JP2008115884A - 変速機の変速駆動機構 - Google Patents

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浩海 角
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Abstract

【課題】部品点数が少なく組付け作業が容易で小型化を図ることができる変速機の変速駆動機構を供する。
【解決手段】ポールラチェット機構250が構成され、ラチェットポール265の外側への突出をシフタ252の所定回動角度範囲で規制するガイド部材270と、ドラムストッパアーム290の係止部材292が付勢手段284により付勢されてドラムセンタ251の外周に形成された係止溝251bに係止してドラムセンタ251をシフトドラム210とともに位置決めするドラム位置決め手段とを備えた変速機の変速駆動機構において、ガイド部材270は、複数延出したフランジの端部が変速機ケース31Lrに固着され、変速機ケース31Lrの所定位置に設けられる1支持部材281に、ドラムストッパアーム290が揺動自在に軸支されるとともに、ガイド部材270の1フランジ270bの端部が固着される変速機の変速駆動機構。
【選択図】図10

Description

本発明は、シフトドラムの回動により変速を行う変速機の変速駆動機構に関する。
シフト操作により回動するシフタがラチェットポールを外周に出没自在に保持してシフトドラムの一端に設けられるドラムセンタのラチェットハウジング内に嵌装されてドラムセンタをシフトドラムとともに間欠的に回動するポールラチェット機構を備える変速機の変速駆動機構は、種々提案されている。
その中でも、ラチェットポールの外側への突出をシフタの所定回動角度範囲で規制してシフタの往復回動を円滑にするガイド部材が設けられた例(例えば、特許文献1参照)がある。
特開昭59−29860号公報
同特許文献1における明細書の実施例に開示された変速機では、ガイド部材であるガイドプレートがミッションケースにボルト等により2箇所固着されており、別途ミッションケースに軸支されたドラムストッパアームの先端の位置決めローラがスプリングにより付勢されてドラムセンタの外周に形成された係止爪に係止してドラムセンタをシフトドラムとともに位置決めする構成が開示されている。
ドラムストッパアームを軸支する支持部材と、ガイドプレートを固着支持する2つの支持部材とは、別個に異なる位置に設けられている。
ドラムセンタの周りには、ドラムストッパアームやガイドプレートのほかに、シフトアーム等の部材が配設されて、スペース的に余裕がなく、ドラムストッパアームとガイドプレートを異なる支持部材で異なる位置に支持するために、スペースを拡張するなどしてミッションケースが大型化する傾向がある。
また、支持部材の数が多いことで、部品点数が多く、組付け作業も簡単ではない。
本発明は、かかる点に鑑みなされたもので、その目的とする処は、部品点数が少なく組付け作業が容易で小型化を図ることができる変速機の変速駆動機構を供する点にある。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、シフト駆動により回動するシフタがラチェットポールを外周から出没自在に保持してシフトドラムの一端に設けられるドラムセンタのラチェットハウジング内に嵌装されてドラムセンタをシフトドラムとともに間欠的に回動するポールラチェット機構が構成され、変速機ケースに固定され前記ラチェットポールの外側への突出を前記シフタの所定回動角度範囲で規制するガイド部材と、変速機ケースに軸支されたドラムストッパアームの係止部材が付勢手段により付勢されてドラムセンタの外周に形成された係止溝に係止してドラムセンタをシフトドラムとともに位置決めするドラム位置決め手段とを備えた変速機の変速駆動機構において、前記ガイド部材は、複数延出したフランジの端部が変速機ケースに固着され、変速機ケースの所定位置に設けられる1支持部材に、前記ドラムストッパアームが揺動自在に軸支されるとともに、前記ガイド部材の1フランジの端部が固着される変速機の変速駆動機構とした。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の変速機の変速駆動機構において、前記支持部材は、基端側突部が変速機ケースに嵌着され、先端側第1突部が大径部を有して前記ドラムストッパアームを軸方向の移動を規制して揺動自在に軸支し、先端側第2突部が固定部材の取付けにより前記ガイド部材の1フランジの端部を固着支持することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の変速機の変速駆動機構において、前記支持部材の先端側第1突部と先端側第2突部は、同軸に形成され、前記先端側第2突部には雄ネジが刻設され、前記固定部材は、先端側第2突部のネジに螺合して取付けられることを特徴とする。
請求項1記載の変速機の変速駆動機構によれば、変速機ケースの所定位置に設けられる1支持部材に、ドラムストッパアームが揺動自在に軸支されるとともに、ガイド部材の1フランジの端部が固着されるので、ドラムストッパアームとガイド部材が共通の1支持部材に支持されることで、部品点数を少なくし組付け作業を簡単にするとともに変速機の小型化を図ることができる。
請求項2記載の変速機の変速駆動機構によれば、変速機ケースに基端側突部が嵌着された支持部材の先端側第1突部が大径部を有してドラムストッパアームを軸方向の移動を規制して揺動自在に軸支し、先端側第2突部が固定部材の取付けによりガイド部材の1フランジの端部を固着支持するので、共通の支持部材にドラムストッパアームとガイド部材を少ない部品点数で集約的に支持させることができる。
