JP2008113913A - 電子体温計 - Google Patents

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Abstract

【課題】 人体への十分な吸着力を有し、測定部位を選ばず簡単かつ正確に体温測定ができる電子体温計を提供することである。
【解決手段】 人体に接触して検知する体温を信号として出力する検温部9と、この検温部9から得られる信号を処理して体温の値を算出する体温処理部11と、この体温処理部11で得られる体温の値を表示する体温表示部6と、検温部9及び体温処理部11及び体温表示部6に電力を供給する電力供給部12と、検温部9に覆設され略中央に第1の貫通孔10を備え人体に吸着可能な吸盤部2と、この吸盤部2の上部に固設され略中央に穴部14を備える支持部材3と、この支持部材3の穴部14に嵌脱可能で吸盤部2の第1の貫通孔10に連通可能な第2の貫通孔5を備える嵌合部材4とを有するものである。
【選択図】 図2

Description

本発明は、人体に吸着して体温を測定する電子体温計に関する。
一般に、電子体温計は、脇下に挟持したり口中に挿入したりして人体の体温を測定するものであり、感温素子であるサーミスタが測定する電圧量をA/D変換して温度を数値として表示する。また、電子体温計は、その測定方式において実測式と予測式に分別される。実測式では、所定の時間経過後の測定結果を表示する時間式と、温度変化を監視して温度が一定になったときに測定を終了する安定検出式があり、比較的測定時間を要するのに対して、予測式は、わずかな時間内に測定した体温の昇温曲線から体温が収束して一定になる平衡体温を演算して予測するので短時間で体温を知ることができる。また、体温計の測定部位として最も広く用いられている脇下における測定では、多少外気に触れているので平衡体温に達するのに時間がかかり、実測式の電子体温計の場合、測定のための姿勢を長時間保持する必要があるので、不便さを感じることが多く、特に、動き回る乳幼児においては測定が困難であった。そこで、このような不具合を解消するために人体に吸着して体温測定ができる電子体温計等が考えられている。
例えば、特許文献1には、「電子体温計」という名称で、静止姿勢を不用とし、動作中でも体温測定ができる電子体温計に関する考案が開示されている。
この特許文献1に開示された考案は、人体に吸着する吸盤を備えており、大きさの異なる二の開口部を有する鐘形状の吸着ドームが吸盤として作用し、この吸着ドームでは、一の開口部は液晶セルが設置されて閉口し、また、他の開口部は開口して人体に吸着する構造になっている。そして、吸着ドームの内部には、吸着ドームの内部を仕切って液晶セルとの間に空間ができるようにプリント配線板が設置されており、このプリント配線板の液晶セル側には、LSI等の回路パーツ及び電源電池が固設されている。また、プリント配線板の開口部側には人体に接触できるように温度センサーと音圧センサーが設置されている。
そして、吸着ドームを人体に吸着させると、温度センサー及び音圧センサーは人体に接触し、温度センサーでは体温を検知し、一方、音圧センサーでは脈拍或いは心臓音を検知する。そして、検知されたこれらの情報は回路パーツによって処理されてデジタル化された体温値及び脈拍が液晶セルに表示されるようになっている。したがって、吸盤を吸着できる平面であれば人体のいずれにおいても体温測定が可能であり、また、従来の電子体温計のように脇に挟持して一定の姿勢を保持する必要がなく、動作しながら体温の測定を行うことが可能である。さらに、吸着ドームにより外部と遮断されるので、体温では外気温の影響が阻止されて正確な測定が可能となり、脈拍では集音効果が高いものとなっている。
また、特許文献2には、「感温部に吸盤のついた体温計」という名称で、測定時の体温計の位置ずれを解消し容易に体温測定ができる体温計に関する考案が開示されている。
この特許文献2に開示された考案は、感温部に吸盤を備えており、体温計のプローブの先端に設置され感温部を収納可能な感温部収納ケースに1個又は2個の吸盤が固設される構造になっている。
