JP2008117234A - 広告診断プログラム、装置及び方法 - Google Patents
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Abstract
【解決課題】広告診断装置10は、広告目的に直結する直接項目及び広告受け手に訴求すべき間接項目を含む第1アンケート調査と、診断対象たる広告を視聴後広告の印象を回答させる間接項目を含む第2アンケート調査との回答を分析する。データ処理部13は、第1アンケート調査の回答を分析し、広告目的に対応して定められた目的変数の現状値を求め、広告目的に対応して定められた目的変数と間接項目に対応する説明変数との関係を回帰分析で求める。広告目的の目標から目的変数の目標値を算出し、回帰分析で求めた関係を用いて説明変数の各目標値を求める。視聴された広告の印象の第2アンケート調査結果の分析で、間接項目に対応した説明変数の各現状値を求め、説明変数の各目標値と対比させて広告目的の達成度を算出する。
【選択図】図1
Description
また、十分な広告効果を得るために、広告に含まれるメッセージを代えたり、そのメッセージを伝えるために広告に登場するタレントやモデルなどの演出者を交代させたりすることで、広告改善がなされているところ、その判断は人為的になされている。また、広告主からの特定のメッセージを伝達するために、一つの広告ではなく、複数の広告を組み合わせて、需要者となる視聴者に提供する場合もある。この場合においても、広告の取捨選択したり、選択した中からどれをどのように組み合わせるかについては、広告作成者側の主観や経験に依拠している。かように、広告改善や構築の仕方は広告作成者側の主観や経験に大きく依存している。
しかしながら、広告主が設定した広告目的を達成するよう、広告の受け手である一般需要者の立場から広告を構築したり改善したりするための客観的なツールが存在しない。さらに、かかる広告改善により、広告の受け手への印象がどのように変化したかにつき、広告代理店は広告主に説明を求められているところ、その説明のための客観的なツールが存在しない。
以上のように、従来では、広告目的と広告効果との因果性を分析することは容易ではなく、広告改善は広告作成者側の主観や経験に依拠することから広告作成者側の力量や主観や経験に大きく左右される、という課題がある。
上記構成において、好ましくは、第2ステップでは、先ず、第1アンケート調査のうち間接項目を同一の性質を有するよう因子に分類し、因子と間接項目との関係を第1の関係式として求め、次に、第1ステップで求めた広告目的に対応して定められた目的変数と因子との関係を第2の関係式として求め、第3ステップでは、目的変数の目標値から説明変数の各目標値を算出する際に、第1の関係式及び第2の関係式とからなる関係式を用いる。
好ましくは、第5ステップに続き、第5ステップで求めた広告目的の達成度に基づいて広告改善の指針を出力する第6ステップを、コンピュータに実行させる。
好ましくは、第6ステップで出力した広告改善の指針に基づいて広告が再構築され、かつ、再構築された広告につき第2アンケート調査の回答が入力されると、第4ステップに戻り、第5ステップで広告改善の達成度を求める。
好ましくは、第4ステップでは、第2アンケート調査の質問項目に広告の視聴率を求めるための項目が含まれており、第5ステップでは、診断対象たる広告の視聴率をも算出し、第6ステップでは、第5ステップで算出した認知率を加味し、広告改善の指針を出力する。
好ましくは、広告目的は、広告主が提供する商品又はサービスのシェアの向上であり、
広告目的に対応して定められた目的変数は、広告主が提供する商品の購入意向であるか又は広告主が提供する役務の利用意向である。
上記構成において、好ましくは、関係式算出部は、第1アンケート調査のうち間接項目を同一の性質を有するように因子に分類し、因子と間接項目との関係を第1の関係式として求め、広告目的に対応して定められた目的変数と分類した因子との関係を第2の関係式として求める。
好ましくは、データ処理部は、さらに、達成度算出部で求めた広告目的の達成度に基づいて広告改善の指針を求めて前記入出力部に出力する広告改善指針提示部を有する。
好ましくは、データ処理部は、さらに、広告改善指針提示部で求めた広告改善の指針に基づいて再構築された広告につき、改善の達成度を求めるためのルーティング判定部を備え、ルーティング判定部は、広告を視聴した調査対象者が受けた印象につき、入出力部から記憶部に第2アンケート調査の回答の入力があることを判断し、かつ、現状値算出部と達成度算出部とで広告改善の達成度を求める。
