JP2008126318A - プリント基板ドリル穴あけ加工用アルミニウム合金当て板 - Google Patents
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Abstract
【課題】材料および製造コストが安く、プリント基板への穴あけ加工時のドリルの食いつきを改善し、かつ加工時にバリの出難いプリント基板穴あけ加工用アルミニウム合金当て板を提供することを目的とする。
【解決手段】Si:0.05〜0.90%(重量%、以下同様)、Fe:0.60〜1.75%を含有し、残部がAlおよび不可避不純物とからなる組成を有しており、かつ円相当径が0.5〜10μmの金属間化合物粒子を15000〜75000個/mm2を含有して、耐力が130〜200MPaであることを特徴とするプリント基板穴あけ加工用アルミニウム合金当て板を用いることによって、上記課題を解決できる。
【選択図】なし
Description
本発明は、プリント基板の穴あけ加工時にプリント基板を挟持する当て板に関するものである。
プリント基板とは、正式にはプリント配線板といい、集積回路、抵抗器、コンデンサー等の電子部品を実装して、その部品間を接続して電子回路を構成する配線を形成した板状またはフィルム状の部品である。英文では、Printed writing board(PWB)と表記される。
一般には、基材に対して絶縁性のある樹脂を含浸した基板上に、銅箔などの導電体で回路パターン配線を形成することによって、プリント基板が構成されている。電子部品を高密度実装するために、基板両面に回路パターンがある2層基板、さらにウエハース状に絶縁体と回路パターンを積み重ねた多層基板などがある。
上記多層基板では、各回路パターン面の配線を電気的に接続するために、0.1〜数mm径のドリルで穴をあけ、その穴の内面を銅メッキすることにより各回路パターン面の配線を接続させるスルーホールが多く使われている。
スルーホール形成時の穴あけ加工では、穴あけをしたドリルが戻るときに、プリント基板上の回路パターンである銅箔を持ち上げて、返りを生じさせることがあるので、この返りを押さえるために、当て板が使用されている。一般には、捨て板上に上記多層基板を置き、その上に当て板を1枚または数枚重ね、この当て板の上からドリルを当てて、多層基板に穴を形成している。なお、当て板は、バリによる折損を防止するためだけでなく、ドリル先端の横ずれを防ぎ、穴の精度を上げる効果も有する。
この当て板は、当初、JIS1000系アルミニウム合金製の箔や板が使われていたが、穴周辺にバリを発生させたり、ドリル先端に焼き付けたりする場合があった。バリが当て板の裏側に発生した場合には、このバリがプリント基板に接触し、電気短絡を引き起こす危険があった。また、ドリル先端に焼き付いた場合には、穴あけ精度に悪影響を及ぼす場合があった。
上記事情に鑑み、当て板について、様々な開発がなされてきた。特許文献1〜3には、アルミニウム箔と木材パルプ/ガラス繊維とを組み合わせてなる当て板や、紙の間にアルミニウム箔を挟んでなる当て板、アルミニウム箔の一面側に粘着剤を設けてなる当て板等が開示されている。また、特許文献4には、陽極酸化皮膜をアルミニウム箔上に形成することによって、ドリルの食いつきを改善させるという発明が開示されている。さらに、特許文献5には、アルミニウム板状に形成した陽極酸化皮膜の膜厚等を規定することによって、穴の精度不良を向上させることができるということも開示されている。さらに、特許文献6には、金属間化合物のサイズと数を規定したアルミニウム合金板が、高い位置穴精度を有し、返りの少ない当て板として利用できることも開示されている。
しかしながら、上記当て板材は、バリや焼き付きの防止ができるが、材料および製造コストが格段に高く、製造現場で実際に用いることが困難であるという問題があった。
特公昭61−061921号公報
特開昭62−214000号公報
特開昭63−011207号公報
特開2000−25000号公報
特開2004−131776号公報
特開平8−19998号公報
本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、材料および製造コストが安く、プリント基板への穴あけ加工時のドリルの食いつきを改善し、かつ加工時にバリの出難いプリント基板穴あけ加工用アルミニウム合金当て板を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。すなわち、本発明のプリント基板穴あけ加工用アルミニウム合金当て板は、Si:0.05〜0.90%、Fe:0.60〜1.75%を含有し、残部がAlおよび不可避不純物とからなる組成を有しており、かつ円相当直径が0.5〜10μmの金属間化合物粒子を15000〜75000個/mm2含有して、耐力が130〜200MPaであることを特徴とする。
