JP2008127628A - 蒸着装置、蒸着方法、及び機能性素子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】蒸着前の蒸着材料の減少を効果的に防ぐとともに、高品質の機能素子を製造することができる蒸着装置等を提供する。
【解決手段】蒸着装置であって、真空槽11と、該真空槽内で被蒸着物22を支持する手段20と、前記被蒸着物に蒸着させる蒸着材料を収容する容器12a,12bと、前記真空槽内に周波数2.4〜2.5GHzのマイクロ波を照射して水分を蒸発させるマイクロ波照射手段15,16,17と、前記容器に収容された蒸着材料を気化させる加熱手段13とを具備することを特徴とする蒸着装置10。
【選択図】図1

Description

本発明は、蒸着装置、蒸着方法、及び機能性素子の製造方法に関する。
近年、薄型のディスプレイとして、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ等の開発が進んでいる。
図8は、有機EL表示装置の有機EL素子の構成の一例を概略的に示している。この有機EL素子1は、基板2上に、陽極3(引出電極9)、正孔輸送層4、発光層5、電子輸送層6、陰極7が形成されている。
このような有機EL素子1を製造する場合、例えば、ガラス等の透明基板2上に真空蒸着によりITO等の透明な陽極3(引出電極9)を形成し、次いで、絶縁層や隔壁(図示せず)を形成した後、有機EL層8として、正孔輸送層4、発光層5、電子輸送層6等を順次成膜する。有機EL層を形成した後、Al、MgAg等の陰極7を成膜する。また、有機EL素子1を製造した後、酸素や水分による素子の劣化等を防ぐため、保護層(封止部材)が設けられる。なお、有機EL素子は、図8に示したような構成に限らず、例えば輸送層4,6が無いもの、電極3,7と輸送層4,6との間に注入層を設けたもの、あるいは発光層等を直列に積層させた、いわゆるマルチフォトンエミッション素子など種々のタイプがある。
有機EL素子に限らず、いわゆる機能素子を製造する場合、真空蒸着によって薄膜を形成することが多い(特許文献1及び2参照)。図7は、一般的な蒸着装置の基本構成を概略的に示している。この蒸着装置70は、真空槽71内に、坩堝72、加熱用フィラメント73、基板支持手段(不図示)等が設けられている。坩堝72内に蒸着材料を収容するとともに、坩堝72の上方で基板75を支持する。そして、真空ポンプ74により真空槽71内を高真空に保ち、坩堝72内の蒸着材料を加熱用フィラメント73により加熱することで蒸着材料が気化し、基板75に蒸着させることができる。
有機EL素子等の機能素子を製造する際、上記のような蒸着装置70を用いれば、基板75の表面に均一な薄膜を形成することができる。しかし、基板に蒸着させる前の有機材料あるいは無機材料に水分が含まれていると、蒸着時に気化した蒸着材料と一緒に水分が真空槽71内に広がり、素子に水分が取り込まれてしまう。素子に微量の水分が混入しても、素子の性能や寿命に悪影響を及ぼしてしまう。そこで、蒸着材料から水分を取り除くため、蒸着前に装置内の加熱用フィラメント73により蒸着材料の予備加熱が実施される。
特開平9−209127号公報 特開2000−160328号公報
ところが、蒸着材料を予備加熱すると、材料全体に熱が加わる為、材料の一部が昇華(気化)し、材料が減少するとともに無駄になってしまうという問題がある。また、予備加熱により放出された水分は真空槽内の温度の低い部分で結露し、液体となって付着する。このように真空槽内に付着した水分は、蒸着中に再び蒸発して素子に取り込まれ、機能素子の劣化を招くおそれがある。
本発明は、蒸着前の蒸着材料の減少を効果的に防ぐとともに、高品質の機能素子を製造することができる蒸着装置等を提供することを主な目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では以下の蒸着装置等が提供される。
