JP2013198178A - 添線架設用スペーサーおよび添線架設方法 - Google Patents

添線架設用スペーサーおよび添線架設方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2013198178A
JP2013198178A JP2012059311A JP2012059311A JP2013198178A JP 2013198178 A JP2013198178 A JP 2013198178A JP 2012059311 A JP2012059311 A JP 2012059311A JP 2012059311 A JP2012059311 A JP 2012059311A JP 2013198178 A JP2013198178 A JP 2013198178A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
conductor
wire
spacer
suspension member
additional line
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012059311A
Other languages
English (en)
Inventor
Ryuji Shitashimizu
龍二 下清水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chugoku Electric Power Co Inc
Original Assignee
Chugoku Electric Power Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chugoku Electric Power Co Inc filed Critical Chugoku Electric Power Co Inc
Priority to JP2012059311A priority Critical patent/JP2013198178A/ja
Publication of JP2013198178A publication Critical patent/JP2013198178A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Suspension Of Electric Lines Or Cables (AREA)

Abstract

【課題】 短尺導体を用い添線の架設工事を容易かつ短時間に実施でき、しかも添線の架設区間において一様なコロナ騒音低減効果が得られる添線架設用スペーサーを提供する。
【解決手段】 本発明の添線架設用スペーサーは、多導体電線路の大地側の2条の導体をそれぞれ把持可能な1対の導体把持部を両端に備え、当該1対の導体把持部の略中間に添線連結部を備えている。添線連結部は前記1対の導体把持部の略中間でこれらよりも下方に添線としての短尺導体の端部金具を連結可能である。架設区間内に添線架設用スペーサーを複数配置し、これらの間に短尺導体を連結する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、多導体電線路に添線を架設する際に用いられ、良好な施工性を備えコロナ騒音低減にも優れた効果を示す添線架設用スペーサー及びこれを用いた添線架設方法に関する。
超高圧送電線では、降雨時に発生するコロナ騒音がしばしば問題となる。従来行われていたコロナ騒音の有効な低減対策としては、電線自体の表面処理、多導体化、大サイズ化及び多導体電線路の非対称配列化とともに、添線架設方式が挙げられる。この添線架設方式は、径間内又は当該径間内の一部の区間における多導体送電線の大地側の2条の導体の下側に同程度の太さの電線を添線として1条添架することで、当該多導体電線の下側に位置する素導体の表面電位の傾きを下げ、これによりコロナ騒音を低減することを目的としている。
この添線を多導体電線路に架設するのに、3導体スペーサーが用いられることが多い。図7は、従来公知の3導体スペーサーの一例を示している。この図に示す3導体用スペーサー5は、多導体電線路の大地側の2条の導体W1、W2及びこれらの中央下方に位置する導体W3(この導体W3が添線とされる。)をそれぞれ把持する導体把持部28、32、36と、これら導体把持部28、32、36の基端側をそれぞれ支持固定するフレーム26とから主に構成されている。
導体把持部28、32、36は、フレーム26の長さ方向両端寄りと中間領域とにそれぞれ厚さ方向に貫通する貫通孔27a、27b、27cに挿通され、スプリング302、342,392及びナット301、341、391により揺動可能に固定されたアイボルト31、35、40に連結されている。また、導体把持部28、32、36は、固定把持片281、321、
