JP2008110968A - キノキサリン誘導体、およびキノキサリン誘導体を用いた発光素子、発光装置 - Google Patents

キノキサリン誘導体、およびキノキサリン誘導体を用いた発光素子、発光装置 Download PDF

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Abstract

【課題】可視光発光が可能な新規有機化合物を提供することを目的とする。特に、ブロードな発光スペクトルを示す新規有機化合物を提供することを目的とする。また、演色性に優れた白色発光を与える発光素子、発光装置を提供することを目的とする。
【解決手段】一般式(1)で表されるキノキサリン誘導体を提供する。一般式(1)で表されるキノキサリン誘導体は、可視光発光が可能なため、発光素子に好適に用いることができる。特に、一般式(1)で表されるキノキサリン誘導体は、ブロードな発光スペクトルを示すため、発光素子に用いることにより、演色性に優れた白色発光を与える発光素子を得ることができる。
Figure 2008110968

【選択図】なし

Description

本発明は、キノキサリン誘導体、およびキノキサリン誘導体を用いた発光素子、発光装置に関する。
近年、エレクトロルミネッセンス(Electroluminescence)を利用した発光素子の研究開発が盛んに行われている。これら発光素子の基本的な構成は、一対の電極間に発光性の物質を挟んだものである。この素子に電圧を印加することにより、発光性の物質からの発光を得ることができる。
このような発光素子は自発光型であるため、液晶ディスプレイに比べ画素の視認性が高く、バックライトが不要である等の利点があり、フラットパネルディスプレイ素子として好適であると考えられている。また、このような発光素子は、薄型軽量に作製できることも大きな利点である。また、非常に応答速度が速いことも特徴の一つである。
また、これらの発光素子は膜状に形成することが可能であるため、大面積の素子を形成することにより、面状の発光を容易に得ることができる。このことは、白熱電球やLEDに代表される点光源、あるいは蛍光灯に代表される線光源では得難い特色であるため、照明等に応用できる面光源としての利用価値も高い。
エレクトロルミネッセンスを利用した発光素子は、発光性の物質が有機化合物であるか、無機化合物であるかによって大きく分けられる。
発光性の物質が有機化合物である場合、発光素子に電圧を印加することにより、一対の電極から電子および正孔がそれぞれ発光性の有機化合物を含む層に注入され、電流が流れる。そして、それらキャリア(電子および正孔)が再結合することにより、発光性の有機化合物が励起状態を形成し、その励起状態が基底状態に戻る際に発光する。このようなメカニズムから、このような発光素子は、電流励起型の発光素子と呼ばれる。
なお、有機化合物が形成する励起状態の種類としては、一重項励起状態と三重項励起状態があり、一重項励起状態からの発光が蛍光、三重項励起状態からの発光が燐光と呼ばれている。
このような発光素子に関しては、その素子特性を向上させる上で、材料に依存した問題が多く、これらを克服するために素子構造の改良や材料開発等が行われている。
例えば、発光素子を照明装置として用いる場合には、発光素子の発光の演色性が問題となる。複数の発光材料を用いて白色発光素子を作製した場合、それぞれの発光材料の発光スペクトルがシャープであれば演色性は低くなる。一方、発光スペクトルがブロードであれば可視光領域全体にわたって発光することになるため演色性が高くなり、自然光に近い発光を得ることができる。
しかしながら、複数の発光材料を用いた発光素子は、各発光材料から発光する光のバランスを調整することが困難であった。また、各発光材料の劣化しやすさが異なるため、作製当初は目的とする白色発光が得られる発光素子であっても、劣化により各発光材料の輝度バランスが変化し、発光素子の発光色が変化してしまうという問題があった。
特許文献1では、キナクリドン骨格およびカルバゾール骨格を有する白色発光化合物が開示されている。しかしながら、まだ白色発光可能な化合物の数は少なく、新規な白色発光化合物の開発が求められている。
特開2003−203780号公報
上記問題を鑑み、本発明は、可視光発光が可能な新規有機化合物を提供することを目的とする。特に、発光素子に用いた際にブロードな発光スペクトルを示す新規有機化合物を提供することを目的とする。
また、演色性に優れた白色発光を与える発光素子、発光装置を提供することを目的とする。
本発明の一は、一般式(1)で表されるキノキサリン誘導体である。
Figure 2008110968
(式中、R〜Rはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数6〜25のアリール基のいずれかを表す。また、RとR、RとR、RとRはそれぞれ互いに結合し、縮合環を形成してもよい。Aは、一般式(1−1)〜一般式(1−3)で表されるいずれかの置換基を表す。一般式(1−1)〜一般式(1−3)において、R〜RおよびR10〜R13は、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基を表し、Rは、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数6〜14のアリール基のいずれかを表し、R14〜R15は水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基、またはフェニル基のいずれかを表し、R16〜R18は、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
また、本発明の一は、一般式(2)で表されるキノキサリン誘導体である。
Figure 2008110968
(式中、R〜Rはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数6〜25のアリール基のいずれかを表す。また、RとR、RとR、RとRはそれぞれ互いに結合し、縮合環を形成してもよい。Rは、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数6〜14のアリール基のいずれかを表す。)
上記構成において、一般式(3)で表されるキノキサリン誘導体であることが好ましい。
Figure 2008110968
(式中、Rは、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数6〜14のアリール基のいずれかを表す。)
特に、一般式(4)で表されるキノキサリン誘導体であることが好ましい。
Figure 2008110968
(式中、R19は、水素原子、またはフェニル基を表す。)
さらに好ましくは、構造式(101)で表されるキノキサリン誘導体であることが好ましい。
Figure 2008110968
また、構造式(118)で表されるキノキサリン誘導体であることが好ましい。
Figure 2008110968
また、本発明の一は、一般式(5)で表されるキノキサリン誘導体である。
Figure 2008110968
(式中、R〜Rはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数6〜25のアリール基のいずれかを表す。また、RとR、RとR、RとRはそれぞれ互いに結合し、縮合環を形成してもよい。R14〜R15はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基、またはフェニル基のいずれかを表す。)
上記構成において、一般式(6)で表されるキノキサリン誘導体であることが好ましい。
Figure 2008110968
(式中、R14〜R15はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基、またはフェニル基のいずれかを表す。)
特に、一般式(7)で表されるキノキサリン誘導体であることが好ましい。
Figure 2008110968
さらに好ましくは、構造式(126)で表されるキノキサリン誘導体であることが好ましい。
Figure 2008110968
また、本発明の一は、一般式(8)で表されるキノキサリン誘導体である。
Figure 2008110968
(式中、R〜Rはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数6〜25のアリール基のいずれかを表す。また、RとR、RとR、RとRはそれぞれ互いに結合し、縮合環を形成してもよい。R16〜R18はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
上記構成において、一般式(9)で表されるキノキサリン誘導体であることが好ましい。
Figure 2008110968
(式中、R16〜R18はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
特に、一般式(10)で表されるキノキサリン誘導体であることが好ましい。
Figure 2008110968
さらに好ましくは、構造式(144)で表されるキノキサリン誘導体であることが好ましい。
Figure 2008110968
また、本発明の一は、上記キノキサリン誘導体を用いた発光素子である。具体的には、一対の電極間に上述したキノキサリン誘導体を有することを特徴とする発光素子である。
また、本発明の一は、一対の電極間に上述したキノキサリン誘導体を有し、前記一対の電極間に電圧を印加することにより、前記キノキサリン誘導体が発光することを特徴とする発光素子である。
また、本発明の一は、一対の電極間に発光層を有し、発光層は上述したキノキサリン誘導体を有することを特徴とする発光素子である。
また、本発明の一は、一対の電極間に発光層を有し、発光層は上述したキノキサリン誘導体と蛍光発光性物質を有することを特徴とする発光素子である。
また、本発明の一は、一対の電極間に発光層を有し、発光層は上述したキノキサリン誘導体と燐光発光性物質を有することを特徴とする発光素子である。
また、本発明の発光装置は、一対の電極間に、上記のキノキサリン誘導体を含む発光素子と、発光素子の発光を制御する制御手段とを有することを特徴とする。なお、本明細書中における発光装置とは、画像表示デバイス、発光デバイス、もしくは光源(照明装置含む)を含む。また、パネルにコネクター、例えばFPC(Flexible printed circuit)もしくはTAB(Tape Automated Bonding)テープもしくはTCP(Tape Carrier Package)が取り付けられたモジュール、TABテープやTCPの先にプリント配線板が設けられたモジュール、または発光素子にCOG(Chip On Glass)方式によりIC(集積回路)が直接実装されたモジュールも全て発光装置に含むものとする。
本発明のキノキサリン誘導体は、可視光発光が可能な有機化合物である。
また、本発明のキノキサリン誘導体は、可視光発光が可能なため、発光素子に好適に用いることができる。特に、本発明のキノキサリン誘導体は、発光素子に用いた際にブロードな発光スペクトルを示すため、発光素子に用いることにより、演色性に優れた白色発光を与える発光素子を得ることができる。
また、本発明の発光素子を用いることにより、演色性に優れた発光装置を得ることができる。
以下、本発明の実施の態様について図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
(実施の形態1)
本発明のキノキサリン誘導体は、下記一般式(1)で表される。
Figure 2008110968
(式中、R〜Rはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数6〜25のアリール基のいずれかを表す。また、RとR、RとR、RとRはそれぞれ互いに結合し、縮合環を形成してもよい。Aは、一般式(1−1)〜一般式(1−3)で表されるいずれかの置換基を表す。一般式(1−1)〜一般式(1−3)において、R〜RおよびR10〜R13は、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基を表し、Rは、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数6〜14のアリール基のいずれかを表し、R14〜R15は水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基、またはフェニル基のいずれかを表し、R16〜R18は、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
上記一般式(1)において、フェニル基に結合しているAはキノキサリン骨格に対してオルト位、メタ位、パラ位のいずれの位置に結合していてもよい。
上記一般式(1)において、炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
また、上記一般式(1)において、炭素数6〜25のアリール基としては、構造式(11−1)〜(11−9)に表される置換基が挙げられる。
Figure 2008110968
一般式(1)で表されるキノキサリン誘導体において、下記一般式(2)で表されるキノキサリン誘導体であることが好ましい。
Figure 2008110968
