以下に、本発明を実施するための複数の形態について説明する。以下の説明において、先行する形態で説明している事項に対応する部分については同一の参照符を付し、重複する説明を略する場合がある。構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、先行して説明している形態と同様とする。以下の説明は、情報処理方法についての説明をも含む。
図1は、本発明の実施の一形態である情報処理装置100の電気的構成を示すブロック図である。情報処理装置100は、記録媒体、具体的にはコンパクトフラッシュ(登録商標)カード(以下「CFカード」という場合がある)3に記録された情報を解析可能かつ出力可能に構成されている。CFカード3は、通電しなくても記憶が消えないフラッシュメモリと、外部との入出力を受け持つコントローラ回路とが電気的に接続されたものである。情報処理装置100は、CFカード3に限らず、SD(Secure Digital)メモリカード、メモリースティックおよびスマートメディアなどの記録媒体に記録された情報も解析可能かつ出力可能に構成されてもよい。
CFカード3には、予め、後述するドライブレコーダ本体5(図2参照)を構成するハードウェア資源を統括的に制御するための複数のドライブレコーダ用制御プログラムと、後述するトリガ発生時前の記録時間Tbef、トリガ発生時後の記録時間Taft、1イベントにおける記録範囲Rhの合計時間などの各種設定情報によって構成される設定ファイルと、画像を表示するための画像表示プログラムとが記録されている。
情報処理装置100は、操作部101、カードリーダ102、記憶部103、表示部104および処理部105を含んで構成される。操作部101は、利用者が操作して所定の情報を入力するための入力操作キーなどの複数の操作片を有し、たとえばキーボードによって実現される。操作部101は、各操作片が操作されることによって、数字情報、文字情報および情報処理装置100への指示情報などの所定の情報など、操作に応じた情報を表す信号を生成して処理部105に与える。したがって利用者は、操作部101の各操作片を操作して、情報処理装置100に情報を与えることができる。
カードリーダ102は、装着された記録媒体、本実施の形態ではCFカード3に記録された車両情報および画像表示プログラムを読取る。本実施の形態の車両情報は、静止画像データおよび後述するヘッダ情報をそれぞれ含む複数の画像ファイルと、静止画像データを表示すべき順番を表す順番情報とを含む。順番情報は、各画像ファイルに付されるファイル番号である。
記憶部103は、カードリーダ102によってCFカード3から読み出された車両情報および画像表示プログラムを記憶する。また記憶部103は、情報処理装置100を構成するハードウェア資源を統括的に制御するための情報処理装置用制御プログラムを記憶する。情報処理装置用制御プログラムは、情報処理装置100の図示しないROM(Read
Only Memory)に記憶されてもよい。
表示部104は、後述するドライブレコーダ1のカメラ6で撮像されて、CFカード3に記録された車両情報に含まれる静止画像データが表す画像を表示する。前記画像は、文字、数字などのキャラクタを表す画像でもよいし、写真およびイラストを表す画像でもよい。表示部104は、透過型液晶表示素子、反射型液晶表示素子、エレクトロルミネッセンス(Electro Luminescence;略称:EL)素子および半透過半反射型液晶表示素子のうち、少なくとも1つを用いて実現されてもよい。また表示部104は、カラー表示可能であってもよいし、白黒表示可能であってもよい。
処理部105は、CPUなどの処理回路によって実現される。処理部105は、記憶部103に記憶される情報処理装置用制御プログラムに従って、情報処理装置100を構成するカードリーダ102、記憶部103および表示部104を制御する。
処理部105は、カードリーダ102によってCFカード3から読取った車両情報および画像表示プログラムを、記憶部103に記憶させる。処理部105は、記憶部に記憶される車両情報に含まれる画像ファイルを読込み、記憶部103に記憶される画像表示プログラムを実行することによって、読込んだ画像ファイルに含まれる静止画像データ、さらに述べると静止画像データが表す画像を、車両情報に含まれる順番情報の番号順に予め定めるタイミングで更新して表示部104に表示させる。本実施の形態における更新とは、表示部104に表示されている画像を新たな画像に書換えて、表示状態を変化させることをいう。
処理部105は、車両情報に含まれる順番情報の番号が不連続となっているとき、不連続となる二つの番号の間の番号に対応する静止画像データが表す画像として、不連続となる二つの番号のうち表示すべき順番が早い静止画像データが表す画像を表示部104に表示させる。
処理部105は、記憶部103に、予め定める画像解析プログラムなどのアプリケーションプログラムをインストールすることによって、情報を解析可能に構成されている。ただし、アプリケーションプログラムは、画像解析プログラムに限定されるものではない。本実施の形態の表示部104は、表示装置に相当する。処理部105は、読込手段および画像処理手段に相当する。本実施の形態において、静止画像情報は、静止画像データであってもよいし、画像ファイルであってもよい。
図2は、車両用情報記録装置1の電気的構成を示すブロック図である。図3は、車両2へのカメラ取付け位置を説明するための図である。車両用情報記録装置(以下「ドライブレコーダ」という場合がある)1は、たとえばバッテリ電圧が12ボルトの乗用車に好適に搭載される。ドライブレコーダ1は、車両2に設けられる撮像装置であるカメラから与えられる画像データを記憶するとともに、予め定める条件が成立した場合に、画像データおよび音声データなどを、記録媒体、具体的には不揮発性メモリであるコンパクトフラッシュ(登録商標)カード(以下「CFカード」という場合がある)3に記録するように構成されている。CFカード3は、通電しなくても記憶が消えないフラッシュメモリと、外部との入出力を受け持つコントローラ回路とが電気的に接続されたものである。
ドライブレコーダ1は、ドライブレコーダ本体5、撮像装置であるカメラ6、車室内の音声を取得し、取得した音声を音声データに変換するマイクロフォン(以下「マイク」という)7および警告情報を発するブザー8を有する。カメラ6およびマイク7は、ドライブレコーダ本体5に電気的に接続されて別体に設けられ、ブザー8はドライブレコーダ本体5に一体に設けられる。当該車両2には少なくとも一台のカメラ6が設けられる。
カメラ6は、CCD(Charge Coupled Device)カメラによって実現される。このカメラ6は、図3の矢符D1で表記する車両2の前方方向を撮影するために、たとえばルームミラー裏のフロントガラス2aに、図示外のブラケットを介して貼り付けられる。つまりこのカメラ6は車両前方に向けて固定される。ドライブレコーダ1では、オプションとして、当該車両2に二台目または三台目のカメラ6を設けることが可能であり、具体的には車室内の撮影用カメラ6A、または車両後方の撮影用カメラ6Bを設けることも可能である。ドライブレコーダ本体5には、これらのカメラ6A,6Bで撮像するための撮影スイッチ9が電気的に接続されて別体に設けられる場合もある。
ドライブレコーダ本体5には、CFカード3を挿抜可能な挿入口が形成されている。挿入口に挿抜可能な記録媒体は、前述のCFカード3に限らず、たとえばSD(Secure
Digital)メモリカード、メモリースティックおよびスマートメディアであってもよい。
ドライブレコーダ本体5は、CPU(Central Processing Unit)11、フラッシュROM(Flash Read Only Memory;略称:F−ROM)12、記憶手段としてのRAM
(Random Access Memory)13、CFカードインターフェース(略称:CFカードIF)14、JPEG IC(JPEG:Joint Photographic coding Experts Group、IC:Integrated Circuit)15、ビデオスイッチ(略称:ビデオSW)16および発光ダイオード(Light Emitting Diode;略称:LED)17を有する。
ドライブレコーダ本体5は、USB(Universal Serial Bus)ホスト機能を有する手段であるUSB HOST20、USBインタフェース(略称:USB IF)21、通信用ドライバ22、LCD(Liquid Crystal Display)操作器コネクタ23、バッファ24、車両2から与えられるHi/Lo信号の電源起動信号を含む車両信号を検出する起動信号検出回路部25、ウォッチドック機能を有するウォッチドックIC(略称:WD)26、バックアップ用電源部27、Gセンサ28、リアルタイムクロック(Real Time
Clock;略称:RTC)29および車速パルスを集計する図示外のカウンタをさらに有する。LCD操作器コネクタ23には、乗務員データを入力可能なLCD操作器27が接続可能に構成されている。
Gセンサ28は、車両2の前後方向および左右方向に作用する重力加速度、いわゆるGセンサ出力値を検出可能である。車両2の運転席に着座した乗務員の正面方向およびその後方を前後方向とし、車両2に着座した乗務員の左および右方向を左右方向とする。前後方向および左右方向に直交する方向を上下方向とする。前記前後方向をY軸方向と定義し、前記左右方向をX軸方向と定義する。X軸方向のGセンサ出力値とY軸方向のGセンサ出力値とは、独立して検出されて記録される。
F−ROM12は、CFカードIF14に接続されるCFカード3に予め記憶されている制御プログラムおよび設定ファイルを記憶する。RAM13は、第1SD−RAM
