JP2008120998A - ウレタン樹脂組成物及びそれを用いた電気電子部品 - Google Patents

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直樹 原
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徹也 藤井
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Abstract

【課題】耐熱性に優れたウレタン樹脂硬化物を得ることのできるウレタン樹脂組成物及びそれを用いて絶縁処理された電気電子部品を提供する。
【解決手段】ポリオール化合物(A)、ポリイソシアネート化合物(B)、可塑剤(C)、無機充填剤(D)、酸化防止剤(E)を含むウレタン樹脂組成物。酸化防止剤(E)としては、ヒンダードフェノール系化合物及び有機硫黄系化合物を含むことが好ましい。無機充填剤(D)としては、シリカ及びアルミナを含むことが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、電気電子部品の絶縁処理に好適なウレタン樹脂組成物及びこれらを用いた電
気電子部品に関する。
ウレタン樹脂組成物は、優れた絶縁特性及び可撓性を有しているため、各種絶縁材料として広く用いられている。これに対して、電気電子部品は、年々小型軽量化及び、動作温度の上昇傾向、また動力に電力を用いた自動車等が実用化されつつある中で、高出力化にある。かかる電気電子部品における高性能化に伴って、電気電子部品に使用される絶縁材料に対して、それらの耐熱性の向上、熱伝導率の向上が要求されている。
従来、ウレタン樹脂組成物の耐熱性を向上させるためには、3つ以上の官能基を有する単量体を用いたり、ウレタン樹脂中の骨格に強靭な構造を導入する手法が挙げられる(例えば、特許文献1)。しかし、かかる手法により改質されたウレタン樹脂では、樹脂としての可撓性が低下するといった問題点があった。また、ウレタン樹脂自体が硬くなるために充分な無機充填剤を混合させることができなくなり、その結果、熱伝導効果が得られないといった2次的な弊害も出てくるといった問題点もあった。
特開平7−258914号公報
本発明は、上記従来の事情に鑑みてなされたもので、その課題は、熱伝導率、耐熱性及び可撓性の全てに優れたウレタン樹脂硬化物を得ることのできるウレタン樹脂組成物及びこのウレタン樹脂組成物から得たウレタン樹脂硬化物を用いた電気電子部品を提供することにある。
前記課題を解決するために、本発明にかかるウレタン樹脂組成物は、ポリオール化合物(A)、ポリイソシアネート化合物(B)、可塑剤(C)、無機充填剤(D)、酸化防止剤(E)を含むことを特徴とする。
前記構成のウレタン樹脂組成物において、酸化防止剤(E)としては、ヒンダードフェノール系化合物及び有機硫黄系化合物を含むものであることが好ましい。
また、前記構成のウレタン樹脂組成物において、酸化防止剤(E)の含有量は、ポリオール化合物(A)及びポリイソシアネート化合物(B)の総量100重量部に対し、0.01〜10重量部であることが好ましい。
また、前記酸化防止剤(E)の分子量は、100以上であることが好ましい。
また、前記構成のウレタン樹脂組成物において、無機充填剤(D)としては、シリカ及びアルミナを含むものであることが好ましい。
本発明にかかる電気電子部品は、前記本発明にかかるウレタン樹脂組成物を用いて絶縁処理されたものであることを特徴とする。
本発明にかかるウレタン樹脂組成物は、高い熱放散性を有し、作業性、絶縁処理等に適し、更に耐熱性に優れたウレタン樹脂硬化物を得ることができる。したがって、本発明のウレタン樹脂組成物を用いることにより、絶縁性、耐熱性に優れた電気電子部品を提供することができる。
本発明のウレタン樹脂組成物は、ポリオール化合物(A)、ポリイソシアネート化合物(B)、可塑剤(C)、無機充填剤(D)、酸化防止剤(E)を含むことを特徴とする。以下、これらの構成要素について、順次に説明する。
(ポリオール化合物(A))
本発明のウレタン樹脂組成物の樹脂成分を構成するポリオール化合物(A)は、1分子中に2個又はそれ以上の水酸基を含有するものである。かかるポリオール化合物(A)としては、例えば、ポリオレフィンポリオール、ポリエーテルポリオール及びポリエステルポリオール等が挙げられる。
上記ポリオレフィンポリオールとしては、例えば、ブタジエン、イソプレンなどのジエン化合物と必要によりスチレン、アクリロニトリルなどを、例えば、金属リチウム、金属カリウム、金属ナトリウムなどのアニオン重合触媒の存在下で重合させたのち、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドを付加重合させて得られるポリオール、または、前記ジエン化合物を、例えば、過酸化水素などの水酸基を有するラジカル開始剤によりラジカル重合させて得られるポリオール、またはこれらのものに水素添加したものなどが挙げられる。
