JP2008108456A - 燃料電池用電極、燃料電池のセル及び燃料電池のスタック - Google Patents

燃料電池用電極、燃料電池のセル及び燃料電池のスタック Download PDF

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Abstract

【課題】生成水をより排除し易くすることで集電性と酸化ガス及び/又は燃料の供給性をともに向上させることができるとともに、多孔体を採用することによる不具合を解消することができる燃料電池用電極、燃料電池のセル及び燃料電池のスタックを提供する。
【解決手段】燃料電池用電極は、第1、2網材21、22と、第1、2網材21、22の一面側に一体に形成され、電解質膜24と当接する触媒層21c、22cと、第1、2網材21、22と触媒層21c、22cとの間に設けられ、相互に連通する多くの細孔を有しつつ導電性を有する細孔層21b、22bとを備えている。第1、2網材21、22は、板状をなして他面側に導電性材料製のプレート23が設けられ、相互に連通する多くの空孔を有しつつ導電性を有し、各空孔によってプレート23との間に空気室又は燃料室を構成する。
【選択図】図4

Description

本発明は、燃料電池用電極、燃料電池のセル及び燃料電池のスタックに関する。
図12に示すように、特許文献1開示の一般的な燃料電池のセル10は、導電性材料製のセパレータ12、膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)11及びセパレータ12によって構成されている。セル10を多数電気的に直列に接続してなるスタックは、隣り合うセル10においてセパレータ12を共通にしている。
各膜電極接合体11は、ナフィオン(登録商標、Nafion(Dupon社製))等の固体高分子膜からなる電解質膜11aと、この電解質膜11aの一面に接合されて酸化ガスが供給されるカソード極11bと、電解質膜11aの他面に接合されて燃料が供給されるアノード極11cとを有している。カソード極11b及びアノード極11cが燃料電池用電極である。
図13に示すように、カソード極11bは、電解質膜11a側に位置する触媒層13aと、触媒層13aに隣接して酸化ガスを拡散する拡散層13bとからなる。触媒層13aは、カーボン粒子に触媒が担持された触媒担持カーボンと、電解質の溶液とを有する。
アノード極11cは、電解質膜11a側に位置する触媒層14aと、触媒層14aに隣接して燃料を拡散する拡散層14bとからなる。触媒層14aは、触媒担持カーボンと、電解質の溶液とを有する。
図12に示すように、各セパレータ12は各膜電極接合体11を間に挟んで積層される。個々のセパレータ12における各カソード極11b側の一面には酸化ガス流路12bが複数本の溝状に形成されており、各アノード極11c側の他面には燃料流路12cが複数本の溝状に形成されている。また、スタックに供給される酸化ガスは各セル10の全ての酸化ガス流路12bを流通するようになっており、スタックに供給される燃料は各セル10の全ての燃料流路12cを流通するようになっている。
このスタックにおいては、酸化ガス流路12bに供給される酸化ガスと、燃料流路12cに供給される燃料との電気化学反応により、起電力を生じる。この際、セパレータ12の酸化ガス流路12b及び燃料流路12cのピッチ及び深さを最適化することにより、集電性並びに酸化ガス及び燃料の供給性の両者が最適化されることとなる。
特開2004−288539号公報
しかしながら、この電気化学反応は水の生成を伴う反応であるため、このセル10及びスタックは、発生したその生成水により酸化ガス流路12b及び燃料流路12cが閉塞され、反応が生じない部位が発生し、性能が低下する。
一方、このセル10及びスタックにおける集電性に関しては、セパレータ12の酸化ガス流路12b及び燃料流路12cのピッチの影響を受けやすく、集電ロスが生じやすい。また、溝深さを変えると、ガスの流速が変化し、電極の入口側が乾く問題も発生する。
このため、出願人は、特願2005−362556号において、新たな燃料電池用電極を提案した。この燃料電池用電極は、多孔体と、多孔体の他面側に一体に形成された触媒層と、多孔体と触媒層との間に設けられた細孔層(MPL:Micro Porous Layer)とを備えたものである。