使用に際しては、脇の下に吸盤を押し当てて吸着させ、そのまま脇に挟持させて体温の測定を行う。したがって、吸盤の作用により感温部が皮膚に密着するので、測定される体温の信頼性が高く、また、体温計の位置ずれを防止することができる。そして、従来の棒状の体温計の先端に吸盤を設置する構造であるので、水銀体温計、電子体温計のいずれにも対応することができる。
実開昭61−48329号公報 実開昭63−99244号公報
しかしながら、特許文献1に記載された従来の技術では、吸盤である吸着ドームの内部に各種部品を設置しているので、吸盤としての機能が十分に発揮され難く人体への吸着力が弱くなり、体温測定中に吸着ドームが人体から離脱してしまうという課題があった。
また、特許文献2に記載された従来の技術では、設置される吸盤によって確かに体温計の位置ずれは防止できるが、体温計全体を固定できるほどの吸着力は有しておらず、体温測定に際しては体温計を脇下で挟持する必要があり、測定部位が脇下に限定される上に、脇下において一定の挟持姿勢を保持しなければならないという課題があった。
本発明はかかる従来の事情に対処してなされたものであり、人体への十分な吸着力を有し、測定部位を選ばず簡単かつ正確に体温測定ができる電子体温計を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明である電子体温計は、人体に接触して検知する体温を信号として出力する検温部と、この検温部から得られる信号を処理して体温の値を算出する体温処理部と、この体温処理部で得られる体温の値を表示する体温表示部と、検温部及び体温処理部及び体温表示部に電力を供給する電力供給部と、検温部に覆設され略中央に第1の貫通孔を備え人体に吸着可能な吸盤部と、この吸盤部の上部に固設され略中央に穴部を備える支持部材と、この支持部材の穴部に嵌脱可能で吸盤部の第1の貫通孔に連通可能な第2の貫通孔を備える嵌合部材とを有するものである。
上記構成の電子体温計では、電力供給部から供給される電力を得て、検温部、体温処理部及び体温表示部は動作し、検温部は人体の体温を信号として検知して出力し、体温処理部は検温部からの信号を処理して体温の値を算出し、そして、体温表示部は体温処理部で得られる体温の値を表示するという作用を有する。また、吸盤部は検温部が人体に接触するように人体に吸着し、支持部材は吸盤部に固定されて嵌合部材を支持し、そして、嵌合部材は支持部材の穴部に嵌脱可能に嵌合して第2の貫通孔において吸盤部の第1の貫通孔と連通したり、連通を阻止したりするという作用を有する。
また、請求項2に記載の発明である電子体温計は、請求項1に記載の電子体温計において、吸盤部は上部に凹部が形成され、嵌合部材は凹部に嵌着可能な突部を先端に備えるものである。
上記構成の電子体温計では、請求項1に記載の発明の作用に加えて、嵌合部材は突部において吸盤部の凹部に密着するという作用を有する。
そして、請求項3に記載の発明である電子体温計は、請求項1又は請求項2記載の電子体温計において、体温処理部、体温表示部及び電力供給部が支持部材に装備されるものである。
上記構成の電子体温計では、請求項1又は請求項2記載の発明の作用に加えて、支持部材の内部に、体温処理部、体温表示部及び電力供給部が装備されて器具全体が小型化になるという作用を有する。
最後に、請求項4に記載の発明である電子体温計は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の電子体温計において、検温部による検知時間を計測する計測部と、この計測部によって計測された検知時間と予め設定された検知終了時間との差を表示する時間表示部を備えるものである。
上記構成の電子体温計では、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の発明の作用に加えて、計測部は検知時間を計測し、時間表示部は計測部によって計測された時間と予め設定された検知終了時間との差を表示するという作用を有する。
