しかしながら、従来の金属部材の製造方法においては、成形型とAlSi合金との間の離型性が悪いことに起因して、小型精密部品の形状精度が悪化したり、成形型の寿命が短くなったりしてしまう場合があるという問題がある。
そこで、本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、小型精密部品を製造する際に、小型精密部品の形状精度が悪化したり、成形型の寿命が短くなったりしてしまうことを抑制することが可能な小型精密部品の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため、成形型とAlSi合金との間の離型性が悪い原因を究明すべく鋭意努力を重ねた結果、この原因は、Alが極めて還元性の強い金属であるため、AlSi合金に含まれるAlが、成形型(例えば、熱間ダイス鋼SKD61からなる成形型。)の表面に通常存在する酸化皮膜中の酸素と結合してアルミニウム酸化物を形成してしまうことにあるという知見を得た。
そこで、本発明者は、上記知見に基づいて、鍛造加工の成形型として、通常使用されている成形型を使用するのではなく、表面に酸化皮膜が存在することのない、すなわち非酸化性の材料からなる成形型を使用することとすれば、成形型とAlSi合金との間の離型性が悪くなることがなくなり、上記問題を解決することができることに想到し、本発明を完成させるに至った。
(1)本発明の小型精密部品の製造方法は、5重量%〜40重量%のSiを含有するAlSi合金からなるプリフォームを準備するプリフォーム準備工程と、前記AlSi合金が固液共存状態となった状態で鍛造加工を開始し、前記AlSi合金が固体状態となった状態で鍛造加工を終了する条件で前記プリフォームの鍛造加工を行う鍛造加工工程とをこの順序で含む小型精密部品の製造方法であって、前記鍛造加工工程においては、非酸化性の材料からなる成形型を備えた真空鍛造装置中で鍛造加工を行うことを特徴とする。
このため、本発明の小型精密部品の製造方法によれば、AlSi合金からなるプリフォームを加熱して、AlSi合金が固液共存状態となった状態で鍛造加工を開始し、AlSi合金が固体状態となった状態で鍛造加工を終了する条件で鍛造加工を行うこととしているため、AlSi合金という成形加工しにくい材料を使用しながら、容易に成形加工を実施することが可能となる。その結果、任意の形状でかつ高精度の金属部材を効率よく製造することが可能となり、従来の金属部材の製造方法の場合と同様に、特に精度の要求される小型精密部品であっても効率よく製造することが可能となる。
また、本発明の小型精密部品の製造方法によれば、非酸化性の材料からなる成形型を用いて鍛造加工を行うこととしているため、成形型の表面には酸化皮膜が存在しなくなり、成形型とAlSi合金との間の離型性を十分に高くすることが可能となる、その結果、小型精密部品を製造する際に、小型精密部品の形状精度が悪化したり、成形型の寿命が短くなったりしてしまうことを抑制することが可能となる。
なお、本発明の小型精密部品の製造方法においては、真空鍛造装置中で鍛造加工を行う、すなわち、雰囲気中に酸素を含まない条件で鍛造加工を行うこととしているため、成形型の表面に酸化皮膜が存在する場合にはAlSi合金に含まれるAlが当該酸化皮膜から酸素を奪って酸化物を形成することとなり、このことに起因して離型性を大きく低下させる可能性が生じる。しかしながら、本発明の小型精密部品の製造方法によれば、非酸化性の材料からなる成形型を用いることとしているため、成形型の表面には酸化皮膜が存在しないため、上記のように離型性を大きく低下させてしまうことはない。
また、本発明の小型精密部品の製造方法によれば、上記したように、成形型とAlSi合金との間の離型性を十分に高くすることが可能となるため、離型剤を用いることなく鍛造加工を行うことも可能となる。このため、離型剤を使用することに起因して小型精密部品の製造方法の品質が低下する(例えば、小型精密部品の形状精度が低下したり、小型精密部品の表面状態が劣化したりする。)という問題や、離型剤を使用することに起因して製造コストが高くなる(例えば、離型剤を注入するための機構を鍛造装置に設けたり、離型剤を注入するための構造を成形型に作り込んだりすることが必要となり、さらには鍛造加工を行う度に離型剤が必要となる。)という問題が新たに発生することもなくなる。その結果、十分に高い品質を有する小型精密部品を十分に低い製造コストで製造することが可能となる。
また、本発明の小型精密部品の製造方法によれば、真空鍛造装置中で鍛造加工を行うことにより、成形型の表面すみずみにまでAlSi合金が行き渡り易くなるため、小型精密部品の品質が低下する(この場合、小型精密部品の形状精度が低下したり、小型精密部品の表面状態が劣化したりする。)ことがなくなる。また、真空鍛造装置中で鍛造加工を行うことにより、AlSi合金の内部に気泡が混入することがなくなるため、小型精密部品の品質が低下する(この場合、小型精密部品の密度が低下したり、小型精密部品の強度が低下したりする。)ことがなくなる。また、真空鍛造装置中で鍛造加工を行うことにより、酸化性ガスの存在に起因して小型精密部品の品質が低下する(この場合、小型精密部品の表面状態が劣化する。)ことがなくなるため、十分に高い品質を有する小型精密部品を製造することが可能となる。