(Synchronous Dynamic Random Access Memory)31および第2SD−RAM32を備える。第1SD−RAM31は、JPEG IC15によってJPEG形式に変換された静止画像データを一時的に記憶する。第2SD−RAM32は、リングバッファメモリによって構成される。第2SD−RAM32は、Gセンサ28によって検出されるGセンサ出力値、後述する車速センサ35によって検出される車両2の走行速度(以下「車速」という)情報、および起動信号検出回路部25によって検出される車両信号などの車両2に関する情報、前記JPEG形式に変換された静止画像データ、マイク7から与えられる音声データなどを巡回して一時的に記憶する。
RTC29は、CPU11、F−ROM12、第2SD−RAM32の動作の基準となるシステムクロック、ならびに現在時刻などを含む計時情報をCPU11に与える。
CPU11には、F−ROM12、第2SD−RAM32、CFカードIF14、LED17、RTC29がそれぞれ電気的に接続される。CPU11には、JPEG IC15を介して第1SD−RAM31およびビデオSW16が電気的に接続されている。ビデオSW16は、複数のカメラ6が設けられる場合に、所定時間間隔で撮像する複数のカメラ6を切換えるための切換えスイッチである。
CPU11には、USB HOST20を介してUSB IF21が電気的に接続されるとともに、通信用ドライバ(232Cドライバ)22、LCD操作器コネクタ23、バッファ24、WD26、Gセンサ28およびバックアップ用電源部27がそれぞれ電気的に接続されている。バッファ24は、起動信号検出回路部25に電気的に接続される。WD26には、バックアップ用電源部27が電気的に接続される。前記電源起動信号が得られない場合、通信用ドライバ22からの入力をスイッチ30でGPSアンテナ側への入力に切換える。この場合には、単独でGPSから車両2の位置を検出できる。バックアップ用電源部27は、車両に設けられる車両電源部50から電力の供給が停止したときに、CPU11に電力を供給する。
図4は、Gセンサ出力値に基づいて、静止画像データが一定間隔δおきにCFカード3に記録される態様を表す図である。図5は、静止画像データの一部と位置情報等との関係を表す図である。CPU11は、カメラ6で撮像され、ドライブレコーダ本体5に入力された入力画像をJPEG IC15によってJPEG形式の静止画像データに変換して、そのJPEG形式に変換された静止画像データを第1SD−RAM31に一時的に記憶させる。その後CPU11は、JPEG形式に変換された静止画像データをフレーム単位で時系列順に第2SD−RAM32に順次記憶させる。このとき1枚(1フレーム)の静止画像データは、たとえば「画像*.jpg」という形式で第2SD−RAM32に記憶される(図5参照)。前記「*」は整数である。
CPU11は、静止画像データの付加情報として、当該車両2のGセンサ出力値と、位置情報と、時刻情報と、車速センサ35(図2参照)からの車速情報と、マイク7からの音声データとを、第2SD−RAM32に順次記憶させる。
予め定める記録条件を満たした場合、CPU11は、ブザー8に記録開始の合図を出力させる。これとともにCPU11は、第2SD−RAM32に記憶されたJPEG変換画像、Gセンサ出力値、位置情報、時刻情報および車速情報をCFカード3に記録させる。本実施の形態では、たとえば1秒間に10枚(10フレーム)の静止画像データがCFカード3に記録され、1イベント最大20秒間で200枚(200フレーム)の静止画像データがCFカード3に記録可能に構成されている。1イベントとは、予め定める記録条件を満たした一つの状態と同義である。
さらに述べると、本実施の形態のCFカード3には、1イベント(1件)あたりの静止画像データの記録時間を20秒とした場合、15件分の静止画像データを記録可能である。CFカード3には、たとえば図5に示すように、最大20秒間で200枚の静止画像データ「画像1.jpg」,・・・,「画像200.jpg」から成る静止画像データ群が記録され、また前記静止画像データ群に含まれる各静止画像データのファイル名「画像1」,・・・,「画像200」と、前記車両2の位置情報、時刻情報、Gセンサ出力値および車速情報を含む情報とをそれぞれ関連付けた情報が、静止画像データ群の付加情報として、CFカード3に記録される。
図6は、閾値を超過したGセンサ出力値40と、CFカード3に記録される静止画像データの記録範囲Rhとの関係を表す図である。記録条件としてGセンサ出力値40が閾値GmaxまたはGminを超過すると、閾値超過時刻TGを基準として最大20秒間の記録範囲Rhにわたって、第2SD−RAM32にエンドレスで記録されたJPEG変換画像、そのGセンサ出力値、位置、時間および車速情報と、マイク7からの音声データとをCFカード3に記録する。以下の説明において、閾値超過時刻TGをトリガ発生時TGという場合がある。トリガ発生時TG前の記録時間Tbef秒に、トリガ発生時TG後の記録時間Taft秒を加えた時間が、1イベントにおける記録範囲Rhの合計時間に相当する。
本実施の形態では、トリガ発生時TG前の記録時間Tbefを12秒とし、トリガ発生時TG後の記録時間Taftを8秒としている。トリガ発生時TG前の記録時間Tbefは、8秒以上12秒以下の範囲で設定可能であり、トリガ発生時TG後の記録時間Taftは、8秒以上12秒以下の範囲で設定可能である。換言すれば、1イベントにおける記録範囲Rhは、トリガ発生時TG前8秒以上12秒以下、トリガ発生時TG後8秒以上12秒以下の範囲で最大20秒間を設定可能になっている。
本実施の形態では、1イベントにおける記録範囲Rhの合計時間を最大20秒に設定しているが、記録範囲Rhの合計時間は20秒に限定されるものではなく、記録範囲Rhの合計時間を、20秒よりも長い時間に設定されてもよいし、20秒よりも短い時間に設定されてもよい。
図7は、Gセンサ出力値の閾値判定方法を説明するための図である。CPU11は、Gセンサ28の出力を取得し、閾値Gabeを超えたか否かを判定する。Gセンサ28は、前述のようにX、Y軸方向の重力加速度を検出する二軸タイプのセンサであり、車両2の前後方向および左右方向の重力加速度を検出可能に構成されている。したがって前後方向の衝突事故だけでなく、左右方向の衝突事故をも確実に検出することができ、その原因を分析することが可能となる。閾値判定は、前後方向の重力加速度と、左右方向の重力加速度とのベクトル和で実施する。この閾値は、設定により任意の値に変更可能になっている。
図8は、ドライブレコーダ1の一部の構成を示すブロック図である。本実施の形態のドライブレコーダ1のバックアップ用電源部27は、バックアップ回路部27A、内部電源変換部51および電力検出手段である主電源用電力検出部52を備えて構成される。
車両2に設けられる車両電源部(以下「主電源部」という場合がある)50の出力部50bは、バックアップ回路部27Aの入力部27aに電気的に接続されるとともに、主電源用電力検出部52の入力部52aに電気的に接続される。バックアップ回路部27Aの出力部27bは、内部電源変換部51の入力部51aに電気的に接続される。内部電源変換部51の出力部51bおよび主電源用電力検出部52の出力部52bは、CPU11に電気的に接続される。
本実施の形態のバックアップ回路部27Aは、ダイオード55およびコンデンサ56を備えて構成される。具体的に述べると、車両電源部50の出力部50bは、ダイオード55のアノード55aに電気的に接続される。ダイオード55のカソード55bと内部電源変換部51との間には、他端がグランドに接続されたコンデンサ56が接続されている。ダイオード55のカソード55bとコンデンサ56の正極端子との接続点は、内部電源変換部51の入力部51aに電気的に接続されている。コンデンサ56は、電解コンデンサによって実現されてもよいし、電気二重層コンデンサによって実現されてもよい。
バックアップ回路部27Aでは、車両電源部50から電力が供給されているときは、供給される電力を用いてコンデンサ56を充電し、また車両電源部50から電力が供給されていないときは、コンデンサに蓄えられた電荷を放電することによって、内部電源変換部51に電力を供給する。
内部電源変換部51は、バックアップ回路部27Aから与えられた電圧を、CPU11で用いられる電圧に変換し、変換した電圧をCPU11に与える。内部電源変換部51は、たとえばレギュレータによって実現される。
主電源用電力検出部52は、車両電源部50から電力が供給されているか否かを検出し、その検出結果をCPU11に与える。車両電源部50から電力が供給されているか否かは、具体的には車両電源部50から供給される電圧値または電流値が零であるか否かを判断することによって検出する。さらに述べると、主電源用電力検出部52は、車両電源部50から供給される電圧値または電流値が零であれば、車両電源部50から電力が供給されていないことを検出する。
図9は、第2SD−RAM32に記憶された静止画像データを、日時が新しい順番にCFカード3に記録する場合の第2記録処理の動作を説明するための図である。図10は、静止画像データの第2SD−RAM32への記憶動作および静止画像データのCFカード3への記録動作を示す図である。図10(1)は、静止画像データの第2SD−RAM32への記憶動作を示す図である。図10(2)は、車両電源部50から電力が供給されているときの静止画像データのCFカード3への記録動作を示す図である。図10(3)は、トリガ発生と同時に車両電源部50からの電力供給が停止したときの静止画像データのCFカード3への記録動作を示す図である。図10(4)は、トリガ発生後に車両電源部50からの電力供給が停止したときの静止画像データのCFカード3への記録動作を示す図である。
本実施の形態の第2SD−RAM32は、30秒分の静止画像データを記憶可能な容量を有しており、図9および図10(1)に示すように、たとえばフレームA、フレームB、フレームC、・・・,フレームM、フレームN、フレームOの順番に、各フレームの静止画像データを記憶する。また本実施の形態では、Gセンサ出力値が閾値GmaxまたはGminを超過したとき、その閾値超過時刻(トリガ発生時)TGを基準として、トリガ発生時TG前の12秒分の静止画像データと、トリガ発生時TG後の8秒分の静止画像データとを、第2SD−RAM32からCFカード3へ記録するように構成されている。
