JP2008112919A - 熱処理装置の運転方法、熱処理装置及び記憶媒体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基板の熱処理を行った後、前記排気配管に堆積した副生成物に対して酸素ガスを供給して、この副生成物を酸化し、次いでこの酸化物にフッ化水素ガスを供給して酸化物をエッチングする。
【選択図】 図1
Description
基板に対して熱処理が行われる反応容器と、一端側が前記反応容器に接続され、他端側がプロセス圧力調整用の圧力調整バルブを介して排気手段に接続された排気配管と、を備えた熱処理装置を運転する方法において、
前記反応容器内にシリコンと塩素とを含む処理ガスを供給して、基板に対して熱処理を行い、前記基板上にシリコン層を成膜すると共に、前記排気配管から前記反応容器内の雰囲気を排気することにより、前記排気配管内にシリコンと塩素とを含む副生成物が生成される工程(a)と、
次いで、前記排気配管内に酸化性ガスを供給して、前記副生成物の酸化処理を行う工程(b)と、
前記排気配管内にエッチングガスを供給して、前記工程(b)において生成した酸化物のエッチング処理を行う工程(c)と、を含むことを特徴とする。
前記酸化性ガスとエッチングガスとは、前記反応容器を介さずに前記反応容器の排気口近傍から前記排気配管内に供給されることが好ましい。
前記酸化性ガス及び/またはエッチングガスは、加熱されていることが好ましい。
前記酸化性ガスは、酸素ガス、オゾンガス及び水蒸気から選択される1種あるいは2種以上である。
前記エッチングガスは、フッ化水素ガス、フッ素ガス及びフッ化塩素ガスから選択される1種あるいは2種以上である。
基板が搬入された反応容器内にシリコンと塩素とを含む処理ガスを供給し、プロセス圧力調整用の圧力調整バルブが介設された排気配管を介して排気手段により前記反応容器内を排気して、前記基板に対して熱処理を行い、前記基板上にシリコン層を成膜する熱処理装置において、
前記基板の熱処理によって前記排気配管内に堆積したシリコンと塩素とを含む副生成物の酸化処理を行うために、前記排気配管内に酸化性ガスを供給する酸化性ガス供給手段と、
前記酸化処理によって前記排気配管内に生成した酸化物のエッチング処理を行うために、前記排気配管内にエッチングガスを供給するエッチングガス供給手段と、
前記排気配管内に堆積した前記副生成物を酸化した後、この酸化物がエッチングされるように、前記酸化性ガス供給手段とエッチングガス供給手段とを制御するための制御信号を出力する制御部と、を備えたことを特徴とする。
前記酸化性ガス供給手段及び/またはエッチングガス供給手段には、内部を通流するガスを加熱するための加熱手段が設けられていることが好ましい。
基板に対して熱処理が行われる反応容器を備えた熱処理装置に用いられるプログラムを格納した記憶媒体であって、
前記プログラムは、上述の熱処理装置の運転方法を実施するようにステップが組まれていることを特徴とする。
反応容器30の外側には、筒状体の断熱材21が設けられており、その内壁面には、鉛直方向に複数の領域に分割された加熱手段である例えばカーボンワイヤヒータ22が設けられている。反応容器30の基端側(下端側)は炉口として開口されて、その開口部41の周縁部にはフランジ42が形成されている。この開口部41は、フランジ42と図示しないボートエレベータにより昇降可能な蓋体43とによって、気密に密閉される。
水蒸気のキャリアガスとしては、酸素ガスやオゾンガスを用いても良い。また、酸素ガスやオゾンガスを単独で酸化性ガスとして供給しても良い。
エッチングガスは、例えばフッ素ガスまたはフッ化塩素ガスであっても良いが、低温例えば室温から300℃程度で用いられるのであれば、この温度範囲において反応性の高いフッ化水素ガスを用いることが好ましい。
前記プログラム3には、ウェハWに対して熱処理例えば成膜処理などを行うための熱処理プログラム3aと、ガス排気管14内のクリーニングを行うためのクリーニングプログラム3bと、が格納されている。
熱処理プログラム3aは、ウェハWに対して処理ガスとして例えばジクロロシランガスを供給して、シリコンのエピタキシャル成長を行うためのプログラムである。