また、本発明の小型精密部品の製造方法によれば、固液共存状態となった状態で鍛造加工を開始することとしているため、AlSi合金の粘性率が低い状態(すなわち、AlSi合金の流動性が高く、例えばシャーベットのような状態。)で鍛造加工を行うことが可能となる。その結果、十分に高い品質(この場合、十分に高い形状精度。)を有する小型精密部品を製造することが可能となる。
また、本発明の小型精密部品の製造方法によれば、固液共存状態となった状態で鍛造加工を開始することとしているため、AlSi合金の粘性率が低い状態(すなわち、鍛造圧力が低い状態(例えば、通常の鍛造加工の場合の2%〜5%程度の鍛造圧力。))で鍛造加工を行うことが可能となる。その結果、非酸化性の材料からなり一般的にはじん性の低い成形型を用いたとしても、十分な繰り返し回数をもって鍛造加工を行うことができ、十分に低い製造コストで小型精密部品を製造することが可能となる。
また、本発明の小型精密部品の製造方法によれば、固体状態となった状態で鍛造加工を終了することとしているため、そのまま最終形状寸法公差内の完成品として小型精密部品を製造することが可能となる。
また、本発明の小型精密部品の製造方法によれば、AlSi合金は、アルミニウムの線膨張率(23×10−6K−1)よりも低い線膨張率(例えば、17〜18×10−6K−1)を有し、さらには高い熱伝導率(例えば、150W/(m・K))を有するため、広い温度範囲にわたって信頼性の高い小型精密部品を製造することが可能となる。また、AlSi合金は、SUS−300系のステンレス鋼の線膨張率(例えば、17×10−6K−1)とほぼ同等の線膨張率を有するため、SUS−300系のステンレス鋼からなる他の部品と組み合わせて複合製品を製造する場合などにおいても、広い温度範囲にわたって信頼性の高い複合製品を製造することが可能となる。
また、本発明の小型精密部品の製造方法によれば、40重量%以下のSiを含有するAlSi合金からなるプリフォームを用いて鍛造加工を行うこととしているため、十分なじん性を有し、破損しにくい小型精密部品を製造することが可能となる。また、5重量%以上のSiを含有するAlSi合金からなるプリフォームを用いて鍛造加工を行うこととしているため、十分に低い線膨張率を有し、広い温度範囲にわたって信頼性の高い小型精密部品を製造することが可能となる。
このような観点から言えば、AlSi合金は、10重量%〜30重量%のSiを含有するAlSi合金であることがより好ましい。
なお、AlSi合金は、必要に応じて、他の金属成分(例えば、Fe、Ni、Mn、Zr、Mg。)を含有していてもよい。
本発明の小型精密部品の製造方法において、鍛造加工工程においては、577℃以上の温度で鍛造加工を開始し、577℃以下の温度で鍛造加工を終了する条件で鍛造加工を行うことが好ましい。
このような方法とすることにより、AlSi合金が固液共存状態となった状態で鍛造加工を開始し、AlSi合金が固体状態となった状態で鍛造加工を終了することが可能となる(後述する図4参照。)。
なお、本発明の小型精密部品の製造方法においては、離型剤を用いることなく鍛造加工を行うことが可能であるが、少量の離型剤を用いて鍛造加工を行うことももちろん可能である。要は、離型剤を用いることによる利益と離型剤を用いることによる不利益とを比較衡量して、離型剤を用いるか否かを定めればよい。
(2)本発明の小型精密部品の製造方法においては、前記成形型は、窒化珪素からなることが好ましい。
窒化珪素は、表面に酸化皮膜が存在しないことに加えて、AlSi合金との親和性が低く、AlSi合金との間で線膨張率の差が比較的大きい(窒化珪素の線膨張率:2.8×10−6K−1)。このため、上記のような方法とすることにより、AlSi合金との間の離型性を十分に高くすることが可能となる。
また、窒化珪素は、硬度が高いため、鍛造加工を重ねても表面の面粗さを維持することができる。このため、長期にわたって十分に高い品質(この場合、十分に高い形状精度。)を有する小型精密部品を製造することが可能となる。
なお、窒化珪素は、成形金型の材料として通常使用されている熱間ダイス鋼(例えばSKD61)よりも耐熱性が低いが、鍛造開始温度が740〜750℃以下の条件で鍛造加工を行うのであれば十分に使用可能である。
(3)本発明の小型精密部品の製造方法においては、前記成形型は、ガラスからなることが好ましい。
ガラスは、表面に酸化皮膜が存在しないことに加えて、AlSi合金との親和性が低い。このため、上記のような方法とすることによっても、AlSi合金との間の離型性を十分に高くすることが可能となる。
本発明の小型精密部品の製造方法においては、前記ガラスは、導電性ガラスであることが好ましい。