上記の構成によれば、材料および製造コストが安く、プリント基板への穴あけ加工時のドリルの食いつきを改善し、かつ加工時にバリの出難いプリント基板穴あけ加工用アルミニウム合金当て板を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態を説明する。
本実施形態のプリント基板穴あけ加工用アルミニウム合金当て板(以下、当て板という。)は、Si:0.05〜0.90%、Fe:0.60〜1.75%を含有し、残部がAlおよび不可避不純物とからなる組成を有しており、かつ円相当直径が0.5〜10μmの金属間化合物粒子を15000〜75000個/mm2含有して、耐力が130〜200MPaであることで構成されている。
本実施形態のプリント基板穴あけ加工用アルミニウム合金当て板(以下、当て板という。)は、Si:0.05〜0.90%、Fe:0.60〜1.75%を含有し、残部がAlおよび不可避不純物とからなる組成を有しており、かつ円相当直径が0.5〜10μmの金属間化合物粒子を15000〜75000個/mm2含有して、耐力が130〜200MPaであることで構成されている。
本実施形態の当て板において、Si:0.05〜0.90%、Fe:0.60〜1.75%の場合、円相当径が0.5〜10μmの金属間化合物粒子が十分な数だけ生成される。その結果、バリの発生を抑止し、ドリル先端の焼き付きを防止し、穴あけ精度を向上させる。
本実施形態の当て板において、Siが0.05%未満あるいはFeが0.6%未満の場合は、穴あけ加工の際生じる切粉の分断性が悪くなり、バリが発生する。また、切粉の排出も困難となり、ドリル先端への焼きつきが生じる。逆に、Siが0.9%より大きい場合あるいはFeが1.75%より大きい場合は、円相当径が10数μm以上の粗大な金属間化合物粒子が生成される。このように粗大な金属間化合物粒子が存在する場合、前記当て板はドリルに切断されにくくなり、穴あけ精度が低下する。同時に、ドリル先端も著しく磨耗する。また、圧延性も劣化し、所定の厚さに圧延できなくなる。
本実施形態の当て板において、耐力は130〜200MPaとされる。耐力が130MPa未満の場合は、ドリル上昇時の銅箔の返りを所定の厚さでは抑えることができない。逆に、耐力が200MPaを超える場合には、バリが発生した場合、発生した硬いバリが前記当て板とプリント基板との間に巻き込まれ、プリント基板にあけた穴の周辺に打痕と呼ばれる凹みを発生させてしまう恐れがある。そのため、バリを巻き込む可能性がある場合には、130〜180MPaに制限することがより好ましい。
一般に、合金は金属間化合物粒子を含む場合が多く、それが合金の性質を左右する場合もある。たとえば、3004合金がしごき成形性に優れている原因は素材中の金属間化合物にあると考えられている。後述する均質化処理により、鋳塊中に含まれている金属間化合物Al6(Mn,Fe)の一部が、さらに硬いα−Al12(Fe,Mn)3Siに変態して、このα−Al12(Fe,Mn)3Siの金属間化合物が、しごき成形性の向上に寄与するためと考えられる。このように、硬い金属間化合物が適当な大きさと分散状態にある場合に、成形時のダイスと素材との摩擦係数を低下させ、3004合金のしごき成形性を良好にする。
本実施形態におけるアルミニウム合金には、AlxFeySizとAlxFeyの2種類の金属間化合物粒子が存在すると考えられる。より具体的には、α−AlxFeySiz、β−AlxFeySiz、AlxFeyの3種類である。各金属間化合物粒子において、微量のMn、Mg、Cu、Znが混ざっている場合がある。
一般に、金属間化合物粒子はアルミニウム合金の物性を変化させるが、どのように変化させるかは組成、大きさおよび数に影響される。なお、前記金属間化合物粒子の大きさは円相当径で示される。前記円相当径は、顕微鏡で観察された前記金属間化合物粒子の面積を、円に換算した相当直径を意味するものである。