<1> 蒸着装置であって、真空槽と、該真空槽内で被蒸着物を支持する手段と、前記被蒸着物に蒸着させる蒸着材料を収容する容器と、前記真空槽内に周波数2.4〜2.5GHzのマイクロ波を照射して水分を蒸発させるマイクロ波照射手段と、前記容器に収容された蒸着材料を気化させる加熱手段とを具備することを特徴とする蒸着装置。
<2> 前記マイクロ波照射手段が、前記真空槽内の少なくとも前記蒸着材料に対して前記マイクロ波を照射するものであることを特徴とする<1>に記載の蒸着装置。
<3> 前記マイクロ波照射手段が、前記真空槽内の少なくとも前記蒸着材料に対して前記マイクロ波を直接照射するものであることを特徴とする<1>又は<2>に記載の蒸着装置。
<4> 前記マイクロ波を反射する反射板をさらに具備し、前記マイクロ波照射手段が、前記反射板を介して前記蒸着材料に対して前記マイクロ波を照射するものであることを特徴とする<1>ないし<3>のいずれかに記載の蒸着装置。
<5> 前記反射板を移動させる手段が設けられていることを特徴とする<4>に記載の蒸着装置。
<6> 前記反射板を回転させる手段が設けられていることを特徴とする<4>又は<5>に記載の蒸着装置。
<7> 前記真空槽の内側にマイクロ波吸収材が設けられていることを特徴とする<1>ないし<6>のいずれかに記載の蒸着装置。
<8> 前記真空槽として、前記蒸着材料に対して前記マイクロ波を照射して水分を蒸発させるための脱水用真空槽と、前記マイクロ波照射後の蒸着材料を気化して前記被蒸着物に蒸着させるための蒸着用真空槽とを備え、さらに前記蒸発材料を収容した容器を前記脱水用真空槽と前記蒸着用真空槽との間で搬送するための手段を備えていることを特徴とする<1>ないし<7>のいずれかに記載の蒸着装置。
<9> 真空槽内に配置した蒸着材料に対して周波数2.4〜2.5GHzのマイクロ波を照射して水分を蒸発させる工程と、前記マイクロ波が照射された蒸着材料を加熱し、気化した蒸着材料を被蒸着物に蒸着させる工程とを含むことを特徴とする蒸着方法。
<10> 前記蒸着中に、前記真空槽内で前記マイクロ波を照射することを特徴とする<9>に記載の蒸着方法。
<11> 真空槽内に機能素子の材料を配置する工程と、前記材料に対して周波数2.4〜2.5GHzのマイクロ波を照射する工程と、前記マイクロ波が照射された材料を加熱により気化して基板に蒸着させる工程とを含むことを特徴とする機能素子の製造方法。
本発明によれば、蒸着前の蒸着材料の減少を効果的に防ぐとともに、高品質の機能素子を製造することができる蒸着装置等が提供される。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明に係る蒸着装置について具体的に説明する。
図1は、本発明に係る蒸着装置の構成の一例(第1の態様)を概略的に示している。この蒸着装置10は、真空ポンプ19が接続した真空槽11を備えている。真空槽11はステンレス等の金属で構成される。また、真空槽11の内部を観察するための覗き窓(不図示)は、後述のマイクロ波を遮蔽する構造とする。
真空槽11の上部には、基板(被蒸着物)22を支持するための支持台20が設けられている。また、基板支持台20の下にはシャッター21が設けられており、水平方向へのスライドにより開閉可能となっている。シャッター21の開閉により蒸着の開始及び終了を制御することができる。
真空槽11の底部には、モーター(不図示)により回転可能なヒーター台14が設けられている。ヒーター台14には蒸着材料を収容するための坩堝12a,12bが同心円状に複数配置されている。坩堝12a,12bは有機EL層素子の製造に使用されるものであれば特に限定されないが、セラミック系の坩堝12a,12bであれば材料を汚染せず、好ましい。各坩堝12a,12bの周囲には坩堝12a,12b内の蒸着材料を加熱して気化させるための抵抗加熱ヒーター13が設けられている。なお、加熱手段13は抵抗加熱方式に限定されず、電子ビーム、高周波誘導、レーザーなどを採用してもよい。
