JP2008110495A - 化粧層構造および化粧板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】化粧層構造1Aは、熱硬化性樹脂3が含浸してなる少なくとも1枚のシート2を含み、表面側に凹凸41,42が熱プレス形成されてなり、前記凹凸は、鏡面光沢度がJISZ8741準拠の指標で、最大値と最小値との差が少なくとも5以上となるように、凸部分42で高く凹部分41で低く調整され、または前記凹部分41で高く前記凸部分42で低く調整されていることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
鏡面光沢度の最大値は5〜100、最小値は0〜50の範囲にあり、かつ、凸部分と凹部分との高さの差は、5〜300μmの範囲に含まれるように形成することが好ましく、また鏡面光沢度が2値のみで調整されていてもよい。
また、前記少なくとも1枚のシートには、表面側から視認される印刷シートが含まれ、印刷シートの表面側には、無模様単一色の着色、あるいは、単一色または複数色からなる模様が表されていてもよい。とりわけ、凹凸は木目調に形成でき、かつ印刷シート表面側には木目模様を印刷できる。この場合には、この凹凸とこの木目模様とがあい俟って表面意匠を構成することが好ましい。さらに、熱硬化性樹脂はジアリルフタレート系樹脂であってもよい。
本発明の化粧板は、上記した化粧層構造が基板に形成されていることを特徴とするもので、表面に形成した実際の凹凸以上に凹凸を強調して表現できる化粧板が提供される。
たとえば、化粧層構造表面に木目の意匠を形成する場合、凹凸に特定の光沢度差を付し、しかも凹凸の繰り返しパターンと、印刷シートに印刷された木目模様のパターンとを不一致とすることにより、本物に近い木目が表現される。
本発明では、凹部分と凸部分とに鏡面光沢度の差を付けることにより、鏡面光沢度が高い部分(光沢部)と鏡面光沢度が低い部分(つや消し部)との段差が強調される。
シートを複数枚とすることで化粧層構造に厚みを持たせることができる。
本発明の化粧層構造の製造に際しては、これらのシートとして、熱硬化性樹脂を含浸しているものを使用するが、複数枚のうち一部は、熱硬化性樹脂を含浸していないものであってもよい。
また、凸部分と凹部分との高さの差が5μm未満だと、鏡面光沢度が高い部分(光沢部)と鏡面光沢度が低い部分(つや消し部)との段差の強調効果が低下する傾向が強くなる。すなわち、本発明では、凸部分と凹部分とが丸みを帯びた状態で形成することもできるし、ステップ状に高さ変化するように形成することもできる。
本発明において、好ましい凸部分と凹部分との高低差は、10〜200μm、より好ましくは、50〜150μmである。
さらに、ステップが3段以上の場合には、最も凸となる部分が第1の鏡面光沢度(高鏡面光沢度)を持ち、最も凹となる部分が第2の鏡面光沢度(低鏡面光沢度)を持ち、最も凸となる部分と最も凹となる部分との中間に位置する部分で第3の鏡面光沢度(中鏡面光沢度)を持つように調整してもよい。
なお、印刷シートの裏面側を隠蔽させるために、印刷シートにチタン紙を用いてもよいし、あるいは印刷シートの裏面側にチタン紙を配置してもよい。
ここで、木目調の凹凸が一定の方向に向くほぼ平行な凹凸条であり(凹凸条のうち一部は分岐しているものが含まれていてもよい)、この木目調凹凸をそのまま前記木目模様に反映させることもできるが、当該木目調凹凸と当該木目模様とを一致させないようにすることで、より本物の木目感覚を惹きだすことができる。
これらの熱硬化性樹脂は、それぞれ単独で、あるいはこれらの適宜の組合せによる2種以上を併用することができる。
ジアリルフタレート系樹脂を使用した場合は、人体や環境に有害である揮発性成分(ホルムアルデヒドやトルエンなど)が含まなれておらず、上記の凸部分と凹部分との高さの差を大きくできる効果との相乗で、室内用の化粧層構造として、極めて効果的である。
なお、本発明の化粧板では、化粧層構造が形成される基板として、合板や繊維板を使用することができる。合板や繊維板の裏面には、接着剤で紙を貼ることで施工の便宜に供することができたり、防湿等のフィルムを貼ったり樹脂含浸紙をプレスすることで反りを防止することができるなどの、機能処理を施すこともできる。
図1は本発明の化粧層構造1Aが基板6に形成されている化粧板5を示しており、(A)は平面図、(B)は(A)におけるA−A断面図である。
図2(A)に鏡面光沢度が高い領域(凸部分42)を白地で、鏡面光沢度が低い領域(凹部分41)をハッチングで示す。
本実施形態では、凹部分41と凸部分42とがステップ状に高さ変化するように形成されており、凸部分42と凹部分41との高さの差Hが100μmとなるように形成されている(図1(B)参照)。
図2(B)では、説明の便宜上グレー諧調で表現してあるが、モノクロやグレーのほか、単色カラーまたは多色カラーで表現することができる。
木目調の凹凸と木目調の模様とは同じような縞状にして一致させることもできるが、本発明では、木目調の凹凸と模様とを異なる縞状にして、しかも一致させないようにすることで、より本物の木目感覚を惹き出している。
図3(A)では、化粧層構造1Bは、熱硬化性樹脂3が含浸してなる2枚のシート2a,2bを含んでいる。
シート2bは、熱プレスにより樹脂3が基板6に浸透し、化粧層構造1Bと基板6とを一体化する役割を果たすばかりでなく、凹部分と凸部分との高さの差を化粧層構造1Aよりも大きくできる役割をも果たす。
化粧層構造1Cでは、これら3枚のシート2a,2b,2cを使用することで、凹部分と凸部分との高さの差を、化粧層構造1Bよりも大きくすることができる。
2
,2a,2b,2c シート
3 熱硬化性樹脂
41 凹部分
42 凸部分
43 分岐部
5 化粧板
6 基板
Claims (7)
- 熱硬化性樹脂層が、該熱硬化性樹脂が含浸してなる少なくとも1枚のシートを含み、表面側に凹凸が熱プレス形成されてなる化粧層構造であって、
前記凹凸は、
鏡面光沢度がJISZ8741準拠の指標で、最大値と最小値との差が少なくとも5以上となるように、凸部分で高く凹部分で低く調整され、または凹部分で高く凸部分で低く調整されている、
ことを特徴とする化粧層構造。 - 前記鏡面光沢度の最大値が5〜100、最小値が0〜50の範囲にあり、かつ、
凹部分と凸部分との高さの差が5〜300μmの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の化粧層構造。 - 前記鏡面光沢度が2値のみで調整されていることを特徴とする請求項1または2に記載の化粧層構造。
- 前記少なくとも1枚のシートには、表面側から視認される印刷シートが含まれ、前記印刷シートの表面側には、無模様単一色の着色、あるいは、単一色または複数色からなる模様が表されていることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の化粧層構造。
- 前記凹凸が木目調に形成され、かつ前記印刷シートの表面側に木目模様が印刷され、前記凹凸と前記木目模様とがあいまって表面意匠を構成することを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の化粧層構造。
- 前記熱硬化性樹脂がジアリルフタレート系樹脂であることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の化粧層構造。
- 請求項1から6の何れかに記載の化粧層構造が基板に形成されていることを特徴とする化粧板。
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JP2006293339A JP2008110495A (ja) | 2006-10-27 | 2006-10-27 | 化粧層構造および化粧板 |
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2006
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