JP2008123887A - Pdp用の粉体材料及びターゲット材料とその製造方法 - Google Patents

Pdp用の粉体材料及びターゲット材料とその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】PDP(プラズマディスプレイパネル)の保護膜として、良好なイオン二次電子放出係数を有する膜材を提供できる原料粉体およびターゲット材料の提供にある。
【解決手段】マグネシウム塩とGd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm ,Yb、から選ばれる少なくとも1種の塩を溶解させ、アルカリにて均一に共沈させた後、水洗及び乾燥後、1000℃〜1200℃で熱処理することにより良好なイオン二次電子放出係数を有する膜材となる酸化マグネシウム粉体を調製する。また調製された酸化マグネシウム粉体を空気中または真空中あるいは還元雰囲気中にて1300℃〜1600℃で燒結することで、良好なイオン二次電子放出係数を有する膜材となるターゲット材料を調製する。
【選択図】なし

Description

本発明は、PDP(プラズマディスプレイパネル)の保護膜材料として注目されている酸化マグネシウム粉体及びターゲット材料とその製造方法に関する。さらに詳しくはイオン二次電子放出係数の良好な材料に関する。
ここ10年間の間に平面型のディスプレイであるPDP(プラズマディスプレイパネル)の研究および実用化がめざましく、日本及び海外にて急激に普及してきている。
このPDP(プラズマディスプレイパネル)は、フロント基板とバック基板より構成され、フロント基板上の誘電体ガラス層へのイオン衝撃スパッタリングを保護する目的でこれまで酸化マグネシウム膜材料が使われてきている。
これまでの酸化マグネシウム膜材料は絶縁性、耐スパッタリング性、透明性、放電応答性等については良好な特性を有する材料であるが、イオン二次電子放出係数については充分に検討されておらず、更なる改善が必要である。
保護膜のイオン二次電子放出係数が大きくなれば、PDP(プラズマディスプレイパネル)における放電開始電圧が低下し、消費電力の改善と高輝度化が達成される。
これまで、PDP(プラズマディスプレイパネル)用の保護膜として酸化マグネシウムに種々の添加物を配合させてイオン二次電子放出係数の検討がなされている。
主なものとしては特許文献1、特許文献2が挙げられる。
特開2005-264272号公報 特開平10-158826号公報
絶縁体のイオン二次電子放出係数についてはあまり研究及び検討がなされておらず、メカニズムについても良く分かっていない。これまでに検討されていない材料について詳細に検討を行うことが必要である。また、これまで保護膜材料としての酸化マグネシウム材料の調製方法は酸化マグネシウムに物理的に添加物を添加して調製しており、均一性が充分とは言えない。その結果、そのような材料を用いて保護膜を形成しても組成的に不均一な膜材となり、イオン二次電子放出係数の改善がなされない要因と思われる。本発明は均一な保護膜を形成するための均一なターゲート材料を提供し、その結果イオン二次電子放出係数の改善した膜材料を提供するものである。
イオン二次電子放出係数の良好な膜材料を形成する材料として、マグネシウム塩とGd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm ,Yb、Lu から選ばれる少なくとも1種の塩を水溶液中で共沈させて原子オーダーレベルで均一な沈殿物を調製し、水洗及び乾燥の後900℃〜1200℃で熱処理を経て均一組成を有する酸化マグネシウム粉体を調製する。
熱処理温度が900℃未満では不十分な結晶性のため、成形性やハンドリングに問題が生じる。また、熱処理温度が1200℃を超えると結晶性が進みすぎ燒結させてターゲット材料を調製する時に不均一な構造となる。
