JP2008125224A - 単心ケーブルの拘束および引き戻し用装置 - Google Patents

単心ケーブルの拘束および引き戻し用装置 Download PDF

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Abstract

【課題】波乗り移動した単心ケーブルの拘束および引き戻しをすること。
【解決手段】波乗り現象により移動した単心ケーブル1の拘束および引き戻し用装置10において、単心ケーブル1の長手方向に沿って配置された4本のロッド(21、22、23等)の一端部はマンホール4の壁5に固定され、他端部は枠体50に固定され、単心ケーブル1を挟む一対のゴムクサビ41、42が壁5と枠体50との間に配置され、その径はロッド(21、22、23等)の一端部側から他端部側になるほど大きくなり、その各々の側面を覆う一対の金具43、44が配置され、各金具43、44は第1コイルばね49により互いに引き付けられるように付勢され、各金具43、44の外面にフランジ部43a44aが形成され、複数のロッド(21、22、23等)が挿通する第2コイルばね61がフランジ部43a、44aを枠体50側に付勢すること。
【選択図】図1

Description

本願発明は、波乗り現象により移動した単心ケーブルの拘束および引き戻し用装置に関するものである。
従来、車道の地下に布設されたケーブルの波乗り現象が問題となっている。ケーブルの波乗り現象は、車道下に埋設された管路内のケーブルが車両の通行に伴う振動により車両の進行方向に移動していく現象である。その対策として各種拘束装置が開発されている。
特許文献1においては、撚り合わせ型CVケーブルに沿ってロッドを撚り合わせ配置し、ケーブルの突き出し力に対する反抗力を大きくしている。
さらに、非特許文献1には以下の拘束装置が開示されている。すなわち、スプリング方式は拘束装置と管路口間のスプリングの収縮時反抗力によりケーブルを拘束する方式であり、ストッパ方式は管路口拘束装置にてケーブルを拘束する方式である。さらに、スプリットリング方式はケーブルオフセットに沿って2つ割のリングを取り付け、ケーブル伸び出しを抑制するオフセット補強方式であり、ゴムチューブ方式は管路内の管とケーブルの間にゴムチューブを挿入し、ゴムチューブ内にシリコーンオイルを充填し、圧力を加えることでケーブルを拘束する方式である。
特開2001−339836号公報 CVケーブル工事技術専門委員会、「CVケーブル線路における工事技術の現状と今後の展望」、電気協同研究、社団法人電気協同研究会、平成17年9月発行、第61巻第1号、p.87
しかし、上述の従来例では、ケーブルの拘束装置の設置スペースが十分にない狭隘なマンホールにおいては所要の拘束力が得られず、さらに、単心ケーブルの場合は単心ケーブルの熱伸縮を考慮する必要があるなどの問題があった。
また、波乗り移動したケーブルを引き戻す工法は、接続箱を解体してケーブル導体を直接引き戻す以外に有効な工法がなく、高コストであるとともに、引き戻し時に圧縮把持した導体を切断するため、オフセットが短くなることから、引き戻し回数には制限がある。また、ケーブルの引き戻し後にケーブルが再移動することがあるという問題があった。
そこで、本願発明の課題は、上述の従来例の問題点を解決し、単心ケーブルの拘束力が十分にあり、波乗り移動した単心ケーブルを引き戻すことができる波乗り現象により移動した単心ケーブルの拘束および引き戻し用装置を提供することである。
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、波乗り現象により移動した単心ケーブルの拘束および引き戻しに適用する装置であって、前記単心ケーブルの長手方向に沿って、複数のロッドを配置し、前記複数のロッドの一端部はマンホールの壁に固定され、前記複数のロッドの他端部は枠体に固定され、前記ロッドの他端部から前記ロッドの一端部に向かう方向は前記単心ケーブルが前記波乗り現象により移動する方向であり、前記単心ケーブルを挟む一対のゴムクサビが前記マンホールの壁と前記枠体との間に配置され、前記単心ケーブルを挟んだ状態の一対のゴムクサビの径は前記ロッドの一端部側から前記ロッドの他端部側になるほど大きくなり、前記一対のゴムクサビの各々の側面を覆う一対の金具が配置され、前記一対のゴムクサビの各々の側面を覆った状態の各金具の間には隙間があり、前記各金具はばねにより互いに引き付けられるように付勢され、前記各金具の外面にフランジが形成され、このフランジに形成された孔を前記複数のロッドが挿通し、前記ロッドが挿通するコイルばねが前記フランジよりもマンホールの壁側に配置されて前記フランジを前記枠体側に付勢することを特徴とする単心ケーブルの拘束および引き戻し用装置である。
