JP2008117446A - 光ピックアップ、光ディスク装置、偏光調整板及び光学装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、偏光調整板の構成を簡易にすることができる。
【解決手段】本発明は、偏光調整波長板32の結晶軸を光軸40aに対する直交平面としてのX−Y平面から起こすように配置させ、結晶材料が本来有する波長依存性を大きく発現させると共に、ビーム中心部に生じさせる位相差Δが、上記光ビームをP偏光として出射するための所望の設計値である360°+180°=540°から所定の差分値である60°だけ低くなるように光軸40aに対する厚さtaが設定されるようにする。
【選択図】図19
【解決手段】本発明は、偏光調整波長板32の結晶軸を光軸40aに対する直交平面としてのX−Y平面から起こすように配置させ、結晶材料が本来有する波長依存性を大きく発現させると共に、ビーム中心部に生じさせる位相差Δが、上記光ビームをP偏光として出射するための所望の設計値である360°+180°=540°から所定の差分値である60°だけ低くなるように光軸40aに対する厚さtaが設定されるようにする。
【選択図】図19
Description
本発明は、光ピックアップ、光ディスク装置、偏光調整板及び光学装置に関し、例えば光源としてレーザダイオードを使用する光ディスク装置に適用して好適なものである。
従来、光ディスク装置においては、レーザダイオードから出射されたレーザ光を光ディスクに対して照射することにより、光ディスクに対して情報を再生及び記録するようになされている。
図1に示すように、レーザダイオードから出射されるレーザ光2の光強度はほぼガウス分布しており、光強度の大きい中心部のみが光ピックアップ内の光路に入射され、光ビームとして使用されている。ここで、レーザダイオードの活性層に平行な方向(以下、これをθ//方向と呼ぶ)と垂直な方向(以下、これをθ⊥方向と呼ぶ)とでは、光強度分布が大きく異なっている。
この光ビームをそのまま光ピックアップ内の光路に入射する場合、図2(B)に示すように、光ディスク装置は、光ビームのθ⊥方向について、光ビームの強度が大きく強度分布の平坦な部分のみを対物レンズに入射して入射領域IEθ⊥とすることができるため、対物レンズの周縁部の光強度を示すリム強度RMの光ビームの中心光強度Psに対する比率(以下、これをリム強度比率と呼ぶ)がある程度大きくなるような光強度分布を得ることができ、スポットサイズを小さくすることができる。
一方図2(A)及び図3(A)に示すように、光ディスク装置では、光ビームのθ//方向について、強度が小さく強度分布の急峻な部分の光ビームまで対物レンズに入射して入射領域IEθ//とすることになり、光ビームのリム強度RMが極端に小さくなってしまうため、リム強度比率が小さくなり、光ディスクに照射する光ビームのスポットサイズが大きくなってしまう。
図3(B)に示すように、光ディスク装置では、レーザダイオード1からコリメータレンズ25までの距離を長く設定することにより、レーザ光2を大きく発散してから中心部分のみを対物レンズ27に入射することができるため、θ//方向のリム強度比率を大きくすることができるが、レーザ光2のうち、対物レンズ27に入射されない部分が増大し、光利用効率が低下するため、好ましくない。
そこで波長板を3つの領域に分割し、中心部分を透過する光ビームの一部分をP偏光からS偏光に変換する一方、両端部分の領域を通過する両端光ビームをP偏光のまま透過させた後、偏光ビームスプリッタによって楕円偏光でなる光ビームの中心部分の一部を反射することにより、当該光ビームスプリッタを透過する光ビームの中心部分における光量のみを減少させるようになされた光ディスク装置がある(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−185474公報
ところでかかる構成の光ディスク装置においては、波長板を3つの領域に分割するため、3つの領域を構成する素子を貼り合せる必要があり、波長板の作製が非常に困難であるという問題があった。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、簡易な構成でなる偏光調整波長板並びに当該偏光調整波長板を用いた光ピックアップ、光ディスク装置及び光学装置を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明においては、発散光でなる光ビームを発射する光源と、複屈折を有する結晶材料でなり、複屈折を呈さない方向である結晶軸を光ビームの光軸に直交する直交平面から起こすように配置させ、結晶材料が有する入射角依存性を発現させると共に、光ビームの中心部に生じさせる位相差が、光ビームを第1の直線偏光として出射するための所望の設計値から所定の差分値だけ低くなるように光軸に対する厚さが設定されることにより、第1の直線偏光の割合が光ビームの中心部よりも光ビームの周縁部で高くなるように、第1の直線偏光と当該第1の直線偏光に直交する第2の直線偏光の割合を調整する偏光調整板と、調製された光ビームにおける第1の直線偏光と第2の直線偏光とを分離する偏光ビームスプリッタと、第1の直線偏光を集光して光ディスクに照射する対物レンズとを設けるようにした。
これにより、結晶材料の厚み及び結晶軸の角度の設定によって光ビームとして対物レンズに導かれる第1の直線偏光の中心部の光強度を低下させることができるため、偏光調整波長板に複数の領域を形成しなくても、光ビームの中心部の光強度に対する周縁部の光強度の比率を向上させることができる。
また本発明の偏光調整板は、複屈折を有する結晶材料でなり、入射される光ビームの光軸に直交する直交平面から複屈折を呈さない方向である結晶軸を起こすように配置させ、結晶材料が有する入射角依存性を発現させると共に、光ビームの中心部に生じさせる位相差が、光ビームを第1の直線偏光として出射するための所望の設計値から所定の差分値だけ低くなるように光軸に対する厚さが設定されることにより、第1の直線偏光の割合が光ビームの中心部よりも光ビームの周縁部で高くなるように、第1の直線偏光と当該第1の直線偏光に直交する第2の直線偏光の割合を調整するようにした。
これにより、第1の直線偏光と第2の直線偏光とを分離し、第1の直線偏光を光ビームとして使用することにより、光ビームの中心部の光強度を低下させることができるため、結晶材料の厚み及び結晶軸の角度の設定によって対物レンズに導かれる偏光調整波長板に複数の領域を形成しなくても、光ビームの中心部の光強度に対する周縁部の光強度の比率を向上させることができる。
さらに本発明の光学装置は、発散光でなる光ビームを発射する光源と、複屈折を有する結晶材料でなり、複屈折を呈さない方向である結晶軸を光ビームの光軸に直交する直交平面から起こすように配置させ、結晶材料が有する入射角依存性を発現させると共に、光ビームの中心部に生じさせる位相差が、光ビームを第1の直線偏光として出射するための所望の設計値から所定の差分値だけ低くなるように光軸に対する厚さが設定されることにより、第1の直線偏光の割合が光ビームの中心部よりも光ビームの周縁部で高くなるように、第1の直線偏光と当該第1の直線偏光に直交する第2の直線偏光の割合を調整する偏光調整板と、調製された光ビームにおける第1の直線偏光と第2の直線偏光とを分離する偏光ビームスプリッタとを設けるようにした。
これにより、第1の直線偏光を光ビームとして使用することによって、結晶材料の厚み及び結晶軸の角度の設定によって第1の直線偏光でなる光ビームの中心部の光強度を低下させることができるため、偏光調整波長板に複数の領域を形成しなくても、光ビームの中心部の光強度に対する周縁部の光強度の比率を向上させることができる。
本発明によれば、結晶材料の厚み及び結晶軸の角度の設定によって光ビームとして対物レンズに導かれる第1の直線偏光の中心部の光強度を低下させることができるため、偏光調整波長板に複数の領域を形成しなくても、光ビームの中心部の光強度に対する周縁部の光強度の比率を向上させることができ、かくして簡易な構成でなる偏光調整波長板を用いた光ピックアップ及び光ディスク装置を実現できる。
本発明によれば、第1の直線偏光と第2の直線偏光とを分離し、第1の直線偏光を光ビームとして使用することにより、光ビームの中心部の光強度を低下させることができるため、結晶材料の厚み及び結晶軸の角度の設定によって対物レンズに導かれる偏光調整波長板に複数の領域を形成しなくても、光ビームの中心部の光強度に対する周縁部の光強度の比率を向上させることができ、かくして簡易な構成でなる偏光調整波長板を実現できる。
本発明によれば、第1の直線偏光を光ビームとして使用することによって、結晶材料の厚み及び結晶軸の角度の設定によって第1の直線偏光でなる光ビームの中心部の光強度を低下させることができるため、偏光調整波長板に複数の領域を形成しなくても、光ビームの中心部の光強度に対する周縁部の光強度の比率を向上させることができ、かくして簡易な構成でなる偏光調整波長板を用いた光学装置を実現できる。
以下、図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
(1)第1の実施の形態
(1−1)全体構成
図4において、10は全体として光ディスク装置を示しており、図1〜図3と対応する部分を同一符号で示している。
(1−1)全体構成
図4において、10は全体として光ディスク装置を示しており、図1〜図3と対応する部分を同一符号で示している。
制御部12は、図示しないCPU(Central Processing Unit)と、各種プログラムなどが格納されるROM(Read Only Memory)と、当該CPUのワークメモリとして用いられるRAM(Random Access Memory)とからなり、光ディスク装置10の各部を制御するようになされている。
すなわち制御部12は、サーボ回路13を介してスピンドルモータ14を駆動させ、ターンテーブル(図示せず)に載置された光ディスク100を回転させる。また制御部12は、サーボ回路13を介して送りモータ15を駆動させ、ガイド軸17に沿って光ピックアップ20を光ディスク100の半径方向であるトラッキング方向に移動させる。さらに制御部12は、光ピックアップ20を制御し、光ディスク100に対する再生処理及び記録処理を実行する。
