JP2008116846A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

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豊 野上
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Abstract

【課題】連続印刷時における加圧ロールの温度低下を防止し、安定した定着性能を得ることを目的とする。
【解決手段】連続印刷時に、第1定着器51の加圧ロール512の熱が記録用紙に吸熱されたとしても、次の記録用紙がこの加圧ロール512に到達するまでの間に、加熱ロール511に対して加圧ロール512が1周分接触した状態で回転する。加熱ロール511の熱で加圧ロール512を加熱することができ、加熱ロール512の温度低下を低減する。
【選択図】図3

Description

本発明は、記録媒体にトナー画像を定着させる技術に関する。
近年、記録媒体の像担持面にトナー像を形成する画像形成手段と、前記トナー画像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体が搬送される搬送経路と、前記搬送経路のうち、前記転写手段の下流に設けられる定着手段と、前記搬送経路に沿って記録媒体を搬送させる搬送機構と、を備えた画像形成装置が知れている。特に、定着手段が、周回移動する無端状の定着ベルトと、前記定着ベルトの内周面に沿うように設けられた一方のロールと、前記ロール、前記定着ベルトおよび前記搬送経路の順に挟んで対向する位置に前記ロール側に押し付けられるように設けられる他方のロールと、を備えて構成される場合には、この定着手段を通過した記録媒体には、光沢のある画像が写真のように形成される(特許文献1〜3、参照)。
高光沢の画像を印刷するための定着技術は、定着ベルトに未定着のトナー画像を接触させて加熱・加圧して溶融させた後に、定着ベルトに記録媒体が接触した状態で定着ベルトを所定温度まで冷却させて定着ベルトから剥離する。これにより、トナー画像表面には、定着ベルトの平滑な表面が写し取られて、高光沢な画像を得ている。
特開2003−345156号公報 特開2004−112080号公報 特開2004−151200号公報
近年の環境問題への対応のために省電力化が求められている。このため、待機時には電力の消費を低減し、且つ待機時から稼動開始(定着可能状態)となるまでの時間を短くする必要がある。
一方、定着時に記録媒体に熱を効率良く加わるために、一対のロールのいずれかの表面に弾性層を形成し、記録媒体をロール間で挟み込む部分で弾性層を歪ませることにより、ロール同士の接触部分に面(所謂、ニップ部)を形成している。このニップ部により、各ロールに挟み込まれる記録媒体には、熱と圧力が効率良く加えられる。
しかし、表面に弾性層を設けたロールでは、弾性層の熱伝導率が低いため、内部の加熱源で加熱していても、弾性層の表面を定着可能な温度にするには時間を要してしまう。また、弾性層表面の温度上昇を急速に行うために、加熱源の電力を高めに設定すれば良い。しかし、熱伝導率の低い弾性層の表面温度が定着可能な温度に達した際には、これに比べて熱伝導率の高い金属で構成されているロールコアの温度は弾性層表面の温度よりも遙かに高くなってしまい、この状態で定着動作を行うと、ロールの弾性層表面の所定の定着温度より高くなりすぎてしまい、トナーの溶融粘度が低くなりすぎてホットオフセットが発生してしまう。さらに、両面に透気性のないコート層を有する記録媒体を定着する場合には、ブリスタが発生してしまう虞がある(特開2004−205563号公報、参照)。
そこで、一方のロールの表面にのみ弾性層を形成して加圧ロールとし、他方のロールを加熱源を備えた加熱ロールとする。このように、加圧ロールを加熱するのに必要な電力を加熱ロール側の加熱源に上乗せして、加熱ロールを所定の定着可能な温度に達するまでの時間を短縮する。加熱ロールが所定温度、または所定温度近くになってから、加熱ロールに加圧ロールを接触させて回転させることで、加圧ロール表面(弾性層)を定着可能な温度まで上昇させる。この際、加圧ロールの金属製のロールコアの温度は、さほど上昇しないため、加圧ロールを内部から過熱するよりも総電力は少なくて済む。
一方、連続して搬送された記録媒体に対して定着動作を続けると、加圧ロール側の熱が記録媒体に大きく奪われ、内部に加熱源のない加圧ロールの表面温度が低下してしまう。この結果、プリント表面の平滑性が損なわれたり、トナー画像端に定着が不十分なための欠陥が発生してしまう、ことがあった。
特に、写真としての画質とともに質感も従来の銀塩写真と同様にするために、記録媒体の坪量が200g/m以上の用紙を連続印刷で用いた場合、この用紙は普通用紙に比べて熱容量が大きくなり、上記の不具合が頻繁に生じる可能性が高い。
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、連続印刷時における加圧ロールの温度低下を防止し、安定した定着性能を得ることができる定着装置、およびこの定着装置を備えた画像形成装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明が採用する定着装置の構成は、トナー画像が形成された記録媒体が搬送される搬送経路と、前記搬送経路に設けられた加熱回転体と、前記搬送経路を挟んで前記加熱回転体と対向する位置に前記加熱回転体側に押し付けるように設けられる加圧回転体とを有し、前記加圧回転体の円周の長さLと前記搬送経路に記録媒体が連続搬送される際の記録媒体の間隔Dとが、L≦Dの関係に設定されることを特徴としている。
また、上記課題を解決するために、請求項2記載の発明が採用する定着装置の構成は、トナー画像が形成された記録媒体が搬送される搬送経路と、前記搬送経路の途中に設けられた周回移動する無端状の定着ベルトと、前記定着ベルトの内周面に沿うように設けられた加熱ロールと、前記加熱ロール、前記定着ベルトおよび前記搬送経路の順に挟んで対向する位置に前記加熱ロール側に押し付けるように設けられる加圧ロールとを有し、前記加圧ロールの円周の長さLと前記搬送経路に記録媒体が連続搬送される際の記録媒体の間隔Dとが、L≦Dの関係に設定されることを特徴としている。