多孔体は板状をなしており、多孔体の一面側には導電性材料製のプレートが設けられる。また、多孔体は、相互に連通する多くの空孔を有しつつ導電性を有している。そして、多孔体は、各空孔によってプレートとの間で空気室又は燃料室を構成する。触媒層は、電解質膜と当接する。また、細孔層は、相互に連通する多くの細孔を有しつつ導電性を有するものである。
この燃料電池用電極では、集電性と酸化ガス又は燃料の供給性とをともに向上させることができる。
ところが、この燃料電池用電極では、多孔体が相互に連通する多くの空孔を有することに起因し、毛羽立ちやすい。このため、多孔体の毛羽が細孔層及び触媒層を突き抜け、電解質膜を傷付けてしまえば、燃料と酸化ガスとが短絡して起電力が得られない等の不具合を生じてしまう。
また、この燃料電池用電極では、多孔体がうねりを有しやすいことから、多孔体と細孔層との間に空所を生じやすく、生成水がその空所に溜まって供給性が損なわれるおそれもある。また、多孔体のうねりによって多孔体と細孔層とが点接触になりやすく、これによって熱の移動が困難になるとともに、電子抵抗が大きくなるおそれもある。これらの場合には、発電効率が低下してしまう。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、生成水の通る通路と酸化ガス及び燃料の通る通路とを明確にすることができ、これによって生成水をより排除し易くすることで集電性と酸化ガス及び/又は燃料の供給性をともに向上させることができるとともに、多孔体を採用することによる不具合を解消することができる燃料電池用電極、燃料電池のセル及び燃料電池のスタックを提供することを解決すべき課題としている。
本発明の燃料電池用電極は、板状をなして一面側に導電性材料製のプレートが設けられ、相互に連通する多くの空孔を有しつつ導電性を有し、各該空孔によって該プレートとの間に空気室又は燃料室を構成する多孔体と、
該多孔体の他面側に一体に形成され、電解質膜と当接する触媒層と、
該多孔体と該触媒層との間に設けられ、相互に連通する多くの細孔を有しつつ導電性を有する細孔層とを備え、
前記細孔層は、前記多孔体と対面する全領域において、厚さ方向の一部が該多孔体と重なり、厚さ方向の残部が該多孔体と重なっていないことを特徴とする。
本発明の燃料電池用電極では、多孔体が相互に連通する各空孔によってプレートとの間で空気室又は燃料室を構成している。このように構成された空気室又は燃料室では、酸化ガス又は燃料の伝達を可能としながら、多孔体の表面張力によって生成水が多孔体の表面(生成水と通る通路となる。)を伝わって厚さ方向に拡散し、多孔体の空孔には生成水が詰まり難い。このため、この燃料電池用電極をカソード極やアノード極として用いたセルにおいては、酸化ガス及び燃料の通路となる空孔が水没することなく確保されるので、酸化ガス等の圧力損失を生じ難く、優れた酸化ガス及び燃料の供給性を発揮できる。
また、この空気室又は燃料室では、導電性の多孔体により、従来の溝流路と比較して面方向の集電間隔が短くなるため、優れた集電性も発揮できる。
さらに、この燃料電池用電極では、細孔層によって触媒層から多孔体に電子が移動しやすく、かつ触媒層内の余剰水が細孔層に移動し、触媒層は最適な湿潤状態に保たれるため、電気化学反応を阻害し難い。
また、この燃料電池用電極では、多孔体と対面する全領域において、細孔層が厚さ方向の一部で多孔体と重なっていることから、細孔層は多孔体に食い込んでいる。発明者らの試験結果によれば、細孔層の厚さの1/3以上又は50μm以上のいずれか小さい方の値で細孔層が多孔体に食い込んでいることが好ましい。また、多孔体と対面する全領域において、細孔層が厚さ方向の残部で多孔体と重なっていないことから、細孔層と多孔体との間に空所を生じてない。このため、たとえ多孔体が毛羽立っていたとしても、多孔体の毛羽は、細孔層内に留まり、触媒層を突き抜けることがない。このため、電解質膜を傷付けることがなく、燃料と酸化ガスとが短絡することによる不具合を生じない。
また、この燃料電池用電極では、多孔体と細孔層との間に空所を生じていないことから、優れた酸化ガス及び燃料の供給性が維持される。また、多孔体と細孔層とが点接触になることはなく、熱が移動しやすいとともに、小さな電子抵抗も維持される。このため、優れた発電効率が維持される。
したがって、本発明の燃料電池用電極によれば、生成水の通る通路と酸化ガス及び燃料の通る通路とを明確にすることができ、これによって集電性と酸化ガス又は燃料の供給性とをともに向上させることができるとともに、多孔体を採用することによる不具合を解消することができる。このため、この燃料電池用電極を採用すれば、セル、ひいてはスタックの出力密度、発電効率が安定して向上する。