導電性ガラスは、放電加工により、比較的複雑な形状の成形型を製造することが可能となる。このため、上記のような方法とすることにより、比較的複雑な形状の小型精密部品を製造することが可能となる。
(4)本発明の小型精密部品の製造方法においては、前記成形型は、金属製成形型の成形面に非酸化性の材料がコーティングされた構造を有することが好ましい。
非酸化性の材料は、上記したように、表面に酸化皮膜が存在しない。このため、上記のような方法とすることによっても、AlSi合金との間の離型性を十分に高くすることが可能となる。
また、成形型の出発材料である金属製成形型は、成形性が良好であるため、比較的複雑な形状の成形型を製造することが可能となる。このため、比較的複雑な形状の小型精密部品を製造することが可能となる。非酸化性の材料としては、例えば、ダイヤモンドライクカーボンを例示することができる。
(5)本発明の小型精密部品の製造方法においては、前記成形型の成形面における最大山高さRpは、1μm以下であることが好ましい。
このような方法とすることにより、鍛造加工後に成形型と成形製品(小型精密部品)との間に発生することがあるアンカー効果を抑制して、成形型と成形製品(小型精密部品)との間の離型性をさらに高くすることが可能となる。
このような観点から言えば、前記成形型の成形面における最大山高さRpは、0.8μm以下であることがより好ましく、0.6μm以下であることがさらに好ましい。
(6)本発明の小型精密部品の製造方法においては、前記プリフォームは、アトマイズ法を用いて製造されたAlSi合金微粉末を加圧成形した後に真空中で焼結して製造されるプリフォームであることが好ましい。
このため、本発明の小型精密部品の製造方法によれば、アトマイズ法を用いて製造されたAlSi合金微粉末を用いることにより、AlSi合金に含まれるSi結晶の平均粒径を小さいものとすることができるため、固液共存状態における流動性を高くして成形性を高くすることが可能となる。
また、AlSi合金微粉末を加圧成形した後に真空中で焼結して製造されるプリフォームを用いることにより、密度の高い緻密なプリフォームを用いて鍛造加工を行うことが可能となるため、密度が高く品質の高い小型精密部品を製造することが可能となる。
(7)本発明の小型精密部品の製造方法においては、前記プリフォームは、アトマイズ法を用いて製造されたAlSi合金微粉末を加圧成形した後に押出成形して製造されるプリフォームであることが好ましい。
このため、本発明の小型精密部品の製造方法によれば、アトマイズ法を用いて製造されたAlSi合金微粉末を用いることにより、AlSi合金に含まれるSi結晶の平均粒径を小さいものとすることができるため、固液共存状態における流動性を高くして成形性を高くすることが可能となる。
また、AlSi合金微粉末を加圧成形した後に押出成形して製造されるプリフォームを用いることにより、密度の高い緻密なプリフォームを用いて鍛造加工を行うことが可能となるため、密度が高く品質の高い小型精密部品を製造することが可能となる。
本発明の小型精密部品の製造方法においては、前記AlSi合金に含まれるSi結晶の平均粒径は、20μm以下であることが好ましい。
AlSi合金に含まれるSi結晶の平均粒径を20μm以下とするのは、AlSi合金に含まれるSi結晶の平均粒径が20μmを超えると、固液共存状態における流動性が低下して成形性が低下する場合があるからである。
このような観点から言えば、AlSi合金に含まれるSi結晶の平均粒径は、10μm以下であることがより好ましく、5μm以下であることがさらに好ましい。
(8)本発明の小型精密部品の製造方法において、前記鍛造加工工程においては、前記AlSi合金が前記成形型以外には接触しないような条件で鍛造加工を行うことが好ましい。
このような方法とすることにより、AlSi合金が成形型以外の部材(例えば、熱間ダイス鋼からなるシリンダ、加圧ピンなど。)に付着して張り付いてしまうという望ましくない事態の発生を防止することが可能となる。
(9)本発明の小型精密部品の製造方法において、前記鍛造加工工程においては、前記成形型を冷却することでAlSi合金を固液共存状態から固体状態にすることが好ましい。
このような方法とすることにより、鍛造加工工程にかかる時間を短縮化して小型精密部品を製造する際の生産性を高くすることが可能となる。
成形型を冷却する方法としては、真空鍛造装置における成形型を収納する部分に冷却流路を設けておき、この冷却流路に冷却用媒体(例えば、冷却水。)を流す方法を好ましく例示することができる。
(10)本発明の小型精密部品の製造方法において、前記鍛造加工工程においては、前記成形型の中に他の金属部材を配置した状態で鍛造加工を行うことが好ましい。
このような方法とすることにより、成形材料と他の金属部材とが一体構造化された小型精密部品(例えば、軸受けスリーブとベース部材とが一体構造化された部材。)を製造することが可能となる。この場合、真空鍛造装置中で鍛造加工を行うため、成形材料と他の金属部材との密着性を高くすることが可能となる。また、AlSi合金は、例えばSUS−300系ステンレス鋼の線膨張率と同等の線膨張率を有するため、SUS−300系ステンレス鋼からなる金属部材と一体構造化したときに、広い温度範囲にわたって信頼性の高い小型精密部品を製造することが可能となる。