さらに、上記課題を解決するために、請求項3記載の発明が採用する定着装置の構成は、トナー画像が形成された記録媒体が搬送される搬送経路であって、途中に主経路を第1経路と第2経路とに分けて選択的に搬送される分岐部を有する搬送経路と、前記分岐部の上流側に位置した主経路に設けられ、前記主経路の途中に設けられた第1加熱回転体と
前記主経路を挟んで前記第1加熱回転体と対向する位置に前記第1加熱回転体側に押し付けるように設けられる第1加圧回転体とを備えた前記第1定着手段と、前記分岐部の下流側に位置した第2経路に設けられ、前記第2経路の途中に設けられた周回移動する無端状の定着ベルトと、前記定着ベルトの内周面に沿うように設けられた第2加熱ロールと、前記第2加熱ロール、前記定着ベルトおよび前記第2経路の順に挟んで対向する位置に前記第2加熱ロール側に押し付けるように設けられる第2加圧ロールとを備えた前記第2定着手段を有し、前記第1加圧ロールの円周の長さL1と前記搬送経路を記録媒体が連続搬送される際の記録媒体の間隔Dとが、L1≦Dの関係に設定されることを特徴としている。
請求項4記載の発明は、請求項2または3記載の発明において、前記定着ベルトには、剥離手段によって前記搬送経路に沿って延びる部分と離間する部分とが形成されることが好ましい。
請求項5記載の発明は、請求項2または3記載の発明において、前記定着ベルトは、熱伝導率が15W/(m・K)以上とすることが好ましい。
請求項6記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明において、前記加熱回転体または加熱ロールは、その内部に加熱源が設けられ、前記加圧回転体または加圧ロールは、その表面に弾性層が形成されることが好ましい。
上記課題を解決するために、請求項7記載の発明が採用する画像形成装置の構成は、記録媒体の像担持面にトナー像を形成する画像形成手段と、前記トナー画像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体が搬送される搬送経路と、前記搬送経路に沿って記録媒体を搬送させる搬送機構と、前記搬送機構により前記搬送経路に記録媒体が連続搬送される際のタイミングを調整する制御手段と、前記転写手段の下流に設けられ、加熱回転体と前記搬送経路を挟んで前記加熱回転体と対向する位置に前記加熱回転体側に押し付けられるように設けられる加圧回転体とを備えた定着手段を有し、前記制御手段は、記録媒体が連続搬送される際の記録媒体の間隔Dと前記加圧回転体の円周の長さLとの関係がL≦Dとなるように、前記搬送機構が搬送経路に記録媒体を送り出すタイミングが調整されることを特徴としている。
また、上記課題を解決するために、請求項8記載の発明が採用する画像形成装置の構成は、記録媒体の像担持面にトナー像を形成する画像形成手段と、前記トナー画像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体が搬送される搬送経路と、前記搬送経路に沿って記録媒体を搬送させる搬送機構と、前記搬送機構により前記搬送経路に記録媒体が連続搬送される際のタイミングを調整する制御手段と、前記転写手段の下流に設けられ、周回移動する無端状の定着ベルトと、前記定着ベルトの内周面に沿うように設けられた加熱ロールと、前記加熱ロール、前記定着ベルトおよび前記搬送経路の順に挟んで対向する位置に前記加熱ロール側に押し付けられるように設けられる加圧ロールとを備えた定着手段を有し、前記制御手段は、記録媒体が連続搬送される際の記録媒体の間隔Dと前記加圧ロールの円周の長さLとの関係がL≦Dとなるように、前記搬送機構が搬送経路に記録媒体を送り出すタイミングが調整されることを特徴としている。
さらに、上記課題を解決するために、請求項9記載の発明が採用する画像形成装置の構成は、記録媒体の像担持面にトナー像を形成する画像形成手段と、前記トナー画像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体が搬送される搬送経路であって、前記転写手段の下流側に主経路を第1経路と第2経路とに分けて選択的に搬送される分岐部を有する搬送経路と、前記搬送経路に沿って記録媒体を搬送させる搬送機構と、前記搬送機構により前記搬送経路に記録媒体を連続搬送する際のタイミングを調整する制御手段と、を備えた画像形成装置において、前記分岐部の上流側に位置した主経路に設けられ、前記主経路に設けられた第1加熱回転体と、前記搬送経路を挟んで前記加熱回転体と対向する位置に設けられ、前記第1加熱回転体側に押し付けられる第1加圧回転体を備えた第1定着手段と、前記分岐部の下流側に位置した第2経路に設けられ、前記第2経路の途中に設けられた周回移動する無端状の定着ベルトと、前記定着ベルトの内周面に沿うように設けられた第2加熱ロールと、前記定着ベルトおよび前記第2経路の順に挟んで対向する位置に、前記第2加熱ロール側に押し付けられるように設けられる第2加圧ロールを備えた第2定着手段とを有し、前記制御手段は、前記第1加圧ロールの円周の長さL1と前記経路を記録媒体が連続搬送される際の記録媒体の間隔Dとの関係がL1≦Dとなるように、前記搬送機構が搬送経路に記録媒体を送り出すタイミングが調整される、または、前記第2加圧ロールの円周の長さL2と前記第2経路を記録媒体が連続搬送される際の記録媒体の間隔Dとの関係がL2≦Dとなるように、前記搬送機構が搬送経路に記録媒体を送り出すタイミングが調整されることを特徴としている。
請求項10記載の発明は、請求項8または9記載の発明において、前記定着ベルトには、剥離手段によって前記搬送経路に沿って延びる部分と離間する部分とが形成されることが好ましい。
請求項11記載の発明は、請求項8または9記載の発明において、前記定着ベルトは、熱伝導率が15W/(m・K)以上とすることが好ましい。
請求項12記載の発明は、請求項7乃至9のいずれかに記載の発明において、前記加熱回転体または加熱ロールは、その内部に加熱源が設けられ、前記加圧回転体または加圧ロールは、その表面に弾性層が形成されることが好ましい。
請求項13記載の発明は、請求項7乃至9のいずれかに記載の発明において、前記制御手段は、所定の時間間隔t毎に記録媒体を送り出すように、前記搬送機構を調整するものであり、記録媒体の速度をV、記録媒体の搬送方向の長さをAとした際、