特開2000−58072号公報には、酸化ガス流路又は燃料流路となる複数本の溝をもつセパレータと、燃料電池用電極と、電解質膜とからなる燃料電池のセルが開示されている。燃料電池用電極は、電解質膜側に位置する触媒層と、触媒層に隣接する拡散層とからなる。拡散層は金属製の多孔体からなる。このセルでは、セパレータが酸化ガス等を伝達させながら、拡散層が電子、酸化ガス等、排水及び熱を伝達し、セパレータと拡散層とがともに酸化ガス等の伝達を担っている。このため、セルが厚くなり、発電効率の低下、出力密度の低下、燃料電池の大型化及びコスト増加の懸念がある。
この点、本発明の燃料電池用電極によれば、多孔体が酸化ガス等の伝達を行うことから、酸化ガス流路等のあるセパレータを採用する必要がなく、板状のプレートを採用できるため、従来の溝流路を形成するリブの分だけセルを薄くすることができ、発電効率の向上、出力密度の向上、燃料電池の小型化及びコスト低下の効果がある。
多孔体は板状をしている。多孔体の一面側には導電性材料製のプレートが設けられる。このプレートが従来のセパレータの機能を担う。多孔体は相互に連通する多くの空孔を有する。空孔は最小内径が50μm〜200μmであることが好ましい。また、多孔体は導電性を有する。
触媒層は、多孔体の他面側に一体に形成されている。触媒層は、カーボン粒子に触媒が担持された触媒担持カーボンと、電解質とを有し得る。この触媒層は電解質膜と当接する。
細孔層は多孔体と触媒層との間に設けられる。細孔層は、相互に連通する多くの細孔を有しつつ導電性を有する。細孔層を備える場合、触媒層から多孔体に電子が移動しやすく、かつ触媒層内の余剰水が細孔層に移動し、触媒層は最適な湿潤状態に保たれるため、電気化学反応を阻害し難い。細孔は、最小内径が0.01〜数μmであり、細孔分布のピークが10μm以下であることが好ましい。細孔層の厚みは100μm以下であることが好ましい。
多孔体は、連続気泡をもつ発泡材であることもできるが、三次元の網目状に形成された網材であることが好ましい。網材を構成する繊維、密度等を選択することにより、空孔の大きさ、導電性、表面張力等を制御しやすいからである。繊維の直径は100μm以下、気孔率は90%以下、厚みは0.5〜2mm、親水性は水の接触角で50°未満であることが好ましい。網材は織布又は不織布であり得る。電極面と直交する方向に金属繊維をなるべく配列させていることが好ましい。2種以上の線径の異なる繊維を用いたものであることが形状保持性の点で好ましい。ガス等の下流側に向かうに従って繊維の密度が高くなることが好ましい。
また、多孔体は、網材を構成する繊維の密度が電解質膜側で高く、プレート側で低いように、厚さ方向で傾斜構造とすることができる。プレート側の面となる繊維の径を太くすることによりこれを実現できる。これにより、プレート側の空孔径が相対的に大きく、電解質側の空孔径が相対的に小さくなるので、生成水の吸出し効果がより強調される。
繊維からなる網材を多孔体として採用する場合、網材は導電性を有する必要があることから、導電性の繊維を用いる。導電性の繊維としては、通常のチタン、SUS、タンタル、ハステロイ等の耐食性及び導電性のある金属繊維の他、ニッケル、カーボン等の繊維を採用することができる。
導電性とともに親水性のある多孔体であることがより好ましい。網材に親水性を付与するためには、導電性及び親水性の繊維を用いたり、導電性の繊維と親水性の繊維とを同時に用いたりすることができる。導電性及び親水性の繊維としては、親水処理したニッケル、チタン、SUS、タンタル、カーボン等の導電性繊維を採用することができる。親水処理としては、アルカリ処理、表面の酸化処理等を採用することができる。親水性の繊維としては、金属酸化物のウィスカー、植物繊維等を採用することができる。
多孔体には、プレート側に吸水性の排水層が全面に形成されていることが好ましい。この場合、多孔体の厚さ方向に拡散した水が排水層に集められ、自重や酸化ガス等の圧力によって好適に排出される。排水層における水の接触角は、50°未満であることが好ましく、30°未満であることがより好ましい。また、排水層の吸水率は50%超であることが好ましい。
