JP2008111079A - 液状樹脂組成物、接着剤層付き半導体ウエハ、接着剤層付き半導体素子および半導体パッケージ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】グリシジル基を有する化合物(A)とフェノール性水酸基を有する化合物(B)を含む液状樹脂組成物であって、化合物(B)が分子量1000以下である化合物(B1)と分子量1500以上5000以下である化合物(B2)とを含むことを特徴とする液状樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
従来の半導体組立工程におけるダイアタッチ工程では、支持体に液状のダイアタッチ材を塗布して室温で半導体素子を搭載後加熱硬化することで半導体素子を支持体に接着していたが、半導体素子表面やワイヤボンドパッドへのダイアタッチ材の付着の問題、ダイアタッチ材のブリード(ダイアタッチ材の液状成分のみ毛細管現象で伝わる現象)による汚染問題が無視できなくなってきている。
一方、半導体素子の更なる多層化、半導体パッケージの更なる薄型化のため半導体素子のみならず支持体の薄型化も進んでいる。薄型の支持体を用いた場合、半導体構成材料の熱膨張率の差に基づくパッケージの反りがより顕著になる。また半導体デバイスの高速化のため配線間の寄生容量に起因する信号伝搬速度の低下による伝送遅延を少なくする目的で層間絶縁膜に低誘電率の絶縁膜の適用が行われているが一般に低誘電率の絶縁膜は機械的強度か弱く、半導体素子の反りは時には絶縁膜の破壊の原因となる場合がでてきた。
室温付近のべたつきはしばしばピックアップ性(半導体素子をダイシングシートから取る工程)の悪化の原因となり、またピックアップした半導体素子を一旦別のステージに置く工程(例えば、特許文献3、4、5参照。)でステージに張り付く原因となる。
ここで室温においてタックのない材料については、ウエハレベルチップサイズパッケージの封止材としていくつかの試みが提案されている。(例えば、特許文献6、7、8参照。)これらの発明では半田などのバンプの付いたウエハに樹脂組成物を塗布し加熱処理することで室温においてタックのない状態にした後、個片化しているが、次の工程で封止と半田接合を同時に行うため半田の融点以上の温度で接合する必要があった。
このように低温で搭載可能ながらも室温ではべたつきのない接着剤層付き半導体素子の要求に対し満足のいく接着剤層に用いられる液状樹脂組成物はなかった。
[1]グリシジル基を有する化合物(A)とフェノール性水酸基を有する化合物(B)とを含む液状樹脂組成物であって、化合物(B)が分子量1000以下である化合物(B1)と分子量1500以上5000以下である化合物(B2)とを含むことを特徴とする液状樹脂組成物。
[2]前記化合物(B2)がモノマー成分としてヒドロキシスチレンを含む化合物である[1]に記載の液状樹脂組成物。
[3]前記化合物(B2)の分散度が1.5以下である[1]又は[2]に記載の液状樹脂組成物。
[4][1]〜[3]に記載のいずれかの液状樹脂組成物で構成される接着剤をウエハの一方の面に塗布することを特徴とする接着剤層付き半導体ウエハ。
[5]前記ウエハの一方の面に塗布する方法がスピンコートである[4]に記載の接着剤層付き半導体ウエハ。
[6][4]または[5]記載の接着剤層付き半導体ウエハを切断したことを特徴とする接着剤層付き半導体素子。
[7][6]に記載の接着剤層付き半導体素子を用いて組み立てたことを特徴とする半導体パッケージ。
[8][6]に記載の接着剤層付き半導体素子を用いて、接着剤層付き半導体素子を支持体に搭載する工程、搭載後すぐにワイヤボンドを行う工程の順に行うことを特徴とする半導体パッケージの組立方法。
とを含むことを特徴とする液状樹脂組成物であって、支持体への搭載を低温で行うことが可能でかつ室温ではべたつきのない接着剤層付き半導体素子の接着剤層に用いられる液状樹脂組成物を提供するものである。ここで、支持体とは、リードフレーム、有機基板などが挙げられる。
以下、本発明を詳細に説明する。
500以上5000以下のものである。より好ましくはポリヒドロキシスチレン又はヒドロキシスチレン共重合体で分子量が1500以上3000以下のものであり、なかでも分散度(GPCで求めた重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比)が1.5以下のものは低温での搭載性と搭載後の130℃および175℃での接着強度の両立が容易にできるので特に好ましく用いられる。より好ましい分散度は1.3以下である。