図5に示すように、光ピックアップ20のレーザダイオード1は、制御部12の制御に応じた光量で、例えばBD(Blu-ray Disc、登録商標)でなる光ディスク100の方式に対応した405[nm]のレーザ光2を直線偏光として出射し、後述する波長板30を介して回折素子21に入射させる。
回折素子21は、光ビーム40を光ディスク100に対する再生及び記録に使用されるメインビームと各種トラッキング制御信号を生成するためのサブビームとに分光し、このメインビーム及びサブビームを光ビーム40として偏光ビームスプリッタ(以下、これをPBSと呼ぶ)24に入射する。
PBS24は、入射された光ビーム40の多くをそのまま透過させ、コリメータレンズ25に入射する。コリメータレンズ25は、発散光として入射された光ビーム40を平行光に変換し、1/4波長板26に入射する。
1/4波長板26は、直線偏光でなる光ビーム40を円偏光へ変換し、対物レンズ27に入射する。そして対物レンズ27は、光ビーム40を集光し光ディスク100に照射する。
また対物レンズ27は、光ビーム40が光ディスク100によって反射されてなる反射光ビーム50を受光し、1/4波長板26に入射する。1/4波長板26は、円偏光でなる光ビーム40を直線偏光に変換し、コリメータレンズ25を介してPBS24に入射させる。
PBS24は入射された反射光ビーム50を偏光面で反射し、その進行方向を90°変化させ、収差を補正するマルチレンズ28を介して光検出器29に入射する。そして、光検出器29は反射光ビーム50を光電変換して検出信号を生成し、信号処理部18(図7)へ供給する。
信号処理部18は、この検出信号から再生RF信号及び各種サーボ制御信号を生成する。制御部12は、信号処理部38から供給されるサーボ制御信号に基づいて駆動制御信号を生成し、光ビーム40を光ディスク100における所望のトラック上に正確に照射するように対物レンズ20をフォーカス方向及びトラッキング方向に駆動する。
さらにPBS24(図5)は、その偏光面によって光ビーム40からその一部を所定の光量比で反射させることによって分離し、APC(Auto Power Control)用レンズ22を介してAPC用光検出器23に入射する。APC用光検出器23は入射された光ビーム40の光量を検出し、当該光量に応じた電流値でなるAPC検出電流を生成して制御部12へ供給する。
制御部12は、このAPC検出電流が所定の電流値になるようにレーザダイオード1に供給する駆動電流を増減してレーザダイオード1の出力を調整することにより、レーザダイオード1から出射される光ビーム40の強度を光ディスク100の種類や再生処理及び記録処理に応じた所定の強度になるように制御する。
このように光ディスク装置10は、光ディスク100に対する再生処理及び記録処理を実行するようになされている。
(1−2)本実施の形態の概要
図6(A)に示すように、本実施の形態における光ピックアップ20では、PBS24の偏光面を鉛直方向に対して平行に配置すると共に、入射される発散光でなる光ビーム40の殆どを波長板30によって直線偏光であるP偏光に変換し、PBS24を透過した光ビーム40を対物レンズ27(図5)へ導くようになされている。
図6(A)に示すように、本実施の形態における光ピックアップ20では、PBS24の偏光面を鉛直方向に対して平行に配置すると共に、入射される発散光でなる光ビーム40の殆どを波長板30によって直線偏光であるP偏光に変換し、PBS24を透過した光ビーム40を対物レンズ27(図5)へ導くようになされている。
以下、波長板30の入射側面30aを含み光ビーム40の光軸40aと直交する平面をX−Y平面とし、水平方向をX軸、鉛直方向をY軸、波長板30の入射側面30aに対する垂線(すなわち、光ビーム40の光軸40a)をZ軸として説明する。また、図6(B)に示すように、光ビーム40の局所的な部分とZ軸とのなす角度を入射角度Aieとし、当該光ビーム40をX−Y平面内に投影したときのX軸からの角度を入射方位Cieとする。以下、特に断りのない限り、同様の定義で角度と方位とを用いることとする。
光ビーム40はレーザダイオード1から発散光として出射されることから、波長板30入射側面30aに対する入射角度Aieが光ビーム40の中心部でほぼ0°であるのに対し、光ビーム40の周縁部では±5°程度である。
本実施の形態の光ピックアップ20では、入射角度Aieが光ビーム40の中心部分(以下、これをビーム中心部と呼ぶ)と、光ビーム40の周縁部(以下、これをビーム周縁部と呼ぶ)とで異なることを利用し、波長板30に敢えて入射角依存性を持たせることにより、光ビーム40のθ//方向(以下、これをビーム平行方位Cdθ//と呼ぶ)について、ビーム周縁部の光量を減少させることなくビーム中心部の光量を減少させるようにする。
具体的に、図7示すように、波長板30は1/2波長板31と偏光調整波長板32とから構成されている。1/2波長板31は、レーザダイオード1から出射され、直線偏光でなる光ビーム40をS偏光に変換し、偏光調整波長板32に入射する。なお、P偏光及びS偏光とは、PBS24の偏光面によって定義される光ビーム40の偏光方向をいう。
偏光調整波長板32は、入射角度Aieが約0°で入射(すなわち、垂直入射)されるビーム中心部ではP偏光の比率が低く、入射角度Aieが約±5°で入射されるビーム周縁部ではP偏光の比率が高くなるように、つまり入射角度Aieが大きくなるにつれてこのP偏光の比率が高くなるように光ビーム40における部分ごとにP偏光とS偏光との局所的な比率を調整し、PBS24に入射するようになされている。
PBS24は、S偏光を反射させる一方、P偏光を透過することにより、図8に示すように、対物レンズ27に導かれる光ビーム40の中心光強度Psを低下させることができ、光ビーム40のリム強度比率を向上させ得るようになされている。
さらにこのとき偏光調整波長板32は、ビーム周縁部において光ビーム40のθ⊥方向(以下、これをビーム垂直方位Cdθ⊥と呼ぶ)よりもビーム平行方位Cdθ//でP偏光の比率が高くなるようにP偏光とS偏光の比率を調整するようになされている。
(1−3)波長板の構成
次に、上述した1/2波長板31及び偏光調整波長板32について、一般的な波長板の構成と比較して説明する。
次に、上述した1/2波長板31及び偏光調整波長板32について、一般的な波長板の構成と比較して説明する。
(1−3−1)一般的な波長板の構成
一般的な単層の波長板(以下、これを単層型波長板と呼ぶ)90は、例えば水晶のような複屈折を有する結晶材料が使用され、図9に示すように、光ビーム40を受光する入射側面90aが略正方形でなる板形状を有している。以下、波長板において、複屈折を起こさない方向のことを結晶軸と定義し、その方向を波長板内に両矢印で示すと共に、光軸40aに対する結晶軸の角度を結晶軸倒れ角度φ、波長板内を光ビーム40が高速で伝播する方向を高速軸方位、低速で伝播する方向を遅相軸方位と呼ぶ。
一般的な単層の波長板(以下、これを単層型波長板と呼ぶ)90は、例えば水晶のような複屈折を有する結晶材料が使用され、図9に示すように、光ビーム40を受光する入射側面90aが略正方形でなる板形状を有している。以下、波長板において、複屈折を起こさない方向のことを結晶軸と定義し、その方向を波長板内に両矢印で示すと共に、光軸40aに対する結晶軸の角度を結晶軸倒れ角度φ、波長板内を光ビーム40が高速で伝播する方向を高速軸方位、低速で伝播する方向を遅相軸方位と呼ぶ。
単層型波長板90では、結晶軸が入射側面90aの面内、すなわちX−Y平面内にあり、光ビーム40の光軸40aに対して直交するように、すなわち結晶軸倒れ角度φが90°になるように配置されている。この単層型波長板90では、結晶軸が遅相軸方位となり、高速軸方位はX−Y平面内で当該結晶軸と直交する。
単層型波長板90では、高速軸方位と遅相軸方位とで屈折率が異なるため、その厚みを調整することにより、高速軸方位を伝播する光ビーム40と遅相軸方位を伝播する光ビーム40との間に位相差Δを生じさせることができる。単層型波長板90のZ軸方向の厚みをt、高速軸方位の屈折率をnO、遅相軸方位の屈折率をnEとすると、このときの位相差Δを次式のように表すことができる。
Δ=(nE−nO)t ・・・・・・(1)
この位相差Δが、光ビーム40の波長λのX倍(すなわち、Δ=Kλ)で表されるとき、単層型波長板90が「K波長板」と称され、例えばK=1/2のときには、「1/2波長板(180度板)」、K=1/4のときには、「1/4波長板(90度波長板)」として使用されている。すなわち、単層型波長板90としての1/2波長板90の位相差Δは、次式のように表すことができる。
Δ=1/2×λ ・・・・・・(2)
しかしながら、(2)式を満たすような1/2波長板(以下、これを0次の1/2波長板と呼ぶ)90zは、厚さtを数十[μm]程度に設定する必要があり、加工上困難であるため、実際上はあまり使用されていない。
ここで、次式に示すように、波長λの正の整数m倍の位相差Δを加算することにより、(2)式と同様の位相差Δを生じさせる1/2波長板90を形成できると考えられる。
Δ=1/2(λ+mλ) ・・・・・・(3)
(3)式における整数mの値を増やすことにより、1/2波長板90の厚みtを増すことができるので、加工の容易な1/2波長板90を形成することができ、いわゆるm次の波長板として使用されている。
ここで、1/2波長板90は、いわゆる入射角依存性を有している。すなわち発散光でなる光ビーム40が入射された場合、ビーム中心部が1/2波長板90に対して入射角度Aie=0°で垂直に入射されるのに対し、ビーム周縁部が1/2波長板90に対して例えば入射角度Aie=±5°程度で入射され、ビーム中心部と比較してビーム周縁部の1/2波長板90内での光路長が長くなるため、ビーム周縁部の位相差Δがビーム中心部の位相差Δよりも大きくなる。
また、1/2波長板90は、いわゆる波長依存性を有している。すなわちレーザダイオード1から出射される光ビーム40の波長λは、温度変化などの条件によって誤差を生じることが知られており、波長λの誤差により光ビーム40の位相自体に誤差が生じるため、1/2波長板90が光ビーム40に生じさせる位相差Δにも誤差が生じることになる。
0次の1/2波長板90は、全体の光路長が1/2×λと短いため、これらの入射角依存性及び波長依存性が小さく、位相差Δが光ビーム40の入射角度Aieや波長λによって大きく変化しないという優れた特性を呈することができる。