上記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、分子中に2〜3個の活性水素基を有する化合物、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパンなどに、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドまたはブチレンオキサイド、またはそれらの混合物などのアルキレンオキサイドを、アルカリ触媒などの存在下で付加重合させたポリアルキレンポリオール、またはテトラヒドロフランをカチオン触媒下で重合させたポリテトラメチレングリコール、またはこれらの混合物などが挙げられる。
上記ポリエステルポリオールとしては、例えば、二塩基酸と多価アルコールの重縮合反応、カプロラクトンの開環重合又はアルキレンカーボネートとグリコールのエステル交換反応から得られ、具体例としては、ダイマー酸系ジオール、セバシン酸系ポリエステルポリオール、コハク酸系ポリエステルポリオール、ヒマシ油,水素化ヒマシ油,ヒマシ油エステル交換物等のポリオール化合物等が挙げられる。
また、上記以外のポリオール化合物としては、1,2−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール,2,3−ペンタンジオール,2,5−ヘキサンジオール、2,4−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、グリセリン、N,N−ビス−2−ヒドロキシプロピルアニリン、N,N’−ビスヒドロキシイソプロピル−2−メチルピペラジン、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、テトラヒドロフラン/アルキレンオキサイド共重合ポリオール、エポキシ樹脂変性ポリオール、部分ケン化エチレン−酢酸ビニル共重合体、また、これらの化合物の水素添加化合物等が挙げられる。
上記ポリオレフィンポリオール、ポリエーテルポリオール及びポリエステルポリオール等のポリオール化合物の中でも、耐クラック性の観点や寿命の観点から、ポリオレフィンポリオールが好ましく、水添ポリイソプレンジオール又は水添ポリブタジエンジオールがより好ましい。水添ポリイソプレンジオールは、エポール(出光石油化学(株)製、商品名)として商業的に入手可能である。
上記ポリオール化合物は単独で使用できる他、適当な2種以上を混合して用いることもできる。
上記ポリオール(A)の含有量は、(A)成分及び(B)成分の総量に対して、20〜95重量%であることが好ましく、30〜90重量%であることがより好ましく、40〜80重量%であることが特に好ましい。20重量%未満であると、硬化不良になる傾向になり、95重量%を超える場合でも硬化不良になる傾向になる。
(ポリイソシアネート化合物(B))
本発明のウレタン樹脂組成物の樹脂成分を構成するポリイソシアネート化合物(B)は、1分子中に2個以上のイソシアネート基を含有するものである。かかるポリイソシアネート化合物(B)としては、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ナフタリン−1,5−ジイソシアネート、o−トルイジンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート、イソプロピルベンゼン−2,4−ジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート;キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等の脂肪族−芳香族ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート;トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水素添加MDI)、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、水素添加テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の脂環族ポリイソシアネート;前記ポリイソシアネート化合物の環化三量体(イソシアヌレート変性体)、及びビューレット変性体やエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、ポリエーテルポリオール、ポリマーポリオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリアルカジエンポリオール、ポリアルカジエンポリオールの水素化物、部分鹸化エチレン−酢酸ビニル共重合体、ヒマシ油系ポリオール等のポリオール化合物と前記ポリイソシアネート化合物との付加反応物等が用いられる。
上記ポリイソシアネート化合物の中でもジフェニルメタンジイソシアネートが好ましく、このジフェニルメタンジイソシアネートは、LF−1209(Huntsman(株)製、商品名)として商業的に入手可能である。