マグネシウム塩としては硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、硝酸マグネシウムがあるが粉体調製の利便性やコストの面から考えると塩化マグネシウムが適当である。またマグネシウム塩の純度としては、99(質量%)以上は必要である。マグネシウム塩の純度が99%未満であると生成した酸化マグネシウム粉体の純度が99(質量%)以上を維持できなくなり、イオン二次電子放出係数を低下させる原因になる。
酸化マグネシウムに含有させるGd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm ,Yb、Luは含有量が1.0〜2.0(質量%)なので高純度タイプの塩を用いる必要はないが、95(質量%)程度のものを使用すれば充分である。Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm ,Yb、Luの塩の形態としては酸化物や塩化物を用いる。また、含有量が1.0(質量%)未満ではイオン二次電子放出係数への寄与効果が小さく、含有量が2.0(質量%)を超えても含有量が1.0〜2.0(質量%)のものと比較してあまり変らない。
マグネシウム塩と含有物を水溶液中に溶解させ均一な共沈物にする時に用いるアルカリとしては、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム等が挙げられる。
1400℃〜1700℃で燒結させてターゲット材料を調製する際の条件として、空気中、真空中、還元雰囲気中があるが、真空中が最も均一で高密度な構造になり、次に還元雰囲気中、空気中がこの三種類の条件の中では少し密度の低い構造になる。
1400℃未満の温度で燒結させたターゲット材料は充分な高密度構造にならず、良好な膜材料を形成できない。また、1700℃を超えた温度で燒結させたターゲット材料は充分に均一で高密度構造になるが、装置の劣化や調製コストがあがり実用的でない。
本発明の酸化マグネシウムターゲット材料を用いてPDP(プラズマディスプレイパネル)用の保護膜として用いると、高いイオン二次電子放出係数を有する保護膜を提供でき、消費電力の低減に寄与できる。
以下に本発明を実施するための最適実施例を示す。
試験例1
0.474gの酸化テルビウム(Tb4O7)を希塩酸で溶解し、濃度0.4M(mol・dm-3)の高純度塩化マグネシウム溶液2.5Lに添加後、濃度0.4M(mol・dm-3)の炭酸ナトリウム溶液2.5Lを100ml/minの速さで滴下し、35℃で1日間養生を行った。養生後、濾過及び超純水を用いた水洗を5回繰り返した後150℃の乾燥機に入れて1日間乾燥した。得られたテルビウム含有塩基性炭酸マグネシウムを高純度タイプのアルミナ坩堝に入れ、1200℃で5時間仮焼することにより、比表面積9m2/gの酸化マグネシウム粉体を調製した。テルビウムの含有量についてはICP発光分析法により金属換算で1.05(質量%)であった。また、テルビウム以外の不純物含有量は0.01(質量%)未満であった。
試験例2
0.711gの酸化テルビウム(Tb4O7)を希塩酸で溶解し、濃度0.4M(mol・dm-3)の高純度塩化マグネシウム溶液2.5Lに添加後、濃度0.4M(mol・dm-3)の炭酸ナトリウム溶液2.5Lを100ml/minの速さで滴下し、35℃で1日間養生を行った。養生後、濾過及び超純水を用いた水洗を5回繰り返した後150℃の乾燥機に入れて1日間乾燥した。得られたテルビウム含有塩基性炭酸マグネシウムを高純度タイプのアルミナ坩堝に入れ、1200℃で5時間仮焼することにより、比表面積8m2/gの酸化マグネシウム粉体を調製した。テルビウムの含有量についてはICP発光分析法により金属換算で1.56(質量%)であった。
試験例3