さらに、この蒸着装置10には、真空槽11内に周波数2.4〜2.5GHzのマイクロ波を照射することができるマイクロ波照射手段が設けられている。マイクロ波照射手段は、主に、マグネトロン15と、アンテナ16と、マイクロ波導波管17から構成されており、マイクロ波導波管17の照射口は、同心円状に配置された複数の坩堝12a,12b群の中心に位置している。
マイクロ波導波管17の上方には、マイクロ波を反射する金属製の反射板18が設けられている。反射板18は所定の角度に傾けられており、マイクロ波導波管17から放射されたマイクロ波を、反射板18を介して各坩堝12a,12b内の蒸着材料に対して照射することができる。このような反射板18を設けることで、1つのマイクロ波照射手段により複数の蒸着源12a,12bにマイクロ波を同時に照射することができる。
反射板18には、移動手段を設けることが好ましい。例えば、図1及び図2に示すように各反射板18に上下動作可能な支柱23a,23bを設けておけば、蒸着時に支柱23a,23bを下方に動作させることで反射板18を退避させることができる。
次に、有機EL素子を製造する際、上記の蒸着装置10を用いて蒸着を行う方法について説明する。
まず、被蒸着物となる基板22を 蒸着させる面が蒸着材料と対向するように支持台20にセットする。
基板22は有機EL素子の基板として使用できるものであれば特に限定されず、目的に応じて選択すればよい。例えば、ガラス基板でもよいし、可撓性を持たせる場合には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリイミド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)等の樹脂基板を用いることができる。
また、いわゆるトップエミッション構造の有機EL素子を製造する場合には、基板22側から発光を取り出す必要がないため、金属からなる不透明基板を用いることができる。例えば、ステンレス、Fe、Al、Ni、Co、Cuやこれらの合金等の金属基板を用いれば、高いガスバリア性を有するものとなる。
各坩堝12a,12bには蒸着材料を収容する。例えば、基板22に陽極を形成する場合には、有機EL素子の陽極を構成する公知の材料から選択することができる。陽極は、例えば、アンチモンやフッ素等をドープした酸化錫(ATO、FTO)、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)、アルミニウムやガリウムをドープした酸化亜鉛(AZO、GZO)等の導電性金属酸化物から構成されるため、これらの材料から適宜選択し、その粉末を蒸着材料として坩堝12a,12b内に収容すればよい。
また、低分子系の有機EL層を形成する場合には真空蒸着により成膜することができるため、正孔輸送層、発光層、電子輸送層等、各有機層に応じた蒸着材料を適宜選択すればよい。
基板22と蒸着材料をそれぞれ配置した後、真空ポンプ19により真空槽11内を、例えば10−3Pa以下、好ましくは10−4Pa以下の所定の真空度まで減圧するとともに、蒸着材料に対して周波数2.4〜2.5GHzのマイクロ波を照射する。マグネトロン15とアンテナ16により周波数2.4〜2.5GHzのマイクロ波を発生させ、マイクロ波導波管17により導かれたマイクロ波は反射板18により坩堝12a,12b内の蒸着材料の方向に反射される。そして、蒸着材料に達したマイクロ波は、主に水分子に吸収される為、蒸着材料に含まれる水分を効率的に蒸発させることができる。すなわち、周波数2.4〜2.5GHzのマイクロ波を照射することで、蒸着材料自体への影響を小さくすることができるとともに、材料に含まれる水分を選択的に除去することができる。
上記のようなマイクロ波照射手段により真空槽11内の少なくとも蒸着材料に対してマイクロ波を照射するが、真空槽11内の内壁や基板22の方向にもマイクロ波を照射してもよい。マイクロ波導波管17から放射されたマイクロ波の一部が反射板18以外の真空槽11内に放射されれば、蒸着材料から蒸発した水分にもマイクロ波が当たって加熱し続けるため、真空ポンプ19で排出されるまで気体となり、真空槽11等に付着することを防ぐことができる。また、蒸発した水分が真空槽11の内壁に付着したとしても、上記マイクロ波は水分子に選択的に吸収されるため、これらの水分もすぐに蒸発させて除去することができる。