CPU11は、カメラ6で撮像され、第2SD−RAM32に記憶された静止画像データをCFカード3に記録すべき指令、具体的には前記指令を表す信号が与えられ、かつ主電源用電力検出部52が、車両電源部50から電力が供給されていることを検出したとき(以下「通常時」という場合がある)に、前記指令を表す信号が与えられた時刻を含む予め定める時間内に第2SD−RAM32に記憶された静止画像データを、トリガ発生時TGを基準として、第2SD−RAM32に記憶された日時が古いフレームの静止画像データから順番にCFカード3に記録させる第1記録処理を実行する。
さらに述べると、CPU11は、図9に示すように、通常時には、第2SD−RAM32に記憶された静止画像データのうち、トリガ発生時TGを基準として、トリガ発生時TG前の12秒分の静止画像データと、トリガ発生時TG後の8秒分の静止画像データとを、第2SD−RAM32に記憶された日時が古いフレームの静止画像データから順番にCFカード3に記録させる。さらに具体的に述べると、CPU11は、図10(2)に示すように、通常時には、フレームA、フレームB、・・・、フレームH、・・・,フレームI、・・・、フレームM、フレームN、フレームOの順番に、第2SD−RAM32に記憶された各フレームの静止画像データをCFカード3に記録させる。
また通常時に、静止画像データがCFカード3に記録されているときでも、第2SD−RAM32には、図9および図10(1)に示すようにフレームP、フレームQ、フレームR、・・・の順番に、新たなフレームの静止画像データが空き領域に記憶されていく。第2SD−RAM32に記憶されている静止画像データがCFカード3に記録されると、この静止画像データは第2SD−RAM32から消去され、消去されてできた空き領域には、新たな静止画像データが記憶されるようになっている。
車両2の前後方向および左右方向に作用する重力加速度を表すGセンサ出力値が、予め定める閾値を越えるなどの所定の条件が成立して、第2SD−RAM32に記憶された静止画像データをCFカード3に記録すべき指令を表す信号が与えられ、かつ主電源用電力検出部52が、車両電源部50から電力が供給されていないことを検出したとき(以下「電源断時」という場合がある)には、第2SD−RAM32に記憶された静止画像データのうち、トリガ発生時TGを基準として、第2SD−RAM32に記憶された日時が新しいフレームの静止画像データが、前記日時が古いフレームの静止画像データに比べて、事故の状況分析および車両の運転状況の分析をするうえで重要な静止画像データとなる。
そこで本実施の形態では、電源断時TOFFには、以下のような第2記録処理をCPU11が実行する。すなわちCPU11は、電源断時TOFFに、バックアップ用電源部27から供給される電力を用いて、第2SD−RAM32に記憶された静止画像データの少なくとも一部分、具体的にはトリガ発生時TGを基準として、トリガ発生時TGに第2SD−RAM32に記憶されたフレームを含む日時が新しいフレームの静止画像データから順番に、トリガ発生時TGからその時刻以前に遡って各フレームの静止画像データをCFカード3に記録可能となるように、第1記録処理とは異なる第2記録処理を実行する。
さらに述べると、CPU11は、電源断時TOFFに、第2SD−RAM32に記憶された静止画像データのうち、トリガ発生時TGに第2SD−RAM32に記憶されたフレームを含む日時が新しいフレームの静止画像データから順番にCFカード3に記録させる。さらに具体的に述べると、CPU11は、電源断時TOFFに、トリガ発生時TGを基準として、フレームJ、フレームI、・・・、フレームH、フレームG、フレームF・・・の順番に、各フレームの静止画像データをCFカード3に記録させる。
トリガ発生と同時に車両電源部50からの電力供給が停止したとき、換言すればトリガ発生時TGと電源断時TOFFとが一致したとき、CPU11は、図10(3)に示すように、トリガ発生時TGを基準として、トリガ発生時TGからその時刻以前に遡ってフレームJ、フレームI、・・・、フレームH、フレームG、フレームF・・・の順番に、各フレームの静止画像データをCFカード3に記録させる。
トリガ発生後に車両電源部50からの電力供給が停止したとき、CPU11は、図10(4)に示すように、車両電源部50から電力が供給されている間と、電源断時TOFF後とでそれぞれ異なる記録動作を行う。さらに述べると、CPU11は、車両電源部50から電力が供給されている間、図10(2)に示す記録動作、具体的にはフレームA、フレームB、・・・、フレームH、・・・,の順番に、第2SD−RAM32に記憶された各フレームの静止画像データをCFカード3に記録させる。
電源断時TOFFには、CPU11は、図10(3)に示す記録動作、具体的にはトリガ発生時TGを基準として、トリガ発生時TGに第2SD−RAM32に記憶されたフレームを含む日時が新しいフレームの静止画像データから順番に、さらに具体的にはフレームJ、フレームI、・・・、フレームH、フレームG、フレームF、・・・の順番に、トリガ発生時TGからその時刻以前に遡って第2SD−RAM32に記憶された各フレームの静止画像データをCFカード3に記録させる。
図11は、第2SD−RAM32に記憶された静止画像データを、日時が新しい順番にCFカード3に記録する第2記録処理に関するCPU11の処理手順を示すフローチャートである。図11に示すフローチャートでは、ドライブレコーダ本体5が電源起動する条件で本処理が開始する。本処理は、CPU11によって実行される。本処理開始後、ステップa1に移行する。
ステップa1では、第2SD−RAM32に記憶された静止画像データのCFカード3への記録指令が与えられたか否かを判断し、記録指令が与えられた場合はステップa2に移行し、記録指令が与えられない場合は、全ての処理手順を終了する。
第2SD−RAM32に記憶された静止画像データのCFカード3への記録指令は、たとえばGセンサ出力値が閾値GmaxまたはGminを超過したときに、CPU11に与えられる。したがって第2SD−RAM32に記憶された静止画像データのCFカード3への記録指令が与えられたか否かは、たとえばGセンサ出力値が閾値GmaxまたはGminを超過した否かに基づいてCPU11が判断する。
またステップa1において、第2SD−RAM32に記憶された静止画像データのCFカード3への記録指令が与えられたか否かは、利用者によって撮影スイッチ9が操作されたか否かに基づいてCPU11が判断してもよい。
ステップa2では、車両電源部50から電力が供給されているか否かを判断し、供給されていればステップa3に移行し、供給されていなければステップa4に移行する。ステップa3では、前述の第1記録処理を実行させる。第1記録処理を実行した後は、全ての処理手順を終了する。ステップa4では、前述の第2記録処理を実行させる。第2記録処理を実行した後は、全ての処理手順を終了する。
前述のように本実施の形態によれば、カメラ6で撮像された静止画像データを記録すべき指令を表す信号が与えられ、かつ主電源用電力検出部52が車両電源部50から電力が供給されていないことを検出したときは、バックアップ用電源部27から供給される電力を用いて、第2SD−RAM32にフレーム単位で記憶された静止画像データの少なくとも一部分がCFカード3に記録可能となるように、前記第1記録処理とは異なる第2記録処理が、CPU11によって実行される。
具体的には、電源断時TOFFに、第2SD−RAM32に記憶された静止画像データのうち、トリガ発生時TGに第2SD−RAM32に記憶されたフレームを含む日時が新しいフレームの静止画像データから順番に、トリガ発生時TGからその時刻以前に遡って各フレームの静止画像データをCFカード3に記録可能となるように、CPU11によって第2記録処理が実行される。
これによって、たとえば車両が事故に遭遇し、その事故の衝撃によって、車両電源部50から電力が供給されなくなった場合でも、バックアップ用電源部27から供給される電力を用いて、第2SD−RAM32に記憶された静止画像データのうち、トリガ発生時TGに第2SD−RAM32に記憶されたフレームを含む日時が新しいフレームの静止画像データおよびトリガ発生時TGに近い日時のフレームの静止画像データを、CFカード3に確実に記録することができる。
したがってCFカード3に記録された静止画像データの表す画像、さらに述べると事故の状況分析および車両の運転状況の分析をするうえで重要なフレームの静止画像データの表す画像に基づいて、たとえば事故の状況および車両の運転状況を詳細に分析することが可能となる。
図12は、電源断時の静止画像データの記録処理に関するCPU11の処理手順を示すフローチャートである。図12に示すフローチャートでは、ドライブレコーダ本体5が電源起動する条件で本処理が開始する。本処理は、CPU11によって実行される。本処理開始後、ステップb1に移行する。
ステップb1では、第2SD−RAM32に記憶された静止画像データをCFカード3に記録するトリガが発生したか否かを判断し、トリガが発生した場合はステップb2に移行し、トリガが発生していない場合は、全ての処理手順を終了する。
第2SD−RAM32に記憶された静止画像データをCFカード3に記録するトリガが発生したか否かは、Gセンサ出力値が閾値GmaxまたはGminを超過したか否か、あるいは利用者によって撮影スイッチ9が操作されたか否かに基づいて、CPU11が判断する。さらに述べると、CPU11は、Gセンサ出力値が閾値GmaxまたはGminを超過したことを認識したとき、または撮影スイッチ9が操作されたことを認識したときに、前記トリガが発生したと判断する。