トキシトルエン、p−メトキシトルエン、ベンジルエチルエーテル、ジオキサン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、1−メチルグリセリンエーテル、2−メチルグリセリンエーテル、1,2−ジメチルグリセリンエーテル、1,3−ジメチルグリセリンエーテル、トリメチルグリセリンエーテル、1−エチルグリセリンエーテル、1,3−ジエチルグリセリンエーテル、トリエチルグリセリンエーテル、アセタール、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、ジイソブチルケトン、アセトニルアセトン、メシチルオキシド、イソホロン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、ギ酸ブチル、ギ酸ペンチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、3−メトキシブチルアセタート、酢酸sec−ヘキシル、2−エチルブチルアセタート、2−エチルヘキシルアセタート、酢酸シクロヘキシル、酢酸ベンジル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸イソペンチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸ブチル、酪酸イソペンチル、イソ酪酸イソブチル、イソ吉草酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、γ−ブチロラクトン、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジペンチル、マロン酸ジエチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、クエン酸トリブチル、エチレングリコールモノアセタート、エチレングリコールジアセタート、エチレングリコールモノギ酸エステル、エチレングリコールモノ酪酸エステル、ジエチレングリコールモノアセタート、モノアセチン、炭酸ジエチル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N,N’,N’−テトラメチル尿素、N−メチルピロリドン、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−(メトキシエトキシ)エタノール、2−イソプロポキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジアセトンアルコール、N−エチルモルホリン、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、2−メトキシエチルアセタート、2−エトキシエチルアセタート、2−ブトキシエチルアセタート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル。なかでも特に好ましい希釈剤は、沸点が150℃以上220℃以下のものであり、特に好ましいものは、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、2−ヘプタノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、3−メトキシブチルアセタート、2−エチルブチルアセタート、γ−ブチロラクトン、エチレングリコールモノアセタート、エチレングリコールジアセタート、2−ブトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジアセトンアルコール、2−エトキシエチルアセタート、2−ブトキシエチルアセタート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタートである。
が、この場合にはウエハの一方の面に塗布し加熱処理した後の25℃でのタック力が0.05Nを越えたり、支持体に搭載した接着剤層付き半導体素子の130℃および175℃での接着力が低くなりすぎたりする恐れがある。このため熱可塑性樹脂を使用する場合には化合物(A)と化合物(B)と熱可塑性樹脂の合計に対して40重量%以下にする必要がある。より好ましくは30重量%以下である。
本発明の液状樹脂組成物は、例えば加熱装置ならびに攪拌器を備えた混合装置内で溶剤、化合物(A)、化合物(B)、必要に応じ熱可塑性樹脂を加熱混合することで均一な液体を得た後室温まで冷却し、硬化促進剤、カップリング剤などの添加剤を加え更に混合することにより製造することができる。