361と、その先端寄りに回動可能に枢支された可動把持片282、322、362とをそれぞれ備えており、可動把持片282、322、362をそれぞれ回動させることで、導体W1、W2、W3を把持又は取り外し可能とされている。
図8は、図7に示した3導体用スペーサー5により多導体電線路に添線55を添架する従来の添線方式を示す図であり、(a)は側面図、(b)は正面図である。この図に示す3導体用スペーサー5の各部には、図7と同じ符号を用いている。図8において、導体61〜64は、所定間隔に設けられた導体スペーサー8、8により正面視正方形状の配置に保持されている。そして、大地側の2条の導体61,62を所定間隔で保持する3導体用スペーサー5、5、5、5によって、長尺導体である添線55が導体61,62の中間でかつこれらの高さレベルよりも下側に保持されている。
しかし、この添線方式にも、以下のような問題がある。
(1)対策を講じようとする径間内の全長に対して添線を添架する必要があり、添線として使用する電線が長尺となる。
(2)添線が長尺となるため、延線工事時にはエンジン・ドラム場などを仮設しなければならない。
(3)延線工事は長時間にわたるため、その間は送電線の連続停電が必要となる。
(4)添線1条の荷重分だけ鉄塔荷重が増大するため、事前に鉄塔強度の確認が必要であり、当該鉄塔強度が不足する場合には、鉄塔の改造又は建替えが必要になる。
(5)上記(1)に関連するが、経年劣化などで添線を張り替える場合には、その径間内の添線をそっくり張替える必要がある。
これらの問題を解決すべく、多くの提案が従来よりなされてきている。例えば、特許文献1の提案は、複数の短尺導体を添線として用い、径間内の多導体送電線の大地側の2条に所定の間隔で配設した2導体添線架設用スペーサーのうち隣接するものの間にて各短尺導体の両端を把持し、添架するようにしたものである。また、特許文献2の提案は、全長30〜100m程度の短尺導体の両端に端末添線架設用スペーサーとして2導体添線架設用スペーサーを、また中間に中間添線架設用スペーサーとして添線架設用スペーサーを取り付けた添線ユニットを径間内の大地側の2条の送電線にそれぞれ所定の間隔で独立に添架するようにしたものである。
特許第2910934号明細書 特許第4558265号明細書
しかしながら、特許文献1の提案では、2導体添線架設用スペーサーのフレーム中央に設けた水平型引留ヨークで短尺導体を把持するが、風などにより添線が鉛直方向や水平方向に振動または揺動(以下、単に「揺動」という。)した場合、前記引留ヨークの損傷、変形や添線の大地側2導体との接触による損傷などが生じる危険性がある。また、コロナ騒音低減効果を著しく向上させるためには、通常、添線を架設した区間内で、添線は大地側の2条の導体の下側であってこれら2条の導体と適正な位置関係に保つ必要がある。しかし、同提案では、2導体添線架設用スペーサーにおいてヨークによる添線の把持部分が大地側の2条の導体と同じ高さレベルにあることから、当該部分におけるコロナ騒音低減効果が小さくなり、前記区間内においてコロナ騒音低減効果の小さい部分が所定の間隔で配置されることになる。
また、特許文献2の提案では、中間添線架設用スペーサーにおける添線の把持部分が風などに起因する鉛直方向または水平方向の振動により損傷、変形する危険性がある。また、この提案では、添線ユニットを隣接するもの同士所定の間隔に保ちつつ端末添線架設用スペーサー及び中間添線架設用スペーサーを送電線に取り付けていく必要があるので、従来の長尺導体の場合ほどではないにしろ、添線の延線工事に時間がかかる問題がある。
そこで、本発明は、前記課題を解決すべく、短尺導体を用い、従来の提案の場合よりも添線の架設工事を容易かつ短時間に実施でき、しかも添線を架設する区間において一様なコロナ騒音低減効果が得られる添線架設用スペーサーを提供することを目的とする。
前記目的は、本発明の一局面によれば、多導体電線路の大地側の2条の導体をそれぞれ把持可能な1対の導体把持部を両端に備え、添線連結部を当該1対の導体把持部の略中間に備えており、前記添線連結部は前記各対の導体把持部の略中間でこれらよりも下方に添線としての短尺導体の端部金具を連結可能な端部金具連結部材を備えてなることを特徴とする添線架設用スペーサーによって達成される。
また、前記目的は、本発明の別の局面によれば、1対の導体把持部が両端寄りに固定されたフレームの当該1対の導体把持部の固定位置の略中間に一端部が固定され、当該フレームからこれに略垂直に下方に向けて懸垂固定された懸垂部材と、その下端に略直角に設けられ、前記各導体把持部よりも相対的に低い位置で添線としての短尺導体の端部金具を連結可能な端部金具連結部材とを備えてなることを特徴とする添線架設用スペーサーの添線連結部によって達成される。
