JP2008115765A - パティキュレートフィルタの故障判定装置及び故障判定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】光学的なパティキュレートセンサに依存することなく、パティキュレートフィルタの故障の有無を正しく判定するようにしたパティキュレートフィルタの故障判定装置及び故障判定方法を提供する。
【解決手段】放電センサからなるパティキュレートセンサ1000は、ディーゼル内燃機関100の排気管120に介装したパティキュレートフィルタ200の下流側に配設される。このパティキュレートセンサ1000は、高電圧発生回路2000手段から高電圧を印加されて、ディーゼル内燃機関100から排気管120内に流れパティキュレートフィルタ200を通りその下流側へ流出する排気ガス中のパティキュレートに応じ放電して放電電圧を発生する。マイクロコンピュータ500は、パティキュレートセンサ2000からディーゼル内燃機関100の始動後所定の時間以内に発生される放電電圧をパティキュレートの濃度に変換し、このパティキュレートの濃度に基づきパティキュレートフィルタ200の故障の有無を判定する。
【選択図】図1
【解決手段】放電センサからなるパティキュレートセンサ1000は、ディーゼル内燃機関100の排気管120に介装したパティキュレートフィルタ200の下流側に配設される。このパティキュレートセンサ1000は、高電圧発生回路2000手段から高電圧を印加されて、ディーゼル内燃機関100から排気管120内に流れパティキュレートフィルタ200を通りその下流側へ流出する排気ガス中のパティキュレートに応じ放電して放電電圧を発生する。マイクロコンピュータ500は、パティキュレートセンサ2000からディーゼル内燃機関100の始動後所定の時間以内に発生される放電電圧をパティキュレートの濃度に変換し、このパティキュレートの濃度に基づきパティキュレートフィルタ200の故障の有無を判定する。
【選択図】図1
Description
本発明は、ディーゼル機関等の内燃機関に採用されるパティキュレートフィルタの故障判定装置及び故障判定方法に関する。
従来、この種のパティキュレートフィルタの故障判定装置としては、下記特許文献1に記載のフィルタの故障判定装置が提案されている。当該故障判定装置は、内燃機関の排気系に設けたパティキュレートフィルタの故障を判定するものである。
この故障判定装置は、パティキュレートフィルタの故障の有無の判定にあたり、光透過式のパティキュレート量センサを採用してなるもので、このパティキュレート量センサは、内燃機関の排気系においてパティキュレートフィルタの下流側に設けられている。
しかして、当該パティキュレート量センサは、内燃機関の排気系においてパティキュレートフィルタを通りその下流側へ流出する排気ガス中のパティキュレートの量を、パティキュレートフィルタの故障の有無の判定のために、光学的に検出する。
特開2005−325812号公報
ところで、上記故障判定装置においては、パティキュレートの量の検出にあたり採用されるパティキュレート量センサが、上述のごとく、光透過式のセンサである。従って、当該パティキュレート量センサを構成する各種光学部品が、排気ガスに晒されてパティキュレートにより汚され易い。
従って、例えば、光学部品のうち発光部品や受光部品が、発光面や受光面において、パティキュレートの付着等により汚されると、発光部品の発光量や受光部品の受光量が減少し、その結果、パティキュレート量センサの検出出力の精度が低下する。
また、内燃機関が機械的に振動すると、パティキュレート量センサの各光学部品も振動して位置ずれを起こし、その結果、パティキュレート量センサにおける光軸にずれが生じ、パティキュレート量センサの検出出力の精度が低下する。
従って、上述のパティキュレート量センサの光学的検出出力によっては、パティキュレートフィルタの故障の有無の判定が正しく行われないという不具合を招く。換言すれば、パティキュレートフィルタが故障していないのに故障と判定したり、パティキュレートフィルタが故障しているのに故障していないと判定したりして、余分な故障対策をしたり、多量のパティキュレートを大気に放出したりするという不具合を招く。この意味で、光透過式のパティキュレート量センサは、信頼性に欠ける。
そこで、本発明は、以上述べたことに対処するため、光学的なパティキュレートセンサに依存することなく、パティキュレートフィルタの故障の有無を正しく判定するようにしたパティキュレートフィルタの故障判定装置及び故障判定方法を提供することを目的とする。
上記課題の解決にあたり、本発明者等は、パティキュレートフィルタの故障の有無の判定にあたり、パティキュレートセンサとして、放電センサを採用することを検討した。この放電センサは、その放電電圧によりパティキュレートの量を検出するものであるから、上述の従来技術で述べた光学式センサのような不具合は全くない。
そこで、当該放電センサの放電特性について調べてみた。これによれば、放電センサの放電電圧は、当該放電センサの放電原理上、その周囲の温度によって変化することが分かった。
具体的には、当該放電センサを、その放電部にてディーゼル内燃機関の排気通路の排気ガス中に位置するように、配置した。そして、当該放電センサの放電部に介在する排気ガス中のパティキュレートの濃度(以下、パティキュレート濃度ともいう)を変化させることで、当該放電部に発生する放電電圧とパティキュレート濃度との関係について調べてみた。これによれば、各グラフ1、2が、図5にて示すごとく、得られた。
ここで、グラフ1は、低い温度の排気ガス中における放電センサの放電電圧とパティキュレート濃度との関係を示し、また、グラフ2は、高い温度の排気ガス中における放電センサの放電電圧とパティキュレート濃度との関係を示す。
これらグラフによれば、放電センサの放電電圧は、下に凸な湾曲形状でもって、パティキュレート濃度の増大(または減少)に伴い、低下(または上昇)し、かつ、パティキュレート濃度の全変化範囲において、排気ガスの温度をパラメータとしてその上昇(または低下)に伴い、低下(または上昇)することを示している。
従って、放電センサにおいては、排気ガスの温度が低いほど、パティキュレート濃度に対する放電電圧の分解能は高く、また、排気ガスの温度が高い程、当該分解能は低くなる。
以上によれば、排気ガスの温度が低いときに、放電電圧を検出すれば、パティキュレートの濃度が正しく検出され得ることが分かる。
さらに、このようなことを前提として、排気ガスの温度が低いという条件がディーゼル内燃機関のどのような作動状態において満たされるかについて、検討してみた。
ディーゼル内燃機関の排気ガスの温度が低いということは、当該ディーゼル内燃機関の温度が低ければよいということである。このような観点からすれば、ディーゼル内燃機関がその始動直後にあれば、当該ディーゼル内燃機関の温度は、通常、低いことから、ディーゼル内燃機関から排出される排気ガスの温度も、必然的に低いと考えられる。
従って、当該ディーゼル内燃機関からその始動直後に排気通路内に流出する排気ガスのもとに、パティキュレートフィルタの下流側で放電電圧を検出することとすれば、分解能の高い放電電圧が得られ、その結果、パティキュレート濃度が正しく得られると考えられる。
以上のようなことを前提として、上記課題の解決にあたり、本発明に係るパティキュレートフィルタの故障判定装置は、請求項1の記載によれば、
内燃機関(100)の排気通路(120)に介装したパティキュレートフィルタ(200)の下流側に配設される放電センサからなるパティキュレートセンサ(1000、5000)と、高電圧を発生する高電圧発生手段(2000)とを備えて、パティキュレートセンサが、高電圧発生手段から上記高電圧を印加されて、内燃機関から排気通路内に流れパティキュレートフィルタを通りその下流側へ流出する排気ガス中のパティキュレートに応じ放電して放電電圧を発生したとき、この放電電圧に基づき上記パティキュレートの濃度を出力するパティキュレート濃度出力手段と、
内燃機関の始動後所定の時間以内にパティキュレート濃度出力手段から出力されるパティキュレートの濃度に基づき、パティキュレートフィルタの故障の有無を判定する故障判定手段(840、841)とを備える。