しかしながら、m次の1/2波長板90は、全体の光路長が長くなり、(2)式の1/2×λとして生じる誤差を、いわば(2m+1)倍だけ繰り返すことになるため、光ビーム40に対する入射角依存性及び波長依存性が大きくなってしまう。このため、このm次の1/2波長板は、単色性の良い光源を使用し、かつ入射角度Aieを精度良く決めた平行光に対して使用されるのみであり、比較的限られた分野でのみ使用される。
また図9(B)に示すように、それぞれの結晶軸が直交するように2枚の単層型波長板90zを貼り合せた構成でなる貼合型波長板91が使用されることもある。この貼合型波長板91において、2枚の単層型波長板90における厚みをそれぞれt1、t2とすると、位相差Δは、次式のように表すことができる。
Δ=(nE−nO)(t1−t2) ・・・・・・(4)
すなわち、貼合型波長板91では、結晶軸を直交させることにより、2枚の単層型波長板90間で同一厚み分の位相差Δを相殺することができ、厚みt1及びt2の差分(以下、これを厚み差分と呼ぶ)δtに応じた位相差Δを発生させることができる。
この場合、光ビーム40の貼合型波長板91における光路長は長くなるものの、2枚の単層型波長板90で生じる位相差Δの誤差を互いに相殺することができるため、入射角依存性及び波長依存性による位相差Δの誤差は厚み差分δtに応じてのみ発生することになり、上述した0次の1/2波長板90と同程度にすることができる。
このように貼合型波長板91は、入射角依存性及び波長依存性が少なく、加工性が容易であることから、一般的に最も広く使用されている。
(1−3−2)結晶軸角度と波長板の挙動
ところで、波長板に使用される複屈折を有する結晶材料の一般的な特性として、結晶軸倒れ角度φを小さくすると、当該波長板が生じる位相差Δにおける入射角依存性が大きく発現することが知られている。上述した一般的な単層型波長板90及び貼合型波長板91では、このような入射角依存性を小さくするために、敢えて結晶軸倒れ角度φが最大の90°となる状態で使用している。
ところで、波長板に使用される複屈折を有する結晶材料の一般的な特性として、結晶軸倒れ角度φを小さくすると、当該波長板が生じる位相差Δにおける入射角依存性が大きく発現することが知られている。上述した一般的な単層型波長板90及び貼合型波長板91では、このような入射角依存性を小さくするために、敢えて結晶軸倒れ角度φが最大の90°となる状態で使用している。
そこで本実施の形態における偏光調整波長板32では、図10に示すように、結晶軸倒れ角度φを小さくし、偏光調整波長板32の入射角依存性を単層型波長板90及び貼合型波長板91と比して大きく発現させることにより、光ビーム40の偏光調整波長板32に対する入射角度Aieに応じてビーム中心部とビーム周縁部とに発生させる位相差Δを変化させるようにした。
(1−3−3)偏光調整波長板の構成
図11に示すように偏光調整波長板32は、複屈折を有する結晶材料(例えば水晶)でなる第1サブ波長板32Aと第2サブ波長板32Bとが貼り合わされることによって構成されている。偏光調整波長板32は、一般的な1/2波長板に類する役割を担っており、図12に示すように、PBS24の前段に配置されると共に、S偏光として入射される光ビーム40の殆どをP偏光としてPBS24に入射する。このため、その結晶軸方位Ccr(図11)が135°に設定されている。
図11に示すように偏光調整波長板32は、複屈折を有する結晶材料(例えば水晶)でなる第1サブ波長板32Aと第2サブ波長板32Bとが貼り合わされることによって構成されている。偏光調整波長板32は、一般的な1/2波長板に類する役割を担っており、図12に示すように、PBS24の前段に配置されると共に、S偏光として入射される光ビーム40の殆どをP偏光としてPBS24に入射する。このため、その結晶軸方位Ccr(図11)が135°に設定されている。
なお、図12では、結晶軸方位Ccr及び結晶軸倒れ角度φの方向を分かりやすくするため、便宜上、偏光調整波長板32及び1/2波長板31をそれぞれ2枚の波長板として示している。
また、偏光調整波長板32(図11)では、第1サブ波長板32A及び第2サブ波長板32Bの結晶軸倒れ角度φと厚みtaとの関係で光ビーム40の中心部分に所定の位相差Δを発生させると共に、当該位相差Δに入射角依存性を持たせるようになされており、各サブ波長板32Z(第1サブ波長板32A及び第2サブ波長板32B)の厚みtaが0.35[mm]、ビーム中心部に対する位相差Δが240°に設定され、結晶軸倒れ角度φが±16.5°(それぞれ16.5°と163.5°)に設定されている。
なお図11に示したように、この結晶軸方位Ccrは、結晶軸をX−Y平面に投影したときの角度であり、結晶軸倒れ角度φは、結晶軸方位Ccrと平行に切断されたA1−A2断面及びB1−B2断面における結晶軸とZ軸(光軸40a)とのなす角度をそれぞれ表している。
第1サブ波長板32Aは、結晶軸倒れ角度φが±16.5°と小さいため光ビーム40に発生させる位相差Δの入射角依存性が大きく発現する。図13から、この位相差Δの入射角依存性は、入射角度Aieの+方向と−方向とで非対称となると共に、光ビーム40における方位と結晶軸方位Ccrとの関係によって変化することがわかる。
以下、結晶軸方位Ccrが135°に設定された偏光調整波長板32(図12)に対して入射される光ビーム40のX軸に対する方位をビーム方位Cdとし、図13では、このビーム方位Cdを22.5°おきに変化させたときの、第1サブ波長板32Aに対する光ビーム40の入射角度Aieと位相差Δとの関係を表しており、0°、45°、90°及び135°のときのグラフを図14に示している。
第1サブ波長板32Aでは、光ビーム40の入射角度Aieによって、結晶軸方位Ccrに対する光ビーム40のなす角度(以下、これをビーム−結晶軸交差角と呼ぶ)が変化する。ここで、ビーム−結晶軸交差角が小さいほどビーム−結晶軸交差角の変化量に対する屈折率差δnが大きくなることから、このビーム方位Cdに応じてこのような非対称の位相差Δとなる。
ちなみに、ビーム方位Cdが45°のときには入射角度Aieに応じてビーム−結晶軸交差角変化が対称なので、位相差特性も対称となり、ビーム方位Cdが135°のときには入射角度Aieに応じてビーム−結晶軸交差角の変化が最大となるため非対称性が最も大きくなっている。
また図示しないが、第2サブ波長板32Bは、結晶軸倒れ角度φが第1サブ波長板32Aと対称なため、当該第1サブ波長板32Aの入射角度Aieと対称な、すなわち入射角度Aieの+方向と−方向とを反転させた入射角依存性を有している。
従って偏光調整波長板32では、第1サブ波長板32Aと第2サブ波長板32Bとを組み合わせることにより、図15(A)に示すように、位相差Δに関して入射角度Aie=0°を中心にほぼ対称の入射角依存性を有することになる。なお、図15では、図13と同様に22.5°おきにビーム方位Cdをプロットしたときの2枚のサブ波長板32Z総体(すなわち偏光調整波長板32)としての入射角度Aieに対する位相差Δを表しており、全ての曲線がほぼ重なっている。
従って、第1サブ波長板32Aと第2サブ波長板32Bとを組み合わせることにより、上述したビーム−結晶軸交差角の変化に起因する入射角依存性はほぼキャンセルされ、偏光調整波長板32は、どのビーム方位Cdに対してもほぼ同一の入射角依存性を有することが分かる。
また、偏光調整波長板32では、発生した位相差Δに応じてP偏光とS偏光との割合を変化させることができ、位相差Δが180°のときにS偏光のほぼ100%をP変更に変換することができる。
偏光調整波長板32における2枚のサブ波長板32Zでは、ビーム中心部において、光ビーム40の偏光方向を変化させるための一般的なm次の1/2波長板が光ビーム40に対して生じさせる位相差Δ(m×360°+180°)よりも60°だけ低い位相差Δ(Δ=1×360°+120°)を生じさせるようにその厚みtaが設定されている。
このため偏光調整波長板32では、入射角依存性によりビーム中心部よりも位相差Δが大きくなるビーム周縁部(±5°付近)において、一般的なm次の1/2波長板が生じる位相差Δの180°に近づく、約500°(360°+140°)の位相差Δを生じさせることができる。
すなわち偏光調整波長板32では、ビーム中心部と比してビーム周縁部の位相差Δが180°に近くなるため、ビーム中心部よりもビーム周縁部においてP偏光への変換の割合が高くなる。この場合偏光調整波長板32は、S偏光として入射される光ビーム40のうち、ビーム中心部では約80%をP偏光に、残りの約20%をS偏光に変換する一方、ビーム周縁部では、約90%をP偏光に、残りの約10%をS偏光に変換することができる。
この結果図15(B)に示すように、偏光調整波長板32は、後段に設置されたPBS24によってP偏光を透過させてS偏光を反射させることにより、ビーム中心部でのPBS24に対する透過率(以下、これをPBS透過率と呼ぶ)を約80%に、ビーム周縁部でのPBS透過率を約90%にすることができる。
なお、各サブ波長板32Zは、結晶軸倒れ角度φが小さく屈折率差δnが小さいため、0次の波長板として作製することで、加工が容易な厚み(0.35[mm])を確保することができるようになされている。
(1−3−4)ビーム方位と遅延軸方位
図15(A)では、偏光調整波長板32の入射角依存性は、ビーム方位Cdによって殆ど変化しない旨を説明した。しかしながら、複屈折を有する結晶の一般的な性質として、結晶軸をX−Y平面から起こして結晶軸倒れ角度φを小さくした場合には、遅相軸方位がビーム方位Cdに応じて入射角依存性を有するようになり、この結果ビーム方位Cdに応じてPBS透過率が上述した図15(B)から変化する。
図15(A)では、偏光調整波長板32の入射角依存性は、ビーム方位Cdによって殆ど変化しない旨を説明した。しかしながら、複屈折を有する結晶の一般的な性質として、結晶軸をX−Y平面から起こして結晶軸倒れ角度φを小さくした場合には、遅相軸方位がビーム方位Cdに応じて入射角依存性を有するようになり、この結果ビーム方位Cdに応じてPBS透過率が上述した図15(B)から変化する。
すなわち図16に示すように、第1サブ波長板32Aでは、ビーム方位Cdに応じて、遅相軸方位の入射角依存性が変化する。なお、図16ではビーム方位Cdを22.5°おきに変化させたときの遅相軸方位の入射角依存性を示しており、ビーム方位Cdが0°、45°、90°及び135°のときのグラフを図17に示している。
