JP2008110278A - 炭酸ガス吸収剤の製造方法 - Google Patents

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Tetsuo Sato
哲郎 佐藤
Shinya Hasegawa
眞也 長谷川
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Abstract

【課題】 ソーダライムと同等の炭酸ガス吸収能力を有し、かつ炭酸ガス吸収能力を損なうことなく微粉発生を抑えることのできる炭酸ガス吸収剤の製造方法を提供する。
【解決手段】 消石灰を主成分とする吸収剤100重量部と、水分40〜70重量部とを含む混練物を造粒し、造粒品を乾燥し、乾燥した造粒品に無機塩化物0.50〜4.0重量部を含む水溶液を添加した後、水分が1.0〜16重量部になるまで乾燥する。または消石灰を主成分とする吸収剤100重量部と、無機塩化物0.50〜4.0重量部と、水分40〜70重量部とを含む混練物を造粒し、水分が1.0〜16重量部になるまで乾燥する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、医療用麻酔呼気回路内で使用する炭酸ガス吸収剤の製造方法に関する。
医療における全身麻酔での手術の際に、麻酔薬を気化させ患者に吸入させる麻酔方法がある。このとき、麻酔呼気回路内で炭酸ガスを吸収除去するためにソーダライムが利用されている。ソーダライムは水酸化ナトリウム及び/または水酸化カリウムを含んだ水酸化カルシウムと水分とから構成された炭酸ガス吸収剤である。JIS K8603「ソーダ石灰」によると、酸化カルシウムと水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムの混合物であって、乾燥減量が12〜19wt%であり、二酸化炭素吸収量が20%以上、25%以上、30%以上の三品種ある。ソーダ石灰は以下のような段階的反応によって炭酸ガス吸収を速やかに行っているものと考えられている。
1段 CO+HO→HCO
2段 HCO+2Na(and/orK)OH→Na(and/orK)CO+2H
3段 Na(and/orK)CO+Ca(OH)→2Na(and/orK)OH+CaCO
強アルカリ水酸化物と十分な水分との存在により、固体状でありながら炭酸ガス吸収能力に優れているとされる(麻酔XIV巻 昭和40.10)。しかしソーダライムは麻酔薬を分解して有用でない物質を生成することが報告されている。特に、近年は麻酔薬にセボフルランが多用されているが、セボフルランも然りであって、ソーダライムによってコンパウンドAが副生される。この分解反応にはソーダライムの成分である水酸化ナトリウムや水酸化カリウムが影響していることが明らかにされ、これら強アルカリ水酸化物を減じた、または使用していない炭酸ガス吸収剤が開発された(石丸製薬季刊誌Anet vol.5 No.1 2001 p41“Review”、臨床麻酔vol.No.12 2004 p1965)。
具体的には次のような提案がある。すなわちアルカリ金属の水酸化物を実質的に含まない水酸化カルシウムと水を有効成分とした酸性ガス吸収剤(特開平7−185319)、実質的に水酸化ナトリウム及び/または水酸化カリウムを含まない1種の薬学的に許容しうる水酸化物、及び適合性湿潤剤の麻酔に使用するための炭酸ガス吸収剤(特表2001−509042)、水酸化カルシウムと水とメタ珪酸アルミン酸マグネシウムとを含んでなる酸性ガス吸収剤(特開2003−88574)、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化バリウムが本質的に無い、薬学的に受容可能な水酸化物と塩化カルシウム及び/または塩化マグネシウムと硬化剤と非皮膜形成結合材とを含む二酸化炭素吸収調合剤(特表2004−506508)及び薬理学的に許容されるII族金属の水酸化物を主成分とし、シリカを副成分とする水和化混合物を含むI属金属イオンを実質的に含まない化学的吸収剤(特表2004−511312)等である。しかし、これらは炭酸ガス吸収能力において一様にソーダライムと比較しまだ十分でない。
