加硫成形品22の内筒金具12の軸方向他方(図1中、下)の端部を、第二の一体加硫成形品42の内側嵌着筒金具40の小径部に圧入固定すると共に、内側嵌着筒金具40の大径部を内周側シールゴム層を挟んで内筒金具12に外挿する。また、第一の一体加硫成形品22の外筒金具14の軸方向他方の側に第二の一体加硫成形品42の外側嵌着筒金具38を内挿して、外側嵌着筒金具38の先端部分を第一の一体加硫成形品22の嵌入溝32に差し入れる。これにより、組付工程を完了する。
さらに、非圧縮性流体中において、第一の一体加硫成形品22の外筒金具14に八方絞り等の縮径加工を施すことによって、第二の一体加硫成形品42の外側嵌着筒金具38を、外周側シールゴム層24を挟んで外筒金具14に対して密着状に嵌着固定すると共に、外側嵌着筒金具38の縮径変形に伴い、外側嵌着筒金具38をオリフィス形成突部30の外周面に押し付けて、オリフィス形成突部30における嵌入溝32の開口端縁部を流体密に閉塞し、嵌着工程を完了する。
従って、内部にそれぞれ非圧縮性流体が封入された受圧室44や平衡室46が形成されると共に、オリフィス形成突部30の内周側におけるオリフィス形成突部30と内筒金具12の間の空間でオリフィス通路48を構成して、かかるオリフィス通路48を通じて受圧室44と平衡室46を相互に連通せしめた自動車用エンジンマウント10が実現される。
このような構造とされた自動車用エンジンマウント10においては、オリフィス通路48を形成するオリフィス形成突部30が、本体ゴム弾性体16と一体形成されたゴム筒状部で構成されていることによって、オリフィス通路48を形成する部材を特別に用意する必要がなくなり、その結果、部品点数が削減されて、製造工程の短縮化や低コスト化が有利に図られ得る。
また、オリフィス形成突部30の嵌入溝32にダイヤフラム36の外側嵌着筒金具38が嵌め入れられていることによって、該金具38の剛性を利用してオリフィス形成突部30の剛性が向上される。特に本実施形態では、嵌入溝32の軸方向深さ:l2がオリフィス形成突部30の軸方向長さ:l1と略同じとされていることから、オリフィス形成突部30の外周部分の略全体に亘って外側嵌着筒金具38を嵌め込むことが出来るため、剛性の更なる向上が図られ得る。これにより、エンジンシェイク等の大振幅振動の入力に伴いオリフィス形成突部30に大きな荷重が及ぼされた際にも、オリフィス形成突部30の変形が抑えられて、オリフィス通路48の形状や大きさ等が安定して保持されることから、オリフィス効果が有利に発揮され得るのである。
さらに、オリフィス形成突部30の軸方向一方の側に受圧室44に開口するアンダーカット状の切下げ部34が設けられていることにより、受圧室44において軸方向一方から軸方向他方のオリフィス形成突部30に至る経路が、切下げ部34の軸方向一方の端部から軸方向中間部分に向かって次第に広げられていると共に、切下げ部34の軸方向中間部分からオリフィス形成突部30の軸方向端部と接する軸方向他方の端部にかけて次第に狭窄されている。従って、受圧室44の容積が大きくされていると共に、受圧室44の圧力が容易にオリフィス通路48に逃げ難い構造とされて、受圧室44の圧力変動が有効に惹起せしめられることとなり、それによって、受圧室44と平衡室46の相対的な圧力変動の差が有効に惹起されて、オリフィス通路48を通じての流体流動量が十分に確保され、所期のオリフィス効果が安定して得られる。
特に本実施形態では、受圧室44の壁部の一部を構成する凹所26や切下げ部34の形成にあって、切下げ部34を備えた凹所26から型抜きをする際に、オリフィス形成突部30の外周部分に設けられた嵌入溝32を利用して、オリフィス形成突部30を嵌入溝32に向けて弾性変形させつつ、型を抜くようにしたことから、本体ゴム弾性体16やオリフィス形成突部30の損傷が抑えられて、耐久性が向上され得ることに加え、製造が容易になる。
それ故、本実施形態に係る自動車用エンジンマウント10においては、目的とする防振性能が安定して得られつつ、低コスト化や製造効率の向上が有利に達成され得るのである。