細孔層は撥水性を有することが好ましい。これにより細孔層内に移動した余剰水が細孔層から排出されやすく、触媒層は最適な湿潤状態に保たれるため、発電効率及び出力密度が向上する。このような細孔層は、カーボン粒子とポリテトラフルオロエチレン(以下、「PTFE」という。)粒子とからなり得る。PTFEの混合量は20〜70質量%であることが好ましい。撥水性は水の接触角が90°以上であることが好ましい。細孔層は、多孔体に50μm以上食い込みながら、食い込み面の反対側は多孔体以上の平滑性を有することが好ましい。
細孔層は導電性のフィラーを含むこともできる。この場合、電子抵抗が小さくなって発電効率及び出力密度がより向上するとともに、細孔層の強度が向上して優れた耐久性を発揮する。
本発明の燃料電池用電極を用いて本発明の燃料電池のセルが構成され得る。本発明のセルは、上記燃料電池用電極からなるカソード極と、該カソード極の一面側に設けられた前記プレートと、該燃料電池用電極からなるアノード極と、該アノード極の他面側に設けられた前記プレートと、該カソード極の他面側と該アノード極の一面側との間に設けられ、前記触媒層と当接する前記電解質膜とを備えていることを特徴とする。
本発明のセルによれば、集電性と酸化ガス及び/又は燃料の供給性とをともに向上させることができる。
プレートは、多孔体側に吸水性の排水層が全面に形成されていることが好ましい。この場合、多孔体の排水層と同様、厚さ方向に拡散した水が排水層に集められ、自重や酸化ガス等の圧力によって好適に排出される。
本発明のセルを用いて本発明の燃料電池のスタックが構成され得る。本発明のスタックは、上記セルを多数電気的に直列に接続してなることを特徴とする。
本発明のスタックによれば、集電性と酸化ガス及び/又は燃料の供給性とをともに向上させることができる。
以下、本発明を具体化した実施例1〜3を図面を参照しつつ説明する。
実施例1の燃料電池のスタックは、図1に示す板状の第1、2網材21、22を採用している。第1、2網材21、22は、チタン繊維からなる導電性及び親水性の繊維によって三次元の網目状に形成されている。第1、2網材21、22は、後述のプレート23側の面となる繊維の径を太くすることにより、繊維の密度が後述の電解質膜24側で高く、プレート23側で低いように、厚さ方向で傾斜構造とされている。第1、2網材21、22における水の接触角は、それぞれ40°、30°である。
また、第1、2網材21、22の一面側には、カーボン粒子/PTFE/導電性フィラーからなる撥水性の細孔層21b、22bが形成されている。細孔層21b、22bにおける水の接触角は120°超である。また、細孔層21b、22bのさらに一面側には、触媒層21c、22cが形成されている。触媒層21c、22cは、カーボン粒子に触媒が担持された触媒担持カーボンと、電解質とを有する。
第1、2網材21、22、細孔層21b、22b及び触媒層21c、22cの部分拡大図を図2に示し、これらの界面の拡大図を図3に示す。図3に示すように、細孔層21b、22bは、第1、2網材21、22と対面する全領域において、厚さ方向の一部が第1、2網材21、22と重なり、第1、2網材21、22に食い込んでいる。また、細孔層21b、22bは、厚さ方向の残部が第1、2網材21、22と重なっておらず、細孔層21b、22bと第1、2網材21、22との間に空所を生じてない。
また、このスタックは、図4に示す板状をなす導電性材料製のプレート23も採用している。プレート23の一面には、第1網材21を収納する第1凹部23aが凹設されている。また、プレート23の他面には、第2網材22を収納する第2凹部23bと、電解質膜24(図5参照)を収納する第3凹部23cとが凹設されている。
このプレート23には、第1凹部23aの両端に連通する一対の酸化ガス通路23d、23eが貫設されている。また、このプレート23には、第2凹部23bの両端に連通する図示しない一対の燃料通路も貫設されている。酸化ガス通路23d、23eと燃料通路とは貫設される位置が90度ずれている。
プレート23の第1凹部23aに第1網材21が収納される。この際、第1網材21の触媒層21cの反対側が第1凹部23aの底面と接触し、触媒層21c及び細孔層21bが外側になるようにする。こうして、第1網材21は繊維間の相互に連通する各空孔によってプレート23との間で空気室を構成する。
また、プレート23の第2凹部23bに第2網材22が収納される。この際、第2網材22の触媒層22cの反対側が第2凹部23bの底面と接触し、触媒層22c及び細孔層22bが外側になるようにする。こうして、第2網材22は繊維間の相互に連通する各空孔によってプレート23との間で燃料室を構成する。これにより1枚のセパレータ20が得られる。