また、医療用麻酔呼気回路内に使用する炭酸ガス吸収剤のソーダライムは、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム水溶液で生石灰を水和反応させ、固化したものを破砕し粒状にしたり、消石灰に同アルカリ金属水酸化物を配合して押出機や打錠機等で造粒し水分を調整することにより製造されているが、炭酸ガス吸収剤が輸送中や使用中に潰れや摩擦破砕により微粉化して、その微粉が麻酔回路内で使用中に人体に吸入されるという不具合があり、これを解決するためにカルボキシメチルセルロースを0.8〜3wt%配合したり(特公昭42−20464)や、湿熱養生することで消石灰を融結したり(特開平3−47533)、半水石膏やアルミナ珪酸を使用して、概して造粒品の硬度を硬くすることで微粉化を防止している。
特開平7−185319 特表2001−509042 特開2003−88574 特表2004−506508 特表2004−511312 特公昭42−20464 特開平3−47533
よって本発明の主要な目的は、ソーダライムと同等の炭酸ガス吸収能力を有し、かつ炭酸ガス吸収能力を損なうことなく微粉発生を抑えることのできる炭酸ガス吸収剤の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係る炭酸ガス吸収剤の製造方法は、消石灰を主成分とする吸収剤100重量部と、水分40〜70重量部とを含む混練物を造粒し、造粒品を乾燥し、乾燥した造粒品に無機塩化物0.50〜4.0重量部を含む水溶液を添加した後、水分が1.0〜16重量部になるまで乾燥する各過程を含んでなる。
または、消石灰を主成分とする吸収剤100重量部と、無機塩化物0.50〜4.0重量部と、水分40〜70重量部とを含む混練物を造粒し、水分が1.0〜16重量部になるまで乾燥する各過程を含んでなる。
本発明に係る製造方法により得られた炭酸ガス吸収剤はソーダライムに匹敵するか、あるいはソーダライムを凌ぐ炭酸ガス吸収能力を有し、かつ微粉発生を抑制することができる。
本発明に係る炭酸ガス吸収剤の製造方法により製造された炭酸ガス吸収剤は、消石灰を主成分とし、他に無機塩化物と水とを含む単純な構成ながら、従来、消石灰を主体に構成された炭酸ガス吸収剤は水分を12〜19wt%含む場合に良く吸収能力を発揮するとされてきた当業界の共通概念を覆し、より少ない水分でも優れた炭酸ガス吸収性能を有することが見出された。以下にその詳細を述べる。
本明細書における「消石灰を主成分とする吸収剤」は、少なくとも消石灰を85wt%以上含むものをいう。日本において入手可能な消石灰は、JIS R9001−2006によると特号、1号、2号があり、それぞれCaO純度が72.5wt%以上、70wt%以上、65wt%以上と規定されている。本発明に係る製造方法による炭酸ガス吸収剤はより不純物が少なく、色調の良い消石灰を原料とすることが好ましく、望ましくはCaO純度が72.5%以上の特号消石灰を利用する。特号のCa(OH)2純度は換算すると96wt%以上となる。
「消石灰を主成分とする吸収剤」は5wt%未満の炭酸ガス吸収のための有効成分を含んでいてもよい。これには例えば活性アルミナやセピオライト、ゼオライト、シリカゲル、活性白土等の吸着剤が挙げられる。好ましくは含水珪酸マグネシウムを主成分とする粘土鉱物であるセピオライトであり、これを配合することで更に優れた炭酸ガス吸収性能を示す。なおセピオライトが5wt%以上では配合量の割には吸収性能が向上せず、逆に炭酸ガスと反応する成分が減ってしまう。水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムは実質的に含まない(含んでいたとしても麻酔薬の分解作用を起こさない程度以下)ことが好ましい。
好ましくは細孔容積が0.1cc/g以上の消石灰を使用する。これによりさらに良好な炭酸ガス吸収能力を得ることができる。ここで細孔容積とは、通常の窒素ガスの吸着脱離法で測定可能な径20Å〜1000Åの細孔の容積を指し、従って細孔とはこの範囲の径を有する孔のことをいう。このような細孔容積が0.1cc/g以上の消石灰は、例えば特開2002−80249等に記載の方法で得られる。