また、本実施形態では、嵌入溝32の幅寸法:wが外側嵌着筒金具38の厚さ寸法よりも小さくされていることによって、外側嵌着筒金具38を嵌入溝32に嵌め入れる際に、オリフィス形成突部30が外側嵌着筒金具38によってめくり上げられる等の不具合が有利に解消され、製造の更なる容易化が図られ得る。
さらに、本実施形態では、外筒金具14に縮径加工が施されることに基づき、外側嵌着筒金具38が縮径変形するようになっていることから、外側嵌着筒金具38のオリフィス形成突部30への密着度が向上され、延いては外側嵌着筒金具38の開口部分の閉塞性が向上されて、平衡室46の流体密性が一層有利に向上され得るのである。
また、本実施形態では、本体ゴム弾性体16における内筒金具12を挟んだ軸直角方向一方向に一対のすぐり部28,28が設けられていることによって、それら一対のすぐり部28,28が設けられた軸直角方向一方向と該軸直角方向一方向に直交する方向とでばね比を大きく設定することが出来、それによって、車両において要求される操向安定性や乗り心地に応じた良好な装着性が実現され得る。
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、これはあくまでも例示であり、かかる実施形態における具体的な記載によって、本発明は、何等限定されるものでなく、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様で実施可能である。また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
例えば、オリフィス形成突部30や嵌入溝32、切下げ部34における形状や大きさ、構造等は、要求される防振性能や製作性等に応じて設定変更されることから、例示の如きものに限定されない。
具体的に前記実施形態では、オリフィス形成突部30や嵌入溝32、切下げ部34が、周方向の全周に亘って連続して延びていたが、連続していなくても良い。
さらに、前記実施形態では、オリフィス形成突部30や嵌入溝32、切下げ部34が、周方向の全周に亘って略一定の断面で延びていたが、例えばオリフィス形成突部30や切下げ部34の周方向断面を異ならせることでオリフィス通路48や受圧室44をチューニングしたり、嵌入溝32の周方向断面を異ならせることで外側嵌着筒金具38の装着性や外側嵌着筒金具38の開口部分の閉塞性等をチューニングしたりすることも可能である。
加えて、前記実施形態では、本発明を自動車用のエンジンマウントに適用したものの具体例について示したが、本発明は、その他、自動車用のボデーマウントやサスペンションブッシュ等、或いは自動車以外に用いられる各種の防振装置に対しても適用可能であることは勿論である。
本発明の一実施形態としての自動車用エンジンマウントを示す縦断面図であって、図3のI,II−I,II断面に相当する図。 同自動車用エンジンマウントの一部を構成する第一の一体加硫成形品を示す縦断面図であって、図3のI,II−I,II断面に相当する図。 同第一の一体加硫成形品の底面図。 同自動車用エンジンマウントの一要部を拡大して示す縦断面図。
符号の説明
10:自動車用エンジンマウント、12:内筒金具、14:外筒金具、16:本体ゴム弾性体、30:オリフィス形成突部、32:嵌入溝、34:切下げ部、36:ダイヤフラム、38:外側嵌着筒金具、44:受圧室、46:平衡室、48:オリフィス通路

Claims (7)

  1. インナ軸部材の外周側に離隔してアウタ筒部材が配設されて、該インナ軸部材と該アウタ筒部材の軸方向一方の側に本体ゴム弾性体が設けられ、それらインナ軸部材とアウタ筒部材が該本体ゴム弾性体で連結されている一方、該インナ軸部材と該アウタ筒部材の軸方向他方の側が可撓性膜で流体密に閉塞されていると共に、該本体ゴム弾性体と該可撓性膜との軸方向中間部分において該アウタ筒部材から内周側に向かって突出して周方向に延びるオリフィス形成突部が設けられており、該オリフィス形成突部を挟んだ軸方向両側において壁部の一部が該本体ゴム弾性体で構成された受圧室と壁部の一部が該可撓性膜で構成された平衡室が形成されて、該受圧室と該平衡室に非圧縮性流体が封入されていると共に、それら受圧室と平衡室を相互に連通するオリフィス通路が該オリフィス形成突部の内周側に形成されている流体封入式筒型防振装置において、