(式中、R〜Rはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数6〜25のアリール基のいずれかを表す。また、RとR、RとR、RとRはそれぞれ互いに結合し、縮合環を形成してもよい。Rは、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数6〜14のアリール基のいずれかを表す。)
一般式(2)で表されるキノキサリン誘導体において、下記一般式(3)で表されるキノキサリン誘導体であることが好ましい。
Figure 2008110968
(式中、Rは、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数6〜14のアリール基のいずれかを表す。)
特に、一般式(4)で表されるキノキサリン誘導体であることが好ましい。
Figure 2008110968
また、一般式(1)で表されるキノキサリン誘導体において、下記一般式(5)で表されるキノキサリン誘導体であることが好ましい。
Figure 2008110968
(式中、R〜Rはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数6〜25のアリール基のいずれかを表す。また、RとR、RとR、RとRはそれぞれ互いに結合し、縮合環を形成してもよい。R14〜R15はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基、またはフェニル基のいずれかを表す。)
一般式(5)で表されるキノキサリン誘導体において、一般式(6)で表されるキノキサリン誘導体であることが好ましい。
Figure 2008110968
(式中、R14〜R15はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基、またはフェニル基のいずれかを表す。)
特に、一般式(7)で表されるキノキサリン誘導体であることが好ましい。
Figure 2008110968
また、一般式(1)で表されるキノキサリン誘導体において、下記一般式(8)で表されるキノキサリン誘導体であることが好ましい。
Figure 2008110968
(式中、R〜Rはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数6〜25のアリール基のいずれかを表す。また、RとR、RとR、RとRはそれぞれ互いに結合し、縮合環を形成してもよい。R16〜R18はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
一般式(8)で表されるキノキサリン誘導体において、一般式(9)で表されるキノキサリン誘導体であることが好ましい。
Figure 2008110968
(式中、R16〜R18はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
特に、一般式(10)で表されるキノキサリン誘導体であることが好ましい。
Figure 2008110968
また、本発明のキノキサリン誘導体の具体例としては、構造式(101)〜(160)に示されるキノキサリン誘導体を挙げることができる。ただし、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2008110968
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本発明のキノキサリン誘導体の合成方法としては、種々の反応の適用が可能である。例えば、下記の合成スキーム(A−1)〜(A−4)に示す合成反応を行うことによって製造することができる。
まず、合成スキーム(A−1)に示すように、ハロゲン原子XおよびXで置換されたベンジル(化合物B)と1、2−ジアミノベンゼン誘導体(化合物A)との縮合反応によってキノキサリン骨格を形成する。ハロゲン原子としては臭素、ヨウ素、塩素が挙げられるが、取扱の容易さ、適度な反応性を考慮すると臭素またはヨウ素が好ましい。
Figure 2008110968
合成スキーム(A−1)において、XおよびXは、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、ハロゲン原子を表す。R〜Rはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数6〜25のアリール基のいずれかを表す。また、RとR、RとR、RとRはそれぞれ互いに結合し、縮合環を形成してもよい。
次に、合成スキーム(A−2)に示すように、得られるハロゲン置換キノキサリン(化合物C)に有機リチウムを加えて化合物Cをリチオ化し、さらに、ホウ酸トリメチルやホウ酸トリイソプロピル等のホウ素試薬と反応させることにより、キノキサリン誘導体のボロン酸(化合物D)を得ることができる。
Figure 2008110968
合成スキーム(A−2)において、XおよびXは、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、ハロゲン原子を表す。ハロゲン原子としては臭素、ヨウ素、塩素が挙げられるが、取扱の容易さ、適度な反応性を考慮すると臭素またはヨウ素が好ましい。R〜Rはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数6〜25のアリール基のいずれかを表す。また、RとR、RとR、RとRはそれぞれ互いに結合し、縮合環を形成してもよい。
次に、合成スキーム(A−3)に示すように、キノキサリン誘導体のボロン酸(化合物D)と、ハロゲン化されたアレーン(化合物E)とを、塩基存在下、パラジウム触媒を用いてカップリングすることで、一般式(1)で表される本発明のキノキサリン誘導体を合成することができる。塩基は炭酸カリウム、炭酸ナトリウムなどの無機塩基や、金属アルコキシドなどの有機塩基などを用いることができる。パラジウム触媒としては酢酸パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)などを用いることができる。
Figure 2008110968
合成スキーム(A−3)において、R〜Rはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数6〜25のアリール基のいずれかを表す。また、RとR、RとR、RとRはそれぞれ互いに結合し、縮合環を形成してもよい。Aは、一般式(1−1)〜一般式(1−3)で表されるいずれかの置換基を表す。一般式(1−1)〜一般式(1−3)において、R〜RおよびR10〜R13は、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基を表し、Rは、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数6〜14のアリール基のいずれかを表し、R14〜R15は水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基、またはフェニル基のいずれかを表し、R16〜R18は、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基を表す。また、R31〜R33は、互いに結合し、縮合環を形成してもよい。Xは、ハロゲン原子を表す。ハロゲン原子としては臭素、ヨウ素、塩素が挙げられるが、取扱の容易さ、適度な反応性を考慮すると臭素またはヨウ素が好ましい。
また、合成スキーム(A−4)に示すように、ハロゲン置換キノキサリン(化合物C)と、アリールのボロン酸もしくはアリールの有機ホウ素化合物(化合物F)とを、塩基存在下、パラジウム触媒を用いてカップリングすることで、一般式(1)で表される本発明のキノキサリン誘導体を合成することもできる。塩基は炭酸カリウム、炭酸ナトリウムなどの無機塩基や、金属アルコキシドなどの有機塩基などを用いることができる。パラジウム触媒としては酢酸パラジウム、塩化パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)などを用いることができる。
Figure 2008110968
合成スキーム(A−4)において、R〜Rはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、またはアルキル基、または炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数6〜25のアリール基のいずれかを表す。また、RとR、RとR、RとRはそれぞれ互いに結合し、縮合環を形成してもよい。Aは、一般式(1−1)〜一般式(1−3)で表されるいずれかの置換基を表す。一般式(1−1)〜一般式(1−3)において、R〜RおよびR10〜R13は、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基を表し、Rは、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数6〜14のアリール基のいずれかを表し、R14〜R15は水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基、またはフェニル基のいずれかを表し、R16〜R18は、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基を表す。R34〜R35は、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、水素原子、または炭素数1〜10のアルキル基を表す。また、R34〜R35は、互いに結合し、環を形成してもよい。XおよびXは、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、ハロゲン原子を表す。ハロゲン原子としては臭素、ヨウ素、塩素が挙げられるが、取扱の容易さ、適度な反応性を考慮すると臭素またはヨウ素が好ましい。
本発明のキノキサリン誘導体は、可視光発光が可能な有機化合物である。よって、発光素子に好適に用いることができる。
また、本発明のキノキサリン誘導体は、半値幅の大きいブロードな発光スペクトルを与える。よって、発光素子に用いることにより、可視光領域全体にわたって発光する発光素子を得ることができる。よって、演色性に優れた白色発光を示す発光素子を得ることができる。
また、本発明のキノキサリン誘導体は、発光材料を分散させる物質として、発光素子に好適に用いることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明のキノキサリン誘導体を用いた発光素子の一態様について図1〜図2を用いて以下に説明する。
本発明の発光素子は、一対の電極間に複数の層を有する。当該複数の層は、電極から離れたところに発光領域が形成されるように、つまり電極から離れた部位でキャリアの再結合が行われるように、キャリア注入性の高い物質やキャリア輸送性の高い物質からなる層を組み合わせて積層されたものである。本明細書において、一対の電極間に形成されている複数の層を、以下、EL層という。
本形態において、発光素子は、第1の電極102と、第1の電極102の上に順に積層した第1の層103、第2の層104、第3の層105、第4の層106と、さらにその上に設けられた第2の電極107とから構成されている。なお、本形態では第1の電極102は陽極として機能し、第2の電極107は陰極として機能するものとして以下説明をする。
基板101は発光素子の支持体として用いられる。基板101としては、例えばガラス、またはプラスチックなどを用いることができる。なお、発光素子を作製工程において支持体として機能するものであれば、これら以外のものでもよい。
第1の電極102としては、仕事関数の大きい(具体的には4.0eV以上)金属、合金、導電性化合物、およびこれらの混合物などを用いることが好ましい。具体的には、例えば、酸化インジウム−酸化スズ(ITO:Indium Tin Oxide)、珪素若しくは酸化珪素を含有した酸化インジウム−酸化スズ、酸化インジウム−酸化亜鉛(IZO:Indium Zinc Oxide)、酸化タングステン及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウム(IWZO)等が挙げられる。これらの導電性金属酸化物膜は、通常スパッタにより成膜されるが、ゾル−ゲル法などを応用して作製しても構わない。例えば、酸化インジウム−酸化亜鉛(IZO)は、酸化インジウムに対し1〜20wt%の酸化亜鉛を加えたターゲットを用いてスパッタリング法により形成することができる。また、酸化タングステン及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウム(IWZO)は、酸化インジウムに対し酸化タングステンを0.5〜5wt%、酸化亜鉛を0.1〜1wt%含有したターゲットを用いてスパッタリング法により形成することができる。この他、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、または金属材料の窒化物(例えば、窒化チタン)等が挙げられる。