0.711gの酸化テルビウム(Tb4O7)を希塩酸で溶解したものと、1.803gの塩化アルミニウム六水和物(AlCl3・6H2O)を純水で溶解したものを濃度0.4M(mol・dm-3)の高純度塩化マグネシウム溶液2.5Lに添加後、濃度0.4M(mol・dm-3)の炭酸ナトリウム溶液2.5Lを100ml/minの速さで滴下し、35℃で1日間養生を行った。養生後、濾過及び超純水を用いた水洗を5回繰り返した後150℃の乾燥機に入れて1日間乾燥した。得られたテルビウム及びアルミニウム含有塩基性炭酸マグネシウムを高純度タイプのアルミナ坩堝に入れ、1200℃で5時間仮焼することにより、比表面積8m2/gの酸化マグネシウム粉体を調製した。ICP発光分析法によりテルビウム含有量は1.51(質量%)で、アルミニウム含有量は0.45(質量%)であった。それ以外の不純物含有量は0.01(質量%)未満であった。
試験例4
0.948gの酸化テルビウム(Tb4O7)を希塩酸で溶解し、濃度0.4M(mol・dm-3)の高純度塩化マグネシウム溶液2.5Lに添加後、濃度0.4M(mol・dm-3)の炭酸ナトリウム溶液2.5Lを100ml/minの速さで滴下し、35℃で1日間養生を行った。養生後、濾過及び超純水を用いた水洗を5回繰り返した後150℃の乾燥機に入れて1日間乾燥した。得られたテルビウム含有塩基性炭酸マグネシウムを高純度タイプのアルミナ坩堝に入れ、1200℃で5時間仮焼することにより、比表面積7m2/gの酸化マグネシウム粉体を調製した。テルビウムの含有量についてはICP発光分析法により金属換算で2.05(質量%)であった。
試験例5
1.429gの塩化ガドリニウム六水和物(GdCl3・6H2O)を純水で溶解し、濃度0.4M(mol・dm-3)の高純度塩化マグネシウム溶液2.5Lに添加後、濃度0.4M(mol・dm-3)の炭酸ナトリウム溶液2.5Lを100ml/minの速さで滴下し、35℃で1日間養生を行った。養生後、濾過及び超純水を用いた水洗を5回繰り返した後150℃の乾燥機に入れて1日間乾燥した。得られたガドリニウム含有塩基性炭酸マグネシウムを高純度タイプのアルミナ坩堝に入れ、1200℃で5時間仮焼することにより、比表面積8m2/gの酸化マグネシウム粉体を調製した。ガドリニウムの含有量についてはICP発光分析法により金属換算で1.51(質量%)であった。
また、ガドリニウム以外の不純物含有量は0.01(質量%)未満であった。
試験例6
0.694gの酸化ジスプロシウム(Dy2O3)を熱硝酸で溶解し、濃度0.4M(mol・dm-3)の高純度硝酸マグネシウム溶液2.5Lに添加後、濃度0.4M(mol・dm-3)の炭酸ナトリウム溶液2.5Lを100ml/minの速さで滴下し、35℃で1日間養生を行った。養生後、濾過及び超純水を用いた水洗を5回繰り返した後150℃の乾燥機に入れて1日間乾燥した。得られたジスプロシウム含有塩基性炭酸マグネシウムを高純度タイプのアルミナ坩堝に入れ、1200℃で5時間仮焼することにより、比表面積8m2/gの酸化マグネシウム粉体を調製した。ジスプロシウムの含有量についてはICP発光分析法により金属換算で1.48(質量%)であった。また、ジスプロシウム以外の不純物含有量は0.01(質量%)未満であった。
試験例7
1.390gの塩化ホルミウム六水和物(HoCl3・6H2O)を純水で溶解し、濃度0.4M(mol・dm-3)の高純度塩化マグネシウム溶液2.5Lに添加後、濃度0.4M(mol・dm-3)の炭酸ナトリウム溶液2.5Lを100ml/minの速さで滴下し、35℃で1日間養生を行った。養生後、濾過及び超純水を用いた水洗を5回繰り返した後150℃の乾燥機に入れて1日間乾燥した。得られたホルミウム含有塩基性炭酸マグネシウムを高純度タイプのアルミナ坩堝に入れ、1200℃で5時間仮焼することにより、比表面積8m2/gの酸化マグネシウム粉体を調製した。ホルミウムの含有量についてはICP発光分析法により金属換算で1.46(質量%)であった。また、ホルミウム以外の不純物含有量は0.01(質量%)未満であった。
試験例8