図17に示すように、第1サブ波長板32Aは、ビーム方位Cdが結晶軸方位Ccrと同一となる135°のときに、遅相軸方位の入射角依存性を殆ど有さなくなる一方、ビーム方位Cdが結晶軸方位Ccrと直交する45°のときに、最大となる。
また図示しないが、第2サブ波長板32Bは、その結晶軸方位Ccrが第1サブ波長板32Aと同一なため、当該第1サブ波長板32Aと同様の遅相軸方位の入射角依存性を有し、この結果、第1サブ波長板32A及び第2サブ波長板32Bとが組み合わされることにより、ビーム方位Cdに対する遅相軸方位の入射角依存性はそれぞれ増大することになる。
このためビーム方位Cdに依存しないとされた位相差Δに対する入射角依存性(図15)に、この遅相軸方位の入射角依存性(図17)の要因を加えると、ビーム方位Cdに応じて位相差Δに変化が生じることになり、光ビーム40におけるビーム方位Cdと入射角度Aieに応じてビーム周縁部における位相差Δが変化し、P偏光とS偏光の比率が変化することになる。
この結果、図18に示すように、PBS透過率の入射角依存性はビーム方位Cdに応じて変化する。なお、図18ではビーム方位Cdを22.5°おきに変化させたときのPBS透過率の入射角依存性を示しておりビーム方位Cdが、0°、45°、90°及び135°のときのグラフを図19に示している。
図19のグラフを比較すると、ビーム中心部におけるPBS透過率は入射方位Cdに関係なくほぼ80%であるが、ビーム周縁部(入射角度Aie=±5°)におけるPBS透過率はビーム方位Cdに応じて大きく変化しており、ビーム方位Cd=45°のとき(図19(B))に最も高い値となる約98%を示している。
そこで本実施の形態の光ピックアップ20では、図12に示したように、レーザダイオード1を45°だけ傾けることにより、ビーム平行方位Cdθ//をX軸から45°に設定するようにした。
これにより光ピックアップ20は、ビーム平行方位Cdθ//に対するPBS透過率を、ビーム中心部で約80%、ビーム周縁部で約98%とし、ビーム周縁部の光強度を殆ど減少させることなくビーム中心部の光強度(中心高強度Ps)を減少させることができるため、リム強度比率を効果的に向上させることができる。
また、ビーム平行方位Cdθ//に直交するビーム垂直方位Cdθ⊥はX軸から135°となる。ビーム方位Cdが135°におけるPBS透過率(図19(D))は、入射角依存性が比較的緩やかであり、入射角度Aie=±5°で約85%となっている。
したがって光ピックアップ20は、ビーム垂直方位Cdθ⊥に対するPBS透過率を、ビーム中心部で約80%、ビーム周縁部で約85%とし、リム強度比率を向上すると共に、ビーム周縁部においてビーム平行方位Cdθ//に対するPBS透過率をビーム垂直方位Cdθ⊥のPBS透過率より高くすることができるため、PBS24を透過した光ビーム40の光強度分布の等高線の形状(以下、これを光ビーム40の形状と略す)を真円に近づけることができるようになされている。
この場合、光ピックアップ20では、レーザダイオード1から出射される光ビーム40の偏光方向が45°傾斜することになるが、偏光調整波長板32にS偏光で光ビーム40を入射する必要がある。
そのため、光ピックアップ20では、偏光調整波長板32の前段(図7)に1/2波長板31を設置している。
図20に示すように、1/2波長板31は、上述した一般的な貼合型1/2波長板91とほぼ同一の構成を有しており、当該1/2波長板31を構成する単層型波長板31A及び31Bの結晶軸方位Cchが67.5°及び152.5°にそれぞれ設定されている。また、180°の位相差Δを発生させるために、単層型波長板31Aの厚みt1が単層型波長板31Bの厚みt2よりも大きく形成されている。
これにより光ピックアップ20は、1/2波長板31によって光ビーム40の偏光方向を45°だけ倒すことができ、S偏光の光ビーム40を偏光調整波長板32に入射することができる。
この結果図7に示したように、光ピックアップ20は、レーザダイオード1からビーム平行方位Cdθ//=45°で出射され、その形状が楕円でなる光ビーム40を1/2波長板31によってS偏光に変換し、偏光調整波長板32に入射する。
偏光調整波長板32は、各サブ波長板32が有する位相差Δの入射角依存性と、ビーム方位Cdに対する遅相軸方位の入射角依存性とを利用して、光ビーム40の入射角度Aie及びビーム方位Cdに応じて光ビーム40におけるP偏光及びS偏光の割合を調整することにより、ビーム平行方位Cdθ//のP偏光についてのリム強度比率を、入射された光ビーム40のリム強度比率よりも大きくすると共に、ビーム周縁部におけるP偏光についてのビーム平行方位Cdθ//とビーム垂直方位Cdθ⊥とにおける光強度差を縮めてPBS24に入射する。
そしてPBS24は、光ビーム40のうち、P偏光を透過させることにより、その形状がほとんど真円でなる光ビーム40を対物レンズ27へ導く一方、S偏光を反射してAPC用光検出器23に導くようになされている。
これにより、光ピックアップ20は、PBS24で反射したS偏光でなる光ビーム40をAPC用の検出光として利用することができ、光ビーム40からAPC用の検出光をわざわざ抽出する必要がないため、光ビーム40の光利用効率を向上させることができる。
なお、1/2波長板31(図20)は、180°の位相差Δを発生させる単層型波長板31Aの結晶軸方位Cch(すなわち、1/2波長板31における遅相軸)が67.5°と、偏光波長板32の結晶軸方位Ccrの垂線から±45°以内になるように設定されていると共に、ビーム中心部に生じさせる位相差Δが1/2×λではなく、3/2×λになるように設定されている。
これにより光ピックアップ20は、偏光調整波長板32が有する波長依存性と逆方向の波長依存性を1/2波長板31に敢えて持たせることができ、偏光調整波長板32の波長依存性を1/2波長板31で相殺することができる。この結果、405及び405±5[nm]の光ビーム40をレーザダイオード1から出射したときのPBS透過率を表す図21に示すように、波長板30総体としての波長依存性を小さくすることができる。
(1−4)動作及び効果
以上の構成において、光ディスク装置10の光ピックアップ20では、偏光調整板としての偏光調整波長板32の結晶軸倒れ角度φを60°未満に設定することにより光軸40aに対する直交平面としてのX−Y平面から結晶軸を起こすように配置させ、結晶材料が本来有する波長依存性を大きく発現させると共に、ビーム中心部に生じさせる位相差Δが、上記光ビームをP偏光として出射するための所望の設計値である360°+180°=540°から所定の差分値である60°だけ低くなるように光軸40aに対する厚さtaが設定されるようにした。
以上の構成において、光ディスク装置10の光ピックアップ20では、偏光調整板としての偏光調整波長板32の結晶軸倒れ角度φを60°未満に設定することにより光軸40aに対する直交平面としてのX−Y平面から結晶軸を起こすように配置させ、結晶材料が本来有する波長依存性を大きく発現させると共に、ビーム中心部に生じさせる位相差Δが、上記光ビームをP偏光として出射するための所望の設計値である360°+180°=540°から所定の差分値である60°だけ低くなるように光軸40aに対する厚さtaが設定されるようにした。
偏光調整波長板32では、入射角依存性によりビーム周縁部においてビーム中心部よりも位相差Δが大きくなることから、ビーム中心部の位相差Δを540°より60°低い480°に設定することによりビーム周縁部の位相差Δを(m+1/2)λに近くすることができ、P偏光の割合がビーム中心部よりもビーム周縁部で高くなるように、P偏光とS偏光との割合を調整することができる。
さらに、偏光調整波長板32は、2枚の結晶材料である第1サブ波長板32A及び第2サブ波長板32Bから構成され、第1サブ波長板32A及び第2サブ波長板32Bにおける厚みtaが0.35[mm]と同一であり、かつ結晶軸倒れ角φが光軸40aと対称な±16.5°にしたことにより、光ビーム40に生じさせる位相差Δの入射角依存性を入射角度Aieの±方向に対称にすることができる。
また、偏光調整波長板32では、第1サブ波長板32A及び第2サブ波長板32Bにおける結晶軸方位Ccrを同一方向である135°に設定したことにより、ビーム方位Cdに対する遅相軸方位の入射角依存性を倍増させて大きくすることができ、ビーム方位Cdが45°のときと135°のときのPBS透過率の入射角依存性を異なる特性にすることができる。
このとき光ピックアップ20では、発散角が最小となるビーム平行方位Cdθ//をPBS透過率の入射角依存性が大きく、リム強度比率の改善効果の大きい45°に設定し、発散角が最大となるビーム垂直方位Cdθ⊥をPBS透過率の入射角依存性が小さく、リム強度比率の改善効果の小さい135°に設定する。
これにより、偏光調整波長板32では、光ビーム40のビーム平行方位Cdθ//についてのリム強度比率を効果的に向上させることができると共に、ビーム周縁部におけるビーム平行方位Cdθ//とビーム垂直方位Cdθ⊥とにおける光強度差を縮め、光ビーム40の形状を真円に近づけることができる。
偏光調整波長板32では、1次の120°波長板(1×360°+120°)として形成されているため、0次の120°波長板として形成された場合よりも、光ビーム40に生じさせる位相差Δの入射角依存性を大きく発現させることができる。
また光ピックアップ20では、従来の1[μm]単位の取り付け精度が要求されるアナモルフィックプリズム場合とは異なり、偏光調整波長板32を通常の機械精度レベルで設置することができ、光ピックアップ20の組み立て工程を簡易にすることができる。
さらに偏光調整波長板32では、従来の3領域を有する波長板とは異なり、板形状の波長板を2枚貼り合わせた構成でなることから、一般的な貼合型波長板91と同様の工程で作製することができるため、従来の設備をそのまま用いて簡易な工程で作製することができる。
以上の構成によれば、複屈折を有する結晶材料でなる偏光調整波長板32によって、偏光調整波長板32の光ビーム40の光軸40aに対する結晶軸の角度である結晶軸倒れ角度φ及び光軸40a方向の厚みtaとの関係によって、光ビーム40に発生させる位相差Δをビーム中心部とビーム周縁部とで変化させることにより、ビーム中心部では第1の直線偏光であるP偏光の割合が低く、ビーム周縁部ではP偏光の割合が高くなるように、光ビーム40に対する入射角度Aieに応じてP偏光と当該P偏光と直交する第2の直線偏光であるS偏光の比率を調整すると共に、PBS24によって光ビーム40におけるP偏光を透過させ、上記対物レンズへ導く一方、S偏光を反射するようにしたことにより、偏光調整波長板32の領域を分割する必要がなく、偏光調整波長板32の厚みtaと結晶軸倒れ角度φの設定のみで光ビーム40のθ//方向のリム強度比率を改善することができ、かくして簡易な構成でなる偏光調整板並びに当該偏光調整板を用いた光ピックアップ、光ディスク装置及び光学装置を実現できる。