加熱処理後の接着剤層の厚みは200μm以下が好ましく、より好ましい厚みは5μm以上50μm以下である。厚みの制御は塗布条件の調整および液状樹脂組成物の粘度の調整により可能である。例えば低粘度の液状樹脂組成物を使用すればより薄い接着剤層を得ることが可能であるし、塗布方法としてスピンコートを使用する場合には塗布時の回転数をあげることでより薄い接着剤層を得ることが可能となる。フィルム状のダイアタッチ材
を用いる場合には目的とする厚みのフィルムを準備しなくてはならないが、塗布条件の調整および液状樹脂組成物の粘度の調整により厚みの制御が可能な点は本発明の利点の一つである。
のは±3μm以内である。ここで厚み精度とはチップ面内の凹凸の変化をレーザー粗さ計
で測定した表面プロファイルの平均値からの隔たりである。厚み精度がこれより大きい場合には安定した厚みを得られないからである。
次に接着剤層付き半導体ウエハをダイシングシートに貼り付け個片化する。用いるダイシングシートは市販のものを使用可能である。個片化は通常ダイシングソーなどの専用装置を用いて行い、接着剤層付き半導体素子を得る。ここで前述のように接着剤層の平滑性が十分でない場合には接着剤層とダイシングシートの間にエアが残る場合があり、このためダイシング時にチップ欠け(チップのエッジ部分が欠けてしまう現象)、チップクラック(チップのエッジ部分にクラックがはいる現象)、チップ飛び(ダイシング時にチップがダイシングシートから外れてしまう現象)などが起こり、接着剤層付き半導体素子の歩留まり悪化の原因となる場合がある。
ダイシングシートに残るなどの問題が生じる恐れがある。
次に支持体に搭載された半導体素子と支持体を電気的に接続する目的でワイヤボンドを行う。ワイヤボンドの条件は特に限定されず、市販のワイヤボンダーを用いて通常の条件で行うことができるが前述の反りの問題を考慮すると低温で行うことが好ましい。特に好ましいワイヤボンド温度は150℃以下である。ここで上記接着力測定用サンプル(6×6mmに個片化した接着剤層付き半導体素子をPBGA基板に搭載しただけで接着剤層の硬化は行っていない)の130℃での接着力が10N以上であれば、接着剤層付き半導体素子を支持体に搭載した後、接着剤の硬化を行うことなくワイヤボンドすることが可能なのでより好ましい。特に好ましい130℃での接着力は30N以上である。これ以上であればワイヤボンド工程においてワイヤボンド不良(ワイヤが着かない、ワイヤの接合強度が低いなど)が生じないためである。
に限定されないが、環境問題よりアンチモン化合物、臭素化化合物を使用していないものが好ましい。より好ましいものはビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂および/またはビフェニルアラルキル型フェノール樹脂を使用した封止材でアンチモン化合物、臭素化化合物を使用していないものである。ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂および/またはビフェニルアラルキル型フェノール樹脂を使用した封止材はアンチモン化合物、臭素化化合物を使用しなくても良好な耐燃性(UL試験V−0)を示すとともに良好な耐リフロークラック性を示すからである。
樹脂封止は通常160℃〜180℃で行われる。このためワイヤボンド後の半導体素子の支持体への接着力が低すぎる場合には樹脂封止工程中に半導体素子の剥離が生じたり、半導体素子が流されたりする危険性がある。このため上記接着力測定用サンプル(6×6mmに個片化した接着剤層付き半導体素子をPBGA基板に搭載しただけで接着剤層の硬化は行っていない)の175℃(典型的な樹脂封止温度)での接着力が1N以上であることが好ましい。特に好ましいのは3N以上である。これ以上の接着力であれば樹脂封止中に剥離などの不具合が発生しないからである。
樹脂封止を行ったのち、必要に応じポストモールド硬化を行い、支持体としてリードフレームを使用するものの場合には必要に応じリード加工、外装めっきなどを施し半導体パッケージを得る。また支持体として有機基板を用いる場合には必要に応じ半田ボールアタッチなどを行うことにより半導体パッケージを得る。
内であり、6×6mmに個片化した後PBGA基板にボンド加重1.0N、 基板加熱温