0.691gの酸化エルビウム(Er2O3)を熱硝酸で溶解し、濃度0.4M(mol・dm-3)の高純度硝酸マグネシウム溶液2.5Lに添加後、濃度0.4M(mol・dm-3)の炭酸ナトリウム溶液2.5Lを100ml/minの速さで滴下し、35℃で1日間養生を行った。養生後、濾過及び超純水を用いた水洗を5回繰り返した後150℃の乾燥機に入れて1日間乾燥した。得られたエルビウム含有塩基性炭酸マグネシウムを高純度タイプのアルミナ坩堝に入れ、1200℃で5時間仮焼することにより、比表面積8m2/gの酸化マグネシウム粉体を調製した。エルビウムの含有量についてはICP発光分析法により金属換算で1.42(質量%)であった。また、エルビウム以外の不純物含有量は0.01(質量%)未満であった。
試験例9
0.690gの酸化ツリウム(Tm2O3)を熱硝酸で溶解し、濃度0.4M(mol・dm-3)の高純度硝酸マグネシウム溶液2.5Lに添加後、濃度0.4M(mol・dm-3)の炭酸ナトリウム溶液2.5Lを100ml/minの速さで滴下し、35℃で1日間養生を行った。養生後、濾過及び超純水を用いた水洗を5回繰り返した後150℃の乾燥機に入れて1日間乾燥した。得られたツリウム含有
塩基性炭酸マグネシウムを高純度タイプのアルミナ坩堝に入れ、1200℃で5時間仮焼することにより、比表面積8m2/gの酸化マグネシウム粉体を調製した。ツリウムの含有量についてはICP発光分析法により金属換算で1.44(質量%)であった。また、ツリウム以外の不純物含有量は0.01(質量%)未満であった。
試験例10
1.354gの塩化イッテルビウム(III)六水和物(YbCl3・6H2O) を純水で溶解し、濃度0.4M(mol・dm-3)の高純度塩化マグネシウム溶液2.5Lに添加後、濃度0.4M(mol・dm-3)の炭酸ナトリウム溶液2.5Lを100ml/minの速さで滴下し、35℃で1日間養生を行った。養生後、濾過及び超純水を用いた水洗を5回繰り返した後150℃の乾燥機に入れて1日間乾燥した。得られたイッテルビウム含有塩基性炭酸マグネシウムを高純度タイプのアルミナ坩堝に入れ、1200℃で5時間仮焼することにより、比表面積8m2/gの酸化マグネシウム粉体を調製した。イッテルビウムの含有量についてはICP発光分析法により金属換算で1.53(質量%)であった。また、イッテルビウム以外の不純物含有量は0.01(質量%)未満であった。
試験例11
0.687gの酸化ルテチウム(Lu2O3)を塩酸で溶解し、濃度0.4M(mol・dm-3)の高純度塩化マグネシウム溶液2.5Lに添加後、濃度0.4M(mol・dm-3)の炭酸ナトリウム溶液2.5Lを100ml/minの速さで滴下し、35℃で1日間養生を行った。養生後、濾過及び超純水を用いた水洗を5回繰り返した後150℃の乾燥機に入れて1日間乾燥した。得られたルテチウム含有塩基性炭酸マグネシウムを高純度タイプのアルミナ坩堝に入れ、1200℃で5時間仮焼することにより、比表面積8m2/gの酸化マグネシウム粉体を調製した。ルテチウムの含有量についてはICP発光分析法により金属換算で1.49(質量%)であった。また、ルテチウム以外の不純物含有量は0.01(質量%)未満であった。
比較例1
濃度0.4M(mol・dm-3)の高純度塩化マグネシウム溶液2.5Lに添加後、濃度0.4M(mol・dm-3)の炭酸ナトリウム溶液2.5Lを100ml/minの速さで滴下し、35℃で1日間養生を行った。養生後、濾過及び超純水を用いた水洗を5回繰り返した後150℃の乾燥機に入れて1日間乾燥した。得られたテルビウム含有塩基性炭酸マグネシウムを高純度タイプのアルミナ坩堝に入れ、1200℃で5時間仮焼することにより、比表面積10m2/gの酸化マグネシウム粉体を調製した。ICP発光分析法により不純物を測定したところ、不純物含有量は0.01(質量%)未満であった。
比較例2
5.409gの塩化アルミニウム六水和物(AlCl3・6H2O)を純水で溶解し、濃度0.4M(mol・dm-3)の高純度塩化マグネシウム溶液2.5Lに添加後、濃度0.4M(mol・dm-3)の炭酸ナトリウム溶液2.5Lを100ml/minの速さで滴下し、35℃で1日間養生を行った。養生後、濾過及び超純水を用いた水洗を5回繰り返した後150℃の乾燥機に入れて1日間乾燥した。得られたテルビウム及びアルミニウム含有塩基性炭酸マグネシウムを高純度タイプのアルミナ坩堝に入れ、1200℃で5時間仮焼することにより、比表面積7m2/gの酸化マグネシウム粉体を調製した。ICP発光分析法によりアルミニウム含有量は1.41(質量%)であった。それ以外の不純物含有量は0.01(質量%)未満であった。