(2)第2の実施の形態
図22〜25は、第2の実施の形態を示すもので、図1〜21に示す第1の実施の形態に対応する部分を同一符号で示しており、本実施の形態における光ピックアップ60は、図22に示すように、波長板30として、1/2波長板33と、偏光調整波長板34とを有している。なお図22では、レーザダイオード1と、波長板30、PBS24のみを表示し、他の光学部品については便宜上省略している。また、光ディスク装置10としての構成は図4と同一であるため、説明を省略する。
図22〜25は、第2の実施の形態を示すもので、図1〜21に示す第1の実施の形態に対応する部分を同一符号で示しており、本実施の形態における光ピックアップ60は、図22に示すように、波長板30として、1/2波長板33と、偏光調整波長板34とを有している。なお図22では、レーザダイオード1と、波長板30、PBS24のみを表示し、他の光学部品については便宜上省略している。また、光ディスク装置10としての構成は図4と同一であるため、説明を省略する。
偏光調整波長板34では、第1サブ波長板34A及び第2サブ波長板34Bの結晶軸倒れ角度φを小さくすることにより光ビーム40に発生させる位相差Δの入射角依存性を大きく発現させると共に、厚みtaの設定により光ビーム40の中心部分に位相差Δ=480°を発生させるようになされており、各サブ波長板34Z(第1サブ波長板34A及び第2サブ波長板34B)の厚みtaが0.6[mm]、ビーム中心部に対する位相差Δが240°にそれぞれ設定され、結晶軸倒れ角度φが±12.5°(それぞれ12.5°と167.5°)に設定されている。
図18と対応する図23には、ビーム方位Cdを22.5°おきに変化させたときのPBS透過率の入射角依存性を示しており、ビーム方位Cdが22.5°、45°及び135°のときのグラフを図24に示している。
図24から分かるように、ビーム方位Cd=45°かつ入射角度Aie=±5°のときのPBS透過率が約95%であり、ビーム方位Cd=135°かつ入射角度Aie=±5°のときのPBS透過率が約95%であることから、第1の実施の形態と同様にビーム平行方位Cdθ//を45°に設定した場合、ビーム平行方位Cdθ//のリム強度比率を向上させることができるものの、第1の実施の形態と比較して、135°となるビーム垂直方位Cdθ⊥におけるリム強度改善効果との差異が殆どないため、ビーム平行方位Cdθ//とビーム垂直方位θ⊥との光強度分布の差異を減少させる効果は小さくなる。
また、入射角度Aieが±5°を超えると急激にPBS透過率が低下することから、この場合には、入射角度Aie=±5°以内で使用されることが好ましいといえる。なお、入射角度Aieが±4°程度であれば、ビーム方位Cdを22.5°に設定することにより、45°に設定した場合と比較してθ//方向のリム強度比率を一段と向上させることができる。
ここで、偏光調整波長板34に使用される水晶は旋回性を有しており、その結晶状態に応じて、右回りの旋回性を有する右水晶と、左回りの旋回性を有する左水晶とが存在する。偏光調整波長板34では、サブ波長板34Zとして、右水晶と左水晶とを組み合わせることにより、位相差Δの入射角依存性における±方向の対称性を確保するようになされている。
ちなみに図25には、右水晶と右水晶とを組み合わせた場合の光ビーム40に対するPBS透過率(ビーム方位Cd=0°の場合)を示しているが、±方向で対称性が失われていることがわかる。
また1/2波長板33(図22)は、上述した貼合型波長板91のように2枚の結晶材料を貼り合わせた構成ではなく、1枚の結晶材料単体で構成されるm次の1/2波長板90と同一構成でなる。なお、波長依存性を相殺するためには、m=1である(位相差Δ=3/2×λを発生させる)ことが好ましいが、加工性を向上させるためにm=2以上にすることもできる。
なお、光ピックアップ60では、波長板30として、合計3枚の結晶材料(1/2波長板33、2枚のサブ波長板34)を使用すればよいため、4枚の結晶材料(単層型波長板31A及び31B並びに第1サブ波長板32A及び32B)を使用する第1の実施の形態よりも、結晶材料の数を減少させることができ、構成を簡易にすることができる。
(3)第3の実施の形態
図26〜28は、第3の実施の形態を示すもので、図1〜21に示す第1の実施の形態に対応する部分を同一符号で示しており、図26に示すように、本実施の形態における光ピックアップ61は、波長板30として、旋回板35と、偏光調整波長板36とを有している。なお図26では、レーザダイオード1と、波長板30、PBS24のみを表示し、他の光学部品については便宜上省略している。また、光ディスク装置10としての構成は図4と同一であるため、説明を省略する。
図26〜28は、第3の実施の形態を示すもので、図1〜21に示す第1の実施の形態に対応する部分を同一符号で示しており、図26に示すように、本実施の形態における光ピックアップ61は、波長板30として、旋回板35と、偏光調整波長板36とを有している。なお図26では、レーザダイオード1と、波長板30、PBS24のみを表示し、他の光学部品については便宜上省略している。また、光ディスク装置10としての構成は図4と同一であるため、説明を省略する。
偏光調整波長板36では、第1サブ波長板36A及び第2サブ波長板36Bの結晶軸倒れ角度φを小さくすることにより光ビーム40に発生させる位相差Δの入射角依存性を大きく発現させると共に、厚みtaの設定により光ビーム40の中心部分に位相差Δ=480°を発生させるようになされており、各サブ波長板36Z(第1サブ波長板36A及び第2サブ波長板36B)の厚みtaが0.15[mm]、ビーム中心部に対する位相差Δが240°にそれぞれ設定され、結晶軸倒れ角度φが±25.8°(それぞれ25.8°と154.2°)に設定されている。
図18と対応する図27には、ビーム方位Cdを22.5°おきに変化させたときの光ビーム40に対するPBS24の透過率の入射角依存性を示しており、ビーム方位Cdが45°及び135°のときのグラフを図28に示している。
図28からわかるように、ビーム方位Cd=45°かつ入射角度Aie=±5°のときのPBS透過率が約85%、入射角度Aie=0°のときのPBS透過率が約75%であり、入射角度Aie=±5°のときのPBS透過率が偏光調整波長板32(図19(B))と比して小さいことから、ビーム平行方位Cdθ//を45°に設定した場合には、ビーム平行方位Cdθ//のリム強度比率の改善効果が上述した第1の実施の形態と比較して小さくなる。
しかしながら、図28では、入射角度Aieが±7.5°になっても透過率が低下していないことから、入射角度Aieが例えば±5°を超えるような場合には、非常に有効といえる。
また、旋回板35(図26)は、結晶軸倒れ角Acrを0°に設定して光ビーム40の偏光方向を旋回させるようにしたものである。旋回板35と偏光調整波長板36との距離を調整することにより、光ビーム40の偏光方向を45°回転させ、S偏光として偏光調整波長板36に入射するようになされている。
なお、光ピックアップ61では、波長板30として、合計3枚の結晶材料(旋回板35、2枚のサブ波長板36Z)を使用すればよいため、4枚の結晶材料(単層型波長板31A及び31B並びに第1サブ波長板32A及び32B)を使用する第1の実施の形態よりも、結晶材料の総数を減少させることができ、構成を簡易にすることができる。
(4)第4の実施の形態
図29及び図30は、第4の実施の形態を示すもので、図1〜21に示す第1の実施の形態に対応する部分を同一符号で示しており、本実施の形態における光ピックアップ62(図示せず)は、偏光波調整長板32の代わりに偏光調整波長板37(図示せず)を有している。なお、光ディスク装置10としての構成は図4と同一であるため、便宜上説明を省略する。
図29及び図30は、第4の実施の形態を示すもので、図1〜21に示す第1の実施の形態に対応する部分を同一符号で示しており、本実施の形態における光ピックアップ62(図示せず)は、偏光波調整長板32の代わりに偏光調整波長板37(図示せず)を有している。なお、光ディスク装置10としての構成は図4と同一であるため、便宜上説明を省略する。
偏光調整波長板37では、第1サブ波長板37A及び第2サブ波長板37Bの結晶軸倒れ角度φを小さくすることにより光ビーム40に発生させる位相差Δの入射角依存性を大きく発現させると共に、厚みtaの設定により光ビーム40の中心部分に位相差Δ=480°を発生させるようになされており、各サブ波長板34(第1サブ波長板34A及び第2サブ波長板34B)の厚みtaが0.05[mm]、ビーム中心部に対する位相差Δが240°にそれぞれ設定され、結晶軸倒れ角度φが±48.8°(それぞれ48.8°と131.2°)に設定されている。
図18と対応する図29には、ビーム方位Cdを22.5°おきに変化させたときの光ビーム40に対するPBS透過率の入射角依存性を示しており、ビーム方位Cdが45°及び135°のときのグラフを図30に示している。
図30から分かるように、ビーム方位Cd=45°かつ入射角度Aie=±5°のときのPBS透過率が約80%、ビーム方位Cd=135°かつ入射角度Aie=±5°のときのPBS透過率が約70%であることから、ビーム平行方位Cdθ//を45°に設定した場合の入射角度Aie±5°の場合におけるビーム平行方位θ//のリム強度比率の改善効果は小さい。
しかしながら、図30では、入射角度Aieが±7.5°になっても透過率が低下していないことから、入射角度Aieが例えば±7.5°を超える場合には有効といえる。また、全体として透過率が低いことから、APC用レンズ35に入射される光ビーム40の検出光量が多く必要な場合には有効な手段となり得る。
(5)第5の実施の形態