請求項1記載の発明により、前記単心ケーブルを挟んだ状態の一対のゴムクサビの径は前記波乗り現象により単心ケーブルが移動する方向側になるほど小さくなり、前記一対のゴムクサビの各々の側面を覆う一対の金具が配置され、前記一対のゴムクサビの各々の側面を覆った状態の各金具の間には隙間があり、前記各金具はばねにより互いに引き付けられるように付勢され、ロッドが挿通しているコイルばねは前記一対のゴムクサビの側面を覆う一対の金具のフランジを前記単心ケーブルが前記波乗り現象により移動する方向と反対方向に付勢しているので、一対のゴムクサビは各金具を互いに引き付けるように付勢しているばねの付勢力および前記一対のゴムクサビの径が前記波乗り現象により単心ケーブルが移動する方向側になるほど小さくなっていることにより前記単心ケーブルを前記波乗り現象により移動する方向と反対方向に引き戻す場合の前記一対のゴムクサビが単心ケーブルを把持する力が大きくなる。このため、ゴムクサビをコンパクトにすることができる。そして、単心ケーブルが気温の上昇により伸びると、前記一対のゴムクサビは前記単心ケーブルを把持して前記単心ケーブルが前記波乗り現象により移動する方向と反対方向に移動する。このため、波乗り現象により移動した単心ケーブルを引き戻すことができる。
さらに、請求項2記載の発明は、請求項1に記載の単心ケーブルの拘束および引き戻し用装置であって、前記一対のゴムクサビの形状は同じであり、前記一対のゴムクサビの各々の側面の前記単心ケーブルに垂直な断面は円弧状であることを特徴とする単心ケーブルの拘束および引き戻し用装置である。
請求項2記載の発明により、前記一対のゴムクサビは単心ケーブルを確実に挟んで保持でき、その際の単心ケーブルを挟む力のバランスをよくすることができる。
さらに、請求項3記載の発明は、請求項1または2に記載の単心ケーブルの拘束および引き戻し用装置であって、前記各金具の外面のフランジのどちらか一方が着脱可能であることを特徴とする単心ケーブルの拘束および引き戻し用装置である。
請求項3記載の発明により、各金具を単心ケーブルの拘束および引き戻し用装置に組み付けることが容易になる。
さらに、請求項4記載の発明は、請求項1から3までのいずれかに記載の単心ケーブルの拘束および引き戻し用装置であって、前記枠体は2つの部分からなり、前記単心ケーブルが前記枠体を挿通するように前記2つの部分を組み合わせて前記枠体を構成することを特徴とする単心ケーブルの拘束および引き戻し用装置である。
請求項4記載の発明により、単心ケーブル布設後に2つの部分に分割された枠体を単心ケーブルの拘束および引き戻し用装置に組み付けることが容易になる。
請求項1記載の発明によれば、コンパクトなゴムクサビにより単心ケーブルの拘束力が十分にあり、波乗り移動した単心ケーブルを引き戻すことができる波乗り現象により移動した単心ケーブルの拘束および引き戻し用装置を提供することができる。このため、単心ケーブルの拘束および引き戻し用装置を狭隘なマンホールにも設置することができる。
さらに、請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果とともに、波乗り移動した単心ケーブルを円滑に引き戻すことができる。
さらに、請求項3記載の発明によれば、請求項1または2記載の発明の効果とともに、波乗り現象により移動した単心ケーブルの拘束および引き戻し用装置を組み立てることが容易になる。
さらに、請求項4記載の発明によっても、請求項1から3までのいずれかに記載の発明の効果とともに、波乗り現象により移動した単心ケーブルの拘束および引き戻し用装置を組み立てることが容易になる。
以下、本発明における実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本願発明の実施の形態に係る単心ケーブルの拘束および引き戻し用装置を示し、図2は図1の一部分を切り欠いた正面を示し、図3は図2のA−A断面を示し、図4は図1の装置の動作の一例を説明し、図5は図1の動作の他の例を説明している。さらに、図6は図1の装置の実験結果を示している。