本実施形態の当て板が、円相当径が0.5〜10μmの金属間化合物粒子を15000〜75000個/mm2含有する場合は、ドリル先端への焼き付きが抑えられ、穴あけ精度が向上する。前記金属間化合物粒子が前記当て板において分散状態にあるために、ドリル先端における前記当て板の摩擦係数が低下させ、ドリル先端への焼付きが防止でき、ドリル先端を垂直かつスムーズに進入させることができ、前記当て板へのドリルの食いつきを改善させるためである。また、穴あけ加工時に生じる切粉が容易に分断され、さらに、細かい切粉はドリルの溝に沿って容易に排出されるために、バリの発生も抑えられる。
本実施形態の金属間化合物粒子が15000個/mm2未満の場合は、前述の効果は不十分となる。逆に、前記金属間化合物粒子が75000個/mm2を超えると、ドリル先端が磨耗しやすくなり、穴あけの精度が若干低下する。
また、前記金属間化合物粒子の円相当径が0.5μm未満の場合は、粒子数にかかわらず、焼き付き防止およびバリ発生抑止の効果はほとんどない。逆に、前記金属間化合物粒子の円相当径が10μm以上の場合は、大きな金属間化合物粒子を切削する余分な力がかかり、穴明けの精度が落ちる。
本実施形態の金属間化合物粒子の円相当径が0.5〜10μmにあるとしても、円相当径が2.5μm以上である粒子の数が多い場合は、ドリル先端が比較的はやく摩耗し、ドリル先端と前記当て板と間で良好な食付き性が維持できなくなる。そのため、ドリル先端の耐磨耗性、前記当て板の食いつき性を考慮すれば、円相当径の最大値を5μm以下に制御することが好ましく、2.5μm以下に制御することがさらに好ましい。
本実施形態の当て板の材料として用いられるアルミニウム合金としては、たとえば8000系アルミニウム合金を例示できる。具体的には、8006合金(Mn:0.3〜1.0%、Si:0.4%、Fe:1.2〜2.0%、Cu:0.3%、Zn:0.1%、Mg:0.1%、残部がAl)、8007合金(Mn:0.3〜1.0%、Si:0.4%、Fe:0.2〜2.0%、Cu:0.1%、Zn:0.8〜1.8%、Mg:0.1%、残部がAl)、あるいは8011合金(Mn:0.2%、Si:0.5〜0.9%、Fe:0.6〜1.0%、Cu:0.1%、Zn:0.1%、Mg:0.1%、Cr:0.05%、Ti:0.08%、残部がAl)などである。1000系アルミニウム合金のような純アルミニウム系に比較して、Al−Fe系のアルミニウム合金である8000系は、強化元素であるFeを含むため、材料強度を強め、成形性、耐食性を向上させる性質を有するため、本実施形態の当て板の材料として、好適である。
次に、本実施形態の当て板の製造方法について説明する。
Si:0.05〜0.90%、Fe:0.60〜1.75%を含有し、残部がAlおよび不可避不純物とからなるように配合されたアルミニウム合金の鋳塊を半連続鋳造により鋳造し、得られた鋳塊を面削して表面の不均一層を除去する。
その後、300〜420℃の温度に2〜6時間保持する第一均質化処理を行い、続いて、500〜600℃の温度に1〜6時間保持する第二均質化処理を行った。400〜500℃まで冷却して、速やかに熱間圧延を施し、厚さ2〜8mmの板材とする。
前記第一および第二均質化処理は、金属間化合物粒子の数および粒子径を制御するために行う処理である。
前記第一均質化処理は、円相当径が10μm以下の金属間化合物粒子を15000個/mm2以上生成する処理工程である。この処理工程おいて、保持温度が300℃以下の場合には、前記に示した数の金属間化合物粒子を生成させるのが困難となる。一方、420℃以上の場合には、円相当径が10μm以上の金属間化合物粒子が生成されてしまう。
前期第二均質化処理は、第一均質化処理において生成した金属間化合物粒子を所定の大きさで(円相当径0.5〜10μm)まで成長させる処理工程である。500〜600℃の温度に1〜6時間保持するという条件が、円相当径が0.5〜10μmの金属間化合物粒子に成長させる最適条件のひとつとなる。
続いて、前記板材を厚さ0.40〜0.80mmまで冷間圧延したのち、保持温度300〜420℃、保持時間2〜6時間という条件で中間焼鈍を行う。
前記中間焼鈍において、板厚を0.4mmより薄くする場合には、最終冷間圧延率は50%より小さくなり、板厚を0.8mmより厚くする場合には、最終冷間圧延率は85%より大きくなる。その結果、いずれの場合も、耐力を130〜200MPaにすることが困難となる。また、中間焼鈍の保持温度が300℃より低い場合には、軟化が不完全となり、耐力が200MPa以上となってしまう恐れがあり、中間焼鈍の保持温度が420℃より高い場合には、前記金属間化合物粒子の円相当径10μm以上となってしまう可能性が生じる。
最後に、最終冷間圧延を行うことによって、120〜200μmの厚さの板材として、本実施形態の当て板を製造する。