図31及び図32は、第5の実施の形態を示すもので、図1〜21に示す第1の実施の形態に対応する部分を同一符号で示しており、本実施の形態における光ピックアップ63(図示せず)は、偏光波調整長板32の代わりに偏光調整波長板38(図示せず)を有している。なお、光ディスク装置10としての構成は図4と同一であるため、便宜上説明を省略する。
図31及び図32は、第5の実施の形態を示すもので、図1〜21に示す第1の実施の形態に対応する部分を同一符号で示しており、本実施の形態における光ピックアップ63(図示せず)は、偏光波調整長板32の代わりに偏光調整波長板38(図示せず)を有している。なお、光ディスク装置10としての構成は図4と同一であるため、便宜上説明を省略する。
偏光調整波長板38では、第1サブ波長板38A及び第2サブ波長板38Bの結晶軸倒れ角度φを小さくすることにより光ビーム40に発生させる位相差Δの入射角依存性を大きく発現させると共に、厚みtaの設定により光ビーム40の中心部分に位相差Δ=460°を発生させるようになされており、各サブ波長板38Z(第1サブ波長板38A及び第2サブ波長板38B)の厚みtaが0.5[mm]、ビーム中心部に対する位相差Δが230°にそれぞれ設定され、結晶軸倒れ角度φが±13.5°(それぞれ13.5°と166.5°)に設定されている。
図18に対応する図31には、ビーム方位Cdを22.5°おきに変化させたときの光ビーム40に対するPBS透過率の入射角依存性を示しており、ビーム方位Cdが45°及び135°のときのグラフを図32に示している。
図31から分かるように、ビーム方位Cd=45°かつ入射角度Aie=±5°のときのPBS透過率が約95%、ビーム方位Cdが135°=入射角度Aie=±5°のときのPBS透過率が約80%、入射角度Aie=0°のときのPBS透過率が約60%であることから、ビーム方位Cdを45°に設定した場合には、全体としての光ビーム40の透過率が第1の実施の形態と比較して小さくなるものの、入射角度Aie±5°の場合におけるビーム平行方位θ//リム強度比率の改善効果は大きい。
(6)第6の実施の形態
図33及び図34は、第6の実施の形態を示すもので、図1〜21に示す第1の実施の形態に対応する部分を同一符号で示しており、本実施の形態における光ピックアップ64(図示せず)は、偏光調整波長板32の代わりに偏光調整波長板39(図示せず)を有している。なお、光ディスク装置10としての構成は図4と同一であるため、便宜上説明を省略する。
図33及び図34は、第6の実施の形態を示すもので、図1〜21に示す第1の実施の形態に対応する部分を同一符号で示しており、本実施の形態における光ピックアップ64(図示せず)は、偏光調整波長板32の代わりに偏光調整波長板39(図示せず)を有している。なお、光ディスク装置10としての構成は図4と同一であるため、便宜上説明を省略する。
偏光調整波長板39では、第1サブ波長板39A及び第2サブ波長板39Bの結晶軸倒れ角度φを小さくすることにより光ビーム40に発生させる位相差Δの入射角依存性を大きく発現させると共に、厚みtaの設定により光ビーム40の中心部分に位相差Δ=840°(720°+120°)を発生させるようになされており、各サブ波長板39(第1サブ波長板39A及び第2サブ波長板39B)の厚みtaが0.8[mm]、ビーム中心部に対する位相差Δが420°にそれぞれ設定され、結晶軸倒れ角度φが±14.5°(それぞれ14.5°と165.5°)に設定されている。
図33には、ビーム方位Cdを22.5°おきに変化させたときの光ビーム40に対するPBS透過率の入射角依存性を示しており、ビーム方位Cdが45°及び135°のときのグラフを図34に示している。
図34から分かるように、ビーム方位Cdが45°=入射角度Aie=±5°のときのPBS透過率が約95%、ビーム方位Cd=135°かつ入射角度Aie=±5°のときのPBS透過率が約80%、入射角度Aie=0°のときのPBS透過率が約60%であることから、ビーム方位Cdを45°に設定した場合には、全体としての光ビーム40の透過率が第1の実施の形態と比較して小さくなるものの、入射角度Aie±5°の場合におけるビーム平行方位Cdθ//方向のリム強度比率の改善効果を大きくすることができる。
(7)第7の実施の形態
図35〜図37は、第7の実施の形態を示すもので、図1〜21に示す第1の実施の形態に対応する部分を同一符号で示しており、本実施の形態における光ピックアップ65(図示せず)は、波長板30として、1/2波長板41及び偏光調整波長板42(図示せず)を有している。なお、光ディスク装置10としての構成は図4と同一であるため、便宜上説明を省略する。
図35〜図37は、第7の実施の形態を示すもので、図1〜21に示す第1の実施の形態に対応する部分を同一符号で示しており、本実施の形態における光ピックアップ65(図示せず)は、波長板30として、1/2波長板41及び偏光調整波長板42(図示せず)を有している。なお、光ディスク装置10としての構成は図4と同一であるため、便宜上説明を省略する。
偏光調整波長板40では、第1サブ波長板41A及び第2サブ波長板41Bの結晶軸倒れ角度φを小さくすることにより光ビーム40に発生させる位相差Δの入射角依存性を大きく発現させると共に、厚みtaの設定により光ビーム40の中心部分に位相差Δ=1200°(3×360°+120°)を発生させるようになされており、各サブ波長板41Z(第1サブ波長板41A及び第2サブ波長板41B)の厚みtaが0.8[mm]、ビーム中心部に対する位相差Δが600°にそれぞれ設定され、結晶軸倒れ角度φが±17.3°(それぞれ17.3°と162.7°)に設定されている。
図18と対応する図35には、ビーム方位Cdを22.5°おきに変化させたときの光ビーム40に対するPBS透過率の入射角依存性を示しており、ビーム方位Cdが45°及び135°のときのグラフを図36に示している。
図36から分かるように、ビーム方位Cd=45°かつ入射角度Aie=±5°のときのPBS透過率が約95%で、ビーム方位Cd=135°かつ入射角度Aie=±5°のときのPBS透過率が約90%、入射角度Aie=0°のときのPBS透過率が約70%であることから、ビーム方位Cdを45°に設定した場合には、ビーム平行方位Cdθ//のリム強度比率の改善効果は大きい。
また、図36では、ビーム方位Cd=45°と135°とを比較すると、ビーム周縁部におけるPBS透過率の差が小さいことから、ビーム平行方位Cdθ//とビーム垂直方位Cdθ⊥との光強度分布の差異を小さくする効果は小さい。
なお図37(B)に示すように、光ピックアップ64では、1/2波長板41として、位相差Δ=5×360°+180°=1980°を生じさせる5次の波長板とすることにより、405及び405±5[nm]の光ビーム40を入射したときのPBS透過率の波長依存性をほぼ相殺することができる。
なお、図37(A)は、1/2波長板41を3次の波長板として形成した場合を表しており、この場合には、偏光調整波長板42の光ビーム40に対する波長依存性を十分に相殺できていないことを示している。
(8)第8の実施の形態
図38及び図39は、第8の実施の形態を示すもので、図1〜21に示す第1の実施の形態に対応する部分を同一符号で示しており、本実施の形態における光ピックアップ65(図示せず)は、偏光調整波長板32の代わりに偏光調整波長板43(図示せず)を有している。なお、光ディスク装置10としての構成は図4と同一であるため、便宜上説明を省略する。
図38及び図39は、第8の実施の形態を示すもので、図1〜21に示す第1の実施の形態に対応する部分を同一符号で示しており、本実施の形態における光ピックアップ65(図示せず)は、偏光調整波長板32の代わりに偏光調整波長板43(図示せず)を有している。なお、光ディスク装置10としての構成は図4と同一であるため、便宜上説明を省略する。
偏光調整波長板43では、第1サブ波長板43A及び第2サブ波長板43Bの結晶軸倒れ角度φを小さくすることにより光ビーム40に発生させる位相差Δの入射角依存性を大きく発現させると共に、厚みtaの設定により光ビーム40の中心部分に位相差Δ=1200°(3×360°+120°)を発生させるようになされており、各サブ波長板41(第1サブ波長板41A及び第2サブ波長板41B)の厚みtaが0.4[mm]、ビーム中心部に対する位相差Δが600°にそれぞれ設定され、結晶軸倒れ角度φが±24.9°(それぞれ24.9°と155.1°)に設定されている。
図18と対応する図38には、ビーム方位Cdを22.5°おきに変化させたときの光ビーム40に対するPBS24の透過率の入射角依存性を示しており、ビーム方位Cdが45°及び135°のときのグラフを図39に示している。
図39から分かるように、ビーム方位Cd=45°かつ入射角度Aie=±5°のときのPBS透過率が約90%、ビーム方位Cd=135°かつ入射角度Aie=±5°のときのPBS透過率が約70%、入射角度Aie=0°のときのPBS透過率が約65%であることから、ビーム平行方位Cdθ//を45°に設定した場合、光ビーム40におけるビーム平行方位Cdθ//のリム強度比率の改善効果は小さいなるものの、入射角度Aieが大きくなるにつれて透過率が上昇を続けることから、入射角度Aieが大きい(例えば±7°を超える)場合に有効である。
(9)第9の実施の形態
図40及び図41は、第9の実施の形態を示すもので、図1〜21に示す第1の実施の形態に対応する部分を同一符号で示しており、本実施の形態における光ピックアップ66(図示せず)は、偏光調整波長板32の代わりに偏光調整波長板44(図示せず)を有している。なお、光ディスク装置10としての構成は図4と同一であるため、便宜上説明を省略する。
図40及び図41は、第9の実施の形態を示すもので、図1〜21に示す第1の実施の形態に対応する部分を同一符号で示しており、本実施の形態における光ピックアップ66(図示せず)は、偏光調整波長板32の代わりに偏光調整波長板44(図示せず)を有している。なお、光ディスク装置10としての構成は図4と同一であるため、便宜上説明を省略する。
偏光調整波長板44では、第1サブ波長板43A及び第2サブ波長板44Bの結晶軸倒れ角度φを小さくすることにより光ビーム40に発生させる位相差Δの入射角依存性を大きく発現させると共に、厚みtaの設定により光ビーム40の中心部分に位相差Δ=1200°(3×360°+120°)を発生させるようになされており、各サブ波長板44Z(第1サブ波長板44A及び第2サブ波長板44B)の厚みtaが0.1[mm]、ビーム中心部に対する位相差Δが600°にそれぞれ設定され、結晶軸倒れ角度φが±57.3°(それぞれ57.3°と122.7°)に設定されている。
