JP2008112881A - コイルとその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】同一巻き枠内で巻き数を増やすことができ、一方、同じ巻き数であれば巻き枠を小さくすることができるコイルを提供する。
【解決手段】導線2の一端側2Aを一方向に巻いた第1のコイル部3と、導線2の他端側2Bを前記一方向と逆方向に巻いた第2のコイル部4とを備え、第1のコイル部3と第2のコイル部4の厚さが導線2の直径とほぼ等しく、第1のコイル部3と第2のコイル部4とを重ね合せる。導線2の一端側2Aと他端側2Bとを逆方向に巻き、重ね合わせることにより、高さ寸法を抑えることができると共に、巻線部分にデッドスペースが生じず、電気的に効率のよい巻線構造が得られる。
【選択図】図4
【解決手段】導線2の一端側2Aを一方向に巻いた第1のコイル部3と、導線2の他端側2Bを前記一方向と逆方向に巻いた第2のコイル部4とを備え、第1のコイル部3と第2のコイル部4の厚さが導線2の直径とほぼ等しく、第1のコイル部3と第2のコイル部4とを重ね合せる。導線2の一端側2Aと他端側2Bとを逆方向に巻き、重ね合わせることにより、高さ寸法を抑えることができると共に、巻線部分にデッドスペースが生じず、電気的に効率のよい巻線構造が得られる。
【選択図】図4
Description
本発明は、電気回路に用いられるトランス,チョークコイルなどのコイルとその製造方法に関する。
一般に、この種のコイルは、特許文献1などに開示されるように、導線を巻き回して形成され、その一例を図10に示すと、導線101を平面状に巻いてコイル部102を形成し、前記導線101の一端103をコイル部102の外周側から外側に突出し、その導線101の他端104を、前記コイル部102を跨いで外部に突出し、それら一端103及び他端104は外部と電気的に接続される。
特開昭64−30463号公報
上記のようなコイルでは、他端104の直径に対応する部分105がデットスペースとなり、、例えばトランスなどに用いた場合、巻き枠を有効に利用できないという問題がある。
本発明は上記の各問題点に着目してなされたもので、同一巻き枠内で巻き数を増やすことができ、一方、同じ巻き数であれば巻き枠を小さくすることができるコイルとその製造方法を提供することを、その目的とする。
本発明における請求項1のコイルは、上記目的を達成するために、導線の一端側を一方向に巻いた第1のコイル部と、前記導線の他端側を前記一方向と逆方向に巻いた第2のコイル部とを備え、前記第1のコイル部と前記第2のコイル部の厚さが前記導線の直径とほぼ等しく、前記第1のコイル部と前記第2のコイル部とを重ね合せたものである。
請求項2コイルの製造方法は、導線の一端側と他端側との間の巻き始め位置から前記導線の一端側を一方向に略平面状に巻き、前記導線の一端側と重ね合わせるようにして前記巻き始め位置から前記導線の他端側を前記一方向と逆方向に略平面状に巻く製造方法である。
また、請求項3コイルの製造方法は、前記導線の前記一端側と前記他端側とを略同時に巻く製造方法である。
請求項1のコイルによれば、導線の一端側と他端側とを逆方向に巻き、重ね合わせることにより、高さ寸法を抑えることができると共に、巻線部分にデッドスペースが生じず、電気的に効率のよい巻線構造が得られる。
請求項2のコイルの製造方法によれば、第1のコイル部と第2のコイル部をそれぞれ複数巻きとし、巻線部分にデッドスペースが生じず、電気的に効率のよいコイルを製造することができる。
また、請求項3のコイルの製造方法によれば、一端側と他端側を同時に巻くことにより作業効率が向上すると共に、第1のコイル部と第2のコイル部の導線同士を上下に位置合わせすることができる。
以下、本発明の一実施例について、図1〜図9を参照して説明する。同図に示すように、コイル1は、導線2を巻いてなり、この導線2の一端側2Aを一方向に巻いた第1のコイル部3と、前記導線2を前記一方向と逆方向に巻いた第2のコイル部4とを備え、前記コイル部3,4同士を重ね合わせ、これらコイル部3,4は、導線2の巻き始め位置5において連続している。