好ましくは、記憶部に格納される第2アンケート調査の質問項目には、診断対象たる広告の認知率を求めるための項目が含まれており、現状値算出部は、質問項目の回答から診断対象たる広告の認知率をも算出し、広告改善指針提示部は、広告改善の指針を求める際に、算出した認知率を加味する。
好ましくは、広告目的は、広告主が提供する商品又はサービスのシェアの向上であり、広告目的に対応して定められた目的変数は、広告主が提供する商品の購入意向であるか又は広告主が提供する役務の利用意向である。
上記構成において、好ましくは、関係式算出ステップにて、演算処理部が、第1アンケート調査のうち間接項目を同一の性質を有するように因子に分類し、因子と間接項目との関係を第1の関係式として求め、広告目的に対応して定められた目的変数と分類した因子との関係を第2の関係式として求める。
好ましくは、達成度算出ステップに続き、演算処理部が、達成度算出ステップで求めた広告目的の達成度に基づいて広告改善の指針を、入出力部に対し、出力表示指示を行う改善指針提供ステップを行う。
好ましくは、改善指示提供ステップに続き、入出力部が、広告改善の指針に基づいて広告が再構築された旨の入力を受け、さらに、広告を視聴した調査対象者が受けた印象につき、入出力部から記憶部に第2アンケート調査の回答の入力を受けると、現状地算出ステップに戻り、達成度算出ステップにて、再構築された広告の改善度を求める。
好ましくは、現状値算出ステップにて、演算処理部が、第2アンケート調査の回答から診断対象たる広告の認知率をも算出しておき、改善指針提供ステップにて、演算処理部が、現状値算出ステップにて算出した認知率を加味して広告改善の指針を入出力部に対し出力表示するよう指示を行う。
好ましくは、広告目的は、広告主が提供する商品又はサービスのシェアの向上であり、
広告目的に対応して定められた目的変数は、広告主が提供する商品の購入意向であるか又は広告主が提供する役務の利用意向である。
本発明の広告診断装置は、本発明の広告診断プログラムを記憶部、演算処理部及び入出力部を備えたコンピュータに格納して実行することで実現することもできる。この本発明の広告診断プログラムの実行により、本発明の広告診断方法を実現することができる。よって、広告主の意向に沿った広告改善の指針や広告改善の効果・影響を把握するための客観的なデータを得ることができる。
最初に、本発明のコンセプトについて説明する。
本発明は、広告が広告目的を達成しているかについて、調査対象者によるアンケート調査の回答を分析し、広告目的と広告効果との関係から、広告主の意図がどの程度視聴者に伝達されているかを診断してその伝達の度合いを求め、さらには広告改善のための指針を提供することで広告目的の達成を図るものである。ここで、調査対象者は、アンケート調査に回答する者である。例えば、アンケート調査依頼者が、商品・サービスの利用者や見込み客の客層をターゲットとして予め定められた者のリストから確率的に抽出し、抽出された結果アンケートの回答者となる人である。
先ず、第1ステップとして、調査対象者に対し行った第1アンケート調査の回答を集計して、調査対象者全体の構成と広告目的に対応して定められた目的変数の初期値とを求める。第1アンケート調査の質問項目には、広告目的に直結する直接項目と、広告目的を達成するために広告の受け手に訴求すべき項目と、を含むように質問項目が設定されている。ここで、「直接項目」とは、広告主が定めた広告目的が達成されることで調査対象者個人に与える効果を、質問形式に直したものである。この効果のことを、「目的変数」と呼ぶことにする。一方、「間接項目」とは、広告主が定めた広告目的が達成されるために、調査対象者個人に広告が訴求する要因を、質問形式に直したものである。訴求する要因のことを、「説明変数」と呼ぶことにする。このようにして定義した「目的変数」及び「説明変数」という語は、重回帰分析手法など原因と結果との関係を説明するための解析手法において、原因にあたる変数を「説明変数」と、一方の結果にあたる変数を「目的変数」と、それぞれ名付けられていることに因んで、本発明においてもかかる用語を採用している。なお、「直接項目」には、必要に応じて、調査対象者の属性に関する項目も含まれており、ここで、含まれる項目は、説明変数の現状値を求めるために必要とされる性質も属性であって、後述するように、調査対象者が広告主を支持する者であるか又は支持しない者であるかを尋ねる質問項目である。第1アンケート調査の項目についての具体的な例は後述するが、概略説明すると、例えば、広告目的が「売り上げシェアの向上」である場合には、「目的変数」は「広告主が提供する商品の購入意向」であり、「説明変数」は「広告主が提供する商品を、顧客が買おうとする衝動などの要因」で、具体的には「ブランドであるから」とか、「すばらしい商品であるから」といった各個人の商品購入の選択の要因に相当する。この第1アンケート調査の調査対象者からの回答を集計して分析を行うことで、調査対象全体の構成比と、広告目的に対応して定められる目的変数の初期値を求める。