また、熱処理装置1の各部と、既述の制御部2Aとの間には、入出力ポート9が設けられており、熱処理装置1の各部の情報と制御部2Aからの命令とは、この入出力ポート9を介して伝達される。
図2に示すように、ウェハWに対して熱処理例えば単結晶シリコンの成膜処理が行われる。
まず、ウェハWを例えば100枚ウェハボート45に保持し、図示しないボートエレベータを用いて反応容器30内に搬入する。その後蓋体43を上昇させ反応容器30を密閉し、第2の圧力調整バルブV2を全開にした状態で排気手段51により反応容器30内を減圧する。この時、既述の圧力検出部20aにより反応容器30内の圧力を検出して、第1の圧力調整バルブV1の開度を調整することによって例えば66.6Pa(0.5Torr)に調整する。そして、ヒータ22により、反応容器30内をあらかじめ設定したプロセス温度例えば700℃に昇温する。次に、処理ガス供給系12を介して処理ガス源10から処理ガスであるジクロロシランガス、塩化水素ガス、窒素ガス及び水素ガスを所定の流量でガス供給管13から反応容器30内に導入する。これらの処理ガスは、反応容器30内において上昇すると共に、シリコンと塩素ガスとに分解されて、モータMによって回転しているウェハボート45上の各ウェハWに供給され、ウェハW上に単結晶シリコンを生成する。一方、このジクロロシランガスの分解によって生成した塩化水素ガスあるいは塩素ガスなどは、未反応のジクロロシランガスと反応して、図3(a)に示すように、例えば直鎖状に結合したシリコンに塩素や水素が結合したポリクロロシランが副生成物6として生成する。この副生成物6は、低温になると固体及び/または液体(オイリーシラン)として析出するが、熱処理時の反応容器30内が高温であるため、反応容器30の内壁などにはほとんど付着せず、ガス排気管14へ他の排気ガスと共に排気される。
そして、既述の入力部4aに入力された繰り返し回数に達するまで、ステップS31の熱処理が繰り返される。尚、ウェハWの搬入出を行う際(反応容器30を開放する際)には、反応容器30内は、大気中の水分や酸素が反応容器30を介してガス排気管14へ流入しないように、既述の処理ガス源10から窒素ガスが供給されて、窒素ガスで満たされている。
この熱処理の繰り返しにより、ガス排気管14の内壁に堆積した副生成物6の量が徐々に増加していく。
所定の回数の熱処理を終えた後、例えば空のウェハボート45を搭載した蓋体43を上昇させて反応容器30を密閉する。その後、排気手段51により反応容器30内を減圧して、反応容器30とガス排気管14内の窒素ガスを排出する。
次いで、第1の圧力調整バルブV1を開放状態例えば全開にする。これは、第1の圧力調整バルブV1の前後(上流側及び下流側)での圧力差が生じないようにして、ガス排気管14全体を均等にクリーニングできるようにするためである。
酸化性ガス源17からクリーニングガス供給管15を介して酸化性ガス例えば酸素ガスと水蒸気とを所定の流量例えばそれぞれ5slmずつガス排気管14に供給する。次いで、ガス排気管14内の圧力がステップS31の熱処理時より高い圧力例えば2.67〜86.66kPa(20〜650Torr)となるように、圧力検出部20bの圧力検出値に基づいて第2の圧力調整バルブV2の開度を調整して、この状態を所定の時間例えば10分間保持する。酸化性ガスは、ガス排気管14内を流れて、図3(b)に示すように、ガス排気管14の内壁に堆積した副生成物6の表層と反応し、シリコン酸化物7を生成する。酸化性ガスの種類によって、以下に示す反応が起こる。
(−SiCl2−SiCl2−)n+O2 →(SiO2)+Cl2・・・(1)
(−SiCl2−SiCl2−)n+O3 →(SiO2)+Cl2・・・(2)
(−SiCl2−SiCl2−)n+H2O →(SiO2)+HCl+H2・・・(3)
この反応において供給される酸化性ガスは、上述の式で生成する各種のガスの圧力が高くなりすぎないように、更にこの反応で生じる熱(ガス排気管14の温度)が大きくなりすぎないように、流量が制御される。