また、上記ポリイソシアネート化合物は、2種以上を混合して用いることもできる。さらに、本発明に用いられるポリイソシアネート化合物としては、上記ポリイソシアネートのイソシアネート基をフェノール類,オキシム類,イミド類,メルカプタン類,アルコール類,ε−カプロラクタム,エチレンイミン,α−ピロリドン,マロン酸ジエチル,亜硫酸水素ナトリウム,ホウ酸等のブロック剤でブロックした、いわゆるブロックイソシアネート化合物をも用いることができる。これらイソシアネート化合物の中で、常温で液状のものが、ハンドリング性、混合性において好ましく用いられる。
前記ポリイソシアネート化合物(B)の含有量は、前記ポリオール化合物(A)の1当量に対し、0.8〜1.2当量の範囲で好適に用いられる。実質的な含有量は、ウレタン樹脂組成物の総量に対して、1〜30重量%であることが好ましく、2〜25重量%であることがより好ましく、3〜15重量%であることが特に好ましい。1重量%未満であると、硬化不良になる傾向になり、30重量%を超える場合でも硬化不良になる傾向にある。
(可塑剤(C))
本発明にかかるウレタン樹脂組成物に用いられる可塑剤(C)は、ウレタン樹脂硬化物の可撓性をより向上できる観点から、水酸基を有しない可塑剤が好適である。この水酸基を有しない可塑剤としては、例えば、ジオクチルフタレート、ジウンデシルフタレート等のフタレート化合物、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルフェニルホスフェート等のフタル酸エステル、リン酸エステル等の他、ポリ−α−オレフィン等のオレフィン系可撓化材などが挙げられる。これら可塑剤は、フタレート化合物がタック性の観点から好ましい。また、水素添加したものが耐候性等の安定性に好ましく、水素添加型ポリ−α−オレフィンが(A)成分と(B)成分の相溶性向上、安定性、硬化性、安全性等の観点から特に好ましい。かかる可塑剤の市販品としては、例えば、出光石油化学(株)製の水素添加型ポリ−α−オレフィン(商品名「PAO-5010」)などを挙げることができる。これらの水酸基を有しない可塑剤は、単独で又は2種類以上組み合わせて用いることができる。
前記水酸基を有しない可塑剤(C)の含有量は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の総量に対して、5〜80重量%であることが好ましく、10〜60重量%であることがより好ましく、30〜50重量%であることが特に好ましい。5重量%未満であると、引張弾性率が大きくなる傾向になり、80重量%を超えるとベタツキが大きくなり、実用上使用し難くなる傾向にある。
(無機充填剤(D))
本発明のウレタン樹脂組成物に用いる充填剤(D)は、シリカ及びアルミナを含むことが好ましく、必要に応じてその他の無機微粒子を含んでいても良い。シリカとしては、純粋なシリカを用いても良いし、シリカ成分を含む天然及び合成鉱物を用いても良い。そのようなものとしては、二酸化珪素(石英、石英ガラス、シリカゲルなど)、溶融シリカ、結晶シリカ、タルク、各種ガラス類、珪藻土、粘土鉱物(モンモリロナイト等)、活性白土、合成ゼオライトなどが挙げられる。また、アルミナとしては、純粋なアルミナを用いても良いし、アルミナ成分を含む天然および合成鉱物を用いても良い。そのようなものとしては、アルミナ、各種セラミック類、カオリン、合成ゼオライト、マイカなどを挙げることができる。また、その他の、必要に応じて含んでも良い無機化合物(微粒子状)としては、炭酸カルシウム、フッ化カルシウム、フッ化イッテルビウム、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化ジルコニウム、二酸化チタン等が挙げられる。
本発明のウレタン樹脂組成物に含有する充填剤(D)には、上述のように、シリカとアルミナを含むことが好ましい。その理由は、シリカは、価格、樹脂との分散性及び機械強度の観点から好ましいからであり、アルミナは、熱伝導性の観点から好ましいからである。この無機充填剤(D)の含有量は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の総量100重量部に対し、100〜350重量部であることが好ましく、150〜300重量部であることがより好ましい。この含有量が、100重量部未満であると機械強度及び/又は熱伝導性が低下する傾向にあり、350重量部を超えると粘度が高くなり作業性が劣る傾向にある。
(酸化防止剤(E))
本発明のウレタン樹脂組成物に用いる酸化防止剤(E)としては、ナフチルアミン系、ジフェニルアミン系、p−フェニレンジアミン系、キノリン系、ヒドロキノン系、モノフェノール系、ポリフェノール系、チオビスフェノール系、ヒンダードフェノール系、フェノール系・亜リン酸エステル系、有機硫黄系化合物等が挙げられるが、ヒンダードフェノール系化合物と有機硫黄系化合物を併用することで耐熱に対する効果が大きく向上する。
酸化防止剤(E)の含有量は、ポリオール化合物(A)と、ポリイソシアネート化合物(B)の総量100重量部に対し、0.01〜10重量部であることが好ましく、0.05〜5重量部であることがより好ましく、0.1〜3重量部であることが特に好ましい。この含有量が、0.01重量部未満では耐熱性に対する効果が、また、10重量部を超えるとウレタン樹脂硬化物の強度が低下する傾向にある。