第1の層103は、正孔注入性の高い物質を含む層である。モリブデン酸化物やバナジウム酸化物、ルテニウム酸化物、タングステン酸化物、マンガン酸化物等を用いることができる。この他、フタロシアニン(略称:HPc)や銅フタロシアニン(CuPC)等のフタロシアニン系の化合物、4,4’−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DPAB)、4,4’−ビス(N−{4−[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]フェニル}−N−フェニルアミノ)ビフェニル(略称:DNTPD)等の芳香族アミン化合物、或いはポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)等の高分子等によっても第1の層103を形成することができる。
また、第1の層103として、有機化合物と有機化合物に対して電子受容性を示す化合物とを複合してなる複合材料を用いることができる。特に、有機化合物と、有機化合物に対して電子受容性を示す無機化合物とを含む複合材料は、有機化合物と無機化合物との間で電子の授受が行われ、キャリア密度が増大するため、正孔注入性、正孔輸送性に優れている。
また、第1の層103として有機化合物と無機化合物とを複合してなる複合材料を用いた場合、第1の電極102とオーム接触をすることが可能となるため、仕事関数に関わらず第1の電極を形成する材料を選ぶことができる。
有機化合物に対して電子受容性を示す有機化合物としては、7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(略称:TCNQ)、2,3,5,6−テトラフルオロ−7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(略称:FTCNQ)等を用いることができる。また、有機化合物に対して電子受容性を示す無機化合物としては、遷移金属の酸化物であることが好ましい。また元素周期表における第4族乃至第8族に属する金属の酸化物を挙げることができる。具体的には、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化レニウムは電子受容性が高いため好ましい。中でも特に、酸化モリブデンは大気中で安定であり、吸湿性が低く、扱いやすいため好ましい。
複合材料に用いる有機化合物としては、芳香族アミン化合物、カルバゾール誘導体、芳香族炭化水素、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)など、種々の化合物を用いることができる。なお、複合材料に用いる有機化合物としては、正孔輸送性の高い有機化合物であることが好ましい。具体的には、10−6cm/Vs以上の正孔移動度を有する物質であることが好ましい。但し、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用いてもよい。以下では、複合材料に用いることのできる有機化合物を具体的に列挙する。
例えば、芳香族アミン化合物としては、N,N’−ジ(p−トリル)−N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン(略称:DTDPPA)、4,4’−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DPAB)、4,4’−ビス(N−{4−[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]フェニル}−N−フェニルアミノ)ビフェニル(略称:DNTPD)、1,3,5−トリス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ベンゼン(略称:DPA3B)等を挙げることができる。
複合材料に用いることのできるカルバゾール誘導体としては、具体的には、3−[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA1)、3,6−ビス[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA2)、3−[N−(1−ナフチル)−N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)アミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCN1)等を挙げることができる。
また、4,4’−ジ(N−カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)、1,3,5−トリス[4−(N−カルバゾリル)フェニル]ベンゼン(略称:TCPB)、9−[4−(N−カルバゾリル)]フェニル−10−フェニルアントラセン(略称:CzPA)、1,4−ビス[4−(N−カルバゾリル)フェニル]−2,3,5,6−テトラフェニルベンゼン等を用いることができる。
また、複合材料に用いることのできる芳香族炭化水素としては、例えば、2−tert−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:t−BuDNA)、2−tert−ブチル−9,10−ジ(1−ナフチル)アントラセン、9,10−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)アントラセン(略称:DPPA)、2−tert−ブチル−9,10−ビス(4−フェニルフェニル)アントラセン(略称:t−BuDBA)、9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPAnth)、2−tert−ブチルアントラセン(略称:t−BuAnth)、9,10−ビス(4−メチル−1−ナフチル)アントラセン(略称:DMNA)、2−tert−ブチル−9,10−ビス[2−(1−ナフチル)フェニル]アントラセン、9,10−ビス[2−(1−ナフチル)フェニル]アントラセン、2,3,6,7−テトラメチル−9,10−ジ(1−ナフチル)アントラセン、2,3,6,7−テトラメチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン、9,9’−ビアントリル、10,10’−ジフェニル−9,9’−ビアントリル、10,10’−ビス(2−フェニルフェニル)−9,9’−ビアントリル、10,10’−ビス[(2,3,4,5,6−ペンタフェニル)フェニル]−9,9’−ビアントリル、アントラセン、テトラセン、ルブレン、ペリレン、2,5,8,11−テトラ(tert−ブチル)ペリレン等が挙げられる。また、この他、ペンタセン、コロネン等も用いることができる。このように、1×10−6cm/Vs以上の正孔移動度を有し、炭素数14〜42である芳香族炭化水素を用いることがより好ましい。
なお、複合材料に用いることのできる芳香族炭化水素は、ビニル骨格を有していてもよい。ビニル基を有している芳香族炭化水素としては、例えば、4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル(略称:DPVBi)、9,10−ビス[4−(2,2−ジフェニルビニル)フェニル]アントラセン(略称:DPVPA)等が挙げられる。
また、ポリ(N−ビニルカルバゾール)(略称:PVK)やポリ(4−ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)等の高分子化合物を用いることもできる。
第2の層104を形成する物質としては、正孔輸送性の高い物質、具体的には、芳香族アミン(すなわち、ベンゼン環−窒素の結合を有するもの)の化合物であることが好ましい。広く用いられている材料として、4,4’−ビス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル、その誘導体である4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(以下、NPBと記す)、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニル−アミノ)トリフェニルアミン、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミンなどのスターバースト型芳香族アミン化合物が挙げられる。ここに述べた物質は、主に10−6cm/Vs以上の正孔移動度を有する物質である。但し、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用いてもよい。なお、第2の層104は、単層のものだけでなく、上記物質の混合層、あるいは二層以上積層したものであってもよい。
第3の層105は、発光性の物質を含む層である。本実施の形態では、第3の層105は実施の形態1で示した本発明のキノキサリン誘導体を含む。本発明のキノキサリン誘導体は、可視光の発光を与えるため、発光性物質として発光素子に好適に用いることができる。
第4の層106は、電子輸送性の高い物質を用いることができる。例えば、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム(略称:BAlq)など、キノリン骨格またはベンゾキノリン骨格を有する金属錯体等からなる層である。また、この他ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾラト]亜鉛(略称:Zn(BOX))、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾラト]亜鉛(略称:Zn(BTZ))などのオキサゾール系、チアゾール系配位子を有する金属錯体なども用いることができる。さらに、金属錯体以外にも、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)や、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)なども用いることができる。ここに述べた物質は、主に10−6cm/Vs以上の電子移動度を有する物質である。なお、正孔よりも電子の輸送性の高い物質であれば、上記以外の物質を電子輸送層として用いても構わない。また、電子輸送層は、単層のものだけでなく、上記物質からなる層が二層以上積層したものとしてもよい。
第2の電極107を形成する物質としては、仕事関数の小さい(具体的には3.8eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いることができる。このような陰極材料の具体例としては、元素周期表の1族または2族に属する元素、すなわちリチウム(Li)やセシウム(Cs)等のアルカリ金属、およびマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)等のアルカリ土類金属、およびこれらを含む合金(MgAg、AlLi)、ユウロピウム(Eu)、イッテルビウム(Yb)等の希土類金属およびこれらを含む合金等が挙げられる。しかしながら、第2の電極107と第4の層106との間に、電子注入を促す機能を有する層を、当該第2の電極と積層して設けることにより、仕事関数の大小に関わらず、Al、Ag、ITO、珪素若しくは酸化珪素を含有したITO等様々な導電性材料を第2の電極107として用いることができる。
なお、電子注入を促す機能を有する層としては、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF)等のようなアルカリ金属又はアルカリ土類金属又はそれらの化合物を用いることができる。例えば、電子輸送性を有する物質からなる層中にアルカリ金属又はアルカリ土類金属又はそれらの化合物を含有させたもの、例えばAlq中にマグネシウム(Mg)を含有させたもの等を用いることができる。なお、電子注入層として、電子輸送性を有する物質からなる層中にアルカリ金属又はアルカリ土類金属を含有させたものを用いることにより、第2の電極107からの電子注入が効率良く行われるためより好ましい。
また、第1の層103、第2の層104、第3の層105、第4の層106の形成方法は、蒸着法や、インクジェット法、スピンコート法などの種々の方法を用いることができる。また各電極または各層ごとに異なる成膜方法を用いて形成しても構わない。
以上のような構成を有する本発明の発光素子は、第1の電極102と第2の電極107との間に生じた電位差により電流が流れ、発光性の高い物質を含む層である第3の層105において正孔と電子とが再結合し、発光するものである。つまり第3の層105に発光領域が形成されるような構成となっている。
発光は、第1の電極102または第2の電極107のいずれか一方または両方を通って外部に取り出される。従って、第1の電極102または第2の電極107のいずれか一方または両方は、透光性を有する電極で成る。第1の電極102のみが透光性を有する電極である場合、図1(A)に示すように、発光は第1の電極102を通って基板側から取り出される。また、第2の電極107のみが透光性を有する電極である場合、図1(B)に示すように、発光は第2の電極107を通って基板と逆側から取り出される。第1の電極102および第2の電極107がいずれも透光性を有する電極である場合、図1(C)に示すように、発光は第1の電極102および第2の電極107を通って、基板側および基板と逆側の両方から取り出される。
なお第1の電極102と第2の電極107との間に設けられる層の構成は、上記のものには限定されない。発光領域と金属とが近接することによって生じる消光を防ぐように、第1の電極102および第2の電極107から離れた部位に正孔と電子とが再結合する発光領域を設けた構成であれば、上記以外のものでもよい。