本発明の請求項1記載の電子体温計では、吸盤部を人体に吸着させた状態で体温を測定するので、従来の電子体温計にように脇下での挟持姿勢を保持する必要がなく、吸盤部が吸着可能であれば人体のいずれの部位においても体温測定が可能である。また、吸盤部の吸着面では気密性が保たれているので吸盤部の人体への吸着力は強力であり、測定中に電子体温計が落下することはない。さらに、嵌合部材を回動すると、吸盤部の第1の貫通孔と嵌合部材の第2の貫通孔が連通したり、連通が阻止されたりし、吸盤部の気密性を容易に変えることができるので、吸盤部の人体への着脱が極めて簡単である。
また、本発明の請求項2に記載の電子体温計では、嵌合部材の先端の突部を吸盤部の凹部に密着させるので、人体へ吸着した吸盤部内部から空気が漏れることなく、より強固な吸着力を保持することができる。
そして、本発明の請求項3に記載の電子体温計では、器具全体がコンパクトとなり、吸盤部の吸着作用を十分に発揮することができるとともに、携帯性や収納性に優れている。
最後に、本発明の請求項4に記載の電子体温計では、計測部及び時間表示部を設置することによって、体温測定の終了を容易に確認することができる。
以下に、本発明に係る電子体温計の最良の実施の形態を図1乃至図6に基づき説明する。(請求項1乃至請求項4に対応)
図1(a)は、本発明の本実施の形態に係る電子体温計の斜視図であり、(b)は同じく電子体温計の上面図であり、(c)は同じく電子体温計の底面図である。
図1(a)乃至(c)において、本実施の形態に係る電子体温計1は、主に、内部に回路、タイマー及び電池等を装備している支持部材3と、支持部材3の下方に位置し底面にサーミスタ9が設置され第1の貫通孔10を備える吸盤2とから構成されている。また、支持部材3の上面には体温表示窓6、時間表示窓7及びスイッチ8が設置されており、略中央には支持部材3に嵌脱可能で長手方向に貫通する第2の貫通孔5が形成されたボルト4が螺合されている。
吸盤2は塩ビ等の軟質の樹脂製で人体に吸着可能であり、電子体温計1は、吸盤2を人体に吸着させた状態で体温測定を行うことができる。吸盤2の吸着面2aを皮膚に押し当てると吸盤2は皮膚に吸着してサーミスタ9が皮膚に接触する。そして、スイッチ8を押すと電源が入ってサーミスタ9は体温情報を検知し、検知された体温情報は支持部材3の内部の回路で処理されて体温として体温表示窓6に表示されたり、タイマーによって検知終了時間が時間表示窓7に表示されたりする。
したがって、電子体温計1を用いると、従来の電子体温計のように測定姿勢を維持する必要がなく、また、測定部位が限定されず簡単に体温を測定することができる。特に、高熱が出て体調を崩しているときなどには集中力が欠けるので脇下での挟持姿勢は苦痛であり、電子体温計1のように人体に吸着された状態で体温測定ができると非常に便利である。また、十分な吸着力を有しているので測定中に動き回っても電子体温計1が皮膚から外れることがないので、長時間同じ姿勢を保てない子供の測定には適している。そして、吸盤2が皮膚に吸着してサーミスタ9は外気と遮断されるので安定した精度の高い体温測定が可能である。
続いて、電子体温計の構造について図2を用いて詳細に説明する。
図2は、図1(b)中にA−A線で示された部分の矢視断面図である。
図2において、電子体温計1の断面をみると、電子体温計1は、吸盤2の上部に支持部材3が接合され、支持部材3に設けられる嵌合穴14にボルト4が螺合された構造になっている。そして、ボルト4には、長手方向に第2の貫通孔5が軸中心から外れた位置に形成されており、この第2の貫通孔5は、吸盤2に形成される第1の貫通孔10と符合する位置に穿設されるため、第1の貫通孔10と連通できるようになっている。また、ボルト4は回動自在であるので、ボルト4を回動させると、第2の貫通孔5と第1の貫通孔10の連通を阻止することも可能である。