マイクロ波の照射により蒸着材料中の水分を選択的に加熱して蒸発させた後、抵抗加熱ヒーター13により坩堝12a,12b内の蒸着材料を加熱する。抵抗加熱ヒーター13により所定の温度に加熱された蒸着材料は気化(昇華)し、基板22に蒸着させることができる。蒸着の際、ヒーター台14もしくは基板22を含む基板支持台20を回転させることでヒーター台14に対向する基板22の表面に均一に成膜することができる。なお、蒸着を行う前に、反射板18は蒸着の妨げとならない位置、例えば、図1に示されるように、ヒーター台14の近くに退避させておくことが好ましい。
上記のようにマイクロ波照射手段により蒸着材料に対して周波数2.4〜2.5GHzのマイクロ波を照射して水分を蒸発させた後、抵抗加熱ヒーター13により蒸着材料を加熱して基板22への蒸着を行えば、蒸着材料に起因する水分がほとんど含まれていない高品質の薄膜を基板22に形成することができる。
蒸着中、真空槽11内で上記マイクロ波を照射し続けることもできる。蒸着前に、坩堝12a,12b内の蒸着材料に上記マイクロ波を照射することで水分が効率的に除去されるが、蒸着材料中に微量ながら水分が残留している場合、これらの残留水分は、気化した蒸着材料とともに真空室内に放出されて、真空槽11の内壁や基板22に付着する可能性がある。そこで、蒸着中、真空槽11内で周波数2.4〜2.5GHzのマイクロ波を照射し続ければ、真空槽11内の水分を選択的に加熱して除去することができる。このように蒸着中もマイクロ波を照射することで、蒸着材料に起因する水分を一層効果的に除去することができ、より高品質の薄膜を形成することができる。
図3は、本発明に係る蒸着装置10の構成の他の例(第2の態様)を概略的に示している。
この蒸着装置30は、第1の態様の装置10と同様、真空槽11内に、基板支持台20、坩堝12a,12b、抵抗加熱ヒーター13、マイクロ波照射手段(マグネトロン15、アンテナ16、マイクロ波導波管17)、反射板18a〜18d等を備えている。真空槽11の内側(内壁)にはマイクロ波吸収材24が設けられている。マイクロ波吸収材24としては、例えば、MgO、SiC等を好適に使用することができる。また、反射板18a〜18dには回転手段が設けられている。図4は、反射板18a〜18dの回転手段25の一例を概略的に示している。この回転手段25は、ヒーター台14の内側に設けられており、モータ(不図示)によりヒーター台14の内側で回転するように構成されている。
このような蒸着装置30により蒸着を行う場合も、マイクロ波照射により蒸着材料中の水分を除去した後、蒸着を行う。すなわち、真空槽11内に蒸着材料と基板22をそれぞれ配置し、真空下で坩堝12a,12b内の蒸着材料に対して周波数2.4〜2.5GHzのマイクロ波を照射して水分を蒸発させる。次いで、抵抗加熱ヒーター13により蒸着材料を加熱して基板22への蒸着を行う。なお、反射板18a〜18dは小型のものであり、蒸着源12a,12bから基板22への蒸着を遮らない位置に設けられているので、蒸着の際、退避させなくてもよい。
また、蒸着中は、マイクロ波照射を行うとともに、反射板の支柱25a〜25dを含む回転手段25により反射板18a〜18dを回転させることが好ましい。反射板18a〜18dの回転により、マイクロ波を真空槽11内に均等に拡散させることができ、蒸着中も水分をより効率的に除去することができる。なお、真空槽11内に拡散されたマイクロ波は、真空槽11の内壁に設けたマイクロ波吸収材24によってほとんど吸収されるので、外部へのマイクロ波の漏洩等をより効果的に防ぐことができる。
上記のように蒸着を行えば、蒸着材料に起因する水分がほとんど含まれていない高品質の薄膜を基板表面に形成することができる。
第1及び第2の態様の各蒸着装置10,30では、1つの真空槽11内でマイクロ波照射による水分除去とヒーターによる蒸着を行うが、別々の真空槽で行ってもよい。