よって、本発明の広告診断の手順を踏むことで、広告を広告主の意向に沿って構築し、需要者に対しどの程度、どのように伝達されて把握されているか、つまり、広告目的と広告効果との因果性を容易に客観的に分析することができる。
図1は、本発明の一形態に係る広告診断装置を有する広告診断システム1のシステム構成図である。広告診断システム1は、本発明の一形態である広告診断装置10と調査対象者が直接使用する端末装置2とをネットワーク3を経由して接続して構築される。広告診断装置10は、外部との入出力を行う入出力部11と、第1及び第2のアンケート調査の回答などを格納する記憶部12と、この記憶部12に記憶されている第1及び第2のアンケート調査の回答をデータ処理することで広告診断を行うデータ処理部13と、を有する。この広告診断装置10は、入出力部11と、記憶部12と、演算処理部とを有するコンピュータにおいて、演算処理部に本発明の一形態に係る広告診断プログラムを格納し、格納した広告診断プログラムを実行することで、演算処理部をデータ処理部13として機能させ、コンピュータを広告診断装置10として実現させてもよい。
現状値算出部13eは、診断対象たる広告を視聴した調査対象者から広告の視聴により受けた印象に関し、入出力部11から記憶部12に、第2アンケート調査の間接項目の回答を受けると、この回答をデータ化し、診断対象たる広告における間接項目に対応した説明変数の各現状値を求める。
広告改善指針提示部13gは、現状値算出部13eで求めた説明変数の各現状値と目標値算出部13dで算出した説明変数の各目標値とを比較することで、この広告についての広告目的の達成度を求める。
図2及び図3は本発明の広告診断方法の流れを示すフロー図で、図2は前半のフロー図、図3は後半のフロー図である。
先ず、広告診断装置10のアンケート調査実行部14が、調査対象者の各端末装置2に対して第1アンケート調査の依頼が送信され、各調査対象者が端末装置2に第1アンケート調査の回答を行う。端末装置2が広告診断装置10にその回答を返信することで、広告診断装置10の記憶部12に第1アンケート調査の回答が格納される(STEP1)。
よって、調査対象者が図4に示す第1アンケート調査の回答欄に沿ってアンケートに回答する。選択された肢の情報は、端末装置2からネットワーク3を経由して広告診断装置10の記憶部12に格納される。
以上のようにして求められた結果は、図5(B)に示すように、画面表示されて、広告事業者の従業者(以下、「診断者」とする。)に対して今回のアンケート調査がどのような傾向にあるかを認識させてもよい。
先ず、初期値算出部13aは、各調査対象者の間接項目の回答データを集計して、各間接項目につき点数の平均値を求め、間接項目の項目毎に、即ち、間接項目に対応した説明変数毎に、個別イメージスコアとして図5(C)に示すようにテーブルに格納する(STEP2−2)。個別イメージスコアは、(点数の総和)/(サンプル数)として求めることができる。なお、点数は、間接項目のうち、例えば「技術開発力がある会社は?」の項目において広告主を選択した場合、シングルアンサーでは3点、マルチアンサーでは2点、広告主を選択しなかった場合には1点とする。また、集計による点数化は、モニターの総数に対し、広告主の会社を選択した調査対象者数の割合として求めてもよい。
即ち、第1の因子X1={a1,a2,・・・}
第2の因子X2={b1,b2,・・・}
第3の因子X3={c1,c2,・・・}
第4の因子X4={d1,d2,・・・}
を求め、次式の関係式(特に、「第1の関係式」という。)
X1=A1a1+A2a2+・・・
X2=B1b1+B2b2+・・・
X3=C1c1+C2c2+・・・
X4=D1d1+D2d2+・・・
を求める。第1の関係式は、因子の構成要素となる「説明変数」の1次関数として表記される。
なお、Ai,Bi,Ci,Di(iは自然数)は、それぞれ各因子に対する要素の重要度を示す重み付けとなる係数である。ここで、各因子の要素は入出力部11に表示され、診断者はグルーピングの結果が正しいか否かが判断できるようにしてもよい。また、グルーピングから外す項目を入出力部11から入力できるようにしておき、特定の項目のみでグルーピングするようにしてもよい。この場合、入出力部11に入力された診断者のグルーピングの指示に従い、正しくグルーピングできるまで繰り返す。
目的変数:Y=F(XL)=AX1+BX2+CX3+DX4+E (L=1〜4)
を求める(STEP2−3)。なお、A、B、C、Dは係数であり、Eは定数である。また、第2の関係式は重回帰分析により求められるため、「重回帰式」ともいう。