図5に示すように、セパレータ20におけるプレート23の第3凹部23cには電解質膜24が収納され、セパレータ20、電解質膜24及びセパレータ20によってセル30が構成される。電解質膜24はナフィオン等の固体高分子膜からなる。
隣り合うセル30はセパレータ20を共通にしている。そして、図6に示すように、複数のセル30が積層されて電気的に直列に接続され、スタック31が構成される。スタック31では、全てのセル30の酸化ガス通路23d、23eが連通しているとともに、全てのセル30の燃料通路が連通している。燃料通路は、燃料供給口31a及び燃料排出口31bに連通している。
スタック31の燃料供給口31aには、図7に示すように、バルブ32を介して水素タンク33が接続される。また、スタック31の酸化ガス通路23d、23eには、空気ファン34によって酸化ガスとしての空気が供給されるようになっている。そして、スタック31の両端のプレート23は自動車のモータ等の負荷35に電気的に接続され、スタック31の下端はポンプ36によって循環するようにラジエータ37に接続されている。こうして燃料電池システムが構成される。
以上のように構成されたスタックにおいては、酸化ガス流路23d、23eに供給される空気と、燃料流路に供給される水素との電気化学反応により、起電力を生じる。
この際、第1、2網材21、22の繊維間である空気室及び燃料室では、酸化ガス又は燃料の伝達を可能としながら、繊維による表面張力によって生成水や残留水が厚さ方向に拡散し、生成水や残留水が詰まり難い。このため、このスタック31においては、空気及び水素の圧力損失を生じ難く、優れた供給性を発揮できる。
また、この空気室及び燃料室では、繊維による表面張力によって生成水や残留水が厚さ方向に拡散して乾き難く、また安定した接触面積を確保できる。このため、このスタック31においては、優れた集電性も発揮できる。
さらに、第1、2網材21、22と触媒層21c、22cとの間に撥水性の細孔層21b、22bを備えているため、触媒層21c、22cから第1、2網材21、22に電子が移動しやすく、かつ触媒層21c、22c内の水が細孔層21b、22bに移動し、触媒層21c、22cでの電気化学反応を阻害し難い。
また、このスタック31では、図3に示すように、第1、2網材21、22と対面する全領域において、細孔層21b、22bが第1、2網材21、22に食い込んでいるとともに、細孔層21b、22bと第1、2網材21、22との間に空所を生じてない。このため、たとえ第1、2網材21、22が毛羽立っていたとしても、第1、2網材21、22の毛羽は、細孔層21b、22b内に留まり、触媒層21c、22cを突き抜けることがない。このため、図5に示す電解質膜24を傷付けることがなく、燃料と酸化ガスとが短絡することによる不具合を生じない。
仮に、図8に示すように、網材91と細孔層92との間に空所93を生じていると、生成水94がその空所93に溜まって供給性が損なわれるおそれもある。また、図9に示すように、網材91と細孔層93とが点接触をしていると、熱の移動が困難になるとともに、電子抵抗が大きくなるおそれもある。これらの場合には、発電効率が低下してしまう。
この点、実施例1のスタック31では、図3に示すように、第1、2網材21、22と細孔層21b、22bとの間に空所を生じていないことから、優れた供給性が維持される。また、第1、2網材21、22と細孔層21b、22bとが点接触になることはなく、熱が移動しやすいとともに、小さな電子抵抗も維持される。このため、優れた発電効率が維持される。
さらに、このスタック31では、第1、2網材21、22がうねりを有していても、そのうねりを細孔層21b、22bで吸収していることから、製造時の細孔層21b、22bにクラックを生じることもない。このため、触媒は触媒層21c、22c内に安定して保持され、触媒利用率の低下を生じない。
したがって、このスタック31によれば、集電性と酸化ガス又は燃料の供給性とをともに向上させることができるとともに、第1、2網材21、22を採用することによる不具合を解消することができる。このため、このスタック31を採用すれば、高い出力密度及び発電効率を安定して発揮することができる。
また、実施例1のスタック31によれば、第1、2網材21、22が酸化ガス等の伝達を行うことから、酸化ガス流路等のあるセパレータを採用する必要がなく、板状のプレート23を採用できるため、セル30を薄くすることができ、発電効率の向上、出力密度の向上、燃料電池の小型化及びコスト低下の効果がある。