図1に示すように、単心ケーブル1は管路3およびマンホール4内に布設されている。管路3の端部はマンホール4の壁5にて開口している。そして、波乗り現象により移動した単心ケーブル1の拘束および引き戻し用装置10はマンホール4内に配設されている。
拘束および引き戻し用装置10では、4本の互いに平行な同一形状のロッド(第1ロッド21、第2ロッド22、第3ロッド23および第4ロッド24(図3参照))を単心ケーブル1の長手方向(図2の矢印2の方向)に沿って単心ケーブル1の周囲に配置している。各ロッド21〜24の一端部は補助板6のねじ孔に螺合し、ロックナット25a、25bにより固定されている(図2参照)。補助板6はその四隅の各々がアンカーボルト7により壁5に固定されている。このため、各ロッド21〜24の一端部は補助板6を介して壁5に固定されている。なお、補助板6は管路3の前記開口した部分を避けるように形成されている。さらに、各ロッド21〜24の他端部は枠体50に固定されている。各ロッド21〜24の他端部から各ロッド21〜24の一端部に向かう方向は単心ケーブル1が前記波乗り現象により移動する方向である。
単心ケーブル1を挟む一対の第1および第2ゴムクサビ41、42がマンホール4の壁5と枠体50との間に配置されている。単心ケーブル1を挟んだ状態の一対のゴムクサビ41、42の径41a、42a(図3参照)は各ロッド21〜24の一端部側から他端部側になるほど大きくなる(図2参照)。
一対のゴムクサビ41、42の各々の側面41b、42b(図3参照)を覆う一対の第1金具43および第2金具44が配置されている。一対のゴムクサビ41、42の各々の側面41b、42bを覆った状態の各金具43、44の間には隙間があり、各金具43、44は4個の第1コイルばね49により互いに引き付けられるように付勢されている。
具体的には、図3に示すように、第1金具43の一方の張り出し部43fの孔および第2金具44の一方の張り出し部44eの孔をボルト45が挿通し、張り出し部43fの上側にてナット48(ナット48の径が張り出し部43fの孔の径より大きい)がボルト45に螺合し、張り出し部44eの下側にて第1コイルばね49をボルト45が挿通し、第1コイルばね49の下側にて座金47をボルト45が挿通し、座金47の下側にてナット46がボルト45に螺合している。このようにして、第1コイルばね49がボルト45およびナット46、48および座金47により張り出し部43f、44e間の間隔を狭めるように付勢するように配設されている。第1金具43の他方の張り出し部43gと第2金具44の他方の張り出し部44fについても同様に第1コイルばね49が配設されている。
各金具43、44の外面にフランジ部43a、44aが形成され、各フランジ部43a、44aに形成された孔43b、43c、44b、44cを各ロッド21〜24が挿通している。なお、各フランジ部43a、44aは各ロッド21〜24に直交している。
図1に示すように、各ロッド21〜24が挿通する第2コイルばね61が各フランジ部43a、44aよりもマンホール4の壁5側に配置されて各フランジ部43a、44aを枠体50側に付勢している。具体的には、各ロッド21〜24には雄ねじが形成されていて、ナット62が各ロット21〜24に螺合し、各ナット62と各フランジ部43a、44aとの間に挟まれるように各第2コイルばね61が配設されている。
なお、図3に示すように、一対のゴムクサビ41、42の形状は同じであり、一対のゴムクサビ41、42の各々の側面41b、42bの単心ケーブル1に垂直な断面は円弧状である。
さらに、図1に示すように、第1金具43の外面のフランジ部43aが着脱可能である。すなわち、フランジ部43aの取り付け部分43dは複数のボルト43eにより第2金具44の一方の張り出し部44eに固定されている。なお、第2金具44の他方の張り出し部44f(図3参照)においても、フランジ部43aの図示しない取り付け部分(取り付け部分43dに相当する)が複数のボルト(ボルト43eに相当する)により取り付けられている。
さらに、枠体50は2つの部分(第1および第2部分51、52)からなり、単心ケーブル1が枠体50を挿通するように2つの部分51、52を組み合わせて枠体50を構成している。なお、枠体50の各部分51、52は第1および第2ロッド21、22に螺合するナット53、54で挟まれるように固定されている。さらに、図2に示すように、第1部分51は各ロッド23、24に螺合するナット53、54で挟まれるように固定されている。