    前記本体ゴム弾性体には前記アウタ筒部材の内周面に沿って軸方向に延び出すゴム筒状部が一体形成されており、該アウタ筒部材から内周側に向かって突出する前記オリフィス形成突部が該ゴム筒状部によって形成されていると共に、該オリフィス形成突部における軸方向一方の側には前記受圧室に開口するアンダーカット部分が設けられている一方、該オリフィス形成突部における軸方向他方の側には軸方向端面の外周部分から軸方向に延びる嵌入溝が設けられており、前記可撓性膜の外周部分に固着された嵌着外筒部材が該嵌入溝に嵌め入れられて該アウタ筒部材に嵌着固定されていることを特徴とする流体封入式筒型防振装置。
  2. 前記オリフィス形成突部と前記アンダーカット部分および前記嵌入溝が、周方向の全周に亘って連続して延びている請求項1に記載の流体封入式筒型防振装置。
  3. 前記オリフィス形成突部が、前記嵌入溝の少なくとも開口端縁部において、該オリフィス形成突部を構成する前記本体ゴム弾性体の弾性を利用して前記嵌着外筒部材の内周面に押し付けられている請求項1又は2に記載の流体封入式筒型防振装置。
  4. 前記アウタ筒部材の内周面には、前記本体ゴム弾性体から一体的に延び出して前記オリフィス形成突部よりも軸方向外方にまで至る外周側シールゴム層が固着形成されており、この外周側シールゴム層を挟んで、該アウタ筒部材に対して前記嵌着外筒部材が嵌着固定されている請求項1乃至3の何れか一項に記載の流体封入式筒型防振装置。
  5. 前記嵌入溝が、前記オリフィス形成突部の軸方向長さの1/2以上の軸方向深さ寸法とされている請求項1乃至4の何れか一項に記載の流体封入式筒型防振装置。
  6. 前記インナ軸部材と前記アウタ筒部材には、何れも、前記本体ゴム弾性体が設けられた軸方向一方の側において外周側に向かって広がるフランジ状部が形成されており、該インナ軸部材の該フランジ状部と該アウタ筒部材の該フランジ状部との対向面が相互に該本体ゴム弾性体で連結されている請求項1乃至5の何れか一項に記載の流体封入式筒型防振装置。
  7. インナ軸部材とその外周側に離隔配置されたアウタ筒部材が軸方向一方の側において本体ゴム弾性体で連結されており、該本体ゴム弾性体には該アウタ筒部材の内周面に沿って軸方向に延び出すゴム筒状部が一体形成されて、該アウタ筒部材から内周側に向かって突出するオリフィス形成突部が該ゴム筒状部によって形成されていると共に、該オリフィス形成突部における該ゴム筒状部の軸方向基端側にはアンダーカット部分が設けられている一方、該オリフィス形成突部には該ゴム筒状部の軸方向先端側の端面に開口して軸方向基端側に向かって延びる嵌入溝が設けられた第一の一体加硫成形品を準備する第一の加硫成形工程と、
    環状の可撓性膜の内周縁部に嵌着内筒部材が加硫接着されていると共に、該可撓性膜の外周縁部に嵌着外筒部材が加硫接着された第二の一体加硫成形品を準備する第二の加硫成形工程と、
    非圧縮性流体中において、前記第一の一体加硫成形品の前記インナ軸部材の軸方向他方の側に前記第二の一体加硫成形品の前記嵌着内筒部材を外挿すると共に、該第一の一体加硫成形品の前記アウタ筒部材の軸方向他方の側に該第二の一体加硫成形品の前記嵌着外筒部材を内挿し、該嵌着外筒部材を該第一の一体加硫成形品の前記嵌入溝に差し入れる組付工程と、
    前記第一の一体加硫成形品の前記アウタ筒部材に縮径加工を施すことによって、前記第二の一体加硫成形品の前記嵌着外筒部材を該第一の一体加硫成形品の該アウタ筒部材に対して嵌着固定する嵌着工程
    とを、含むことを特徴とする流体封入式筒型防振装置の製造方法。
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