請求項3記載の変速機の変速駆動機構によれば、支持部材の先端側第1突部と先端側第2突部は、同軸に形成され、前記先端側第2突部には雄ネジが刻設され、固定部材は先端側第2突部の雄ネジに螺合して取付けられるので、支持部材の構成が少ない部品点数で簡単である。
以下、本発明に係る一実施の形態について図1ないし図8に基づいて説明する。
本実施の形態に係る水冷式の内燃機関Eが搭載された不整地走行用車両1の車体カバー等を外した状態の側面図を図1に、同平面図を図2に示す。
なお、本実施の形態においては、車両の前進方向を向いた状態を基準にして前後左右を決めることとする。
不整地走行用車両1は、鞍乗り型の4輪車で、不整地用の低圧のバルーンタイヤが装着される左右一対の前輪FWと、同じバルーンタイヤが装着される左右一対の後輪RWが、車体フレーム2の前後に懸架される。
車体フレーム2は、複数種の鋼材を結合して構成され、内燃機関Eおよび変速機Tをクランクケース31内に一体に構成したパワーユニットPが搭載されるセンタフレーム部3、センタフレーム部3の前部に連接され前輪WFを懸架するフロントフレーム部4、センタフレーム部3の後部に連接されシート7を支持するシートレール6を有するリヤフレーム部5からなる。
センタフレーム部3は、左右一対のアッパパイプ3aが前後を下方へ屈曲させて略3辺をなし、他の略1辺を左右一対のロアパイプ3bが連結して側面視で概ね矩形をなし、左右両パイプをクロスメンバが連結して構成されている。
ロアパイプ3bの後部の斜め上方へ屈曲して延びた部分に固着されたピボットプレート8に、前端を軸支されたスイングアーム9が揺動自在に設けられ、スイングアーム9の後部とリヤフレーム部5との間にリヤクッション10が介装され、スイングアーム9の後端に設けられた後ファイナルリダクションギヤユニット19に後輪RWが懸架されている。
左右のアッパパイプ3aの前端部間に架設されたクロスメンバの幅方向中央にステアリングコラム11が支持されており、同ステアリングコラム11で操舵可能に支承されるステアリングシャフト12の上端部に操向ハンドル13が連結され、ステアリングシャフト12の下端部は前輪操舵機構14に連結される。
パワーユニットPの内燃機関Eは、水冷式2気筒内燃機関であり、クランク軸30を車体前後方向に指向させた所謂縦置きの姿勢で、センタフレーム部3に搭載される。
パワーユニットPの変速機Tは、内燃機関Eの左側に配置され、同左側に寄った変速機Tから前後方向に指向した出力軸80が前後に突出しており、同出力軸80の回転動力は、出力軸80の前端から前ドライブシャフト16および前ファイナルリダクションギヤユニット17を介して左右の前輪FWに伝達され、後端から後ドライブシャフト18および前記後ファイナルリダクションギヤユニット19を介して左右の後輪RWに伝達される。
車体フレーム2のフロントフレーム部4にはラジエータ27が支持されており、その前方にオイルクーラ28が配設されている。
パワーユニットPの前面図である図3および後面図である図4を参照して、パワーユニットPの内燃機関Eおよび変速機Tを内部に構成するクランクケース31は、クランク軸30を含む平面で上下に分割された上クランクケース31Uと下クランクケース31Lからなる上下割りの構造をしている。
上クランクケース31Uの上部には2つのシリンダボア32cを直列に配列して一体に成形されたシリンダブロック部32が幾らか左方に傾いて上方に延出形成され、同シリンダブロック部32の上にシリンダヘッド33が重ねられ、シリンダヘッド33の上にはシリンダヘッドカバー34が被せられる。
一方、下クランクケース31Lの下にはオイルパン35が取り付けられる。
シリンダヘッド33の右側壁から湾曲して略上方に延出する吸気管20が途中スロットルボディ21を介装して内燃機関Eの上方に配置されたエアクリーナ22に接続され、シリンダヘッド33の左側壁から湾曲して後方に延出した排気管23が、リヤフレーム部5の左側に取付けられた排気マフラー24に接続する。
図3ないし図5を参照して、シリンダブロック部32の2つのシリンダボア32cにピストン40が往復摺動可能に嵌合され、クランク軸30のクランクウエブ30w,30w間のクランクピン30pとピストン40のピストンピン40pとを、コンロッド41が連接してクランク機構を構成している。
シリンダヘッド33には、シリンダボア32c毎に、ピストン40に対向して形成される燃焼室42と、燃焼室42に開口して1対の吸気弁45により開閉される吸気ポート43が右方かつ上方に延出し、1対の排気弁46により開閉される排気ポート44が前方に延出し、さらに燃焼室42に臨む点火プラグ47が装着される。
なお、吸気ポート43に吸気管20が連結される。
シリンダヘッド33に回転可能に軸支されるカム軸48の吸気カムロブ48iに吸気弁45の上端が当接し、同カム軸48の排気カムロブ48eにロッカアーム軸49に軸支されたロッカアーム50の一端が接し、ロッカアーム50の他端に排気弁46の上端が当接している。
したがって、カム軸48によりクランク軸30の回転に同期して吸気弁45と排気弁46が、それぞれ吸気ポート43と排気ポート44を所定のタイミングで開閉する。
そのために、カム軸48は、後部にカムスプロケット48sが嵌着され、クランク軸30の後端部近傍に嵌着される駆動スプロケット30sとカムスプロケット48sの間にタイミングチェーン51が掛け渡され(図5参照)、クランク軸30の半分の回転速度で回転駆動される。
クランク軸30は、上クランクケース31Uと下クランクケース31Lにプレーンベアリング52を介して挟まれて回転自在に軸支され、図5に示すように、クランク軸30のクランク室より後方に突出した後側部分には、上記駆動スプロケット30sが形成され、そのさらに後側端部に流体継手であるフルードカップリング55を介してプライマリドライブギヤ56aが設けられる。