図5は、本発明に係る蒸着装置を備えた有機EL素子製造システムの構成の一例を示している。このシステム40は、蒸着材料に対してマイクロ波を照射して水分を蒸発させるための脱水用真空槽(材料投入室)43と、マイクロ波照射後の蒸着材料を気化して基板に蒸着させるための蒸着用真空槽(蒸着室)44,45を備えている。さらに、蒸発材料を収容した容器を脱水用真空槽43と蒸着用真空槽44,45との間で搬送するための手段(搬送室46)、基板を一時的に保管するための基板ストック室41等も備えている。
このような構成の有機EL素子製造システム40では、まず、基板ストック室41に収納されている基板が前処理室42に搬送され、プラズマ処理される。
一方、材料投入室43には蒸着材料が投入され、マイクロ波による加熱脱水処理が行われる。図6は、材料投入室(脱水用真空槽)43の一例を概略的に示している。材料投入室43内には、坩堝12a,12b、抵抗加熱ヒーター13、ヒーター台14等が備えられ、さらに室内に周波数2.4〜2.5GHzのマイクロ波を照射するためのマイクロ波照射手段(マグネトロン15、アンテナ16、マイクロ波導波管17)が設けられている。また、搬送用シャッター62が設けられており、ヒーター台14はモータ(不図示)による回転のほか、材料投入室(脱水用真空槽)43と蒸着室(蒸着用真空槽)44,45との間で移動可能となっている。例えば、ヒーター台14の下部には、蒸着用真空槽(蒸着室)44,45に設けられた給電用電極(図示せず)と接し、電気回路的に接続可能な抵抗加熱ヒーター13と接続された電極(図示せず)が、夫々突出しており、蒸発材料を収容した坩堝12a,12bをヒーター台14ごと移動させることができる。
材料投入室43の坩堝12a,12b内に蒸着材料が投入された後、搬送用シャッター62を閉じて真空状態にする。そして、ヒーター台14を回転させ、マイクロ波照射手段15,16,17により、周波数2.4〜2.5GHzのマイクロ波を坩堝12a,12b内の蒸着材料に直接照射する。これにより蒸着材料中に含まれる水分が選択的に加熱されて蒸発し、蒸着材料が脱水される。
マイクロ波照射後、高真空を保ったままヒーター台14ごと搬送室46を経て蒸着室44に移動し、蒸着を行う。蒸着室44は公知の蒸着装置と同様の構成とすることができる。蒸着室44に搬送された蒸着材料はマイクロ波照射により水分が除去されているため、蒸着材料に起因する水分含有量が極めて少ない高品質の薄膜を形成することができる。次いで、他の蒸着室45で次の蒸着を行うが、この場合の蒸着材料も、材料投入室43でマイクロ波照射により水分を除去した後、蒸着室45に移動させて蒸着を行う。
全ての蒸着が終了したら、受渡室47を経て検査室52に搬送される。検査室52では積層状態等が検査され、問題が無ければ封止室53に搬送し、有機EL素子を水や酸素から保護するための封止を行う。封止部材としては、ガラス、プラスチック等を用いることができる。
なお、検査室52や封止室53が使用中の場合は、ストック室51,55に一時的に保管することができる。封止後、製造された有機EL素子は排出室54を経てシステム40から排出される。このような本発明に係る蒸着装置を備えたシステム40であれば、有機EL素子の製造を連続的に行うことができる。
以上のように、本発明によれば、真空槽内に配置した蒸着材料に対して周波数2.4〜2.5GHzのマイクロ波を照射して水分を蒸発させた後、マイクロ波が照射された蒸着材料を加熱し、気化した蒸着材料を被蒸着物に蒸着させる。これにより蒸着前に蒸着材料を無駄にすることはなく、蒸着材料に起因する水分がほとんど含まれない高品質の薄膜を形成することができる。
本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、蒸着材料を収容する坩堝の数は限定されず、1つでもよいし、3つ以上設けてもよい。また、反射板は必須ではなく、マイクロ波導波管から直接マイクロ波を蒸着材料に照射してもよい。
また、本発明は、有機EL素子の製造に限らず、他の機能素子、例えば無機EL素子、液晶表示素子、プラズマ素子、電気泳動素子等の製造のほか、半導体デバイスなどの電子部品や光学部品の製造おける真空蒸着にも好ましく適用することができる。