つまり、層の積層構造については特に限定されず、電子輸送性の高い物質または正孔輸送性の高い物質、電子注入性の高い物質、正孔注入性の高い物質、バイポーラ性(電子及び正孔の輸送性の高い物質)の物質、正孔ブロック材料等から成る層を、本発明のキノキサリン誘導体と自由に組み合わせて構成すればよい。
図2に示す発光素子は、基板301上に、陰極として機能する第1の電極302、電子輸送性の高い物質からなる第1の層303、発光性物質を含む第2の層304、正孔輸送性の高い物質からなる第3の層305、正孔注入性の高い物質からなる第4の層306、陽極として機能する第2の電極307とが順に積層された構成となっている。
本実施の形態においては、ガラス、プラスチックなどからなる基板上に発光素子を作製している。一基板上にこのような発光素子を複数作製することで、パッシブマトリクス型の発光装置を作製することができる。また、ガラス、プラスチックなどからなる基板上に、例えば薄膜トランジスタ(TFT)を形成し、TFTと電気的に接続された電極上に発光素子を作製してもよい。これにより、TFTによって発光素子の駆動を制御するアクティブマトリクス型の発光装置を作製できる。なお、TFTの構造は、特に限定されない。スタガ型のTFTでもよいし逆スタガ型のTFTでもよい。また、TFTに用いる半導体の結晶性についても特に限定されず、非晶質半導体を用いてもよいし、結晶性半導体を用いてもよい。また、TFT基板に形成される駆動用回路についても、N型およびP型のTFTからなるものでもよいし、若しくはN型またはP型のいずれか一方からのみなるものであってもよい。
本発明のキノキサリン誘導体は、可視光の発光を示すため、本実施の形態に示すように、他の発光性物質を含有することなく発光層として用いることが可能である。
また、本発明のキノキサリン誘導体は、半値幅の大きいブロードな発光スペクトルを示すため、可視光領域全体にわたって発光する発光素子を得ることができる。よって、演色性に優れた白色発光を示す発光素子を提供することができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、実施の形態2で示した構成と異なる構成の発光素子について説明する。
実施の形態2で示した第3の層105を、本発明のキノキサリン誘導体を他の物質に分散させた構成とすることで、本発明のキノキサリン誘導体からの発光を得ることができる。
ここで、本発明のキノキサリン誘導体を分散させる物質としては、種々の材料を用いることができ、実施の形態2で述べた正孔輸送の高い物質や電子輸送性の高い物質の他、4,4’−ジ(N−カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)や、2,2’,2”−(1,3,5−ベンゼントリイル)トリス[1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール](略称:TPBI)、9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、2−tert−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:t−BuDNA)などが挙げられる。
本発明のキノキサリン誘導体は可視光の発光を示すため、発光材料として発光素子に好適に用いることができる。
また、本発明のキノキサリン誘導体は、半値幅の大きいブロードな発光スペクトルを示すため、可視光領域全体にわたって発光する発光素子を得ることができる。よって、演色性に優れた白色発光を示す発光素子を提供することができる。
なお、第3の層105以外は、実施の形態2に示した構成を適宜用いることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、実施の形態2および実施の形態3で示した構成と異なる構成の発光素子について説明する。
実施の形態2で示した第3の層105を、本発明のキノキサリン誘導体に発光性の物質を分散させた構成とすることで、発光性の物質からの発光を得ることができる。
本発明のキノキサリン誘導体を他の発光性物質を分散させる材料として用いる場合、発光性物質に起因した発光色を得ることができる。また、本発明のキノキサリン誘導体に起因した発光色と、キノキサリン誘導体中に分散されている発光性物質に起因した発光色との混色の発光色を得ることもできる。
ここで、本発明のキノキサリン誘導体に分散させる発光性物質としては、種々の材料を用いることができる。具体的には、4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン(略称:DCM1)、4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−(ジュロリジン−4−イル−ビニル)−4H−ピラン(略称:DCM2)、N,N−ジメチルキナクリドン(略称:DMQd)、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPA)、5,12−ジフェニルテトラセン(略称:DPT)、クマリン6、ペリレン、ルブレンなどの蛍光を発光する蛍光発光性物質を用いることができる。また、ビス(2−フェニルベンゾチアゾラト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(bt)(acac))、トリス(2−フェニルキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)(略称:Ir(pq))、ビス(2−フェニルキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(pq)(acac))、ビス[2−(2’−ベンゾ[4,5−α]チエニル)ピリジナト−N,C3’]イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(btp)(acac))、ビス(1−フェニルイソキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(piq)(acac))、(アセチルアセトナト)ビス[2,3−ビス(4−フルオロフェニル)キノキサリナト]イリジウム(III)(略称:Ir(Fdpq)(acac))、2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21H,23H−ポルフィリン白金(II)(略称:PtOEP)などの燐光を発光する燐光発光性物質を用いることができる。
なお、本発明のキノキサリン誘導体に分散させる発光物質として、燐光発光性物質を用いる場合には、燐光性発光物質の発光スペクトルのピークが560nm以上700nm以下であることが好ましい。また、蛍光発光性物質を用いる場合には、発光スペクトルのピークが540nm以上700nm以下であることが好ましい。
なお、第3の層105以外は、実施の形態2に示した構成を適宜用いることができる。
(実施の形態5)
本実施の形態は、本発明に係る複数の発光ユニットを積層した構成の発光素子(以下、積層型素子という)の態様について、図3を参照して説明する。この発光素子は、第1の電極と第2の電極との間に、複数の発光ユニットを有する積層型発光素子である。各発光ユニットの構成としては、実施の形態2〜実施の形態4で示した構成と同様な構成を用いることができる。つまり、実施の形態2〜実施の形態4で示した発光素子は、1つの発光ユニットを有する発光素子である。本実施の形態では、複数の発光ユニットを有する発光素子について説明する。
図3において、第1の電極501と第2の電極502との間には、第1の発光ユニット511と第2の発光ユニット512が積層されている。第1の電極501と第2の電極502は実施の形態2と同様なものを適用することができる。また、第1の発光ユニット511と第2の発光ユニット512は同じ構成であっても異なる構成であってもよく、その構成は実施の形態2〜実施の形態4と同様なものを適用することができる。
電荷発生層513には、有機化合物と金属酸化物の複合材料が含まれている。この有機化合物と金属酸化物の複合材料は、実施の形態2で示した複合材料であり、有機化合物と酸化バナジウムや酸化モリブデンや酸化タングステン等の金属酸化物を含む。有機化合物としては、芳香族アミン化合物、カルバゾール誘導体、芳香族炭化水素、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)など、種々の化合物を用いることができる。なお、有機化合物としては、正孔輸送性有機化合物として正孔移動度が10−6cm/Vs以上であるものを適用することが好ましい。但し、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用いてもよい。有機化合物と金属酸化物の複合材料は、キャリア注入性、キャリア輸送性に優れているため、低電圧駆動、低電流駆動を実現することができる。
なお、電荷発生層513は、有機化合物と金属酸化物の複合材料と他の材料とを組み合わせて形成してもよい。例えば、有機化合物と金属酸化物の複合材料を含む層と、電子供与性物質の中から選ばれた一の化合物と電子輸送性の高い化合物とを含む層とを組み合わせて形成してもよい。また、有機化合物と金属酸化物の複合材料を含む層と、透明導電膜とを組み合わせて形成してもよい。
いずれにしても、第1の発光ユニット511と第2の発光ユニット512に挟まれる電荷発生層513は、第1の電極501と第2の電極502に電圧を印加したときに、一方の側の発光ユニットに電子を注入し、他方の側の発光ユニットに正孔を注入するものであれば良い。
本実施の形態では、2つの発光ユニットを有する発光素子について説明したが、同様に、3つ以上の発光ユニットを積層した発光素子についても、同様に適用することが可能である。本実施の形態に係る発光素子のように、一対の電極間に複数の発光ユニットを電荷発生層で仕切って配置することで、電流密度を低く保ったまま、高輝度領域での長寿命素子を実現できる。また、照明を応用例とした場合は、電極材料の抵抗による電圧降下を小さくできるので、大面積での均一発光が可能となる。また、低電圧駆動が可能で消費電力が低くい発光装置を実現することができる。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることが可能である。
(実施の形態6)
本実施の形態では、本発明のキノキサリン誘導体を用いて作製された発光装置について図4を用いて説明する。
なお、図4(A)は、発光装置を示す上面図、図4(B)は図4(A)をA−A’およびB−B’で切断した断面図である。この発光装置は、発光素子の発光を制御するものとして、点線で示された駆動回路部(ソース側駆動回路)601、画素部602、駆動回路部(ゲート側駆動回路)603を含んでいる。また、604は封止基板、605はシール材であり、シール材605で囲まれた内側は、空間607になっている。
なお、引き回し配線608はソース側駆動回路601及びゲート側駆動回路603に入力される信号を伝送するための配線であり、外部入力端子となるFPC(フレキシブルプリントサーキット)609からビデオ信号、クロック信号、スタート信号、リセット信号等を受け取る。なお、ここではFPCしか図示されていないが、このFPCにはプリント配線基盤(PWB)が取り付けられていても良い。本明細書における発光装置には、発光装置本体だけでなく、それにFPCもしくはPWBが取り付けられた状態をも含むものとする。
次に、断面構造について図4(B)を用いて説明する。素子基板610上には駆動回路部及び画素部が形成されているが、ここでは、駆動回路部であるソース側駆動回路601と、画素部602中の一つの画素が示されている。
なお、ソース側駆動回路601はnチャネル型TFT623とpチャネル型TFT624とを組み合わせたCMOS回路が形成される。また、駆動回路は、種々のCMOS回路、PMOS回路もしくはNMOS回路で形成しても良い。また、本実施の形態では、画素部が形成された基板上に駆動回路を形成したドライバ一体型を示すが、必ずしもその必要はなく、駆動回路を画素部が形成された基板上ではなく外部に形成することもできる。また、TFTに用いる半導体の結晶性についても特に限定されず、非晶質半導体を用いてもよいし、結晶性半導体を用いてもよい。
また、画素部602はスイッチング用TFT611と、電流制御用TFT612とそのドレインに電気的に接続された第1の電極613とを含む複数の画素により形成される。なお、第1の電極613の端部を覆って絶縁物614が形成されている。ここでは、ポジ型の感光性アクリル樹脂膜を用いることにより形成する。
また、被覆性を良好なものとするため、絶縁物614の上端部または下端部に曲率を有する曲面が形成されるようにする。例えば、絶縁物614の材料としてポジ型の感光性アクリルを用いた場合、絶縁物614の上端部のみに曲率半径(0.2μm〜3μm)を有する曲面を持たせることが好ましい。また、絶縁物614として、光の照射によってエッチャントに不溶解性となるネガ型、或いは光の照射によってエッチャントに溶解性となるポジ型のいずれも使用することができる。