度130℃、搭載時間8秒(基板表面の温度が130℃まで昇温する時間7秒を含む)で搭載した接着強度測定用サンプルの25℃での接着強度が10N以上、130℃での接着強度が10N以上、175℃での接着強度が1N以上であることが好ましいが、このような液状樹脂組成物はグリシジル基を有する化合物(A)とフェノール性水酸基を有する化合物(B)を含むものであることが好ましく、より好ましいのは化合物(A)が室温で固形のエポキシ樹脂であり化合物(B)が室温で固形であるフェノール樹脂でありさらに化合物(A)および化合物(B)を溶解させる希釈剤を含むものであることが好ましい。ここで化合物(B)は、分子量1000以下である化合物(B1)と分子量1500以上5000以下である化合物(B2)を含むことが好ましい。ここで分子量とはGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定した数平均分子量(Mn)の値である。
さらに本発明の液状樹脂組成物は、ウエハの一方の面に50μmの厚さに塗布し120℃10分間加熱処理した後の接着剤層のGPC測定における分子量200以上の面積(a’)に対する分子量200以上5000以下の面積(b’)の割合を(b’/a’)とする時、上記b/aとの比[(b’/a’)/(b/a)]が次の関係を満たすことが好ま
しい。[(b’/a’)/(b/a)]>0.7。[(b’/a’)/(b/a)]がこれよりも小さいと加熱処理後の80℃でのタック力が不十分になり、接着剤層付き半導体素子のマウント性が悪くなる可能性があるからである。
以下、実施例を用いて本発明の説明を行うが、これらに限定されるものではない。
・液状樹脂組成物A
オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂
(軟化点70℃、エポキシ当量210) 37.1g
フェノールアラルキル樹脂
(分子量612、軟化点75℃、水酸基当量175) 12.6g
ポリヒドロキシスチレン
(分子量2080、分散度1.26) 12.6g
γ−ブチロラクトン(沸点204℃) 37.4g
上記の原料をセパラブルフラスコに配合し、150℃1時間攪拌することで淡黄色透明の液体を得た。これを室温まで冷却した後に以下の原料を添加し、室温で30分攪拌後、1μmのメッシュにてろ過することで液状樹脂組成物Aを得た。
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 0.28g
2−フェニルイミダゾール 0.09g
得られた液状樹脂組成物Aの粘度は4Pa・sであった。なお粘度の測定はE型粘度計(東機産業(株)製、3度コーン)を用いて25℃、2.5rpmでの値である(以下に示す粘度も同様に測定した)。
オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂
(軟化点70℃、エポキシ当量210) 17.4g
フェノールアラルキル樹脂
(分子量612、軟化点75℃、水酸基当量175) 5.9g
ポリヒドロキシスチレン
(分子量2080、分散度1.26) 5.9g
アクリル系ポリマー(エチルアクリレート/アクリロニトリル
/グリシジルアクリレート/N,N−ジメチルアクリルアミド
=74/20/1/5の共重合体、
分子量:49万、Tg:15℃) 9.6g
γ−ブチロラクトン(沸点204℃) 60.9g
上記の原料をセパラブルフラスコに配合し、150℃1時間攪拌することで淡黄色透明の液体を得た。これを室温まで冷却した後に以下の原料を添加し、室温で30分攪拌後、1μmのメッシュにてろ過することで液状樹脂組成物Bを得た。
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 0.13g
2−フェニルイミダゾール 0.04g
得られた液状樹脂組成物Bの粘度は12Pa・sであった。
オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂
(軟化点70℃、エポキシ当量210) 19.4g
ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂
(軟化点60℃、エポキシ当量263) 19.4g
フェノールアラルキル樹脂
(分子量612、軟化点75℃、水酸基当量175) 11.8g
ポリヒドロキシスチレン
(分子量2080、分散度1.26) 11.8g
γ−ブチロラクトン(沸点204℃) 37.2g
上記の原料をセパラブルフラスコに配合し、150℃1時間攪拌することで淡黄色透明の液体を得た。これを室温まで冷却した後に以下の原料を添加し、室温で30分攪拌後、1μmのメッシュにてろ過することで液状樹脂組成物Cを得た。
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 0.28g