以下、本発明の実施形態の効果について説明する。
本実施形態の当て板は、Si:0.05〜0.90%、Fe:0.60〜1.75%を含有し、残部がAlおよび不可避不純物とからなる組成から構成されているので、円相当径が0.5〜10μmの金属間化合物粒子が十分な数だけ生成し、穴あけ精度を向上させ、ドリルへの焼き付きが抑えることができる。
また、本実施形態の当て板は、AlxFeySizとAlxFey等の金属間化合物粒子のうち円相当径が0.5〜10μmの金属間化合物粒子を15000〜75000個/mm2含有しているので、ドリル先端と前記当て板との間の摩擦を減らすことができる。その結果、ドリル先端の磨耗を防止しかつ食いつきを良好とするので、ドリル先端への焼き付きが抑えられ、穴あけ精度を向上させることができる。また、穴あけ加工時に生じる切粉が容易に分断されるので、前記切粉はより細かくされ、さらに、このように細かくされた切粉はドリルの溝に沿って容易に排出されるために、バリの発生も抑えられる。同時に、圧延性も保持し、所定の厚さまで圧延させることができる。
さらに、本実施形態の当て板は、耐力も130〜200MPaであるので、ドリル上昇時の銅箔の返りを所定の厚さで抑えることができる。また、バリが発生して前記当て板とプリント基板との間に巻き込まれたとしても、当て板の耐力が適切な範囲に制御されているために、バリがプリント基板に打痕を与えることがない。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。しかし、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
Si:0.05〜0.90%、Fe:0.60〜1.75%を含有し、残部がAlとなるように配合されたアルミニウム合金の鋳塊を半連続鋳造により鋳造し、得られた鋳塊を面削して表面の不均一層を除去した。その後、375℃の温度に4時間保持する第一均質化処理を行い、次に560℃の温度に3時間保持する第二均質化処理を行い、450℃まで冷却して、速やかに熱間圧延を施し、厚さ4mmの板材とした。続いて、厚さ0.6mmまで冷間圧延したのち、焼鈍温度375℃に4時間保持する中間焼鈍を行った。最後に最終冷間圧延をし、121μmの厚さの板材を作成した。
作成した板材について、まず、円相当径が0.5〜10μmの金属間化合物粒子の分布密度、耐力について調べ、次に、穴あけ加工の実際の評価指標である、穴あけ精度、バリ発生状況、打痕発生状況、ドリル磨耗状況および焼付き状況について調べた。具体的手順は次に示す。
[円相当径が0.5〜10μmの金属間化合物粒子の分布密度]金属間化合物粒子の円相当径および分布密度は、上記板材からサンプルを切り出して、軽く電解研磨を施した後に、板面においてKEYENCE社製VK−8500レーザー顕微鏡によって150μm×117μmのデジタル画像10枚を1000倍で撮影して、画像解析ソフトImage−Pro Plus4.5で解析して求めた。
[耐力]耐力は、幅15mm、長さ200mmの試験片を用い、引っ張り試験によって測定した。
[穴あけ加工の実際の評価指標]穴あけ精度、バリ発生状況、打痕発生状況、ドリル磨耗状況および焼付き状況は前記板材を用いて、ドリルによる穴あけ加工を行って調べた。このときの穴あけ加工条件は、ドリル:0.3および0.7mmφUVタイプ、回転数:120000rpm、送り速度:1.8m/min、チップロード:15μm/rev、プリント基板:松下電工製1.6mmt×3枚、捨て板:ベークライト1.5mmt、穴加工数:3000および6000、穴:貫通である。
(穴あけ精度)0.3mmφUVタイプドリルを用いて3000個の穴あけ加工を行った。形成された穴位置をXY分布図で記録したデータを、重心補正法によって統計処理して、重心からのズレ量の+3σ、および最大ズレ量を求めて評価指標とした。+3σに対しては70μmを評価指標基準値とし、最大ズレ量に対しては90μmを評価指標基準値とし、それらの値以下を良好な穴あけ精度と評価した。
(バリ発生状況)0.7mmφUVタイプのドリルを用いて6000個の穴あけ加工を行った。穴あけ加工に用いた表2に示した各当て板から、最終穴付近より20穴を選び、前記レーザー顕微鏡によって当て板の裏側を100倍の倍率で観察し、50μm以上の切粉が付着しているかどうかを評価指標として使用した。50μm以上の切粉が1個も付着していない場合を、良好なバリ発生状況であると判断した。