図6は、広告診断装置10の記憶部12に格納されている、広告主の目標設定テーブルの一例を示す図である。広告主は国内シェアの拡大を広告目的として設定する場合を例にすると、別途自社や他社の販売実績や市場調査などにより求めた国内シェアの現在値を求め、その現在値から経営目的、経営戦略として国内シェアの目標値を求める。この国内シェアの現在値と目標値とが、図6に模式的に示すように、広告診断装置10の記憶部12内の目標設定テーブルに格納されている。
第1の手法は、第2の関係式から各因子の増加分ΔXLを重回帰式の係数から求める。
即ち、目的変数の増加分ΔYから、各因子の増加分ΔXLを次式の比率で分配させる。
ΔX1:ΔX2:ΔX3:ΔX4=A:B:C:D
いま、目的変数の増加分ΔYと係数A、B、C、Dは既知であるので各因子の増加分ΔXLが求まり、因子の各現状値XL(L=1〜4)を加えることで、因子の各目標値のXL(L=1〜4)が求まる。
即ち、ΔX1/ΔY=A/(A2+B2+C2+D2)
ΔX2/ΔY=B/(A2+B2+C2+D2)
ΔX3/ΔY=C/(A2+B2+C2+D2)
ΔX4/ΔY=D/(A2+B2+C2+D2)
から、因子の各目標値は、XL+ΔXLとして求まる。
このようにして求めた因子の各目標値を、同様に、第1の関係式の各係数に応じて分配することで、各説明変数の目標値が求まる。即ち、第1因子の増加分ΔX1から、説明変数(要素)毎の増加分Δapを次式の比率で分配させる。例えば、p=1〜4の場合には、次式となる。
Δa1:Δa2:Δa3:Δa4=A1:A2:A3:A4
Δap/ΔX1=A1/(A1 2+A2 2+A3 2+A4 2)
よって、説明変数の目標値は、説明変数の現状値ap(p=1〜4)に増加分Δapを加えることで、説明変数の各目標値がap+Δapとして求まる。
同様にして、他の因子X2、X3、X4に関する説明変数の目標値bq,cr,dsも求まる。
例えば、ΔX1:ΔX2=A:B
ΔX3=ΔX4=0
とし、目的変数の増加分ΔYと係数A、Bは既知であるので各因子の増加分ΔX1,ΔX2が求まり、因子の各現状値XL(L=1,2)を加えることで、因子の各目標値のXL(L=1,2)を求めてもよい。因子X1,X2における各説明変数の目標値も前述の例に従って求める。なお、説明変数の係数の大小に応じ、高い係数の項目に振り分けて、説明変数の目標値を求める。
第1因子X1に関する第1の関係式、
X1=ΣAiai(=A1a1+A2a2+・・・)
を用いて、各係数aiの逆数を説明変数の差分推定値とする。即ち、説明変数ai(i=1,2,・・・)の差分推定値を1/aiとする。
第1因子X1の差分推定値δX1を次式とする。
δX1=ΣAi/ai(=A1/a1+A2/a2+・・・)
同様に、他の因子、第2乃至第4の因子X2,X3,X4の差分推定値δX2,δX3,δX4を求める。そして、目的変数の差分推定値を、AδX1+BδX2+CδX3+DδX4として求め、この目的変数の差分推定値を定数α倍することで目的変数の増加分ΔYとなるよう、次式から比例定数αを求める。
α=ΔY/(AδX1+BδX2+CδX3+DδX4)
即ち、各因子XL(L=1〜4)の増加分ΔXL、各説明変数の増加分Δai,Δbi,Δci,Δdiを次のように求めることができる。
ΔX1=α×ΣAi/ai
ΔX2=α×ΣBi/bi
ΔX3=α×ΣCi/ci
ΔX4=α×ΣDi/di
Δai=α/ai
Δbi=α/bi
Δci=α/ci
Δdi=α/di
このようにして求めた各値に対応する現状値を加えることで、各因子XL(L=1〜4)の目標値、各説明変数の目標値を求めることができる。
例えば、第1因子の目標値はX1+ΔX1とし、説明変数の目標値は例えばai+Δaiとして、求められる。
診断者は、図7に示すように入出力部11に表示された内容を確認して、因子の分類や、各因子の要素である項目の目標値につき、確認して、妥当な目標値の設定であるか確認することができる。このとき、第1の手法や第2の手法で求めた各目標値は、図7に示すように、入出力部11の画面に表示し、診断者に確認させ、何れの手法を用いて算出した値を最終的に目標値として採用するか、選択させるようにしても良い。なお、選択のためのメニュー表示は図7では省略している。
以上で、第1アンケートの調査結果の分析を終了する。
先ず、広告診断装置10は、診断対象たる広告データを各モニターの端末装置2に送信し、端末装置2で再生を行い、各調査対象者に広告を強制的に視聴させる。その後、視聴が終了すると、広告診断装置10は、第1アンケート調査を行ったときと同様、各調査対象者の端末装置2に対し第2アンケート調査の回答依頼が送信され、各調査対象者が端末装置2に第2アンケート調査の回答を行い、広告診断装置10に返信することで、広告診断装置10の記憶部12に第2アンケート調査の回答が格納される(STEP4)。