フルードカップリング55は、クランク軸30に固定されているポンプインペラ55pとそれに対向するタービンランナ55t、およびステータ55sを備えている。
クランク軸30に対して回転可能なタービンランナ55tに前記プライマリドライブギヤ56aは結合されており、クランク軸30からの動力は、作動油を介してプライマリドライブギヤ56aに伝達される。
プライマリドライブギヤ56aは、後記するメイン軸61に軸支されるプライマリドリブンギヤ56bに噛合して、クランク軸30の回転をメイン軸61側に伝達する。
他方、クランク軸30のクランク室Cより前方に突出した前側部分には、交流発電機57と一方向クラッチ58を介して始動用被動ギヤ59が軸支されている。
また、クランク軸30のクランク室Cの前側壁の内面に沿った部分には、バランサ軸駆動用ギヤ54が嵌着されている。
クランク軸30のクランクウエブ30wを収容するクランク室Cの左方に仕切り壁により仕切られてミッション室Mが形成されており、クランクケース31の一部がミッションケースを兼ねている。
ミッション室Mに収容される変速ギヤ機構60は、常時噛合い式のギヤ機構であり、クランク軸10の左方で斜め上方位置にメイン軸61が上クランクケース31Uに軸支され、同メイン軸61の左方で斜め下方位置でクランク軸30の左方位置にカウンタ軸71が上下のクランクケース31U,31Lの割り面に挟まれて軸支されている(図3,図4参照)。
メイン軸61は、内筒61iと同内筒61iの一部に回転自在に嵌合する外筒61oとからなり、内筒61iの前端が上クランクケース31Uのミッション室Mの前側壁31Ufに形成された軸受凹部62に第1ベアリング62bを介装して回転自在に軸支され、内筒61iの後方側の略中央位置に外筒61oが相対回転自在に嵌合されており、外筒61oの一部がミッション室Mの後側壁31Urに形成された軸受開口63に第2ベアリング63bを介装して回転自在に軸支され、内筒61iとともに支持される。
外筒61oは、第2ベアリング63bより内側部分に第2変速駆動ギヤm2と第4変速駆動ギヤm4が前後に一体に形成され、第2ベアリング63bより外側に一部外側部分が突出している。
内筒61iには、外筒61oの第2,第4変速駆動ギヤm2,m4より前方に前から順に第1変速駆動アイドルギヤm1、シフタと一体に形成され内筒61iにスプライン嵌合された第5変速駆動ギヤm5、第3変速駆動アイドルギヤm3が軸支されており、外筒61oの外側部分よりさらに後方に内筒61iの外側部分が突出している。
前側壁31Ufに形成された軸受凹部62は、小径の内筒61iの前端を軸支すべく内径が小さく形成されているのに対して、後側壁31Urに形成された軸受開口63は、後端の第4変速駆動ギヤm4の径より大きい内径を有しており、メイン軸61の組付け作業用に利用される。
なお、ミッション室Mの後側壁31Urの軸受開口63は、内側開口端が中心軸に向けて僅かに突出した内向きのフランジ63fが形成されているが、同フランジ63fの内径も第4変速駆動ギヤm4の径より大きい。
内筒61iの外側部分には、外筒61oと並んで入力スリーブ65が回転自在に嵌合し、同入力スリーブ65の中央に前記プライマリドリブンギヤ56bが嵌着されており、同プライマリドリブンギヤ56bがクランク軸30側のプライマリドライブギヤ56aと噛合する。
この入力スリーブ65のプライマリドリブンギヤ56bより後方に第1変速クラッチ66が組付けられ、プライマリドリブンギヤ56bより前方に第2変速クラッチ67が組付けられる。
一対の第1変速クラッチ66と第2変速クラッチ67は、同一構造の油圧式の多板摩擦クラッチである。
第1変速クラッチ66は、後方に開口した椀状をしたクラッチアウタ66oが入力スリーブ65に一体に嵌着され、クラッチインナ66iが内筒61iに一体に嵌着されている。
他方、第2変速クラッチ67は、前方に開口した椀状をしたクラッチアウタ67oが入力スリーブ65に一体に嵌着され、クラッチインナ67iが外筒61oの外側部分に一体に嵌着されている。
第1変速クラッチ66に油圧が供給されてクラッチアウタ66oとクラッチインナ66iが接続されると、プライマリドリブンギヤ56bと一体の入力スリーブ65の回転が外筒61oの第2,第4変速駆動ギヤm2,m4の回転に伝達され、油圧が供給されないとクラッチアウタ66oとクラッチインナ66iが切断されて外筒61oの第2,第4変速駆動ギヤm2,m4に回転が伝達されない。
同様に、第2変速クラッチ67に油圧が供給されてクラッチアウタ67oとクラッチインナ67iが接続されると、プライマリドリブンギヤ56bと一体の入力スリーブ65の回転が内筒61iに伝達され、内筒61iにスプライン嵌合された第5変速駆動ギヤm5が回転され、油圧が供給されないとクラッチアウタ67oとクラッチインナ67iが切断されて内筒61i上の第5変速駆動ギヤm5に回転が伝達されない。
上記のようなメイン軸61の左方で斜め下方位置に上下のクランクケース31U,31Lの割り面に挟まれて軸支されるカウンタ軸71は、その前側部分がミッション室Mの前側壁31Ufに形成された軸受開口72にベアリング72bを介装して回転自在に軸支され、後端がミッション室Mの後側壁31Ufに形成された軸受凹部73にベアリング73bを介装して回転自在に軸支される。
カウンタ軸71には、ミッション室M内において前側から順に第1変速被動ギヤn1、第5変速被動アイドルギヤn5、シフタと一体に形成されカウンタ軸71にスプライン嵌合された第3変速被動ギヤn3、リバースアイドルギヤnR、第2変速被動アイドルギヤn2、シフタnS、第4変速被動アイドルギヤn4が軸支されて配列されている。
対応する変速駆動ギヤと変速被動ギヤは常時噛合っている。