さらに、ボルト4の先端には、突部15が形成されており、この突部15は、吸盤2に形成される凹部16に嵌着できるようになっている。なお、ボルト4は金属製又は樹脂製のいずれでもよいが、突部15にはゴム等の軟質材料を用いることが好ましい。一方、吸盤2も塩ビ等の軟質材料であるので、突部15と凹部16は密着することができる。
また、支持部材3の材質は特に限定されるものではなく、汎用樹脂や金属を用いることができる。また、支持部材3と吸盤2の接合は適当な接着剤により強固に接合されている。
そして、支持部材3の内部には、回路11、電池12及びタイマー13が設置されており、図示していないが、これらの部品は、体温表示窓6、時間表示窓7及びサーミスタ9を含めて適宜接続されている。
電子体温計1では、第2の貫通孔5と第1の貫通孔10を連通させた状態で、吸盤2の吸着面2aを皮膚に押し当てて吸盤2の内部の空気を抜き、ボルト4を回動させて第2の貫通孔5と第1の貫通孔10の連通を阻止すると、吸盤2の吸着面2aと皮膚の接触面は真空に近い状態になり、強固な吸着力を得ることができる。
逆に、吸盤2を皮膚から剥がす場合には、再び、ボルト4を回動させて第2の貫通孔5と第1の貫通孔10を連通させると、吸盤2の吸着面2aと皮膚の間に外部の空気が送入されるので吸盤2の吸着力は弱まり、簡単に皮膚から剥がすことができる。
また、ボルト4の先端の突部15と吸盤2の凹部16が密着しているので、第2の貫通孔5と第1の貫通孔10が連通を阻止して吸盤2を皮膚に吸着させたとき、吸盤2の吸着面2aと皮膚の間の気密性が保持され、吸盤2の吸着力を空気漏れによって阻害することがない。
ここで、電子体温計の使用方法について図3及び図4を用いて説明する。
図3(a)は、本実施の形態に係る電子体温計の不使用時の側面を示す概念図であり、(b)は同じく電子体温計の不使用時の貫通孔の状態を示す概念図である。また、図4(a)は、本実施の形態に係る電子体温計の使用時の側面を示す概念図であり、(b)は同じく電子体温計の使用時の貫通孔の状態を示す概念図である。
まず、図3(a)において、不使用時の電子体温計1では、吸盤2は何れにも吸着していない状態であり、図3(b)において内部の構造をみると、ボルト4の第2の貫通孔5と吸盤2の第1の貫通孔10が連通した状態になっており、吸盤2の内部は外気と接している。
次に、図4(a)において、使用時の電子体温計1では、吸盤2が撓んで、図示していないが、吸盤2が皮膚に吸着している。このときの内部構造は、図4(b)に示すように、ボルト4の第2の貫通孔5と吸盤2の第1の貫通孔10は連通していない状態であり、吸盤2の内部は外気と遮断されて外部からの空気の送入はなく吸盤2は皮膚に強力に吸着することができる。なお、第2の貫通孔5と第1の貫通孔10の連通の阻止は、前述したように、回動自在に設置されるボルト4を回動することによって容易に行うことができる。
このように電子体温計1では、ボルト4の第2の貫通孔5と吸盤2に第1の貫通孔10の連通を操作することによって、吸盤2の吸着作用を自在に調整することができるので、人体への着脱を容易に行うことができる。
次に、電子体温計の構成について図5を用いて説明する。
図3は、本実施の形態に係る電子体温計の構成を示すブロック図である。
図3において、電子体温計では、体温処理部18に検温部17、体温表示部20、時間表示部21及び報知部22が接続され、また、電力供給部19は体温処理部18を介して検温部17、体温表示部20、時間表示部21及び報知部22に接続されて電力が供給されるようになっている。なお、電力供給部19は図示するように体温処理部18を介して各構成に接続するのではなく、直接各々に接続するようにしてもよい。
そして、スイッチ(図示せず)を入れると、電力供給部19から各構成に電力が供給され、まず、検温部17において体温が信号として検知される。そして、検知された信号は検温部17から出力されて体温処理部18に受信されA/D変換されて体温を数値として出力し、随時、体温表示部20において体温の値が表示される。