さらに、前記目的は、本発明のさらに別の局面によれば、前記添線架設用スペーサーを多導体電線路の大地側の2条の導体を把持させて当該多導体電線路に所定間隔で複数配置し、隣り合う前記添線架設用スペーサーの互いに対向する端部金具連結部材にそれぞれ短尺導体の両端の端部金具を連結することにより添線を構成するようにしたことを特徴とする添線架設方法によって達成される。
本発明の添線架設用スペーサーは、添線として短尺導体を用い、容易かつ短時間に多導体電線路における架設区間に添線を架設でき、この添線が鉛直方向などに揺動しても、前記添線連結部が損傷したり、多導体電線路の大地側の2条の導体と添線とが接触、損傷することがない。また、本発明の添線架設用スペーサーを用いれば、短尺導体端部を架設区間の全長にわたり多導体電線路の大地側の2条の導体よりも下側に保持した状態で連続して添線を架設できるので、従来の添線方式よりも優れたコロナ騒音低減効果が得られる。
また、添線として短尺導体を用いるため、運搬が容易で、従来の添線架設方法のように仮設備が不要となり、添線架設工事期間の短縮も図られる。また、経年劣化などにより、添線の貼り替え工事が必要な場合でも、貼り替えの必要な区間のみを部分的に張り替えることが可能である。
本発明の添線架設用スペーサーの実施形態の一例を示す図である。 図1の実施形態に取り付けられている添線連結部の一例を示す図である。 本発明の添線架設用スペーサーに取付可能な添線連結部の別の例を示す図である。 図1に示した実施形態の使用方法を説明するための図である。 図3に例示した添線連結部を取りつけた実施形態の仕様方法を説明するための図である。 本発明の添線架設用スペーサーの多導体送電線路への取付状態を示す図である。 多導体送電線路への添線の添架状態の一例を示す図である。 添線を添架するのに使用される従来の添線架設用スペーサーの一例を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態として、3導体用の添線架設用スペーサーの一例を示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。この図に示すように、本発明の添線架設用スペーサー1は、フレーム26と、その両端に導体把持部28、32とを備えるとともに、略中間に添線把持部36を備えている。なお、図1において、1点鎖線で囲まれた領域Cは、従来公知の3導体用スペーサーの構成を開示する範囲を示している。以下、この領域C内の構成について簡単に説明する。
フレーム27は、帯状体をなし、その長さ方向両端よりそれぞれ中央に向けて略等距離にある2つの折曲部によって中間部分26cと、これに対してそれぞれ鋭角に配置される両側部分26a、26bとの3つの部分に区画されている。2つの両端部分26a、26bのそれぞれの自由端部寄りに厚さ方向に貫通する貫通孔27a、27bが、また中間部分26cの略中心に同様に厚さ方向に貫通する貫通孔27cが設けられている。
貫通孔27a、27bにはそれぞれ、これらに挿通する鍔付きの取付ボルト29、33が下側から上側に突出するように挿通されており、この突出した部分にスプリング302、342がそれぞれ外嵌され、さらにナット301、341が螺合することで、取付ボルト29、33はフレーム26に固定されている。これらの取付ボルト29、33の下部にはそれぞれクレビスジョイント29、33を介して導体把持部28、32が固定され、スプリング302、342によってそれぞれ揺動可能とされている。
導体把持部28、32はそれぞれ、固定把持片281、321と、その下端の軸によって該固定把持片に揺動可能に連結された可動把持片282、322と、当該可動把持片を固定把持片に固定するための止め具283、323とから構成されている。そして、導体把持部28は、送電線路における大地側の2条のうちの1条の導体W1を把持し、導体把持部32は、残りの1条の導体W2を把持している。
フレーム26の中間部分26cの貫通孔27cには、鍔付き取付ボルト38の軸がフレーム26の下側から上側に突出するように挿通されている。この突出した軸の部分にスプリング392が外嵌され、さらにナット391が螺合することで、取付ボルト38はフレーム26に固定されている。この取付ボルト38の鍔より下側の軸支部40の下端寄りには、ボルト42を挿通可能なようにリング状の軸支部40に形成され、その開口がボルト挿通孔40aとされている。このような取付ボルト38として、例えばアイボルトなどの従来公知のものが好適に使用される。
本実施形態における添線連結部10は、図1に示すように、懸垂部材11と、端部金具連結部材15(以下、単に「連結部材15」ということがある。)とを備えている。この添線連結部の詳細を図2に示す。図2中、(a)は添線連結部の斜視図、(b)は側面図、(c)は正面図である。
図2において、懸垂部材11は、長さ方向に直交する断面が四角形を呈する棒状体である。なお、この懸垂部材11の断面形状は、これが受ける引張り力や曲げに耐えるだけの機械的強度を備えていれば、前記のような四角形に限定されず、これ以外の例えば三角形、五角形などの多角形や円形、楕円形などであってもよい。