2−フェニルイミダゾール 0.09g
得られた液状樹脂組成物Cの粘度は4Pa・sであった。
オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂
(軟化点70℃、エポキシ当量210) 36.9g
フェノールアラルキル樹脂
(分子量612、軟化点75℃、水酸基当量175) 15.6g
ポリヒドロキシスチレン
(分子量2080、分散度1.26) 10.4g
γ−ブチロラクトン(沸点204℃) 36.7g
上記の原料をセパラブルフラスコに配合し、150℃1時間攪拌することで淡黄色透明の液体を得た。これを室温まで冷却した後に以下の原料を添加し、室温で30分攪拌後、1μmのメッシュにてろ過することで液状樹脂組成物Dを得た。
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 0.28g
2−フェニルイミダゾール 0.09g
得られた液状樹脂組成物Dの粘度は5Pa・sであった。
オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂
(軟化点70℃、エポキシ当量210) 36.9g
フェノールアラルキル樹脂
(分子量612、軟化点75℃、水酸基当量175) 15.6g
ポリヒドロキシスチレン
(分子量2080、分散度1.26) 10.4g
γ−ブチロラクトン(沸点204℃) 36.6g
上記の原料をセパラブルフラスコに配合し、150℃1時間攪拌することで淡黄色透明の液体を得た。これを室温まで冷却した後に以下の原料を添加し、室温で30分攪拌後、1μmのメッシュにてろ過することで液状樹脂組成物Eを得た。
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 0.28g
リン系の触媒 0.19g
ここで使用したリン系の触媒は以下のようにして作製したものである。
攪拌装置付きのセパラプルフラスコに4,4’−ビスフェノールS(日華化学工業(株)製BPS−N)3 7. 5g(0.15モル)、テトラフェニルホスホニウムプロマイド4 1. 9g(0.1モル)、イオン交換水100mlを仕込み100℃で攪拌した。さらに内部が不溶なまま、攪拌しなから水酸化ナトリウム4.0g(0.1モル)を予め、50mlのイオン交換水で溶解した溶液を添加した。しばらく攪拌を継続した後、白色沈殿を得た。沈殿を濾過、乾燥し、得られた白色結晶(68.5g)を触媒として用いた。
得られた液状樹脂組成物Eの粘度は5Pa・sであった。
オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂
(軟化点90℃、エポキシ当量210) 36.2g
フェノールアラルキル樹脂
(分子量612、軟化点75℃、水酸基当量175) 30.2g
γ−ブチロラクトン(沸点204℃) 33.2g
上記の原料をセパラブルフラスコに配合し、150℃1時間攪拌することで淡黄色透明の液体を得た。これを室温まで冷却した後に以下の原料を添加し、室温で30分攪拌後、1μmのメッシュにてろ過することで液状樹脂組成物Fを得た。
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 0.30g
2−メチルイミダゾール 0.10g
得られた液状樹脂組成物Fの粘度は3Pa・sであった。
オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂
(軟化点70℃、エポキシ当量210) 8.4g
フェノールアラルキル樹脂
(分子量612、軟化点75℃、水酸基当量175) 7.0g
アクリル系ポリマー(エチルアクリレート/アクリロニトリル
/グリシジルアクリレート/N,N−ジメチルアクリルアミド
=74/20/1/5の共重合体、
分子量:49万、Tg:15℃) 15.4g
γ−ブチロラクトン(沸点204℃) 69.2g
上記の原料をセパラブルフラスコに配合し、150℃1時間攪拌することで淡黄色透明の液体を得た。これを室温まで冷却した後に以下の原料を添加し、室温で30分攪拌後、1μmのメッシュにてろ過することで液状樹脂組成物Gを得た。
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 0.07g
2−フェニルイミダゾール 0.02g
得られた液状樹脂組成物Gの粘度は24Pa・sであった。
オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂
(軟化点70℃、エポキシ当量210) 37.7g