図18に対応する図40には、ビーム方位Cdを22.5°おきに変化させたときの光ビーム40に対するPBS24の透過率の入射角依存性を示しており、ビーム方位Cdが45°及び135°のときのグラフを図41に示している。
図41から分かるように、ビーム方位Cd=45°かつ入射角度Aie=±5°のときのPBS透過率が約75%であり、ビーム方位Cd=135°かつ入射角度Aie=±5°のときのPBS透過率が約60%であり、入射角度Aie=0°のときのPBS透過率が約65%であることから、ビーム平行方位Cdθ//を45°に設定した場合には、光ビーム40におけるビーム平行方位Cdθ//のリム強度比率の改善効果は小さいものの、入射角度Aieが大きくなるにつれて透過率が上昇を続けることから、入射角度Aieが大きい(例えば±7°を超える)の場合に有効である。
(10)まとめ
以下に、上述した第1〜第9の実施の形態についてまとめる。なお、偏光調整波長板32〜44に対し、便宜上全て同一の符号「32」を付して説明する。
以下に、上述した第1〜第9の実施の形態についてまとめる。なお、偏光調整波長板32〜44に対し、便宜上全て同一の符号「32」を付して説明する。
偏光調整波長板32では、結晶材料の結晶軸倒れ角度φを小さくする(図23)ことにより、位相差Δの入射角依存性を一段と大きく発現させることができ、入射角度Aie=±5°における光ビーム40に対するPBS透過率を上昇させることができる。
なお、偏光調整波長板32では、結晶軸倒れ角度φを光ビーム40の入射角度Aieの最大値(すなわち、ビーム周縁部の入射角度Aie)よりも小さく設定すると入射角度Aieを超えた時点で入射角依存性の特性が±方向に反転してしまい、所望の入射角依存性を得られなくなるため、結晶軸倒れ角度φを入射角度Aieの最大値よりも大きく設定することが好ましい。
また、偏光調整波長板32の結晶軸倒れ角度φを大きくする(図27及び図29)ことにより、偏光調整波長板32の入射角依存性を低下させ、入射角度Aie=±5°以上において光ビーム40に対するPBS24の透過率が垂れ下がるのを防止できるため、入射角度Aieが大きい場合には好ましい特性となる。なお、結晶軸倒れ角度φを大きくすると、入射角依存性が徐々に低下するため、ある程度の入射角依存性を発現させてリム強度比率改善効果を得るためには、結晶軸倒れ角度φは60°以下に設定することが好ましい。
従って、入射角Aieや光ビーム40のアスペクト比などにより、結晶軸倒れ角度φを適宜選定することができる。
また、偏光調整波長板32によってビーム中心部に生じさせる位相差Δを、480°から460°に減少させる(図31)ことにより、光ビーム40に対するPBS透過率を全体的に低下させることができる。
これに対し、ビーム中心部に生じさせる位相差Δを大きくする(360°+180°に近づける)ことにより、ビーム中心部におけるPBS透過率を向上させることができる。例えば、結晶倒れ角度φを大きくして光ビーム40に生じさせる位相差Δの入射角度依存性を小さくした場合に、ビーム中心部において生じさせる位相差Δを大きく設定する(例えば、位相差Δ=360°+150°)ことにより、緩やかなリム強度改善効果を得ることができると共に、光ビーム40の光利用効率を向上させることができる。
さらに、偏光調整波長板32を1次(位相差Δ=360°+120°)ではなく、2次又は3次(位相差Δ=m×360°+120°)として形成する(図33及び図35)ことにより、光ビーム40に生じさせる位相差Δの入射角依存性を一段と大きく発現させることができ、入射角度Aie=±5°における光ビーム40に対するPBS透過率を上昇させることができる。この場合においても、結晶軸倒れ角度φを変化させる(図38及び図40)と、この変化に応じて1次として形成した場合と同様の効果を得ることができる。
従って、ビーム周縁部の入射角度AieやAPC用検出光としての必要光量など、種々の要因に応じて適宜結晶軸倒れ角度φ及び厚みtaを選定することにより、所望の特性を有する偏光調整波長板32を形成することが可能となる。
なお、偏光調整波長板32では、ビーム中心部とビーム周縁部とで異なる位相差Δを発生させることから、波面収差を発生させることになるが、この波面収差は実際上問題となるレベルではない。また、この波面収差は光ピックアップ20に別途補正手段を設けることにより解消することが可能である。
(11)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、1/2波長板31及び偏光調整波長板32がそれぞれ別個の波長板として形成されるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば図42(A)に示すように図22で使用された1/2波長板33及び偏光調整波長板34を一つの波長板30として形成するようにしても良く、また、図42(B)に示すように図7の1/2波長板31及び偏光調整波長板32を一つの波長板30として形成するようにしても良い。
なお上述の実施の形態においては、1/2波長板31及び偏光調整波長板32がそれぞれ別個の波長板として形成されるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば図42(A)に示すように図22で使用された1/2波長板33及び偏光調整波長板34を一つの波長板30として形成するようにしても良く、また、図42(B)に示すように図7の1/2波長板31及び偏光調整波長板32を一つの波長板30として形成するようにしても良い。
また上述の実施の形態においては、偏光調整波長板32の入射側面に対して結晶軸を傾けることにより、結晶軸倒れ角度φを所定の角度にするようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば図43に示すように、入射側面に対して結晶軸が直交するように偏光調整波長板32を形成し、この偏光調整波長板32自体を光軸40aに対して傾けることにより、偏光調整波長板32の結晶軸倒れ角度φを設定するようにしても良い。この場合、例えば光ビーム40の入射及び出射時の屈折により、光軸40aは図43のように傾くことになり、この傾いた光軸40aと結晶軸とのなす角が結晶軸倒れ角度φとされる。
さらに上述の実施の形態においては、第1サブ波長板32Aと第2サブ波長板32Bの結晶軸方位Ccrを同一にするようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば結晶軸方位Ccrを直交させることにより、上述した遅相軸方位の入射角依存性をビーム方位Cdに応じて変化しないようにすることができる。これにより、例えばその形状が真円でなるような光ビーム40のリム強度比率のみを改善することが可能となる。この場合、例えば偏光調整波長板32にP偏光を入射してP偏光を出射すると共に、第1サブ波長板32A又は第2サブ波長板32Bと厚み差分δtによって差分値だけビーム中心部に位相差Δを生じさせるようにする。このとき、厚み差分δtに応じて位相差Δが入射角度Aieの±方向に非対称になると考えられるが、結晶軸倒れ角度φを調整し、光軸40aに対して非対称にすることにより位相差Δの非対称性を改善することができる。
さらに上述の実施の形態においては、第1サブ波長板32Aと第2サブ波長板32Bの厚みtaを同一にするようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、第1サブ波長板32Aと第2サブ波長板32Bとの結晶軸倒れ角度φがZ軸に対して反対方向になっていれば、厚みtaの調整により上述した第1の実施の形態の偏光調整波長板32と同様の効果を得ることができる。例えば第1サブ波長板32Aの厚みtaを第2サブ波長板32Bの厚みtaの2倍に設定し、第1サブ波長板32Aの結晶軸倒れ角度φの絶対値を第2サブ波長板32Bの1/2に設定するようにする。
さらに上述の実施の形態においては、偏光調整波長板32を、結晶軸に対して偏光方向を転置するという1/2波長板と類似する作用をさせるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば入射されたP偏光でなる光ビーム40をP偏光とS偏光の比率のみを調整し、そのままその殆どをP偏光として出射するようにしても良い。
さらに上述の実施の形態においては、180°波長板と類似の作用をさせる偏光調整波長板32においてその位相差Δの設計値(180°)からの差分値を60°に設定するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、この差分値は、入射角依存性の大きさや光ビーム40のリム強度比率などによって5°〜100°の範囲で適宜選択することができる。差分値が5°よりも小さいと、リム強度比率の改善効果が殆ど得られず、差分値が100°よりも大きいと、偏光調整波長板32に要求される特性(例えば1/2波長板としての特性)が変化してしまうためである。
さらに上述の実施の形態においては、ビーム平行方位Cdθ//を45°に設定するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、光ビーム40の形状や、必要となるリム強度比率の改善効果、ビーム平行方位Cdθ//に対するビーム垂直方位Cdθ⊥のリム強度RMの縮小率など種々の要因に応じてビーム平行方位Cdθ//は適宜選択される。
さらに上述の実施の形態においては、PBS24によって透過されたP偏光でなる光ビーム40を対物レンズ27に導くようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、PBS24で反射されたS偏光でなる光ビーム40を対物レンズ27に導くようにしても良い。この場合、偏光調整波長板32は、ビーム中心部におけるS偏光の比率をビーム周縁部におけるS偏光の比率よりも小さくすることにより、対物レンズ27に導かれる光ビーム40の形状を成形することができる。
さらに上述の実施の形態においては、2枚の結晶材料でなる第1サブ波長板32A及び第2サブ波長板32Bとによって偏光調整波長板32を構成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば第1サブ波長板32A単体を偏光調整波長板として使用したり、3枚以上のサブ波長板32Zを組み合わせて使用するようにしても良い。
