JP2007117268A - 生体情報機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】体温計1のケース17に凹状の生体装着部20が設けられ、この生体装着部20に配置される粘着性のシートにより、体温計1を人体に貼り付ける構成としたので、体温計1の位置を確実に固定できる。また、シートの側面が起立部22に保持されるので、体動によるシートの剥がれを防止できる。シートは、生体装着部20に収容された状態において、表面が起立部22から露出するので、ケース17に外力が作用した際のシートの浮き上がり、剥がれを確実に防止できる。加えて、人体への装着手段としてシートを使用することにより、下ケース16と皮膚との間をシートが介在し、ケース17の硬さにより感じる装着感(押圧感)を極力なくすことができる。
【選択図】図3
Description
このような不便を解決すべく、近年、就寝前に人体に装着するタイプの体温計が開発されている(例えば、特許文献1)。この特許文献1における体温計は、測温素子(センサ)がケース内に内蔵された平面円形のもので、下着に設けたポケットの内部にセットされる。そして、内蔵の加速度センサにより入眠が検知されたら、体温計測が開始される。
また、下着のポケットに挿入された体温計がポケット内で移動し、測温素子が対向する計測位置がずれやすい。さらに、就寝中の寝返りなどによって、体温計がポケットから飛び出すおそれもある。人体は、筋肉、血管、骨などを含んで複雑に構成されているため、人体の深部体温を正確に計測するには、計測位置を固定する必要がある。
ここで、シートは、シート配置面と起立部とを有して凹状に形成された生体装着部の内部に収容され、起立部がシートの側面に対向するので、寝返りなどの体動によってもシートの位置がずれず、シート配置面からシートが離脱することを防止できる。
また、シートをシート配置面に配置する際に、起立部がガイドとなるため、シートを容易に配置できる。なお、シートがシート配置面に配置された状態で、起立部とシート側面との間には、隙間があってもよい。
そして、シートは、少なくとも生体に貼設される側の面が、粘着性であればよい。シート配置面と重ねられる側のシートの面は、粘着性でなくてもよく、その場合は、シートを接着剤などでシート配置面に接着したり、ケースに設けられたクリップ部材などでシートを挟み込むことなどが考えられる。
ただし、両面が粘着性のシートを採用することにより、生体装着部へのシートの配置、および生体へのシートの貼設を容易に行うことができる。
このようにシートが厚いのは、生体情報を正確に計測するために、生体情報機器を生体に確実に固定する必要があるためである。ここで、シートの厚みが小さい場合には、シートによる熱抵抗がセンサの検出に与える影響を小さくできる。従来、腋や舌下等で直接深部体温を計測する体温計においても、熱抵抗を小さくするため、熱伝導率の高いアルミニウム等の材質で測温部を製作していた。しかし、生体深部体温の計測を例に取ると、例えば、熱抵抗値が既知である断熱材を体表面の2箇所にそれぞれ配置し、各断熱材を通じて計測された2つの計測値と熱抵抗値との関係に基いて生体深部体温を推定することなどにより、このような熱抵抗を実質的にキャンセルできる。このため、シートを薄くして熱抵抗の減少を図るよりも、推定精度に大きく影響する熱抵抗の変動を防止することの方が重要であって、そのために、シートの厚みに応じた熱抵抗を勘案しながらも、ある程度のシートの厚みを確保することにより、シートを生体に強固に貼付し、計測位置を固定する。
すなわち、シートが厚いほど、外力の逃げ代を大きくでき、シートが浮き上がらないので、生体に強固に貼付できる。そして、このように強固に貼付されているため、生体とシートとの間に溜まりやすい汗等によってもシートが生体から剥がれにくくなる。
なお、シートが親水性を有する場合には、シートの体積に応じて吸水量が多くなるので、シートを厚くするほど、汗を十分に吸収でき、シートをより一層剥がれにくくできる。
この発明によれば、シートおよびシート配置面が略円形であるため、シート等が円形以外の形状、例えば四角形状に形成された場合のように、シートの端部(角、辺)からシートがめくれて剥がれるなどの不具合を防止できる。
また、シートの側面全周が起立部によって囲まれる点でも、シートの剥がれを防止できる。
この発明によれば、シート側面の略半分が起立部に保持され、もう略半分が、起立部に覆われることなく、外気に開放されているので、シートの剥がれ、およびシートと生体との間の蒸れ、を共に良好に防止できる。
この発明によれば、センサが生体に直接接触し、体温、脈拍、心電などの生体情報を検出するので、センサと生体との間にケースなどが存在した場合に必要となる熱流補償などの構成を不要にでき、構成を簡略にできる。また、計測の誤差要因ともなる熱流補償などの構成を不要にできるので、計測の精度を確保できる。