図8は、広告診断装置10から各調査対象者の端末装置2に対して送信され、端末装置2に表示される第2アンケート調査の回答画面を示した図である。第2アンケート調査は、質問項目として、視聴した広告を見た記憶があるかを確認するチェック項目と、視聴した広告の印象を測定するための間接項目とを有している。間接項目には、第1アンケート調査の場合と同様の「項目」を用い、視聴した広告が視聴対象者にどのような印象を与えるかを回答させるようにする。チェック項目から広告の認知率を求める。ここで、第2アンケート調査は、複数の広告を視聴させ広告毎にアンケート調査を行う。なお、図8に示す第2アンケート調査における間接項目の質問項目と、図4に示す第1アンケート調査における間接項目の質問項目とは、質問形式が異なるだけである。即ち、図8に示す間接項目は、調査対象者個人に広告が訴求する要因であって、その広告から受けた印象を尋ねるよう質問形式を変更したものである。これは、第2アンケート調査では、視聴した広告に特化して質問しているためである。
次に第1アンケートの場合と同様、調査対象者毎に間接項目の調査結果を点数化する(点数化したデータを「回答データ」とする。)。各調査対象者の間接項目の回答データを集計して、各間接項目につき点数の平均値を求める。この平均値を診断対象たる広告の個別イメージスコアの推定値とする(STEP6)。
また、既にSTEP2−3で求めた第1の関係式及び第2の関係式から、各因子XL(L=1〜4)及び広告目的に関する目的変数の現状値を求める(STEP7)。
図9は、診断対象たる広告(動画ファイル)の説明変数の各現状値、各因子の現状値、広告目的に対応して定められた目的変数の現状値を格納するテーブルである。なお、図中の「項目」は、因子を構成する要素、即ち、説明変数に相当する。
複数の広告を調査対象者に視聴させて第2アンケート調査を行った場合には、図9に示すように、広告診断たる広告毎に、現状値を格納する。
その際、各説明変数や因子の現状値のみならず、購入意向、即ち、広告目的に対応して定められた目的変数の値も求まるので、目標値と比較して入出力部11に表示したり、また、STEP5で各広告の認知率も求められるので、入出力部11に表示することで、広告診断者に対して有益な情報を提供することができる。
図10は、広告診断装置10の記憶部12に格納されている改善テーブルを模式的に示す図である。広告表現要素に関する改善テーブルは、各広告表現要素が、リストと個別イメージスコアの増加に寄与する貢献度(以下単に「イメージスコア増加貢献度」という。)の順位とが関連付けて格納されている。広告表現要素としては、音楽、演出者、メッセージなどが挙げられ、リストの欄には、「○○○曲」の第1音楽P1、「○○○曲」の第2音楽P2など、広告表現要素の各データが、個別イメージスコア増加貢献度の順に、格納されており、例えば第1音楽(○○○曲)P1でのイメージスコア増加貢献度の順位「1」を格納している。
図11は、改善処理プロセスの一例として、広告診断装置10の入出力部11に画面表示される内容を模式的に示した図である。広告診断装置10の記憶部11に診断対象たる広告毎に広告表現要素を格納しておき、調査対象者に視聴させて第2アンケート調査を行った広告につき、図11に示すように、表現要素毎の現状を表示する。そして、改善余地ができないもの、図11に例示するように、第1の要素はイメージスコア増加貢献度の順位が「1」であることで、改善余地「なし」の表示を行う。しかしながら、第2及び第3の要素は個別イメージスコア増加貢献度の順位が「3」であるので、「改善余地」ありと表示し、第2及び第3の要素については、図10に示す改善テーブルを参照して、順位が「1」及び「2」の要素名を表示するようにする。
これで、診断者は広告目的を達成し得ない広告につき如何なる表現要素を改善すればよいかの指針を得ることができる。よって、広告を改善して、改善した広告を再度モニターに視聴させてアンケート調査を行うことを繰り返して、広告を広告主の目的に可及的に沿うよう改善することができる。
一般に、視聴率の総和に相当するGRPに対して認知率は、図12(A)に示すように増加する。図12(A)に示す曲線を理想曲線と定義する。