なお、本発明の小型精密部品の製造方法は、例えば、真空室と、前記真空室の内部に配設され、内部に冷却流路を備える基台部と、前記真空室の内部における前記基台部の上部に配設され、成形型を収納可能な成形型収納部と、前記真空室の内部における前記成形型収納部の上部に昇降可能に配設され、加圧ピン及び/又は前記成形型の一部を介して前記成形型中の成形材料を加圧する加圧部とを備える真空鍛造装置を用いて実施することができる。
この場合、まず、成形型収納部の温度を高くすることにより、成形型を介してプリフォームを加熱してAlSi合金を固液共存状態とする。その後、加圧部を動作させて加圧ピン及び/又は成形型の一部を介して成形型中のAlSi合金を加圧することにより鍛造加工を開始する。その後、冷却流路に冷却水を流して基台部の温度を低くすることによりAlSi合金を冷却する。そして、AlSi合金が固体状態となった状態で加圧部による加圧状態を解除して鍛造加工を終了する。
以下、本発明の小型精密部品の製造方法について、図に示す実施の形態に基づいて説明する。
〔実施形態1〕
図1は、実施形態1に係る小型精密部品の製造方法を説明するために示すフローチャートである。図2は、実施形態1に係る小型精密部品の製造方法におけるプリフォーム準備工程S10を説明するために示すフローチャートである。図3は、実施形態1に係る小型精密部品の製造方法におけるプリフォーム準備工程S10を説明するために示す図である。図3(a)〜図3(e)はプリフォーム準備工程S10における各工程図である。
図4は、AlSi合金の状態図である。図5は、実施形態1に係る小型精密部品の製造方法における鍛造加工工程S20を説明するために示すフローチャートである。図6は、実施形態1に係る小型精密部品の製造方法における鍛造加工工程S20を説明するために示す図である。図6(a)〜図6(f)は鍛造加工工程S20における各工程図である。
実施形態1に係る小型精密部品の製造方法は、図1に示すように、プリフォーム準備工程S10と、鍛造加工工程S20とをこの順序で含む小型精密部品の製造方法である。
プリフォーム準備工程S10は、AlSi合金からなるプリフォーム14(図3(e)参照。)を準備する工程であって、図2及び図3に示すように、アトマイズ法を用いて製造されたAlSi合金微粉末10を製造するAlSi合金微粉末製造工程S11と、AlSi合金微粉末10を加圧成形装置50中に入れた後に加圧成形してプリフォーム前駆体12を製造する加圧成形工程S12と、プリフォーム前駆体12を真空中で焼結・緻密化してプリフォーム14を製造する焼結工程S13とをこの順序で含む。
AlSi合金は、図4に示すように、所定温度(577℃)より高い温度で固液共存状態となる成形材料であり、実施形態1に係る小型精密部品の製造方法においては、20重量%のSiを含有するAlSi合金を用いている。プリフォーム14中におけるSi結晶の平均粒径は、10μm以下である。
鍛造加工工程S20は、AlSi合金が固液共存状態となった状態で鍛造加工を開始し、AlSi合金が固体状態となった状態で鍛造加工を終了する条件で鍛造加工を行う工程であって、窒化珪素からなる成形型112,120(図6参照。)を備えた真空鍛造装置100中でプリフォーム14の鍛造加工を行う工程である。具体的には、図5に示すように、プリフォームセット工程S21、脱気・加熱工程S22、加圧開始工程S23、降温工程S24、加圧終了工程S25及び取り出し工程S26をこの順序で含む。
1.プリフォームセット工程S21
まず、窒化珪素からなる成形型(下型)112及び熱間ダイス鋼SKD61からなるシリンダ14を備える成形ユニット110を準備する(図6(a)参照。)。そして、成形型112の中に、プリフォーム14、窒化珪素からなる成形型(上型)120及び熱間ダイス鋼SKD61からなる加圧ピン122を順次セットする(図6(b)〜図6(d)参照。)。その後、成形ユニット110を真空鍛造装置100(図示せず。)中に載置する。
なお、成形型112,120としては、成形面における最大山高さRpが1μm以下であるものを用いる。
2.脱気・加熱工程S22
次に、真空鍛造装置100を脱気するとともに、成形ユニット110を加熱してプリフォーム14を577℃以上(例えば、600℃)に加熱する。成形ユニット110を加熱する方法としては、真空鍛造装置100における成形型112,120を収納する部分にヒータ(図示せず。)を設けておき、このヒータに電流を流す方法を用いる。
3.加圧開始工程S23
次に、成形ユニット110における加圧ピン122を用いてプリフォーム14への加圧を開始する。
4.降温工程S24
次に、成形ユニット110を冷却してAlSi合金を577℃以下(例えば、400℃)に降温する。成形ユニット110を冷却する方法としては、真空鍛造装置100における成形ユニット110を収納する部分に冷却流路(図示せず。)を設けておき、この冷却流路に冷却用媒体(例えば、冷却水。)を流す方法を用いる。