内燃機関(100)の排気通路(120)に介装したパティキュレートフィルタ(200)の下流側に配設される放電センサからなるパティキュレートセンサ(1000、5000)と、高電圧を発生する高電圧発生手段(2000)とを備えて、パティキュレートセンサが、高電圧発生手段から上記高電圧を印加されて、内燃機関から排気通路内に流れパティキュレートフィルタを通りその下流側へ流出する排気ガス中のパティキュレートに応じ放電して放電電圧を発生したとき、この放電電圧に基づき上記パティキュレートの濃度を出力するパティキュレート濃度出力手段と、
内燃機関の始動後所定の時間以内にパティキュレート濃度出力手段から出力されるパティキュレートの濃度に基づき、パティキュレートフィルタの故障の有無を判定する故障判定手段(840、841)とを備える。
これによれば、パティキュレートセンサが、本明細書の冒頭にて述べた従来の光透過式のセンサではなく、放電センサでもって構成されている。従って、当該パティキュレートセンサによれば、光透過式のセンサを採用した場合に生じるその光学部品のパティキュレートによる汚れとか、振動による光学部品の光軸のずれといったような不具合が発生することがない。その結果、パティキュレートセンサは、パティキュレートフィルタの故障の有無の判定を良好にかつ信頼性よく行うセンサとして最適である。
また、上述のごとく、パティキュレート濃度出力手段が内燃機関の始動後所定の時間以内にパティキュレートセンサから発生する放電電圧に基づき出力するパティキュレートの濃度に応じて、パティキュレートフィルタの故障の有無を判定する。
ここで、ディーゼル内燃機関の始動後所定の時間以内においては、当該ディーゼル内燃機関から排出される排気ガスの温度が低いため、放電電圧、ひいてはパティキュレートの濃度が、分解能を高く維持し得る状態で安定している。
従って、このようなパティキュレートの濃度を利用することで、パティキュレートフィルタの故障の有無が正しく判定され得る。
また、本発明は、請求項2の記載によれば、請求項1に記載のパティキュレートフィルタの故障判定装置において、故障判定手段がパティキュレートフィルタの故障と判定したとき当該故障を報知する報知手段(842、600、700)を備えることを特徴とする。
これにより、請求項1に記載の発明の作用効果を達成し得るのは勿論のこと、報知手段の報知を認識することで、パティキュレートフィルタの故障対策をタイミングよく迅速に行える。
また、本発明は、請求項3の記載によれば、請求項1または2に記載のパティキュレートフィルタの故障判定装置において、
パティキュレートセンサに設けてなるヒータ(5400)と、
内燃機関の停止後にヒータに通電する通電手段(852、1500)とを備えて、
ヒータは、その通電に伴い発熱して、パティキュレートセンサをヒートクリーニングするようにしたことを特徴とする。
パティキュレートセンサに設けてなるヒータ(5400)と、
内燃機関の停止後にヒータに通電する通電手段(852、1500)とを備えて、
ヒータは、その通電に伴い発熱して、パティキュレートセンサをヒートクリーニングするようにしたことを特徴とする。
これによれば、請求項1または2に記載の発明の作用効果を達成し得るのは勿論のこと、内燃機関の停止後では、排気通路内の排気ガスの流れが停止しており、従って、排気ガスの流れに起因する熱引きがないことから、ヒータの消費電力を軽減しつつ、パティキュレートセンサのヒートクリーニングが良好になされ得る。
また、本発明は、請求項4の記載によれば、請求項1〜3のいずれか1つに記載のパティキュレートフィルタの故障判定装置において、
故障判定手段は、内燃機関の始動後上記所定の時間以内にパティキュレート濃度出力手段から出力されるパティキュレート濃度が所定濃度(Do)以上のとき、パティキュレートフィルタの故障と判定するようになっており、
上記所定濃度は、パティキュレートフィルタが正常な場合のパティキュレート濃度出力手段からの出力と、パティキュレートフィルタが故障の場合のパティキュレート濃度出力手段からの出力との間の値をとるようにしたことを特徴とする。
故障判定手段は、内燃機関の始動後上記所定の時間以内にパティキュレート濃度出力手段から出力されるパティキュレート濃度が所定濃度(Do)以上のとき、パティキュレートフィルタの故障と判定するようになっており、
上記所定濃度は、パティキュレートフィルタが正常な場合のパティキュレート濃度出力手段からの出力と、パティキュレートフィルタが故障の場合のパティキュレート濃度出力手段からの出力との間の値をとるようにしたことを特徴とする。
このように設定した所定濃度を実際のパティキュレートの濃度に対する判定基準として利用することで、パティキュレートフィルタの故障判定が、精度よくなされ得る。その結果、請求項1〜3のいずれか1つに記載の発明の作用効果がより一層向上され得る。
また、本発明は、請求項5の記載によれば、請求項4に記載のパティキュレートフィルタの故障判定装置において、
内燃機関の始動後上記所定の時間以内にパティキュレート濃度出力手段から順次出力されるパティキュレート濃度をサンプリングするサンプリング手段(820、821、822)と、
このサンプリング手段によりサンプリングされた各サンプリング濃度に基づき平均濃度を算出する平均濃度算出手段(830)とを備えて、
故障判定手段は、その判定を、上記パティキュレート濃度に代わる上記平均濃度に基づき行うようにしたことを特徴とする。
内燃機関の始動後上記所定の時間以内にパティキュレート濃度出力手段から順次出力されるパティキュレート濃度をサンプリングするサンプリング手段(820、821、822)と、
このサンプリング手段によりサンプリングされた各サンプリング濃度に基づき平均濃度を算出する平均濃度算出手段(830)とを備えて、
故障判定手段は、その判定を、上記パティキュレート濃度に代わる上記平均濃度に基づき行うようにしたことを特徴とする。
これにより、パティキュレートフィルタの故障判定が、外乱の影響を受けることなく、精度よく、なされ得る。
次に、パティキュレートフィルタが正常な場合の放電電圧及び故障の場合の放電電圧を、ディーゼル内燃機関の始動時からの時間の経過過程において、パティキュレートセンサにより検出してみた。また、排気ガスの温度(以下、排気温ともいう)をも、ディーゼル内燃機関の始動時からの時間の経過過程において、温度センサにより検出してみた。
ここで、パティキュレートフィルタが正常な場合とは、当該パティキュレートフィルタが、排気ガス中のパティキュレートをその濃度如何に関係なく良好に捕集し得る場合をいう。また、パティキュレートフィルタが故障の場合とは、当該パティキュレートフィルタが、排気ガス中のパティキュレートを上述のように良好には捕集し得ない場合をいう。
上述のように放電電圧及び排気温を検出したところによれば、図4にて示すような各グラフ3、4及び5が得られた。但し、放電電圧はパティキュレート濃度の増大(または減少)に応じて低下(または上昇)するという関係にあることを利用して、各グラフ3、4及び5は、当該放電電圧をパティキュレート濃度に変換した結果でもって示されている。
ここで、グラフ3は、パティキュレートフィルタが正常な場合において、ディーゼル内燃機関の始動時からの時間tの経過に伴うパティキュレート濃度(以下、パティキュレート濃度Dともいう)の変化を示す。また、グラフ4は、パティキュレートフィルタが故障の場合において、ディーゼル内燃機関の始動時からの時間tの経過過程に伴うパティキュレート濃度Dの変化を示す。また、グラフ5は、ディーゼル内燃機関の始動時からの時間tの経過に伴う排気温(以下、排気温Tともいう)の変化を示す。
しかして、グラフ3によれば、パティキュレート濃度Dは、時間t=300(秒)の経過までは、殆ど、零に近い値をとり、その後の時間tの経過に伴い、急激に上昇していることが分かる。一方、グラフ4によれば、パティキュレート濃度Dは、グラフ3に比べて、時間t=300(秒)の経過まで、ほほ一定の高い値をとり、その後の時間tの経過に伴い、急激に上昇していることが分かる。また、グラフ5によれば、排気ガスの温度Tは、時間tの300(秒)の経過までは、ほほ一定の低い値をとり、その後の時間tの経過に伴い、急激に上昇することが分かる。
このように検討してみると、ディーゼル内燃機関の始動後300(秒)経過までは、ディーゼル内燃機関の温度、つまり、排気温Tが低く、このような段階では、パティキュレート濃度Dは、パティキュレートフィルタの故障の有無に関係なく、ほぼ一定の値を安定的に維持し、かつ、パティキュレートフィルタの故障の場合の方が正常な場合に比べて高い値を維持することが分かる。