第1の電極613上には、EL層616、および第2の電極617がそれぞれ形成されている。ここで、陽極として機能する第1の電極613に用いる材料としては、仕事関数の大きい材料を用いることが望ましい。例えば、ITO膜、または珪素を含有したインジウム錫酸化物膜、2〜20wt%の酸化亜鉛を含む酸化インジウム膜、窒化チタン膜、クロム膜、タングステン膜、Zn膜、Pt膜などの単層膜の他、窒化チタンとアルミニウムを主成分とする膜との積層、窒化チタン膜とアルミニウムを主成分とする膜と窒化チタン膜との3層構造等を用いることができる。なお、積層構造とすると、配線としての抵抗も低く、良好なオーミックコンタクトがとれ、さらに陽極として機能させることができる。
また、EL層616は、蒸着マスクを用いた蒸着法、インクジェット法、スピンコート法等の種々の方法によって形成される。EL層616は、実施の形態1で示した本発明のキノキサリン誘導体を含んでいる。また、EL層616を構成する他の材料としては、低分子化合物、オリゴマー、デンドリマー、または高分子化合物であっても良い。
さらに、EL層616上に形成され、陰極として機能する第2の電極617に用いる材料としては、仕事関数の小さい材料(Al、Mg、Li、Ca、またはこれらの合金や化合物、MgAg、MgIn、AlLi、LiF、CaF等)を用いることが好ましい。なお、EL層616で生じた光が第2の電極617を透過させる場合には、第2の電極617として、膜厚を薄くした金属薄膜と、透明導電膜(ITO、2〜20wt%の酸化亜鉛を含む酸化インジウム、珪素若しくは酸化珪素を含有した酸化インジウム−酸化スズ、酸化亜鉛(ZnO)等)との積層を用いるのが良い。
さらにシール材605で封止基板604を素子基板610と貼り合わせることにより、素子基板610、封止基板604、およびシール材605で囲まれた空間607に発光素子618が備えられた構造になっている。なお、空間607には、充填材が充填されており、不活性気体(窒素やアルゴン等)が充填される場合の他、シール材605で充填される場合もある。
なお、シール材605にはエポキシ系樹脂を用いるのが好ましい。また、これらの材料はできるだけ水分や酸素を透過しない材料であることが望ましい。また、封止基板604に用いる材料としてガラス基板や石英基板の他、FRP(Fiberglass−Reinforced Plastics)、PVF(ポリビニルフロライド)、ポリエステルまたはアクリル等からなるプラスチック基板を用いることができる。
以上のようにして、本発明のキノキサリン誘導体を用いて作製された発光装置を得ることができる。
本発明の発光装置は、実施の形態1で示したキノキサリン誘導体を用いているため、良好な特性を備えた発光装置を得ることができる。
本発明のキノキサリン誘導体は可視光の発光を示すため、発光材料として発光素子に好適に用いることができる。
また、本発明のキノキサリン誘導体は、半値幅の大きいブロードな発光スペクトルを示すため、可視光領域全体にわたって発光する発光素子を得ることができる。よって、演色性に優れた白色発光を示す発光素子を提供することができる。
また、本発明のキノキサリン誘導体は、発光材料を分散させる物質として、発光素子に好適に用いることができる。
以上のように、本実施の形態では、トランジスタによって発光素子の駆動を制御するアクティブマトリクス型の発光装置について説明したが、パッシブマトリクス型の発光装置であってもよい。図5には本発明を適用して作製したパッシブマトリクス型の発光装置の斜視図を示す。図5において、基板951上には、電極952と電極956との間にはEL層955が設けられている。電極952の端部は絶縁層953で覆われている。そして、絶縁層953上には隔壁層954が設けられている。隔壁層954の側壁は、基板面に近くなるに伴って、一方の側壁と他方の側壁との間隔が狭くなっていくような傾斜を有する。つまり、隔壁層954の短辺方向の断面は、台形状であり、底辺(絶縁層953の面方向と同様の方向を向き、絶縁層953と接する辺)の方が上辺(絶縁層953の面方向と同様の方向を向き、絶縁層953と接しない辺)よりも短い。このように、隔壁層954を設けることで、静電気等に起因した発光素子の不良を防ぐことが出来る。パッシブマトリクス型の発光装置においても、本発明の発光素子を有することにより、演色性に優れた発光装置を得ることができる。
(実施の形態7)
本発明のキノキサリン誘導体を発光材料として用いることにより、演色性の高い白色発光を得ることができる。そのため、照明装置として好適に用いることができる。本発明の発光素子を照明装置として用いる一態様を、図6〜図8を用いて説明する。
図6は、本発明の発光装置をバックライトとして用いた電子機器の一例として、液晶表示装置を示している。図6に示した液晶表示装置は、筐体901、液晶層902、バックライト903、筐体904を有し、液晶層902は、ドライバIC905と接続されている。また、バックライト903は、本発明の発光装置が用いられおり、端子906により、電流が供給されている。
本発明のキノキサリン誘導体を発光材料として用いることにより、演色性の高い白色発光が可能な発光装置を得ることができる。よって、本発明の発光装置を液晶表示装置のバックライトとして用いることにより、演色性に優れたバックライトが得られる。よって、色再現性に優れた液晶表示装置を得ることができる。また、本発明の発光装置は、面発光の照明装置であり大面積化も可能であるため、バックライトの大面積化が可能であり、液晶表示装置の大面積化も可能になる。
図7は、本発明を適用した発光装置を、照明装置である電気スタンドとして用いた例である。図7に示す電気スタンドは、筐体2001と、光源2002を有し、光源2002として、本発明の発光装置が用いられている。本発明の発光装置は、演色性に優れた白色発光が可能であるため、自然光に近い発光を与える照明装置を得ることができる。また、本発明の照明装置で照らすことにより、物体の色を自然光下と同様に認識することができる。
図8は、本発明を適用した発光装置を、室内の照明装置3001として用いた例である。本発明の発光装置は、演色性に優れた白色発光が可能であるため、自然光に近い発光を与える照明装置を得ることができる。また、本発明の照明装置で照らすことにより、物体の色を自然光下と同様に認識することができる。また、本発明の発光装置は大面積化も可能であるため、大面積の照明装置として用いることができる。また、本発明の発光装置は、薄型であるため、薄型化の照明装置として用いることが可能となる。このように、本発明を適用した発光装置を、室内の照明装置3001として用いた部屋に、図6で説明したような、本発明の発光装置を用いたテレビ装置3002を設置して公共放送や映画を鑑賞することができる。このような場合、自然光に近い光で照らされた部屋で、色再現性に優れた美しい映像を鑑賞することができる。
本実施例では、下記構造式(101)で表される本発明のキノキサリン誘導体である2,3−ビス[4−(10−アントリル)フェニル]キノキサリン(略称:APQ)の合成例を具体的に例示する。
Figure 2008110968
[ステップ1]2,3−ビス(4−ブロモフェニル)キノキサリンの合成
2,3−ビス(4−ブロモフェニル)キノキサリンの合成方法について説明する。2,3−ビス(4−ブロモフェニル)キノキサリンの合成スキームを(B−1)に示す。
Figure 2008110968
窒素気流下、4,4’−ジブロモベンジル30.2g(82.0mmol)、1,2−フェニレンジアミン9.31g(86.1mmol)、クロロホルム300mLを500mL三口フラスコへ入れた。この溶液を80℃で5時間還流した。反応終了後、反応溶液を室温まで冷却し、水で洗浄した。水層をクロロホルムで抽出し、抽出溶液を有機層と合わせて、硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥後、混合物を吸引ろ過し、ろ液を濃縮した。得られた固体をトルエンに溶かし、この溶液をフロリジール、セライト、アルミナを通して吸引ろ過した。ろ液を濃縮し、目的物である2,3−ビス(4−ブロモフェニル)キノキサリンの白色粉末状固体を30.0g、収率99%で得た。
[ステップ2]4,4’−(キノキサリン−2,3−ジイル)ジフェニルボロン酸の合成
4,4’−(キノキサリン−2,3−ジイル)ジフェニルボロン酸の合成方法について説明する。4,4’−(キノキサリン−2,3−ジイル)ジフェニルボロン酸の合成スキームを(B−2)に示す。
Figure 2008110968
2,3−ビス(4−ブロモフェニル)キノキサリン20.0g(54.1mol)を500mL三口フラスコへ入れフラスコ内を窒素置換した。この混合物へテトラヒドロフラン(略称:THF) 150mLを加えた。この溶液を−78℃にしてから、n−ブチルリチウム(1.57mol/L ヘキサン溶液)75.8mL(119mmol)を滴下し、同温度で2時間攪拌した。その後、ホウ酸トリメチル22.5g(216mmol)を加え、室温に戻しながら24時間撹拌した。反応終了後、反応溶液に1.0mol/L塩酸200mLを加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物中の析出物を吸引ろ過により回収し、得られた残渣をクロロホルムとヘキサンの混合溶媒により再結晶したところ、目的物である4,4’−(キノキサリン−2,3−ジイル)ジフェニルボロン酸の白色粉末状固体を14.6g、収率73%で得た。
[ステップ3]APQの合成
2,3−ビス[4−(10−アントリル)フェニル]キノキサリン(略称:APQ)の合成スキームを(B−3)に示す。
Figure 2008110968
9−ブロモアントラセン7.5g(30mmol)、4,4’−(キノキサリン−2,3−ジイル)ジフェニルボロン酸5.0g(14mmol)、酢酸パラジウム(II)0.067g(0.30mmol)、トリ(オルト−トリル)ホスフィン0.64g(2.1mmol)を200mL三口フラスコへ入れフラスコ内を窒素置換した。この混合物へエチレングリコールジメチルエーテル(略称:DME)60mL、炭酸カリウム水溶液(2.0mol/L) 45mL(90mmol)を加えた。この混合物を窒素気流下、80℃で7時間還流した。反応終了後、反応混合物中の析出物を吸引ろ過により回収した。得られた固体をクロロホルムに溶かし、この溶液をフロリジール、セライト、アルミナを通して吸引ろ過した。ろ液を濃縮して得られた固体を、クロロホルムとヘキサンの混合溶媒により再結晶したところ、目的物の淡黄色粉末状固体を7.0g、収率81%で得た。核磁気共鳴法(NMR)によって、この化合物が2,3−ビス[4−(10−アントリル)フェニル]キノキサリン(略称:APQ)であることを確認した。
APQのプロトン核磁気共鳴分光法(H NMR)による分析結果は以下のとおりであった。H NMR(300MHz, CDCl):δ=7.16−7.20(m, 4H),7.37−7.42(m, 4H),7.54(d, J=8.4Hz, 4H),7.71(d, J=9.3Hz, 4H),7.86−7.89(m, 6H),8.04(d, J=8.4Hz, 4H),8.31−8.35(m, 2H),8.51(s, 2H)。また、H NMRチャートを図10(A)、図10(B)に示す。なお、図10(B)は、図10(A)における7.0ppm〜9.0ppmの範囲を拡大して表したチャートである。
APQの熱重量測定−示差熱分析(TG−DTA:Thermogravimetry−Differential Thermal Analysis)を行った。測定には示差熱熱重量同時測定装置(セイコー電子工業株式会社製,TG/DTA 320型)を用い、窒素雰囲気下、10℃/minの昇温速度で熱物性を評価した。その結果、重量と温度の関係(熱重量測定)から、常圧下で、測定開始時における重量に対し95%以下の重量になる温度は、441℃であり、高い耐熱性を示した。
また、APQのトルエン溶液の吸収スペクトルを図11に示す。また、APQの薄膜の吸収スペクトルを図12に示す。測定には紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製、V550型)を用いた。溶液は石英セルに入れ、薄膜は石英基板に蒸着してサンプルを作製し、それぞれ石英の吸収スペクトルを差し引いた吸収スペクトルを図11および図12に示した。図11および図12において横軸は波長(nm)、縦軸は吸収強度(任意単位)を表す。トルエン溶液の場合では357nm、369nm、380nm付近に吸収が見られ、薄膜の場合では376nm、396nm付近に吸収が見られた。また、APQのトルエン溶液(励起波長393nm)の発光スペクトルを図13に示す。また、APQの薄膜(励起波長396nm)の発光スペクトルを図14に示す。図13および図14において横軸は波長(nm)、縦軸は発光強度(任意単位)を表す。最大発光波長はトルエン溶液の場合では447nm(励起波長393nm)、薄膜の場合で483nm(励起波長396nm)であった。
また、APQの薄膜状態におけるイオン化ポテンシャルを大気中の光電子分光法(理研計器社製、AC−2)で測定した結果、5.76eVであった。その結果、HOMO準位が−5.76eVであることがわかった。さらに、図12のAPQの薄膜の吸収スペクトルのデータを用い、直接遷移を仮定したTaucプロットから吸収端を求め、その吸収端を光学的エネルギーギャップとして見積もったところ、そのエネルギーギャップは2.96eVであった。得られたエネルギーギャップの値とHOMO準位からLUMO準位を求めたところ、−2.80eVであった。