なお、カウンタ軸71の上方位置には、リバースアイドル軸70が配設され(図3,図4,図5参照)、リバースアイドル軸70にリバース大径ギヤr1とリバース小径ギヤr2が一体に回転自在に軸支され、リバース大径ギヤr1がメイン軸61上の第2変速駆動ギヤm2に噛合し、リバース小径ギヤr2がカウンタ軸71上のリバースアイドルギヤnRに噛合している。
メイン軸61上の第5変速駆動ギヤm5およびカウンタ軸71上の第3変速被動ギヤn3は、シフタギヤであり、この2つのシフタギヤとカウンタ軸71上のシフタnSが、変速駆動機構により軸方向に移動されて変速段が構成される。
すなわち、第5変速駆動ギヤm5の前後移動で1速段と3速段が構成され、第3変速被動ギヤn3の前後移動で5速段とリバースが構成され、シフタnSの前後移動で2速段と4速段が構成される。
この変速段の切換え制御と、第1変速クラッチ66と第2変速クラッチ67の制御とが相俟って各変速段の動力伝達がなされる。
カウンタ軸71の前端は、ベアリング72bより前方に突出しており、同前端に出力ギヤ74がスプライン嵌合されている。
カウンタ軸71の下方で斜め右方に前記出力軸80が配設されており(図3参照)、同出力軸80の前側部分にスプライン嵌合された被動ギヤ75が、カウンタ軸71の前端の出力ギヤ74と噛合してカウンタ軸71から出力軸80へ動力が伝達されるようになっている。
カウンタ軸71の前端の出力ギヤ74には出力軸80の被動ギヤ75との噛合により大きな負荷が加わるため、カウンタ軸71の前部を軸支するベアリング72bを比較的大きなものを用いて構成している。
上下割りに構成された上下のクランクケース31U,31Lのカウンタ軸71と出力軸80が突出する前面には割り面を跨いで前ケースカバー85が被せられ、上下のクランクケース31U,31Lの後面には割り面を跨いでクランク軸30の後端のフルードカップリング55とメイン軸61の後端の第1,第2変速クラッチ66,67を覆うように後ケースカバー150が一部ケースカバーも兼ねるスペーサ110を介して被せられる。
前記出力軸80は、鍛造成形された前端被軸受部81と後端被軸受部82とを中空筒部材83が連結して構成されており、前端被軸受部81が下クランクケース31Lの前側壁31Lfに形成された貫通孔76fを貫通して前ケースカバー85に形成された軸受開口86にベアリング86bを介装して前端を前ケースカバー85から前方に突出させて軸支され、後端被軸受部82が下クランクケース31Lの後側壁31Lrに形成された貫通孔76rを貫通してスペーサ110に形成された軸受開口111にベアリング111bを介装して後端をスペーサ110から後方に突出させて軸支される。
すなわち、出力軸80は、前端被軸受部81と後端被軸受部82が前後を突出させてそれぞれ前ケースカバー85とスペーサ110に回転自在に支持される。
特に、前側の貫通孔76fはカウンタ軸71の前側の軸受開口72に隣接する。
そして、前端被軸受部81にはベアリング85bの内側に隣接して前記被動ギヤ75がスプライン嵌合されている。
したがって、カウンタ軸71の前端の出力ギヤ74は、出力軸80の前端被軸受部81にスプライン嵌合された被動ギヤ75に噛合して、カウンタ軸71から出力軸80へ動力が伝達される。
一方、クランク軸30の右方位置にバランサ軸90が上下のクランクケース31U,31Lの割り面に挟まれて軸支されている(図3参照)。
バランサ軸90にスプライン嵌合した被動ギヤ93が、クランク軸30に嵌合された前記バランサ軸駆動用ギヤ54と噛合してクランク軸30の回転がバランサ軸90に同じ回転速度で伝達されるようになっている。
したがって、バランサ軸90のクランク軸30と同速度の回転でピストン40の往復動による1次振動を打ち消す。
前記変速機Tの変速ギヤ機構60のシフタを移動させて変速を行う変速駆動機構200は、クランク軸30およびメイン軸61の下方に設けられている。
後ケースカバー150の下部には、ギヤケース部が形成されており、後方からギヤケースカバー201に覆われて内部に減速ギヤ機構が設けられ、ギヤケースカバー201の右側には変速用電動モータ202が後方から取り付けられ、左下部にシフトスピンドル206が下クランクケース31Lの前後壁,後ケースカバー150を貫通し、後端をギヤケースカバー201から後方へ突出させて配設されている(図4,図7参照)。
そのシフトスピンドル206の後端には後ケースカバー201に固定された角度センサ208が取り付けられている(図7参照)。
また、シフトスピンドル206の下クランクケース31Lの前側壁31Lfを貫通して突出した前端に延長スピンドル207が同軸一体に連結され、延長軸207は前ケースカバー85を貫通し、前方に突出した前端は、六角柱状に形成された係合部207aを構成している。
ギヤケース内には第1アイドルギヤ軸203と第2アイドルギヤ軸204が回転自在に軸支され、変速用電動モータ202のギヤカバー201より前方へ突出したモータ駆動軸に形成された小径の駆動ギヤ202aが第1アイドルギヤ軸203と一体の大径ギヤ203aに噛合し、同第1アイドルギヤ軸203と一体の小径ギヤ203bが第2アイドルギヤ軸204と一体の大径ギヤ204aに噛合し、同第2アイドルギヤ軸204と一体の小径ギヤ204bがシフトスピンドル206に嵌着された扇形をしたギヤシフトアーム205に噛合して減速ギヤ機構が構成されている。
したがって、変速用電動モータ202の駆動は、この減速ギヤ機構を介して減速されてシフトスピンドル206を回動する。
下クランクケース31Lの前後側壁31Lf,31Lr間には、シフトスピンドル206の斜め上方にシフトドラム210がベアリング211,212を介して回転自在に軸支されている。
シフトドラム210のベアリング212に軸支される後端にはポールラチェット機構250のドラムセンタ251が回転中心軸253により同軸に結合されて後方に突設されている。
ドラムセンタ251のラチェットハウジング251h内に、ラチェットポール265を出没自在に保持したシフタ252が、回転中心軸253に回転自在に軸支されて嵌装され、ポールラチェット機構250が構成されている(図9,図10参照)。