以上説明したことによれば、ディーゼル内燃機関の始動後300(秒)の経過までの間であれば、放電センサからなるパティキュレートセンサによって、パティキュレートを良好に検出し得ることが分かる。
但し、時間t=100(秒)の経過までであれば、パティキュレートフィルタが正常な場合のパティキュレート濃度Dは、ほぼ零である。従って、パティキュレートセンサによる検出は、時間t=100(秒)の経過までに行うことが最も好ましい。
また、時間t=100(秒)の経過後時間t=250(秒)の経過までであれば、パティキュレートフィルタが正常な場合のパティキュレート濃度Dは、ほぼ零とはいえないが、幾分高い程度である。従って、パティキュレートセンサによる検出は、時間t=250(秒)の経過までに行うようにしてもよい。
また、時間t=250(秒)の経過後時間t=300(秒)の経過まででは、パティキュレート濃度Dが増大し始めるが、パティキュレート濃度Dは、さらに幾分上昇する程度である。従って、パティキュレートセンサによる検出は、時間t=300(秒)の経過までに行うようにしても、実用上差し支えない。
また、本発明は、請求項6の記載によれば、請求項1〜5のいずれか1つに記載のパティキュレートフィルタの故障判定装置において、上記所定の時間は、300(秒)、好ましくは、250(秒)、さらに好ましくは、100(秒)であることを特徴とする。
このように上記所定の時間を、300(秒)、250(秒)或いは100(秒)と短くする程、パティキュレートフィルタが正常な場合のパティキュレートの濃度が零に近づくので、上記所定の時間が短い程、パティキュレートフィルタの故障判定が精度よくなされ得る。その結果、上記所定の時間が短い程、請求項1〜5のいずれか1つに記載の発明の作用効果がより一層向上され得る。
また、本発明に係るパティキュレートフィルタの故障判定方法では、請求項7の記載によれば、
内燃機関(100)の排気通路(120)に介装したパティキュレートフィルタ(200)の下流側に配設される放電センサからなるパティキュレートセンサ(1000、5000)を、内燃機関から排気通路内に流れパティキュレートフィルタを通りその下流側へ流出する排気ガス中のパティキュレートに応じ放電させて、パティキュレートセンサから放電電圧を発生させ、
内燃機関の始動後所定の時間以内にパティキュレートセンサから発生する放電電圧に対応するパティキュレートの濃度に基づきパティキュレートフィルタの故障の有無を判定するようにした。
内燃機関(100)の排気通路(120)に介装したパティキュレートフィルタ(200)の下流側に配設される放電センサからなるパティキュレートセンサ(1000、5000)を、内燃機関から排気通路内に流れパティキュレートフィルタを通りその下流側へ流出する排気ガス中のパティキュレートに応じ放電させて、パティキュレートセンサから放電電圧を発生させ、
内燃機関の始動後所定の時間以内にパティキュレートセンサから発生する放電電圧に対応するパティキュレートの濃度に基づきパティキュレートフィルタの故障の有無を判定するようにした。
これによれば、請求項1に記載の発明の作用効果を達成し得るパティキュレートフィルタの故障判定方法の提供が可能となる。
また、本発明は、請求項8の記載によれば、請求項7に記載のパティキュレートフィルタの故障判定方法において、パティキュレートセンサに設けたヒータ(5400)を、内燃機関の停止後に通電し、当該ヒータからその通電に伴い発生する熱でもって、パティキュレートセンサをヒートクリーニングするようにしたことを特徴とする。
これによれば、請求項7に記載の発明の作用効果を達成し得るのは勿論のこと、内燃機関の停止後では、排気通路内の排気ガスの流れが停止しており、従って、排気ガスの流れに起因する熱引きがないことから、ヒータの消費電力を軽減しつつ、パティキュレートセンサのヒートクリーニングが良好になされ得る。
また、本発明は、請求項9の記載によれば、請求項7または8に記載のパティキュレートフィルタの故障判定方法において、
所定濃度(Do)が、パティキュレートフィルタが正常な場合の上記パティキュレート濃度と、パティキュレートフィルタが故障の場合の上記パティキュレート濃度との間の値をとるように定められており、
上記パティキュレートの濃度が上記所定濃度以上のとき、パティキュレートフィルタの故障と判定するようにしたことを特徴とする。
所定濃度(Do)が、パティキュレートフィルタが正常な場合の上記パティキュレート濃度と、パティキュレートフィルタが故障の場合の上記パティキュレート濃度との間の値をとるように定められており、
上記パティキュレートの濃度が上記所定濃度以上のとき、パティキュレートフィルタの故障と判定するようにしたことを特徴とする。
これにより、請求項4に記載の発明の作用効果が達成され得るパティキュレートフィルタの故障判定方法の提供が可能となる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
以下、本発明の各実施形態を図面により説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明に係るパティキュレートフィルタの故障判定装置が、自動車に搭載のディーゼル内燃機関100に適用された例を示している。ディーゼル内燃機関100は、機関本体110の燃焼室から排気管120を延出してなるもので、当該ディーゼル内燃機関100は、機関本体110にて、内燃機関制御装置130により制御されて始動し、上記燃焼室内の混合気の燃焼に伴い、排気ガスを、排気管120を通して外部へ排出する。なお、内燃機関制御装置130は、スタータ回路、グロー回路及び燃料噴射回路を備え、これらスタータ回路、グロー回路及び燃料噴射回路の制御でもって、ディーゼル内燃機関100の始動を行う。
(第1実施形態)
図1は、本発明に係るパティキュレートフィルタの故障判定装置が、自動車に搭載のディーゼル内燃機関100に適用された例を示している。ディーゼル内燃機関100は、機関本体110の燃焼室から排気管120を延出してなるもので、当該ディーゼル内燃機関100は、機関本体110にて、内燃機関制御装置130により制御されて始動し、上記燃焼室内の混合気の燃焼に伴い、排気ガスを、排気管120を通して外部へ排出する。なお、内燃機関制御装置130は、スタータ回路、グロー回路及び燃料噴射回路を備え、これらスタータ回路、グロー回路及び燃料噴射回路の制御でもって、ディーゼル内燃機関100の始動を行う。
また、パティキュレートフィルタ200は、排気管120の一部に介装されており、このパティキュレートフィルタ200は、多孔質セラミックからなるハニカムコアでもって形成されている。しかして、当該パティキュレートフィルタ200は、排気管120内に流れる排気ガスを流入されて、当該排気ガスから煤等のパティキュレート(微粒子)を捕集する。
以下、当該パティキュレートフィルタ故障判定装置の構成について説明する。本第1実施形態では、上述の解決課題にて述べたことを前提として、以下に述べるごとく、スパークプラグ型の放電センサがパティキュレートセンサ1000として採用され、かつ、当該パティキュレートセンサ1000による検出が、ディーゼル内燃機関100の始動後100(秒)の経過までに行われるようにした。
当該パティキュレートフィルタ故障判定装置は、マイクロコンピュータ500を備えており、このマイクロコンピュータ500は、当該自動車に搭載の直流電源300からイグニッションスイッチ400を介しそのオンに伴い給電されて作動する。また、当該マイクロコンピュータ500は、その作動のもと、図3にて示すフローチャートに従い、コンピュータプログラムを実行し、この実行中において、内燃機関制御装置130を介するディーゼル内燃機関100の始動処理、パティキュレート検出装置3000の検出出力に基づく故障判定処理及び故障警告処理等の種々の処理を行う。
なお、上記コンピュータプログラムは、マイクロコンピュータ500のROMに当該マイクロコンピュータにより読み出し可能に予め記憶されている。また、イグニッションスイッチ400は、そのオン(閉成操作)により、直流電源300からの直流電圧をマイクロコンピュータ500に印加する。また、この印加は、イグニッションスイッチ400のオフ(開成操作)により、遮断される。