無機塩化物は、例えば塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化バリウム等が挙げられる。塩化コバルト、塩化鉄、塩化銅など特有の呈色をするものは、エチルバイオレットのようなインジケーターによる吸収剤の交換時期判断に悪影響を与えるので好ましくない。医療用炭酸ガス吸収剤にはインジケーターを使用するのが一般的である。主にエチルバイオレットを使用し、消石灰が炭酸化してアルカリ性から中性になって紫色に変化したことが視認されたら炭酸ガス吸収剤の交換時期と判断される。また炭酸ガス吸収剤の水分が過度の乾燥状態になったときも同様に呈色し、消失しないというメリットもある。これはソーダライムやナトリウム水酸化物やカリウム水酸化物が含まれていない消石灰造粒品でも、乾燥状態で麻酔薬に接触すると一酸化炭素を発生する危惧があると言われており(石丸製薬季刊誌Anet vol.5 No.1 2001 p41“Review”)、その予防にもなる。また当然のことながら、所謂環境負荷物質は採用しない。
これら無機塩化物は吸収剤100重量部に対して0.50〜4.0重量部を使用する。無機塩化物には結晶水や潮解水を持っているものが多いが、無水物換算で0.50〜4.0重量部とする。0.50重量部より少ないと微粉化防止効果が制限され、4.0重量部以上に増やしても効果の上昇は見られず、却って有効成分が減量され炭酸ガス吸収性能が悪化する。
これら無機塩化物の中でも特に塩化マグネシウムを採用することが好ましい。塩化マグネシウムはエチルバイオレットの発色を鮮やかにし、他の無機塩化物よりも少ない使用量で多大な効果を得ることができる。
以下、本発明に係る炭酸ガス吸収剤の製造方法の各製造過程について詳細に説明する。消石灰に対し、必要に応じてセピオライト等の吸着剤を粉体で配合することにより消石灰を主成分とする吸収剤とする。吸着剤の配合に前後して無機塩化物水溶液を、吸収剤100重量部に対して無機塩化物0.50〜4.0重量部、水分40〜70重量部となるように配合し、ブレンダー等で混合して混練物を得る。なお無機塩化物を水溶液の形で配合し混合する場合には、消石灰と吸着剤とを粉体混合した後に行う方が均一な混練物を得られやすい。無機塩化物も粉体であれば、消石灰及び吸着剤とともに粉体混合され、その後水やカルボキシメチルセルロース水溶液を加えて混合する方が好ましい。この混練物を2軸スクリュー押出機等で所定の形状に押出し成形する等の常法により造粒し、その後水分が1.0〜16重量部になるまで乾燥することにより炭酸ガス吸収剤を得る。乾燥は、例えば熱風乾燥のような常法で行う。インジケーターは、例えばエチルバイオレット水溶液を無機塩化物水溶液とともに配合することにより添加される。
または、消石灰を主成分とする吸収剤100重量部に対して40〜70重量部の水を配合して上記のような常法により造粒した後、一旦水分が例えば3重量部以下になるまで乾燥する。このとき、必要に応じて微粉をカットしてもよい。乾燥した造粒品に、吸収剤100重量部に対して無機塩化物0.50〜4.0重量部となるように無機塩化物水溶液を噴霧添加する。このとき水分は、例えば25重量部まで増加するが、これ以上水分を添加しすぎると噴霧時に造粒品が崩れ始め好ましくない。さらにその後吸収剤100重量部に対して水分が1.0〜16重量部になるまで乾燥する。なおエチルバイオレット水溶液は無機塩化物水溶液に混合して造粒品に噴霧添加することができる。
発明者らは、何らかの特定理論に拘束されることを望むものではないが、本発明に係る製造方法により製造した炭酸ガス吸収剤は、造粒時の配合水分を吸収剤100重量部に対して40〜70重量部と比較的多く配合した状態で造粒した後に乾燥する過程を経ているため、炭酸ガス吸収剤には乾燥時に水分蒸発軌道が形成され、使用時にはこの水分蒸発軌道を通って、炭酸ガス吸収剤の内部まで炭酸ガスを含んだ気体が侵入し、これによって高い炭酸ガス吸収性能がもたらされるものと推測される。このため本発明に係る製造方法により製造された炭酸ガス吸収剤は、塩素系ガスやフッ素系ガス等酸性ガス吸収剤としても有用である。
