JP2008119566A - ガス分離装置 - Google Patents

ガス分離装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2008119566A
JP2008119566A JP2006303312A JP2006303312A JP2008119566A JP 2008119566 A JP2008119566 A JP 2008119566A JP 2006303312 A JP2006303312 A JP 2006303312A JP 2006303312 A JP2006303312 A JP 2006303312A JP 2008119566 A JP2008119566 A JP 2008119566A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
methanol
porous body
flow path
vapor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006303312A
Other languages
English (en)
Inventor
Koichi Terao
幸一 寺尾
Takeshi Obikawa
剛 帯川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2006303312A priority Critical patent/JP2008119566A/ja
Publication of JP2008119566A publication Critical patent/JP2008119566A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Abstract

【課題】多数の細孔が均一な孔径で、再現性よく形成し得る分離層を有し、この細孔の孔径の大きさに応じてガス成分を分離し得るフィルタ部が設けられたガス分離装置を提供すること。
【解決手段】メタノールガス分解反応器(ガス分離装置)100は、メタノール蒸気(被処理ガス)が流れる第1の流路140と、メタノール蒸気の分解物(処理済ガス)が流れる第2の流路150と、第1の流路140と第2の流路150とを隔離する隔壁部130とを有し、この隔壁部130には、第2の流路150側に位置する多孔体と、この多孔体の第1の流路140側の表面に設けられ、主として多孔体の表面に対してほぼ一定の角度をなして貫通する細孔を多数有する斜方蒸着膜で構成される分離層とを有するフィルタ部10が設けられている。また、メタノール蒸気とその分解物とを分離する際には、分離層における平均孔径は、0.1〜0.8nm程度とされる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガス分離装置に関する。
液相系において、アルコールと他の成分とを分離する液体分離装置としては、例えば、パーベーパレーション法等を用いた各種分離膜を備えるものが知られており、これら各種分離膜について様々な研究・開発がなされている。しかしながら、気相系において、アルコール蒸気と他のガス成分とを分離する分離膜を備えるガス分離装置については、その報告がほとんど認められない。
ところで、非平衡型のメタノールガス分解反応器(メタノール分離装置)においては、メタノールの分解反応の系から分解物(H、CO)を排除すると、反応の平衡が分解側に移動することにより、メタノールの分解が促進される。したがって、このようなメタノールの分解反応を効率よく行うためには、メタノール蒸気と、他のガス成分とを分離する分離膜の分離能を向上させることが重要となる。
気相系において、メタノール蒸気と他のガス成分とを分離する分離膜としては、多孔体の表面に、金属アルコキシドを塗布・乾燥した後に焼成することにより形成した分離膜(例えば、特許文献1参照。)や、多孔体の表面に、化学蒸着法によってシリカ等を堆積させた分離膜(例えば、特許文献2参照。)が提案されている。
これらの分離膜は、いずれも多孔体が備える細孔におけるガス成分の透過性の差を利用して分離を行うものである。これらのうち、前者の分離膜は、細孔の孔径よりも小さい分子サイズを有するガス成分のうち、細孔の表面に存在する金属アルコキシドと親和性を有するメタノール蒸気を優先的に透過させるとともに、金属アルコキシドと親和性を有さない他のガス成分の透過を阻止することにより、メタノール蒸気と他のガス成分とを分離する。これに対し、後者の分離膜は、細孔の孔径よりも大きい分子サイズを有するメタノール蒸気の透過を阻止し、それよりも分子サイズの小さい他のガス成分を透過させることにより、メタノール蒸気と他のガス成分とを分離する。
しかしながら、これらの分離膜では、細孔の孔径が、多孔体の表面状態や、膜形成時の反応条件等の影響を受け易いために制御が難しく、バラツキの小さい均一な孔径を有する細孔を、膜厚に依存することなく形成するのには困難を極める。すなわち、均一な分離性能を有する分離膜を再現性よく形成するのには困難を極める。
そのため、このような分離膜を備えるガス分路装置は、同一工程を経て製造された装置同士の間で、均一な分離性能が得られないという問題がある。
特開平10−202073号公報 特開2000−444号公報
本発明の目的は、多数の細孔が均一な孔径で、再現性よく形成し得る分離層を有し、この細孔の孔径の大きさに応じてガス成分を分離し得るフィルタ部が設けられたガス分離装置を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明のガス分離装置は、分子サイズの大きさに応じて、被処理ガス中に含まれるガス成分を分離して処理済ガスを得るガス分離装置であって、
前記被処理ガスが流れる第1の流路と、前記処理済ガスが流れる第2の流路と、前記第1の流路と前記第2の流路とを隔離する隔壁部とを有し、
当該隔壁部には、前記第2の流路側に位置する多孔体と、該多孔体の前記第1の流路側の表面に設けられ、主として多孔体の表面に対してほぼ一定の角度をなして貫通する細孔を多数有する斜方蒸着膜で構成される分離層とを有するフィルタ部が設けられており、
前記分離層において、前記細孔の孔径よりも大きい分子サイズのガス成分の透過を阻止し、前記細孔の孔径よりも小さい分子サイズのガス成分を透過することを特徴とする。
これにより、多数の細孔が均一な孔径で、再現性よく形成し得る分離層を有し、この細孔の孔径の大きさに応じてガス成分を分離し得るフィルタ部を備えるガス分離装置とすることができる。
本発明のガス分離装置では、前記斜方蒸着膜は、無機酸化物材料を主材料として構成されることが好ましい。
これにより、斜方蒸着膜は、各種ガスに対して安定、かつ耐熱性に優れたものとなる。その結果、分離対象ガス、および、この分離対象ガスを分離する際の温度条件について、その選択の幅の拡大を図ることができる。
本発明のガス分離装置では、前記多孔体は、無機酸化物材料を主材料として構成されることが好ましい。
これにより、多孔体は、各種ガスに対して安定なものとなり、また、耐熱性に優れたものとなる。したがって、分離対象ガス、および、斜方蒸着膜を形成する際さらには分離対象ガスを分離する際の温度条件について、その選択の幅の拡大を図ることができる。
本発明のガス分離装置では、前記細孔は、前記多孔体の表面となす角度が50〜90°であることが好ましい。
これにより、斜方蒸着法を用いて形成された分離層を確実に前記細孔を備える斜方蒸着膜で構成することができる。
本発明のガス分離装置では、前記細孔は、前記被処理ガスが流れる方向に向かって傾斜していることが好ましい。
これにより、被処理ガスを供給した際に、この処理ガス中に含まれる細孔の孔径よりも小さい分子サイズのガス成分を細孔内に取り込み易くなることから、フィルタ部による被処理ガスの処理効率の向上を図ることができる。
本発明のガス分離装置では、前記細孔は、その平均孔径が0.1〜0.8nmであり、前記多孔体の表面となす角度が75〜85°であるとき、
被処理ガスとして、少なくともメタノール蒸気とメタノール蒸気よりも分子サイズが小さいガス成分とを含有する混合ガスを第1の流路に流入すると、
前記分離層において、前記メタノール蒸気よりも分子サイズが小さいガス成分が透過することにより、前記第2の流路に前記処理済ガスが流れることが好ましい。
これにより、メタノール蒸気が分離層を透過するのを確実に阻止することができ、また、メタノール蒸気よりも分子サイズが小さいガス成分を、確実に分離層を透過させることができる。その結果、メタノール蒸気と、メタノール蒸気よりも分子サイズが小さいガス成分とを確実に分離することができる。
本発明のガス分離装置では、前記メタノール蒸気よりも分子サイズが小さいガス成分は、前記メタノール蒸気の分解物であることが好ましい。
これにより、メタノール蒸気と、メタノール蒸気よりも分子サイズが小さいメタノールの分解物とを確実に分離することができる。
本発明のガス分離装置では、前記第1の流路は、その内面に加熱手段が設けられていることが好ましい。
これにより、第1の流路に供給されたメタノール蒸気を加熱することができ、メタノール蒸気の分解反応を促進させることができる。
本発明のガス分離装置では、前記第1の流路は、その内面に、前記メタノール蒸気の分解を促進する触媒を含む触媒層が設けられていることが好ましい。
これにより、第1の流路に供給されたメタノール蒸気を触媒層に含まれる触媒により分解することができ、メタノール蒸気の分解反応を促進させることができる。
本発明のガス分離装置では、前記第2の流路を複数備え、当該第2の流路は、前記第1の流路を挟むようにして、互いに対向して設けられることが好ましい。
これにより、第1の流路に供給される被処理ガスとフィルタ部との接触面積を向上させることができることから、被処理ガスの処理効率の向上を図ることができる。
本発明のガス分離装置では、前記隔壁部は、前記第1の流路側に向かって突出する複数の突出部を有し、それぞれの前記突出部に前記フィルタ部を設けることが好ましい。
これにより、第1の流路に供給される被処理ガスとフィルタ部との接触面積を向上させることができることから、被処理ガスの処理効率の向上を図ることができる。