パティキュレート検出装置3000は、図1にて示すごとく、パティキュレートセンサ1000及び高電圧発生回路2000を備えている。
パティキュレートセンサ1000は、スパークプラグ型の放電センサでもって構成されており、当該パティキュレートセンサ1000は、図2にて示すごとく、金具部材1100、筒部材1200及びロッド部材1300を備えている。
金具部材1100は、円筒状の主体金具1110及びL字板状の外側電極1120を備えている。主体金具1110は、基端側金具部1111、先端側金具部1112及び基端側金具部1111と先端側金具部1112とをつなぐ鍔部1113を有しており、これら基端側金具部1111、先端側金具部1112及び鍔部1113は、軟鋼材料でもって、図1にて示すごとく、一体的にかつ同軸円筒状に形成されている。
先端側金具部1112は、基端側金具部1111よりも小さな内径を有している。また、鍔部1113の内周面は、基端側金具部1111の内周面に向け末広がり状に傾斜して形成されて環状の傾斜面部1114を構成している。
外側電極1120は、連結部1121及び電極部1122を有しており、連結部1121は、その基端部にて、先端側金具部1112の先端開口部1115の一部に一体的に連結されて、この先端開口部1115の一部から先端側金具部1112の軸に平行に延出している。
電極部1122は、連結部1121の延出端部から主体金具1110の軸心側へL字状に折れ曲がって延出しており、当該電極部1122は、先端側金具部1112の先端開口部1115に対向している。なお、本第1実施形態では、主体金具1100は、外側電極1120を高電圧発生回路2000の負側出力端子に接続する負極として用いられる。また、当該外側電極1120の形成材料としては、ニッケル合金、イリジウム、白金、タングステン、SUS鋼等のスパークプラグに用いられる材料が採用されている。
筒部材1200は、基端側部位1210、中間側部位1220及び先端側部位1230を有しており、これら基端側部位1210、中間側部位1220及び先端側部位1230は、セラミック等の電気絶縁材料でもって、図2にて示すごとく、一体的にかつ同軸円筒状に形成されている。
中間側部位1220は、基端側部位1210と先端側部位1230との間にてこれら基端側部位1210及び先端側部位1230よりも大きな外径を有するように形成されている。このため、中間側部位1220の外周面は、その軸方向両端部にて、それぞれ、基端側部位1210の外周面及び先端側部位1230の大径部1231(後述する)の外周面に向けて末すぼまり状に傾斜して形成されて両傾斜面部1221、1222を構成している。
先端側部位1230は、図2にて示すごとく、互いに同軸的にかつ一体的に形成した大径部1231及び小径部1232でもって構成されており、大径部1231は、中間側部位1220から基端側部位1210とは逆方向に向け同軸的に延出している。小径部1232は、大径部1231から中間側部位1220とは逆方向に向け延出している。
しかして、以上のように構成した筒部材1200においては、先端側部位1230が主体金具1110の先端側金具部1112に挿通されている。また、中間側部位1220は、主体金具1110の基端側金具部1111内に嵌装されて、傾斜面部1222にて、先端側金具部1112の傾斜面部1114上に着座している。
これにより、筒部材1200は金具部材1100内に同軸的に支持されている。ここで、筒部材1200は、その大径部1231にて、金具部材1100の先端側金具部1112に嵌合されている。なお、主体金具1110は、基端側金具部1111の開口部1116にて、カシメにより筒部材1200の中間側部位1220の傾斜面部1221に締着されている。
ロッド部材1300は、ロッド状導通部材1310にロッド状中心電極1320を同軸的に連結してなるもので、このロッド部材1300は、筒部材1200内にその基端側部位1210から挿通されている。これにより、当該ロッド部材1300は、導通部材1310の基端部1311にて、筒部材1200の基端側部位1210に着座することで、筒部材1200内に同軸的に支持されている。なお、導通部材1310は、その基端部1311にて、中心電極1320を高電圧発生回路2000の正側出力端子に接続する正極を構成する。
当該ロッド部材1300の中心電極1320は、筒部材1200の先端側部位1230から外側電極1120の電極部1122に向け延出している。この中心電極1320は、図1にて示すごとく、円錐形状の先端部を電極部1321として有しており、当該電極部1321は、所定の放電間隙をおいて、外側電極1120の電極部1122に対向している。本第1実施形態では、このように両電極部1122、1321が上記放電間隙を介し対向することで、当該パティキュレートセンサ1000において放電を発生する放電部1322を構成する。
以上のように構成したパティキュレートセンサ1000は、両電極部1122、1321の間にかかる所定の高電圧に応じ、放電部1322にて放電し放電電圧を発生する。このことは、両電極部1122、321間にかかる電圧が、パティキュレートセンサ1000により、放電時の電圧、即ち放電電圧として検出されることを意味する。
高電圧発生回路2000は、イグニッションスイッチ400のオンに伴い、直流電源300から給電されて上記所定の高電圧を発生するもので、当該高電圧発生回路2000は、その正負両側出力端子から、パティキュレートセンサ1000の正負両極間に印加する。本第1実施形態では、上記所定の高電圧は、上述の放電間隙を前提に両電極部1122、1321の間の空気を絶縁破壊して放電部1322に放電を発生させる電圧、例えば、10(kV)に設定されている。
駆動回路600は、マイクロコンピュータ500により駆動制御されて、故障警告ランプ700を点灯する。なお、故障警告ランプ700は、当該自動車の車室内にて運転者の見易い位置に支持されている。
以上のように構成した本第1実施形態において、パティキュレート検出装置3000のパティキュレートセンサ1000は、放電部1322にて、ディーゼル内燃機関100の排気管120内に露呈するように、パティキュレートフィルタ200の下流側において、排気管120に取り付けられているものとする(図1参照)。
但し、当該パティキュレートセンサ1000は、ロッド部材1300の基端部1311及び金具部材1100の主体金具1110にて、それぞれ、高電圧発生回路2000の正側出力端子及び負側出力端子に接続されているものとする。
このような状態にて、イグニッションスイッチ400がオンされると、高電圧発生回路2000は、上記所定の高電圧を発生しパティキュレートセンサ1000に印加するとともに、マイクロコンピュータ500は、直流電源300から給電されて作動し、図3のフローチャートに従い、スタートステップにて、上記コンピュータプログラムの実行を開始する。
これに伴い、マイクロコンピュータ500は、ステップ800において、ディーゼル内燃機関100の始動処理を行う。このため、内燃機関制御装置130は、マイクロコンピュータ500による始動処理に基づき、ディーゼル内燃機関100の機関本体110を始動するように制御する。
すると、ディーゼル内燃機関100は、機関本体110の燃焼室内の混合気の燃焼に基づき始動し、排気ガスを排気管120内に流入させる。これに伴い、当該排気ガスはパティキュレートフィルタ200及びパティキュレートセンサ1000の放電部1322を通り外部に排出される。
このとき、排気ガス中のパティキュレートが、パティキュレートフィルタ200によりその捕集機能に応じて捕集される。また、パティキュレートセンサ1000は、その放電部1322にて、上記捕集後の排気ガスに晒され、高電圧発生回路2000からの高電圧に基づき、放電部1322にて、上述の捕集後のパティキュレートの濃度に対応する放電電圧を発生する。このことは、パティキュレートセンサ1000は、上述の捕集後のパティキュレートの濃度に対応する放電電圧を検出することを意味する。
上述のようなステップ800におけるディーゼル内燃機関100の始動処理後、次のステップ810にて、マイクロコンピュータ500に内蔵のソフトタイマの始動処理がなされる。これに伴い、当該ソフトタイマは、リセットされて始動し、計時を開始する。