また、体温処理部18では、スイッチを入れた時点を起点として、検温部17による検知時間を計測し、予め設定された検知終了時間と計測された検知時間の差を算出する。得られた時間の差は時間表示部21に送信され、時間表示部21においてカウントダウン方式で検知終了予定時間が表示される。そして、体温処理部18では、計測される検知時間が予め設定された検知終了時間に一致した場合には、測定終了信号を出力し、その時点で検知された体温の値を測定終了値として測定終了を視認できる記号等を付して体温表示部20に表示させると同時に、報知部22においてアラームを鳴らして測定者に測定終了を知らせる。
したがって、使用者は、体温測定の過程を体温表示部20で確認できるとともに時間表示部21において測定の残り時間を視認できる。そして、体温測定の終了は報知部22がアラームで知らせてくれるので使用者自身が時間を計測する必要がなく、便利である。
なお、体温処理部18において計測される検知時間の起点は、スイッチを入れた時点に限定されず、何らかの手段で自動的に検温開始となる場合は、温度を検知した時点を起点としてもよい。
また、予め設定される検知終了時間は、3分間や5分間など複数個設定することが可能で、体温の測定部位に応じて選択することができる。
さらに、体温処理部18では、検温部17によって検知される信号の変化から体温測定の終了を決定するようにしてもよい。すなわち、体温処理部18では、検温部17からの信号を受信してA/D変換して体温の値を算出し、体温を監視し続け、体温が収束して変化がなくなり平衡体温になった時点を測定終了と判断して、測定終了信号を出力して、この平衡体温を測定終了値として体温表示部20に表示させると同時に、報知部22においてアラームを鳴らす。このように構成すると、計測に時間を要し、また、計測の残り時間を確認できないが、正確な体温を計測することが可能となる。
そして、体温処理部18では、平衡体温や検知終了時間を予測することもできる。この場合、体温処理部18には格納部を設置することが好ましく、体温処理部18は、検温部17で検知される信号を所定の時間、例えば、1分間収集してA/D変換し、体温情報として格納部に格納する。続いて、格納した体温情報を読み出して演算し、体温が収束して一定となる平衡体温と平衡体温となる時間、すなわち検知終了時間を予測する。そして、これらの予測演算が終了した時点で、第1の測定終了信号を作成して、体温表示部20及び報知部22に出力する。報知部22では「ピッ」などの1回のアラームを鳴らし、体温表示部20では予測した平衡体温を予測結果値であることを視認できる記号等を付して表示する。
一方、前述したように体温処理部18では、スイッチを入れた時点を起点として、検温部17による検知時間を計測できるので、予測した検知終了時間と計測された時間を用いて両者の差を算出し、算出した差を出力して、時間表示部21において検知終了予定時間がカウントダウン方式で表示される。そして、計測される検知時間が予測した検知終了時間に一致した場合には、体温処理部18では第2の測定終了信号を出力し、その時点で検温部17において検知された体温の値を既に表示されている予測結果値に替えて測定終了値として予測結果値と識別できるような記号等を付して体温表示部20に表示させると同時に、報知部22において「ピッピッ」などの2回のアラームを鳴らす。
このように構成すると、短時間で平衡体温の予測結果が得られるので、体調の変化を即座に捉えることができ、また、動き回る乳幼児等の体温測定に便利である。さらに、測定を続行すると、精度の高い体温を測定することが可能となる上に、測定の残り時間が表示されるので、使用者は苛立つことなく測定終了まで待つことができる。
最後に、本実施の形態に係る電子体温計の変形例について図6を用いて説明する。
図6(a)は、本実施の形態に係る電子体温計の変形例の上面図であり、(b)は同じく電子体温計の変形例の底面図である。
図6(a)及び(b)において、電子体温計23は、従来の棒状の電子体温計に類似した構造であり、回路や電池等を内設し、温度表示窓25やスイッチ26を備える筐体24の先端のサーミスタ32に吸盤27が覆設されている。また、吸盤27の上部には、吸盤27に固設される支持部材28と、この支持部材28に設けられる嵌合穴(図示せず)に嵌脱可能なボルト29が設置されている。そして、ボルト29には第2の貫通孔30が、吸盤27には第1の貫通孔31が設けられており、これらの貫通孔は連通できるようになっている。