本発明のガス分離装置では、前記フィルタ部は、前記隔壁部から脱着可能に設けられていることが好ましい。
これにより、フィルタ部の交換を容易に行うことができる。
本発明のガス分離装置では、前記フィルタ部は、前記多孔体が筒状をなし、該多孔体の外側面に前記分離層が設けられていることが好ましい。
これにより、分離対象ガスに含まれるガス成分を効率よく分離することができる。
以下、本発明のガス分離装置について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
なお、本発明のガス分離装置は、分子サイズの大きさに応じて、被処理ガス中に含まれるガス成分を分離して処理済ガスを得るものであるが、以下では、本発明のガス分離装置を、メタノール蒸気を分解することにより発生した分解物(H+CO)を、このメタノール蒸気中から分離するメタノールガス分解反応器に適用した場合を一例に説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明のガス分離装置をメタノールガス分解反応器に適用した場合の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明のガス分離装置をメタノールガス分解反応器に適用した場合の第1実施形態を模式的に示す横断面図、図2は、図1に示すメタノールガス分解反応器の斜視図(部分切断図)、図3は、図1に示すメタノールガス分解反応器が備えるフィルタ部を模式的に示す縦断面図、図4は、図3に示すフィルタ部によって、メタノール蒸気とその分解物が分離される様子を示す模式図である。なお、以下の説明では、図1中の紙面手前側を「上」、紙面奥側を「下」、図2〜図4中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
本実施形態のメタノールガス分解反応器100は、チャンバ120と、チャンバ120内に設けられ、このチャンバ120内を第1の流路140と第2の流路150とに隔離する隔壁部130とを有している。
また、このメタノールガス分解反応器100では、第1の流路140に被処理ガスを供給するための第1の供給口121と、第1の流路140から被処理ガスを排気するための第1の排気口122と、第2の流路150にキャリアガスを供給するための第2の供給口123と、第2の流路140から処理済ガスを排気するための第2の排気口124とが設けられている。
以下、各部の構成について詳細に説明する。
チャンバ120は、その外部に対してその内部、すなわち隔壁部130が設けられることにより形成される、第1の流路140および第2の流路150の気密性を保持する容器である。
このようなチャンバ120を構成する材料には、例えば、アルミ、ステンレス鋼のような各種金属材料、アルミナのような各種セラミックス材料等を用いることができる。
隔壁部130は、チャンバ120内に設けられ、チャンバ内120内を第1の流路140と第2の流路150とに隔離する機能を有するとともに、第1の流路140側でメタノール蒸気(メタノールガス)が分解することにより生じた分解物(H+CO)を、後述するフィルタ部10において、第2の流路150側に透過させる機能を有するものである。
本実施形態では、隔壁部130は、図1および図2に示すように、板状の基板131と、板状の基板131から第1の流路140側に向かって突出する複数の突出部132とで構成されている。すなわち、隔壁部130は、その全体形状が櫛歯状をなしている。
基板131は、チャンバ120内を上下方向に縦断し、その外周部において、チャンバ120の内壁に固着され、これにより、隔壁部130で隔離された2つの閉空間、すなわち第1の流路140と第2の流路150とが形成される。
各突出部(本実施形態では、8つの突出部)132は、それぞれ、四角柱状をなし、この四角柱の上下方向の辺が左右方向の辺よりもその長さが大きくなっている。そして、隣接する突出部132と対向する2つの側面で、それぞれ開口する開口133が設けられ、これら開口133の縁部にフィルタ部10を係止する係止部134が設けられている。
開口133は、フィルタ部10の形状に対応するように正方形状をなしており、この開口133を塞ぐようにして、フィルタ部10が配置されている。このように、複数の突出部132に、フィルタ部10を設ける構成とすることにより、第1の流路140に供給されるメタノール蒸気とフィルタ部10との接触面積を向上させることができることから、メタノール蒸気の処理効率の向上を図ることができる。
また、係止部134は、開口133の上下方向に伸びる辺133a、133bに対応するようにその縁部に沿って2つ設けられている。かかる構成とすることにより、係止部134に、ガイド部としての機能をも発揮させることができる。これにより、フィルタ部10は、図2中矢印方向に移動させ得ることから、脱着可能なものとなり、その結果、フィルタ部10の交換を容易に行うことができる。
また、隔壁部130を構成する材料、すなわち基板131、突出部132およびガイド部を構成する材料には、前記チャンバ120と同様の材料を用いることができる。
このような隔壁部130は、本実施形態では、互いに対向するように2つ設けられている。これにより、第2の流路150は、第1の流路140を挟むように、互いに対向して形成されることとなる。かかる構成とすることによっても、第1の流路140に供給されるメタノール蒸気とフィルタ部10との接触面積を向上させることができることから、メタノール蒸気の処理効率の向上を図ることができる。
突出部132には、前述したように開口133を塞ぐようにしてフィルタ部10が配置されている。
フィルタ部10は、メタノール蒸気の透過を阻止し、メタノール蒸気よりも分子サイズが小さいガス成分であるメタノール蒸気の分解物の透過を許容するフィルタ部材1と、このフィルタ部材1の外周部に沿って設けられた枠体5とを有している。
枠体5は、フィルタ部材1を補強する機能を有しており、これにより、フィルタ部材1が変形(拡張、湾曲、屈曲等)するのを確実に防止することができる。また、係止部134により、フィルタ部10を開口133が塞がるようにして係止する際には、この枠体5
が係止部134に当接することとなる。すなわち、フィルタ部材1が係止部134と当接するのを確実に防止することができる。これにより、フィルタ部材1が変質・変形等することなくフィルタ部10の固定および脱着を容易に行うことができる。
また、枠体5には、突出部132と接する側の面に溝51が形成されている。そして、この溝51に、シール用のOリング52が配置されている。かかる構成とすることにより、第1の流路140と第2の流路150との気密性が保持されて、未処理の被処理ガスが第2の流路150内に流入してしまうのを確実に防止することができる。
ここで、フィルタ部材1は、分子サイズの大きさに応じて、ガス(気体)中に含まれるガス成分(分子)を分離するものであり、本実施形態のメタノールガス分解反応器100では、メタノール蒸気の透過が阻止され、メタノール蒸気の分解物の透過が許容されるように設定されており、多孔体2と、多孔体2の表面に設けられた分離層3とを有している。
多孔体2は、分離層3を支持するとともに、分離層3を透過したガス成分を透過して下方に排出するものである。本実施形態では、図3に示すように、この多孔体2は、平板状に形成されており、その一方の面(上面)に分離層3が設けられている。
多孔体2の構成材料としては、無機材料、有機材料のいずれであってもよいが、分離対象ガスに含まれる各ガス成分に対して安定であり、また、分離層3の成膜に際、さらにはガス成分を透過するに際して加えられる熱に対して耐熱性を有するものを使用するという観点からは、無機材料であるのが好ましい。
さらに、無機材料としては、無機酸化物が好ましい。無機酸化物は、優れた化学的安定性および耐熱性を有している。このため、多孔体は、各種ガスに対して安定なものとなり、また、後述する斜方蒸着膜31を成膜する際等に加えられる熱に耐え得るものとなる。
無機酸化物としては、例えば、SiO、SiOのようなシリコン酸化物、Al、MgO、TiOTiO、In,Sb,Ta、Y、CeO、WO、CrO、GaO、HfO、Ti、NiO、ZnO、Nb、ZrO、Ta等の金属酸化物が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができるが、特に、SiO、SiO、Al、ZrOまたはTiOを主成分とするものが好ましい。
なお、多孔体2を構成する有機材料としては、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリイミド樹脂およびフッ素樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
多孔体2における平均孔径は、後述する分離層3における平均孔径と等しいか、またはそれよりも大きくなっていればよいが、好ましくは分離層3の平均孔径よりも大きく設定される。これにより、分離層3を透過して多孔体2に移行したガス成分すなわちメタノール蒸気の分解物を効率よく排出することができる。この平均孔径は、具体的には、1nm〜1μm程度であるのが好ましく、4nm〜0.2μm程度であるのがより好ましい。これにより、分離層を透過して多孔体に移行したガス成分を、より効率よく排出することができるとともに、十分な機械的強度を確保することができる。
多孔体2の厚さは、100μm〜5mm程度であるのが好ましく、500μm〜2mm程度であるのがより好ましい。これにより、十分な機械的強度を確保しつつ、フィルタ部材1の小型化(薄型化)を図ることができる。
さて、本発明において、分離層3は、主として斜方蒸着膜31で構成されている。斜方蒸着膜31は、複数の微細なカラム311が、多孔体2の表面に対して、ほぼ等しい(一定の)角度(図3中に示す角度θ)で傾斜した状態で配列され、これらカラム311で囲まれた複数の空間により、各細孔312が構成されている。