よって、炭酸ガス吸収剤に含まれる水分が多すぎると炭酸ガス吸収剤内部への通気性が妨げられて吸収性能が低下するものと推察され、しかし水分が少ないと炭酸ガスの水への溶解性が低くなり、吸収性が低下することは明らかである。ガスの通気性が良く、かつ炭酸ガスが水へ溶解して先の反応CO+HO→HCOが進む適正範囲がソーダライム等他の消石灰を主体とした吸収剤よりも低い方へシフトし、吸収能も向上したものと考えられる。
炭酸ガス吸収剤に含まれる水分の好ましい範囲は吸収剤100重量部に対し5.0〜12重量部である。5.0重量部以下では初期の炭酸ガス吸収量がやや劣る傾向がある。すなわち水分の少ない炭酸ガス吸収剤の時間毎の吸収率と水分の推移を炭酸ガス吸収試験(後述)結果でTable1に示すが、水分が5.0重量部より少ない場合、1時間目までの炭酸ガス吸収率がやや低くなった。水分が12重量部を越えると炭酸ガス吸収率は次第に低下し、また有効成分の消石灰含有量も少なくなるので特に好ましい結果は見られなかった。
また本発明に係る炭酸ガス吸収剤の製造方法により製造された炭酸ガス吸収剤は、多孔質で柔らかく造粒され、圧潰強度は殆どが1N以下にも拘わらず、潰れや摩擦破砕等による微粉化を抑えることができることも見出された。一般に造粒した炭酸ガス吸収剤は輸送中や取扱中に潰れや磨砕で微粉が多く発生する。その対策として先に挙げた文献のごとく種々の改良方法が提案されているが、特に本発明におけるように多量の水を使用した場合、微粉化の傾向が大きいとされてきた。しかし本発明においては無機塩化物を配合添加することにより、造粒乾燥後に無機塩化物が造粒品表面を滑らかにして、表面のざらつきや粉っぽさ無くす効果があり、また造粒品とすることで丸みを帯び、表面積も少ない形状として、潰れや磨砕による粉立ちが防止できることを見いだした。これは実体顕微鏡により観察することでも確認された。同じ配合条件でブロックや太い造粒品を作製し、その後破砕して粒状の炭酸ガス吸収剤を得ることはできるが、このような破砕品は炭酸ガス吸収能力には優れるものの、微粉発生が多く好ましくない。
造粒時に配合されている水分を吸収剤100重量部に対し40重量部未満とした場合には、水分乾燥時に形成される微細孔が少なくなるためか炭酸ガス吸収量が低下することが確認されている。逆に70重量部を越えると混練物が柔らかすぎて造粒後の形状が定まらず、乾燥中に膠着を起こし造粒品が得られ難い。
本発明におけるような量の水分を配合して造粒を行う場合は、前押しまたは横押しの2軸スクリュー押出機が適しているが、造粒手段はこれに限定されるものではない。また押し出し助剤としてカルボキシメチルセルロース(CMC)を0.05〜1wt%使用することで安定した押し出しが可能となる。
Table1 水分の変移と炭酸ガス吸収率
Figure 2008110278
以下、本発明に係る炭酸ガス吸収剤の製造方法の一実施例について説明する。なお、以下の説明は発明をより深く理解するためのものであって、特許請求の範囲を限定するためのものではない。
〔実施例1〕
消石灰を主成分とする吸収剤として消石灰特号(矢橋工業(株)製、Ca(OH)純度97.5wt%、細孔容積0.075cc/g)2000gに水660gと1wt%カルボキシメチルセルロース水溶液200gとを配合し(水分30wt%、吸収剤100重量部に対して水分42.9重量部)、均一に湿潤するように混合した混練物を2軸前型押出機(不二パウダル(株)製、ペレッターダブル押出機)、目皿2mmφの開孔から押し出し、140℃の熱風乾燥機で乾燥した。乾燥後の造粒品の水分は1.5wt%(吸収剤100重量部に対して約1.5重量部)であった。この造粒品を標準篩目開き1.7mmで篩下をカットした。次に、塩化マグネシウム(MgCl・6HO)45gを水97gに溶解し14.9wt%のMgCl水溶液を調製した。別途エチルバイオレットの0.1wt%水溶液を100g調製し、両者を混ぜ合わせて、造粒品1000gに噴霧添加し、水分18.2wt%(吸収剤100重量部に対して約22.3重量部)に再加湿され、吸収剤100重量部に対してMgClが2.1重量部、エチルバイオレット0.01重量部の造粒品を得た。更に110℃熱風乾燥機で乾燥し、水分8.7重量部に調整した。試験は、標準篩目開き1mmで微粉をカットした試験サンプルについて行った。この微粉カットは以下の各実施例及び比較例についても試験前に行った。