(打痕発生状況)0.7mmφUVタイプのドリルを用いて6000個の穴あけ加工を行った。前記レーザー顕微鏡によって各穴の表側周辺を100倍の倍率で観察し、50μm以上の打痕が存在するかを評価指標として使用した。50μm以上の打痕が1個も存在しない場合を、良好な打痕発生状況であると判断した。
(ドリルの磨耗状況)0.7mmφUVタイプのドリルを用いて6000個の穴あけ加工を行った。当て板から数えて1枚目のプリント基板の最終穴付近より20穴を選び、前記レーザー顕微鏡によって加工に使用したドリルの先端を100倍の倍率で観察し、チッピングの有り無しを評価指標として使用した。チッピングの発生がなくドリル先端形状が維持されている場合を、良好なドリルの磨耗状況であると判断した。
(焼付き状況)0.3mmφUVタイプのドリルを用いて3000個の穴あけ加工を行った。この加工に使用したドリルの先端を、前記レーザー顕微鏡によって100倍の倍率で観察し、焼付きの有り無しを評価指標として使用した。焼付きがない場合を、良好な焼付き状況であると判断した。
最終冷間圧延して作成したサンプルの厚さを150μmとした他は、実施例1と同様にして板材を作成した。作成した板材について、実施例1と同様に、各評価指標について調べた。
最終冷間圧延して作成したサンプルの厚さを200μmとした他は、実施例1と同様にして板材を作成した。作成した板材について、実施例1と同様に、各評価指標について調べた。
アルミニウム合金の配合をSi:0.422%、Fe:0.753%、Cu:0.091%、Mn:0.010%、Mg:0.008%、Cr:0.001%、Zn:0.003%、Ti:0.015%、残部がAlとし、最終冷間圧延して作成した板材の厚さを150μmとした他は、実施例1と同様にしてサンプルを作成した。作成した板材について、実施例1と同様に、各評価指標について調べた。
アルミニウム合金の配合をSi:0.193%、Fe:0.840%、Cu:0.027%、Mn:0.002%、Mg:0.000%、Cr:0.005%、Zn:0.051%、Ti:0.011%、残部がAlとし、最終冷間圧延して作成した板材の厚さを151μmとした他は、実施例1と同様にしてサンプルを作成した。作成した板材について、実施例1と同様に、各評価指標について調べた。
アルミニウム合金の配合をSi:0.753%、Fe:1.512%、Cu:0.145%、Mn:0.005%、Mg:0.017%、Cr:0.002%、Zn:0.012%、Ti:0.013%、残部がAlとし、最終冷間圧延して作成した板材の厚さを150μmとした他は、実施例1と同様にしてサンプルを作成した。作成した板材について、実施例1と同様に、各評価指標について調べた。
(比較例1)
(比較例1)
アルミニウム合金の配合をSi:0.145%、Fe:0.446%、Cu:0.019%、Mn:0.002%、Mg:0.001%、Cr:0.001%、Zn:0.003%、Ti:0.014%、残部がAlとし、最終冷間圧延して作成した板材の厚さを149μmとした他は、実施例1と同様にしてサンプルを作成した。作成した板材について、実施例1と同様に、各評価指標について調べた。
(比較例2)
(比較例2)
アルミニウム合金の配合をSi:0.551%、Fe:1.932%、Cu:0.002%、Mn:0.006%、Mg:0.026%、Cr:0.003%、Zn:0.010%、Ti:0.011%、残部がAlとし、最終冷間圧延して作成した板材の厚さを151μmとした他は、実施例1と同様にしてサンプルを作成した。作成した板材について、実施例1と同様に、各評価指標について調べた。
(比較例3)
(比較例3)
アルミニウム合金の配合をSi:0.001%、Fe:0.823%、Cu:0.013%、Mn:0.005%、Mg:0.003%、Cr:0.001%、Zn:0.005%、Ti:0.013%、残部がAlとし、最終冷間圧延して作成した板材の厚さを150μmとした他は、実施例1と同様にしてサンプルを作成した。作成した板材について、実施例1と同様に、各評価指標について調べた。
(比較例4)
(比較例4)
アルミニウム合金の配合をSi:1.062%、Fe:1.472%、Cu:0.001%、Mn:0.002%、Mg:0.001%、Cr:0.001%、Zn:0.001%、Ti:0.015%、残部がAlとし、最終冷間圧延して作成した板材の厚さを151μmとした他は、実施例1と同様にしてサンプルを作成した。作成した板材について、実施例1と同様に、各評価指標について調べた。
(比較例5)
(比較例5)