本実施例では、下記構造式(118)で表される本発明のキノキサリン誘導体である2,3−ビス[4−(9−フェニル−10−アントリル)フェニル]キノキサリン(略称:PAPQ)の合成例を具体的に例示する。
Figure 2008110968
[ステップ1]9−フェニルアントラセンの合成
9−フェニルアントラセンの合成方法について説明する。9−フェニルアントラセンの合成スキームを(C−1)に示す。
Figure 2008110968
9−ブロモアントラセン25.4g(100mmol)、フェニルボロン酸12.8g(105mmol)、酢酸パラジウム(II)0.233g(1.00mmol)、トリ(オルト−トリル)ホスフィン0.913g(3.00mmol)を500mL三口フラスコへ入れフラスコ内を窒素置換した。この混合物へエチレングリコールジメチルエーテル(略称:DME)100mL、炭酸カリウム水溶液(2.0mol/L) 75mL(150mmol)を加えた。この混合物を窒素気流下、90℃で6時間還流した。反応終了後、反応混合物中の析出物を吸引ろ過により回収した。得られた固体をクロロホルムとヘキサンの混合溶媒により再結晶したところ、目的物である9−フェニルアントラセンの白色粉末状固体を20.8g、収率82%で得た。
[ステップ2]9−ブロモ−10−フェニルアントラセンの合成
9−ブロモ−10−フェニルアントラセンの合成方法について説明する。9−ブロモ−10−フェニルアントラセンの合成スキームを(C−2)に示す。
Figure 2008110968
9−フェニルアントラセン20.8g(81.7mmol)、四塩化炭素300mLを500mL三口フラスコへ入れた。この混合物に、臭素13.1g(81.7mmol)を四塩化炭素5.00mLに溶かした溶液を滴下し、滴下終了後、室温で3時間攪拌した。反応終了後、反応溶液にチオ硫酸ナトリウム水溶液を加えた後、有機層を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥後、この混合物を吸引ろ過し、ろ液を濃縮した。得られた固体をクロロホルムとヘキサンの混合溶媒により再結晶したところ、目的物である9−ブロモ−10−フェニルアントラセンの淡黄色粉末状固体を23.8g、収率71%で得た。
[ステップ3]PAPQの合成
2,3−ビス[4−(9−フェニル−10−アントリル)フェニル]キノキサリン(略称:PAPQ)の合成方法について説明する。PAPQの合成スキームを(C−3)に示す。
Figure 2008110968
9−ブロモ−10−フェニルアントラセン4.0g(12mmol)、実施例1で合成した4,4’−(キノキサリン−2,3−ジイル)ジフェニルボロン酸2.0g(5.4mmol)、酢酸パラジウム(II)0.024g(0.11mmol)、トリ(オルト−トリル)ホスフィン0.23g(0.76mmol)を100mL三口フラスコへ入れフラスコ内を窒素置換した。この混合物へエチレングリコールジメチルエーテル(略称:DME)30mL、炭酸カリウム水溶液(2.0mol/L)8mL(16mmol)を加えた。この混合物を窒素置換気流下、80℃で17時間還流した。反応終了後、反応混合物中の析出物を吸引ろ過により回収した。得られた固体をクロロホルムに溶かし、この溶液をフロリジール、セライト、アルミナを通して吸引ろ過した。ろ液を濃縮し、得られた固体をクロロホルムとヘキサンの混合溶媒により再結晶したところ、目的物の淡黄色粉末状固体を2.4g、収率55%で得た。核磁気共鳴法(NMR)によって、この化合物が2,3−ビス[4−(9−フェニル−10−アントリル)フェニル]キノキサリン(略称:PAPQ)であることを確認した。
得られた2,3−ビス[4−(9−フェニル−10−アントリル)フェニル]キノキサリン(略称:PAPQ)2.3gを、圧力7.8Pa、アルゴン流量3.0mL/minの条件下で、360℃に加熱して昇華精製を行ったところ、1.7gを回収し、回収率71%であった。
PAPQのプロトン核磁気共鳴分光法(H NMR)による分析結果は以下のとおりであった。H NMR(300MHz, CDCl):δ=7.03−7.07(m, 1H),7.16−7.21(m, 5H),7.24−7.30(m, 4H),7.47−7.50(m, 4H),7.55−7.63(m, 10H),7.67−7.70(m, 4H),7.75−7.78(m, 4H),7.88−7.95(m, 6H)。また、H NMRチャートを図15(A)、図15(B)に示す。なお、図15(B)は、図15(A)における6.0ppm〜9.0ppmの範囲を拡大して表したチャートである。
PAPQの熱重量測定−示差熱分析(TG−DTA:Thermogravimetry−Differential Thermal Analysis)を行った。測定には示差熱熱重量同時測定装置(セイコー電子工業株式会社製,TG/DTA 320型)を用い、窒素雰囲気下、10℃/minの昇温速度で熱物性を評価した。その結果、その結果、重量と温度の関係(熱重量測定)から、常圧下で、測定開始時における重量に対し95%以下の重量になる温度は、481℃であり、高い耐熱性を示した。
また、PAPQのトルエン溶液の吸収スペクトルを図16に示す。また、PAPQの薄膜の吸収スペクトルを図17に示す。測定には紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製、V550型)を用いた。溶液は石英セルに入れ、薄膜は石英基板に蒸着してサンプルを作製し、それぞれ石英の吸収スペクトルを差し引いた吸収スペクトルを図16および図17に示した。図16および図17において横軸は波長(nm)、縦軸は吸収強度(任意単位)を表す。トルエン溶液の場合では358nm、376nm396nm付近に吸収が見られ、薄膜の場合では362nm、382nm、402nm付近に吸収が見られた。また、PAPQのトルエン溶液(励起波長376nm)の発光スペクトルを図18に示す。また、PAPQの薄膜(励起波長402nm)の発光スペクトルを図19に示す。図18および図19において横軸は波長(nm)、縦軸は発光強度(任意単位)を表す。最大発光波長はトルエン溶液の場合では446nm(励起波長376nm)、薄膜の場合で464nm(励起波長402nm)であった。
また、PAPQの薄膜状態におけるイオン化ポテンシャルを大気中の光電子分光法(理研計器社製、AC−2)で測定した結果、5.76eVであった。その結果、HOMO準位が−5.76eVであることがわかった。さらに、図17のPAPQの薄膜の吸収スペクトルのデータを用い、直接遷移を仮定したTaucプロットから吸収端を求め、その吸収端を光学的エネルギーギャップとして見積もったところ、そのエネルギーギャップは2.92eVであった。得られたエネルギーギャップの値とHOMO準位からLUMO準位を求めたところ、−2.84eVであった。
本実施例では、下記構造式(126)で表される本発明のキノキサリン誘導体である2,3−ビス[4−(9,9−ジメチルフルオレン−2−イル)フェニル]キノキサリン(略称:FPQ)の合成例を具体的に例示する。
Figure 2008110968
[ステップ1]2−ヨード−9,9−ジメチルフルオレンの合成
2−ヨード−9,9−ジメチルフルオレンの合成方法について説明する。2−ヨード−9,9−ジメチルフルオレンの合成スキームを(D−1)に示す。
Figure 2008110968
2−ヨードフルオレン25g(86mmol)、ジメチルスルホキシド(略称:DMSO)1.5Lを2.0L三口フラスコへ入れ、この溶液へ、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド1.0g(5.4mmol)、50%水酸化ナトリウム水溶液24mLを加えた。この混合物を室温で3時間撹拌した。その後、反応混合物へ、ヨードメタン19g(130mmol)を加えて、室温で3時間撹拌した。反応終了後、反応溶液を1.0mol/L塩酸で洗浄し、水層を酢酸エチルで抽出し、有機層と合わせて飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥後、混合物を吸引ろ過し、ろ液を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン)により精製し、得られた溶液を濃縮した。得られた固体をクロロホルムとヘキサンの混合溶媒により再結晶したところ、目的物である2−ヨード−9,9−ジメチルフルオレンの白色粉末状固体を24.7g、収率90%で得た。
[ステップ2]FPQの合成
2,3−ビス[4−(9,9−ジメチルフルオレン−2−イル)フェニル]キノキサリン(略称:FPQ)の合成方法について説明する。FPQの合成スキームを(D−2)に示す。
Figure 2008110968
2−ブロモ−9,9−ジメチルフルオレン9.3g(29mmol)、実施例1で合成した4,4’−(キノキサリン−2,3−ジイル)ジフェニルボロン酸4.8g(13mmol)、酢酸パラジウム(II)0.065g(0.29mmol)、トリ(オルト−トリル)ホスフィン0.61g(2.0mmol)を200mL三口フラスコへ入れフラスコ内を窒素置換した。この混合物へエチレングリコールジメチルエーテル(略称:DME)60mL、炭酸カリウム水溶液(2.0mol/L)44mL(87mmol)を加えた。この混合物を窒素気流下、80℃で7時間還流した。反応終了後、反応混合物中の析出物を吸引ろ過により回収した。得られた固体をクロロホルムに溶かし、フロリジール、セライト、アルミナを通して吸引ろ過した。ろ液を濃縮し、得られた固体をクロロホルムとヘキサンの混合溶媒により再結晶したところ、目的物の淡黄色粉末状固体を9.8g、収率55%で得た。核磁気共鳴法(NMR)によって、この化合物が2,3−ビス[4−(9,9−ジメチルフルオレン−2−イル)フェニル]キノキサリン(略称:FPQ)であることを確認した。
FPQのプロトン核磁気共鳴分光法(H NMR)による分析結果は以下のとおりであった。H NMR(300MHz, CDCl):δ=1.52(s, 12H),7.24−7.45(m, 6H),7.60−7.80(m,18H),8.19−8.22(m, 2H)。また、H NMRチャートを図20(A)、図20(B)に示す。なお、図20(B)は、図20(A)における7.0ppm〜9.0ppmの範囲を拡大して表したチャートである。
FPQの熱重量測定−示差熱分析(TG−DTA:Thermogravimetry−Differential Thermal Analysis)を行った。測定には示差熱熱重量同時測定装置(セイコー電子工業株式会社製,TG/DTA 320型)を用い、窒素雰囲気下、10℃/minの昇温速度で熱物性を評価した。その結果、その結果、重量と温度の関係(熱重量測定)から、常圧下で、測定開始時における重量に対し95%以下の重量になる温度は、414℃であり、高い耐熱性を示した。
また、FPQのトルエン溶液の吸収スペクトルを図21に示す。また、FPQの薄膜の吸収スペクトルを図22に示す。測定には紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製、V550型)を用いた。溶液は石英セルに入れ、薄膜は石英基板に蒸着してサンプルを作製し、それぞれ石英の吸収スペクトルを差し引いた吸収スペクトルを図21および図22に示した。図21および図22において横軸は波長(nm)、縦軸は吸収強度(任意単位)を表す。トルエン溶液の場合では318nm付近に吸収が見られ、薄膜の場合では318nm付近に吸収が見られた。また、FPQのトルエン溶液(励起波長378nm)の発光スペクトルを図23に示す。また、FPQの薄膜(励起波長378nm)の発光スペクトルを図24に示す。図23および図24において横軸は波長(nm)、縦軸は発光強度(任意単位)を表す。最大発光波長はトルエン溶液の場合では425nm(励起波長378nm)、薄膜の場合で445nm(励起波長378nm)であった。
また、FPQの薄膜状態におけるイオン化ポテンシャルを大気中の光電子分光法(理研計器社製、AC−2)で測定した結果、5.64eVであった。その結果、HOMO準位が−5.64eVであることがわかった。さらに、図22のFPQの薄膜の吸収スペクトルのデータを用い、直接遷移を仮定したTaucプロットから吸収端を求め、その吸収端を光学的エネルギーギャップとして見積もったところ、そのエネルギーギャップは2.92eVであった。得られたエネルギーギャップの値とHOMO準位からLUMO準位を求めたところ、−2.72eVであった。
本実施例では、下記構造式(144)で表される本発明のキノキサリン誘導体である2,3−ビス[4−(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)フェニル]キノキサリン(略称:SFPQ)の合成例を具体的に例示する。
Figure 2008110968
[ステップ1]2−ブロモ−9−フルオレノンの合成
2−ブロモ−9−フルオレノンの合成方法について説明する。2−ブロモ−9−フルオレノンの合成スキームを(E−1)に示す。
Figure 2008110968
2−ブロモフルオレン9.8g(40mmol)、ピリジン40mL、水酸化テトラブチルアンモニウム(1.0mol/Lメタノール溶液)1.5mLを200mL三口フラスコへ入れた。この溶液を大気下、室温で24時間撹拌した。反応終了後、反応溶液に氷酢酸40mLを加え1時間撹拌した。反応溶液を水で洗浄し、水層を酢酸エチルで抽出した。抽出溶液と有機層を合わせて飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥後、この混合物を吸引ろ過し、ろ液を濃縮した。得られた固体をエタノールにより再結晶したところ、目的物である2−ブロモ−9−フルオレノンの黄色粉末状固体を7.9g、収率76%で得た。