前記ヒンダードフェノール系化合物としては、例えば、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、ペンタエリスリチル・テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォスフォネート−ジエチルエステル、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト、2,4,−ビス[(オクチルチオ)メチル]−o−クレゾール、イソオクチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレート、2,2’−メチレンビス(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、3,9−ビス[2−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン等が挙げられる。
上記ヒンダードフェノール系化合物の中でも、3,9−ビス[2−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンが好ましく、Sumilizer GA−80(住友化学(株)製、商品名)として商業的に入手可能である。また、2,2’−メチレンビス(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)は、Sumilizer MDP−S(住友化学(株)製、商品名)として商業的に入手可能である。
前記有機硫黄系化合物としては、例えば、ジラウリル3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル3,3’−チオジプロピオネート、2−メルカプトベンゾイミダゾール、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)等が挙げられる。これらの中でもペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)が好ましく、Sumilizer TP−D(住友化学(株)製、商品名)として商業的に入手可能である。
(その他の成分)
また、本発明のウレタン樹脂組成物には、必要に応じてシラン系、アルミ系あるいはチタン系等のカップリング剤を添加することができる。シランカップリング剤としては、例えば、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、イミダゾリンシラン、N−アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、N−3−(4−(3−アミノプロポキシ)ブトキシ)プロピル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、トリアジンシラン等のアミノシラン類γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、4−グリシジルブチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシシラン類、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等のクロルシラン類、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニルシラン類等が、また、チタネートカップリング剤としては、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルバイロフォスフエト)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチルアミノエチル)チタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルホニルチタネート等が挙げられる。また、アルミネートカップリング剤としては、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等が挙げられ、この含有量は、ポリオールおよびポリイソシアネートに対して好ましくは0.5〜2重量%、より好ましくは0.7〜1.0重量%とされる。含有量が0.5重量%未満ではフィラーとウレタン樹脂組成物の界面の濡れ性が劣り、耐湿特性が低下する。また2重量%を超えるとウレタン樹脂組成物中にシランカップリング剤が未反応成分として残存し、硬化し難くなる傾向にある。
また、本発明のウレタン樹脂組成物には、必要に応じて赤リン、ヘキサブロモベンゼン、ジブロモフェニルグリシジルエーテル、ジブロモクレジルグリシジルエーテル、三酸化アンチモン等の難燃剤、ベンガラ、酸化第2鉄、カーボン、チタンホワイト等の着色剤、シリコーン系消泡剤等の各種添加剤を用いることができる。