5.加圧終了工程S25
次に、加圧ピン122によるプリフォーム14への加圧を終了する(図6(e)参照。)。
6.取り出し工程S26
最後に、成形ユニット110の温度をさらに低くする(例えば、200℃以下。)。その後、真空鍛造装置100から成形ユニット110を取り出すとともに、当該成形ユニット110から小型精密部品16を取り出す(図6(f)参照。)。
なお、鍛造加工工程S20においては、図6に示すように、AlSi合金(プリフォーム14又は小型精密部品16)が、窒化珪素からなる成形型112,120以外には接触しないような条件で鍛造加工を行うこととしている。
以上説明した実施形態1に係る小型精密部品の製造方法によれば、AlSi合金からなるプリフォーム14を加熱して、AlSi合金が固液共存状態となった状態で鍛造加工を開始し、AlSi合金が固体状態となった状態で鍛造加工を終了する条件で鍛造加工を行うこととしているため、AlSi合金という成形加工しにくい材料を使用しながら、容易に成形加工を実施することが可能となる。その結果、任意の形状でかつ高精度の金属部材を効率よく製造することが可能となり、従来の金属部材の製造方法の場合と同様に、特に精度の要求される小型精密部品であっても効率よく製造することが可能となる。
また、実施形態1に係る小型精密部品の製造方法によれば、非酸化性の材料である窒化珪素からなる成形型112,120を用いて鍛造加工を行うこととしているため、成形型112,120の表面には酸化皮膜が存在しなくなり、成形型112,120とAlSi合金(小型精密部品16)との間の離型性を十分に高くすることが可能となる、その結果、小型精密部品を製造する際に、小型精密部品の形状精度が悪化したり、成形型の寿命が短くなったりしてしまうことを抑制することが可能となる。
また、実施形態1に係る小型精密部品の製造方法によれば、上記したように、成形型112,120とAlSi合金(小型精密部品16)との間の離型性を十分に高くすることが可能となるため、離型剤を用いることなく鍛造加工を行うことも可能となる。このため、離型剤を使用することに起因して成形製品の品質が低下する(例えば、小型精密部品の形状精度が低下したり、小型精密部品の表面状態が劣化したりする。)という問題や、離型剤を使用することに起因して製造コストが高くなる(例えば、離型剤を注入するための機構を鍛造装置に設けたり、離型剤を注入するための構造を成形型に作り込んだりすることが必要となり、さらには鍛造加工を行う度に離型剤が必要となる。)という問題が新たに発生することもなくなる。その結果、十分に低い製造コストで十分に高い品質を有する小型精密部品16を製造することが可能となる。
また、実施形態1に係る小型精密部品の製造方法によれば、真空鍛造装置100中で鍛造加工を行うことにより、成形型112,120の表面すみずみにまでAlSi合金が行き渡り易くなるため、小型精密部品の品質が低下する(この場合、小型精密部品の形状精度が低下したり、小型精密部品の表面状態が劣化したりする。)ことがなくなる。また、真空鍛造装置100中で鍛造加工を行うことにより、AlSi合金(小型精密部品16)の内部に気泡が混入することがなくなるため、小型精密部品の品質が低下する(この場合、小型精密部品の密度が低下したり、小型精密部品の強度が低下したりする。)ことがなくなる。また、真空鍛造装置100中で鍛造加工を行うことにより、酸化性ガスの存在に起因して小型精密部品(小型精密部品)の品質が低下する(この場合、小型精密部品の表面状態が劣化する。)ことがなくなるため、十分に高い品質を有する小型精密部品16を製造することが可能となる。
また、実施形態1に係る小型精密部品の製造方法によれば、固液共存状態となった状態で鍛造加工を開始することとしているため、AlSi合金の粘性率が低い状態(すなわち、AlSi合金の流動性が高く、例えばシャーベットのような状態。)で鍛造加工を行うことが可能となる。その結果、十分に高い品質(この場合、十分に高い形状精度。)を有する小型精密部品16を製造することが可能となる。
また、実施形態1に係る小型精密部品の製造方法によれば、固液共存状態となった状態で鍛造加工を開始することとしているため、AlSi合金の粘性率が低い状態(すなわち、鍛造圧力が低い状態(例えば、通常の鍛造加工の場合の2%〜5%程度の鍛造圧力。))で鍛造加工を行うことが可能となる。その結果、比較的じん性の低い窒化珪素からなる成形型112,120を用いたとしても、十分な繰り返し回数をもって鍛造加工を行うことができ、十分に低い製造コストで小型精密部品16を製造することが可能となる。
また、実施形態1に係る小型精密部品の製造方法によれば、固体状態となった状態で鍛造加工を終了することとしているため、そのまま最終形状寸法公差内の完成品として小型精密部品16を製造することが可能となる。