[ステップ2]9−(ビフェニル−2−イル)−2−ブロモフルオレン−9−オールの合成
9−(ビフェニル−2−イル)−2−ブロモフルオレン−9−オールの合成方法について説明する。9−(ビフェニル−2−イル)−2−ブロモフルオレン−9−オールの合成スキームを(E−2)および(E−3)に示す。
Figure 2008110968
Figure 2008110968
マグネシウム1.3g(52mmol)を200mL三口フラスコへ入れ、ロータリーポンプにより減圧しながら0.5時間撹拌した。その後フラスコ内を窒素気流下にし、ジエチルエーテル5.0mL、ジブロモエタン1滴を加えた。この混合物に2−ブロモビフェニル12g(50mmol)をジエチルエーテル15mLに溶かした溶液を還流を維持する速度で滴下した。滴下終了後、反応混合物を50℃で3時間還流してグリニャール試薬とした。2−ブロモ−9−フルオレノン12g(45mmol)を200mL三口フラスコへ入れ、フラスコ内を窒素置換した後、フラスコへジエチルエーテル40mLを加えた。この溶液に合成したグリニャール試薬を滴下し、滴下終了後、50℃で3時間還流し、さらに室温で24時間撹拌した。反応終了後、反応溶液を水で洗浄し、水層を酢酸エチルで抽出した。抽出溶液と有機層を合わせて飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥後、この混合物を吸引ろ過し、ろ液を濃縮したところ、目的物である9−(ビフェニル−2−イル)−2−ブロモフルオレン−9−オールの淡黄色粉末状固体を19g、収率91%で得た。
[ステップ3]2−ブロモスピロ−9,9’−ビフルオレンの合成
2−ブロモスピロ−9,9’−ビフルオレンの合成方法について説明する。2−ブロモスピロ−9,9’−ビフルオレンの合成スキームを(E−4)に示す。
Figure 2008110968
9−(ビフェニル−2−イル)−2−ブロモフルオレン−9−オール19g(45mmol)、氷酢酸100mL、濃塩酸数滴を300mL三口フラスコへ入れ、この溶液を120℃で2時間還流した。反応終了後、反応混合物に炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、この混合物中の析出物を吸引ろ過により回収した。得られた固体を水で洗浄し、目的物である2−ブロモスピロ−9,9’−ビフルオレンの淡黄色粉末状固体を10g、収率57%で得た。
[ステップ4]SFPQの合成
2,3−ビス[4−(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)フェニル]キノキサリン(略称:SFPQ)の合成方法について説明する。SFPQの合成スキームを(E−5)に示す。
Figure 2008110968
2−ブロモスピロ−9,9’−ビフルオレン12g(30mmol)、実施例1で合成した4,4’−(キノキサリン−2,3−ジイル)ジフェニルボロン酸5.0g(14mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)0.70g(0.60mmol)を300mL三口フラスコに入れフラスコ内を窒素置換した。この混合物へトルエン80mL、エタノール10mL、炭酸ナトリウム水溶液(2.0mol/L) 40mL (80mmol)を加えた。この混合物を窒素気流下、80℃で7時間撹拌した。反応終了後、反応混合物中の析出物を吸引ろ過により回収した。得られた固体をクロロホルムに溶かし、フロリジール、セライト、アルミナを通して吸引ろ過した。ろ液を濃縮し、得られた固体をクロロホルムとヘキサンの混合溶媒により再結晶したところ、目的物の淡黄色粉末状固体を9.5g、収率77%で得た。核磁気共鳴法(NMR)により、この化合物が2,3−ビス[4−(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)フェニル]キノキサリン(略称:SFPQ)であることを確認した。
SFPQのプロトン核磁気共鳴分光法(H NMR)による分析結果は以下のとおりであった。H NMR(300MHz, CDCl):δ=6.69−6.77(m, 6H),6.94−6.94(m, 2H),7.07−7.14(m, 6H),7.34−7.40(m, 10H),7.46−7.49(m, 4H),7.57−7.60(m, 2H),7.69−7.72(m, 2H),7.84−7.89(m, 8H),8.09−8.12(m, 2H)。また、H NMRチャートを図25(A)、図25(B)に示す。なお、図25(B)は、図25(A)における6.0ppm〜9.0ppmの範囲を拡大して表したチャートである。
SFPQの熱重量測定−示差熱分析(TG−DTA:Thermogravimetry−Differential Thermal Analysis)を行った。測定には示差熱熱重量同時測定装置(セイコー電子工業株式会社製,TG/DTA 320型)を用い、窒素雰囲気下、10℃/minの昇温速度で熱物性を評価した。その結果、その結果、重量と温度の関係(熱重量測定)から、常圧下で、測定開始時における重量に対し95%以下の重量になる温度は、437℃であり、高い耐熱性を示した。
また、SFPQのトルエン溶液の吸収スペクトルを図26に示す。また、SFPQの薄膜の吸収スペクトルを図27に示す。測定には紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製、V550型)を用いた。溶液は石英セルに入れ、薄膜は石英基板に蒸着してサンプルを作製し、それぞれ石英の吸収スペクトルを差し引いた吸収スペクトルを図26および図27に示した。図26および図27において横軸は波長(nm)、縦軸は吸収強度(任意単位)を表す。トルエン溶液の場合では310nm付近に吸収が見られ、薄膜の場合では310nm付近に吸収が見られた。また、SFPQのトルエン溶液(励起波長374nm)の発光スペクトルを図28に示す。また、SFPQの薄膜(励起波長310nm)の発光スペクトルを図29に示す。図28および図29において横軸は波長(nm)、縦軸は発光強度(任意単位)を表す。最大発光波長はトルエン溶液の場合では426nm(励起波長374nm)、薄膜の場合で446nm(励起波長310nm)であった。
また、SFPQの薄膜状態におけるイオン化ポテンシャルを大気中の光電子分光法(理研計器社製、AC−2)で測定した結果、5.72eVであった。その結果、HOMO準位が−5.72eVであることがわかった。さらに、図27のSFPQの薄膜の吸収スペクトルのデータを用い、直接遷移を仮定したTaucプロットから吸収端を求め、その吸収端を光学的エネルギーギャップとして見積もったところ、そのエネルギーギャップは2.92eVであった。得られたエネルギーギャップの値とHOMO準位からLUMO準位を求めたところ、−2.80eVであった。
本実施例では、本発明の発光素子について、図9を用いて説明する。以下の実施例で用いた材料の化学式を以下に示す。なお、すでに構造式を示した材料については省略する。
Figure 2008110968
以下に、本実施例の発光素子の作製方法を示す。
(発光素子1)
まず、ガラス基板2101上に、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(ITSO)をスパッタリング法にて成膜し、第1の電極2102を形成した。なお、その膜厚は110nmとし、電極面積は2mm×2mmとした。
次に、第1の電極が形成された面が下方となるように、第1の電極が形成された基板を真空蒸着装置内に設けられた基板ホルダーに固定し、10−4Pa程度まで減圧した後、第1の電極2102上に、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)と酸化モリブデン(VI)とを共蒸着することにより、有機化合物と無機化合物とを複合してなる複合材料を含む層2103を形成した。その膜厚は50nmとし、NPBと酸化モリブデン(VI)との比率は、重量比で4:1(=NPB:酸化モリブデン)となるように調節した。なお、共蒸着法とは、一つの処理室内で複数の蒸発源から同時に蒸着を行う蒸着法である。
次に、抵抗加熱を用いた蒸着法により、複合材料を含む層2103上に4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)を10nmの膜厚となるように成膜し、正孔輸送層2104を形成した。
さらに、構造式(101)で表される本発明のキノキサリン誘導体である2,3−ビス[4−(10−アントリル)フェニル]キノキサリン(略称:APQ)を蒸着することにより、正孔輸送層2104上に30nmの膜厚の発光層2105を形成した。
その後抵抗加熱による蒸着法を用いて、発光層2105上にトリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)を10nmの膜厚となるように成膜し、電子輸送層2106を形成した。
さらに、電子輸送層2106上に、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)とリチウムを共蒸着することにより、20nmの膜厚で電子注入層2107を形成した。ここで、Alqとリチウムとの重量比は、1:0.01(=Alq:リチウム)となるように調節した。
最後に、抵抗加熱による蒸着法を用い、電子注入層2107上にアルミニウムを200nmの膜厚となるように成膜することにより、第2の電極2108を形成することで、発光素子1を作製した。
発光素子1の電流密度−輝度特性を図30に示す。また、電圧−輝度特性を図31に示す。また、輝度−電流効率特性を図32に示す。また、1mAの電流を流したときの発光スペクトルを図33に示す。
発光素子1は、輝度1100cd/mのときのCIE色度座標は(x=0.26、y=0.34)であり、青白色の発光であった。また、輝度1100cd/mのときの電流効率は1.2cd/Aであり、電圧は7.2V、電流密度は98.6mA/cm、パワー効率は0.51lm/Wであった。また、図9に示すように、1mAの電流を流したときの発光スペクトルの半値幅は約165nmであり、ブロードな発光スペクトルを示した。
以上のことから、本発明のキノキサリン誘導体を用いることにより、半値幅の大きいブロードな発光スペクトルを示す発光素子を得ることができる。また、本発明のキノキサリン誘導体を用いて、白色発光の発光素子を作製することにより、演色性に優れた白色発光素子を得ることができる。また、本発明のキノキサリン誘導体を用いることにより、演色性に優れた白色発光を得ることができるため、本発明のキノキサリン誘導体は照明装置に好適に用いることができる。
本実施例では、本発明の発光素子について、図9を用いて説明する。以下に、本実施例の発光素子の作製方法を示す。
(発光素子2)
まず、ガラス基板2101上に、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(ITSO)をスパッタリング法にて成膜し、第1の電極2102を形成した。なお、その膜厚は110nmとし、電極面積は2mm×2mmとした。
次に、第1の電極が形成された面が下方となるように、第1の電極が形成された基板を真空蒸着装置内に設けられた基板ホルダーに固定し、10−4Pa程度まで減圧した後、第1の電極2102上に、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)と酸化モリブデン(VI)とを共蒸着することにより、有機化合物と無機化合物とを複合してなる複合材料を含む層2103を形成した。その膜厚は50nmとし、NPBと酸化モリブデン(VI)との比率は、重量比で4:1(=NPB:酸化モリブデン)となるように調節した。なお、共蒸着法とは、一つの処理室内で複数の蒸発源から同時に蒸着を行う蒸着法である。
次に、抵抗加熱を用いた蒸着法により、複合材料を含む層2103上に4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)を10nmの膜厚となるように成膜し、正孔輸送層2104を形成した。
さらに、構造式(118)で表される本発明のキノキサリン誘導体である2,3−ビス[4−(9−フェニル−10−アントリル)フェニル]キノキサリン(略称:PAPQ)を蒸着することにより、正孔輸送層2104上に30nmの膜厚の発光層2105を形成した。
その後抵抗加熱による蒸着法を用いて、発光層2105上にトリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)を10nmの膜厚となるように成膜し、電子輸送層2106を形成した。
さらに、電子輸送層2106上に、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)とリチウムを共蒸着することにより、20nmの膜厚で電子注入層2107を形成した。ここで、Alqとリチウムとの重量比は、1:0.01(=Alq:リチウム)となるように調節した。
最後に、抵抗加熱による蒸着法を用い、電子注入層2107上にアルミニウムを200nmの膜厚となるように成膜することにより、第2の電極2108を形成することで、発光素子2を作製した。