ポリヒドロキシスチレン
(分子量1850、分散度2.41) 21.5g
γ−ブチロラクトン(沸点204℃) 40.4g
上記の原料をセパラブルフラスコに配合し、150℃1時間攪拌することで淡黄色透明の液体を得た。これを室温まで冷却した後に以下の原料を添加し、室温で30分攪拌後、
1μmのメッシュにてろ過することで液状樹脂組成物Hを得た。
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 0.27g
2−フェニルイミダゾール 0.09g
得られた液状樹脂組成物Hの粘度は13Pa・sであった。
20mgの液状樹脂組成物Aを6mlのテトラヒドロフラン(以下THF)に溶解しGPCの測定を行った。GPCの測定はWaters社製アライアンス(2695セパレーションズモデュール、2414リフラクティブインデックスディテクター、TSKゲルGMHHR−Lx2+TSKガードカラムHHR−Lx1、移動相:THF、1.0ml/分)を用い、カラム温度40.0℃、示差屈折率計内温度40.0℃、サンプル注入量100μlの条件にて行った。分子量の検量線はショーデックススタンダードSL−105(昭和電工(株)製)を用いて作成した。得られたGPCチャートの分子量200以上の面積(a)に対する分子量200以上5000以下の面積(b)の割合(b/a)を算出した。
また液状樹脂組成物Aを用いて6インチウエハ(回路が書かれていないベアシリコン、厚み625μm)1枚および8インチウエハ(銅0.5%のアルミパッドを有しパッシベーションはSiN、厚み350μm)1枚に塗布後の厚みが50±5μmになるようにスピンコートし、120℃に調整した乾燥機中で10分間加熱処理することで接着剤層付きウエハを得た。スピンコートはスピンコーター(ミカサ(株)製、 1H−DX)を用い
て行った。スピンコート後の厚みは非接触の厚み計で測定し、50±5μmになっていない場合にはスピンコート条件を変更することで上記範囲に入るようにした。
次に接着剤層付き6インチウエハおよび8インチウエハをダイシングシート(住友ベークライト(株)製、FSL−N4003)に張り付け夫々6×6mm、10.5×10.5mmに個片化した。6×6mmに個片化した6インチウエハの一部を手でダイシングシートから剥がし接着剤層の25℃および80℃でのタック力測定用に用いた。タック力の測定はタック力測定機(RHESCA社製)を用いプローブ下降速度(Immersion Speed)30mm/min、テスト速度600mm/min、密着荷重(Preload)0.2N、密着保持時間(Press Time)1.0秒、プローブ5.1mmφ(SUS304)で行った。
また同様に手で剥がした6×6mmに個片化した接着剤層付き半導体素子3個を6mlのTHFに浸漬し、25℃で60分間浸透することでGPC測定用サンプルとした。上記と同様の条件で測定したGPCチャートから分子量200以上の面積(a’)に対する分子量200以上5000以下の面積(b’)の割合(b’/a’)を算出し、[(b’/a’)/(b/a)]の値を算出した。
さらに以下の項目についても後述のように評価を行った。
6×6mmに個片化した接着剤層付きウエハをダイボンダーに取り付けイジェクターピン高さ350μm(ダイシングフィルム下面を0), ピックアップタイム500msの条件でピックアップしボンド加重1.0N、 基板加熱温度130℃8秒(基板表面の温度
が130℃まで昇温する時間7秒を含む)の条件でPBGA基板(パッケージサイズ35×35mm、コア材:BT(ビスマレイミド−トリアジン)、ソルダーレジスト:PSR4000AUS308(太陽インキ製造(株)製)、厚み0.56mm)に搭載した。搭載後のサンプル(硬化は行っていない)の接着力を室温、130℃、175℃で測定した。接着力の測定はダイシェアテスター(Dage社製、シリーズ4000)にて行った。・ボイド、初期剥離
10.5×10.5mmに個片化した接着剤付きウエハをダイボンダーに取り付けイジェクターピン高さ350μm(ダイシングフィルム下面を0)、ピックアップタイム500msの条件でピックアップしボンド加重2.9N、基板加熱温度130℃8秒(昇温時間含む)の条件でPBGA基板(パッケージサイズ35×35mm、コア材:BT(ビスマレイミド−トリアジン)、ソルダーレジスト:PSR4000AUS308(太陽インキ製造(株)製)、厚み0.56mm)に搭載した後(硬化は行わずに)、以下の条件でワイヤボンドを行った。
ワイヤボンダー:Eagle60(ASM社製)
金線:SGS−H、25μm(住友金属鉱山(株)製)