ついで、ステップ820において、時間tが100(秒)以下か否かについて判定される。本第1実施形態では、上述の100(秒)は、上述のごとく、当該ディーゼル内燃機関100の始動後の100(秒)を考慮して設定されて、マイクロコンピュータ500のROMに予め記憶されている。
現段階では、上記ソフトタイマの計時開始直後であるから、t≦100(秒)が成立する。このため、ステップ820において、YESと判定される。
これに伴い、次のステップ821において、放電電圧の入力処理がなされる。ここでは、パティキュレートセンサ1000により現段階にて検出された放電電圧(以下、放電電圧Vrという)が、マイクロコンピュータ500にステップ821にて入力される。
ついで、ステップ822において、パティキュレート濃度Dへの変換処理がなされる。この変換処理では、ステップ821で入力した放電電圧Vrが、パティキュレート濃度Dと放電電圧Vrとの関係を表す所定のパティキュレート濃度−放電電圧特性に基づき、パティキュレート濃度Dに変換される。
なお、本第1実施形態では、パティキュレート濃度Dが放電電圧Vrの上昇(または低下)に応じて低下(または増大)するデータとして、上述のパティキュレート濃度−放電電圧特性が設定されてマイクロコンピュータ500のROMに予め記憶されている。
上述のような変換がなされた後、時間tが100(秒)を超えるまでは、最新の放電電圧の入力処理に基づきパティキュレート濃度Dへの変換が、各ステップ820、821、822を通る循環処理のもとに、繰り返される。
然る後、上記ソフトタイマの計時時間が100(秒)を超えると、ステップ820において、NOと判定され、上記コンピュータプログラムはステップ830に進む。このステップ830においては、上述のように100(秒)の間にステップ822において変換された複数のパティキュレート濃度Dが、相加平均されて、パティキュレートの平均濃度Daveとして算出される。
このようにしてステップ830の処理が終了すると、ステップ840において、ステップ830で算出した平均濃度Daveが所定濃度Do以上か否かについて、判定される。本第1実施形態では、所定濃度Doは、次のように設定されている。上述のように図4を用いて説明したごとく、ディーゼル内燃機関100の始動後100(秒)以内においては、パティキュレート濃度Dが、パティキュレートフィルタ200が正常な場合及び故障の場合で、ほぼ一定の大きな濃度差を有する。
そこで、例えば、時間t=50(秒)のときに、パティキュレートフィルタ200が正常な場合及び故障の場合に生ずる各パティキュレート濃度Dの平均濃度をとれば、この平均濃度は、パティキュレートフィルタ200の正常及び故障のいずれかを正しく識別する基準となる。このため、本第1実施形態では、上述のように正常な場合及び故障の場合に生ずる各パティキュレート濃度Dの平均濃度が、所定濃度Do(図4参照)として設定されて、マイクロコンピュータ500のROMに予め記憶されている。
現段階において、平均濃度Daveが所定濃度Do以上であれば、ステップ840においてYESと判定される。ここで、平均濃度Daveは、上述のごとく、複数のパティキュレート濃度Dの平均値であるから、ステップ840におけるYESとの判定は、外乱の影響を受けることなく、精度よくなされ得る。
しかして、ステップ840におけるYESとの判定によれば、パティキュレートフィルタ200のパティキュレートに対する捕集能力が低いために当該パティキュレートフィルタ200がパティキュレートを良好には捕集し得ていないこととなる。このため、ステップ841における故障判定処理において、パティキュレートフィルタ200が故障している旨の判定がなされる。
これに伴い、ステップ842における故障警告処理に基づき、故障警告ランプ700が、駆動回路600により駆動されて点灯する。すると、当該自動車の乗員は、故障警告ランプ700の点灯に基づき、パティキュレートフィルタ200の故障を視認し得る。その結果、当該パティキュレートフィルタ200を新品に交換する等の必要な処理がタイミングよくなされ得る。
一方、ステップ840における判定がNOとなる場合には、パティキュレートフィルタ200は、パティキュレートを、その濃度如何に関わらず十分に捕集していることから、当該パティキュレートフィルタ200は正常な状態にある。このため、上記コンピュータプログラムは、ステップ840からエンドステップに直接進む。
以上述べたように、パティキュレートセンサ1000は、本明細書の冒頭にて述べた従来の光透過式のセンサではなく、両電極部を有する放電センサでもって構成されている。従って、当該パティキュレートセンサ1000によれば、光透過式のセンサを採用した場合に生じるその光学部品のパティキュレートによる汚れとか、振動による光学部品の光軸のずれといったような不具合が発生することがない。その結果、パティキュレートセンサ1000は、パティキュレートフィルタ200の故障の有無の判定を良好にかつ信頼性よく行うセンサとして最適である。
ここで、パティキュレートセンサ1000は、上述のごとく、スパークプラグ型のものであることから、自動車用センサとしての信頼性に優れるのは勿論のこと、安価に提供され得る。
また、上述のごとく、ステップ841における故障判定処理にあたり、ディーゼル内燃機関100の始動後100(秒)以内(ステップ800〜ステップ820参照)において、パティキュレートセンサ1000により検出される放電電圧に基づきパティキュレート濃度Dへの変換(ステップ821、822参照)を行うようにした。
従って、ディーゼル内燃機関100の始動後100(秒)以内の排気温Tが上述のごとく低いことから、パティキュレートセンサ1000が放電センサであっても、当該パティキュレートセンサ1000により検出される放電電圧は、安定している。しかも、パティキュレートフィルタ200の正常な場合のパティキュレート濃度と故障の場合のパティキュレート濃度との間において、パティキュレート濃度の差が大きく存在する。
このことは、放電電圧、ひいてはパティキュレート濃度が、分解能を高く維持し得る状態で安定していることを意味する。
このようなことを利用して、所定濃度Doは、上述のごとく、パティキュレートフィルタ200の正常な場合のパティキュレート濃度と故障の場合のパティキュレート濃度との間の平均値に設定されている。
従って、このような所定濃度Doを判定基準として利用することで、パティキュレートフィルタ200の故障判定が精度よくなされ得る。
この点につき、本明細書の冒頭にて述べた従来技術との対比においてさらに言及する。従来技術におけるように、パティキュレートフィルタは、正常であれば、パティキュレートの量の増減に関係なく、パティキュレートを良好に捕集するが、当該パティキュレートフィルタは、故障の場合には、パティキュレートを良好には捕集できない。
そこで、従来技術では、このようなパティキュレートフィルタの特性を利用して、パティキュレートフィルタへの流入パティキュレートの量を強制的に増大させ、これに対するパティキュレートフィルタの捕集量に基づきパティキュレートフィルタの故障の有無を判定するようになっている。
換言すれば、従来技術では、パティキュレートフィルタの故障の有無を判定するあたり、パティキュレート量をわざわざ強制的に増大させるという余分な処理が必須となっている。また、パティキュレート量をわざわざ強制的に増大させると、パティキュレートフィルタに余分な負荷がかかり、当該パティキュレートフィルタの寿命の短縮を招く。
これに対し、本第1実施形態では、上述のように採用した所定濃度Doを基準として、パティキュレートフィルタの故障の有無を判定するだけであるから、従来技術のように、パティキュレート量をわざわざ強制的に増大させたり、パティキュレートフィルタの負荷を増大させるというような不具合は全く生じない。従って、パティキュレートフィルタの寿命がより一層長くなるという効果がある。
また、上述のように、ディーゼル内燃機関100の始動後100(秒)以内にパティキュレートセンサ1000により検出される放電電圧を利用して、パティキュレートフィルタの故障の有無を判定するようにした。ここで、ディーゼル内燃機関100の始動後100(秒)以内においては、当該ディーゼル内燃機関100の温度が、通常、低く、従って、排気管120内の排気ガスの温度も低い。