また、実施形態1に係る小型精密部品の製造方法によれば、AlSi合金は、アルミニウムの線膨張率(23×10−6K−1)よりも低い線膨張率(例えば、17〜18×10−6K−1)を有し、さらには高い熱伝導率(例えば、150W/(m・K))を有するため、広い温度範囲にわたって信頼性の高い小型精密部品16を製造することが可能となる。また、AlSi合金は、SUS−300系のステンレス鋼の線膨張率(例えば、17×10−6K−1)とほぼ同等の線膨張率を有するため、SUS−300系のステンレス鋼からなる他の部品と組み合わせて複合製品を製造する場合などにおいても、広い温度範囲にわたって信頼性の高い複合製品を製造することが可能となる。
また、実施形態1に係る小型精密部品の製造方法によれば、20重量%のSiを含有するAlSi合金からなるプリフォーム14を用いて鍛造加工を行うこととしているため、十分なじん性を有し、破損しにくい小型精密部品16を製造することが可能となり、また、十分に低い線膨張率を有し、広い温度範囲にわたって信頼性の高い小型精密部品16を製造することが可能となる。
また、実施形態1に係る小型精密部品の製造方法によれば、AlSi合金との親和性が低く、AlSi合金との間で線膨張率の差が比較的大きい窒化珪素からなる成形型112,120を用いているため、AlSi合金(小型精密部品16)との間の離型性を十分に高くすることが可能となる。また、窒化珪素は、硬度が高く、鍛造加工を重ねても表面の面粗さを維持することができるため、長期にわたって十分に高い品質(この場合、十分に高い形状精度。)を有する小型精密部品16を製造することが可能となる。
また、実施形態1に係る小型精密部品の製造方法によれば、成形型112,120の成形面における最大山高さRpは1μm以下であるため、鍛造加工後に成形型112,120と成形製品(小型精密部品16)との間に発生することがあるアンカー効果を抑制して、成形型112,120と成形製品(小型精密部品16)との間の離型性をさらに高くすることが可能となる。
また、実施形態1に係る小型精密部品の製造方法によれば、アトマイズ法を用いて製造されたAlSi合金微粉末10を加圧成形した後に真空中で焼結して製造される密度の高い緻密なプリフォーム14を用いて鍛造加工を行うこととしているため、密度が高く品質の高い小型精密部品16を製造することが可能となる。
また、実施形態1に係る小型精密部品の製造方法によれば、AlSi合金に含まれるSi結晶の平均粒径は10μm以下であるため、固液共存状態における流動性が低下して成形性が低下するという事態の発生を防止することが可能となる。
また、実施形態1に係る小型精密部品の製造方法によれば、鍛造加工工程S20においては、AlSi合金(プリフォーム14又は小型精密部品16)が成形型112,120以外には接触しないような条件で鍛造加工を行うこととしているため、AlSi合金が成形型112,120以外の部材(例えば、熱間ダイス鋼からなるシリンダ114、加圧ピン122など。)と接触して張り付いてしまうという望ましくない事態の発生を防止することが可能となる。
また、実施形態1に係る小型精密部品の製造方法によれば、鍛造加工工程S20においては、成形型112,120を冷却することでAlSi合金を固液共存状態から固体状態にすることとしているため、鍛造加工工程S20にかかる時間を短縮化して小型精密部品16を製造する際の生産性を高くすることが可能となる。
また、実施形態1に係る小型精密部品の製造方法によれば、成形型112,120を冷却することでAlSi合金を固液共存状態から固体状態にすることとしているため、AlSi合金におけるSi結晶が粗大化することに起因して、固液共存状態における流動性が低下して成形性が低下するという事態の発生を防止することが可能となる。
〔試験例〕
試験例は、窒化珪素からなる成形型とAlSi合金(小型精密部品)との間の離型性が十分に高いことを確認するために行った試験例である。
図7は、試験例の結果を示す図面代用写真である。図7(a)は試験例1における図面代用写真であり、図7(b)は試験例2における図面代用写真であり、図7(c)は試験例3における図面代用写真である。
各試験例は、高温濡れ性・固体接触角測定装置(真空理工株式会社、WET1200)を用いて、押し出し液滴法により行った。すなわち、試験例1〜試験例3における各試料を700℃に加熱し、これらの試料上に熔融したAlSi合金を押し出したときの様子を写真撮影するとともに、得られた写真から接触角を測定した。
試験例1においては、窒化珪素からなる試料を使用した。離型剤は使用しなかった。接触角は167°であった。
試験例2においては、熱間ダイス鋼SKD61からなる試料を使用した。離型剤は使用しなかった。接触角は129°であった。
試験例3においては、熱間ダイス鋼SKD61からなる試料を使用した。離型剤は、黒鉛系の離型剤を使用した。接触角は156°であった。
各試験例からわかるように、窒化珪素からなる試料においては、離型剤を使用しなくても167°という高い接触角が得られ、この値(167°)は、熱間ダイス鋼SKD61からなる試料において離型剤を使用しない場合に得られる接触角(129°)はもちろんのこと、熱間ダイス鋼SKD61からなる試料において離型剤を使用した場合に得られる接触角(156°)よりも高いものであった。