この分離層3では、細孔312による分子篩効果によって、分離対象ガス(混合ガス)に含まれる少なくとも1種のガス成分を選択的に透過させるか、選択的に透過を阻止するよう構成されている。すなわち、細孔312の孔径よりも大きい分子サイズのガス成分の透過が阻止されるよう構成されている。かかる構成とすることにより、目的とするガス成分と他のガス成分とが分離される。そのため、本実施形態のメタノールガス分解反応器では、メタノール蒸気の透過が阻止され、メタノール蒸気の分解物の透過が許容されるように、細孔312の大きさが設定されている。
ここで、これら細孔312は、後述するフィルタ部材1の製造方法で説明するように、斜方蒸着法を用いて形成されていることから、多孔体2の表面に対して、ほぼ等しい角度で傾斜したカラム311に囲まれることにより形成される。そのため、各細孔312は、多孔体2の表面に対して、ほぼ等しい角度θで貫通する貫通孔を構成し、さらに、それぞれ、貫通孔の軸方向に沿って、ほぼ一定の(ほぼ等しい)孔径(内径)を有している。
このように、ほぼ一定の孔径を有する細孔すなわちバラツキが小さい細孔が形成されていることから、この孔径の大きさに応じて、これよりも大きい分子サイズのガス成分の透過を確実に阻止して、目的とするガス成分と他のガス成分との分離を行うことができる。そのため、本実施形態では、メタノール蒸気の透過が阻止され、メタノール蒸気の分解物の透過が許容されるような大きさに細孔312の孔径の大きさを設定する、具体的には、その平均孔径を好ましくは、0.1〜0.8nm程度に、より好ましくは、0.2〜0.5nm程度に、さらに好ましくは、0.2〜0.3nm程度に設定する。平均孔径が前記範囲より小さい場合には、分離対象ガスに含まれるメタノール蒸気以外のガス成分も、分離層3を透過し難くなり、透過が阻止されたガスの中に、メタノール蒸気以外のガス成分が多く混在してしまうおそれがある。また、平均孔径が前記範囲より大きい場合には、メタノール蒸気も分離層3を透過してしまい、透過したガスの中に、メタノール蒸気が多く混在してしまい、メタノール蒸気の回収率および分離精度が不十分となるおそれがある。
なお、本発明のガス分離装置を、メタノールガス分解反応器以外のものに適用する場合、細孔312の平均孔径は、分離対象ガスに含まれるガス成分の種類、また、分離対象ガスに含まれるガスのうち、いずれのガス成分を透過させるのか、あるいは、透過を阻止するのかによって最適範囲が異なり、これらのファクターに応じて適宜設定すればよい。
このような分離層3において、分離層3を厚く形成することにより、たとえ細孔312の長さが長くなったとしても、上述したように、細孔312は、ほぼ一定の孔径を有しているので、細孔312内を透過するガスの透過性に変化がおよぶようになることがほとんどない。したがって、このフィルタ部材1では、分離層3の厚さに応じて、分離するガス成分の透過率に変化が生じることなく、このガス成分の分離を行うことができる。
斜方蒸着膜31の構成材料としては、メタノール蒸気およびその分解物等の各ガス成分に対して安定であり、耐熱性に優れたものであればよく、特に限定されないが、具体的には、前記多孔体2の構成材料として例示した無機酸化物が好適に用いられる。
前述したような無機酸化物は、優れた化学的安定性および耐熱性を有しているため、分離層3は、メタノール蒸気やその分解物等の各種ガスに対して安定なものとなるとともに、メタノール蒸気を分解するに際して加えられる熱に対して耐え得るものとすることができる。また、無機酸化物は、後述する斜方蒸着法を用いることにより、前述したような細孔を有する多孔質状の層として比較的容易に成膜できるので、分離層3の構成材料として好適に用いられる。
なお、細孔312と多孔体2の表面とがなす角度は、50〜90°程度となるように設定されているのが好ましく、75〜85°程度となるように設定されているのがより好ましい。後述するフィルタ部材1の製造方法において、細孔312と多孔体2の表面とがなす角度をかかる範囲内となるように設定することにより、形成される分離層を、確実に細孔312を備えるものとすることができる。
また、分離層3におけるカラム311の外径は、0.2〜2.0nm程度であるのが好ましく、0.5〜1.0nm程度であるのがより好ましい。カラム311の外径が前記範囲より小さい場合には、分離層3の機械的強度が不足するおそれがある。また、カラム311の外径が前記範囲より大きい場合には、カラム311同士の隙間の大きさ、すなわち細孔312の平均孔径を精密に制御するのが困難となるおそれがある。
さらに、分離層3の平面視において、細孔312が占める総面積とカラム311が占める総面積との比は、3:1〜1:5程度であるのが好ましく、2:1〜1:1程度であるのがより好ましい。細孔密度が前記範囲より小さい場合には、ガスの透過効率が低くなるおそれがある。また、細孔密度が前記範囲より大きい場合には、分離層3の機械的強度が不足するおそれがある。
分離層3の厚さは、1〜100nm程度であるのが好ましく、10〜60nm程度であるのがより好ましい。かかる範囲内に設定することにより、フィルタ部材1が大型化するのを防止しつつ、分離層3に優れた分離性能を付与することができる。
フィルタ部1の配置する方向は、特に限定されないが、その細孔312の向きが突出部132の基板131側から第1の流路140側を向くようにするのが好ましい。すなわち、フィルタ部1は、細孔312の向きが、メタノール蒸気の分解物が流れる方向に向かって傾斜するように配置するのが好ましい。これにより、メタノール蒸気の分解物が突出部132の第1の流路140側から基板131側に向かって流れる際に、この分解物を細孔312内に取り込み易くなることから、フィルタ部1による分解物の処理効率の向上を図ることができる。
また、本実施形態のメタノールガス分解反応器100では、突出部132の第1の流路140と対向する側の面に、加熱手段6が設けられている。加熱手段6が設けられた構成とすることにより、第1の流路140に供給されたメタノール蒸気を加熱することができ、メタノール蒸気の分解反応を促進させることができる。
加熱手段6としては、特に限定されず、例えば、その加熱方式がヒーター(抵抗加熱)や高周波加熱等のいずれのものであってもよいが、ヒーターであるのが好ましい。これにより、メタノール蒸気を比較的容易、かつ、確実に加熱することができる。
このヒーターとしては、特に限定されず、タンタル、モリブデン、タングステン、銅、ニッケル等の金属材料を主材料とする電熱線を、シリコンゴムやポリイミド等の絶縁材料で被膜した構成のものを好適に用いることができる。かかる構成とすることにより、所望の形状の加熱手段6を、突起部132に接合することができる。
加熱手段6による、メタノール蒸気の加熱温度は、特に限定されないが、50〜350℃程度であるのが好ましく、150〜250℃程度であるのがより好ましい。かかる範囲内に設定することにより、メタノールガスの分解反応をより確実に進行させることができる。
さらに、加熱手段6の突出部132と反対側に面には、メタノール蒸気の分解を促進する触媒を含む触媒層7が設けられている。触媒層7が設けられた構成とすることにより、第1の流路140に供給されたメタノール蒸気を触媒層7に含まれる触媒により分解することができ、メタノール蒸気の分解反応を促進させることができる。
触媒としては、メタノール蒸気を分解し得るものであれば特に限定されず、例えば、Pt、Ru、Pd、Ni、Co、Cu、RhおよびAg等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
このような触媒層7は、バインダーとして機能する有機材料と触媒とを含有する液状材料を、加熱手段6上に供給した後、乾燥させることにより形成することができる。
なお、加熱手段6および触媒層7は、第1の流路140の内面に設けられていればよいが、本実施形態のように、フィルタ部1の近傍に設ける構成とすることにより、生成された分解物を迅速にフィルタ部1で処理することができるため、メタノール蒸気の分解反応をより促進させることができる。
また、第1の流路140の右方の側壁には第1の供給口121が、左方の側壁には第1の排気口122がそれぞれ設けられている。そして、第1の供給口121には、図示しないメタノールガス供給部が接続され、第1の排気口122には、図示しない第1の排気ポンプが接続されている。
メタノールガス供給部は、第1の流路140に、メタノール蒸気を供給するものであり、メタノール蒸気を発生または収納するメタノールガス供給源と、このメタノールガス供給源と第1の供給口121とを接続する配管と、配管の途中に設けられ、配管を流れるメタノール蒸気の流量を調整する流量制御器とを有している。
第1の排気ポンプは、例えば、油回転ポンプ、ターボ分子ポンプ等で構成され、第1の流路140内で未処理のメタノール蒸気を回収(排気)するためものである。
さらに、各第2の流路150の左方の側壁には第2の供給口123が、右方の側壁には第2の排気口124がそれぞれ設けられている。そして、第2の供給口123には、図示しないキャリアガス供給部が接続され、第2の排気口124には、図示しない第2の排気ポンプが接続されている。
キャリアガス供給部は、第2の流路150に、キャリアガスを供給するものであり、キャリアガスを収納するキャリアガス供給源と、このキャリアガス供給源と第2の供給口123とを接続する配管と、配管の途中に設けられ、配管を流れるキャリアガスの流量を調整する流量制御器とを有している。
キャリアガスとしては、例えば、Heガス、Arガスのような希ガスが好適に用いられる。
第2の排気ポンプは、第1の排気ポンプと同様の構成とされ、第2の流路150内のキャリアガスとメタノールガスの分解物(HおよびCO)との混合ガスを回収(排気)するためものである。
なお、第1の流路140および第2の流路150内の圧力は、それぞれ、陽圧および陰圧となっているのが好ましい。これにより、フィルタ部材1におけるメタノール蒸気の分解物の透過が強制的に行われるようになり、メタノールガス分解反応器100の処理効率の向上を図ることができる。
以上説明したようなメタノールガス分解反応器100において、第2の供給口123から第2の流路150にキャリアガスを供給しつつ、第1の供給口121からメタノール蒸気を第1の流路140に供給し、図4に示すように、第1の流路140で、下記式1に示すメタノール蒸気の分解反応を、加熱手段6や触媒層7の作用により生じさせると、未反応のメタノール蒸気と、メタノールの分解物(HおよびCO)がフィルタ部材1により分離される。