図6〜図8を用いて、前記コイル1の製造に用いるジグ21を説明する。このジグ21は、外形が円柱状の本体22の上部に鍔状の台座23を備え、この台座23の中央に前記導線2を巻く筒部24が突設されている。その台座23は、周囲の上角部を湾曲面23Aに形成し、この湾曲面23Aの中央に平坦な上面23Bを有し、テープなどの結束部材を巻くための溝部25が放射状に円周方向等間隔で複数箇所設けられ、この例では、溝部25は三箇所設けられている。また、前記上面23Bの中央に前記筒部24が突出され、この筒部24の高さは、コイル1の厚さに対応して略同一に形成されている。尚、その高さはコイル1の厚さより多少高くてもよい。そして、コイル1の厚さは、前記導線2の直径の2倍と略等しい。また、前記筒部24の中央には、これより小径な案内筒部26が突設されている。
前記案内筒部26には、前記本体22とは別体の押え鍔体31が外装され、この押え鍔体31は、前記台座23と略同形な鍔状をなし、その中央には前記案内筒部26を挿入する案内孔31が穿設されている。前記押え鍔体31は、周囲の下角部を湾曲面31Aに形成し、この湾曲面31Aの中央に平坦な下面31Bを有し、テープなどの結束部材を巻くための溝部32が放射状に円周方向等間隔で複数箇所設けられ、この例では、前記溝部25と同様に、溝部32は三箇所設けられている。
したがって、ジグ21に押え鍔体31を設置すると、押え鍔体31の下面31Bが筒部34の上縁に当接し、この状態で、その下面31Bと台座23の上面23Bとの間に、製造するコイル1の厚さに略対応した間隔を有する案内空間34が形成される。
次に、前記ジグ21を用いたコイル1の製造方法の一例を説明する。
図1は、コイル1の製造工程における第1ステップを示し、まず、導線2を製造するコイル1に対応して所定の長さに切断する。また、前記ジグ21に前記押え鍔体31を設置し、上面23Bと下面31Bとの間にコイル1の厚さに略対応した間隔の案内空間34を形成する。
そして、前記上面23Bに導線2の巻き初め位置5を配置し、同時に、その巻き始め位置5から、前記筒部24に、導線2の一端側2Aを一方向に巻き、前記筒部24に、前記巻き始め位置5から、導線2の他端側2Bを他方向に巻き、巻き始め位置5の他側に位置する重なり部分6において、導線2,2同士が重なり合い、一端側2Aが上面23Bに沿って下になり、他端側2Bが下面31Bに沿って上になる。そして、図1では、筒部24に、導線2の一端側2Aと他端側2Bとをそれぞれ3/4周巻き付けた状態を示している。
図2は、コイル1の製造工程における第2ステップを示し、前記第1ステップに連続して、巻いた導線2の外側に、さらに一端側2Aを巻くと共に他端側2Bを巻き、図2では、第1ステップの後、導線2の一端側2Aと他端側2Bとをそれぞれ1周巻いた状態を示し、第2ステップに連続して図3に示す第3ステップでは、導線2の外周に沿ってさらに導線2の一端側2Aと他端側2Bとをそれぞれ1周巻いた状態を示している。
図4に示す仕上げのステップでは、第3ステップに連続して、導線2の外周に沿ってさらに導線2の一端側2Aと他端側2Bとをそれぞれ1周巻き、このようにして一端側2Aを上面23Bに沿うようにして一方向に巻くことにより導線2が略同一面上に位置する第1のコイル部3が形成され、他端側2Bを下面31Bに沿うようにして一方向と逆方向に巻くことにより導線2が略同一面上に位置する第2のコイル部4が形成され、それら導線2が渦巻き状に巻かれたコイル部3,4は、それぞれ略平面状をなし、また、一端側2Aと他端側2Bとが平行に外側に突出すると共に、両者の間隔がコイル1の外径より小さくなるように導線2を巻いている。
尚、初めに、巻き始め位置5を溝部25,32に合わせて巻き始めており、予め溝部25,32の底部に沿って配置したテープ33を、コイル1の導線2群に巻き付けてこれらを固定する。尚、結束部材たる前記テープ33は粘着性を備える。
このようにして製造したコイル1にあっては、図4(A)に示すように、一端側2Aと他端側2Bの切断端は、導線2の直径分だけ上下にずれた位置にあり、導線2を略四重に巻いた下部の第1のコイル部3と上部の第2のコイル部4との導線2,2同士が重ね合わされており、高さ方向にデットスペースが生じず、電気的に効率の良い巻線構造が得られる。