〔比較例1〕
比較例1は、AlSi合金が成形型以外の部材と接触するような条件で鍛造加工を行った場合に得られる結果を確認するための比較例である。
図8は、比較例1に係る小型精密部品の製造方法における鍛造加工工程S20を説明するために示す図である。図8(a)〜図8(e)は鍛造加工工程S20における各工程図である。なお、図8において、図6と同一の部材については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
比較例1に係る小型精密部品の製造方法においては、図8に示すように、鍛造加工工程S20においては、AlSi合金(プリフォーム14又は小型精密部品16)が成形型112a以外の部材(熱間ダイス鋼からなるシリンダ114及び加圧ピン122。)と接触するような条件で鍛造加工を行った。鍛造加工工程終了後に、シリンダ114の内壁及び加圧ピン122の底面を観察したところ、これらの表面にAlSi合金が付着していることが確認された。
〔実施形態2〕
図9は、実施形態2に係る小型精密部品の製造方法に用いる真空鍛造装置200の構造を説明するために示す図である。図9(a)は真空鍛造装置200の斜視図であり、図9(b)は真空鍛造装置200の断面図である。図10は、実施形態2に係る小型精密部品の製造方法における鍛造加工工程S20を説明するために示す図である。図10(a)〜図10(d)は、鍛造加工工程S20における各工程図である。
実施形態2に係る小型精密部品の製造方法は、基本的には実施形態1に係る小型精密部品の製造方法と同様の工程を含むが、一の真空鍛造装置中で複数の小型精密部品を製造することとしている点が、実施形態1に係る小型精密部品の製造方法の場合とは異なる。すなわち、実施形態2に係る小型精密部品の製造方法においては、図9及び図10に示すように、一の真空鍛造装置200中で複数の小型精密部品16を製造することとしている。
真空鍛造装置200は、真空室202(図示せず。)と、真空室202の内部に配設され、内部に冷却流路232(図示せず。)を備える基台部230と、真空室202の内部における基台部230の上部に配設され、成形型212,220を収納可能な成形型収納部240と、真空室202の内部における成形型収納部240の上部に昇降可能に配設され、加圧ピン222及び成形型220を介して成形型212中のAlSi合金(プリフォーム14)を加圧する加圧部230とを備える。
実施形態2に係る小型精密部品の製造方法においては、実施形態1に係る小型精密部品の製造方法で用いた成形ユニット110と同じ構造を有する成形ユニット210を用いる。
実施形態2に係る小型精密部品の製造方法においては、まず、成形型収納部240の中に、複数個の成形ユニット210を載置し(図10(a)参照。)、当該複数個の成形ユニット210の上部に加圧部250を載置する(図10(b)及び図10(c)参照。)。次に、この状態で、成形型収納部240の温度を高くすることにより、成形型212,220を介してプリフォーム14を加熱してAlSi合金を固液共存状態とする。次に、加圧部250を動作させて加圧ピン222及び成形型220を介して成形型212中のAlSi合金を加圧することにより鍛造加工を開始する。次に、冷却流路232に冷却水を流して基台部230の温度を低くすることによりAlSi合金を冷却する。そして、AlSi合金が固体状態となった状態で加圧部250による加圧状態を解除して鍛造加工を終了する。最後に、真空鍛造装置200から成形ユニット210を取り外し、その後、成形ユニット210から小型精密部品16を取り出す(図10(d)参照。)。
このため、実施形態2に係る小型精密部品の製造方法によれば、1回の鍛造加工で複数個の小型精密部品16を製造することができるため、小型精密部品を製造する際の生産性を高くすることが可能となる。
なお、実施形態2に係る小型精密部品の製造方法は、一の真空鍛造装置中で複数の小型精密部品を製造することとしている点が、実施形態1に係る小型精密部品の製造方法の場合とは異なるが、これ以外の点では実施形態1に係る小型精密部品の製造方法の場合と同様であるため、実施形態1に係る小型精密部品の製造方法が有する効果のうち該当する効果を有する。
〔実施形態3〕
図11は、実施形態3に係る小型精密部品の製造方法におけるプリフォーム準備工程S110を説明するために示すフローチャートである。図12は、実施形態3に係る小型精密部品の製造方法におけるプリフォーム準備工程S110を説明するために示す図である。図12(a)〜図12(g)はプリフォーム準備工程S110における各工程図である。