t≧(L+A)/V
を満足する時間間隔に設定することが望ましい。
請求項14記載の発明は、請求項7乃至9のいずれかに記載の発明において、前記搬送経路へ送り出される記録媒体を検出する記録媒体検出手段を備え、前記制御手段は、前記記録媒体検出手段によって記録媒体の終端が検出された後に、次に記録媒体が搬送されるタイミングt0を、
t0≧L/V 但し、Vは記録媒体の速度
を満足する時間に設定することが望ましい。
請求項1記載の発明によれば、加熱回転体および加圧回転体を具備した定着装置において、記録媒体が連続搬送された場合、搬送時に記録媒体に対して接触する加圧回転体の熱が吸収されたとしても、次の記録媒体が搬送されるまでの間に加熱回転体に対して加圧回転体が1周以上接触した状態で回転するため、再度加圧回転体を加熱することができ、加熱回転体の温度低下を低減することができる。これにより、連続搬送時であっても定着温度を一定に維持することができ、安定した定着性能を得ることが可能となる。
請求項2記載の発明によれば、定着ベルト、加熱回転体および加圧回転体を具備した定着装置において、記録媒体が連続搬送された場合、記録媒体が搬送されていない間に加熱回転体に対して加圧回転体が1周以上接触した状態で回転するため、記録媒体に熱が吸収されたとしても、加圧回転体の温度低下を低減することができる。これにより、連続搬送時であっても定着温度を一定に維持することができ、高光沢の定着を安定した定着性能で実現することが可能となる。
請求項3記載の発明によれば、主経路に設けられる第1定着手段が、第1加熱回転体および第1加圧回転体を具備し、主経路から分岐した第2経路に設けられる第2定着手段が、定着ベルト、第2加熱ロールおよび第2加圧ロールを具備した定着装置において、第1定着手段を予備加熱手段として利用して、第2定着手段に搬送される前に記録媒体の温度を上げることで、当該第2定着手段における高光沢の定着を実現することができる。しかも、第1定着手段或いは第2定着手段では、連続搬送時であっても、加熱回転体(ロール)に対して加圧回転体(ロール)が1周以上接触した状態で回転するため、定着温度を一定に維持することができる。
請求項4記載の発明によれば、定着ベルトに記録媒体と離間する部分を形成することにより、記録媒体に定着ベルトの平滑な表面を写し取らせ、高光沢な画像を形成する。
請求項5記載の発明によれば、加熱回転体(ロール)と加圧回転体(ロール)との間における熱の伝搬を効率よく行うことができる。
請求項6記載の発明によれば、加熱回転体(ロール)の加熱源により加圧回転体(ロール)も加熱することができ、加圧回転体(ロール)の表面に形成された弾性層側のみを加熱し、加圧回転体(ロール)全体を加熱するのに比べて、弾性層のみの加熱で済み、電力消費を低減することができると共に、待機状態から動作状態に復帰する際でも、短時間で定着可能な温度まで上昇させることができる。
請求項7記載の発明によれば、記録媒体が連続搬送される際の記録媒体の間隔Dと加圧回転体の円周の長さLとの関係がL≦Dとなるように、搬送機構のタイミングを制御手段が設定することにより、搬送時に記録媒体に対して接触する加圧回転体の熱が吸収されたとしても、次の記録媒体が搬送されるまでの間に加熱回転体に対して加圧回転体が1周以上接触した状態で回転するため、加圧回転体を加熱することができ、加熱回転体の温度低下を低減することができる。これにより、連続搬送時であっても定着温度を一定に維持することができ、安定した定着性能を得ることが可能となる。
請求項8記載の発明によれば、記録媒体が連続搬送される際の記録媒体の間隔Dと加圧ロールの円周の長さLとの関係がL≦Dとなるように、搬送機構のタイミングを制御手段が設定することにより、記録媒体が搬送されていない間に加熱ロールに対して加圧ロールが1周以上接触した状態で回転するため、記録媒体に熱が吸収されたとしても、加圧ロールの温度低下を低減することができる。これにより、連続搬送時であっても定着温度を一定に維持することができ、高光沢の定着を安定した定着性能で実現することが可能となる。
請求項9記載の発明によれば、主経路に設けられる第1定着手段が、第1加熱回転体および第1加圧回転体を具備し、主経路から分岐した第2経路に設けられる第2定着手段が、定着ベルト、第2加熱ロールおよび第2加圧ロールを具備した定着装置において、第1定着手段を予備加熱手段として利用して、第2定着手段に搬送される前に記録媒体の温度を上げることで、当該第2定着手段における高光沢の定着を実現することができる。しかも、第1定着手段或いは第2定着手段では、連続搬送時であっても、加熱回転体(ロール)に対して加圧回転体(ロール)が1周以上接触した状態で回転するため、定着温度を一定に維持することができる。
請求項10記載の発明によれば、定着ベルトに記録媒体と離間する部分を形成することにより、記録媒体に定着ベルトの平滑な表面を写し取らせ、高光沢な画像を形成する。
請求項11記載の発明によれば、加熱ロールと加圧ロールとの間における熱の伝搬を効率よく行うことができる。
請求項12記載の発明によれば、加熱回転体(ロール)の加熱源により加圧回転体(ロール)も加熱することができ、加圧回転体(ロール)の表面に形成された弾性層側のみを加熱し、加圧回転体(ロール)全体を加熱するのに比べて、弾性層のみの加熱で済み、電力消費を低減することができると共に、待機状態から動作状態に復帰する際でも、短時間で定着可能な温度まで上昇させることができる。
請求項13記載の発明によれば、時間間隔tを、t≧(L+A)/Vを満足する時間間隔に設定することにより、記録媒体が搬送されていない間に加熱回転体(ロール)に対して加圧回転体(ロール)が1周以上接触した状態で回転するため、記録媒体に熱が吸収されたとしても、加圧回転体(ロール)の温度低下を低減することができる。
請求項14記載の発明によれば、次に搬送される記録媒体のタイミングを先の記録媒体の終端が送り出されてから、t0≧(L/V)を満足する時間に設定することにより、記録媒体が搬送されていない間に加熱回転体(ロール)に対して加圧回転体(ロール)が1周以上接触した状態で回転するため、記録媒体に熱が吸収されたとしても、加圧回転体(ロール)の温度低下を低減することができる。
以下、本発明に係る画像形成装置の構成について説明する。
1)実施形態
(1−1)構成