実施例2のスタックでは、図10に示すように、第1、2網材21、22の一面側に導電性ポリマーからなる吸水性の排水層21d、22dが全面に形成されている。排水層21d、22dにおける水の接触角は30°、吸水率は200%である。他の構成は実施例1と同様である。
このスタック31では、第1、2網材21、22のプレート23側に排水層21d、22dが全面に形成されているため、第1、2網材21、22の厚さ方向に拡散した水が排水層21d、22dに集められ、排水層21d、22dを伝わって液滴の水が自重や空気圧によって好適に空気室及び燃料室の外に排出される。他の作用効果は実施例1と同様である。
実施例3のスタックでは、図11に示すように、プレート23の第1、2網材21、22金属酸化物からなる吸水性の排水層23f、23gが全面に形成されている。他の構成は実施例1と同様である。
このスタック31でも、第1、2網材21、22の排水層21d、22dと同様、厚さ方向に拡散した水が排水層23f、23gに集められ、排水層23f、23gを伝わって液滴の水が自重や空気圧によって好適に空気室及び燃料室の外に排出される。
以上において、本発明を実施例1〜3に即して説明したが、本発明は上記実施例1〜3に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
本発明は、電気自動車等の移動用電源、屋外据え置き用電源、ポータブル電源等の燃料電池システムに利用可能である。
実施例1のスタックに用いる第1、2網材の断面図である。 図1の一部拡大断面図である。 図2のIII部の拡大断面図である。 実施例1のセパレータ等の断面図である。 実施例1のセルの断面図である。 実施例1のスタックの斜視図である。 実施例1の燃料電池システムの構成図である。 比較例の網材に係る図3と同様の拡大断面図である。 比較例の網材に係る図3と同様の拡大断面図である。 実施例2のスタックに用いる第1、2網材の断面図である。 実施例3のセパレータ等の断面図である。 従来のセルの分解斜視図である。 従来の膜電極接合体の模式拡大一部断面図である。
符号の説明
23…プレート
21、22…多孔体(第1、2網材)
21c、22c…触媒層
24…電解質膜
21b、22b…細孔層
21d、22d、23f、23g…排水層
20…セパレータ
30…セル
31…スタック

Claims (9)

  1. 板状をなして一面側に導電性材料製のプレートが設けられ、相互に連通する多くの空孔を有しつつ導電性を有し、各該空孔によって該プレートとの間に空気室又は燃料室を構成する多孔体と、
    該多孔体の他面側に一体に形成され、電解質膜と当接する触媒層と、
    該多孔体と該触媒層との間に設けられ、相互に連通する多くの細孔を有しつつ導電性を有する細孔層とを備え、
    前記細孔層は、前記多孔体と対面する全領域において、厚さ方向の一部が該多孔体と重なり、厚さ方向の残部が該多孔体と重なっていないことを特徴とする燃料電池用電極。
  2. 前記多孔体は、三次元の網目状に形成された網材である請求項1記載の燃料電池用電極。
  3. 前記多孔体は、前記網材を構成する繊維の密度が前記電解質膜側で高く、前記プレート側で低い請求項2記載の燃料電池用電極。
  4. 前記多孔体には、前記プレート側に吸水性の排水層が全面に形成されている請求項1乃至3のいずれか1項記載の燃料電池用電極。
  5. 前記細孔層は撥水性を有する請求項1乃至4のいずれか1項記載の燃料電池用電極。
  6. 前記細孔層は導電性のフィラーを含む請求項1乃至5のいずれか1項記載の燃料電池用電極。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項記載の燃料電池用電極からなるカソード極と、
    該カソード極の一面側に設けられた前記プレートと、
    該燃料電池用電極からなるアノード極と、
    該アノード極の他面側に設けられた前記プレートと、
    該カソード極の他面側と該アノード極の一面側との間に設けられ、前記触媒層と当接する前記電解質膜とを備えていることを特徴とする燃料電池のセル。
  8. 前記プレートは、前記多孔体側に吸水性の排水層が全面に形成されている請求項7記載の燃料電池のセル。
  9. 請求項7又は8記載のセルを多数電気的に直列に接続してなることを特徴とする燃料電池のスタック。
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