ここで、上下方向の第1コイルばね49による単心ケーブル1の面圧σ(77kV単心ケーブル、心導体の断面積1500mm平方用)は
σ=4P/{W×D×sin(φ/2)} (1)
ここで、P:第1コイルばね49の1本当たりの力
(1380N:ばね定数92N/mm×圧縮長15mm)
W:ゴムクサビ41、42の長さ(20cm)(図4参照)
D:単心ケーブル1の径(8cm)
φ:各ゴムクサビ41、42の接触角(単心ケーブル1の全周に相当する角度360°の半分180°のうちゴムクサビ41または42が接触する角度)(150°)
となる。
さらに、単心ケーブル1の各ゴムクサビ41、42による先端面圧Pmax(77kV単心ケーブル、心導体の断面積1500mm平方用)は以下のようになる。なお、拘束時に各ゴムクサビ41、42の変形が殆どないと仮定し、円盤ブレーキ接触面の最大圧力計算式により計算した。
Pmax=Qsinα/{2πRa(Rb−Ra)(sinα+μcosα)}
=0.066〜0.111(MPa) (Q=4.9kN時)
=0.16〜0.2646(MPa) (Q=11.83kN時)
(2)
ここで、Ra:各ゴムクサビ41、42の細い側の半径(5.1cm)(図2参照)
Rb:各ゴムクサビ41、42の太い側の半径(10cm)(図2参照)
α:クサビ角度(ゴムクサビ41、42の側面41b、42bが単心ケーブ
ル1の長手方向2となす角度)(15.3°)(図4参照)
Q:引っ張り力(拘束時4.9kN/引き戻し時11.83kN)
なお、Qの方向は単心ケーブル1が波乗り現象で移動する方向であり、
引き戻し時のQ:ケーブルシースの断面積1,208mm平方×ケーブルシースの耐力値9.8N/(mm平方)
μ:摩擦係数(0.5〜1.0と仮定)
以上より、最大面圧は(1)式と(2)式の合計として
拘束時(Q=4.9kN)
0.419〜0.464(MPa)<0.49MPa
引き戻し時(Q=11.83kN)
0.413〜0.6176(MPa)<0.98MPa
となる。
以上の構成の単心ケーブル1の拘束および引き戻し用装置10は、以下の動作をする。
単心ケーブル1を挟んだ状態の一対のゴムクサビ41、42の径41a、42aは前記波乗り現象により単心ケーブル1が移動する方向側になるほど小さくなり、一対のゴムクサビ41、42の各々の側面41b、42bを覆う一対の金具43、44が配置され、一対のゴムクサビ41、42の各々の側面41b、42bを覆った状態の各金具43、44の間には隙間があり、各金具43、44は4本の第1コイルばね49により互いに引き付けられるように付勢され、一対のゴムクサビ41、42は単心ケーブル1を把持でき、各ロッド21〜24が挿通している第2コイルばね61は一対の金具43、44のフランジ部43a、44aを前記波乗り現象により単心ケーブル1が移動する方向と反対方向に付勢している。
このため、一対のゴムクサビ41、42は各金具43、44を互いに引き付けるように付勢している第1コイルばね49の付勢力および一対のゴムクサビ41、42の径41a、42aが前記波乗り現象により単心ケーブル1が移動する方向側になるほど小さくなっていることにより単心ケーブル1を前記波乗り現象により移動する方向と反対方向に引き戻す場合の一対のゴムクサビ41、42が単心ケーブル1を把持する力が大きくなる。このため、一対のゴムクサビ41、42をコンパクトにすることができる。そして、単心ケーブル1が気温の上昇により伸びると、一対のゴムクサビ41、42は単心ケーブル1を把持して単心ケーブル1が前記波乗り現象により移動する方向と反対方向に移動する。このため、波乗り現象により移動した単心ケーブル1を引き戻すことができる。
図4は熱伸縮の利用による単心ケーブル1の引き戻しのイメージを示し、再度、初期状態と同じ位置に拘束および引き戻し用装置10を取り付ける方法を示している。図4(a)は拘束および引き戻し用装置10の取り付け初期の状態を示し、図4(b)は温度上昇による単心ケーブル1の伸び出しを示し、図4(c)は単心ケーブル1以外を図4(a)と同じ状態に再度取り付けた状況を示し、図4(d)は温度上昇による単心ケーブル1の伸び出しを示す。以下、所定位置に戻るまで、図4(c)、図4(d)を繰り返す。ここで、単心ケーブル1のマーク1aは波乗り現象により移動した単心ケーブル1を引き戻す方向に移動している。