発光素子2の電流密度−輝度特性を図34に示す。また、電圧−輝度特性を図35に示す。また、輝度−電流効率特性を図36に示す。また、1mAの電流を流したときの発光スペクトルを図37に示す。
発光素子2は、輝度1100cd/mのときのCIE色度座標は(x=0.27、y=0.33)であり、青白色の発光であった。また、輝度1100cd/mのときの電流効率は2.3cd/Aであり、電圧は7.0V、電流密度は48.2mA/cm、パワー効率は1.0lm/Wであった。また、図37に示すように、1mAの電流を流したときの発光スペクトルの半値幅は約190nmであり、ブロードな発光スペクトルを示した。
以上のことから、本発明のキノキサリン誘導体を用いることにより、半値幅の大きいブロードな発光スペクトルを示す発光素子を得ることができる。また、本発明のキノキサリン誘導体を用いて、白色発光の発光素子を作製することにより、演色性に優れた白色発光素子を得ることができる。また、本発明のキノキサリン誘導体を用いることにより、演色性に優れた白色発光を得ることができるため、本発明のキノキサリン誘導体は照明装置に好適に用いることができる。
本発明の発光素子を説明する図。 本発明の発光素子を説明する図。 本発明の発光素子を説明する図。 本発明の発光装置を説明する図。 本発明の発光装置を説明する図。 本発明の発光装置を用いた電子機器を説明する図。 本発明の発光装置を用いた照明装置を説明する図。 本発明の発光装置を用いた照明装置を説明する図。 実施例の発光素子を説明する図。 本発明のキノキサリン誘導体である2,3−ビス[4−(10−アントリル)フェニル]キノキサリン(略称:APQ)のH NMRチャートを示す図。 本発明のキノキサリン誘導体である2,3−ビス[4−(10−アントリル)フェニル]キノキサリン(略称:APQ)のトルエン溶液中の吸収スペクトルを示す図。 本発明のキノキサリン誘導体である2,3−ビス[4−(10−アントリル)フェニル]キノキサリン(略称:APQ)の薄膜の吸収スペクトルを示す図。 本発明のキノキサリン誘導体である2,3−ビス[4−(10−アントリル)フェニル]キノキサリン(略称:APQ)のトルエン溶液中の発光スペクトルを示す図。 本発明のキノキサリン誘導体である2,3−ビス[4−(10−アントリル)フェニル]キノキサリン(略称:APQ)の薄膜の発光スペクトルを示す図。 本発明のキノキサリン誘導体である2,3−ビス[4−(9−フェニル−10−アントリル)フェニル]キノキサリン(略称:PAPQ)のH NMRチャートを示す図。 本発明のキノキサリン誘導体である2,3−ビス[4−(9−フェニル−10−アントリル)フェニル]キノキサリン(略称:PAPQ)のトルエン溶液中の吸収スペクトルを示す図。 本発明のキノキサリン誘導体である2,3−ビス[4−(9−フェニル−10−アントリル)フェニル]キノキサリン(略称:PAPQ)の薄膜の吸収スペクトルを示す図。 本発明のキノキサリン誘導体である2,3−ビス[4−(9−フェニル−10−アントリル)フェニル]キノキサリン(略称:PAPQ)のトルエン溶液中の発光スペクトルを示す図。 本発明のキノキサリン誘導体である2,3−ビス[4−(9−フェニル−10−アントリル)フェニル]キノキサリン(略称:PAPQ)の薄膜の発光スペクトルを示す図。 本発明のキノキサリン誘導体である2,3−ビス[4−(9,9−ジメチルフルオレン−2−イル)フェニル]キノキサリン(略称:FPQ)のH NMRチャートを示す図。 本発明のキノキサリン誘導体である2,3−ビス[4−(9,9−ジメチルフルオレン−2−イル)フェニル]キノキサリン(略称:FPQ)のトルエン溶液中の吸収スペクトルを示す図。 本発明のキノキサリン誘導体である2,3−ビス[4−(9,9−ジメチルフルオレン−2−イル)フェニル]キノキサリン(略称:FPQ)の薄膜の吸収スペクトルを示す図。 本発明のキノキサリン誘導体である2,3−ビス[4−(9,9−ジメチルフルオレン−2−イル)フェニル]キノキサリン(略称:FPQ)のトルエン溶液中の発光スペクトルを示す図。 本発明のキノキサリン誘導体である2,3−ビス[4−(9,9−ジメチルフルオレン−2−イル)フェニル]キノキサリン(略称:FPQ)の薄膜の発光スペクトルを示す図。 本発明のキノキサリン誘導体である2,3−ビス[4−(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)フェニル]キノキサリン(略称:SFPQ)のH NMRチャートを示す図。 本発明のキノキサリン誘導体である2,3−ビス[4−(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)フェニル]キノキサリン(略称:SFPQ)のトルエン溶液中の吸収スペクトルを示す図。 本発明のキノキサリン誘導体である2,3−ビス[4−(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)フェニル]キノキサリン(略称:SFPQ)の薄膜の吸収スペクトルを示す図。 本発明のキノキサリン誘導体である2,3−ビス[4−(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)フェニル]キノキサリン(略称:SFPQ)のトルエン溶液中の発光スペクトルを示す図。 本発明のキノキサリン誘導体である2,3−ビス[4−(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)フェニル]キノキサリン(略称:SFPQ)の薄膜の発光スペクトルを示す図。 実施例5で作製した発光素子の電流密度−輝度特性を示す図。 実施例5で作製した発光素子の電圧−輝度特性を示す図。 実施例5で作製した発光素子の輝度−電流効率特性を示す図。 実施例5で作製した発光素子の発光スペクトルを示す図。 実施例6で作製した発光素子の電流密度−輝度特性を示す図。 実施例6で作製した発光素子の電圧−輝度特性を示す図。 実施例6で作製した発光素子の輝度−電流効率特性を示す図。 実施例6で作製した発光素子の発光スペクトルを示す図。
符号の説明
101 基板
102 第1の電極
103 第1の層
104 第2の層
105 第3の層
106 第4の層
107 第2の電極
301 基板
302 第1の電極
303 第1の層
304 第2の層
305 第3の層
306 第4の層
307 第2の電極
501 第1の電極
502 第2の電極
511 第1の発光ユニット
512 第2の発光ユニット
513 電荷発生層
601 ソース側駆動回路
602 画素部
603 ゲート側駆動回路
604 封止基板
605 シール材
607 空間
608 配線
609 FPC(フレキシブルプリントサーキット)
610 素子基板
611 スイッチング用TFT
612 電流制御用TFT
613 第1の電極
614 絶縁物
616 EL層
617 第2の電極
618 発光素子
623 nチャネル型TFT
624 pチャネル型TFT
901 筐体
902 液晶層
903 バックライト
904 筐体
905 ドライバIC
906 端子
951 基板
952 電極
953 絶縁層
954 隔壁層
955 EL層
956 電極
1201 ソース電極
1202 活性層
1203 ドレイン電極
1204 ゲート電極
2001 筐体
2002 光源
2101 ガラス基板
2102 第1の電極
2103 複合材料を含む層
2104 正孔輸送層
2105 発光層
2106 電子輸送層
2107 電子注入層
2108 第2の電極
3001 照明装置
3002 テレビ装置

Claims (20)

  1. 一般式(1)で表されるキノキサリン誘導体。
    Figure 2008110968
    (式中、R〜Rはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数6〜25のアリール基のいずれかを表す。また、RとR、RとR、RとRはそれぞれ互いに結合し、縮合環を形成してもよい。Aは、一般式(1−1)〜一般式(1−3)で表されるいずれかの置換基を表す。一般式(1−1)〜一般式(1−3)において、R〜RおよびR10〜R13は、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基を表し、Rは、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数6〜14のアリール基のいずれかを表し、R14〜R15は水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基、またはフェニル基のいずれかを表し、R16〜R18は、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
  2. 一般式(2)で表されるキノキサリン誘導体。
    Figure 2008110968
    (式中、R〜Rはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数6〜25のアリール基のいずれかを表す。また、RとR、RとR、RとRはそれぞれ互いに結合し、縮合環を形成してもよい。Rは、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数6〜14のアリール基のいずれかを表す。)
  3. 一般式(3)で表されるキノキサリン誘導体。
    Figure 2008110968
    (式中、Rは、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数6〜14のアリール基のいずれかを表す。)
  4. 一般式(4)で表されるキノキサリン誘導体。
    Figure 2008110968
    (式中、R19は、水素原子、またはフェニル基を表す。)
  5. 構造式(101)で表されるキノキサリン誘導体。
    Figure 2008110968
  6. 構造式(118)で表されるキノキサリン誘導体。
    Figure 2008110968
  7. 一般式(5)で表されるキノキサリン誘導体。
    Figure 2008110968
    (式中、R〜Rはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数6〜25のアリール基のいずれかを表す。また、RとR、RとR、RとRはそれぞれ互いに結合し、縮合環を形成してもよい。R14〜R15はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基、またはフェニル基のいずれかを表す。)
  8. 一般式(6)で表されるキノキサリン誘導体。
    Figure 2008110968
    (式中、R14〜R15はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基、またはフェニル基のいずれかを表す。)
  9. 一般式(7)で表されるキノキサリン誘導体。
    Figure 2008110968
  10. 構造式(126)で表されるキノキサリン誘導体。
    Figure 2008110968
  11. 一般式(8)で表されるキノキサリン誘導体。
    Figure 2008110968
    (式中、R〜Rはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数6〜25のアリール基のいずれかを表す。また、RとR、RとR、RとRはそれぞれ互いに結合し、縮合環を形成してもよい。R16〜R18はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
  12. 一般式(9)で表されるキノキサリン誘導体。
    Figure 2008110968
    (式中、R16〜R18はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
  13. 一般式(10)で表されるキノキサリン誘導体。
    Figure 2008110968
  14. 構造式(144)で表されるキノキサリン誘導体。
    Figure 2008110968
  15. 一対の電極間に、請求項1乃至請求項14のいずれか一項に記載のキノキサリン誘導体を有することを特徴とする発光素子。
  16. 一対の電極間に、請求項1乃至請求項14のいずれか一項に記載のキノキサリン誘導体を有し、前記一対の電極間に電圧を印加することにより、前記キノキサリン誘導体が発光することを特徴とする発光素子。
  17. 一対の電極間に発光層を有し、
    前記発光層は請求項1乃至請求項14のいずれか一項に記載のキノキサリン誘導体を有することを特徴とする発光素子。
  18. 一対の電極間に発光層を有し、
    前記発光層は請求項1乃至請求項14のいずれか一項に記載のキノキサリン誘導体と蛍光発光性物質を有することを特徴とする発光素子。
  19. 一対の電極間に発光層を有し、
    前記発光層は請求項1乃至請求項14のいずれか一項に記載のキノキサリン誘導体と燐光発光性物質を有することを特徴とする発光素子。
  20. 請求項15乃至請求項19のいずれか一項に記載の発光素子と、前記発光素子の発光を制御する制御手段とを有する発光装置。
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