この発明によれば、端子の生体への接触有無を端子を通じて感知することにより、生体情報機器の未装着時には、センサへの電力供給を行わないようにできる。これにより、低電力化できる。
この発明によれば、シートが汗などの水分と水和するとともに、起立部から露出したシートの側面から、シート内部に蓄えられた水分が外気に蒸発するので、生体とシートとの間の蒸れを防止して、装着感を快適にできるとともに、生体の汗などでシートが剥がれるのをより良く防止できる。
この発明によれば、前述のように、シートを用いることにより、装着感を極力なくすことができる。このため、就寝中ずっと体温計を装着していても、睡眠が妨げられず、不快さを感じないから、就寝前に生体情報機器を装着することによって、起床直後で忘れやすい基礎生体情報機器測を確実に行うことができる。なお、粘着シートの粘着力に応じて、数日〜数ヶ月程度は、体温計を装着したままの状態にでき、これによって、基礎体温計測の煩雑さを解消できる。
なお、第2実施形態以降の説明では、既に説明した実施形態と同様の構成については、同一符号を付して、説明を省略もしくは簡略化する。
図1は、本実施形態の体温計1の裏面側を示す斜視図である。また、図2は、体温計1の側断面図である。
体温計1は、薄い円板状に形成され、裏面側に設けられた粘着シート100により、皮膚表面に貼り付けられて使用される。図3は、粘着シート100を取り外して体温計1の本体を示した図である。
本実施形態における体温計1は、シート100の使用により生体に装着される点に特徴を有する。
ケース17は、体温計1表面側の上ケース15、および体温計1裏面側の下ケース16で構成されている。
センサ11は、平面視円形状であって、白金測温抵抗体あるいはサーミスタ測温体などを含んで構成された測温素子であり、下ケース16に配置される。
各端子12は、導電性金属により円柱状に形成され、図2および図3に示すように、下ケース16においてセンサ11が配置された脇のスペースに形成された孔161に互いに近接して設けられている。各端子12は、下ケース16を貫通して孔161から突出するとともに、ケース17内側の基端側が回路基板14に接続されている。
回路基板14は、センサ11に被せるように、下ケース16に設けられ、体温計1の表面側には、センサ11の駆動回路を構成するコンデンサ13などの素子が実装されている。そのほか、回路基板14における回路部には、図示しないアラーム作動回路やメモリなどが設けられている。
上ケース15には、体温計1の外側から操作可能な図示しない複数のスイッチが設けられているが、これらのスイッチの機能については、後述する。
下ケース16の表面側には、センサ11などが組み込まれる窪み163や、回路基板14の端部を支持する支持部164や、補強用のリブ165などが形成されている。
生体装着部20は、図2、図3に示すように、下ケース16の外面から表面側に向かって凹状に窪んでいる。具体的に、生体装着部20は、シート100が配置される円形状の配置面21と、配置面21の周縁に沿って環状に設けられる起立部22とを有する。
配置面21は、平面状に形成され、円形のシート100の全面と接触する。
起立部22は、配置面21に配置されたシート100の側面101に沿って起立し、その起立寸法は、シート100の厚みの途中まで(本実施形態では、シート100の厚みの略半分まで)となっている。よって、シート100の表面102側は、厚みの半分程度、起立部22から露出する。
なお、シート100には、図1に示すように、端子12の位置に応じて3つの孔103が形成され、シート100が配置面21に配置された状態で、各端子12はシート100の表面(体温計1裏側の面)から露出する。
シート100の厚みは、本実施形態では、約0.7mmとなっているが、0.2〜1mm程度の範囲で適宜設定できる。
また、本実施形態のシート100は、水洗いにより汗などが除去されるとともに粘着力が復活するタイプのものが使用されている。
シート100を貼付したら、体温計1を皮膚に載せて手のひらなどで体温計1を押さえ、体温計1裏側のシート100を皮膚に十分に貼り付けて、体温計1の位置を固定する。
この際、皮膚と下ケース16との間をシート100が介在するので、体温計1が装着された計測者において、下ケース16の硬さによる当たり感は殆んど感じられない。
体温計1が装着され、各端子12と皮膚とが接触し、端子12を通じて回路基板14におけるスイッチが入ることにより、センサ11による体温計測が開始される。
体温測定開始から所定時間が経過すると、内蔵されたアラームが鳴り、体温計測を終了する。本実施形態では、計測された体温は、内蔵メモリに記憶される。メモリに記憶された体温は、体温計1の端子12を通じて図示しない読み取り装置に送信することができ、この読み取り装置で計測体温を確認できる。なお、端子12は、体温計1の装着を感知する際と、計測体温を読み出す際と、内蔵電池に充電する際とで兼用であり、この切り替えは、図示しないスイッチにより行う。