従って、わざわざ、排気管120内の排気ガスの温度を検出するために温度センサを採用する必要がなく、このような観点からも、当該故障判定装置が構成を複雑にすることなく安価に提供され得る。
(第2実施形態)
次に、本発明に係るパティキュレートフィルタの故障判定装置の第2実施形態について図6〜図10を参照して説明する。この第2実施形態では、図7にて示すようなスパークプラグ型のパティキュレートセンサ5000が、上記第1実施形態にて述べたパティキュレートセンサ1000に代えて、パティキュレートフィルタ200の下流側にて排気管120に配設されるようになっている。当該パティキュレートセンサ5000は、以下に述べる構成を除き、上記第1実施形態にて述べたパティキュレートセンサ1000の構成部材と同一の構成部材を有するので、この同一の構成部材については、パティキュレートセンサ1000の構成部材を示す1000番台の符号を5000番台に変更して示されている。
(第2実施形態)
次に、本発明に係るパティキュレートフィルタの故障判定装置の第2実施形態について図6〜図10を参照して説明する。この第2実施形態では、図7にて示すようなスパークプラグ型のパティキュレートセンサ5000が、上記第1実施形態にて述べたパティキュレートセンサ1000に代えて、パティキュレートフィルタ200の下流側にて排気管120に配設されるようになっている。当該パティキュレートセンサ5000は、以下に述べる構成を除き、上記第1実施形態にて述べたパティキュレートセンサ1000の構成部材と同一の構成部材を有するので、この同一の構成部材については、パティキュレートセンサ1000の構成部材を示す1000番台の符号を5000番台に変更して示されている。
本第2実施形態のパティキュレートセンサ5000は、上記第1実施形態にて述べたパティキュレートセンサ1000において、外側電極1120及び中心電極1320に代えて、図7にて示すごとく、外側電極5130及びロッド状の中心電極5330を採用し、かつ、ヒータ5400、このヒータ5400のための正負両側リード5440、5450及びこれら正負両側リード5440、5450のためのガラス膜5460を付加的に備えた構成となっている。
外側電極5130は、上記第1実施形態にて述べた外側電極1120に代えて、当該外側電極1120と同様の形成材料でもって形成されて、先端側金具部5112の先端開口部5115の一部から一体的に延出している。
当該外側電極5130は、連結部5131及び電極部5132を有しており、連結部5131は、その基端部にて、先端側金具部5112の先端開口部5115の一部に一体的に連結されて、この先端開口部5115の一部から先端側金具部5112の軸に平行に延出している。但し、連結部5131の全長は、上記第1実施形態にて述べた連結部1121よりも長い。
また、電極部5132は、連結部5131の延出端部から主体金具5110の軸心側へL字状に折れ曲がって延出しており、当該電極部5132は、先端側金具部5112の先端開口部5115に対向している。
中心電極5330は、ロッド部材5300において、ロッド状導通部材5310に同軸的に連結されてなるもので、この中心電極5330は、筒部材5200の先端側部位5230から外側電極5130の電極部5132に向け上記第1実施形態にて述べた中心電極1320よりも長く延出している。
この中心電極5330は、図7にて示すごとく、円錐形状の先端部を電極部5331として有しており、当該電極部5331は、所定の放電間隙(例えば、0.5(mm))をおいて、外側電極5130の電極部5132に対向している。本第2実施形態では、両電極部5132、5331が上記放電間隙を介し対向することで、放電部5322を構成する。
ヒータ5400は、筒部材5200の先端側部位5230の小径部5232の全周に亘りその先端側にて貼着されている。
当該ヒータ5400は、筒部材5200の先端側部位5230を加熱してヒートクリーニングを行って、筒部材5200の先端側部位5230の表面に付着したパティキュレートを介し起きる中心電極5130と先端側金具部5112との間の短絡を防止する役割を果たすもので、このヒータ5400は、図8にて示すごとく、2枚のアルミナシート5410、5420及び発熱体5430を備えている。
発熱体5430は、帯状の外側発熱抵抗部5431、帯状の内側発熱抵抗部5432及び正負両側電極パッド5433、5434を有しており、各発熱抵抗部5431、5432は、各電極パッド5433、5434とともに、白金ペーストを、アルミナシート5410の内面に、図8にて示すような各所定のパターンでもって印刷焼成することで、形成されている。
正側電極パッド5433は、両発熱抵抗部5431、5432の各一側端部に接続されて、ヒータ5400の正側接続端子としての役割を果たす。一方、負側電極パッド5434は、両発熱抵抗部5431、5432の各他側端部に接続されて、ヒータ5400の負側接続端子としての役割を果たす。
アルミナシート5420は、その内面にて、発熱体5430を介し、アルミナシート5410の内面に圧着されている。このアルミナシート5420は、両貫通孔部5421、5422を有しており、貫通孔部5421は、正側電極パッド5433の中央部に対応して位置し、一方、貫通孔部5422は、負側電極パッド5434の中央部に対応して位置している。
このように構成したヒータ5400においては、パティキュレートが、筒部材5200に、当該両電極部5132、5331間の適正な放電を妨げる程度に堆積したときに、発熱体5430が駆動回路1500(後述する)からのヒータ電圧(例えば、15(V))の印加により通電されて発熱し、上記ヒートクリーニングを行う。なお、このヒートクリーニングは、上記高電圧発生回路2000から両電極部5132、5331への上記高電圧の印加を停止した状態でなされる。
正側リード5440は、軸方向リード部5441及び周方向リード部5442を有している。軸方向リード部5441は、筒部材5200の外周面の所定の軸方向部位(図7参照)に沿い設けられており、この軸方向リード部5441は、その先端部5443にてヒータ5400の電極パッド5433上に設けられて、当該先端部5443から筒部材5200の上記所定の軸方向部位に沿い延在し主体金具5110の外側へ延出している。
また、周方向リード部5442は、主体金具5110の外側にて、筒部材5200の基端側部位5210の外周面のうち中間側部位5220の近傍部位に沿いその全周に亘り設けられている。
負側リード5450は、ガラス膜5460を介し筒部材5200の外周面に設けられており、この負側リード5450は、軸方向リード部5451及び周方向リード部5452を有している。
軸方向リード部5451は、その先端部5453にて、ヒータ5400の電極パッド5434上に設けられて、当該先端部5453から筒部材5200の先端側部位5230の外周面のうち他の所定の軸方向部位(図7参照)に沿い延在している。
周方向リード部5452は、筒部材5200の中間側部位5220の傾斜面部5222に沿いその周方向に沿い設けられている。
ガラス膜5460は、負側リード5450の裏面側を通りかつ軸方向リード部5441(先端部5443を除く)を被覆するようにして、筒部材5200の外周面のうち先端側部位5230のヒータ5400の上縁に対する対応部位から中間側部位5220を介し先端側部位5230の中間側部位5220側部位にかけて全周に亘り設けられている。
このように形成した負側リード5450によれば、ヒータ5400の電極パッド5434が、軸方向リード部5451、周方向リード部5452及び金属製環状カラー5117(図7参照)を介し主体金具5110の傾斜面部5114に電気的に接続されている。
なお、負側リード5450はガラス膜5460上に形成されているので、当該負側リード5450は、ガラス膜5460により、正側リード5440と電気的に絶縁されている。
また、本第2実施形態では、上記第1実施形態にて述べたマイクロコンピュータ500が、上記第1実施形態とは異なり、図6にて示すごとく、直流電源300から直接給電されて、常時、作動状態に維持されている。駆動回路1500は、マイクロコンピュータ500により制御されて、ヒータ5400を駆動する(図6参照)。その他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