CHOH→H+CO …… 式1
すなわち、式1に示すようなメタノール蒸気の分解反応が、第1の流路140(フィルタ部材1よりも上側の空間)で生じると、分解反応によって生じたHおよびCOは、その大きさ(分子サイズ)が分離層3の細孔312に対して小さいことから、分離層3の表面に開口する各細孔312を通過し、分離層3と多孔体2の界面に到達する。そして、この界面に到達したHおよびCOは、多孔体2の細孔を通過して、第2の流路150(フィルタ部材1よりも下側の空間)に移行する。そして、第2の流路150に供給されているキャリアガスと混合することにより混合ガスが得られ、この混合ガスが第2の排気口124から回収(排気)される。一方、メタノール蒸気は、その大きさ(分子サイズ)が分離層3の細孔312に対して大きいことから、この細孔312を通過せず、第1の流路140に留まり、第1の排気口122から回収(排気)される。このようにして、メタノール蒸気と、分解物(HおよびCO)とが、それぞれ、第1の流路140と第2の流路150とに分離されることにより、第1の排気口122と第2の排気口124から回収される。
なお、上述したように、メタノール蒸気の分解をしつつ、生成された分解物を、フィルタ部材1を用いてメタノール蒸気から分離する構成とすることにより、第1の流路140では、メタノール蒸気の分解反応の平衡が右(分解側)に移動し、メタノール蒸気を効率よく分解させることができるという利点も得られる。
なお、本実施形態では、本発明のガス分離装置をメタノールガス分解反応器に適用する場合について説明したが、このような場合に限定されるものではない。すなわち、ガス分離装置が備えるフィルタ部材1における、分離層3が備える各細孔312の平均孔径を適宜設定することにより、メタノール蒸気の他、エタノール蒸気、プロパノール蒸気等、炭素数が1〜8程度のアルコール蒸気の透過を阻止するガス分離装置に適用することができる。
例えば、細孔312の平均孔径を0.3〜0.5程度に設定することにより、水−エタノールの共沸混合物から水とエタノールとを分離するガス分離装置等にも適用することができる。
さらに、例えば、細孔312の平均孔径を0.2〜0.4程度に設定することにより、複数種のアルコール混合蒸気中からのメタノール蒸気を分離するガス分離装置等にも適用することができる。
次に、図1に示すメタノール分解反応器100が備えるフィルタ部材1の製造方法について説明する。
図5は、メタノールガス分解反応器の第1実施形態が備えるフィルタ部材を製造する際に用いられる斜方蒸着装置を示す模式図、図6は、図5に示す斜方蒸着装置が有するスリット板を示す平面図である。なお、以下の説明では、図5中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
まず、平板状の多孔体2を用意し、この多孔体2の表面に、斜方蒸着法により分離層3を形成する。
具体的には、斜方蒸着法では、図5に示すように、チャンバ(図示せず)内に、分離層3の構成材料(原料)800を収納した蒸着源810と、多孔体2とを設置し、これらの間にスリット板820を配置する。
なお、スリット板820は、図6に示すように、板体822のほぼ中央部に、多孔体2の幅とほぼ等しいスリット長lを有するスリット821が形成されてなるものである。
また、多孔体2は、駆動装置830に固定され、後述する蒸着角度(図5中、蒸着角度θ)を維持した状態で、図5中矢印方向に平行移動可能になっている。また、多孔体2は、図示しない加熱手段により加熱可能となっている。
この状態で、蒸着源810に設けられた加熱手段(図示せず)により無機酸化物800を加熱して蒸発(気化)させる。そして、原料800の蒸着粒子(蒸発粒子)を、スリット板820のスリット821を介して多孔体2の表面(分離層3を形成する面)に到達させる。
なお、このとき、多孔体2を、前述の加熱手段により所定の温度に加熱するとともに、駆動装置830により所定の速度で、平行移動させる。
これにより、多孔体2上に、均一な大きさの孔径で構成される細孔312を多数有する斜方蒸着膜31(分離層3)が形成され、フィルタ部材1が得られる。
ここで、蒸着源810から気化した原料(蒸着粒子)800の進行方向と多孔体2の表面の垂線とがなす蒸着角度(図5中、角度θ)を適宜設定することにより、細孔312の多孔体2の表面に対する角度(図3中、角度θ)を調整することができる。
さらに、分離層3における細孔312の平均孔径は、蒸着源810から気化した原料800が多孔体2の表面に到着した際に形成される構造(カラム構造)の状態に大きく依存しており、蒸着粒子の進行方向と多孔体2の表面の垂線とがなす蒸着角度θ、蒸着時のチャンバ内(蒸着雰囲気)の真空度、蒸着粒子の蒸着レートおよび多孔体2の温度(基板温度)等の各種条件を適宜設定することにより調整することができるとともに、これらの値を固定することにより、一定の平均孔径を有する細孔312を再現性よく形成することができる。これらの中でも、蒸着角度θおよび/または真空度を適宜設定することにより、細孔の平均孔径の大きさを調整するようにするのが好ましい。これらのパラメータは、特に、応答性が高いことから、その大きさを適宜設定することにより、平均孔径の大きさを比較的容易に制御することができる。
これらパラメータの適正範囲は、分離層3の構成材料の種類によっても若干異なるが、前述したような無機酸化物材料とする場合、次のように設定される。
まず、上述したように蒸着角度θおよび真空度は、分離層3における平均孔径にもっとも影響するパラメータである。
ここで、蒸着角度θが小さくなる程、細孔径は小さくなる。しかしながら、蒸着角度θが小さくなり過ぎると、成膜される蒸着膜においてカラム状の構造が得られなくなり、細孔が形成されていない緻密な蒸着膜が成膜されてしまうおそれがある。
また、真空度が高くなる程、細孔径は大きくなる。しかしながら、真空度が高くなり過ぎると、蒸着粒子が多孔体2に到達するのに先立って、蒸着粒子の凝集が起こり易くなる。その結果、成膜される斜方蒸着膜においてカラムの外径が大きくなり過ぎるおそれがある。また、真空度が低くなりすぎると、蒸着粒子の直進性が低下して、細孔径のバラツキが大きくなるおそれがある。
このような点から蒸着角度θは、25〜60°程度であるのが好ましく、30〜50°程度であるのがより好ましい。
チャンバ(蒸着装置)内の真空度は、1×10−5〜5×10−1Pa程度であるのが好ましく、5×10−5〜5×10−2Pa程度であるのがより好ましい。
さらに、多孔体2の温度および蒸着レートを適宜設定することにより、蒸着粒子が多孔体2に到達するのに先立って凝集してしまうのを防止して、斜方蒸着膜を効率よく成膜することができる。
具体的には、蒸着時の多孔体2の温度は、20〜150℃程度であるのが好ましく、50〜100℃程度であるのがより好ましい。
また、蒸着レートは、2.5〜25Å/秒程度であるのが好ましく、4〜20Å/秒程度であるのがより好ましい。
なお、蒸着源810と多孔体2との方位角度(図5中、角度θ)や、多孔体2と蒸着源810との離間距離(図5中L)、スリット板820の厚さ(図5中T)やスリット821の幅(図5中W)等を適宜設定することにより、カラム構造の方向均一性を制御すること、すなわち、斜方蒸着膜31の配向性を制御することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明のガス分離装置をメタノールガス分解反応器に適用した場合の第2実施形態について説明する。
図7は、メタノールガス分解反応器の第2実施形態が備えるフィルタ部を模式的に示す縦断面図である。なお、以下の説明では、図7中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
以下、第2実施形態について、前記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本実施形態のメタノールガス分解反応器100では、突出部132に配置されるフィルタ部10が、図7に示すように、分離層3を構成する斜方蒸着膜31の各カラム311に、カラム311の表面とカップリング剤とが反応することによって形成された被覆層313を有する以外は、前記第1実施形態のメタノールガス分解反応器100と同様である。
本実施形態のメタノールガス分解反応器100が備えるフィルタ部10では、斜方蒸着膜31は、無機酸化物を主材料として構成されているのが好ましい。無機酸化物で構成されるカラム311は、その表面に水酸基を露出していることから、この水酸基とカップリング剤とが反応することにより、カラム311の表面に、密着性に優れた被覆層313を形成することができる。
カップリング剤としては、Ti、Li、Si、Na、K、Mg、Ca、St、Ba、Al、In、Ge、Bi、Fe、Cu、Y、Zr、Ta等を有する各種金属アルコキシド、ハロゲン基を有する有機金属化物等を好適に用いることができる。これらの中でもSi、Ti、Al、Zr等を有するカップリング剤がより好適に用いられ、特に、Siを有するシラン系カップリング剤を用いるのが好ましい。シラン系カップリング剤は、安価であり入手が容易である。
シランカップリング剤は、一般式RSiX(4−n)(但し、Xは、加水分解によりシラノール基を生成する加水分解基、Rは官能基である。また、nは1〜3の整数である。)で表される。
この一般式において、Xとしては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、ハロゲン基等が挙げられる。
なお、複数個のR同士またはX同士は、互いに同じものであっても、異なるものであってもよい。
このようなシランカップリング剤は、アルコキシ基またはハロゲン基が加水分解されることによってシラノール基を生成する。このシラノール基の少なくとも1つと、カラム311の表面で露出する水酸基とが反応してシロキサン結合が形成する。これにより、カラム311の表面にシランカップリング剤が結合し、被覆層313が形成される。