次いで、排気手段51により反応容器30とガス排気管14内を真空排気した後、エッチングガス源18からクリーニングガス供給管15を介してエッチングガス例えばフッ化水素ガスを所定の流量例えば3slm供給すると共に、窒素ガスを例えば8slmとしてガス排気管14に供給する。そして、既述のステップS35と同様に、第1の圧力調整バルブV1を開放状態としたまま第2の圧力調整バルブV2の開度を調整して、ガス排気管14内の圧力をステップS31の熱処理時より高い圧力例えば20kPa(150Torr)にする。この状態を所定の時間例えば60分保持することにより、図3(c)に示すように、上述の酸化処理によって生成したシリコン酸化物7がエッチングされて除去される。このシリコン酸化物7は、このエッチングガスと共に排気手段51によって真空排気され、図示しない除害装置において回収される。以上のように、ステップS35の酸化処理とステップS36のエッチング処理とからなるクリーニング処理によって、シリコンと塩素とを含む副生成物6が除去される。
上述の酸化処理(ステップS35)とエッチング処理(ステップS36)とからなるサイクルが予め設定した回数だけ行われていればクリーニングが終了するが、設定回数に満たない場合には、再度このサイクルを繰り返し、図3(d)及び図4(b)に示すように、こうして副生成物6が徐々に除去される。
3a 熱処理プログラム
3b クリーニングプログラム
4 操作画面
V1 第1の圧力調整バルブ
V2 第2の圧力調整バルブ
6 副生成物
7 シリコン酸化物
10a ジクロロシランガス源
14 ガス排気管
15 クリーニングガス供給管
17 酸化性ガス源
18 エッチングガス源
30 反応容器
51 排気手段
Claims (18)
- 基板に対して熱処理が行われる反応容器と、一端側が前記反応容器に接続され、他端側がプロセス圧力調整用の圧力調整バルブを介して排気手段に接続された排気配管と、を備えた熱処理装置を運転する方法において、
前記反応容器内にシリコンと塩素とを含む処理ガスを供給して、基板に対して熱処理を行い、前記基板上にシリコン層を成膜すると共に、前記排気配管から前記反応容器内の雰囲気を排気することにより、前記排気配管内にシリコンと塩素とを含む副生成物が生成される工程(a)と、
次いで、前記排気配管内に酸化性ガスを供給して、前記副生成物の酸化処理を行う工程(b)と、
前記排気配管内にエッチングガスを供給して、前記工程(b)において生成した酸化物のエッチング処理を行う工程(c)と、を含むことを特徴とする熱処理装置の運転方法。 - 前記酸化処理を行う工程(b)及び前記エッチング処理を行う工程(c)は、前記圧力調整バルブを開放状態にすると共に、当該圧力調整バルブと排気手段との間に設けられたクリーニング圧力調整用の圧力調整バルブにより前記排気配管内の圧力が調整されて行われることを特徴とする請求項1に記載の熱処理装置の運転方法。
- 前記酸化処理を行う工程(b)及び/または前記エッチング処理を行う工程(c)は、前記酸化処理及び/または前記エッチング処理が速やかに進むように、前記排気配管内の圧力が前記副生成物が生成される工程(a)における圧力よりも高い圧力で行われることを特徴とする請求項1または2に記載の熱処理装置の運転方法。
- 前記酸化処理を行う工程(b)及び前記エッチング処理を行う工程(c)は、前記副生成物が生成される工程(a)の後に交互に複数回繰り返して行われることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一つに記載の熱処理装置の運転方法。
- 前記エッチング処理を行う工程(c)は、前記酸化処理を行う工程(b)と同時に行われることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一つに記載の熱処理装置の運転方法。
- 前記酸化性ガスとエッチングガスとは、前記反応容器を介さずに前記反応容器の排気口近傍から前記排気配管内に供給されることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一つに記載の熱処理装置の運転方法。
- 前記酸化性ガス及び/またはエッチングガスは、加熱されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一つに記載の熱処理装置の運転方法。