さらに上述の実施の形態においては、第1サブ波長板32A及び第2サブ波長板32Bとして、右水晶と左水晶を組み合わせて使用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、右水晶同士、左水晶同士組み合わせても良く、また、水晶以外の材料を結晶材料として使用するようにしても良い。
さらに上述の実施の形態においては、偏光調整波長板32に使用される結晶材料として1軸性結晶である水晶を用いるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、2軸性の結晶を用いることもできる。この場合には、複屈折を呈さない方向が2方向存在することになるが、この2方向は浅い角度を成す為、例えばこの2方向の中心線を結晶軸とすることにより、偏光調整波長板32に使用することができる。
さらに上述の実施の形態においては、1/2波長板31の結晶軸方位Ccrが偏光調整波長板32の結晶軸方位Ccrに対して90°±45°の範囲内になるように配置されるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、必ずしもこの範囲内に配置する必要はない。
さらに上述の実施の形態においては、1/2波長板31の次数mを偏光調整波長板32が有する波長依存性を相殺するように設定するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、偏光調整波長板32とは無関係に設定するようにしても良い。
さらに上述の実施の形態においては、PBS24によって反射されたS偏光でなる光ビーム40を、APC用光検出器23に導くようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、反射された光ビーム40を使用しないようにしても良い。
さらに上述の実施の形態においては、光ビーム40として405[nm]でなる青色レーザ光を使用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、光ディスク100の方式に応じた種々の波長でなる光ビーム40を使用することができる。
さらに上述の実施の形態においては、光ピックアップ20を有する光ディスク装置10に本発明の偏光調整波長板32を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えばプロジェクタなど、光源から発射した光を使用する様々な光学装置に使用するようにしても良い。
さらに上述の実施の形態においては、光源としてのレーザダイオード1と、偏光調整板としての偏光調整波長板32と、偏光ビームスプリッタとしてのPBS24と、対物レンズとしての対物レンズ27とによって光ピックアップとしての光ピックアップ20を構成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる光源と、偏光調整板と、偏光ビームスプリッタと、対物レンズとによって本発明の光ピックアップを構成するようにしても良い。
本発明は、例えば光ディスク装置や光学装置が搭載された種々の電子機器に利用することができる。
1……レーザダイオード、2……レーザ光、10……光ディスク装置、20……光ピックアップ、23……APC用光検出器、24……PBS、25……コリメータレンズ、27……対物レンズ、30……波長板、31……1/2波長板、32……偏光調整波長板、32A……第1サブ波長板、32A……第2サブ波長板、40……光ビーム、40a……光軸、Aie……入射角度、φ……結晶軸倒れ角度、Ccr……結晶軸方位、Cd……ビーム方位、Cdθ//……ビーム平行方位、Cdθ⊥……ビーム垂直方位。
Claims (14)
- 発散光でなる光ビームを発射する光源と、
複屈折を有する結晶材料でなり、複屈折を呈さない方向である結晶軸を上記光ビームの光軸に直交する直交平面から起こすように配置させ、上記結晶材料が有する入射角依存性を発現させると共に、上記光ビームの中心部に生じさせる位相差が、上記光ビームを第1の直線偏光として出射するための所望の設計値から所定の差分値だけ低くなるように上記光軸に対する厚さが設定されることにより、上記第1の直線偏光の割合が上記光ビームの中心部よりも上記光ビームの周縁部で高くなるように、上記第1の直線偏光と当該第1の直線偏光に直交する第2の直線偏光の割合を調整する偏光調整板と、
調製された上記光ビームにおける上記第1の直線偏光と上記第2の直線偏光とを分離する偏光ビームスプリッタと、
上記第1の直線偏光を集光して光ディスクに照射する対物レンズと
を具えることを特徴とする光ピックアップ。 - 上記偏光調整板は、
2枚のサブ波長板から構成されており、
上記2枚のサブ波長板は、
上記光軸と直交する直交平面に投影された上記結晶軸が平行であり、上記結晶軸の光軸に対する角度が上記光軸に対して対称であり、かつ上記結晶材料の光軸に対する厚みが同一である
ことを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ。 - 上記光源は、
上記光軸方向に直交する第1の方向の発散角が最大となり、当該光軸方向及び第1の方向に直交する第2の方向の発散角が最小となるように発射するレーザダイオードであり、上記第2の方向における上記光ビームの周縁部での上記第1の直線偏光の割合が、上記第1の方向における上記光ビームの周縁部での上記第1の直線偏光の割合よりも大きくなるように配置される
ことを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ。 - 上記結晶材料は、
旋回性を有しており、
上記偏光調整板は、
互いに逆周りの旋回性を有する上記サブ波長板が組み合わされている
ことを特徴とする請求項2に記載の光ピックアップ。 - 上記偏光調整板は、
上記光ビームを第1の直線偏光として出射するために生じさせる必要のある最小限の位相差に、上記光ビームの1波長分の位相差を加えた値を上記設計値とする
ことを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ。 - 上記偏光調整板は、
mを正の整数、λを上記光ビームの波長としたときに、上記設計値が(m+1/2)λで表される
ことを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ。 - 上記偏光調整板は、
λを上記光ビームの波長としたときに、上記設計値が3/2×λで表される
ことを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ。 - 上記光ビームの偏光方向を変換することにより、上記偏光調整板に対して上記第2の直線偏光でなる上記光ビームを入射させる1/2波長板
を具えることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ。 - 上記1/2波長板は、
上記直交平面に投影された上記偏光調整板の上記結晶軸の角度に対して、上記直交平面に投影されたときの上記1/2波長板の遅相軸の角度が90°±45°の範囲内になるように配置されることにより、上記偏光調整板が発生する波長依存性を相殺する
ことを特徴とする請求項8に記載の光ピックアップ。 - 上記1/2波長板は、
m次の1/2波長板でなり、上記偏光調整板が発生する波長依存性を相殺するように整数mが選定される
ことを特徴とする請求項9に記載の光ピックアップ。 - 上記偏光ビームスプリッタは、
上記第2の直線偏光でなる光ビームを、APC(Auto Power Control)用の光検出器に導く
ことを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ。 - 発散光でなる光ビームを発射する光源と、
上記光源の光強度を制御する光強度制御部と、
複屈折を有する結晶材料でなり、上記光ビームの光軸に直交する直交平面から複屈折を呈さない方向である結晶軸を起こすように配置させ、上記結晶材料が有する入射角依存性を発現させると共に、上記光ビームの中心部に生じさせる位相差が、上記光ビームを第1の直線偏光として出射するための所望の設計値から所定の差分値だけ低くなるように上記光軸に対する厚さが設定されることにより、上記第1の直線偏光の割合が上記光ビームの中心部よりも上記光ビームの周縁部で高くなるように、上記第1の直線偏光と当該第1の直線偏光に直交する第2の直線偏光の割合を調整する偏光調整板と、
調製された上記光ビームにおける第1の直線偏光と上記第2の直線偏光とを分離する偏光ビームスプリッタと、
上記第1の直線偏光を集光して光ディスクに照射する対物レンズと
を具えることを特徴とする光ディスク装置。 - 複屈折を有する結晶材料でなり、複屈折を呈さない方向である結晶軸を入射される光ビームの光軸に直交する直交平面から起こすように配置させ、上記結晶材料が有する入射角依存性を発現させると共に、上記光ビームの中心部に生じさせる位相差が、上記光ビームを第1の直線偏光として出射するための所望の設計値から所定の差分値だけ低くなるように上記光軸に対する厚さが設定されることにより、上記第1の直線偏光の割合が上記光ビームの中心部よりも上記光ビームの周縁部で高くなるように、上記第1の直線偏光と当該第1の直線偏光に直交する第2の直線偏光の割合を調整する
ことを特徴とする偏光調整板。 - 発散光でなる光ビームを発射する光源と、
複屈折を有する結晶材料でなり、複屈折を呈さない方向である結晶軸を上記光ビームの光軸に直交する直交平面から起こすように配置させ、上記結晶材料が有する入射角依存性を発現させると共に、上記光ビームの中心部に生じさせる位相差が、上記光ビームを第1の直線偏光として出射するための所望の設計値から所定の差分値だけ低くなるように上記光軸に対する厚さが設定されることにより、上記第1の直線偏光の割合が上記光ビームの中心部よりも上記光ビームの周縁部で高くなるように、上記第1の直線偏光と当該第1の直線偏光に直交する第2の直線偏光の割合を調整する偏光調整板と、
調製された上記光ビームにおける第1の直線偏光と上記第2の直線偏光とを分離する偏光ビームスプリッタと
を具えることを特徴とする光学装置。
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