このように構成した本第2実施形態において、当該パティキュレートセンサ5000は、上記第1実施形態と同様に、ディーゼル内燃機関100の排気管120に取り付けられているものとする。また、マイクロコンピュータ500は、直流電源300から直接給電されて、図9及び図10のフローチャートに従いコンピュータプログラムを実行している。現段階では、イグニッションスイッチ400がオンされていないため、図9のステップ843において、NOとの判定が繰り返されている。
このような状態において、イグニッションスイッチ400がオンされると、高電圧発生回路2000は、高電圧を発生しパティキュレートセンサ5000に印加するとともに、マイクロコンピュータ500は、ステップ843において、YESと判定する。
この判定に伴い、上記第1実施形態と同様に、ディーゼル内燃機関100は、ステップ800にて、内燃機関制御装置130により制御されて始動し、排気ガスを排気管120内に流入させ、パティキュレートフィルタ200及びパティキュレートセンサ5000の放電部5322を通して外部に排出する。また、パティキュレートセンサ5000は、上記第1実施形態と同様に、パティキュレートフィルタ200によるパティキュレートの捕集後の排気ガスに基づき放電電圧を発生する。
ステップ800における処理の後、ステップ810にて上記ソフトタイマを始動させた上で、ステップ820〜ステップ822の循環処理でもって、パティキュレートフィルタ200によるパティキュレートの捕集後の排気ガス中のパティキュレートの濃度Dへの放電電圧からの変換処理が繰り返される。
然る後、上記ソフトタイマの計時時間が100(秒)を超えると、ステップ820においてNOと判定され、図10のステップ830において上記第1実施形態と同様にパティキュレート濃度Dの平均濃度Daveが算出される。しかして、Dave≧Doが成立する場合には、上記第1実施形態と同様に故障判定処理841及び故障警告処理842がなされて、当該自動車の乗員に対し、パティキュレートフィルタ200の故障に対する警告が与えられる。一方、パティキュレートフィルタ200が正常であるときには、ステップ840での判定がNOとなる。
上述のようにステップ842の処理或いはステップ840におけるNOとの判定処理がなされると、イグニッションスイッチ400がオフか否かが判定される。現段階において、イグニッションスイッチ400がオンのままにあれば、ステップ850においてNOとの判定が繰り返される。従って、このような状態では、当該自動車は、例えば、走行状態に維持されている。
然る後、当該自動車が走行を停止して、イグニッションスイッチ400がオフされると、ステップ850においてYESと判定される。すると、ステップ851にて、ディーゼル内燃機関停止処理がなされる。これに伴い、ディーゼル内燃機関100が、内燃機関制御装置130により制御されて、停止する。
ついで、ステップ852において、ヒータ通電処理がなされる。これに伴い、ヒータ5400が駆動回路1500により通電されて、発熱し始める。これにより、パティキュレートセンサ5000がヒートクリーニングされて筒部材5200の先端側部位5230に付着済みのパティキュレートが焼失される。
しかして、上述のように、ステップ850にてYESと判定するごとに、ディーゼル内燃機関100の停止のもとにヒータ5400の通電を行うので、パティキュレートセンサ5000は、ディーゼル内燃機関100の停止毎に、その後の放電電圧の入力(ステップ821参照)前において、ヒートクリーニングされ得る。従って、パティキュレートフィルタ1000は、パティキュレートの付着による検出精度の低下を招くことなく、長期に亘り、パティキュレートを良好に検出し得る。
また、上述のように、ヒータ5400の通電時期は、ディーゼル内燃機関100の停止時毎に限られる。従って、ヒータ5400の通電回数が必要最小限に抑制されて当該ヒータ5400の負担も軽減され得る。
また、パティキュレートセンサ5000に対する付着パティキュレートの焼失には、500(℃)以上の加熱が必要であるが、上述のようにディーゼル内燃機関100が停止した直後においては、ディーゼル内燃機関100、排気管120や当該排気管120内の排気ガスは暖かい。また、上述のようにディーゼル内燃機関100が停止した直後においては、排気管120内の排気ガスの流れは停止している。このため、排気ガスの流れに起因する熱引きもない。従って、ヒータ5400による加熱も、必要最小限で済む。従って、ヒータ5400の消費電力も少なくて済み、当該ヒータ5400の寿命が延びる。
ステップ852の処理に伴い、ステップ853において、ソフトタイマの始動処理がなされる。ここでは、マイクロコンピュータ500の上記ソフトタイマが、リセット始動されて、計時を開始する。
しかして、現段階では、上記ソフトタイマの計時時間が所定通電時間に達していないため、ステップ860においてNOと判定される。本第2実施形態では、上記所定通電時間は、排気管120を含めたディーゼル内燃機関100や排気ガスの暖かさを保持し得る時間、例えば、30分に設定されて、マイクロコンピュータ500のROMに予め記憶されている。
なお、本第2実施形態では、ステップ851におけるディーゼル内燃機関の停止直後にヒータ5400の通電処理(ステップ851参照)を開始する。従って、ディーゼル内燃機関の停止後ヒータ5400の通電開始から良好に暖まっている状態で、ヒータ5400の通電が開始されることとなる。
然る後、上記ソフトタイマの計時時間が30(分)を経過すると、ステップ860において、YESと判定され、ステップ861において、ヒータ通電停止処理がなされる。これにより、ヒータ5400の通電が駆動回路1500により停止される。
このように30(分)でヒータ5400の通電が停止されるので、ヒータ5400において余分な電力消費がなされることもない。
なお、本発明の実施にあたり、上記各実施形態に限ることなく、次のような種々の変形例が挙げられる。
(1)パティキュレート検出装置3000は、パティキュレートセンサ1000(或いは5000)及び高電圧発生回路2000だけでなく、放電電圧をパティキュレート濃度に変換する変換回路を備えるようにして、この変換回路の出力を、放電電圧に代えて、ステップ821にて、マイクロコンピュータ500に入力して、ステップ822を廃止するようにしてもよい。
(2)上記各実施形態のいずれかにおいて、パティキュレートセンサによる放電電圧の検出時期は、ディーゼル内燃機関の始動後100(秒)以内に限ることなく、ディーゼル内燃機関の始動後250(秒)以内、或いは300(秒)以内等、ディーゼル内燃機関の始動後所定の時間以内であればよい。
(3)故障警告ランプ700に限ることなく、ブザーや音声合成装置等の故障報知手段を採用し、この故障報知手段により、パティキュレートフィルタの故障を報知するようにしてもよい。
(4)図3のステップ820〜ステップ822の処理を1回だけ行うようにして、ステップ830を廃止し、かつ、ステップ840において、ステップ822における1回だけの変換パティキュレート濃度を所定濃度Doと比較判定するようにしてもよい。
(1)パティキュレート検出装置3000は、パティキュレートセンサ1000(或いは5000)及び高電圧発生回路2000だけでなく、放電電圧をパティキュレート濃度に変換する変換回路を備えるようにして、この変換回路の出力を、放電電圧に代えて、ステップ821にて、マイクロコンピュータ500に入力して、ステップ822を廃止するようにしてもよい。
(2)上記各実施形態のいずれかにおいて、パティキュレートセンサによる放電電圧の検出時期は、ディーゼル内燃機関の始動後100(秒)以内に限ることなく、ディーゼル内燃機関の始動後250(秒)以内、或いは300(秒)以内等、ディーゼル内燃機関の始動後所定の時間以内であればよい。
(3)故障警告ランプ700に限ることなく、ブザーや音声合成装置等の故障報知手段を採用し、この故障報知手段により、パティキュレートフィルタの故障を報知するようにしてもよい。
(4)図3のステップ820〜ステップ822の処理を1回だけ行うようにして、ステップ830を廃止し、かつ、ステップ840において、ステップ822における1回だけの変換パティキュレート濃度を所定濃度Doと比較判定するようにしてもよい。