前記シフトスピンドル206にはシフトアーム260が基端部を嵌着して設けられており、同シフトアーム260の揺動する先端に設けられた長孔260aaにシフタ252の後方に突出した突起252aが係合している。
したがって、シフトスピンドル206の回動でシフトアーム260が一体に揺動すると、長孔260aaと突起252aの係合によりシフタ252が回動され、シフタ252の回動がポールラチェット機構250を介してドラムセンタ251を間欠的に回動し、ドラムセンタ251と一体のシフトドラム210を回動する。
なお、ポールラチェット機構250については後に詳説する。
シフトドラム210の外周面には、図7および図8に示すように、3条の変速用リード溝210a,210b,210cと前端にリバースインヒビタ溝210rが形成されている。
シフトドラム210の3条の変速用リード溝210a,210b,210cに、ガイド軸215に摺動自在に支持されたシフトフォーク215a,215b,215cの各シフトピン215ap,215bp,215cpが摺動自在に嵌合しており、シフトドラム210の回動によりリード溝に案内されて軸方向に移動するシフトフォーク215aがメイン軸61上のシフタギヤ(第5変速駆動ギヤm5)を移動させ、シフトフォーク215b,215cがカウンタ軸71上のシフタギヤ(第3変速被動ギヤn3),シフタnSを移動させて有効に動力伝達するギヤの組を変更して変速を行う。
シフトドラム210の外周面前端のリバースインヒビタ溝210rには、後記するリバースインヒビタアーム231の先端が係脱自在に係合する(図6,図7参照)。
なお、シフトドラム210の回動角度は、シフトドラム210の前方に同軸に設けられたシフトポジション検出器213により検出される。
以上の変速駆動機構200により変速用電動モータ202の駆動が、減速ギヤ機構を介してシフトスピンドル206を回動し、シフトスピンドル206の回動がシフトアーム260およびポールラチェット機構250を介してシフトドラム210を回動し、シフトドラム210の回動によりシフトフォーク215a,215b,215cが軸方向に移動して変速を行う。
なお、前ケースカバー85から前方へ突出したスピンドル延長軸207の六角柱状の係合部207aに、回動操作具であるレンチの六角穴の作用部を係合して、前ケースカバー85の表面に沿って回動操作することで、シフトスピンドル206を回動して手動により変速を実行することができる。
以上のような変速駆動機構200を備えた本変速機Tには、さらに通常走行時にリバースに設定されないように規制するリバースインヒビタ機構230が設けられている。
前記したように、シフトドラム210の外周面にはリバースインヒビタ溝210rが形成されており、リバースインヒビタアーム231の先端がリバースインヒビタ溝210rに係脱自在に係合するようになっている。
図6および図7を参照して、シフトドラム210の下方において、下クランクケース31Lの対向する前後側壁31Lf,31Lrのうち前側壁31Lfに円筒状の軸受ボス部31bが形成されており、リバースインヒビタシャフト232が嵌挿されて前後方向に指向した姿勢で回転自在に軸支される。
このリバースインヒビタシャフト232の後端部に前記リバースインヒビタアーム231の基端部が嵌着されている。
リバースインヒビタシャフト232は、リバースインヒビタアーム231が嵌着される後端側が前端側より径が大きく、その大径の後半部232rが軸受ボス部31bに軸支される。
リバースインヒビタシャフト232の後半部232rより縮径した前半部232fは、前ケースカバー85に形成された円筒ボス部85bを貫通して前方に突出している。
リバースインヒビタシャフト232の前半部232fの後側部はスプライン溝232sが形成され、同スプライン溝232sに揺動アーム233を一体に支持するスリーブ233sがスプライン嵌合され、前半部232fのスプライン溝232sより前側部が前ケースカバー85の円筒ボス部85bに嵌挿される。
リバースインヒビタシャフト232の前端には、レバー235がボルト236により螺着される。
リバースインヒビタシャフト232の後半部232rの軸受ボス部31bに軸支される部分とリバースインヒビタアーム231が嵌着される後端との間にねじりコイルスプリング237が巻回され、ねじりコイルスプリング237の一端はリバースインヒビタアーム231に係止され、他端はリバースインヒビタシャフト232とシフトドラム210との間に形成されたボルト238が螺合されるボルトボス部239に係止され、図6に示す前面視でリバースインヒビタアーム231を時計回りに付勢し、リバースインヒビタアーム231の先端をシフトドラム210の外周面に当接する。
リバースインヒビタアーム231の先端が当接するシフトドラム210の外周面に、前記リバースインヒビタ溝210rが形成されていて、同リバースインヒビタ溝210rにリバースインヒビタアーム231の先端が係合する。
リバースインヒビタ溝210rは、シフトドラム210の外周面の展開図である図8に示すように、軸方向に変化することなく直線的に形成されているが、全周に亘って無端状に形成されているのではなく、溝が形成されていない部位が一部にあって、同部位を挟んで溝端部210ra,210rbが存している。
図8のシフトドラム210の外周面の展開図には、シフトフォーク215a,215b,215cの各シフトピン215ap,215bp,215cpが係合する3条の変速用リード溝210a,210b,210cが図示されており、軸方向に一列に並ぶシフトピン215ap,215bp,215cpのシフトドラム210の外周面に対する周方向位置により変速段が設定され、リバース(RVS)、ニュートラル(N)、1−2速、2−3速、3−4速、4−5速の6つの周方向位置が示されている。