広告診断装置10は、診断対象たる広告のGRPにつき、広告診断装置10の記憶部12に格納されているGRPテーブルから得、STEP5で算出した認知率とから、入出力部11に対して、図12(A)に示す理想曲線と共に、点Pの位置を表示する。入出力部11に表示された内容を診断者が見ることで、当該広告が理想曲線に達していないことが分かる。即ち、認知率が低いことを診断者は認識する。また、広告診断装置10は、同じGRPに対する理想曲線上の点との差、即ち、認知率の理想との差を求め、図12(C)に示すような判断テーブルを参照して理想値との差に応じて、その差が改善余地の範囲であれば広告表現を改善して認知率を増加させるか又はGRPを増加させるべく判断結果を、その差が改善余地の範囲を超えてればその広告の使用を差し控えるべきという判断結果を、入出力部11に表示する。例えば、図12(C)に示すように、認知率の理想曲線との差が、「0〜−10」では「広告表現を改善せよ」、「−10以下」では「他の動画ファイルを使用せよ」というメッセージを入出力部11に出力する。これにより、診断者は入出力部11に表示された判断結果から、広告改善の指針を得ることができる。
先ず、図13(A)のように、ある広告を視聴した後の第2アンケート調査の回答により、因子毎に、第1アンケート調査で求めた初期値及び目標値と第2アンケート調査で求めた今回の値を表示し、今回の値が目標値に達成したと判断した場合には「判断」の欄に「clear」と表示し、今回の値が目標値に達しないと判断した場合には「判断」の欄に「NG」と表示する。この表示を診断対象たる広告データ全てについて行う。
そして、例えば、図13(B)に示すように、「第1CM」ではすべての因子について「NG」、「第2CM」では因子X3についてのみ「NG」、「第3CM」では因子X2、X4について「NG」、「第4CM」では因子X2、X3について「NG」と、入出力部11から表示する。診断者はこの表示を見て、「第1CM」は不採用と評価し、「第2CM」と「第3CM」とを組み合わせて各因子の目標値を達成することができると分かる。また、この表示から「第3CM」と「第4CM」との組合せ、「第2CM」と「第4CM」との組合せでは、各因子の目標値を達成できないことが分かる。
また、別の表示例として、例えば図13(C)に示すように、「第1CM」から「第4CM」の何れも因子X3は目標値に達していないので、この一連のCMは採用できないので、広告作成者に対し因子X3の要素を改善して広告を作成しなおすことを促すことができる。この場合には、再度、広告診断装置10の広告データファイル14cに再構築した広告データを格納する。再構築された旨の入力が入出力部11に対してあると、ルーティング判定部13hにより、現状値算出部13eと達成度算出部13fとで広告改善の達成度を求めさせるという繰り返し処理を行う。
なお、図13では因子毎に表示する場合を示しているが、因子のみでなく、その要素である間接項目又は説明変数を表示させて判断するようにしてもよい。
よって、広告改善を行って、改善した広告を放送や配信することで、広告機能を有効にすることができる。また、一週間後とか一ヶ月毎に再度アンケート調査を行うことで、消費者の動向を調査し、広告主の意向に沿った判断分析を行うことができる。
2・・・端末装置
3・・・ネットワーク
10・・・広告診断装置
11・・・入出力部
11a・・・送受信部
11b・・・入力部
11c・・・出力部
12・・・記憶部
13・・・データ処理部(演算処理部)
13a・・・初期値算出部
13b・・・第1関係式算出部
13c・・・第2関係式算出部
13d・・・目標値算出部
13e・・・現状値算出部
13f・・・達成度算出部
13g・・・広告改善指針提示部
13h・・・ルーティング判定部
14・・・アンケート調査実行部
14a・・・第1アンケート項目ファイル
14b・・・第2アンケート項目ファイル
14c・・・広告データファイル
Claims (18)
- 記憶部を備えたコンピュータに格納されて実行されることで、広告目的に直結する直接項目及び広告目的を達成するため広告受け手に訴求すべき間接項目を含む第1アンケート調査と、診断対象たる広告の印象を回答させる間接項目を含む第2アンケート調査と、からなるアンケート調査に対する調査対象者からの回答を分析し、診断対象たる広告が広告目的を達成するかについて診断を行う、広告診断プログラムであって、
上記記憶部に記憶されている第1アンケート調査の回答のうち直接項目の回答を集計することで、調査対象者の全体の構成比と広告目的に対応して定められた目的変数の初期値とを求める第1ステップと、
上記記憶部に記憶されている第1アンケート調査の回答のうち間接項目の回答に基づいて、広告目的に対応して定められた目的変数と間接項目に対応した説明変数との関係を関係式として求める第2ステップと、
上記記憶部に格納されている、広告目的に関する目標から広告目的に対応して定められた目的変数の目標値を算出し、この算出した目的変数の目標値から、上記第2ステップで求めた関係式を用いて説明変数の各目標値を求める第3ステップと、