アルミニウム合金の配合をSi:0.237%、Fe:0.341%、Cu:0.116%、Mn:1.151%、Mg:1.068%、Cr:0.002%、Zn:0.001%、Ti:0.013%、残部がAlとし、最終冷間圧延して作成した板材の厚さを150μmとした他は、実施例1と同様にしてサンプルを作成した。作成した板材について、実施例1と同様に、各評価指標について調べた。
実施例1〜6および比較例1〜5で用いたアルミニウム合金の配合割合と最終冷間圧延により作成した板材の厚さを表1にまとめた。
実施例1について、次のような結果が得られた。円相当径が0.5〜10μmの金属間化合物粒子の分布密度は、55700個/mm2であり、評価指標数値である15000〜75000個/mm2の範囲に含まれる良好な結果であった。耐力は168MPaであり、評価指標数値である130〜200MPaの範囲に含まれる良好な結果であった。穴あけ精度について得られた結果は、+3σが59.8μm、最大ズレ量77μmであり、良好な穴あけ精度であった。バリ発生状況については、50μm以上の切粉が1個も観察されず、良好なバリ発生状況であった。打痕発生状況については、50μm以上の打痕が1個も観察されず、良好な打痕発生状況であった。ドリルの磨耗状況については、チッピングなしであり、良好なドリルの磨耗状況であった。焼付き状況については、焼付きが観察されず、良好な焼付き状況であった。
同様にして、実施例2〜6および比較例1〜5について得られた結果をまとめて、表2、3、4および5に示す。
表2は、円相当径が0.5〜10μmの金属間化合物粒子の分布密度と耐力の測定結果である。
表2は、円相当径が0.5〜10μmの金属間化合物粒子の分布密度と耐力の測定結果である。
表3は、表2の耐力についての結果を評価指標値(130〜200MPa)に基づき判断し、○:合格、×:不合格として示したものである。
表4は、穴あけ精度の+σ値および最大ズレ量の測定結果である。
表5は、表4の結果およびバリ発生状況、打痕発生状況、ドリルの磨耗状況、焼付き状況の結果を、各評価指標値に基づき判断し、○:合格、×:不合格として示したものである。
以上のように、比較例の当て板を使用した場合は、耐力、穴あけ精度、バリ発生状況、打痕発生状況、ドリルの磨耗状況、焼付き状況のいずれかが評価指標基準値を下回ることが分かった。逆に、実施例の当て板を使用した場合、耐力、穴あけ精度、バリ発生状況、打痕発生状況、ドリルの磨耗状況、焼付き状況いずれも顕著に優れた性能を示すことがわかった。
本発明は、プリント基板の穴あけ加工時にプリント基板を挟持する当て板材や、樹脂コート中間材のベース素材に関するものであり、特に、高密度実装電子部品の高精細穴あけ加工に用いられる可能性が大きいものである。
Claims (1)
- Si:0.05〜0.90%(重量%、以下同様)、Fe:0.60〜1.75%を含有し、残部がAlおよび不可避不純物とからなる組成を有しており、かつ円相当径が0.5〜10μmの金属間化合物粒子を15000〜75000個/mm2含有して、耐力が130〜200MPaであることを特徴とするプリント基板穴あけ加工用アルミニウム合金当て板。
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JP2006310279A Withdrawn JP2008126318A (ja) | 2006-11-16 | 2006-11-16 | プリント基板ドリル穴あけ加工用アルミニウム合金当て板 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2008126318A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102387667A (zh) * | 2011-10-26 | 2012-03-21 | 高德(无锡)电子有限公司 | 高密度互连印刷电路板上盲钻沉孔的加工工艺 |
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2006
- 2006-11-16 JP JP2006310279A patent/JP2008126318A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN102387667A (zh) * | 2011-10-26 | 2012-03-21 | 高德(无锡)电子有限公司 | 高密度互连印刷电路板上盲钻沉孔的加工工艺 |
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