例えば、1−2速の周方向位置にシフトピン215ap,215bp,215cpがあるときは、変速ギヤ機構60のギヤの組み合わせてとしては1速段と2速段が確立しており、そのいずれの変速段にするかは、前記第1変速クラッチ66と第2変速クラッチ67の切換え制御により決定される。
図8には、ニュートラル(N)の周方向位置にシフトピン215ap,215bp,215cp(2点鎖線で示す)があるとして、ニュートラル状態を示しており、このとき、リバースインヒビタアーム231の先端(2点鎖線で示す)は、リバースインヒビタ溝210rの溝端部210raにあり、これ以上シフトドラム210をリバース側に回動しようとしてもリバースインヒビタアーム231の先端がリバースインヒビタ溝210rの溝端部210raの端面に当接して回動を阻止する。
したがって、リバースインヒビタアーム231の先端がリバースインヒビタ溝210rに係合している通常走行時には、リバースインヒビタ状態にあってニュートラル(N)からリバースに安易に移行しないようにしている。
リバースインヒビタシャフト232の前ケースカバー85より前方に突出した前端に締結されたレバー235には、図3および図6に示すように前ケースカバー85に沿って左側から延びてきたケーブル240の端部が結合され、ケーブル240が引かれることで、レバー235がリバースインヒビタシャフト232をねじりコイルスプリング237に抗して前面視で反時計回りに回動し、リバースインヒビタシャフト232と一体のリバースインヒビタアーム231が反時計回りに回動することで、リバースインヒビタアーム231の先端がリバースインヒビタ溝210rから抜け出てリバースインヒビタ状態を解除することができる。
なお、前ケースカバー85のリバースインヒビタシャフト232の右方(図3,図6では左方)所定位置にリミットスイッチ241が取り付けられ、その後方に作動子241aが突出しており、ケーブル240が引かれリバースインヒビタ状態が解除されたときに、前記リバースインヒビタシャフト232にスプライン嵌合した揺動アーム233の先端が、作動子241aに作用してリミットスイッチ241をオンする。
このリミットスイッチ241からリバースインヒビタ状態解除のオン信号が出力されると、ランプが点灯してリバースインヒビタ状態が解除されたことを、運転者が確認できるようになっている。
以上のようなリバースインヒビタ機構230が設けられているので、運転者は、変速機Tをリバースに設定するときは、まずケーブル240を引いてリバースインヒビタ状態を解除してからリバースの移行操作をすることになる。
ここで、前記した変速駆動機構200のポールラチェット機構250について詳説する。
シフトアーム260は、図11に示すように、シフトスピンドル260に嵌着される円孔260cから作動アーム部260aと規制アーム部260bが延びており、作動アーム部260aの先端部に長孔260aaが形成され、規制アーム部260bの先端には開孔260bbが形成されていて、開孔260bbに突出した突片260tの上下両端が前方へ折曲して一対の支持片260s,260sが形成されている。
図7および図9を参照して、シフトスピンドル206には、リターンスプリング261が巻回され、その両端部がシフトアーム260の規制アーム部260bの一対の支持片260s,260sにそれぞれ係止され、下クランクケース31Lの後側壁31Lrの所定位置に後方に向けて突設されたピン262がリターンスプリング261の両端部の間に挟まれるようにして突出している。
したがって、シフトアーム260が外力により揺動すると、リターンスプリング261の一端部が一方の支持片260sにより押圧され、他端部がピン262に当接して固定されるので、リターンスプリング261の両端部はばね力に抗して開くことになり(図16、図17参照)、よってリターンスプリング261はシフトアーム260を中立位置に戻すように付勢する。
ドラムセンタ251のラチェットハウジング251hに嵌挿されるシフタ252は、図12に示すように、回転中心軸253が相対回動自在に嵌挿される円孔252cの両側に形成されたポケット部252b,252bにそれぞれラチェットポール265,265を外周から出没自在に保持し、このラチェットポール265,265を、スプリングにより付勢されたプランジャ266,266が外側に押圧して外側に突出する構成となっている。
ポケット部252b,252bの間で円孔252cから偏心した位置に前記突起252aが後方に向けて突出している。
このシフタ252がラチェットハウジング251hに嵌挿されるドラムセンタ251は、図13に示すように、中心に回転中心軸253が螺入されるねじ孔251cが形成され、後側に形成されるラチェットハウジング251hの内周面には6つの内周係合溝251aが形成され、外周面には複数の外周係止溝251bが形成されている。
このドラムセンタ251のラチェットハウジング251hの開口端面に沿ってガイド部材であるガイドプレート270が設けられる。
ガイドプレート270は、図14に図示するように、中央に前記ドラムセンタ251のラチェットハウジング251hと略同じ程度の大きさの所定形状に穿設された規制孔270aが形成されており、同規制孔270aの中央部分から3方向へフランジ270b,270c,270dが延びている。
各フランジ270b,270c,270dの先端に、それぞれ取付孔270bb,270cc,270ddが形成されている。
規制孔270aにストッパ突起部270tが突出している。
ガイドプレート270は、ドラムセンタ251の後面に沿って下クランクケース31の後側壁31Lrに取り付けられて固定され、中央の所定形状の規制孔270aは、その内周縁でドラムセンタ251のラチェットハウジング251h内に嵌挿されるシフタ252が保持するラチェットポール265,265の外側への突出をシフタ252の所定回動角度範囲で規制することができる。