上記記憶部に格納されている第2アンケート調査の回答に基づいて、該第2アンケート調査の間接項目に対応した説明変数の各現状値を求める第4ステップと、
上記第4ステップで求めた説明変数の各現状値と、上記第3ステップで求めた説明変数の各目標値と、を比較することで、広告目的の達成度を求める第5ステップとを、
上記コンピュータに実行させることを特徴とする、広告診断プログラム。 - 前記第2ステップでは、先ず、前記第1アンケート調査のうち間接項目を同一の性質を有するよう因子に分類し、因子と間接項目との関係を第1の関係式として求め、次に、前記第1ステップで求めた広告目的に対応して定められた目的変数と因子との関係を第2の関係式として求め、
前記第3ステップでは、目的変数の目標値から説明変数の各目標値を算出する際に、上記第1の関係式及び上記第2の関係式とからなる関係式を用いることを特徴とする請求項1に記載の広告診断プログラム。 - 前記第5ステップに続き、該第5ステップで求めた広告目的の達成度に基いて広告改善の指針を出力する第6ステップを、前記コンピュータに実行させることを特徴とする、請求項1に記載の広告診断プログラム。
- 前記第6ステップで出力した広告改善の指針に基づいて広告が再構築され、かつ、再構築された広告につき上記第2アンケート調査の回答が入力されると、前記第4ステップに戻り、前記第5ステップで広告改善の達成度を求めることを特徴とする、請求項3に記載の広告診断プログラム。
- 前記第4ステップでは、第2アンケート調査の質問項目に広告の視聴率を求めるための項目が含まれており、
前記第5ステップでは、診断対象たる広告の視聴率をも算出し、
前記第6ステップでは、上記第5ステップで算出した認知率を加味し、広告改善の指針を出力することを特徴とする、請求項3に記載の広告診断プログラム。 - 前記広告目的は、広告主が提供する商品又はサービスのシェアの向上であり、
前記広告目的に対応して定められた目的変数は、広告主が提供する商品の購入意向であるか又は広告主が提供する役務の利用意向であることを特徴とする、請求項1に記載の広告診断プログラム。 - 広告目的に直結する直接項目及び広告目的を達成するため広告受け手に訴求すべき間接項目を含む第1アンケート調査と、診断対象たる広告の印象を回答させる間接項目を含む第2アンケート調査と、からなるアンケート調査に対する調査対象者からの回答を分析することで、診断対象たる広告が広告目的を達成するかについて診断を行う広告診断装置であって、
診断対象たる広告を視聴させる前に行う第1アンケート調査及び診断対象たる広告を視聴させた後に行う第2アンケート調査の回答を格納する記憶部と、該記憶部に格納される第1アンケート調査及び第2アンケート調査の回答につきデータ処理を行うデータ処理部と、該データ処理部に対する入力及び該データ出力部からの出力を行う入出力部と、を備え、
上記データ処理部が、
上記記憶部に記憶されている第1アンケート調査の回答のうち直接項目の回答を集計することで、調査対象者全体の構成比と広告目的に対応して定められた目的変数の初期値とを算出する初期値算出部と、
上記記憶部に記憶されている第1アンケート調査の回答のうち間接項目の回答に基づいて、広告目的に対応して定められた目的変数と間接項目に対応した説明変数との関係を関係式として求める関係式算出部と、
上記入出力部から入力設定された、広告目的に関する目標から、広告目的に対応して定められた目的変数の目標値を算出すると共に、上記関係式算出部で求めた関係式を用いて説明変数の各目標値を算出する目標値算出部と、
上記記憶部に記憶されている第2アンケート調査の回答に基づいて、該第2アンケート調査の間接項目に対応した説明変数の各現状値を求める現状値算出部と、
上記現状値算出部で求めた説明変数の各現状値と、上記目標値算出部で算出した説明変数の各目標値と、を比較することで、広告目的の達成度を求める達成度算出部と、
を有することを特徴とする、広告診断装置。 - 前記関係式算出部は、前記第1アンケート調査のうち間接項目を同一の性質を有するように因子に分類し、因子と間接項目との関係を第1の関係式として求め、広告目的に対応して定められた目的変数と分類した因子との関係を第2の関係式として求めることを特徴とする、請求項7に記載の広告診断装置。
- 前記データ処理部は、さらに、前記達成度算出部で求めた広告目的の達成度に基づいて広告改善の指針を求めて前記入出力部に出力する広告改善指針提示部を有することを特徴とする、請求項7に記載の広告診断装置。
- 前記データ処理部は、さらに、前記広告改善指針提示部で求めた広告改善の指針に基いて再構築された広告につき、改善の達成度を求めるためのルーティング判定部を備え、