懸垂部材11の上端面からその長さ方向下方に向け、該懸垂部材11の上端面及び前後方向に開口する溝12が設けられている。この溝12を両側から対向して挟むように設けられた突片11a、11bには、その上端寄りの対応した位置に突片11a、11bをこれらの厚さ方向に貫通する貫通孔14、14がそれぞれ設けられている。これらの貫通孔14、14を軸支部40のボルト挿通孔40aに合わせて各貫通孔14、14にボルト41を貫通させナット42を螺合することで、軸支部40と添線連結部10との間にクレビスジョイント13が形成される。これにより、添線連結部10は、軸支部40に対して揺動可能に連結されることになる。
懸垂部材11の長さは、本発明の添線架設用スペーサー1を多導体電線路に取り付けた場合に、導体把持部28、32のそれぞれに把持された2条の導体W1、W2の高さ位置よりも後述する端部金具連結部材15が下方に位置するように設定される。著しいコロナ騒音低減効果を得ることを目的とする場合には、大地側の2条の導体W1、W2と端部金具連結部材15との間の高低差(心心距離)は、導体W1、W2を含む多導体電線路の状況などから求めた値に設定することが好ましい。懸垂部材11は、その長さを調整できるように、その長さ方向略中間にターンバックルなどの公知の構造を設けるようにしてもよい。
懸垂部材11の下端には、この長さ方向に直交させて連結部材15が設けられており、添線連結部10は側面視逆T字状を呈している。なお、懸垂部材11と連結部材15とは、それぞれ個別に作製され接合したものであってもよく、一体に成形されたものであってもよい。
連結部材15は、懸垂部材11と同様、長さ方向に直交する断面が四角形の棒状体であり、その両端部分は側面視略半円形状に局面加工されている。この曲面加工された両端面から懸垂部材11側に向けて上下に開口する溝15a、15bが形成されており、これらの溝15a、15bの両側に位置する突片のそれぞれの互いに対応する位置にこれらの突片を貫通する貫通孔16、17が穿設されている。溝15a、15bの少なくとも一方に不図示の短尺導体の端部金具が揺動可能に連結されるように構成されている。
図2に示す添線連結部10を備えた添線架設用スペーサーは、添線を架設しようとする区間(以下、架設区間という。)の全長にわたり配置できる。添線連結部10は両端に短尺導体の端部金具を連結できるので、架設区間の中間に配置できるのはもちろんのことであるが、当該架設区間の両端にも配置してもよい。なお、架設区間とは、本明細書においては、径間の全長またはその一部の区間の双方を指している。
図3は、本発明における添線連結部の別の例を示しており、(a)は斜視図、(b)は側面図である。この図に示す添線連結部20は、懸垂部材21の下端に設けられる連結部材25がその長さ方向一方向にのみ延び全体として側面視略L字状を呈している。連結部材25の先端部は側面視略半円形状の曲面加工が施され、さらに当該面の幅方向略中央から懸垂部材11側に向けて上下に開口する溝25aが設けられている。また、溝25aを挟む連結部材25の先端部寄りには、その幅方向に貫通する貫通孔26、26が設けられている。この溝25aに短尺導体の端部金具(不図示)が揺動可能に連結されるようになっている。なお、この添線連結部20のその他の構成、具体的には懸垂部材21の外形及びその上端の溝22並びに当該溝22を挟む突片21a、21bについては、図2に示した添線連結部と本質的に変わりはない。
図3に示す添線連結部20を備えた添線架設用スペーサーは、架設区間の両端において添線である短尺導体を連結するのに用いられる。そして、添線連結部20には、碍子などの絶縁体(図5、符号47参照)を介在させて短尺導体の端部金具が連結される。これにより、添線架設用スペーサー1と大地側の2条の導体(不図示)とを絶縁し、添線(短尺導体)に電流(ループ電流)が流れないようにするのが、コロナ騒音低減のためには好ましい。この点は後述する。
架設区間において隣り合う添線架設用スペーサー間のそれぞれには、添線として短尺導体が連結される。この短尺導体は、予め、電線ドラムなどで供給される導体(電線)を適宜の長さ、例えば約10〜20m程度に裁断して複数条を得、各条の両端に同形同サイズの端部金具53をそれぞれ固着することで作製される。各条の短尺導体の長さを前記範囲に設定することで、これを隣接する添線架設用スペーサーの間に架設した場合に弛みを小さくすることができ、結果としてコロナ騒音低減効果の向上に資することになる。なお、各条の短尺導体52はそれぞれ前記範囲内で長さを揃えても異ならせてもよいが、好ましくは揃えるのがよい。
次に、図4及び図5を参照して本発明の添線架設用スペーサーの使用方法及び当該スペーサーを用いた添線架設方法について説明する。なお、これらの図では、本発明の添線架設用スペーサーの構成において従来公知の範囲(図1、1点鎖線で囲まれた領域C)の図示を省略しており、以下では、この範囲内 の機器構成についての説明も省略する。