さらに、図5に示すように、第2コイルばね61を再度締め付け、単心ケーブル1の拘束力を高めれば、単心ケーブル1の熱伸縮を利用して徐々に単心ケーブル1を引き戻すことが可能となる。具体的には、図4(b)の状態になったときに、図5(a)ではナット62を締め付けて、第2コイルばね61を短くして第2コイルばね61がフランジ部43aを付勢する力を増加させている。さらに、図5(a)において単心ケーブル1が熱で伸びると、第2コイルばね61がフランジ部43aを付勢しているので、図5(b)に示すように、マーク1aが枠体50の方に移動する。以降、単心ケーブル1が所定位置に戻るまで、図5(a)、(b)を繰り返す。
なお、各ロッド21〜24の長さが足りなくなったら、図4(c)、(d)、図5(a)、(b)の順に作業を繰り返す。
図6は単心ケーブル1の移動量の測定結果を示す。ここでは11月を基準にして1年分を1つのグラフにしている。折れ線グラフaは拘束および引き戻し用装置10の取り付け2年前を示し、折れ線グラフbは拘束および引き戻し用装置10の取り付け1年前を示し、折れ線グラフcは拘束および引き戻し用装置10の取り付け後1年を示す。図6から拘束および引き戻し用装置10の取り付け2年前は単心ケーブル1の波乗り移動が16mmあり、拘束および引き戻し用装置10の取り付け1年前は熱伸縮5mmのみで波乗り移動がなかった(飽和している。)ことがわかる。拘束および引き戻し用装置10を取り付けた後は、冬期に引き込まれることなく、良好な単心ケーブル1の拘束を示し、夏期の単心ケーブル1の伸びを阻害していないことがわかる。
図6の折れ線グラフcの左端側(11月)が図4(a)に対応し、図6の折れ線グラフcの右端側(10月)が図4(b)に対応する。ここで、図4(c)の操作をすることで単心ケーブル1の熱伸縮利用による引き戻しを行うことができる。この方法は単心ケーブル1の熱伸縮力を利用することから長期間必要であるが強制的に引き戻すよりも小さな力で引き戻せるため単心ケーブル1を損傷する恐れはない。
拘束および引き戻し用装置10で単心ケーブル1を強制的に引き戻す場合は、各ゴムクサビ41、42およびゴムクサビ41、42を覆う一対の金具43、44で第1コイルばね49を使用せず、ボルト止めで単心ケーブル1を把持し、金具43、44にチェーンブロック、ウインチ等の機械的な外力を加えて単心ケーブル1を引き戻す。
その際、各ゴムクサビ41、42を使用しているので、引き戻すときに単心ケーブル1を把持する力の向上を図っている。このため、単心ケーブル1の表面のケーブルシースの引張強度(例えば9.8N/(mm平方))まで引き戻し力を加えることができる。これにより、殆どの引き戻し作業において接続部(単身ケーブル1の接続に使用されている。)の解体および再接続が不要となる。例えば、単心ケーブル1が77kV、心導体の断面積1,500mm平方の場合では、径間長200m〜300mの布設張力と同等の11.8kNまで引き戻し力を加えることができる。
さらに、各ゴムクサビ41、42の単心ケーブル1の長手方向(矢印2の方向)の長さを一番条件の厳しいマンホール4に合わせ、ゴムクサビ41、42の先端角度(ゴムクサビ41、42の側面41b、42bが単心ケーブル1の長手方向となす角度)を適切に選ぶ(例えば15.3°)ことで、省スペース化とゴムクサビ41、42の単心ケーブル1を挟んで保持する力(把持力)の向上を実現するとともに、単心ケーブル1に対する面圧を既存クリートと同等とした。
なお、既存クリートの場合には、拘束力4.9kNを得るためには、取り付けのための直線部が60cm(有効把持長10cm×5個)必要であったが、30cm(有効把持長20cm)で実現した。さらに、既存クリートと同じ仕様のスプリングで把持金物を固定することで初期面圧0.49MPa以下、引き戻し時の面圧0.98MPa(初期面圧の2倍)以下となる設計とした。
単心ケーブル1が77kV、心導体の断面積1,500mm平方の場合、初期面圧0.29MPa以下、引き戻し(11.8kN)時0.784MPa以下となり、単心ケーブル1の性能にも影響がないことを実機で確認した。
さらに、一対のゴムクサビ41、42は単心ケーブル1を確実に挟んで保持でき、その際の単心ケーブル1を挟む力のバランスをよくすることができる。