図1は本発明の実施形態に係る画像形成装置100を示した図である。以下、同図を参照しつつ、画像形成装置100の構成を詳細に説明する。
画像形成装置100は、画像を光学的に読み取る画像読取部2と、記録用紙上にトナー像を形成する画像形成部3と、画像形成部3に記録用紙を供給する給紙部4と、記録用紙上に形成されたトナー像を定着させ、記録用紙を排出する定着・排紙部5と、上述の各部を制御するコントロール部1とを備えている。
コントロール部1は、制御部10と操作部11とを備える。制御部10はCPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備え、各種のアプリケーションプログラムや演算処理を実行することによって画像形成装置100の各部を制御する。各種のプログラムとしては、通常の画像形成装置100の動作を司るプログラムに加え、本実施形態では、後述する搬送経路Rに記録用紙を送り出す処理等のことである。
操作部11は液晶ディスプレイや複数のボタンを備え、ユーザによる操作によって、用紙モードや画像形成モードの選択等の各種の入力指示を受け付ける。なお、本実施形態の画像形成装置100は、使用する記録用紙によって異なる2種類の用紙モードがあり、普通紙を用いる普通紙モードと、コート紙を用いるコート紙モードとがある。また、本実施形態の画像形成装置100は、画像形成モードとして低光沢のプリントを行う低光沢モードと、高光沢のプリントを行う高光沢モードとを備えている。そして、画像形成装置100における機能構成は図2に示すようになる。
画像読取部2は受像素子やプラテンガラス等を備えており、プラテンガラスに載置された原稿に光を照射してその反射光を受像素子で読み取り、この読み取り結果に基づいて、制御部10によって画像データが生成される。画像形成部3は、このようにして生成された画像データに基づいて画像を形成するほか、図示せぬパーソナルコンピュータ等の外部装置から供給される画像データに基づいて画像を形成する。
より具体的には、画像形成部3は、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)の色毎に、図中の矢印a方向に回転しながらトナー像を形成する感光体301Y,301M,301C,301Kと、その感光体を均一に帯電させる帯電器302Y,302M,302C,302Kと、YMCK各色の画像データに基いて変調された露光光を、帯電したその感光体301Y,301M,301C,301Kに照射することによりYMCK各色の静電潜像を形成する露光部303Y,303M,303C,303Kと、感光体301Y,301M,301C,301Kに形成された静電潜像をトナーによって現像することで感光体301Y,301M,301C,301Kにトナー像を形成する現像器304Y,304M,304C,304Kと、感光体301Y,301M,301C,301Kに残留したトナーをクリーニングするクリーナ305Y,305M,305C,305Kと、感光体上の静電潜像を消去させるイレーズランプ306Y,306M,306C,306Kと、を備えている。
また、画像形成部3は、駆動ロール309や対向ロール311に架け渡され、感光体301Y,301M,301C,301Kと接触しながら図中の矢印b方向に循環移動する中間転写ベルト308と、中間転写ベルト308を挟んで感光体301Y,301M,301C,301Kとニップ領域を形成し、このニップ領域において感光体301Y,301M,301C,301K周面のトナー像を中間転写ベルト308に転写する1次転写ロール307Y,307M,307C,307Kと、中間転写ベルト308を挟んで対向ロール311とニップ領域を形成し、中間転写ベルト308上のトナー像を記録用紙Pに2次転写する2次転写ロール310とを備えている。なお、2次転写ロール310と対向ロール311とによって形成されているニップ領域を、以下では「2次転写位置」という。
給紙部4は、種々の記録用紙を収容する複数の用紙カセット41と、用紙カセット41から記録用紙を送り出す複数のフィードロール42と、記録用紙を搬送する複数の搬送ロール43とを備え、画像形成時に記録用紙を二次転写位置に供給する。
本実施形態において用いられる記録用紙には、いわゆる普通紙とコート紙の2種類がある。ここでコート紙とは、普通紙の画像を形成する面に熱可塑性樹脂のコート層を設けた記録用紙であり、トナーをこのコート層に埋め込むことで平滑な表面を得るものである。普通紙を用いて画像形成を行った場合には、高光沢モードであってもトナー像の形成された部分が光沢性を有するのみであるが、コート紙を用いて高光沢モードで画像形成を行うと、トナー像の部分だけでなくコート層の部分も加熱・冷却によって溶融・固化がなされるために、記録用紙のその表面全体が平滑化されて光沢性を有することになる。
また、フィードロール42には、図示しないモータが備えられ、このモータは、制御部10からの駆動信号を受けて駆動され、記録用紙が順次送り出だれる。送り出された記録用紙は、給紙部4から定着・排紙部5に延びる搬送ロール43によって形成された搬送経路Rを通って排紙トレイ56A,56Bに搬送される。
また、フィードロール42或いは用紙カセット41の近傍には、記録用紙の送り出し状態を検出する位置検出センサ44が設けられる。この位置検出センサ44は、フォトインタラプタのようなデバイスによって形成され、搬送経路Rを跨いで発光部と受光部が配置されている。そして、記録用紙が搬送されている際には、発光部の光が記録用紙によって遮断されるため、受光部には発光部からの光が到達しない。よって、位置検出センサ44は、受光部から出力される信号を監視することによって、記録用紙の始端と終端が検出できることになる。
定着・排紙部5は、第1定着器51と、第2定着器52と、排紙切換部53と、排紙ロール55A,55Bと、排紙トレイ56A,56Bとを備えている。また、排紙切換部53の切り換えによって、搬送経路Rの一部をなす搬送路54A,54Bが形成される。
第1定着器51は、図3に示すように、搬送経路Rの途中に設けられた加熱ロール511と、搬送経路Rを挟んで前記加熱ロール511と対向する位置に前記加熱ロール511側に押し付けるように設けられる加圧ロール512と、を備えている。加熱ロール511はその内部に加熱源511hが設けられ、加圧ロール512は、その表面に弾性層513が形成される。そして、ロール511,512間で弾性層513が歪んでニップ領域(図示せず)が形成され、このニップ領域を記録用紙Sが通過することで、記録用紙S上のトナー像が加熱及び加圧されて定着される。図3中では、加熱ロール511と加圧ロール512との径寸法は同じ寸法となっているが、異なった寸法でもよい。