ステップb2では、車両電源部50から供給される電力を用いて、第2SD−RAM32に記憶された静止画像データを記録するフォルダ(以下「車両電源用フォルダ」という場合がある)をCFカード3に作成して、ステップb3に移行する。
車両電源用フォルダのフォルダ名は、予め定める規則に従って決定される。本実施の形態では、トリガが発生した日時(以下「トリガ発生日時」という場合がある)に基づいて、車両電源用フォルダのフォルダ名が決定される。CPU11が、Gセンサ出力値が閾値GmaxまたはGminを超過したことを認識して前記トリガが発生したと判断したときは、車両電源用フォルダのフォルダ名の先頭に文字「G」を付加する。CPU11が、撮影スイッチ9が操作されたことを認識して前記トリガが発生したと判断したときは、車両電源用フォルダのフォルダ名の先頭に文字「S」を付加する。
ステップb2において、CPU11が、たとえばGセンサ出力値が閾値GmaxまたはGminを超過したことを認識して、2006年9月5日午後3時32分15秒に前記トリガが発生したと判断したときは、CFカード3に「G060905153215」というフォルダ名の車両電源用フォルダを作成する。
ステップb3では、ステップb2で作成した車両電源用フォルダに、第2SD−RAM32に記憶された静止画像データを記録する。さらに述べると、ステップb3では、図10に示すフローチャートのステップa3と同様の第1記録処理を実行する。ステップb3の処理後、ステップb4に移行する。
ステップb4では、車両電源部50からの電力の供給が停止しているか否かを判断し、停止していればステップb5に移行し、停止していなければステップb8に移行する。車両電源部50からの電力の供給が停止しているか否かは、バックアップ用電源部27の主電源用電力検出部52から与えられる検出結果に基づいて、CPU11が判断する。
ステップb5では、第2SD−RAM32に記憶された静止画像データをCFカード3の車両電源用フォルダに記録する処理を中止して、ステップb6に移行する。
ステップb6では、ステップb2で作成した車両電源用フォルダのフォルダ名に予め定める識別情報を付加した新たなフォルダ、さらに述べるとバックアップ用電源部27から供給される電力を用いて、第2SD−RAM32に記憶された静止画像データを記録するフォルダ(以下「バックアップ電源用フォルダ」という場合がある)をCFカード3に作成して、ステップb7に移行する。
本実施の形態のバックアップ電源用フォルダのフォルダ名は、トリガが発生した日時に基づいて決定される車両電源用フォルダのフォルダ名の最後尾に、予め定める識別情報、本実施の形態では記号「−A」を付加して作成する。CPU11が、Gセンサ出力値が閾値GmaxまたはGminを超過したことを認識して前記トリガが発生したと判断したときは、バックアップ電源用フォルダのフォルダ名の先頭に文字「G」を付加する。CPU11が、撮影スイッチ9が操作されたことを認識して前記トリガが発生したと判断したときは、バックアップ電源用フォルダのフォルダ名の先頭に文字「S」を付加する。
ステップb6において、CPU11が、たとえばGセンサ出力値が閾値GmaxまたはGminを超過したことを認識して、2006年9月5日午後3時32分15秒に前記トリガが発生したと判断したときは、CFカード3に「G060905153215-A」というフォルダ名のバックアップ電源用フォルダを作成する。
ステップb7では、ステップb6で作成したバックアップ電源用フォルダに、電源断時に、バックアップ用電源部27から供給される電力を用いて、第2SD−RAM32に記憶された静止画像データの少なくとも一部分を記録する。さらに具体的には、電源断時に、トリガ発生時TGを基準として、トリガ発生時TGに第2SD−RAM32に記憶されたフレームを含む日時が新しいフレームの静止画像データから順番に、トリガ発生時TGからその時刻以前に遡って各フレームの静止画像データをCFカード3に記録して、全ての処理手順を終了する。
ステップb8では、第2SD−RAM32に記憶された静止画像データの車両電源用フォルダへの記録処理が終了したか否かを判断し、記録処理が終了していれば、全ての処理手順を終了し、記録処理が終了していなければ、ステップb3に戻り、第2SD−RAM32に記憶された静止画像データの車両電源用フォルダへの記録処理を行う。
前述のように本実施の形態によれば、車両2が事故に遭遇するなどして、その事故の衝撃によって、CPU11に、車両電源部50からの電力の供給がなされなくなり、バックアップ用電源部27からの電力の供給がなされたとき、バックアップ用電源部27から供給される電力を用いて第2SD−RAM32に記憶されたことが判別可能となるように、第2SD−RAM32に記憶された車両情報をCFカード3に記録するように構成される。
したがってCFカード3に記録された複数の車両情報が、たとえばパーソナルコンピュータ(略称:PC)に取込まれ、その取込まれた複数の車両情報のうち、バックアップ用電源部27から供給される電力を用いて第2SD−RAM32に記憶された車両情報をPCの表示画面に表示させる場合に、利用者は、前記取込まれた複数の車両情報を視認するだけで、バックアップ用電源部27から供給される電力を用いて第2SD−RAM32に記憶された車両情報であるか否かを容易かつ即座に判別することができる。
これによって利用者は、バックアップ用電源部27から供給される電力を用いて第2SD−RAM32に記憶された車両情報をPCの表示画面に表示させるなどして、容易に確認することができる。
また前記従来技術とは異なり、利用者は、バックアップ用電源部27から供給される電力を用いて第2SD−RAM32に記憶された車両情報を、PCに取込まれた全ての車両情報を逐一確認して検索する必要がない。したがって、利用者による前記第2SD−RAM32に記憶された車両情報の検索作業の手間を省くことができる。
また本実施の形態によれば、バックアップ用電源部27からの電力の供給がなされたとき、車両電源部50から電力が供給されているときに車両情報に含まれる静止画像データが記録される車両電源用フォルダのフォルダ名に予め定める識別情報「−A」を付加して、CFカード3に新たなフォルダとしてバックアップ電源用フォルダを作成し、第2SD−RAM32に記憶された静止画像データのうちの一部を、CFカード3の前記バックアップ電源用フォルダに記録するように構成される。
したがってCFカード3に記録された複数の静止画像データを、たとえばパーソナルコンピュータ(略称:PC)に取込み、取込まれた複数の画像データのうち、バックアップ用電源部27からの電力供給時に記録された静止画像データを表示して確認するときに、利用者は、PCの表示画面に表示されるフォルダのうち、予め定める識別情報が付加されたフォルダ名のバックアップ電源用フォルダを検索すればよい。したがって利用者は、バックアップ電源用フォルダの有無を、容易かつ即座に認識することができ、バックアップ電源用フォルダがある場合は、そのフォルダを選択して、バックアップ用電源部27からの電力供給時に記録された静止画像データを容易に確認することができる。
これによって、前記従来技術とは異なり、利用者は、PCに取込まれた全ての静止画像データを逐一確認して、バックアップ用電源部27からの電力供給時に記録された静止画像データを検索する必要がない。したがって、利用者による静止画像データの検索作業の手間を省くことができる。これによって利用者は、バックアップ用電源部27からの電力供給時に記録された静止画像データを比較的短時間に確認することができる。
また本実施の形態によれば、CPU11によって、CFカード3に新たなフォルダとしてバックアップ電源用フォルダが作成されるときに、予め定める規則に従ってフォルダ名が決定され、このフォルダ名の最後尾に予め定める識別情報が付加される。このように予め定める規則、たとえばトリガ発生日時に基づいて決定したフォルダ名の最後尾に、車両電源用フォルダと識別するための識別情報を付加することによって、たとえばPCに取込まれたフォルダが日時順に並べられてPCの表示画面にリスト表示される場合、バックアップ電源用フォルダは、関連するイベントの車両電源用フォルダの前後に表示される。
したがって利用者は、所望するバックアップ電源用フォルダの前後に表示される車両電源用フォルダが、前記バックアップ電源用フォルダと関連するイベントのフォルダであることを容易に認識することができる。これによって、利用者が所望するバックアップ電源用フォルダと関連する車両電源用フォルダを検索する手間を省くことができ、これらの互いに関連するフォルダに含まれる静止画像データに基づいて、たとえば事故の状況および車両の運転状況を即座に分析することが可能となる。
図13は、第2SD−RAM32に記憶された静止画像データを間引きしてCFカード3に記録する場合の第2記録処理の動作を説明するための図である。
CPU11は、通常時には、第2SD−RAM32に記憶された静止画像データをCFカード3に記録すべき指令を表す信号が与えられた時刻を含む予め定める時間内に第2SD−RAM32に記憶された静止画像データを、トリガ発生時TGを基準として、第2SD−RAM32に記憶された日時が古いフレームの静止画像データから順番にCFカード3に作成される車両電源用フォルダに記録させる第1記録処理を実行する。
CPU11は、電源断時には、バックアップ用電源部27から供給される電力を用いて、第2SD−RAM32に記憶された静止画像データの少なくとも一部分、具体的には第2SD−RAM32に記憶された静止画像データから一部のフレームを間引きした残余の部分がCFカード3に新たに作成されるバックアップ電源用フォルダに記録可能となるように、第1記録処理とは異なる第2記録処理を実行する。
本実施の形態では、通常時に、1秒間に10フレームの静止画像データをCFカード3に記録可能に構成されており、電源断時に、予め定めるフレーム数おきにフレームを間引きして1秒間に5フレームの静止画像データをCFカード3に記録可能に構成されている。