実施形態3に係る小型精密部品の製造方法は、基本的には実施形態1に係る小型精密部品の製造方法と同様の工程を含むが、プリフォーム準備工程の内容が、実施形態1に係る小型精密部品の製造方法の場合とは異なる。すなわち、実施形態3に係る小型精密部品の製造方法においては、プリフォーム準備工程S110(図示せず。)は、図11及び図12に示すように、アトマイズ法を用いて製造されたAlSi合金微粉末20を製造するAlSi合金微粉末製造工程S111と、AlSi合金微粉末20を加圧成形装置60中に入れた後に加圧成形してプリフォーム前駆体22とする加圧成形工程S112(図12(b)〜図12(d)参照。)と、プリフォーム前駆体22を押出装置62から押し出し、緻密化して長尺プリフォーム24を製造する押し出し工程S113(図12(e)及び図12(f)参照。)と、得られた長尺プリフォーム24を切断してプリフォーム26を製造する切断工程S114(図12(g)参照。)とをこの順序で含む。
このため、実施形態3に係る小型精密部品の製造方法によれば、実施形態1に係る小型精密部品の製造方法の場合よりも、プリフォームを生産性よく製造することが可能となる。
なお、実施形態3に係る小型精密部品の製造方法は、プリフォーム準備工程の内容が、実施形態1に係る小型精密部品の製造方法の場合とは異なるが、これ以外の点では実施形態1に係る小型精密部品の製造方法の場合と同様であるため、実施形態1に係る小型精密部品の製造方法が有する効果のうち該当する効果を有する。
以上、本発明の小型精密部品の製造方法を上記の各実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において実施することが可能であり、例えば、次のような変形も可能である。
(1)上記各実施形態に係る小型精密部品の製造方法においては、Al及びSiのみを含有するAlSi合金からなるプリフォームを用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、他の金属成分(例えば、Fe、Ni、Mn、Zr、Mg。)を含有するAlSi合金からなるプリフォームを用いることもできる。
(2)上記各実施形態に係る小型精密部品の製造方法においては、AlSi合金のみからなるプリフォームを用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、カーボン繊維、カーボン微粒子又はカーボンナノチューブを含有するAlSi合金からなるプリフォームを用いることもできる。
(3)上記実施形態1及び2に係る小型精密部品の製造方法においては、鍛造加工工程で用いるプリフォームとして、アトマイズ法を用いて製造されたAlSi合金微粉末10を加圧成形した後に真空中で焼結して製造されるプリフォーム14を用い、上記実施形態3に係る小型精密部品の製造方法においては、アトマイズ法を用いて製造されたAlSi合金微粉末20を加圧成形した後に押出成形して製造されるプリフォーム26を用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、鋳造加工によって製造されるプリフォームを用いることもできる。
(4)上記各実施形態に係る小型精密部品の製造方法においては、成形型として、窒化珪素からなる成形型112,120,212,220を用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、導電性ガラスなどのガラスからなる成形型を用いることもできるし、熱間ダイス鋼からなる金属製成形型などの成形面に非酸化性の材料(例えば、ダイヤモンドライクカーボン。)がコーティングされた構造を有する成形型を用いることもできる。
(5)上記各実施形態に係る小型精密部品の製造方法においては、AlSi合金からなるプリフォームのみを出発材料として用いて小型精密部品を製造したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、他の金属部材(例えば、SUS300系ステンレス鋼からなる金属部材。)を併用して小型精密部品を製造することもできる。この場合、例えば、成形型の中に他の金属部材を配置した状態で鍛造加工を行うこととすれば、AlSi合金と当該他の金属部材とが一体化した小型精密部品を製造することができる。
(6)上記各実施形態に係る小型精密部品の製造方法においては、離型剤を用いることなく鍛造加工を行っているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、少量の離型剤を用いて鍛造加工を行うこともできる。要は、離型剤を用いることによる利益と離型剤を用いることによる不利益とを比較衡量して、離型剤を用いるか否かを定めればよい。
10,20…AlSi合金微粉末、12,22…プリフォーム前駆体、14,26…プリフォーム、16,16a…小型精密部品、24…長尺プリフォーム、50,60…加圧成形装置、62…押出装置、200…真空鍛造装置、110,110a,210…成形ユニット、112,112a,212…成形型(下型)、114,214…シリンダ、116,216…押し出しピン用孔、118,218…押し出しピン、120,220…成形型(上型)、122,222…加圧ピン、230…基台、240…成形型収納部、250…加圧部