排紙切換部53は、図1の紙面に垂直方向に延びる板状部材53aを備えており、軸53bを中心としてこの板状部材53aを点線矢印に示すように移動する。この板状部材53aは、記録用紙の搬送方向を、主経路を排紙トレイ56Aへと導くための搬送路54A(第1経路)または第2定着器52へと導くための搬送路54B(第2経路)とのいずれかに切り換える。また、搬送路54Aと搬送路54Bには、記録用紙を搬送するための搬送ロール55A,55Bがそれぞれ設けられている。図中の矢印Aの方向に搬送された記録用紙は排紙ロール55Aによって排紙トレイ56Aに排出され、図中の矢印Bの方向に搬送された記録用紙は、排紙ロール55Bによって第2定着器52に送出され、ここでトナーを再定着された後に排紙トレイ56Bに排出される。
図4は、第2定着器52の構成を詳細に示した図である。第2定着器52は、加熱ロール521と、加圧ロール522と、冷却装置523と、剥離ロール524と、剥離部材525と、ステアリングロール526と、定着ベルト527と、排出ロール528とを備えている。
加熱ロール521はその内部に加熱源521hが設けられ、加圧ロール522は、その表面に弾性層522aが形成される。
定着ベルト527は、例えば幅320mmで厚さ80μmの熱硬化性ポリイミドのフィルムに厚さ35μmのシリコーンゴムのコート層が形成された無端ベルトであり、そのコート層表面(ベルト外周面)は極めて高平滑に仕上げられている。
ここで、加熱ロール521から加圧ロール522に熱を伝える際に、介在する定着ベルト527は熱伝導の高いものが良い。そのため、ポリイミド等の高分子材料よりも金属基材のものが望ましく、更に、定着ベルトの離型層はPFA(熱可塑性フッ素樹脂)やシリコーンゴム等の樹脂やゴム材料が用いられるが、膜厚は薄い方が良い。金属材料の中でもベルト基材に加工が可能で熱伝導率が比較的高いステンレス鋼((熱伝導率:16.3W/(m・K))やニッケル(熱伝導率:91W/(m・K))のものが好ましい。
この定着ベルト527は、加熱ロール521,剥離ロール524,ステアリングロール526という複数の支持部材によって張架された状態で図中の矢印r方向に速度50mm/sで周回移動させられる。冷却装置523は定着ベルト527の内周面に沿って設けられており、周回移動する定着ベルト527を冷却する。
加熱ロール521はロール内部の加熱源521hによって加熱される。加熱ロール521と加圧ロール522とは、加圧ロールの弾性層522aが定着ベルト527を挟んで歪ませられることによって、ニップ領域を形成している。加圧ロール522は、搬送経路Rに沿って搬送されて来る記録用紙がこのニップ領域を通過する際に、加熱ロール521の方向へ押し付けながら加熱されることで、記録用紙の定着ベルト527側の面に形成されているトナー像を溶融させる。トナー像が溶解して定着ベルト527の外周面に密着することでその表面が平滑になり、さらに冷却装置523によって冷却されて固化する。この状態で記録用紙が剥離ロール524の位置に達すると、記録用紙は剥離部材525によって定着ベルト527から引き剥がされ、排出ロール528を通って排紙トレイ56Bへと排出される。
この画像形成装置100では、記録用紙に画像を形成して出力する。このとき、画像形成装置100の制御部10は、ユーザにより選択された画像形成モードに応じて、以下のように画像形成装置100の動作を制御する。
まず、ユーザが操作部11を用いて、画像形成モードとして低光沢モードを選択する操作を行った場合には、制御部10はこの選択操作を受け付けて、画像形成部3に画像形成処理を指示する。画像形成部3はこの指示に応じてトナー像を形成し、さらに、この記録用紙に対して第1定着器51によってトナー像が定着させられる。続いて制御部10は、排紙切換部53に対し、記録用紙の搬送方向を図1の矢印A方向へと切り換えるように指示する。この指示に応じて、排紙切換部53は板状部材53aを移動させて、記録用紙の搬送方向を図1の矢印A方向に切り換え、これによって記録用紙は排紙トレイ56Aへ排出される。
一方、ユーザが操作部11を用いて、画像形成モードとして高光沢モードを選択した場合には、制御部10はこの選択操作を受け付けて、画像形成部3に画像形成処理を指示する。画像形成部3はこの指示に応じてトナー像を形成し、さらに、この記録用紙に対して第1定着器51によってトナー像が定着させられる。続いて制御部10は、排紙切換部53に対し、記録用紙の搬送方向を図1の矢印B方向へと切り換えるように指示する。この指示に応じて、排紙切換部53は板状部材53aを移動させて。記録用紙の搬送方向を図1のB方向に切り換え、これによって記録用紙は第2定着器52へと搬送される。第2定着器52によってトナー像を再定着させられた記録用紙は、排紙トレイ56Bへ排出される。これにより、高光沢モードでは低光沢モードに比べ、表面の平滑性・光沢性の高い画像を出力することが可能となる。
また、本実施形態による画像形成装置100では、第2定着器52の前に予備加熱する第1定着器51を設けているから、予備加熱して記録用紙を所定の温度にして第2定着器52で定着することで加圧ロール522の温度低下を防ぐことができる。この際、低光沢のプリントは上流側の第1定着器51で定着した後に排出し、高光沢のプリントは上流側の第1定着器51で仮定着して記録用紙の温度を所定温度にさせた後に、第2定着器52で定着することで、2つの光沢のプリントを得ることができる。
(1−2)動作
次に、本実施形態による画像形成装置100の特徴について説明する。本実施形態の特徴は、図2に示すように、連続印刷時に搬送経路Rを搬送される記録用紙の間隔Dと、加圧ロール512の円周の長さL(L=2πR(R:加圧ロールの半径)との関係を、L≦Dの関係を満足するように、フィードロール42を駆動するモータを制御する点にある。
ここでは、第1定着器51を例示して説明するが、第2定着器52の加圧ロール522の直径が同じ半径であれば、以下の説明においては同様となる。