本発明に係る蒸着装置の一例を示す概略構成図である。 反射板の移動手段の一例を示す概略図である。 本発明に係る蒸着装置の他の例を示す概略図である。 反射板の回転手段の一例を示す概略図である。(A)平面図 (B)部分断面図 本発明に係る蒸着装置を備えた蒸着システムの一例を示す概略構成図である。 本発明に係る蒸着装置のさらに他の例を示す概略構成図である。 従来の蒸着装置の基本的な構成を示す概略図である。 有機EL素子の構成の一例を示す概略図である。
符号の説明
10・・・蒸着装置
11・・・真空槽
12a,12b・・・坩堝
13・・・抵抗加熱ヒーター
14・・・ヒーター台
15・・・マグネトロン
16・・・アンテナ
17・・・マイクロ波導波管
18・・・反射板
19・・・真空ポンプ
20・・・基板支持台
21・・・シャッター
22・・・基板
23a,23b・・・反射板移動手段
24・・・マイクロ波吸収材
25・・・反射板回転手段

Claims (11)

  1. 蒸着装置であって、真空槽と、該真空槽内で被蒸着物を支持する手段と、前記被蒸着物に蒸着させる蒸着材料を収容する容器と、前記真空槽内に周波数2.4〜2.5GHzのマイクロ波を照射して水分を蒸発させるマイクロ波照射手段と、前記容器に収容された蒸着材料を気化させる加熱手段とを具備することを特徴とする蒸着装置。
  2. 前記マイクロ波照射手段が、前記真空槽内の少なくとも前記蒸着材料に対して前記マイクロ波を照射するものであることを特徴とする請求項1に記載の蒸着装置。
  3. 前記マイクロ波照射手段が、前記真空槽内の少なくとも前記蒸着材料に対して前記マイクロ波を直接照射するものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の蒸着装置。
  4. 前記マイクロ波を反射する反射板をさらに具備し、前記マイクロ波照射手段が、前記反射板を介して前記蒸着材料に対して前記マイクロ波を照射するものであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の蒸着装置。
  5. 前記反射板を移動させる手段が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の蒸着装置。
  6. 前記反射板を回転させる手段が設けられていることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の蒸着装置。
  7. 前記真空槽の内側にマイクロ波吸収材が設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の蒸着装置。
  8. 前記真空槽として、前記蒸着材料に対して前記マイクロ波を照射して水分を蒸発させるための脱水用真空槽と、前記マイクロ波照射後の蒸着材料を気化して前記被蒸着物に蒸着させるための蒸着用真空槽とを備え、さらに前記蒸発材料を収容した容器を前記脱水用真空槽と前記蒸着用真空槽との間で搬送するための手段を備えていることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の蒸着装置。
  9. 真空槽内に配置した蒸着材料に対して周波数2.4〜2.5GHzのマイクロ波を照射して水分を蒸発させる工程と、前記マイクロ波が照射された蒸着材料を加熱し、気化した蒸着材料を被蒸着物に蒸着させる工程とを含むことを特徴とする蒸着方法。
  10. 前記蒸着中に、前記真空槽内で前記マイクロ波を照射することを特徴とする請求項9に記載の蒸着方法。
  11. 真空槽内に機能素子の材料を配置する工程と、前記材料に対して周波数2.4〜2.5GHzのマイクロ波を照射する工程と、前記マイクロ波が照射された材料を気化させて基板に蒸着させる工程とを含むことを特徴とする機能素子の製造方法。
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