比較例3
0.709gの酸化ランタン(La2O3)を希塩酸で溶解し、濃度0.4M(mol・dm-3)の高純度塩化マグネシウム溶液2.5Lに添加後、濃度0.4M(mol・dm-3)の炭酸ナトリウム溶液2.5Lを100ml/minの速さで滴下し、35℃で1日間養生を行った。養生後、濾過及び超純水を用いた水洗を5回繰り返した後150℃の乾燥機に入れて1日間乾燥した。得られたランタン含有塩基性炭酸マグネシウムを高純度タイプのアルミナ坩堝に入れ、1200℃で5時間仮焼することにより、比表面積7m2/gの酸化マグネシウム粉体を調製した。ICP発光分析法によりランタン含有量は1.52(質量%)であった。それ以外の不純物含有量は0.01(質量%)未満であった。
比較例4
0.705gの酸化ネオジム(Nd2O3) を希塩酸で溶解し、濃度0.4M(mol・dm-3)の高純度塩化マグネシウム溶液2.5Lに添加後、濃度0.4M(mol・dm-3)の炭酸ナトリウム溶液2.5Lを100ml/minの速さで滴下し、35℃で1日間養生を行った。養生後、濾過及び超純水を用いた水洗を5回繰り返した後150℃の乾燥機に入れて1日間乾燥した。得られたネオジム含有塩基性炭酸マグネシウムを高純度タイプのアルミナ坩堝に入れ、1200℃で5時間仮焼することにより、比表面積7m2/gの酸化マグネシウム粉体を調製した。ICP発光分析法によりネオジム含有量は1.55(質量%)であった。それ以外の不純物含有量は0.01(質量%)未満であった。
比較例5
1.467gの塩化サマリウム(III)六水和物(SmCl3・6H2O)を純水で溶解し、濃度0.4M(mol・dm-3)の高純度塩化マグネシウム溶液2.5Lに添加後、濃度0.4M(mol・dm-3)の炭酸ナトリウム溶液2.5Lを100ml/minの速さで滴下し、35℃で1日間養生を行った。養生後、濾過及び超純水を用いた水洗を5回繰り返した後150℃の乾燥機に入れて1日間乾燥した。得られたテルビウム及びアルミニウム含有塩基性炭酸マグネシウムを高純度タイプのアルミナ坩堝に入れ、1200℃で5時間仮焼することにより、比表面積7m2/gの酸化マグネシウム粉体を調製した。ICP発光分析法によりサマリウム含有量1.45(質量%)であった。それ以外の不純物含有量は0.01(質量%)未満であった。
比較例6
0.237gの酸化テルビウム(Tb4O7)を希塩酸で溶解し、濃度0.4M(mol・dm-3)の高純度塩化マグネシウム溶液2.5Lに添加後、濃度0.4M(mol・dm-3)の炭酸ナトリウム溶液2.5Lを100ml/minの速さで滴下し、35℃で1日間養生を行った。養生後、濾過及び超純水を用いた水洗を5回繰り返した後150℃の乾燥機に入れて1日間乾燥した。得られたテルビウム含有塩基性炭酸マグネシウムを高純度タイプのアルミナ坩堝に入れ、1200℃で5時間仮焼することにより、比表面積9m2/gの酸化マグネシウム粉体を調製した。テルビウムの含有量についてはICP発光分析法により金属換算で0.510(質量%)であった。また、テルビウム以外の不純物含有量は0.01(質量%)未満であった。
比較例7
1.422gの酸化テルビウム(Tb4O7)を希塩酸で溶解し、濃度0.4M(mol・dm-3)の高純度塩化マグネシウム溶液2.5Lに添加後、濃度0.4M(mol・dm-3)の炭酸ナトリウム溶液2.5Lを100ml/minの速さで滴下し、35℃で1日間養生を行った。養生後、濾過及び超純水を用いた水洗を5回繰り返した後150℃の乾燥機に入れて1日間乾燥した。得られたテルビウム含有塩基性炭酸マグネシウムを高純度タイプのアルミナ坩堝に入れ、1150℃で5時間仮焼することにより、比表面積9m2/gの酸化マグネシウム粉体を調製した。テルビウムの含有量についてはICP発光分析法により金属換算で2.95(質量%)であった。また、テルビウム以外の不純物含有量は0.01(質量%)未満であった。