次に、搬送経路Rに記録用紙を送り出す処理について図5の流れ図に基づいて説明する。
まず、前提として制御部10のRAMの記憶エリアには、加圧ロール512の円周の長さL、用紙カセット41に格納された記録用紙の縦、横の長さA、および搬送経路Rを搬送される記録用紙の搬送速度Vが、予め記憶されており、ROMには、これから説明するタイミング生成処理等のプログラムが格納されている。
操作部11によるユーザの操作によって、画像形成部3における動作および定着・排紙部5における動作が制御部10から指示される。
ここで、制御部10は、実行される画像形成処理が複数の頁に亘る処理となるか否かを判定する(ステップS1)。この処理は、複数の頁に亘る処理、つまり連続印刷となる場合(ステップS1;YES)にのみ実行される。
次に、制御部10は、同じ大きさの搬送用紙に対する印刷か否かを判定する(ステップS2)。同じ大きさの搬送用紙である場合(ステップS2;YES)には、ステップS3〜S6の処理に移行させる。一方、異なった記録用紙に印刷を行う場合(ステップS2;NO)には、ステップS7〜S11の処理に移行する。
ステップS2の判定処理が“YES”の場合、制御部10は、RAMの記憶エリアから記録用紙の長さAを読み出し(ステップS3)、t=(A+L)/Vから所定時間tを算出する(ステップS4)。さらに、制御部10は、算出された所定時間t経過毎に記録用紙を搬送経路Rに送り出す(ステップS5)。
つまり、制御部10は、フィードロール42のモータに所定時間t毎に駆動信号を出力する。これにより、連続して搬送される記録用紙Sの間隔Dの間に、加圧ロール512が加熱ロール511に対して1周するようになる(図3、参照)。
制御部10は、要求された枚数の搬送が完了したか否かを判定し(ステップS6)、終了した場合(ステップS6;YES)にはこの送り出し処理を終了する。送り出しが完了していない場合には、完了するまで、時間間隔t毎に記録用紙を搬送経路Rに送り出す。
一方、ステップS2の判定処理で同一用紙でないと判定された場合(ステップS2;NO)には、制御部10はステップS7以降の処理に移行する。まず、制御部10は、1枚目の記録用紙を送り出す(ステップS7)。この際、制御部10は、位置検出センサ44からの信号を監視し、記録用紙の終端が送り出されたことを検出する(ステップS8)。即ち、このステップS8では、1枚目の記録用紙が用紙トレイ41から搬送経路Rに送り出されるまでの時間を待機したことになる。
制御部10は、t0=L/Vから時間t0を算出する(ステップS9)。なお、この時間t0は一定となるため、予めRAMに記憶しておいてもよい。そして、制御部10は、時間t0経過後に記録用紙を搬送経路Rに送り出す(ステップS10)。
制御部10は、要求された枚数の搬送が完了したか否かを判定し(ステップS11)、終了していない場合(ステップS11;NO)には、ステップS8に戻って、以降の処理を繰り返す。一方、送り出しを完了した場合には、この処理を終了する。
(1−3)比較例
本発明の発明者らは、上記の構成による画像形成装置において、以下の条件における加熱ロールおよび加圧ロールの温度測定を行った実験を行い、定着性能の確認を行った。
図6(a)は、加圧ロール512の周の長さL(L=150mm)に対して記録用紙の間隔D(D=50mm)とした場合の結果である。また、図6(b)は、加圧ロール512の周の長さL(L=150mm)に対して記録用紙の間隔D(D=150mm)とした場合の結果である。
図6(a)に示すように、連続印刷時に15枚目から加圧ロール512表面温度が低下し始め、所定温度(約150℃)以下になった場合には、定着不良が発生する。
一方、図6(b)に示すように、L=Dに設定した場合には、図6(b)に示すように、連続プリント時にも加圧ロール54の表面温度の低下は少なく、良好な定着性能が得られる。
<実験の条件>
定着ロール幅:140mm(有効長)
定着ロール外径:φ48mm
定着ロール弾性層:なし
定着ロール温度:150℃
加圧ロール幅:140mm (有効長)
加圧ロール外径:φ48mm
加圧ロール弾性層:シリコーンゴムHs60°2mm厚
加圧ロール温度:内部加熱なし
定着ベルト幅:130mm
定着ベルト材質/厚さ:熱硬化性ポリイミド100μm/シリコーンゴムHs50°10μm
定着荷重:1200N
定着時時の定着ベルト駆動速度:50mm/s
記録媒体サイズ:100×50mm
記録媒体厚/坪量:220μm/225g/m
記録媒体表面樹脂:10μmの熱可塑性樹脂
記録媒体のプリント向き:短い辺が搬送方向の前後
このように、本実施形態による画像形成装置100では、図3に示すように、記録用紙Sを連続搬送する際に、加圧ロール512の熱が記録用紙Sに吸熱されたとしても、次の記録用紙Sがこの加圧ロール512に到達するまでの間に、加熱ロール511に対して加圧ロール512が1周分接触した状態で回転する。これにより、加熱ロール511の熱で加圧ロール512を加熱することができ、加圧ロール512の温度低下を低減することができる。この結果、連続搬送(連続印刷)時であっても定着温度を一定に維持することができ、連続搬送される記録用紙の枚数に関わらず、安定した定着性能を得ることが可能となる。
第2定着器52に対しても同様の制御を行うことによって、加圧ロール522の温度低下を低減し、安定した定着性能を得ることが可能となる。
また、第2定着器52に搬送される記録用紙は、写真としての質感を高めるために、坪量が200g/m以上のものが用いられるため、ロール通過時の熱吸収が普通用紙に比べて多い。このような場合であっても、連続して搬送される用紙の間隔を前述した如くに調整することにより、加圧ロール522の温度低下を低減して定着性能を維持することができる。さらに、熱吸収の高い用紙の場合には、用紙の間隔Dを加圧ロールの1周分を越えるように設定することにより、その効果を高めることができる。
2)変形例
(2−1)
前述の実施形態では、中間転写ベルトを用いたタンデム方式の画像形成装置について説明したが、本発明はこれに限らず、その他の構成の画像形成装置にも適用可能である。例えば、図7に示すロータリー方式の画像形成装置であってもよい。
この画像形成装置100´は、給紙部21と、画像形成部22と、シート搬送部23と、定着・排紙部24とに大別される。