本発明におけるウレタン樹脂組成物から得た硬化被膜の25℃における引張弾性率は、好ましくは5MPa以下であることが好ましいが、0.01〜5MPaであることがより好ましく、0.02〜3MPaであることがさらに好ましく、0.1〜2MPaであることが特に好ましい。0.01MPa未満であると、基材の保護に対する効果が低くなる傾向にあり、5MPaを超えると熱衝撃に対し、クラックや基材の損傷等の原因となる傾向にある。
次に、実施例により本発明をさらに詳述するが、本発明はこれによって制限されるものではない。
(実施例1)
(ウレタン樹脂組成物の調製)
下記(表1)に示す配合組成及び配合量で絶縁処理用のウレタン樹脂組成物を調製した。ウレタン樹脂組成物を調製するに際して、まず、ポリオール化合物(エポール、オクタンジオール)を主成分とするA材と、ポリイソシアネート化合物(LF−1209)を主成分とするB材とに分けて調製した。これらA材及びB材を混合することによりウレタン樹脂組成物を得た。
(ウレタン樹脂硬化物の調製)
上記ウレタン樹脂組成物をラボスターラーを用いて1000rpmで5分攪拌し、10Torr5分真空脱泡した。その後、100℃で1時間加熱、23℃48時間養生させて、ウレタン樹脂硬化物を得た。
上記ウレタン樹脂組成物と硬化物とをサンプルとして、下記の方法で、ウレタン硬化物の特性を測定して評価した。また、前記硬化物のサンプルを、150℃で1ヶ月間放置させたときの特性も同様に測定した。結果を(表1)に併せて示す。
(評価法)
(1)硬度
各例で得た絶縁処理用のウレタン樹脂組成物を直径60mmの金属シャーレ中に30g注入し、90℃で4時間熱処理して硬化させた後、金属シャーレよりウレタン樹脂硬化物を取り出し、試料とした。測定は、いずれも、25℃の測定温度まで放置し、高分子計器(株)製、ゴム硬度計A型を用いて測定した。
(2)引張強度
各例で得たウレタン樹脂組成物を、上記(ウレタン樹脂硬化物の調製)に示した条件で処理して、120mm×120mm×2mmのウレタン樹脂硬化物の被膜の試験片を作成した。そして、得られた各試験片に対して、ダンベル状3号形を用い、JIS K6251 加硫ゴムの引張試験方法に準じて、引張強度を測定した。
(3)ふくれ
前記硬度試験に使用した硬化物を、下記の評価基準により目視で硬化物のふくらみを判断した。硬化物のふくらみは小さいものほど良好であることを意味する。
A:硬化物のふくらみがない又は小さい。
B:硬化物のふくらみは上記Aよりも大きい。
C:硬化物のふくらみが上記Bよりも大きい。
(4)熱伝導率
各例で得たウレタン樹脂組成物を90℃で4時間熱処理して硬化させ、150mm×60mm×8mmの試験片を作製した。これら試験片を25℃の測定温度まで放置した後、各試験片の熱伝導率を、京都電子工業(株)製の迅速熱伝導率計(商品名「Kemtherm ATM−D3」)を用いて、測定した。
(実施例2〜5)及び(比較例1〜3)
実施例1と同様にして、(表1)に示す配合組成及び配合量で、ウレタン樹脂組成物を調製した。得られた各樹脂組成物を用いて実施例1と同様にウレタン樹脂硬化物を作製し、それらの特性を評価した。結果を(表1)に併記した。
Figure 2008120998
上記(表1)から明らかなように、本発明にかかるウレタン樹脂組成物から得られた硬化物被膜は、硬度、引張強度、膨れ、熱伝導率の各特性において、経時劣化が少なく、信頼性の高い絶縁耐熱性の被膜として用い得ることが確認できた。
以上のように、本発明にかかるウレタン樹脂組成物から得られるウレタン樹脂硬化物は、高い熱伝導性(熱放散性)を有し、作業性、絶縁処理等に適し、更に耐熱性に優れ、かつこれら特性を経時的に劣化させることなく、長期に維持することができる。したがって、本発明にかかるウレタン樹脂組成物を用いて絶縁処理された電気電子部品は優れた信頼性を有するものとなる。

Claims (6)

  1. ポリオール化合物(A)、ポリイソシアネート化合物(B)、可塑剤(C)、無機充填剤(D)、酸化防止剤(E)を含むことを特徴とするウレタン樹脂組成物。
  2. 酸化防止剤(E)がヒンダードフェノール系化合物及び有機硫黄系化合物を含むことを特徴とする請求項1に記載のウレタン樹脂組成物。
  3. 酸化防止剤(E)の含有量が、ポリオール化合物(A)及びポリイソシアネート化合物(B)の総量100重量部に対し、0.01〜10重量部であることを特徴とする請求項1又は2に記載のウレタン樹脂組成物。
  4. 酸化防止剤(E)の分子量が100以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のウレタン樹脂組成物。
  5. 無機充填剤(D)が、シリカ及びアルミナを含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のウレタン樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のウレタン樹脂組成物を用いて絶縁処理された電気電子部品。
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