カラム311の表面とカップリング剤とが反応することによって形成された被覆層313は、その表面にカップリング剤の官能基が露出しており、この官能基によって、カラム311の表面が改質される。したがって、この官能基を変化させることによって、ガス成分に対する親和性を変化させることができる。その結果、ガス成分のうち前記官能基に対して親和性を有するものを優先的に細孔312を透過させることができる。すなわち細孔312におけるガスの透過性を制御することができる。
そのため、かかる構成の分離層3を備えるフィルタ部材1は、細孔312の孔径よりもその分子サイズが大きいものの透過を阻止し得るとともに、細孔312の孔径よりもその分子サイズが小さいガス成分、すなわち細孔312の透過が許容されるもののうち、被覆層313(カップリング剤が備える官能基)に対して親和性を有するガス成分を優先的に透過させることができる。
そこで、本実施形態では、カップリング剤として、メタノール蒸気と親和性を有するアルキル基を含む官能基を備えるものを使用し、細孔312の孔径の大きさをメタノールの透過を許容し得る大きさに設定する。これにより、メタノール蒸気がその分解物(HおよびCO)よりも細孔312内で選択的に凝縮することとなり、メタノールの透過が促進される。
以上のように、本実施形態で用いられるフィルタ部1によっても、前記第1実施形態と同様に、細孔312の孔径よりも分子サイズの大きいガス成分の透過をフィルタ部材1により阻止することができる。さらに、本実施形態のフィルタ部1では、被覆層を形成するカップリング剤の官能基としてアルキル基を有するものを用いたので、細孔312のメタノール蒸気の透過が促進されているため、メタノール蒸気の分解物よりもメタノール蒸気を選択的に細孔312を透過させることができる。
なお、メタノール蒸気と親和性を有するアルキル基を含む官能基を備えるカップリング剤としては、例えば、次のようなものが挙げられる。
金属アルコキシドとしては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、テトラメチルシリケート、テトラエチルシリケート、ジルコニウムテトラプロポキシド、チタンテトラブトキシ、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウムブトキシ、トリメチルボラート、トリメチルボラート等が挙げられる。
また、ハロゲン基を有する有機金属化合物としては、例えば、トリメチルクロロシラン、エチルジメチルクロロシラン、オクタデシルジメチルクロロシラン、プロピルジメチルクロロシラン等が挙げられる。
なお、この被覆層313を有するフィルタ部材1では、カラム311の表面に形成された被覆層313で囲まれた空間が、前記第1実施形態における分離層3の細孔312に相当する。
以上説明したようなメタノールガス分解反応器100において、細孔312の平均孔径を0.35〜0.45nm程度に設定した場合には、第2の供給口123から第2の流路150にキャリアガスを供給しつつ、例えば、第1の供給口121からメタノール蒸気とエタノール蒸気との混合ガスを第1の流路140に供給すると、未反応のメタノール蒸気と、未反応のエタノール蒸気およびこれらの分解物がフィルタ部材1により分離される。
すなわち、本実施形態では、メタノール蒸気およびエタノール蒸気の分解反応が、第1の流路140(フィルタ部材1よりも上側の空間)で生じると、分解反応によって生じた分解物は、その大きさ(分子サイズ)が分離層3の細孔312に対して小さいことから、分離層3の表面に開口する各細孔312を通過しようとする。ところが、分離層3には、官能基としてアルキル基を有するカップリング剤で構成される被覆層313が形成されているので、未反応のメタノール蒸気が、各細孔312を優先的に通過することとなり、分離層3と多孔体2の界面に到達する。そして、この界面に到達したエタノール蒸気は、多孔体2の細孔を通過して、第2の流路150(フィルタ部材1よりも下側の空間)に移行する。そして、第2の流路150に供給されているキャリアガスと混合することにより混合ガスが得られ、この混合ガスが第2の排気口124から回収(排気)される。一方、エタノール蒸気は、その大きさ(分子サイズ)が分離層3の細孔312に対して大きいことから、この細孔312を通過せず、第1の流路140に留まることとなる。その結果、メタノール蒸気が優先的に細孔312を透過することにより、第1の流路140に残存している分解物と、分子サイズが細孔312より大きいことにより、第1の流路140に残存しているエタノール蒸気とが、第1の排気口122から回収(排気)される。このようにして、エタノール蒸気およびこれらの分解物と、メタノール蒸気とが、それぞれ、第1の流路140と第2の流路150とに分離されることにより、第1の排気口122と第2の排気口124とから回収される。
なお、メタノールガス分解反応器100において、細孔312の平均孔径を0.35〜0.5nm程度に設定した場合には、第2の供給口123から第2の流路150にキャリアガスを供給しつつ、例えば、第1の供給口121からメタノール蒸気とイソプロピルアルール蒸気との混合ガスを第1の流路140に供給すると、未反応のメタノール蒸気と、未反応のイソプロピルアルコール蒸気およびこれらの分解物がフィルタ部材1により分離される。
次に、本実施形態のメタノール分解反応器100が備えるフィルタ部材1の製造方法について説明する。
図8は、第2実施形態のメタノール分解反応器が備えるフィルタ部材を製造する際に用いる処理装置を示す模式図である。なお、以下の説明では、図8中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
以下、このフィルタ部材の製造方法について、前記第1実施形態で説明したフィルタ部材の製造方法との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
まず、平板状の多孔体2を用意し、この多孔体2の表面に、前記第1実施形態と同様にして、斜方蒸着法により斜方蒸着膜31を形成する。
次に、斜方蒸着膜31のカラム311の表面と、カップリング剤とを反応させ、被覆層313を形成する。
カラム311の表面と、カップリング剤との結合は、液相プロセスや化学的気相成膜法等を用いた気相プロセスのような各種プロセスを用いて行うことができるが、中でも、液相プロセスを用いて行うのが好ましい。液相プロセスによれば、カップリング剤を含有する処理液Sを調製し、カラム311の表面に、処理液Sを供給するという比較的簡単な工程により、カラム311の表面とカップリング剤とを反応させることができる。
以下では、カップリング剤を含有する処理液Sを調製し、この処理液Sをカラム311の表面に浸漬法を用いて供給する液相プロセスを一例に説明する。
この液相プロセスを用いた被覆層313の形成方法では、例えば、図8に示すような処理装置900が用いられる。
処理装置900は、チャンバ910と、チャンバ910内に設けられたステージ950と、ステージ950上に配置された容器920と、容器920内に処理液Sを供給する給液手段960と、容器920内の処理液Sを排液する排液手段940と、チャンバ910内の排気を行う排気手段930とを有している。
また、ステージ950には、例えば、ヒーター等の加熱手段(図示せず)が設けられている。
排気手段930は、ポンプ932と、ポンプ932とチャンバ910とを連通する排気ライン931と、排気ライン931の途中に設けられたバルブ933とで構成されている。
また、排液手段940は、処理液Sを回収する回収タンク944と、回収タンク944と容器920とを連通する排液ライン941と、排液ライン941の途中に設けられたポンプ942およびバルブ943とで構成されている。
また、給液手段960は、処理液Sを貯留する貯留タンク964と、貯留タンク964から処理液Sを容器920に導く給液ライン961と、給液ライン961の途中に設けられたポンプ962およびバルブ963とで構成されている。
また、排液手段940および給液手段960には、それぞれ、図示しない加熱手段(例えば、ヒーター等)が設けられ、処理液Sを加熱し得るよう構成されている。
かかる構成の処理装置900を用いて、被覆層313は、例えば、次のようにしてカラム311の表面に形成される。
まず、カップリング剤を含有する処理液Sを調整した後、貯留タンク964に収納する。
カップリング剤を溶解する溶媒としては、各種のものが用いられるが、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、テトラヒドロフラン等を用いることができる。
処理液Sにおけるカップリング剤の濃度は、シランカップリング剤1重量部に対し、有機溶媒10〜50重量部程度であるのが好ましい。
また、特に、カップリング剤として金属アルコキシドを使用する場合には、水系溶液とすることもできる。この場合、金属アルコキシド1モルに対し、水1〜5モル程度、アルコール10〜30モル程度、酸0〜0.1モル程度を配合して調製するのが好ましい。
次に、チャンバ910を開放し、斜方蒸着膜31が形成された多孔体2を搬入して、容器920内に設置する。
次に、チャンバ910を密閉した状態とし、ポンプ962を作動し、この状態で、バルブ963を開くことにより、給液ライン961を介して、処理液Sを貯留タンク964から容器920内に供給する。
そして、容器920内に所定量の処理液S、すなわち、多孔体2が完全に漬かる量の処理液Sを供給することにより、斜方蒸着膜31が形成された多孔体2が処理液Sにより浸漬されると、ポンプ962を停止するとともに、バルブ963を閉じる。
次に、チャンバ910内(処理液Sが設置された空間)を減圧することにより、斜方蒸着膜31の細孔312内に処理液Sを浸透させる。
具体的には、チャンバ910を密閉した状態とし、ポンプ932を作動し、この状態で、バルブ933を開くことにより、排気ライン931を介して、チャンバ910内の気体を処理装置900外に排出する。
チャンバ910内の圧力が徐々に低下することにより、処理液S中および斜方蒸着膜31の細孔312内の気体(例えば空気等)が取り除かれ、細孔312内に処理液Sが浸透していく。
そして、チャンバ910内が所定の圧力になると、ポンプ932を停止するとともに、バルブ933を閉じる。