このように本実施例では、導線2の一端側2Aを一方向に巻いた第1のコイル部3と、導線2の他端側2Bを前記一方向と逆方向に巻いた第2のコイル部4とを備え、第1のコイル部3と第2のコイル部4の厚さが導線2の直径とほぼ等しく、第1のコイル部3と第2のコイル部4とを重ね合せたから、導線2の一端側2Aと他端側2Bとを逆方向に巻き、重ね合わせることにより、高さ寸法を抑えることができると共に、巻線部分にデッドスペースが生じず、電気的に効率のよい巻線構造が得られる。したがって、このコイル1では、同一巻き枠内で巻き数を増やすことができ、一方、同じ巻き数であれば巻き枠を小さくすることができる。
また、このように本実施例では、導線2の一端側2Aと他端側2Bとの間の巻き始め位置5から導線2の一端側2Aを一方向に略平面状に巻いて第1のコイル部3を形成し、この第1のコイル部3の導線2と重ね合わせるようにして巻き始め位置5から導線2の他端側2Bを前記一方向と逆方向にに略平面状に巻いて第2のコイル部4を形成するから、第1のコイル部3と第2のコイル部4をそれぞれ複数巻きとし、巻線部分にデッドスペースが生じず、電気的に効率のよいコイル1を製造することができる。
また、このように本実施例では、導線2の一端側2Aと他端側2Bとを略同時に巻くから、同時に巻くことにより作業効率が向上すると共に、第1のコイル部3と第2のコイル部4の導線2,2同士を上下に位置合わせすることができる。
また、実施例上の効果として、ジグ21は、台座23と押え鍔体31との間に、導線2を案内する案内空間34を形成するから、筒部24に導線2を巻き付けることにより、上下のコイル部3,4が揃ったコイル1を形成することができる。また、台座23と押え鍔体31には、テープ33を配置する溝部25,32を形成したから、予め溝部25,32の底部にテープ33を配置しておくことにより、コイル1を形成した後、コイル1の導線2にテープ33を巻き付けることができる。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲において種々の変形実施が可能である。例えば、実施例では、導線を略四重に巻いたものを示したが、五重以上でも、三重以下でもよい。また、実施例では、導線を渦巻き状に巻いたが、方形などに巻いてもよい。
1 コイル
2 導線
2A 一端側
2B 他端側
3 第1のコイル部
4 第2のコイル部
5 巻き始め位置
21 ジグ
22 本体
23 台座
24 筒部
31 押え鍔体
2 導線
2A 一端側
2B 他端側
3 第1のコイル部
4 第2のコイル部
5 巻き始め位置
21 ジグ
22 本体
23 台座
24 筒部
31 押え鍔体
Claims (3)
- 導線の一端側を一方向に巻いた第1のコイル部と、前記導線の他端側を前記一方向と逆方向に巻いた第2のコイル部とを備え、前記第1のコイル部と前記第2のコイル部の厚さが前記導線の直径とほぼ等しく、前記第1のコイル部と前記第2のコイル部とを重ね合せたことを特徴とするコイル。
- 導線の一端側と他端側との間の巻き始め位置から前記導線の一端側を一方向に略平面状に巻き、前記導線の一端側と重ね合わせるようにして前記巻き始め位置から前記導線の他端側を前記一方向と逆方向に略平面状に巻くことを特徴とするコイルの製造方法。
- 前記導線の前記一端側と前記他端側とを略同時に巻くことを特徴とする請求項2記載のコイルの製造方法。
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JP2006295255A JP2008112881A (ja) | 2006-10-31 | 2006-10-31 | コイルとその製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2006
- 2006-10-31 JP JP2006295255A patent/JP2008112881A/ja active Pending
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