前述のように本実施の形態によれば、第2SD−RAM32は、車両に関する車両情報を巡回的に記憶する。CPU11は、所定の条件が成立したとき、たとえば車両2の前後方向および左右方向に作用する重力加速度を表すGセンサ出力値が予め定める閾値を越えたときに、第2SD−RAM32に記憶された車両情報をCFカード3に記録する。バックアップ用電源部27は、車両電源部50からCPU11への電力供給のバックアップを行う。車両電源部50から電力が供給されるCPU11が、バックアップ用電源部27からの電力の供給がなされた場合に、第2SD−RAM32に記憶された車両情報のうちの一部が、CFカード3に作成されるバックアップ電源用フォルダに記録されるように構成される。
前記情報のうちの一部とは、バックアップ用電源部27がCPU11への電力の供給をすることができる期間に相当する情報、さらに述べるとバックアップ用電源部27からCPU11へ電力を供給することができる期間にCFカード3に記録できる情報(データ)量である。
したがってCPU11は、車両電源部50から電力が供給されなくなった場合でも、バックアップ用電源部27から供給される電力を用いて、第2SD−RAM32に記憶された車両情報のうちの一部をCFカード3に作成されるバックアップ電源用フォルダに確実に記録することができる。
また前述のように本実施の形態によれば、カメラ6で撮像された静止画像データを記録すべき指令を表す信号が与えられ、かつ主電源用電力検出部52が車両電源部50から電力が供給されていることを検出したときは、第2SD−RAM32にフレーム単位で、前記指令が与えられた時刻を含む予め定める時間内に記憶された静止画像データを、第2SD−RAM32に記憶された日時が古いフレームから順番にCFカード3に作成される車両電源用フォルダに記録させる第1記録処理が、CPU11によって実行される。
また、カメラ6で撮像された静止画像データを記録すべき指令を表す信号が与えられ、かつ主電源用電力検出部52が車両電源部50から電力が供給されていないことを検出したときは、バックアップ用電源部27から供給される電力を用いて、第2SD−RAM32にフレーム単位で記憶された静止画像データの少なくとも一部分がCFカード3のバックアップ電源用フォルダに記録可能となるように、前記第1記録処理とは異なる第2記録処理が、CPU11によって実行される。具体的には、第2SD−RAM32にフレーム単位で記憶された静止画像データのうち、第2SD−RAM32に記憶された静止画像データから一部のフレームを間引きした残余の部分がCFカード3のバックアップ電源用フォルダに記録可能となるように、CPU11によって第2記録処理が実行される。
これによって、たとえば車両が事故に遭遇し、その事故の衝撃によって、車両電源部50から電力が供給されなくなった場合でも、バックアップ用電源部27から供給される電力を用いて、第2SD−RAM32に記憶された静止画像データから一部のフレームを間引きした残余の部分を、CFカード3に作成されるバックアップ電源用フォルダに確実に記録することができる。したがってCFカード3のバックアップ電源用フォルダに記録された静止画像データに基づいて、たとえば事故の状況および車両の運転状況を詳細に分析することが可能となる。
また、たとえば第2SD−RAM32に記憶された静止画像データから、予め定めるフレーム数おきに一部のフレームを間引きした残余の静止画像データをCFカード3のバックアップ電源用フォルダに記録することによって、カメラ6で撮像された静止画像データを記録すべき指令を表す信号が与えられた時刻を含む予め定める時間における各フレームの時間関係は維持される。したがって、CFカード3のバックアップ電源用フォルダに記録された静止画像データが、前記予め定めるフレーム数おきに一部のフレームが間引きされた残余の静止画像データであったとしても、たとえば事故の状況および車両の運転状況を比較的容易に把握して分析することが可能となる。
次に、ドライブレコーダ1によってCFカード3に記録され、情報処理装置100の記憶部103に記憶された画像の表示処理に関して説明する。本実施の形態において、情報処理装置100の記憶部103に記憶される車両情報は、複数の画像ファイルを含む。各画像ファイルは、ヘッダ情報および静止画像データをそれぞれ含む。ヘッダ情報は、各画像ファイルに付され、画像ファイルの先頭から予め定めるバイト数で表される情報である。本実施の形態のヘッダ情報は、「コンシューマ向け」および「法人向け」などのドライブレコーダ1の向け先を表す向け先情報である。フレーム情報は、静止画像データを表示すべき順番を表す順番情報であって、各画像ファイルに対応するファイル番号と、ドライブレコーダ1のカメラ6で撮像された画像の撮像日時と、Gセンサ出力値とを含む。静止画像データは、ファイル番号に対応する番号データを含む。
ドライブレコーダ1において、カメラ6で撮像され、第2SD−RAM32に記憶された静止画像データをCFカード3に記録すべき指令を表す信号が与えられ、かつ主電源用電力検出部52が、車両電源部50から電力が供給されていないことを検出したときは、たとえば前述の図13に示すように、バックアップ用電源部27から供給される電力を用いて、第2SD−RAM32に記憶された静止画像データから一部のフレームを間引きした残余の部分がCFカード3に記録される。したがって、情報処理装置100の記憶部103には、前記第2SD−RAM32に記憶された静止画像データから一部のフレームが間引きされた残余の部分が記憶される。
このように静止画像データから一部のフレームが間引きされている、換言すれば静止画像データから一部のフレームが欠落していると、複数の静止画像データの時系列が変わり、静止画像データの更新タイミングが予め定めるタイミングよりも早くなるので、静止画像データの表す画像を見る利用者に違和感を生じさせてしまう。さらにフレームが欠落している部分に、黒画像データを補って、静止画像データの表す画像を表示しても、黒画像データが補われた静止画像データの表す画像は、利用者にとって見づらく、利用者に確実に画像を認識させることができない。
そこで本実施の形態の情報処理装置100では、前述の問題を解消するために、処理部105が、記憶部103から読込んだ各画像ファイルの順番情報の番号が不連続となっているとき、不連続となる二つの番号の間の番号に対応する静止画像データの表す画像として、不連続となる二つの番号のうち前記表示すべき順番が早い静止画像データの表す画像を表示部104に表示するようにしている。
図14は、CFカード3に記録された1件目の車両情報に含まれる情報ファイル110および画像ファイル群120を示す図である。図15は、CFカード3に記録される16件目の車両情報に含まれる情報ファイル210および画像ファイル群220を示す図である。図16は、CFカード3に記録された1件目の車両情報に、16件目の車両情報を上書きしたときの情報ファイル210および画像ファイル群300を示す図である。
本実施の形態では、1秒間に10フレームの静止画像データがCFカード3に記録され、1イベント(1件)最大20秒間で200フレームの静止画像データがCFカード3に記録可能に構成、さらに述べると200個のフレーム情報および200個の画像ファイルをCFカード3に記録可能に構成されているけれども、図14〜図16では、理解を容易にするために、20個のフレーム情報および20個の画像ファイルがCFカード3に記録されている場合を示している。
CFカード3に、1件目の車両情報として、図14に示すように、記録日が10月1日(10/1)である情報ファイル110および画像ファイル群120が記録されている場合を想定する。情報ファイル110は、複数の、本実施の形態では20フレーム分のフレーム情報111を含んで構成され、画像ファイル群120は、各フレーム情報111に対応する複数の、本実施の形態では20個の画像ファイル121を含んで構成される。
本実施の形態では、CFカード3に、最大記録件数である15件分の車両情報が記録された後、記録日が10月13日(10/13)である16件目の車両情報を記録する場合について説明する。本実施の形態において、16件目の車両情報に含まれる情報ファイル210および画像ファイル群220は、図15に示すように、情報ファイル210に含まれるフレーム情報211の一部、および画像ファイル群220に含まれる画像ファイル221の一部が、たとえばドライブレコーダ用制御プログラムが破損に起因する記録不可などのエラー、またはデータの間引きによって欠落しているものとする。
さらに具体的に述べると、16件目の情報ファイル210は、20個のフレーム情報211のうち、奇数番目のフレーム情報211が欠落した残余の10個のフレーム情報211によって構成されている。16件目の画像ファイル群220は、20個の画像ファイル221のうち、奇数番目の画像ファイル221が欠落した残余の10個の画像ファイル221によって構成されている。
CFカード3に、15件分の車両情報が記録された後、記録日が10月13日(10/13)である16件目の車両情報を記録する場合は、記録日時の最も古い件の車両情報、すなわち1件目の車両情報に、記録日時が最も新しい16件目の車両情報が上書きされる。具体的に述べると、1件目の情報ファイル110は、図16に示すように16件目の情報ファイル210に書き換えられる。1件目の画像ファイル群120は、その偶数番目の画像ファイル121が、16件目の画像ファイル群220の偶数番目の画像ファイル221に書き換えられて、図16に示すように、1件目の画像ファイル121と、16件目の画像ファイル221とが混在した画像ファイル群300となる。
前述のように、1件目の画像ファイル群120に16件目の画像ファイル群220を上書きするときは、1件目の画像ファイル群120の偶数番目の画像ファイル121のみを、16件目の画像ファイル群220の偶数番目の画像ファイル221に書き換えるだけでよい。したがって、1件目の画像ファイル群120の全ての画像ファイル121を、16件目の画像ファイル群220の全ての画像ファイル221に書き換える場合に比べて、1件目の画像ファイル群120に16件目の画像ファイル群220を上書きするときの処理速度を高くすることができる。