給紙部21は、複数のトレイ211と、複数の搬送ロール212と、手差しトレイ213と、レジストロール214とを備える。トレイ211は決められたサイズの用紙を収容しており、図示せぬ制御部からの指示に応じてシートを供給する。搬送ロール212はトレイ211から供給されたシートを搬送する。手差しトレイ213は操作者が直接シートを供給するためのトレイであり、トレイ211に収容されていないサイズの用紙に画像を形成する場合などに用いられる。
画像形成部22は、感光体ドラム221と、帯電器222と、露光器223と、現像器224と、一次転写ロール225と、中間転写ベルト226と、二次転写ロール227と、バックアップロール228とを備える。感光体ドラム221は表面に光導電層の形成された像担持体であり、図示せぬ駆動装置により図中の矢印方向に回転される。帯電器222は感光体ドラム221表面に電荷を与え、これを一様に帯電させる。露光器223はレーザダイオード等のビーム発光源を備え、帯電された感光体ドラム221表面にビーム光を照射することで照射部分の電荷を消失させ、各色の画像データに応じた静電潜像を形成する。
シート搬送部23は、搬送ベルト231と、駆動ロール232と、テンションロール233とを備える無端のベルト部材である。搬送ベルト231は駆動ロール232とテンションロール233とによって張架され、トナー像を転写されたシートを定着・排紙部24へ搬送する。駆動ロール232は搬送ベルト231を回転させ、テンションロール233は搬送ベルト231が適当な張力となるようにその位置を移動させる。
定着・排紙部24は、第2定着器52と同様に構成されているので、その説明は省略するものとする。
このように構成される画像形成装置100´であっても、連続印刷時に搬送経路Rに送り出される記録用紙のタイミングを調整し、加圧ロール512の周の長さ以上となるように記録用紙の間隔を設定する。これにより、ロールを通過時に記録用紙に熱が奪われたとしても、加熱ロール511に直接接触して回転する期間を設けることで、加圧ロール512の温度が低下するのを抑制し、連続搬送される記録用紙の枚数に関わらず、安定した定着性能を得ることが可能となる。
(2−2)
なお、前記実施形態では、D=Lの場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、L≦Dの関係にあれば良い。但し、間隔Dは、印刷速度を確保できる寸法に設定される必要がある。
(2−3)
なお、比較例では、定着ベルト527の材料を100μm厚のポリイミドとしたが、定着ベルトの材料にSUS304を使用してもよい。これにより、加圧ロール522表面の温度がさらに安定することになる。要は、定着ベルトの材料には、熱伝導の良い材料を用いることにより、加熱ロールから加圧ロールへの熱の伝達を効率良く行うことができる。
(2−4)
前記実施形態では、搬送経路Rを主経路を第1経路と第2経路に分岐させ、主経路に第1定着器51を配置し、第2経路に第2定着器52を配置する場合を例示したが、第1経路に第1定着器51、第2経路に第2定着器52を配置したり、第1定着器51のみを分岐のない搬送経路Rに配置したりしてもよいことは、勿論である。
(2−5)
前記実施形態では、記録用紙を送り出すタイミングが、規定の用紙に印刷を施す場合と、異なった用紙に印刷を施す場合とで異なるため、2つのタイミング設定方法について記載したが、いずれか一方のみを実行するようにしてもよい。さらに、異なった用紙に印刷を施す場合には、図7に示す手差しトレイ213から用紙が送り出されたのを検出できる位置に位置検出センサを設けるようにしてもよい。
本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示した図である。 同実施形態における画像形成装置の機能を示すブロック図である。 同実施形態における第1定着器の構成を示す図である。 同実施形態における第2定着器の構成を示す図である。 同実施形態における処理動作を示す流れ図である。 同実施形態による比較例を示す図である。 変形例による画像形成装置を示す図である。
符号の説明
1…コントロール部、2…画像読取部、3…画像形成部、4…給紙部、5…定着・排紙部、10…制御部、11…操作部、51…第1定着器、511…加熱ロール、512…加圧ロール、52…第2定着器、531…加熱ロール、522…加圧ロール、527…定着ベルト、100,100´…画像形成装置。

Claims (14)

  1. トナー画像が形成された記録媒体が搬送される搬送経路と、
    前記搬送経路に設けられた加熱回転体と、
    前記搬送経路を挟んで前記加熱回転体と対向する位置に前記加熱回転体側に押し付けるように設けられる加圧回転体とを有し、
    前記加圧回転体の円周の長さLと前記搬送経路に記録媒体が連続搬送される際の記録媒体の間隔Dとが、L≦Dの関係に設定される
    ことを特徴とする定着装置。
  2. トナー画像が形成された記録媒体が搬送される搬送経路と、
    前記搬送経路の途中に設けられた周回移動する無端状の定着ベルトと、
    前記定着ベルトの内周面に沿うように設けられた加熱ロールと、
    前記加熱ロール、前記定着ベルトおよび前記搬送経路の順に挟んで対向する位置に前記加熱ロール側に押し付けるように設けられる加圧ロールとを有し、
    前記加圧ロールの円周の長さLと前記搬送経路に記録媒体が連続搬送される際の記録媒体の間隔Dとが、L≦Dの関係に設定される
    ことを特徴とする定着装置。
  3. トナー画像が形成された記録媒体が搬送される搬送経路であって、途中に主経路を第1経路と第2経路とに分けて選択的に搬送される分岐部を有する搬送経路と、
    前記分岐部の上流側に位置した主経路に設けられ、前記主経路の途中に設けられた第1加熱回転体と
    前記主経路を挟んで前記第1加熱回転体と対向する位置に前記第1加熱回転体側に押し付けるように設けられる第1加圧回転体とを備えた前記第1定着手段と、
    前記分岐部の下流側に位置した第2経路に設けられ、前記第2経路の途中に設けられた周回移動する無端状の定着ベルトと、
    前記定着ベルトの内周面に沿うように設けられた第2加熱ロールと、
    前記第2加熱ロール、前記定着ベルトおよび前記第2経路の順に挟んで対向する位置に前記第2加熱ロール側に押し付けるように設けられる第2加圧ロールとを備えた前記第2定着手段を有し、