炭酸ガス吸収試験:CO5.15%inNガスの吸収量をソーダライムJIS K8603測定に準拠して測定した。混合炭酸ガス流量170ml/minを吸収管前で36℃の水中をバブリングし、試料10.0gが入った吸収管に導入し炭酸ガスを吸収させる。吸収時間1.0,3.0,5.0時間目に、それぞれ試料を取り出し乾燥し、絶乾品で炭酸ガス吸収前後の重量増加量をそれぞれ測定し、吸収率を算出した。バブリング時に蒸発した水の量から算出すると炭酸ガス吸収中の混合ガスの湿度は平均で36℃、75%の関係湿度だった。
粉化率測定法:篩振盪機を使用し測定、試料100g、篩目開き1mm、毎分160回で10分間打振し篩下の発生率を測定した。
インジケーターのエチルバイオレット発色性
炭酸ガス吸収後の発色性:吸収後発色した部分を24時間放置し観察
乾燥状態の発色:110℃で乾燥発色させたものを24時間放置し観察
各試験の結果はTable2に記載した通りである。実施例1の試験測定結果はそれぞれ良好であった。
〔実施例2〕
実施例1の消石灰に換えて細孔容積0.176cc/g、Ca(OH)純度97wt%の消石灰(矢橋工業(株)製)2000gに水を877gと1wt%カルボキシメチルセルロース水溶液200gとを配合し(水分35wt%、吸収剤100重量部に対して水分53.8重量部)、均一に湿潤するように混合したものを2軸前型押出機(不二パウダル(株)製、ペレッターダブル押出機)、目皿2mmφの開孔から押し出し、140℃の熱風乾燥機で乾燥して水分1.5wt%(吸収剤100重量部に対して約1.5重量部)に調整した。以降は実施例1とほぼ同様の操作を加えて水分9.8重量部を含む実施例2の炭酸ガス吸収剤を得た。Table2の通り、実施例2は各試験において良好な結果を示した。
〔実施例3、4〕
細孔容積0.176cc/g、Ca(OH)純度97wt%の消石灰(矢橋工業(株)製)1940gと60gのセピオライト(近江鉱業(株)ミラクレーP−80)とからなる吸収剤を用いて実施例2と同様の操作を行い、水分7.5重量部の実施例3と水分15重量部の実施例4を得た。試験測定結果をTable2に示す。
〔実施例5、6〕
実施例2において、後乾燥における水分量をそれぞれ2.9重量部(実施例5)、1.2重量部(実施例6)に調整した。試験測定結果をTable2に示す。
〔実施例7〕
実施例3においてペレッターダブル押出機の目皿の開孔5mmを使用した以外は同じ操作を行い、最終水分が7.8重量部の実施例7を得た。試験測定結果をTable2に示す。
〔実施例8〕
細孔容積0.176cc/g、Ca(OH)純度97wt%の消石灰(矢橋工業(株)製)2000gに塩化マグネシウム(MgCl・6HO)128gを水300gに溶解した14wt%MgCl水溶液を添加し更に1wt%カルボキシメチルセルロース水溶液200gと0.1wt%エチルバイオレット水溶液309gを配合し(水分30wt%、吸収剤100重量部に対して水分43.6重量部、MgCl3.0重量部)、均一に湿潤するように混合したものを2軸前型押出機(不二パウダル(株)製、ペレッターダブル押出機)、目皿開孔2mmφから押し出し、140℃の熱風乾燥機で乾燥し、水分8.7重量部とした。試験測定結果をTable2に示す。
〔比較例1〕
実施例1において噴霧液に塩化マグネシウムを使用せずエチルバイオレットが0.01wt%と水で水分20wt%の再加湿造粒品を得て、その後110℃で乾燥し、水分8.5wt%に調湿した。試験測定結果をTable2に示す。微粉化率が大きいことが分かる。また塩化マグネシウムを使用していないことでインジケーターの発色は24時間の経過観察では消失していた。
〔比較例2〕
細孔容積0.176cc/g、Ca(OH)純度97wt%の消石灰(矢橋工業(株)製)1940gとセピオライト(近江鉱業ミラクレーP−80)60gと水467gと1wt%カルボキシメチルセルロース水溶液200gとを配合し(水分25wt%、吸収剤100重量部に対して水分33.3重量部)均一に湿潤するように混合したものを2軸前型押出機(不二パウダル(株)製、ペレッターダブル押出機)、目皿2mmφの開孔から押し出し、140℃の熱風乾燥機で乾燥して水分1.2wt%の造粒品を得た。これを1.7mm篩で微粉をカットして1000gを採取し、実施例1と同様に塩化マグネシウムとエチルバイオレットを噴霧添加し水分18wt%(吸収剤100重量部に対して約20.0重量部)にした後、乾燥により調整し水分5.2重量部の比較例2を得た。試験測定結果をTable2に示す。