図17は、16件目の画像ファイル221に含まれる静止画像データの表す画像の表示処理を説明するための図である。処理部105は、画像ファイル群300における16件目の画像ファイル221に含まれる静止画像データの表す画像を表示部104に表示させるとき、16件目の情報ファイル210に含まれるフレーム情報211、さらに述べるとフレーム情報211に含まれる順番情報であるファイル番号を用いるが、16件目の情報ファイル210は、奇数番目のフレーム情報211が欠落した残余の10個のフレーム情報211によって構成されているので、フレーム情報211に含まれるファイル番号が不連続となっている。
このようにファイル番号が不連続となっているとき、処理部105は、不連続となる二つのファイル番号の間の番号に対応する静止画像データの表す画像として、不連続となる二つのファイル番号のうち前記表示すべき順番が早い静止画像データの表す画像を表示部104に表示するようにしている。
さらに具体的に述べると、16件目の画像ファイル群220は、20個の画像ファイル221のうち、奇数番目の画像ファイル221が欠落した残余の10個の画像ファイル221によって構成されている。したがって、たとえば第3番目の画像ファイル221は存在しないので、第3番目の静止画像データも存在しない。それ故、第2番目の画像ファイル221に含まれている第2番目の静止画像データの表す画像、たとえば図17に示す「画像2」を表示部104に表示した後に、本来第3番目の静止画像データの表す画像を表示すべきタイミングで、第2番目の静止画像データの表す画像である「画像2」を引続き表示部104に表示させる。第5番目以降の奇数番目の静止画像データの表す画像についても、その画像を表示すべきタイミングで、直前の偶数番目の静止画像データの表す画像を引続き表示部104に表示させる。
第1番目についても画像ファイル221は存在せず、第1番目の静止画像データも存在しない。しかも、第1番目の画像ファイル221の前には画像ファイルが存在しないので、第1番目の静止画像データの表す画像として表示することのできる画像は存在しない。したがって16件目の画像ファイル221に含まれる静止画像データの表す画像を表示するときには、第2番目の静止画像データの表す画像から表示を開始する。
したがって16件目の画像ファイル群220に含まれる静止画像データの表す画像の表示は、図17に示すように「画像2」から開始され、「画像2」、「画像4」、「画像4」、・・・「画像18」、「画像18」、「画像20」というように、奇数番目の静止画像データの表す画像として、偶数番目の静止画像データの表す画像が補われ、その結果として偶数番目の静止画像データの表す画像が順に表示部104に表示される。
図18は、画像の表示処理に関する処理部105の処理手順を示すフローチャートである。図18に示すフローチャートでは、画像表示プログラムを実行させるための所定の操作が利用者によって行われる条件で本処理が開始する。本処理は、処理部105によって実行される。本処理開始後、ステップc1に移行する。
ステップc1では、画像ファイルのファイル番号i(iは自然数)の初期値を設定して、ステップc2に移行する。ファイル番号iの初期値は、予め画像表示プログラムによって設定されている値でもよいし、操作者によって操作部101が操作されて入力された値でもよい。たとえば、操作者によって操作部101が操作されて、ファイル番号iに相当する値が入力された場合は、この入力された値を初期値として設定するようにしてもよい。
ステップc2では、記憶部103から、第i番目の画像ファイルの読込みを行い、ステップc3に移行する。ステップc3では、第i番目の画像ファイルがあるか否かを判断し、画像ファイルがあればステップc4に移行し、画像ファイルがなければステップc7に移行する。
ステップc4では、第i番目の画像ファイルに、第i番目のフレーム情報があるか否かを判断し、フレーム情報があればステップc5に移行し、フレーム情報がなければステップc7に移行する。ステップc5では、ステップc2で読込んだ第i番目の画像ファイルに、第i番目の静止画像データがあるか否かを判断し、静止画像データがあればステップc6に移行し、静止画像データがなければステップc7に移行する。
ステップc6では、第i番目の静止画像データが表す画像を表示部104に表示させて、ステップc9に移行する。ステップc7では、以前に画像を表示部104に表示させたか否かを判断し、表示させていればステップc8に移行し、表示させていなければステップc9に移行する。ステップc8では、表示部104に最後に表示させたフレームの画像を、引続き表示部104に表示させて、ステップc9に移行する。
ステップc9では、ファイル番号を表す変数iと1とを加算した値を、変数iに新たに入れて、ステップc10に移行する。ステップc10では、画像ファイルのファイル番号iが、画像ファイルの最大ファイル番号と一致しているか否かを判断し、一致していれば全ての処理手順を終了し、一致していなければステップc2に戻り、前述した処理を行う。本実施の形態では、ドライブレコーダ1によって、1イベント最大20秒間で200枚(200フレーム)の静止画像データをCFカード3に記録するように構成されているので、画像ファイルの最大ファイル番号は「200」となる。図18に示すフローチャートのステップc2は、読込工程に相当し、ステップc8は、画像処理工程に相当する。
前述のように情報処理装置100によれば、静止画像データから一部のフレームが欠落するなどして、処理部105によって記憶部103から読込まれた各画像ファイルの前記順番情報が表すファイル番号が不連続となっているとき、処理部105によって、不連続となる二つのファイル番号の間のファイル番号に対応する静止画像データが表す画像として、不連続となる二つのファイル番号のうち前記表示すべき順番が早い静止画像データが表す画像を表示部104に表示するようにしている。
したがって、黒画像が補われた静止画像が表示される前記従来技術とは異なり、利用者は、表示される画像を確実かつ容易に認識することができる。これによって、表示部104に表示される画像が、たとえばドライブレコーダ1によって取得された画像である場合、利用者は、表示部104に表示される画像から、事故の発生状況などを正確に把握し、分析することができる。
情報処理装置100では、記憶部103に記憶された画像ファイルの静止画像データを可能な限り表示部104に表示させるために、画像表示のエラー処理の取扱いを以下のようにしている。処理部105が、画像ファイルのヘッダ情報が参照できない場合は、即座にエラー処理を行わない。また処理部105が、画像ファイルのヘッダ情報、およびフレーム情報が記述されていないなどの理由で参照できない場合でも、静止画像データが存在する場合は、エラー処理を行わず、静止画像データに含まれる番号データを用いて、静止画像データが表す画像を表示部104に表示する。
処理部105が、ヘッダ情報およびフレーム情報を参照することができず、かつ静止画像データが存在しない場合は、エラー処理を行う。本実施の形態のエラー処理は、静止画像データが表す画像を表示部104に表示できない場合に、画像を表示できない旨の文字情報による警告情報を表示部104に表示する処理である。
図19は、画像および警告情報の表示処理に関する処理部105の処理手順を示すフローチャートである。図19に示すフローチャートでは、画像ファイルを指定するための所定の操作が利用者によって行われる条件で本処理が開始する。本処理は、処理部105によって実行される。本処理開始後、ステップd1に移行する。
ステップd1では、利用者によって指定された画像ファイルのヘッダ情報またはフレーム情報が参照できるか否かを判断し、参照できる場合はステップd2に移行し、参照できない場合はステップd3に移行する。ステップd2では、画像ファイルの静止画像データが表す画像を表示部104に表示させて、全ての処理手順を終了する。
ステップd3では、利用者によって指定された画像ファイルに静止画像データがあるか否かを判断し、静止画像データがあればステップd2に移行し、静止画像データがなければステップd4に移行する。ステップd4では、警告情報、たとえば「画像データが欠落しているため、画像を表示できません」という文字情報を表示部104に表示させて、全ての処理手順を終了する。
前述のように情報処理装置100によれば、処理部105が、記憶部103から読込んだ画像ファイルのヘッダ情報およびフレーム情報が記述されていないなどの理由で参照できない場合、特にフレーム情報に含まれる順番情報であるファイル番号を認識できない場合でも、静止画像データが存在する場合は、静止画像データに含まれる番号データを用いて静止画像データが表す画像を表示部104に表示するように構成される。
したがって、処理部105が、フレーム情報に含まれるファイル番号を認識できないときでも、画像ファイルに静止画像データが含まれていれば、静止画像データが表す画像が表示部104に表示される。これによって、フレーム情報に含まれるファイル番号を処理部105が認識できないために、静止画像データが表す画像を利用者が視認できないという不具合の発生を可及的に抑制することができる。
図20は、CFカード3に記録される画像表示プログラムファイル3Aおよびドライブレコーダ用制御プログラムファイル3Bを模式的に示す図である。図21は、ドライブレコーダ用制御プログラムファイル3Bの復元処理を説明するための図である。
CFカード3には、予め、画像表示プログラムファイル3Aと、ドライブレコーダ用制御プログラムファイル(以下「レコーダ用プログラムファイル」という場合がある)3Bとが記録されている。画像表示プログラムファイル3Aは、画像表示プログラムと、設定ファイルと、複数のドライブレコーダ用制御プログラムを圧縮したファイルとを含む。レコーダ用プログラムファイル3Bは、複数のドライブレコーダ用制御プログラムを含む。