このチャンバ910内(空間)の所定の圧力、すなわち、チャンバ910内の真空度は、1×10−4〜1×10Pa程度であるのが好ましく、1×10−2〜1×10Pa程度であるのがより好ましい。これにより、斜方蒸着膜31の細孔312内から十分に空気が取り除かれ、細孔312内に処理液Sを十分に浸透させることができる。
次に、ポンプ942を作動し、この状態で、バルブ943を開くことにより、容器920内の余剰の処理液Sを排液ライン941を介して回収タンク944に回収する。
そして、容器920内から処理液Sのほぼ全てが回収されると、ポンプ942を停止するとともに、バルブ943を閉じる。
次に、斜方蒸着膜31の表面および細孔312の内面に、カップリング剤を結合させる。
具体的には、ステージ950に設けられた加熱手段を作動させることにより、斜方蒸着膜31が形成された多孔体2を加熱する。
これにより、カップリング剤の加水分解基を加水分解させ、生成したシラノール基と、斜方蒸着膜の表面で露出する水酸基とを反応させて、シロキサン結合を生成させる。これにより、斜方蒸着膜の表面に、カップリング剤が結合し、被覆層313が形成される。
なお、この加熱を行うのに先立って、必要に応じて、再度、チャンバ910内を減圧するようにしてもよい。
多孔体2の加熱温度は、特に限定されないが、50〜150℃程度であるのが好ましく、70〜120℃程度であるのがより好ましい。加熱温度が低過ぎると、カップリング剤の種類や、斜方蒸着膜31の種類等によっては、斜方蒸着膜31にカップリング剤を十分に化学結合させることができないおそれがあり、一方、加熱温度を前記上限値を超えて高くしても、それ以上の効果の増大が見込めない。
また、多孔体2の加熱時間も、特に限定されないが、1〜24時間程度であるのが好ましく、2〜10時間程度であるのがより好ましい。加熱時間が短過ぎると、加熱温度等の他の条件によっては、斜方蒸着膜31にカップリング剤を十分に化学結合させることができないおそれがあり、一方、加熱温度を前記上限値を超えて高くしても、それ以上の効果の増大が見込めない。
なお、カップリング剤として、複数種のものを用いる場合には、前記処理液S中に複数のカップリング剤を同時に混合するようにしてもよい。この場合、斜方蒸着膜31に化学結合する複数種のカップリング剤の比率は、例えば、処理液中における複数種のカップリング剤の配合比、種類や分子量、処理条件等を適宜設定することにより調整することができる。
また、各カップリング剤をそれぞれ含有する複数の処理液を用意し、各処理液を順次用いて、前述したようにして多孔体を処理するようにしてもよい。
<第3実施形態>
次に、本発明のガス分離装置をメタノールガス分解反応器に適用した場合の第3実施形態について説明する。
図9は、本発明のガス分離装置をメタノールガス分解反応器に適用した場合の第3実施形態を模式的に示す横断面図、図10は、図9に示すメタノールガス分解反応器のA−A線断面図である。なお、以下の説明では、図9中の紙面手前側を「上」、紙面奥側を「下」、図10中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
以下、第3実施形態について、前記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本実施形態のメタノールガス分解反応器100では、隔壁部130の構成が異なる以外は、前記第1実施形態のメタノールガス分解反応器100とほぼ同様である。
本実施形態において、隔壁部130は、筒状(管状)をなしており、図9および図10に示すように、この管状体を複数回交互に反対方向に折り曲げて蛇行させた形状をなしている。そして、管状体のそれぞれの端部(開口部)がチャンバ120の外側に突出するように設けられ、これにより、一方の端部が、キャリアガス供給部が接続される第2の供給口123を構成し、他方の端部が、キャリアガスと分解物との混合ガスを排気する排気ポンプが接続される第2の排気口124を構成している。
かかる構成の隔壁部130において、図9中の部分拡大図に示すように、湾曲部が筒状の緻密体4で構成され、直線部が外周面(外側面)に分離層3が形成されている筒状の多孔体2で構成されている。
隔壁部130をかかる構成とすることにより、隔壁部130の内側すなわち管状体の中空部により第2の流路150が形成され、隔壁部130の外側面とチャンバ120内壁面内とで区画される空間により第1の流路140が形成される。
緻密体4の構成材料としては、特に限定されないが、多孔体2の構成材料として挙げたのと同様のものを用いることができる。
また、加熱手段6は、図9に示すように、第1の流路140の内面に設けられている。
この第3実施形態においても、前記第1実施形態と同様の作用・効果が得られる。
さらに、第3実施形態のメタノールガス分解反応器100では、フィルタ部10において、多孔体2が筒状に形成されており、その外側面に分離層3が設けられている。そのため、チャンバ120内にメタノール蒸気を送気したときに、フィルタ部1において、直線部の外側面の全体を、メタノールガスの分解物を分離するフィルタとして機能を発揮させることができる。これにより、フィルタ部10によりメタノールガス分解物が、効率よく分離される。
なお、本実施形態において、多孔体2の外形形状は、筒状をなしていれば特に限定されるものではかく、図10に示すような円柱状のものの他、例えば、四角柱状、円錐台状、多角柱状等のものであってもよい。
次に、図9に示すメタノール分解反応器100が備えるフィルタ部材1の製造法雄法について説明する。
図11は、メタノールガス分解反応器の第3実施形態が備えるフィルタ部材を製造する際に用いられる斜方蒸着装置を示す模式図、図12は、図11に示す斜方蒸着装置が有するスリット板を示す平面図である。なお、以下の説明では、図11中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
なお、以下では、円筒状の多孔体2の外側面に、斜方蒸着法により分離層3を形成して、図9に示す直線部を構成する円柱状のフィルタ部材1を製造する場合を代表に説明する。
まず、円筒状の多孔体2を用意する。
次に、図11に示すように、チャンバ(図示せず)内に、分離層3の構成材料(原料)800を収納した蒸着源810と、円筒状の多孔体2とを設置し、これらの間にスリット板820を配置する。
多孔体2は、駆動装置830に固定され、多孔体2の外側面21において、蒸着角度(図11中、蒸着角度θ)を維持した状態で、図11中に示す矢印方向に平行移動可能となっているとともに、多孔体2の中心軸を中心として回転可能となっている。また、多孔体2は、図示しない加熱手段により加熱可能となっている。
また、本実施形態で用いられるスリット板820は、図11に示すように、板体822のほぼ中央部に、所定のスリット長lを有するスリット821が形成されてなるものである。
このスリット821のスリット長lは、多孔体2の大きさに応じて、外側面21おけるスリット821を通過して原料800の蒸着粒子が供給される領域が実質的に平面で構成されるように適宜設定されるが、10〜50mm程度であるのが好ましく、15〜30mm程度であるのがより好ましい。スリット長lが前記範囲より短い場合には、単位時間当たりに原料800が蒸着される蒸着面積が小さくなり、分離層3の形成に長時間を要してしまう。また、スリット長lが前記範囲より長い場合には、外側面21のスリット821を通過して原料800の蒸着粒子が供給される領域が湾曲凹面で構成され、スリット821の中央部と、スリット821の両端部とで形成される細孔312の特性の均一化が図れないおそれがある。
次に、多孔体2の外側面21で、所定の蒸着角度(図11中、蒸着角度θ)が得られるように、多孔体2の位置を調整する。この状態で、蒸着源810に設けられた加熱手段(図示せず)により無機酸化物800を加熱して蒸発(気化)させる。そして、原料800の蒸着粒子を、スリット板820のスリット821を介して多孔体2の外側面21(分離層3を形成する面)に到達させる。
なお、このとき、多孔体2を、前述の加熱手段により所定の温度に加熱するとともに、駆動装置830により所定の回転速度で回転させつつ、図11中矢印方向に所定の速度で平行移動させる。
以上のような工程を経て、多孔体2の外側面21に、多数の細孔312を有する斜方蒸着膜31(分離層3)が形成され、フィルタ部材1が得られる。
ここで、蒸着源810から気化した原料(蒸着粒子)800が、多孔体2の外側面21に到達する蒸着角度(図11中、角度θ)を適宜設定することにより、細孔312の多孔体2の外側面21に対する角度を調整することができる。
また、分離層3の平均孔径は、蒸着源810から気化した原料が多孔体2の外側面21に到着した際に形成される構造(カラム構造)の状態に大きく依存しており、蒸着時のチャンバ内の真空度、蒸着レート、多孔体2の温度(基板温度)、蒸着角度θ等の各種条件を適宜設定することにより調整することができる。
これら条件の適正な範囲は、前記第1実施形態で説明した場合と同様である。
なお、上述したようなメタノールガス分解反応器は、この反応器を備える熱輸送システムや、この反応器と水素ガス分離装置とを備える水素ガス燃料電池等に用いることができる。
以上、本発明のガス分離装置を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、前記第2実施形態は、第1実施形態で説明したフィルタ部材に被覆層を付加したものであるが、第3実施形態で説明したフィルタ部材に、同様の被覆層を付加するようにしても構わない。
また、本発明のガス分離装置は、同様の機能を発揮する任意の構成のものに置換することができ、また、任意の構成を付加することもできる。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
(実施例1)
1−1.フィルタ部材の製造
(サンプルNo.1A)
まず、平均孔径5nmの多孔体(シリカ系セラミックス)を用意し、真空蒸着装置のチャンバ内に蒸着源から気化した蒸着粒子の蒸着角度θが35°となるように前記多孔体をセットした。また、スリット板の厚さは1.5cm、スリットの幅は2.0cmとし、多孔体の蒸着源に対する角度θは50°、蒸着距離は15cm、基板の移動速度は2.5cm/分とした。