ガイドプレート270を後側壁31Lrに取り付けるのに、2つのフランジ270c,270dは、後側壁31Lrとの間に円筒状のカラー271,271を介装して取付孔270cc,270ddに挿入されたボルト272,272により締結され(図7,図10参照)、もう1つのフランジ270bは、ドラムストッパアーム290を軸支する支持部に取り付けられる(図10参照)。
図9および図10を参照して、下クランクケース31の後側壁31Lrにおけるシフトドラム210の左隣りに雌ネジが刻設された円筒状の取付ボス部280が後方に突出して形成されており、取付ボス部280の雌ネジに支持部材としてのスタッドボルト281が後方から螺合して植設される。
スタッドボルト281は、略中央の所定位置に先端側第1突部に相当する大径部281aが形成されており、大径部281aより基端側の基端側突部281cに取付ボス部280に螺合する雄ネジが形成され、大径部281aより先端側の先端側第2突部281bに相当する先端部に雄ネジが形成されている(図10参照)。
なお、大径部281aの外周は、六角形などのスパナによって操作可能な形状をしている。
大径部281aには大径部281aの基端側端部より若干先端側に偏った位置に、フランジ281afが突出形成されている。
取付ボス部280にねじりコイルスプリング284を巻回しておき、スタッドボルト281の大径部281aのフランジ281afより基端側部分の外周にドラムストッパアーム290の基端部を揺動自在に軸支し、ワッシャ282を基端側突部281cに嵌合して、基端側突部281cの雄ネジを取付ボス部280の雌ネジに螺合して緊締すると、ワッシャ282とフランジ281afとの間空隙にドラムストッパアーム290が揺動自在に遊嵌される。
ドラムストッパアーム290の先端部には支軸291に軸支された係止ローラ292が回転自在に取り付けられている。
取付ボス部280に巻回されたねじりコイルスプリング284は、その一端が後側壁31Lrに突出した突起285に係止され、他端がドラムストッパアーム290の側部に係止され、ドラムストッパアーム290を図9の後面図において時計回りに付勢して先端の係止ローラ292を前記ドラムセンタ251の外周面に押圧する。
ドラムセンタ251の外周面には、複数の係止溝251bが形成されているので、係止ローラ292は1係止溝251bに嵌って安定し、ドラムセンタ251をシフトドラム210とともに位置決めする。
スタッドボルト281は、後端部の雄ネジに、前記ガイドプレート270の1フランジ270bの取付孔270bbを嵌合して固定部材であるフランジ付きナット286を螺合して大径部281aとの間に挟んで緊締して固定する。
ガイドプレート270は、3つのフランジ270b,270c,270dの先端部が、下クランクケース31の後側壁31Lrに固定されるが、そのうちの1フランジ270bが、ドラムストッパアーム290を軸支するスタッドボルト281にともに支持される。
スタッドボルト281は、雄ネジが形成された基端側突部281cと大径部(先端側第1突部)281aと先端側第2突部(先端雄ネジ部)281bが同軸に形成された1本のボルトであり、このスタッドボルト281を共通の支持部材としてドラムストッパアーム290が揺動自在に軸支されるとともにガイドプレート270の1フランジ270bが固定支持される。
したがって、1本のスタッドボルト281でガイドプレート270の1フランジ270bとドラムストッパアーム290とを集約的に支持し、少ない部品点数の簡単な構成で組付け作業も簡単にすることができる。
また、ドラムストッパアーム290とガイドプレート270の1フランジ270bをそれぞれ別個の支持部材で異なる位置に取り付けるのに比べて、両者を集約的に支持して取付けスペースを小さくし変速機の小型化を図ることができる。
以上の変速駆動機構200のポールラチェット機構250の動きを、図15ないし図18に基づいて説明する。
図15は、リバース状態のポールラチェット機構250の主要部を示している。
ねじりコイルスプリング284により付勢されたドラムストッパアーム290の先端の係止ローラ292は、ドラムセンタ251の外周係止溝251bの1つに嵌合して係止しドラムセンタ251をシフトドラム210とともにリバース回動位置に位置決めされ、シフトアーム260は中立位置に維持されている。
ここで、変速用電動モータ202が駆動してギヤ機構を介してシフトスピンドル206が図15において反時計回りに回動すると、一体にシフトアーム260は反時計回りに揺動し、シフトアーム260の作動アーム部260a先端の長孔260aaに係合した突起252aを介してシフタ252が反時計回りに回動する。
図15において、シフタ252が反時計回りに回動すると、左側のラチェットポール265の外側への突出端部がドラムセンタ251の1つの内周係合溝251aに係合して、図16に示すようにドラムセンタ251を一緒に反時計回りに回動する。
ドラムセンタ251と一体のシフトドラム210も反時計回りに回動する。
このとき、ドラムストッパアーム290の先端の係止ローラ292は外周係止溝251bを抜け出している。
さらにシフタ252とドラムセンタ251が反時計回りに回動すると、右側のラチェットポール265(図16では上側に移動)の外側への突出端部が、固定したガイドプレート270の規制孔270aの内周縁に押されて内側に没しており、左側のラチェットポール265(図16では下側に移動)は、その先端がガイドプレート270の規制孔270aに突出したストッパ突起部270tに当接してさらに外側に出て係止し、シフタ252の回動を規制し、図17に示す状態となる。