- 前記シリコンと塩素とを含む処理ガスは、ジクロロシランガス、トリクロロシランガス、テトラクロロシランガス、ヘキサクロロジシランガス及びシリコンを含むガスと塩素を含むガスとからなるガスから選択される1種あるいは2種以上であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一つに記載の熱処理装置の運転方法。
- 前記酸化性ガスは、酸素ガス、オゾンガス及び水蒸気から選択される1種あるいは2種以上であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか一つに記載の熱処理装置の運転方法。
- 前記エッチングガスは、フッ化水素ガス、フッ素ガス及びフッ化塩素ガスから選択される1種あるいは2種以上であることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか一つに記載の熱処理装置の運転方法。
- 基板が搬入された反応容器内にシリコンと塩素とを含む処理ガスを供給し、プロセス圧力調整用の圧力調整バルブが介設された排気配管を介して排気手段により前記反応容器内を排気して、前記基板に対して熱処理を行い、前記基板上にシリコン層を成膜する熱処理装置において、
前記基板の熱処理によって前記排気配管内に堆積したシリコンと塩素とを含む副生成物の酸化処理を行うために、前記排気配管内に酸化性ガスを供給する酸化性ガス供給手段と、
前記酸化処理によって前記排気配管内に生成した酸化物のエッチング処理を行うために、前記排気配管内にエッチングガスを供給するエッチングガス供給手段と、
前記排気配管内に堆積した前記副生成物を酸化した後、この酸化物がエッチングされるように、前記酸化性ガス供給手段とエッチングガス供給手段とを制御するための制御信号を出力する制御部と、を備えたことを特徴とする熱処理装置。 - 前記排気配管における前記圧力調整バルブと前記排気手段との間には、クリーニング圧力調整用の圧力調整バルブが設けられ、前記制御部は、酸化性ガスの供給時及びエッチングガスの供給時にはプロセス圧力調整用の圧力調整バルブを開放状態とし、クリーニング圧力調整用の圧力調整バルブにより前記排気配管内の圧力を調整するように制御信号を出力することを特徴とする請求項11に記載の熱処理装置。
- 前記制御部は、前記酸化処理及び/または前記エッチング処理が速やかに進むように、前記排気配管内の前記酸化性ガス及び/または前記エッチングエッチングガスの圧力が前記基板の熱処理時における前記処理ガスの圧力よりも高い圧力となるように制御信号を出力することを特徴とする請求項11または12に記載の熱処理装置。
- 前記制御部は、前記基板の熱処理を行った後、前記酸化性ガス供給手段と前記エッチングガス供給手段とから、前記酸化性ガスと前記エッチングガスとを交互に複数回繰り返して前記排気配管に供給するように、制御信号を出力することを特徴とする請求項11ないし13のいずれか一つに記載の熱処理装置。
- 前記制御部は、前記基板の熱処理を行った後、前記酸化性ガス供給手段と前記エッチングガス供給手段とから、前記酸化性ガスと前記エッチングガスとを同時に前記排気配管に供給するように、制御信号を出力することを特徴とする請求項11ないし13のいずれか一つに記載の熱処理装置。
- 前記酸化性ガス供給手段とエッチングガス供給手段とは、前記反応容器の排気口近傍にて前記排気配管に接続されていることを特徴とする請求項11ないし15のいずれか一つに記載の熱処理装置。
- 前記酸化性ガス供給手段及び/またはエッチングガス供給手段には、内部を通流するガスを加熱するための加熱手段が設けられていることを特徴とする請求項11ないし16のいずれか一つに記載の熱処理装置。
- 基板に対して熱処理が行われる反応容器を備えた熱処理装置に用いられるプログラムを格納した記憶媒体であって、
前記プログラムは、請求項1ないし10のいずれか一つに記載の熱処理装置の運転方法を実施するようにステップが組まれていることを特徴とする記憶媒体。
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