ワイヤボンド温度:130℃
ボンディング荷重:45g
超音波パワー:120(128kHz)
・半田リフロー性試験
ボイド、初期剥離の観察を行ったパッケージを85℃60%RHにて168時間吸湿処理を施した後、260℃以上の時間が10秒以上になるように設定したIRリフロー装置を3回通した後、透過型の超音波探傷装置にてクラックの発生具合を観察した。試験に用いたパッケージ4個中、クラックの発生しているパッケージ数で示した。
測定結果を表1に示す。
上記液状樹脂組成物Bを用いた以外は実施例1と同様に評価を行った。
[実施例3]
上記液状樹脂組成物Cを用いた以外は実施例1と同様に評価を行った。
[実施例4]
上記液状樹脂組成物Dを用いた以外は実施例1と同様に評価を行った。
[実施例5]
上記液状樹脂組成物Eを用いた以外は実施例1と同様に評価を行った。
液状樹脂組成物F〜Hを用いて実施例1と同様に評価を行った。
なお比較例1ではワイヤボンド時に半導体素子が動いてしまいワイヤボンドを行うことができなかったので、ワイヤなしの状態で封止を行ったがボイド、初期剥離の観察を行うために透過型の超音波探傷装置にて測定したところ封止中に半導体素子が流されていることが確認されたため、ボイド、初期剥離および半田リフロー性の評価はできなかった。
比較例3では、接着力測定用サンプルを作成する際に、実施例1の条件ではPBGA基
板に搭載できなかったので(搭載後基板を傾けると接着剤ごとチップが落ちた)ボンド加重20.0N、 基板加熱温度200℃17秒(昇温時間含む)に変更した。さらに半田
リフロー性試験用PBGAを組み立てる際にも実施例1の条件ではPBGA基板に搭載できなかったので(搭載後基板を傾けると接着剤ごとチップが落ちた)ボンド加重20.0N、 基板加熱温度200℃17秒(昇温時間含む)に変更した。
評価結果を表1に示す。
実施例2は、スピンコート/加熱処理後の揮発分が少なく、外観が良好であり、厚み精度も良好であった。また25℃および80℃でのタック力がそれぞれ0.02N、3.0Nであり、ピックアップ性が良好で、半導体素子搭載後に硬化を行わなくてもワイヤボンド可能であった。封止後のパッケージにおいてもボイド、剥離の発生もなく、半田リフロー後にクラックが生じていない。
実施例4は、スピンコート/加熱処理後の揮発分が少なく、外観が良好であり、厚み精度も良好であった。また25℃および80℃でのタック力がそれぞれ0.02N、2.3Nであり、ピックアップ性が良好で、半導体素子搭載後に硬化を行わなくてもワイヤボンド可能であった。封止後のパッケージにおいてもボイド、剥離の発生もなく、半田リフロー後にクラックが生じていない。
実施例5は、スピンコート/加熱処理後の揮発分が少なく、外観が良好であり、厚み精度も良好であった。また25℃および80℃でのタック力がそれぞれ0.02N、2.5Nであり、ピックアップ性が良好で、半導体素子搭載後に硬化を行わなくてもワイヤボンド可能であった。封止後のパッケージにおいてもボイド、剥離の発生もなく、半田リフロー後にクラックが生じていない。
止後には半導体素子の剥離が観察され、半田リフロー後に全パッケージでクラックが生じていた。
素子を用いた半導体パッケージを提供することが可能となる。
Claims (8)
- グリシジル基を有する化合物(A)とフェノール性水酸基を有する化合物(B)とを含む液状樹脂組成物であって、化合物(B)が分子量1000以下である化合物(B1)と分子量1500以上5000以下である化合物(B2)とを含むことを特徴とする液状樹脂組成物。
- 前記化合物(B2)がモノマー成分としてヒドロキシスチレンを含む化合物である請求項1に記載の液状樹脂組成物。
- 前記化合物(B2)の分散度が1.5以下である請求項1又は2に記載の液状樹脂組成物。
- 請求項1〜3に記載のいずれかの液状樹脂組成物で構成される接着剤をウエハの一方の面に塗布することを特徴とする接着剤層付き半導体ウエハ。
- 前記ウエハの一方の面に塗布する方法がスピンコートである請求項4に記載の接着剤層付き半導体ウエハ。
- 請求項4又は5記載の接着剤層付き半導体ウエハを切断したことを特徴とする接着剤層付き半導体素子。
- 請求項6に記載の接着剤層付き半導体素子を用いて組み立てたことを特徴とする半導体パッケージ。
- 請求項6に記載の接着剤層付き半導体素子を用いて、接着剤層付き半導体素子を支持体に搭載する工程、搭載後すぐにワイヤボンドを行う工程の順に行うことを特徴とする半導体パッケージの組立方法。
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