さらに、各金具43、44を単心ケーブル1の拘束および引き戻し用装置10に組み付けることが容易になる。
さらに、単心ケーブル1を布設後に2つの部分すなわち第1部分51と第2部分52に分割された枠体50を単心ケーブル1の拘束および引き戻し用装置10に組み付けることが容易になる。
なお、引き戻し時に接続部の解体・再接続が不要となるので、接続部の解体・再接続を行う場合の費用が不要になる。これに対し、拘束および引き戻し用装置10による引き戻しの費用は前記接続部の解体・再接続の費用に比べてはるかに少ない。
また、拘束および引き戻し用装置10による単心ケーブル1の拘束が確実になり、追跡管理のための特別点検が不要になる。このため特別点検のための費用が不要になる。
なお、ゴムクサビ41、42の材質は単心ケーブル1の表面の塩化ビニールシースよりも柔らかいものであり、例えばエチレンプロピレンゴムである。
また、上記の実施の形態では、第1金具43の外面のフランジ部43aを着脱自在にしているが、これに限定されず、第2金具44の外面のフランジ部44aを着脱可能にしてもよい。
また、4本のロッド21〜24を正方形の各頂点に配置して、この四角形の中央を単心ケーブル1が挿通するようにしているが、ロッドの数は4本に限らない。例えば、5本のロッドを五角形の各頂点に配置してもよいし、6本のロッドを六角形の各頂点に配置してもよい。
本願発明の実施の形態に係る単心ケーブルの拘束および引き戻し用装置を示す斜視図である。 図1の一部分を切り欠いた正面を示す正面図である。 図2のA−A断面図である。 図1の装置の動作の一例を説明する説明図である。 図1の装置の動作の他の例を説明する説明図である。 図1の装置の実験結果を示すグラフである。
符号の説明
1 単心ケーブル
3 管路
4 マンホール
5 壁
10 拘束および引き戻し用装置
21〜24 第1〜第4ロッド
41 第1ゴムクサビ
42 第2ゴムクサビ
43 第1金具
44 第2金具
49 第1コイルばね
50 枠体
51 第1部分
52 第2部分
61 第2コイルばね

Claims (4)

  1. 波乗り現象により移動した単心ケーブルの拘束および引き戻しに適用する装置であって、
    前記単心ケーブルの長手方向に沿って、複数のロッドを配置し、
    前記複数のロッドの一端部はマンホールの壁に固定され、
    前記複数のロッドの他端部は枠体に固定され、
    前記ロッドの他端部から前記ロッドの一端部に向かう方向は前記単心ケーブルが前記波乗り現象により移動する方向であり、
    前記単心ケーブルを挟む一対のゴムクサビが前記マンホールの壁と前記枠体との間に配置され、
    前記単心ケーブルを挟んだ状態の一対のゴムクサビの径は前記ロッドの一端部側から前記ロッドの他端部側になるほど大きくなり、
    前記一対のゴムクサビの各々の側面を覆う一対の金具が配置され、前記一対のゴムクサビの各々の側面を覆った状態の各金具の間には隙間があり、前記各金具はばねにより互いに引き付けられるように付勢され、
    前記各金具の外面にフランジが形成され、このフランジに形成された孔を前記複数のロッドが挿通し、
    前記ロッドが挿通するコイルばねが前記フランジよりもマンホールの壁側に配置されて前記フランジを前記枠体側に付勢することを特徴とする単心ケーブルの拘束および引き戻し用装置。
  2. 請求項1に記載の単心ケーブルの拘束および引き戻し用装置であって、
    前記一対のゴムクサビの形状は同じであり、前記一対のゴムクサビの各々の側面の前記単心ケーブルに垂直な断面は円弧状であることを特徴とする単心ケーブルの拘束および引き戻し用装置。
  3. 請求項1または2に記載の単心ケーブルの拘束および引き戻し用装置であって、
    前記各金具の外面のフランジのどちらか一方が着脱可能であることを特徴とする単心ケーブルの拘束および引き戻し用装置。
  4. 請求項1から3までのいずれかに記載の単心ケーブルの拘束および引き戻し用装置であって、
    前記枠体は2つの部分からなり、前記単心ケーブルが前記枠体を挿通するように前記2つの部分を組み合わせて前記枠体を構成することを特徴とする単心ケーブルの拘束および引き戻し用装置。
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