比較例8
比較例1と同様な方法で調製した40.3gの酸化マグネシウムと0.711gの酸化テルビウム(Tb4O7)をエタノールを媒体としてナイロンボールの充填してあるナイロンポットに充填して24時間混合して均一なスラリーとした。その後乾燥させて粉体とした。テルビウムの含有量についてはICP発光分析法により金属換算で1.518(質量%)であった。また、テルビウム以外の不純物含有量は0.01(質量%)未満であった。
ターゲット材料
試験例1〜11と比較例1〜8で調製したそれぞれの酸化マグネシウム粉体を用いて、以下のようにしてターゲット材料を調製した。
試験例12
試験例1の酸化マグネシウム粉体25g、解こう剤として共栄社化学製のフローレンG-700を0.5g、バインダーとして積水化学製のPVB-BL1を0.125g、溶媒としてエタノール10gをナイロンボールの充填してあるナイロンポットに添加し、24時間混合してアルコールスラリーとした。このスラリーを石膏型に流し込み、直径40mm、厚さ3mmの成形体を作製した。この成形体を酸素気流中5℃/hrで昇温し、1000℃で5時間脱脂処理を行った。次にこの成形体を真空炉にて100℃/hrで1500℃まで上昇し、1時間保持した後に500℃/hrで冷却した。焼成時の真空度は10−2Pa以下であった。得られた燒結体をダイヤモンドスラリーで鏡面研磨してターゲット材料とした。
試験例13
試験例2の酸化マグネシウム粉体を用いて試験例12と同様にして成形体を作製した。1000℃で5時間の脱脂処理までは試験例12と同様に行ったが、真空燒結せずに大気中で
100℃/hrで1500℃まで上昇し、1時間保持した後に500℃/hrで冷却した。
試験例14
試験例3の酸化マグネシウム粉体を用いて試験例12と同様にして成形体を作製した。
1000℃で5時間の脱脂処理までは試験例12と同様に行ったが、真空燒結せずに大気中で
100℃/hrで1600℃まで上昇し、1時間保持した後に500℃/hrで冷却した。
試験例15
試験例4の酸化マグネシウム粉体を用いた以外は試験例12と同様に行った。
試験例16
試験例5の酸化マグネシウム粉体を用いた以外は試験例12と同様に行った。
試験例17
試験例6の酸化マグネシウム粉体を用いた以外は試験例12と同様に行った。
試験例18
試験例7の酸化マグネシウム粉体を用いた以外は試験例12と同様に行った。
試験例19
試験例8の酸化マグネシウム粉体を用いた以外は試験例12と同様に行った。
試験例20
試験例9の酸化マグネシウム粉体を用いた以外は試験例12と同様に行った。
試験例21
試験例10の酸化マグネシウム粉体を用いた以外は試験例12と同様に行った。
試験例22
試験例11の酸化マグネシウム粉体を用いた以外は試験例12と同様に行った。
比較例9
比較例1の酸化マグネシウム粉体を用いた以外は試験例12と同様に行った。
比較例10
比較例2の酸化マグネシウム粉体を用いた以外は試験例12と同様に行った。
比較例11
比較例3の酸化マグネシウム粉体を用いた以外は試験例12と同様に行った。
比較例12
比較例4の酸化マグネシウム粉体を用いた以外は試験例12と同様に行った。
比較例13
比較例5の酸化マグネシウム粉体を用いた以外は試験例12と同様に行った。
比較例14
比較例6の酸化マグネシウム粉体を用いた以外は試験例12と同様に行った。
比較例15
比較例7の酸化マグネシウム粉体を用いた以外は試験例12と同様に行った。
比較例16
比較例8の酸化マグネシウム粉体を用いた以外は試験例12と同様に行った。
上記の方法により調製したターゲット材料を高周波スパッタリングにてシリコン基板上に酸化マグネシウム薄膜を形成させた。次に、シリコン基板上に形成した酸化マグネシウム薄膜のイオン二次電子放出係数を測定することでターゲット材料の特性評価を行った。