なお、本実施形態の体温計1の表面側に液晶パネルなどの表示部を設け、このような表示部に計測された体温を表示する構成としても良い。
ここで、体温計1の装着感が殆んどないことから、体温計1を連続して装着しても計測者の負担が極めて少ない。また、体温計1は、皮膚への当たりがソフトである一方で、起立部22および配置面21によりシート100の貼付位置が確実に固定されているので、就寝時の体動によっても体温計1が皮膚から離脱しない。シート100の表面102が起立部22から露出しているため、寝返りなどでケース17の一端側を支点として外力が作用しても、支点に掛かる力が起立部22から露出するシート100の厚み部分で緩衝されるので、シート100の剥がれを確実に防止できる。このため、体温計1は、基礎体温を継続的に記録するために好適である。
なお、体温計1を装着したままで、再度、体温計測を行う際には、図示しないスイッチにより、回路基板14に内蔵されたセンサ11のスイッチを入れ、体温計測を開始する。
(1)体温計1の人体への装着に際して、体温計1のケース17に生体装着部20が設けられ、この生体装着部20に配置される粘着性のシート100によって体温計1を人体に貼り付ける構成としたので、体温計1の位置を確実に固定できる。これにより、体温計1を装着している間、計測位置を固定でき、正確に計測できる。
ここで、シート100は、凹状に形成された生体装着部20の内部に収容され、起立部22がシート100の側面に対向するので、体動によってもシート100の位置がずれず、配置面21からシート100が離脱することを防止できる。
また、生体に接触する体温計1裏面側に端子12が配置されているため、計測者の体動によってセンサのスイッチが切れるなどの誤動作を防止できる。
次に、本発明の第2実施形態について、説明する。
図4は、本実施形態における体温計3の側断面図である。
本実施形態の体温計3は、第1実施形態の体温計1において、内蔵のセンサ11を体温計1の裏面側に露出させたものである。
また、シート300にも、センサ31が挿入される孔301が形成されている。
センサ31は、第1実施形態のセンサ11よりも厚く、孔361,301を通じて下ケース36およびシート300を貫通し、センサ31の測温抵抗体が配置された部分は体温計3の裏面側に露出する。すなわち、体温計3の装着時、センサ31は、測温対象である人体の皮膚表面に直接接触する。
(10)センサ31が人体に直接接触するため、熱流補償などの構成を不要にでき、構成を簡略にできる。また、計測の誤差要因ともなる熱流補償などの構成を不要にできるので、計測の精度を確保できる。
本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
したがって、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
Claims (7)
- 生体情報を検出するセンサと、前記生体に装着される生体装着部を有し前記センサが設けられるケースとを備える生体情報機器であって、
前記生体装着部は、前記生体に貼設される粘着性のシートが配置されるシート配置面と、前記シートの側面に沿って当該シートの厚みの途中まで立ち上がる起立部とを有して凹状に形成されている
ことを特徴とする生体情報機器。 - 請求項1に記載の生体情報機器において、
前記シート配置面および前記シートは、平面略円形状に形成され、
前記起立部は、前記シート配置面の周縁に沿って環状に形成されている
ことを特徴とする生体情報機器。 - 請求項1または請求項2に記載の生体情報機器において、
前記起立部は、前記シートの厚みの略半分まで立ち上がっている
ことを特徴とする生体情報機器。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の生体情報機器において、
前記センサは、前記ケースおよび前記シートを貫通して前記生体に接触する
ことを特徴とする生体情報機器。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載の生体情報機器において、
前記ケースおよび前記シートを貫通して前記生体に接触する端子と、
前記端子の前記生体への接触後、前記センサによる前記生体情報の検出を開始する回路部とを備える
ことを特徴とする生体情報機器。 - 請求項1から請求項5のいずれかに記載の生体情報機器において、
前記シートは、親水性である
ことを特徴とする生体情報機器。 - 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の生体情報機器は、前記生体情報として少なくとも体温を検出する体温計である
ことを特徴とする生体情報機器。
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