すなわち、ドラムストッパアーム290の先端の係止ローラ292がドラムセンタ251の隣りの外周係止溝251bに係合してドラムセンタ251とともにシフトドラム210を1速段の回動位置に位置決めし、リバースからニュートラルに変速される。
ここで、変速用電動モータ202によるシフトスピンドル206の回動が停止されると、シフトアーム260を中立位置に付勢しているリターンスプリング261によりシフトアーム260は中立位置に揺動させられる。
すなわち、図18に示すように、シフトアーム260は時計回りに揺動し、長孔260aaと突起252aの係合を介してシフタ252も時計回りに回動させられ元の中立姿勢に戻る。
このとき、図17において上側となったラチェットポール265は、戻り初めのうちはガイドプレート270の規制孔270aの内周縁に規制されて内側に没した状態で時計回りに移動するので、ドラムセンタ251の内周係合溝251aに係合することはなく、よってドラムセンタ251はシフトドラム210とともに1速段の回動位置に位置決めされたままとなる。
このように、ポールラチェット機構250は、変速用電動モータ202の駆動に伴うシフトアーム260の往復揺動がシフタ252を往復回動し、シフタ252の往復回動がドラムセンタ251をシフトドラム210とともに間欠的に回動して変速が実行される。
変速用電動モータ202がシフトスピンドル206を後面視で反時計回りに間欠的に回動することで変速段をシフトアップすることができ、時計回りに間欠的に回動することでシフトダウンすることができる。
本発明の一実施の形態に係るパワーユニットが搭載された不整地走行用車両の車体カバー等を外した状態の側面図である。 同平面図である。 同パワーユニットの前面図である。 同パワーユニットの後面図である。 同パワーユニットの展開断面図(図3のV−V線断面図)である。 リバースインヒビタ機構の主要部を示す同パワーユニットの一部省略した前面図である。 図6のVII−VII線断面図である。 シフトドラムの展開図である。 変速駆動機構の主要部を示す同パワーユニットの一部省略した後面図である。 図9のX−X線およびX´−X´線断面図である。 シフトアームの後面図である。 シフタの後面図である。 ドラムセンタの後面図である。 ガイドプレートの後面図である。 リバース状態における変速駆動機構の主要部の後面図である。 リバースからニュートラルへの変速途中の変速駆動機構の主要部の後面図である。 リバースからニュートラルへの変速直後の変速駆動機構の主要部の後面図である。 ニュートラル状態における変速駆動機構の主要部の後面図である。
符号の説明
P…パワーユニット、E…内燃機関、T…変速機、C…クランク室、M…ミッション室、
1…不整地走行用車両、30…クランク軸、31U…上クランクケース、31L…下クランクケース、31Uf,31Lf…前側壁、31Ur,31Lr…後側壁、
60…変速ギヤ機構、61…メイン軸、66…第1変速クラッチ、67…第2変速クラッチ、70…リバース軸、71…カウンタ軸、110…スペーサ、
200…変速駆動機構、202…変速用電動モータ、206…シフトスピンドル、210…シフトドラム、210a,210b,210c…変速用リード溝、210r…リバースインヒビタ溝、215a,215b,215c…シフトフォーク、
230…リバースインヒビタ機構、231…リバースインヒビタアーム、232…リバースインヒビタシャフト、235…レバー、237…ねじりコイルスプリング、240…ケーブル、
250…ポールラチェット機構、251…ドラムセンタ、251h…ラチェットハウジング、251a…内周係合溝、251b…外周係止溝、252…シフタ、253…回転中心軸、260…シフトアーム、261…リターンスプリング、265…ラチェットポール、266…プランジャ、
270…ガイドプレート、270a…規制孔、
280…取付ボス部、281…スタッドボルト、281a…大径部(先端側第1突部)、281b…先端側第2突部、281c…基端側突部、284…ねじりコイルスプリング、290…ドラムストッパアーム、292…係止ローラ。

Claims (3)

  1. シフト駆動により回動するシフタがラチェットポールを外周から出没自在に保持してシフトドラムの一端に設けられるドラムセンタのラチェットハウジング内に嵌装されてドラムセンタをシフトドラムとともに間欠的に回動するポールラチェット機構が構成され、
    変速機ケースに固定され前記ラチェットポールの外側への突出を前記シフタの所定回動角度範囲で規制するガイド部材と、
    変速機ケースに軸支されたドラムストッパアームの係止部材が付勢手段により付勢されてドラムセンタの外周に形成された係止溝に係止してドラムセンタをシフトドラムとともに位置決めするドラム位置決め手段とを備えた変速機の変速駆動機構において、
    前記ガイド部材は、複数延出したフランジの端部が変速機ケースに固着され、
    変速機ケースの所定位置に設けられる1支持部材に、前記ドラムストッパアームが揺動自在に軸支されるとともに、前記ガイド部材の1フランジの端部が固着されることを特徴とする変速機の変速駆動機構。
  2. 前記支持部材は、
    基端側突部が変速機ケースに嵌着され、
    先端側第1突部が大径部を有して前記ドラムストッパアームを軸方向の移動を規制して揺動自在に軸支し、
    先端側第2突部が固定部材の取付けにより前記ガイド部材の1フランジの端部を固着支持することを特徴とする請求項1記載の変速機の変速駆動機構。
  3. 前記支持部材の先端側第1突部と先端側第2突部は、同軸に形成され、
    前記先端側第2突部には雄ネジが刻設され、
    前記固定部材は、先端側第2突部のネジに螺合して取付けられることを特徴とする請求項2記載の変速機の変速駆動機構。
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