前述のようにCFカード3には、予め、複数のドライブレコーダ用制御プログラムによって構成されるレコーダ用プログラムファイル3Bが記録されているが、複数の前記プログラムのうち1つでも欠けると、ドライブレコーダ1は動作しない。またCFカード3には、トリガが発生する毎に車両情報も記録される。利用者は、CFカード3に記録された車両情報をPCなどの情報処理装置によって表示して確認した後で、車両情報の消去または移動などの操作をしたとき、誤操作によって、前記ドライブレコーダ用制御プログラムを消去してしまう可能性がある。
たとえば、前記ドライブレコーダ用制御プログラムを消去した場合は、予めバックアップしている情報処理装置100の記憶部103から取得するか、またはインターネット上の前記ドライブレコーダ用制御プログラムが公開されているサイトからダウンロードして取得する必要がある。しかし、情報処理装置100の記憶部103、またはインターネット上の所定のサイトから、誤って消去したドライブレコーダ用制御プログラムを取得するときの操作は、利用者にとって煩雑であるので、操作ミスなどによって、ドライブレコーダ1の動作に必要なドライブレコーダ用制御プログラムを全て正しくCFカード3に復元できない場合がある。
本実施の形態では、CFカード3から、ドライブレコーダ用制御プログラムを誤って消去したり、ドライブレコーダ用制御プログラムが破損してエラーを引起こしたりした場合、利用者は、情報処理装置100の操作部101を操作して、CFカード3に予め記録されている画像表示プログラムファイル3Aの画像表示プログラムの所定の復元機能を実行させることによって、図21に示すように、画像表示プログラムファイル3Aに予め圧縮して記録されているドライブレコーダ用制御プログラムのファイルを全てCFカード3内に展開することができる。換言すれば、ドライブレコーダ1の動作に必要な全てのドライブレコーダ用制御プログラムを、CFカード3内に復元することができる。
前述のように本実施の形態によれば、CFカード3から、ドライブレコーダ用制御プログラムを誤って消去したり、ドライブレコーダ用制御プログラムが破損してエラーを引起こしたりした場合でも、利用者は、情報処理装置100の操作部101から、画像表示プログラムの所定の復元機能を実行させる簡単な操作をするだけで、容易にドライブレコーダ1の動作に必要な全てのドライブレコーダ用制御プログラムを、CFカード3内に復元させることができる。
また本実施の形態では、たとえば誤って消去したドライブレコーダ用制御プログラムを、予めバックアップしている情報処理装置100の記憶部103から取得するか、またはインターネット上の前記ドライブレコーダ用制御プログラムが公開されているサイトからダウンロードして取得する場合とは異なり、利用者は、画像表示プログラムの所定の復元機能を実行させる簡単な操作をするだけでよいので、利用者による操作ミスの低減を図ることができ、またドライブレコーダ1の動作に必要な全てのドライブレコーダ用制御プログラムを、比較的短時間でCFカード3内に復元させることができる。
次に、図2に示すドライブレコーダ1とは異なる形態のドライブレコーダに関して説明する。図22は、ドライブレコーダの一部の構成を示すブロック図である。本実施の形態のドライブレコーダは、図2に示す実施の形態のバックアップ用電源部27とは構成が異なるバックアップ用電源部45を備えて構成される。補助電源手段であるバックアップ用電源部45は、バックアップ回路部27A、内部電源変換部51、電力検出手段である主電源用電力検出部52、および検出手段である補助電源用電力検出部53を備えて構成される。
本実施の形態のバックアップ回路部27A、内部電源変換部51および主電源用電力検出部52の各構成および各機能は、前述の図8に示すバックアップ回路部27A、内部電源変換部51および主電源用電力検出部52と同様であるので、同一の参照符を付して説明を省略する。また本実施の形態のバックアップ用電源部45の構成は、前述の図8に示すバックアップ用電源部27の構成と類似しているので、異なる部分についてのみ説明する。
バックアップ回路部27Aの出力部27b、さらに具体的に述べると、ダイオード55のカソード55bとコンデンサ56の正極端子との接続点は、内部電源変換部51の入力部51aに電気的に接続されるとともに、補助電源用電力検出部53の入力部53aに電気的に接続される。補助電源用電力検出部53の出力部53bは、CPU11に電気的に接続される。
補助電源用電力検出部53は、バックアップ回路部27Aから出力される電圧値または電流値を検出し、その検出結果をCPU11に与える。CPU11は、補助電源用電力検出部53から与えられる電圧値または電流値に基づいて、第2SD−RAM32に記憶された静止画像データのCFカード3への記録が可能であるか否かを判断し、可能である場合は、第2記録処理として、前述の図9に示すように静止画像データを日時が新しい順番にCFカード3に記録させるか、または前述の図13に示すように静止画像データを間引きしてCFカード3に記録させる。
図23は、CFカード3への静止画像データの記録の終了処理に関するCPU11の処理手順を示すフローチャートである。図23に示すフローチャートでは、ドライブレコーダ本体5が電源起動する条件で本処理が開始する。本処理は、CPU11によって実行される。本処理開始後、ステップe1に移行する。
ステップe1は、図11に示すステップa1と同様の処理であり、ステップe2は、図11に示すステップa2と同様の処理であるので、処理の詳細な説明は省略する。ステップe2で、車両電源部50から電力が供給されていれば、図11に示すフローチャートのステップa3に移行する。
ステップe3では、第2記録処理として、CFカード3にバックアップ電源用フォルダを作成し、その作成したバックアップ電源用フォルダに、前述の図9に示すように、第2SD−RAM32に記憶された静止画像データを日時が新しい順番に記録させるか、またはCFカード3にバックアップ電源用フォルダを作成し、その作成したバックアップ電源用フォルダに、前述の図13に示すように、第2SD−RAM32に記憶された静止画像データを間引きして記録させて、ステップe4に移行する。
ステップe4では、補助電源用電力検出部53から与えられたバックアップ用電源部27からの出力電圧値または出力電流値が、第2SD−RAM32に記憶された静止画像データのCFカード3への記録が不可能な値であるか否かを判断し、前記静止画像データのCFカード3への記録が不可能であれば、ステップe5に移行し、前記静止画像データのCFカード3への記録が可能であれば、ステップe3に戻り、前述の第2記録処理を引続いて実行させる。
ステップe5では、ステップe3の第2記録処理を終了させる。ステップe5の処理後、全ての処理手順を終了する。
前述のように本実施の形態では、バックアップ用電源部27から供給される電力を用いて、第2SD−RAM32に記憶された静止画像データを、CFカード3に作成されるバックアップ電源用フォルダに記録する第2記録処理が実行されているときに、バックアップ用電源部27からの電力の供給が停止すると、電力の供給が停止した時刻に記録された静止画像データをCFカード3から読出せなくなったり、また記録された静止画像データが破壊したりするという問題が発生する場合がある。
そこで本実施の形態では、第2記録処理が実行されているときに、バックアップ用電源部27からの電力の供給が停止したか否かを判断するようにしている。さらに具体的には、図23のフローチャートのステップe4に示すように、補助電源用電力検出部53から与えられたバックアップ用電源部27からの出力電圧値または出力電流値が、第2SD−RAM32に記憶された静止画像データのCFカード3への記録が不可能な値であるか否かを、CPU11が判断する。CPU11によって、前記静止画像データのCFカード3への記録が不可能であると判断された場合、第2記録処理を終了させるようにしている。
これによって、第2記録処理が実行されているときに、バックアップ用電源部27からの電力の供給が停止し、電力の供給が停止した時刻に記録された静止画像データをCFカード3から読出せなくなったり、また記録された静止画像データが破壊したりするという問題が発生することを未然に防止することができる。
図24は、CFカード3への静止画像データの記録の禁止処理に関するCPU11の処理手順を示すフローチャートである。図24に示すフローチャートでは、ドライブレコーダ本体5が電源起動する条件で本処理が開始する。本処理は、CPU11によって実行される。本処理開始後、ステップf1に移行する。
ステップf1は、図11に示すステップa1と同様の処理であり、ステップf2は、図11に示すステップa2と同様の処理であるので、処理の詳細な説明は省略する。ステップf2で、車両電源部50から電力が供給されていれば、図11に示すフローチャートのステップa3に移行する。
ステップf3では、バックアップ用電源部27に充電された電力量(以下「充電電力量」という場合がある)が、予め定める電力量未満であればステップf4に移行し、予め定める電力量以上であればステップf5に移行する。本実施の形態において、前記予め定める電力量は、第2SD−RAM32に記憶された静止画像データのうち、1フレームの静止画像をCFカード3に記録可能な電力量である。
ステップf4では、CFカード3にバックアップ電源用フォルダを作成し、その作成したバックアップ電源用フォルダに、前述の図9に示すように、第2SD−RAM32に記憶された静止画像データを日時が新しい順番に記録させる第2記録処理を禁止させるか、または前記作成したバックアップ電源用フォルダに、前述の図13に示すように、第2SD−RAM32に記憶された静止画像データを間引きして記録させる第2記録処理を禁止させる。ステップf4の処理後は、全ての処理手順を終了する。
ステップf5では、前述の第2記録処理を実行させる。ステップf5の処理後は、全ての処理手順を終了する。