〔比較例3〕
消石灰を1940gと60gのセピオライト(近江鉱業ミラクレーP−80)と水300gと1wt%カルボキシメチルセルロース水溶液200gとを配合し(水分20wt%、吸収剤100重量部に対して水分24.9重量部)均一に湿潤するように混合したものを縦型ディスクペレッター(不二パウダル(株)製)の目皿2mmφの開孔から押し出し、140℃の熱風乾燥機で乾燥した水分1.3wt%の造粒品を得た。1.7mm篩で微粉をカットした後、塩化マグネシウムとエチルバイオレットを噴霧添加し水分15wt%に湿潤後、乾燥して水分7.1重量部にした比較例3を得た。試験測定を実施し結果をTable2に示す。吸湿率が非常に悪かった。
〔比較例4〕
ペレッターダブル開孔5mmφで製造した実施例7の塩化マグネシウムとエチルバイオレットを噴霧添加前のものを破砕機で破砕し、水分0.7wt%で1.5〜3.5mmの破砕品を得た。この破砕品500gに14wt%MgCl水溶液70gと0.1wt%エチルバイオレット水溶液50gの混合液を噴霧添加し、更に乾燥して水分調整を行い水分9.7重量部にして比較例4を得た。試験測定結果はTable2に示すとおり、炭酸ガス吸収率は良好であるが微粉発生が多かった。破砕による角が原因と考えられる。
〔比較例5〕
市販の炭酸ガス吸収剤である試薬ソーダ石灰1号(キシダ化学(株)製)を購入し、110℃で3時間乾燥して水分を蒸発させた。含有水分量を測定し、水分が15.5wt%であることを確認した。エチルバイオレット0.04gを水100gに溶解し、この試薬ソーダライム乾燥品400gに噴霧添加し、その後110℃熱風乾燥機で乾燥し水分15.4wt%の指示薬入りソーダライムを比較例5とした。各項目の測定に供した結果をTeble2に示す。ここで水分15.4wt%は吸収剤固形分100重量部に対して18.2重量部となる。本試薬ソーダ石灰1号は1.5〜3.5mmの破砕品であるため微粉化率については測定を除外し、炭酸ガス吸収率と指示薬色調変化の項目を比較対照とした。
Figure 2008110278

Claims (6)

  1. 消石灰を主成分とする吸収剤100重量部と、水分40〜70重量部とを含む混練物を造粒し、造粒品を乾燥し、乾燥した造粒品に無機塩化物0.50〜4.0重量部を含む水溶液を添加した後、水分が1.0〜16重量部になるまで乾燥する各過程を含むことを特徴とする炭酸ガス吸収剤の製造方法。
  2. 消石灰を主成分とする吸収剤100重量部と、無機塩化物0.50〜4.0重量部と、水分40〜70重量部とを含む混練物を造粒し、水分が1.0〜16重量部になるまで乾燥する各過程を含むことを特徴とする炭酸ガス吸収剤の製造方法。
  3. 消石灰が細孔容積0.1cc/g以上である請求項1または2に記載の炭酸ガス吸収剤の製造方法。
  4. 消石灰を主成分とした吸収剤は、消石灰95wt%以上とセピオライト5wt%未満からなる請求項1乃至3のいずれかに記載の炭酸ガス吸収剤の製造方法。
  5. 無機塩化物が塩化マグネシウムである請求項1乃至4のいずれかに記載の炭酸ガス吸収剤の製造方法。
  6. 水分が5.0〜14重量部になるまで乾燥する請求項1乃至5のいずれかに記載の炭酸ガス吸収剤の製造方法
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JP2010155209A (ja) * 2008-12-26 2010-07-15 Yahashi Kogyo Kk 二酸化炭素吸収剤、及びその製造方法
JP2020163746A (ja) * 2019-03-29 2020-10-08 大日本印刷株式会社 炭酸ガス調整シーラントフィルム
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP7383896B2 (ja) 2019-03-29 2023-11-21 大日本印刷株式会社 炭酸ガス調整シーラントフィルム
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