該ルーティング判定部は、該広告を視聴した調査対象者が受けた印象につき、前記入出力部から前記記憶部に第2アンケート調査の回答の入力があることを判断し、かつ、前記現状値算出部と前記達成度算出部とで広告改善の達成度を求めることを特徴とする、請求項9に記載の広告診断装置。 - 前記記憶部に格納される第2アンケート調査の質問項目には、診断対象たる広告の認知率を求めるための項目が含まれており、
前記現状値算出部は、上記質問項目の回答から診断対象たる広告の認知率をも算出し、
前記広告改善指針提示部は、広告改善の指針を求める際に、算出した認知率を加味することを特徴とする、請求項9に記載の広告診断装置。 - 前記広告目的は、広告主が提供する商品又はサービスのシェアの向上であり、
前記広告目的に対応して定められた目的変数は、広告主が提供する商品の購入意向であるか又は広告主が提供する役務の利用意向であることを特徴とする、請求項7に記載の広告診断装置。 - 診断対象たる広告を視聴させる前に行う第1アンケート調査及び診断対象たる広告を視聴させた後に行う第2アンケート調査の回答を格納する記憶部と、該記憶部に格納される第1アンケート調査及び第2アンケート調査の回答につきデータ処理を行う演算処理部と、該演算処理部への入力及び該演算処理部からの出力を含む制御を行う入出力部と、を有するコンピュータを用いて、広告の診断を行う広告診断方法であって、
上記演算処理部が、広告目的に直結する直接項目及び広告目的を達成するため広告受け手に訴求すべき間接項目を含む第1アンケート調査の回答を、上記記憶部に格納する格納ステップと、
上記演算処理部が、上記記憶部に格納されている第1アンケート調査の回答を集計することで、調査対象者全体の構成比と広告目的に対応して定められた目的変数の初期値を求める初期値算出ステップと、
上記演算処理部が、上記記憶部に格納されている第1アンケート調査の回答のうち間接項目の回答に基づいて、広告目的に対して定められた目的変数と間接項目に対応した説明変数との関係を関係式として求める関係式算出ステップと、
上記演算処理部が、上記入出力部から入力設定された広告目的に関する目標から、広告目的に対応して定められた目的変数の目標値を算出し、この算出した目的変数の目標値から、上記関係式算出ステップで求めた関係式を用いて、説明変数の各目標値を求める目標値算出ステップと、
上記演算処理部が、上記記憶部に格納されている第2アンケート調査の回答に基づいて、診断対象たる広告における第2アンケート調査の間接項目に対応した説明変数の各現状値を求めさせる現状値算出ステップと、
上記演算処理部が、上記現状値算出ステップで求めた診断対象たる広告における説明変数の各現状値と、上記目標値算出ステップで求めた説明変数の各目標値と、を比較することで該広告についての広告目的の達成度を求める達成度算出ステップと、
を行うことを特徴とする、広告診断方法。 - 前記関係式算出ステップにて、前記演算処理部が、前記第1アンケート調査のうち間接項目を同一の性質を有するように因子に分類し、因子と間接項目との関係を第1の関係式として求め、広告目的に対応して定められた目的変数と分類した因子との関係を第2の関係式として求めることを特徴とする、請求項13に記載の広告診断装置。
- 前記達成度算出ステップに続き、前記演算処理部が、該達成度算出ステップで求めた広告目的の達成度に基づいて広告改善の指針を、前記入出力部に対し、出力表示指示を行う改善指針提供ステップを行うことを特徴とする、請求項13に記載の広告診断方法。
- 前記改善指示提供ステップに続き、前記入出力部が、広告改善の指針に基づいて広告が再構築された旨の入力を受け、さらに、該広告を視聴した調査対象者が受けた印象につき、前記入出力部から前記記憶部に第2アンケート調査の回答の入力を受けると、前記現状地算出ステップに戻り、前記達成度算出ステップにて、再構築された広告の改善度を求めることを特徴とする、請求項15に記載の広告診断方法。
- 前記現状値算出ステップにて、前記演算処理部が、第2アンケート調査の回答から診断対象たる広告の認知率をも算出しておき、
前記改善指針提供ステップにて、前記演算処理部が、上記現状値算出ステップにて算出した認知率を加味して広告改善の指針を前記入出力部に対し出力表示するよう指示を行うことを特徴とする、請求項15に記載の広告診断方法。 - 前記広告目的は、広告主が提供する商品又はサービスのシェアの向上であり、
前記広告目的に対応して定められた目的変数は、広告主が提供する商品の購入意向であるか又は広告主が提供する役務の利用意向であることを特徴とする、請求項13に記載の広告診断方法。
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