前記のように複数条の短尺導体52、52、・・・を用意し、各々の短尺導体52の両端に端部金部53,53、・・・をそれぞれ固着する。端部金具53は、図4及び図5に示すように、長さ方向一端面が当該方向に開口し短尺導体52の端部を収容可能とされ、他端が閉塞する円筒状部54と閉塞された側の面から長さ方向外方に突設された板状の連結片55とから構成されている。この連結片55の先端部は、側面視半円形状に局面加工が施され、該先端部寄りにはその厚さ方向に貫通するボルト孔55aが穿設されている。この端部金具53の前記開口に短尺導体52の端部を差し込み、所定の圧縮工具などを用いて従来公知の方法により円筒状部54を側方から圧縮することで、端部金具53は短尺導体52の端部に固着される。
添線架設計画に基づいて、多導体電線路の架設区間(前記のように、径間の全長にわたって架設してもよく、一部の区間に架設してもよい。)に当該電線路に沿って所定の間隔ごとに複数の本発明の添線架設用スペーサー1,1,1、・・・を配置していく(図6参照)。なお、各添線架設用スペーサー1は、不図示の多導体電線路の大地側の2条の導体を把持することで固定するものとする。
各添線架設用スペーサー1は、その端部金具連結部材15(又は25)に短尺導体52の端部金具53を連結しながら1つずつ多導体電線路に配置してもよく、予め添線架設用スペーサーを前記架設区間内の一部の区間に所定間隔で配置した後に、隣り合う添線架設用スペーサーの間に短尺導体52の両端の端部金具53、53をそれぞれ連結しながら配置してもよい。
添線としての短尺導体52の添線架設用スペーサー1への連結は、具体的には以下の手順にて行われる。まず、添線架設用スペーサーが図2に示す添線連結部10を有し、当該スペーサー1を架設区間の両端を除く中央領域に配置する場合、図4に示すように、添線連結部10における端部金具連結部材15の両端部にそれぞれ形成された溝15a、15bに両側から短尺導体52、52の端部金具53、53をそれぞれ差し込む。そうして、それぞれの端部金具53にある連結片55のボルト孔55aと連結部材15の両端寄りに設けられた貫通孔16(又は17)との位置を合わせ、これら各孔にボルトB5(又はB4)を挿通し、その軸に反対側からワッシャーW5(又はW4)を通し、ナットN5(又はN4)を締め込む。これにより、短尺導体52は、連結部材15の一端に揺動可能に連結される。
また、図3に示す添線連結部20を有する添線架設用スペーサー1は、当該スペーサー1は前記のとおり架設区間の両端に配置される。この場合、
良好なコロナ音低減効果を得るためには、架設区間内の添線に電流を流さないようにする必要がある。このとき、架設区間内のすべての添線架設用スペーサーを絶縁する方法もあるが、送電電圧の誘導により多導体電線路の導体と添線との間に電位差が生じ、これが添線架設用スペーサー1の絶縁を劣化させる可能性がある。そこで、多導体電線路の導体と添線とを同電位にし、かつ添線に電流(ループ電流)を流さない方法として、架設区間の中間に配置される添線架設用スペーサーを導通状態とし、該架設区間両端の添線架設用スペーサー1を前記のようにして絶縁状態にするのが好ましい。図5では、添線架設用スペーサー12を絶縁状態にするために、短尺導体52と連結部材25との間に碍子47を含む絶縁部を形成するようにしている。
図5における碍子(絶縁体)47は、その軸線方向両端にそれぞれ連結金具48、50を備えている。連結金具48は、碍子47の軸線方向一端面の略中心に突設されており、その先端寄りに厚さ方向に貫通する貫通孔49が設けられている。これに短尺導体52の端部金具53を連結する場合には、連結金具48と連結片55とを互いの側面同士を当接させた上で、ボルト孔55aと貫通孔49との一を合わせ、ボルトB3をこれらに挿通し、反対側からワッシャーW3を通しナットN3を締め付ける。
一方、図5における連結金具50は、側面視略半円形状の曲面加工がその先端部に施され、さらに当該面の幅方向略中央から碍子47に向けて上下に開口する溝50aが設けられたものである。この溝50aを挟む連結部材50の先端部寄りには、その幅方向に貫通する貫通孔51、51(図5では、一方のみ図示されている。)が設けられている。
図5の例では、図3に示す添線連結部20と、短尺導体52の端部金具53を連結した碍子47とのとを連結するために、例えば図5に示すように連結片44を用いている。この連結片44は、図5に示すように、両端部に平面視曲面加工を施した板状体であり、該両端部寄りにそれぞれ厚さ方向に貫通する貫通孔45,46が穿設されている。添線連結部20における端部金具連結部材25の溝25aに、連結片44の貫通孔46側の端部を差し込み、ボルト孔26と貫通孔46との位置を合わせた上で、そこにボルトB1を挿通し、ワッシャーW1及びナットN1によって締め付けてこれらを連結する。 一方、碍子47の連結金具50の溝50aには、連結片44の貫通孔45側の端部を差し込み、ボルトB2、ワッシャーW2及びナットN2を用いてこれらを連結する。これにより、架設区間の両端においては、添線連結部20を有する添線架設用スペーサー1がそれぞれ配置され、これらに短尺導体52を絶縁体としての碍子47を介して連結されることになる。