    前記第1加圧ロールの円周の長さL1と前記搬送経路を記録媒体が連続搬送される際の記録媒体の間隔Dとが、L1≦Dの関係に設定される、
    または前記第2加圧ロールの円周の長さL2と前記搬送経路を記録媒体が連続搬送される際の記録媒体の間隔Dとが、L2≦Dの関係に設定される
    ことを特徴とする定着装置。
  4. 請求項2または3記載の定着装置において、
    前記定着ベルトには、剥離手段によって前記搬送経路に沿って延びる部分と離間する部分とが形成される
    ことを特徴とする定着装置。
  5. 請求項2または3記載の定着装置において、
    前記定着ベルトは、熱伝導率が15W/(m・K)以上となる
    ことを特徴とする定着装置。
  6. 請求項1乃至3のいずれかに記載の定着装置において、
    前記加熱回転体または加熱ロールは、その内部に加熱源が設けられ、前記加圧回転体または加圧ロールは、その表面に弾性層が形成される
    ことを特徴とする定着装置。
  7. 記録媒体の像担持面にトナー像を形成する画像形成手段と、
    前記トナー画像を記録媒体に転写する転写手段と、
    記録媒体が搬送される搬送経路と、
    前記搬送経路に沿って記録媒体を搬送させる搬送機構と、
    前記搬送機構により前記搬送経路に記録媒体が連続搬送される際のタイミングを調整する制御手段と、
    前記転写手段の下流に設けられ、加熱回転体と前記搬送経路を挟んで前記加熱回転体と対向する位置に前記加熱回転体側に押し付けられるように設けられる加圧回転体とを備えた定着手段を有し、
    前記制御手段は、記録媒体が連続搬送される際の記録媒体の間隔Dと前記加圧回転体の円周の長さLとの関係がL≦Dとなるように、前記前記搬送機構が搬送経路に記録媒体を送り出すタイミングが調整される
    ことを特徴とする画像形成装置。
  8. 記録媒体の像担持面にトナー像を形成する画像形成手段と、
    前記トナー画像を記録媒体に転写する転写手段と、
    記録媒体が搬送される搬送経路と、
    前記搬送経路に沿って記録媒体を搬送させる搬送機構と、
    前記搬送機構により前記搬送経路に記録媒体が連続搬送される際のタイミングを調整する制御手段と、
    前記転写手段の下流に設けられ、周回移動する無端状の定着ベルトと、前記定着ベルトの内周面に沿うように設けられた加熱ロールと、前記加熱ロール、前記定着ベルトおよび前記搬送経路の順に挟んで対向する位置に前記加熱ロール側に押し付けられるように設けられる加圧ロールとを備えた定着手段を有し、
    前記制御手段は、記録媒体が連続搬送される際の記録媒体の間隔Dと前記加圧ロールの円周の長さLとの関係がL≦Dとなるように、前記前記搬送機構が搬送経路に記録媒体を送り出すタイミングが調整される
    ことを特徴とする画像形成装置。
  9. 記録媒体の像担持面にトナー像を形成する画像形成手段と、
    前記トナー画像を記録媒体に転写する転写手段と、
    記録媒体が搬送される搬送経路であって、前記転写手段の下流側に主経路を第1経路と第2経路とに分けて選択的に搬送される分岐部を有する搬送経路と、
    前記搬送経路に沿って記録媒体を搬送させる搬送機構と、
    前記搬送機構により前記搬送経路に記録媒体を連続搬送する際のタイミングを調整する制御手段と、を備えた画像形成装置において、
    前記分岐部の上流側に位置した主経路に設けられ、前記主経路に設けられた第1加熱回転体と、前記搬送経路を挟んで前記加熱回転体と対向する位置に設けられ、前記第1加熱回転体側に押し付けられる第1加圧回転体を備えた第1定着手段と、
    前記分岐部の下流側に位置した第2経路に設けられ、前記第2経路の途中に設けられた周回移動する無端状の定着ベルトと、前記定着ベルトの内周面に沿うように設けられた第2加熱ロールと、前記定着ベルトおよび前記第2経路の順に挟んで対向する位置に、前記第2加熱ロール側に押し付けられるように設けられる第2加圧ロールを備えた第2定着手段とを有し、
    前記制御手段は、前記第1加圧ロールの円周の長さL1と前記経路を記録媒体が連続搬送される際の記録媒体の間隔Dとの関係がL1≦Dとなるように、前記前記搬送機構が搬送経路に記録媒体を送り出すタイミングが調整される、
    または、前記第2加圧ロールの円周の長さL2と前記第2経路を記録媒体が連続搬送される際の記録媒体の間隔Dとの関係がL2≦Dとなるように、前記前記搬送機構が搬送経路に記録媒体を送り出すタイミングが調整される
    ことを特徴とする画像形成装置。
  10. 請求項8または9記載の画像形成装置において、
    前記定着ベルトには、剥離手段によって前記搬送経路に沿って延びる部分と離間する部分とが形成される
    ことを特徴とする画像形成装置。
  11. 請求項8または9記載の画像形成装置において、
    前記定着ベルトは、熱伝導率が15W/(m・K)以上となる
    ことを特徴とする画像形成装置。
  12. 請求項7乃至9のいずれかに記載の画像形成装置において、
    前記加熱回転体または加熱ロールは、その内部に加熱源が設けられ、前記加圧回転体または加圧ロールは、その表面に弾性層が形成される
    ことを特徴とする画像形成装置。
  13. 請求項7乃至9のいずれかに記載の画像形成装置において、
    前記制御手段は、所定の時間間隔t毎に記録媒体を送り出すように、前記搬送機構を調整するものであり、
    記録媒体の速度をV、記録媒体の搬送方向の長さをAとした際、
    t≧(L+A)/V
    を満足する時間間隔に設定する
    ことを特徴とする画像形成装置。
  14. 請求項7乃至9のいずれかに記載の画像形成装置において、
    前記搬送経路へ送り出される記録媒体を検出する記録媒体検出手段を備え、
    前記制御手段は、前記記録媒体検出手段によって記録媒体の終端が検出された後に、次に記録媒体が搬送されるタイミングt0を、
    t0≧L/V 但し、Vは記録媒体の速度
    を満足する時間に設定する
    ことを特徴とする画像形成装置。
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