(5)所定濃度Doは、上記第1実施形態にて述べたように、時間t=50(秒)のときのパティキュレート濃度に限ることなく、時間t=300(秒)以内のときにパティキュレートフィルタ200が正常な場合及び故障の場合に生ずる各パティキュレート濃度Dの平均濃度であってもよい。また、パティキュレートフィルタ200が正常な場合及び故障の場合に生ずる各パティキュレート濃度Dの平均濃度に限ることなく、当該各パティキュレート濃度Dの間の濃度に所定濃度Doを設定してもよい。
(5)ステップ860における所定通電時間を30(分)としたが、これに限ることなく、必要に応じて適宜変更することは可能である。但し、上記所定通電時間が1(分)よりも短くなると、加熱不足のために、パティキュレートセンサ5000のヒートクリーニングが良好には行われない。
(6)上記第2実施形態において、ステップ851におけるディーゼル内燃機関100の停止処理に伴い、この停止時刻をマイクロコンピュータ500の時計回路で計時して不揮発メモリに記憶しておき、その後のディーゼル内燃機関100の始動処理に伴い、上記不揮発メモリに記憶済みの停止時刻からの経過時間を上記時計回路に基づき算出して、この算出経過時間がディーゼル内燃機関100を低温度にするに要するだけ経過しているときに限り、ステップ810以後の処理を可能とするようにしてもよい。
(8)上記各実施形態において、ディーゼル内燃機関100から排出される排気ガスの温度を温度センサで検出し、この検出温度が、ディーゼル内燃機関100の低温度状態に相当するときに限り、ステップ810以後の処理を可能とするようにしてもよい。
(9)パティキュレートセンサ1000或いは5000は、スパークプラグ型の放電センサに限ることなく、各種の形式の放電センサであってもよい。
(10)ディーゼル内燃機関に限ることなく、各種の内燃機関に本発明を適用して実施してもよい。
(5)ステップ860における所定通電時間を30(分)としたが、これに限ることなく、必要に応じて適宜変更することは可能である。但し、上記所定通電時間が1(分)よりも短くなると、加熱不足のために、パティキュレートセンサ5000のヒートクリーニングが良好には行われない。
(6)上記第2実施形態において、ステップ851におけるディーゼル内燃機関100の停止処理に伴い、この停止時刻をマイクロコンピュータ500の時計回路で計時して不揮発メモリに記憶しておき、その後のディーゼル内燃機関100の始動処理に伴い、上記不揮発メモリに記憶済みの停止時刻からの経過時間を上記時計回路に基づき算出して、この算出経過時間がディーゼル内燃機関100を低温度にするに要するだけ経過しているときに限り、ステップ810以後の処理を可能とするようにしてもよい。
(8)上記各実施形態において、ディーゼル内燃機関100から排出される排気ガスの温度を温度センサで検出し、この検出温度が、ディーゼル内燃機関100の低温度状態に相当するときに限り、ステップ810以後の処理を可能とするようにしてもよい。
(9)パティキュレートセンサ1000或いは5000は、スパークプラグ型の放電センサに限ることなく、各種の形式の放電センサであってもよい。
(10)ディーゼル内燃機関に限ることなく、各種の内燃機関に本発明を適用して実施してもよい。
100…ディーゼル内燃機関、120…排気管、200…パティキュレートフィルタ、
500…マイクロコンピュータ、600、1500…駆動回路、700…故障警告ランプ、
1000、5000…パティキュレートセンサ、1322…放電部、5400…ヒータ、
2000…高電圧発生回路、Do…所定濃度。
500…マイクロコンピュータ、600、1500…駆動回路、700…故障警告ランプ、
1000、5000…パティキュレートセンサ、1322…放電部、5400…ヒータ、
2000…高電圧発生回路、Do…所定濃度。
Claims (9)
- 内燃機関の排気通路に介装したパティキュレートフィルタの下流側に配設される放電センサからなるパティキュレートセンサと、高電圧を発生する高電圧発生手段とを備えて、前記パティキュレートセンサが、前記高電圧発生手段から前記高電圧を印加されて、前記内燃機関から前記排気通路内に流れ前記パティキュレートフィルタを通りその下流側へ流出する排気ガス中のパティキュレートに応じ放電して放電電圧を発生したとき、この放電電圧に基づき前記パティキュレートの濃度を出力するパティキュレート濃度出力手段と、
前記内燃機関の始動後所定の時間以内に前記パティキュレート濃度出力手段から出力されるパティキュレートの濃度に基づき、前記パティキュレートフィルタの故障の有無を判定する故障判定手段とを備えるパティキュレートフィルタの故障判定装置。 - 前記故障判定手段が前記パティキュレートフィルタの故障と判定したとき当該故障を報知する報知手段を備えることを特徴とする請求項1に記載のパティキュレートフィルタの故障判定装置。
- 前記パティキュレートセンサに設けてなるヒータと、
前記内燃機関の停止後に前記ヒータに通電する通電手段とを備えて、
前記ヒータは、その通電に伴い発熱して、前記パティキュレートセンサをヒートクリーニングするようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載のパティキュレートフィルタの故障判定装置。 - 前記故障判定手段は、前記内燃機関の始動後前記所定の時間以内に前記パティキュレート濃度出力手段から出力されるパティキュレート濃度が所定濃度以上のとき、前記パティキュレートフィルタの故障と判定するようになっており、
前記所定濃度は、前記パティキュレートフィルタが正常な場合の前記パティキュレート濃度出力手段からの出力と、前記パティキュレートフィルタが故障の場合の前記パティキュレート濃度出力手段からの出力との間の値をとるようにしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のパティキュレートフィルタの故障判定装置。 - 前記内燃機関の始動後前記所定の時間以内に前記パティキュレート濃度出力手段から順次出力されるパティキュレート濃度をサンプリングするサンプリング手段と、
このサンプリング手段によりサンプリングされた各サンプリング濃度に基づき平均濃度を算出する平均濃度算出手段とを備えて、
前記故障判定手段は、その判定を、前記パティキュレート濃度に代わる前記平均濃度に基づき行うようにしたことを特徴とする請求項4に記載のパティキュレートフィルタの故障判定装置。 - 前記所定の時間は、300(秒)、好ましくは、250(秒)、さらに好ましくは、100(秒)であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載のパティキュレートフィルタの故障判定装置。
- 内燃機関の排気通路に介装したパティキュレートフィルタの下流側に配設される放電センサからなるパティキュレートセンサを、前記内燃機関から前記排気通路内に流れ前記パティキュレートフィルタを通りその下流側へ流出する排気ガス中のパティキュレートに応じ放電させて、前記パティキュレートセンサから放電電圧を発生させ、
前記内燃機関の始動後所定の時間以内に前記パティキュレートセンサから発生する放電電圧に対応するパティキュレートの濃度に基づき前記パティキュレートフィルタの故障の有無を判定するようにしたパティキュレートフィルタの故障判定方法。 - 前記パティキュレートセンサに設けたヒータを、前記内燃機関の停止後に通電し、当該ヒータからその通電に伴い発生する熱でもって、前記パティキュレートセンサをヒートクリーニングするようにしたことを特徴とする請求項7に記載のパティキュレートフィルタの故障判定方法。
- 所定濃度が、前記パティキュレートフィルタが正常な場合の前記パティキュレート濃度と、前記パティキュレートフィルタが故障の場合の前記パティキュレート濃度との間の値をとるように定められており、
前記パティキュレートの濃度が前記所定濃度以上のとき、前記パティキュレートフィルタの故障と判定するようにしたことを特徴とする請求項7または8に記載のパティキュレートフィルタの故障判定方法。
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-
2006
- 2006-11-06 JP JP2006299775A patent/JP2008115765A/ja not_active Withdrawn
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