そして、チャンバ内を減圧(1.2×10−2Pa)し、基板温度55℃、蒸着レート4Å/secで、SiOを斜方蒸着して、多孔体の表面に斜方蒸着膜(無機酸化物膜)を成膜し、フィルタ部材を得た。
なお、得られた斜方蒸着膜は、原子間力顕微鏡および陽電子消滅法を用いて測定した結果、平均厚さが500Å、平均孔径が0.2〜0.5nmであった。
(サンプルNo.2A〜15A)
斜方蒸着を行う際に、蒸着材料、チャンバ内の真空度、蒸着角度θ、基板温度、蒸着レートを下記の表1に示すようにした以外は、前記サンプルNo.1Aと同様にして、フィルタ部材を作製した。
なお、得られた斜方蒸着膜の平均厚さおよび平均孔径を表1に示す。
1−2.評価
まず、各サンプルNo.のフィルタ部材1を、それぞれ、枠体5内に装着することにより、フィルタ部10を5個ずつ作成した。
次に、各サンプルNo.のフィルタ部材1を備えるフィルタ部10を、図1に示すメタノールガス分解反応器100が備える突出部132に装着した。
次に、メタノール蒸気とHガスとを含有する混合ガスを第1のガス供給口121から供給し、第2のガス排気口から排気されるガスを回収した。そして、このフィルタ部材を透過した混合ガスおよび未透過の混合ガスについて、ガスクロマトグラフィー装置を用いて、それぞれの組成比を分析することにより、メタノール蒸気とHガスとの透過係数比(PH2/PMeOH)を算出した。
この透過係数比(PH2/PMeOH)の測定を各サンプルNo.のフィルタ部材1について、合計5回ずつ行った。
また、メタノール蒸気とHガスとを含有する混合ガスに代えて、メタノール蒸気とCOガスとを含有する混合ガスを用いた以外は、前記と同様にして、各サンプルNo.のフィルタ部材が装着されたメタノールガス分解反応器について、メタノール蒸気とCOガスとの透過係数比(PCO/PMeOH)を算出した。
そして、各サンプルNo.で測定された各透過係数比(PH2/PMeOHおよびPCO/PMeOH)を、それぞれ、以下の4段階の基準に従って評価した。
◎:透過係数比が100以上である
○:透過係数比が20以上、100未満である
△:透過係数比が5以上、20未満である
×:透過係数比が5未満である
これらの評価結果を、それぞれ、以下の表1に示す。
Figure 2008119566
表1に示すように、各サンプルNo.のフィルタ部材1が装着されたメタノールガス分解反応器のうち、細孔の平均孔径の大きさが0.1〜0.8nmとなっている分離層を備えるものは、いずれも、細孔の平均孔径の大きさが0.8nmを超える分離層を備えるものと比較して、メタノール蒸気とCOガスとの透過係数比およびメタノール蒸気とHガスとの透過係数比ともに、その透過係数比の値が大きくなる結果が得られた。
これにより、細孔の平均孔径の大きさが0.1〜0.8nmとなっている分離層を備えるメタノールガス分解反応器は、フィルタ部材においてメタノール蒸気の透過が阻止され、かつ、HガスおよびCOガスの透過が許容されていることが明らかとなった。
また、蒸着角度θ、チャンバ内を圧力、基板温度および蒸着レートを、それぞれ適宜設定することにより、各サンプルNo.のフィルタ部材が備える細孔の平均孔径の大きさを制御し得ることが明らかとなった。
なお、これらのうち、蒸着角度θの大きさを小さく設定するほど、細孔の平均孔径が小さくなる結果が得られた。
また、チャンバ内の圧力を小さく設定するほど、すなわち真空度を高く設定するほど、細孔の平均孔径が大きくなるとともに、その孔径のバラツキが小さくなる結果が得られた。このことは、蒸着源から蒸発した蒸着粒子の直進性が向上したことと、多孔体に到着した蒸着粒子のマイグレーションが発生し易くなったことに起因すると推察された。
(実施例2)
2−1.フィルタ部材の製造
(サンプルNo.1B)
まず、平均孔径5nmの多孔体(シリカ系セラミックス)を用意し、真空蒸着装置のチャンバ内に蒸着源から気化した蒸着粒子の蒸着角度θが40°となるように前記多孔体をセットした。また、スリット板の厚さは1.5cm、スリットの幅は2.0cmとし、多孔体の蒸着源に対する角度θは50°、蒸着距離は15cm、基板の移動速度は2.5cm/分とした。
そして、チャンバ内を減圧(1.0×10−2Pa)し、基板温度55℃、蒸着レート5Å/secで、SiOを斜方蒸着して、多孔体の表面に斜方蒸着膜(無機酸化物膜)を成膜した。
次に、斜方蒸着膜が形成された多孔体を、クリーンオーブン中、200℃×90分間で加熱し、加熱終了直後、乾燥窒素雰囲気中に移動し、そのまま放置した。
次に、図8に示す処理装置内に、斜方蒸着膜付きTFT基板を搬入し、容器(ポリテトラフルオロエチレン製)内に、斜方蒸着膜を上にして設置した。
そして、チャンバを密閉した後、0.1wt%メチルトリメトキシシラン/トルエン溶液を処理液として容器内に供給して、斜方蒸着膜が形成された多孔体を処理液に浸漬させた状態で、処理装置内を100Paに減圧した。
これにより、斜方蒸着膜の細孔内の気体を処理液に置換した。すなわち、細孔内に処理液を浸透させた。
次に、過剰な処理液を容器から排出した後、再度、処理装置内を133Pa(1Torr)に減圧し、多孔体を150℃×1時間で加熱した。
これにより、斜方蒸着膜の表面および細孔の内面に、メチルトリメトキシシランによる被膜層が形成されたフィルタ部材を得た。
なお、被膜層が形成された斜方蒸着膜は、原子間力顕微鏡および陽電子消滅法を用いて測定した結果、平均厚さが500Å、平均孔径が0.35〜0.5nmであった。
2−2.評価
まず、サンプルNo.1Bのフィルタ部材1を、枠体5内に装着することにより、フィルタ部1を5個ずつ作成した。
次に、サンプルNo.1Bのフィルタ部10を備えるフィルタ部材1を、図1に示すメタノールガス分解反応器100が備える突出部132に装着した。
次に、イソプロピルアルコール蒸気、メタノール蒸気およびHガスを含有する混合ガスを第1のガス供給口121から供給し、第2のガス排気口から排気されるガスを回収した。そして、このフィルタ部材を透過した混合ガスおよび未透過の混合ガスについて、ガスクロマトグラフィー装置を用いて、それぞれの組成比を分析することにより、Hガスとメタノール蒸気との透過係数比(PMeOH/PH2)と、イソプロピルアルコール蒸気とメタノール蒸気との透過係数比(PMeOH/PIPA)とを算出した。
この透過係数比(PMeOH/PH2およびPMeOH/PIPA)の測定をサンプルNo.1Bのフィルタ部材1について、合計5回行った。
また、イソプロピルアルコール蒸気、メタノール蒸気およびHガスを含有する混合ガスに代えて、イソプロピルアルコール蒸気、メタノール蒸気およびHeガスを含有する混合ガスを用いた以外は、前記と同様にして、サンプルNo.1Bのフィルタ部10を備えるフィルタ部材1について、メタノール蒸気とHeガスとの透過係数比(PMeOH/PHe)と、イソプロピルアルコール蒸気とメタノール蒸気との透過係数比(PMeOH/PIPA)とを算出した。
そして、サンプルNo.1Bで測定された各透過係数比(PMeOH/PH2、PMeOH/PHeおよびPMeOH/PIPA)を、それぞれ、評価1−2に記載した4段階の基準に従って評価した。
これらの評価結果を、それぞれ、以下の表2に示す。
Figure 2008119566
表2に示すように、サンプルNo.1Bのフィルタ部材1が装着されたメタノールガス分解反応器は、細孔の平均孔径の大きさが0.35〜0.5nmとなっている分離層を備えており、イソプロピルアルコール蒸気、メタノール蒸気およびHガスを含有する混合ガス、および、イソプロピルアルコール蒸気、メタノール蒸気およびHeガスを含有する混合ガスにおいて、PMeOH/PIPAの大きさが何れも20以上となる結果が得られた。その結果、細孔の平均孔径の大きさをかかる範囲内に設定することにより、メタノールガス分解反応器は、フィルタ部材において、イソプロピルアルコール蒸気の透過を優先的に阻止して、メタノール蒸気の透過が許容されることが明らかとなった。
また、サンプルNo.1Bのフィルタ部材1が装着されたメタノールガス分解反応器は、斜方蒸着膜の表面および細孔の内面に、メチルトリメトキシシランによる被膜層が形成されており、イソプロピルアルコール蒸気、メタノール蒸気およびHガスを含有する混合ガスおいてPMeOH/PH2の大きさ、および、イソプロピルアルコール蒸気、メタノール蒸気およびHeガスを含有する混合ガスにおいてPMeOH/PHeの大きさが何れも5以上となる結果が得られた。その結果、メタノールに対して親和性を有するアルキル基を備える被覆層を斜方蒸着膜に設けることにより、メタノールガス分解反応器は、フィルタ部材において、細孔の平均孔径の大きさよりも小さい分子サイズを有するもののうち、メタノール蒸気を優先的に透過し得ることが明らかとなった。
本発明のガス分離装置をメタノールガス分解反応器に適用した場合の第1実施形態を模式的に示す横断面図である。 図1に示すメタノールガス分解反応器の斜視図(部分切断図)である。 図1に示すメタノールガス分解反応器が備えるフィルタ部を模式的に示す縦断面図である。 図3に示すフィルタ部によって、メタノール蒸気とその分解物が分離される様子を示す模式図である。 メタノールガス分解反応器の第1実施形態が備えるフィルタ部材を製造する際に用いられる斜方蒸着装置を示す模式図である。 図5に示す斜方蒸着装置が有するスリット板を示す平面図である。 メタノールガス分解反応器の第2実施形態が備えるフィルタ部を模式的に示す縦断面図である。 第2実施形態のメタノール分解反応器が備えるフィルタ部材を製造する際に用いる処理装置を示す模式図である。 本発明のガス分離装置をメタノールガス分解反応器に適用した場合の第3実施形態を模式的に示す横断面図である。 図9に示すメタノールガス分解反応器のA−A線断面図である。 メタノールガス分解反応器の第3実施形態が備えるフィルタ部材を製造する際に用いられる斜方蒸着装置を示す模式図である。 図11に示す斜方蒸着装置が有するスリット板を示す平面図である。
符号の説明
1……フィルタ部材 10……フィルタ部 100……メタノールガス分解反応器