シリコン基板への各ターゲット材料の薄膜調製条件は次のように行った。シリコン基板は単結晶3インチの鏡面ウエーハを用いた。薄膜調製は、シリコン基板温度を200〜250℃、高周波電力300W、スパッタリング雰囲気を5×10−2〜1×10−3Paで行った。生成した薄膜の膜厚は超小型自動エリプソメータ(溝尻光学工業所:DHA-FX)で測定した。各膜厚を200±20(nm)にするためにスパッタリング時間を調整して行って。
シリコン基板に生成した膜材のイオン二次電子放出係数を評価するために、X線光電子分光分析装置(PHI;1600)を用いて行って。X線光電子分光分析装置を5×10−4〜1×0−5Paに保持し、試料表面に1KeVのアルゴンイオンビームを照射させて行った。
イオン二次電子放出係数は試料に電子線を照射させたときに、放出した二次電子の数を入社した一次電子の数で割ったものです。イオン二次電子放出係数が大きい程、消費電力と高輝度化に寄与する指標となる。表1及び表2に各試料で得られたイオン二次電子放出係数を示す。
Figure 2008123887
Figure 2008123887
表1及び表2は、実施例及び比較例で調製したターゲット材料を用いて調製した膜材について得られたイオン二次電子放出係数の数値である。Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm ,Yb、Lu等の希土類を酸化マグネシウムに添加することで、イオン二次電子放出係数が向上していることがわかる。この要因としては明らかには分かっていないが、添加された希土類の外側電子配置の4f電子が関与しイオン二次電子放出機構に寄与したものと推察している。また、同じ希土類の元素であってもランタン、ネオジム、サマリウムのイオン二次電子放出への寄与が小さいのはGd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm ,Yb、Luに比べて4f電子の数量が少ないためであろうと思われる。さらに、不純物の一例としてアルミニウムを添加して行ったが、0.5(質量%)であればあまり問題にならないが、1.5(質量%)まで増加すると
イオン二次電子放出を阻害する要因になった。また、ターゲット材料の均一性を検討するために一例としてテルビウムを用いて行ったが(比較例16)、酸化物を機械的に混合して調製したターゲット材料を用いて調製した膜材のイオン二次電子放出係数は本発明のターゲット材料に比べて低い値となった。

Claims (4)

  1. PDP(プラズマディスプレイパネル)の保護膜材で、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm ,Yb、Luから選ばれる少なくとも1種を金属換算で1.0〜2.0(質量%)含有し純度(Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm ,Yb、Luは除く)が99.0(質量%)以上であることを特徴とする酸化マグネシウム粉体。
  2. 酸化マグネシウムの純度(Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm , Yb、Luは除く)が99.9(質量%)以上であることを特徴とする請求項1記載の酸化マグネシウム粉体。
  3. マグネシウム塩とGd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm , Yb、Luから選ばれる少なくとも1種の塩を溶解させ、アルカリにて均一に共沈させた後、水洗及び乾燥後、900℃〜1200℃で熱処理することにより調製された請求項1または請求項2に記載の酸化マグネシウム粉体の製造方法。
  4. 請求項1または請求項2に記載の酸化マグネシウム粉体を成形後、空気中または真空中あるいは還元雰囲気中にて1400℃〜1700℃で燒結することによって調製されたPDP(プラズマディスプレイパネル)の保護膜材用のターゲット材料。
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