電子体温計23は、吸盤27を人体に吸着させた状態で体温測定が可能であり、その吸着機構や測定方法は前述した図1乃至図5に示す電子体温計1と同様であり、詳細な説明は省略する。また、吸盤27の吸着面27aは、人体に吸着した状態で筐体24をも支持するに十分な吸着力を有しているので、電子体温計23は脇下で体温測定する場合でも従来の電子体温計のように脇下にしっかりと挟持させる必要はなく、また、脇下以外の部位においても体温測定が可能である。さらに、電子体温計23では、従来の電子体温計の先端に吸盤27、支持部材28及びボルト29を付設する構造であるので、新たに設計されるものに比べると、製造コストを抑えることができ、コストメリットが得られるという利点がある。
以上説明したように、本発明の請求項1乃至請求項4に記載された発明は、人体に吸着して精度の高い体温を測定可能な電子体温計を提供可能であり、一般家庭を始め各種施設等において利用可能である。
(a)は本発明の本実施の形態に係る電子体温計の斜視図であり、(b)は同じく電子体温計の上面図であり、(c)は同じく電子体温計の底面図である。 図1(b)中にA−A線で示された部分の矢視断面図である。 (a)は本実施の形態に係る電子体温計の不使用時の側面を示す概念図であり、(b)は同じく電子体温計の不使用時の貫通孔の状態を示す概念図である。 (a)は本実施の形態に係る電子体温計の使用時の側面を示す概念図であり、(b)は同じく電子体温計の使用時の貫通孔の状態を示す概念図である。 本実施の形態に係る電子体温計の構成を示すブロック図である。 (a)は本実施の形態に係る電子体温計の変形例の上面図であり、(b)は同じく電子体温計の変形例の底面図である。
符号の説明
1…電子体温計 2…吸盤 2a…吸着面 3…支持部材 4…ボルト 5…第2の貫通孔 6…温度表示窓 7…時間表示窓 8…スイッチ 9…サーミスタ 10…第1の貫通孔 11…回路 12…電池 13…タイマー 14…嵌合穴 15…突部 16…凹部 17…検温部 18…体温処理部 19…電力供給部 20…体温表示部 21…時間表示部 22…報知部 23…電子体温計 24…筐体 25…温度表示窓 26…スイッチ 27…吸盤 27a…吸着面 28…支持部材 29…ボルト 30…第2の貫通孔 31…第1の貫通孔 32…サーミスタ

Claims (4)

  1. 人体に接触して検知する体温を信号として出力する検温部と、この検温部から得られる信号を処理して体温の値を算出する体温処理部と、この体温処理部で得られる体温の値を表示する体温表示部と、前記検温部及び前記体温処理部及び前記体温表示部に電力を供給する電力供給部と、前記検温部に覆設され略中央に第1の貫通孔を備え人体に吸着可能な吸盤部と、この吸盤部の上部に固設され略中央に穴部を備える支持部材と、この支持部材の穴部に嵌脱可能で前記吸盤部の第1の貫通孔に連通可能な第2の貫通孔を備える嵌合部材とを有することを特徴とする電子体温計。
  2. 前記吸盤部は上部に凹部が形成され、前記嵌合部材は前記凹部に嵌着可能な突部を先端に備えることを特徴とする請求項1記載の電子体温計。
  3. 前記体温処理部、前記体温表示部及び前記電力供給部が前記支持部材に装備されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子体温計。
  4. 前記検温部による検知時間を計測する計測部と、この計測部によって計測された検知時間と予め設定された検知終了時間との差を表示する時間表示部を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の電子体温計。
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