このように本実施形態の2種類の添線連結部を有する添線架設用スペーサー及び複数の短尺導体を用いることで、容易かつ短時間に多導体電線路における架設区間に添線を架設でき、またこの添線が鉛直方向などに揺動しても、前記添線連結部が損傷したり、多導体電線路の大地側の2条の導体と添線とが接触、損傷することがない。また、本実施形態の添線架設用スペーサーを用いれば、短尺導体端部を多導体電線路における導体よりも下側の適正な位置で添線連結部に連結した状態で連続して架設でき、また多導体電線路における導体から添線に電流が流れることがないので、従来の添線方式よりも優れたコロナ騒音低減効果が得られる。
以上、3導体用スペーサーを例にとり、本発明の添線架設用スペーサーの実施形態について説明したが、本発明はこの実施形態に限定されず、発明の主題を逸脱しない限り本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、本発明の添線架設用スペーサーは5以上の奇数条の導体を把持可能な多導体用スペーサーにも適用可能である。
1 添線架設用スペーサー(本発明)
10、20 添線連結部
11、21 懸垂部材
13 クレビスジョイント
15、25 端部金具連結部材
26 フレーム
26a、26b 両端部
26c 中間部
27(27a、27b、27c) 貫通孔
28、32 導体把持部
29、33、38 取付ボルト
301、341、391 ナット
302、342、392 スプリング
40 支持片
44 連結片
52 短尺導体
53 端部金具
54 筒状部
55 連結部
55a ボルト孔

Claims (13)

  1. 多導体電線路の大地側の2条の導体をそれぞれ把持可能な1対の導体把持部を両端に備え、添線連結部を当該1対の導体把持部の略中間に備えており、前記添線連結部は前記1対の導体把持部の略中間でこれらよりも下方に添線としての短尺導体の端部金具を連結可能な端部金具連結部材を備えてなることを特徴とする添線架設用スペーサー。
  2. 前記各対の導体把持部は、帯状のフレームの長さ方向両端寄りにそれぞれ固定され、前記添線連結部は当該フレームの略中間に一端部が固定されて該フレームから下方に略垂直に延設される懸垂部材を備えており、前記端部金具連結部材は当該懸垂部材の他端部に設けられてなる請求項1に記載の添線架設用スペーサー。
  3. 前記懸垂部材は、前記フレームに着脱自在に固定されるものである請求項1または2に記載の添線架設用スペーサー。
  4. 前記懸垂部材は、その長さ方向一端にクレビスジョイントを形成可能とされる請求項1〜3のいずれか1項に記載の添線架設用スペーサー。
  5. 前記端部金具連結部材は、その長さ方向両端のうち少なくとも一方において前記短尺導体の端部金具を連結可能とされてなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の添線架設用スペーサー。
  6. 前記端部金具連結部材は、その長さ方向中間において前記懸垂部材の下端と固定されており、前記添線端部金具連結部は前記連結部材の長さ方向両端に設けられてなる請求項1〜5のいずれか1項に記載の添線架設用スペーサー。
  7. 3導体用スペーサーである請求項1〜6のいずれか1項に記載の添線架設用スペーサー。
  8. 1対の導体把持部が両端寄りに固定されたフレームの当該1対の導体把持部の固定位置の略中間に一端部が固定され、当該フレームからこれに略垂直に下方に向けて懸垂固定された懸垂部材と、その下端に略直角に設けられ、前記各導体把持部よりも相対的に低い位置で添線としての短尺導体の端部金具を連結可能な端部金具連結部材とを備えてなることを特徴とする添線架設用スペーサーの添線連結部。
  9. 前記懸垂部材は、前記フレームに着脱自在に固定されるものである請求項8に記載の添線連結部。
  10. 前記懸垂部材は、その長さ方向一端にクレビスジョイントを形成可能とされる請求項8または9に記載の添線連結部。
  11. 前記端部金具連結部材は、その長さ方向両端のうち少なくとも一方において前記短尺導体の端部金具を連結可能とされてなる請求項8〜10のいずれか1項に記載の添線連結部。
  12. 前記端部金具連結部材は、その長さ方向中間において前記懸垂部材の下端と固定されており、前記添線端部金具連結部は前記連結部材の長さ方向両端に設けられてなる請求項8〜11のいずれか1項に記載の添線連結部。