前述のように本実施の形態では、バックアップ用電源部27から供給される電力を用いて、第2SD−RAM32に記憶された静止画像データを、CFカード3に作成されるバックアップ電源用フォルダに記録する第2記録処理を実行するにあたって、バックアップ用電源部27の充電電力量が予め定める電力量未満である場合に第2記録処理を実行させようとすると、第2SD−RAM32に記憶された静止画像データをCFカード3のバックアップ電源用フォルダに記録させることができなかったり、記録させることができたとしても、破損した静止画像データが記録されてしまったりするという問題が発生する。
そこで本実施の形態では、バックアップ用電源部27から供給される電力を用いて、第2SD−RAM32に記憶された静止画像データを、CFカード3のバックアップ電源用フォルダに記録する第2記録処理を実行する前に、図24のフローチャートのステップf3に示すように、バックアップ用電源部27の充電電力量が予め定める電力量未満であるか否かを、CPU11が判断する。CPU11によって、バックアップ用電源部27の充電電力量が予め定める電力量未満であると判断された場合は、第2記録処理を禁止させるようにしている。
これによってバックアップ用電源部27の充電電力量が予め定める電力量未満である場合に第2記録処理が実行されてしまい、第2SD−RAM32に記憶された静止画像データをCFカード3に記録させることができなかったり、記録させることができたとしても、破損した静止画像データがCFカード3に記録されてしまったりするという問題が発生することを未然に防止することができる。
次に、図2および図22とは異なる形態のドライブレコーダに関して説明する。図25は、ドライブレコーダの一部の構成を示すブロック図である。本実施の形態のドライブレコーダは、図2に示す実施の形態のバックアップ用電源部27とは構成が異なるバックアップ用電源部60を備えて構成される。補助電源手段であるバックアップ用電源部60は、バックアップ回路部60A、内部電源変換部51、電力検出手段である主電源用電力検出部52、および検出手段である補助電源用電力検出部53を備えて構成される。
本実施の形態の内部電源変換部51、主電源用電力検出部52および補助電源用電力検出部53の各構成および各機能は、前述の図22に示す内部電源変換部51、主電源用電力検出部52および補助電源用電力検出部53と同様であるので、同一の参照符を付して説明を省略する。また本実施の形態のバックアップ用電源部60の構成は、前述の図22に示すバックアップ用電源部45の構成と類似しており、バックアップ回路部60Aの構成のみが異なるので、バックアップ回路部60Aの構成についてのみ説明する。
本実施の形態のバックアップ回路部60Aは、第1ダイオード61、第2ダイオード62、第3ダイオード63、第4ダイオード64、およびコンデンサ56を備えて構成される。具体的に述べると、車両電源部50の出力部50bは、第1ダイオード61のアノード61aに電気的に接続される。第1ダイオード61のカソード61bは、第2ダイオード62のアノード62aおよび第3ダイオード63のアノード63aに電気的にそれぞれ接続される。
第2ダイオード62のカソード62bは、他端がグランドに接続されたコンデンサ56の正極端子に接続される。第2ダイオード62のカソード62bとコンデンサ56の正極端子との接続点は、第4ダイオード64のアノード64aおよび補助電源用電力検出部53の入力部53aに電気的にそれぞれ接続される。第3ダイオード63のカソード63bおよび第4ダイオード64のカソード64bは、内部電源変換部51に電気的にそれぞれ接続される。
前述の図25に示すバックアップ用電源部60を備える実施の形態でも、前述の図22に示す実施の形態と同様に、図23および図24に示すフローチャートに従った処理を実行することができ、前述の図22に示す実施の形態と同様の効果を達成することができる。
本発明の実施のさらに他の形態は、コンピュータを、読込み手段および画像処理手段である処理部105として機能させるためのプログラムである。このようなプログラムがコンピュータによって実行され、これによってコンピュータが、読込手段および画像処理手段である処理部105として機能する。このような本実施の形態でも、図1〜図25に示す前述の各実施の形態と同様の効果を達成することができる。
本発明の実施のさらに他の形態は、前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。記録媒体は、たとえばフレキシブルディスクおよびCD−ROM
(Compact Disc-Read Only Memory)によって実現される。このような記録媒体に記録される前記プログラムが、コンピュータに読取られ、コンピュータに実行されることによって、図1〜図25に示す前述の各実施の形態と同様の効果を達成することができる。
前述の各実施の形態は、本発明の例示に過ぎず、発明の範囲内において構成を変更することができる。前述の実施の形態では、第2記録処理として、第2SD−RAM32に記憶された静止画像データから一部のフレームを間引きした残余の部分を、CFカード3に作成されるバックアップ電源用フォルダに記録するドライブレコーダの構成について述べたが、必ずしもこのような構成に限定されない。
本発明の他の実施の形態では、第2記録処理として、前記第2SD−RAM32に記憶された静止画像データから一部のフレームを間引きした残余の部分のうち、トリガ発生時TGを基準として、トリガ発生時TGに第2SD−RAM32に記憶されたフレームを含む日時が新しいフレームの静止画像データから順番に、CFカード3に作成されるバックアップ電源用フォルダに記録するように構成されてもよい。このように構成される場合でも、前述の図9および図13に示す実施の形態と同様の効果を達成することができる。
前述の図8に示す実施の形態のバックアップ用電源部27は、バックアップ回路部27A、内部電源変換部51および主電源用電力検出部52を備えて構成されている。換言すれば、バックアップ回路部27A、内部電源変換部51および主電源用電力検出部52が一体に設けられているが、このような構成に限定されない。本発明の他の実施の形態では、バックアップ回路部27Aと、内部電源変換部51と、主電源用電力検出部52とがそれぞれ別体に設けられていてもよい。
また前述の図22に示す実施の形態のバックアップ用電源部45は、バックアップ回路部27A、内部電源変換部51、主電源用電力検出部52および補助電源用電力検出部53を備えて構成されている。換言すれば、バックアップ回路部27A、内部電源変換部51、主電源用電力検出部52および補助電源用電力検出部53が一体に設けられているが、このような構成に限定されない。本発明の他の実施の形態では、バックアップ回路部27Aと、内部電源変換部51と、主電源用電力検出部52と、補助電源用電力検出部53とがそれぞれ別体に設けられていてもよい。
また前述の図25に示す実施の形態のバックアップ用電源部60は、バックアップ回路部60A、内部電源変換部51、主電源用電力検出部52および補助電源用電力検出部53を備えて構成されている。換言すれば、バックアップ回路部60A、内部電源変換部51、主電源用電力検出部52および補助電源用電力検出部53が一体に設けられているが、このような構成に限定されない。本発明の他の実施の形態では、バックアップ回路部60Aと、内部電源変換部51と、主電源用電力検出部52と、補助電源用電力検出部53とがそれぞれ別体に設けられていてもよい。
前述の図9に示す実施の形態では、カメラ6で撮像された静止画像データを記録すべき指令を表す信号が与えられ、かつ主電源用電力検出部52が車両電源部50から電力が供給されていないことを検出したとき、バックアップ用電源部27から供給される電力を用いて、第2SD−RAM32にフレーム単位で記憶された静止画像データの少なくとも一部分、具体的には、トリガ発生時TGを基準として、トリガ発生時TGに第2SD−RAM32に記憶されたフレームを含む日時が新しいフレームの静止画像データから順番に、トリガ発生時TGからその時刻以前に遡って各フレームの静止画像データを、CFカード3に作成されるバックアップ電源用フォルダに記録するように構成されているが、このような構成に限定されない。
本発明の他の実施の形態では、マイク7から与えられた音声データを記録すべき指令を表す信号が与えられ、かつ主電源用電力検出部52が車両電源部50から電力が供給されていないことを検出したとき、バックアップ用電源部27から供給される電力を用いて、第2SD−RAM32に記憶された音声データの少なくとも一部分、具体的には、トリガ発生時TGを基準として、トリガ発生時TGに第2SD−RAM32に記憶された音声データを含む日時が新しい音声データから順番に、トリガ発生時TGからその時刻以前に遡ってCFカード3に作成されるバックアップ電源用フォルダに記録するように構成されてもよい。
前述の実施の形態では、バックアップ用電源部27からの電力の供給がなされたとき、バックアップ用電源部27から供給される電力を用いて第2SD−RAM32に記憶されたことが判別可能となるように、車両電源部50から電力が供給されているときに車両情報である静止画像データが記録される車両電源用フォルダのフォルダ名に予め定める識別情報「−A」を付加して、CFカード3に新たなフォルダとしてバックアップ電源用フォルダを作成し、第2SD−RAM32に記憶された静止画像データのうちの一部を、CFカード3の前記バックアップ電源用フォルダに記録するように構成しているが、識別情報を付加する対象は、利用者が視認できるものであればよく、必ずしも前記のフォルダ名に限定されない。
本発明の他の実施の形態では、1イベントに対応する情報、具体的には静止画像データ、Gセンサ出力値、位置、時刻および車速情報を含むファイルに予め定める識別情報を付加するように構成されてもよい。この場合でも、前述の実施の形態と同様の効果を達成することができる。