120……チャンバ 121……第1の供給口 122……第1の排気口 123……第2の供給口 124……第2の排気口 130……隔壁部 131……基板 132……突出部 133……開口 133a、133b……辺 134……係止部 140……第1の流路 150……第2の流路 2……多孔体 21……外側面 3……分離層 31……斜方蒸着膜 311……カラム 312……細孔 313……被覆層 4……緻密体 5……枠体 51……溝 52……Oリング 6……加熱手段 7……触媒層 800……無機酸化物(原料) 810……蒸着源 820……スリット板 821……スリット 822……板体 830……駆動装置 900……処理装置 910……チャンバ 920……容器 930……排気手段 931……排気ライン 932……ポンプ 933……バルブ 940……排液手段 941……排液ライン 942……ポンプ 943……バルブ 944……回収タンク 950……ステージ 960……給液手段 961……給液ライン 962……ポンプ 963……バルブ 964……貯留タンク S……処理液

Claims (13)

  1. 分子サイズの大きさに応じて、被処理ガス中に含まれるガス成分を分離して処理済ガスを得るガス分離装置であって、
    前記被処理ガスが流れる第1の流路と、前記処理済ガスが流れる第2の流路と、前記第1の流路と前記第2の流路とを隔離する隔壁部とを有し、
    当該隔壁部には、前記第2の流路側に位置する多孔体と、該多孔体の前記第1の流路側の表面に設けられ、主として多孔体の表面に対してほぼ一定の角度をなして貫通する細孔を多数有する斜方蒸着膜で構成される分離層とを有するフィルタ部が設けられており、
    前記分離層において、前記細孔の孔径よりも大きい分子サイズのガス成分の透過を阻止し、前記細孔の孔径よりも小さい分子サイズのガス成分を透過することを特徴とするガス分離装置。
  2. 前記斜方蒸着膜は、無機酸化物材料を主材料として構成される請求項1に記載のガス分離装置。
  3. 前記多孔体は、無機酸化物材料を主材料として構成される請求項1または2に記載のガス分離装置。
  4. 前記細孔は、前記多孔体の表面となす角度が50〜90°である請求項1ないし3のいずれかに記載のガス分離装置。
  5. 前記細孔は、前記被処理ガスが流れる方向に向かって傾斜している請求項1ないし4のいずれかに記載のガス分離装置。
  6. 前記細孔は、その平均孔径が0.1〜0.8nmであり、前記多孔体の表面となす角度が75〜85°であるとき、
    被処理ガスとして、少なくともメタノール蒸気とメタノール蒸気よりも分子サイズが小さいガス成分とを含有する混合ガスを第1の流路に流入すると、
    前記分離層において、前記メタノール蒸気よりも分子サイズが小さいガス成分が透過することにより、前記第2の流路に前記処理済ガスが流れる請求項1ないし5のいずれかに記載のガス分離装置。
  7. 前記メタノール蒸気よりも分子サイズが小さいガス成分は、前記メタノール蒸気の分解物である請求項6に記載のガス分離装置。
  8. 前記第1の流路は、その内面に加熱手段が設けられている請求項7に記載のガス分離装置。
  9. 前記第1の流路は、その内面に、前記メタノール蒸気の分解を促進する触媒を含む触媒層が設けられている請求項7または8に記載のガス分離装置。
  10. 前記第2の流路を複数備え、当該第2の流路は、前記第1の流路を挟むようにして、互いに対向して設けられる請求項1ないし9のいずれかに記載のガス分離装置。
  11. 前記隔壁部は、前記第1の流路側に向かって突出する複数の突出部を有し、それぞれの前記突出部に前記フィルタ部を設ける請求項1ないし10のいずれかに記載のガス分離装置。
  12. 前記フィルタ部は、前記隔壁部から脱着可能に設けられている請求項1ないし11のいずれかに記載のガス分離装置。
  13. 前記フィルタ部は、前記多孔体が筒状をなし、該多孔体の外側面に前記分離層が設けられている請求項1ないし12のいずれかに記載のガス分離装置。
JP2006303312A 2006-11-08 2006-11-08 ガス分離装置 Pending JP2008119566A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006303312A JP2008119566A (ja) 2006-11-08 2006-11-08 ガス分離装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006303312A JP2008119566A (ja) 2006-11-08 2006-11-08 ガス分離装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008119566A true JP2008119566A (ja) 2008-05-29

Family

ID=39504907

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006303312A Pending JP2008119566A (ja) 2006-11-08 2006-11-08 ガス分離装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008119566A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016163871A (ja) * 2014-09-30 2016-09-08 富士フイルム株式会社 ガス分離膜、ガス分離膜の製造方法、ガス分離膜モジュール及びガス分離装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016163871A (ja) * 2014-09-30 2016-09-08 富士フイルム株式会社 ガス分離膜、ガス分離膜の製造方法、ガス分離膜モジュール及びガス分離装置
JP2016163872A (ja) * 2014-09-30 2016-09-08 富士フイルム株式会社 ガス分離膜、ガス分離膜の製造方法、ガス分離膜モジュール及びガス分離装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Cardoso et al. Inorganic membranes for hydrogen separation
Shu et al. High-flux MFI zeolite membrane supported on YSZ hollow fiber for separation of ethanol/water
JP5681192B2 (ja) 多孔性非セラミック基材上に原子層堆積コーティングを適用する方法
Igi et al. Characterization of Co‐doped silica for improved hydrothermal stability and application to hydrogen separation membranes at high temperatures
Cui et al. Preparation and application of zeolite/ceramic microfiltration membranes for treatment of oil contaminated water
AU2004237778B2 (en) Composite gas separation modules having high tamman temperature intermediate layers
US6387269B1 (en) Membrane for separating fluids
US20020142172A1 (en) Inorganic dual-layer microporous supported membranes
AU2005286952B2 (en) Membrane steam reformer
US20030222015A1 (en) Hydrogen-selective silica-based membrane
EP2703065A1 (en) Method for washing ceramic filter
WO2007058388A1 (ja) ゼオライト配向膜配設体
Saw et al. Molecular sieve ceramic pervaporation membranes in solvent recovery: A comprehensive review
JP2011189229A (ja) 排ガス処理システム
WO2011004660A1 (ja) 炭素膜の製造方法、炭素膜、及び分離装置
Behroozi et al. Membrane fabrication and modification by atomic layer deposition: processes and applications in water treatment and gas separation
JP2002128512A (ja) セラミック材、セラミック膜およびその利用
US20090193975A1 (en) Device for gas separation and method for producing such a system
Heng et al. Preparation of composite zeolite membrane separator/contactor for ozone water treatment
JP2008119566A (ja) ガス分離装置
JP2008119565A (ja) フィルタ部材およびフィルタ部材の製造方法
JP4383217B2 (ja) ケイ素基質耐水蒸気膜及びこれを用いた水素ガス分離材並びにこれらの製造方法
CN115666768A (zh) 分离膜复合体、分离膜复合体的制造方法及分离方法
JP2003071287A (ja) 触媒膜およびその製造方法並びに触媒膜を用いた一酸化炭素の選択的除去方法
WO2023153172A1 (ja) 分離膜複合体、混合ガス分離装置および分離膜複合体の製造方法