  13. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の添線架設用スペーサーを多導体電線路の大地側の2条の導体を把持させて当該多導体電線路に所定間隔で複数配置し、隣り合う前記添線架設用スペーサーの互いに対向する端部金具連結部材にそれぞれ短尺導体の両端の端部金具を連結することにより添線を構成するようにしたことを特徴とする添線架設方法。
JP2012059311A 2012-03-15 2012-03-15 添線架設用スペーサーおよび添線架設方法 Pending JP2013198178A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012059311A JP2013198178A (ja) 2012-03-15 2012-03-15 添線架設用スペーサーおよび添線架設方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012059311A JP2013198178A (ja) 2012-03-15 2012-03-15 添線架設用スペーサーおよび添線架設方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013198178A true JP2013198178A (ja) 2013-09-30

Family

ID=49396512

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012059311A Pending JP2013198178A (ja) 2012-03-15 2012-03-15 添線架設用スペーサーおよび添線架設方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013198178A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106384988A (zh) * 2016-08-19 2017-02-08 沈健龙 一种间距随风变化的电线支撑固定机构

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106384988A (zh) * 2016-08-19 2017-02-08 沈健龙 一种间距随风变化的电线支撑固定机构

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6756231B2 (ja) 架空電線分岐用治具およびこれを備えた架空電線分岐用装置
KR20190000870U (ko) 케이블 받침대
KR100503025B1 (ko) 가공 송전 선로 철탑용 점퍼선 고정장치
JP2013198178A (ja) 添線架設用スペーサーおよび添線架設方法
US3624268A (en) Jumper arrangement for overhead transmission lines
CN205595731U (zh) 一种10千伏架空配电线路用耐张型线夹
KR20150138741A (ko) 배전선로용 완철
US9882359B2 (en) Temporary transfer bus
JP5794902B2 (ja) 鉄塔周辺の工事ユニット及び工事方法
KR200405985Y1 (ko) 폴리머 상간 스페이서 구조
RU143031U1 (ru) Траверса опоры воздушной линии электропередач
JP2010166640A (ja) 架空送電線路及び鉄塔周辺の工事方法
RU2690700C1 (ru) Междуфазная дистанционная распорка воздушных линий электропередачи
RU146873U1 (ru) Соединительный зажим
US2315082A (en) Cable clamp
JP5694438B2 (ja) 引下線固定具
JP4767077B2 (ja) 通信ケーブル吊架用腕金および通信ケーブル吊架方法
JP2008278602A (ja) 鉄塔の建替工事方法
KR20120003166U (ko) 폴리머 현수애자
JP2008236963A (ja) 電線架設部材の取付具
US10074963B2 (en) Tangent suspension accessory assembly and accessory bracket therefor
RU160439U1 (ru) Устройство для соединения спирального натяжного зажима с линейными подвесными изоляторами
KR20170090335A (ko) 현수애자연결구
KR20130053255A (ko) 전선 관통홀을 갖는 라인 포스트 애자
JP3773909B2 (ja) 架空線路